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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-05
(54)【発明の名称】冷却板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/40 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
H01L23/40 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548632
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2020000043
(87)【国際公開番号】W WO2020173599
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】102019001383.2
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511072851
【氏名又は名称】ホルツハウア ゲーエムベーハ ウント コムパニ ケーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】アントン ホルツハウア
(72)【発明者】
【氏名】ヨーヒム ホルツハウア
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA31
5F136BA36
5F136CB08
5F136FA02
5F136FA03
5F136GA06
5F136GA12
(57)【要約】
本発明は、銅、アルミニウム、それらの合金などの熱伝導性が非常に良好な材料から成る冷却板(3)の製造方法に関する。冷却板(3)は、冷却剤が流される有効面(5)の上でベース表面を越えてほぼ垂直に突出する複数のピン(4,4',4",4'")を有している。複数のピン(4,4',4",4'")は、実質的に半径方向に延びる機能的に必要な周縁部(U)により囲まれている。冷却板(3)は、ツール(W)によりワークピース(WS)を成形することにより製造される。このため、均一な材料厚さを有するフラットな素材ブランクがワークピース(WS)としてツール(W)に装入され、成形のために完全に囲まれ、ピン形成用開口部(20)を設けたベースの上に載置される。ツール(W)は、少なくとも、ほぼフラットな周縁部(U)を形成するための外金型(23)と、ピン(4,4',4",4'")を形成するためにツール(W)のピン形成用開口部(20)と相互作用する内金型(24)を有する。ワークピース(WS)を外金型(23)により押下げ保持した状態で、第1ステージにおいて、ピン形成用開口部(20)と協働して内金型(24)を使用したプレス方法によりピン(4,4',4",4'")が成形される。第2ステージにおいて、内金型(24)で押下げ保持した状態で、外金型(23)により、周縁部(U)がプレスされ、成形される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅、アルミニウム、それらの合金を含む熱伝導性が非常に良好な材料の冷却板であって、冷却剤が流される有効面にベース領域を越えてほぼ垂直に突出ピン(4,4',4",4'")を備え、該ピンが実質的に半径方向に延びるフラットな機能的に必要な周縁部(U)により囲まれており、ツール(W)でワークピース(WS)を加工することにより冷却板を製造する方法において、
前記ワークピース(WS)は、均一な材料厚さを有するフラットな素材ブランクの形態とされており、ツール(W)の中心に配置され、該ツールは、少なくとも、実質的にフラットな周縁部を形成するためのアウターパンチ(23)と、ピン(4,4',4",4'")を形成するためにツール(W)に設けられたピン形成用開口部(20)と協働するインナーパンチ(24)を有しており、
第1ステージにおいて、ワークピース(WS)をアウターパンチ(23)により押下げ保持した状態で、インナーパンチ(24)をプレスすることによりツール(W)のピン形成用開口部(20)と協働してピン(4,4',4",4'")を形成し、
第2ステージにおいて、ピン(4,4',4",4'")が形成されたワークピース(WS)をツール(W)のインナーパンチ(24)により押下げ保持した状態で、アウターパンチ(23)をプレスすることにより材料厚さを減じた周縁部(U)を形成する
ことを特徴とする冷却板の製造方法。
【請求項2】
ピン(4,4',4",4'")は、自由端から開始する校正が実施されることを特徴とする請求項1に記載の冷却板の製造方法。
【請求項3】
