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特表2022-521154鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 2/00 20060101AFI20220330BHJP
   C23C 2/40 20060101ALI20220330BHJP
   C23C 2/06 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
C23C2/00
C23C2/40
C23C2/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546008
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(85)【翻訳文提出日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 KR2020005773
(87)【国際公開番号】W WO2020226364
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】10-2019-0052488
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521348155
【氏名又は名称】ステップ エンジニアリング カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】STEP ENGINEERING CO., LTD
【住所又は居所原語表記】583, Baegun 1-ro, Jinwol-myeon, Gwangyang-si, Jeollanam-do 57712 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ムン, ビョン ウォン
【テーマコード(参考)】
4K027
【Fターム(参考)】
4K027AA05
4K027AA22
4K027AB42
4K027AD08
4K027AE04
(57)【要約】
【課題】スノックル部内の異物が鋼板表面に付着することを防止し、亜鉛めっき品質を向上させる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置を提供する。
【解決手段】端部が溶融亜鉛めっき槽の浴面に浸漬され、該めっき槽に入れられる鋼板を包んで酸化を防止するスノーケル部と、スノーケル部の端部から鋼板と所定の間隔で離隔するように包み、溶融亜鉛めっき液を内周側に越流させてスノーケル部内の浴面に落下した異物が鋼板に付着しないようにするダム形成部を有するダムユニットを含むスナウトと、スノーケル部に設けられてダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液を前記めっき槽内の浴面側にポンピングしてダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液に含まれた異物が該めっき槽内の溶融亜鉛めっき液に混入されて溶融亜鉛めっき液を再び汚染させたり、スノーケル部の内部に再び流れ込まれることを防止する溶融亜鉛排出ユニットと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部が溶融亜鉛めっき槽の浴面に浸漬され、溶融亜鉛めっき槽に入れられる鋼板を包んで酸化を防止するためのスノーケル部と、前記スノーケル部の端部から前記鋼板と所定の間隔で離隔するように包み溶融亜鉛めっき槽内の溶融亜鉛めっき液がスノーケル部の内周面側に越流するようにして、スノーケル部内の浴面に落下した異物が鋼板に付着できないようにするダム形成部を有するダムユニットを含むスナウトと、
前記スノーケル部に設けられて前記ダムユニットのダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の外側の溶融亜鉛めっき槽内の浴面側にポンピングしてダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液に含まれた異物が前記溶融亜鉛めっき槽内の溶融亜鉛めっき液に混入されて溶融亜鉛めっき液を再び汚染させたり、スノーケル部の内部に再び流れ込まれることを防止する溶融亜鉛排出ユニットとを備えることを特徴とする鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項2】
前記溶融亜鉛排出ユニットは、前記スノーケル部に設けられてダムユニットのダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液が溜められた貯蔵槽と連結される少なくとも一つの排出連結部と、該排出連結部と連結され上部が開放され下面が密閉されたハウジング部材と、該ハウジング部材の上側に設けられる保持ブラケットと、該保持ブラケットに設けられる駆動部と、該駆動部の駆動軸と連結されて前記ハウジングの内部に延びる回転軸と、該回転軸に設けられて前記排出管部を介してハウジングの内部に流れ込まれた溶融亜鉛めっき液を前記ハウジング部材の開放部を介して溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出するインペラーを含めてポンピングユニットが備えられることを特徴とする請求項1に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項3】
