(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(54)【発明の名称】履物物品のためのソール構造
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20220328BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A43B13/14 Z
A43B23/02 104
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549360
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 US2020019015
(87)【国際公開番号】W WO2020172393
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ブランシェ,ローリー エス.
(72)【発明者】
【氏名】オラフソン,カイギン
(72)【発明者】
【氏名】ゾーメア,ジェームス
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA33
4F050BC36
4F050JA01
4F050LA01
4F050MA27
(57)【要約】
履物物品は、アッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造とを含む。履物物品は、アッパーとソール構造との間に延在するベースと、アッパーの第1の側面に沿ってアッパーから延びる第1の側壁と、アッパーの第2の側面に沿ってベースから延びる第2の側壁とを有する、クレードルも含み、第1の側壁及び第2の側壁の各々は、複数のアイレットを含む。履物物品は、更に、緩められた状態と締め付けられた状態との間でアッパーを移動させるように作動可能なケーブルを含む。ケーブルは、第1の側壁のアイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第1のストランドと、第2の側壁のアイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第2のストランドとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーと、
前記アッパーに取り付けられるソール構造と、
前記アッパーと前記ソール構造との間に延在するベースと、前記アッパーの第1の側面に沿って前記ベースから延びる第1の側壁と、前記アッパーの第2の側面に沿って前記ベースから延びる第2の側壁とを有し、前記第1の側壁及び前記第2の側壁の各々は、複数のアイレットを含む、クレードルと、
前記アッパーを緩められた状態と締め付けられた状態との間で移動させるように作動可能であり、前記第1の側壁の前記アイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第1のストランドと、前記第2の側壁の前記アイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第2のストランドとを含む、ケーブルと、を含む、
履物物品。
【請求項2】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、第1のケーブルチャネルを含み、前記ケーブルの第1の部分が、前記第1のケーブルチャネルを通じて経路指定される、請求項1に記載の履物物品。
【請求項3】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの前記少なくとも1つは、第2のケーブルチャネルを含み、前記ケーブルの第2の部分が、前記第2のケーブルチャネルを通じて経路指定される、請求項2に記載の履物物品。
【請求項4】
前記第1のケーブルチャネルは、前記第2のケーブルチャネルと交差する、請求項3に記載の履物物品。
【請求項5】
前記第2のケーブルチャネルは、その中に配置されるスリーブを含み、該スリーブは、前記ケーブルの前記第2の部分を受け入れるように構成される、請求項3又は4に記載の履物物品。
【請求項6】
前記第1のケーブルチャネルは、その中に配置されるシースの部分を含み、前記シースは、前記ケーブルの前記第1の部分を受け入れるように構成される、請求項3~5のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項7】
前記クレードルは、剛性材料又は半剛性材料のいずれかで或いは剛性材料及び半剛性材料の組み合わせで形成される、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項8】
当該履物物品は、緩み方向における前記ケーブルの移動を選択的に許容するように作動可能なケーブルロックを含む、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項9】
前記ケーブルロックは、前記クレードルの前記ベースと前記ソール構造の部分との間に配置される、請求項8に記載の履物物品。
【請求項10】
前記ケーブルロックは、前記クレードルの前記ベース内に部分的に受け入れられる、請求項8又は9に記載の履物物品。
【請求項11】
前記クレードルの前記ベースは、前記ケーブルロックの少なくとも部分を受け入れる凹部又は貫通穴のいずれか1つを含む、請求項8~10のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項12】
前記クレードルの前記ベースは、前記ソール構造内に配置される、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項13】
前記クレードルは、当該履物物品の中足領域に配置される、請求項1~12のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項14】
前記アッパーの前記第1の側面は、外側側面であり、前記アッパーの前記第2の側面は、内側側面である、請求項1~13のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項15】
第1の端から第2の端まで前記アッパーの上に延在する前足ストラップを更に含み、前記第1のストランドは、前記前足ストラップの前記第1の端に取り付けられ、前記第2のストランドは、前記前足ストラップの前記第2の端に取り付けられる、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項16】
第1の端から第2の端まで前記アッパーのヒールカウンタの周囲に延在するヒールストラップを更に含み、前記第1のストランドは、前記ヒールストラップの前記第1の端に取り付けられ、前記第2のストランドは、前記ヒールストラップの前記第2の端に取り付けられる、請求項15に記載の履物物品。
【請求項17】
前記第1のストランドの端が、前記第1の側壁に取り付けられ、前記第2のストランドの端が、前記第2の側壁に取り付けられる、請求項1~16のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項18】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁は、弓形である、請求項1~17のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項19】
前記ベース、前記第1の側壁、及び前記第2の側壁は、協働して、チャネルを画定し、前記アッパーは、前記チャネル内に配置される、請求項1~18のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項20】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、前記第1のストランド及び前記第2のストランドのうちの1つを受け入れるように作動可能な細長いチャネルを含む、請求項1~19のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項21】
アッパーを有する履物物品のためのクレードルであって、
ベースと、
前記アッパーの外面に沿って前記ベースの第1の側面から第1の遠位端まで延在し、第1の複数のアイレットを含む、第1の側壁と、
前記アッパーの前記外面に沿って前記ベースの第2の側面から第2の遠位端まで延在し、第2の複数のアイレットを含む、第2の側壁と、を含む、
クレードル。
【請求項22】
前記ベース、前記第1の側壁、及び前記第2の側壁は、協働して、当該クレードルの長さに沿って延び、前記アッパーをその中に受け入れるように構成される、第1のチャネルを画定する、請求項21に記載のクレードル。
【請求項23】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、弓形である、請求項21又は22に記載のクレードル。
【請求項24】
前記ベースは、実質的に平面的であり、前記第1の側壁及び前記第2の側壁の各々は、弓形である、請求項21~23のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項25】
前記第1の遠位端及び前記第2の遠位端のうちの少なくとも1つは、当該クレードルの第1の端から当該クレードルの第2の端への方向に沿って前記ベースと収束する、請求項21~24のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項26】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つの側壁の高さが、当該クレードルの第1の端から当該クレードルの第2の端への方向に沿ってテーパ状である、請求項21~25のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項27】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、ケーブルの第1の部分を受け入れるように構成される第1のケーブルチャネルを含み、前記ケーブルは、前記アッパーを緩められた状態と締め付けられた状態との間で移動させるように作動可能である、請求項21~26のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項28】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、ケーブルの第2の部分を受け入れるように構成される第2のケーブルチャネルを含む、請求項27に記載のクレードル。
【請求項29】
前記第1のケーブルチャネルは、前記第2のケーブルチャネルと交差する、請求項28に記載のクレードル。
【請求項30】
前記第2のケーブルチャネルは、その中にスリーブを受け入れるように構成され、該スリーブは、前記ケーブルの前記第2の部分を受け入れるように構成される、請求項28又は29に記載のクレードル。
【請求項31】
前記第1のケーブルチャネルは、その中にシースを受け入れるように構成され、該シースは、前記ケーブルの前記第1の部分を受け入れるように構成される、請求項27~30のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項32】
前記ベースは、ケーブルロックの少なくとも部分を受け入れる凹部又は貫通穴のいずれか1つを含み、前記ケーブルロックは、緩み方向における前記ケーブルの移動を選択的に許容するように作動可能である、請求項28~31のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項33】
前記凹部は、前記ベースの外面に形成される、請求項32に記載のクレードル。
【請求項34】
前記第1のケーブルチャネルは、前記凹部から前記第1の側壁の前記第1の遠位端まで延びる、請求項32又は33に記載のクレードル。
【請求項35】
前記第2のケーブルチャネルは、前記凹部から前記第1の側壁の後方端まで延びる、請求項34に記載のクレードル。
【請求項36】
前記複数のアイレットのうちの少なくとも1つは、細長い、請求項21~35のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項37】
前記アイレットのうちの少なくとも1つは、円筒形である、請求項21~36のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項38】
前記アイレットのうちの少なくとも1つは、前記アイレットの周囲を囲むフランジを含む、請求項21~37のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項39】
前記フランジは、当該クレードルの外面に形成される、請求項38に記載のクレードル。
【請求項40】
前記フランジは、均一な高さを有する、請求項38又は39に記載のクレードル。
【請求項41】
前記フランジは、可変の高さを有する、請求項38又は39に記載のクレードル。
【請求項42】
前記ベースは、前記ベースの後方端から延びるタブを含む、請求項21~41のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項43】
前記タブは、前記ベースの前記凹部から前記タブの後方端まで延びる溝を含む、請求項42に記載のクレードル。
【請求項44】