校正により、ピン(4,4',4",4'")の自由端がプレスによりフラット又はカシメにより太径にされることを特徴とする請求項2に記載の冷却板の製造方法。
【請求項4】
ピン(4,4',4",4'")の自由端から開始して、ピンの自由端からフット領域の方向に向けてピンの直径が減少するように校正が実施されることを特徴とする請求項2又は3に記載の冷却板の製造方法。
【請求項5】
ピン(4,4',4",4'")の自由端から開始して、ピンの自由端からフット領域の方向に向けてピンの直径が増加するように校正が実施されることを特徴とする請求項2又は3に記載の冷却板の製造方法。
【請求項6】
フラットな素材ブランクは四辺形の形態を有していることを特徴とする前記請求項の何れかに記載の冷却板の製造方法。
【請求項7】
フラットな素材ブランクは長方形の形態を有していることを特徴とする前記請求項の何れかに記載の冷却板の製造方法。
【請求項8】
フラットな素材ブランクは、圧延された銅を含む圧延材又はプレス材から形成されていることを特徴とする前記請求項の何れかに記載の冷却板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅、アルミニウム、それらの合金などの非常に良好な熱伝導性を有する材料から冷却板を製造する方法に関し、冷却板は、冷却剤が流される有効面にベースを越えてほぼ垂直に突出する複数のピンを備え、複数のピンはほぼ半径方向に延びるフラットな周端部により囲まれており、冷却板は、ツールの中でワークピースを成形することにより製造される。
【背景技術】
【0002】
このような冷却板は、例えば、バッテリー構造、インバーター、燃料電池におけるチップなどのような感熱性の電気部品又は電子部品に用途がある。
【0003】
一般的なタイプの冷却板は、追加の複雑な仕上げをしばしば必要とする鍛造又は機械加工のプロセスにより製造されるのが通常である。
これまで、そのような冷却プレートは、製造するのに比較的高価であり、非常に良好な熱伝導性を有する材料を処理するとき、しばしば廃棄物が生じ、イニシャルコストが比較的高いものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ特許公開10 2015 120835A1
【特許文献2】欧州特許公開3 117 953A1
【特許文献3】日本特開2012-227365公報
【特許文献4】ドイツ特許公開10 2018 005265A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドイツ特許公開10 2015 120 835A1から冷却板の製造方法が公知であり、フラットな材料がローラを使用することにより処理される。
この場合、ピンが不規則に形成され、大部分が同じ長さとされたピンを形成するためには十分に間隔をあけなければならない。
更に、複雑で、特に時間のかかる再仕上げ作業が必要とされる。
このため、有効面の上におけるピンの密度が低く、冷却効果が低下する。
【0006】
欧州特許公開3 117 953A1は、銅、アルミニウム、それらの合金などの非常に良好な熱伝導性を有する材料から、冷却剤が流される有効面にベースを越えてほぼ垂直に突出する複数のピンを備えた冷却板を製造する方法を記載している。
複数のピンは、ほぼ半径方向に延びるフラットで機能的に必要な周縁部により囲まれており、冷却板は、ツールの中でワークピースを成形することにより製造される。
均一な材料厚さを有するフラットな素材ブランクとされたワークピースがツールに装入され、ピンを製造するためにツールのピン形成用開口部と相互作用するパンチが設けられ、ツールのピン形成用開口部と協働するパンチのプレスによりピンが形成される。
【0007】
日本特開2012-227365公報から冷却板の製造方法が公知であり、フラットな材料の外周領域に押下げ保持するデバイスが使用されていない。材料は、「浮上」、つまり、パンチに沿う後方への押し出しが阻止されていないからであり、ツールの内部で材料の流動が制限されていないことを意味している。
【0008】
ドイツ特許公開10 2018 005265A1から冷却板の製造方法が公知であり、2部からなるパンチが使用され、第1ステージにおいて、アウターパンチがフラット材料の外周部を圧縮して広げ、ピンパンチが押下げ保持するデバイスとして作動する。第2ステージにおいて、アウターパンチが押下げ保持するデバイスとして作動し、ピンパンチがフラット材料に複数のピンを押出し形成する。この場合、2つの成形ステージを交換するだけでなく、同じ下側のツールを両方の成形ステージで使用することができる。
【0009】