前記ハウジングの下面に、溶融亜鉛排出ユニットの修理時ハウジングと排出管部及びスノケール部の内部に残存する溶融亜鉛めっき液を排出するための溶融亜鉛排出孔が形成されることを特徴とする請求項2に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項4】
前記ハウジングの開放された上端部とインペラーを回転させるための駆動部との間が、異物の含まれた溶融亜鉛めっき液を排出できるように開放されることを特徴とする請求項1に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項5】
前記駆動部と該駆動部により回転する回転軸とインペラーが前記保持ブラケットに設けられた昇降ユニットにより昇降可能に設けられることを特徴とする請求項2に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項6】
前記保持ブラケットまたは駆動部に設けられてハウジング部材の開放部を介して回転軸の酸化防止と回転軸の冷却及び回転軸に異物が付着することを防止するための不活性ガス噴射ユニットがさらに備えられることを特徴とする請求項2に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項7】
前記ハウジング部材の開放された上端側にはハウジング部材の開放された軸を介して吐き出される溶融亜鉛めっき液を一定の方向に流れうるように誘導するためのめっき液誘導部がさらに備えられることを特徴とする請求項2に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項8】
前記溶融亜鉛排出ユニットは、前記スノーケル部に設けられて前記ダム部材を越流した溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の内部から排出するための少なくとも一つの排出連結部と、該排出連結部と連結されるものであって下面が密閉されたハウジング部材と、
前記ハウジング部材の上側に設けられる保持ブラケットと、該保持ブラケットに設けられる駆動部と、該駆動部の駆動軸と連結されて前記ハウジング部材の内部に延びる回転軸と、該回転軸に設けられて前記排出連結部を介してハウジング部材の内部に流れ込んだ溶融亜鉛めっき液をポンピングするためのインペラーを含むポンピングユニットを備え、
前記ハウジング部材と連結されて前記スノーケル部内の溶融亜鉛めっき液を溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出するための溶融亜鉛排出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項9】
端部が溶融亜鉛めっき槽の浴面に浸漬されて溶融亜鉛めっき槽に入れられる鋼板を包んで酸化を防止するためのスノーケル部と、
前記スノーケル部に対して昇降可能に設けられ、スノーケル部により包まれた鋼板と所定の間隔で離隔されて鋼板部位の溶融亜鉛めっき液が流れ込めるめっき液流入ダンパ部を有するタンク部と、該タンク部に設けられてタンク部に流入された溶融亜鉛を溶融亜鉛めっき槽内の浴面側にポンピングして異物の含まれたタンク部内の溶融亜鉛めっき液を溶融亜鉛めっき槽内の浴面側に排出することによってスノーケル部の内部に異物が流れ込まれることを防止する溶融亜鉛排出ユニットと、
前記スノーケル部に設けられて溶融亜鉛排出ユニットとタンク部を昇降させるための昇降ユニットとを備えることを特徴とする鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項10】
前記溶融亜鉛排出ユニットは、前記タンク部に設けられて前記タンク部に流入された溶融亜鉛を排出するための少なくとも一つの排出連結部と、該排出連結部と連結されるものであって上部が開放され下面が密閉されたハウジング部材と、該ハウジング部材の上側に設けられる保持ブラケットと、該保持ブラケットに設けられる駆動部と、該駆動部の駆動軸と連結されて前記ハウジングの内部に延びる回転軸と、該回転軸に設けられて前記排出連結部を介してハウジング部材の内部に流れ込まれた溶融亜鉛めっき液を前記ハウジング部材の開放部を介して溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出するインペラーを有するポンピングユニットを含んでなされることを特徴とする請求項9に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【請求項11】
前記ハウジングの下面に、溶融亜鉛排出ユニットの修理時ハウジングと排出管部とハウジング及び流入タンク部の内部に残存する溶融亜鉛を排出するための溶融亜鉛排出孔が形成されることを特徴とする請求項10に記載の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴面の異物除去装置に係り、さらに詳しくはスノックル部内の異物が亜鉛めっきされる鋼板の表面に付着されることを防止して、鋼板の亜鉛めっき品質を向上させることのできる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性に優れていることから一般の建築資材を始め、厳しい品質管理が必要な自動車用外板材までその使用範囲が広がりつつある。特に、近年使用量の増大が顕著な自動車用外板材の場合、耐食性は勿論のこと、表面特性も極めて重要になってきているため、厳しい表面品質管理が求められる。
