(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】釣り竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/00 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
A01K87/00 630C
A01K87/00 620Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571642
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020018868
(87)【国際公開番号】W WO2020172311
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521365484
【氏名又は名称】チェンバーズ・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHAMBERS TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】チェンバーズ,ジェフリー ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】チェンバーズ,ブラッドリー ティ
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AB02
2B019AB51
2B019AC00
(57)【要約】
形状記憶材料を備えるロッド本体を有する釣り竿
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り竿であって、
ハンドルエンドからチップエンドまで延びるロッド本体を備え、前記ロッド本体の少なくとも一部が、加えられた荷重の除去時に正常な形状に向かって自己復帰するように構成された形状記憶材料を備える、釣り竿。
【請求項2】
前記ロッド本体がシャフトと形状記憶部材とを備える、請求項1に記載の釣り竿。
【請求項3】
前記形状記憶部材が前記シャフトの厚み内に埋め込まれている、請求項2に記載の釣り竿。
【請求項4】
前記形状記憶部材が前記シャフトの表面に取り付けられる、請求項2に記載の釣り竿。
【請求項5】
前記シャフトが前記形状記憶部材に塗布されたコーティングである、請求項2に記載の釣り竿。
【請求項6】
前記形状記憶部材が前記シャフトに固定されたワイヤ編組である、請求項2に記載の釣り竿。
【請求項7】
前記形状記憶部材が前記シャフトのチップ領域上に固定された管状体である、請求項2に記載の釣り竿。
【請求項8】
前記形状記憶部材の長さが前記ロッド本体の作業長さの少なくとも30%である、請求項7に記載の釣り竿。
【請求項9】
前記形状記憶部材が前記ロッド本体の外部に沿って外部に露出している、請求項7に記載の釣り竿。
【請求項10】
前記チップエンドにおける前記ロッド本体の外径が前記形状記憶部材によって規定される、請求項7に記載の釣り竿。
【請求項11】
前記ロッド本体が前記チップエンドまで延びて一様に先細りの形状をしていることを特徴とし、更に、前記形状記憶部材が前記一様な先細りの形状の一部を画定する、請求項7に記載の釣り竿。
【請求項12】
前記形状記憶部材の外部に直接固定された釣り糸ガイドを更に備える、請求項7に記載の釣り竿。
【請求項13】
前記シャフトが長手方向軸を規定し、更に、前記ロッド本体が前記長手方向軸に対して第1の方向に第1の程度の可撓性を示し、かつ前記長手方向軸に対して第2の方向に第2の程度の可撓性を示すように前記形状記憶部材が前記シャフトに対して構成されて配置され、前記第1の方向が前記第2の方向とは反対であり、前記第1の程度の可撓性が前記第2の程度の可撓性よりも大きい、請求項2に記載の釣り竿。
【請求項14】
前記形状記憶材料が形状記憶金属合金を含む、請求項1に記載の釣り竿。
【請求項15】
前記形状記憶金属合金がニッケルチタン合金である、請求項14に記載の釣り竿。
【請求項16】
前記形状記憶材料が形状記憶ポリマーを含む、請求項1に記載の釣り竿。
【請求項17】
前記ロッド本体が非形状記憶材料繊維と形状記憶材料繊維との混合物によって形成される、請求項1に記載の釣り竿。
【請求項18】
前記非形状記憶材料繊維が炭素繊維であり、更に前記形状記憶材料繊維がニッケルチタン合金繊維である、請求項17に記載の釣り竿。
【請求項19】
前記ロッド本体が、シャフトと、管として形成されて前記シャフト上に組み付けられる第1の形状記憶部材と、編組として形成されて前記シャフトに固定される第2の形状記憶部材とを備える、請求項1に記載の釣り竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、釣り竿に関する。より詳細には、高い強度と応答性を備えた釣り竿、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
釣り竿とリールの基本的な構造は、かなりの期間に渡り、スポーツアングラーに知られ、使用されている。スポーツフィッシングがより洗練されたものになるにつれて、様々な状況下で様々な種類の魚を釣るための経験と能力を最適化するために、機器の改造がますます重要になってきた。
【0003】
