(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】大口径アナモルフィックレンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/08 20060101AFI20220330BHJP
G02B 13/00 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
G02B13/08
G02B13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020526120
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(85)【翻訳文提出日】2020-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2019128519
(87)【国際公開番号】W WO2021103247
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201911186730.4
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519333424
【氏名又は名称】広東思▲るい▼光学股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】322002001
【氏名又は名称】中山市▲あ▼中光▲でん▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHONGSHAN AZU OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 4, The Third Industrial District, Wuguishan Town Zhongshan, Guangdong, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(74)【代理人】
【識別番号】100187089
【氏名又は名称】上野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウリン
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087LA28
2H087LA30
2H087PA02
2H087PA06
2H087PA07
2H087PA08
2H087PA16
2H087PA18
2H087PA19
2H087PA20
2H087PB03
2H087PB08
2H087PB09
2H087PB11
2H087PB12
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA17
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA32
2H087QA34
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA07
2H087RA32
(57)【要約】
大口径アナモルフィックレンズは、物体側から画像側への方向に配置された円柱状レンズを含む。円柱状レンズは、アナモルフィック群を含み、共に撮像群を形成する。アナモルフィック群は、画像側に対し物体側の方向に配置された第1のレンズ、第2のレンズ、および第3のレンズを含む。第1のレンズおよび第2のレンズは、負の光パワー円柱状レンズであってもよく、第3のレンズは正の光パワー円柱状レンズであり得る。アナモルフィック群内の円柱状レンズの光学特性により、鉛直光経路が変化しないまま、水平光の入射光が圧縮される。撮像群は、水平視野角が約33%増大し、アナモルフィック撮影に対して1.33倍の拡大を達成するように、光を包括的に補正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大口径アナモルフィックレンズであって、
円柱状レンズ含むアナモルフィック群および球状レンズを含む撮像群を含み、前記アナモルフィック群および前記撮像群が物体側から画像側に対して配置され、
前記アナモルフィック群は、前記物体側から前記画像側に、第1のレンズ(1)、第2のレンズ(2)、および第3のレンズ(3)を順に配置し、前記第1のレンズ(1)および前記第2のレンズ(2)は、負の光パワーを有する円柱状レンズを含み、前記第3のレンズ(3)は、正の光パワー円柱状レンズを含み、
前記撮像群が、前記画像側に向かって、光路の方向に沿った順序で第4のレンズ(4)から第Nのレンズを含み、Nは10以上の自然数であり、
前記撮像群のレンズが、
300<abs(f1-3/f4-N)、
