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特表2022-521011高位脛骨骨切り術のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(54)【発明の名称】高位脛骨骨切り術のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20220328BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20220328BHJP
   A61B 17/15 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/17
A61B17/15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549332
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-20
(86)【国際出願番号】 US2020019094
(87)【国際公開番号】W WO2020172451
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/808,129
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベッテンガ、メイソン
(72)【発明者】
【氏名】マーサー、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ワイマン、ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ラプラード、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ゲットグッド、アル
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヒールワーデン、ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー、ムザール
(72)【発明者】
【氏名】マローン、マイルズ エス.エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ホルムベルク、レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】コレラン、デニス
(72)【発明者】
【氏名】スルサルツ ジュニア、ジョン アルバート
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL01
4C160LL12
4C160LL29
4C160LL32
4C160LL42
(57)【要約】
【解決手段】 内側カットを案内するためのシステムおよび方法、前方カットを案内するためのシステムおよび方法、ならびに高位脛骨骨切り術(HTO)中に側方ヒンジに固定および圧縮を提供するためのシステムおよび方法を含む、HTOのための装置および方法が開示される。装置の各々は、スタンドアロンであってもよい。内側カットを作成するためのシステムは、リトラクタ、リンク可能な切断ガイド、およびピンを含み得る。前方カットを案内するためのシステムは、ピンの上をスライドするためのガイドと、アライメント面と、固定手段とを含み得る。側方ヒンジを固定および圧縮するための装置は、プレート、骨表面からのプレートのオフセットを調整するための調整可能なドリルガイド、およびバイアングルドリルガイドを含み得る。
【選択図】図2K
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HTO処置のための側方ヒンジを安定させるための骨固定システムであって、
内面、外面、およびそれを通る複数の孔を有する骨プレートと、
前記複数の開口部のうちの少なくとも1つを通って調整可能に延在し、前記プレート内面と骨表面との間のオフセットを調整し、それによって前記骨プレート上の屈曲を調整するように構成されたドリルガイドと、を備える、骨固定システム。
【請求項2】
前記ドリルガイドが、外側シャフトと、軸方向に移動可能な内側シャフトとを備え、前記外側シャフトが、前記複数の開口部のうちの前記少なくとも1つに動作可能に結合するように構成され、前記内側シャフトが、前記複数の開口部のうちの前記少なくとも1つを通って延在し、前記骨表面と係合し、前記骨プレートを前記骨表面から押し離し、それによって前記骨プレート上の屈曲を調整するように構成されている、請求項1に記載の骨固定システム。
【請求項3】
前記プレートが、前記骨の骨幹端に適合するように構成された頭部部分を備え、前記頭部部分が、1つ以上の可変角度開口部を有し、その結果、前記1つ以上の可変角度開口部を通って延在する固定手段が、前記骨の前記骨幹端内の構造から離れる方向に向けられ得る、請求項1に記載の骨固定システム。
【請求項4】
前記骨プレートを通る可変角度開口部と動作可能に結合するように構成されたデュアル角度ドリルガイドをさらに備え、前記デュアル角度ドリルガイドが、側方ヒンジを圧縮するように構成された前記骨内に第1の角度で第1の固定手段を方向付けるための第1のガイド軸と、前記第1の角度とは異なる第2の角度で前記骨内にパイロット孔を形成するための第2のガイド軸とを有する、請求項1に記載の骨固定システム。
【請求項5】
前記骨プレートが、頭部部分と、そこから延在するステム部分とを備え、前記ステム部分が、前記複数の開口部のうちの少なくとも2つの開口部を備え、前記少なくとも2つの開口部のうちの第1の開口部が、前記デュアル角度ドリルガイドに動作可能に結合するように構成された可変角度開口部であり、前記少なくとも2つの開口部のうちの第2の開口部が、前記調整可能なドリルガイドに動作可能に結合するように構成されている、請求項4に記載の骨固定システム。
【請求項6】
前記複数の開口部の前記開口部のうちの少なくとも1つが、そこを通る第1の角度で第1の固定手段を受容し、かつ、前記第1の固定手段を取り外すと、そこを通る第2の角度で第2の固定手段も受容するように構成された可変角度開口部である、骨固定システム。
【請求項7】
オープンウェッジ骨切り術の側方ヒンジを圧縮する方法であって、
オープンウェッジ骨切り術の上に骨プレートを配置することと、
前記プレートの上方部分を、前記オープンウェッジ骨切り術の第1の側に固定することと、
前記上方部分が固定された状態で、前記骨プレートを弓なりにするスタンドオフを形成するように、前記骨プレートの下方端部分を前記オープンウェッジ骨切り術の第2の側上の骨表面から離して移動させることと、
前記スタンドオフを調整することと、
