IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネオシス・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-521066撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム
<>
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図1
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図1A
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図2
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図3
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図4
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図5
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図6
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図7
  • 特表-撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-05
(54)【発明の名称】撮像スキャンを座標系にレジストレーションする方法、および関連するシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20220329BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20220329BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20220329BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20220329BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B34/30
A61C19/04
A61B34/10
A61C19/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021547405
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(85)【翻訳文提出日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 IB2020051263
(87)【国際公開番号】W WO2020165856
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/806,025
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518432274
【氏名又は名称】ネオシス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーゼス,アロン
(72)【発明者】
【氏名】ベレットル,アレクサンドラ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052NN15
(57)【要約】
物体を座標系に関係付ける方法であって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることと、物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有し、レジストレーション要素は座標系と関連付けられている、ことと、物体を座標系にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることとを含む。関連する方法およびシステムも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を座標系に関係付ける方法であって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、
レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることと、
物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有し、レジストレーション要素は座標系と関連付けられている、ことと、
物体を座標系にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることと
を備える、方法。
【請求項2】
レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させる前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施することと、
レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングすることと、
物体を座標系にレジストレーションするために、相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
放射線画像を三次元表面画像と画像マッチングすることは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングすることを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることは、
レジストレーション要素を参照フレームと係合させることと、
参照フレームを物体または支持要素と係合させることと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
物体をその三次元表面画像内でレジストレーション要素と相関させる前に、その三次元表面画像に関連して物体に対する処置を計画することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
座標系内の物体に対してロボットを制御する方法であって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、
レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることと、
物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有し、レジストレーション要素は座標系と関連付けられている、ことと、
物体に対する処置を計画することと、
物体を座標系にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることと、
座標系への物体のレジストレーションに関連して物体に対する処置の計画を実行するように、ロボットを誘導することと
を備える、方法。
【請求項10】
レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させる前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施することと、
レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングすることと、
物体を座標系にレジストレーションするために、相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることと
を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
放射線画像を三次元表面画像と画像マッチングすることは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングすることを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
物体に対する処置を計画することは、その三次元表面画像に関連して、その放射線画像に関連して、または三次元表面画像および放射線画像を含むその相関画像に関連して物体に対する処置を計画することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、ロボットと通信するように配置構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることは、
レジストレーション要素を参照フレームと係合させることと、
参照フレームを物体または支持要素と係合させることと
を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
物体に対する処置を計画することは、その相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させる前に、物体に対する処置を計画することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
