(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(54)【発明の名称】施設のリモート管理
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20220328BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
H02J13/00 311T
H02J13/00 311E
H02J13/00 311K
H02J13/00 311U
H04L12/28 200Z
H04L12/28 500A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548234
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(85)【翻訳文提出日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 US2020018677
(87)【国際公開番号】W WO2020172187
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509335373
【氏名又は名称】ビュー, インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】195 S. Milpitas Blvd., Milpitas, CA 95035 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】カンナ,ニティン
【テーマコード(参考)】
5G064
5K033
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AC05
5G064CB10
5G064CB21
5G064DA05
5K033BA08
5K033CA07
5K033DA05
5K033DB16
(57)【要約】
ローカルネットワークを含む現場の遠隔管理を含む、様々なデバイス(例えば、切り替え可能な光学デバイス)を有する現場の管理に関連するシステム、装置、方法、および非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の1つ以上のデバイスを制御するためのシステムであって、
単一の制御レベルが施設内に物理的に配置された複数の制御レベルを含むコントローラの階層であって、前記単一の制御レベルが、前記施設内に配置された前記1つ以上のデバイスに通信可能に結合し、前記1つ以上のデバイスを制御または直接制御するように構成された、コントローラの階層を備える、システム。
【請求項2】
前記単一の制御レベルが、前記複数の制御レベルのうちの少なくとも1つのより高い制御レベルによって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのより高い制御レベルが、前記施設外に物理的に配置された1つ以上のコントローラを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのより高い制御レベルが、クラウドに配置された1つ以上のコントローラを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのより高い制御レベルが、前記コントローラの階層における役割が動的に変更される1つ以上のコントローラを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つの制御レベルが、前記1つ以上のデバイスを直接制御するように構成された少なくとも1つのコントローラを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコントローラがマイクロコントローラを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコントローラがスイッチを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコントローラが、前記コントローラの階層内のより高いレベルのコントローラよりも低い洗練レベルの回路および/またはロジックを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコントローラが、前記1つ以上のデバイスと通信するように構成され、前記少なくとも1つのコントローラが、前記1つ以上のデバイスの動作を制御するか、または直接制御するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のデバイスとの通信が、無線を介した通信を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のデバイスとの通信が、無線通信を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラの階層のロジックが、前記施設外に配置され、コントローラの階層が、前記1つ以上のデバイスに通信可能に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラの階層の前記ロジックの少なくとも一部が、クラウドに配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記施設が、前記コントローラの階層の一部としての制御回路を欠いている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記施設が、制御ロジックが登録されている非一時的なコンピュータ可読媒体を欠いている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のデバイスが、着色可能窓、センサ、放射器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記放射器が、ブザー、ライト、気流システム、ヒータ、クーラー、または暖房換気および空調(HVAC)システムを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上のデバイスがアンテナを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つの制御レベルが、回路およびロジックを含む1つ以上のコントローラを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記コントローラの階層が、前記施設内に配置された少なくとも1つのケーブルネットワークシステムに通信可能に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上のデバイスが、前記少なくとも1つのネットワークシステムに通信可能に結合される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、ネットワーク管理システムを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、電気的および/または光学的ケーブル接続を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、ツイストワイヤおよび/または同軸ワイヤを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
施設の1つ以上のデバイスを制御するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、方法を実行させる命令を有し、前記方法が、前記施設内に配置された前記1つ以上のデバイスを制御する、または直接制御示することを含み、コントローラの階層が、単一の制御レベルが前記施設内に物理的に配置され、1つの制御レベルが、前記1つ以上のデバイスと通信可能に結合するように構成される、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記1つの制御レベルが、前記1つの制御レベルと比較して、少なくとも1つのより高い制御レベルによって制御され、少なくとも1つのより高い制御レベルが、前記複数の制御レベルからのものである、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記少なくとも1つのより高い制御レベルが、前記施設外および/またはクラウド内に配置された1つ以上のプロセッサを備える、請求項27に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記少なくとも1つのより高い制御レベルが、前記コントローラの階層における役割が動的に変更される1つ以上のプロセッサを備える、請求項27に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記1つの制御レベルが、前記1つ以上のデバイスを直接制御するように構成された少なくとも1つの回路を備える、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項31】
前記少なくとも1つの回路がマイクロコントローラを備える、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記少なくとも1つの回路がスイッチを備える、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記スイッチがオン-オフスイッチである、請求項32に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記少なくとも1つの回路が、前記コントローラの階層内の前記より高いレベルにあるそのコントローラよりも低い洗練レベルのコンピュータ可読媒体を備える、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記少なくとも1つの回路が、前記コントローラの階層内の前記より高いレベルにあるコントローラのものよりも低い洗練レベルのものである、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項36】
前記少なくとも1つの回路が、前記1つ以上のデバイスと通信するように構成され、少なくとも1つの回路が、前記1つ以上のデバイスの動作を制御するか、または直接制御するように構成される、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される前記1つ以上のプロセッサが、前記施設外にあり、前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上のデバイスに通信可能に結合される、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される前記1つ以上のプロセッサの少なくとも一部が、クラウド内に配置される、請求項37に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される前記1つ以上のプロセッサが、前記施設外に配置され、1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上のデバイスに通信可能に結合される、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記1つ以上のプロセッサの少なくとも一部が、クラウド内に配置される、請求項39に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記施設が、前記コントローラの階層の一部として前記1つ以上のプロセッサを欠いている、請求項26記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記施設が、制御ロジックが登録されている非一時的なコンピュータ可読媒体を欠いている、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記1つの制御レベルが、回路およびロジックを含む1つ以上のプロセッサを含む、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される前記1つ以上のプロセッサが、前記施設内に配置されている少なくとも1つのケーブルネットワークシステムに通信可能に結合される、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記1つ以上のデバイスが、前記少なくとも1つのネットワークシステムに通信可能に結合される、請求項44に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、ネットワーク管理システムを備える、請求項44に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項47】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、電気的および/または光的ケーブル接続を含む、請求項44に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項48】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、ツイストワイヤおよび/または同軸ワイヤを含む、請求項44に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項49】
施設の1つ以上のデバイスを制御するための方法であって、前記施設内に配置された前記1つ以上のデバイスを制御するかまたは直接制御することを含み、コントローラの階層が、単一の制御レベルが前記施設内に物理的に配置された複数の制御レベルを含む、方法。
【請求項50】
前記1つの制御レベルが、前記1つの制御レベルと比較して、少なくとも1つのより高い制御レベルによって制御され、少なくとも1つのより高い制御レベルが、前記複数の制御レベルのものである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つのより高い制御レベルが、前記施設外に配置された1つ以上のコントローラを備える、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記少なくとも1つのより高い制御レベルの前記コントローラの階層における役割を動的に変化させることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
単一の制御レベルのみが前記施設内に物理的に配置される、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記1つの制御レベルが、前記1つ以上のデバイスを制御するか、または直接制御するように構成された少なくとも1つのコントローラを備える、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1つのコントローラが、前記コントローラの階層内の前記より高いレベルにあるコントローラよりも低い洗練レベルのロジックを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1つのコントローラが、前記コントローラの階層内の前記より高いレベルにあるコントローラよりも低い洗練レベルのものである、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記1つ以上のコントローラが、前記施設外に配置される、請求項49に記載の方法。
【請求項58】
前記1つ以上のコントローラのロジックがクラウド内にある、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記施設が、前記コントローラの階層の一部として前記1つ以上のコントローラを欠いている、請求項49に記載の方法。
【請求項60】
前記施設が、制御ロジックが登録されている非一時的な媒体を欠いている、請求項49に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ以上のコントローラが、前記施設内に配置された少なくとも1つのケーブルネットワークシステムに通信可能に結合される、請求項49に記載の方法。
【請求項62】
前記少なくとも1つのネットワークシステムを介して前記1つ以上のデバイスと通信することをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、前記コントローラの階層によって制御されるネットワーク管理システムを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、電気的および/または光的ケーブル接続を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、ツイストワイヤおよび/または同軸ワイヤを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記少なくとも1つのネットワークシステムが、前記施設の建物ごとに1つのネットワークシステムを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記施設が1つ以上の建物を備える、請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この特許出願は、2019年2月19日に出願された「CLOUD-BASED TECHNIQUES FOR MANAGING SITES HAVING SWITCHABLE OPTICAL DEVICES」と題された米国仮特許出願第62/807,668号の優先権を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、切り替え可能な光学デバイスを有する現場を管理するための技術に関し、より具体的には、それぞれが切り替え可能な光デバイスのローカルネットワークを含む現場を遠隔管理するためのクラウドベースの技術に関する。
【0003】
エレクトロクロミズムは、通常電圧変化を受けることによって、異なる電子状態に置かれると、材料が光学的性質において可変電気化学的媒介変化を呈する現象である。光学的性質は、典型的には、色、透過、吸収、および反射のうちの1つ以上である。良く知られているエレクトロクロミック材料の1つは、酸化タングステン(WO3)である。酸化タングステンは、着色遷移である青色への遷移が電気化学的還元によって起こるカソードエレクトロクロミック材料である。
【0004】
エレクトクロミック材料は、例えば、家庭用、商業用および他の用途について窓に組み込まれることができる。そのような窓の色、透過、吸収、および/または反射は、エレクトロクロミック材料の変化を誘発することによって変わる場合があり、すなわち、エレクトロクロミック窓は、電子的に暗くまたは明るくされることができる窓である。窓のエレクトロクロミックデバイスに印加された小さな電圧は、窓を暗くさせ、電圧を反転させて窓を明るくさせる。この能力は、窓を透過する光量の制御を可能とし、エレクトロクロミック窓がエネルギ節約デバイスとして使用される機会を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
「スマートウィンドウ」と呼ばれることもあるエレクトロクロミック窓などの光学的に切り替え可能なデバイスは、特定の設備、建物の現場または構造(「現場」)にコントローラエリアネットワーク(CAN)バス全体の通信を調整するための関連するコントローラ「CANマネージャ」を含むCANバスなどのローカルネットワークを介して、1つ以上の窓コントローラおよび/またはネットワークコントローラとともにネットワーク化されることができる。そのようなネットワークとインターフェース接続するための改善された技術が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様では、本明細書に開示されるのは、それぞれが切り替え可能な光学デバイスのローカルネットワークを含む現場を遠隔管理するためのクラウドベースの技術を含む切り替え可能な光学デバイスを有する現場を管理するための技術である。別の態様では、システムは、建物および遠隔マスタネットワークコントローラを含み、建物は、エレクトロクロミック窓および窓コントローラのネットワーク、ならびに少なくとも1つのネットワークコントローラを含む。実施形態では、ネットワークコントローラは、(i)例えばローカルデータバスを介して窓コントローラと通信し、(ii)例えばインターネットプロトコルを介して遠隔マスタコントローラと通信するように構成される。
【0007】
一実施形態では、クラウドベースのシステムは、計算リソースおよびデータストレージリソースの一方または双方を含む。クラウドベースのシステムは、複数の遠隔現場と通信可能に結合されるように構成され、各現場は、切り替え可能な光学デバイスのそれぞれのネットワークと、少なくとも1つの関連するネットワークコントローラとを含む。クラウドベースのシステムは、少なくとも1つのネットワークコントローラからそれぞれのネットワークの機能に関するデータを受信し、1つ以上のインターフェースを介して少なくとも1つの関連するネットワークコントローラにデータおよび/または制御メッセージを送信するようにさらに構成される。
【0008】
別の実施形態では、建物は、複数のエレクトロクロミック窓および窓コントローラ、ならびに少なくとも1つのネットワークコントローラを含む。ネットワークコントローラは、ローカルデータバスを介して窓コントローラと通信し、インターネットプロトコルを介して遠隔マスタコントローラと通信するように構成される。
【0009】
別の態様では、クラウドベースのシステムは、計算リソースおよびデータストレージリソースの一方または双方を備え、クラウドベースのシステムは、(i)各現場が、(a)切り替え可能な光学デバイスのそれぞれのネットワーク、および(b)少なくとも1つの関連するネットワークコントローラを含む、複数の遠隔現場と通信可能に結合され、(ii)少なくとも1つの関連するネットワークコントローラからそれぞれのネットワークの機能に関するデータを受信し、(iii)受信したデータに応答して、少なくとも1つの関連するネットワークコントローラにデータおよび/または制御メッセージを送信するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、遠隔現場の少なくとも1つは、(A)建物管理システム(BMS)および(B)クラウドベースのシステムを含む建物であり、BMSおよび関連するネットワークコントローラの一方または双方を介して切り替え可能な光学デバイスのそれぞれのネットワークと通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、遠隔現場の少なくとも1つは、建物管理システム(BMS)を含む建物であり、クラウドベースのシステムは、BMSを介して少なくとも1つの遠隔現場(例えば、のみ)と通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、クラウドベースのシステムは、例えば、遠隔現場が建物管理システムを含むか否かにかかわらず、関連するネットワークコントローラを介して少なくとも1つの遠隔現場(例えば、のみ)と通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、システムは、複数の遠隔現場のうちの少なくとも1つのマスタネットワークコントローラとして構成される。いくつかの実施形態では、システムは、アプリケーションプログラミングインターフェースを介して、遠隔現場の少なくとも1つと通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、システムは、ヒューマンオペレータインターフェースを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ヒューマンオペレータインターフェースは、遠隔現場内のデバイスの機能に関する情報をヒューマンオペレータに提示するように構成された1つ以上の制御コンソールを含む。
【0011】
別の態様では、建物は、(I)(i)エレクトロクロミック窓のネットワークおよび(ii)窓コントローラと、(II)少なくとも1つのネットワークコントローラであって、(A)ローカルデータバスを介して窓コントローラと通信し、(B)例えばインターネットプロトコルを介して遠隔マスタコントローラと通信するように構成されるネットワークコントローラとを備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、遠隔マスタコントローラは、計算リソースおよびデータストレージリソースの一方または双方を含むクラウドベースのシステムに常駐するように構成される。いくつかの実施形態では、ローカルデータバスは、コントローラエリアネットワーク(本明細書では「CAN」と略される)規格に準拠している。いくつかの実施形態では、ネットワークコントローラは、CANマネージャを含み、CANマネージャは、窓コントローラと通信するために(例えば、インターネットおよびCANインターフェースを介して)遠隔マスタコントローラからのHTTP入力を受け入れるように構成されたアプリケーションプログラミングインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークコントローラは、(a)遠隔マスタコントローラにネットワークの機能に関するデータを送信し、(b)遠隔マスタコントローラからデータおよび/または制御メッセージを受信するように構成される。
【0013】