熱心な釣り人は、軽量で耐久性があり、好みのレベルのアクションや硬さ、可撓性(即ち「応答性」)を示す釣り竿を強く希望する。例えば、キャスティングしてルアーを水中の好きな場所に置くことができる剛性や可撓性、キャッチしたものを水から持ち上げることができる強度や構造的な堅牢性などが挙げられる。「アクション」とは、ロッドのチップに力を加えたときに、ロッドがどれだけ曲がるか、一方へ反るかを表す言葉である。スローアクションのロッドは、同じタイプのファストアクションやモデレートアクションのロッドよりも一方への反りが少ない。ロッドの応答性とは、一般的に、荷重が加えられたときにロッド全体が撓み、荷重を取り除いたり離したりしたときに元の形状や状態に戻る能力のことを指す。
【0004】
釣り竿は、一般的には、釣り糸ガイド(例えば、金属製のリング)を担持するか、または内側の釣り糸ガイド通路を形成する1つまたは複数のロッド本体を含む。ある場合には、単一の長いロッド本体が提供されるが、他の釣り竿デザインでは、2つ以上のロッド本体が提供され、互いに接続されている。ロッド本体は中実または中空であり得る。いずれにしても、単一のロッド本体または連結されたロッド本体は、ハンドルまたはバット(butt)エンド(ここには釣り用リールが取り付けられる)からチップエンドまで延びており、一般的にハンドルエンドからチップエンドまで直径が先細りになっている。1つまたは複数のロッド本体は、通常、ガラス繊維またはカーボン繊維シートなどの強化繊維材料で形成されている。従来のロッド本体構造は、広く受け入れられているが、熟練した釣り人が望む全ての性能特性を満たしていない。
【発明の概要】
【0005】
本開示の発明者らは、上述した問題の1つまたは複数に対処する必要性を認識した。
【0006】
本開示のいくつかの態様は、ロッド本体を含む釣り竿に関する。ロッド本体の構造は、いくつかの実施形態において、形状記憶金属、金属合金、形状記憶ポリマー、またはカーボン繊維、ガラス繊維と、形状記憶属性を有する金属、金属合金、もしくはポリマーとの何らかの組合せなどの形状記憶材料を含む。
【0007】
本開示のいくつかの釣り竿、特にロッド本体では、形状記憶材料は、従来の(例えば、ガラス繊維)釣り竿と同じ性能特性を提供または示すが、より軽量および/または小型の構造を有する(例えば、形状記憶材料を追加することにより、本開示のロッド本体をより小型または軽量にし、従来または既存のロッド本体材料で作られたより大きいまたはより重いロッド本体と同じ性能特性を示すことができる)。したがって、ユーザは、本開示の釣り竿を使用すると、従来の釣り竿に比べて疲労感が少なく、有益なことに、より長時間の釣りをすることができるであろう。
【0008】
代替的または追加的に、本開示の釣り竿、特にロッド本体は、従来の釣り竿と比較して、改善されたまたはより長いキャスティング性能特性を示すことができる。例えば、本開示のロッド本体に組み込まれた形状記憶材料は、加えられた荷重を除去した後に、予め設定されたまたは固定された自然な向きまたは形状に戻るか、またはそれに向かって、本質的に自己作用する。例えば、荷重が加えられていない状態ではロッド本体が自然に直線状の、または直線的な形状になるように構成されている場合、後方へのキャスティング動作中にロッド本体にエネルギーが加わると、形状記憶材料が本質的に、自然の、あるいは通常の形状に自己復帰、またはそれに向かって自己復帰するため、前方へのキャスティング動作で釣り竿のラインに加わる力を倍にすることができる。これらの特徴により、例えば、従来の釣り竿と比較して、フィッシングルアーをより遠くに投げることができる。
【0009】
代替的または追加的に、本開示の釣り竿、特にロッド本体は、いくつかの実施形態において、従来の釣り竿と比較して、より正確なキャスティング特性を示すことができる。例えば、上述したように前方へのキャスティング動作で力を加えることで、ユーザはより少ない力で目的の場所に釣り竿のチップを向けることができ、従来の釣り竿と比較してルアーの投げ方の精度を高めることができる。
【0010】
代替的または追加的に、本開示の釣り竿、特にロッド本体は、いくつかの実施形態において、従来の釣り竿と比較して、釣った魚を回収する能力を高めることができる。例えば、本開示のロッド本体に組み込まれた形状記憶材料は、加えられた荷重を除去した後に、本質的に自己作用して、予め設定されたまたは固定された自然な位置または形状に戻るため、従来の釣り竿と比較して追加のバックフォースを発生させることができる。この追加のバックフォースにより、結果的に、釣った魚を回収するためにユーザが必要とする力が軽減される。
【0011】
代替的または追加的に、本開示の釣り竿、特にロッド本体は、いくつかの実施形態において、従来の釣り竿と比較して、釣った魚が釣り糸から離脱する可能性を減少させることができる。参考までに、釣った魚を巻き上げる際の困難の1つは、魚が水面から飛び出して、ロッドに向かってすばやく揺れ動いたり泳いだりすることがよくあることである。これらの動作により、魚が釣り針にかける力が一時的に解放され、その結果、魚は巻き上げられる前に釣り針から外れる。本開示のロッド本体に組み込まれた形状記憶材料(複数可)は、本質的に自己作用して、予め設定されたまたは固定された自然な位置または形状に戻る、またはそれに向かうので、魚を巻き上げる際に釣り糸に連続した力を加えることで、魚の動きによって魚が釣り針から外れる原因となる可能性を低くすることができる。
【0012】
本開示のいくつかの釣り竿、特にロッド本体は、高感度で応答性が高いものの、折れたり壊れたりしやすい従来のカーボン繊維構造に比べて、格段に優れている。本開示のいくつかの実施形態による金属、金属合金、または他の形状記憶材料を追加することで、小さな管状シャフトや棒状シャフトは応答性と感度を維持しつつ、明らかに壊れにくい、高い耐久性を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の原理による釣り竿の簡略側面図である。
【