前記スタンドオフを維持しながら、前記オープンウェッジ骨切り術の前記側方ヒンジを圧縮するように、前記骨プレートの中央部分を前記骨に対して仮固定することであって、前記中央部分は、前記オープンウェッジ骨切り術の前記第2の側上に、前記上方部分と下方端部分との間に配設される、仮固定することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記プレートの上方部分を固定することが、前記骨内の構造から離れた角度で前記プレートを通る可変角度開口部を通して固定手段を方向付けることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記構造が、前十字靭帯(ACL)、ACL再構築トンネル、または半月板根修復トンネルを含み得る、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記骨プレートの下方端部分を骨表面から離して移動させること、および前記スタンドオフを調整することが、調整ガイドハンドルの端部を前記プレートの前記下方端部分で開口部に係合させることと、前記骨の表面に係合するように前記開口部を通して、前記調整ガイドハンドルと同軸であり、かつ動作可能に結合されたシャフトを軸方向に移動させることと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記シャフトが、前記調整ガイドハンドルにねじ込み式に結合され、前記開口部を通して前記シャフトを移動させることが、前記ハンドルに対して前記シャフトを回転させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記中央部分を固定することが、前記側方ヒンジを圧縮する角度で前記プレートの中央部分を通る可変角度開口部を通して仮固定手段を配置することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記中央部分が仮固定された後、前記骨プレートの他の部分を前記骨に固定し、次いで前記仮固定手段を、前記可変角度開口部を通して異なる挿入角度で恒久的固定手段と置き換える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記中央部分を仮固定手段で固定することが、デュアル角度ガイドを前記可変角度開口部と動作可能に結合することと、前記デュアル角度ガイドの第1の角度を使用して前記仮固定手段を方向付けることと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
HTO処置において内側カットを準備するためのリンク切断ガイドシステムであって、
神経血管構造を保護し、内側-側方傾斜ベクトルのX線透視下で視覚的表示を提供するために、脛骨の後方態様に挿入するためのリトラクタと、
前記リトラクタに枢動可能に結合された切断ガイドであって、前記切断ガイドが、前記脛骨の内側態様を包み込むように構成され、後方傾斜切断ベクトルを画定する前記内側カット切断スロットを作成する切断ツールを受容し、制御するための切断スロットを備える、切断ガイドと、
好ましいデータム平面の前方境界を画定し、また前記データム平面上に横たわる場所で、前記切断ガイド内の開口部を通して挿入されるように構成された前方ピンであって、前記好ましいデータム平面が、前記内側-側方傾斜ベクトルおよび前記後方傾斜切断ベクトルによって画定される、前方ピンと、を備える、リンク切断ガイドシステム。
【請求項16】
前記前方ピンの挿入を案内するために前記切断ガイドに選択的に結合するピン位置決めガイドをさらに備える、請求項15に記載の切断ガイドシステム。
【請求項17】
前記ピン位置決めガイドが、前記切断ガイドに結合されたピンガイドと、前記後方傾斜切断ベクトルと整列するように構成された線形エッジを有する調整可能なフラグと、を備える、請求項16に記載の切断ガイドシステム。
【請求項18】
前記リトラクタが、前記切断ガイドのアームを受容するためのスロットを備える、請求項15に記載のリンク切断ガイドシステム。
【請求項19】
HTO処置中に前方カットを案内するための前方切断ガイドシステムをさらに備え、前記前方切断ガイドシステムが、
前方ピンの上をスライドするための管腔および骨切断機の軌道を案内するための切断面を有する前方切断ガイドと、
前記切断ガイドに結合し、前記切断ガイドの向きを安定させるための固定手段と、を備える、請求項11に記載のリンク切断ガイドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、外科用装置および方法に関し、より具体的には、高位脛骨骨切り術(HTO)のための装置および方法に関し、内側カットを作成するための装置および方法、前方カットを作成するための装置および方法、ならびにHTO中に側方ヒンジに固定および圧縮を提供するための装置および方法を含む。
【背景技術】
【0002】
膝の骨切り術は、変形性膝関節症を治療するための重要な手法である。本質的に、膝の骨切り術は、関節の関節炎部分から関節の比較的影響を受けていない部分に体重負荷を伝達するように、膝関節の幾何形状を調整するために使用され得る。膝の骨切り術はまた、例えば、出生時の欠陥、損傷などに起因する、異常な膝の幾何形状に対処するための重要な手法である。ほとんどの膝の骨切り術は、膝関節を横切って負荷が伝達される様態を調整するために、脛骨の幾何形状を修正するように設計されている。脛骨の向きを調整する方法の1つは、脛骨の上部にカットが行われ、脛骨が骨内にくさびのような開口部を開くように操作され、次に骨がこの位置に固定され(例えば、金属板を骨にねじ込むことによって、または、くさび形状のインプラントを骨内の開口部に挿入することによって)、それによって脛骨の下部を脛骨プラトーに対して向きを変え、こうして負荷が大腿骨から脛骨に伝達される様態を調整する、オープンウェッジ手法である。必要な精度を備えて、正しい角度で、周囲の組織(例えば、膝の背面の神経および血管の構造)への外傷を最小限に抑えて、一貫したくさびのような開口部を骨に作成することは、手続き的に困難である。さらに、オープンウェッジ骨切り術では、脛骨の上部と下部とを互いに安定させ、治癒が起こっている間、それらをこの位置に維持することは困難である可能性がある。いくつかの試みられたソリューションは、システムを提供しようとしたが、その複雑さのために業界のニーズに十分に対処していない。本発明は、内側オープンウェッジとして、膝の高位脛骨骨切り術を対象としており、これは、骨にくさび形状の開口部を作成する際に、合理化されたシステムを用いて精度の向上を提供し、治癒が起こっている間、脛骨の上部および下部に安定性を提供することを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
例示的な実施形態の詳細な説明について、ここで添付の図面を参照する。
【0004】
図1A図1Aは、側方ヒンジの境界をマーキングするための垂直の解剖学的マーカ線を有する脛骨を示す。
図1B図1Bは、側方ヒンジの境界をマーキングするための垂直の解剖学的マーカ線を有する脛骨を示す。
図2A図2Aは、本開示に従う、脛骨の後方部分に配設されたリトラクタを示す。
図2B図2Bは、本開示に従う、脛骨の周りに配設されたリトラクタおよび切断ガイドを示す。
図2C図2Cは、本開示に従う、リトラクタおよび切断ガイドによって画定される切断データム平面を示す。
図2D図2Dは、本開示に従う、脛骨を通るように配向されたリトラクタおよび切断ガイドによって画定される切断データム平面を示す。
図2E図2Eは、本開示に従う、脛骨に対して配向されたリトラクタ、切断ガイド、および前方ピンを示す。
図2F図2Fは、本開示に従う、データム平面の視図を示す。
図2G図2Gは、本開示に従う、リトラクタおよび切断ガイドならびにピンによって画定される切断データム平面および境界を示す。
図2H図2Hは、本開示に従う、脛骨と整列されたリンクガイドシステムを示す。
図2I図2Iは、本開示に従う、脛骨と整列されたリンクガイドシステムの代替視図を示す。
図2J図2Jは、本開示に従う、前方ピンを整列させる方法を示す。
図2K図2Kは、本開示に従う、切断ガイドを通って延在するKワイヤおよび深さゲージを示す。
図2L図2Lは、本開示に従う、そこを通る鋸を備えたリンクガイドシステムの視図を示す。
図2M図2Mは、本開示に従う、脛骨に対するシステムの前方視図を示す。
図3A図3Aは、本開示に従う、ピンが挿入された脛骨の内側-前方視図および前方切断ガイドを図示する。
図3B図3Bは、本開示に従う、前方切断ガイドを整列させる方法を示す。
図3C図3Cは、本開示に従う、前方切断ガイドを整列させる方法を示す。
図3D図3Dは、本開示に従う、前方切断ガイドを整列させる方法を示す。
