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特表2022-520955ハニカム体を施栓する方法およびそのマスク層
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(54)【発明の名称】ハニカム体を施栓する方法およびそのマスク層
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/20 20060101AFI20220328BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20220328BHJP
   C04B 41/85 20060101ALI20220328BHJP
   C04B 41/87 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
B01D39/20 D
B01D39/20 B
B01D39/20 A
B01D46/00 302
C04B41/85
C04B41/87
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547424
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(85)【翻訳文提出日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 US2020015164
(87)【国際公開番号】W WO2020167452
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/805,422
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】エアーズ,レイモンド ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】バブ,キース ノーマン
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,マイケル ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】テペシュ,パトリック デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウェブ,マイケル ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,チン
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン,チォン-ガン
【テーマコード(参考)】
4D019
4D058
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA02
4D019BA04
4D019BA05
4D019BB06
4D019CA01
4D019CB04
4D019CB06
4D019CB07
4D058JA37
4D058JB03
4D058JB05
4D058JB06
4D058SA08
(57)【要約】
フィルタを施栓する方法において、複数の交差壁を含むフィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、その交差壁が、交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程;その通路に近接してマスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、その孔が、マスク層が通路の中心に広がるフラップを画成するように、通路の周囲の一部に延在する工程;そのマスク層中の孔を通じて施栓混合物を通路に通す工程;および施栓混合物を焼結して、通路内に栓を形成する工程を有してなる方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを施栓する方法において、
複数の交差壁を含む前記フィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、該交差壁が、該交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程、
前記通路に近接して前記マスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、該孔が、該マスク層が該通路の中心に広がるフラップを画成するように、該交差壁の内の2つ以上に沿って延在する工程、および
前記マスク層中の孔を通じて施栓混合物を前記通路に通す工程、
を有してなり、
前記交差壁の内の前記2つ以上が2つの交差壁であり、前記孔が、該2つの交差壁の各々に沿って実質的に等しい長さだけ延在する、方法。
【請求項2】
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された2つ以上の角に亘り延在しない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記交差壁の内の前記2つ以上が2つの交差壁であり、前記孔が、該2つの交差壁の各々に沿って異なる長さだけ延在する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
フィルタを施栓する方法において、
複数の交差壁を含む前記フィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、該交差壁が、該交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程、
前記通路に近接して前記マスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、該孔が、該マスク層が該通路に広がるフラップを画成するように、該交差壁の内の3つに近接して延在する工程、および
前記マスク層中の前記孔を通じて施栓混合物を前記通路に通す工程、
を有してなり、
前記交差壁の内の前記3つは互いに隣接しており、
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された2つ以上の角に亘り延在しない、方法。
【請求項5】
前記施栓混合物が、約800℃から約1500℃の温度で焼結される、請求項4記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その内容がここに全て引用される、2019年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/805422号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広く、フィルタとして使用されるハニカム体に関し、より詳しくは、マスク層を使用してハニカム体に施栓する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ディーゼル微粒子除去装置などの固体微粒子フィルタ体は、2つの互いに反対の端面に亘り、それらの間に延在し、フィルタ体の端面の間に延在する多数の隣接した中空通路を形成する、交差する薄い多孔質壁のマトリクスにより形成されることがある。これらのフィルタを製造するために、施栓前駆体が通る開口をマスクに作製するために、レーザが使用されることがある。マスクにおける公知の開口は、その中空通路の形状に対応して、円形または正方形を有することがあり、結果として、中空通路内に施栓前駆体が不均一に配置されてしまうことがある。
【発明の概要】
【0004】
フィルタを施栓する方法において、複数の交差壁を含むフィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、その交差壁が、交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程;その通路に近接してマスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、その孔が、マスク層が通路の中心に広がるフラップを画成するように、通路の周囲の一部に延在する工程;そのマスク層中の孔を通じて施栓混合物を通路に通す工程;および施栓混合物を強化して、通路内に栓を形成する工程を有してなる方法。
【0005】