30ミリメートル(mm)<f4-N<40mm、
1.20<f4-N/f1-3<1.50、の関係を満たす光パワー分布を含み、
式中、fはX方向において、レンズの焦点距離を含み、fの添字番号は、アナモルフィックレンズのn番目のレンズの数を表し、従って、f1は前記第1のレンズのX方向における焦点距離を含み、f1-Nは、N個のレンズの前記X方向における前記第1~前記第Nのレンズの組み合わされた焦点距離を含む、大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項2】
前記撮像群が、第4のレンズ(4)、第5のレンズ(5)、第6のレンズ(6)、前記第7のレンズ(7)、前記第8のレンズ(8)、前記第9のレンズ(9)、前記第10のレンズ(10)、前記第11のレンズ(11)、および前記第12のレンズ(12)を含む、請求項1に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項3】
前記アナモルフィック群を構成する前記レンズ、および前記撮像群を構成する前記レンズの前記光パワー分布が、以下の
-1.40<f2-3/f1<-1.25、
1.50<f4-7/f4-12<2.60、
0.60<f8-12/f4-12<0.80、
0.90<f10-12/f8-12<1.30、の関係を含み、
式中、fはX方向において、レンズの焦点距離を含み、fの添字番号は、前記アナモルフィックレンズの第12のレンズの数を表し、従って、f1は前記第1のレンズの前記X方向における前記焦点距離を含み、f1-12は12個のレンズの前記X方向における前記第1~前記第12の前記レンズの組み合わされた焦点距離を含む、請求項2に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項4】
前記第4のレンズ(4)、前記第7のレンズ(7)、前記第8のレンズ(8)、および前記第12のレンズ(12)は、負の光パワーを有する球状レンズを含み、前記第5のレンズ(5)、前記第6のレンズ(6)、前記第9のレンズ(9)、前記第10のレンズ(10)、前記第11のレンズ(11)は、正の光パワー球状レンズを含む、請求項3に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項5】
前記第2のレンズ(2)および前記第3のレンズ(3)が共に連結されるように構成される、請求項3に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項6】
前記第6のレンズ(6)および前記第7のレンズ(7)が共に連結されるように構成される、請求項2~5のいずれか一項に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項7】
前記第8のレンズ(8)および前記第9のレンズ(9)が、共に連結されるように構成される、請求項2~5のいずれか一項に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項8】
前記第11のレンズ(11)および前記第第12のレンズ(12)が、共に連結されるように構成される、請求項2~5のいずれか一項に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項9】
前記アナモルフィックレンズの長さが115mm未満であり、前記アナモルフィックレンズの最大外径が80mm未満である、請求項2に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項10】
前記アナモルフィックレンズが、35mmのY方向における焦点距離および1.8の口径を有する、請求項2~5のいずれか1項に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【請求項11】
前記アナモルフィックレンズの質量が700グラム(g)未満である、請求項2~5のいずれか一項に記載の大口径アナモルフィックレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にレンズ技術の分野に関し、特に35ミリメートル(mm)の焦点距離の半フレームの大口径アナモルフィックレンズに関連する。
【背景技術】
【0002】
ウェブテクノロジーの迅速な開発により、写真やビデオをとることは普通の消費者にとって不可欠な部品となった。近年、5Gおよびその他の技術を販促することで、Vlogなどのより多くのビデオ共有が使用されている。より多くの個人が、携帯電話、カメラ、その他のツールを使用したショートフィルムやマイクロ映画を撮る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、市場の携帯電話、タブレット、カメラおよびその他の装置の現在の正常な撮影スクリーン比は16:9であるが、シネマのワイドドスクリーンビデオ比は2.4:1である。従って、ユーザは、取り込まれた画像またはビデオを編集するために、手動で編集またはデジタルでクロッピングする方法をとる必要がある。しかし、クロッピングまたは編集中に画像のピクセルを犠牲にする。
