(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】うつ病及び他の障害の治療のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/137 20060101AFI20220330BHJP
A61K 31/138 20060101ALI20220330BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20220330BHJP
A61K 31/136 20060101ALI20220330BHJP
A61K 31/42 20060101ALI20220330BHJP
A61K 31/4525 20060101ALI20220330BHJP
A61K 31/5375 20060101ALI20220330BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20220330BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20220330BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
A61K31/137
A61K31/138
A61K31/55
A61K31/136
A61K31/42
A61K31/4525
A61K31/5375
A61K45/06
A61P25/24
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548233
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(85)【翻訳文提出日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 US2020018567
(87)【国際公開番号】W WO2020168337
(87)【国際公開日】2020-08-20
(32)【優先日】2019-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521362748
【氏名又は名称】ニューラウェル セラピューティクス
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム マギッド
(72)【発明者】
【氏名】ギルマン ケン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA20
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA06
4C084NA12
4C084ZA121
4C084ZA122
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4C086AA01
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4C086GA02
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4C086MA52
4C086NA06
4C086NA12
4C086ZA12
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
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4C206FA21
4C206FA25
4C206FA27
4C206FA29
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4C206HA03
4C206KA01
4C206KA04
4C206KA06
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4C206MA04
4C206MA72
4C206NA06
4C206NA12
4C206ZA12
4C206ZC20
4C206ZC41
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、うつ病及び他の精神障害の治療のための組成物及び方法を提供する。特に、本発明は、そのような組成物及び方法における使用のための、持続放出又は制御放出製剤、特に、少なくとも1つのモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)を含む徐放性又は徐放製剤、ならびに少なくとも1つのMAOI及び少なくとも1つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)を含む併用治療を提供する。この要約は、特定の技術分野における検索の目的のためのスキャンツールとして意図しており、本発明を限定することを意図していない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)、及び医薬的に許容可能な担体を含み、MAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で存在する、医薬組成物。
【請求項2】
MAOIが制御放出剤形として製剤化される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
制御放出剤形が、患者への投与時に約6時間から約16時間までの期間にわたりMAOIを放出する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
NRIが制御放出剤形として製剤化される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
剤形が、投与後の24時間にその平均1日血漿濃度の少なくとも70%を送達するように製剤化される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
MAOIが制御放出剤形として製剤化され、ならびにMAOI及びNRIが異なる期間にわたり放出される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
MAOIが治療有効量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
NRIが非治療有効量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
MAOIが約20mgから約1000mgの量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
MAOIが、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びTCPより選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
MAOIがフェネルジンである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
NRIが、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びニソキセチン、ならびにそれらの組み合わせより選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
NRIがデシプラミン又はアトモキセチンである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
NRIがアミトリプチリンではない、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
NRIが三環系抗うつ薬ではない、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
組成物が、低血圧を治療することが公知である薬剤を含まない、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項17】
組成物がドロキシドパを含まない、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
MAOI、NRI、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、MAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で存在する、被験者において精神障害を治療するための方法。
【請求項19】
精神障害がうつ病である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
MAOIがフェネルジンであり、及びNRIがアトモキセチン又はデシプラミンである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
フェネルジン、アトモキセチン又はデシプラミンより選択されるNRI、及び医薬的に許容可能な担体を含み、NRIが制御放出剤形として製剤化され、フェネルジンが制御放出剤形として製剤化され、ならびにNRI及びフェネルジンが異なる期間にわたり放出され、及び
NRI及びフェネルジンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はNRI及びフェネルジンが一緒に治療有効量で存在する、医薬組成物。
【請求項22】
フェネルジン、アトモキセチン又はデシプラミンより選択されるNRI、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、
NRIは制御放出剤形として製剤化され、フェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、ならびにNRI及びフェネルジンは異なる期間にわたり放出され、及び、
NRI及びフェネルジンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はNRI及びフェネルジンが一緒に治療有効量で存在する、被験者において精神障害を治療するための方法。
【請求項23】
精神障害がうつ病である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
MAOI及びNRIを被験者に同時に投与することを含み、MAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与され、又はMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で投与され、それにより精神障害を治療する、被験者において精神障害を治療するための方法。
【請求項25】
MAOI及びNRIが単一剤形として投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
MAOI及びNRIが単一経口剤形として投与される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
MAOIが制御放出剤形として製剤化される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
NRIが制御放出剤形として製剤化される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
MAOIが制御放出剤形として製剤化され、ならびにMAOI及びNRIが異なる期間にわたり放出される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
MAOIがフェネルジンであり、及びNRIがアトモキセチン又はデシプラミンである、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
被験者にMAOI及びNRIを同時に投与することを含み、
MAOI及びNRIは各々が、徐放性製剤の期間内にチラミンに富む食事を摂取することへの反応において血圧増加が約20mmHG未満になるのに十分なNRI投与量で投与され、及び
MAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与され、又はMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で投与され、それにより精神障害を治療する、被験者において精神障害を治療するための方法。
【請求項32】
MAOI及びNRIが同時に投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
MAOI及びNRIが順次投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
MAOI及びNRIが単一剤形として投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
MAOI及びNRIが単一経口剤形として投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
MAOIが制御放出剤形として製剤化される、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
NRIが制御放出剤形として製剤化される、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
MAOIが制御放出剤形として製剤化され、ならびにMAOI及びNRIが異なる期間にわたり放出される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
MAOIがフェネルジンであり、及びNRIがアトモキセチン又はデシプラミンである、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
NRIがデシプラミンであり、ならびにMAOI及びデシプラミンは各々が、約22ng/mLから約30ng/mLまでの最小血漿濃度レベルをもたらすのに十分なデシプラミン投与量で投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