フィルタを施栓する方法において、複数の交差壁を含むフィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、その交差壁が、交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程;その通路に近接してマスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、その孔が、マスク層が通路の中心に広がるフラップを画成するように、交差壁の内の2つ以上に沿って延在する工程;そのマスク層中の孔を通じて施栓混合物を通路に通す工程;および施栓混合物を強化して、通路内に栓を形成する工程を有してなる方法も、ここに開示されている。
【0006】
フィルタを施栓する方法において、複数の交差壁を含むフィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、その交差壁が、交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程;その通路に近接してマスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、その孔が、マスク層が通路に広がるフラップを画成するように、交差壁の内の3つに近接して延在する工程;そのマスク層中の孔を通じて施栓混合物を通路に通す工程;および施栓混合物を強化して、通路内に栓を形成する工程を有してなる方法も、ここに開示されている。その交差壁の内の3つは、互いに隣接している。
【0007】
ここに開示されたこれらと他の特徴、利点、および目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付図面を参照することによって、当業者によりさらに理解され、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下は、添付図面における図面に説明である。図面は、必ずしも、一定の縮尺で描かれておらず、図面の特定の特徴および特定の視野は、明瞭さおよび簡潔さのために、縮尺でまたは図式で誇張されて示されることがある。
図1】少なくとも1つの例による、フィルタの斜視図
図2】少なくとも1つの例による、複数の栓を含むフィルタの斜視図
図3】少なくとも1つの例による、図2の線IIIでとられた断面図
図4】少なくとも1つの例による、マスク層を含むフィルタの斜視図
図5A】少なくとも1つの例による、図4の区域VAでとられた拡大図
図5B】少なくとも1つの例による、図4の区域VBでとられた拡大図
図5C】少なくとも1つの例による、図4の区域VCでとられた拡大図
図5D】少なくとも1つの例による、図4の区域VDでとられた拡大図
図5E】少なくとも1つの例による、図4の区域VEでとられた拡大図
図5F】少なくとも1つの例による、図4の区域VFでとられた拡大図
図5G】少なくとも1つの例による、図4の区域VGでとられた拡大図
図6】少なくとも1つの例による、方法の流れ図
図7A】第1の比較例の画像
図7B】第2の比較例の画像
図7C】第3の比較例の画像
図7D】第4の比較例の画像
図8A】第1の実施例の画像
図8B】第2の実施例の画像
図8C】第3の実施例の画像
図8D】第Fの実施例の画像
図9】様々な例に関するレーザ燃焼時間の棒グラフ
図10】第1の実施例を使用して形成された閉鎖物の画像および閉鎖物の形成に使用した高分子マスクの画像
図11A】第4の比較例を使用して達成された閉鎖物品質の画像
図11B】第1の実施例を使用して達成された閉鎖物品質の画像
図12A】第1の実施例を使用して形成された閉鎖物の最大達成可能深さ(MAD)の画像
図12B】第4の比較例を使用して形成された閉鎖物のMADの画像
図13A】第1の実施例のバリエーションに基づく閉鎖物深さの画像
図13B】第1の実施例のバリエーションに基づく閉鎖物深さの画像
図13C】第1の実施例のバリエーションに基づく閉鎖物深さの画像
図13D】第1の実施例のバリエーションに基づく閉鎖物深さの画像
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、その説明から当業者に明白となる、または特許請求の範囲および添付図面と共に、以下の説明に記載されたように本発明を実施することによって、認識されるであろう。
【0010】
ここに用いられているように、「および/または」という用語は、2つ以上の項目のリストに使用されている場合、列挙された項目のいずれか1つをそれ自体で用いても、列挙された項目の2つ以上のいずれの組合せを用いても差し支えないことを意味する。例えば、組成物が、成分A、B、および/またはCを含有していると記載されている場合、その組成物は、Aのみ;Bのみ;Cのみ;AとBを組合せで;AとCを組合せで;BとCを組合せで;またはA、B、およびCを組合せで含有し得る。
【0011】
この文書において、第1と第2、上部と底部などの関係語は、ある実体または作用を、別の実体または作用から、そのような実体または作用の間のどのような実際のそのような関係または順序も必ずしも必要とせずに、または暗示せずに、区別するためだけに使用される。
【0012】
本開示の改変が、当業者および本開示を行うまたは使用するものに想起されるであろう。したがって、図面に示され、先に記載された実施の形態は、説明目的にすぎず、本開示の範囲を限定する意図はなく、その範囲は、均等論を含む特許法の原則にしたがって解釈されるような、以下の特許請求の範囲によって定義されることが理解されよう。
【0013】
記載された開示の構造物、および他の構成部材は、どの特定の材料にも限定されないことが、当業者により理解されるであろう。ここに開示された開示の他の例示の実施の形態は、特に明記のない限り、幅広い材料から形成されることがある。
【0014】
本開示の目的に関して、「連結された」(その形態の全てで:連結する、連結、連結されたなど)という用語は、広く、(電気的または機械的に)直接的または間接的に互いへの2つの構成部材の結合を意味する。そのような結合は、事実上静止していても、事実上可動性であってもよい。そのような結合は、2つの構成部材(電気的または機械的)および互いに1つの単一体として一体成形された中間部材により、またはその2つの構成部材により、達成されることがある。そのような結合は、特に明記のない限り、事実上永久的であっても、もしくは事実上取り外し可能または解放可能であってもよい。
【0015】
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要はないが、必要に応じて、許容差、変換係数、丸め、測定誤差など、並びに当業者に公知の他の要因を反映して、近似および/またはそれより大きいか小さいことがあることを意味する。範囲の値または端点を記載する上で「約」という用語が使用される場合、その開示は、言及されている特定の値または端点を含むと理解すべきである。明細書における範囲の数値または端点に「約」が付いていようとなかろうと、範囲の数値または端点は、2つの実施の形態:「約」により修飾されているもの、および「約」により修飾されていないものを含む意図がある。範囲の各々の端点は、他の端点に関してと、他の端点と関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0016】
例示の実施の形態に示されるような、本開示の要素の構造および配置は、例示に過ぎない。本革新のいくつかの実施の形態しか、本開示に詳しく記載されていないが、本開示を精査する当業者には、列挙された主題の新規の教示および利点から実質的に逸脱せずに、多くの改変(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、向きなどにおける変化)が可能であることが容易に認識されよう。例えば、一体成形されたと示された要素が多数の部品から構成されても、多数の部品として示された要素が一体成形されても、界面の操作が逆または他に変えられても、構造の長さまたは幅、および/またはシステムの部材、またはコネクタ、または他の要素が変えられても、要素間に設けられた調節位置の性質または数が変えられてもよい。システムの要素および/またはアセンブリが、多種多様な色、テクスチャ、および組合せのいずれで、十分な強度または耐久性を提供する多種多様な材料のいずれから構成されてもよいことも留意すべきである。したがって、そのような改変の全ては、この革新の範囲内に含まれるべきであることが意図されている。この革新の精神から逸脱せずに、所望の実施の形態および他の例示の実施の形態の設計、作動条件、および配置に、他の置換、改変、変更、および省略を行ってもよい。
【0017】