【0004】
ドイツのHawk、英国のCooke、ドイツのARRI、米国のPanavision、フランスのAngenieuxおよび香港のSLRなど、一部のプロ用のアナモルフィックレンズブランドが、通常専門顧客向けに仕立てられている。これらのフィルム機器の価格は一般に、数千ドル以上またはそれ以上に高価であり、アナモルフィックレンズは数キログラムの重量である。
【0005】
高価で品質の高いプロ用のアナモルフィックレンズは、通常のユーザには適していない。従って、大口径アナモルフィックレンズのサイズを減少させ、レンズの重量を減少させる方法は、本発明の現在の実施形態で解決される技術的課題である。
【0006】
従って、本発明の実施形態は、品質は良好であるが、通常の消費者が買えないプロ用の大口径アナモルフィックレンズレンズにおいて欠点を技術的に解決すること試みる。本発明の態様は、以下の実施形態で技術的問題を解決する大口径アナモルフィックレンズを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
大口径アナモルフィックレンズは、画像側への物体側の配置における円柱状レンズ群を含み得る。円柱状レンズ群は、アナモルフィック群の円柱状レンズおよび球状レンズを有する撮像群を含み得る。アナモルフィック群は、第1のレンズ、第2のレンズおよび第3のレンズを、物体側から画像側への順序で含んでもよい。第1のレンズおよび第2のレンズは負の光パワー円柱状レンズであってもよく、第3のレンズは正の光パワー円柱状レンズであり得る。画像側に向かう光の方向における撮像群は、第4のレンズ~第Nのレンズを連続的順序で配置し得るが、Nは10以上の自然数である。
【0008】
アナモルフィック群を構成するレンズのパワー分布、および撮像群を構成するレンズは、下記の
300<abs(f1-3/f4-N)、
30mm<f4-N<1.50、
1.20<f4-N/f1-3<1.50、の関係を満たし得、
式中、fはX方向のレンズの焦点距離を表してもよく、fの添字番号はアナモルフィックレンズの12個のレンズの数を表す。例えば、f1は、第1のレンズのX方向における焦点距離としてもよく、f1-Nは、N個のレンズのX方向における、第1~第Nのレンズの組み合わされた焦点距離とし得る。
【0009】
さらに別の実施形態では、画像側に向かう光の方向における撮像群は、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ、第8のレンズ、第9のレンズ、第10のレンズ、第11のレンズ、および第12のレンズを配置し得る。
【0010】
こうした配置では、アナモルフィック群を構成するレンズ、および撮像群を構成するレンズのパワー分布は、以下の
-1.40<f2-3/f1<-1.25、
1.50<f4-7/f4-12<2.60、
0.60<f8-12/f4-12<0.80、
0.90<f10-12/f8-12<1.30、の関係を満たし得、
式中、fはX方向のレンズの焦点距離を表してもよく、fの添字番号はアナモルフィックレンズの12個のレンズの数を表す。例えば、f1は、第1のレンズのX方向における焦点距離としてもよく、f1-12は、12個のレンズのX方向における、第1~第12のレンズの組み合わされた焦点距離とし得る。
【0011】
一つの実施形態では、第4のレンズ、第7のレンズ、第8のレンズ、および第12のレンズは、負の光パワー球状レンズであり得る。別の実施形態では、第5のレンズ、第6のレンズ、第9のレンズ、および第10のレンズおよび第11のレンズは、両方とも正の光パワー球状レンズであり得る。
【0012】
さらなる実施形態では、第2のレンズおよび第3のレンズは共に連結され得る。
【0013】
さらなる実施形態では、第6のレンズおよび第7のレンズは共に連結され得る。
【0014】
さらなる実施形態では、第8のレンズおよび第9のレンズは共に連結され得る。
【0015】
さらなる実施形態では、第11のレンズおよび第12のレンズは、共に連結され得る。
【0016】
さらなる実施形態において、アナモルフィックレンズの長さは、115mm未満であってもよく、アナモルフィックレンズの大きな外径は80mm未満であり得る。
【0017】
さらなる実施形態において、アナモルフィックレンズのY方向における焦点距離は35mmであってもよく、口径はFストップ1.8であり得る。
【0018】
さらなる実施形態では、アナモルフィックレンズの質量は700g未満であり得る。
【0019】
