(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】マイクロバイオーム導出コンパニオン診断のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61K 31/197 20060101AFI20220330BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20220330BHJP
C12Q 1/68 20180101ALI20220330BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220330BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20220330BHJP
A61K 41/00 20200101ALI20220330BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220330BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20220330BHJP
C12N 15/33 20060101ALN20220330BHJP
【FI】
A61K31/197
C12Q1/6869 Z ZNA
C12Q1/68
A61P35/00
A61P31/12
A61K41/00
A61K45/00
C12N15/31
C12N15/33
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547738
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 US2020019028
(87)【国際公開番号】W WO2020172401
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520021048
【氏名又は名称】プソマーゲン, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PSOMAGEN, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アプト, ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】リッチマン, ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】アルモナシッド, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】オルティス, ロドリゴ
(72)【発明者】
【氏名】モラレス, エドゥアルド
【テーマコード(参考)】
4B063
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ02
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ42
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4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZB33
(57)【要約】
【課題】マイクロバイオーム導出コンパニオン診断のための方法及びシステムの提供。
【解決手段】ユーザに対する薬剤の適合性を特性化する方法であって、マイクロバイオーム関連症状に対する治療に応答する第1の個人群と、マイクロバイオーム関連症状に対する治療に応答しない第2の個人群と、を含む個人群より、サンプルのセットを収集することと、前記サンプルのセットに基づき、1つ以上のデータセットを判定することと、を含む。1つ以上のマイクロバイオームデータセットからマイクロバイオーム特徴のセットが抽出され、前記マイクロバイオーム特徴は、治療に応答する個人と、応答しない個人との間の区別を容易化する。マイクロバイオーム特徴のセットに基づき、コンパニオン診断モデルが判定される。その後、コンパニオン診断モデルを使用して、ユーザに対する薬剤の適合性が判定される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HPV感染に関連付けられる癌関連症状の治療方法であって、
HPV関連症状を有する集団のマイクロバイオームサンプルから得られた1つ以上のマイクロバイオーム特徴を解析することにより生成される疾病特性モデルを生成することと、
個人の1つ以上の身体部位からマイクロバイオームサンプルを収集することと、
前記個人からのマイクロバイオームサンプルに基づき、1つ以上のマイクロバイオームデータセットを生成し、前記1つ以上のマイクロバイオームデータセットからマイクロバイオーム特徴のセットを抽出することと、
前記マイクロバイオーム特徴のセットと、前記1つ以上の身体部位と、前記疾病特性モデルに基づき、前記個人が前記HPV関連症状を有するか否か、どこに有するかを判定することと、
前記個人が前記HPV関連症状を有すると診断されると、前記HPV関連症状の影響を受けた領域に、アミノレブリン酸(ALA)に基づく治療を施すことと、を含む方法。
【請求項2】
前記ALAに基づく治療を施すことは、前記ALA又はその類似物が蛍光化合物に変換される一定の時間の後、前記領域に放射することを含み、前記放射することは、放射された領域における活性酸素種の生成によって特徴付けられる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ALAに基づく治療を施した後、前記HPV関連症状を特徴付けることで、後続のALAベース治療が必要であるか否かを判定することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
後続のALAベース治療が必要であると判定されると、所定の期間後、前記領域に2回目のALA又はその類似物の投与を行い、前記ALA又はその類似物が蛍光化合物に変換される一定の時間の後、前記領域に放射することを含み、前記放射することは、放射された領域における活性酸素種の生成によって特徴付けられる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記HPV関連症状を特定することは、前記個人からの前記マイクロバイオームサンプル中の所定の細菌標的及びHPV株を解析することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記HPV株は、14個のhrHPV株及び5個のlrHPV株からなる群より選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
DNAアルキル化関連症状を治療する方法であって、
個人からマイクロバイオームサンプルを得ることと、
前記マイクロバイオームサンプル中のコリバクチン又はコリバクチン様化合物の一方の存在及び/又は量に基づき、DNAアルキル化関連症状を検出することと、
前記DNAアルキル化関連症状の治療のために、前記個人にコリバクチン阻害治療を施すことと、を含む方法。
【請求項8】