【0003】
一方、冷間圧延されたコイルのめっき鋼板がペイオフリール(図示せず)と溶接機(図示せず)を介して連続通板しつつ、残留応力を除去するように加熱炉(焼鈍炉)で熱処理され、加熱されためっき鋼板は亜鉛めっきに適切な温度に保たれる状態で、めっき液、すなわち溶融亜鉛の充填されためっき槽に入れられる。
【0004】
溶融亜鉛めっき槽の温度は略460℃に保つようになるが、亜鉛の融点が420℃であって溶融亜鉛めっき槽内において亜鉛は常に溶融状態に存するので、上部に亜鉛ヒュームが蒸発しつつある。
【0005】
溶融亜鉛めっきのために鋼板はスナウト内を介して溶融亜鉛めっき槽内に連続的に供給されてシンクロールを周回しながら亜鉛めっきが施された後、エアナイフによりめっき量が制御されたり、めっき層の合金化のために前記エアナイフから離れた位置に存する合金化炉に進んで合金化熱処理が施される。そして、連続してエア冷却台で冷却されてトップロールに向かって進む過程を経るようになる。
【0006】
かかる過程においてスナウト内で測定した亜鉛蒸発量は1時間当たり1-2klほどであって、かなり多量の蒸発が起こることと知られている。かかる亜鉛蒸発物であるアッシュ(ash、以下'異物'と称する)はスナウトの上部まで拡散することによってスナウト内に付着され、自重によりスナウト内の浴面に向かって落下する。
【0007】
浴面に落下したアッシュ、すなわち異物は浮遊しつつめっきされる鋼板の表面に付着したり、鋼板の進む方向に間欠的または連続的な帯を形成するようになる。これは鋼板の亜鉛めっきの品質低下を招く問題につながる。
【0008】
韓国特許公開第2013-0044972号には鋼板めっきラインのスナウト装置が開示されている。このスナウト装置は加熱炉とめっき液の充填されためっき槽との間に連なり、内部にめっき鋼板が通過するスナウト本体と、該スナウト本体の端部に回転自在に設けられ、外面は前記スナウト本体の外側に配され、中立状態で前記めっき液の表面より高く形成されるダム装置と、を含む。
【0009】
そして、韓国特許第1070080号には鋼板めっきラインのスナウト装置が開示されており、韓国特許第1806078号にはスナウトのメタルポンプが開示されており、韓国特許第1842168号には亜鉛めっきライン用ドロス除去装置が開示されている。
前述したように構成された従来の浴面の異物除去装置は、めっき槽の内部を通過しつつめっきが施された亜鉛鋼板の表面へのアッシュなどの異物の付着を防ぐ構造を有しているが、スナウト内の浴面の異物を排出することはできない。
【0010】
本願の発明者は、以上の点に鑑み、スナウト内の浴面の異物除去装置を出願して韓国特許第0831061号として登録を受けた。
【0011】
そして、韓国特許第10-1353197号には鋼板めっきラインのスナウト装置が開示されている。この発明のスナウト装置は加熱炉とめっき液の充填されためっき槽との間に連なり、内部にめっき鋼板が通過するスナウト本体と、該スナウト本体のめっき槽側の端部にめっき鋼板を基準にして両側にスナウト本体と独立して設けられた第1ダム装置及び第2ダム装置、及びスナウト本体の外側の前記第1ダム装置及び第2ダム装置と隣接した位置に移動自在に設けられたメタルポンプを含む構成を有する。
【0012】
かかるメタルポンプはスナウト本体の内部のめっき液をめっき槽の内部にポンピングする構造であることから、異物がメッキ液のスナウト本体の内部に再び流れ込む問題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国特許公開第2013-0044972号
【特許文献2】韓国特許第1070080号
【特許文献3】韓国特許第1806078号
【特許文献4】韓国特許第10-1353197号
【特許文献5】韓国特許第0831061号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、本発明の目的とするところは、鋼板溶融亜鉛めっき工程におけるスナウト(snout)内の浴面に浮遊したアッシュなどの異物がスナウト内から鋼板へ移動することを防止できる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、鋼板の表面に亜鉛めっきが施される過程において、異物が溶融亜鉛めっき液の内部で循環しつつ鋼板のめっき層の表面に付着することを防止できる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述したような従来の問題を解決するために、本発明の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置は、端部が溶融亜鉛めっき槽の浴面に浸漬されて溶融亜鉛めっき槽に入れられる鋼板を包んで酸化を防止するためのスノーケル部と、該スノーケル部の端部から前記鋼板と所定の間隔で離隔するように包み溶融亜鉛めっき槽内の溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の内周側に越流させてスノーケル部内の浴面に落下した異物が鋼板に付着できなくするダム形成部を有するダムユニットを含むスナウトと、