本発明の技術的解決は、以下の利点を含み得る。
【0020】
1. 本発明の実施形態によって提供される大口径アナモルフィックレンズは、アナモルフィック群としての物体側から画像側へ配置される円柱状レンズ、および球状レンズを含む撮像群を含み得る。アナモルフィック群は、連続的な順序で配置される第1のレンズ、第2のレンズ、および第3のレンズを含んでもよく、第1のレンズおよび第2のレンズは負の光パワー円柱状レンズであってもよく、第3のレンズは正の光パワー円柱状レンズであり得る。
【0021】
鉛直方向から入射する光は変化しない一方で、水平方向に入射する光を「圧縮」するアナモルフィック群の円柱状レンズの光学特性を使用して、その後、撮像群は、そこを通過する光を包括的に補正することができる。こうした態様は、実際の撮影またはフィルムの分野の幅を増加させ得る、レンズの水平撮影に対する視野の角度を増加させてもよい。本発明の態様は、画像または膜の後処理または編集を必要としないので、ユーザが画像の編集の結果としてピクセルを犠牲にすることなく、ワイドドスクリーンビデオまたは写真の2.4:1の比率を得ることができる。同時に、アナモルフィック群が円柱状レンズ含んでもよいため、本発明の実施形態のアナモルフィックレンズは、アナモルフィック機能に加えて楕円形の焦点外フレア、仮想ラインフレアおよび他の光学特性をさらに含んでもよい。
【0022】
2. 本発明の実施形態によって提供される大口径アナモルフィックレンズは、アナモルフィック群内のレンズおよび撮像群内のレンズのパワー分布関係:
300<abs(f1-3/f4-12)、30mm<f4-12<40mm、1.20<f4-12/f1-12<1.50、-1.40<f2-3/f1<-1.30、1.50<f4-7/f4-12<2.60、0.60<f8-12/f4-12<0.80、0.90<f10-12/f8-12<1.30、を含み得、
式中、fはX方向のレンズの焦点距離を表してもよく、fの添字番号はアナモルフィックレンズの12個のレンズの数を表す。例えば、f1は、第1のレンズのX方向における焦点距離としてもよく、f1-12は、12個のレンズのX方向における、第1~第12のレンズの組み合わされた焦点距離とし得る。
【0023】
本発明の実施形態は、35mm、f値1.8半フレームレンズの視野を水平方向に33%だけ増加させることができ、一方で鉛直視野は同じままであってもよく、それによって大口径を有する35mmのアナモルフィックレンズが小さくなる。
【0024】
本発明の特定な実施形態または先行技術の技術的解決をより明瞭に説明するために、実施形態または従来技術の説明の使用に必要な図面を以下に簡単に導入する。明らかに、以下の図面は本発明の一部の実施形態である。当業者であれば、必要以上の創造的労働を伴うことなく、これらの図面に基づいてその他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるX方向の光学構造図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態によるY方向の光学構造図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態によるX方向の光学構造図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態によるY方向の光学構造図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態によるX方向の光学構造図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態によるY方向の光学構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の技術的な解決は、添付図面を参照しながら以下で明確かつ完全に説明し得る。明らかに、記述された実施形態は本発明の一部であり得るが、それら全てではない。本発明の実施形態に基づき、創造的な努力を伴わない当業者によって得られるその他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲内に収まるものとする。
【0027】
本発明の説明において、用語「中央」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内側」、「外側」、等は、向きまたは位置関係を示すことを意図しており、それらは、図面に示されている向きまたは位置関係に基づいていてもよい。そして、本発明および簡略化された説明を説明する便宜のためだけであり得る。また、言及されるデバイスまたは要素は、本発明を限定するものとして解釈されないため、特定の向き、特定の構造および動作を有さなければならないことを示したり示唆したりするものではない。さらに、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、説明目的のみに使用されてもよく、相対的重要性を示すまたは暗示すると解釈されるべきではない。