図4A図4A-Bは、本開示に従う、前方切断ガイドの代替の実施形態および使用方法を示す。
図4B図4A-Bは、本開示に従う、前方切断ガイドの代替の実施形態および使用方法を示す。
図5A図5Aは、本開示に従う、層状スプレッダの分解図を図示する。
図5B図5Bは、本開示に従う、層状スプレッダの側面図を図示する。
図5C図5Cは、本開示に従う、カット(10)内に配置された層状スプレッダの先端を図示する。
図6A図6Aは、本開示に従う、複数のくさびを図示する。
図6B図6Bは、本開示に従う、図6Aのくさびを使用する方法を図示する。
図7A図7Aは、本開示に従う、プレートおよびドリルシステムを使用して側方ヒンジを圧縮する方法を示す。
図7B図7Bは、本開示に従う、プレートおよびドリルシステムを使用して側方ヒンジを圧縮する方法を示す。
図7C図7Cは、本開示に従う、プレートおよびドリルシステムを使用して側方ヒンジを圧縮する方法を示す。
図7D図7Dは、本開示に従う、プレートおよびドリルシステムを使用して側方ヒンジを圧縮する方法を示す。
図7E図7Eは、本開示に従う、プレートおよびドリルシステムを使用して側方ヒンジを圧縮する方法を示す。
図7F図7Fは、本開示に従う、プレートおよびドリルシステムを使用して側方ヒンジを圧縮する方法を示す。
図7G図7Gは、本開示に従う、プレートおよびドリルシステムを使用して側方ヒンジを圧縮する方法を示す。
図8A図8Aは、本開示に従う、バイモーダルドリルガイドの上面図および断面図をそれぞれ示す。
図8B図8Bは、本開示に従う、バイモーダルドリルガイドの上面図および断面図をそれぞれ示す。
図9A図9A-Bは、本開示に従う、調整可能なドリルガイドの分解図および断面図をそれぞれ示す。
図9B図9A-Bは、本開示に従う、調整可能なドリルガイドの分解図および断面図をそれぞれ示す。
図10図10は、本開示に従う、側方ヒンジを圧縮する力学を図示する。
図11図11は、本開示に従う、輪郭形成され、脛骨と整列されたプレートの実施形態の等角図を示す。
図12A図12Aは、本開示に従う、輪郭形成されたプレートの実施形態を概略的に図示する。
図12B図12Bは、本開示に従う、脛骨骨幹軸に対する輪郭形成されたプレートの実施形態を概略的に図示する。
【発明の概要】
【0005】
様々な用語は、特定のシステム構成要素を指すために使用される。異なる会社は、異なる名称で構成要素を参照する場合がある-本文書は、名称が異なるが機能は異ならない構成要素間で区別することを意図しない。以下の議論および特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は、制限のない仕方で使用され、したがって、「…を含むが、これらに限定されない」を意味すると解釈されるべきである。また、「結合する(couple)」または「結合する(couples)」という用語は、間接的または直接的な接続のいずれかを意味することが意図される。したがって、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接接続を通して、または他のデバイスおよび接続を介する間接接続を通してであり得る。
【0006】
概して、本開示は、各々が一緒に、連続して使用され得るか、または代わりに互いに独立して使用され得る複数のシステムを説明する。システムの各々は、オープンウェッジ骨切り術を形成および安定させる処置の一部を実行するように構成されている。より具体的には、これらのシステムは、好ましいデータム平面に沿って脛骨の内側部分を通して切断ツールを案内するのに役立つ第1のシステムと、脛骨の好ましい前方部分に沿って切断ツールを案内するのに役立つ第2のシステムと、骨のヒンジを伸延する第3のシステムと、オープンウェッジの側方ヒンジに圧縮を提供する第4のシステムと、を含み得る。したがって、様々な実施形態は、脛骨を通る内側および前方カットを案内し、側方ヒンジを伸延し、圧縮するための様々なシステムおよび方法を対象とする。本明細書はここで、例示的システムに移る。
【0007】
様々な実施形態は、そこを通る複数の孔を有するプレートおよび複数の孔のうちの少なくとも1つを通って延在し、プレートと骨表面との間のオフセットまたはスタンドオフを調整し、それによってプレート上の屈曲を調整するように構成されたドリルガイドなどのツールを含む、HTO処置システムのための側方ヒンジを安定化および圧縮するためのシステムを対象とする。調整は、ドリルガイドの一部を回転させることによって行われ得る。いくつかの実施形態では、このツールは、ドリルガイドから分離されている。ドリルガイドの遠位先端は、孔のうちの少なくとも1つとねじ込み式で係合されてもよく、遠位先端を回転させることは、例えば、対応する孔を通して遠位先端をさらに並進させてもよい。
【0008】
HTOのための側方ヒンジを安定させ、圧縮するための別の実施形態の骨固定システムは、内面、外面、およびそれらを通る複数の孔を有する骨プレートを含み得る。システムはまた、複数の孔のうちの少なくとも1つを通って調整可能に延在し、プレート内面と骨表面との間のオフセットを調整し、それによって骨プレート上の屈曲を調整するように構成されたドリルガイドを含む。いくつかの例示的な実施形態では、ドリルガイドが、外側シャフトおよび軸方向に移動可能な内側シャフトを含み得、外側シャフトが、複数の孔のうちの少なくとも1つに動作可能に結合するように構成され、内側シャフトが、同じ孔を通って延在し、骨表面と係合し、骨プレートを骨表面から押し離し、それによって骨プレートの屈曲を調整するように構成される。いくつかの例示的な実施形態では、骨プレートが、骨の骨幹端に適合するように成形された頭部部分を含み得、頭部部分が、1つ以上の多軸開口部を含み得る。システムは、多軸開口部と協働するように構成されたロックねじなどの固定手段をさらに含み、それによって、骨プレートを骨と係止して固定する多軸ロックシステムを画定する。多軸ロックシステムは、靭帯または靭帯トンネルなどの骨の骨幹端内の解剖学的構造を回避する角度で固定手段を方向付けるように構成され得る。いくつかの例示的な実施形態はまた、骨プレートを通る多軸開口部と動作可能に結合し得るデュアル角度ドリルガイドを含み得る。骨プレートのステム部分はまた、多軸開口部を含み得る。デュアル角度ドリルガイドは、第1の仮固定手段を第1の角度で骨内に方向付けるための第1のガイド軸を有し得る。第1の角度は、骨プレートの中央部分を骨表面上に移動させるように構成され、仮ねじを中心とする骨の骨幹骨セグメントの回転をもたらし、それによって側方骨ヒンジを圧縮する。デュアル角度ドリルガイドはまた、第1の角度とは異なる第2の角度で骨内にパイロット孔を形成するようにドリルを案内するために、第1の軸に対して非ゼロ角度で配向され得る第2のガイド軸を含み得る。いくつかの実施形態では、骨プレートが、頭部部分と、そこから延在するステム部分とを備え、ステム部分が、複数の開口部のうちの少なくとも2つの開口部を備え、少なくとも2つの開口部のうちの第1の開口部が、デュアル角度ドリルガイドに動作可能に結合するように構成された多軸開口部であり、少なくとも2つの開口部のうちの第2の開口部が、調整可能なドリルガイドに動作可能に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数の開口部のうちの少なくとも1つが、そこを通る第1の角度で第1の固定手段を受容するように構成された多軸開口部であり、かつまた、第1の固定手段を取り外すと、多軸開口部は、そこを通る第2の角度で第2の固定手段に構成されている。
【0009】