前記治療は、前記個人に、コリバクチン阻害化合物を投与することを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記治療は、前記個人に遺伝子改変治療を施すことを含み、前記遺伝子改変治療は、コリバクチン生成に関連の遺伝子を削除するか、又はコリバクチン生成に関連の遺伝子の転写をブロックするように構成される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記遺伝子改変治療は、誘発変異、CRISPR、CRISPR-Cas9、遺伝子ノックアウト、遺伝子ノックイン、突然変異誘発からなる群より選択される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記個人からの前記マイクロバイオームサンプルは、糞便、胃腸、生殖器、膣、鼻、口、及び皮膚からなる群より選択された身体部位より得られる請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記DNAアルキル化関連症状は、癌疾病又は異常細胞成長関連症状を含む請求項7に記載の方法。
【請求項13】
ユーザに対する薬剤の適合性を特性化する方法であって、
マイクロバイオーム関連症状に対する治療に応答する第1の個人群と、前記マイクロバイオーム関連症状に対する治療に応答しない第2の個人群と、を含む個人群より、マイクロバイオームサンプルのセットを収集することと、
前記マイクロバイオームサンプルのセットに基づき、1つ以上のマイクロバイオームデータセットを判定することと、
前記1つ以上のマイクロバイオームデータセットからマイクロバイオーム特徴のセットを抽出することであって、前記マイクロバイオーム特徴は、前記治療に応答する個人と、前記治療に応答しない個人との間の区別を容易化することと、
前記マイクロバイオーム特徴のセットに基づき、コンパニオン診断モデルを判定することと、
前記コンパニオン診断モデルを使用して、前記ユーザに対する前記薬剤の前記適合性を判定することと、を含む方法。
【請求項14】
前記マイクロバイオームデータセットは、マイクロバイオーム分類学的構成データセット、マイクロバイオーム機能データセット、マイクロバイオーム構成多様性データセット、及びマイクロバイオーム機能多様性データセットのうちの少なくとも1つを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コンパニオン診断モデルは、前記治療に関連の不応答者から、応答者を区別する指標を提供する請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記治療は、薬剤を投与することを含み、前記コンパニオン診断モデルは、薬剤の種別、前記薬剤の投与量、前記薬剤に関連付けられたリスク因子、薬理遺伝学、前記薬剤に対して期待される応答、前記薬剤に関連付けられた副作用、及び前記薬剤に関連付けられた毒性のうちの少なくとも1つを示す指標を提供する請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記マイクロバイオーム関連症状は、胃腸関連症状、アレルギー関連症状、運動力関連症状、癌関連症状、心血管関連症状、貧血症状、神経学関連症状、自己免疫関連症状、内分泌関連症状、皮膚関連症状、ライム病症状、コミュニケーション関連症状、睡眠関連症状、代謝関連症状、体重関連症状、痛み関連症状、遺伝関連症状、慢性疾病、及び1つ以上の女性の健康関連症状からなる群より選択された1つ以上を含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の個人は、前記治療にポジティブに応答するものの、副作用を示す第3の個人群と、前記治療にポジティブに応答し、副作用を示さない第4の個人群と、を含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
膣微生物に関連の症状を検出する方法であって、
膣微生物関連症状を有する集団のマイクロバイオームサンプルから得られた1つ以上のマイクロバイオーム特徴を解析して生成される疾病特性モデルを生成することと、
個人の1つ以上の身体部位からマイクロバイオームサンプルを収集することと、
前記個人からのマイクロバイオームサンプルに基づき、1つ以上のマイクロバイオームデータセットを生成し、前記1つ以上のマイクロバイオームデータセットに基づき、マイクロバイオーム特徴のセットを抽出することと、
前記マイクロバイオーム特徴のセットと、前記1つ以上の身体部位と、前記疾病特性モデルとに基づき、前記個人が前記膣微生物症状を有するか否か、どこに有するかを判定することと、を含み、
前記膣微生物は、Candida、Aerococcus、Anaerococcus、Anaeroglobus、Arcanobacterium、Atopobium、Bulleidia、Chlamydia、Dialister、Eggerthella、Dialister、Finegoldia、Fusobacterium、Gardnerella、Gemella、Lactobacillus、Leptotrichia、Megasphaero、Mobiluncus、Moryella、Mycoplasma、Neisseria、Papillibacter、Parvimonas、Peptoniphilus、Peptostreptococcus、Porphyromonas、Prevotella、Sneathia、Staphylococcus、Streptococcus、Trichomonas、及びVeillonellaからなる群より選択される方法。
【請求項20】
前記膣微生物に関連付けられた症状は、ヒトパピローマウィルス感染、性感染症、子宮頚管炎、骨盤内炎症性疾患、不妊、細菌性膣炎、又は好気性菌膣炎である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒトパピローマウィルス感染は、Gardnerella、Gardnerella vaginalis、又はSneathiaに関連付けられ、
前記ヒトパピローマウィルス感染は、Fusobacterium nucleatum、又はLactobacillus inersに逆に関連付けられ、
前記性感染症は、Chlamydia trachomatis、Mycoplasma genitalium、Neisseria gonorrhoeae、又はTrichomonas pallidumに関連付けられ、
前記子宮頚管炎は、Chlamydia trachomatis、又はMycoplasma genitaliumに関連付けられ、
前記子宮頚管炎は、Lactobacillusに逆に関連付けられ、
前記骨盤内炎症性疾患は、Chlamydia trachomatis、又はNeisseria gonorrhoeaeに関連付けられ、
前記不妊は、Chlamydia trachomatis、Mycoplasma genitalium、又はNeisseria gonorrhoeaeに関連付けられ、