【0028】
本発明の実施形態の説明では、「据付け」、「接続された」、および「接続された」という用語は、別段の指定がない限り、また限定されない限り、広い意味で理解されるべきである。例えば、それらは固定された接続または取り外し可能に、接続または統合されてもよく、機械的または電気的であってもよく、直接接続されてもよく、または中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、または二つの要素の内部通信であり得る。当業者であれば、本発明の実施形態の上記の用語の特定の意味は、ケースバイケースで理解され得る。
【0029】
さらに、以下に記述した本発明の異なる実施形態に関与する技術的特徴は、共に矛盾しない限り、共に組み合わせられてもよい。
【0030】
(第1の実施形態)
図1および
図2に示すように、一つの実施形態は、大口径を有する35mmの焦点距離のアナモルフィックレンズを含み得る。一つの実施形態では、下記のレンズは透明レンズであり得る。アナモルフィックレンズは、第1のレンズ1、第2のレンズ2、第3のレンズ3、第4のレンズ4、第5のレンズ5、第6のレンズ6、第7のレンズ7、第8のレンズ8、第9のレンズ9、第10のレンズ10、第11のレンズ11および第12のレンズ12を含み得る、物体側から画像側までの光路に沿って配置された12個のレンズを含み得る。
【0031】
一つの実施形態では、第1のレンズ1、第2のレンズ2、および第3のレンズ3は、円柱状レンズであり得る。第2のレンズ2および第3のレンズ3は共に連結され得る。第1のレンズ1とともに、アナモルフィック群13を形成する。第4のレンズ4、第5のレンズ5、第6のレンズ6、第7のレンズ7、第8のレンズ8、第9のレンズ9、第10のレンズ10、第11のレンズ11、および第12のレンズ12は、撮像群14を形成し得る。
【0032】
一つの実施形態では、第1のレンズ1は負の光パワー円柱状レンズであってもよく、第2のレンズ2は負の円柱状レンズであってもよく、第3のレンズ3は正の光パワー円柱状レンズあり得る。
【0033】
さらなる実施形態では、第4のレンズ4、第5のレンズ5、第6のレンズ6、第7のレンズ7、第8のレンズ8、第9のレンズ9、第10のレンズ10、第11のレンズ11、および第12のレンズ12は、球状レンズであり得る。一つの実施形態では、第4のレンズ4、第7のレンズ7、第8のレンズ8、および第12のレンズ12は、全ての負の光パワー球状レンズであり得る。別の実施形態では、第5のレンズ5、第6のレンズ6、第9のレンズ9、第10のレンズ10、および第11のレンズ11は、全て正の焦点度の球状レンズであり得る。さらに別の実施形態では、第6のレンズ6および第7のレンズ7は共に連結されてもよく、第8のレンズ8および第9のレンズ9は共に連結されてもよく、第11のレンズ11と第12のレンズ12は共に連結され得る。
【0034】
一つの実施形態では、共に連結され得るレンズは、ユニットとして考慮され得る。この実施形態では、第2のレンズ2および第3のレンズ3は共に連結されてもよく、第6のレンズ6および第7のレンズ7は共に連結されてもよく、第8のレンズ8および第9のレンズ9は共に連結されてもよく、第11のレンズ11と第12のレンズ12は共に連結され得る。従って、こうした実施形態では、アナモルフィックレンズは12個のレンズおよび8つの群から構成され得る。
【0035】
さらなる実施形態では、第2のレンズ2と第3のレンズ3、第6のレンズ6と第7のレンズ7、第8のレンズ8と第9のレンズ9、第11のレンズ11と第12のレンズ12の組み合わせは特定の制限はない。例えば、この実施形態では、連結方法は接合を介し得る。代替的実施形態として、本発明の実施形態と区別するために、本発明の精神および範囲に基づいて、上述の組み合わせ方法は、ラミネーション、接着、統合成形等により修正することができる。そのような接合後、複合体または組み合わされたレンズの形状は、上記の実施例に従って適切に調整され得る。従って、これらの代替的アプローチはまた、本発明の範囲および趣旨内であり得る。
【0036】
一つの実施形態では、各レンズの実際のパラメータの特定の数値は特に制限されない。この実施形態では、各レンズまたはレンズ群のパワーは、以下の
300<abs(f1-3/f4-12)、
30mm<f4-12<40mm、
1.20<f4-12/f1-12<1.50、
-1.40<f2-3/f1<-1.30、
1.50<f4-7/f4-12<2.60、
0.60<f8-12/f4-12<0.80、
0.90<f10-12/f8-12<1.30、の数学的関係を満たし得、