別の態様では、システムは、エレクトロクロミック窓および窓コントローラのネットワークならびに少なくとも1つのネットワークコントローラを含む建物と、遠隔マスタネットワークコントローラとを備え、ネットワークコントローラは、(i)ローカルデータバスを介して窓コントローラと通信し、(ii)インターネットプロトコルを介して遠隔マスタコントローラと通信するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、遠隔マスタコントローラは、計算リソースおよびデータストレージリソースの一方または双方を含むクラウドベースのシステムに常駐するように構成される。いくつかの実施形態では、ローカルデータバスは、コントローラエリアネットワーク(CAN)規格に準拠している。いくつかの実施形態では、ネットワークコントローラは、CANマネージャを含み、CANマネージャは、インターネットを介して遠隔マスタコントローラからのHTTP入力を受け入れるように構成されたアプリケーションプログラミングインターフェースと、窓コントローラと通信するためのCANインターフェースとを含む。いくつかの実施形態では、建物は、建物管理システム(BMS)を含み、遠隔マスタネットワークコントローラは、BMSおよびネットワークコントローラの一方または双方を介してエレクトロクロミック窓のネットワークと通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、建物は、建物管理システム(BMS)を含み、遠隔マスタネットワークコントローラは、BMSを介してのみ建物と通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、遠隔マスタネットワークコントローラは、建物が建物管理システムを含むか否かにかかわらず、ネットワークコントローラを介してのみエレクトロクロミック窓のネットワークと通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、遠隔マスタネットワークコントローラは、アプリケーションプログラミングインターフェースを介して窓コントローラと通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、ネットワークコントローラは、(i)遠隔マスタコントローラにネットワークの機能に関するデータを送信し、(ii)遠隔マスタコントローラからデータおよび/または制御メッセージを受信するように構成される。
【0015】
別の態様では、複数の遠隔建物現場と結合されたクラウドベースのシステム上に実装される方法であって、各現場が、エレクトロクロミック窓のネットワーク、窓コントローラ、および少なくとも1つのネットワークコントローラを含み、(a)少なくとも1つのネットワークコントローラからそれぞれのネットワークの機能に関するデータを受信することと、(b)少なくとも1つのネットワークコントローラにデータおよび/または制御メッセージを送信することとを含む。
【0016】
別の態様では、施設の1つ以上のデバイスを制御するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、方法を実行させる命令を有し、方法が、施設内に配置された1つ以上のデバイスを制御するまたは直接制御することを含み、コントローラの階層が、単一の制御レベルが施設内に物理的に配置された複数の制御レベルを含み、単一の制御レベル(例えば、単一の制御レベルに関連付けられた1つ以上のプロセッサ)が、1つ以上のデバイスに通信可能に結合するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、単一の制御レベルは、単一の制御レベルと比較して、少なくとも1つのより高い制御レベルによって制御され、少なくとも1つのより高い制御レベルは、複数の制御レベルからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのより高い制御レベルは、施設の外部および/またはクラウド内に配置された1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのより高い制御レベルは、コントローラの階層における役割が動的に変更される1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、1つの単一の制御レベルのみが施設内に物理的に配置されている。いくつかの実施形態では、単一の制御レベルは、1つ以上のデバイスを直接制御するように構成された少なくとも1つの回路を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、マイクロコントローラを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、スイッチを備える。いくつかの実施形態では、スイッチは、オン-オフスイッチである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、コントローラの階層内の任意のより高いレベルにあるそのコントローラよりも低い洗練レベルのコンピュータ可読媒体を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、コントローラの階層内の任意のより高いレベルにあるコントローラの回路よりも低い洗練レベルからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、1つ以上のデバイスと通信するように構成され、少なくとも1つの回路は、1つ以上のデバイスの動作を制御するまたは直接制御するように構成される。いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される1つ以上のプロセッサは、施設の外部にあり、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のデバイスに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される1つ以上のプロセッサの少なくとも一部は、クラウド内に配置される。いくつかの実施形態では、施設は、コントローラの階層の一部として1つ以上のプロセッサを欠いている。いくつかの実施形態では、施設は、制御ロジックが登録されている非一時的なコンピュータ可読媒体を欠いている。いくつかの実施形態では、1つの制御レベルは、回路およびロジックを備える1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される1つ以上のプロセッサは、施設内に配置される少なくとも1つのケーブルネットワークシステムに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイスは、少なくとも1つのネットワークシステムに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、ネットワーク管理システムを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、電気的および/または光ケーブルを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、ツイストワイヤおよび/または同軸ワイヤを含む。
【0018】
別の態様では、施設の1つ以上のデバイスを制御するための方法であって、この方法は、施設内に配置された1つ以上のデバイスを制御するまたは直接制御することを含み、コントローラの階層は、単一の制御レベル(例えば、単一の制御レベルに関連付けられた1つ以上のコントローラ)が施設内に物理的に配置された複数の制御レベルを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、単一の制御レベルは、単一の制御レベルと比較して、少なくとも1つのより高い制御レベルによって制御され、少なくとも1つのより高い制御レベルは、複数の制御レベルからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのより高い制御レベルは、施設外に配置された1つ以上のコントローラを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのより高い制御レベルのコントローラの階層における役割を動的に変更することをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つの単一の制御レベルのみが施設内に物理的に配置されている。いくつかの実施形態では、単一の制御レベルは、1つ以上のデバイスを制御するまたは直接制御するように構成された少なくとも1つのコントローラを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、コントローラの階層内の任意のより高いレベルにあるそのコントローラよりも低い洗練レベルのロジックを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、コントローラの階層内の任意のより高いレベルにあるコントローラの回路よりも低い洗練レベルからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、施設の外部に配置されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラのロジックは、クラウド内にある。いくつかの実施形態では、施設は、コントローラの階層の一部として1つ以上のコントローラを欠いている。いくつかの実施形態では、施設は、制御ロジックが登録されている非一時的な媒体を欠いている。いくつかの実施形態では、1つ以上のコントローラは、施設内に配置された少なくとも1つのケーブルネットワークシステムに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムを介して1つ以上のデバイスと通信することをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、コントローラの階層によって制御されるネットワーク管理システムを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、電気的および/または光ケーブルを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、ツイストワイヤおよび/または同軸ワイヤを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、施設の建物ごとに1つのネットワークシステムを含む。いくつかの実施形態では、施設は、1つ以上の建物を備える。
【0020】
別の態様では、施設の1つ以上のデバイスを制御するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、方法を実行させる命令を有し、方法が、施設内に配置された1つ以上のデバイスを制御するまたは直接制御することを含み、コントローラの階層が、単一の制御レベルが施設内に物理的に配置された複数の制御レベルを含み、単一の制御レベル(例えば、単一の制御レベルに関連付けられた1つ以上のプロセッサ)が、1つ以上のデバイスに通信可能に結合するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、単一の制御レベルは、単一の制御レベルと比較して、少なくとも1つのより高い制御レベルによって制御され、少なくとも1つのより高い制御レベルは、複数の制御レベルからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのより高い制御レベルは、施設の外部および/またはクラウド内に配置された1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのより高い制御レベルは、コントローラの階層における役割が動的に変更される1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、1つの単一の制御レベルのみが施設内に物理的に配置されている。いくつかの実施形態では、単一の制御レベルは、1つ以上のデバイスを直接制御するように構成された少なくとも1つの回路を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、マイクロコントローラを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、スイッチを備える。いくつかの実施形態では、スイッチは、オン-オフスイッチである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、コントローラの階層内の任意のより高いレベルにあるそのコントローラよりも低い洗練レベルのコンピュータ可読媒体を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、コントローラの階層内の任意のより高いレベルにあるコントローラの回路よりも低い洗練レベルからなる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、1つ以上のデバイスと通信するように構成され、少なくとも1つの回路は、1つ以上のデバイスの動作を制御するまたは直接制御するように構成される。いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される1つ以上のプロセッサは、施設の外部にあり、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のデバイスに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される1つ以上のプロセッサの少なくとも一部は、クラウド内に配置される。いくつかの実施形態では、施設は、コントローラの階層の一部として1つ以上のプロセッサを欠いている。いくつかの実施形態では、施設は、制御ロジックが登録されている非一時的なコンピュータ可読媒体を欠いている。いくつかの実施形態では、1つの制御レベルは、回路およびロジックを備える1つ以上のプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が配置される1つ以上のプロセッサは、施設内に配置される少なくとも1つのケーブルネットワークシステムに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイスは、少なくとも1つのネットワークシステムに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、ネットワーク管理システムを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、電気的および/または光ケーブルを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネットワークシステムは、ツイストワイヤおよび/または同軸ワイヤを含む。
【0022】
別の態様では、本開示は、例えばそれらの意図された目的のために、本明細書に開示されたシステムおよび/または装置のいずれかを使用する方法を提供する。
【0023】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される方法のいずれかを実装するシステム、装置(例えば、コントローラ)、および/または非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、ソフトウェア)を提供する。
【0024】
別の態様では、装置は、本明細書に開示される方法のいずれかを実装(例えば、実施)するために使用される機構を指示するようにプログラムされた少なくとも1つのコントローラを備え、少なくとも1つのコントローラは、機構に動作可能に結合される。
【0025】
別の態様では、装置は、本明細書に開示される方法を実装する(例えば、実行する)ように構成された(例えば、プログラムされた)少なくとも1つのコントローラを備える。少なくとも1つのコントローラは、本明細書に開示される方法のいずれかを実装することができる。
【0026】
別の態様では、システムは、少なくとも1つの別の装置(またはその構成要素)の動作を指示するようにプログラムされた少なくとも1つのコントローラと、装置(またはその構成要素)とを備え、少なくとも1つのコントローラは、装置に(またはその構成要素に)動作可能に結合される。装置(またはその構成要素)は、本明細書に開示される任意の装置(またはその構成要素)を含むことができる。少なくとも1つのコントローラは、本明細書に開示される任意の装置(またはその構成要素)を指示することができる。
【0027】
別の態様では、プログラム命令が記憶され、その命令が、コンピュータによって読み取られると、コンピュータに、本明細書に開示された方法のいずれかを実装する(例えば、実行する)ように本明細書に開示された機構(例えば、装置および/またはその構成要素のいずれか)を指示させる、非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータソフトウェア製品であって、非一時的なコンピュータ可読媒体が機構に動作可能に結合される。機構は、本明細書に開示される任意の装置(またはその任意の構成要素)を備えることができる。
【0028】
別の態様では、本開示は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、本明細書に開示される方法のいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
【0029】
別の態様では、本開示は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、(例えば、本明細書に開示されるように)コントローラの指示を実行する機械実行可能コードを備える非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
【0030】
別の態様では、本開示は、1つ以上のコンピュータプロセッサと、それに結合された非一時的なコンピュータ可読媒体とを備えるコンピュータシステムを提供する。非一時的なコンピュータ可読媒体は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、本明細書に開示される方法のいずれかを実装し、および/または本明細書に開示されるコントローラの指示を実行する機械実行可能コードを備える。
【0031】
この概要セクションの内容は、本開示の簡略化された紹介として提供されており、本明細書に開示される任意の発明の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するために使用されることを意図するものではない。
【0032】
本開示の追加の態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者にとって容易に明らかになり、本開示の例示的な実施形態のみが示されて説明される。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、様々な自明な点で変更することができる。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものとして見なされるべきではない。
【0033】
これらのおよび他の特徴ならびに実施形態は、図面を参照して以下にさらに詳細に説明される。
【0034】
参照による援用
本明細書に記載されている全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的且つ個別に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面または図(また、本明細書では「図」および「複数の図」)を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、エレクトロクロミックデバイスの概略断面を描写している。
【
図2A】
図2Aは、色褪せ状態(または色褪せ状態への遷移)におけるエレクトロクロミックデバイスの概略断面を描写している。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aに示されるが色付き状態(または色付き状態への遷移)のエレクトロクロミックデバイスの概略断面を描写している。
【
図3】
図3は、窓コントローラの構成要素の簡略ブロック図を描写している。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態にかかる、着色可能窓および少なくとも1つのセンサを含む部屋の概略図である。
【
図5】
図5は、特定の実装形態にかかる、建物および建物管理システム(BMS)の例の概略図である。
【
図6】
図6は、特定の実装形態にかかる、建物の1枚以上の着色可能窓の機能を制御するためのシステムの構成要素のブロック図である。
【
図7】
図7は、窓コントローラおよび関連する構成要素の概略図である。
【
図8】
図8は、実施形態にかかる、現場監視および制御システムの例を示している。
【
図9A】
図9Aは、建物ネットワークブロック図の例を描写している。
【
図9B】
図9Bは、建物ネットワークブロック図の例を描写している。
【
図10】
図10は、特定の実装形態にかかる、建物の1枚以上の着色可能窓の機能を制御するためのシステムの構成要素のブロック図である。
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態にかかる、クラウドベースの監視および制御システムとインターフェース接続する建物現場の簡略ブロック図である。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態にかかる、CANマネージャの特徴を示している。
【
図13】
図13は、クラウドベースのシステムを使用して遠隔建物現場を監視および/または制御する方法の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
その中の図および構成要素は、縮尺どおりに描かれていない場合がある。本明細書に記載されている図の様々な構成要素は、縮尺どおりに描かれていない場合がある。
【0038】
本発明の様々な実施形態が示され、本明細書に記載されているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者にとって明らかであろう。多数の変形、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく当業者に起こり得る。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替例が使用され得ることを理解されたい。
【0039】
「a」、「an」、「the」などの用語は、単一のエンティティのみを指すことを意図したものではなく、特定の例が説明に使用されることができる一般的なクラスを含む。本明細書の用語は、本発明の特定の実施形態を説明するために使用されるが、それらの使用法は、本発明を画定するものではない。
【0040】
範囲が言及されている場合、特に明記されていない限り、範囲は包括的であることを意味する。例えば、値1と値2の間との範囲は包括的であり、値1および値2を含むことを意味する。包括的範囲は、約値1から約値2までの任意の値に及ぶ。本明細書で使用される「隣接する(adjacent)」または「隣接する(adjacent to)」という用語は、「隣接する(next to)」、「隣接する(adjoining)」、「接触する(in contact with)」、および「近接する(in proximity to)」を含む。
【0041】
「作動可能に結合された」または「作動可能に接続された」という用語は、第2の要素および/または第1の要素の意図された動作を可能にするために、第2の要素に結合(例えば、接続)される第1の要素(例えば、機構)を指す。結合は、物理的または非物理的結合を含むことができる。非物理的結合は、信号誘導結合(例えば、無線結合)を含むことができる。結合は、物理的結合(例えば、物理的に接続されている)、または非物理的結合(例えば、無線通信を介して)を含むことができる。
機能を実行するように「構成された」要素(例えば、機構)は、要素にこの機能を実行させる構造的特徴を含む。構造的特徴は、回路または回路要素などの電気的特徴を含むことができる。構造的特徴は、回路(例えば、電気回路または光学回路を備える)を含むことができる。電気回路は、1つ以上のワイヤを備えることができる。光学回路は、少なくとも1つの光学要素(例えば、ビームスプリッタ、ミラー、レンズ、および/または光ファイバ)を備えることができる。構造的特徴は、機械的特徴を含むことができる。機械的特徴は、ラッチ、ばね、クロージャ、ヒンジ、シャーシ、サポート、ファスナ、またはカンチレバーなどを備えることができる。機能を実行することは、論理的特徴を利用することを含むことができる。論理的特徴は、プログラミング命令を含むことができる。プログラミング命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能とすることができる。プログラミング命令は、1つ以上のプロセッサによってアクセス可能な媒体に記憶または符号化されることができる。
【0042】
以下の説明では、提示された実施形態の十分な理解をもたらすために、多くの具体的な詳細が記載される。開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全てがなくても実施されることができる。他の例では、開示された実施形態を不必要に分かりにくくしないために、周知のプロセス動作は詳細に記載されていない。開示された実施形態が具体的な実施形態と合わせて記載されるが、本開示の実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。開示された実施形態は、エレクトロクロミック窓(スマートウィンドウとも呼ばれる)に焦点を合わせているが、本明細書に開示された態様は、他の種類の着色可能窓に適用されることができることを理解されたい。例えば、エレクトロクロミックデバイスの代わりに液晶デバイスまたは浮遊粒子デバイスを組み込んだ着色可能窓は、開示された実施形態のいずれかに組み込まれることができる。