NRIがアトモキセチンであり、ならびにMAOI及びアトモキセチンは各々が、約130ng/mLから約200ng/mLまでの最小血漿濃度レベルをもたらすのに十分なNRI投与量で投与される、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願では、2019年2月17日に出願された米国仮出願第62/806,831号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる。
【0002】
本発明は、うつ病及び他の精神障害の治療のための組成物及び方法を提供する。特に、本発明は、少なくとも1つのモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)を含む持続放出又は制御放出製剤、特に徐放性もしくは徐放製剤、ならびに少なくとも1つのMAOI及び少なくとも1つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)を含む併用治療、及びそのような制御放出製剤及び併用治療を使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
うつ病は、米国において最も一般的な精神障害の1つであり、うつ病の発生率は上昇しており、3億人以上が世界中で罹患している。しかし、現在のうつ病の治療は望まれない副作用を被っており、一部の場合では、それらは全ての症例を治療するために有効ではない。抗うつ薬は、約30%から45%の人々については完全には効かないと推定されている。そのような患者は、治療抵抗性うつ病又はTRDを有するとして分類される。自殺の70%がこの集団の間にあると推定されている。また、彼らはより多くの健康問題を有する傾向があり、彼らの平均余命が10年だけ低下するほどである。TRD患者1名あたりの医療費は普通の人の費用の約10倍であり、米国経済だけでの総費用は少なくとも300億ドルと推定されている。
【0004】
研究及び臨床診療によって、MAOIは大うつ病性障害(MDD)の治療において高度に有効であり、他の治療が失敗した場合に頻繁に機能することが示されている(総説については、Bender and Walker,2012;Fiedorowicz and Swartz,2004;及びThase,et al.,1995を参照のこと)。それらは、臨床医(Schatzberg,Alan F.,and Charles DeBattista.Manual of Clinical Psychopharmacology.Eighth edition.ed.Washington,DC:American Psychiatric Publishing,a division of American Psychiatric Association,2015,p 140)及び患者(https://socialphobiaworld.com/threads/nardil-saved-my-life.53171/)により「重度のうつ病である人々のための命の恩人」として頻繁に引用されている。それらは、しかし、主に潜在的に危険な高血圧の危機を避けるために患者が従わなければならない厳格な食事制限のため、薬物クラスとして稀に、躊躇しながら使用される。このように、患者は、発酵及び老化に伴って食品中の増加レベルを示す天然物質であるチラミンを過剰に含むことが公知である、チーズ、ワイン、及びビールを含む食品及び飲料を避けなければならない(Thase,et al.,1995)。以下に要約するように、過剰量のチラミンが、食事制限に従わなかったために摂取された場合、危険な又は生命を脅かす血圧増加を招きうる(GlaxoSmithKline,2008;Gillman,2017)。
【0005】
MAOIによって、神経終末、消化管、肝臓、及び他において生体アミンを代謝するアイソタイプMAO-Aを含む、酵素モノアミンオキシダーゼの80%以上が遮断される(McDaniel,1986;Finberg,2014;Finberg and Rabey,2016)。通常は、MAO-Aによって摂取されたチラミンの90%までが代謝され(Finberg et al.,2011)、吸収後のチラミン代謝の影響を有意に低下させる。古典的な不可逆的MAOIによるMAO-A阻害の間に、代謝過程で残存するチラミンの量は実質的に増加し、チラミン含有食品の消費に関連付けられる血圧増加に寄与する。種々の戦略が、MAO-Bを選択的に遮断する、又はMAO-Aの可逆的阻害を産生するMAOIを設計するために使用されてきたが、しかし、その結果は、MDDを治療する際にあまり有効ではない薬物であった(Finberg,2014)。
【0006】
したがって、安全ではない副作用を示さず、うつ病のための第一選択及び/又は第二選択治療基準についての推奨に応答しない患者でさえ治療する際に有効であるMAOI製剤及び組み合わせを使用し、うつ病及び他の精神障害を治療する組成物及び方法についての必要性が存在する。有意に改善された安全性と副作用のプロファイルを伴う「より安全なMAOI」の新たな製剤は、重度のうつ病患者への貴重な治療の有効な利用可能性における大きな進歩である。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的に従って、本明細書中で具体化し、広く記載するように、本発明は、一態様では、例えば、制御放出剤形のトラニルシプロミンなどのMAOIを含み、及び、任意に、例えば、アトモキセチンなどのNRIを含んでいても良い医薬組成物、ならびにその製造及び使用方法に関する。
【0008】
このように、開示するのは、治療有効量のトラニルシプロミン(TCP)及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりTCPを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0009】
また、開示するのは、治療有効量のフェネルジン及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりフェネルジンを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0010】
また、開示するのは、MAOI、NRI、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、MAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で存在している、又はMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で存在している。
【0011】
また、開示するのは、フェネルジン、アトモキセチン、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、アトモキセチンは制御放出剤形として製剤化され、フェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、フェネルジン及びアトモキセチンは異なる期間にわたり放出され、ならびにフェネルジン及びアトモキセチンの少なくとも1つが治療有効量で存在している、又はフェネルジン及びアトモキセチンが一緒に治療有効量で存在している。
【0012】
また、開示するのは、フェネルジン、デシプラミン、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、デシプラミンは制御放出剤形として製剤化され、フェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、フェネルジン及びデシプラミンは、異なる期間にわたり放出され、ならびにフェネルジン及びデシプラミンの少なくとも1つが治療有効量で存在している、又はフェネルジン及びデシプラミンが一緒に治療有効量で存在している。
【0013】
また、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、有効量の開示された組成物を被験者に投与することを含む。
【0014】
また、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、被験者にMAOI及びNRIを同時に投与することを含み、MAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与される、又はMAOI及びNRIが治療有効量で一緒に投与され、それにより精神障害を治療する。
【0015】
また、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、被験者にMAOI及びNRIを同時に投与することを含み、MAOI及びNRIは各々、徐放性製剤の期間内にチラミンに富む食事を消費することに反応して血圧増加が約20mmHG未満になるのに十分なNRI投与量で投与され、ならびにMAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与され、又はMAOI及びNRIが治療有効量で一緒に投与され、それにより精神障害を治療する。
【0016】
また、開示するのは、例えば、うつ病及び他の精神障害及び/又は神経障害を含む、障害及び疾患の治療のためのMAOI組成物及びそれを使用する方法である。本明細書中に記載の組成物及び方法は、そのような限定が存在する、又は単に開業医により存在すると認識されるかにかかわらず、MAO阻害剤の投与に伴う限定を克服するように設計されている。MAOIは、開発された最初の種類の抗うつ薬であった。MAOIはうつ病のための有効な治療であるが、それらは、一般的には、開業医によりずっと安全で副作用がより少ないと認識されている抗うつ薬により取って代わられてきた。本明細書中に記載する組成物及び方法は、種々のMAO阻害剤、特に徐放性もしくは徐放製剤のための併用治療及び/又は持続もしくは制御放出製剤を含む。これらの併用治療及び徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤は、重大な安全性の問題を排除し、副作用プロファイルを改善するように設計されており、それらによって、開業医が、うつ病及び他の精神障害のためのMAO阻害剤ベースの治療から離れるためにしばしば引用する、認識されている問題が克服される。本明細書中で提供する製剤、併用治療、及び/又は方法における使用のための適切なMAOIは、非限定的な例として、TCP、イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせを含む。本明細書中に記載する特定の態様及び実施例では、TCP及び/又はフェネルジンが使用されるが、任意のMAOIを、本明細書中で提供する製剤、併用治療、及び/又は方法と使用してもよいことが理解される。
【0017】
本発明の態様は、特定の法定クラス、例えばシステム法定クラスなどにおいて記載及び請求することができるが、これは便宜のためだけであり、当業者は、本発明の各々の態様を任意の法定クラスにおいて記載及び請求することができることを理解するであろう。他に明記しない限り、本明細書中に示す任意の方法又は態様は、その工程が特定の順序において実施されることを要求するとして解釈されることを決して意図しない。したがって、方法の請求は、請求項又は説明において、工程が特定の順序に限定されることを具体的に述べていない場合、順序が、任意の点において推測されることを決して意図しない。これは、工程の配置又は操作フローに関する論理の問題、文法的な構成もしくは句読点から由来する明白な意味、又は本明細書中に記載する態様の数もしくは種類を含む、解釈のための任意の可能な非明示的な根拠について当てはまる。
【0018】
添付の図は、本明細書中に組み入れられ、その一部を構成し、いくつかの態様を例証し、説明と一緒に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0019】
図1は、チラミン相対応答の概要を描写する代表的なグラフを示す。「薬物なし」の状態は、投薬されていない患者における約1~5gの範囲における静脈内(IV)チラミン投与量への正常な応答を描写する。このグラフでは、相対応答比(Y軸)を次の式により示す:
【数1】
図2は、チラミン相対応答とNRI、ノルトリプチリンの血中濃度の間での関係を描写する代表的なグラフを示す。
図2中に示すように、チラミン耐性が、ノルトリプチリンの血中濃度が増加するにつれて増加する。0.2の相対応答は、人がNRIの存在において5×の量のチラミンを消費し、NRIの存在を伴わずに1×の量のチラミンを消費した人と同じ収縮期血圧(SBP)の増加を依然として示すことができることを意味する。
図3は、食事と摂取された40mgのチラミンと多様な薬物を摂取した場合に観察された平均収縮期血圧(SBP)の増加を例証する代表的なデータを示す。表1も参照のこと。
図4は、食事と摂取された40mgのチラミンと、NRIを伴う又は伴わずにフェネルジンを摂取した場合に観察された平均SBP増加を例証する代表的なデータを示す。表2も参照のこと。
図5は、食事と摂取された40mgのチラミンと、NRIを伴う又は伴わずにTCPを摂取した場合に観察された平均SBP増加を例証する代表的なデータを示す。表3も参照のこと。
図6は、SBPの体位性下落がTCP血漿濃度と高度に相関していることを例証する代表的なデータを示す。表4も参照のこと。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、チラミン相対応答の概要を描写する代表的なグラフを示す。「薬物なし」の状態は、投薬されていない患者における約1~5gの範囲における静脈内(IV)チラミン投与量への正常な応答を描写する。
【
図2】
図2は、チラミン相対応答とNRI、ノルトリプチリンの血中濃度の間での関係を描写する代表的なグラフを示す。
【
図3】
図3は、食事と摂取された40mgのチラミンと多様な薬物を摂取した場合に観察された平均収縮期血圧(SBP)の増加を例証する代表的なデータを示す。
【
図4】
図4は、食事と摂取された40mgのチラミンと、NRIを伴う又は伴わずにフェネルジンを摂取した場合に観察された平均SBP増加を例証する代表的なデータを示す。
【
図5】
図5は、食事と摂取された40mgのチラミンと、NRIを伴う又は伴わずにTCPを摂取した場合に観察された平均SBP増加を例証する代表的なデータを示す。
【
図6】