本発明は、安価に実現することができ、材料を節約し、省資源であり、有効面の上におけるピンの密度が高い、非常に効果的な冷却作用を有するタイプの冷却板の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、銅、アルミニウム、それらの合金を含む熱伝導性が非常に良好な材料から、冷却剤が流される有効面にベースを越えてほぼ垂直に突出ピンを備え、該ピンが実質的に半径方向に延びるフラットな機能的に必要な周縁部により囲まれた冷却板であり、ツールでワークピースを成形することにより製造される冷却板の製造方法により達成される。
ワークピースは、均一な材料厚さを有するフラットな素材ブランクの形態とされ、ツールに内装される。
ツールは、少なくとも、ほぼフラットな周縁部を形成するためのアウターパンチ(周縁パンチ)と、ピン形成のためにツール内のピン形成用開口部と協働するインナーパンチ(ピンパンチ)を有している。
第1ステージにおいて、ワークピースをアウターパンチにより押下げ保持した状態で、ツールのピン形成用開口部と協働してピンパンチをプレスすることによりピンが形成される。
第2ステージにおいて、ピンを形成したワークピースをツールのインナーパンチにより押下げ保持した状態で、アウターパンチをプレスすることにより材料厚さを減じた周縁部を形成することを特徴としている。
【0011】
従って、本発明は、コスト効果の高い冷間プレス又は熱間プレスを使用し、冷却剤が流される有効面の上にピンを形成する際に、成形によりフラットな素材ブランク又はインサート部品とされた材料が直接使用される。
これにより、本発明による製造は、材料節約と省資源のための製造方法が含まれており、材料ロスや、材料廃棄物がない。
本発明方法の第1ステージにおいて、フラットな素材ブランクをアウターパンチにより押下げ保持した状態で、ツールのピン形成用開口部と協働するインナーパンチ(ピンパンチ)によるプレスを行うことにより、ピンが最初に中央領域に形成される。
これにより、ピンを形成した領域に材料の落ち込み部ないし窪みが形成されるが、アウターパンチに割り当てられた周縁部はフラットな素材ブランクの上に形成されない。
【0012】
第2ステージは、オプションとして別のツールで実行される。形成されたピンと共にワークピースをツールのインナーパンチにより押下げ保持し、アウターパンチのプレスにより、周囲の材料の張り出し部(オーバーハング部)が材料厚さを減少したものに形成される。
これにより、ほぼフラットで、機能的に必要な周縁部が実現され、それは、ピンが形成された後に、材料の落ち込み部の領域(ゾーン)に移行して形成される。
従って、ツール内におけるフラットな素材ブランクないしインサート部品の1種のセルフアライメント(自己整列)が両工程で行われる利点がある。
第1工程において、フラットな素材ブランクが挿入されている間、ツールのワークピース受容空間の全周囲の囲い込みにより、アライメントが達成される。
そして、第2工程において、周縁部がアウターパンチの協力により形成されて押下げ保持されたとき、ツール内のピン形成開口における形成されたピンにより、アライメントが達成される。
【0013】
第2工程におけるプレス力を第1工程におけるプレス力よりも著しく小さくすることにより、第2工程のために使用されるプレスをピン形成のために使用されるプレスのように強力に行わなくても良い利点をもたらすことができる。
その結果、必要なプレス力にマッチする適合した成形マシンを使用することができ、作業コスト及び加工コストを低減することができる。
【0014】
エジェクタ装置を使用することにより、周縁部に隣接するツールのピン形成用開口部の少なくとも何個かを予め閉じ、成形中にピンの列によりオフセットすることができる。
【0015】
本発明の方法において、好ましくは、ピンは、自由端から開始して校正される。
校正のとき、ピンの自由端は、フラットにプレスされ又はカシメにより太くされる。
更に、ピンを校正するとき、ピンの自由端から開始する際、逆向き円錐形の形態が形成され、ピンの直径が自由端からフット領域に向けて減少するように校正が実行される。
【0016】
別の方法として、ピンの自由端から開始する校正を介して、円錐形の形態を設けることができ、この場合、校正は、ピンの直径が自由端からフット領域に向けて増大するように実行される。
フラットな素材ブランクは、四角形の形態を有していることが適切である。特に、長方形のフラットな素材ブランクを含むことができる。
【0017】
フラットな素材ブランクは、ローラで延伸した材料又はプレスされた材料、特に、圧延銅により形成されていることが好ましい。
【0018】
要約すると、本発明の方法において、ピンを備えた冷却板は、専ら、成形工程により製造されることが本質的特徴である。
【0019】
本発明の更なる詳細、構成及び利点は、特徴を限定するものではないが、添付の図面を参照することにより、以下に記載した好ましい例示的な実施形態の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による冷却プレートの適用例を示す概略的断面図である。