図2A】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図2B】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図3A】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図3B】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図4A】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図4B】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図5A】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図5B】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図6】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図7】本開示の原理によるロッド本体の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図8】本開示の原理によるロッド本体の一部の簡略斜視図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図9A】本開示の原理によるロッド本体の簡略側面分解図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図9B】最終的に組み立てられた
図9Aのロッド本体の簡略断面図である。
【
図10A】本開示の原理によるロッド本体の簡略化された側面分解図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図11B】本開示の原理によるロッド本体の一部の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図12】本開示の原理によるロッド本体の一部の簡略断面図であり、
図1の釣り竿に有用である。
【
図13】本開示の原理によるロッド本体の簡略化された長手方向断面図である。
【
図14】本開示の原理による釣り竿の簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示のいくつかの態様は、釣り竿に関する。本開示の原理による釣り竿10の一例を
図1に示す。釣り竿10は、ロッド本体20と、任意に1つまたは複数のガイド22とを含む。ロッド本体20は、ハンドルエンドまたはグリップエンド24からチップエンド26まで延びる。ハンドルエンド24に隣接するハンドル領域またはグリップ領域28は、一般に、当技術分野で知られているようにリール(図示せず)を受け入れるように構成されている。ロッド本体20は、単一の中断のない構成要素として提供され、または別々に形成されてその後組み立てられる2つ(またはそれ以上)のロッド本体部分から構成することができる。それにもかかわらず、ロッド本体20の直径(またはロッド本体20が非円形の断面構造を有する実施形態では、最大横方向寸法)は、ハンドル領域28からチップエンド26に向かって一般的に先細りとなり、ハンドル領域28からチップエンド26までの作動長さLが規定される。釣り糸ガイド22は、ロッド本体20に取り付けられ、ロッド本体20から突出している当該技術分野で既知のタイプ(例えば、金属リング)である。任意の数の釣り糸ガイド22を設けることができる。釣り糸ガイド22は、ロッド本体20に沿って様々な間隔で配置することができ、一般的には、ロッド本体20の1つの「側」で互いに整列している。いくつかの実施形態では、釣り糸ガイド22の位置は、ロッド本体20の「前方」側にある。釣り竿とリールの組立品の一部として設けられる場合、リール(図示せず)はハンドル領域28に取り付けられ、リールに巻かれた釣り糸(図示せず)は釣り糸ガイド22に通される。釣り糸のリーディングエンドは、チップエンド26で釣り糸ガイド22を越えて延び、釣り針やルアー等に固定される。更に他の実施形態では、本開示の釣り竿は、内部釣り糸ガイド形式(例えば、ロッド本体20の少なくとも一部が中空になっており、釣り糸が、ロッド本体20内を通ってチップエンド26まで供給される)とすることができ、これらおよび同様の実施形態では、釣り糸ガイド22を省略することができる。更に、本開示の釣り竿は、特定の最終用途(例えば、スピニングロッド(スピニングリールと一緒に使用される)、キャスティングロッド(キャスティングリールと一緒に使用される)、ベイトキャスティングロッド(ベイトキャスティングリールと一緒に使用される)など)に適した、当技術分野で知られている様々な特徴を組み込むことができる。
【0015】