【0017】
前記スノーケル部に設けられて前記ダムユニットのダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の外部の溶融亜鉛めっき槽内の浴面側にポンピングしてダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液に含まれた異物が前記溶融亜鉛めっき槽内の溶融亜鉛めっき液の内部に流れ込んで溶融亜鉛めっき液を再び汚染させたり、スノーケル部の内部に再び流れ込むことを防止する溶融亜鉛排出ユニットとを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記溶融亜鉛排出ユニットは、前記スノーケル部に設けられてダムユニットのダム形成部を越流した溶融亜鉛めっき液が溜められた貯蔵槽と連なる少なくとも一つの排出連結部と、該排出連結部と連なり上部が開放され下面が密閉された構造のハウジング部材と、該前記ハウジング部材の上部側に設けられる保持ブラケットと、該保持ブラケットに設けられる駆動部と、該駆動部の駆動軸と連なって前記ハウジングの内部に延びる回転軸と、該回転軸に設けられて前記排出管部を介してハウジングの内部に流れ込んだ溶融亜鉛めっき液を前記ハウジング部材の開放部を介して溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出するインペラーを含めてポンピングユニットを備える。
【0019】
前記ハウジングの下面に、溶融亜鉛排出ユニットの修理時ハウジングと排出管部及びスノーケル部の内部に残存する溶融亜鉛を排出するための溶融亜鉛排出穴が形成される。
【0020】
前記駆動部と該駆動部により回転する回転軸が前記保持ブラケットに設けられた昇降ユニットにより昇降可能に設けられる。
【0021】
前記溶融亜鉛排出ユニットは、前記スノーケル部に設けられて前記ダム部材を越流した溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の内部から排出するための少なくとも一つの排出連結部と、該排出連結部と連なるものであって、下面が密閉されたハウジング部材と、
前記ハウジング部材の上側に設けられる保持ブラケットと、該保持ブラケットに設けられる駆動部と、該駆動部の駆動軸と連なって前記ハウジング部材の内部に延びる回転軸と、該回転軸に設けられて前記排出連結部を介してハウジング部材の内部に流れ込んだ溶融亜鉛めっき液をポンピングするためのインペラーを含むポンピングユニットを備え、
前記ハウジング部材と連なって前記スノーケル部内の溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の外部の溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出するための溶融亜鉛排出部をさらに備える。
【0022】
また、前述した目的を達成するための本発明の鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置は、端部が溶融亜鉛めっき槽の浴面に浸漬されて溶融亜鉛めっき槽に入れられる鋼板を包んで酸化を防止するためのスノーケル部と、
前記スノーケル部に対して昇降可能に設けられ、スノーケル部により包まれた鋼板と所定の間隔で離隔して鋼板部位の溶融亜鉛めっき液が流入できるめっき液流入ダンパ部を有するタンク部と、該タンク部に設けられてタンク部に流入された溶融亜鉛を溶融亜鉛めっき槽内の浴面側にポンピングして異物の含まれたタンク部内の溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の外部の溶融亜鉛めっき槽内の浴面側に排出することによって、異物が前記溶融亜鉛めっき槽内の溶融亜鉛めっき液の内部に流れ込んで溶融亜鉛めっき液を再び汚染させたり、スノーケル部の内部への異物の流れ込みを防止する溶融亜鉛排出ユニットと、前記スノーケル部に設けられて溶融亜鉛排出ユニットとタンク部を昇降させるための昇降ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置によれば、スノーケル部に流入される溶融亜鉛めっき液及び異物をスノーケル部の外部の浴面の上側に排出させて、異物を溶融亜鉛めっき槽内の浴面上に浮遊させることによって、溶融亜鉛めっき槽の溶融亜鉛めっき液の内部が異物により再び汚染されることを防止することができる。
【0024】
また、本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置は、溶融亜鉛めっき槽に排出された異物が再びスナウトの内部に流れ込むことを防止することによって鋼板の亜鉛めっきの品質を向上させることができ、高比重の溶融亜鉛めっき液を上部に押し上げて排出させる構造を適用して駆動モータの負荷を軽減できる長所がある。
【0025】