当該クレードルは、剛性材料又は半剛性材料で或いは剛性材料及び半剛性材料の組み合わせで形成される、請求項21~43のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【請求項45】
請求項21~44のうちのいずれか1項に記載のクレードルを含む、履物物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
このPCT国際出願は、2019年2月22日に出願された米国仮出願第62/809,309号に対する特許法第119(e)条の下の優先権を主張する、2020年2月20日に出願された米国特許出願第16/796,061号に対する優先権を主張する。これらの先行出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされ、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般に、締め付けられた状態と緩められた状態との間で履物を移動させるための動的なレーシングシステム(lacing system)を有する履物物品(articles of footwear)に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、必ずしも先行技術ではない本開示に関する背景情報を提供する。
【0004】
履物物品は、従来、アッパー(upper)と、ソール構造(sole structure)とを含む。アッパーは、ソール構造上に足を受け入れ、固定し、且つ支持するために、任意の適切な材料から形成されることがある。足の底面に近接するアッパーの底部分は、ソール構造に付着する。ソール構造は、一般に、地面との牽引及び耐摩耗性を提供するアウトソール(外底)(outsole)と、足のための緩衝作用(cushioning)をもたらすためにアウトソールとアッパーとの間に配置されるミッドソール(中底)(midsole)との間に延在する、層状構成(layered arrangement)を含む。
【0005】
アッパーは、レース(締め紐)、ストラップ、又は他のファスナ(締結具)と協働して、足の周りのアッパーのフィット(嵌合)を調整することがある。例えば、レースは、足の周りでアッパーを閉じるよう締め付けられ、足の周りでアッパーの所望のフィットがひとたび得られると、結び付けられることがある。レースを結び付けられる度に、アッパーが足の周りで緩すぎたりきつすぎたりしないような注意が必要とされる。その上、レースは、履物の着用中に緩んだり解れるようになったりすることがある。マジックテープファスナのようなファスナは、従来のレースよりも操作がより容易であり且つより迅速であるが、これらのファスナは、経時的に摩耗する傾向を有し、アッパーを足に固定するときに所望の張力を得るためにより多くの注意を必要とする。
【0006】
知られている自動締付システムは、典型的には、足の周りでアッパーを閉じるためにアッパーと相互作用する1つ以上のケーブルに張力を加えるように操作されることができる、回転可能なノブのような、締付機構を含む。これらの自動締付システムは、足の周りでアッパーの所望のフィットを達成するために1つ以上のケーブルの張力の大きさを漸増させることができるが、それらは、足の周りでアッパーを固定するためにケーブルに適切に張力を加えるために締付機構を操作するという時間のかかる作業を必要とする。更に、足から履物を取り外すことが望ましいときに、着用者は、ケーブルの張力を解放するために、同時に解放機構を押し下げ、アッパーを足から引き離すことが必要とされる。その上更に、これらの自動締付システムは、1つ以上のケーブルの長さに沿って一定の張力を提供し、それによって、回転可能なノブの回転は、ケーブル全体を均一に締め付けさせる。アッパーの第1の領域をアッパーの第2の領域とは異なる程度に締め付けることが望ましい場合には、追加的なケーブル及び締付機構が別個に組み込まれて制御されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、知られている自動締付システムは、履物の締付及び緩めの両方の間に足の周りのアッパーのフィットを迅速かつ可変に調整するための適切な設備を欠いている。その上、これらの知られている自動締付システムによって利用される締付機構は、足の周りでアッパーのフィットを調整するために、締付機構が着用者にアクセス可能であるように、アッパーの外部に組み込まれる必要があり、それによって、履物の一般的な外観及び美観を損なう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に記載する図面は、選択される構成を例示するためのものであるに過ぎず、本開示の範囲を制限することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】緩められた状態にある履物物品を示す、本開示の原理に従った履物物品の外側側面図である。
【0010】
【
図1B】締め付けられた状態にある履物物品を示す、
図1Aの履物物品の外側側面図である。
【0011】
【
図2A】緩められた状態にある履物物品を示す、
図1Aの履物物品の内側側面図である。
【0012】
【
図2B】締め付けられた状態にある履物物品を示す、
図1Aの履物物品の内側側面図である。
【0013】
【0014】
【
図4】
図3の線4-4に沿って取られた
図1Aの履物物品の側断面図である。
【0015】
【
図5】
図3の線5-5に沿って取られた
図1Aの履物物品の断面図である。
【0016】
【
図6】
図4の線6-6に沿って取られた
図1Aの履物物品の断面図である。
【0017】
【
図7】
図1Aの履物物品のソール構造の分解図である
【0018】
【
図8】
図1Aの履物物品のクレードルの外側側面斜視図である。
【0019】
【0020】
【
図10】本開示の原理に従ったケーブルロックの一例の斜視図である。
【0021】
【0022】
【
図12】ロック部材がロック位置にあるときに、ハウジング内にスライド可能に配置されるロック部材を露出させるために除去された蓋を有するハウジングを示す、
図10のケーブルロックの頂面図である。
【0023】
【
図13】ロック部材がロック解除位置にあるときに、ハウジング内にスライド可能に配置されるロック部材を露出させるために除去された蓋を有するハウジングを示す、
図10のロック装置の頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
対応する参照番号は、図面を通じて対応する部分を示している。
【0025】
ここで、添付の図面を参照して、例示的な構成をより詳細に記載する。例示的な構成は、この本開示が網羅的であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように、提供される。本開示の構成の網羅的な理解をもたらすために、特定の構成要素(コンポーネント)、装置及び方法の例のような、特定の詳細が記載される。特定の詳細が利用される必要はないこと、例示的な構成は多くの異なる形態で具現される場合があること、並びに特定の詳細及び例示的な構成は本開示の範囲を制限するものと解釈されるべきでないことが、当業者に明らかであろう。
【0026】
本明細書で使用される用語法は、特定の例示的な構成のみを記載する目的のためのものであり、限定的であることを意図しない。本明細書で使用するとき、単数形の表現は、文脈が他のことを明らかに示さない限り、複数の形態も含むことを意図することがある。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であり、従って、構成、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の構成、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しない。本明細書に記載する方法ステップ、プロセス、及び動作は、特に遂行の順序として特定されない限り、議論する或いは図示する特定の順序におけるそれらの遂行を必ず必要とするものとして解釈されるべきでない。追加の又は代替のステップが利用されてよい。
【0027】
ある要素又は層が別の要素又は層「の上にある」、「に係合される」、「に接続される」、「に取り付けられる」、或いは「に連結される」と称されるとき、ある要素又は層は他の要素又は層の上に直接的にあってよく、他の要素又は層に直接的に係合されてよく、直接的に接続されてよく、直接的に取り付けられてよく、直接的に連結されてよく、或いは介在する要素又は層が存在してよい。対照的に、ある要素が他の要素又は層「の上に直接的にある」、「に直接的に係合される」、「に直接的に接続される」、「に直接的に取り付けられる」、或いは「に直接的に連結される」と称されるとき、介在する要素又は層は存在しないことがある。要素間の関係を記載するために使用される他の用語は、同様の方法(例えば、「間にある」対「直接的に間」にある、「隣接する」対「直接的に隣接」など)で解釈されるべきである。本明細書で使用するとき、「及び/又は」という用語は、関連して列挙される品目のうちの1つ以上の品目のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0028】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又は区画(セクション)を記述するために本明細書において使用されることがある。これらの要素、構成要素、領域、層及び/又は区画は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層又は区画を別の領域、層又は区画から区別するためにのみ使用されることがある。「第1」、「第2」、及び他の数値用語のような用語は、文脈によって明確に示されない限り、シーケンス又は順序を暗示しない。よって、例示的な構成の教示から逸脱することなく、以下に議論する第1の要素、構成要素、領域、層又は区画を、第2の要素、構成要素、領域、層又は区画と呼ぶことができる。
【0029】
本開示の1つの態様は、履物物品(article of footwear)を提供する。履物物品は、アッパー(upper)と、アッパーに取り付けられるソール構造(sole structure)とを含む。履物物品は、アッパーとソール構造との間に延在するベース(基部)と、アッパーの第1の側面に沿ってベースから延在する第1の側壁と、アッパーの第2の側面に沿ってベースから延在する第2の側壁とを有する、クレードル(cradle)も含む。第1の側壁及び第2の側壁の各々は、複数のアイレット(eyelets)を含む。履物物品は、緩められた状態と締め付けられた状態との間でアッパーを移動させるように作動可能なケーブルを更に含む。ケーブルは、第1の側壁のアイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第1のストランドと、第2の側壁のアイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第2のストランドとを含む。
【0030】
本開示の実装は、以下の任意的な構成のうちの1つ以上を含むことがある。幾つかの実装では、第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つが、第1のケーブルチャネルを含み、ケーブルの第1の部分は、第1のケーブルチャネルを通じて経路指定される。第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、第2のケーブルチャネルを含んでよく、ケーブルの第2の部分は、第2のケーブルチャネルを通じて経路指定される。第1のケーブルチャネルは、第2のケーブルチャネルと交差してよい。第2のケーブルチャネルは、その中に配置されるスリーブを含んでよく、スリーブは、ケーブルの第2の部分を受け入れるように構成される。第1のケーブルチャネルは、その中に配置されるシースの部分を含んでよく、シースは、ケーブルの第1の部分を受け入れるように構成される。クレードルは、剛性材料又は半剛性硬質材料のいずれかで或いは剛性材料及び半剛性材料の組み合わせで形成されてよい。
【0031】
幾つかの例において、履物物品は、緩み方向におけるケーブルの移動を選択的に許容するように作動可能なケーブルロックを含む。ここで、ケーブルロックは、クレードルのベースとソール構造の部分との間に配置されてよい。追加的に又は代替的に、ケーブルロックは、クレードルのベース内に部分的に受け入れられてよい。任意的に、クレードルのベースは、ケーブルロックの少なくとも部分を受け入れる凹部又は貫通穴のいずれか1つを含んでよい。
【0032】
幾つかの構成において、クレードルのベースは、ソール構造内に配置される。追加的に又は代替的に、クレードルは、履物物品の中足領域内に配置されてよい。アッパーの第1の側面は、外側側面であってよく、アッパーの第2の側面は、内側側面であってよい。
【0033】
幾つかの実装において、履物物品は、第1の端から第2の端までアッパーの上に延びる前足ストラップを含み、第1ストランドは、前足ストラップの第1の端に取り付けられ、第2ストランドは、前足ストラップの第2の端に取り付けられる。履物品は、第1の端から第2の端までアッパーのヒールカウンタの周囲に延在するヒールストラップも含んでよく、第1のストランドは、ヒールストラップの第1の端に取り付けられ、第2のストランドは、ヒールストラップの第2の端に取り付けられる。第1のストランドの端が、第1の側壁に取り付けられてよく、第2のストランドの端が、第2の側壁に取り付けられてよい。第1の側壁及び第2の側壁は、弓形であってよい。ベース、第1の側壁、及び第2の側壁は、協働して、チャネルを画定してよく、アッパーは、チャネル内に配置される。第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、第1のストランド及び第2のストランドのうちの1つを受け入れるように作動可能な細長いチャネルを含んでよい。