図1および2は、第1の端部18および第2の端部22を有するハニカム体14を含むフィルタ10を示す。ハニカム体14は、第1の端部18から第2の端部22まで延在する複数の通路26を形成する交差壁38を含む。様々な例によれば、フィルタ10は、いくつかの実施の形態において、ハニカム体14の第1と第2の端部18、22で、通路26の少なくともいくつかの中に位置付けられた複数の栓30を含む。
【0018】
ここで図1を参照すると、ハニカム体14は、交差セル壁38のマトリクスを含む。様々な例によれば、壁38は、薄く多孔質であり、第1と第2の端部18、22に亘り、それらの間に延在して、多数の隣接通路26を形成することがある。通路26は、ハニカム体14の第1と第2の端部18、22の間に延在し、それらの端部で開いている。様々な例によれば、通路26は互いに平行である。ハニカム体14は、約10通路/平方インチ(約6.45cm)から約900通路/平方インチ、または約20通路/平方インチから約800通路/平方インチ、または約30通路/平方インチから約700通路/平方インチ、または約40通路/平方インチから約600通路/平方インチ、または約50通路/平方インチから約500通路/平方インチ、または約60通路/平方インチから約400通路/平方インチ、または約70通路/平方インチから約300通路/平方インチ、または約80通路/平方インチから約200通路/平方インチ、または約90通路/平方インチから約100通路/平方インチ、または約100通路/平方インチから約200通路/平方インチ、もしくはそれらの間の任意と全ての値および範囲の横断面通路密度を有することがある。壁38は、約1ミル(約0.0254mm)から約15ミル(約0.381mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約14ミル(約0.356mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約13ミル(約0.330mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約12ミル(約0.305mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約11ミル(約0.279mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約10ミル(約0.254mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約9ミル(約0.229mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約8ミル(約0.203mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約7ミル(約0.178mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約6ミル(約0.152mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約5ミル(約0.127mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約4ミル(約0.102mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約3ミル(約0.0762mm)、または約1ミル(約0.0254mm)から約2ミル(約0.0508mm)、もしくはそれらの間の任意と全ての値および範囲のミル(すなわち、インチの1000分の1)で表された厚さを有することがある。通路26は、略正方形の断面形状で示されているが、通路26は、ここに与えられた教示から逸脱せずに、円形、三角形、長方形、六角形またはより高次の多角形の断面形状を有してもよいことが理解されよう。
【0019】
ハニカム体14は、セラミック、ガラスセラミック、ガラス、金属を含む様々な材料から、選択された材料に応じた様々な方法によって、形成されることがある。様々な例によれば、ハニカム体14に転換される未焼成体は、最初に、焼成後に多孔質材料を生成する物質の粒子の塑性的に成形可能な混合物から製造されることがある。ハニカム体14に成形される未焼成体に適した材料は、金属、セラミック、ガラスセラミック、および他のセラミック系混合物から作られる。いくつかの実施の形態において、ハニカム体14は、以下の材料または相の1つ以上からなる:コージエライト(例えば、2MgO・2Al・5SiO)、チタン酸アルミニウム、二チタン酸マグネシウム、炭化ケイ素、チタン酸アルミニウムマグネシウム。
【0020】
図2を参照すると、フィルタ10は、第1の端部18を栓30で、のように、通路26の第1のサブセットを閉じまたは封止し、他の栓30を使用して、残りの通路26をハニカム体14の第2の端部22で閉じることによって、ハニカム体14から形成することができる。フィルタ10の作動において、固体粒子を搬送する気体などの流体が、圧力下で入口面(例えば、第1の端部18)に導かれる。次に、その気体は、第1の端部18で開いた端部を有する通路26を通じてハニカム体14に入り、多孔質セル壁の壁38を通過し、第2の端部22で開いた端部を有する通路26から出る。壁38を気体が通過することにより、気体中の粒状物質が壁38により捕捉されたままにすることができるであろう。
【0021】
図2および3に概略示されるように、栓30は、交互に通路26内に位置付けられることがある。図示された例において、栓30は、ハニカム体14の第1と第2の端部18、22に亘り「市松模様」のパターンで位置付けられているが、他のパターンを適用してもよいことが理解されよう。この市松模様のパターンにおいて、ある端部(例えば、第1または第2の端部18、22のいずれか)の隣接する通路に最も近い開放通路26の各々は、栓30を含む。
【0022】
栓30は、約0.5mm以上、約1mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約2.5mm以上、約3mm以上、約3.5mm以上、約4mm以上、約4.5mm以上、約5mm以上、約5.5mm以上、約6.0mm以上、約6.5mm以上、約7.0mm以上、約7.5mm以上、約8.0mm以上、約8.5mm以上、約9.0mm以上、約9.5mm以上、約10.0mm以上の、軸長、すなわち通路26と実質的に平行に延在する最長寸法を有することがある。例えば、栓30は、約0.5mmから約10mm、または約1mmから約9mm、または約1mmから約8mm、または約1mmから約7mm、または約1mmから約6mm、または約1mmから約5mm、または約1mmから約4mm、または約1mmから約3mm、または約1mmから約2mm、もしくはそれらの間の任意と全ての値および範囲の軸長を有することがある。様々な例によれば、ハニカム体14の第1の端部18に位置する複数の栓30は、ハニカム体14の第2の端部22に位置付けられた栓30と異なる長さを有することがある。
【0023】
複数の栓30に関する長さのばらつきは、標準偏差として表されることがあり、栓30の平均長さに対する各長さ間のばらつきを決定することによって、分散の平方根として計算される。複数の栓30の標準偏差は、例えば、ハニカム体14の第1または第2の端部18、22のいずれかに、位置付けられた栓30の長さの分散の尺度である。一端(例えば、第1または第2の端部18、22)の複数の栓30の全ては、約0.1mmから約3.0mmの長さの標準偏差を有することがある。例えば、栓30の長さの標準偏差は、約3.0mm以下、約2.9mm以下、約2.8mm以下、約2.7mm以下、約2.6mm以下、約2.5mm以下、約2.4mm以下、約2.3mm以下、約2.2mm以下、約2.1mm以下、約2.0mm以下、約1.9mm以下、約1.8mm以下、約1.7mm以下、約1.6mm以下、約1.5mm以下、約1.4mm以下、約1.3mm以下、約1.2mm以下、約1.1mm以下、約1.0mm以下、約0.9mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、約0.6mm以下、約0.5mm以下、約0.4mm以下、約0.3mm以下、約0.2mm以下、約0.1mm以下、もしくはそれらの間の任意と全ての値および範囲であることがある。様々な例によれば、ハニカム体14の第1の端部18に位置する複数の栓30は、ハニカム体14の第2の端部22に位置付けられた栓30と異なる標準偏差を有することがある。
【0024】