オープンウェッジ骨切り術の側方ヒンジを圧縮する方法がまた、開示されており、オープンウェッジ骨切り術の上に骨プレートを配置するステップと、プレートの上方部分をオープンウェッジ骨切り術の第1の側に固定するステップと、骨プレートを弓なりにするスタンドオフを形成するように、骨プレートの下方端部分をオープンウェッジ骨切り術の第2の側上の骨表面から離して移動させるステップと、スタンドオフを調整するステップと、調整されたスタンドオフを維持しながら、オープンウェッジ骨切り術の側方ヒンジを圧縮するように、骨プレートの中央部分を骨に対して仮固定するステップであって、中央部分は、オープンウェッジ骨切り術の第2の側上に、上方部分と下方端部分との間に配設される、仮固定するステップと、を含む。いくつかの例示的な方法では、プレートの上方部分は、少なくとも1つの可変角度開口部を含み得、プレートの上方部分を固定することは、骨内の構造から離れた角度で可変角度開口部を通して固定手段を方向付けることを含む。構造は、前十字靭帯(ACL)、ACL再構築トンネル、または半月板根修復トンネルを含み得る。いくつかの例示的な方法では、骨プレートの下方端部分を骨表面から離して移動させること、およびスタンドオフを調整することが、調整ガイドハンドルの端部をプレートの下方端部分で開口部と係合させることと、骨の表面に係合するように開口部を通して、調整ガイドハンドルと同軸であり、かつ動作可能に結合されたシャフトを軸方向に移動させることと、を含む。いくつかの例示的な方法では、シャフトは、調整ガイドハンドルにねじ込み式に結合され得、シャフトの回転は、調整ガイドハンドルに沿ってシャフトを軸方向に移動させる。いくつかの例示的な方法では、中央部分は、可変角度開口部を含み得、中央部分を固定することは、オープンウェッジ骨切り術の第2の側に回転負荷をかける角度で可変角度開口部を通して仮固定手段を配置することを含み、それによって側方ヒンジを圧縮する。中央部分が仮固定された後のいくつかの例示的な方法では、骨プレートの他の部分が、骨に恒久的に固定され得、次いで、仮固定手段は、可変角度開口部を通して異なる挿入角度で恒久的固定手段と置き換えられ得る。いくつかの例示的な実施形態では、仮固定手段は、デュアル角度ガイドを使用して配置され得、デュアル角度ガイドはまた、パイロット孔を形成するように、異なる挿入角度に沿ってドリルを向けるように配向された軸を備える。
【0010】
別の実施形態のシステムは、HTO処置中に内側カットを準備するためのリンク切断ガイドシステムを含み得、これには、神経血管構造を保護し、内側-側方傾斜ベクトルのX線透視下で視覚的表示を提供するために、脛骨の後方態様に挿入するためのリトラクタを含む。システムはまた、リトラクタに枢動可能に結合された切断ガイドを含み、切断ガイドは、脛骨の内側態様を包み込むように構成され、内側カットを作成するための鋸などの切断ツールを受容し、制御するための細長い切断スロットを含む。切断スロットは、後方傾斜切断ベクトルを確定する。リンク切断ガイドシステムはまた、好ましいデータム平面の境界を画定し、またデータム平面上に横たわる場所で、切断ガイド内の開口部を通して挿入されるように構成された前方ピンを含み、好ましいデータム平面は、内側-側方傾斜ベクトルおよび後方傾斜切断ベクトルによって画定される。
【0011】
切断ガイドシステムはまた、前方ピンの挿入を案内するために切断ガイドに選択的に結合するピン位置決めガイドを含み得る。切断ガイドピン位置決めガイドは、切断ガイドに結合するピンガイドと、後方傾斜切断ベクトルと整列し得る線形エッジを有する調整可能なフラグとを含み得る。リトラクタは、切断ガイドのアームを受容するためのスロットを含み得る。リンク切断ガイドシステムはまた、HTO処置中に前方カットを案内するための前方切断ガイドシステムを含み得る。前方切断ガイドは、前方ピンの上をスライドするための管腔と、骨切断機の軌道を案内するための切断面と、前方切断ガイドに結合し、前方切断ガイドの向きを安定させるための固定手段と、を有する。固定手段は、前方切断ガイドの一部分を通して挿入されるピンまたはねじを含み得る。
【0012】
別のさらなる実施形態のシステムは、HTO処置中に前方カットを案内するための切断ガイドシステムを含み得る。この切断ガイドシステムは、骨内に部分的に挿入するためのピンを含み得、それにより、ピンの一部分が骨内に挿入され、一部分は挿入されず露出されない。切断ガイドシステムはまた、ピンの露出部分の上をスライドするための管腔、骨切断ツールの軌道を案内するための切断面、およびオープンウェッジ骨切り術に挿入され、切断面の向きを画定するように構成されたフィンを有する切断ガイドを含む。切断ガイドはまた、切断ガイドに結合し、切断ガイドの向きを安定させるための固定手段を含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の議論は、本発明の様々な実施形態を対象とする。これらの実施形態のうちの1つ以上が好ましい場合があるが、開示される実施形態は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、またはそのように使用されるべきではない。加えて、当業者は、以下の説明が広範な応用を有し、任意の実施形態の議論はその実施形態の例示のみを意図し、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施形態に限定されることを暗示することを意図するものではないことを理解するであろう。
【0014】
本開示は、概して、脛骨の内側の側から延在するカットを正確に作成するための第1のシステム、脛骨内に前方カットを作成するための第2のシステムであって、前方カットは内側カットから延在する、第2のシステム、2つの骨セグメントを所望のくさび角度に伸延するための第3のシステム、また内側および前方カットを開くことによって形成されるオープンウェッジを安定させるための第4のシステムの、4つのシステムを含み得る。Tこれらのシステムは、一緒に使用され得るが、互いに独立して使用される場合もある。例として別の言い方をすると、第1のシステムは、脛骨内に内側カットを作成するために使用され得、前方カットは、必要とされないか、または開示されていない別のシステムを使用して作成されるかのどちらかであってもよい。さらなる例として、オープンウェッジ全体は、本明細書に開示されていないシステムを使用して準備されてもよく、第4のシステムは、側方ヒンジを固定および圧縮するためにのみ適用されてもよい。
【0015】
第1のシステムは、リンクガイドシステム90であり、その全体が図2Jおよび図2Lに最もよく見られ、脛骨における内側カットまたは骨切り術ラインのためのデータム平面を画定および制御するように構成される。リンクガイドシステム90は、概して、後方リトラクタ100、切断ガイド150、前方ピン200、および前方ピンを整列させる手段250を含む。リンクガイドシステム90は、リトラクタ100と切断ガイド150とを整列させて内側切断平面を画定し、内側オープンウェッジ骨切り術中に、神経血管構造を格納し、保護する方法を提供する。図1Aおよび図1Bは、例示的なオープンウェッジ骨切り術が行われる脛骨5を示す。本発明によれば、オープンウェッジ骨切り術は、最初に上部脛骨にカット10を作り、次いで、骨のくさび状開口部(図6Bに示される)を開くように脛骨5の下部を操作することによって行われ、くさび状開口部は、負荷が大腿骨から脛骨に伝達される様態を調整するように構成されている。垂直(前方カット)が後のステップで作られる場合、ライン15は、好ましくは、脛骨結節20の内側の側に沿ってマークされ、ライン15は、脛骨プラトーの前方面25に平行である。このライン15は、内側カットと前方カットとの交点として後で使用され得る。
【0016】