また、本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置は貯蔵槽内の溶融亜鉛めっき液及び異物をピンピングするための回転軸と溶融亜鉛めっき槽内の溶融亜鉛めっき液が接触する箇所に不活性気体を噴射することによって、回転軸と溶融亜鉛めっき液とが会う境界において回転軸が空気に触れて酸化することを防止できる。また、インペラーを回転させる回転軸にアッシュ、ドロスのような異物が付着することを防止でき、該回転軸側に不活性ガスを噴射することによって回転軸を冷却させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置を示した側断面図である。
図2図2は、図1に示された鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置の断面図である。
図3図3は、溶融亜鉛取出ユニットの他の実施形態を示した第1の一部切除断面図である。
図4図4は、溶融亜鉛取出ユニットの他の実施形態を示した第2の一部切除断面図である。
図5図5は、溶融亜鉛取出ユニットの他の実施形態を示した第3の一部切除断面図である。
図6図6は、溶融亜鉛取出ユニットの他の実施形態を示した第4の一部切除断面図である。
図7図7は、溶融亜鉛取出ユニットの他の実施形態を示した第5の一部切除断面図である。
図8図8は、溶融亜鉛取出ユニットの他の実施形態を示した第6の一部切除断面図である。
図9図9は、本発明にかかる溶融亜鉛取出ユニットの他の実施形態を示した斜視図である。
図10図10は、本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置の斜視図である。
図11図11は、図10に示された鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置の断面図である。
図12図12は、排出ユニットの他の実施形態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置の実施形態を図1ないし図5に示した。
【0029】
図面を参照すれば、本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置10は、溶融亜鉛めっき槽150に設けられて高温で熱処理された鋼板200が大気に露出されることによる表面酸化を防止する。また、溶融亜鉛めっき液の蒸気が凝縮して形成されたアッシュが鋼板200の表面に異物として付着されて表面欠陥が発生することを防止するための構造を有する。
【0030】
かかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置10は、端部が溶融亜鉛めっき槽150の浴面1に浸漬されて溶融亜鉛めっき槽150に入れられる鋼板200を包んで酸化を防止するためのスナウト40を備える。該スナウト40をなすものであって、スナウトの下側には溶融亜鉛めっき槽150にその下端部が浸漬されるスノーケル部20を備える。前記スノーケル部20はその下端部からスノーケル部20を通過する鋼板200の外周面と隣接するように内側上方に延びて前記スノーケル部20内の浴面に落下した異物が鋼板に付着できないようにするダムユニット30を含む。
【0031】
そして、前記スノーケル部20に設けられて前記ダムユニット30のダム形成部32を越流した溶融亜鉛めっき液を溶融亜鉛めっき槽100内の浴面1側にポンピングして、これに含まれた異物が前記溶融亜鉛めっき槽150内の溶融亜鉛めっき液2に流れ込むことによって溶融亜鉛めっき液を再び汚染させたり、スノーケル部20内に再び流入されることを防止する溶融亜鉛排出ユニット50を備える。
【0032】
前述したように構成された本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置10を構成要素別に詳述すれば、次の通りである。
【0033】
前記スナウト40をなすスノーケル部20は、熱処理炉(図示せず)と前記溶融亜鉛めっき槽150との間の溶融亜鉛めっき槽150側に設けられて熱処理のために加熱された鋼板200が空気に触れて酸化することを防止できるようにローラによってガイドされ、溶融亜鉛めっき槽150に入れられる鋼板200を包む構造を有する。
【0034】
前記スナウト40は四角管の角形よりなる単位部材とスノーケル部20とが結合されてなしうる。そして、前記スナウト40は端部のスノーケル部20の一部が溶融亜鉛めっき槽20に浸漬されたり引き上げられるように回動させる別のアクチュエータ(図示せず)がさらに備えられる。
【0035】
前記ダムユニット30はスノーケル部20と一体に形成されたり別に製作されて結合できる。該ダムユニット30は、図1及び図2に示したように、スノーケル部20の内部、すなわちスノーケル部20の内部空間を介して溶融亜鉛めっき槽150に入れられた鋼板が通過する鋼板流入口31を形成するダム形成部32と、該ダム形成部32の下端部とスノーケル部20の下端部とを連結して前記鋼板流入口31を介して越流した溶融亜鉛の貯蔵槽34を形成するチャンバ形成部33を備える。
【0036】
前記ダムユニット30のダム形成部32の上端部は前記スノーケル部20が溶融亜鉛めっき槽150に浸漬された状態でスノーケル部20内の浴面1その高さが一致したり相対的に低い位置に置かれる。従って、溶融亜鉛めっき槽150内の溶融された溶融亜鉛めっき液2が鋼板200が通過する鋼板流入口31を介して流れ込まれてダム形成部32を越流して、前記チャンバ形成部33により形成された貯蔵槽34に溜められる。
【0037】