【0034】
本開示の別の態様は、履物物品のためのクレードルを提供する。クレードルは、ベースと、ベースの第1の側面から第1の遠位端まで延び、第1の複数のアイレットを含む、第1の側壁とを含む。クレードルは、ベースの第2の側面から第2の遠位端まで延び、第2の複数のアイレットを含む、第2の側壁も含む。
【0035】
この態様は、以下の任意的な構成のうちの1つ以上を含んでよい。幾つかの例において、ベース、内側側壁、及び外側側壁は、協働して、クレードルの長さに沿って延び、履物物品のアッパーをその中に受け入れるように構成される、第1のチャネルを画定する。第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、弓形であってよい。ベースは、実質的に平面的であってよく、第1の側壁及び第2の側壁の各々は、弓形であってよい。第1の遠位端及び第2の遠位端の少なくとも1つは、クレードルの第1の端からクレードルの第2の端への方向に沿ってベースと収束してよい。第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つの側壁の高さは、クレードルの第1の端からクレードルの第2の端への方向に沿ってテーパ状であってよい。
【0036】
幾つかの構成では、第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、ケーブルの第1の部分を受け入れるように構成される第1のケーブルチャネルを含む。第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、ケーブルの第2の部分を受け入れるように構成される第2のケーブルチャネルを含む。第1のケーブルチャネルは、第2のケーブルチャネルと交差してよい。第2のケーブルチャネルは、その中にスリーブを受け入れるように構成されてよく、スリーブは、ケーブルの第2の部分を受け入れるように構成されてよい。第1のケーブルチャネルは、その中にシースを受け入れるように構成されてよく、シースは、ケーブルの第1の部分を受け入れるように構成されてよい。ベースは、その中にケーブルロックの少なくとも部分を受け入れるように構成される凹部又は貫通穴のいずれか1つを含んでよい。凹所は、ベースの外面に形成されてよい。第1のケーブルチャネルは、凹部から第1の側壁の第1の遠位端まで延びてよい。第2のケーブルチャネルは、凹部から第1の側壁の後方端まで延びてよい。
【0037】
幾つかの実装では、複数のアイレットのうちの少なくとも1つは細長い。任意的に、アイレットのうちの少なくとも1つは円筒状であってよい。アイレットのうちの少なくとも1つは、アイレットを囲むフランジを含んでよい。ここで、フランジは、クレードルの外面に形成されてよい。追加的に又は代替的に、フランジは、均一な高さを有してよく、或いは、フランジは、可変の高さを有してよい。ベースは、ベースの後方端から延びるタブを含んでよい。タブは、ベースの凹部からタブの後方端まで延びる溝を含んでよい。クレードルは、剛性材料又は半剛性材料で或いは剛性材料及び半剛性材料の組み合わせで形成されてよい。
【0038】
本開示の1つ以上の実装の詳細を添付の図面及び以下の記述に記載する。他の態様、構成、及び利点は、本明細書及び図面から並びに特許請求の範囲から明らかであろう。
【0039】
図1A~
図2Bを参照すると、可変張力を提供するシステムを含む履物物品10の一例が開示されている。幾つかの実施態様において、履物物品10は、アッパー100(upper)と、アッパー100に取り付けられるソール構造200(sole structure)とを含む。履物物品10は、更に、張力システム300(tensioning system)と、ケーブルロック400(cable lock)とを含み、それぞれは、アッパー100及びソール構造200のうちの少なくとも1つに一体化される。張力システム300は、ケーブル302と、クレードル304(cradle)とを含み、クレードルは、ケーブル302の部分を、アッパー100、ソール構造200及びケーブルロック400に沿って経路指定するための、複数の通路及びガイドを提供する。張力システム300及びケーブルロック400は協働して、履物物品10を緩められた状態と締め付けられた状態との間で移動させる。ケーブルロック400は、締め付けられた状態においてケーブル302を選択的に固定するように構成される。
【0040】
履物10は、更に、履物10の最前方点と関連付けられる前方端12と、履物10の最後方点に対応する後方端14とを含むことがある。
図3の頂面図に示すように、履物10の長手軸A
Fが、履物10の長さに沿って前方端12から後方端14に延び、履物10を外側側面16と内側側面18とに概ね分割する。従って、外側側面16及び内側側面18は、それぞれ、履物10の両側に対応し、前方端12から後方端14まで延在する。
【0041】
履物物品10は、長手軸AFに沿って1つ以上の領域に分割されることがある。領域は、前足領域20と、中足領域22と、ヒール領域24(踵領域)とを含むことがある。前足領域20は、足の指骨を中足骨と連結する足指及び関節に対応することがある。中足領域22は、足のアーチ領域に(土踏まず領域)に対応することがあり、ヒール領域24は、踵骨を含む足の後方領域に対応することがある。
【0042】
アッパー100は、ソール構造200で支持するために足を受け入れて固定するように協働する内部空隙102(inner void)及び足首開口104(ankle opening)を画定するように協働する複数の構成要素を含む。例えば、アッパー100は、内部空隙102の両側で中足領域22にある一対のクォータパネル106(quarter panels)を含む。スロート108(throat)がアッパー100の頂部に亘って延在し、足足首開口104から前足領域20までクォータパネル106の間に延在する甲領域(instep region)を画定する。図示の例において、スロート108は囲まれており、それによって、材料パネルが甲領域において対向するクォータパネルの間に延在して内部空隙102を覆う。ここで、スロート108を覆う材料パネルは、クォータパネル106を形成する材料よりも高い弾性率を有する材料で形成されてよい。
【0043】
アッパー100は、足首開口104の外側側面16及び内側側面18に沿ってヒール領域24を通じて延在するヒール側方パネル110(heel side panels)を含むものとして更に記載されてよい。ヒールカウンタ112(heel counter)が履物10の後方端14の周りを包み、ヒール側方パネル110を接続する。スロート108、ヒール側方パネル110、及びヒールカウンタ112の最上方縁が協働してカラー114(collar)を形成し、カラー114は、内部空隙102の足首開口104を画定する。
【0044】
アッパー100は、履物10を足に着けたり外したりするために、足首開口104に隣接してカラー114に取り付けられる1つ以上のグリップ構成116を更に含んでよい。
図1A~
図2Bに最も良く図示するように、アッパー100は、張力システム300の様々な構成要素を隠す1つ以上のシュラウド118(覆い)を備える。例えば、アッパー100は、スロート108及びスロート108と関連付けられる張力システム300の部分を隠すように構成されるスロートシュラウド118を含んでよい。
【0045】
アッパー100は、内部空隙102を画定するために互いに縫合又は接着される1つ以上の材料から形成されてよい。アッパー100の適切な材料は、織物(textiles)、フォーム(発泡体)、皮革、及び合成皮革を含むが、これらに限定されない。例示的なアッパー100は、締め付けられた状態と緩められた状態との間のアッパー100の移動を容易にするためにアッパー100の異なる領域に配置された1つ以上の実質的に非弾力性(inelastic)又は非伸縮性(non-stretchable)の材料と1つ以上の実質的に弾力性(elastic)又は伸縮性(stretchable)の材料との組み合わせから形成されてよい。1つ以上の弾性材料は、非限定的に、スパンデックス(spandex)、エラスタン(elastane)、ゴム又はネオプレン(neoprene)のような、1つ以上の弾力性織物の任意の組み合わせを含んでよい。1つ以上の非弾力性材料は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、皮革、ビニル、又は弾力性の特性を付与しない他の材料/織地(fabric)の1つ以上の材料の任意の組み合わせを含んでよい。
【0046】
図示の例において、ヒール側方パネル110の少なくとも1つは、カラー114からソール構造200に向かって延びる弾力性領域120を含む。図示のように、弾力性領域120は、カラー114とソール構造200との間で、各々のヒール側方パネル110の中間部分で終端する。他の例において、弾力性領域120は、カラー114からソール構造200まで連続的かつ完全に延在することがある。弾力性領域120は、足首開口104の大きさを選択的に拡大するために、ヒールカウンタ112がスロート108から引き離されることを可能にする。
【0047】
アッパー100は、ヒールカウンタ112に取り付けられる剛性のヒールクリップ122(heel clip)を更に含む。ヒールクリップ122は、外側側16から内側側面18までヒールカウンタ112の周りに連続的に延在する溝124を含む。以下により詳細に記載するように、クリップ122の溝124は、張力システム300のヒールストラップ310(heel strap)を受け入れるように構成される。
図4の断面図に最も良く示されているように、ヒールクリップ122は、履物物品10が組み立てられるときにケーブルロック400の解放機構404の端を受け入れて固定するためのチャネル126も含んでよい。
【0048】
ソール構造200は、ソール構造200に緩衝特性(cushioning characteristics)を提供するように構成されたミッドソール202(中底)と、履物物品10の地面係合面26(ground-engaging surface)を提供するように構成されたアウトソール204(外底)とを含む。従来のソール構造とは異なり、ミッドソール202及びアウトソール204の各々は複合的に形成され、それによって、各々は複数のサブコンポーネントで形成される。例えば、
図4~
図7を参照すると、ミッドソール202は、(集合的に「ミッドソール構成要素206、208、210」と呼ぶ)、キャリア206(carrier)、キャリア206内に配置される下方コア208、及びキャリア206内に配置される上方コア210とを含む。同様に、アウトソール204は、前足部分212とは別個に形成される、前足部分212及びヒール部分214を含む。サブコンポーネント206、208、210、212、214は、例えば、接着式に結合する或いは溶融することを含む様々な結合方法を用いて、互いに組み立てられ且つ固定される。
【0049】
図示のように、キャリア206は、ソール構造200の外部部分を形成し、前足領域20からヒール領域24に延在する内部キャビティ220を画定するように協働する周壁216及びベース218を含む。下方コア208は、内部キャビティ220内に配置され、ベース218に面する下面222と、下面222とは反対の下方コア208の側に形成された上面224とを含む。
図7に示すように、上面224は、凹部226と、張力システム300及びケーブルロック400を受け入れるための複数のノッチ228a~228cとを含む。具体的には、凹部226は、ケーブルロック400が下方コア208の上面224内に少なくとも部分的に埋め込まれるように、ケーブルロック400のハウジング402の下方部分を受け入れるように構成される。ノッチ228a~228cは、キャリア206の上面224に沿って凹部226から外方に延び、張力システム300及びケーブルロック400の部分を受け入れるように構成される。
【0050】
上方コア210は、内部キャビティ220内に配置され、下方コア208の上面224に面する下面230と、下面230とは反対の上方コア210の側に形成される上面232とを含む。上方コア210の下面230は、外側側面16から内側側面18に延在し、クレードル304を受け入れるように構成される、チャネル234を含み、それによって、クレードル304の底面は、上方コア210の下面230と実質的に面一である。上方コア210の上面232は、周壁216と協働して、履物物品10のフットベッド28(footbed)を形成する。
【0051】
ミッドソール構成要素206、208、210の各々は、着用者の足に緩衝、応答性、及びエネルギ分配の特性を付与するために、フォーム又はゴムのような、可撓性ポリマ材料で形成される。幾つかの例において、キャリア206は、第1のフォーム材料で形成され、下方コア208は、第2のフォーム材料で形成され、上方コア210は、第3のフォーム材料で形成される。例えば、ミッドソール構成要素206、208、210のうちの1つ以上は、より大きな緩衝及び衝撃分布をもたらすフォーム材料で形成されてよい一方で、他のミッドソール構成要素206、208、210は、より大きな剛性(stiffness)を有するフォーム材料で形成されてよい。
【0052】