前記細菌性膣炎は、Aerococcus、Aerococcus christensenii、Atopobium、Atopobium vaginae、Dialister micraerophilus、Fusobacterium、Gardnerella、Gardnerella vaginalis、Gemella、Megasphaero、Mobiluncus、Mobiluncus curtisii、Mobiluncus muleris、Papillibacter、Parvimonas、Peptoniphilus、Peptostreptococcus、Porphyromonas、Prevotella、Prevotella amnii、Prevotella timonensis、又はSneathiaに関連付けられ、
前記細菌性膣炎は、Lactobacillus、Lactobacillus iners、又はLactobacillus jenseniiに逆に関連付けられ、
前記好気性菌膣炎は、Staphylococcus aureus、又はStreptococcus agalactiaeに関連付けられる請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許商標庁に2019年2月20日出願の米国仮出願第62/807,761号、2019年2月21日出願の米国仮出願第62/808,304号、2019年2月20日出願の米国仮出願第62/807,760号の利益を主張するものであり、これら全体を参照として本明細書中に援用する。
【0002】
技術分野
本開示は、医療診断分野全般に係り、特に、医療診断分野におけるマイクロバイオーム導出の診断及び治療のための新規且つ有用な方法及びシステムに関連する。
【背景技術】
【0003】
マイクロバイオームは、薬剤に対する応答がどの程度良いか、或いは悪いか、薬剤毒性プロファイル、及び、一般的に、薬剤がヒトの身体といかに相互作用するかをよりよく説明する大きなポテンシャルを持っている。臨床試験の成功又は失敗は、ヒトのマイクロバイオームが薬剤候補といかに相互作用するかに依存し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様において、HPV感染に関連付けられた癌関連症状の治療方法は、HPV関連症状を有する集団のマイクロバイオームサンプルから得られた1つ以上のマイクロバイオーム特徴を解析することにより生成される疾病特性モデルを生成することを含む。個人からマイクロバイオームサンプルが収集される。個人からのマイクロバイオームサンプルに基づき、1つ以上のマイクロバイオームデータセットが生成された後、1つ以上のマイクロバイオームデータセットからマイクロバイオーム特徴のセットが抽出される。本方法はさらに、マイクロバイオーム特徴のセットと、疾病特性モデルに基づき、個人がHPV関連症状を有するか否かを判定することと、個人がHPV関連症状を有すると診断されると、HPV関連症状の影響を受けた領域に、アミノレブリン酸(ALA)に基づく治療を施すことと、を含む。
【0005】
本開示の他の態様において、DNAアルキル化関連症状を治療する方法は、個人からマイクロバイオームサンプルを得ることを含む。マイクロバイオームサンプル中のコリバクチン又はコリバクチン様化合物の一方の存在及び/又は量に基づき、DNAアルキル化関連症状が検出される。DNAアルキル化関連症状の治療のために、個人にコリバクチン阻害治療が施される。
【0006】
本開示のさらに他の態様において、ユーザに対する薬剤の適合性を特性化する方法であって、マイクロバイオーム関連症状に対する治療に応答する第1の個人群と、マイクロバイオーム関連症状に対する治療に応答しない第2の個人群と、を含む個人群より、マイクロバイオームサンプルのセットを収集することと、サンプルのセットに基づき、1つ以上のデータセットを判定することと、を含む。1つ以上のマイクロバイオームデータセットからマイクロバイオーム特徴のセットが抽出され、マイクロバイオーム特徴は、治療に応答する個人と、治療に応答しない個人との間の区別を容易化する。マイクロバイオーム特徴のセットに基づき、コンパニオン診断モデルが判定される。その後、コンパニオン診断を使用して、ユーザに対する薬剤の適合性が判定される。
【0007】
当業者にとって、以下の詳細な説明により、本発明の追加の効果が容易に明らかになるであろう。以下では、本発明を実施する最良のモードを単に例示する目的で、本発明の好適な実施形態のみを図示及び説明している。以下からわかるように、本発明は、他の異なる実施形態も可能であり、そのいくつかの詳細は、本発明から逸脱することなく、種々の明らかな点で変更が可能である。従って、図面及び説明は、性格上、例示とみなされなければならず、限定とみなされてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】女性の健康アッセイ及び彼女らの関連健康状況により網羅される32個の細菌標的及び19個のHPV標的のマトリクスを示している。
【
図2A】本開示の一実施形態に係る、アッセイにおける種々の細菌属に対する細菌標的の健全な範囲を示している。
【
図2B】本開示の一実施形態に係る、アッセイにおける種々の細菌種に対する細菌標的の範囲を示している。
【
図3A】本開示の一実施形態に係る、hrHPV増幅及び遺伝子型判定の、二遺伝子HC2 HPVアッセイに対する比較を示している。
【
図3B】本開示の一実施形態に係る、lrHPV増幅及び遺伝子型判定の、二遺伝子HC2 HPVアッセイに対する比較を示している。
【
図4A】研究のうちの1つにおけるhrHPV型の分布を示している。
【
図4B】研究のうちの1つにおけるlrHPV型の分布を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本開示の技術についての以下の説明は、当該技術を特定の実施形態に限定することが意図されるものでなく、むしろ当業者が誰でも、当該技術を実施及び使用できるようにすることが意図されている。
【0010】
システム及び/又は方法の実施形態は、1つ以上の薬剤がユーザに適合するか否か、及び/又は、1つ以上の薬剤が、どの程度であればユーザに適合するかを、一人以上のユーザに説明する等(例えば、一人以上のユーザに示す)、コンパニオン診断を出力することができるか、指示することができるか、これに関連付けられるか、これを目的として使用できるか、及び/又は、さもなければこれを容易化することのできるか、及び/又は、1つ以上のコンパニオン診断関連メトリクスの判定を行うことのできる、1つ以上のマイクロバイオーム試験を包含、提供及び/又は使用することができる(例えば、キット、試験成分、アッセイ等)。具体例において、本方法及び/又はシステムは、一人以上のユーザが薬剤を摂取すべきか(及び/又は、薬剤の種別、投与量、リスク因子、薬理遺伝学、応答、副作用、毒性、薬剤摂取の特性等)否か(及び/又は、リスク因子、根拠等)を示すために実施可能である。
【0011】
本方法及び/又はシステムの実施形態は、患者のマイクロバイオームに基づき、どの薬剤がどの患者に作用するのかを判定するために、患者の集団をセグメント化する等により、薬剤の特性化(例えば、薬剤をトライアル及び/又は査定に通すこと)を容易化することができる。
【0012】
本方法及び/又はシステムの実施形態は、特定のリスク因子のある集団のサブセットにおいて、ある薬剤が生じ得る毒性及び/又は悪影響を評価するために、マイクロバイオームに基づくコンパニオン診断を包含及び/又は使用することができる。実施形態は、コンパニオン診断及び/又はコンパニオン診断の生成(例えば、キット、試験等)を含むことができる。例において、実施形態(例えば、キット、試験、キット及び/又は試験の生成)は、独立して、及び/又は、宿主ゲノム情報との組み合わせにより、マイクロバイオーム情報を組み込むことができる。