図6は、SBPの体位性下落がTCP血漿濃度と高度に相関していることを例証する代表的なデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の追加の利点を、続く説明において一部だけ示し、一部は説明から明らかである、又は本発明の実践により学ぶことができる。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘する要素及び組み合わせによって実現及び達成されるであろう。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方が、例示的及び説明的に過ぎず、請求するように、本発明の制限ではないことを理解すべきである。
【0022】
本発明は、うつ病及び他の精神障害を含む障害及び疾患の治療のためにMAOI組成物及びそれ使用した方法を提供する。本明細書中に記載する組成物及び方法は、うつ病及び他の精神障害及び/又は神経障害の治療のための治療レジメン(therapeutic regimens)におけるMAO阻害剤の使用により、実際の又は知覚される限定を克服するように設計されている。本明細書中に記載する組成物及び方法は、種々のMAO阻害剤のための制御放出製剤、ならびにMAO阻害剤及び少なくとも1つの追加の薬剤を使用した併用治療を含む。一部の態様では、制御放出製剤は、徐放性もしくは徐放製剤である。本明細書中で提供する組成物及び方法における使用のための適切なMAOIは、非限定的な例として、TCP、フェネルジン、セレギリン、イソカルボキサジド、モクロベミド、及びそれらの任意の組み合わせを含む。本明細書中で記載する特定の態様及び実施例ではTCPを使用するが、任意のMAOIが、本明細書中で提供する製剤、併用治療、及び/又は方法と使用されうることが理解される。
【0023】
MAOIは、開発された最初の種類の抗うつ薬であった。MAO阻害剤の有効性は十分に確立されており、例えば、少なくともTCP(TCP、例えば、Parnateを含む、多様なブランド名及び商品名でも公知である)の場合において、それらは、現在、電気けいれん治療(ECT)が失敗した場合を含む、困難な治療抵抗性うつ病(TRD)の症例における最後の手段として依然として使用されている。MAOI投与の副作用、困難な管理、及び患者のコンプライアンスの問題に関する歴史的な懸念によって、開業医により、より安全で、副作用がより少ないと認識されている抗うつ薬に移行したより新しい世代の精神科医及び医師によるMAOI投与のほぼ放棄に導かれている。例えば、一部の開業医は、MAOIと、血圧上昇を招きうるチラミン(血圧を調節するアミノ酸)を含む特定の食品及び飲料(例、熟成チーズ、ザウアークラウト、硬化肉、ドラフトビール、及び発酵大豆製品)との可能な相互作用に関する懸念のため、MAOIベースの治療レジメンを処方することから遠ざかっている。
【0024】
製薬業界は、3つの戦略の1つに従って新たなMAOI分子を作製することにより、MAOIベースの抗うつ薬についての副作用及び厄介な食事制限を低下させるためのいくつかの試みを行っていた:
(1)MAO阻害を選択的及び可逆的にし、それは、RIMA(MAO Aの可逆的阻害剤)と呼ばれる薬物サブクラスを作製した戦略であり、薬物、例えば、ブロファロミン(コンソナールとしても公知である)、カロキサゾン(スロジル、チモステニルとしても公知である)、エプロベミド(ベフォールとしても公知である)、メトラリンドール(インカザンとしても公知である)、ミナプリン(カンターとしても公知である)、モクロベミド(オーロリクス、マネリクスとしても公知である)、ピルリンドール(ピラジドールとしても公知である)、及びトロキサトン(フモリルとしても公知である)を含む。そのような薬物は、アフターマーケットでの使用において本来のMAOIよりも有意に弱いことが証明されており、それらの販売レベルは最小限である。
(2)MAO-AではなくMAO-Bを阻害する際に選択的であるMAOIを追求する。そのような薬物の例はセレギリン及びラサギリンを含む。セレギリンは、低い投与量でMAO-Bを阻害し、経皮パッチを利用して医薬を血流中に直接送達し、消化器系におけるチラミンの相互作用を避けた。選択的MAO-B薬物は抗うつ効果を有することが証明されておらず、主に早期のパーキンソン病の治療において使用される。しかし、時折、より高い投与量によってMAO-A阻害が活性化され、同じ古典的なMAOIの食事制限が必要になる。依然として、セレギリン及びラサギリンは弱い抗うつ薬であることが証明されており、現在は主にパーキンソン病の早期段階のために使用されている。
【0025】
合計9つの市販薬を含む、過去60年間にわたるMAOIを「固定する(fixing)」全てのこれら試みは、基本的な分子構造を修飾し、MAOIの特性の一部を無効にするというそれらの戦略のため、大半が失敗している。以前の試みとは対照的に、本明細書中で提供する組成物、併用治療、及び方法では、MAOI分子をインタクトなままにし、本来の(又は古典的な)MAOIに関連付けられる重大な負の副作用を抑制するための1つ又は複数の解決策を提供することによる新規アプローチが使用されている。
【0026】
例えば、TCPは、1960年にヒトにおいて最初に使用された強力な向精神薬であり、いくつかの病気について、ならびに非定型うつ病、重度のメランコリー型うつ病、及び双極性うつ病を含む、種々の形態のうつ病について有効であることが示されてきた。TCPは、世界中の種々の当局により発行された大半の治療ガイドラインにおいて、依然として三次治療又は四次治療、又はさらには五次治療として推奨されているが、現在の使用法が、全ての書面での抗うつ薬処方のほぼ0.01%である、現世代の開業精神科医によりほとんど使用されていない(例えば、Shulman,KI,et al.,Current prescription patterns and safety profile of irreversible monoamine oxidase inhibitors:a population-based cohort study of older adults.J Clin Psychiatry,2009.70(12):p.1681-86;O’Brien,V,The Monoamine Oxidase Inhibitors:Relics Reconsidered.Psychiatr Ann,2011.41(3):p.176-183を参照のこと)。
【0027】
TCPのこの低い使用率は、現在の投与量及び製剤における、通常は12時間の期間を通した複数の経口投与量の範囲における日常の治療設定において使用される場合の困難及び不利に部分的に起因する。例えば、TCPはピルとして投与することができ、患者は1日を通して、10mgのTCPを有する4~6錠を複数回摂取しなければならない。現在の投与量及び製剤において、TCPは、TCPを摂取している患者が、熟成又は発酵により調製された少数の食品(例、チーズ及び醤油)中にだけ有意な濃度で見出される生体アミンであるチラミンを過剰に消費する場合、重篤な血圧上昇を起こしうる。(例えば、Gillman,K.P.,A reassessment of the safety profile of monoamine oxidase inhibitors:elucidating tired old tyramine myths.J.Neural.Transm.(Vienna),2017.124(7):p.1707-17を参照のこと)。
【0028】
現在の投与量及び製剤において、TCPはまた、ピーク血中レベルの時点で、通常は投薬後約1時間、特に単一の大用量後、一部の患者において一過性発作性高血圧を起こしうる。この一過性発作性高血圧は症状を起こしうるが、しかし、重篤な副作用は記録されていない(例えば、Gillman,PK,J Neural Transm(Vienna),2018;Lavin M.R.,et al.を参照のこと)。これらの症状はしばしば、医師及び患者がTCP治療を継続することをやめさせるのに十分である。
【0029】
本明細書中に記載する製剤、組成物、及び/又は方法は、MAO阻害剤の投与を伴う実際の又は知覚される限定を克服するように設計されている。
【0030】
徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤、及び本明細書中に記載する併用治療によって、MAOI治療レジメンでの認識されている困難が克服される。徐放性もしくは徐放製剤を含むこれらの制御放出製剤、及び併用治療によって、TCPの心血管系の副作用が低下する。1つのそのような深刻で一般的な副作用は、体位性低血圧であり、患者が座位から立ち上がる際での収縮期血圧における下降であり、眩暈、バランスの喪失、及び転倒を招きうる。この副作用は高度に望ましくなく、特に高齢の患者について問題となる。徐放性製剤によって、体位性低血圧の程度が有意に低下しうる。徐放性製剤により減弱又は排除される別の副作用は、投与後に観察される一過性発作性高血圧であり、高血圧患者における重大な懸念である。最後に、チラミン摂取に関連付けられる血圧増加は、単一用量のTCPでの血漿ピーク濃度によって、TCP放出を経時的に拡散することにより、有意に低下する際に著しく減衰する。このように、徐放性製剤が提供する標準的な投薬の利便性及びコンプライアンス効果に加えて、基礎となる単一放出薬物の心血管系の副作用が大きく改善され、臨床医及び患者の採用に対するより低い障壁をもたらす。
【0031】
一部の態様では、本発明は、少なくとも1つのMAOIを含む制御放出製剤を提供する。一部の態様では、制御放出製剤は、少なくともTCPを含む。一部の態様では、制御放出製剤は、徐放性もしくは徐放製剤である。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は、少なくともTCPを含む。TCPは約1~2時間の非常に短い半減期を有する。本開示の制御放出製剤は、同じ投与量について、TCPのピーク濃度を低下させるが、しかし、それをより長く利用可能にし、投与後数時間で、血中のピークレベルを伴い、発作性高血圧及び体位性低血圧を実質的又は完全に減少させる。徐放性もしくは徐放製剤を含むこれらの制御放出製剤では徐放プロファイルを使用し、ピーク濃度効果を低くする。徐放性もしくは徐放製剤を含むこれらの制御放出製剤によって、投与の利便性が改善され、体位性低血圧が低下し、ピーク薬物濃度で生じうる血圧スパイクが低下する。
【0032】
本明細書中で提供する徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤は、MAO阻害剤の現在の製剤を上回る多くの利点を示す。例えば、活性成分は、うつ病及び他の障害を治療する際に証明された有効性を有し、重度及び/又は治療抵抗性のうつ病サブタイプを治療するための特有の強力なドーパミン効果を含む。徐放性もしくは徐放製剤を含むこれらの制御放出製剤は、非限定的な例として、高血圧症の低下リスク、体位性低血圧の有意に少ない程度、及びピーク投与量で血圧増加がほとんどあるいは全くない、などのずっと良好な副作用プロファイルを有する。
【0033】
本明細書中で提供する徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤からのMAOIの放出速度は、医薬的に許容可能な賦形剤を製剤に加えることにより調節又は安定化することができる。賦形剤は、MAOI、NRI、又は生分解性ポリマーではない、生分解性ポリマーデポーに加えられる任意の有用な成分を含みうる。医薬的に許容可能な賦形剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカンス、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、PEG、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩水、シロップ、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースを含みうるが、これらに限定しない。徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤からのMAOIの放出速度を調節するための賦形剤はまた、細孔形成剤、pH調整剤、還元剤、抗酸化剤、及びフリーラジカルスカベンジャーを含みうるが、これらに限定しない。
【0034】
徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤の製造は、当技術分野において公知である。一部の態様では、制御放出製剤は、生体適合性ポリマーを含む。一部の態様では、制御放出製剤は、生分解性、生体適合性ポリマーを含む。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は、生体適合性ポリマーを含む。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は、生分解性、生体適合性ポリマーを含む。
【0035】
一部の態様では、生分解性ポリマーは、天然もしくは合成の生体適合性の生分解性材料又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定しない。天然ポリマーは、タンパク質、例えばアルブミン、コラーゲン、ゼラチン合成ポリ(アミノ酸)、及びプロラミンなど;グリコサミノグリカン、例えばヒアルロン酸及びヘパリンなど:多糖類、例えばアルギン酸塩、キトサン、デンプン、デキストランなど;ならびに他の天然又は化学的に修飾された生分解性ポリマーを含むが、これらに限定しない。合成の生体適合性の生分解性材料は、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PG)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリバレロラクトン、ポリ(アルファ-ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクトン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリケタールポリ(アリール酸)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルト炭酸塩)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(エステル-コ-アミド)、ポリ(ラクチド-コ-ウレタン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA-g-PLGA、PEGT-PBTコポリマー(多活性)、ポリウレタン、ポリチオエステル、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、PEO-PPO-PAAコポリマー、ならびにPLGA-PEO-PLGA混合物及びそれらのコポリマー、マルチブロックポリマー構成、例えばPLGA-PEG-PLGAなど、及びそれらの任意の組み合わせを含む群を含むが、これらに限定しない。これらのポリマーは、本明細書中に開示する制御放出又は持続放出又は徐放性又は徐放組成物を作製する際に使用してもよい。