図2図2ないし図10は、本発明による冷却板の製造方法における工程の順序を示しており、図2は、1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図3】工程の順序における1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図4】工程の順序における1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図5】工程の順序における1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図6】工程の順序における1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図7】工程の順序における1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図8】工程の順序における1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図9】工程の順序における1つの工程を説明する概略的部分断面斜視図である。
図10】成形されたピン付きの冷却板を示す概略的斜視図である。
図11図10に示す冷却板のピンの詳細を示す拡大図である。
図12図10に示す冷却板のピンの詳細を示す拡大図である。
図13図13ないし図15は、ピン形態の更なる実施形態の例を示しており、図13は、ピン形態の実施形態の1つを示す概略図である。
図14】ピン形態の実施形態の1つを示す概略図である。
図15】ピン形態の実施形態の1つを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面の図において、同一又は類似する部分は、同じ参照符号で示している。
【0022】
図1は、冷却装置の適用例を概略的に示しており、符号1で示している。
冷却板3は、ピンの反対側の表面が電気部品又は電子部品などの冷却される部品2に取り付けられる。
図示のように、冷却板3は、冷却剤が流される有効面5にピン4を有している。
図例において、ピン4を囲んでほぼ半径方向に延びるフラットな周縁部にシール6を介してカバー7が液密的に接続されており、冷却板3のピン4とカバー7の間に中間空間8が形成され、そこに冷却液体ないし冷却流体のような冷却剤9が流れるように構成している。
【0023】
以下、非常に良好な熱伝導性を有する材料の冷却板を製造するための本発明に係る製造工程の順序を図2ないし図10を参照することにより、より詳細に説明する。
【0024】
図2は、底部に多数の形成用開口部20を有するツールWの部分的断面図を概略的に示している。
周縁部Uに隣接する形成用開口部20の少なくとも何個かはエジェクタ装置21により閉じられている。
ツールWに距離をあけて概略的に示されたものは、フラットな素材ブランクの形態とされたワークピースWSであり、原料部品10ないしインサート部品である。
図2において、このワークピースWSは、均一又は同一の材料厚さを有している。
【0025】
図3からわかるように、ワークピースWSないしフラットな素材ブランク10ないしインサート部品は、ツールWの底部に置いて装入され、全周にわたりツールWの中に囲い込まれる。
これが第1ステージにおける成形プロセスのための最初の状態である。
【0026】
図4は、第1ステージにおける成形プロセスのために使用されるパンチアセンブリの概略的な部分断面図を示しており、符号22で一般的に示している。
このパンチアセンブリ22は、少なくとも1つのアウターパンチないし周縁部パンチ23と、インナーパンチないしピンパンチ24を有している。
図5に矢印で示すように、パンチアセンブリ22は、フラットな素材ブランク10の上に移動され、インナーパンチ24のプレスを介してピン形成用開口部20と協働することにより、第1ステージにおけるピン4を形成し、このときワークピースWSないし10は、アウターパンチ23により押下げ保持されている。
【0027】
図6と併せて図5から明らかなように、第1プロセスステージないし第1フォーミングステージの結果により得られたコンポーネント30は、形成用開口部20と協働するインナーパンチ24により形成されたピン4の領域に、トラフ形状の凹部31を有する。
【0028】
第1プロセスステージの結果により得られたコンポーネント30から開始して、図6のコンポーネントは、ツールWにおける第2ステージの成形プロセスに供される。ピン4は、関連するピン形成用開口部20の中に突き出し、これにより、コンポーネント30がツールWに置かれる位置をセンタリングする。
【0029】