ハニカム体14に挿入された栓30は、無機結合剤および複数の粒子を含むことがある。その無機結合剤は、シリカ、アルミナ、他の無機結合剤、およびその組合せを含むことがある。シリカは、微細な非晶質の非多孔質シリカ粒子、いくつかの実施の形態において、好ましくは、略球形シリカ粒子の形態にあることがある。栓30の製造に適したコロイドシリカの少なくとも1つの市販例が、Ludox(登録商標)の名称で製造されている。栓30の無機粒子は、ガラス材料、コージエライトなどのセラミック材料、ガラスセラミック材料、および/またはその組合せからなることがある。いくつかの実施の形態において、無機粒子は、ハニカム体14を製造するために使用される未焼成体の組成と同じまたは類似の組成を有することがある。いくつかの実施の形態において、無機粒子は、反応焼結または焼結の際に、多孔質セラミック微細構造を形成するセラミックまたはセラミック形成(コージエライトまたはコージエライト形成など)前駆体材料から作られる。
【0025】
ここで図4~5Gを参照すると、フィルタ10は、複数のフィルタ通路26を覆うためにハニカム体14の第1の端部18に亘るマスク層58を使用して、形成されることがある。マスク層58は、金属、高分子材料、複合材料および/またはその組合せからなることがある。例えば、マスク層58は、わら紙、セロファン、プレキシガラス、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、他の材料および/またはその組合せからなることがある。マスク層58は、ハニカム体14の第1および/または第2の端部18、22上に位置付けることができる。マスク層58は、第1および/または第2の端部18、22の一部、大半、実質的に全てまたは全てを覆うことがある。マスク層58は、第1および/または第2の端部18、22と同じサイズと形状を有することがある、またはマスク層58のサイズおよび/または形状は異なることがある。例えば、マスク層58は、ハニカム体14の断面(例えば、略円形)と同じ一般的形状を有することがあり、マスク層58がハニカム体14から半径方向外向きに延在するように、ハニカム体14より大きい直径を有することがある。マスク層58は、ハニカム体14から、約0.5cm以上、約1.0cm以上、約1.5cm以上、約2.0cm以上、約2.5cm以上、約3.0cm以上、約3.5cm以上、約4.0cm以上、約4.5cm以上、約5.0cm以上、約5.5cm以上、約6.0cm以上、もしくはそれらの間の任意と全ての値および範囲だけ、外向きに延在することがある。マスク層58は、ハニカム体14に結合されることがある。例えば、ハニカム体14および/またはマスク層58は、マスク層58をハニカム体14に貼り付けられるように、それに接着された、またはそれらの間に配置された接着剤を有することがある。別の例において、マスク層58をハニカム体14に保持するために、ハニカム体14の外部表面の周りにバンドが配置されることがある。様々な例によれば、マスク層58は、複数の孔66を画成することがある。
【0026】
孔66は、多数の異なるパラメータに基づいて、様々な形状および配置をとることがある。孔66を特徴付けることのできる第1のパラメータは、孔66がいくつのセグメントから形成されるかである。様々な例によれば、孔66は、第1のセグメント66A、第2のセグメント66B、および第3のセグメント66Cから形成されることがある。例えば、孔66は、1つのセグメント(例えば、第1のセグメント66A)、2つのセグメント(例えば、第1と第2のセグメント66A、66B)、または3つのセグメント(例えば、第1、第2および第3のセグメント66A、66B、66C)であることがある。孔66が第1と第2のセグメント66A、66B(図5A~5Cおよび図5G)のみを含む例において、孔66は、概して、「L」字形または「V」字形を有すると称されるであろう。さらに他の例において、孔66は、第1、第2および第3のセグメント66A、66B、66C(図5D~5F)からなることがあり、概して、「U」字形を有すると称されるであろう。孔66の1つ以上が、ここに与えられた教示から逸脱せずに、4つ以上のセグメントからなることがあるが理解されよう。
【0027】
孔66の様々なセグメントは、様々に位置に位置付けられることがある。様々な例によれば、セグメントの1つ以上は、壁38の1つ以上に沿ってまたは近接して延在することがある。例えば、孔66のセグメントの2つ以上は、互いに隣接し、壁38に近接する通路26の周囲に沿って延在することがある。言い換えると、孔66は、様々なセグメントを通じて、壁38に近接する通路26の周囲を辿ることがある。図示された例において、様々なセグメントは、1つの孔66を形成するように接続され、隣接していると示されているが、セグメントの1つ以上は、多数の孔66が通路26の上のマスク層58に画成されるように接続されていなくてもよいことが理解されよう。
【0028】
孔66を特徴付けることのできる第2のパラメータは、第1、第2および/または第3のセグメント66A、66B、66Cの長さLである。個別のセグメントの内の1つの長さLは、そのセグメントの一端から他端までの最長線寸法として測定される。いくつかの例において、第1、第2および第3のセグメント66A、66B、66Cの各々の長さLは、同じであることがある(図5A、5F)、または互いに異なることがある(図5B、5C、5E)。いくつかの例において、セグメントの2つ以上(例えば、第1と第3のセグメント66A、66C)は、互いに長さLを有することがある一方で、別のセグメント(例えば、第2のセグメント66B)は、異なる長さLを有する(図5D)。セグメント66A、66B、66Cの1つ以上の長さLは、約0.2mm、または約0.4mm、または約0.6mm、または約0.8mm、または約1.0mm、約1.2mm、または約1.4mm、または約1.6mm、または約1.8mm、または約2.0mm、もしくは任意と全ての値および端点としての所定の値のいずれかを有する範囲であることがある。言い換えれば、セグメント66A、66B、66Cの1つ以上は、通路26または壁38の長さの約5%、または約10%、または約15%、または約20%、または約25%、または約30%、または約35%、または約40%、または約45%、または約50%、または約55%、または約60%、または約65%、または約70%、または約75%、または約80%、または約85%、または約90%、または約95%、または約99%、または約100%、延在することがある。
【0029】
孔66を特徴付けることのできる第3のパラメータは、第1、第2および/または第3のセグメント66A、66B、66Cの幅Wである。個別のセグメントの内の1つの幅Wは、そのセグメントの片側から反対側までの最長線寸法として測定される。いくつかの例において、第1、第2および第3のセグメント66A、66B、66Cの各々の幅Wは、同じであることがある、または互いに異なることがある。いくつかの例において、セグメントの2つ以上は、互いに幅Wを有することがある一方で、別のセグメントは、異なる幅Wを有する。セグメント66A、66B、66Cの1つ以上の幅Wは、約0.01mm、または約0.05mm、または約0.1mm、または約0.15mm、または約0.20mm、または約0.25mm、または約0.3mm、または約0.35mm、または約0.40mm、または約0.45mm、または約0.5mm、もしくは任意と全ての値および端点としての所定の値のいずれかを有する範囲であることがある。言い換えれば、セグメント66A、66B、66Cの1つ以上は、通路26または壁38の長さの約1%、または約5%、または約10%、または約15%、または約20%、または約25%と等しい幅を有することがある。
【0030】
孔66を特徴付けることのできる第4のパラメータは、孔66の第1、第2および/または第3のセグメント66A、66B、66Cの間に画成される角度θである。角度θは、2つのセグメント間の交点でのセグメントの外部面(すなわち、最も近い壁38に近接した孔66の部分)の間で測定される。角度θは、約45°、または約50°、または約55°、または約60°、または約65°、または約70°、または約75°、または約80°、または約85°、または約90°、または約95°、または約100°、または約105°、または約110°、または約115°、または約120°、または約125°、または約130°、または約135°、または約140°、または約145°、または約150°、または約155°、または約160°、または約165°、または約170°、または約175°、もしくは所定の値の間またはそれからの任意と全ての値および範囲であることがある。
【0031】