上記を念頭に置いて、いくつかの実施形態では、ロッド本体20の少なくとも一部は、例えば、形状記憶材料からなる形状記憶部材の形態で、形状記憶材料を含むか、または備える。ロッド本体20に組み込まれた形状記憶部材の様々な実施形態を以下に説明する。より一般的に言えば、形状記憶部材は、作動長さLの少なくとも一部に沿って、任意に作動長さLの全体に沿って延び、任意に外部刺激(例えば、熱)の存在下で、チップエンド26における荷重の印加および除去に伴って、ロッド本体20がより一貫して長手方向の所望の形状または湾曲を維持すること、および復帰することを含めて、ロッド本体20に対する所望のレベルの可撓性および応答性を促進するものである。本開示の形状記憶部材は、加えられた荷重に応答して所定の自然なまたは通常の形状から一方へ反る、または変化し、加えられた荷重が除去されると所定の自然なまたは通常の形状にまたはそれに向かって自己復帰する能力を特徴とする。本開示の形状記憶材料は、チタン、チタン合金、ニッケル-チタン合金(例えば、ニチ(NiTi(商標))またはニチノール(Nitinol(商標)))、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、鋼、クロム、クロム合金、コバルト、コバルト合金、白金、白金合金、銅-亜鉛-アルミニウム合金、銅-アルミニウム-ニッケル合金、鉄-マンガン-ケイ素合金などの形状記憶金属または金属合金を含むことができる。本開示の他の形状記憶材料は、形状記憶ポリマー(例えば、ポリウレタンなどの直鎖ブロックコポリマー)を含むことができる。本開示の形状記憶部材は、単一の構造構成要素として提供することができ、または薄い形状記憶部材(金属、金属合金、または薄型形状記憶ポリマー)を含む繊維強化ポリマー複合材、カーボン繊維またはガラス繊維などの繊維材料に埋め込まれた形状記憶合金などの複合構造体に組み込むことができる。更に他の実施形態では、形状記憶材料を他の材料と組み合わせて、ロッド本体20またはその一部を形成することができる(例えば、ロッド本体20またはそのセグメントは、従来のロッド本体繊維材料(例えば、カーボン繊維)と形状記憶材料繊維(例えば、ニチノール繊維)との混合物として形成することができる)。以下の説明において、「形状記憶部材」への言及は、上述した形状記憶材料を組み込む、または含む任意の構造を含む。本開示の他の実施形態では、「形状記憶部材」は、従来「形状記憶材料」と呼ばれていた材料を含む必要はなく、代わりに鋼(例えば、ばね鋼)またはチタンなどの金属である。例えば、いくつかの実施形態では、「形状記憶部材」は、金属、またはカーボン繊維もしくはガラス繊維と金属との組合せである。
【0016】
本開示の原理によるロッド本体20aの一実施形態の一部が、
図2Aの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20aは、シャフト40と形状記憶部材42とを有する。シャフト40は、図示のように管状体とすることができるが、他の実施形態では、シャフト40は中実である。シャフト40は、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などの従来のロッド本体と同様の構造を有することができる。形状記憶部材42は、棒状の形状を有することができ、シャフト40の厚み内に埋め込まれる。形状記憶部材42は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿って延在することができる。
【0017】
本開示の原理によるロッド本体20bの別の実施形態の一部が、
図2Bの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20bは、上述したように、シャフト40と形状記憶部材42とを備える(例えば、形状記憶部材42は、棒状の形状を有することができる)。
図2Bの実施形態では、形状記憶部材42は、シャフト40の内面に固定(例えば、接着、接合、成形など)される。形状記憶部材42は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿って延在することができる。
【0018】
本開示の原理によるロッド本体20cの別の実施形態の一部が、
図3Aの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20cは、上述したように、シャフト40と複数の形状記憶部材42とを有する(例えば、形状記憶部材42は、棒状の形状を有することができる)。
図3Aの実施形態では、複数の形状記憶部材42の各々は、シャフト40の厚み内に埋め込まれている。形状記憶部材42は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿ってそれぞれ延在することができ、形状記憶部材42のうちの1つまたは複数は、異なる長さを有することができる。形状記憶部材42のうちの4つが示されているが、より多いまたはより少ない任意の他の数も許容される。形状記憶部材42は、互いに(シャフト40の円周の周りに)等距離に配置されているように示されているが、他の実施形態では、形状記憶部材42は、互いに不均一に配置される。
【0019】
本開示の原理によるロッド本体20dの別の実施形態の一部が、
図3Bの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20dは、上述したように、シャフト40と複数の形状記憶部材42とを有する(例えば、形状記憶部材42は、棒状の形状を有することができる)。
図3Bの実施形態では、複数の形状記憶部材42の各々は、シャフト40の内面に固定(例えば、接着、接合、成形など)される。形状記憶部材42は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿ってそれぞれ延在することができ、形状記憶部材42のうちの1つまたは複数は、異なる長さを有することができる。形状記憶部材42のうちの4つが示されているが、より多いまたはより少ない任意の他の数も許容される。形状記憶部材42は、互いに(シャフト40の円周の周りに)等距離に配置されているように示されているが、他の実施形態では、形状記憶部材42は、互いに不均一に配置される。
【0020】
本開示の原理によるロッド本体20eの別の実施形態の一部が、