物体を座標系に関係付けるためのシステムであって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、
物体または支持要素と係合されるように適合されたレジストレーション要素と、
物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施し、物体の三次元表面画像を形成するように配置構成された光学スキャナであって、レジストレーション要素は座標系と関連付けられ、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有する、光学スキャナと、
プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラであって、物体を座標系にレジストレーションするために三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させるように配置構成されている、コントローラと
を備える、システム。
【請求項19】
レジストレーション要素が物体または支持要素と係合される前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施するように配置構成されたコンピュータ断層撮影デバイスを備え、コントローラは、コンピュータ断層撮影デバイスと通信し、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングし、物体を座標系にレジストレーションするために相関画像内でレジストレーション要素と物体を相関させるように配置構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
コントローラは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングするように配置構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、コントローラと通信するように配置構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
レジストレーション要素が係合された参照フレームであって、物体または支持要素と係合されている、参照フレームを備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
コントローラは、物体がその三次元表面画像内でレジストレーション要素と相関される前に、三次元表面画像に関連して物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項26】
コントローラは、座標系に関連して、ロボット追跡アームおよびその遠位端と動作可能に係合された光学スキャナの位置を追跡するように配置構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
物体に関連してロボットを誘導するためのシステムであって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、方法は、
物体または支持要素と係合されるように適合されたレジストレーション要素と、
物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施し、物体の三次元表面画像を形成するように配置構成された光学スキャナであって、レジストレーション要素は座標系と関連付けられ、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有する、光学スキャナと、
プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラであって、物体に対する処置の計画の形成を可能にし、物体を座標系にレジストレーションするために三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させ、座標系への物体のレジストレーションに関連して物体に対する処置の計画を実行するようにロボットを誘導するように配置構成されている、コントローラと
を備えるシステム。
【請求項28】
レジストレーション要素が物体または支持要素と係合される前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施するように配置構成されたコンピュータ断層撮影デバイスを備え、コントローラは、コンピュータ断層撮影デバイスと通信し、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングし、物体を座標系にレジストレーションするために相関画像内でレジストレーション要素と物体を相関させるように配置構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
コントローラは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングするように配置構成されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
コントローラは、その三次元表面画像に関連して、その放射線画像に関連して、または三次元表面画像および放射線画像を含むその相関画像に関連して物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、コントローラおよびロボットと通信するように配置構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項34】
レジストレーション要素が係合された参照フレームであって、物体または支持要素と係合されている、参照フレームを備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項35】
コントローラは、物体がその相関画像内でレジストレーション要素と相関される前に、三次元表面画像に関連して物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項36】
コントローラは、座標系に関連して、ロボット追跡アームおよびその遠位端と動作可能に係合された光学スキャナの位置を追跡するように配置構成されている、請求項27に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像処置に関し、より具体的には、手術ロボットなどのロボットの誘導で撮像スキャンが実装され得るように、撮像スキャンを座標系にレジストレーションするための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特に手術空間、より具体的には歯科手術空間における術前撮像は、いくつかの異なるプロセスを伴い得る。たとえば、ある術前撮像プロセスは、事前に計画することを伴うが、患者が2つのCT撮像スキャンを受ける必要もある。第1のCT撮像スキャンは一般に、予定された手術の数週間前に行われ、得られた患者の撮像は、処置の計画に使用される(すなわち、外科的処置の計画は、第1のCT撮像スキャンに関連して、第1のCT撮像スキャンを使用して計画される)。その後、第2のCT撮像スキャンは、第2のCT撮像スキャン中に患者の所定位置の基準マーカ(またはアレイまたは基準ビーズ)を用いて外科的処置の当日に行われる。第2のCT撮像スキャンからの画像(画像内に基準マーカ/アレイを含む)はその後、たとえば両方の撮像スキャンからの画像間の撮像された特徴(たとえば、解剖学的特徴)のアライメントに基づいて、第1のCT撮像スキャンとマッチング/レジストレーションされる。次いで、第1のCT撮像スキャンからの画像と関連付けられた外科的処置の事前計画が、第2のCT撮像スキャンからの画像と関連付けられてインポートされる。第2のCT撮像スキャンからの画像はまた、その中に基準マーカ(またはアレイ)を含む。したがって、2つのCT撮像スキャンがレジストレーションされるように、撮像された特徴(たとえば、解剖学的特徴)が2つの画像間で理論的に整列されると、患者の外科的処置の事前計画および/または患者の撮像された特徴(たとえば、解剖学的特徴)の箇所もまた、患者に取り付けられた基準マーカ(またはアレイ)にレジストレーションされ、こうして患者座標空間に変換される。
【0003】
しかしながら、このような処置は不正確になる可能性がある。たとえば、患者の解剖学的構造が第1と第2のCT撮像スキャンの間で変化またはシフトする場合、撮像された特徴を画像間で整列させることは困難であり得、および/または基準マーカは最終的に、実際の患者座標空間内における解剖学的近似に関連してレジストレーションされる可能性がある。このため、必要なCTスキャンの数を最小限に抑える外科的処置の撮像ベースの計画を作成するための、簡略化された処置の必要性が存在する。また、計画段階と外科的処置段階との間で患者の解剖学的構造に対する変化のリスクを最小限に抑えるような処置の必要性が存在する。加えて、手術計画がより正確に実行され得るように、患者の解剖学的構造(撮像された特徴)の(1つ以上の)画像および実際の患者座標空間内の基準マーカを確実かつ一貫してレジストレーションするような処置の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記およびその他の必要性は、一態様において、物体を座標系に関係付ける方法であって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されている、方法を提供する、本開示の態様によって満たされる。このような方法は、レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることと;物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有し、レジストレーション要素は座標系と関連付けられている、ことと;物体を座標系にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることとを備える。