【0013】
実施形態は、治療が或る患者に対して使用されるべきか否かを判定するために、マイクロバイオームベース試験のペアリングを行うことを含むことができる。
【0014】
バリエーションにおいて、本方法は、現在の治療の改善、及び/又は、新たな治療の開発のために、その情報を使用する等、微生物の作用、及び/又は、薬剤治療への貢献との関連で、特定の微生物のセットを評価及び/又は査定することを含むことができる。
【0015】
本方法の実施形態は、1つ以上の治療(例えば、1つ以上のマイクロバイオーム関連症状のためのもの、任意の好適な症状のためのもの等)に(例えば、ポジティブに)応答する第1の個人群と、1つ以上の治療に応答しない(例えば、ポジティブな応答に欠ける等)第2の個人群と、を含む個人群より、サンプルのセットを収集することと、サンプルのセットに基づき、1つ以上のマイクロバイオームデータセットを判定することであって、マイクロバイオームデータセットは、マイクロバイオーム分類学的構成データセット、マイクロバイオーム機能データセット、マイクロバイオーム構成多様性データセット、及びマイクロバイオーム機能多様性データセットのうちの少なくとも1つを含むことと、少なくとも1つ以上のデータセットからマイクロバイオーム特徴のセットを抽出することであって、マイクロバイオーム特徴のセットは、1つ以上の治療に応答する個人と、1つ以上の治療に応答しない個人との間の区別を容易化することと、マイクロバイオーム特徴のセットに基づき、コンパニオン診断モデル(例えば、分類子)を判定することと、及び/又は、1つ以上の治療に関連の応答者を不応答者から区別する等、コンパニオン診断モデルを使用して、コンパニオン診断を生成及び/又は実施することと、を含むことができる。しかしながら、任意の好適な個人がサンプルに使用可能であり、任意の好適なマイクロバイオームデータが特徴判定に使用可能であり、コンパニオン診断の容易化のために、任意の好適なモデルの種別が生成可能であり、任意の好適な目的のために、コンパニオン診断モデルが使用可能である。
【0016】
本方法の実施形態は、1つ以上の治療(例えば、1つ以上のマイクロバイオーム関連症状のためのもの、任意の好適な症状のためのもの等)に(例えば、ポジティブに)応答するものの、副作用(例えば、副作用症候群等)を示す第1の個人群と、1つ以上の治療に(例えば、ポジティブに)応答し、副作用を示さない第2の個人群と、を含む個人群より、サンプルのセットを収集することと、サンプルのセットに基づき、1つ以上のマイクロバイオームデータセットを判定することであって、マイクロバイオームデータセットが、マイクロバイオーム分類学的構成データセット、マイクロバイオーム機能データセット、マイクロバイオーム構成多様性データセット、及びマイクロバイオーム機能多様性データセットのうちの少なくとも1つを含むことと、少なくとも1つのデータセットからマイクロバイオーム特徴のセットを抽出することであって、マイクロバイオーム特徴のセットは、副作用のあった応答者と副作用のなかった応答者との間の区別を容易化することと、マイクロバイオーム特徴のセットに基づき、コンパニオン診断モデル(例えば、分類子)を判定することと、及び/又は、1つ以上の治療との関連で、副作用のあった応答者を副作用のなかった応答者から区別する等、コンパニオン診断モデルを使用して、コンパニオン診断を生成及び/又は実施することと、を含むことができる。しかしながら、任意の好適な個人がサンプルに使用可能であり、任意の好適なマイクロバイオームデータが特徴判定に使用可能であり、コンパニオン診断を容易化するために、任意の好適なモデルの種別が生成可能であり、任意の好適な目的のために(例えば、構成多様性データセット等の分類学的構成データ、機能多様性データセット等の機能データセット等)、コンパニオン診断モデルが使用可能である。
【0017】
本システム及び/又は方法の実施形態(例えば、コンパニオン診断、コンパニオン診断の使用等)は、任意の好適な微生物関連症状(例えば、マイクロバイオームが薬効及び/又はユーザによる処理に影響し得る任意の好適な症状)のために、使用可能である。
【0018】
(例えば、1つ以上の重症度メトリクスが判定及び/又は適用可能である)微生物関連症状には、疾病、症候群、病因(例えば、トリガ等)、障害、関連リスク(例えば、傾向スコア等)、関連重症度、行動(例えば、カフェイン消費、アルコール消費、糖類消費、習慣、食事法等)、及び/又は、微生物関連症状に関連付けられるその他任意の好適な態様のうちの1つが含まれ得る。微生物関連症状には、以下のうちのいずれか1つを含み得る、1つ以上の疾病関連症状を含み得る。すなわち、胃腸関連症状(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、セリアック病、クローン病、膨満感、痔、便秘、逆流、血便、下痢等)、アレルギー関連症状(例えば、麦、グルテン、乳製品、大豆、ピーナツ、貝、木の実、卵等に関連付けられたアレルギー及び/又は過敏症)、運動力関連症状(例えば、痛風、リウマチ関節炎、変形性関節症、反応性関節炎、多発性硬化症、パーキンソン病等)、癌関連症状(例えば、リンパ腫、白血病、芽細胞腫、胚細胞腫瘍、癌腫、肉腫、乳癌、前立腺癌、基底細胞癌、皮膚癌、結腸癌、肺癌、任意の好適な生理学的領域に関連付けられた癌症状)、心血管関連症状(例えば、冠動脈性心臓病、炎症性心臓病、心臓弁膜症、肥満、脳卒中等)、貧血症状(例えば、サラセミア、鎌状赤血球、悪性貧血、ファンコーニ、溶血、再生不良性貧血、鉄分不足等)、神経学関連症状(例えば、ADHD、ADD、不安、アスペルガー症候群、自閉症、慢性疲労症候群、鬱等)、自己免疫関連症状(例えば、スプルー、AIDS、シェーグレン症候群、紅斑性狼瘡等)、内分泌関連症状(例えば、肥満、バセドウ病、橋本病、代謝性疾患、I型糖尿病、II型糖尿病等)、皮膚関連症状(例えば、ニキビ、皮膚筋炎、湿疹、酒さ、乾燥肌、乾癬、フケ、光線過敏症、肌荒れ、痒み、剥離、落屑、剥脱、ひび割れ、濃い皮膚の個人の皮膚灰色化、赤身、出血及び感染を引き起こし得るひび割れ等の深いひび割れ、頭皮の痒み及び落屑、炎症を起こした油性肌等の油性肌、ヘアケア製品等の製品に対する皮膚過敏、頭皮マイクロバイオームのバランス欠如等)、ライム病症状、コミュニケーション関連症状、睡眠関連症状、代謝関連症状、体重関連症状、痛み関連症状、遺伝関連症状、慢性疾患、及び/又は、その他任意の好適な種別の疾病関連症状である。バリエーションにおいて、微生物関連症状には、1つ以上の女性の健康関連症状(例えば、生殖システム関連症状等)が含まれ得る。
【0019】
バリエーションにおいて、微生物関連症状には、蚊刺され、マラリア、及び/又は、蚊に関連付けられたその他好適な症状等、蚊関連症状が含まれ得る。バリエーションにおいて、微生物関連症状には、任意の好適な虫刺され、及び/又は、虫に関連付けられる虫関連症状が含まれ得る。具体例において、蚊関連症状に関連付けられる治療を評価するために、マイクロバイオーム導出コンパニオン診断を使用することができる。
【0020】