図4Aの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20eは、上述したように、シャフト40と形状記憶部材44とを有する。形状記憶部材44は、帯状(例えば、断面が非円形)を有することができ、シャフト40の厚み内に埋め込まれる。形状記憶部材44は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿って延び得る。
【0021】
本開示の原理によるロッド本体20fの別の実施形態の一部が、
図4Bの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20fは、上述したように、シャフト40と形状記憶部材44とを備える(例えば、形状記憶部材44は、帯状の形状を有することができる)。
図4Bの実施形態では、形状記憶部材44は、シャフト40の内面に固定(例えば、接着、接合、成形など)される。形状記憶部材44は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿って延び得る。
【0022】
本開示の原理によるロッド本体20gの別の実施形態の一部が、
図5Aの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20gは、上述したように、シャフト40と複数の形状記憶部材44とを有する(例えば、形状記憶部材44は、帯状の形状を有することができる)。
図5Aの実施形態では、複数の形状記憶部材44の各々は、シャフト40の厚み内に埋め込まれている。形状記憶部材44は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿ってそれぞれ延在することができ、形状記憶部材44のうちの1つまたは複数は、異なる長さを有することができる。形状記憶部材44のうちの4つが示されているが、より多いまたはより少ない任意の他の数も許容される。形状記憶部材44は、互いに等距離に(シャフト40の円周の周りに)配置されているように示されているが、他の実施形態では、形状記憶部材44は、互いに不均一に配置される。
【0023】
本開示の原理によるロッド本体20hの別の実施形態の一部が、
図5Bの(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20hは、上述したように、シャフト40と複数の形状記憶部材44とを有する(例えば、形状記憶部材44は、帯状の形状を有することができる)。
図5Bの実施形態では、複数の形状記憶部材44の各々は、シャフト40の内面に固定(例えば、接着、接合、成形など)される。形状記憶部材44は、作動長さL(
図1)の一部または全部に沿ってそれぞれ延在することができ、形状記憶部材44のうちの1つまたは複数は、異なる長さを有することができる。形状記憶部材44のうちの4つが示されているが、より多いまたはより少ない任意の他の数も許容される。形状記憶部材44は、互いに等距離に(シャフト40の円周の周りに)配置されているように示されているが、他の実施形態では、形状記憶部材44は、互いに不均一に配置される。
【0024】
本開示の原理によるロッド本体20iの別の実施形態の一部が、
図6の(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20iは、形状記憶部材50と内側コーティング52と外側コーティング54とを有する。形状記憶部材50は、編組またはコイル状の形状記憶材料(例えば、編組またはコイル状ニチノール(商標))とすることができ、必要に応じて管状に形成される。内側コーティング52および外側コーティング54は、形状記憶部材50に適用され、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などとすることができる。コーティング52、54は、形状記憶部材50を保護する役割を果たし、形状記憶部材50を管状の様式で保持する役割を果たす。関連する実施形態では、ロッド本体20iの壁は、編組形状記憶材料、またはウレタンなどの別の材料内に埋め込まれた編組形状記憶材料で作られる。代替的に、内側コーティング52および/または外側コーティング54の一方または両方を使用せずに、編組だけで壁を作ることもできる。更に他の実施形態では、ロッド本体20iは、電気めっきまたは溶接編組メッシュによって形成され、例えば、細長いテーパ形状に固定される。更に他の実施形態では、ロッド本体20iは、(例えば、管状ではない)横断面においてより堅固な構造を有することができ、形状記憶部材50は、外側コーティング54によって覆われていても、いなくてもよい編組またはコイル状の形状記憶材料である。
【0025】
本開示の原理によるロッド本体20jの別の実施形態の一部が、
図7の(
図1のA-A線に沿った)断面に示されている。ロッド本体20jは、形状記憶部材60とコーティング62とを有する。形状記憶部材60は、ロッド本体20jのコアとして機能し、作動長さL(
図1)の一部または全体に沿って延在する形状記憶材料の中実体とすることができる。形状記憶部材60は、
図7に反映されるように、ほぼ円筒形状を有することができる。コーティング62は、形状記憶部材60の外部に適用され、形状記憶部材60を保護する役割を果たすカーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などであり得る。いくつかの実施形態では、コーティング62の厚さは、チップエンド26の方向(
図1)に先細りにすることができる。例えば、形状記憶部材60は、一定または均一な直径を有することができ、従来の釣り竿の先細りの形状を模倣するために、コーティング62の厚さは先細りになっている。