【0005】
別の態様は、座標系内の物体に対してロボットを制御する方法であって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されている、方法を提供する。このような方法は、レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることと;物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有し、レジストレーション要素は座標系と関連付けられている、ことと;物体に対する処置を計画することと;物体を座標系にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることと;座標系への物体のレジストレーションに関連して物体に対する処置の計画を実行するように、ロボットを誘導することとを備える。
【0006】
いくつかの態様では、レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させる前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンが実施される。次いで、物体の放射線画像は、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために、物体の三次元表面画像と画像マッチングされる。次いで、物体は、物体を座標系にレジストレーションするために、相関画像内でレジストレーション要素と相関される。
【0007】
別の態様は、物体を座標系に関係付けるためのシステムであって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されている、システムを提供する。このようなシステムは、物体または支持要素と係合されるように適合されたレジストレーション要素と;物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施し、物体の三次元表面画像を形成するように配置構成された光学スキャナであって、レジストレーション要素は座標系と関連付けられ、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有する、光学スキャナと;プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラであって、物体を座標系にレジストレーションするために三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させるように配置構成されている、コントローラとを備える。
【0008】
さらに別の態様は、座標系内の物体に関連してロボットを誘導するためのシステムであって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されている、システムを提供する。このような方法は、物体または支持要素と係合されるように適合されたレジストレーション要素と;物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施し、物体の三次元表面画像を形成するように配置構成された光学スキャナであって、レジストレーション要素は座標系と関連付けられ、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有する、光学スキャナと;プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラであって、物体に対する処置の計画の形成を可能にし、物体を座標系にレジストレーションするために三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させ、座標系への物体のレジストレーションに関連して物体に対する処置の計画を実行するようにロボットを誘導するように配置構成されている、コントローラとを備える。
【0009】
いくつかの態様では、コンピュータ断層撮影デバイスは、レジストレーション要素が物体または支持要素と係合される前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施するように配置構成され、コントローラは、コンピュータ断層撮影デバイスと通信し、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングし、物体を座標系にレジストレーションするために相関画像内でレジストレーション要素と物体を相関させるように配置構成されている。
【0010】
したがって、本開示は、非限定的に、以下の実施形態を含む。
【0011】
例示的な実装1:物体を座標系に関係付ける方法であって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることと;物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有し、レジストレーション要素は座標系と関連付けられている、ことと;物体を座標系にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることとを備える方法。
【0012】
例示的な実装2:レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させる前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施することと;レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングすることと;物体を座標系にレジストレーションするために、相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることとを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0013】
例示的な実装3:放射線画像を三次元表面画像と画像マッチングすることは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングすることを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0014】
例示的な実装4:レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0015】
例示的な実装5:光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0016】
例示的な実装6:レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0017】
例示的な実装7:レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることは、レジストレーション要素を参照フレームと係合させることと;参照フレームを物体または支持要素と係合させることとを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0018】
例示的な実装8:物体をその三次元表面画像内でレジストレーション要素と相関させる前に、その三次元表面画像に関連して物体に対する処置を計画することを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0019】
例示的な実装9:座標系内の物体に対してロボットを制御する方法であって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることと;物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有し、レジストレーション要素は座標系と関連付けられている、ことと;物体に対する処置を計画することと;物体を座標系にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることと、座標系への物体のレジストレーションに関連して物体に対する処置の計画を実行するように、ロボットを誘導することとを備える方法。
【0020】