追加又は代替として、微生物関連症状には、以下のうちのいずれか1つ以上を含み得る、1つ以上のヒトの行動症状が含まれ得る。すなわち、食事法関連症状(例えば、カフェイン消費、アルコール消費、糖類消費、人工甘味料消費、雑食、ベジタリアン、ビーガン、糖類消費、酸消費、その他の食品消費、食事サプリメント消費、食生活等)、プロバイオティック関連行動(例えば、消費、回避等)、習慣的行動(例えば、喫煙、低程度、中程度及び/又は極度の運動状況等の運動状況)、閉経、その他の生物学的プロセス、社会的行動、その他の行動、及び/又は、その他任意の好適なヒトの行動症状である。症状は、任意の好適な表現型(例えば、ヒト、動物、植物、菌体等に対して測定可能な表現型)と関連付けることができる。バリエーションにおいて、1つ以上の重症度メトリクス及び/又はその他の好適なデータに基づく等、1つ以上の微生物関連症状(例えば、皮膚関連症状等)を罹患したユーザに、1つ以上の標的治療の診断を容易化すること、及び/又は、この促進(例えば、提供、推奨等)を容易化するために、本方法及び/又はシステムの実施形態の一部を使用することができる。
【0021】
バリエーションにおいて、サンプル(例えば、本明細書に記載のもの)、微生物関連症状、コンパニオン診断及び/又は関連治療は、胃腸身体部位(例えば、胃腸部位の身体部位種別に対応)、皮膚身体部位(例えば、皮膚部位の身体部位種別に対応)、鼻身体部位(例えば、鼻部位の身体部位種別に対応)、口身体部位(例えば、口部位の身体部位種別に対応)、生殖器身体部位(例えば、生殖器部位の身体部位種別に対応)、及び/又は、身体の任意の好適な部位にある任意の好適な身体部位のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上の身体部位に対応及び/又は関連付けられることができる。
【0022】
コンパニオン診断モデル、及び/又は、マイクロバイオーム導出コンパニオン診断を生成、判定及び/又は使用するための任意の好適なアプローチ、及び/又は、本方法及び/又はシステムの実施形態は、以下のうちのいずれか1つ以上を包含、適用、使用、学習、生成、更新及び/又はさもなければ処理することができる。すなわち、教師付き学習(例えば、ロジスティック回帰を使用、逆伝搬ニューラルネットワークを使用、ランダムフォレストを使用、決定木等)、教師無し学習(例えば、Aprioriアルゴリズムを使用、K平均法を使用等)、半教師付き学習、ディープラーニングアルゴリズム(例えば、ニューラルネットワーク、制約付きボルツマンマシン、ディープビリーフネットワーク法、畳み込みニューラルネットワーク法、回帰型ニューラルネットワーク法、積層型オートエンコーダ法等)、強化学習(例えば、Qラーニングアルゴリズムを使用、時間差学習を使用等)、回帰アルゴリズム(例えば、最小二乗回帰、ロジスティック回帰、段階的回帰、多変量適応的回帰スプライン、局所推定散布図平準化等)、用例ベース法(例えば、k近傍法、学習ベクトル定量化、自己組織化マップ等)、正則化法(例えば、リッジ回帰、ラッソ回帰、elastic net回帰等)、決定木学習法(例えば、分類及び回帰木、iterative dichotomiser 3、C4.5、カイ二乗による相互作用自動検出、決定株、ランダムフォレスト、多変量適応的回帰スプライン、勾配ブースティングマシン等)、ベイジアン法(例えば、ナイーブベイズ、平均化ワンデペンデンス推定器、ベイジアンブリーフネットワーク等)、カーネル法(例えば、サポートベクトルマシン、放射基底関数、線形判別分析等)、クラスタリング法(例えば、k平均法、期待値最大化等)、関連規則学習アルゴリズム(例えば、Aprioriアルゴリズム、Eclatアルゴリズム等)、人工ニューラルネットワークモデル(例えば、パーセプトロン法、逆伝搬法、ホップフィールドネットワーク法、自己組織化マップ法、学習ベクトル定量化法等)、アンサンブル法(例えば、ブースティング、ブーストラップアグリゲーション、AdaBoost、積層一般化、勾配ブースティングマシン法、ランダムフォレスト法等)、及び/又は、任意の好適な人工知能アプローチである。
【0023】
さらなる実施形態には、マイクロバイオーム改変のためのシステム及び方法が含まれる。
【0024】
DNAのアルキル化は、癌症状及び/又はその他の症状の進行に関連付けられてきた。コリバクチンは、癌と強く関連付けられる遺伝毒性物質であるが、その代謝について完全には理解されていない。コリバクチンのDNAアルキレート型化合物に対する潜在的な関連性/類似性は、マイクロバイオーム(例えば、胃腸マイクロバイオーム、任意の好適な身体部位のマイクロバイオーム)の微生物によって生成された他の類似の代謝体の追加又は代替として、コリバクチンがDNAを共有結合で改変し得ることを示してもよい。
【0025】
本システム及び/又は方法の実施形態には、(例えば、1つ以上の癌関連症状の発生、及び/又は、進行に対する関連付けを阻害することによる等)、1つ以上の癌症状及び/又は好適なDNAアルキル化関連症状の改善のため等、DNAをアルキル化するコリバクチン及び/又は類似の毒素を阻害することが含まれ得る。このように、本システムの実施形態には、アルキル化を生じるコリバクチン及び/又は類似の毒素を阻害することにより、1つ以上の癌症状及び/又はDNAアルキル化関連症状を治療するため、癌症状、及び、コリバクチンに基づく(例えば、その癌症状への関連付けに基づく等)DNAアルキル化関連症状を診断するための1つ以上の診断システム、及び/又は、1つ以上の治療用組成物(例えば、1つ以上の遺伝子を改変するように操作可能な組成物等の遺伝子改変組成物)が含まれ得る。
【0026】
本システム及び/又は方法の実施形態には、DNA(例えば、アルキレートDNA)を共有結合で改変する高いポテンシャルを有する等、コリバクチンと構造的及び/又は機能的に類似した、マイクロバイオーム(例えば、胃腸マイクロバイオーム、糞便、生殖器、膣、鼻、口、皮膚及び/又は任意の好適な身体部位、又は非身体部位に関連付けられたマイクロバイオーム)からの代謝体、及び/又は、これに由来する代謝体を検出及び/又は同定すること、及び/又は、コリバクチン及び/又はコリバクチン様代謝体の作用をブロックすることができる特定の阻害薬と、癌疾病及び/又は異常細胞成長関連症状に対する治療用組成物でのその使用(例えば、治療等)とを同定及び/又は改良するために、1つ以上のバイオインフォマティクスアプローチ(例えば、マシンラーニング及び/又はAI技術等を含む)を使用すること、が含まれ得る。
【0027】
追加又は代替として、本システム及び/又は方法の実施形態には、診断のために、コリバクチン及び/又はコリバクチン型分子を使用することにより、癌症状及び/又は癌関連症状(例えば、大腸癌疾患)の診断を包含すること、及び/又は、該診断を提供するように機能することができ、及び/又は、特定のコリバクチン及び/又はコリバクチン様代謝体に基づく治療を提供することができる。
【0028】