孔66を特徴付けることのできる第5のパラメータは、壁38からの1つ以上のセグメントのオフセットOである。例えば、セグメントの1つ以上は、交差壁38から離れて位置付けられることがある(図5G)。最も近い壁38からのセグメント66A、66B、66Cの1つ以上のオフセットOは、約0.01mm、または約0.05mm、または約0.1mm、または約0.15mm、または約0.20mm、または約0.25mm、または約0.3mm、または約0.35mm、または約0.40mm、または約0.45mm、または約0.5mm、もしくは任意と全ての値および端点としての所定の値のいずれかを有する範囲であることがある。オフセットOは、セグメントの長さに亘り変動してもよいこと、および異なるセグメントは、孔66の他のセグメントと比べて、異なるレベルのオフセットOを有してもよいことが理解されよう。
【0032】
孔66を特徴付けることのできる第6のパラメータは、孔66が、通路26のいくつの角26Aの上にまたはそれに近接して位置付けられているかである。角26Aは、隣接する交差壁38の接点に画成される。例えば、孔66は、通路26の、どの角26Aにも延在しない(図5G)、1つの角26Aに(図5A)、2つの角26Aに(図5B~5D)、3つの角26Aに(図5E)、または4つの角26Aに(図5F)延在することがある。マスク層58の小さい部分が、製造のばらつきおよび孔66の一般形状のために、通路26の角26Aの一部にまだ延在することがあるが、そのような配向は、角26Aの上に位置付けられているとまだ考えられることが理解されよう。
【0033】
上述した6つの異なるパラメータを調整することによって、孔66は、様々な形状および配置をとることができる。第1の例において、孔66は、交差壁38の間に画成された2つ以上の角26Aに延在することがある(例えば、図5B~5F)。第2の例において、孔66は、交差壁38の2つに沿って延在し、孔66は2つの交差壁38の各々に沿って実質的に等しい長さで延在することがある(例えば、図5Aおよび5D)。第3の例において、孔66は、交差壁38の間に画成された2つ以上の角26Aに延在しないことがある(例えば、図5A~5Dおよび5G)。第4の例において、孔66は、交差壁38の2つに沿って延在し、2つの交差壁38の各々に沿って異なる長さ延在する(例えば、図5B~5E)。第5の例において、孔66は、通路26の少なくとも1つの壁38に近接して延在しない(図5A~5G)。第6の例において、孔66は、交差壁38の間に画成された1つ以上の角26Aに延在する(図5A~5F)。第7の例において、孔66は、概して、通路26の周囲の一部に延在することがある(例えば、図5A~5G)。
【0034】
先に強調された6つのパラメータのどの組合せを、実施できる場合に、互いとのどの組合せで使用してもよいことが理解されよう。
【0035】
孔66の様々なパラメータを調整することによって、孔66は、孔66と揃った対応するそれぞれの通路26の断面積の約1%から約80%の面積を有することができる。例えば、孔66は、孔66に近接した通路26の断面積の約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下の面積を有することがある。それらの間の任意と全ての値および範囲も考えられることが理解されよう。
【0036】
孔66を設計するために上述したパラメータを使用すると、マスク層58のフラップ70が形成されることがある。様々な例によれば、フラップ70は、概して、通路26の中心に広がることがあるが、孔66は、フラップ70が通路26の中心と揃っていない様式で形成されてもよいことが理解されよう。いくつかの例において、マスク層58のフラップ70は、多数の壁38に支えられる(例えば、図5A~5Eおよび5G)または1つの壁38に支えられる(例えば、図5F)ことがある。下記により詳しく説明されるように、フラップ70は、マスク層58の材料から形成されており、フィルタ10の内側方向に、通路26中に曲がるまたはそれるように作られている。フラップ70の可撓性は、マスク層58の厚さと材料、並びにフラップ70の形状により影響を受ける。フラップ70は、基本的に、孔66のセグメントにより形成されるので、フラップ70は、円形、三角形、正方形、長方形またはより高次の多角形を含む様々な形状をとることがある。
【0037】
ここで図6を参照すると、フィルタ10を施栓する概略方法80が示されている。方法80は、交差壁38の間に少なくとも1つの通路26を画成する複数の交差壁38を備えたフィルタ10の上にマスク層58を位置付ける工程84で始まることがある。先に説明したように、マスク層58は、マスク層58をハニカム体14に付着させるために接着剤を使用することにより、および/またはマスク層58をハニカム体14に保持するためにハニカム体14の外部表面の周りに位置付けられたバンドの使用により、ハニカム体14に結合されることがある。
【0038】
次に、通路26に近接するマスク層58に穿孔して、孔66を形成する工程88が行われる。先に説明したように、孔66の様々なパラメータを調整することによって、マスク層58は、通路26の中心に広がるフラップ70を画成する。マスク層58に穿孔して、マスク層58に孔66を形成することにより、通路26とマスク層58の他方の側の環境との間の流体連通が促進される。孔66は、機械力(例えば、パンチにより)により、またはレーザ92の使用により、形成されることがある。様々な例によれば、マスク層58は、マスク層58に亘り位置付けられた複数の孔66を備えることがある。例えば、孔66は、マスク層58に亘りあるパターン(例えば、市松模様のパターン)で位置付けられることがある。市松模様のパターンにおいて、孔66は、ある面(例えば、第1および/または第2の端部18、22)で1つおきの通路26に亘り位置付けられている。様々な例によれば、複数の孔66が、複数の通路26に亘り位置付けられることがある。様々な例によれば、マスク層58に穿孔してマスク層58に亘り複数の孔66を形成する工程88は、約25秒未満で行われることがある。
【0039】
次に、マスク層58の孔66を通じて通路26中に施栓混合物100を通す工程96が行われる。工程96において、ハニカム体14およびその複数の通路26は、施栓混合物100の一部がフィルタの通路26に流れ込むように、施栓混合物100と接触させられる。先に説明したように、マスク層58は、ハニカム体14の少なくとも1つの端部上に配置されている。マスク層58を備えたフィルタ10の端部は、施栓混合物100が孔66を通じて通路26に流れ込むように、施栓混合物100と接触するように位置付けられている。ハニカム体14は、ある容器の内部で、または異なる入れ物の中で、施栓混合物100と接触させられることがある。
【0040】
施栓混合物100は、粘土、無機結合剤、水および複数の無機粒子からなることがある。様々な例によれば、施栓混合物100は、1種類以上の添加剤(例えば、レオロジー調整剤、可塑剤、有機結合剤、発泡剤など)を含むことがある。様々な例によれば、その粘土は、1種類以上のコロイド粘土、スメクタイト粘土、カオリナイト粘土、イライト粘土、およびクロライト粘土を含むことがある。その無機結合剤は、シリカ、アルミナ、他の無機結合剤およびその組合せの形態をとることがある。そのシリカは、微細非晶質、非多孔質および略球形シリカ粒子の形態をとることがある。施栓混合物100は、施栓混合物100が粘性であるまたは流動するように十分な水を有することがある。
【0041】
ハニカム体14は、施栓混合物100内の所定の深さまで、接触される、沈められる、または浸されることがある。例えば、ハニカム体14は、約0.5m以上、約1mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約2.5mm以上、約3mm以上、約3.5mm以上、約4mm以上、約4.5mm以上、約5mm以上、約5.5mm以上、約6.0mm以上、約6.5mm以上、約7mm以上、約7.5mm以上、約8mm以上、約8.5mm以上、約9mm以上、約9.5mm以上、約1.0cm以上、約2.0cm以上、約3.0cm以上、約4.0cm以上、約5.0cm以上、約6.0cm以上、もしくはそれらの間の任意と全ての値および範囲の深さまで沈められることがある。ハニカム体14は、ある力の下で施栓混合物100と接触させられることがある。例えば、ハニカム体14を施栓混合物100と接触させる力は、重力未満、重力、または重力より大きい力であることがある。ハニカム体14を施栓混合物100と接触させる力は、時間により変化してもよいことが理解されよう。
【0042】