例示的な実装10:レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させる前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施することと;レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングすることと;物体を座標系にレジストレーションするために、相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることとを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0021】
例示的な実装11:放射線画像を三次元表面画像と画像マッチングすることは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングすることを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0022】
例示的な実装12:物体に対する処置を計画することは、その三次元表面画像に関連して、その放射線画像に関連して、または三次元表面画像および放射線画像を含むその相関画像に関連して物体に対する処置を計画することを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0023】
例示的な実装13:レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0024】
例示的な実装14:光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、ロボットと通信するように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0025】
例示的な実装15:レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0026】
例示的な実装16:レジストレーション要素を物体または支持要素と係合させることは、レジストレーション要素を参照フレームと係合させることと;参照フレームを物体または支持要素と係合させることとを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0027】
例示的な実装17:物体に対する処置を計画することは、その相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させる前に、物体に対する処置を計画することを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せの方法。
【0028】
例示的な実装18:物体を座標系に関係付けるためのシステムであって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、物体または支持要素と係合されるように適合されたレジストレーション要素と;物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施し、物体の三次元表面画像を形成するように配置構成された光学スキャナであって、レジストレーション要素は座標系と関連付けられ、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有する、光学スキャナと;プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラであって、物体を座標系にレジストレーションするために三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させるように配置構成されている、コントローラとを備えるシステム。
【0029】
例示的な実装19:レジストレーション要素が物体または支持要素と係合される前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施するように配置構成されたコンピュータ断層撮影デバイスを備え、コントローラは、コンピュータ断層撮影デバイスと通信し、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングし、物体を座標系にレジストレーションするために相関画像内でレジストレーション要素と物体を相関させるように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0030】
例示的な実装20:コントローラは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングするように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0031】
例示的な実装21:レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0032】
例示的な実装22:光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、コントローラと通信するように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0033】
例示的な実装23:レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0034】
例示的な実装24:レジストレーション要素が係合された参照フレームであって、物体または支持要素と係合されている、参照フレームを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0035】
例示的な実装25:コントローラは、物体がその三次元表面画像内でレジストレーション要素と相関される前に、三次元表面画像に関連して物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0036】
例示的な実装26:コントローラは、座標系に関連して、ロボット追跡アームおよびその遠位端と動作可能に係合された光学スキャナの位置を追跡するように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0037】
例示的な実装27:物体に関連してロボットを誘導するためのシステムであって、物体は支持要素によって支持され、物体および支持要素はハウジング内に収容されており、方法は、物体または支持要素と係合されるように適合されたレジストレーション要素と;物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施し、物体の三次元表面画像を形成するように配置構成された光学スキャナであって、レジストレーション要素は座標系と関連付けられ、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有する、光学スキャナと;プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラであって、物体に対する処置の計画の形成を可能にし、物体を座標系にレジストレーションするために三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させ、座標系への物体のレジストレーションに関連して物体に対する処置の計画を実行するようにロボットを誘導するように配置構成されている、コントローラとを備えるシステム。
【0038】
例示的な実装28:レジストレーション要素が物体または支持要素と係合される前に、放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施するように配置構成されたコンピュータ断層撮影デバイスを備え、コントローラは、コンピュータ断層撮影デバイスと通信し、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングし、物体を座標系にレジストレーションするために相関画像内でレジストレーション要素と物体を相関させるように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0039】
例示的な実装29:コントローラは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングするように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0040】
例示的な実装30:コントローラは、その三次元表面画像に関連して、その放射線画像に関連して、または三次元表面画像および放射線画像を含むその相関画像に関連して物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0041】
例示的な実装31:レジストレーション要素が放射線不透過性ではない、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0042】
例示的な実装32:光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、コントローラおよびロボットと通信するように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0043】
例示的な実装33:レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0044】