【0043】
読み手を本明細書に開示されたシステムおよび方法の実施形態に向けるために、エレクトロクロミックデバイスおよび窓コントローラの簡単な記述が提供される。この最初の記述は、単に文脈上のみ提供され、その後に記載されるシステム、窓コントローラ、および方法の実施形態は、この最初の記述の具体的な特徴および製造プロセスに限定されるものではない。
【0044】
図1は、断面でエレクトロクロミックデバイス100を概略的に描写している。エレクトロクロミックデバイス100は、基板102、第1の導電層(CL)104、エレクトロクロミック層(EC)106、イオン伝導層(IC)108、対向電極層(CE)110、および第2の導電層(CL)114を含む。層104、106、108、110、および114は、まとめてエレクトロクロミックスタック120とも呼ばれる。エレクトロクロミックスタック120にわたって電位を印加するように動作可能な電圧源116は、例えば、色褪せ状態から色付き状態へのエレクトロクロミックデバイスの遷移をもたらす。基板に対して層の順番が反転されてもよい。
【0045】
上述したように異なる層を有するエレクトロクロミックデバイスは、全固体型デバイスおよび/または全無機デバイスとして製造されることができる。そのようなデバイスおよびそれらの製造方法は、「Fabrication of Low-Defectivity Electrochromic Devices」と題された、2009年12月22日に出願され、発明者としてMark Kozlowskiらの名前が挙げられている、米国特許出願第12/645,111号、および「Electrochromic Devices」と題された、2009年12月22日に出願され、発明者としてZhongchun Wangらの名前が挙げられている米国特許出願第12/645,159号により詳細に記載されおり、それらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、スタックにおける層のうちのいずれか1つ以上が、ある程度の有機物質を含むことができることを理解されたい。1つ以上の層に少量で存在することができる液体にも同じことが言える。固体状材料が、ゾル-ゲルまたは化学蒸着を採用する特定のプロセスなど、液体成分を採用するプロセスによって、堆積されることができるかそうでなければ形成されることができることも理解されたい。
【0046】
さらに、色褪せ状態と色付き状態との間の遷移への言及は非限定的であり、実装されることができるエレクトロクロミック遷移の、数ある中でも、単に一例として示唆することを理解されたい。本明細書において別段に明記していない限り(上記の記述を含む)、色褪せ-色付き遷移に言及するときはいつでも、対応するデバイスまたはプロセスは、非反射-反射、透明-不透明など、他の光学的状態遷移を包含する。さらに、用語「色褪せ」は、例えば、無着色、透明、または半透明などの光学的に中立な状態を指す。なおさらに、本明細書に別段に明記しない限り、エレクトロクロミック遷移の「色」は、いずれかの特定の波長または波長範囲にも限定されない。当業者によって理解されるように、相応のエレクトロクロミック材料および対向電極材料の選択は、関連する光学的遷移を左右する。
【0047】
本明細書に記載の実施形態では、エレクトロクロミックデバイスは、色褪せ状態と色付き状態との間を可逆的に循環する。場合によっては、デバイスが色褪せ状態にあるとき、スタックにおける使用可能なイオンが主に対向電極110内にあるように、エレクトロクロミックスタック120に電位が印加される。エレクトロクロミックスタック上の電位が反転すると、イオンがイオン伝導層108にわたってエレクトロクロミック材料106に運ばれ、材料を色付き状態に遷移させる。同様にして、本明細書に記載の実施形態のエレクトロクロミックデバイスは、異なる色合いレベル(例えば、色褪せ状態、最も暗い色付き状態、および色褪せ状態と最も暗い色付き状態との間の中間レベル)間で可逆的に循環されることができる。
【0048】
また
図1を参照すると、電圧源116は、輻射センサおよび他の環境センサに合わせて動作するように構成されることができる。本明細書に記載のように、電圧源116は、デバイスコントローラ(この図では示さず)にインターフェース接続する。さらに、電圧源116は、時期、時刻、および測定環境状態などの様々な基準にしたがって、エレクトロクロミックデバイスを制御するエネルギ管理システムとインターフェース接続することができる。そのようなエネルギ管理システムは、大面積のエレクトロクロミックデバイス(例えば、エレクトロクロミック窓)と併用して、建物のエネルギ消費を劇的に下げることができる。
【0049】
好適な光学的、電気的、熱的、および機械的性質を有するいずれの材料も、基板102として使用されることができる。このような基板は、例えば、ガラス材、プラスチック材、および鏡材を含む。好適なガラスは、ソーダ石灰フロートガラスを含む、透明なまたは着色のソーダ石灰ガラスを含む。ガラスは、強化ガラスであってもなくてもよい。
【0050】
多くの場合、基板は、住宅用窓の用途に合わせたサイズのガラス板である。そのようなガラス板のサイズは、住宅の具体的な必要に応じて大幅に変わることができる。他の場合、基板は、建築用ガラスである。建築用ガラスは、通常、商業用建物に使用されるが、住宅用建物にも使用されることができ、通常、必ずというわけではないが、屋外環境から屋内環境を分ける。特定の実施形態では、建築用ガラスは、少なくとも20インチ×20インチであり、より大きく、例えば、約80インチ×120インチの大きさとすることもできる。建築用ガラスは、通常、少なくとも2mmの厚み、通常は約3mm~約6mmの厚みである。もちろん、エレクトロクロミックデバイスは、建築用ガラスよりも小さいまたは大きい基板に拡大縮小可能である。さらに、エレクトロクロミックデバイスは、いずれのサイズおよび形状の鏡上にも設けられることができる。
【0051】
基板102の上面には、導電層104がある。特定の実施形態では、導電層104および114のうちの一方または双方は、無機および/または固体である。導電層104および114は、導電性酸化物、薄金属コーティング、導電性窒化金属、および複合導体を含む、いくつかの異なる材料から作られることができる。典型的には、導電層104および114は、少なくとも、エレクトロクロミズムがエレクトロクロミック層によって示される波長範囲において透明である。透明導電酸化物は、金属酸化物、および1つ以上の金属でドープされた金属酸化物を含む。そのような金属酸化物およびドープ金属酸化物の例は、酸化インジウム、インジウム酸化スズ、ドープ酸化インジウム、酸化スズ、ドープ酸化スズ、酸化亜鉛、アルミニウム酸化亜鉛、ドープ酸化亜鉛、酸化ルテニウム、ドープ酸化ルテニウムなどを含む。これらの層には酸化物が使用されることが多いため、それらは、透明導電性酸化物(TCO)層と呼ばれる場合もある。ほぼ透明である薄金属コーティングもまた、TCOと金属膜との組み合わせと同様に使用されることができる。
【0052】
導電層の機能は、オーム電位降下が比較的小さい、スタックの内部領域に、エレクトロクロミックスタック120の表面にわたって電圧源116によってもたらされる電位を広げることである。電位は、導電層への電気的接続を介して導電層に移される。いくつかの実施形態では、1つが導電層104と接触し、1つが導電層114と接触しているバスバーは、電圧源116と導電層104および114との間の電気的接続を提供する。導電層104および114はまた、他の従来の手段で、電圧源116に接続されることができる。
【0053】
重なっている導電層104は、エレクトロクロミック層106である。いくつかの実施形態では、エレクトロクロミック層106は、無機および/または固体である。エレクトロクロミック層は、金属酸化物を含む、いくつかの異なるエレクトロクロミック材料のうちのいずれか1つ以上を含有することができる。そのような金属酸化物は、酸化タングステン(WO3)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)、酸化銅(CuO)、酸化イリジウム(Ir2O3)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化マンガン(Mn2O3)、酸化バナジウム(V2O5)、酸化ニッケル(Ni2O3)、酸化コバルト(Co2O3)などを含む。動作中、エレクトロクロミック層106は、イオンを対向電極層110に移し、また対向電極層からイオンを受け取り、光学的遷移を引き起こす。
【0054】
一般に、エレクトロクロミック材料の色付け(またはいずれかの光学的性質での変化、例えば吸収性、反射性、および透過性)は、材料への可逆的イオン挿入(例えば、インターカレイション)および対応する電荷平衡電子の注入によって引き起こされる。通常、光学的遷移の原因となるイオンのうちのいくらかの割合が、エレクトロクロミック材料中で不可逆的に結合される。不可逆的結合イオンの一部または全ては、材料中の「ブラインドチャージ」を補うのに使用される。ほとんどのエレクトロクロミック材料では、好適なイオンは、リチウムイオン(Li+)および水素イオン(H+)(すなわちプロトン)を含む。しかしながら、場合によっては、他のイオンも好適である。様々な実施形態では、エレクトロクロミック現象を生じさせるためにリチウムイオンが使用される。リチウムイオンの酸化タングステン(WO3-y(0<y≦約0.3))へのインターカレーションが、酸化タングステンを透明(色褪せ状態)から青色(色付き状態)に変化させる。
【0055】
また
図1を参照すると、エレクトロクロミックスタック120では、イオン伝導層108が、エレクトロクロミック層106と対向電極層110との間に挟み込まれる。いくつかの実施形態では、対向電極層110は、無機および/または固体である。対向電極層は、エレクトロクロミックデバイスが色褪せ状態にあるときにイオン溜としての機能を果たす多くの異なる材料のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、適切な電位の印加によって開始されるエレクトロクロミック移行中、対向電極層は、自身が保持するイオンの一部または全部をエレクトロクロミック層に移動させ、エレクトロクロミック層を色付き状態に変化させる。同時に、NiWOの場合、対向電極層は、イオンの喪失により色が付く。
【0056】
いくつかの実施形態では、WO3を補完する対向電極に好適な材料は、酸化ニッケル(NiO)、ニッケル酸化タングステン(NiWO)、ニッケル酸化バナジウム、ニッケル酸化クロム、ニッケル酸化アルミニウム、ニッケル酸化マンガン、ニッケル酸化マグネシウム、酸化クロム(Cr2O3)、酸化マグネシウム(MnO2)、およびプルシャンブルーを含む。
【0057】
酸化ニッケルタングステンからなる対向電極110から電荷が取り除かれると(すなわち、対向電極110からエレクトロクロミック層106にイオンが移されると)、対向電極層は、透明状態から色付き状態に遷移する。
【0058】
図示のエレクトロクロミックデバイスでは、エレクトロクロミック層106と対向電極層110との間にイオン伝導層108がある。イオン伝導層108は、エレクトロクロミックデバイスが色褪せ状態と色付き状態との間を遷移するときにイオンが(電解質のように)中を通って移される媒体として働く。好ましくは、イオン伝導層108は、エレクトロクロミック層および対向電極層に関連するイオンに対して高度に伝導性であるが、ごく僅かな電子移動が通常の動作中に起こる、十分に低い電子伝導性を有する。高いイオン伝導率を有する薄いイオン伝導層は、高速イオン伝導、したがって高性能エレクトロクロミックデバイスのための高速切り替えを可能にする。特定の実施形態では、イオン伝導層108は、無機および/または固体である。
【0059】
(区別できるIC層を有するエレクトロクロミックデバイスに)好適なイオン伝導層の例は、ケイ酸塩、シリコン酸化物、タングステン酸化物、タンタル酸化物、ニオブ酸化物、およびホウ酸塩を含む。これらの材料は、リチウムを含む異なるドーパントでドープされることができる。リチウムドープ酸化ケイ素には、酸化リチウムシリコンアルミニウムが含まれる。いくつかの実施形態では、イオン伝導層は、ケイ酸塩系構造体を含む。いくつかの実施形態では、シリコンアルミニウム酸化物(SiAlO)は、イオン伝導層108に使用される。
【0060】
エレクトロクロミックデバイス100は、1つ以上の不動態層など、1つ以上の追加の層(図示せず)を含むことができる。特定の光学的性質を改善するために使用される不動態層がエレクトロクロミックデバイス100中に含まれることができる。耐湿性または耐引っかき性をもたらすための不動態層も、エレクトロクロミックデバイス100に含まれることができる。例えば、伝導層は、反射防止層または保護酸化層または窒化物層によって処理されることができる。他の不動態層は、エレクトロクロミックデバイス100を気密封止するように働くことができる。
【0061】
図2Aは、色褪せ状態(または色褪せへの遷移)のエレクトロクロミックデバイスの概略断面図である。具体的な実施形態によれば、エレクトロクロミックデバイス200は、酸化タングステンエレクトロクロミック層(EC)206および酸化ニッケルタングステン対向電極層(CE)210を含む。エレクトロクロミックデバイス200は、基板202、導電層(CL)204、イオン伝導層(IC)208、および導電層(CL)214も含む。
【0062】
電源216は、導電層204および214への好適な接続部(例えばバスバー)を介して、エレクトロクロミックスタック220に電位および/または電流を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、電圧源は、数ボルトの電位を印加して、デバイスをある光学的状態から別の光学的状態へ遷移させるように構成される。
図2Aに示されるような電位の極性は、イオン(この例ではリチウムイオン)が、(破線矢印によって示されるように)主に酸化ニッケルタングステン対向電極層210内にあるようなものである。
【0063】
図2Bは、
図2Aに示されるが、色付き状態(または色付き状態への遷移中)のエレクトロクロミックデバイス200の概略断面図である。
図2Bでは、エレクトロクロミック層がより負になって追加のリチウムイオンを受け入れ、それによって色付き状態に遷移するように、電圧源216の極性が反転している。破線矢印によって示されるように、リチウムイオンは、イオン伝導層208をわたって酸化タングステンエレクトロクロミック層206に移される。酸化タングステンエレクトロクロミック層206は、色付き状態で示される。酸化ニッケルタングステン対向電極210もまた色付き状態で示される。説明したように、酸化ニッケルタングステンは、リチウムイオンを放棄する(デインターカレートする)につれて次第により不透明になる。この例では、双方の層206および210の色付き状態への遷移が、スタックおよび基板を透過する光量を減らすのに向けて相加的であるという相乗効果がある。
【0064】
上述したように、エレクトロクロミックデバイスは、イオンに対して高伝導性であり、電子に対して高抵抗性であるイオン伝導性(IC)層によって分けられたエレクトロクロミック(EC)電極層および対向電極(CE)層を含むことができる。したがって、従来から理解されるように、イオン伝導層は、エレクトロクロミック層と対向電極層との間の短絡を防ぐ。イオン伝導層は、エレクトロクロミック電極および対向電極が電荷を保持し、それによってそれらの色褪せ状態または色付き状態を維持することを可能にする。区別できる層を有するエレクトロクロミックデバイスでは、構成要素が、エレクトロクロミック電極層と対向電極層との間に挟み込まれたイオン伝導層を含むスタックを形成する。これら3つのスタック構成要素間の境界は、組成および/または微細構造の急激な変化によって画定される。したがって、デバイスは、2つの断裂した界面を伴う3つの区別できる層を有する。
【0065】
特定の実施形態によれば、対向電極およびエレクトロクロミック電極は、イオン伝導層を別々に堆積させることなく、互いに真隣に、時には直に接触して形成される。いくつかの実施形態では、区別できるIC層ではなく界面領域を有するエレクトロクロミックデバイスが採用される。そのようなデバイスおよびそれらの製造方法は、2010年4月30日に出願された米国特許第8,300,298号明細書および米国特許出願第12/772,075号、ならびに2010年6月11日に出願された米国特許出願第12/814,277号および同第12/814,279号に記載されており、3つの特許出願のそれぞれは、「Electrochromic Devices」と題され、それぞれ発明者としてZhongchun Wangらの名前を挙げており、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
窓コントローラは、エレクトロクロミック窓のエレクトロクロミックデバイスの色合いレベルを制御するのに使用される。いくつかの実施形態では、窓コントローラは、色褪せ状態および色付き状態の2つの色合い状態(レベル)間で、エレクトロクロミック窓を遷移させることができる。他の実施形態では、コントローラは、エレクトロクロミック窓(例えば、単一のエレクトロクロミックデバイスを有する)を中間の色合いレベルにさらに遷移させることができる。いくつかの開示された実施形態では、窓コントローラは、エレクトロクロミック窓を4つ以上の色合いレベルに遷移させることができる。特定のエレクトロクロミック窓は、各ライトが2状態ライトである1つのIGUにおける2つの(またはそれよりも多い)エレクトロクロミックライトを使用することによって、中間の色合いレベルを可能にする。
【0067】
窓コントローラが各エレクトロクロミックデバイスを、2つの状態間、色褪せ状態と色付き状態との間で遷移させることができる場合、エレクトロクロミック窓は、双方のエレクトロクロミックデバイスが色付けられている色付き状態、一方のエレクトロクロミックデバイス色付けられている第1の中間状態、もう一方のエレクトロクロミックデバイスが色付けられている第2の中間状態、および双方のエレクトロクロミックデバイスが色褪せている色褪せ状態の4つの異なる状態(色合いレベル)を得ることができる。マルチペインエレクトロクロミック窓の実施形態は、さらに、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、発明者としてRobin Friedmanらの名前が挙げられ、「MULTI-PANE ELECTROCHROMIC WINDOWS」と題された米国特許第8,270,059号明細書に記載されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、窓コントローラは、2つ以上の色合いレベル間で遷移することが可能なエレクトロクロミックデバイスを有するエレクトロクロミック窓を遷移させることができる。例えば、窓コントローラは、エレクトロクロミック窓を色褪せ状態、1つ以上の中間レベル、および色付き状態に遷移させることを可能とすることができる。いくつかの他の実施形態では、窓コントローラは、エレクトロクロミックデバイスを組み込んだエレクトロクロミック窓を、色褪せた状態と色付き状態との間の任意数の色合いレベル間で遷移させることができる。エレクトロクロミック窓を1つ以上の中間の色合いレベルに遷移させるための方法およびコントローラの実施形態は、さらに、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「CONTROLLING TRANSITIONS IN OPTICALLY SWITCHABLE DEVICES」と題され、発明者としてDisha Mehtaniらの名前が挙げられた米国特許第8,254,013号明細書に記載されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、窓コントローラは、エレクトロクロミック窓における1つ以上のエレクトロクロミックデバイスに給電することができる。通常、窓コントローラのこの機能は、以下にさらに詳細に説明される1つ以上の他の機能によって増強される。本明細書に記載の窓コントローラは、制御の目的で関連付けられるエレクトロクロミックデバイスに給電する機能を有するものに限定されない。すなわち、エレクトロクロミック窓用の電源は、窓コントローラとは別にすることができ、この場合、窓コントローラは、独自の電源を有し、窓電源からの電力の印加を窓に向ける。しかしながら、窓コントローラを有する電源を含み、窓に直接給電するようにコントローラを構成することは、エレクトロクロミック窓に給電するための別個の配線の必要を取り除くため、好都合である。
【0070】
さらに、このセクションに記載の窓コントローラは、窓コントローラの建物制御ネットワークまたは建物管理システム(BMS)への一体化なく、単一の窓または複数のエレクトロクロミック窓の機能を制御するように構成されることができるスタンドアロンコントローラとして説明される。しかしながら、窓コントローラは、本開示の建物管理システムのセクションでさらに説明されるように、建物制御ネットワークまたはBMSに一体化されてもよい。
【0071】
図3は、開示された実施形態の窓コントローラ350のいくつかの構成要素、および窓コントローラシステムの他の構成要素のブロック図を示している。
図3は、窓コントローラの簡略ブロック図であり、窓コントローラに関するより詳細は、双方とも2012年4月17日に出願され、双方とも「CONTROLLER FOR OPTICALLY-SWITCHABLE WINDOWS」と題され、双方とも発明者としてStephen Brownの名前が挙げられた米国特許出願第13/449,248号および第13/449,251号、ならびに2012年4月17日に出願され、発明者としてStephen Brownらの名前が挙げられ、「CONTROLLING TRANSITIONS IN OPTICALLY SWITCHABLE DEVICES」と題された米国特許第13/449,235号に見出すことができ、これらは全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
図3において、窓コントローラ350の図示された構成要素は、マイクロプロセッサ355または他のプロセッサと、パルス幅変調器360と、信号調整モジュール365と、構成ファイル375を有するコンピュータ可読媒体(例えばメモリ)370とを含む。窓コントローラ350は、1つ以上のエレクトロクロミックデバイス300に命令を送信するように、ネットワーク380(有線または無線)を介してエレクトロクロミック窓における1つ以上のエレクトロクロミックデバイス300に電子通信する。いくつかの実施形態では、窓コントローラ350は、ネットワーク(有線または無線)を介してマスタ窓コントローラに通信するローカル窓コントローラとすることができる。
【0073】
開示された実施形態では、建物は、建物の外部と内部との間にエレクトロクロミック窓を有する少なくとも1つの部屋を有することができる。1つ以上のセンサは、建物の外部および/または部屋の内部に位置することができる。実施形態では、1つ以上のセンサからの出力は、窓コントローラ350の信号調整モジュール365に入力されることができる。場合によっては、建物管理システムのセクションでさらに説明されるように、1つ以上のセンサからの出力は、BMSに入力されることができる。図示の実施形態のセンサは、建物の外側垂直壁に位置付けられたものとして示されているが、これは単純化のためであり、センサは、同様に、部屋の内側、または外側に対する他の表面上などの他の位置にあってもよい。場合によっては、2つ以上のセンサが使用されて、同じ入力を測定してもよく、これにより、1つのセンサが故障する、またはそうでなければ誤った読み取り値を有する場合に、冗長性を与えることができる。
【0074】
図4は、少なくとも1つのエレクトロクロミックデバイスを備えるエレクトロクロミック窓405を有する部屋400の概略図(側面図)を描写している。エレクトロクロミック窓405は、部屋400を含む建物の外部と内部との間に位置する。部屋400は、エレクトロクロミック窓405に接続され、エレクトロクロミック窓の色合いレベルを制御するように構成された窓コントローラ350も含む。外部センサ410は、建物の外部の垂直表面上に位置する。他の実施形態では、部屋400における周囲光を測定するために、内部センサも使用されることができる。さらに他の実施形態では、現住者がいつ部屋400内にいるかを判定するために、現住者センサも使用されることができる。
【0075】
外部センサ410は、太陽などの光源から、または表面、大気中の粒子、雲などからセンサに反射する光から流れる、デバイスに入射する放射光を検出することができる光センサなどのデバイスである。外部センサ410は、光電効果からもたらされた電流の形態の信号を生成することができ、この信号は、センサ410に入射する光の関数とすることができる。場合によっては、デバイスは、ワット/m2の単位、または他の同様の単位で放射照度の観点から放射光を検出することができる。他の場合、デバイスは、フートキャンドルの単位または同様の単位で、可視波長範囲での光を検出することができる。多くの場合、これらの放射照度値と可視光との間には線形関係がある。
【0076】