【0026】
本開示の原理によるロッド本体20kの別の実施形態の一部が
図8に示されている。ロッド本体20kは、シャフト70と形状記憶部材72(一般的に参照される)とを含む。シャフト70は、管状体とすることができ、他の実施形態では、シャフト70は中実である。シャフト70は、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などの従来のロッド本体と同様の構造を有することができる。形状記憶部材72は、シャフト70の周りに包まれるかまたは巻かれるワイヤまたは編組(例えば、ニチノール(商標)ワイヤまたは編組)の形態の形状記憶材料とすることができる。形状記憶部材72は、使用される材料に関連する様々な方法(例えば、溶接、接着、接合、機械的取付けなど)でシャフト70に取り付けることができる。形状記憶部材72は、シャフト70の全長に沿って(例えば、作動長さL(
図1)の全長に沿って延在する)適用することができ、またはシャフト70の1つ以上の選択された部分に適用することができる。形状記憶部材72は、シャフト70の外部に適用されているものとして示されているが、他の実施形態では、形状記憶部材72は、シャフト70の内部に沿って、または内部に配置することができる。
【0027】
本開示の原理によるロッド本体20lの別の実施形態の一部が、
図9Aに分解されて示されている。ロッド本体20lは、シャフト80と、形状記憶部材82とを有する。シャフト80は、図示のように先細りの形状を有する管状体である(例えば、チップエンド26の方向に先細りになる(
図1))。シャフト80は、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などの従来のロッド本体と同様の構造を有することができる。形状記憶部材82は、形状記憶材料のシートまたはフィルム(例えば、ニチノール(商標)シートまたはニチノール(商標)フィルム)であり、シャフト80の中央の通り道に挿入するために、それ自体に巻かれるか、または包まれている。最終的に組み立てられると、
図9Bに示すように、巻かれた形状記憶部材82は、シャフト80内に配置される。形状記憶部材82は、作動長さL(
図1)の一部または全体に沿って延在することができる。形状記憶部材82は、使用される材料に応じて様々な方法(例えば、接着、接合、溶接、機械的取付け、摩擦接続など)でシャフト80に固定することができる。
【0028】
本開示の原理によるロッド本体20mの別の実施形態の一部が、
図10Aに分解されて示されている。ロッド本体20mは、シャフト90と形状記憶部材92とを有する。シャフト90は、中実または管状とすることができ、図示のように先細りの形状を有することができる(例えば、チップ領域94の方向に先細りになる)。シャフト90は、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などの従来のロッド本体と同様の構造を有することができる。形状記憶部材92は、シャフト90の少なくともチップ領域94上に取り付けるためのサイズおよび形状にされた形状記憶材料または他の金属の管状体である。最終的に組み立てられると、
図10Bに示すように、形状記憶部材92はシャフト90の上に配置される。形状記憶部材92は、チップ領域94の少なくとも一部に沿って延在することができ、他の実施形態では、形状記憶部材92は、チップ領域94を越えて、任意に作動長さLの全体に沿って(
図1)延在することができる。いくつかの実施形態では、形状記憶部材92は、作動長さLの25%を超える長さを有することができ、例えば、形状記憶部材92は、作動長さLの少なくとも30%、代替的に作動長さLの少なくとも40%、代替的に作動長さLの30~100%の範囲の長さを有することができる。驚くべきことに、形状記憶部材92を作動長さLの25%を超える長さを有するように形成することによって、本開示が暗示する性能特性が向上することが分かった。形状記憶部材92は、一般に、完全で均一な管(例えば、360度にわたって均一な厚さを有する連続した側壁)であるように示されているが、他の実施形態では、形状記憶部材92は、不完全または不均一な管(例えば、形状記憶部材92は、不均一な壁厚を有する管であり得る、形状記憶部材92の管状の一部を除去できるなど)であり得る。形状記憶部材92は、使用される材料に応じて様々な方法(例えば、接着、接合、溶接、機械的取付け、摩擦接続など)でシャフト90に固定することができる。
【0029】
形状記憶部材92は、先細りの形状を有していてもよいし、直円柱の様な形状でもよい。
図11Aに示すように、シャフト90および形状記憶部材92は、最終的に組み立てられると、形状記憶部材92の全体がシャフト90の表面または構造に入れ子になるか、または接触するように構成することができる。
図11Bは、シャフト100に組み立てられた形状記憶部材92の代替的な実施形態を示す。シャフト100は、上述した構造のいずれか(例えば、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などの従来のロッド本体と同様である)を有することができ、シャフトエンド102で終端する。シャフトエンド102に近接したシャフト100の収容領域104は、形状記憶部材92の内径に見合った縮小された外径を有する。最終的に組み立てられると、形状記憶部材92は収容領域104の上に取り付けられ、形状記憶部材92の一部はシャフトエンド102を越えて延在する。したがって、これらおよび他の任意の構造では、形状記憶部材92の少なくとも一部は、シャフト100と直接接触していないか、またはシャフトによって直接支持されていない。いくつかの関連する実施形態では、形状記憶部材92の外径は、収容領域104のすぐ近位のシャフト100の外径と同等であり得る。