【0036】
一部の態様では、製剤は、ポリ(d、l-乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)を使用して作製され、それは、多数の供給源から商業的に入手可能である。生分解性PLGAコポリマーは、乳酸とグリコール酸の広い範囲の分子量及び比率で入手可能である。
【0037】
一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤は、適切な水性又は非水性担体を含みうるが、それらは、水、生理食塩水、医薬的に許容可能な油、低融点ワックス、脂肪、脂質、リポソーム、及び親油性であり、水中で実質的に不溶性であり、ならびに生分解性であり、及び/又は患者の身体の自然な過程により排除可能である任意の他の医薬的に許容可能な物質を含みうるが、これらに限定しない。植物、例えば野菜及び種子などの油が含まれる。例は、トウモロコシ、ゴマ、カンノーリ、大豆、ヒマシ、ピーナッツ、オリーブ、アラキス、トウモロコシ、アーモンド、亜麻、ベニバナ、ヒマワリ、菜種、ココナッツ、ヤシ、ババス、及び綿実油から作られた油;ワックス、例えばカルナバワックス、蜜蝋、及び獣脂など;脂肪、例えばトリグリセリドなど、脂質、例えば脂肪酸及びエステルなど、ならびにリポソーム、例えば赤血球ゴースト及びリン脂質層などを含む。
【0038】
一部の態様では、本発明は、少なくとも1つのMAOI及び少なくとも1つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)を含む併用治療を提供する。NRI薬物は、MAOIの投与でのチラミン昇圧効果を軽減する目的のために臨床的に使用されていないが、既に治療実践において広く使用されている。適切なNRI薬物は、非限定的な例として、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びニソキセチンを含む。
【0039】
これらの併用治療は、MAOIの投与後又は過剰量のチラミンの摂取後に患者の血圧が一時的に上昇する昇圧応答を緩和するように設計されている。過剰量のチラミンの摂取への昇圧応答の機構は、ノルエピネフリンシナプス小胞からノルエピネフリンを放出できるようにするために、チラミンがシナプス前ニューロンに入ることを要求し、それによって昇圧応答が誘起される。チラミンはこれを行うためにノルエピネフリンタンスポーター(NET)を利用し、それは、NET遮断によって過剰なチラミンへの昇圧応答が有意に減弱される、又はさらには無効になることを意味し、それにより、MAOIの受容性及び安全性が増強される。これは、MAOIを、適切な効力及び作用期間(例、半減期)の適度な用量のNRIと組み合わせることにより達成することができる。例えば、チラミン昇圧効果は、NRIノルトリプチリンの存在においてずっとより低下することが示されている(例えば、Freyschuss,U,Sjoqvist,F,and Tuck,D,Tyramine pressor effects in man before and during treatment with nortriptyline or ECT:Correlation between plasma level and effect of nortriptyline.Eur.J.Clin.Pharmacol.,1970.2(33):p.72-78;Chalon S.,Granier L.,Vandenhende F.,Bieck R.,Bymaster F.,Joliat M.,Hirth C.,Potter W.,2003.Duloxetine Increases Serotonin and Norepinephrine Availability in Healthy Patients:A Double-Blind,Controlled Study.Neuropsychopharmacology,28,2003,p1685-1693を参照のこと)。チラミン効果におけるNRI低下は、MAOIではさらにより大きい(例えば、Zimmer R.Relationship between Tyramine potentiation and monoamine oxidase(MAO)inhibition:comparison between moclobemide and other MAO inhibitors.Acta Psychiatr Scand 1990:Suppl 360:81-83を参照のこと)。
【0040】
MAOI及びNRIの併用の存在において、静脈内に与えられた所与の量のチラミンについての平均血圧増加は、任意の薬物を全く伴わない、チラミンへの自然反応の一部でありうるのと大体同じである。簡単には、チラミン分子のより高い割合にもかかわらず、NRIによって、それらの結合能力が低下する。このように、最終結果は、MAOI単独と比べて、およそ9×のチラミン昇圧の減弱である(例えば、Pare,C.M.,Kline,N.,Hallstrom,C.,Cooper,T.B.,1982.Will amitriptyline prevent the “cheese” reaction of monoamine-oxidase inhibitors? Lancet 2(8291),183-186を参照のこと)。このチラミン相対応答の概要を
図1中に示す。
【0041】
本明細書中で提供する、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤、及び/又は併用治療は、意図された投与経路と適合性があるように製剤化される。投与経路の例は、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例、吸入)、経皮(即ち、局所)、経粘膜、及び直腸投与を含む。一部の態様では、制御放出製剤は経口製剤である。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は経口製剤である。一部の態様では、併用治療の各々の要素であるMAOI及びNRIは、経口投与のために製剤化される。
【0042】
非経口、皮内、又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分を含むことができる:無菌希釈液、例えば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒など;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベンなど;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなど;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など;緩衝剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩など、及び張性の調整のための薬剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロースなど。pHは、酸又は塩基、例えば塩酸又は水酸化ナトリウムなどで調整することができる。非経口製剤は、アンプル、使い捨て注射器、又はガラスもしくはプラスチック製の複数回投与バイアル中に封入することができる。
【0043】
本発明はまた、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤、ならびに/あるいは多様な障害、疾患、及び他の苦痛のいずれかを治療するための併用治療を使用する方法を提供する。例示的な態様では、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤。
【0044】
これらの態様を、うつ病及び他の精神障害の治療を参照して例示しているが、本発明がこれらの使用のためだけである推測すべきではない。むしろ、本発明の態様は、他の形態の精神疾患及び/又は障害、例えば不安、ADHD、双極性うつ病などを治療するために有用であると熟慮される。特定の単語及び参照の任意の及び全ての使用が、単に本発明の異なる態様を詳述するためである。
【0045】
他の適応症は、非限定的な例として、例えば、酸化ストレス(例えば、Binda,C.et al.,2011.Lights and shadows on monoamine oxidase inhibition in neuroprotective pharmacological therapies.Curr.Top.Med.Chem.11,2788-2796;Finberg John P.M.,Rabey Jose M.Inhibitors of MAO-A and MAO-B in Psychiatry and Neurology.Frontiers in Pharmacology ,VOLUME,7,2016,PP 340-355を参照のこと);パーキンソン病(例えば、Finberg et al.2016を参照のこと);及びアルツハイマー病(例えば、Filippo Caraci,et al.Neuroprotective effects of the monoamine oxidase inhibitor TCP and its amide derivatives against Aβ(1-42)-induced toxicity,European Journal of Pharmacology,Volume 764,2015,Pages 256-263を参照のこと)の症状を治療する、緩和させる、その進行を寛解及び/又は遅延させる際での神経保護治療レジメンを含む。
【0046】
本明細書中で提供する、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤、及び/又は併用治療はまた、ADD/ADHDの症状を治療する、緩和させる、その進行を寛解及び/又は遅延させる際に有用である(例えば、Finberg et al.2016を参照のこと)。本明細書中で提供する、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤、及び/又は併用治療はまた、うつ病関連の認知欠損の症状を治療する、緩和させる、その進行を寛解及び/又は遅延させる際に有用である。
【0047】
本明細書中で提供する、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤、及び/又は併用治療は、精神疾患もしくは障害に苦しんでいる、又は感受性である患者に投与される。所与の精神疾患もしくは障害に苦しんでいる、又は感受性である患者は、例えば、多様な精神科、臨床的、及び/又は検査室テスト、例えば精神評価、身体検査、及び/又は健康状態を評価するための体液分析などのいずれかを含む、当技術分野において公知の多様な方法のいずれかを使用して特定される。
【0048】
本明細書中で提供する、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤の投与、及び/又は併用治療は、多様な検査室又は臨床結果のいずれかが達成された場合に成功と見なされる。例えば、徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤の投与、及び/又は併用治療は、他で有効である治療の中止に導きうる、治療に関連付けられる1つ又は複数の重大な副作用、又は疾患に関連付けられる症状が緩和、低下、抑制される、あるいはさらなる、即ち、より悪い状態に進行しない場合に成功と見なされる。徐放性もしくは徐放製剤を含む制御放出製剤の投与、及び/又は併用治療は、疾患、例えば関節炎もしくは他の炎症性疾患が寛解に入る、又はさらなる、即ち、より悪い状態に進行しない場合に成功と見なされる。
【0049】
また、当業者に生じるような、本発明の任意の及び全ての変更ならびにさらなる修飾が、本発明の範囲内にあることが意図される。
【0050】
本発明は、本発明の以下の詳細な説明及び本明細書中に含まれる実施例への参照により、より容易に理解することができる。
【0051】
本発明の化合物、組成物、物品、システム、デバイス、及び/又は方法が開示及び記載される前に、それらは、他に指定しない限り、特定の合成方法、又は、他に指定しない限り、特定の試薬に限定されず、そのようなものとして、無論、変動しうることを理解すべきである。本明細書中で使用する用語は、特定の態様を記載する目的のためだけであり、限定することを意図しないことも理解すべきである。本発明中で記載するものと類似の又は等価の任意の方法及び材料を、本発明の実践又はテストにおいて使用することができるが、例示的な方法及び材料を本明細書中に記載する。
【0052】
本発明の態様は、特定の法定クラス、例えばシステム法定クラスなどにおいて記載及び請求されることができるが、これは便宜のためだけであり、当業者は、本発明の各々の態様を任意の法定クラスにおいて記載及び請求されることができることを理解するであろう。他に明記しない限り、本明細書中に示す任意の方法又は態様は、その工程が特定の順序において実施されることを要求するとして解釈されることを決して意図しない。したがって、方法の請求は、請求項又は説明において、工程が特定の順序に限定されることを具体的に述べていない場合、順序が、任意の点において推測されることを決して意図しない。これは、工程の配置又は操作フローに関する論理の問題、文法的な構成もしくは句読点から由来する明白な意味、又は本明細書中に記載する態様の数もしくは種類を含む、解釈のための任意の可能な非明示的な根拠について当てはまる。
【0053】