前記ダムユニット30は、前述した実施例に限らず、前記スノーケル部20内のアッシュを含む浮遊物または異物が前記鋼板流入口31を通過する鋼板200の表面に付着しないように、鋼板流入口31を通過する溶融亜鉛がめっきされる鋼板200の表面から遠ざかる方向に流動できるようにする構造であれば可能である。
【0038】
そして、前記溶融亜鉛排出ユニット50は、前記ダムユニット30のダム形成部32を越流してチャンバ形成部33により形成される貯蔵槽34に溜められた溶融亜鉛めっき液をスノーケル部20の外部の前記溶融亜鉛めっき槽150の浴面側に排出して、溶融亜鉛めっき槽150内の溶融亜鉛めっき液2が引き続き前記鋼板流入口31を介して流れ込めるようにする。
【0039】
かかる溶融亜鉛排出ユニット50は、前記スノーケル部20に設けられて前記ダムユニット30のダム形成部32を越流して貯蔵槽34に溜められた溶融亜鉛を排出するための少なくとも一つの排出連結部を備える。
【0040】
前記排出連結部51は前記スノーケル部20の側面に設けられて前記貯蔵槽34と連通するように設けられるが、これに限らず、図3に示したように前記貯蔵槽34と連通できるようにチャンバ形成部33の下面と連結することもできる。
【0041】
そして、前記排出連結部51の出口側はポンピングユニット60と連結されて貯蔵槽内の溶融亜鉛めっき液をスノーケル部の外部の溶融亜鉛めっき槽100の浴面側に排出する。これは、排出された溶融亜鉛に含まれた異物が溶融亜鉛めっき槽150内の溶融亜鉛と混合されて溶融亜鉛めっき液を再び汚染させたり、再び鋼板流入口31を介して貯蔵槽34に流入されないようにするためである。
【0042】
かかるポンピングユニット60は、スノーケル部20に設けられた排出連結部51と連結されたものであって、上側が開放され下面が密閉されたハウジング部材61と、該ハウジング部材61の上側のスノーケル部20に固定された保持ブラケット62に設けられる駆動部63を備える。そして、前記駆動部63の駆動軸64は前記ハウジング部材61の内部に延びる回転軸65と連結され、回転軸65には前記排出連結部51を介してハウジング部材61の内部に流れ込んだ溶融亜鉛めっき液を前記ハウジング部材61の上側の開放部を介して溶融亜鉛めっき槽150の浴面1側に排出するインペラー66を含む。
【0043】
前記ハウジング部材61は、上側が開放され下面が密閉された円筒形からなり、ハウジング部材61の直径は前記インペラー66の直径より相対的に大きく形成される。
【0044】
図4に示したように、前記ハウジング部材61の内部空間と前記貯蔵槽34とを連結する排出連結部51はスノーケル部20とハウジング部材61とを連結する第1排出管部51aと、スノーケル部20の下面に設けられたチャンバ形成部33とハウジング部材61とを連結する第2排出管部51bからなされうる。
【0045】
前記実施形態において、前記ハウジング部材61の上端部側は溶融亜鉛めっき槽150の浴面と高さが一致したり、相対的に浴面と近接した溶融亜鉛めっき液の内側に位置できるようにして、ポンピングされる溶融亜鉛めっき液2が溶融亜鉛めっき槽150の浴面に対して激しい乱流が発生しないようにするのが好ましいが、浴面よりやや高くすることもできる。そのため、前記ハウジング部材61の開放された上端部と前記ハウジング部材61の内部に設けられたインペラー66を回転させるための駆動部63との間はポンピングされた溶融亜鉛めっき液2が排出できるように開放された状態を保つべきである。
【0046】
望ましくは、前記ハウジング部材61の開放された上端部側にはハウジング部材61の開放された側を介して吐き出されるポンピングされた溶融亜鉛めっき液2を一定の方向に流れうるように誘導するためのめっき液誘導部(図示せず)が形成できる。めっき液誘導部はハウジング部材61の上端部側に端部から引き込まれた引込部が形成され、該引込部の縁部にガイドカラーが形成されうる。しかしこれに限らず、ハウジング部材61の上端側から排出される溶融亜鉛めっき液を設定された方向の浴面に排出できるガイドカラーまたは誘導管、ハウジング部材の上端部側に引込み形成された引込溝のうち少なくとも一つからなりうる。
【0047】
一方、図5に示したように、ハウジング部材61にはインペラー66によりポンピングされる溶融亜鉛めっき液を溶融亜鉛めっき槽150の浴面側に排出するための溶融亜鉛排出管68をさらに備える。この場合、前述したようにハウジング部材61の上面側は必ず開放しなくても良い。溶融亜鉛めっき液を排出するための溶融亜鉛排出管68が備えられたハウジング部材61の上面が開放された場合、該開放されたハウジング部材61の上端部側は溶融亜鉛めっき槽150の浴面の上部に突出するようにした方が好ましい。
【0048】
そして、前述したようにポンピングユニット60にダム形成部32を越流して貯蔵槽34に溜められた溶融亜鉛めっき液を浴面1側に排出してめっき液である溶融亜鉛に異物が含まれないようにする場合、図6に示したように浴面へ露出されて流動する溶融亜鉛の酸化を防止するための不活性ガス噴射ユニット70がさらに備えられる。
【0049】
前記不活性ガス噴射ユニット70は、前記保持ブラケット62または駆動部63側に設けられて前記ハウジング部材61または溶融亜鉛排出管68側に活性ガスを噴射する噴射ノズル71と、該噴射ノズル71と連結管72により連結される不活性ガスタンク(図示せず)を備える。前記不活性ガスとしては窒素ガスを使うのが好ましい。
【0050】