切断平面および切断ツールの前進は、直接またはX線透視下で可視化され得る。リンクガイドシステム90は、脛骨5の後方部分の上への配置を助けるために湾曲し得る後方リトラクタ100と、リトラクタ100にリンクする切断ガイド150とを含み得る。図2Aに見られるように、後方リトラクタ100は、ハンドル105、開口部110、および格納部分120(格納部分は、図2Aの脛骨の後ろにあるために網掛けされている)を含む。ハンドル105は、概して、ユーザによって保持され、後方リトラクタ100を正しい角度に配置するようなサイズおよび形状である。スロット110は、ハンドル105と格納部分120との間に配設され得、切断ガイド150とリンクするようなサイズであり得る(後の図を参照)。図2Aに示されるリトラクタ100は、神経血管構造を保護し、内側-側方傾斜ベクトル130(MLIベクトル)のX線透視下で視覚的表示を提供するために、脛骨5の後方態様に挿入される。この後方リトラクタ100は、MCLを格納および上昇させるために挿入することができ、またはMCLの後ろに挿入して、内側切断ガイド(後述)が格納を提供することを可能にすることができる。格納部分120は、リトラクタ100を所望のベクトル130と整列させるように、リトラクタ100の長手方向軸(X-X)に沿って整列された一連の孔122などのマーキングを備え得る。格納部分120はまた、X線透視下で可視化されたときに測定値を提供するために、長手方向軸(X-X)に垂直に配向された一連のスロット124を含み得る。スロット124は、脛骨を通る鋸の深さを測る際に外科医を助けるために、互いに一定の間隔を置いて等しい距離にすることができ、したがって、スロット124は、そこを通る鋸の刃を見るのに十分に広い開口部である。スロット124は、例えば、10mm間隔であってもよい。加えて、スロット124は、長手方向軸X-Xから離れた鋸刃の偏差を観察するために、十分に長いか、長手方向軸X-Xの両側に延在する(後の図でより詳細に説明される)。リトラクタ100は、金属から作られることが好ましく、それにより、容易に滅菌され、したがって再利用可能である。リトラクタは、X線透視下で視認可能であることが好ましい。代替的な実施形態では、リトラクタ100は、鋸刃経路をより良く観察するために、PEEKなどの半透明または透明なポリマーを少なくとも部分的に含み得る。スロット124の場所にほぼ等しい場所に金属リブを追加して、リトラクタ100の剛性を向上させ、また、鋸刃および患者内のPEEK削りくずの形成からPEEKを保護し得る。金属リブもまた、好ましくはX線透視下で視認可能である。
【0017】
格納部分120は、配置中に物理的および視覚的基準として使用するために、脛骨5の後方上部の曲率に似た輪郭を有する形状を有し得る。例えば、格納部分120は、脛骨5の対応する湾曲部分と係合し、内側-側方傾斜ベクトル130およびリトラクタ100の位置をより良好に維持するために、格納部分120の周囲の部分の周りに湾曲したリム126を含み得る。スロット110は、格納部分が脛骨5の後方部分上に置かれるときに、脛骨5の内側外縁面に隣接して位置するように、格納部分120とハンドル105との間に配設されてもよい。キットは、脛骨サイズの変動を収容するために、異なる輪郭、曲率、およびより長い格納部分120など、互いに異なる構成を有し得る複数のリトラクタ100を備えてもよい。
【0018】
図2Bおよび図2Fに見られるように、リトラクタハンドル105は、患者の解剖学的構造をよりよく回避し、組織を格納し、また格納部分の配置を可視化するために、リトラクタ部分120に対してオフセットされてもよい。ジョグ/オフセットは、MCLを上昇させ、リトラクタ100上のMによって示される格納部分120の外面側にMCLを配置するか、またはMCLを最小限に上昇させ、MCLの外側にリトラクタを配置するかのいずれかによって、後方側へのアクセスを可能にし、ここでMCLは、場所M’にある。
【0019】
切断ガイド150は、実質的に脛骨5の内側の側に配置されるように構成される。切断ガイド150は、上部脛骨の内側の側を包み込むように構成された曲線を画定し得る。切断ガイド150は、リンク端部155および自由端部175を含み、リンク端部155は、リトラクタ100のスロット110とリンクするように構成される。リトラクタ100が好ましい場所にあると、切断ガイド150は、リトラクタ100にリンクされ得る。複数の切断ガイドを含むキットが提供されてもよく、複数の切断ガイドは、様々な脛骨の解剖学的サイズを収容するように構成される。図2Cに示されるように、リンク端部155は、スロット110を通って適合するようなサイズの細長いアーム157を備え、断面は実質的に長方形であり得る。細長いアーム157およびスロット110は、平面170に沿ったいくらかの枢動運動、また平面170に沿った切断ガイド150のいくらかの制限された摺動運動を可能にするように互いに協働するように構成される。しかしながら、細長いアーム157およびスロット110は、平面170上に鋸スロット160を維持するように協働するように構成される。内側切断ガイド150内の鋸スロット160は、後方傾斜切断ベクトル(PSCベクトル)180を画定するのに役立つ。MLI130およびPSC180ベクトルは、内側カットまたは骨切り術を形成している間に追従する鋸(後の図で説明される)のためのデータム平面170を画定する。リトラクタ100および切断ガイド150は、それらが「ヒンジ」開閉するときでさえ、2つのベクトルMLI130およびPSC180がこの切断平面170を維持するように、リンクされる。図2Dは、脛骨を通る切断平面170を画定するための、リトラクタ100および切断ガイド150、ベクトルMLI130およびPSC180を示す。切断ガイド150は、最初にハンドル260に結合され(後でより詳細に説明される)、次にハンドル260を使用してリトラクタのスロット110にリンクされ得る。
【0020】
図2E図2Fおよび図2Gで最もよく見られるように、システムはまた、切断ガイド150の厚さを通って脛骨5内に延在する前方ピン200を含み得る。切断ガイド150は、ピン200を受容するように構成された開口部165を含み、開口部165は、鋸スロット160の端部に配設され、鋸スロット160と連続していてもよい。開口部165は、鋸スロットの横方向の端部を画定してもよく、また、鋸スロット160よりも大きな開口部を画定してもよい。開口部165は、前方ピン200が鋸スロット160と整列されるように制限され得るが、自由端175からより近くまたはより遠くなるように側方に移動し得るような、長だ円形であり得る。別の言い方をすれば、開口部165は、ピンの場所を制限し、その結果、その中心軸が平面170上にあるようにするが、リトラクタ100に対するピン200の相対的な場所は、脛骨5のサイズに応じて調整可能であり得る。図2Fに最もよく示されるように、距離Dは、開口部165によって画定される境界まで選択可能である。前方ピン200は、ねじ端部201および結合端部203を備えて示されている。いくつかの実施形態では、前方ピンは、Kワイヤと同様に、完全に滑らかであってもよい。カップリング端部203は、挿入ツール(図示せず)と係合するように構成され得、前方ピン200にねじ込むために挿入ツールから回転運動をより良好に伝達するように、六角形または正方形の断面などの非円形の断面を有し得る。注目すべきは、格納部分120の湾曲したリム126が、図2Fおよび図2Gで容易に観察される。後の図に示されるように、切断ガイド150は、孔162を通って脛骨5内に延在するスピードピンまたは固定手段で所定の位置に固定され得る。
【0021】