本願を通して、種々の刊行物を参照している。これらの刊行物のそれらの全体における開示を、これが関係する最新技術をより完全に記載するために、参照により本願中に組み入れる。開示された参考文献はまた、参考文献が依拠されている文章において考察されている、それらの中に含まれる資料について、個別に及び具体的に参照により本明細書中に組み入れる。本明細書中のいかなるものも、本発明が、先行発明のためにそのような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈すべきではない。さらに、本書中で提供する刊行の日付は、実際の刊行日と異なりうるが、それは、独立した確認を要求しうる。
【0054】
A.定義
以下の用語は、他に示さない限り、以下の意味を有する。
【0055】
明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に文脈が他に明確に指示をしない限り、複数の指示対象を含む。このように、例えば、「官能基」、「アルキル」、又は「残基」への言及は、2つ又はそれ以上のそのような官能基、アルキル、又は残基などの混合物を含む。
【0056】
範囲は、本明細書中では、「約」の1つの特定の値から、及び/又は「約」の別の特定の値までとして表現することができる。そのような範囲を表現する場合、別の態様は、1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行詞「約」の使用により、特定の値が別の態様を形成することが理解されよう。さらに、範囲の各々のエンドポイントは、他のエンドポイントに関して、及び他のエンドポイントとは独立して、有意であることが理解されよう。本明細書中に開示する多数の値があり、各々の値がまた、値自体に加えて、「約」のその特定の値として本明細書中で開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。2つの特定の単位間の各々の単位も開示されることも理解される。例えば、10及び15が開示される場合、次に11、12、13、及び14も開示される。
【0057】
組成物中の特定の要素又は成分の重量部に対する明細書及び結論となる請求項における言及は、重量部が表現される組成物又は物品中の要素又は成分と任意の他の要素又は成分の間での重量関係を表示する。このように、2重量部の成分X及び5重量部の成分Yを含む化合物において、X及びYは、2:5の重量比率で存在し、追加の成分が化合物中に含まれるか否かに関係なく、そのような比率で存在する。
【0058】
成分の重量パーセント(重量%)は、特に反対の具体的な記述がない限り、成分が含まれる製剤又は組成物の総重量に基づく。
【0059】
本明細書で使用するように、用語「任意の」又は「任意に」は、その後に記載される事象又は状況が生じうる、又は生じないこと、及び記載が、前記事象又は状況が生じる例及びそれが生じない例を含むことを意味する。
【0060】
本明細書中で使用するように、用語「患者」は、本明細書中に記載する発明に従って治療することができる疾患又は状態と診断されたヒトを指す。一部の態様では、本明細書中に記載する製剤はまた、他の哺乳動物において使用されうることが熟慮される。用語「被験者」及び「患者」は、本明細書中で互換的に使用される。
【0061】
患者を用語「治療」及び「治療している」は、患者において障害、疾患、又は他の苦痛の症状を低下させる、緩和させる、止める、遮断する、又は予防することを指す。本明細書中で使用するように、「治療」及び「治療している」は、症状の部分的な緩和、ならびに一定期間にわたる症状の完全な緩和を含む。期間は、数時間、数日、数ヶ月、又は数年でありうる。
【0062】
本明細書中で使用するように、用語「予防する」又は「予防している」は、特に事前の行為により、何かが起こるのを防止する、回避する、防ぐ、食い止める、止める、又は妨げることを指す。低下、抑制、又は予防が本明細書中で使用される場合、他に具体的に示さない限り、他の2つの単語の使用も明示的に開示されることが理解される。
【0063】
本明細書中で使用するように、用語「診断された」は、当業者、例えば医師による身体検査を供されていること、本明細書中で開示された化合物、組成物、又は方法により診断又は治療できる状態を有することが見出されていることを意味する。開示された方法の一部の態様では、被験者は、投与工程の前にウイルス感染症の治療についての必要性と診断されている。本明細書中で使用するように、語句「障害のための治療が必要であると特定された」は、障害の治療についての必要性に基づく被験者の選択を指す。特定は、一態様では、診断を行う人とは異なる人により実施されうることが熟慮される。一部の態様では、投与は、その後に投与を実施した者により実施されうることもまた熟慮される。
【0064】
本明細書中で使用するように、用語「投与する」及び「投与」は、被験者に医薬製剤を提供する任意の方法を指す。そのような方法は当業者に周知であり、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、眼内投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、ならびに注射、例えば静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、及び皮下投与などの非経口投与を含むが、これらに限定しない。投与は継続的又は断続的でありうる。種々の態様では、製剤は治療的に投与することができる;すなわち、既存の疾患又は状態を治療するために投与される。さらなる種々の態様では、製剤は予防的に投与することができる;すなわち、疾患又は状態の予防のために投与される。
【0065】
本明細書中で使用する用語「接触」は、化合物が、直接的に;即ち、標的自体と相互作用することにより、あるいは間接的に;即ち、標的の活性が依存的である別の分子、補因子、因子、又はタンパク質と相互作用することにより標的(例、受容体、細胞など)の活性に影響しうるような様式で、開示された化合物と細胞、標的受容体、又は他の生物学的実体を一緒にすることを指す。
【0066】
薬物又は薬理学的に活性な薬剤の「有効」量又は「治療有効量」により、所望の効果、例えば、うつ病の治療を提供するための無毒であるが、しかし、十分な量の薬物又は薬剤を意味する。個々の症例における適した「有効」量は、ルーチン的な実験を使用して当業者により決定されうる。
【0067】
用語「医薬的に許容可能な」は、生物学的に又は他で望ましくない、即ち、許容可能ではないレベルの望ましくない生物学的効果を起こす、又は有害な様式で相互作用することを伴わない材料を記載する。
【0068】
本明細書中で使用するように、用語「誘導体」は、親化合物の構造から由来する構造を有する化合物(例、本明細書中に開示する化合物)を指し、その構造は、本明細書中に開示されるものと十分に類似しており、その類似性に基づき、請求された化合物と同じ又は類似の活性及び有用性を示すこと、あるいは前駆体として、請求された化合物と同じ又は類似の活性及び有用性を誘導することが当業者により期待される。例示的な誘導体は、塩、エステル、アミド、エステル又はアミドの塩、及び親化合物のN-酸化物を含む。
【0069】
「生体適合性」材料は、ヒトの身体に毒性がなく、それは発がん性がなく、それは身体組織に限定的な又は無の炎症を誘導するはずの材料を指す。「生分解性」材料は、身体的過程(例、酵素的)により分解されて、身体により容易に処分可能である、又は身体組織中に吸収される産物を指す。生分解性産物はまた、身体と生体適合性であるべきである。一部の態様では、そのようなポリマーは、限定しないが:微粒子、微小球、マトリックス、微粒子マトリックス、微小球マトリックス、カプセル、ヒドロゲル、ロッド、ウェーハ、ピル、リポソーム、繊維、ペレット、又は医師が患者に投与することができる他の適した医薬送達組成物を製作するために使用してもよい。生分解性ポリマーは、身体が容易に除去し、分解し、ゆっくりと溶解させる、無毒の残留物に分解し、そのまま身体から排除される。ポリマーは、エクスビボで硬化され、所望の領域への制御放出、例えば、徐放又は徐放性放出のために薬物を組み入れる固体マトリックスを形成しうる。適切な生分解性ポリマーは、天然又は合成の生体適合性の生分解性材料を含みうるが、それらに限定しない。天然ポリマーは、タンパク質、例えばアルブミン、コラーゲン、ゼラチン合成ポリ(アミノ酸)、及びプロラミンなど;グリコサミノグリカン、例えばヒアルロン酸及びヘパリンなど;多糖類、例えばアルギン酸塩、キトサン、デンプン、及びデキストランなど;ならびに他の天然又は化学的に修飾された生分解性ポリマーを含むが、それらに限定しない。合成の生体適合性の生分解性材料は、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PG)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリバレロラクトン、ポリ(アルファ-ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクトン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリケタールポリ(アリール酸塩)、ポリ(オルトエステル)、ポリウレタン、ポリチオエステル、ポリ(オルト炭酸塩)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(エステル-コ-アミド)、ポリ(ラクチド-コ-ウレタン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA-g-PLGA、PEGT-PBTコポリマー(多活性)、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、PEO-PPO-PAAコポリマー、ならびにPLGA-PEO-PLGA混合物及びそれらのコポリマー、ならびにそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定しない。生体適合性の生分解性材料は、生体適合性の生分解性材料の組み合わせを含むことができる。例えば、生体適合性の生分解性材料は、トリブロック、又は他のマルチブロックでありうるが、その形成では、生体適合性の生分解性ポリマーの組み合わせが一緒に結合される。例えば、トリブロックはPLGA-PEG-PLGAでありうる。
【0070】
本明細書中で使用するように、語句「チラミンに富む食事」は、FDA(米国食品医薬品局、Selegine Transdermal Medical Review(2019年9月29日にアクセス:https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2006/021336s000_021708s000_MedR_Part1.pdf)、2006年2月)により定義されるような食物と、40mg又はそれ以下の量中でのチラミンの消費を指す。例えば、種々の態様では、MAOI及びNRIは、各々が、製剤の有効期間内に、チラミンに富む食事(即ち、40mg又はそれ以下の量中のチラミン)を消費することへの反応において、血圧増加が約20mmHG未満になるのに十分なNRI投与量で投与される。このように、MAOI及びNRIは、各々が、製剤の有効期間内に、約40mg又はそれ以下、約35mg又はそれ以下、約30mg又はそれ以下、約25mg又はそれ以下、約20mg又はそれ以下、約15mg又はそれ以下、約10mg又はそれ以下、あるいは約5mg又はそれ以下のチラミンを消費することへの反応において、血圧増加が約20mmHG未満になるのに十分なNRI投与量で投与される。
【0071】
本明細書中で使用するように、語句「制御放出製剤期間」は、製剤中の活性薬剤が、被験者への投与時に、遅延されるが、しかし、制御された様式で放出される期間を指す。制御放出の目的は、バイオアベイラビリティのピーク及び谷を避けて、製剤の濃度が狭い範囲中で変動する長期間を達成することである。別の重要な目的は、薬物濃度が所望の有効性のために要求される標的最小濃度を上回ったままである期間を長くすることである。この期間を本明細書中で「有効血漿濃度期間」として言及する。例えば、種々の態様では、開示するのは、広範な代謝物質の中で約5時間の排出半減期を有する薬物であるNRIアトモキセチンを含む徐放性製剤であって、徐放性製剤は、チラミンに富む食事が消費される時間帯に関係なく、チラミン昇圧効果を十分に減弱させるために必要な24時間にわたって約130ng/mLの最小アトモキセチン血漿濃度を維持するために使用される。この24時間の「有効血漿濃度期間」は、大体18時間の制御放出期間で達成することができる。同様に、使用されるNRIがデシプラミンである場合、12~30時間の排泄半減期、約30ng/mLの最小濃度での24時間の有効期間を伴う薬物を、8~12時間の制御放出期間で達成することができる。製剤中に使用されるNRIに依存し、NRIは、約6時間から約20時間、約6時間から約8時間、約8時間から約12時間、約12時間から約14時間、約14時間から約16時間、約16時間から約18時間、約18時間から約20時間の期間にわたって放出されうる。種々のさらなる態様では、開示するのは、MAOIを含む徐放性製剤であって、MAOIは、被験者への投与時に約6時間から約16時間の期間(例、徐放性製剤期間)にわたって放出される。このように、MAOIは、被験者への投与時に、約6時間から約16時間、約6時間から約14時間、約6時間から約12時間、約6時間から約10時間、約6時間から約8時間、約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、又は約14時間から約16時間の期間にわたって放出されうる。
【0072】
本明細書中で使用するように、用語「半減期」は、血漿中の薬物の初期濃度が50%だけ低下する期間を指す。例えば、MAOIの間で、TCPの半減期は約2.5時間、フェネルジンの半減期は約11.6時間、及びセレギリンの半減期は約10時間である。NRIの間で、アトモキセチンの半減期は、広範な代謝物質の間で約5時間であり、遅い代謝物質の間では10時間を上回り、デシプラミンの半減期は平均21時間であり、及びレボキセチンの半減期は13時間である。
【0073】
本明細書中で使用するように、用語「有効血漿濃度期間」は、活性薬剤が有効血漿濃度で血漿中に存在する期間を指す。例えば、40mgのTCP用量濃度に続く血漿濃度は、9時間にわたり25ng/mLの最小閾値を上回ったままであるのに対し、同じ40mg投与量の10時間の徐放性製剤は、15時間にわたり25ng/mLを上回ったままである。それ故に、徐放製剤は、有効血漿期間を追加の6時間だけ拡大させる。