前記噴射ノズル71は溶融亜鉛めっき槽の浴面より高い位置の回転軸66を包んで噴射ノズル71を介して噴射される不活性ガスがハウジング部材61または溶融亜鉛排出管68を介して排出される溶融亜鉛側に向かうようにするのが好ましい。そのため、噴射ノズル71の下部は回転軸65に向かって次第に内径が縮小する構造を有する。不活性ガス供給ユニット70は溶融亜鉛めっき液と回転軸が接する浴面上に窒素を噴射することによって、排出される溶融亜鉛めっき液と回転軸が空気に触れて酸化することを遮断するようになる。そして、回転軸側に不活性ガスが噴射されることによって回転軸を冷却することができ、回転軸の表面にアッシュ、ドロスのような異物が付着することを防止できる。
【0051】
一方、前記ポンピングユニット60は、図7に示したように、駆動部63を保持ブラケット62に対して昇降させることによって、前記ハウジング部材61に挿入されたインペラー66の高さを調節できるようにする昇降手段80をさらに備える。
【0052】
前記昇降手段80は保持ブラケット62に垂直方向に設けられるガイド部材81に沿って昇降され駆動部63が保持される昇降部材82と、前記保持ブラケット62またはスノーケル部20に設けられて前記昇降部材82を昇降させるためのアクチュエータ84を備える。該アクチュエータ84はシリンダよりなりうるが、これに限らず、モータにより駆動されるねじジャッキからなりうる。
【0053】
一方、図8に示したように、ハウジング部材61はスノーケル部20に設けられ、貯蔵槽34と連通して貯蔵槽34内の溶融亜鉛めっき液が排出されて溜められる別のチャンバ69に設けられる。この場合、前記ハウジング部材61は円筒形に形成されうる。そして、チャンバ69に形成された保持部69aを介してハウジング部材61の下端側が挿入された状態でチャンバ69に保持されるように、ハウジング部材61の上端側にフランジ部61aが形成される。
【0054】
装備の修理時、チャンバ69内の溶融亜鉛めっき液が排出できるようにチャンバ69の下面には溶融亜鉛めっき液排出孔69bを形成するのが好ましい。前記溶融亜鉛めっき液排出孔69bは装備の修理時に溶融された亜鉛めっき液がハウジング部材61または貯蔵槽34の内部で硬化することを防止できる。
【0055】
そして、図9に示したように、スノーケル部20にチャンバ69と保持ブラケット62が設けられる場合、ハウジング部材61と駆動部をポンピングユニット60に取り付け及び取り外す構造を有しうる。
【0056】
図10及び図11には本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置の他の実施形態を示した。本発明の実施形態において、前記実施形態と同じ構成要素は同じ図面符号を付する。
【0057】
図面を参照すれば、本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置10は、端部が溶融亜鉛めっき槽150に浸漬されて溶融亜鉛めっき槽150に入れられる鋼板200を包んで酸化を防止するためのスノーケル部20を備える。そして、前記スノーケル部20の内部に昇降可能に設けられ、スノーケル部20を通る鋼板200が通過できるように鋼板通過部91の形成されたタンク部92が設けられ、前記タンク部92の鋼板通過部91の縁部にはこれより突出して前記鋼板通過部91を介して上側に流出される溶融亜鉛めっき液が前記タンク部92に流れ込まれるようにして、鋼板200の表面から遠ざかる方向に流れを発生させるめっき液流入ダム部93が形成される。
【0058】
前記めっき液流入ダム部93はスノーケル部20の内部または前記鋼板通過部91の軌跡に沿って連続または不連続的に形成しうる。例えば、前記めっき液流入ダム部93は複数の管部材からなりうる。前記複数の管部材よりなる場合、ダム形成部32の各部位には越流する溶融亜鉛めっき液の量に応じて設置数を相違にすることもできる。
【0059】
そして、鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置はスノーケル部20に対して前記タンク部92を昇降させるタンク昇降ユニット100と、前記タンク部92内の溶融亜鉛めっき液を溶融亜鉛めっき槽150の浴面側に排出するための溶融亜鉛排出ユニット50をさらに備える。前記タンク昇降ユニット100は前記溶融亜鉛排出ユニット50とタンク部92を同時に昇降できるようにするのが望ましい。
【0060】
前述した実施形態において、前記めっき液流入ダム部92を有するタンク部92は、図面に示されていないが、鋼板通過部91が閉曲線をなしているので、設置する際鋼板200を包むように少なくとも二つの部材に分割された構造をなしうる。そして、分離されたタンク部92には各々前記溶融亜鉛排出ユニットが設けられて独立して溶融亜鉛めっき液を溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出させることもできる。
【0061】
前記タンク昇降ユニット100はスノーケル部20に対してタンク部92を昇降させて、これに設けられためっき液流入ダム部93の高さ、すなわち浴面に対する高さを調整して、前記鋼板通過部91を介して上昇した溶融亜鉛めっき液がめっき液流入ダム部93に円滑に流れ込まれるようにするものであって、スノーケル部20にガイドレール102に沿って昇降可能に設けられ、タンク部92と連結されたブラケット101と、前記スノーケル部20に設けられて前記ブラケット101を昇降させるシリンダ、ねじジャッキからなるアクチュエータ103を含む。