いくつかの実施形態では、外部センサ410は、赤外光を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、外部センサは、赤外光および/または可視光を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、外部光センサ410はまた、温度データおよび/または湿度データを測定するためのセンサも含むことができる。いくつかの実施形態では、インテリジェンスロジックが、外部センサを使用して判定された、または外部ネットワーク(例えば、気象観測所)から受信した1つ以上のパラメータ(例えば、可視光データ、赤外光データ、湿度データ、および温度データ)を使用して、妨害する雲の存在を判定することができ、および/または雲によって引き起こされる妨害を数量化することができる。赤外線センサを使用して雲を検出する様々な方法は、米国を指定し、その全体が本明細書に組み込まれる、「INFRARED CLOUD DETECTOR SYSTEMS AND METHODS」と題され、2017年10月6日に出願された国際特許出願第PCT/US17/55631号に記載されている。
【0077】
日光が地表に当たる角度は変化するため、日光からの放射照度値は、時刻および時期に基づいて予測されることができる。外部センサ410は、建物に起因する反射光および遮光、気象の変化(例えば、雲)などを考慮した放射光をリアルタイムで検出することができる。例えば、曇った日には、日光が雲に遮られて、外部センサ410によって検出される放射光は、晴れ渡った日よりも低いであろう。
【0078】
いくつかの実施形態では、1枚のエレクトロクロミック窓405に関連付けられた1つ以上の外部センサ410が存在することができる。1つ以上の外部センサ410からの出力が互いに比較されて、例えば、外部センサ410のうちの1つが、外部センサ410に留まった鳥などの物体によって遮られているかどうかを判定することができる。場合によっては、いくつかのセンサが信頼できないおよび/または高価である可能性があるため、建物内で比較的少数のセンサを使用することが望ましい場合がある。特定の実装形態では、単一のセンサまたは少数のセンサが使用されて、建物またはおそらく建物の片側に当たる、太陽からの放射光の現在のレベルを判定することができる。雲は太陽の前を通過することがあり、または建設用車両は沈み行く太陽の前に駐車することがある。これらは、通常建物に当たるように計算される、太陽からの放射光量からの偏差をもたらす。
【0079】
外部センサ410は、一種の光センサであってもよい。例えば、外部センサ410は、電荷結合素子(CCD)、フォトダイオード、フォトレジスタ、または光電池であってもよい。当業者であれば、光センサおよび他のセンサ技術における未来の展開もまた、それらの技術が光強度を測定し、光レベルを表す電気出力を提供するため、うまくいくことを理解するであろう。
【0080】
いくつかの実施形態では、外部センサ410からの出力は、信号調整モジュール365に入力されることができる。入力は、信号調整モジュール365への電圧信号の形態とすることができる。信号調整モジュール365は、出力信号を窓コントローラ350に渡す。窓コントローラ350は、構成ファイル375からの様々な情報、信号調整モジュール365からの出力、オーバーライド値に基づいて、エレクトロクロミック窓405の色合いレベルを判定する。次いで、窓コントローラ350は、所望の色合いレベルに移行させるために、エレクトロクロミック窓405に電圧および/または電流を印加するように、PWM360に命令する。
【0081】
開示された実施形態では、窓コントローラ250は、エレクトロクロミック窓405に電圧および/または電流を印加して、4つ以上の異なる色合いレベルのうちのいずれか1つにエレクトロクロミック窓を遷移させるように、PWM260に命令することができる。開示された実施形態では、エレクトロクロミック窓405は、0(最も明るい)、5、10、15、20、25、30、および35(最も暗い)として記述される少なくとも8つの異なる色合いレベルに遷移されることができる。色合いレベルは、エレクトロクロミック窓405を透過する光の可視透過率値および太陽熱利得係数(SHGC)値に線形に対応することができる。例えば、上記の8つの色合いレベルを使用することにより、0の最も明るい色合いレベルが0.80のSHGC値に対応することができ、5の色合いレベルが0.70のSHGC値に対応することができ、10の色合いレベルが0.60のSHGC値に対応することができ、15の色合いレベルが0.50のSHGC値に対応することができ、20の色合いレベルが0.40のSHGC値に対応することができ、25の色合いレベルが0.30のSHGC値に対応することができ、30の色合いレベルが0.20のSHGC値に対応することができ、35(最も暗い)の色合いレベルが0.10のSHGC値に対応することができる。
【0082】
窓コントローラ350、または窓コントローラ350と通信するマスタコントローラは、いずれか1つ以上の予測制御ロジック構成要素を採用して、外部センサ410からの信号および/または他の入力に基づいて望ましい色合いレベルを測定することができる。窓コントローラ350は、エレクトロクロミック窓405に電圧および/または電流を印加して、エレクトロクロミック窓を望ましい色合いレベルに遷移させるように、PWM360に命令することができる。
【0083】
本明細書に記載の窓コントローラはまた、BMSとの一体化にも適しており、またはBMS内にある/BMSの一部である。BMSは、換気装置、照明、電力システム、エレベータ、防火システム、およびセキュリティシステムなどの建物の機械設備および電気設備を監視および制御する、建物内に設置されたコンピュータベースの制御システムである。BMSは、1つ以上のコンピュータへの通信チャネルによる相互接続を含むハードウェア、ならびに現住者によっておよび/または建物の管理者によって設定される好みにしたがって、建物における状態を維持するための関連ソフトウェアからなる。例えば、BMSは、イーサネットなどのローカルエリアネットワークを使用して実装されることができる。ソフトウェアは、例えば、インターネットプロトコルおよび/またはオープンスタンダードに基づいてもよい。一例は、Tridium,Inc.(バージニア州リッチモンド)製のソフトウェアである。BMSによって一般に使用される通信プロトコルの1つは、BACnet(建物自動化および制御ネットワーク)である。
【0084】
BMSは、大型の建物では最も一般的であり、通常、少なくとも建物における環境を制御するように機能する。例えば、BMSは、建物における温度、二酸化炭素レベル、および湿度を制御することができる。通常、ヒータ、エアコン、送風機、通気孔など、BMSによって制御される多くの機械デバイスがある。建物環境を制御するために、BMSは、定義された条件下でこれらの様々なデバイスをオンおよびオフにすることができる。典型的な最新のBMSのコア機能は、冷暖房のコスト/需要を最小限に抑えながら、建物の現住者にとって快適な環境を維持することである。したがって、最新のBMSは、監視および制御するためだけでなく、例えば、エネルギを節約し、建物の運用コストを低減するように、様々なシステム間の相乗効果を最適化するためにも使用される。
【0085】
いくつかの実施形態では、窓コントローラは、BMSと一体化され、この場合、窓コントローラは、1枚以上のエレクトロクロミック窓(例えば、405)または他の着色可能窓を制御するように構成される。他の実施形態では、窓コントローラは、BMS内にあるかまたはその一部であり、BMSは、色合い調節可能窓、および建物の他のシステムの機能の双方を制御する。一例では、BMSは、建物における着色可能窓の1つ以上のゾーンを含む全ての建物システムの機能を制御することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つ以上のゾーンの各着色可能窓は、少なくとも1つの固体状態で無機のエレクトロクロミックデバイスを含む。一実施形態では、1つ以上のゾーンの着色可能窓のそれぞれは、1つ以上の固体状態で無機のエレクトロクロミックデバイスを有するエレクトロクロミック窓である。一実施形態では、1つ以上の着色可能窓は、少なくとも1つの全固体状態で全無機のエレクトロクロミックデバイスを含むが、例えば、IGUの各ライトまたはペインが着色可能である場合、2つ以上のエレクトロクロミックデバイスを含むことができる。一実施形態では、エレクトロクロミック窓は、2010年8月5日に出願され、「Multipane Electrochromic Windows」と題された米国特許出願第12/851,514号に記載のような多状態エレクトロクロミック窓である。
図5は、建物501と、セキュリティシステム、暖房/換気/空調(HVAC)、建物の照明、電力システム、エレベータ、防火システムなどを含む、いくつかの建物システムを管理するBMS505との例の概略図を描写している。セキュリティシステムは、磁気カードアクセス、回転ドア、ソレノイド駆動ドアロック、監視カメラ、盗難警報機、金属探知機などを含むことができる。防火システムは、火災警報機、および給水配管制御を含む火災抑制システムを含むことができる。照明システムは、室内照明、屋外照明、緊急警報灯、非常口標識、および非常階出口照明を含むことができる。電力システムは、主電源、バックアップ発電機、および無停電電源(UPS)グリッドを含むことができる。
【0087】
また、BMS505は、窓制御システム502を管理する。窓制御システム502は、マスタコントローラ503、ネットワークコントローラ507aおよび507b、ならびにエンドまたはリーフコントローラ508を含む窓コントローラの分散型ネットワークである。エンドまたはリーフコントローラ508は、
図3に関して説明された窓コントローラ350と同様とすることができる。例えば、マスタコントローラ503は、BMS505に近接しており、建物501の各階は、1つ以上のネットワークコントローラ507aおよび507bを有することができ、建物の各窓は、それ自体のエンドコントローラ508を有する。この例では、コントローラ508のそれぞれは、建物501の指定のエレクトロクロミック窓を制御する。窓制御システム502は、クラウドネットワーク510と通信して、データを受信する。例えば、窓制御システム502は、クラウドネットワーク510上で維持される晴天モデルからスケジュール情報を受信することができる。マスタコントローラ503は、BMS505とは別個として
図5に描かれるが、別の実施形態では、マスタコントローラ503は、BMS505の一部であるかまたはBMS505内にある。
【0088】
コントローラ508のそれぞれは、それが制御するエレクトロクロミック窓とは別の場所にあることができるか、またはエレクトロクロミック窓に一体化されることができる。単純化するために、建物501の10枚のエレクトロクロミック窓のみが、マスタ窓コントローラ502によって制御されるものとして描写される。典型的な設定では、建物に窓制御システム502によって制御されるエレクトロクロミック窓が多数存在することができる。本明細書に記載のようなエレクトロクロミック窓をBMSとともに組み込むことの利点および特徴は、該当する場合、より詳細に、
図5に関連して以下に説明される。
【0089】
開示された実施形態の一態様は、本明細書に記載されるような多目的エレクトロクロミック窓コントローラを含むBMSである。エレクトロクロミック窓コントローラからのフィードバックを組み込むことによって、BMSは、エレクトロクロミック窓が自動制御可能であることから、例えば、1)環境制御、2)エネルギ節約、3)セキュリティ、4)制御選択肢の柔軟性、5)それほど依存せず、したがってその保守が少なくて済むことによる他のシステムの信頼性向上および使用可能期間延長、6)情報の使用可能性および診断性、7)スタッフの有効使用、およびスタッフからのより高い生産性、ならびにそれらの様々な組み合わせ、の向上をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、BMSは存在しなくてもよく、またはBMSは存在するが、マスタコントローラと通信しないかまたはマスタコントローラと高レベルでは通信しなくてもよい。特定の実施形態では、BMSに対する保守は、エレクトロクロミック窓の制御を妨げないであろう。
【0090】
場合によっては、BMS505または他の建物ネットワークは、日単位、月単位、四半期単位、または年単位のスケジュールにしたがって作動することができる。例えば、照明制御システム、窓制御システム、HVAC、およびセキュリティシステムは、人々が就業日中のいつ建物内にいるかを考慮して24時間スケジュールで動作することができる。夜間、建物は、省エネルギモードに移行することができ、日中、システムは、現住者に快適さを提供しながら建物のエネルギ消費を最小限に抑えるように動作することができる。別の例として、システムは、休暇期間にわたって停止するか、または省エネルギモードに移行することができる。
【0091】
BMSスケジュールは、地理的情報と組み合わせることができる。地理的情報は、建物の緯度および経度を含むことができる。地理的情報はまた、建物の各側が面する方向に関する情報を含むことができる。そのような情報を使用して、建物の異なる側の異なる部屋は、異なる方式で制御されることができる。例えば、冬には、建物の東向きの部屋に対して、窓コントローラは、部屋で輝く日光によって部屋が暖まるように、午前中は色合いがないように窓に命令することができ、照明制御パネルは、日光からの照明のために、弱くなるようにライトに命令することができる。西向きの窓は、西側の窓の色合いが省エネルギに影響を及ぼさない可能性があるので、午前中は部屋の現住者によって制御可能とすることができる。しかしながら、東向きの窓および西向きの窓の動作モードは、夕方に切り替わることができる(例えば、太陽が沈み行くとき、西向きの窓は、熱および照明の双方のために日光が射し込むことを可能にするように色付けされない)。
【0092】
建物ネットワークまたはBMS、建物の外部窓用の着色可能窓(すなわち、建物の内部を建物の外部から分ける窓)、およびいくつかの異なるセンサを含む、例えば
図5の建物501のような建物の例が以下に記載される。建物の外部窓からの光は、一般に、窓から約20フィートまたは約30フィートの建物における室内照明に影響を及ぼす。すなわち、外部窓から約20フィートまたは約30フィートよりも離れている建物における空間は、外部窓からほとんど光を受け取らない。建物における外部窓から離れたそのような空間は、建物の照明システムによって照明される。
【0093】
さらに、建物における温度は、外光および/または外気温の影響を受ける場合がある。例えば、寒い日に建物が暖房システムによって暖められている場合、ドアおよび/または窓に近い部屋は、建物の内部領域よりも早く熱を失い、内部領域と比べて冷たくなる。
【0094】
外部センサでは、建物は、建物の屋根上に外部センサを含むことができる。あるいは、建物は、各外部窓に関連付けられた外部センサ(例えば、
図4の部屋400に関係して説明されたような)、または建物の各側面上の外部センサを含むことができる。建物の各側面上の外部センサは、太陽がその日全体を介して位置を変えるにしたがって、建物のある側面上の放射照度を追跡することができる。
【0095】
窓コントローラが建物ネットワークまたはBMSに一体化されると、外部センサ410からの出力は、BMSのネットワークに入力され、ローカル窓コントローラ350への入力として提供されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、任意の2つ以上のセンサからの出力信号が受信される。いくつかの実施形態では、1つのみの出力信号が受信され、いくつかの他の実施形態では、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の出力が受信される。これらの出力信号は、建物ネットワークまたはBMSを介して受信されることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、受信した出力信号は、建物における暖房システム、冷房システム、および/または照明によるエネルギ消費または電力消費を示す信号を含む。例えば、建物の暖房システム、冷房システム、および/または照明のエネルギ消費または電力消費が監視されて、エネルギ消費または電力消費を示す信号を与えることができる。この監視を可能にするために、デバイスは、建物の回路および/または配線とインターフェース接続されても、またはそれに取り付けられてもよい。あるいは、建物における個々の部屋または建物における部屋群用の暖房システム、冷房システム、および/または照明によって消費される電力が監視されることができるような電力システムが建物に設置されてもよい。
【0097】
色合い命令が与えられて、着色可能窓の色合いを、判定されたた色合いレベルに変更することができる。例えば、
図5を参照すると、これは、マスタコントローラ503がコマンドを1つ以上のネットワークコントローラ507aおよび507bに発行し、ひいてはこれらのネットワークコントローラが、建物の各窓を制御するエンドコントローラ508にコマンドを発行することを含むことができる。エンドコントローラ508は、その命令にしたがって色合いを変化させるように、窓に電圧および/または電流を印加することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、エレクトロクロミック窓およびBMSを含む建物は、建物に電力を供給している1つ以上の公共事業体によって実行されるデマンドレスポンスプログラムに登録されるか、またはそれに加わることができる。このプログラムは、ピーク負荷の発生が予想されると、建物のエネルギ消費が低減されるプログラムとすることができる。公共事業体は、予想されるピーク負荷発生の前に、警告信号を送り出すことができる。例えば、警告は、予想されるピーク負荷発生の前日、午前、または約1時間前に送信されることができる。ピーク負荷発生は、例えば、冷房システム/空調装置が公共事業体から大量の電力を引き出している暑い夏の日に起こると予想されることができる。警告信号は、建物のBMSによって、または建物にあるエレクトロクロミック窓を制御するように構成された窓コントローラによって受信されることができる。そして、BMSは、ピーク負荷が予想されると、エレクトロクロミック窓405にある相応のエレクトロクロミックデバイスを、建物にある冷房システムの電力引き出しを減らすのを助ける暗い色合いレベルに遷移させるように、窓コントローラに命令することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、建物の外部窓用の着色可能窓(すなわち、建物の内部を建物の外部から分ける窓)は、ゾーンにある着色可能窓が同様に命令される状態で、ゾーンにグループ分けされることができる。例えば、建物の異なる階または建物の異なる側のエレクトロクロミック窓の群は、異なるゾーンにあることができる。例えば、建物の1階で、東向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン1にあることができ、南向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン2にあることができ、西向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン3にあることができ、北向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン4にあることができる。別の例として、建物の1階のエレクトロクロミック窓の全てがゾーン1にあることができ、2階のエレクトロクロミック窓の全てがゾーン2にあることができ、3階のエレクトロクロミック窓の全てがゾーン3にあることができる。さらに別の例として、東向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン1にあることができ、南向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン2にあることができ、西向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン3にあることができ、北向きのエレクトロクロミック窓の全てがゾーン4にあることができる。またさらに別の例として、ある階の東向きのエレクトロクロミック窓は、異なるゾーンに分けられることができる。建物の同じ側および/または異なる側および/または異なる階の任意数の着色可能窓が、1つのゾーンに割り当てられてもよい。個々の着色可能窓が独立して制御可能なゾーンを有する実施形態では、色付けゾーンは、個々の窓のゾーンの組み合わせを使用して建物ファサードに形成されてもよく、例えば、個々の窓は、それらのゾーンの全てが色付けされてもされなくてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、ゾーン内のエレクトロクロミック窓は、同じ窓コントローラによって制御されてもよい。いくつかの他の実施形態では、ゾーン内のエレクトロクロミック窓は、異なる窓コントローラによって制御されてもよいが、これらの窓コントローラは全て、センサから同じ出力信号を受信し、同じ機能またはルックアップテーブルを使用して、ゾーン内の窓の色合いのレベルを判定してもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、ゾーンにあるエレクトロクロミック窓は、透過率センサからの出力信号を受信する1つ以上の窓コントローラによって制御されることができる。いくつかの実施形態では、透過率センサは、ゾーンにある窓に近接して取り付けられることができる。例えば、透過率センサは、ゾーンに含まれるIGUを含む枠の中または上に取り付けられる(例えば、フレーム、フレームの中枠、フレームの水平サッシの中または上に取り付けられる)ことができる。いくつかの他の実施形態では、建物の片側の窓を含むゾーンにあるエレクトロクロミック窓は、透過率センサからの出力信号を受信する1つ以上の窓コントローラによって制御されることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、センサ(例えば光センサ)は、第1のゾーン(例えばマスタ制御ゾーン)のエレクトロクロミック窓405を制御するために、窓コントローラに出力信号を提供することができる。窓コントローラもまた、第1のゾーンと同じ方法で、第2のゾーン(例えば、スレーブ制御ゾーン)内のエレクトロクロミック窓405を制御することができる。いくつかの他の実施形態では、別の窓コントローラは、第1のゾーンと同じ方法で、第2のゾーンのエレクトロクロミック窓405を制御することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、建物の管理者、第2のゾーンの部屋の現住者、または他の人は、手動で(例えば、色合いコマンドもしくは透明コマンド、またはBMSのユーザコンソールからのコマンドを使用して)、第2のゾーン(すなわち、スレーブ制御ゾーン)にあるエレクトロクロミック窓に、色付き状態(レベル)または透明状態などの色合いレベルに移行するよう命令することができる。いくつかの実施形態では、第2のゾーンの窓の色合いレベルがそのような手動コマンドによってオーバーライドされると、第1のゾーン(すなわちマスタ制御ゾーン)のエレクトロクロミック窓は、透過率センサからの出力を受信する窓コントローラの制御下に留まる。第2のゾーンは、一定期間手動コマンドモードに留まり、その後、透過率センサからの出力を受信する窓コントローラの制御下に戻ることができる。例えば、第2のゾーンは、オーバーライドコマンドを受信した後に1時間手動モードに留まり、その後、透過率センサからの出力を受信する窓コントローラの制御下に戻ることができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、建物の管理者、第1のゾーンの部屋の現住者、または他の人は、手動で(例えば、色合いコマンドまたはBMSのユーザコンソールからのコマンドを使用して)第1のゾーン(すなわち、マスタ制御ゾーン)にある窓に、色付き状態または透明状態などの色合いレベルに移行するよう命令することができる。いくつかの実施形態では、第1のゾーンの窓の色合いレベルがそのような手動コマンドによってオーバーライドされると、第2のゾーン(すなわちスレーブ制御ゾーン)のエレクトロクロミック窓は、外部センサからの出力を受信する窓コントローラの制御下に留まる。第1のゾーンは、一定期間手動コマンドモードに留まり、その後、透過率センサからの出力を受信する窓コントローラの制御下に戻ることができる。例えば、第1のゾーンは、オーバーライドコマンドを受信した後に1時間手動モードに留まり、その後、透過率センサからの出力を受信する窓コントローラの制御下に戻ることができる。いくつかの他の実施形態では、第2のゾーンのエレクトロクロミック窓は、第1のゾーンのマニュアルオーバーライドが受信されたときにその窓があった色合いレベルに留まることができる。第1のゾーンは、一定期間手動コマンドモードに留まり、その後、第1のゾーンおよび第2のゾーンの双方が、透過率センサからの出力を受信する窓コントローラの制御下に戻ることができる。
【0105】
窓コントローラがスタンドアロン窓コントローラであるか、または建物ネットワークとインターフェース接続されているかにかかわらず、本明細書に記載の着色可能窓の制御方法のいずれも、着色可能窓の色合いの制御に使用されることができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の窓コントローラは、窓コントローラと、センサと、別々の通信ノードとの間の有線通信または無線通信用の構成要素を含む。無線通信または有線通信は、窓コントローラと直接インターフェース接続する通信インターフェースによって実現されることができる。そのようなインターフェースは、マイクロプロセッサに固有のものとすることができるか、またはその機能を可能にする追加の回路網を介して提供されることができる。さらに、現場ネットワークの他のシステムは、異なるシステム要素間の有線通信または無線通信用の構成要素を含むことができる。
【0107】