【0074】
本明細書中で使用するように、用語「ノルエピネフリン」は、「ノルアドレナリン」として時折言及されるものと同じ化合物である。これらの用語は互換的に使用することができ、末梢神経系及び中枢神経系の両方における神経伝達物質であり、ホルモンでもある化合物を指す。本願についての不履行により、用語「ノルエピネフリン」が使用される。
【0075】
本明細書中で使用するように、用語「ノルエピネフリン再取り込み阻害剤」及び「NRI」は、ノルエピネフリン輸送体の作用を遮断することにより、神経伝達物質であるノルエピネフリン(即ち、ノルアドレナリン)及びエピネフリン(即ち、アドレナリン)を阻害する薬物を指す。
【0076】
他に明記しない限り、本明細書中に示す任意の方法が、その工程が特定の順序において実施されることを要求するとして解釈されることを決して意図しない。したがって、方法の請求が、その工程により従った順序を実際には復唱していない、又はそれが、工程が特定の順序に限定されることが請求項又は説明において他に具体的に記載されていない場合、順序が任意の点において推測されることを決して意図しない。これは、工程の配置又は操作フローに関する論理の問題;文法的な構成もしくは句読点から由来する明白な意味;及び本明細書中に記載する態様の数もしくは種類を含む、解釈のための任意の可能な非明示的な根拠について当てはまる。
【0077】
本明細書中に開示する組成物は、特定の機能を有することが理解される。本明細書中に開示するのは、開示する機能を実施するための特定の構造要件であって、開示する構造に関連する同じ機能を実施することができる多様な構造があること、及びこれらの構造が、典型的には、同じ結果を達成することが理解される。
【0078】
引用する全ての参考文献、特許、特許出願、又は他の文書を、参照により本明細書により組み入れる。
【0079】
B.制御放出製剤
一態様では、開示するのは、TCP、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を含む組成物であって、TCPは、患者への投与時に約6時間以上、及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、制御放出製剤は生体適合性ポリマーをさらに含む。一部の態様では、生体適合性ポリマーは生分解性である。一部の態様では、生体適合性ポリマーは天然の生体適合性ポリマーである。一部の態様では、生体適合性ポリマーは合成の生体適合性ポリマーである。
【0080】
一態様では、開示するのは、フェネルジン、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を含む組成物であって、フェネルジンは、患者への投与時に約6時間以上、及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。
【0081】
一態様では、開示するのは、少なくとも1つのMAOI、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤であって、MAOIは、患者への投与時に約6時間以上及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、制御放出製剤は徐放性又は徐放である。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約6時間以上及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約6時間以上及び約14時間未満にわたり徐放性又は徐放製剤から放出される。
【0082】
一態様では、開示するのは、治療有効量のTCP及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりTCPを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0083】
一態様では、開示するのは、治療有効量のフェネルジン及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりフェネルジンを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0084】
このように、一部の態様では、開示するのは、制御放出、徐放性、遅延放出、又は拍動放出組成物である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.;Mack Publishing Company,Eaton,PA,1990)を参照のこと。一部の態様では、制御放出製剤は、少なくともTCP及び/又はフェネルジンを含む。一部の態様では、制御放出製剤は、TCP及び/又はフェネルジン、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含み、TCP及び/又はフェネルジンは、患者への投与時に約6時間以上及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCP及び/又はフェネルジンは、患者への投与時に約6時間以上及び約14時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、ラセミ混合物として制御放出製剤中に存在する。一部の態様では、TCPは、単一の異性体として制御放出製剤中に存在する。
【0085】
一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は、少なくともTCP及び/又はフェネルジンを含む。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は、TCP及び/又はフェネルジン、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含み、TCP及び/又はフェネルジンは、患者への投与時に徐放性製剤期間にわたって徐放性又は徐放製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、ラセミ混合物として徐放性もしくは徐放製剤中に存在する。一部の態様では、TCPは、単一の異性体として徐放性もしくは徐放中に存在する。
【0086】
一部の態様では、制御放出製剤は、生体適合性ポリマーをさらに含む。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は、生体適合性ポリマーをさらに含む。一部の態様では、生体適合性ポリマーは生分解性である。一部の態様では、生体適合性ポリマーは、天然の生体適合性ポリマーである。一部の態様では、生体適合性ポリマーは、合成の生体適合性ポリマーである。
【0087】
一部の態様では、制御放出製剤中の又は徐放性もしくは徐放製剤中のMAOIは、約10mgから120mgの間、例えば、約10mgから約100mgの間、約10mgから約80mgの間、約10mgから約60mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約120mgの間、約40mgから約120mgの間、約60mgから約120mgの間、約80mgから約120mgの間、又は約100mgから約120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、約40mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤又は徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0088】
一部の態様では、制御放出製剤中の又は徐放性もしくは徐放製剤中のTCPは、約10mgから60mgの間、例えば、約10mgから約50mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約30mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約60mgの間、約20mgから約50mgの間、約20mgから約40mgの間、約20mgから約30mgの間、約30mgから約60mgの間、約30mgから約50mgの間、約30mgから約40mgの間、約40mgから約60mgの間、約40mgから約50mgの間、又は約50mgから約60mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、約40mgから60mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤又は徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0089】
一部の態様では、制御放出製剤中の又は徐放性もしくは徐放製剤中のフェネルジンは、約15mgから120mgの間、例えば、約15mgから約75mgの間、約15mgから約60mgの間、約15mgから約45mgの間、約15mgから約30mgの間、約15mgから約25mgの間、約25mgから約85mgの間、約35mgから約85mgの間、約45mgから約85mgの間、約55mgから約85mgの間、約65mgから約85mgの間、又は約75mgから約85mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、約45mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤又は徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0090】
一部の態様では、組成物は、経口剤形として製剤化される。
【0091】
化合物の医薬的に許容可能な塩は、化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、適切な非毒性の有機もしくは無機酸又は有機もしくは無機塩基から形成される従来の酸付加塩又は塩基付加塩である。例示的な酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及び硝酸などから由来するもの、ならびに有機酸、例えばp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸などから由来するものを含む。例示的な塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム及び、第四級アンモニウムヒドロキシド、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどから由来するものを含む。塩への医薬化合物の化学的修飾は、化合物の改善された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性、ならびに溶解性を得るための公知の技術である。例えば、H.Ansel et.al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(6th Ed.1995)at pp.196 and 1456-1457を参照のこと。
【0092】
一部の態様では、本明細書中で利用される化合物の効果を延長するために、化合物の吸収を遅らせることが望ましいであろう(例、制御放出製剤の調製を介して)。これは、例えば、不十分な水溶性を伴う結晶性又はアモルファス材料の液体懸濁液を介して達成されうる。化合物の吸収速度は次に、その溶解速度に依存し、それは次に、結晶サイズ及び結晶形態に依存しうる。あるいは、化合物の遅延吸収は、化合物を油性溶剤中に溶解又は懸濁することにより達成することができる。制御放出製剤はまた、生分解性ポリマー、例えばポリラクチド-ポリグリコリドなどの中で化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより調製することができる。ポリマーに対する化合物の比率及び用いられる特定のポリマーの性質に依存して、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)を含む。あるいは、制御放出製剤は、身体組織と適合性のあるリポソーム又はマイクロエマルジョン中に化合物を捕捉することにより調製することができる。
【0093】
一部の態様では、開示する制御放出剤形は、本明細書中に開示する溶解、放出、送達、及び/又は薬物動態学的特性の1つ又は複数が満たされるような製剤である。このように、例えば、Cmax(即ち、投薬後の血中又は血漿中のピーク薬物濃度)は、薬物用量(例、より高い用量は通常、より高いCmax値を産生する)、投与経路(例、より高いCmax値が、経口投薬と比較し、IVボーラス投薬後に生じうる)、及び製剤の種類(例、より低いCmaxが、即時放出同時製剤と比較し、制御放出経口製剤での投薬後に生じうる)により影響されうる。制御放出製剤は、薬物をより長く、しかし、より低濃度で利用可能にすることにより、所与の1日用量についてのCmaxを低下させる。他の薬物特性、例えば溶解性、透過性、身体中に吸収される方法、代謝、及び代謝産物などもCmaxに影響しうるが、それは、特定の予測を、上で言及する要因に基づいて行ってもよいが、観察された実際の行動は、ヒトにおける有意な実験を伴わずに予測することは困難であり、予想外でありうる。一部の態様では、40mg/dのTCP用量についての、開示する制御放出製剤、即時放出製剤の平均Cmaxは約230ng/mLである。10時間にわたるTCPの制御放出製剤は、Cmaxを約90ng/mLに低下させ、60%を上回る低下である。この低下は、多くの患者が薬物を中止する原因となる主要なTCP副作用である体位性低血圧に重要な効果を有する。即時放出製剤の下では、体位性収縮期血圧における最高下落は約25mmHGであるのに対し、制御放出製剤は、ピーク時にその下落が約10mmHGに低下する。その最終結果は、安全性及び忍容性における有意な改善である。
【0094】