本システム及び/又は方法の実施形態には、完全又はサポート治療として、癌疾患又は癌関連症状の進行を阻害するために、コリバクチン、コリバクチン様分子の生成に関連の遺伝子及び/又は任意の前駆体遺伝子の転写を削除及び/又はブロックする等を目的とした、任意の好適な遺伝子改変(例えば、遺伝子編集)及び/又は遺伝子枯渇技術(例えば、ポイント変異、CRISPR技術、CRISPR-Cas9等)が含まれ得る。追加又は代替として、遺伝子改変及び/又は遺伝子枯渇技術には、以下のいずれか1つが含まれ得る。すなわち、誘発変異、CRISPR、CRISPR-CaS9、遺伝子ノックアウト、遺伝子ノックイン、突然変異誘発(例えば、特異的、部位特異的、PCR突然変異誘発、挿入、トランスポゾン変異誘発、符号タグ化、配列飽和等)及び/又は任意の好適な技術が含まれ得る。CRISPRとともに使用可能なエンドヌクレアーゼには、CaS9、Cpf1、SauCas9、又はその他任意のDNA又はRNAを標的とするCRISPR型エンドヌクレアーゼのうちのいずれか1つ以上が含まれ得る。
【0029】
一実施形態において、本方法及び/又はシステムは、阻害薬の判定(例えば、生成等)、現在の阻害薬の改良、及び/又は、診断及び/又は治療での使用を目的とする非阻害分子(例えば、小分子、ペプチド、合成ペプチド、短鎖脂肪酸等)の阻害分子への改変のために使用する目的で、異なるソース(例えば、生物学的ソース、非生物学的ソース、化学的ソース、合成による等)からコリバクチン様分子を同定することを含み得る。
【0030】
一実施形態において、本方法及び/又はシステムは、マイクロバイオーム内のいくつかの微生物の病原性アイランドにおける、コリバクチン及び/又はコリバクチン遺伝子の検出に基づき、診断及び/又は治療のためのバイオマーカーとして、コリバクチン及び/又はコリバクチン様遺伝子を使用することが含まれ得る。代替又は追加として、実施形態は、マイクロバイオームの特定の微生物のための、コリバクチン及び/又はコリバクチン様遺伝子を阻害するための検出、変異及び/又はその他任意の好適な方法のためにバクテリオファージを使用することが含まれ得る。
【0031】
追加又は代替として、本明細書に記載の任意の好適なアプローチ(例えば、遺伝子枯渇アプローチ)は、(例えば、コリバクチン関連機能の追加又は代替として)任意の好適な微生物機能を改変する(例えば、除外する)ために、適用可能である。
【0032】
本方法及び/又はシステムの実施形態は、(異なる身体部位からの)マイクロバイオームサンプルを包含、適用、処理及び/又はさもなければ使用することができ、及び/又は、任意の好適な身体部位からのマイクロバイオームの改変に適用することができ、及び/又は、任意の好適な身体部位との関連で直接(例えば、治療や診断等に)使用することができる。身体部位には、糞便、胃腸、生殖器、膣、鼻、口、皮膚、及び/又は、任意の好適な種別の身体部位が含まれ得る。本方法及び/又はシステムの実施形態は、in vivoにおける宿主、ex vivo及び/又はin vivoにおけるサンプル、移植採便、及び/又は、その他任意のサンプルを扱うことを包含、適用、処理及び/又はさもなければそのために使用することができ、及び/又は、(例えば、任意の好適な微生物機能を改変するため等に)コリバクチン関連遺伝子(例えば、コリバクチン生成を生じる遺伝子、コリバクチンと類似の機能を備えた分子の生成を生じる遺伝子等)、及び/又は、細菌、菌類、寄生虫及び/又は他の任意の微生物に関連付けられる任意の好適な遺伝子を標的として、CRISPR-Cas(及び/又は、その他の好適なCRISPR関連メカニズム、及び/又は、任意の好適な遺伝子改変及び/又は遺伝子枯渇メカニズム等)を使用することができる。(例えば、本明細書に記載の組成物の、本明細書に記載の任意の好適な成分の、等)伝達システムには、変換、結合、天然又は人工のファージ、微量注射、エレクトロポレーション、水圧注射、ウィルスベクター、ヌクレオフェクション、膜変形、ナノ粒子、ゼオライトイミダゾールフレームワーク、RNA又はDNAアプタマー、ポリマー、脂質、DNAナノクルー、双生イオン性アミノ脂質ナノ粒子、リポソームに連結されるか、これを伴わないビオチン標的オリゴヌクレオチド、マイクロバイオームからの標的組織に移送可能なCRISPR/Casシステム、及び/又は、任意の好適な伝達メカニズムを持つプロバイオティクス又は遺伝子改変した微生物の使用のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0033】
実施例1:膣パネル特性化のための方法及びシステム
【0034】
実施形態において、臨床膣マイクロバイオームパネルを、本明細書中ではSmartJane v3と称するが、培養に依存しないシークエンシングを使用して、1つ以上のヒトの膣マイクロバイオームサンプル(及び/又は、任意の好適な身体部位からの他の任意の種別のサンプルを使用することができる)から、任意の好適な微生物分類群より、細菌の属及び/又は種、及び/又は、その他の微生物(例えば、菌類、原虫等)を検出するように設計可能である。実施形態において、試験では、精密シークエンシング、(例えば、16SrRNA遺伝子の可変4(V4)領域を標的にしたプライマーを使用した)アンプリコンシークエンシングと完全メタゲノミクスシークエンシングとの組み合わせを使用することができる。例において、その後、次世代のシークエンシングプラットフォーム及び/又は他の好適なプラットフォームを使用して、ライブラリのシークエンシングを行うことができる。追加又は代替として、本明細書に記載の実施形態の任意の好適な部分は、(例えば、高スループットシークエンシング技術、大規模並列シグネチャーシークエンシング、Polonyシークエンシング、454ピロシークエンシング、Illumnaシークエンシング、SOLiDシークエンシング、イオントレント半導体シークエンシング、DNAナノボールシークエンシング、Heliscope単一分子シークエンシング、単一分子リアルタイム(SMRT)シークエンシング、Nanopore DNAシークエンシング等を通じて容易化された)高スループットシークエンシング、任意の世代数のシークエンシング技術(例えば、第2世代シークエンシング技術、第3世代シークエンシング技術、第4世代シークエンシング技術等)、アンプリコン関連シークエンシング(例えば、標的アンプリコンシークエンシング)、メタゲノム関連シークエンシング(例えば、メタトランスクリプトームシークエンシング、メタゲノムシークエンシング等)、合成によるシークエンシング、トンネル電流シークエンシング、ハイブリッド化によるシークエンシング、質量分析シークエンシング、顕微鏡ベース技術、キャピラリーベースシークエンシング、Sangerシークエンシング(例えば、マイクロ流体Sangerシークエンシング等)、ピロシークエンシング、ナノポアシークエンシング(Oxfordナノポアシークエンシング及び/又は任意の好適なシークエンシング技術を包含、適用すること、及び/又は、これに関連付けることができる。
【0035】
実施形態において、バイオインフォマティクスパイプラインは、入力として、細菌の属及び種(及び/又は、その他好適な微生物分類群)が存在することを示唆するシークエンシングデータを使用することができ、及び/又は、微生物多様性解析、及び/又は、好適なマイクロバイオーム構成及び/又はマイクロバイオーム機能解析も考慮することができる。プロバイオティクス、プレイバイオティクス、及び/又は、他の好適な消耗品及び/又は治療に関連の解析(例えば、推奨、評価等)が、本明細書に記載のアプローチの使用等、包含、判定、促進及び/又は提供され得る。
【0036】
実施形態において、このアッセイのために、16S V4パイプラインには、メタゲノミクスがDNA抽出後の完全に独立したプロセスに続くように、ライブラリ定量化までは類似又は同一のプロセスが含まれ得る。実施形態において、分離定量化の後、16Sとメタゲノミクスライブラリとが組み合わせられ、高アウトプットカセットでともにシークエンス化される。