【0030】
関連する実施形態のロッド本体20nの一部が
図12に示されており、シャフト110および形状記憶部材組立体112を含む。シャフト110は、中実または管状とすることができ、シャフトエンド114の方向に先細りの形状を有することができる。シャフト110は、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などの従来のロッド本体と同様の構造を有することができる。形状記憶部材組立体112は、形状記憶部材116a、116b、116cなどの2つ以上の形状記憶部材を含むことができる。第1の形状記憶部材116aは、上述したようにシャフトエンド114に組み付けられ、残りの形状記憶部材116b、116cは、(
図12に矢印で示すように)伸縮自在に互いに接続している。これらおよび関連する構造では、ユーザが形状記憶部材116a~116cを互いに相対的に操作することによって、ロッド本体20nの全長および/または応答性を選択することができる。
【0031】
図10A~
図12の実施形態では、ロッド本体20m、20nは、細い内側カーボン繊維シャフト上のチップであるか、またはそれを含むことができる。チップは、ニチノール製チップ、金属製チップ、カーボン繊維入りニチノール製チップ、またはカーボン繊維入り金属製チップであり得る。チップおよび/またはシャフトは、先細りの形状を有することができ、または伸縮設計を有することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示のロッド本体は、その対向する側に沿って、異なる可撓性または剛性の特性を示すように構成される。例えば、ロッド本体20a(
図2A)、20b(
図2B)、20e(
図4A)、20f(
図4B)は、対応する形状記憶部材44が配置されているその「側」に沿って、可撓性の低下(または剛性の向上)を示すことができる。これらの同じ線に沿って、本開示の原理による別のロッド本体20oの部分が
図13に示されている。ロッド本体20oは、シャフト120と形状記憶部材122とを有する。シャフト120は、図示のように先細りの形状を有する管状体または中実体である(例えば、チップエンド124の方向に先細りになる)。シャフト120は、カーボン繊維材料、ガラス繊維材料、ウレタン材料などの従来のロッド本体と同様の構造を有することができる。形状記憶部材122は、本開示の形状記憶材料のいずれかから構成することができ、様々な方法(例えば、シャフト120の厚み内に埋め込まれ、シャフト120の表面に接着または接合または溶接されるなど)でシャフト120に固定することができる。126に示すように、ロッド本体20oのセグメント126は、形状記憶部材122がないことを特徴とするが、他の実施形態では、形状記憶部材122の他の部分(またはその全体)と比較して異なる剛性特性を有する形状記憶部材または材料によって、セグメント126を規定することができる。いずれにしても、シャフト120(または全体としてロッド本体20o)の細長い形状が、長手方向軸Aを規定する。セグメント126は、長手方向軸Aの第1の「側」130に位置している。長手方向軸Aに垂直であり、セグメント126を通過する断面に対して、形状記憶部材122は、長手方向軸の対向する第2の「側」132に存在する。この構造および同様の構造では、形状記憶部材122は、ロッド本体20oが長手方向軸Aに対して第1の側130の方向に第1の程度の可撓性を示し、長手方向軸Aに対して第2の側132の方向に第2の程度の可撓性を示すように、シャフト120に対して構成され配置される。第1の方向は第2の方向と反対であり、第1の可撓性の程度は第2の可撓性の程度よりも大きい。
【0033】
参考までに、一部の釣り人は、通常のキャスティング動作の状況下で、ある特定の釣り竿性能属性を望む場合がある。キャスティング動作は、一般に、最初に後方への動作を行うものと見なされ、この動作では、ユーザがハンドル領域140にトルクまたはモーメント力を加えて、チップエンド124を後方に、ユーザの身体に向かう方向に、次いでユーザの身体の後ろに移動させる。後方への動作が終わると、次いで、ユーザがハンドル領域140に逆方向のトルクまたはモーメント力を加え、チップエンド124をユーザの身体の前方(前)に向かって移動させる前方への動作が行われる。前方への動作の一環として、リール(図示せず)を操作して釣り糸を放出することで、釣り針、ルアー、餌などをチップエンド124(したがって、ユーザ)から前方に飛ばすまたはキャスティングする。このキャスティング動作に関連して、ハンドル領域140とリールを把持しているときのユーザの手の向きが、側130、132のどちらが主に後方へのキャスティング動作および前方へのキャスティング動作に影響を与えるかを効果的に明確化し、ユーザの手の向きは、リール(図示せず)、したがって釣り糸ガイド22(設けられている場合)の位置および配置によって決定される。例えば、ロッド本体20oがスピニング式リールと一緒に使用される場合、釣り竿がユーザによって通常の前を向いた釣り姿勢で自然に保持されるため、リール(および釣り糸ガイド22)は下方に向いていることになる。言い換えれば、第1の側130は第2の側132の「下方」にある。このように構成された釣り竿とリールの組立品を用いてキャスティングを行う場合、ロッド本体20oは、後方への動作のときに、強制的に第2の側132の方向に湾曲した形状になる(即ち、後方へのキャスティング動作が終わると、第2の側132が凹状曲線を規定し、第1の側130が凸状の曲線を規定する)。