ミッドソール構成要素206、208、210のための例示的な可撓性ポリマ材料は、1つ以上のエラストマ(例えば、熱可塑性エラストマ(TPE))のような、1つ以上のポリマの発泡(forming)又は成形(molding)に基づくものを含んでよい。1つ以上のポリマは、脂肪族ポリマ、芳香族ポリマ、又は両方の混合物を含むことがあり、ホモポリマ、(ターポリマを含む)コポリマ、又は両方の混合物を含んでよい。
【0053】
幾つかの態様において、1つ以上のポリマは、オレフィンホモポリマ、オレフィンコポリマ、又はそれらの混合物を含んでよい。オレフィンポリマの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びそれらの組み合わせを含む。他の態様において、1つ以上のポリマは、エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマ、EVOHコポリマ、エチレンエチルアクリレートコポリマ、エチレン不飽和モノ脂肪酸コポリマ、及びそれらの組み合わせのような、1つ以上のエチレンコポリマを含んでよい。
【0054】
更なる態様において、1つ以上のポリマは、以下のものの誘導体、以下のもののコポリマ、及び以下のものの任意の組み合わせを含む、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸のエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酢酸、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、及びポリビニルアセテートのような、1つ以上のポリアクリレートを含んでよい。
【0055】
更に別の態様において、1つ以上のポリマは、1つ以上のイオノマポリマを含んでよい。これらの態様において、イオノマポリマは、カルボン酸官能基、スルホン酸官能基、それらの塩(例えば、ナトリウム、マグネシウム、カリウムなど)、及び/又はそれらの無水物を有する、ポリマを含んでよい。例えば、イオノマポリマは、1つ以上の脂肪酸修飾イオノマポリマ、ポリスチレンスルホネート、エチレン-メタクリル酸コポリマ、及びそれらの組み合わせを含んでよい。
【0056】
更なる態様において、1つ以上のポリマは、アクリロニトリルブタジエンスチレンブロックコポリマ、スチレンアクリロニトリルブロックコポリマ、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマ、スチレンエチレンブタジエンスチレンブロックコポリマ、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロックコポリマ、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマ、及びそれらの組み合わせのような、1つ以上のスチレンブロックコポリマを含んでよい。
【0057】
更なる態様において、1つ以上のポリマは、1つ以上のポリアミドコポリマー(例えば、ポリアミド-ポリエーテルコポリマ)、及び/又は1つ以上のポリウレタン(例えば、架橋ポリウレタン及び/又は熱可塑性ポリウレタン)を含んでよい。代替的に、1つ以上のポリマは、ブタジエン及びイソプレンのような、1つ以上の天然ゴム及び/又は合成ゴムを含んでよい。
【0058】
可撓性ポリマ材料が発泡ポリマ材料であるとき、発泡材料(formed material)は、温度及び/又は圧力の変化に基づいてガスに相転移する物理的な発泡剤又はその活性化温度を超えて加熱されるときにガスを形成する化学的な発泡剤を用いて発泡させられてよい。例えば、化学発泡剤は、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、及び/又はイソシアネートのような、アゾ化合物であってよい。
【0059】
幾つかの実施形態において、発泡ポリマ材料は、架橋発泡材料であってよい。これらの態様では、過酸化ジクミルのような、過酸化物ベースの架橋剤が使用されてよい。更に、発泡ポリマ材料は、顔料、変性又は天然粘土、変性又は未変性合成粘土、タルクガラス繊維、粉末ガラス、変性又は天然シリカ、炭酸カルシウム、雲母、紙、木材チップ、及び同等物のような、1つ以上の充填剤を含んでよい。
【0060】
弾性ポリマ材料は、成形プロセスを用いて形成されてよい。1つの例において、弾性ポリマ材料が成形エラストマであるとき、未硬化エラストマ(例えば、ゴム)は、任意的な充填剤及び硫黄ベース又は過酸化物ベースの硬化パッケージのような硬化パッケージとバンバリーミキサ(Banbury mixer)内で混合され、カレンダー化され(calendared)、所定の形状に形成され、型内に配置され、加硫されてよい。
【0061】
別の例では、弾性ポリマ材料が発泡材料であるとき、材料は、射出成形プロセスのような成形プロセス中に発泡されてよい。熱可塑性ポリマ材料は、射出成形システムのバレル内で溶融され、物理的又は化学的な発泡剤と組み合わせられ、任意的に架橋剤と組み合わせられ、次に、発泡剤を活性化させる条件の下で型内に射出されて、成形されたフォームを形成してよい。
【0062】
任意的に、弾性ポリマ材料が発泡材料であるとき、発泡材料は、圧縮成形フォームであってよい。圧縮成形は、フォームの物理的特性(例えば、密度、剛性及び/又はジュロメータ)を変更するために、或いはフォームの物理的外観を変更するために(例えば、2つ以上のピースのフォームを融合するために、フォームを成形するために、等々)、或いは両方のために使用されてよい。
【0063】
圧縮成形プロセスは、望ましくは、ポリマ材料を射出成形すること及び発泡することによって、発泡粒子又はビーズを形成することによって、発泡シートストックを切断することによって、及び同等のことによって、1つ以上の発泡体プリフォーム(foam preforms)を形成することによって開始する。次に、圧縮成形フォームは、発泡ポリマ材料で形成された1つ以上のプリフォームを圧縮型内に配置し、そして、1つ以上のプリフォームに十分な圧力を加えて閉鎖された型内の1つ以上のプリフォームを圧縮することによって、作られてよい。型がひとたび閉じられると、十分な熱及び/又は圧力が、圧縮成形フォームの外面上にスキンを形成し、個々のフォーム粒子を互いに融合させることによって、フォームの密度を恒久的に増加させることによって、或いはそれらの任意の組み合わせによって、プリフォームを変更させるのに十分な持続時間に亘って、閉鎖型内の1つ以上のプリフォームに印加される。加熱及び/又は圧力の印加に続いて、型が開放され、成形されたフォーム物品が型から取り出される。
【0064】
張力システム300は、ケーブル302と、アッパー100に沿ってソール構造200を通じてケーブル302を経路指定する(route)ように構成された複数の経路指定要素304、306、308、310(routing elements)とを含む。経路指定要素304、306、308、310は、履物物品10の中足領域におけるケーブル302の経路指定点及び取付点を提供するように構成されたクレードル304を含む。以下により詳細に記載するように、ケーブル302の一部分は、弾力性シース306内に収容されてよく、弾力性シース306は、アッパー100の外面に沿って延在し、履物物品10が締め付けられた状態に移動させられるときにケーブル302をアッパー100に対して維持するように作動可能である。経路指定要素308、310は、更に、アッパー100のスロート108上に延びる1つ以上の前足ストラップ308と、ヒールカウンタ112の周りに延在する1つ以上のヒールストラップ310とを含む。
【0065】
ケーブル302は、高潤滑性であってよく、且つ/或いは、弾性率が低く引張強度が高い1つ以上の繊維から形成されてよい。例えば、繊維は、高い強度対重量比と低い弾力性とを有する高弾性率ポリエチレン繊維を含んでよい。追加的に又は代替的に、ケーブル302は、成形モノフィラメントポリマ及び/又は他の潤滑コーティングを有する或いは有さない織鋼から形成されてよい。幾つかの例において、ケーブル302は、一緒に織られた複数の材料ストランドを含む。
【0066】
図1A~
図2Bを参照すると、ケーブル302は、張力要素312(tensioning element)と、経路指定要素304、306、308、310及びケーブルロック400と協働して履物物品10を締め付けられた状態と緩められた状態との間で移動させる制御要素314とを含む。張力要素312及び制御要素314を集合的に調整要素312、314と称することがある。調整要素312、314は、履物物品10を締め付けられた状態に移動させる締め付け方向D
Tに、並びに履物物品10が緩められた状態に移行することを可能にする緩み方向D
Lに、移動可能である。幾つかの例では、制御要素314に加えられる締付力F
Tは、張力要素312を締付方向D
Tに移動させるために、ケーブルロック400を通じて張力要素312の少なくとも一部分に伝達される。
【0067】
図1A~
図2Bに最も良く示されるように、張力要素312及び制御要素314は、外側ストランド316、320及び内側ストランド318、322を含むものとして記載される。具体的には、張力要素312は、外側ストランド316と、内側ストランド318とを含む。同様に、制御要素314も、外側ストランド320と、内側ストランド322とを含む。図示の例では、
図1A及び
図1Bに示すように、張力要素312の外側ストランド316は、ケーブルロック400を通じて制御要素314の外側ストランド320に接続される。同様に、張力要素312の内側ストランド318は、
図2A及び
図2Bに示すように、ケーブルロック400を通じて制御要素314の内側ストランド322に接続される。従って、張力要素312の外側ストランド316及び内側ストランド318の位置は、制御要素314の外側ストランド320及び内側ストランド322のそれぞれ1つを移動させることによって調整されることがある。
【0068】
図1A及び
図1Bを参照すると、張力要素312の外側ストランド316は、ケーブルロック400にある第1の端324から延び、アッパー100の外側側面16に沿って、クレードル304、ヒールストラップ310、及び前足ストラップ308を通じて、クレードル304に取り付けられた第2の端326に経路指定される。
図2A及び
図2Bを参照すると、張力要素312の内側ストランド318は、ケーブルロック400にある第1の端328から延び、アッパー100の内側側面18に沿って、クレードル304、ヒールストラップ310、及び前足ストラップ308を通じて、クレードル304に取り付けられた第2の端330に経路指定される。
【0069】
上述し且つ
図1A及び
図1Bに示すように、制御要素314の外側ストランド320は、ケーブルロック400を通じて張力要素312の外側ストランド316に接続され、ケーブルロック400にある第1の端332からアッパー100に沿って第2の端334まで延びる。同様に、
図2A及び
図2Bに示すように、制御要素314の内側ストランド322は、ケーブルロック400を通じて張力要素312の内側ストランド318に接続され、ケーブルロック400にある第1の端336からアッパー100に沿って第2の端338まで延びる。
図3を参照すると、外側ストランド320の第2の端330は、外側ストランド320及び内側ストランド322が、アッパー100のスロート108の上に延在する連続ストランドを形成するように、内側ストランド322の第2の端334に接続されてよい。他の例において、外側ストランド320及び内側ストランド322の第2の端334、338は、中間接続要素(図示せず)によって互いに間接的に接続されてよい。
【0070】
アッパー100の周りに延在する制御要素314の一部分は、シース306の1つ以上のシース内に封入されてよい。各シース306は、制御要素314が締め付け力F
Tによってアッパー100から離れる方向に移動させられるときに(すなわち、制御要素314が締付方向D
Tに移動させられるときに)シース306及び制御要素314が緩められた状態から伸張した状態又は拡張した状態に移動することを可能にする材料及び/又は織物(weave)から形成されてよい。締付力F
Tが除去されるときに、シース306の材料及び/又は織物は、
図1B及び
図2Bに示すように、シース306を緩められた状態に自動的に収縮させ、その中の制御要素314によるバンチング(集群)(bunching)に順応させる。
図3を参照すると、制御要素314は、シース306を通じて、足首開口104の前方側に隣接する、アッパー100のスロート108の上に経路指定される。従って、制御要素314は、着用者の足首の前のアッパー100に亘って延在する。
【0071】
図示の例では、別個の締付グリップ340が、スロート108に対して近位の取付場所でシース306に動作的に接続して、ユーザが締付力FTを加えて、制御要素314をアッパー100から引き離し、それによって、制御要素314及び張力要素312のそれぞれを締付方向DTに移動させることを可能にしてよい。他の構成は、制御要素314の長さに沿って、1つ以上の締付グリップ340をシース306の他の部分に動作的に接続することを含んでよい。幾つかの実装において、締付グリップ340は省略され、シース306はユーザによって直接的に掴まれる。
【0072】
ここで
図7~