無線通信用の別個の通信ノードは、例えば、別の無線窓コントローラ、エンド窓コントローラ、中間窓コントローラ、またはマスタ窓コントローラ、遠隔制御デバイス、またはBMSとすることができる。無線通信は、以下の動作のうちの少なくとも1つのために窓コントローラにおいて使用される:エレクトロクロミック窓405のプログラミングおよび/または動作、本明細書に記載の様々なセンサおよびプロトコルからのEC窓405からのデータの収集、および無線通信用の中継点としてのエレクトロクロミック窓405の使用。エレクトロクロミック窓405から収集されたデータはまた、ECデバイスが作動した回数などのカウントデータ、経時的なECデバイスの効率などを含むことができる。これらの無線通信特徴は、以下により詳細に説明される。
【0108】
一実施形態では、無線通信は、例えば赤外線(IR)および/または無線周波数(RF)信号を介して、関連付けられたエレクトロクロミック窓405を動作させるために使用される。特定の実施形態では、コントローラは、Bluetooth、EnOcean、Wi-Fi、Zigbeeなどの無線プロトコルチップを含む。窓コントローラはまた、ネットワークを介した無線通信を有することができる。窓コントローラへの入力は、直接的または無線通信を介してのいずれかで、エンドユーザによって壁スイッチにおいて手動で入力されることができるか、あるいは、入力は、エレクトロクロミック窓が構成要素である建物のBMSからのものとすることができる。
【0109】
一実施形態では、窓コントローラが、コントローラの分散型ネットワークの一部である場合、それぞれが無線通信構成要素を有するコントローラの分散型ネットワークを介して、データを複数のエレクトロクロミック窓のそれぞれに転送し、またそれぞれから転送するために無線通信が使用される。例えば、また
図5を参照すると、マスタコントローラ503は、ネットワークコントローラ507aおよび507bのそれぞれと無線で通信し、ひいてはこれらのネットワークコントローラは、それぞれがエレクトロクロミック窓に関連付けられたエンドコントローラ508と無線で通信する。マスタコントローラ503はまた、BMS505と無線で通信することもできる。一実施形態では、窓コントローラにおける少なくとも1つの通信レベルは、無線で行われる。
【0110】
いくつかの実施形態では、複数の無線通信モードが、窓コントローラ分散型ネットワークにおいて使用される。例えば、マスタ窓コントローラは、Wi-FiまたはZigbeeを介して中間コントローラに無線で通信することができる一方で、中間コントローラは、Bluetooth、Zigbee、EnOcean、または他のプロトコルを介してエンドコントローラと通信する。別の例では、窓コントローラは、無線通信に対するエンドユーザ選択における柔軟性のために、冗長な無線通信システムを有する。
【0111】
例えば、マスタおよび/または中間窓コントローラとエンド窓コントローラとの間の無線通信は、ハード通信回線の設置を不要にするという利点をもたらす。これは、窓コントローラとBMSとの間の無線通信にも当てはまる。一態様では、これらの役割での無線通信は、窓を動作させて、例えば、建物における環境および省エネルギを最適化するのにBMSにデータを提供するように、エレクトロクロミック窓にデータを転送し、またエレクトロクロミック窓からデータを転送するのに有用である。窓場所データとともにセンサからのフィードバックは、そのような最適化に相乗効果を発揮する。例えば、建物の様々な環境を最適化するために、きめ細かいレベル(窓ごと)の微気象情報がBMSに送られる。
【0112】
図6は、実施形態にかかる、建物(例えば、
図5に示される建物501)の1つ以上の着色可能窓の機能(例えば、異なる色合いレベルへの遷移)を制御するためのシステム600の構成要素のブロック図である。システム600は、BMS(例えば、
図5に示されるBMS505)によって管理されるシステムのうちの1つであってもよく、またはBMSとは無関係に動作してもよい。
【0113】
システム600は、その機能を制御するための制御信号を着色可能窓に送信することができる窓コントローラのネットワークを有する窓コントローラシステム602を含む。システム600はまた、マスタコントローラ603と電子通信するネットワーク601も含む。予測制御ロジック、着色可能窓の機能を制御するための他の制御ロジックおよび命令、センサデータ、ならびに/または晴天モデルに関するスケジュール情報は、ネットワーク601を介してマスタコントローラ603に通信されることができる。ネットワーク601は、有線ネットワークまたは無線ネットワーク(例えば、クラウドネットワーク)とすることができる。一実施形態では、ネットワーク601は、BMSと通信して、BMSが、着色可能窓を制御するための命令を、ネットワーク601を介して建物にある着色可能窓に送信するのを可能にすることができる。
【0114】
システム600はまた、着色可能窓(図示せず)のECデバイス680、およびオプションの壁スイッチ690も含み、これらは、双方ともマスタコントローラ603と電子通信する。この図示の例では、マスタコントローラ603は、ECデバイス680を有する着色可能窓の色合いレベルを制御するための制御信号をECデバイス680に送信することができる。各壁スイッチ690もまた、ECデバイス680およびマスタコントローラ603と通信する。エンドユーザ(例えば、着色可能窓を有する部屋の現住者)は、壁スイッチ690を使用して、ECデバイス680を有する着色可能窓のオーバーライド色合いレベルおよび他の機能を入力することができる。
【0115】
図6では、窓制御システム602は、マスタコントローラ603、マスタコントローラ603と通信する複数のネットワークコントローラ606、および多数の複数のエンドまたはリーフ窓コントローラ610を含む窓コントローラの分散型ネットワークとして描写される。複数のエンドまたはリーフ窓コントローラ610のそれぞれは、1つのネットワークコントローラ606と通信する。
図6のシステム600の構成要素は、いくつかの点で、
図5に関して説明された構成要素と同様とすることができる。例えば、マスタコントローラ603は、マスタコントローラ503と同様とすることができ、ネットワークコントローラ606は、ネットワークコントローラ507と同様とすることができる。
図6の分散型ネットワークにある窓コントローラのそれぞれは、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)およびプロセッサと電気通信するコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0116】
図6では、各リーフまたはエンド窓コントローラ610は、1つのみの着色可能窓のECデバイス680と通信して、建物にあるその着色可能窓の色合いレベルを制御する。IGUの場合、リーフまたはエンド窓コントローラ610は、IGUの色合いレベルを制御するためにIGUの多数のライト上のECデバイス680と通信することができる。他の実施形態では、各リーフまたはエンド窓コントローラ610は、複数の着色可能窓と通信することができる。リーフまたはエンド窓コントローラ610は、着色可能窓に一体化されることができるか、またはそれが制御する着色可能窓とは別個とすることができる。
図6のリーフおよびエンド窓コントローラ610は、
図5のエンドまたはリーフコントローラ508と同様とすることができ、および/または
図3に関して記載された窓コントローラ350と同様とすることができる。
【0117】
壁スイッチ690からの信号は、場合によっては、窓制御システム602からの信号をオーバーライドすることができる。他の場合(例えば、高需要の場合)、窓制御システム602からの制御信号は、壁スイッチ690からの制御信号をオーバーライドすることができる。各壁スイッチ690はまた、リーフまたはエンド窓コントローラ610と通信して、壁スイッチ690から送信された制御信号に関する情報(例えば、時刻、日付、要求された色合いレベルなど)をマスタ窓コントローラ603に返送する。場合によっては、壁スイッチ690は、手動で操作されることができる。他の場合、壁スイッチ690は、例えば、赤外線(IR)および/または無線周波数(RF)信号を使用して、制御信号による無線通信を送信する遠隔デバイス(例えば、携帯電話、タブレットなど)を使用して、エンドユーザによって無線で制御されることができる。場合によっては、壁スイッチ690は、Bluetooth、EnOcean、Wi-Fi、Zigbeeなどの無線プロトコルチップを含むことができる。
図6に描写される壁スイッチ690は、壁上に位置するが、システム600の他の実施形態は、部屋のどこか他の場所に位置するスイッチを有してもよい。
【0118】
特定の実施態様では、本明細書に記載されている制御ロジックは、1つ以上の赤外線センサおよび周囲温度センサからの温度読み取り値に基づいて、フィルタリングされたセンサ値を使用して、朝および夕方の、ならびに/または日の出直前の時刻における曇り条件を判定する。1つ以上の赤外線センサは、太陽光レベルとは概ね無関係に動作して、色付け制御ロジックが日の出前の曇り条件を判定し、また、太陽が沈んでいるときに、朝および夕方の間に適切な色合いレベルを判定および維持することを可能にしている。さらに、1つ以上の赤外線センサからの温度読み取り値に基づいて、フィルタリングされたセンサ値が使用されて、可視光光センサが影に隠れるか、または他の方法で遮られている場合であっても、曇り条件を判定することができる。
【0119】
図7は、窓コントローラおよび関連する構成要素の概略図である。図示の例では、窓コントローラ724は、例えば、ECデバイス780から容易に取り外し可能である「プラグ可能な」インターフェース750として展開されることができる(例えば、保守、製造、または交換を容易にするため)。いくつかの実施形態では、窓コントローラ724は、通信バス762を介してネットワークコントローラと通信する。例えば、通信バス762は、コントローラエリアネットワーク(CAN)車両バス規格にしたがって設計されることができる。そのような実施形態では、第1の電気入力752は、第1の電力ライン764に接続されることができる一方で、第2の電気入力754は、第2の電力ライン766に接続されることができる。いくつかの実施形態では、上述したように、電力ライン764および766を介して送信される電力信号は相補的である。すなわち、それらは集合的に差動信号(例えば、差動電圧信号)を表す。いくつかの実施形態では、ライン768は、第3の電気入力756をシステムまたは建物の接地(例えば、アース接地)に結合する。そのような実施形態では、CANバス762を介した通信(例えば、マイクロコントローラ774とネットワークコントローラ706との間)は、CANopen通信プロトコルまたは他の適切なオープン、独自の、もしくはオーバーレイ通信プロトコルにしたがって、それぞれ、電気入力/出力758および760を介して送信される第1および第2の通信ライン770および772に沿って進むことができる。いくつかの実施形態では、通信回線770および772を介して送信される通信信号は相補的である。すなわち、それらは集合的に差動信号(例えば、差動電圧信号)を表す。
【0120】
いくつかの実施形態では、構成要素750は、CAN通信バス762を窓コントローラ724に結合し、特定の実施形態では、マイクロコントローラ774に結合する。いくつかのそのような実施形態では、マイクロコントローラ774はまた、CANopen通信プロトコルを実装するように構成される。マイクロコントローラ774はまた、パルス幅変調増幅器またはパルス幅変調器(PWM)776、スマートロジック778、および信号調整器779と組み合わせて1つ以上の駆動制御アルゴリズムを実装するように設計または構成される(例えば、プログラムされる)。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ774は、次にPWM776に送信される、例えば電圧信号の形態でコマンド信号VCOMMANDを発生させるように構成される。PWM776は、次に、VCOMMANDに基づいて第1の(例えば、正)成分VPW1と第2の(例えば、負)成分VPW2を含むパルス幅変調電力信号を発生させる。次に、電力信号VPW1およびVPW2は、エレクトロクロミックデバイス780において所望の光学的遷移を引き起こすために、例えば、インターフェース788を介してECデバイス780に送信される。いくつかの実施形態では、PWM776は、信号VPW1およびVPW2のパルスの持続時間が等しくないようにパルス幅変調信号のデューティサイクルを変更するように構成される:例えば、PWM776は、第1の60%デューティサイクルを有するVPW1のパルスを発し、第2の40%デューティサイクルについてのVPW2のパルスを発する。第1のデューティサイクルの持続時間および第2のデューティサイクルの持続時間は、集合的に各電力サイクルの持続時間tPWMを表す。いくつかの実施形態では、PWM776は、信号パルスVPW1およびVPW2の大きさを追加的または代替的に変更することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ774は、例えば、CANバス762を介して受信された信号のいずれか、ならびにPWM776によって発生された電圧または電流フィードバック信号VFBおよびIFBのそれぞれなどの1つ以上の要因または信号に基づいてVCOMMANDを発生させるように構成される。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ774は、フィードバック信号IFBまたはVFBにそれぞれ基づいてエレクトロクロミックデバイス780の電流または電圧レベルを判定し、1つ以上の規則またはアルゴリズムにしたがってVCOMMANDを調整し、相対パルス持続時間(例えば、第1および第2のデューティサイクルの相対的な持続時間)または上述したような電圧プロファイルを生成するための電力信号VPW1およびVPW2の振幅の変化をもたらす。追加的または代替的に、マイクロコントローラ774はまた、スマートロジック778または信号調整器779から受信された信号に応答してVCOMMANDを調整することができる。例えば、調整信号VCONは、例えば、外部光センサまたは光検出器792、内部光センサまたは光検出器794、熱または温度センサ796、または色合いコマンド信号VTCなど、1つ以上のネットワーク化または非ネットワーク化デバイスまたはセンサからのフィードバックに応答して、信号調整器779によって発生されることができる。例えば、信号調整器779およびVCONの追加の実施形態はまた、2012年4月17日に出願され、以前に参照により組み込まれた米国特許出願第13/449,235号にも記載されている。
【0122】
特定の実施形態では、VTCは、ECデバイス780の色合いを動的に調整するためにユーザ(居住者または労働者など)によって使用または調整されることができる0Vから10Vの間のアナログ電圧信号とすることができ(例えば、ユーザは、サーモスタットと同様に建物501の部屋またはゾーンの制御を使用して、部屋またはゾーンのECデバイス780の色合いを微調整または変更することができる)、それによって、VCOMMANDを判定するマイクロコントローラ774内のロジックに動的なユーザ入力を導入する。例えば、0から2.5Vの範囲で設定すると、VTCは、5%のT状態への遷移を引き起こすために使用されることができるが、2.51から5Vの範囲で設定すると、VTCは、20%のT状態への遷移を引き起こすために使用されることができ、他の範囲および電圧の例のうち、5.1から7.5Vおよび7.51から10Vなどの他の範囲についても同様である。いくつかの実施形態では、信号調整器779は、通信バスまたはインターフェース790を介して前述の信号または他の信号を受信する。いくつかの実施形態では、PWM776はまた、スマートロジック778から受信された信号VSMARTに基づいてVCOMMANDを発生させる。いくつかの実施形態では、スマートロジック778は、例えば、集積回路間(I2C)マルチ-マスタシリアルシングル-エンデッドコンピュータバスなどの通信バスを介してVSMARTを送信する。いくつかの他の実施形態では、スマートロジック778は、1-WIREデバイス通信バスシステムプロトコル(テキサス州ダラスのDallas Semiconductor Corp.による)を介してメモリデバイス282と通信する。
【0123】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ774は、1つ以上の制御機能を実行するためのロジックを含む、プロセッサ、チップ、カード、またはボード、あるいはこれらの組み合わせを含む。マイクロコントローラ774の電力および通信機能は、単一のチップ、例えば、プログラマブルロジックデバイス(PLD)チップもしくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または同様のロジックにおいて組み合わせられることができる。そのような集積回路は、ロジック、制御および電力機能を単一のプログラム可能チップに組み合わせることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ774は、例えばインターネットを含むプライベートネットワークまたはパブリックネットワークと通信可能に結合されることができる。図示の例では、マイクロコントローラ774は、入力/出力763および765を含み、これらは、そのようなクラウドネットワークとのイーサネットおよびWi-Fiインターフェースをそれぞれ提供することができる。
【0125】
一般に、エレクトロクロミックデバイスの遷移を制御するために使用されるロジックは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで設計または構成されることができる。換言すれば、駆動回路を制御するための命令は、ハードコーディングされるか、またはソフトウェアとして提供されることができる。命令は「プログラミング」によって提供されると言うことができる。そのようなプログラミングは、デジタル信号プロセッサのハードコーディングされたロジックや、ハードウェアとして実装された特定のアルゴリズムを有する他のデバイスを含む、あらゆる形式のロジックを含むように理解される。プログラミングはまた、汎用プロセッサで実行されることができるソフトウェアまたはファームウェア命令も含むように理解される。いくつかの実施形態では、バスバーへの電圧の印加を制御するための命令は、コントローラに関連付けられたメモリデバイスに記憶されるか、またはネットワークを介して提供される。適切なメモリデバイスの例は、半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリなどを含む。印加電圧を制御するためのコンピュータプログラムコードは、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、Fortranなどの任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語で作成されることができる。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラムで識別されたタスクを実行するためにプロセッサによって実行される。
【0126】
上述したように、いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ774、または窓コントローラ724はまた、一般に、無線制御および電力供給機能などの無線機能も有することができる。例えば、マイクロコントローラ774に命令を送信し、マイクロコントローラ774が、例えば、他の窓コントローラ、ネットワークコントローラ706、または直接BMS705にデータを送信するために、無線周波数(RF)信号または赤外線(IR)信号などの無線制御信号、ならびに、とりわけ、Wi-Fi(上記)、Bluetooth、Zigbee、EnOceanなどの無線通信プロトコルが使用されることができる。様々な実施形態では、無線通信は、エレクトロクロミックデバイス780のプログラミングまたは操作、データの収集またはエレクトロクロミックデバイス780からの入力の受信、データの収集またはセンサからの入力の受信、ならびに他の無線通信の中継点としての窓コントローラ724の使用のうちの少なくとも1つに使用されることができる。ECデバイス780から収集されるデータはまた、他の有用なデータまたは性能メトリクスの中でも、ECデバイス780がアクティブ化(サイクル)された回数、経時的なECデバイス780の効率などのカウントデータを含むことができる。
【0127】
窓コントローラ724はまた、無線電力機能を有することができる。例えば、窓コントローラは、1つ以上の無線電力送信機からの送信を受信する1つ以上の無線電力受信機、ならびに窓コントローラ724が無線で電力を受信し且つエレクトロクロミックデバイス780に無線で電力を分配することを可能にする電力送信を送信する1つ以上の無線電力送信機を有することができる。無線電力送信は、例えば、誘導、共振誘導、RF電力伝送、マイクロ波電力伝送、およびレーザ電力伝送を含む。例えば、発明者としてRozbickiの名前が挙げられ、2010年12月17日に出願され、WIRELESS POWERED ELECTROCHROMIC WINDOWSと題され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第12/971,576号(代理人整理番号SLDMP003)は、無線電力機能の様々な実施形態を詳細に記載している。
【0128】
いくつかの実施形態では、光学的に切り替え可能なエレクトロクロミックデバイスを組み込んだ複数の現場を監視および管理するためのクラウドベースの技術が企図されている。「クラウドベース」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、開示された技術において使用される計算および/またはデータストレージリソースの少なくとも一部が、監視される現場のうちの1つ以上ではなく、1つ以上の遠隔サーバに常駐することを意味する。いくつかの実施形態では、エレクトロクロミックデバイスのローカルネットワークが建物現場に配置されるウェブアプリケーションプログラミングインターフェース(API)は、クラウドベースの現場監視システムおよび/またはクラウドベースのマスタネットワークコントローラとインターフェース接続することができる。APIを使用して、エレクトロクロミックデバイスおよび関連するローカルネットワークデバイスの健全性および状態が監視および制御されることができる。例えば、所望のCANバス制御設定の遠隔判定が行われ、HTTPオーバーインターネットを介してAPIに送信されることができる。
【0129】
図8は、実施形態にかかる、現場監視および制御システムの例を示している。図示の例では、現場監視および制御システム800は、複数の監視された現場-現場1~5とインターフェース接続する。各現場は、エレクトロクロミック窓などの1つ以上の切り替え可能な光学デバイスと、窓の切り替えを制御するように設計または構成された1つ以上のコントローラとを有する。現場監視および制御システム800はまた、複数のクライアントマシン-クライアント1~4とインターフェース接続する。クライアントは、ワークステーション、ポータブルコンピュータ、スマートフォンなどのモバイルデバイスなどとすることができ、それぞれが現場内のデバイスの機能に関する情報を提示することができる。現場監視および制御システム800に関連する人員は、1つ以上のクライアントからこの情報にアクセスすることができる。場合によっては、クライアントは、相互に通信するように構成される。いくつかの実装形態では、1つ以上の現場に関連付けられた人員は、クライアントを介して情報のサブセットにアクセスすることができる。様々な実装では、クライアントマシンは、現場の一部または全ての光学デバイス情報のビューおよび分析を提示するように設計または構成された1つ以上のアプリケーションを実行する。
【0130】
現場監視および制御システム800は、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア構成を含むことができる。図示の実施形態では、システム800は、現場インターフェース813、アプリケーションサーバ815、およびレポートサーバ817を含む。現場インターフェース813は、現場と直接通信することができ、現場から受信したデータを記憶するためのデータウェアハウスを含むことができる。例えば、現場からのデータは、リレーショナルデータベースまたは他のデータストレージ装置に記憶されることができる。一実施形態では、データは、データベース、またはOracle DB、Sequel DB、またはカスタム設計されたデータベースなどの他のデータリポジトリに記憶される。現場インターフェース813は、現場のマスタネットワークコントローラなどのいくつかのエンティティのいずれかから情報を取得し、それらにコマンドを送信することができる。アプリケーションサーバ815およびレポートサーバ817は、それぞれ、クライアントとインターフェース接続して、アプリケーションサービスおよびレポートを提供する。一実施形態では、レポートサーバは、Tableau、Jump、Actuate、またはカスタム設計されたレポート生成器を実行する。図示の実施形態では、現場インターフェース813およびアプリケーションサーバ815は、それぞれ、レポートサーバ817に情報を提供する。現場インターフェース813とアプリケーションサーバ815との間の通信は、現場インターフェース813とレポートサーバ817との間、ならびにアプリケーションサーバ815とレポートサーバ817との間の通信と同様に、双方向である。
【0131】
上述したように、現場は、(a)それぞれが(窓)コントローラによって直接制御される複数の切り替え可能な光学デバイス(例えば、複数の切り替え可能な光学デバイス)、(b)照明センサなどの複数のセンサ、および(c)ネットワークコントローラおよびマスタネットワークコントローラなどの1つ以上のより高いレベルのコントローラを含むことができる。いくつかの実装形態では、より高いレベルのコントローラ(例えば、