様々な例によれば、施栓混合物100を、孔66を通じて通路26に通すことにより、フラップ70が通路26中にそれる。例えば、ハニカム体14が施栓混合物100と接触するときに、マスク層58のフラップ70は、施栓混合物100により通路26中に押し込まれる。マスク層58の材料、フラップ70のサイズと形状、施栓混合物100が孔66に通される圧力および他の要因に応じて、フラップ70は、通路26中に、角度αだけそれるように作られている。角度αは、フラップ70とマスク層58の平面との間のそりの角度として測定される。角度αは、約1°、または約2°、または約4°、または約6°、または約8°、または約10°、または約12°、または約14°、または約16°、または約20°、または約22°、または約24°、または約26°、または約28°、約30°、もしくは所定の値の間の任意と全ての値および範囲であることがある。角度αは、工程パラメータに応じて、工程96中に変化してもよいことが理解されよう。
【0043】
工程96中のフラップ70のそりは、施栓混合物100が通路26に通る最中に施栓混合物100を通路26の少なくとも1つの壁に向ける。理論で束縛するものではないが、フラップ70が通路26中にそれると、施栓混合物100がハニカム体14の交差壁38に向けられると考えられる。施栓混合物100が壁38と接触すると、壁に引っかかり(wall drag)が生じ、これにより、施栓混合物100が通路26を進むときに、施栓混合物100が通路26の断面積を完全に充填する。施栓混合物100が壁38と接触すると、施栓混合物100の、通路26の角26Aおよび壁38との密接な付着が生じる。従来のマスキングおよび施栓システムにおいて、マスクの開口を通過したスラリーは、大抵、セル表面と不均一に接触して、結果として生じた閉鎖物が不均一になってしまう。マスク層58により画成されたフラップ70を使用すると、施栓混合物100が通路26に均一に入り、均一な栓30の形成をもたらすように、施栓混合物100が壁と早期に接触するように導かれる。
【0044】
マスク層58により画成されたフラップ70を使用すると、施栓混合物100の最大達成可能深さ(MAD)およびハニカム体14内の結果として生じた栓30も影響を受けるであろう。ハニカム体14内の施栓混合物100のMADは、施栓混合物100がハニカム体14内に到達する深さであって、ハニカム体14および/または施栓混合物100への圧力を増加させても、施栓混合物100が通路26に入る深さが増加しない深さである。理論で束縛するものではないが、フラップ70が施栓混合物100を壁38に向け、次に、これにより、施栓混合物100と壁38との間により密接な付着が生じ、それによって、通路26内の施栓混合物100のMADが低下するので、ハニカム体14内の施栓混合物100のMADはフラップ70の使用により影響を受けると考えられる。例えば、通路26内の施栓混合物100のMAD(すなわち、栓30の長さに乾燥中の任意の差を加えたものと等しい)は、約8.5mm、または約8.0mm、または約7.5mm、または約7.0mm、または約6.5mm、または約6.0mm、または約5.5mm、または約5.0mm、または約4.5mm、または約4.0mm、もしくは所定の値の間の任意と全ての値および範囲であることがある。
【0045】
次に、施栓混合物100を強化して、通路26内に栓30を形成する工程104が行われる。ハニカム体14が施栓混合物100から一旦離されると、マスク層58を取り外してよく、ハニカム体14を乾燥および/または加熱して、ハニカム体14内に残っている施栓混合物100の部分を栓30に強化してよい。施栓混合物100の組成並びに他の要因に応じて、焼結時間および温度は異なるであろう。例えば、フィルタ10は、約800℃から約1500℃の温度で焼結されることがある。例えば、フィルタ10の焼結温度は、約800℃、約900℃、約1,000℃、約1,100℃、約1,200℃、約1,300℃、約1,400℃、約1,500℃、もしくはそれらの間の任意と全ての値および範囲であることがある。具体例において、施栓混合物100の焼結は、約800℃から約1500℃の温度で行われる。
【0046】
様々な例によれば、ハニカム体14は、方法80の工程のいずれかの前、最中および/または後に、1つ以上の処理を受けることがある。その処理は、ハニカム体14の多孔質壁38中への施栓混合物100の流体成分の移動速度を制御するのに役立つことがある。理論で束縛するものではないが、その処理は、ハニカム体14中への施栓混合物100の液体の吸収を制御することによって、過程全体および栓30の結果としての品質に影響を与えるための追加の機構を提供することがある。第1の例において、ハニカム体14に、疎水性コーティング処理が施されることがある。そのような例において、通路26への入口(例えば、第1または第2の端部18、22)が、浸漬または吹き付けによって、疎水性コーティングに曝され、その疎水性コーティングは、施栓混合物100からの流体を通路26の壁38中に引き入れる毛管作用を阻害するために使用される。疎水性コーティングは、施栓混合物100が通路26に流れ込むときに、その混合物100の粘度の変化速度を変えるために使用されることがある。さもなければ、いくつかの実施の形態において、未処理のフィルタは、施栓混合物100から水などの液体を吸収することがあり、これにより、施栓混合物100が、通路26に入る際に水損失を経て、それによって、望ましくない粘度の増加をもたらし、通路26中の施栓混合物100の必要な深さを達成するためにより高い施栓圧力を必要とすることがある。疎水性材料は、施栓混合物100がこの地点を一旦越えて延在したら、水損失による粘度の急激な上昇が、都合よくは、施栓混合物100の流れを停止し、それによって、施栓混合物100の深さの制御を与えるように、通路26中の目標深さまで、コーティングとして施されることがある。
【0047】
本開示を使用すると、様々な利点が提供されるであろう。第一に、マスク層58に穿孔するためのサイクル時間が、劇的に減少するであろう。施栓過程に関するマスク中の開口の従来の形成において、十分に大きい開口を形成するために、大面積(例えば、セルの開口の全て)に亘りレーザをラスター走査しなければならない。一般に、形成されている面積が大きいほど、レーザまたは他の穿孔機構が行わなければならないであろう動きがより独立する。孔66のここに開示されている形状を使用すると、単純で、時間の投資が少ない切断経路を生成することができる。例えば、孔66の「L」、「V」、および「U」字形には、正方形などの従来の形状と比べて、独立したレーザ切断経路をわずかしか必要としないであろう。さらに、孔66を決定付ける特徴は、フラップ70を形成することであるので、フラップ70を融除するレーザに典型的に関連する時間が、直ちに節約されるであろう。
【0048】
第二に、孔66を切断するサイクル時間が短縮されるであろうから、設備においてより少ない資本投資しか必要ないであろう。高分子マスクにおける開口の従来の形成は、大抵遅く、生産速度を上昇させるために、設備の個数を多くする必要がある。孔66のここに開示されている形状を使用すると、所望の生産速度を満たすのに全体的により少ない設備しか必要なく、必要とされる資本投資がより少なくなるように、各孔66に関連する個々の時間が減少するであろう。さらに、孔66のここに開示されている形状は、相対的により単純であろうから、穿孔工程88においてレーザに、より少ないプログラミング工程しか必要とされないであろう。
【0049】
第三に、孔66のここに開示されている形状を使用すると、栓30の深さのばらつきが減少するであろう。マスクにおける従来の開口は、大抵、施栓スラリーが壁と接触せずに、幅広い深さを有する閉鎖物をもたらす傾向のために、様々な深さの閉鎖物が生じる。ここに開示されたフラップ70を使用すると、直ちに、施栓混合物100が壁に引っかかり、施栓混合物100が通路を均一に充填し、均一な深さの栓30が生じる。
【0050】
第四に、孔66のここに開示されている形状を使用すると、通路26の直径にかかわらず、より短い栓30を形成できるであろう。異なる通路密度を有する従来のハニカム体は、大抵、通路密度の差を相殺するために、異なる工程調整が必要である。本開示の使用により、孔66の形状を単に切り換えることによって、フィルタ10の水力直径にかかわらず、深さがより小さい栓30を得る能力が提供される。さらに、フラップ70の使用は、施栓混合物100のMADに影響する。従来の過程において、ガスフィルタは、多くの場合、所望の深さでの閉鎖物の形成をもたらすと考えられているが、達成するために多量の工程調整を必要とする深さまでスラリー中に圧入される。施栓混合物100のMADを変えることによって、ハニカム体14は、工程調整がほぼ取り除かれるように、MADを生じる圧力まで、施栓混合物100中に圧入されるであろう。
【0051】