図9を参照すると、張力システム300のクレードル304は、ケーブル302、シース306、及びケーブルロック400を受け入れ、経路指定し、且つ/或いは取り付けるための複数の構成を含む、一体構造を提供するように構成される。クレードル304は、アッパー100の材料よりも高い硬さを有する剛性又は半剛性材料から形成される。従って、ケーブル302のための経路指定点及び取付点を提供することに加えて、クレードル304は、以下により詳細に記載するように、履物物品10に沿って増大した剛性の領域を提供するように構成されてもよい。
【0073】
クレードル304は、前方端341aから後方端341bまで延び、ベース342と、ベース342の外側側面16から延びる外側側壁344と、ベース342の内側側面18から延びる内側側壁346とを含む。外側側壁344は、ベース342の外側側面16から外側遠位端348まで延び、内側側壁346は、ベース342の内側側面18から内側遠位端350まで延びる。各側壁344、346の高さH344、H346は、長手軸AFの方向に沿って後方端341bから前方端341aにテーパ状になっている。
【0074】
ベース342及び側壁344、346は協働して、実質的に連続的な内面352及び内面352とは反対のクレードル304の側に形成された外面354を形成する。クレードル304のベース342は、実質的に平面的であり、上方コア210の下面230内に形成されたチャネル234内に受け入れられるように構成され、それによって、
図4及び
図7に最も良く示されるように、クレードル304の外面354は、上方コア210の下面230と面一である。側壁344、346の各々は、ベース342からそれぞれの遠位端348、350への弓形の形状を有する。具体的には、各側壁344、346の内面352は、凹形である。従って、クレードル304の内面352は、アッパー100の中足領域22をその中に受け入れるように構成されたU字形チャネル356を画定し、それによって、ベース342は、アッパー100の下に延在し、側壁344、346は、それぞれの外側及び内側のクォータパネル106に沿って延在する。
【0075】
ベース342は、ケーブル302及びケーブルロック400を収容するように構成された第1の複数の経路指定及び受入構成を更に含む。例えば、ベース342は、外面354内に形成された凹部358を含む。凹部358は、ケーブルロック400のハウジング402の形状に対応するプロファイルを有し、履物物品10が組み立てられたときに、下方コア208の上面224に形成された凹部226に対向するように構成される。従って、下方コア208の凹部226は、ケーブルロック400のハウジング402の下方部分を受け入れ、クレードル304の凹部358は、ケーブルロック400のハウジング402の上方部分を受け入れる。よって、ハウジング402は、
図4に最も良く示されように、2つの凹部226、358内に完全に配置される。
【0076】
ベース342は、ベース342の後方端341bから延びるタブ360を含んでよい。
図7に最も良く示されるように、タブ360は、凹部358の後方縁からタブ360の後方縁まで延びる溝362を含んでよい。溝362は、ケーブルロック400の解放機構404のための経路指定通路(routing path)を提供するために、下方コア208の上面224に形成されたノッチ228cのうちの1つに対向する。具体的には、溝362は、ケーブルロック400に近接近するリリース機構404のための経路指定通路を提供し、それによって、解放機構404がケーブルロック400で圧縮されること又は締められることを防止する。
【0077】
引き続き
図8及び
図9を参照すると、クレードル304は、ケーブルロック400からアッパー100への制御要素314のための経路指定通路を提供するように構成された一対の制御要素チャネル364a、364bを含む。具体的には、制御要素チャネル364a、364bは、シース306の端をアッパー100からケーブルロック400にスライド可能に経路指定するように構成される。
【0078】
外側制御要素チャネル364aは、
図7に示すように、ベース342の外面354に形成された第1の端366aから延びる。第1の端366aは、凹部358の後方端に隣接して、凹部358の外側縁に形成され、下方コア208の上面224に形成されたノッチ228aのうちの1つに対向して、シース306のためのケーブルロック400への経路指定通路を提供する。次に、外側制御要素チャネル364aは、ベース342を通じて、外側側壁344の外側遠位端348に隣接する第2の端368aまで延びる。外側制御素子チャネル364aの第2の端368aは、外側側壁344の外面354に形成された導管370aによって画定されてよい。従って、外側制御要素チャネル364aは、ベース342上の外面354から、クレードル304を通じて内面352に移行し、次に、外側側壁344の外面354に沿って導管370aを通じて移行する。
【0079】
内側制御要素チャネル364bは、
図7に示されるように、ベース342の外面354に形成された第1の端366bから延びる。第1の端366bは、凹部358の後方端に隣接して、凹部358の内側縁に形成され、下方コア208の上面224に形成されたノッチ228aのうちの1つに対向して、シース306のための経路指定通路を提供する。次に、内側制御要素チャネル364bは、ベース342を通じて、内側側壁346の内側遠位端350に隣接する第2の端368bまで延在する。内側制御要素チャネル364bの第2の端368bは、内側側壁346の外面354に形成された導管370bによって画定されてよい。従って、内側制御要素チャネル364bは、ベース342上の外面354から、クレードル304を通じて内面352に移行し、次に、内側側壁346の外面354に沿って導管370bを通じて移行する。
【0080】
依然として
図8及び
図9を参照すると、クレードル304は、ケーブルロック400からアッパー100への張力要素312のための経路指定通路を提供するように構成された一対の張力要素チャネル372a、372bを含む。具体的には、張力要素チャネル372a、372bは、張力要素312の端部をアッパー100からケーブルロック400にスライド可能に経路指定するように構成される。
【0081】
外側張力要素チャネル372aは、ベース342の外面354に形成された第1の端374aから延びる。
図7に示すように、第1の端374aは、凹部358の前方端に隣接して凹部358の外側縁に形成され、下方コア208の上面224に形成されたノッチ228bのうちの1つに対向して、張力要素312のための経路指定通路を提供する。次に、外側張力要素チャネル372aは、ベース342を通じて、外側側壁344の後方端341bで第2の端376aまで延びる。外側張力要素チャネル372aの第2の端376aは、外側側壁344の外面354に形成された導管378aによって画定されてよい。従って、外側張力要素チャネル372aは、ベース342上の外面354から、クレードル304を通じて内面352に移行し、次に、導管378aを通じて外側側壁344の外面354に沿って移行する。
【0082】
内側張力要素チャネル372bは、ベース342の外面354に形成された第1の端374bから延びる。
図7に示すように、第1の端374bは、凹部358の前方端に隣接して凹部358の内側縁に形成され、下方コア208の上面224に形成されたノッチ228bのうちの1つに対向して、張力要素312のための経路指定通路を提供する。次に、内側張力要素チャネル372bは、ベース342を通じて、内側側壁346の後方端341bで第2の端376bまで延びる。内側張力要素チャネル372bの第2の端376bは、内側側壁346の外面354に形成された導管378bによって画定されてよい。従って、内側張力要素チャネル372bは、外面354から、クレードル304を通じて内面352に移行し、次に、導管378bを通じて外面354に沿って移行する。
【0083】
図8及び
図9に示すように、幾つかの例において、張力要素チャネル372a、372bは、それぞれの制御要素チャネル364a、364bと交差することがある。従って、張力要素チャネル372a、372b又は制御要素チャネル364a、364bは、スリーブ380(
図1A~
図2B)を備えてよく、スリーブ380は、ケーブル302をその中に収容して、チャネル364a、364b、372a、372bの交点で張力要素312と制御要素314との間の直接的な接触を防止するように構成される。図示の例において、スリーブ380は、
図1A~
図2Bに最も良く示すように、張力要素チャネル372a、372b内に配置され、張力要素312のそれぞれの部分をその中に受け入れる。スリーブ380は、滑らかなポリマ材料で形成されてよく、それによって、張力要素312は、スリーブ380内を容易に移動することができ、シース306は、スリーブ380の外面上を容易にスライドすることができる。他の例において、制御要素チャネル364a、364bは、張力要素チャネル372a、372bのスリーブ380に加えて或いは代替として、スリーブを備えてよい。クレードル304の他の例において、張力要素チャネル372a、372bは、クレードル304内の制御要素チャネル364a、364bとは完全に別個に形成されてよく、それによって、張力要素312及び制御要素314は、クレードル304の材料によって互いから分離される。
【0084】
外側側壁344及び内側側壁346の各々は、ケーブル302の張力要素312をアッパー100のクォータパネル106に沿って経路指定するように構成された複数のアイレット382(eyelets)を含む。
図8及び
図9に示すように、側壁344、346の各々は、側壁344、346のそれぞれの遠位端348、350に沿って配置された一連のアイレット382を含む。具体的には、アイレット382は、互いから均等に離間され、側壁344、346の前方端341aと制御要素チャネル364a、364bとの間に配置される。クレードル304は、遠位端348、350及びベース342に沿って一連のアイレット382の間で側壁344、346の中間部分に配置された1つ以上のアイレット382も含んでよい。図示の例において、中間アイレット382aのうちの少なくとも1つは細長く、それぞれの側壁344、346を通じるスロットを形成する。
【0085】
図6及び
図7の断面図に示すように、図示する例のアイレット382、382aは、実質的に水平方向に沿って(すなわち、地面に対して平行に)クレードル304を通じて延びる。しかしながら、他の例において、クレードルのアイレット382、382aは、ケーブル302を所望の方向に方向付けるために斜めの角度で形成されてよい。更に、アイレット382、382aの各々は、クレードル304の外面354上に形成され、アイレット382、382aを取り囲む、フランジ384、384aを含む。図示する例のフランジ384、384aは、外面354から実質的に均一な高さを有するが、他の例において、フランジ384、384aは、クレードル304及び/又はアッパー100に沿って所望の方向にケーブル302を案内するために、テーパ付き又は可変の高さを有してよい。
【0086】
上述のように、張力システム300は、アッパーに沿ってケーブル302によって加えられる力を分配するように構成された複数のストラップ308、310を更に含んでよい。図示の例において、張力システム300は、アッパー100のスロート108に亘って延在する1つ以上の前足ストラップ308を含む。各前足ストラップ308は、アッパー100の外側側面16でクォータパネル106に隣接して配置された第1の端386aと、アッパー100の内側側面18でクォータパネル106に隣接して配置された第2の端386bと、スロート108上に延在する中間部分388とを含む。前足ストラップ308の各端386a、386bは、それらを通じてケーブル302を受け取るための経路指定構成を含んでよい。図示の例において、端386a、386bは、ケーブル302を経路指定することができるループ390a、390bとして形成される。しかしながら、他の例において、前足ストラップ308の端386a、386bは、ポリマケーブルガイド又は同等物のような、周辺経路指定構成(peripheral routing features)を含んでよい。以下により詳細に議論するように、クレードル304のアイレット382、382aに沿ったケーブル302の張力要素312の経路指定を変更することによって、追加的な前足ストラップ308が張力システム300に容易に追加されてよい。
【0087】
依然として
図1A~
図2Bを参照すると、張力システム300は、アッパー100のヒールカウンタ112の周りに延在するヒールストラップ310を更に含む。ヒールストラップ310は、アッパー100の外側側面16でヒールカウンタ112に隣接して配置された第1の端392aと、アッパー100の内側側面18でヒールカウンタ112に隣接して配置された第2の端392bと、後方端14でヒールカウンタ112上に延在する中間部分394とを含む。図示のように、中間部分394は、ヒールクリップ122の溝124内に受け入れられる。前足ストラップ310の各端392a、392bは、それを通じてケーブル302を受け入れるための経路指定構成を含んでよい。図示の例において、端392a、392bは、ケーブル302を経路指定することができるループ396a、396bとして形成される。しかしながら、他の例において、前足ストラップ308の端392a、392bは、ポリマケーブルガイド又は同等物のような、周辺経路指定構成を含んでよい。
【0088】