図5のマスタコントローラ503)の一部または全部の機能は、現場監視および制御システム800によって提供される。その結果、現場のマスタコントローラが大幅に簡素化さらには排除されることができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、現場監視および制御システムは、コントローラの階層を含むことができる。
図6は、(1)1つ以上のローカル窓コントローラ(例えば、601)を含む最下位レベル、(2)1つ以上のネットワークコントローラ(例えば、606)を含む中間レベル、および(3)マスタコントローラ603を含む最高レベルの3つの階層レベルを含むコントローラの階層の例を示している。階層は、2つ以上のレベルを含むことができる。階層は、マスタコントローラ、施設コントローラ、建物コントローラ、フロアコントローラ、および/またはローカルコントローラを含むことができる。ローカルコントローラは、1つ以上のデバイスに(例えば、直接)結合されることができる。例えば、ローカルコントローラは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、12、24、または48個のデバイスに結合(例えば、制御)されることができる。ローカルコントローラは、前述の数の間の任意数のデバイス(例えば、1から48個、1から8個、1から12個、または1から24個のデバイス)に結合(例えば、制御)されることができる。結合は、通信結合を含むことができる。結合は、有線および/または無線結合とすることができる。結合は、光学的結合または電気的結合を含むことができる。無線結合は、1つ以上のアンテナの使用を含むことができる。無線結合は、光信号または音声信号の送信を含むことができる。光学的結合は、赤外線放射を含むことができる。ネットワークコントローラは、フロアおよび/または建物コントローラとすることができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、監視および制御システムの階層レベルは、物理回路を備える。物理回路は、コントローラを備えることができる。物理回路は、プロセッサを含むことができる。物理回路は、回路基板を含むことができる。回路は、洗練されている(例えば、コンピュータ)か、またはそれほど洗練されていない(例えば、制御可能なスイッチ)ものとすることができる。制御可能なスイッチは、通信可能に制御される(例えば、信号制御される)ことができる。制御可能なスイッチは、配線ネットワークを介して送信される信号(例えば、電気信号、音声信号、および/または光信号)によって制御されることができる。通信制御可能なスイッチは、壁スイッチ(例えば、690)とは異なることができる。通信制御可能なスイッチは、手動スイッチとは異なることができる。より高い階層レベルの回路は、より低い階層レベルの回路よりも洗練された回路を備えることができる。例えば、マスタコントローラは、コンピュータを備えることができる一方で、ローカルコントローラは、スイッチとすることができる。階層内の少なくとも1つのより高いレベルの回路の洗練度は、(例えば、ローカルコントローラを備える)最も低い階層レベルよりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、回路の洗練度は、階層レベルのそれぞれとすることができ、最高の階層(例えば、マスタコントローラを含む)は、最高の回路の洗練度を有し、下位の階層(例えば、ローカルコントローラを含む)は、最低の回路の洗練度を有する。物理回路は、メモリおよび/またはデータストレージユニットを含むことができる。メモリは、多かれ少なかれデータを保持することができる。より高い階層レベルの回路に結合されたメモリは、より低い階層レベルの回路よりも多くのデータを占有することができる。例えば、マスタコントローラは、ローカルコントローラのメモリよりも多くのデータをメモリに保持することができる。階層内の少なくとも1つの上位レベルの回路に結合された(例えば、その一部である)メモリは、最下位の階層レベル(例えば、ローカルコントローラを含む)よりも多くのデータを保持することができる。いくつかの実施形態では、回路に(例えば、その一部として)結合されたメモリによって保持されるデータの量は、階層レベルのそれぞれのものとすることができ、最高の階層(例えば、マスタコントローラを含む)は、最高のメモリ容量を有し、下位の階層(例えば、ローカルコントローラを含む)は、最小のメモリ容量を有する。データストレージユニットは、多かれ少なかれデータを保持することができる。より高い階層レベルの回路に結合されたデータストレージユニットは、より低い階層レベルのデータよりも多くのデータを占有することができる。例えば、マスタコントローラは、ローカルコントローラのデータストレージユニットよりも多くのデータをそのデータストレージユニットに保持することができる。階層内の少なくとも1つの上位レベルの回路に結合された(例えば、その一部である)データストレージユニットは、最下位の階層レベル(例えば、ローカルコントローラを含む)よりも多くのデータを保持することができる。いくつかの実施形態では、回路に(例えば、その一部として)結合されたデータストレージユニットによって保持されるデータの量は、階層レベルのそれぞれのものとすることができ、最高の階層(例えば、マスタコントローラを含む)は、最高のデータストレージ容量を有し、下位の階層(例えば、ローカルコントローラを含む)は、最小のデータストレージ容量を有する。
【0134】
いくつかの実施形態では、現場監視および制御システムは、1つ以上のデバイスを制御するコントローラの階層を含むことができる。デバイスは、施設内に配置されることができる。施設は、1つ以上の建物を含むことができる。現場監視および制御システムは、通信ネットワークおよび/または電力ネットワークを含むことができるか、またはそれらに結合されることができる。通信および/または電力ネットワークは、1つ以上のワイヤを備えることができる。ワイヤは、光ワイヤまたは電気ワイヤを含むことができる。ワイヤは、同軸またはツイストワイヤを含むことができる。通信ネットワークは、アンテナ(例えば、受信アンテナおよび/または送信アンテナ)、送信機、トランシーバ、受信機、またはルータを備えることができる。ネットワークは、建物管理システムを含むことができるか、またはそれに結合されることができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、階層の少なくとも1つのレベルに関連する少なくとも1つのコントローラ(例えば、回路を備える)は、施設外に配置されることができる。例えば、複数の階層レベルの制御に関連するコントローラは、施設外に配置されることができる(例えば、物理的に配置されることができる)。例えば、1つ以上のより高い階層レベルの制御に関連するコントローラは、施設外に配置されることができる(例えば、物理的に配置されることができる)。例えば、最低レベルの制御に関連する1つ以上のコントローラ(例えば、のみ)は、施設内に配置されることができる。例えば、最低レベルの制御に関連する1つ以上のコントローラ(例えば、のみ)は、施設内に物理的に配置されることができる。例えば、階層レベルの単一レベルのみに関連するコントローラは、施設内に物理的に配置される。例えば、階層レベルの中で最も低いレベルに関連するコントローラ(例えば、のみ)は、施設内に物理的に配置される。例えば、(i)回路の洗練化、(ii)ロジックの洗練化、(iii)メモリ容量、および/または(iv)データストレージ容量の最低レベルを有するコントローラ(例えば、のみ)は、施設内に物理的に配置される。例えば、最低の従属レベルを有するコントローラ(例えば、のみ)は、施設内に物理的に配置される。例えば、制御する1つ以上のデバイスに直接結合されているコントローラ(例えば、のみ)は、施設内に物理的に配置される。いくつかの実施形態では、第1のコントローラがデバイスに直接結合されている場合、第1のコントローラとデバイスとの間に介在する第2のコントローラはない。いくつかの実施形態では、第1のコントローラがデバイスに直接結合されている場合、第1のコントローラとデバイスとの間に介在する他の回路はない。回路は、電子回路および/または光学回路(例えば、1つ以上の光ファイバを含む)とすることができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、階層の少なくとも1つのレベルに関連するロジックは、施設外に配置されることができる。ロジックは、回路(例えば、コンピュータなどのプロセッサ)によって読み取り可能な少なくとも非一時的な媒体に埋め込まれることができる。ロジックは、コード(例えば、ASCII、Java、C++、Python)の形式とすることができる。例えば、複数の階層レベルの制御に関連するロジックは、施設外に配置された非一時的な媒体に埋め込まれることができる。例えば、1つ以上のより高い階層レベルの制御に関連するロジックは、施設外に配置された(例えば、物理的に配置された)非一時的な媒体に埋め込まれることができる。例えば、最低レベルの制御に関連する1つ以上のロジック(例えば、のみ)は、施設内に配置された非一時的な媒体に埋め込まれることができる。例えば、最低レベルの制御に関連する1つ以上のロジック(例えば、のみ)は、施設内に物理的に配置された非一時的な媒体に埋め込まれることができる。例えば、制御の階層に関連する全てのロジックは、施設外に物理的に配置された非一時的な媒体に埋め込まれることができる。制御の階層に関連するロジック(例えば、のみ)は、施設外に物理的に配置された非一時的な媒体に埋め込まれ、(例えば、1つ以上のネットワークシステムを介して)施設に送信されることができる。送信は、信号伝達(例えば、光学的、音響的、および/または電気的信号伝達)を介して行われることができる。送信は、(例えば、ローカルコントローラの)回路へのものとすることができる。ロジックは、コントローラの階層の回路(例えば、その任意の回路)によって準備ができていてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、複数のデバイスは、制御システムに動作可能に(例えば、通信可能に)結合されることができる。制御システムは、コントローラの階層を含むことができる。デバイスは、放射器、センサ、または窓(例えば、IGU)を備えることができる。デバイスは、本明細書に開示される任意のデバイスとすることができる。複数のデバイスのうちの少なくとも2つは、同じ種類のものとすることができる。例えば、2つ以上のIGUは、制御システムに結合されることができる。複数のデバイスのうちの少なくとも2つは、異なる種類のものとすることができる。例えば、センサおよび放射器は、制御システムに結合されることができる。時々、複数のデバイスは、少なくとも20、50、100、500、1000、2500、5000、7500、10000、50000、100000、または500000個のデバイスを備えることができる。複数のデバイスは、前述の数の間の任意数のものとすることができる(例えば、20個のデバイスから500000個のデバイス、20個のデバイスから50個のデバイス、50個のデバイスから500個のデバイス、500個のデバイスから2500個のデバイス、1000個のデバイスから5000個のデバイス、5000個のデバイスから10000個のデバイス、10000個のデバイスから100000個のデバイス、または100000個のデバイスから500000個のデバイス)。例えば、フロアの窓の数は、少なくとも5、10、15、20、25、30、40、または50枚とすることができる。フロアの窓の数は、前述の数の間の任意数とすることができる(例えば、5から50枚、5から25枚、または25から50枚)。時々、デバイスは、高層建物にある場合がある。高層建物のフロアの少なくとも一部は、制御システムによって制御される装置を有することができる(例えば、高層建物のフロアの少なくとも一部は、制御システムによって制御されることができる)。例えば、高層建物は、制御システムによって制御される少なくとも2、8、10、25、50、80、100、120、140、または160個のフロアを有することができる。制御システムによって制御されるフロア(例えば、その中のデバイス)の数は、前述の数の間の任意数(例えば、2から50個、25から100個、または80から160個)とすることができる。フロアは、少なくとも約150m2、250m2、500m2、1000m2、1500m2、または2000平方メートル(m2)の面積のものとすることができる。フロアは、前述の床面積値のいずれかの間の面積を有することができる(例えば、約150m2から約2000m2、約150m2から約500m2、約250m2から約1000m2、または約1000m2から約2000m2)。
【0138】
いくつかの実施形態では、コントローラは、回路を備える。コントローラは、自動コントローラとすることができる。コントローラは、プログラム可能とすることができる。コントローラは、プログラム可能な回路を備えることができる。コントローラは、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を備えることができる。プログラマブルロジックデバイスは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、ジェネリックアレイロジック、プログラマブルアレイロジック、またはプログラマブルロジックアレイを備えることができる。コントローラは、比例、積分および微分コントローラを備えることができる。コントローラは、マイクロコントローラを備えることができる。コントローラは、スイッチ(例えば、電気的および/または光学的スイッチ)、コンデンサ、抵抗器、またはアクチュエータを備えることができる。コントローラは、信号ブースタを備えることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、コントローラの階層は、1つ以上のデバイスを制御するように構成されることができる。1つ以上のデバイスのうちのデバイスは、窓、センサ、アクチュエータ、放射器、アンテナ、および/または受信機を含むことができる。放射器は、ブザー、ライト、ヒータ、クーラー、および/または冷暖房換気および空調システム(HVAC)を含むことができる。センサは、データ、温度、湿度、音、力、圧力、電磁波、位置、距離、動き、流れ、加速度、速度、振動、塵埃、光、まぶしさ、色、ガス、および/または環境(例えば、エンクロージャ)の他の態様(例えば、特性)のうちの1つ以上を処理、測定、分析、検出および/または反応するように構成されることができる。エンクロージャは、施設のものとすることができる。ガスは、揮発性有機化合物(VOC)を含むことができる。ガスは、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気(例えば、湿度)、酸素、ラドン、および/または硫化水素を含むことができる。窓は、着色可能窓(例えば、エレクトロクロミック窓などの電気的に着色可能な窓)とすることができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、コントローラは、処理ユニット(例えば、CPUまたはGPU)を備えることができる。コントローラは、(例えば、少なくとも1つのセンサからの)入力を受信することができる。コントローラは、回路、電気配線、光配線、ソケット、および/またはコンセントを備えることができる。コントローラは、出力を送達することができる。コントローラは、複数の(例えば、サブ)コントローラを備えることができる。コントローラは、制御システム(例えば、コントローラの階層)の一部とすることができる。制御システムは、マスタコントローラ、フロア(例えば、ネットワークコントローラを備える)コントローラ、ローカルコントローラを備えることができる。ローカルコントローラは、窓コントローラ(例えば、光学的に切り替え可能な窓を制御する)、エンクロージャコントローラ、または構成要素コントローラとすることができる。例えば、コントローラは、階層的制御システム(例えば、1つ以上のコントローラ、例えば、フロアコントローラ、ローカルコントローラ(例えば、窓コントローラ)、エンクロージャコントローラ、および/または構成要素コントローラを指示するメインコントローラを備える)の一部とすることができる。コントローラは、(例えば、デバイスに直接結合された)1つ以上のデバイスを制御することができる。コントローラは、それが制御している1つ以上のデバイスの近位に配置されることができる。例えば、コントローラは、光学的に切り替え可能なデバイス(例えば、IGU)、アンテナ、センサ、および/または出力デバイス(例えば、光源、音源、匂い源、ガス源、HVAC出口、またはヒータ)を制御することができる。一実施形態では、フロアコントローラは、1つ以上の窓コントローラ、1つ以上のエンクロージャコントローラ、1つ以上の構成要素コントローラ、またはそれらの任意の組み合わせを指示することができる。フロア(例えば、ネットワークを備える)コントローラは、複数のローカル(例えば、窓を備える)コントローラを制御することができる。複数のローカルコントローラは、施設の一部(例えば、建物の一部)に配置されることができる。施設の一部は、施設のフロアとすることができる。例えば、フロアコントローラは、フロアに割り当てられることができる。いくつかの実施形態では、フロアは、例えば、フロアサイズおよび/またはフロアコントローラに結合されたローカルコントローラの数に応じて、複数のフロアコントローラを備えることができる。例えば、フロアコントローラは、フロアの一部に割り当てられることができる。例えば、フロアコントローラは、施設内に配置されたローカルコントローラの一部に割り当てられることができる。例えば、フロアコントローラは、施設のフロアの一部に割り当てられることができる。マスタコントローラは、1つ以上のフロアコントローラに結合されることができる。フロアコントローラは、施設内に配置されることができる。マスタコントローラは、施設内に配置されることも、または施設外に配置されることもできる。いくつかの実施形態では、コントローラは、建物管理システムの一部であるか、または建物管理システムに動作可能に結合される。
【0141】
いくつかの実施形態では、コントローラは、1つ以上の入力を受信し、および/または1つ以上の出力を生成する。コントローラは、単一入力単一出力コントローラ(SISO)または多入力多出力コントローラ(MIMO)とすることができる。コントローラは、受信した入力信号を解釈することができる。コントローラは、1つ以上の構成要素(例えば、センサ)からデータを取得することができる。取得は、受信または抽出を含むことができる。データは、測定、推定、判定、生成、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。コントローラは、フィードバック制御を含むことができる。コントローラは、フィードフォワード制御を含むことができる。制御は、オンオフ制御、比例制御、比例積分(PI)制御、または比例積分微分(PID)制御を含むことができる。制御は、開ループ制御、または閉ループ制御を含むことができる。コントローラは、閉ループ制御を含むことができる。コントローラは、開ループ制御を含むことができる。コントローラは、ユーザインターフェースを含むことができる。ユーザインターフェースは、キーボード、キーパッド、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン、音声認識パッケージ、カメラ、撮像システム、またはそれらの任意の組み合わせを含む(または動作可能に結合される)ことができる。出力は、ディスプレイ(例えば、画面)、スピーカ、またはプリンタを含むことができる。いくつかの実施形態では、ローカルコントローラは、1つ以上のIGU、1つ以上のセンサ、1つ以上の出力デバイス(例えば、1つ以上の放射器)、またはそれらの任意の組み合わせを制御する。コントローラは、外部ソースに動作可能に結合されることができる(例えば、直接的に/間接的におよび/または有線でおよび/無線で)。外部ソースは、ネットワーク(例えば、送電網および/または通信ネットワーク)を備えることができる。外部ソースは、1つ以上のセンサまたは出力デバイスを備えることができる。外部ソースは、クラウドベースのアプリケーションおよび/またはデータベースを備えることができる。通信は、有線および/または無線とすることができる。外部ソースは、施設外に配置されることができる。例えば、外部ソースは、例えば、施設の壁または天井に配置された1つ以上のセンサおよび/またはアンテナを備えることができる。通信は、単方向または双方向とすることができる。
【0142】
本明細書に記載の方法、システム、および/または装置は、制御システムを備えることができる。制御システムは、本明細書に記載の装置(例えば、センサ、放射器、受信機、アンテナ、または窓)のいずれかと通信することができる。装置(例えば、デバイス)は、例えば、本明細書に記載されるように、同じ種類の少なくとも2つおよび/または異なる種類の少なくとも2つを含むことができる。例えば、制御システムは、第1のデバイスおよび/または第2のデバイスと通信することができる。制御システムは、1つ以上のデバイスを制御することができる。制御システムは、建物管理システムの1つ以上の構成要素(例えば、照明、セキュリティ、および/または空調システム)を制御することができる。コントローラは、エンクロージャの少なくとも1つの(例えば、環境)特性を調節することができる。制御システムは、例えば、本明細書に開示されるように、任意のデバイスを使用してエンクロージャ環境を調節することができる。制御は、手動および/または自動制御を含むことができる。制御システムは、建物管理システムの任意の構成要素を使用してエンクロージャ環境を調節することができる。例えば、制御システムは、暖房要素および/または冷房要素によって供給されるエネルギを調節することができる。例えば、制御システムは、ベントを通ってエンクロージャにおよび/またはエンクロージャから流れる空気の速度を調節することができる。制御システムは、プロセッサを備えることができる。プロセッサは、処理ユニットとすることができる。コントローラは、処理ユニットを備えることができる。処理ユニットは、中央とすることができる。処理ユニットは、中央処理装置(本明細書では「CPU」と略される)を備えることができる。処理ユニットは、グラフィック処理装置(本明細書では「GPU」と略される)とすることができる。コントローラまたは制御機構(例えば、コンピュータシステムを備える)は、本開示の1つ以上の方法を実装するようにプログラムされることができる。プロセッサは、本開示の方法を実装するようにプログラムされることができる。コントローラは、本明細書に開示される成形システムおよび/または装置の少なくとも1つの構成要素を制御することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、例えば、暖房、冷房、照明、通気、またはそれらの任意の組み合わせを制御するなど、本開示の方法、装置、およびシステムの様々な特徴を制御(例えば、指示、監視、および/または調節)することができる。コンピュータシステムは、本明細書に開示される任意のデバイスの一部とすることができるか、またはそれらと通信することができる。コンピュータは、本明細書に開示される1つ以上の機構、および/またはその任意の部分に結合されることができる。例えば、コンピュータは、1つ以上のセンサ、バルブ、スイッチ、ライト、窓(例えば、IGU)、モータ、ポンプ、光学部品、またはそれらの任意の組み合わせに結合されることができる。
【0144】
コンピュータシステムは、処理ユニット(本明細書において使用される「プロセッサ」、「コンピュータ」および「コンピュータプロセッサ」も含む)を含むことができる。コンピュータシステムは、1つ以上の他のシステム、およびキャッシュ、他のメモリ、データストレージおよび/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺機器と通信するためのメモリまたはメモリ位置(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子ストレージユニット(例えば、ハードディスク)、通信インターフェース(例えば、ネットワークアダプタ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ、ストレージユニット、インターフェース、および/または周辺機器は、例えば、マザーボードなどの通信バス(実線)を介して、処理ユニットと通信している。ストレージユニットは、データを記憶するためのデータストレージユニット(またはデータリポジトリ)とすることができる。データストレージユニットは、メモリとすることができる。コンピュータシステムは、例えば、通信インターフェースの助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)に動作可能に結合されることができる。ネットワークは、インターネット、インターネットおよび/またはエクストラネット、あるいはインターネットと通信しているイントラネットおよび/またはエクストラネットを含むことができる。場合によっては、ネットワークは、電気通信および/またはデータネットワークを含む。ネットワークは、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にする1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワークは、場合によってはコンピュータシステムの助けを借りて、ピアツーピアネットワークを実装することができ、これにより、コンピュータシステムに結合されたデバイスがクライアントまたはサーバとして挙動するのを可能にすることができる。
【0145】