【0037】
実施形態において、以下の標的がv3.0に含まれる。
【0038】
酵母属:Candida
【0039】
酵母種:Candida albicans、Candida glabrata、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Candida krusei
【0040】
細菌属:Anaerococcus、Anaeroglobus、Arcanobacterium、Bulleidia、Eggerthella、Dialister、Finegoldia、Fusobacterium、Mobiluncus、Moryella、Leptotrichia、Veillonella
【0041】
細菌種:Mycoplasma hominis
【0042】
原生動物:Trichomonas vaginalis
【0043】
したがって、例において、SmartJane v3.0は、16Sパイプラインによって検出される少なくとも10個の細菌標的、及び/又は、少なくとも6個の酵母標的、及び/又は、メタゲノミクスによって検出される少なくとも1個の原生動物標的の解析的査定を考慮する。追加又は代替として、実施形態は、任意の好適なパイプライン(例えば、16Sパイプライン及び/又はメタゲノミクス等)を使用して、(任意の好適な微生物分類群等の)標的の任意の好適な数及び/又は種別を包含、解析及び/又は特性化することができる。
【0044】
16SrRNA配列の解析の具体例
【0045】
16S配列データベース(例えば、SILVAデータベースのバージョン123)を使用して、アッセイの標的にした32個すべての分類群について、16S V4アンプリコンの分類学的アノテーションのための論理的(in silico)性能基準を判定した。
【0046】
本明細書に記載の臨床バイオインフォマティクスパイプラインの実装に使用される分類学的データベースを作成するために、まず、データベース中のすべての配列V4プライマーによって生成されるアンプリコンを予測した。使用したプライマーは、GTGCCAGCMGCCGCGGTAA(SEQ ID:1)(順方向)及びGGACTACHVGGGTWTCTAAT(SEQ ID:2)(逆方向)であり、Mは、A又はC、Hは、A、C、又はT、Vは、A、C、又はG、Wは、A又はTであった。2個の不合致までアニーリングを許容した。結果として予測されたアンプリコンには、次いで、変性塩基に関する調査を施した。20超の可能な非変性配列に拡大した変性アンプリコンは、質の悪い配列であるとみなされ、データベースから除外し、20未満の可能なシークエンスに拡大したものは、各非変性シークエンスとして拡大を維持させた。アンプリコンにはさらに、ペアエンドシークエンシングを使用して処理を施し、順方向プライマーと順方向プライマーの3’エンドに125bpとを含んだ順方向リードと、逆方向プライマーと逆方向プライマーの3’エンドに124bpを含んだ逆方向リードと、によって表されるようにした。最終的に、プライマーを取り除き、リードの残りの部分(順方向プライマー後の125bpと、逆方向プライマー後の124bp)を連結し、アンプリコンデータベースに記憶した。
【0047】
メタゲノミクス配列の解析の例
【0048】
メタゲノミクスは、サンプル中に存在するすべてのDNAを補足するパイプラインである。そういった文脈と、メタゲノミクスパイプラインの所与の性格によると、バイオインフォマティクスパイプラインを使用して得られるk-merに基づく分類学的分類のために、論理的(in silico)性能基準を判定する。臨床メタゲノミクスバイオインフォマティクスパイプラインを実装するのに使用される分類学的データベースの生成には、まず、NTデータベースをキュレートする。このためには、NT配列が、細菌、古細菌、ウィルス、菌類、マイクロ真核生物及び/又はヒト及び/又は任意の好適な微生物分類群を含む選択idの一覧から来たものであれば、これをフィルタリングする。
【0049】
メタゲノミクスパイプラインは、約200~600pbの範囲のDNAのランダムなフラグメントを生成した。ペアエンドシークエンシングを使用するため、重複し得るか、重複し得ない異なるリードを生成した。さらに、これらのDNA領域は、無情報であった。これは、特定の領域が複数の組織で共有可能であることを意味する。したがって、NTキュレートデータベースにおける配列のk-merに対して、100%超の長さで100%の同一性を使用して、ペアエンドリードから得られたk-merの配列類似性に基づく分類学的分類が好ましいが、任意の好適な類似性(例えば、任意の好適な同一性パーセンテージ、任意の好適な長さ等)条件及び/又は任意の好適な指標を使用することができる。各種又は属についてキュレートデータベース中に存在するk-merは、混同行列の要素を規定するものであり、したがって、予測のための性能基準を規定するものである。
【0050】
しかしながら、本明細書に記載の任意の好適なアプローチは、2018年8月28日出願の米国出願第16/115,542号のアプローチ及び/又はこの類似物を含むことができ、これにより適用することができ、これに対応することができ、及び/又は、さもなければこれに関連付けられることができ、その全体を参照として明細書中に援用する。
【0051】
実施例2:HPV感染に関連付けられた癌関連症状のための診断及び/又は治療のための方法及びシステム
【0052】
本システム(例えば、治療用組成物等)及び/又は方法の実施形態は、HPV感染、病変及び進行、及び/又は、HPV関連癌症状及び/又は関連症状の治療のための1つ以上の治療(例えば、治療用組成物)の検出、同定、判定、生成及び/又は促進(例えば、提供、投与等)を含み得る。
【0053】
本方法及び/又はシステムの実施形態は、各々、全体を参照として本明細書中に援用する2018年8月28日出願の米国出願第16/115,542号、及び2016年6月30日出願の米国出願シリアル番号15/198,818号に記載の任意の好適なアプローチ及び/又はこれらに記載のものの類似物の包含、実装及び/又はさもなければ適用により、1つ以上のHPV関連症状(例えば、HPV感染、任意の好適なHPV株、HPV関連症状等)の検出、診断、同定及び/又はさもなければ特性化を行うことができ、及び、一定の時間後(例えば、4時間、好適な時間等)、蛍光化合物(例えば、プロトポルフィリンIX)に変換され、病変に蓄積する罹患領域、及び/又は、特定及び/又は関連の領域(例えば、頸部等)における、アミノレブリン酸(ALA)及び/又はその同等物(例えば、デルタアミノレブリン酸等)に基づく1つ以上の特定の治療の促進(例えば、提供、生成、投与等)を行うことができ、その後、治療は、蛍光変換化合物の蓄積した対応ゾーン(例えば、領域)に放射を行うことで継続し、感染した細胞内のDNAを破壊する活性酸素種を生成することを含む。具体例において、結果及び治療の成功を確実にするために、規定時間(例えば、48時間等)、反復セッションが必要となる。
【0054】