任意的に、張力システム300は、アッパー100及び/又はクレードル304に取り付けられる追加的な経路指定構成を含んでよい。例えば、幾つかの場合において、アッパー100及び/又はクレードル304は、ケーブル302を経路指定するための複数のケーブルガイドを含んでよい。幾つかの例において、ケーブルガイドは、そこを通じてケーブル302をスライド可能に受け入れるための通路を画定する織地又はメッシュループによって形成される。幾つかの例において、ケーブルガイドは、剛性ポリマ材料から形成され、その中のケーブル302の移動を容易にする潤滑性ポリマ(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)のような低摩擦材料で裏打ちされた或いは被覆された弓形の内面を有する。そのようなケーブルガイドの例は、特許文献1に記載され且つ図示されており、その開示の全文が参照により本明細書に援用される。
【0089】
図1A及び
図1Bを参照すると、張力要素312の外側ストランド316は、ケーブルロック400にある第1の端324から、外側張力要素チャネル372aの第1の端374aに経路指定される。次に、外側ストランド316は、外側張力要素チャネル372aを通過し、導管378aを通じてクレードル304の外側側壁344の後方端341bまで延びるポリマスリーブ380のうちの1つに入る。図示のように、導管378aは、地面に対して斜めの角度で、外側側壁344のテーパ状の遠位端348に対して平行に、方向付けられてよい。外側張力要素チャネル372aから、外側ストランド316は、ヒールストラップ310の第1の端392aでループ396aを通じて経路指定され、次に、クレードル304に戻される。クレードル304で、外側ストランド316の第2の端330は、外側側壁344の後方端341bに隣接してアイレット382のうちの第1のものを通じて経路指定され、外側側壁344の前方端341aに隣接してアイレット382のうちの第2のものに取り付けられる。2つのアイレット382の間に延びる、ある長さの外側ストランド316が、前足ストラップ308の外側端386aで形成されたループ390aを通じて送られる。
図2A及び
図2Bを参照すると、張力要素312の内側ストランド318は、履物物品の内側側面18で形成された対応する構成に対して、外側ストランド316と同じ方法で経路指定される。
【0090】
図示された例において、外側ストランド316及び内側ストランド318の第2の端326、330は、クレードル304に独立して取り付けられている。従って、張力システム300が締められた状態に移動させられると、外側ストランド316は、第1の張力を有することがある一方で、内側ストランド318は、異なる第2の張力を有することがある。他の例において、外側ストランド316及び内側ストランド318の第2の端326、330は、履物物品10の中間部分において、例えば、スロート108に沿って又はソール構造200内で、互いに取り付けられてよい。ここで、ストランド316、318の一方に加えられる力は、張力要素312全体に沿って実質的に均一な張力を維持するために、ストランド316、318の他方に伝達されてよい。
【0091】
張力要素312は、単一の前足ストラップ308を通じて経路指定されるように示されているが、クレードル304内に複数のアイレット382を設けることは、履物物品10に対する前足ストラップ308の異なる構成を可能にする。例えば、単一の長さのケーブル302のみが側壁344、346の遠位端348、350に沿って提供されるように、張力要素312を最後方アイレット382から最前方アイレット382へ直接的に経路指定する代わりに、張力要素312は、クレードルの側壁344、346に沿って延在する複数の分離された長さのケーブル302を提供するために、アイレット382のうちの中間のものを通じて経路指定されてよい。この例において、履物物品10は、
図1A~
図2Bに示す前足ストラップ308に類似する複数の個々の前足ストラップ308を備えてよい。ここで、各々のストラップ308の外側端386aは、それぞれ、張力要素312の外側ストランド316の長さの1つを受ける一方で、各々のストラップ308の対応する内側端386bは、それぞれ、張力要素の内側ストランド316の長さの1つを受ける。別の例において、外側ストランド316は、内側ストランド316が内側側壁346のアイレット382に沿って経路指定されるのとは異なって、外側側壁344のアイレット382に沿って経路指定されてよい。例えば、ストランド316、318の一方は、
図1A~
図2Bに示すように経路指定されて、単一の長さのケーブル302を提供してよい一方で、ストランド316、318の他方は、複数のアイレット382を通じて経路指定されて、複数の長さのケーブル302を提供してよい。ここで、前足ストラップは、V字型の前足ストラップであってよく、それによって、一対のストラップは、アッパー100の一方の側のそれぞれの別個の端からアッパー100の他方の側の単一の端まで延びる。
【0092】
引き続き
図1A及び
図1Bを参照すると、制御要素314の外側ストランド320及びシース306は、外側側壁344内の外側制御要素チャネル364aを通じて上方に経路指定され、張力要素312の外側ストランド316を収容するスリーブ380の内側を通じる。外側制御要素チャネル364aから、シース306及び制御要素314の外側ストランド320は、足首開口104に隣接して、スロート108の上に経路指定される。
図2A及び
図2Bを参照すると、シース306及び制御要素の内側ストランド320は、内側制御要素364bからアッパー100のスロート108に類似の方法で経路指定され、それによって、外側ストランド316及び内側ストランド318の第2の端334、338は、互いに直接的又は間接的に取り付けられ、アッパー100のスロート108の上に延在する連続的な制御要素314を形成する。
【0093】
上記で議論したように、ロック装置又はケーブルロック400は、下方コア208及びクレードル304の凹部226、358内に配置されてよく、調整要素312、314の移動をそれらのそれぞれの緩み方向DLにおいて制約するようロック状態に付勢されてよい。張力要素312及び制御要素314は、それぞれ、逆方向からケーブルロック400のハウジング402に接近して通過する。幾つかの構成において、ケーブルロック400は、ロック状態にある間に締め付け方向DTにおける調整要素312、314の移動を許容する。解放機構404は、ケーブルロック400をロック状態からロック解除状態に移行させ、それによって、調整要素312、314が両方向DT、DFに移動することを許容する。
【0094】
再び
図1を参照すると、解放機構404は、調整要素312、314が両方向D
T、D
Fに移動するのを許容するために、ケーブルロック400をロック状態からロック解除状態に移行させるように作動可能である。例えば、解放機構404は、解放コード404が引っ張られたときにケーブルロック400をロック状態からロック解除状態に移行させるように作動可能な解放コード又はケーブル404を含んでよい。解放コード404は、ケーブルロック400に取り付けられた第1の端406から、アッパー100の後方端14でクリップ122のチャネル126内に固定された遠位端408まで延び、それによって、ユーザがケーブルロック400をロック状態からロック解除状態に移動させるために解放コード404を把持して引っ張ることを許容してよい。
【0095】
幾つかの例において、解放コード404は、ケーブルロック400をロック解除状態に移動させること及び/又はケーブルロック400をロック解除状態から解放することが望ましいときに、ユーザが解放コード404を把持して引っ張ることを可能にするように、ケーブルロック400から離れて配置される、ループ又はシースのような把持機構410を含む。
図1は、アッパー100の後方端14でクリップ122に隣接して形成された解放コード404の把持構成410を示している。
【0096】
幾つかの実装において、ケーブルロック400は、ハウジング402と、ハウジング402内にスライド可能に配置され、ハウジング402に解放可能に締結される蓋414によって囲まれる、ロック部材(locking member)又はロック部材412(lock member)とを含む。
図11は、ハウジング402から取り外された蓋414及びロック部材412を示す、
図10のケーブルロック400の分解図である。ハウジング402は、第1の端416と第2の端418との間に延在する長さを画定する。ハウジング402は、ベース部分420を含み、ベース部分420は、ケーブル受入面422と、ケーブル受入面422とは反対のベース部分の側に配置され、アッパー100の外面に対向する、取付面424とを有する。蓋414は、ベース部分420のケーブル受入面422に対向して、ロック部材412と張力システム300の一部分とを受け入れるように構成されたロック部材キャビティ426をそれらの間に画定する。幾つかの構成において、ロック部材キャビティ426は、第1の係合面428及び第2の係合面430によって境界付けられ(
図12及び
図13)、第1の係合面428及び第2の係合面430は、ロック部材キャビティ426がハウジング402の第2の端418に向かって先細る楔形の構成と関連付けられるように、互いに向かって収束する。従って、第1の係合面428及び第2の係合面430は、互いに向かって集束し、蓋414とベース部分420のケーブル受入面422との間に延びてロック部材キャビティ426を画定する、ハウジング402の対応する側壁を含む。
【0097】
上記で議論したように、張力システム300のケーブル302は、張力要素312及び制御要素314を含んでよく、それらはロック要素315によって互いに接続され、ロック要素315は、ロック部材キャビティ426を通じて延び、第1の係合面428に沿って延在する第1の部分と、第2の係合面430に沿って延在する第2の部分とを含む。張力要素312は、第1の端416に近接するハウジング402の対向する側壁を通じて形成された対応するスロット432(
図12及び13)から出る。制御要素314は、第2の端418に近接するハウジング402の対向する側壁を通じて形成された対応するスロット432(
図12及び13)から出る。
【0098】
幾つかの実装において、ロック部材412は、ハウジング402の第1の係合面428に対向する第1のロック面434と、ロック部材412がハウジング402のロック部材キャビティ426内に配置されたときにハウジング402の第2の係合面430に対向する第2のロック面436とを含む。幾つかの例において、第1のロック面434及び第2のロック面436は、互いに向かって収束する。追加的に又は代替的に、第1のロック面434は、第1の係合面428に対して実質的に平行であってよく、第2のロック面436は、第2の係合面430に対して実質的に平行であってよい。図示の例において、係止面434、436は、突起又は歯を含み、各突起又は歯は、締付方向DTにおける(すなわち、締付力FTが制御要素314に加えられるときに)張力システム300による移動を許容する一方で、ロック部材412がロック状態にあるときに緩み方向DLにおいてロック要素315を把持することによって張力システム300による移動を制限するよう、角度付けられた表面を有する。付勢部材438(例えば、バネ)が、ロック部材412をハウジング402に取り付けるために、ハウジング402の第2の端418に取り付けられた第1の端440と、ロック部材412の第1の端444に取り付けられた第2の端442とを含んでよい。
【0099】
幾つかの実装において、ロック部材412は、ハウジング402内にスライド可能に配置され、ケーブルロック400のロック状態と関連付けられるロック位置(
図12)と、ケーブルロック400のロック解除状態と関連付けられるロック解除位置(
図13)との間で移動可能である。幾つかの例において、解放機構404(例えば、解放コード404)は、ロック部材412をロック位置(
図12)からロック解除位置(
図13)へ移動させる。ロック部材412は、第1の端444とは反対のロック部材412の端から延びるタブ部分446を含んでよい。1つの構成において、解放コード404の第1の端406は、ロック部材412のタブ部分446に取り付けられる。タブ部分446は、第1のロック面434及び第2のロック面436の対応するものに形成され、ハウジング402と関連付けられる1つ以上の保持構成450を選択的に受け入れてケーブルロック400をロック解除状態に維持する、一対の保持構成又は凹部448を含んでよい。ハウジング402と関連付けられる保持構成450は、ハウジング402の両側に配置された第1の保持構成450及び第2の保持構成450を含んでよく、それによって、保持構成450は、対応する付勢部材452によってキャビティ426及び互いに向かって内方に付勢される。保持構成450は、保持構成450が収縮状態(
図12)と拡張状態(
図13)との間で移動可能なリビングヒンジ(living hinges)として作用するようにハウジング402と一体的に形成される突起であってよい。
【0100】
図12は、
図10のケーブルロック400の頂面図を提示しており、ロック位置にある間にハウジング402のキャビティ426内に配置されるロック部材412を示すために、蓋414が除去されている。幾つかの例において、ロック部材412は、ロック位置に付勢される。例えば、
図12は、ロック部材412の第1の端444をハウジング402の第2の端418に向かって付勢し、それによって、ロック部材412をロック位置に付勢するために、ロック部材412に対して(方向D
Bに示す)付勢力FBを及ぼす、付勢部材438を示している。ロック位置にある間に、ロック部材412は、張力システム300のロック要素315をロック面434、436と係合面428、430との間でピンチすることによって、ハウジング402に対する張力システム300の移動を制限する。従って、ロック部材412のロック位置は、張力システム300が緩み方向D