処理ユニットは、プログラムまたはソフトウェアで具体化されることができる一連の機械可読命令を実行することができる。命令は、メモリなどのメモリ位置に記憶されることができる。命令は、処理ユニットに指示されることができ、処理ユニットは、その後、本開示の方法を実装するように処理ユニットをプログラムするか、さもなければ構成することができる。処理ユニットによって実行される動作の例は、フェッチ、復号、実行、および書き戻しを含むことができる。処理ユニットは、命令を解釈および/または実行することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサ、データプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィカル処理装置(GPU)、システムオンチップ(SOC)、コプロセッサ、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、コントローラ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、チップセット、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。処理ユニットは、集積回路などの回路の一部とすることができる。コンピュータシステムの他の1つ以上の構成要素は、回路に含められることができる。
【0146】
ストレージユニットは、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。ストレージユニットは、ユーザデータ(例えば、ユーザ設定およびユーザプログラム)を記憶することができる。場合によっては、コンピュータシステムは、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステムと通信している遠隔サーバ上に配置されるなど、コンピュータシステムの外部にある1つ以上の追加のデータストレージユニットを含むことができる。
【0147】
コンピュータシステムは、ネットワークを介して1つ以上の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステムは、ユーザ(例えば、オペレータ)の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。遠隔コンピュータシステムの例は、パーソナルコンピュータ(例:ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末を含む。ユーザ(例えば、クライアント)は、ネットワークを介してコンピュータシステムにアクセスすることができる。
【0148】
本明細書に記載の方法は、例えば、メモリまたは電子ストレージユニットなどのコンピュータシステムの電子記憶位置に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実装されることができる。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供されることができる。使用中、プロセッサは、コードを実行することができる。場合によっては、コードは、プロセッサによるアクセスの準備のために、ストレージユニットから取得されてメモリに記憶されることができる。状況によっては、電子ストレージユニットは除外されることができ、機械実行可能命令がメモリに記憶される。
【0149】
コードは、事前にコンパイルされて、コードを実行するように適合されたプロセッサを有するマシンによって使用するように構成されることができるか、実行時にコンパイルされることができる。コードは、コードが事前コンパイル済みまたはコンパイル済みの方法で実行することができるように選択されることができるプログラミング言語で提供されることができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、ロジック(例えば、コードの形態で)を備える。コードは、プログラム命令とすることができる。プログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、コンピュータ)に、フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御ループを指示させることができる。いくつかの実施形態では、プログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサに、閉ループおよび/または開ループ制御スキームを指示させる。制御は、少なくとも部分的に、1つ以上のセンサ読み取り値(例えば、センサデータ)に基づくことができる。1つのコントローラは、複数の動作を指示することができる。少なくとも2つの動作は、異なるコントローラによって指示されることができる。いくつかの実施形態では、1つの異なるコントローラは、動作(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも2つを指示することができる。いくつかの実施形態では、複数の異なるコントローラは、動作(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも2つを指示することができる。いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、それぞれ異なるコンピュータに、動作(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも2つを指示させる。いくつかの実施形態では、異なる非一時的なコンピュータ可読媒体は、それぞれ異なるコンピュータに、動作(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも2つを指示させる。コントローラおよび/またはコンピュータ可読媒体は、本明細書に開示される装置またはその構成要素のいずれかを指示することができる。コントローラおよび/またはコンピュータ可読媒体は、本明細書に開示される方法の任意の動作を指示することができる。
【0151】
現場監視システムは、遠隔現場と通信するための1つ以上のインターフェースを含むことができる。これらのインターフェースは、通常、インターネットを介して安全に通信するためのポートまたは接続である。もちろん、他の形態のネットワークインターフェースが使用されてもよい。データは、現場から現場監視システムに送信する前に圧縮されることができる。現場監視システムは、無線接続またはケーブル接続を介して個々の現場とインターフェース接続することができる。
図8に示される例示的な実施形態では、現場監視および制御システム800は、「クラウド」に実装されている。現場監視システムは、一元化または分散化されることができ、許可された担当者によってクライアントアプリケーションを使用してどこからでもアクセスされることができる。システムの様々な構成要素は、1つ以上の現場、全ての現場から離れた場所、および/またはクラウドにともに配置されることも、または離れて配置されることもできる。現場監視システムの追加の特徴、機能、モジュールなどは、データおよびイベントレポータ、データおよびイベントログおよび/またはデータベース、データアナライザ/レポータ、およびコミュニケータを含むことができる。
【0152】
多くの実施形態では、現場データ分析の全てまたはほとんどは、現場監視および制御システム800において実行されることができるが、これは常にそうであるとは限らない。いくつかの実装形態では、現場データを現場監視システムに送信する前に、一部の現場レベルの分析、データ圧縮などが遠隔現場において実行される。例えば、ネットワークまたはマスタネットワークコントローラは、分析、データ圧縮などを実施するための十分な処理能力および他のリソースを有することができ、したがって、処理は、これを利用するために分散されることができる。この処理能力の分散は、静的ではなくすることができ、すなわち、実行されている機能に応じて、現場監視および制御システム800は、前述のタスクを実行するために遠隔プロセッサを利用することができる。したがって、現場監視および制御システム800は、現場で遠隔プロセッサを使用するか否かの柔軟性を備えて構成されることができる。
【0153】
様々な設備におけるセンサおよびコントローラの監視を通じて、現場監視および制御システム800は、以下のサービスのうちの任意の1つ以上を提供することができる:
【0154】
a.顧客サービス-現場監視および制御システム800は、切り替え可能なデバイス、センサ、および/またはコントローラからのデータが問題を示している場合に留意することができる。誤動作などの問題がすぐに発生する場合もあれば、例えば構成要素の性能が指定されたパラメータから逸脱した場合(十分にさらに機能している場合)など、差し迫った問題が予想される可能性もある。それに応じて、サービス担当者は、問題を修正するために遠隔地を訪問する、および/または問題がある設備を遠隔地に通信することができる。後者のシナリオでは、サービス担当者は、例えば、仕様からの逸脱を補償するために、切り替え可能なデバイスのコントローラを再プログラムすることができる。場合によっては、潜在的な問題にフラグが付けられ、現場で明らかになる前に解決される。例えば、前述の再プログラミングは、窓から永続的に適切な性能を提供するか、フィールドサービス担当者が現場に訪問してユニットを交換または修理することができるまで適切な性能を提供することができる。さらに、監視システムは、現場の問題を自動修正するように構成されることができる。特に明記されていない限り、本明細書に記載されている課題、問題、エラーのいずれかは、現場監視システムのヒューリスティックを使用して自動修正されることができる。一例では、監視システムは、エレクトロクロミック窓の仕様からの逸脱を検出し、逸脱を補償するために窓のコントローラを自動的に再プログラムする。システムはまた、このイベントについてサービス担当者に警告する。そして、サービス担当者は、例えば、さらなる再プログラミング、窓の交換、コントローラの交換など、最適な措置過程を決定することができる。現住者は、窓および/またはコントローラに問題が発生したことを示す兆候がない場合があり、窓の性能に対する現住者の認識は、これら全体を通じて変化しない場合がある。このシステムは、問題の迅速な解決を可能にする。例えば、ダッシュボードインターフェースは、高レベルの概要から問題にドリルダウンする機能を提供することができる。高レベルの概要から、システムは、現場固有のコンテキストベースのログファイルセクション、概略図、写真、およびレポートへの簡単なアクセスを提供することができる。いくつかの実装形態では、システムは、現場に関する1つ以上の問題が識別されると、現場全体にフラグを立てる。このように、システムと対話する人は、そのような情報が必要になるまで、問題に関する細目にさらされる必要はない。したがって、例えば、サービス担当者は、フラグが立てられた現場を迅速に選択し、例えば重大ではない問題のある単一の窓である場合がある実際の問題にドリルダウンすることができる。これは、サービス担当者が、(a)問題が発生した場所を迅速に判定し、(b)各現場で問題の性質を迅速に判定し、および(c)任意の問題に効果的に優先順位を付けることを可能にする。システムはまた、HVACシステムなどの現場の他のシステムに先読みデータを提供することができ、それにより、そのようなシステムがユーザの快適さを向上させ、および/またはエネルギを節約することを可能にする。
【0155】
b.観察された使用傾向に基づいて設備をカスタマイズする。ユーザの好みは、時間の経過とともにプログラムに組み込まれることができる。一例として、現場監視システムは、エンドユーザ(例えば、現住者)が特定の時間に窓制御アルゴリズムをオーバーライドしようとする方法を判定し、この情報を使用してユーザの将来の行動を予測することができる。学習したユーザの好みに応じて色合いレベルを設定するように窓制御アルゴリズムを変更することができる。
【0156】
c.学習したアプローチ(例えば、午後の雷雨が近付いたときに窓を最適に着色する方法)を他の設備に展開する。切り替え可能なデバイスネットワークの設備ベースからの集合的な経験および情報を使用することで達成される利点がある。例えば、制御アルゴリズムの微調整、特定の市場セグメント向けの窓/ネットワーク製品のカスタマイズ、および/または新たなアイデア(例えば、制御アルゴリズム、センサの配置)の試験に役立つ。
【0157】
以下の説明は、現場監視システムによって監視されることができるいくつかの種類の現場情報の例を提示している。情報は、個々の切り替え可能なデバイスの電圧および/または電流対時間データ、センサ出力バージョン時間、通信およびネットワークイベント、ならびにコントローラネットワークのログなどの様々なソースから提供されることができる。時間変数は、太陽の位置、気象などの外部イベントに関連付けられることができる。周期的成分を有する情報は、時間領域だけでなく周波数領域でも分析されることができる。
【0158】
例えば、以下の情報は、窓コントローラの電流/電圧データから導出されることができる:
【0159】
a.ピーク電流の変化[これは、光学的遷移を生成するために電圧を駆動するための傾斜の適用中に生成されることがある。]
【0160】
b.ホールド(リーク)電流の変化[これは、切り替え可能なデバイスの終了状態で観察されることがある。リーク電流の増加率は、デバイスに短絡が発生した可能性と相関があることがある。短絡は、デバイスのハローなどの望ましくない傷を引き起こすことがある。これらは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2013年4月9日に出願された米国特許出願第13/859,623号に記載されたものなどの携帯型欠陥軽減装置を使用してフィールドサービス可能とすることができる。]
【0161】
c.必要な電圧補償の変更[電圧補償は、電源から切り替え可能デバイスへの導電経路の電圧降下を説明するために必要な電圧の変更である。]
【0162】
d.転送された総電荷の変化[一定期間および/または切り替え可能なデバイスの特定の状態(例えば、駆動中またはホールド中)の間に測定される。]
【0163】
e.消費電力の変化[消費電力は、窓またはコントローラごとの(I*V)によって計算されることができる。]
【0164】
f.同じ負荷を有する同じファサードにある他のWC(窓コントローラ)との比較[これは、監視システムが、コントローラによって制御される特定のデバイスではなく、特定のコントローラが問題を有すると判定することを可能にする。例えば、窓コントローラは、5つの断熱ガラスユニットに接続されることができ、それぞれは同じ問題を呈する。5つのデバイスが全て同じ問題に悩まされる可能性は低いため、監視システムは、コントローラが原因であると結論付けることができる。]
【0165】
g.異常なプロファイルのインスタンス:例えば、二重着色/二重クリア[二重着色/クリアとは、通常の駆動サイクル(電圧および/または電流プロファイル)が適用され、切り替え可能なデバイスが切り替えられていないことが判明した状況を指し、その場合、第2の駆動サイクルが実行される必要がある。]
【0166】
h.切り替え特性対外部気象[特定の温度または気象条件では、監視システムは、特定の切り替え結果または性能を予想する。予想された応答からの逸脱は、コントローラ、切り替え可能なデバイス、および/またはセンサに問題があることを示唆する。]
【0167】
本明細書に記載される変化および比較は、例えばネットワークコントローラレベルなどにおいて収集されたデータから生成されることができる。履歴データ(日、週、月、年)は、現場監視システムに保存され、そのようなデータは、比較のために使用されることができる。そのようなデータにより、必要に応じて、温度による変動が特定されて無視されることができる。様々な変化は、それに沿って、または組み合わせて、窓、コントローラ、センサなどの問題の兆候を提供することができる。前述のパラメータのいずれか1つ以上は、電源から切り替え可能なデバイス(および含む)までの任意の位置におけるインビーダンスの増加を特定することができる。この経路は、切り替え可能なデバイス、デバイスに接続されたバスバー、バスバーへのリード取り付け、リード取り付けまたはIGUへのコネクタ、コネクタ(またはIGU)と電源との間のワイヤ群(「ピグテール」と呼ばれることもある)を含むことができる。一例として、パラメータ1a~1eのいずれかまたは複数の変化は、窓枠内の水によって引き起こされた腐食を示す場合がある。これらのパラメータの組み合わせを使用するモデルは、そのような腐食の兆候を認識し、この問題を遠隔で正確にレポートすることができる。
【0168】
さらなる例として、以下の情報は、窓コントローラの状態およびゾーン状態の変化から導出されることができる:
【0169】
a.ゾーンと同期しなくなった任意の窓コントローラ-例えば、これは、通信の問題が原因である場合がある[例:現場のゾーンに複数のコントローラがあり、これらのコントローラの1つが予想どおりに挙動する場合、現場監視システムは、異常なコントローラが通信ネットワークを介してコマンドを受信またはフォローしていないと結論付けることができる。現場監視システムは、問題の原因を分離して修正するための措置を講じることができる。]
【0170】
b.ゾーンの最長切り替え時間と、全てのガラスを同じ速度で切り替えるための調整[現場監視システムは、所望の速度または予想される速度で切り替えられていない特定の切り替え可能なデバイスを識別することができる。デバイスを交換または変更せずに、監視現場は、デバイスが予想される速度で切り替わるように切り替えアルゴリズムを変更することができる。例えば、デバイスの切り替えが遅すぎることが観察された場合、駆動へのその傾斜または駆動電圧が増加する場合がある。これは、遠隔で、特定の実施形態では自動的に行うことができる。]
【0171】
さらに別の例として、以下の情報は、システムログから導出されることができる:
【0172】
a.通信エラーの頻度の任意の変化-ノイズの増加またはデバイスの劣化[コントローラから受信した通信は、遅くなるかまたは停止される場合がある。または、送信通信は、確認または実行されない場合がある。]
【0173】
b.ピグテール(または他の接続)が切断されたように見え始めた場合の接続の劣化[特定の実施形態では、例えば、メモリおよび/またはロジックを含むコネクタは、それが切断されていることを示す信号を提供する。窓コントローラは、遠隔現場監視システムにおいてログに記録されることができるそのような信号を受信することができる。ピグテールおよび他の電気的接続機能のさらなる説明は、2014年6月6日に出願された米国特許出願第14/363,769号に提示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。]
【0174】
さらに別の例として、以下の情報は、システム光センサデータから導出されることができる:
【0175】
a.時間の経過に伴う任意の劣化[これは、信号の大きさの減少として現れる場合がある。センサの損傷、センサの汚れ、センサの前に現れる障害物などを含む様々な要因によって引き起こされる場合がある。]
【0176】
b.外部気象との相関[通常、現場監視システムは、光センサの出力が気象と相関がある必要があると仮定する。]
【0177】
c.現場の窓制御技術が正しく機能していることを確認するためのゾーン状態変化との比較[現場監視システムは、通常、光センサ出力が特定の状態変化基準を満たしたときにゾーンが状態変化することを予想する。例えば、センサが晴れた状態への遷移を示している場合、ゾーン内の切り替え可能なデバイスは、色付けする必要がある。特定の実施形態では、ゾーンごとに1つ以上の光センサが存在する。
【0178】
d.コミッショニング後の周囲の任意の変化[例として、1つ以上のセンサの前に木が生えている、1つ以上のセンサの前に建物が建設されている、または1つ以上のセンサの前に建設用足場が建てられている。周囲のそのような変化は、同様に影響を受ける変化によって影響を受ける複数のセンサによって証明される場合がある(例えば、それらの光センサ出力が同時に低下する)。他の目的の中でも、コミッショニングは、現場内のセンサ、コントローラ、および/または切り替え可能な光学デバイスの展開に関する情報を提供するのに役立つ。コミッショニングは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年4月12日に出願されたPCT出願第PCT/US2013/036456号にさらに記載されている。]
【0179】
別の例として、以下の情報は、状態変化のドライバのログファイル分析から導出されることができる:
【0180】
a.ゾーンによるオーバーライド-ゾーンの制御アルゴリズムのさらなる調整[現場監視システムは、特定の現場の要件を学習し、その学習アルゴリズムを要件に対応するように適応させることができる。様々な種類の適応学習は、その全体が参照により本明細書に先に組み込まれた、2013年4月12日に出願されたPCT出願第PCT/US2013/036456号に記載されている。]
【0181】
b.モバイルデバイス対壁スイッチのオーバーライド-消費者の好み[オーバーライドが観察されると、監視システムは、例えば壁スイッチまたはモバイルデバイスなど、オーバーライドを開始したデバイスの種類を記録することができる。壁スイッチをより頻繁に使用することは、トレーニングの問題またはモバイルデバイスの窓アプリケーションの問題を示している場合がある。]
【0182】
c.様々な状態の時間/頻度-各状態の有用性[複数の色合い状態が利用可能であり、一部が十分に活用されていない場合、特定の状態に問題があることを遠隔監視システムに示すことができる。システムは、状態の透過率またはその他の特性を変更することができる。]
【0183】
d.市場セグメントによる変動[特定の状態の使用頻度(人気)または現場の切り替え特性の他の性質は、市場セグメントと相関がある場合がある。現場監視システムがこれを学習すると、市場固有のアルゴリズムを開発して提供することができる。市場セグメントの例は、空港、病院、オフィスビル、学校、政府の建物などを含む。]
【0184】
e.遷移の総数-市場セグメントごとの保証期間および寿命にわたる予想サイクル数。[これは、その場でのライフサイクル情報を提供することができる。]
【0185】
さらなる例として、以下の情報は、エネルギ計算から導出されることができる:
【0186】
a.ゾーンごとのエネルギ節約、システム全体の季節ごとのエネルギ節約[現場監視システムは、複数の現場からのエネルギ節約を比較して、改善を提供するアルゴリズム、デバイス種類、構造などを特定することができる。現場を比較し、性能の低い現場を改善する。]
【0187】
b.ゾーンごとにACシステムに高度なエネルギ負荷情報を提供する[建物は、大きな熱質量を有するため、空調および暖房がすぐに有効になることはない。ソーラー計算機または他の予測ツール(本明細書の他の場所に記載)を使用して、現場監視システムは、HVACシステムに事前通知を提供することができるため、HVACシステムは、早期に遷移を開始することができる。この情報をゾーンごとに提供することが望ましい場合がある。さらに、現場監視システムは、HVACシステムがその仕事をするのを助けるために1つ以上の窓またはゾーンに色付けすることができる。例えば、特定のファサードに熱負荷が予想される場合、現場監視システムは、HVACシステムに事前通知を提供し、また、建物のその側の窓に色付けし、他の場合にHVACの冷房要件を減らすことができる。窓の着色速度に応じて、現場監視システムは、着色とHVACのアクティブ化シーケンスを適切に計算して時間を計ることができる。例えば、窓の色合いが遅い場合、HVACのアクティブ化は早くなる場合があり、色合いが速い場合、動作のためのHVAC信号は遅れるか、またはより遅く傾斜する場合があり、システムの負荷を軽減する。]
【0188】
特定の実施形態では、窓、コントローラ、および/またはセンサは、最初の時点でチェックされ、その後に繰り返し再チェックされるそれらの性能または応答を有する。場合によっては、最近の性能/応答測定値は、以前の性能/応答測定値と比較されて、傾向、偏差、安定性などを検出する。必要に応じて、調整が行われることができ、または比較中に検出された傾向または偏差に対処するためにサービスが提供されることができる。窓、センサ、またはコントローラに関連するパラメータの集合は、デバイスの「フィンガプリント」として機能することができる。そのようなパラメータは、本明細書の他の場所に記載されているように、電圧応答、電流応答、通信忠実度などを含む。いくつかの実施形態では、窓、センサ、および/またはコントローラは、工場でチェックされ、必要に応じてフィンガプリントされる。例えば、切り替え可能な窓は、関連するパラメータが抽出されることができるバーンイン手順を実行することができる。問題を呈する窓は、以前のフィンガプリントと比較された現在の性能を有し、必要に応じて問題が出荷/設置後または動作中に発生したかどうかを判定することができる。フィンガプリントはまた、デバイスがコミッショニングされた(例えば、現場に設置され、最初に検出およびカタログ化された)ときに、必要に応じて自動的に生成されることもできる。フィンガプリントは、ピグテールなど、窓に関連付けられたメモリに記憶されることができる。特定の実施形態では、現場監視システムは、ピグテール内のメモリ(または他のメモリ)を遠隔で自動的に再プログラムすることができる。コミッショニングは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年4月12日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2013/036456号に記載されている。
【0189】