例示的な実装34:レジストレーション要素が係合された参照フレームであって、物体または支持要素と係合されている、参照フレームを備える、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0045】
例示的な実装35:コントローラは、物体がその相関画像内でレジストレーション要素と相関される前に、三次元表面画像に関連して物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0046】
例示的な実装36:コントローラは、座標系に関連して、ロボット追跡アームおよびその遠位端と動作可能に係合された光学スキャナの位置を追跡するように配置構成されている、任意の上記実施形態、または上記実施形態の任意の組合せのシステム。
【0047】
本開示のこれらおよびその他の例示的な実装、特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明された添付図面と併せて下記の詳細な説明を読むことで、明らかとなるだろう。本開示は、このような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明または請求項において明確に組み合わせられるかまたは別途列挙されているか否かにかかわらず、この開示に明記されるかまたは請求項のうちの1つ以上に列挙された2つ、3つ、4つ、またはより多い特徴または要素の任意の組合せを含む。この開示は、本開示のコンテキストが別途明確に指示しない限り、その態様および実施形態のいずれにおいても、本開示のあらゆる分離可能な特徴または要素が、組み合わせ可能であるように意図されると見なされるように、総合的に読み取られるよう意図される。
【0048】
したがって、本開示の態様による方法は、本明細書でさらに詳述されるように、これらおよびその他の利点を提供する。重要なことに、これらの利点は、ロボットによる外科的処置の術前プロセスの一部としての第2の放射線スキャンの必要性を低減または除去することを含む。つまり、関心のある特徴の光学的三次元表面スキャン(たとえば、口腔内スキャン)を行い、口腔内スキャンに基準マーカアレイ(たとえば、スプリント上にマウントされ、スプリントは患者に係合されている)を含めることにより、スキャンにおける撮像された基準マーカアレイは、光学的三次元表面スキャンを患者および/または特徴(たとえば、解剖学的特徴)の箇所にレジストレーションするために使用される。患者と係合された基準マーカアレイと関連付けられた座標系に光学的三次元表面スキャンがレジストレーションされると、口腔内スキャンからの撮像された特徴(たとえば、解剖学的構造の三次元表面画像)は、元の/第1のCTスキャンからの撮像された特徴(たとえば、解剖学的構造の放射線画像)にレジストレーションされることが可能である。その後、元の/第1のCTスキャンから作り出された、処置の計画、およびこれと関連付けられたその他の情報は、(たとえば、基準マーカアレイと関連付けられた座標系内で)患者、および/または患者の解剖学的特徴の箇所を参照して適用されることが可能である。
【0049】
さらなる態様では、光学的三次元表面スキャン(たとえば、口腔内スキャン)は、第1および第2のCTスキャンの両方の必要性を取り除き得る。たとえば、場合によっては、執刀医は、意図される処置を達成するために、CT(たとえば、解剖学的特徴の放射線撮像)を必要としない可能性がある。これは、たとえば、歯科インプラントを超えるロボット処置に適用可能であり得、たとえば、(たとえば歯の腐ったエリアを除去するために)歯面を穿孔または研磨し、そこに歯冠(たとえば、人工歯)を受けるために歯の残りの部分を準備することを伴う歯準備(tooth preparation)処置にも広がることができる。このような例では、口腔内スキャンのみで、処置を計画する目的に十分であり得、(たとえば、基準マーカアレイと関連付けられた座標系内で)患者および/または患者の特徴の箇所に口腔内スキャンをレジストレーションするため、ならびにロボット誘導を実装するために、口腔内スキャンに含まれる基準マーカが使用されることが可能である。
【0050】
本開示を一般的な用語でこのように説明してきたが、ここで、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない、添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本開示の一態様による、物体の光学表面スキャンを実施するように配置構成された光学スキャナを概略的に示す図であり、物体は、物体を座標系に関係付けるとともに、座標系内で物体に対してロボットを制御するためのシステムにおいて、患者の口または顎顔面構造を含むハウジング内に収容される。
図1A】本開示の一態様による、物体の光学表面スキャンを実施するように配置構成された光学スキャナを概略的に示す図であり、物体は、物体を座標系に関係付けるとともに、座標系内で物体に対してロボットを制御するためのシステムにおいて、患者の口または顎顔面構造を含むハウジング内に収容される。
図2】本開示の一態様による、支持要素によって支持される物体を概略的に示す図であり、物体は歯を含み、支持要素は対応する顎および/または歯茎を含み、レジストレーション要素は、物体または支持要素と係合されるように適合されている。
図3】本開示の一態様による、物体の光学表面スキャンを実施するように配置構成された光学スキャナを概略的に示す図であり、物体は、患者の口または顎顔面構造を含むハウジング内に収容され得る。
図4】本開示の一態様による、物体の光学表面スキャンを実施するように配置構成された光学スキャナを概略的に示す図であり、物体は、患者の口または顎顔面構造を含むハウジング内に収容され得る。
図5】本開示の一態様による、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線画像を形成するために、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンを実施するように配置構成されたコンピュータ断層撮影デバイスを概略的に示す図である。
図6】本開示の一態様による、物体の三次元表面画像と画像マッチングされている物体の放射線画像を概略的に示す図である。
図7】本開示の一態様による、物体を座標系に関係付ける方法を概略的に示す図である。
図8】本開示の一態様による、座標系内の物体に対してロボットを制御する方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
ここで本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下により完全に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的で完全となり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように、説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具現化され、本明細書に明記される実施形態に限定されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。前述された本開示の様々な態様、ならびに本開示の多くの他の態様は、本明細書でさらに詳細に説明される。
【0053】
本開示の態様は、たとえば図1から図4に示されるように、物体200を座標系300に関係付けるとともに、座標系300内で物体200に対してロボット800を制御するためのシステム100を伴い、物体200は支持要素220によって支持されており、物体200および支持要素220はハウジング240内に収容されている。一例では、物体200は歯を含むことができ、支持要素220は対応する顎および/または歯茎を含むことができ、ハウジング240は患者の口または顎顔面構造を含むことができる。特定の一態様では、このようなシステム100は、物体200または支持要素220と係合されるように適合されたレジストレーション要素170を備える(たとえば、図2参照)。光学スキャナ400は、物体200(たとえば、図3および図4参照)およびレジストレーション要素170の光学表面スキャンを実施し、物体200の三次元表面画像(たとえば、図6、右側の画像を参照)を形成するように、配置構成されている。光学スキャナ400は、手持ち式であってオペレータによって手動で操作されるように配置構成され(たとえば、図1参照)、またはロボット追跡アーム500の遠位端520と別途動作可能に係合されてもよい(たとえば、図1A参照)。三次元表面画像は、これと関連付けられた座標系300を有し、レジストレーション要素170は、座標系300と関連付けられている。物体200または支持要素220と係合されるように適合されたレジストレーション要素170(たとえば、図2参照)は、たとえば、座標系300を画定するように、またはこれと既知の関係になるように配置構成された、1つ以上の基準マーカ175を備えてもよい。より具体的には、いくつかの例では、1つ以上の基準マーカ175は、1つ以上の基準マーカ175の少なくとも箇所および配向が、座標系300に関連して既知であるかまたは容易に決定可能となるように、またはこれにレジストレーションされるように、配置構成され得る。コントローラ190は、プロセッサを有し、光学スキャナ400と、そしていくつかの例では、ロボット追跡アーム500と通信するように配置構成されている。コントローラ190は、物体200を座標系300にレジストレーションするために、三次元表面画像内で物体200をレジストレーション要素170と相関させるように、さらに配置構成されている。つまり、レジストレーション要素170は、座標系300においてそれ自体が既知の位置/配向または基準またはレジストレーションを画定する1つ以上の基準マーカ175を有するので、レジストレーション要素170を含む物体200/支持要素220の光学表面スキャンは、物体200が三次元表面画像に基づいてレジストレーション要素170と空間的に相関されることを可能にする。物体200の空間的相関が、レジストレーション要素170に関連しておよび座標系300に対して既知であるとき、物体200は、かくして、レジストレーション要素170に対して座標空間300内にレジストレーションされる。