前方ピン200は、切断ガイド150に選択的に結合され得るフラグ300を有するピンガイド250を使用して正確に配置され得る。前方ピン200、切断ガイドスロット160、およびリトラクタ122を通るラインはすべて、切断平面170およびその境界を画定し得る。前方ピン200は、好ましくは、内側カットおよび前方カット(後述)の交差軸と共線の位置に配置され得る。この前方ピン200は、少なくとも2つの機能を果たし、それは、内側カット(後の図で説明する)中に鋸からの脛骨結節への保護を提供し、また、後のステップにおいて前方カットを助ける切断ガイド150のための安定化手段を提供する。図2Bに示されるライン15は、内側切断ガイド150を通して見ることができる(図中の開口部165を通して見える)。内側切断ガイド150の厚さのために、前方ピン200は、内側カットデータム平面と平行に、かつ整列して配置される。したがって、ピン配置のための残りの自由度は、PSCベクトルに対してそれがドリルされる角度である。
【0022】
好ましいピン配置軌道は、内側脛骨上の内側カットとスクライブライン15との交点に源を発し、関節ラインに平行であるベクトルである。ビジュアルガイド250は、内側切断ガイド150に結合され得、内側切断ガイド150は、正しい軌道上でビジュアルガイド250を整列させるのに十分な厚さを有する。ビジュアルガイド250は、ハンドル端部260と、ビジュアルガイド250を切断ガイド150と選択的に整列するようにガイド開口部185内に選択的に挿入されるサイズの遠位先端255とを備え得る。ハンドル260および遠位先端255は、沿って横たわり、ビジュアルガイド250の長手方向軸上に同心円状に配設され得る。ビジュアルガイド250は、図2H図2Iおよび図2Jに見られるように、基準が前方脛骨であって前方を指して、整列するように構成されている。フラグエレメント300は、ビジュアルガイド250に結合され得、フラグ300の線形エッジ310を前方脛骨と整列するように選択的に移動される。ハンドル260は、ピンまたはねじ付きシャフト265を受容するように構成された孔を含み得る。図2Hに示されるように、フラグは、ねじ付きシャフト265を介して、ビジュアルガイド250の一部に摺動的に結合され得る。フラグエレメントは、設定ねじを使用して所定の位置に係止され得る。フラグ300は、ピンアアライメントのために線形エッジ310において終端し得る。前方ピン200の先端は、内側ガイド150内のスロット165内に配置され得、好ましくは、スクライブライン15まで挿入され得る。それは、アライメントフラグ300の底部、線形エッジ310に平行な脛骨結節を通って前進され得る。線形エッジ310は、ベクトル180と整列し得る。
【0023】
Kワイヤ320がまた、図2Kに示すように、ヒンジポイントの深さ、および深さゲージ325を使用して測定された深さまで切断ガイド150を通して配置され得る。切断ガイド鋸スロット160は、鋸スロット160よりも大きな直径を有し得るKワイヤを受容するために、鋸スロット160の長さに沿って一連のノッチ163を含み得る。Kワイヤは、鋸が脛骨5内にどのくらい深く延在するべきかについての深さ情報を提供する。
【0024】
前方ピン200が配置されると、ビジュアルガイド250およびフラグ300が取り外され得る。内側カット10は、Kワイヤからの深さ情報を用いて、安全に作ることができ、後方リトラクタと前方ピンとの間に包含され得る。例示的な鋸350は、平面170に沿って内側カットを作るように、図2Lの鋸スロット160を通って延在することが示されている。例示的な鋸350は、内側切断ガイド150を通って適合する振動鋸または骨刀であり得る。鋸350は、リンクガイドシステム90で作成されたデータム170に沿って延在するように、同一平面上にあり、制御される。鋸および骨刀は、Kワイヤによって案内され、手術前の計画中に外科医によって決定されたように、所望の「側方ヒンジ」点に到達するまで側方に前進させることができる。
【0025】
第2のシステム-前方切断ガイド
ここで本開示は、外科医が望む場合に、任意選択の前方カットを案内するように構成された、第2のシステムに向けられる。前方カットは、好ましくは、二平面高位脛骨骨切り術(HTO)を形成するためのものであり得る。第2のシステムは、図3Aに示されるように、前の図に既に配置されている前方ピン200を利用して、垂直前方カットを作成し得る前方カットガイド500である。前方カットガイド500は、左脚または右脚に構成され得、したがって、キットは、患者の標的側を収容するために2つの鏡像前方カットガイド500を含み得る。第1のシステムから独立して使用する場合、スタンドアロンの前方ピンが追加され得る。処置において前のステップからの前方ピン200の配置を使用して、調整可能な切断ガイドをピン200の上に適合させ、前方カットを案内するために使用することができる。ピン200は、内側カットと前方カットとの交点を画定し得る。内側カットが完了すると(図2A図2Lに記載されているように可能である)、ピン200は、リトラクタ100および切断ガイド150が取り外され得る間、そのままの状態であり得る。前方カットガイド550は、ヘッドレスピン200の上をスライドするように構成されている。前方カットガイド550は、ピン200の上をスライドするように構成された細長い管腔560または開口部を含み得、ガイド整列を支援する。管腔560は、ガイドがピン200の周りを回転し得るようなサイズである。医療カット10は、メダルカットの端部を通るピン200を備えた図3Bに見られ得る。ガイド550はまた、ガイド550の第1の垂直線形エッジ575と第2の平行線形エッジ580との間に画定された細長い切断スロット570を含み得る。切断スロット570は、例えば、矢状鋸または骨刀を受容するのに十分な幅である。図3Cに示されるように、ガイド560は、ピン200の上に適合し、切断スロット570をマークされたライン15と整列させるように回転し得る。切断スロット570は、処置の開始時に作られたライン15に視覚的に整列され、次いで仮ピンで所定の位置に固定され得る。例えば、第2のピンまたはねじあるいは固定手段590は、マーキング15とのアライメントを固定するために、孔585を通して脛骨5内に挿入され得る。代替の実施形態では、固定手段が、ガイド550の外縁面に隣接するように挿入されて、ガイド550をその向きに固定し、そこを通る孔の必要性を低減する。前方切断ガイド550は、ガイド550を保持し、切断スロット570をマーキング15と整列させるために、リップ552を含み得る。
【0026】
代替の実施形態の切断ガイドシステム650が、図4Aおよび図4Bに示されており、ガイドは、ガイド650を保持および整列させるためのリップ652またはハンドルと、医療カット30内にスライドするためのフィン654とを含む。前述の実施形態と同様に、このガイド650は、ピン200の上をスライドするための開口部660を含み、整列するとガイド650を固定するためのピンのねじを受容するための孔680を含み得る。表面690は、鋸を正しい向きに案内するための切断面を提供し得る。フィン654は、内側カット30内への挿入を容易にするために、先細りであり得る(図示せず)。図4Bに示されるように、表面690は、マーク15と並んでいない。発明者は、外科医が最も近いものを選択し得るように、表面690について異なる向きを有する一連のガイドを想定している。
【0027】
システム500の主な利点は、それが、いくつかの固定角度ガイドの代わりに1つのガイドを使用して変動性を補償することである。切断平面の交点で1つのガイドピン200を使用することは、カットのより良い制御および管理を可能にする。ガイダンスで安全に前方カットを行うために、矢状鋸を使用できるようになった。
【0028】
第3のシステム-側方ヒンジ伸延システム