式中、fはX方向(例えば、水平方向)のレンズの焦点距離を表してもよくfの添字番号は12個のアナモルフィックレンズの数を表す。例えば、f1は、第1のレンズのX方向における焦点距離としてもよく、f1-12は、12個のレンズのX方向における、第1~第12のレンズの組み合わされた焦点距離とし得る。
【0037】
以下の表は、上記の数学的関係を満たすこの実施形態の各レンズの実際のパラメータであり得る。
【0038】
【0039】
一つの態様では、第1~第3のレンズは、円柱状レンズであり、第4~第12のレンズは、球状レンズである。
【0040】
一つの態様では、本発明のアナモルフィックレンズを適用する前に、焦点距離として、Fストップ1.8を有する所与の35mmレンズの視野は、V(鉛直)25.42度、H(水平)37.39度である。
【0041】
本発明の実施形態のアナモルフィックレンズを適用した後、焦点距離として、Fストップ1.8の所与の35mmレンズの視野は、V(鉛直)25.42度、H(水平)49.85度である。
【0042】
横方向に対するコントラスト視野試験の視界の角度は鉛直方向において変わらず、水平方向の比較の視野角変形は、49.85/37.39=1.333である。
【0043】
このような実施形態では、実際の幅比は2.35~2.40の範囲であるため、アナモルフィック比は1.33である。例えば、水平視野角は33%増加し、その結果、1.33倍のアナモルフィック撮影が達成され得る。
【0044】
本発明の実施形態によると、本発明の態様によるアナモルフィックレンズが製造される時、アナモルフィックレンズ自体の長さは、最大外径が80mm未満、および質量700g未満で115mm未満である。こうした寸法は、同様のタイプの写真カメラの交換可能なレンズよりもはるかに小さく、同時に、市場における同じ仕様のプロ用のシネマアナモルフィックレンズよりもはるかに小さい。
【0045】
さらなる実施形態では、レンズに使用される材料に対する制限はない。例えば、本発明の実施形態は、レンズ用の光グレードのガラスを使用し得る。
【0046】
さらに、本出願のレンズは、パーソナライズされたカスタム化および普遍的使用を達成するために、実際の使用の仕様に従って市場におけるさまざまなブランドのカメラの差し込みピンと互換性があるよう設計され得る。
【0047】
(第2の実施形態)
図3および
図4に示すように、本発明の実施形態は、35mmの焦点距離の半フレームの大口径アナモルフィックレンズを提供し得る。一つの実施例では、実施例2は、第11のレンズおよび第12のレンズの組み合わされたレンズが球状レンズによって置き換えられ得るという点で実施例1とは異なる。
【0048】
(第3の実施形態)
図5および6に示されるように、本発明の実施形態は、35mmの焦点距離の半フレームの大口径アナモルフィックレンズを提供し得る。一つの実施例では、実施例3は、負の光パワー第4のレンズ4が正の光パワー球状レンズと置き換えられ得るという点で実施例1とは異なる。
【0049】
明らかに、前述の実施形態は、単に明確な説明であり、限定的なものではないという単なる例であり得る。当業者であれば、上記の説明の基礎に基づいて、他の異なる形態の変更または修正を行うことができる。明白な変更または修正の一部が、以下に示すように、含まれ得る。
【0050】
一つの実施形態において、実施例1に基づいて、連結された第6のレンズ6および第7のレンズ7は、二つの独立したレンズに分けられ得る。
【0051】
一つの実施形態において、実施例2に基づいて、第4のレンズ4および第5のレンズ5は、一つのレンズに連結または組み合わせられ得る。
【0052】
一つの実施形態において、実施例1に基づいて、連結された第8のレンズ8および第9のレンズ9は、二つの独立したレンズに分けられ得る。
【0053】
一つの実施形態および実施例1および実施例2に基づいて、連結されたおよび第11のレンズ11および第12のレンズ12は、一つのレンズに組み合わせられ得る。
【0054】
一つの実施形態では、実施例1および実施例2に基づいて、分割レンズ群の光パワーが元の光パワー範囲内にある限り、第5のレンズ5および第11のレンズ10は、二つ以上のレンズに簡単に分割され得る。上記の実施例に基づくその他の修正は、本発明の範囲内であり得る。
【0055】
全ての実施に対しては必要ではなく、網羅することはできない。しかしながら、それによって導入された明白な変更または変形は、本発明によって作成された保護範囲内になる。
【符号の説明】
【0056】
1-第1のレンズ、2-第2のレンズ、3-第3のレンズ、4-第4のレンズ、5-第5のレンズ、6-第6のレンズ、7-第7のレンズ、8-第8のレンズ、9-第9のレンズ、10-第10のレンズ、11-第11のレンズ、12-第12のレンズ、13-アナモルフィック群、14-撮像群
【国際調査報告】