【0054】
いくつかの例では、システム100は、レジストレーション要素170が物体200または支持要素220と係合される前に、物体200または支持要素220の放射線画像(たとえば、図6、左側の画像参照)を形成するために、ハウジング240、ならびにその中に収容された物体200および支持要素220の放射線スキャンを実施するように配置構成された、コンピュータ断層撮影デバイス700(たとえば、図5参照)をさらに含んでもよい。このような例では、コントローラ190は、放射線スキャン/放射線画像を表す撮像データをそこから受信するために、コンピュータ断層撮影デバイス700と通信するように配置構成されている。撮像データを受信すると、コントローラ190は、レジストレーション要素170に関連して物体200の相関画像を形成するために、物体200の放射線画像を物体200の三次元表面画像と画像マッチングするように、さらに配置構成されている(たとえば、図6参照)。放射線画像および三次元表面画像が相関されると、コントローラ190は、物体200を座標系300にレジストレーションするために、相関画像内でレジストレーション要素170と物体200を相関させるように配置構成されている。
【0055】
コントローラ190は、物体200がその三次元表面画像内でレジストレーション要素170と相関される前に、その三次元表面画像に関連して物体200に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている。光学スキャナ400がロボット追跡アーム500と係合されている場合、コントローラ190は、座標系300に関連してロボット追跡アーム500およびその遠位端520と動作可能に係合された光学スキャナ400の位置を追跡するように、さらに配置構成されてもよい。いずれの例でも、光学表面スキャンからの三次元表面画像内でレジストレーション要素170と関連付けられた座標系300に対して決定されたように、物体200がレジストレーション要素170と相関されると、三次元表面スキャンに対して決定および作り出された処置の計画は、座標系300への物体200のレジストレーションに関連して物体200に対して手術器具820によって処置の計画を実行するように、手術ロボットなど、ロボット800に係合された(および患者に取り付けられたレジストレーション要素170と通信するロボット追跡アーム500と動作可能に係合された)手術器具820を有する、ロボット800を誘導するために、引き続き使用されることが可能である。
【0056】
本開示の一態様では、物体200を座標系300に関係付ける方法は、物体200が支持要素220によって支持され、物体200および支持要素220がハウジング240内に収容されている配置構成を伴う。一例では、このような配置構成は、物体としての歯、支持要素としての対応する顎および/または歯茎、ならびにハウジングとしての口または顎顔面構造を含み得る。したがって、方法は、レジストレーション要素170を物体または支持要素と係合させること(図7、ブロック900)を含み得る。いくつかの例では、レジストレーション要素170は、本明細書で開示されるように、座標系300の中に設けられるか、または別途これと既知の関係で存在する。次いで、レジストレーション要素170に関連して物体の三次元表面画像を形成するために、ハウジング内で、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンが、光学スキャナ400を使用して実施される(いくつかの例では、光学スキャナ400は手持ち式であって手動で操作されてもよく、または光学スキャナ400はロボット追跡アーム500の遠位端520と動作可能に係合されてもよい)(図7、ブロック920)。光学スキャナ400による光学表面スキャンは、三次元表面画像の形態で、物体およびレジストレーション要素170の画像をデジタル化し、次いで物体の三次元表面画像は、物体がその後座標系にレジストレーションされるように(たとえば、画像を画像座標空間(画像の内部の座標空間)から患者座標空間(患者またはレジストレーション要素170に関する座標空間)に変換する)、レジストレーション要素と相関される(図7、ブロック940)。
【0057】
本開示の別の態様は、座標系300内の物体200に対してロボット800を制御する方法を対象とし、このような方法は、支持要素220によって支持された物体200を有し、物体200および支持要素220の両方がハウジング240内に収容されている配置構成を伴う。一例では、このような配置構成は、物体としての歯、支持要素としての対応する顎および/または歯茎、ならびにハウジングとしての口または顎顔面構造を含み得る。したがって、方法は、レジストレーション要素170を物体200または支持要素220と係合させること(図8、ブロック1000)と、その後、物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナ400(いくつかの例では、光学スキャナ400は手持ち式で手動で操作されてもよく、または光学スキャナ400は、ロボット追跡アーム500の遠位端520と動作可能に係合されてもよい)を使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することとを含むことができ、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系300を有し、レジストレーション要素170は座標系300と関連付けられている(図8、ブロック1020)。物体に対する処置の計画は、物体を座標系にレジストレーションするために(たとえば、画像を画像座標空間(画像の内部の座標空間)から患者座標空間(患者またはレジストレーション要素170に関する座標空間)に変換する)、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させる前に(図8、ブロック1060)、たとえば、三次元表面画像から形成される(図8、ブロック1040)。次いで、それと係合された手術器具820を有するロボット800は、座標系300への物体200のレジストレーションに関連して物体200に対して手術器具820によって処置の計画を実行するように誘導され得る(図8、ブロック1080)。
【0058】
いくつかの態様では、特に上記で開示された2つの方法態様に関連して、ハウジング、ならびにその中に収容された物体および支持要素の放射線スキャンは、レジストレーション要素が物体または支持要素と係合される前に、ハウジング、物体、および支持要素の放射線画像を形成するために実施され得る(図7、ブロック960、図8、ブロック1100)。次いで、物体の放射線画像は、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために、物体の三次元表面画像と画像マッチングされる(図7、ブロック970、図8、ブロック1120)。次いで、物体は、物体を座標系にレジストレーションするために(たとえば、相関画像を画像座標空間(相関画像の内部の座標空間)から患者座標空間(患者またはレジストレーション要素170に関する座標空間)に変換する)、相関画像内でレジストレーション要素と相関される(図7、ブロック980、図8、ブロック1140)。
【0059】
いくつかの態様では、放射線画像を三次元表面画像と画像マッチングすることは、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングすることを伴い得る。このようにして、処置の計画はその後、光学表面スキャン(たとえば、たとえば歯茎および歯の周囲の軟組織を示す口腔内スキャン)の三次元表面画像に見られる処置の美的側面、ならびに放射線スキャン(たとえば、たとえば神経、歯根、顎骨、および/または関連する構造を示すコンピュータ断層撮影(CT)スキャン)の三次元構造表現に見られる関心のある特定の解剖学的な構造の両方に基づき、これらを考慮して、形成され得る。
【0060】
いくつかの例では、レジストレーション要素は光学表面スキャンと関連付けられているので、レジストレーション要素は放射線不透過性である必要はないが、必要であれば、または望ましければ、放射線不透過性であってもよい。別の例では、レジストレーション要素170は、参照フレーム(たとえば、スプリント)と係合された、たとえば1つ以上の基準マーカ、基準ビーズなどを、参照フレームが物体または支持要素と係合される前に、含んでもよい。参照フレーム(たとえば、スプリント)を用いた物体(たとえば、歯)または支持要素(たとえば、歯茎または顎)との係合は、たとえば、それらの間に設けられた適切な接着剤(たとえば、エポキシ)によって達成され得る。別の例では、たとえば、無歯顎患者の場合、インプラントアンカーが顎骨に埋め込まれてもよく、参照フレーム(たとえば、スプリント)が取り外し可能な締結具によってそこにしっかりと取り付けられてもよい。