特定の実施形態では、新しい現場でのコミッショニング中に、現場監視システムは、設計された現場レイアウトをコミッショニングされたレイアウトとしての実際のものと比較して、コミッショニング時に任意の不一致のフラグを立てる。これは、現場のデバイスやコントローラなどを修正したり、または設計文書を修正したりするために使用されることができる。場合によっては、現場監視システムは、全ての窓コントローラ、ネットワークコントローラ、ゾーンなどが設計文書と実際の現場の実装との間で一致することを単に確認するだけである。その他の場合は、ケーブルの長さなどを確認することができるより広範な分析が実行される。比較はまた、不正確な光センサの向き、光センサの欠陥などの設置の問題を特定し、必要に応じてそのような問題を自動的に修正することができる。示されているように、コミッショニング中に、現場監視システムは、異なるデバイス遷移のための切り替え可能な光学デバイスにおける電圧/電流測定を含む、現場内の多くのまたは全ての個々の構成要素の初期フィンガプリントを取得および記憶することができる。そのようなフィンガプリントが使用されて、現場を定期的にチェックし、アップストリームハードウェア(すなわち、配線、電源、無停電電源装置(UPS))、ならびに窓コントローラおよび切り替え可能な光学デバイスの劣化を検出することができる。切り替え可能な光学窓ネットワークにおけるUPSの使用は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年6月30日に出願された米国特許出願第62/019,325号に記載されている。
【0190】
本明細書の議論の多くは、切り替え可能な光学デバイスのネットワークに関する問題を検出および診断するためのシステムに焦点を合わせているが、本開示のさらなる態様は、これらの機能を利用してデータを自動的に収集し、問題および潜在的な問題を自動的に検出し、問題または潜在的な問題の人員またはシステムに自動的に通知し、そのような問題または潜在的な問題を自動的に修正し、および/またはデータを分析し、修正を実装し、サービスチケットを生成するために建物または企業システムと自動的にインターフェース接続するなどを行う現場監視システムに関する。
【0191】
現場監視システムのこの自動機能の例は、以下を含むことができる:
【0192】
1.窓への電流がゆっくりと低下する場合(または窓によって受け取られる切り替え電流に関する致命的ではない問題の他の兆候)、現場監視システムは、例えば、窓に対する切り替え電圧を上げるように窓に関連付けられたコントローラに指示することによって、この問題を自動修正することができる。システムは、引き出される電流または光学的切り替え特性の変化を印加電圧の変化に関連付ける経験的および/または分析的技術を使用して、電圧の増加を計算することができる。電圧の変化は、窓ネットワーク内のデバイスの電圧または電流の安全なレベルを定義する範囲などの範囲に制限されることができる。電圧に対する変更は、問題の窓の色合い遷移命令を記憶する1つ以上のメモリを再プログラミングする現場監視システムによって実装されることができる。例えば、例えば窓のピグテールにある窓に関連付けられたメモリは、窓コントローラが窓に関連付けられたエレクトロクロミックコーティングの適切な駆動電圧を判定することを可能にする窓パラメータを含むように工場からプログラムされている。劣化または同様の問題がある場合、これらのパラメータの1つ以上が変更される必要がある場合があるため、現場監視システムは、メモリを再プログラムする。これは、例えば、窓コントローラがメモリ(例えば、ピグテールに関連付けられたメモリ)に記憶された値に基づいて駆動電圧パラメータを自動的に生成する場合に行うことができる。すなわち、現場監視システムが新たな駆動パラメータを窓コントローラに送信するのではなく、システムは、単に窓メモリを再プログラムすることができるため、窓コントローラは、新たな駆動パラメータ自体を判定することができる。もちろん、現場監視システムはまた、窓コントローラに色合い遷移パラメータを提供することもでき、そして、窓コントローラは、関連するメモリにそれらを記憶したり、またはより高いレベルのネットワークコントローラにそれらを提供したりすることを含む、独自の内部プロトコルにしたがってそれらを適用することができる。
【0193】
2.光センサの遅い劣化(またはセンサの致命的でない問題の他の兆候)があり、正確な読み取り値よりも低い場合、現場監視システムは、読み取り値を光学デバイス切り替えアルゴリズムの入力などの他の目的に使用する前に、センサ読み取り値を自動修正することができる。特定の実施形態では、現場監視システムは、光センサ読み取り値を補償するために、ある制限内のオフセットを適用する。これは、例えば、現住者の快適性が途切れることなく、窓の色合いを自動的に調整して美観を向上させることを可能にする。この場合も、例えば、現住者は、窓および/または関連する構成要素またはソフトウェアに対するこれらの変更のいずれかが発生したことに気付かない場合がある。
【0194】
3.部屋が占有されていることをシステムが検出するか、または部屋が共通に占有されていることを学習し、グレアの開始後に着色アルゴリズムが色合いを適用する場合、現場監視システムは、部屋が占有されているとき、または占領されると予測されたとき、着色アルゴリズムを自動的に調整して、より早く開始することができる。特定の実施形態では、グレアは、グレアが発生する部屋内または部屋外に配置された光センサによって検出される。アルゴリズムは、部屋内に配置された占有センサを使用することができる。
【0195】
4.システムが同じファサード内の異なる窓の着色時間の相違を検出すると、傾斜電圧パラメータを自動調整することにより、全ての窓を同時に着色させ、必要に応じて同じ着色レベルにさせることができる(現住者が同時にファサード全体の着色を望む場合)。
【0196】
5.現場監視システムは、ゾーンまたはファサード内の窓の群について、他の窓コントローラと同期していない窓コントローラを検出することができる。
図18A~Hの説明は、そのような例の詳細な説明を含む。次に、システムは、適用された切り替え電圧を調整するか、その制御内で他の是正措置を講じることにより、窓を自動的に同期に戻すことができる。
【0197】
遠隔監視システムは、地域の気候情報、現場の照明情報、現場の熱負荷情報、および/または気象フィードデータを様々な目的で収集して使用することができる。以下にいくつかの例を示す。
【0198】
気象サービスの評価:気象フィード/データに依存してそれらのサービスを販売および/または有効化する既存のサービスがある。例えば、「スマートスプリンクラー」や、従来のスプリンクラーシステムを使用している造園会社でさえも、気象データを使用して散水パターンをプログラムする。これらの気象データは、多くの場合ローカルであり、例えば郵便番号ベースのデータであり、気象データの複数のソースがある。特定の実施形態では、遠隔監視システムは、収集した実際のデータを使用して、所与の地域について気象サービスが予測するものを評価する。システムは、どれが最も正確であるかを判定し、気象フィードに依存するサービスにその評価を提供することができる。地理的領域に応じて、任意の所与の気象サービスがより正確な場合があり、例えば、気象サービスAは、サンフランシスコにおいて最適であり得るが、サンタクララバレーにおいてはそれほど良くない(サービスBの方が優れている)。システムは、その実際のセンサデータを収集し、統計分析を行い、貴重なインテリジェンスとして顧客に提供することにより、所与の地域についてどの気象フィードがより信頼できるかを特定する評価サービスを提供することができる。この情報は、現場以外のエンティティに有用である。例は、スプリンクラー会社、ソーラーパネルを使用または制御する会社、屋外会場、気象に依存するあらゆるエンティティを含む。
【0199】
気象サービス:現場監視システムは、広い地理的領域にわたってライブでセンサデータを収集することができる。特定の実施形態では、気象サービスが気象データをより正確に提供することができるように、このデータを気象サービスに提供する。換言すれば、気象サービスは、衛星画像およびより大きな空パターンデータフィードに大きく依存する。広く展開された、切り替え可能な光学デバイスおよび関連するセンサを有する1つ以上の現場からの情報は、太陽、雲、熱などに関するリアルタイムの地上レベル情報を提供することができる。これら2つのデータを組み合わせることで、より正確な気象予測が実現されることができる。このアプローチは、国、または複数の現場が存在する他の地理的領域にわたってセンサネットを形成するものと見なすことができる。
【0200】
消費者挙動:例えば、エンドユーザが任意の地理的場所または領域において光学的に着色可能な窓をいつ/どのように色付けまたは色褪せさせるかを知ることにより、エンドユーザパターンからの間接的なデータが収集されることができる。特定の実施形態では、現場監視システムによって収集されたデータは、他の消費者製品ベンダーにとって価値がある場合があるパターンについて分析される。例えば、「重い色付け」は、太陽/熱への嫌悪感、高い太陽レベルが存在するという事実、領域でのより多くの水の必要性、サングラスの販売を増やすために熟した領域などを示すことができる。同様に、「重い色褪せ」は、太陽灯、お茶、本、加熱パッド、加熱炉、日焼けブースなどを販売するベンダーに有用な反対の傾向を示すことができる。
【0201】
本開示の窓コントローラおよび/または現場監視システムは、上述したように、換気、照明、電力システム、エレベータ、防火システム、およびセキュリティシステムなどの建物の機械的および電気的機器を監視および制御する、建物内に設置されたコンピュータベースの制御システムである建物管理システム(BMS)と組み合わせて使用されることができる。いくつかの実施形態では、BMSは存在しなくてもよく、またはBMSは存在することができるが、現場監視システムがマスタ窓コントローラと直接通信する場合など、マスタネットワークコントローラと通信しないもしくはマスタネットワークコントローラと高レベルで通信しなくてもよい。これらの実施形態では、着色可能窓が自動的に制御されることができるため、マスタネットワークコントローラは、例えば、向上した以下を提供することができる:1)環境制御、2)エネルギ節約、3)制御オプションの柔軟性、4)低い依存度、したがってそのより少ない保守に起因する他のシステムの信頼性および耐用年数の向上、5)情報の可用性および診断法、6)スタッフの効率的な使用、ならびにこれらの様々な組み合わせ。これらの実施形態では、BMSに対する保守は、着色可能窓の制御を妨げないであろう。
【0202】
特定の実施形態では、BMSは、現場ネットワーク内の1つ以上のシステムからの制御信号を受信し、監視データを送信するために、現場監視システムと通信することができる。他の実施形態では、現場監視システムは、システムを管理するために、マスタ窓コントローラおよび/または現場ネットワーク内の他のシステムと直接通信することができる。
【0203】
図9Aおよび
図9Bは、建物ネットワークブロック図の例を描写している。上記のように、そのようなネットワークは、ローカルデータバスを介して動作可能な、BACnetおよびCANopenを含む任意数の異なる通信プロトコルを含むことができる。第1の例である
図9Aに示されるように、現場ネットワーク900Aは、マスタネットワークコントローラ903A、照明制御パネル910、BMS905、セキュリティ制御システム920、およびユーザコンソール925を含む。現場のこれらの異なるコントローラおよびシステムは、現場のHVACシステム930、ライト935、セキュリティセンサ940、ドアロック945、カメラ950、および着色可能窓955からの入力を受信および/または制御するために使用されることができる。第2の例である
図9Bに示されるように、現場ネットワーク900Bは、マスタネットワークコントローラ903Bと通信可能に結合され、現場ネットワーク900Aと同様に、現場のHVACシステム930、ライト935、セキュリティセンサ940、ドアロック945、カメラ950、および着色可能窓955からの入力を受信および/または制御するために使用されることができる照明制御パネル910、BMS905、セキュリティ制御システム920、およびユーザコンソール925を含む。
図9Bに示される例では、マスタネットワークコントローラ903Bは、
図8に関連して上述された現場監視および制御システム800などの現場監視および制御システムに組み込まれることができる。マスタネットワークコントローラ903Aおよびマスタ制御ネットワーク903Bは、
図6に関連して記載されたマスタネットワークコントローラ603と同様の方法で機能することができる。
【0204】
場合によっては、BMS905は、
図8に関連して上述された現場監視および制御システム800などの現場監視および制御システムと通信し、着色可能窓を制御するための指示を現場監視システムから受信することができる。他の実施形態では、ネットワーク900Bは、建物内の着色可能窓を制御するために、インターネットを介してクラウドベースのマスタネットワークコントローラ903Bと通信することができる。
【0205】
照明制御パネル910は、屋内照明、屋外照明、緊急警報灯、避難誘導表示、および非常口照明を制御するための回路を含むことができる。照明制御パネル910はまた、建物の部屋内に占有センサを含むことができる。BMS905は、現場ネットワークの他のシステムおよびコントローラからデータを受信し、それらへコマンドを発行するコンピュータサーバを含むことができる。例えば、BMS905は、照明制御パネル910およびセキュリティ制御システム920のそれぞれからデータを受信し、それらにコマンドを発行することができる。セキュリティ制御システム920は、磁気カードアクセス、回転ドア、ソレノイド駆動ドアロック、監視カメラ、盗難警報機、金属探知機などを含むことができる。ユーザコンソール925は、現場の異なるシステムの動作のスケジュールを立て、現場の異なるシステムを制御、監視、最適化およびトラブルシューティングするために、現場管理者によって使用されることができるコンピュータ端末とすることができる。Tridium,Inc.製のソフトウェアは、ユーザコンソール925のために異なるシステムからのデータの視覚的表現を生成することができる。いくつかの実施形態では、BMS905は、それぞれのマスタ制御ネットワーク903Aまたは903Bからデータを受信し、それらにコマンドを発行することができる。
【0206】
場合によっては、現場ネットワーク900Aまたは900Bは、日単位、月単位、四半期単位、または年単位のスケジュールにしたがって実行されることができる。例えば、照明制御システム、窓制御システム、HVAC、およびセキュリティシステムは、人々が就業日中のいつ建物内にいるかを考慮して24時間スケジュールで動作することができる。夜間、現場は、省エネルギモードに移行することができ、日中、システムは、現住者に快適さを提供しながら現場のエネルギ消費を最小限に抑えるように動作することができる。別の例として、システムは、休暇期間にわたって停止するか、または省エネルギモードに移行することができる。
【0207】
スケジューリング情報は、地理的情報と組み合わせることができる。地理的情報は、例えば、建物などの現場の緯度および経度を含むことができる。建物の場合、地理的情報はまた、建物の各側が面する方向に関する情報を含むことができる。そのような情報を使用して、建物の異なる側の異なる部屋は、異なる方式で制御されることができる。例えば、冬には、建物の東向きの部屋に対して、窓コントローラは、部屋で輝く日光によって部屋が暖まるように、午前中は色合いがないように窓に命令することができ、照明制御パネルは、日光からの照明のために、弱くなるようにライトに命令することができる。西向きの窓は、西側の窓の色合いが省エネルギに影響を及ぼさない可能性があるので、午前中は部屋の現住者によって制御可能とすることができる。しかしながら、東向きの窓および西向きの窓の動作モードは、夕方に切り替わることができる(例えば、太陽が沈み行くとき、西向きの窓は、熱および照明の双方のために日光が射し込むことを可能にするように色付けされない)。
【0208】
例えば、マスタおよび/または中間窓コントローラとエンド窓コントローラとの間の無線通信は、ハード通信回線の設置を不要にするという利点をもたらす。これは、窓コントローラとBMSとの間の無線通信にも当てはまる。一態様では、これらの役割での無線通信は、窓を動作させて、例えば、建物における環境および省エネルギを最適化するのにBMSにデータを提供するように、エレクトロクロミック窓にデータを転送し、またエレクトロクロミック窓からデータを転送するのに有用である。窓場所データとともにセンサからのフィードバックは、そのような最適化に相乗効果を発揮する。例えば、建物の様々な環境を最適化するために、きめ細かいレベル(窓ごと)の微気象情報がBMSに送られる。
【0209】
図10は、別の実施形態にかかる、建物(例えば、
図5に示される建物501)の1つ以上の着色可能窓の機能(例えば、異なる色合いレベルへの遷移)を制御するためのシステム1000の構成要素のブロック図である。システム1000は、BMS(図示せず)と通信可能に結合されていてもいなくてもよく、またはBMSとは独立してもしくはBMSを含まない建物とともに動作していてもよい。
【0210】
同様に、
図6に関連して説明されたシステム600に対して、システム1000は、制御信号を着色可能窓に送信してそれらの機能を制御することができる窓コントローラのネットワークを有する窓制御システム1002を含む。システム1000はまた、ネットワークコントローラ606との電子通信におけるクラウドベースのマスタコントローラ1003を含む。予測制御ロジック、着色可能窓の機能を制御するための他の制御ロジックおよび命令、センサデータ、ならびに/または晴天モデルに関するスケジュール情報は、マスタコントローラ603によってインターネットを介してネットワークコントローラ606に通信されることができる。図示の例では、ネットワークコントローラは、ローカルデータバス(例えば、CANバス)によってローカル窓コントローラと通信可能に結合される。別の例では、マスタコントローラ1003は、BMS(図示せず)と通信して、BMSが、ローカルデータバスを介して着色可能なECデバイス/窓を制御するための命令を着色可能窓に送信することを可能にすることができる。
【0211】
図11は、いくつかの実施形態にかかる、クラウドベースの監視および制御システムとインターフェース接続する建物現場の簡略ブロック図である。図示の例では、建物現場1100は、窓コントローラ1110と通信可能に結合されたエレクトロクロミック窓1155を含む。図示の例では、窓コントローラ1110は、CANバスを介して、CANマネージャ1120と通信可能に結合される。CANマネージャ1120は、いくつかの実施形態では、シングルボードホストデバイス上に実装されることができる。CANマネージャ1120は、CANバスと通信可能に結合されたCANインターフェース(I/F)1122と、ウェブクライアント1103と通信可能に結合されたウェブAPI1124とを含むことができる。ウェブAPI1124は、ウェブクライアント1103から受信したHTTP命令を受信し、処理するように構成されることができる。いくつかの例では、ウェブクライアント1103は、マスタネットワークコントローラ1003とすることができるか、またはそれを含むことができる。代替的、または追加的に、ウェブクライアント1103は、ヒューマンオペレータインターフェース、例えば、ワークステーション、ポータブルコンピュータ、スマートフォンなどのモバイルデバイスなどを使用してアクセス可能であり、現場内のデバイスの機能に関する情報を提示するように構成されることができる1つ以上の制御コンソールを含むことができる。
【0212】
図12は、いくつかの実施形態にかかる、CANマネージャの特徴を示している。図示の例では、CANマネージャ1120は、ウェブAPI1124およびCAN I/F1122に加えて、窓パラメータ制御のための機能モジュールブロックであるブロック1121、CANバス監視であるブロック1123およびコミッショニングであるブロック1125を含む。窓パラメータブロック1121は、エレクトロクロミック窓の色合い状態を変更するために、ウェブAPI1124を介して受信された命令を実行するように構成されることができる。そのような命令は、例えば、CANバスを介してCAN I/F1122と通信可能に結合された窓コントローラ(図示せず)上のパラメータの値を設定することによって実行されることができる。CANバス監視ブロック1123は、CAN I/F1122を介して、CANバスと通信するデバイス、特にエレクトロクロミック窓ならびにエレクトロクロミック窓の動作に関連する任意のセンサおよびコントローラの健全性および状態を監視するように構成されることができる。そのような監視された情報は、ローカルに記憶され、および/またはウェブAPI1124を介してウェブクライアント1103(図示せず)に(定期的またはオンデマンドで)アップロードされることができる。図示の例では、CANマネージャ1120は、必要に応じて、コミッショニングブロック1125を含み、それによって、ウェブクライアントは、上述したようにエレクトロクロミック窓のコミッショニングを管理することができる。
【0213】
図13は、クラウドベースのシステムを使用して遠隔建物現場を監視および/または制御する方法の例を示すフローチャートである。上記のように、各現場は、エレクトロクロミック窓のネットワーク、窓コントローラ、および少なくとも1つのネットワークコントローラを含んで含むことができる。方法1300は、ブロック1310において、クラウドベースのシステムで、それぞれのネットワークの機能に関するデータを少なくとも1つのネットワークコントローラから受信することから開始することができる。受信したデータに応答して、ブロック1320において、方法は、クラウドベースのシステムからのデータおよび/または制御メッセージを少なくとも1つのネットワークコントローラに送信することによって終了することができる。
【0214】
上述したような技術は、コンピュータソフトウェアをモジュール式または統合方式で使用する制御ロジックの形態で実装されることが可能であることを理解されたい。本明細書において提供される本開示および教示に基づいて、当業者は、ハードウェア、およびハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して開示された技術を実装するための他の手段および/または方法を知り、理解するであろう。
【0215】
この特許出願に記載されるソフトウェア構成要素または機能のうちのいずれも、例えば、従来のもしくはオブジェクト指向の技術を使用する、例えば、Java、C++、またはPythonなどの任意の好適なコンピュータ言語を使用して、プロセッサによって実行されるソフトウェアコードとして実装されることができる。ソフトウェアコードは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などのコンピュータ可読媒体、ハードドライブもしくはフロッピーディスクなどの磁気媒体、またはCD-ROMなどの光媒体上に、一連の命令またはコマンドとして記憶されることができる。任意のそのようなコンピュータ可読媒体は、単一の計算装置上または内に常駐してもよく、システムまたはネットワーク内の異なる計算装置上または内に存在してもよい。
【0216】
前述の開示された実施形態は、理解を容易にするためにある程度詳細に記載されているが、記載された実施形態は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。特定の変形および変更が、添付の特許請求の範囲の範囲内で実施されることができることが、当業者にとって明らかであろう。
【0217】
窓または建物の内部を介して受け取られる光を制御するための上記開示された実施形態は、エレクトロクロミック窓などの光学的に切り替え可能な窓の文脈において記載されてきたが、本明細書に記載の方法が、窓用日よけ、窓用カーテン、窓用ブラインド、または光が建物の内部空間に到達するのを制限または遮断するように調整されることができる任意の他のデバイスの位置を調整するのに相応のコントローラ上でどのように実装されることができるかを理解することができる。場合によっては、本明細書に記載の方法が使用されて、1つ以上の光学的に切り替え可能な窓の色合い、および窓用日よけデバイスの位置の双方を制御することができる。そのような組み合わせの全てが本開示の範囲内にあることが意図される。
【0218】
本開示の範囲から逸脱することなく、任意の実施形態からの1つ以上の特徴は、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられることができる。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、いずれの実施形態に対しても変更、追加、または省略を行うことができる。任意の実施形態の構成要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の必要性にしたがって統合または分離されることができる。
【0219】
本発明の好ましい実施形態が示され、本明細書に記載されてきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者にとって明らかであろう。本発明は、本明細書内で提供される特定の例によって限定されることを意図するものではない。本発明は、前述の明細書を参照して記載されてきたが、本明細書の実施形態の説明および図解は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。多数の変形、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者にとって今や起こるであろう。さらにまた、本発明の全ての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載の特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替例が、本発明を実施する際に使用されることができることを理解されたい。したがって、本発明は、そのような代替、変更、変形、または均等物もカバーするものとすることが企図される。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物は、それによってカバーされることが意図されている。
【国際調査報告】