本方法及び/又はシステムの実施形態は、感染及び/又は特定株のゾーン(例えば、位置、身体部位、重症度等)を特定するための1つ以上のHPV関連症状(例えば、HPV株等)の診断、及び/又は、選択的に又は多くの場合には特異的に感染細胞を破壊することによって腫瘍を破壊するため等の、アミノレブリン酸及び/又は類似物、及び/又は、病変、マークゾーンに蓄積して、任意の好適なアプローチによって活性酸素種に変換され得る改良化合物に基づき、対応の2セッション治療を伴う(例えば、診断特性化等に基づく)治療を含むことができる。具体例において、第1のセッションは、効果的な治療を提供するため、少なくとも48時間内に少なくとも反復されなければならない。
【0055】
本方法及び/又はシステムの実施形態は、追加又は代替として、異なるHPV株に関する感染種別に応じて、分子の使用により、最良の治療候補を改良することを含み得る。
【0056】
科学文献に基づき、Lactobacillus、Sneathia、Gardnerellaと、STIに関与の4つの病原体(Chlamydia trachomatis、Mycoplasma genitalium、Neisseria gonorrhoeae、及びTreponema pallidum)とを含む、女性の生殖器官の健康のための臨床的関連性のある32個の細菌標的を選択した(
図1)。さらに、アッセイでは、14個のhrHPV型(16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68)及び5個のlrHPV型(生殖器良性腫瘍に関連の低リスク型、すなわち、6、11、42、43、44)を標的にする。
【0057】
図1は、女性の健康アッセイ及び彼女らの関連健康状況により網羅される32個の細菌標的及び19個のHPV標的のマトリクスを示している。ドットは、症状にポジティブに関連付けられた標的を示し、ダイアモンドは、逆関連を示している。
【0058】
オンラインデータベースからの配列における、in silicoの性能に基づき、すべての標的を選択した。
図2A及び
図2Bは、本開示の一実施形態に係る、アッセイにおける細菌標的の健全な範囲を示している。異なる女性から各々得た、50個の膣サンプルのセットを、一般的な膣の健康を示す質問を調査するために与えられた自己報告回答に基づき、選択した。一部は、健康コホートについての存在値がなかったため、アッセイに使用した分類群のすべてはプロットされていない。このコホート中にHPVリードは見つからなかった。
【0059】
合成DNAフラグメント(図示せず)を使用して、標的の性能(膣サンプルにおける検出、希釈プールにおける検出の限界)を査定した。二遺伝子HPV HC2アッセイに対して、アッセイのhr-及びlrHPV遺伝子型判定の性能を評価した。
【0060】
図3A及び
図3Bは、本開示の一実施形態に係る、hrHPV及びlrHPV増幅並びに遺伝子型判定の、二遺伝子HC2 HPVアッセイに対する比較を示している。718個の膣サンプルから得たDNAを抽出し、PCR増幅と、HPVプライマーを使用したシークエンシングにより試験を行い、追加として、HC2 hrHPV(パネルA、601のサンプル)又はlrHPV(パネルB、148のサンプル)のプローブミックスを使用した二遺伝子アッセイで直接使用した。Aの開放三角形は、lrHPVリードのみを含むhrHPV二遺伝子アッセイにおいてポジティブであったサンプルを描いたものである。
【0061】
図4A及び
図4Bは、研究のうちの1つにおける19個のHPV型の分布を示している。これらのうち、142個のサンプルは、本研究において査定された19個のHPV型(14個のhrHPV、パネルA;5個のlrHPV、パネルB)のうちの少なくとも1つについてポジティブであった。これらのうちの35個には、2つ以上のHPV型が見つかった。
【0062】
しかしながら、本明細書に記載の任意の好適なアプローチは、1つ以上のHPV関連症状(例えば、任意の好適なHPV株によるHPV感染)を特性化するため等、2018年8月28日出願の米国出願第16/115,542号、2016年6月30日出願の米国出願シリアル番号15/198,818号(これらの各文献全体を、参照として本明細書中に援用する)に記載のアプローチ及び/又はこれらの類似物を含むか、これらとともに適用されるか、これらに対応するか、及び/又は、さもなければこれらに関連付けられ得るもので、本明細書に記載の治療アプローチは、対応して促進可能である(例えば、1つ以上の女性の生殖システム関連特性の特性化に基づき、これに応じて、これに続いて、及び/又は、これに関連した任意の好適なタイミング、頻度及び/又はやり方で促進される)。
【0063】
実施形態の方法及び/又はシステムは、少なくとも部分的に、コンピュータ可読指示を記憶したコンピュータ可読媒体を受容するように構成された機械として、実現及び/又は実装可能である。指示は、アプリケーション、アプレット、ホスト、サーバ、ネットワーク、ウェブサイト、通信サービス、通信インタフェース、患者のコンピュータ又はモバイルデバイスのハードウェア/ファームウェア/ソフトウェア要素、又はこれらの任意の好適な組み合わせで一体化されたコンピュータ実行可能な構成要素により、実行可能である。実施形態の他のシステム及び方法は、少なくとも部分的に、コンピュータ可読指示を記憶したコンピュータ可読媒体を受容するように構成された機械として、実現及び/又は実装可能である。指示は、上述の種別の装置及びネットワークと一体化されたコンピュータ実行可能な構成要素によって実行可能である。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学装置(CD又はDVD)、ハードドライブ、フロッピーディスク、又は任意の好適なデバイス等、任意の好適なコンピュータ可読媒体に記憶可能である。任意の好適な専用ハードウェア装置が(代替又は追加として)指示を実行可能であるが、コンピュータ実行可能な構成要素は、プロセッサとすることができる。
【0064】
米国出願第16/115,542号(その全体を、本明細書中に援用する)の図面は、好適な実施形態、例としての構成、及びそのバリエーションに係る、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関し、フローチャート又はフロック図における各ブロックは、特定された論理機能を実装するための1つ以上の実行可能な指示を含む、モジュール、セグメント、ステップ、又はコードの一部を表していてもよい。いくつかの代替実装において、ブロック内に記された機能は、米国出願第16/115,542号の図面に記された順序から外れて発生し得ることにも留意しなければならない。例えば、関与する機能に応じて、続けて示された2つのブロックが、実際には、略同時に実行されてもよく、場合によっては、それらのブロックが、逆の順に実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、特定された機能または作用を実施する特定用途用ハードウェアベースシステム、又は、特定用途用ハードウェアとコンピュータ指示との組み合わせにより、実装可能であることも留意されるであろう。
【0065】
当業者が以上の詳細な説明と、図面及びクレームとから認識するであろうとおり、以下のクレームにおいて規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態には、修正及び変更がなされ得る。
【配列表】
【国際調査報告】