【0061】
さらに別の例では、レジストレーション要素は、座標系と既知の関係になるように配置構成/構成されてもよい。たとえば、光学表面スキャニングデバイス(たとえば、口腔内スキャニングデバイス、口腔内スキャナ、またはその他の適切な光または光学ベースの三次元表面スキャナ/デジタイザ)が、ロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合されてもよい。そしてロボット追跡アームは、これと通信するコントローラによって追跡されてもよく、ロボット追跡アームの既知のまたは追跡される位置は、その遠位端を含んでもよい。このような例では、口腔内スキャナはロボット追跡アームの遠位端と係合されているので、口腔内スキャナの撮像部分の位置もまた、コントローラによって知られることが可能である。ロボット追跡アーム、ならびにロボット追跡アームの遠位端と係合された口腔内スキャナの既知の(1つ以上の)位置は、コントローラが座標系をロボット追跡アームおよび口腔内スキャナの(1つ以上の)位置と関連付けることを可能にする。さらに、口腔内スキャナは、レジストレーション要素(および/または、たとえばこれと係合された1つ以上の基準マーカ)のデジタル化画像が、口腔内スキャナと撮像された物体との間の測距関係性(たとえば、口腔内スキャナの撮像素子と撮像された表面上の点との間の距離)を含むかまたは示すように、構成および配置構成されてもよい。このような測距関係性では、座標系とのレジストレーション要素の関係は、ロボット追跡アームの遠位端と係合された口腔内スキャナによって撮像されると、コントローラに知られる。
【0062】
別の例では、座標系とのレジストレーション要素の関係は、口腔内スキャナとレジストレーション要素との間の関係に加えて、またはその代わりに、異なる方法で知られるかまたは決定可能であってもよい。たとえば、レジストレーション要素と口腔内スキャナおよび/またはロボット追跡アームとの間で通信するエミッタ-検出器配置構成が提供されてもよい。別の例では、レジストレーション要素が口腔内スキャナ/ロボット追跡アームと通信し、これに対して既知の位置にあり、したがって座標系に関連して既知の関係に設けられるように、必要に応じて送受信機-送受信機配置構成、送受信機-反射器配置構成、送信機-受信機配置構成、またはセンサ配置構成が実装されてもよい。
【0063】
光学表面スキャンが完了すると、物体がその三次元表面画像内でレジストレーション要素と相関される前または後のいずれかで、物体に対する処置が物体の三次元表面画像に関連して計画されることが可能である。いくつかの特定の態様では、物体に対する処置は、物体および計画された処置を座標系にレジストレーションするために、物体がその三次元表面画像内でレジストレーション要素と相関される前に、物体の三次元表面画像に関連して計画される。ロボットによる外科的処置が計画される例では、次いでロボット(または外科的処置を実行するための手術道具を支持するロボットアーム)は、座標系への物体のレジストレーションに関連して手術道具を使用して物体に対する処置の計画を実行するように、コントローラによって誘導されることが可能である。光学表面スキャンに基づくこのような処置計画およびロボット誘導は、たとえば、計画された処置が物体自体(たとえば、歯)に対するものであるか、または物体に関連するかまたはこれと関連付けられた表面特徴を別途伴う場合に、有利であり得る。一例では、このような処置は、歯冠を受ける準備として物体(歯)を研磨することを伴ってもよい。
【0064】
光学表面スキャンの前に放射線スキャン(たとえば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン)も実施される例では、放射線画像は、たとえば、放射線スキャンおよび光学表面スキャンの両方のデータの受信においてコントローラまたはその他の適切なコンピュータデバイスによって実装される画像マッチング処置を使用して、三次元表面画像と相関され得る。つまり、いくつかの態様では、放射線スキャンによって提供された、物体および支持要素の三次元構造表現は、相関画像を形成するために、光学表面スキャンによって提供された、物体、支持要素、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と(たとえば、両方の画像に共通する解剖学的特徴に基づいて)画像マッチングされ得る。相関画像が形成されると、物体はその後、物体を座標系にレジストレーションするために、相関画像内でレジストレーション要素と相関されることが可能である。処置の性質(たとえば、処置が表面下の解剖学的特徴/構造に対して、表面特徴に対して、または両方に対して実施されるか)に応じて、物体に対する処置は、光学表面スキャンからのその三次元表面画像に関連して、放射線スキャンからのその放射線画像から、または三次元表面画像および放射線画像を含むその相関画像から、計画され得る。このようにして、物体に対する処置はまた、物体がその相関画像内でレジストレーション要素と相関される前に計画されてもよい。
【0065】
このように、開示された方法およびシステムは、ロボットによる外科的処置の術前プロセスの一部としての第2の放射線スキャン(たとえば、CTスキャン)の必要性を低減または除去し、この第2の放射線スキャンをなくすことによって患者のX線曝露を低減することが有利であり得る。関心のある特徴の光学的三次元表面スキャン(たとえば、口腔内スキャン)を行い、口腔内スキャンに基準マーカアレイ(たとえば、スプリント上にマウントされ、スプリントは患者に係合されている)を含めることにより、スキャンにおける撮像された基準マーカアレイは、光学的三次元表面スキャンを患者および/または特徴(たとえば、解剖学的特徴)の箇所にレジストレーションするために使用される。患者と係合された基準マーカアレイと関連付けられた座標系に光学的三次元表面スキャンがレジストレーションされると、口腔内スキャンからの撮像された特徴(たとえば、解剖学的構造の三次元表面画像)は、元の/第1のCTスキャンからの撮像された特徴(たとえば、解剖学的構造の放射線画像)にレジストレーションされることが可能である。その後、元の/第1のCTスキャンから作り出された、処置の計画、およびこれと関連付けられたその他の情報は、口腔内スキャンによって提供された座標系との関係に基づいて、(たとえば、基準マーカアレイと関連付けられた座標系内で)患者、および/または患者の解剖学的特徴の箇所を参照して適用されることが可能である。
【0066】
さらなる態様では、光学的三次元表面スキャン(たとえば、口腔内スキャン)は、第1および第2のCTスキャンの両方の必要性を除去し得る。たとえば、場合によっては、執刀医は、意図される処置を達成するために、CTスキャン(たとえば、解剖学的特徴の放射線撮像)を必要としない可能性がある。これは、たとえば、歯科インプラントを超えるロボット処置に適用可能であり得、たとえば、(たとえば歯の腐ったエリアを除去するために)歯面を穿孔または研磨し、そこに歯冠(たとえば、人工歯)を受けるために歯の残りの部分を準備することを伴う歯準備処置にも広がることができる。このような例では、口腔内スキャンのみで、処置を計画する目的に十分であり得、(たとえば、基準マーカアレイと関連付けられた座標系内で)患者および/または患者の特徴の箇所に口腔内スキャンをレジストレーションするために、口腔内スキャンに含まれる基準マーカが使用されることが可能である。
【0067】
たとえば口腔内スキャナを使用する光学表面スキャンの実装は、患者が意識を失っている手術の間に口(またはその中の歯)および基準マーカがスキャンおよび撮像されることを可能にするが、所定位置で(1つまたは複数の)基準マーカを用いるCTスキャンの間、患者は覚醒して意識を保っていなければならないことが多い。すると、((1つまたは複数の)基準マーカを所定位置に有する)口腔内スキャンからの画像は、画像間の解剖学的形状または特徴をマッチングすることにより、((1つたは複数の)基準マーカが所定位置にない)以前のCTスキャンからの画像と相関されることが可能である。口腔内スキャナによってキャプチャされた撮像は既に(1つまたは複数の)基準マーカに関係付けられ、したがって(1つまたは複数の)基準マーカとの相互作用を介して患者座標空間に統合され、レジストレーションされているので、物体および(1つまたは複数の)基準マーカを含む口腔内スキャン/画像(および実装されていれば、CTスキャン/画像)は、したがって患者座標空間基準にレジストレーションされた機械的追跡(ロボット)アームと容易に関係付け可能であり、したがって、処置中にロボットを誘導するために全体的にロボットシステムに容易に統合されることが可能である。
【0068】