本開示はここで、カット10の両側の2つの骨セグメントの伸延を開始し、続いて、決定されたオープンウェッジ角度に従って2つの骨セグメントをくさびで離すための第3のシステムに向けられる。ガイド200と共に使用される骨刀または鋸350は、脛骨内側表面に狭い開口部をもたらす厚さを有し得、したがって、薄いタインを備えた層状スプレッダ700は、好ましくは、最初に2つの骨セグメントの伸延を開始し得る。図5A図5Bおよび図5Cに示される層状スプレッダ700は、したがって、互いに対して移動可能な一対の薄い刃のようなタイン710を有する「L」形状の端部を含み得、タインは、カット10によって形成されるこの狭い開口部内に、したがってカット10の対向する骨表面の間に、くさび状になるように構成される。タイン710は、カット10の内側境界への挿入をさらに容易にするために先細り715であってもよい。スプレッダ700はまた、タイン720間の相対運動の速度を制御し、それによって骨セグメント伸延を制御する手段を含み、この手段は、一対のレバーアーム720およびその間の設定ねじ機構725を含む。伸延が速すぎると、側方ヒンジが割れてしまう可能性があるため、タイン分離の速度を制限し、それによって伸延を制限する手段が、側方ヒンジの損傷を軽減するために好ましい。レバーアーム720は、レバーアーム間の相対運動がタイン710を動かすように、ヒンジ式に取り付けられてもよい712。ねじ付きノブ722は、回転ノブ722がレバーアーム720を互いに向かって引き寄せ、タイン710をゆっくりと分離し得るように、少なくとも1つのレバーアーム720に動作可能に結合される設定ねじに動作可能に結合され得る。加えて、スプレッダ700の部分は、伸延の速度をさらに制限するために、ばね鋼またはポリマーなどの可撓性材料で形成され得る。図5Cは、カット10によって形成された狭い開口部内に配置され、矢印701に沿って伸延を開始するタイン710を示す。
【0029】
層状スプレッダが開口部を少なくとも数ミリメートル伸延させると、層状スプレッダは除去され、図6Aおよび図6Bに示されるように、くさびシステム750を用いてさらなる伸延が実行され得る。複数のくさび760は、例えば、患者の解剖学的構造および所望の矯正幾何形状に応じて、様々なくさび開口角度を収容するように構成された複数のくさび760のトレイでパッケージ化されたキットの一部として提供され得る。各くさび760は、異なるくさび角度を有し得、一連のマーキング755を含み得、そのマーキングでの対応するくさびの厚さ、例えば、厚さ1~10mmの表示を伴う。代替的に、各マーキング755は、開口角度を示してもよい。開口角度および/または開口幅は、標的となる骨に対して様々な直交平面に沿ったX線などの一連の画像に基づいて、事前計画処置の一部として計算されることが好ましい。
【0030】
2つのくさび760aおよび760bが、事前処置計画の一部として決定された値でマーキング755が脛骨外面と整列するまで、開口部内30に選択的に挿入および打ち込まれてもよい。いくつかの場合では、前方くさび開口部が後方側とは異なる、二平面矯正が好ましい場合がある。このように、くさび760aは、くさび760bとは異なるくさび傾斜を有し得る。各くさびは、少なくとも1つのくさび760に動作可能に結合され得るハンドルシステム765に選択的に取り付けられてよく、端部766は、くさび760aおよび760bを挿入するために打ち込まれ得る。くさびごとに1つずつ、2つの別々のハンドルが、代替構成になる場合がある。示される実施形態では、くさび706aおよび760bの両方が、前方および後方のくさび開口部がほぼ同時に形成されるように、単一のハンドルに結合されている。これは、決定された開口角度値に従って、より一貫した開口角度を形成するのに役立ち得る。
【0031】
第4のシステム-側方ヒンジ圧縮システム。
本開示はここで、HTO処置中のより速い骨治癒を容易にするために、HTOの側方ヒンジに圧縮を提供するための固定プレートおよびドリルシステムを含む、第4のシステムに向けられる。図7Aは、そこに複数の孔1200を有するプレート1100を示す。孔1200は、概して、骨の伸延部分(オープンウェッジ30)の上を含む骨5の一部にプレート1100を取り付けるための非ロック/ロックねじなどの一連の固定手段を受容するように構成されている。プレート1100は、例示的な形状であり、孔1200の数および場所は、異なる場合がある。プレート110は、脛骨とのより良いマッチングを提供するために、脛骨外面に近似するように輪郭形成され得、隣接する軟組織とプレート1100との間の刺激を低減する。左または右の患者の脚を収容するだけでなく、異なる脛骨サイズを収容するために、複数のプレートが提供され場合がある。側方ヒンジ圧縮システムは、HTO処置中に伸延された側方ヒンジに圧縮を提供しながら、デュアル孔(8の字または雪だるまの形をした穴)を回避するように構成されている。図7Aに示されるように、ロックねじなどの3つの固定手段が、オープンウェッジ30の上方の脛骨の近位部分でプレート1100を固定するために、最も上方の孔1200aを通して挿入されている。
【0032】
次に、調整可能なドリルガイド1300が、最下部孔1200dを通って挿入され得、調整可能なドリルガイド1300は、最下部孔付近のプレート1100の骨5に対するその部分のオフセットXを設定および調整するように構成された調整可能な遠位先端1310を含む。オフセットXを調整することは、ユーザが、プレート1100の下方端が有するオフセットXの量を選択し、それによってプレート1100内の弓なりの量を調整し、それによってくさび開口部30および骨ヒンジ35を圧縮することを可能にする。
【0033】
図10を参照すると、骨ヒンジ圧縮の力学の簡単な説明が開示されている。側方ヒンジの圧縮は、処置中に骨の側方ヒンジが割れた場合、偽関節の可能性を減少させる可能性がある。圧縮はまた、骨切り術にプレロードをかけるため、骨切り術への早期重量負荷を可能にし得、これは、治癒プロセス中の矯正の喪失の可能性を減少させる。図10において、場合によっては1200aなどの孔を使用して、点Aで固定的に結合された例示的なプレート1100が示されている。ガイド1300などの調整可能なドリルガイドを使用して、遠位端を押しのけて、点Bで骨表面からスタンドオフ値Xを形成し得る。このスタンドオフXは、外科医が側方ヒンジ上に置かれる圧縮のレベルを選択することができるように調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、スタンドオフの距離を示すために、距離マーカがドリルガイド上に配設され得る。他の実施形態では、ばねプランジャなどの力ゲージが、外科医がオフセットを目標の力値に調整することができるように、調整可能なドリルガイドに動作可能に結合されてもよい。ドリルガイドがスタンドオフXを維持している状態で、一時的な圧縮ねじが次いで、プレートを通して、点Cで骨内に配置され得る。これにより、プレート1100の中央部分が点Cで骨表面にもたらされ、脛骨5の下方セグメント上に回転Dと、側方ヒンジ35上に結果として生じる圧縮力Eとを生じさせる。
【0034】
図7A図7Gに戻り、図7Bおよび図9Aで最もよく見られるように、調整可能なドリル先端1310は、ツールの通過を可能にするためにそこに通路1322(図9Aおよび図9Bで最もよく見られる)を含み得るハンドル1320を含み得る。通路1322は、遠位先端1310を通って続く。調整可能なドリルガイド1300はまた、少なくとも最下方の孔1200d上の対応するねじ山または表面と係合するねじ山1312を含むハンドル1320を受容するための外側シャフト1330を含む。外側シャフト1330およびハンドル1320はまた、ハンドル1320の外面とシャフト1330の内面との間で互いにねじ込み式に結合し、シャフト1330に沿って軸方向に遠位先端1310を前進させるように構成され得る。ねじ山1312が最下方の孔1200dに結合されている状態で、シャフト1330に対して回転ハンドル1320は、したがって、遠位先端1310を下方開口部1200dに前進または後退させ、プレート1100の下方部分を脛骨の外面から離れるか、またはそれに近づけるように移動させる。遠位先端1310を前進させることは、図7BのXとして示されるプレートオフセットまたはスタンドオフを増加させ、それによってプレート1100の屈曲を増加させる。ねじ付き部分1312は、孔1200dの変化するサイズまたは直径に対して調整するように先細りにすることができる。代替的な実施形態では、遠位先端は、その長さに沿って一定の外径を有し得る。代替の調整可能なドリルガイドでは、ハンドル1320は、外側シャフト1330に対して摺動的に前進されてもよく、外側シャフト1330上の対応する歯または係合要素と係合する一連の歯または係合要素を含んでもよい。軸方向ばねが、この実施形態において係合を維持するために、外側シャフトおよびハンドルと同軸であってもよい。