Lに移動するのを制限する。図示の例において、ロック部材412は、締付力F
Tが締付グリップ340に加えられるときに、張力システム300の移動を許容する。何故ならば、この方向は、ロック部材412の概ね楔形の形状の故に、張力システム300に、ロック部材412に対して力を加えさせ、それによって、ロック部材412をロック解除状態に移動させるからである。付勢部材438によってロック部材412に加えられる力の故に、締付グリップ340に加えられる力がひとたび解放されると、ロック部材412は自動的にロック状態に戻る。
【0101】
図13は、
図10のケーブルロック400の頂面図を提示しており、ロック解除位置にある間にハウジング402のキャビティ426内に配置されるロック部材412を示すために、蓋414が除去されている。幾つかの例において、ロック部材412のタブ部分446に取り付けられる解放コード404は、ロック部材412に対して解放力F
Rを加えて、ロック部材412をハウジング402に対して第1の係合面428及び第2の係合面430から離れるように移動させる。ここで、解放力F
Rは、ロック面434、436と係合面428、430との間の張力システム300のロック要素315に対するピンチが解放されるように、ロック部材412がハウジング402に対して移動することを許容するために、付勢部材438の付勢力F
Bを克服するのに十分である。幾つかの例において、付勢F
Bは、解放コード404によって加えられる解放力F
Rが解放されるときに、ロック部材412をロック位置に戻す。解放コード404は、
図13の図に対してアッパー100から離れるように解放コード404を引き離すために、十分な又は所定の大きさの解放力F
Rが加えられるときに、解放力F
Rを加えることがある。
【0102】
ロック解除位置にある間に、ロック部材412は、張力システム300のロック要素315がロック面434、436と係合面428、430との間を自由に移動することを可能にすることによって、ハウジング402に対する張力システム300の移動を許容する。ロック部材412のロック解除位置は、力FT、FLが制御要素314及び張力要素312のそれぞれのものに加えられるときに、締付方向DT及び緩み方向DLの両方における張力システム300の移動を許容する。
【0103】
幾つかの例では、ロック部材412がハウジング402に対して係合面428、430から離れるようハウジング402の第1の端416に向かって移動するように、解放コード404に加えられる十分な大きさ及び/又は持続時間の解放力F
Rが、解放コード404に、付勢力F
B(
図12)の方向とは反対の方向にロック部材412に対して解放力F
R(
図13)を加えさせる。ハウジング402の保持構成450のうちの少なくとも1つは、解放力F
Rがロック部材412をハウジング402の第1の係合面428及び第2の係合面430から所定の距離だけ離れるよう移動させるときに、ロック部材412の保持構成448に係合することがある。ここで、ロック部材412の保持構成448とハウジング402の少なくとも1つの保持構成450との間の係合は、解放力F
Rがひとたび解放されて解放力F
Rの印加を停止させると、ロック部材412を解放解除位置に維持する。付勢部材438の付勢力FB及び一対の付勢部材452によって保持構成450に対して加えられる力は、ロック部材412が所定の距離を移動して、解放力398がもはや加えられなくなった後に、ロック部材412の保持構成388eをハウジング402の保持構成450にロック(係止)する。
【0104】
幾つかのシナリオでは、保持構成448、450が係合しないように、ロック部材412を所定の距離より短い距離だけ係合面428、430から離れる方向に移動させるために、第1の大きさと関連付けられる解放力FRが解放コード404に加えられてよい。これらのシナリオにおいて、第1の大きさと関連付けられる解放力FRは、足の周りの内部空隙102のフィットを調整するために、張力システム300を緩み方向DLに又は(例えば、締付力FTを締付グリップ340に印加することによって)締付方向DTに移動させることが望ましいときに、維持されることができる。足の周りの内部空隙102の所望の嵌合がひとたび達成されると、解放力FRを解放させて係止部材412を係止位置に戻すことができるので、張力システム300の移動が緩み方向DLにおいて制限され、所望のフィットを維持することができる。ロック部材412がロック位置にあるときでさえも、張力システム300を締付方向DTに移動させることができる。よって、ひとたび解放力FRが解放されて、所望のフィットが達成されると、ロック部材412は、ハウジング402に対する張力システム300の位置をロックすることによって、所望のフィットを自動的に保持する。
【0105】
他のシナリオでは、第1の大きさよりも大きい第2の大きさと関連付けられる解放力FRを解放コード404に加えて、ロック部材412を係合面428、430から離れる方向に所定の距離だけ移動させて、対応する保持構成448、450を係合させることができる。保持構成448、450の係合は、解放コード404が所定の距離だけ引っ張られるときに、ロック部材412が付勢部材452によって付与される付勢力FBに抗して保持構成450をより容易に移動することを可能にするために、ロック部材412に対向するテーパ付き縁を保持構成450に設けることによって、容易にされる。これらのシナリオでは、対応する保持機構448、450間の係合は、解放力FRが解放されるときに、ロック部材412をロック解除位置に維持する。
【0106】
ロック部材412は、締付力FTが制御要素314に加えられるときに、ロック位置に戻される。すなわち、力が外側ストランド及び内側ストランド320、322に力が加えられるときに、これらのストランド320、322は、張力状態に置かれ、それらは、次に、ストランド320、322が保持構成450の一部分を通過するときに、保持構成450を介して付勢部材452に力を加える。そうする際に、保持構成450は、付勢部材452を圧縮し、よって、保持構成450を互いから離れる方向に移動させ、ロック部材412の保持構成448を分離させ、それによって、付勢部材438がロック部材412をロック位置に戻すことを可能にする。
【0107】
使用中、履物物品10は、張力システム300を用いて緩められた状態(
図1A及び
図2A)と締め付けられた状態(
図1B及び
図2B)との間で選択的に移動させられることができる。履物10が最初に緩められた状態で提供されると、張力要素312がアッパー100の周りで緩められた状態にあるように、張力要素312のストランド316、318の有効長(すなわち、第1の端324、328から第2の端326、330までの長さ)が最大化される一方で、制御要素314のストランド320、322の有効長(すなわち、第1の端332、336から第2の端334、338までの長さ)が最小化される。従って、使用者の足を履物10の内部空隙102に挿入することができ、それによって、アッパー100の材料は、アッパー100がその中の足を順応するよう伸張することを可能にする。
【0108】
ユーザの足部がアッパー100の内部空隙102内に挿入されると、張力システム300は、履物10を足に固定するために、ユーザによって締付状態に移動させられることができる。上記で議論したように、張力システム300は、締付力FTを制御要素314の締付グリップ340に加えることによって締付状態に移動させられ、それによって、制御要素314を締付方向DTに移動させる。制御要素314が締付方向DTに移動すると、ケーブル302は、ケーブルロックのハウジング402を通じて引っ張られ、それによって、張力要素312のストランド316、318の実効長を減少させる。従って、張力要素312の有効長は、アッパー100を足の周囲で締付状態に移動させるよう、アッパー100の周りで最小化される。
【0109】
上記で議論したように、張力要素312が締付方向D
Tに移動させられると、外側及び内側ストランド316、318は、締付力F
Tを前足ストラップ308の端386a、386bに分散させて、前足ストラップ308をスロート108の上でしっかりと引く。同時に、張力要素312の外側ストランド316及び内側ストランド318は、締付力FTをヒールストラップ310の端392a、392bに分散させて、ユーザの足首の後部の周囲でヒールカウンタ112を収縮させる。同時に、張力システム300が締付状態に移動させられるときに、制御要素314の有効長は増大させられることがある。しかしながら、
図1B及び
図2Bに示すように、制御要素314は、シース306が収縮させられるときに制御要素314がシース306内で「束になる(bunch)」ことを可能にすることによって制御要素314の増加した有効長に順応する、シース306の弾力性によってアッパー100に対して張った位置に維持される。
【0110】
ユーザが履物物品10を足から取り外すことを望むとき、張力システム300は、アッパー100が足の周囲で緩められることを可能にするように移動させられてよい。最初に、ケーブルロック400は、上記で議論したように、付勢部材438の付勢力FBを克服するのに十分な解放力FRを加えることによって、ロック解除状態に移動させられなければならない。ケーブルロック400がロック解除状態にひとたび移動させられると、ケーブル302は、ユーザの足から履物物品10を引くことによって、ケーブルロックのハウジング402を通じて緩み方向DLに引っ張られることができ、それは、本質的には、アッパーを膨張させ、張力要素312のストランド316、318の有効長を増大させる。
【0111】
以下の条項は、上述の履物物品及びクレードルのための例示的な構成を提供する。
【0112】
条項1:アッパーと、アッパーに取り付けられるソール構造と、アッパーとソール構造との間に延在するベースと、アッパーの第1の側面に沿ってベースから延びる第1の側壁と、アッパーの第2の側面に沿ってベースから延びる第2の側壁とを有し、第1の側壁及び第2の側壁の各々は、複数のアイレットを含む、クレードルと、アッパーを緩められた状態と締め付けられた状態との間で移動させるように作動可能であり、第1の側壁のアイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第1のストランドと、第2の側壁のアイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第2のストランドとを含む、ケーブルと、を含む、履物物品。
【0113】
条項2:第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、第1のケーブルチャネルを含み、ケーブルの第1の部分が、第1のケーブルチャネルを通じて経路指定される、条項1に記載の履物物品。
【0114】
条項3:第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、第2のケーブルチャネルを含み、ケーブルの第2の部分が、第2のケーブルチャネルを通じて経路指定される、条項2に記載の履物物品。
【0115】
条項4:第1のケーブルチャネルは、第2のケーブルチャネルと交差する、条項3に記載の履物物品。
【0116】
条項5:第2のケーブルチャネルは、その中に配置されるスリーブを含み、スリーブは、ケーブルの第2の部分を受け入れるように構成される、条項3又は4に記載の履物物品。
【0117】
条項6:第1のケーブルチャネルは、その中に配置されるシースの部分を含み、シースは、ケーブルの第1の部分を受け入れるように構成される、条項3~5のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0118】
条項7:クレードルは、剛性材料又は半剛性材料のいずれかで或いは剛性材料及び半剛性材料の組み合わせで形成される、条項1~6のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0119】
条項8:緩み方向におけるケーブルの移動を選択的に許容するように作動可能なケーブルロックを含む、条項1~7のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0120】
条項9:ケーブルロックは、クレードルのベースとソール構造の部分との間に配置される、条項8に記載の履物物品。
【0121】
条項10:ケーブルロックは、クレードルのベース内に部分的に受け入れられる、条項8又は9に記載の履物物品。
【0122】
条項11:クレードルのベースは、ケーブルロックの少なくとも部分を受け入れる凹部又は貫通穴のいずれか1つを含む、条項8~10のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0123】
条項12:クレードルのベースは、ソール構造内に配置される、条項1~11のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0124】
条項13:クレードルは、履物物品の中足領域に配置される、条項1~12のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0125】
条項14:アッパーの第1の側面は、外側側面であり、アッパーの第2の側面は、内側側面である、条項1~13のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0126】