一部の態様では、開示する制御放出製剤は、ヒト被験者への経口投与のために適合された組成物としてルーチン的な手順に従って製剤化される。経口送達用の組成物は、多様な形態(錠剤、トローチ剤、水性又は油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、又はエリキシル剤を含むが、それらに限定しない)をとることができる。経口投与される組成物はまた、1つ又は複数の甘味剤、例えばフルクトース、アスパルテーム、又はサッカリンなど;香味剤、例えばペパーミント、ウィンターグリーンオイル、又はチェリーなど;着色剤;及び/又は保存剤を含むことができ、医薬的に美味な製剤を提供することができる。さらに、錠剤又はピルの形態である場合、組成物をコーティングし、胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させることができ、それにより、長期間にわたる持続的な作用を提供する。浸透圧的に活性な化合物を囲む選択的に透過性の膜もまた、経口投与のために適切である。これらの後者の形態では、カプセルを囲む環境からの液体が駆動化合物により吸収され、それが膨潤して薬剤又は薬剤製剤を置換する。時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロールなども有用でありうる。経口組成物は、標準的な賦形剤、例えばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、及び炭酸マグネシウムなどを含むことができる。一部の態様では、賦形剤は医薬品グレードである。
【0095】
一部の態様では、制御放出製剤は、制御放出手段により、又は当業者に周知である送達デバイスにより投与することができる。例は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号、第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;及び第5,733,556号において記載されているものを含むが、それらに限定しない。そのような剤形は、変動する割合で所望の放出プロファイルを提供するために、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組み合わせを使用して、本明細書中に開示する組成物の制御放出又は持続放出を提供するために有用でありうる。このように、一部の態様では、本明細書中で開示するのは、経口投与のために適切な単一の単位剤形、例えば制御放出又は持続放出のために適合される錠剤、カプセル、ゲルキャップ、及びカプレットなどであるが、それらに限定しない。
【0096】
C.MAOI及びNRIを含む医薬組成物
本発明はまた、少なくとも1つのMAOI、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩及び少なくとも1つのNRIを含む医薬組成物を提供し、MAOI及びNRIは、各々が、患者への組成物の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分なNRI投与量で投与される。
【0097】
一部の態様では、医薬組成物は、TCP及び少なくとも1つのNRIを含み、NRIは、患者への組成物の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分な投与量で組成物中に存在する。一部の態様では、TCPは、ラセミ混合物として組成物中に存在する。一部の態様では、TCPは、単一の異性体として組成物中に存在する。
【0098】
一部の態様では、医薬組成物は、フェネルジン及び少なくとも1つのNRIを含み、NRIは、患者への組成物の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分な投与量で組成物中に存在する。
【0099】
このように、開示するのは、MAOI、NRI、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、MAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で存在し、又はMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で存在する。
【0100】
また、開示するのは、TCP、アトモキセチン、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、アトモキセチンは制御放出剤形として製剤化され、TCPは制御放出剤形として製剤化され、TCP及びアトモキセチンは異なる期間にわたり放出され、ならびにTCP及びアトモキセチンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はTCP及びアトモキセチンが一緒に治療有効量で存在する。
【0101】
また、開示するのは、フェネルジン、アトモキセチン、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、アトモキセチンは制御放出剤形として製剤化され、フェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、ならびにフェネルジン及びアトモキセチンは異なる期間にわたり放出され、ならびにフェネルジン及びアトモキセチンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はフェネルジン及びアトモキセチンが一緒に治療有効量で存在する。
【0102】
また、開示するのは、フェネルジン、デシプラミン、及び医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、デシプラミンは制御放出剤形として製剤化され、フェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、ならびにフェネルジン及びデシプラミンは異なる期間にわたり放出され、ならびにフェネルジン及びデシプラミンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はフェネルジン及びデシプラミンが一緒に治療有効量で存在する。
【0103】
また、開示するのは、TCP及びNRIを含む医薬組成物であって、NRIは、患者への組成物の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分な投与量で組成物中に存在する。
【0104】
また、開示するのは、フェネルジン及びNRIを含む医薬組成物であって、NRIは、患者への組成物の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分な投与量で組成物中に存在する。
【0105】
一部の態様では、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。
【0106】
一部の態様では、MAOIは、約20mgから約1000mg、約50mgから約1000mg、約100mgから約1000mg、約250mgから約1000mg、約500mgから約1000mg、約750mgから約1000mg、約20mgから約750mg、約20mgから約500mg、約20mgから約250mg、約20mgから約100mg、約20mgから約50mg、約30mgから約90mg、又は約40mgから約60mgの負荷用量を含む。当業者により理解されうるように、MAOIの負荷用量は、使用されているMAOIに依存的である。このように、例えば、MAOIがTCPである場合、負荷用量は約10mgから約120mgでありうる。あるいは、MAOIがフェネルジンである場合、負荷用量は約15mgから約120mgでありうる。
【0107】
一部の態様では、TCPは、約10mgから120mgの間、例えば、約10mgから約100mgの間、約10mgから約80mgの間、約10mgから約60mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約120mgの間、約40mgから約120mgの間、約60mgから約120mgの間、約80mgから約120mgの間、又は約100mgから約120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、約40mgから60mgの範囲中の負荷用量を含む。
【0108】
一部の態様では、フェネルジンは、約15mgから85mgの間、例えば、約15mgから約75mgの間、約15mgから約65mgの間、約15mgから約55mgの間、約15mgから約45mgの間、約15mgから約35mgの間、約15mgから約25mgの間、約25mgから約85mgの間、約35mgから約85mgの間、約45mgから約85mgの間、約55mgから約85mgの間、約65mgから約85mgの間、又は約75mgから約85mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、約45mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。
【0109】
一部の態様では、医薬組成物は、少なくとも1つのMAOI、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を含み、MAOIは、患者への投与時の徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、制御放出製剤は、徐放性もしくは徐放製剤である。
【0110】
一部の態様では、制御放出製剤は、少なくともTCPを含む。一部の態様では、制御放出製剤は、TCP、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含み、TCPは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、ラセミ混合物として制御放出製剤中に存在する。一部の態様では、TCPは、単一の異性体として制御放出製剤中に存在する。
【0111】
一部の態様では、制御放出製剤は、少なくともフェネルジンを含む。一部の態様では、制御放出製剤は、フェネルジン、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含み、フェネルジンは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。
【0112】
一部の態様では、MAOIは治療有効量で存在する。一部の態様では、NRIは非治療有効量で存在する。一部の態様では、MAOI及びNRIは一緒に治療有効量で存在する。
【0113】
一部の態様では、MAOIは制御放出剤形として製剤化される。一部の態様では、制御放出剤形は、患者への投与時に約4時間から約16時間、約6時間から約16時間、約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約4時間から約14時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、又は約4時間から約6時間の期間にわたりMAOIを放出する。一部の態様では、MAOIの実質的に全てが、患者への投与時に約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約8時間から約14時間、約8時間から約12時間、約8時間から約10時間、約10時間から約16時間、又は約12時間から約16時間の期間の後に放出される。
【0114】
一部の態様では、MAOIは、約20mgから約1000mg、約50mgから約1000mg、約100mgから約1000mg、約250mgから約1000mg、約500mgから約1000mg、約750mgから約1000mg、約20mgから約750mg、約20mgから約500mg、約20mgから約250mg、約20mgから約100mg、約20mgから約50mg、約30mgから約90mg、又は約40mgから約60mgの量で存在する。当業者により理解されうるように、存在するMAOIの量は、使用されているMAOIに依存的である。このように、例えば、MAOIがTCPである場合、MAOIは、約10mgから約120mgの量で存在することができる。あるいは、MAOIがフェネルジンである場合、MAOIは、約15mgから約120mgの量で存在することができる。
【0115】
一部の態様では、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンである。
【0116】
一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはノルトリプチリン、デシプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIは、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはノルトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはデシプラミンである。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはプロトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはロフェプラミンである。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはレボキセチンである。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはアトモキセチンである。一部の態様では、MAOIはラサギリンであり、NRIはニソキセチンである。
【0117】
一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはノルトリプチリン、デシプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIは、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはノルトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはデシプラミンである。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはプロトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはロフェプラミンである。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはレボキセチンである。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはアトモキセチンである。一部の態様では、MAOIはセレギリンであり、NRIはニソキセチンである。