【0035】
図7Cに示されるように、調整可能なドリルガイド1300が依然として挿入され、スタンドオフXが維持されている状態で、次いで、バイモーダルドリルガイド1400が、好ましくはプレート110の中央に近く、くさび開口部30に隣接して遠位にある孔1200cに挿入されてもよい。バイモーダルドリルガイド1400は、孔1200cと係合するためのねじ付き遠位先端1410を含んでもよい。バイモーダルドリルガイド1400は、2つの固定軌道を有してもよく、最終ロックねじAのための標準軌道、および下側方角度で仮圧縮ねじを挿入するための角度付き軌道Bを含む。仮ねじには、皮質、圧縮、または骨減少性ねじなどの非ロックねじが含まれ得る。代替の実施形態では、固定手段の挿入角度の固定された値ではなく、挿入角度に制限を設定するために、円錐形のガイドが提供されてもよい。前述のように、この様態でプレート1100を圧縮することは、プレートの中央3分の1を骨5に向かって内方向に屈曲させ、結果として生じる回転力が、側方ヒンジ35の圧縮を生じさせる。ねじまたは固定手段の両方が、プレート内の同じ孔1200cを通って延在し、角度付き軌道Bおよび下側方角度は固定され得る。孔1200cは、好ましくは、8の字の孔とは対照的に、そこに単一の中心軸を有する、ほぼ円形の形状である。孔1200cは、米国特許第8888824号に開示されているもののような可変角度開口部を画定し得、その全体が、一般的に所有され、参照により本明細書に組み込まれる。開口部1200Cなどの開口部は、開口部1200Cの内面から半径方向内向きに、かつ開口部1200Cの内部領域内に延在し、骨固定具の頭部部分と係合または協働するように構成されている、フィンまたは突起を含む可変角度開口部であってもよい。使用中、フィンは、可変角度開口部1200C内の所望の位置で、かつ所望の角度の向きで骨固定具を固定するために、骨固定具の頭部部分と係合する。フィンの動作および構成に関する追加情報は、最も早い出願日が2005年7月25日である米国特許出願第15/706,877号、現在の「Systems and Methods for Using Polyaxial Plates」と題する、米国特許第10,092,337号、2012年6月15日に出願された「Variable Angle Locking Implant」と題する、米国特許出願第13/524,506号、および6月7日に出願された「Orthopedic Implant with Improved Variable Angle Locking Mechanism」と題する、米国特許出願第62/858,727号に見出すことができ、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
したがって、バイモーダルドリルガイド1400は、軌道Aに沿ってパイロット孔を形成するように、軌道Aに沿ってそこを通って骨の中に入るドリルのための通路を提供する第1の中空シャフト1420を含む。バイモーダルドリルガイド1400はまた、軌道Bに沿ってそこを通って骨の中に入るねじのための通路を提供する第2のシャフト1430を含み得る。バイモーダルドリルガイドは、図8Aおよび図8Bに最もよく見ることができる。第2のシャフト1430は、図7Dに見ることができるように、直径がより小さくてよく、ねじ頭部1450は、孔1200cの外側に留まり、孔1200cから離間してよい。これは、仮ねじを取り外すための簡単なアクセスを可能にする。先に説明したように、仮ねじ1450は、プレートを骨の外面に引き寄せ、側方ヒンジ35を圧縮状態に置くことができる。第1の中空シャフトは、後でロックねじを配置するためのパイロット孔を形成するために、ドリルの完全な通過を可能にするように構成され得る。第1の中空シャフト1420は、第2の中空シャフト1430よりも長くてよく、第1の中空シャフト1420はまた、バイモーダルドリルガイドを操作/保持する手段としての役割を果たし、または別の言い方をすると、ハンドルとしての役割を果たす。仮固定手段が角度のついた軌道Bに挿入されると、図7Dに示されるように、骨切り術の下方にある2つの残りのロックねじ孔1200eをここで孔開けし、埋め込むことができる。
【0037】
オフセットドリルガイドは、次いで、開口部1200dを通してパイロット孔をドリルするために使用されてもよく、次いで取り外されて、ロックねじなどの固定手段が、プレート1100を骨とさらに固定することを可能にし得る。下方に配置されたロックねじは角度安定であり、プレート1100内の屈曲は残るため、角度付き軌道に挿入された仮ねじ1450は、次いで取り外され得る。バイモーダルドリルガイド140は取り外され得、ロックねじが、先に形成されたパイロット孔に沿って骨内に配置され得る。仮ねじ1450は、オープンウェッジのすぐ上方の残りの孔1200bで再利用されてもよい。
【0038】
図11は、複数の開口部1550を含み、脛骨5と嵌合するように輪郭形成されたプレート1500の代替の実施形態を示す。プレートは、チタンで形成された厚さ2~3mmのプレートを備えてもよく、本明細書に記載されるように、複数の開口部1550を含んでもよく、そのいくつかは、可変角度ロック孔である。プレート1500は、第1の可変角度ロック開口部1550aおよび第2の可変角度ロック開口部1550dを含んでもよい。前述の実施形態と同様に、プレート1500は、最初に、1550aおよび1550bを通る固定手段介して、脛骨の上方部分に取り付けられる。最前方の孔1550aは、固定手段の配置を可能にし、脛骨5に関連付けられた特定の構造を回避するための可変角度開口部である。例えば、ACL再構築または半月板根修復トンネルは、処置の一部として同時に実行されることがある。脛骨の上方端部にある可変角度開口部は、固定手段がACLまたは半月板根の周りまたはその上の領域を回避する角度で配置されることを可能にする。前述のプレートシステムの実施形態と同様に、ドリルガイド1300などの調整可能なオフセットドリルガイドが、次いで、開口部1550cに動作可能に結合され得、スタンドオフXが、前述のように形成され得る。次いで、仮圧縮ねじが、側方ヒンジ35を圧縮するように構成された角度で、開口部1550dに配置され得る。次いで、固定手段が、開口部1550eに配置され得、その後、調整可能なガイド1300の取り外し後に、1550cに配置され得る。仮ねじは、永久ロックねじを別の角度で配置する前に、開口部1550dから取り外され得る。プレート1500は、脛骨骨幹とよりよく整列するために、遠位湾曲軸1560を含み得、非湾曲軸が、参照のために1565でラベル付けされている。
【0039】
上記の議論は、本発明の原理および様々な実施形態を例示することを意図している。上記の開示が完全に理解されると、多数の変形および修正が当業者に明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、すべてのそのような変形および修正を包含すると解釈されることが意図されている。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
【国際調査報告】