条項15:第1の端から第2の端までアッパーの上に延在する前足ストラップを更に含み、第1のストランドは、前足ストラップの第1の端に取り付けられ、第2のストランドは、前足ストラップの第2の端に取り付けられる、条項1~14のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0127】
条項16:第1の端から第2の端までアッパーのヒールカウンタの周囲に延在するヒールストラップを更に含み、第1のストランドは、ヒールストラップの第1の端に取り付けられ、第2のストランドは、ヒールストラップの第2の端に取り付けられる、条項15に記載の履物物品。
【0128】
条項17:第1のストランドの端が、第1の側壁に取り付けられ、第2のストランドの端が、第2の側壁に取り付けられる、条項1~16のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0129】
条項18:第1の側壁及び第2の側壁は、弓形である、条項1~17のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0130】
条項19:ベース、第1の側壁、及び第2の側壁は、協働して、チャネルを画定し、アッパーは、チャネル内に配置される、条項1~18のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0131】
条項20:第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、第1のストランド及び第2のストランドのうちの1つを受け入れるように作動可能な細長いチャネルを含む、条項1~19のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【0132】
条項21:履物物品のためのクレードルであって、ベースと、ベースの第1の側面から第1の遠位端まで延在し、第1の複数のアイレットを含む、第1の側壁と、ベースの第2の側面から第2の遠位端まで延在し、第2の複数のアイレットを含む、第2の側壁と、を含む、クレードル。
【0133】
条項22:ベース、内側側壁、及び外側側壁は、協働して、クレードルの長さに沿って延び、履物物品のアッパーをその中に受け入れるように構成される、第1のチャネルを画定する、条項21に記載のクレードル。
【0134】
条項23:第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、弓形である、条項21又は22に記載のクレードル。
【0135】
条項24:ベースは、実質的に平面的であり、第1の側壁及び第2の側壁の各々は、弓形である、条項21~23のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0136】
条項25:第1の遠位端及び第2の遠位端のうちの少なくとも1つは、クレードルの第1の端からクレードルの第2の端への方向に沿ってベースと収束する、条項21~24のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0137】
条項26:第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つの側壁の高さが、クレードルの第1の端からクレードルの第2の端への方向沿ってテーパ状である、条項21~25のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0138】
条項27:第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、ケーブルの第1の部分を受け入れるように構成される第1のケーブルチャネルを含む、条項21~26のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0139】
条項28:第1の側壁及び第2の側壁のうちの少なくとも1つは、ケーブルの第2の部分を受け入れるように構成される第2のケーブルチャネルを含む、条項27に記載のクレードル。
【0140】
条項29:第1のケーブルチャネルは、第2のケーブルチャネルと交差する、条項28に記載のクレードル。
【0141】
条項30:第2のケーブルチャネルは、その中にスリーブを受け入れるように構成され、スリーブは、ケーブルの第2の部分を受け入れるように構成される、条項28又は29に記載のクレードル。
【0142】
条項31:第1のケーブルチャネルは、その中にシースを受け入れるように構成され、シースは、ケーブルの第1の部分を受け入れるように構成される、条項27~30のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0143】
条項32:ベースは、ケーブルロックの少なくとも部分を受け入れる凹部又は貫通穴のいずれか1つを含む、条項28~31のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0144】
条項33:凹部は、ベースの外面に形成される、条項32に記載のクレードル。
【0145】
条項34:第1のケーブルチャネルは、凹部から第1の側壁の第1の遠位端まで延びる、条項32又は33に記載のクレードル。
【0146】
条項35:第2のケーブルチャネルは、凹部から第1の側壁の後方端まで延びる、条項34に記載のクレードル。
【0147】
条項36:複数のアイレットのうちの少なくとも1つは、細長い、条項21~35のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0148】
条項37:アイレットのうちの少なくとも1つは、円筒形である、条項21~36のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0149】
条項38:アイレットのうちの少なくとも1つは、アイレットの周囲を囲むフランジを含む、条項21~37のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0150】
条項39:フランジは、クレードルの外面に形成される、条項38に記載のクレードル。
【0151】
条項40:フランジは、均一な高さを有する、条項38又は39に記載のクレードル。
【0152】
条項41:フランジは、可変の高さを有する、条項38又は39に記載のクレードル。
【0153】
条項42:ベースは、ベースの後方端から延びるタブを含む、条項21~41のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0154】
条項43:タブは、ベースの凹部からタブの後方端まで延びる溝を含む、条項42に記載のクレードル。
【0155】
条項44:クレードルは、剛性材料又は半剛性材料で或いは剛性材料及び半剛性材料の組み合わせで形成される、条項21~43のうちのいずれか1項に記載のクレードル。
【0156】
条項45:先行条項のいずれかに記載のクレードルを含む、履物物品。
【0157】
前述の記述は、例示及び記述の目的で提供されている。それは網羅的であること又は本開示を限定することを意図しない。特定の構成の個々の要素又は構成は、一般に、その特定の構成に限定されないが、適用可能な場合には、具体的に図示又は記載されていないとしても、互換性があり、選択された構成で使用されることができる。特定の構成は、多くの方法で変更されてもよい。そのような変更は、本開示からの逸脱とみなされず、全てのそのような変更は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0158】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/02282444号明細書
【手続補正書】
【提出日】2021-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーと、
前記アッパーに取り付けられるソール構造と、
前記アッパーと前記ソール構造との間に延在するベースと、前記アッパーの第1の側面に沿って前記ベースから延びる第1の側壁と、前記アッパーの第2の側面に沿って前記ベースから延びる第2の側壁とを有し、前記第1の側壁及び前記第2の側壁の各々は、複数のアイレットを含む、クレードルと、
前記アッパーを緩められた状態と締め付けられた状態との間で移動させるように作動可能であり、前記第1の側壁の前記アイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第1のストランドと、前記第2の側壁の前記アイレットのうちの少なくとも1つを通じて延びる第2のストランドとを含む、ケーブルと、を含む、
履物物品。
【請求項2】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、第1のケーブルチャネルを含み、前記ケーブルの第1の部分が、前記第1のケーブルチャネルを通じて経路指定される、請求項1に記載の履物物品。
【請求項3】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの前記少なくとも1つは、第2のケーブルチャネルを含み、前記ケーブルの第2の部分が、前記第2のケーブルチャネルを通じて経路指定される、請求項2に記載の履物物品。
【請求項4】
前記第1のケーブルチャネルは、前記第2のケーブルチャネルと交差する、請求項3に記載の履物物品。
【請求項5】
前記第2のケーブルチャネルは、その中に配置されるスリーブを含み、該スリーブは、前記ケーブルの前記第2の部分を受け入れるように構成される、請求項3又は4に記載の履物物品。
【請求項6】
前記第1のケーブルチャネルは、その中に配置されるシースの部分を含み、前記シースは、前記ケーブルの前記第1の部分を受け入れるように構成される、請求項3~5のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項7】
前記クレードルは、剛性材料又は半剛性材料のいずれかで或いは剛性材料及び半剛性材料の組み合わせで形成される、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項8】
当該履物物品は、緩み方向における前記ケーブルの移動を選択的に許容するように作動可能なケーブルロックを含む、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項9】
前記ケーブルロックは、前記クレードルの前記ベースと前記ソール構造の部分との間に配置される、請求項8に記載の履物物品。
【請求項10】
前記ケーブルロックは、前記クレードルの前記ベース内に部分的に受け入れられる、請求項8又は9に記載の履物物品。
【請求項11】
前記クレードルの前記ベースは、前記ケーブルロックの少なくとも部分を受け入れる凹部又は貫通穴のいずれか1つを含む、請求項8~10のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項12】
前記クレードルの前記ベースは、前記ソール構造内に配置される、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項13】
前記クレードルは、当該履物物品の中足領域に配置される、請求項1~12のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項14】
前記アッパーの前記第1の側面は、外側側面であり、前記アッパーの前記第2の側面は、内側側面である、請求項1~13のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項15】
第1の端から第2の端まで前記アッパーの上に延在する前足ストラップを更に含み、前記第1のストランドは、前記前足ストラップの前記第1の端に取り付けられ、前記第2のストランドは、前記前足ストラップの前記第2の端に取り付けられる、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項16】
第1の端から第2の端まで前記アッパーのヒールカウンタの周囲に延在するヒールストラップを更に含み、前記第1のストランドは、前記ヒールストラップの前記第1の端に取り付けられ、前記第2のストランドは、前記ヒールストラップの前記第2の端に取り付けられる、請求項15に記載の履物物品。
【請求項17】
前記第1のストランドの端が、前記第1の側壁に取り付けられ、前記第2のストランドの端が、前記第2の側壁に取り付けられる、請求項1~16のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項18】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁は、弓形である、請求項1~17のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項19】
前記ベース、前記第1の側壁、及び前記第2の側壁は、協働して、チャネルを画定し、前記アッパーは、前記チャネル内に配置される、請求項1~18のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【請求項20】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁のうちの少なくとも1つは、前記第1のストランド及び前記第2のストランドのうちの1つを受け入れるように作動可能な細長いチャネルを含む、請求項1~19のうちのいずれか1項に記載の履物物品。
【国際調査報告】