【0062】
そして、前記溶融亜鉛排出ユニット50は前述した実施形態と実質的に同じ構造を有する。
【0063】
これをさらに詳述すれば、前記溶融亜鉛排出ユニット50は前記めっき液流入ダンパ部93を越流してタンク部92に流れ込まれた溶融亜鉛めっき液を前記溶融亜鉛めっき槽150の浴面1側に排出して、溶融亜鉛めっき槽150内の溶融亜鉛が引き続き前記鋼板流入口91を介して流入できるようにする。
【0064】
かかる溶融亜鉛排出ユニット50は、前記タンク部93に流れ込まれた溶融亜鉛めっき液を排出するための少なくとも一つの排出連結部51を備える。該排出連結部51は前記タンク部92の側面に設けられて前記タンク部92と連通するように設けられるが、これに限らず、前記タンク部92と連通できるようにタンク部92の下面と連結することもできる。
【0065】
そして、前記排出連結部51の出口側はポンピングユニット60と連結されて流入タンク部92の溶融亜鉛を溶融亜鉛めっき槽150の浴面1側に排出する。前記ポンピングユニット60は、前述したように流入タンク部92に設けられた排出連結部51と連結されるものであって、上側が開放され下面が密閉されたハウジング部材61と、該ハウジング部材61の上側に設けられるブラケット101と、該ブラケット101に設けられる駆動部63と駆動部により回転しハウジング部材61の内部に回転軸65の端部に設けられ、ハウジング部材61の内部に流入された溶融亜鉛を前記ハウジングの上側の開放部を介して溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出するインペラー66を備える。
【0066】
図12に示したように、前記インペラー66の回転軸65と駆動部63の駆動軸64とを連結する連結フランジには溶融亜鉛により加熱された回転軸65の熱が前記駆動軸64へ伝達されることを防止するための断熱部材64aが設けられる。
【0067】
そして、ハウジング部材61の上端部には前記インペラー66によりポンピングされた溶融亜鉛が浴面の一方向に誘導排出できるように誘導部61aをさらに備えられる。前記誘導部61aはハウジング部材61の上面に開口61bが形成され、該開口61bの両側にはガイドカラー61bが設けられる。
【0068】
一方、ハウジング部材61に設けられたインペラーによりポンピングされる溶融亜鉛めっき液2が下面側に排出する場合、前記ハウジング部材61には溶融亜鉛めっき槽100の浴面側に排出するための溶融亜鉛排出管(図示せず)がさらに備えられる。この場合、前述したようにハウジング部材61の上面側は必ず開放しなくてもよい。
【0069】
前述したように構成された本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置の作用を説明すれば次の通りである。
【0070】
まず、図1及び図2に示したように、スノーケル部20の端部が浴面1の水位より低く位置するようにスノーケル部20の下部を溶融亜鉛めっき槽10内に一定部分浸漬させると、溶融亜鉛めっき槽10内の溶融亜鉛めっき液2がダム形成部32を超流してチャンバ形成部33により区画された貯蔵槽34に溜められる。
【0071】
この状態で、ポンピングユニット60の駆動部63が作動すれば、インペラー66が回転しつつ貯蔵槽34内の溶融亜鉛めっき液がハウジング本体部61の開放した上端部側を介して溶融亜鉛めっき槽150の浴面1側に排出される。従って、前記貯蔵槽34の水位は低くなり、鋼板流入口31を介して下部から上側へ引き続き溶融亜鉛めっき液が流れ込まれてダム形成部32を越流するようになる。
【0072】
かかる過程においてスノーケル部20の端部に設けられた貯蔵槽34内の溶融亜鉛めっき液及び異物は排出連結部51とハウジング部材61を介して溶融亜鉛めっき槽の浴面側に排出される。
【0073】
従って、相対的に低い比重のアッシュのような異物は溶融亜鉛めっき槽150の浴面側に浮遊して溶融亜鉛めっき液の内部に流入されて溶融亜鉛めっき液2を再び汚染させたり、鋼板流入口31に再び流入されることを防止できる。従って、亜鉛めっきが行われる鋼板200の表面に異物が付着するめっき不良を根本的に防止することができる。
【0074】
また本発明にかかる鋼板溶融亜鉛めっき工程における浴面の異物除去装置は、ハウジング部材の開放部または溶融亜鉛排出管68を介して高比重の溶融亜鉛めっき液を浴面の上部に排出させることによってポンピング負荷を軽減でき、さらには駆動部の駆動モータ310の負荷を軽減できる。
【0075】
そして、図10及び図11に示したように、タンク部92が昇降する場合、鋼板通過部91を介して流入される溶融亜鉛めっき液はめっき液流入ダム部93を介して流れ込まれ、この流れ込まれた溶融亜鉛めっき液はポンピングユニットにより前述したように溶融めっき液槽の浴面1側に排出させることによって、溶融亜鉛めっき槽150内の溶融亜鉛めっき液2に異物が混入されることを根本的に防止でき、さらには亜鉛めっきされる鋼板200の表面に付着することを防ぐことができる。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、これについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】