本明細書に明記された本開示の多くの変形例およびその他の態様は、上記の説明および関連する図面に提示された教示の恩典を有する、この開示に関する当業者によって想起されるだろう。したがって、本開示は、開示された特定の態様に限定されるものではなく、変形例およびその他の態様が添付特許請求の範囲に含まれると意図されることは、理解されるべきである。本明細書では固有の用語が採用されているが、これらは包括的で説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。
【0069】
本明細書では、第1、第2などの用語は、様々なステップまたは計算を説明するために使用されているが、これらのステップまたは計算がこれらの用語によって限定されないことは、理解されるべきである。これらの用語は、ある動作または計算を他のものと区別するためにのみ使用される。たとえば、この開示の範囲から逸脱することなく、第1の計算が第2の計算と呼ばれてもよく、同様に、第2のステップが第1のステップと呼ばれてもよい。本明細書で使用される際に、用語「および/または」および「/」の符号は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組合せを含む。
【0070】
本明細書で使用される際に、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、コンテキストが別途明確に指示しない限り、複数形も含むように意図される。本明細書で使用される際に、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」および/または「含んでいる(including)」は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を排除するものではないことは、さらに理解されるだろう。したがって、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を座標系に関係付ける方法であって、物体は患者の顎によって支持され、物体および顎は患者の頭部の中に収容されており、
1つ以上の基準マーカを備えるレジストレーション要素を、物体または顎と係合させることと、
物体の三次元表面画像を形成するために、光学スキャナを使用して、物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施することであって、三次元表面画像は、レジストレーション要素が座標系と関連付けられるように、これと関連付けられた座標系を有する、ことと、
物体とレジストレーション要素との間の関係性を決定するために、プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラを使用して、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることであって、物体はこれにより、レジストレーション要素との決定された関係性を介して座標系にレジストレーションされる、ことと、
三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させる前に、その三次元表面画像に関連して、コントローラを使用して、物体に対する処置を計画することと
を備える、方法。
【請求項2】
レジストレーション要素を物体または顎と係合させる前に、放射線画像を形成するために、患者の頭部、ならびにその中に収容された物体および顎の放射線スキャンを実施することと、
レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングすることと、
物体がレジストレーション要素との決定された関係性を介して座標系にレジストレーションされるように、物体とレジストレーション要素との間の関係性にしたがって、相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させることと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
放射線画像を三次元表面画像と画像マッチングすることは、放射線スキャンによって提供された、物体および顎の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、顎、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングすることを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
レジストレーション要素と座標系との間の関係を決定するために、光学スキャナと物体との間の測距関係性にしたがって、レジストレーション要素と光学スキャナとの間の距離を決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
レジストレーション要素を物体または顎と係合させることは、
レジストレーション要素を参照フレームと係合させることと、
参照フレームを物体または顎と係合させることと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
物体を座標系に関係付けるためのシステムであって、物体は患者の顎によって支持され、物体および顎は患者の頭部の中に収容されており、
物体または顎と係合されるように適合された、1つ以上の基準マーカを備えるレジストレーション要素と、
物体およびレジストレーション要素の光学表面スキャンを実施し、物体の三次元表面画像を形成するように配置構成された光学スキャナであって、レジストレーション要素が座標系と関連付けられるように、三次元表面画像はこれと関連付けられた座標系を有する、光学スキャナと、
プロセッサを有し、光学スキャナと通信するコントローラであって、物体とレジストレーション要素との間の関係性を決定するために、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させ、物体はこれにより、レジストレーション要素との決定された関係性を介して座標系にレジストレーションされ、三次元表面画像内で物体をレジストレーション要素と相関させる前に、その三次元表面画像に関連して、物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、コントローラと
を備える、システム。
【請求項8】
レジストレーション要素が物体または顎と係合される前に、放射線画像を形成するために、患者の頭部、ならびにその中に収容された物体および顎の放射線スキャンを実施するように配置構成されたコンピュータ断層撮影デバイスを備え、コントローラは、コンピュータ断層撮影デバイスと通信し、レジストレーション要素に関連して物体の相関画像を形成するために物体の放射線画像を物体の三次元表面画像と画像マッチングし、物体がレジストレーション要素との決定された関係性を介して座標系にレジストレーションされるように、物体とレジストレーション要素との間の関係性にしたがって、相関画像内で物体をレジストレーション要素と相関させるように配置構成された、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
コントローラは、放射線スキャンによって提供された、物体および顎の三次元構造表現を、光学表面スキャンによって提供された、物体、顎、およびレジストレーション要素の三次元表面画像と画像マッチングするように配置構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、コントローラと通信するように配置構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
コントローラは、レジストレーション要素と座標系との間の関係を決定するために、光学スキャナと物体との間の測距関係性にしたがって、レジストレーション要素と光学スキャナとの間の距離を決定するように配置構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
係合されたレジストレーション要素を有する参照フレームであって、物体または顎と係合されている、参照フレームを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
コントローラは、座標系に関連して、ロボット追跡アームおよびその遠位端と動作可能に係合された光学スキャナの位置を追跡するように配置構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
物体に関連してロボットを誘導するためのシステムであって、物体は患者の顎によって支持され、物体および顎は患者の頭部の中に収容されており、
請求項7から13のいずれか一項に記載の物体を座標系に関係付けるためのシステムであって、コントローラは光学スキャナおよびロボットと通信し、コントローラは、座標系への物体のレジストレーションに関連して物体に対する処置の計画を実行するようにロボットを誘導するように配置構成されている、システム
を備える、システム。
【請求項15】
コントローラは、その放射線画像、または三次元表面画像および放射線画像を含むその相関画像に関連して物体に対する処置の計画の形成を可能にするように配置構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
光学スキャナは、座標系にレジストレーションされたロボット追跡アームの遠位端と動作可能に係合され、ロボットと通信するように配置構成されている、請求項14に記載のシステム。
【国際調査報告】