その後の前方へのキャスティング動作により、逆の湾曲形状が生成される(即ち、前方へのキャスティング動作が終わると、第2の側132が凸状の曲線を規定し、第1の側130が凹状の曲線を規定する)。可撓性が増したセグメント126を第1の側130に形成または配置することで、ロッド本体20oは、前方へのキャスティング動作と比較して後方へのキャスティング動作ではより容易に撓むことができる。反対の性能属性を望む場合には、代わりに、(ここでも、ロッド本体20oが第1の側130に配置されたスピニング式リールと一緒に使用される状況下で)可撓性を増した(または剛性を低くした)セグメント126をロッド本体20oの第2の側132に形成することができる。上記の説明は、他の釣り竿およびリールの配置の観点から、逆にできることが理解されよう。例えば、ロッド本体20oがキャスティング式リールと一緒に使用される場合、釣り竿は、ユーザによって通常の前を向いた釣り姿勢で自然に保持されるため、リール(および釣り糸ガイド22)は上方に向いていることになる。言い換えれば、第1の側130は第2の側132の「上方」にある。
【0034】
他の関連する実施形態では、本開示の釣り竿は、ロッド本体が一方向に曲がるのを防止または制限するロックの特徴または機構を含むことができる。例えば、フライフィッシングする人は、後方へのキャスティング動作の際には、ロッド本体がかなり撓むまたは湾曲することを望むことが多いが、その後の前方へのキャスティング動作の際には、ロッド本体の撓みまたは湾曲が最小限であることを好む。上述したいずれのロッド本体も、この所望の性能特性を促進するために、対応する形状記憶部材を形成および/または配置することができる。代替的に、または追加的に、後方へのキャスティング動作またはその方向への撓みまたは湾曲を可能にし、前方へのキャスティング動作またはその方向への撓みまたは湾曲を制限するロック式機構をロッド本体が担持またはロッド本体に組み付けることができる。例えば、後方へのキャスティング動作中に凹状の曲面を形成するロッド本体の側に、2つの相補的な締め具材料のストリップ(例えば、ケーブルタイやジップタイのストリップのようなもの)を適用することができ、後方へのキャスティング動作中にストリップが容易に互いに摺動しあうが、ロッド本体が直線状になると(例えば、前方へのキャスティング動作の「トップ」で)ロックされるように配置することができる。
【0035】
本開示のロックの特徴または機構は、例えば
図14の釣り竿150で示されるような他の構成を想定することができる。釣り竿150は、ロッド本体152と任意の釣り糸ガイド22とロック機構154とを備えている。ロッド本体152は、本開示の他の箇所に記載された任意の形態をとることができ(例えば、上述したような形状記憶部材を含むことができる)、
図14によって反映された形態に限定されない。ロック機構154は、所望の「側」(例えば、釣り竿150が(スピニング式リール(図示せず)付きの)スピニングロッドとして使用される釣り糸ガイド22とは反対側(図示せず))でロッド本体152に取り付けられ、先行部材160と後続部材162とを含むことができる。先行部材160は、チップエンド164付近でロッド本体152に取り付けられており、その取付け箇所からロック本体166まで延びている。後続部材162は、先行部材160の反対側のロッド本体152に取り付けられ、受け体168を担持または形成する。先行部材160は、受け体168の通路を通って延び、ロック本体166の形状またはサイズは、受け体168の通路の形状またはサイズよりも大きい。この構造により、先行部材160/ロック本体166は、後続部材162/受け体168に対して、第1の方向(例えば、
図14の向きに対して下方向)に自由に摺動可能である。逆方向では、ロック本体166を受け体168に当接させてそれ以上の移動が阻止される。
【0036】
使用中、釣り竿150が、チップエンド164でロッド本体152を
図15Aに示す方向に撓ませる力を受けるとき(例えば、後方へのキャスティング動作)、ロック機構154により、ロック本体166が受け体168から離れる方向に摺動することで、所望の撓みが可能になる。続いて、釣り竿150が、チップエンド164でロッド本体152を逆方向に撓ませようとする力を受けるとき(例えば、前方へのキャスティング動作)、ロック機構154によりロッド本体152の過剰な一方への反りが阻止される。より具体的には、
図15Bに示すように、ロッド本体152が、
図15Bの矢印で反映されたチップエンド164で加えられた力で、
図15Aの後方キャストの撓み形状から復帰すると、ロック本体166は、受け体168に当接するように摺動し、ロッド本体152が図示の配置を超えて撓むまたは一方へ反るのを防止する。いくつかの実施形態では、ロック機構154は、前方へのキャスティング動作の間、ロッド本体152をほぼ直線的な配置に「保持」するように構成されている。
【0037】
本開示を好ましい実施形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態や細部に変更を加えることができることを認識するであろう。例えば、上述したロッド本体の特徴のうちの2つ以上は、1つのロッド本体に組み合わせることができる。非限定的な例として、本開示のロッド本体は、シャフトのチップ領域上に組み立てられた形状記憶部材管(例えば、
図10A~
図11Bの特徴)と、シャフトの外部または内部に固定された形状記憶部材編組(例えば、
図6~
図8の特徴)との組合せを含むことができ、2つ(またはそれ以上)の形状記憶部材を、シャフトの異なる領域に設けたり、同じ領域に設けたりすることができる。
【国際調査報告】