第五に、孔66のここに開示されている形状およびマスク層58の材料の使用により、より大きい工程調整が与えられる。従来の施栓過程は、多くの場合、異なる深さの閉鎖物を形成するために、正方形の開口と円形の開口とを変えることしかできない。ここに開示されたシステムを使用すると、切断パターン、マスク層58の形状、厚さおよび材料の剛性の変更を提示することによって、栓30の深さを調整するためのより独立した工程管理点が提示される。
【実施例
【0052】
本開示にしたがう非限定的実施例および比較例が、下記に与えられている。
【0053】
ここで図7A~7Dを参照すると、様々な比較例の画像が与えられている。第1の比較例(図7A)は、セルの中心を横切って高分子マスクに作られた単純な切り込みまたは切断形の開口である。この第1の比較例は、セルの仕切りの間で高分子マスクを概して二等分している。第2の比較例(図7B)は、セルの中心を対角線上に横切る高分子マスクにおける単純な切り込みまたは切断形の開口である。この第2の比較例は、セルの仕切りにより形成された角の間で高分子マスクを概して二等分している。第3の比較例(図7C)は、セルの中心を横切る高分子マスクにおける十字架型の開口である。第4の比較例(図7D)は、セルの大半に亘る高分子マスクにおける正方形の開口である。
【0054】
ここで図8A~8Dを参照すると、本開示にしたがう様々な実施例の画像が与えられている。第1の実施例(図8A)は、高分子マスク(例えば、マスク層58)に作られた、セル(例えば、通路26)の中心に広がるタブ(例えば、フラップ70)を画成する、略「L」字形の開口(例えば、孔66)である。第1の実施例の開口は、セルの仕切り(例えば、壁38)に沿って延在し、セルの3つの曲線(例えば、角26A)を覆う部分(例えば、第1と第2のセグメント66A、66B)を有する。第2の実施例(図8B)は、高分子マスク(例えば、マスク層58)に作られた、セル(例えば、通路26)の中心に広がるタブ(例えば、フラップ70)を画成する、略「U」字形の開口(例えば、孔66)である。第2の実施例の開口は、セルの仕切り(例えば、壁38)に沿って延在し、セルの3つの曲線(例えば、角26A)を覆う部分(例えば、第1、第2および第3のセグメント66A、66B、66C)を有する。この第2の実施例は、全てが異なる長さである部分を有する。第3の実施例(図8C)は、高分子マスク(例えば、マスク層58)に作られた、セル(例えば、通路26)の中心に広がるタブ(例えば、フラップ70)を画成する、略「U」字形の開口(例えば、孔66)である。第3の実施例の開口は、セルの仕切り(例えば、壁38)に沿って延在し、セルの3つの曲線(例えば、角26A)を覆う部分(例えば、第1、第2および第3のセグメント66A、66B、66C)を有する。この第3の実施例は、全てが異なる長さである部分を有する。第4の実施例(図8D)は、高分子マスク(例えば、マスク層58)に作られた、セル(例えば、通路26)の中心に広がるタブ(例えば、フラップ70)を画成する、略「U」字形の開口(例えば、孔66)である。第4の実施例の開口は、セルの仕切り(例えば、壁38)に沿って延在し、セルの3つの曲線(例えば、角26A)を覆う部分(例えば、第1、第2および第3のセグメント66A、66B、66C)を有する。この第4の実施例は、全て実質的に同じ長さの部分を有する。
【0055】
ここで図9を参照すると、様々な例に対するレーザ燃焼時間(例えば、工程88)の棒グラフが与えられている。レーザ燃焼は、直径が6.43インチ(約16.3cm)であり、200セル(例えば、通路26)毎平方インチ(約6.45cm)および8ミル(約0.203mm)のウェブ(例えば、壁38)厚を有するガス粒子フィルタ(例えば、フィルタ10)に行った。図から分かるように、開口(例えば、孔66)に簡単なパターンを使用すると、従来の正方形デザイン(すなわち、第4の比較例)と比べて、開口を作るためのサイクル時間が劇的に減少する。さらに、図9から自明なように、第1の比較例は、第4の比較例と比べて、レーザ燃焼により形成するのにかかる時間の約半分しかかからない。
【0056】
ここで図10を参照すると、第1の実施例に関する、高分子マスクを使用して形成された閉鎖物(例えば、栓30)の画像が示されている。MethocelおよびLudoxを含むグログ(例えば、施栓混合物100)を使用した。直径が2インチ(約5.08cm)であり、200セル(例えば、通路26)毎平方インチ(約6.45cm)および8ミル(約0.203mm)のウェブ(例えば、壁38)厚を有する、コア削孔型ガス粒子フィルタ(例えば、フィルタ10)に実験を行った。0.5mm/秒の施栓速度で、Instron装置により施栓を行った。施栓は、ガス粒子フィルタにおいてグログのMADに到達するように、70psi(約483kPa)で自動的に終わらせた。図から分かるように、無作為に長い閉鎖物の形成が抑制され、セル(例えば、通路26)内の深さは、約5mmで均一であることが示され、第1の実施例の「L」字形は、栓の深さの均一性を改善したことを示した。施栓過程および洗浄の後に高分子マスクの画像を撮り、施栓過程の結果として高分子マスクに損傷がないことが示された。
【0057】
ここで図11Aおよび11Bを参照すると、第4の比較例(図11A)および第1の実施例(図11B)を使用して形成された結果としての閉鎖物(例えば、栓30)が与えられている。直径が2インチ(約5.08cm)であり、200セル(例えば、通路26)毎平方インチ(約6.45cm)および8ミル(約0.203mm)のウェブ(例えば、壁38)厚を有する、コア削孔型ガス粒子フィルタ(例えば、フィルタ10)に実験を行った。図から分かるように、第4の比較例から形成された閉鎖物は高度の変動性を生じたのに対し、第1の実施例は、約5mmの短いMADを有する、ずっと均一な閉鎖物の形成を促進した。
【0058】
ここで図12Aおよび12Bを参照すると、第4の比較例(図12B)および第1の実施例(図12A)を使用して形成された結果としての閉鎖物(例えば、栓30)が与えられている。同じ試験条件下で、第1の実施例は、第4の比較例に関する8.5mmのMADと比べて、7.5mmのMADを有するより短い閉鎖物の形成を促進した。この実験は、直径が2インチ(約5.08cm)であり、200セル(例えば、通路26)毎平方インチ(約6.45cm)および8ミル(約0.203mm)のウェブ(例えば、壁38)厚を有する、コア削孔型ガス粒子フィルタ(例えば、フィルタ10)に行った。
【0059】
ここで図13A~13Dを参照すると、第1の実施例および結果として得られた閉鎖物(例えば、栓30)のバリエーションが与えられている。直径が2インチ(約5.08cm)であり、200セル(例えば、通路26)毎平方インチ(約6.45cm)および8ミル(約0.203mm)のウェブ(例えば、壁38)厚を有する、コア削孔型ガス粒子フィルタ(例えば、フィルタ10)に実験を行った。0.5mm/秒の施栓速度で、Instron装置により施栓を行った。施栓は、閉鎖物のMADに到達するように、70psi(約483kPa)で自動的に終わらせた。その結果は、図13Aおよび13Bの間の開口の第1の部分(例えば、孔66の第1のセグメント66A)の20%の長さの減少(ΔA/Aで示される)は、施栓の性能に影響しなかったことを示す。約90°(図13A)から87°(図13C)の開口の第1と第2の部分(例えば、第1と第2のセグメント66A、66B)の間の角度の変化は、閉鎖物の深さまたは閉鎖物の均一性のいずれに対する影響も示さなかった。さらに、第1と第2の部分の幅を0.4mmに増加させても(図13D)、閉鎖物の深さまたは品質に悪影響を与えなかった。それゆえ、第1の実施例の形状におけるばらつき(例えば、製造公差による)に対する高い耐性が達成されるであろうこと、およびタブの形成は、閉鎖物の形成に有益であることが示される。
【0060】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0061】
実施形態1
フィルタを施栓する方法において、
複数の交差壁を含む前記フィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、該交差壁が、該交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程、
前記通路に近接して前記マスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、該孔が、該マスク層が該通路の中心に広がるフラップを画成するように、該通路の周囲の一部に延在する工程、
前記マスク層中の前記孔を通じて施栓混合物を前記通路に通す工程、および
前記施栓混合物を焼結して、前記通路内に栓を形成する工程、
を有してなる方法。
【0062】
実施形態2
前記マスク層が高分子材料から作られている、実施形態1に記載の方法。