図7から明らかなように、コンポーネント30は、ツールWに装入され、ツールWの側面周囲の境界と、コンポーネント30の外周辺の間に、所定間隔Aが周方向に維持される。
【0030】
図面の図2ないし図10の全てからわかるように、エジェクタ装置21の複数部分が周縁部Uに隣接するピン形成用開口部20の少なくとも何個かを閉鎖することが好ましい。これにより、周縁部Uを形成するプレス工程の間、コンポーネント30の素材が形成用開口部20の中に移動することを効果的に防止することができる。
【0031】
図6ないし図9は、第2プロセスフォーミングステージを説明している。
【0032】
図8からわかるように、パンチアセンブリ22は、少なくとも、アウターパンチないし周縁部パンチ23と、インナーパンチないしピンパンチ24を有する。
図8及び図9のように、コンポーネント30をインナーパンチ24により押下げ保持した状態で、第2ステージにおいて、周縁部Uの領域がアウターパンチないし周縁部パンチ23により下向きプレスされ、形成されたピン4を有する領域と周縁部が面一になるように広げられ或いは融合ないし一体化される。
従って、ほぼ半径方向に延びるフラットな周縁部が得られ、これは必要であれば、シールと効果的に協働することができる。
【0033】
第2ステージにおける加工の後、冷却板3が得られる。冷却板3は、図10に概略的斜視図を示すように、有効面5に相互に極めて近接する複数のピン4を有している。周縁部Uは、複数のピン4を囲み、ピン4のフット領域と共通のベース領域を形成している。
【0034】
図11は、2つのピンの概略的拡大図を示しており、図2ないし図5と、図6ないし図10において、ピン形成用開口部20と協働するプレスを介してインナーパンチ24により形成されたものである。
図12は、校正(キャリブレーション)が行われた後のピン4’ を備えた冷却板3を示している。図11及び図12からわかるように、ピン4、4’ は、図5に示す第1ステージにおける成形により形成された後、わずかに外向きに湾曲した自由端12を有する。
図12に示す校正中に、これらの自由端12は、フラットにプレスされ、あるいは、カシメないし太径化(アップセット)される。
【0035】
最後に、ピン4の更なる実施形態の例示的形態を図13ないし図15に概略的に示している。
【0036】
図13は、円柱形のピン4’ を示している。
図14は、ピン4”の逆円錐形の形態とした例を示しているが、この逆円錐形の形態は、それぞれのピン4”の高さの約半分以上しか延びていない。
ピン4”の自由端から始まるこのような逆円錐形の形態では、自由端12から始まるピン4”の直径がフット領域の方向に向けて小さくなるように校正が実施される。
【0037】
ピン4"'のこのような逆円錐形の形態の例は、図15にも示されている。逆円錐形の形態は、ピン4"'のフット領域に延びている。
あるいは、ピン4は、全体として円錐形又は部分的に円錐形に形成することができる。
これは、それに応じた校正プロセスにより実現される。
その場合、ピン4の自由端12から始まり、ピン4の直径が自由端からフット領域の方向に向けて増大するように校正が実施される。
【0038】
本発明は、勿論、図示された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神から逸脱しなければ、必要に応じて、当業者が行う多数の変更及び修正が可能である。
特に、ピン4、4'、4"、4"'は、それぞれの適用分野に応じて、図示の例示的な実施形態と異なる校正による形態を有するものとしても良く、又は図11ないし図15に例示する形態の組み合わせを含むものとしても良い。
図示の例は、長方形の形状としたフラットな素材ブランク10に基づいているが、勿論、一般的な四辺形又は円い形状などで構成しても良く、正方形の素材ブランクを含むこともできる。
【0039】
フラットな素材ブランクは、好ましくは、圧延又はプレスされた材料、特に、圧延された銅により形成されるが、非常に良好な熱伝導性を有する材料であれば良い。
【符号の説明】
【0040】
1 冷却装置全体
2 冷却される部品
3 冷却板
4 ピン(図11
4' ピン(図12及び図13
4" ピン(図14)、
4"' ピン(図15
5 有効面
6 シール
7 カバー
8 中間空間
9 冷却剤
10 原料部品又はワークピースWSとしてのフラットな素材ブランク
12 ピン4の自由端
20 ピン形成用開口部
21 エジェクタ装置
22 パンチアセンブリ全体
23 アウターパンチ
24 インナーパンチ
30 第1ステージで成形されたコンポーネント
31 ピン4の領域におけるトラフ形の凹部
A 距離
U 周縁部
W ツール
WS ワークピース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】