【0063】
実施形態3
前記マスク層を穿孔する工程が、レーザを使用して行われる、実施形態1または2に記載の方法。
【0064】
実施形態4
前記孔が、前記通路の少なくとも1つの壁に近接して延在しない、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
【0065】
実施形態5
前記施栓混合物を通路に通す工程が、前記フラップを前記通路中にそらせる工程をさらに含む、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
【0066】
実施形態6
前記フラップをそらせる工程が、前記施栓混合物を通路に通す工程中に、該施栓混合物を前記通路の少なくとも1つの壁に向ける工程を含む、実施形態5に記載の方法。
【0067】
実施形態7
フィルタを施栓する方法において、
複数の交差壁を含む前記フィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、該交差壁が、該交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程、
前記通路に近接して前記マスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、該孔が、該マスク層が該通路の中心に広がるフラップを画成するように、該交差壁の内の2つ以上に沿って延在する工程、
前記マスク層中の孔を通じて施栓混合物を前記通路に通す工程、および
前記施栓混合物を焼結して、前記通路内に栓を形成する工程、
を有してなる方法。
【0068】
実施形態8
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された1つ以上の角に亘り延在する、実施形態7に記載の方法。
【0069】
実施形態9
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された2つの角に亘り延在する、実施形態7または8に記載の方法。
【0070】
実施形態10
前記交差壁の内の前記2つ以上が2つの交差壁であり、前記孔が、該2つの交差壁の各々に沿って実質的に等しい長さだけ延在する、実施形態7から9のいずれかに記載の方法。
【0071】
実施形態11
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された2つ以上の角に亘り延在する、実施形態10に記載の方法。
【0072】
実施形態12
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された2つ以上の角に亘り延在しない、実施形態10に記載の方法。
【0073】
実施形態13
前記交差壁の内の前記2つ以上が2つの交差壁であり、前記孔が、該2つの交差壁の各々に沿って異なる長さだけ延在する、実施形態7から10のいずれかに記載の方法。
【0074】
実施形態14
前記フィルタがコージエライトから作られている、実施形態7から13のいずれかに記載の方法。
【0075】
実施形態15
フィルタを施栓する方法において、
複数の交差壁を含む前記フィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、該交差壁が、該交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程、
前記通路に近接して前記マスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、該孔が、該マスク層が該通路に広がるフラップを画成するように、該交差壁の内の3つに近接して延在する工程、
前記マスク層中の前記孔を通じて施栓混合物を前記通路に通す工程、および
前記施栓混合物を焼結して、前記通路内に栓を形成する工程、
を有してなり、
前記交差壁の内の前記3つは互いに隣接している、方法。
【0076】
実施形態16
前記施栓混合物を通路に通す工程が、前記フラップを前記通路中にそらせる工程をさらに含む、実施形態15に記載の方法。
【0077】
実施形態17
前記フラップをそらせる工程が、前記施栓混合物を通路に通す工程中に、該施栓混合物を前記通路の少なくとも1つの壁に向ける工程を含む、実施形態16に記載の方法。
【0078】
実施形態18
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された2つ以上の角に亘り延在しない、実施形態15から17のいずれかに記載の方法。
【0079】
実施形態19
前記施栓混合物を焼結する工程が、約800℃から約1500℃の温度で行われる、実施形態15から18のいずれかに記載の方法。
【0080】
実施形態20
前記マスク層が高分子材料から作られている、実施形態15から19のいずれかに記載の方法。
【符号の説明】
【0081】
10 フィルタ
14 ハニカム体
18 第1の端部
22 第2の端部
26 通路
26A 角
30 栓
38 壁
58 マスク層
66 孔
66A、66B、66C セグメント
70 フラップ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
【手続補正書】
【提出日】2021-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを施栓する方法において、
複数の交差壁を含む前記フィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、該交差壁が、該交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程、
前記通路に近接して前記マスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、該孔が、該マスク層が該通路の中心に広がるフラップを画成するように、該交差壁の内の2つ以上に沿って延在する工程、および
前記マスク層中の孔を通じて施栓混合物を前記通路に通す工程、
を有してなる、方法。
【請求項2】
前記交差壁の内の前記2つ以上が2つの交差壁であり、前記孔が、該2つの交差壁の各々に沿って実質的に等しい長さだけ延在する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記交差壁の内の前記2つ以上が2つの交差壁であり、前記孔が、該2つの交差壁の各々に沿って異なる長さだけ延在する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記孔が、前記交差壁の間の接点に画成された2つ以上の角に亘り延在しない、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
フィルタを施栓する方法において、
複数の交差壁を含む前記フィルタ上にマスク層を位置付ける工程であって、該交差壁が、該交差壁の間に少なくとも1つの通路を画成する工程、
前記通路に近接して前記マスク層を穿孔して、孔を形成する工程であって、該孔が、該マスク層が該通路に広がるフラップを画成するように、該交差壁の内の3つに近接して延在する工程、および
前記マスク層中の前記孔を通じて施栓混合物を前記通路に通す工程、
を有してなり、
前記交差壁の内の前記3つは互いに隣接している、方法。
【請求項6】
前記施栓混合物が、約800℃から約1500℃の温度で焼結される、請求項5記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
上述した6つの異なるパラメータを調整することによって、孔66は、様々な形状および配置をとることができる。第1の例において、孔66は、交差壁38の間に画成された2つ以上の角26Aに延在することがある(例えば、図5B~5F)。第2の例において、孔66は、交差壁38の2つに沿って延在し、孔66は2つの交差壁38の各々に沿って実質的に等しい長さで延在することがある(例えば、図5Aおよび5D)。第3の例において、孔66は、交差壁38の間に画成された2つ以上の角26Aに延在しないことがある(例えば、図5Aおよび5G)。第4の例において、孔66は、交差壁38の2つに沿って延在し、2つの交差壁38の各々に沿って異なる長さ延在する(例えば、図5B~5E)。第5の例において、孔66は、通路26の少なくとも1つの壁38に近接して延在しない(図5A~5G)。第6の例において、孔66は、交差壁38の間に画成された1つ以上の角26Aに延在する(図5A~5F)。第7の例において、孔66は、概して、通路26の周囲の一部に延在することがある(例えば、図5A~5G)。
【国際調査報告】