【0118】
一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはノルトリプチリン、デシプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIは、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはアトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはノルトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはデシプラミンである。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはプロトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはロフェプラミンである。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはレボキセチンである。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはアトモキセチンである。一部の態様では、MAOIはイソカルボキサジドであり、NRIはニソキセチンである。
【0119】
一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIは、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはアトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはノルトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはデシプラミンである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはプロトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはロフェプラミンである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはレボキセチンである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはアトモキセチンである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、NRIはニソキセチンである。
【0120】
一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIは、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIはノルトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIはデシプラミンである。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIはプロトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIはロフェプラミンである。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIはレボキセチンである。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIはアトモキセチンである。一部の態様では、MAOIはTCPであり、NRIはニソキセチンである。
【0121】
一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはノルトリプチリン、デシプラミン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIは、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはアトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせである。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはノルトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはデシプラミンである。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはプロトリプチリンである。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはロフェプラミンである。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはレボキセチンである。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはアトモキセチンである。一部の態様では、MAOIはモクロベミドであり、NRIはニソキセチンである。
【0122】
一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはモクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはモクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはモクロベミド、ラサギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIは、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはセレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはイソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはフェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはラサギリンである。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはセレギリンである。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはイソカルボキサジドである。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはフェネルジンである。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはTCPである。一部の態様では、NRIはノルトリプチリンであり、MAOIはモクロベミドである。
【0123】
一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIは、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIはラサギリンである。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIはセレギリンである。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIはイソカルボキサジドである。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIはフェネルジンである。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIはTCPである。一部の態様では、NRIはデシプラミンであり、MAOIはモクロベミドである。
【0124】
一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIは、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIはラサギリンである。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIはセレギリンである。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIはイソカルボキサジドである。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIはフェネルジンである。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIはTCPである。一部の態様では、NRIはプロトリプチリンであり、MAOIはモクロベミドである。
【0125】
一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIは、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIはラサギリンである。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIはセレギリンである。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIはイソカルボキサジドである。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIはフェネルジンである。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIはTCPである。一部の態様では、NRIはロフェプラミンであり、MAOIはモクロベミドである。
【0126】
一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIは、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIはラサギリンである。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIはセレギリンである。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIはイソカルボキサジドである。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIはフェネルジンである。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIはTCPである。一部の態様では、NRIはレボキセチンであり、MAOIはモクロベミドである。
【0127】
一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIは、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIはラサギリンである。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIはセレギリンである。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIはイソカルボキサジドである。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIはフェネルジンである。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIはTCPである。一部の態様では、NRIはアトモキセチンであり、MAOIはモクロベミドである。
【0128】
一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、イソカルボキサジド、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIは、フェネルジン、TCP、及びそれらの任意の組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIはラサギリンである。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIはセレギリンである。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIはイソカルボキサジドである。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIはフェネルジンである。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIはTCPである。一部の態様では、NRIはニソキセチンであり、MAOIはモクロベミドである。
【0129】
一部の態様では、NRIは制御放出剤形として製剤化される。一部の態様では、剤形は、投与後24時間の平均1日血漿濃度の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%を送達するように製剤化される。
【0130】
一部の態様では、MAOIは、制御放出剤形として製剤化され、及びNRIは、制御放出剤形として製剤化され、ならびにMAOI及びNRIは、異なる期間にわたり放出される。
【0131】
一部の態様では、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びニソキセチン、ならびにそれらの組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチン又はデシプラミンである。一部の態様では、NRIは三環系抗うつ薬ではない。一部の態様では、NRIはアミトリプチリンではない。
【0132】
一部の態様では、組成物は三環系抗うつ薬を含まない。一部の態様では、組成物はアミトリプチリンを含まない。
【0133】
一部の態様では、組成物は、低血圧を治療することが公知である薬剤を含まない。低血圧を治療することが公知である薬剤の例は、ドロキシドパ、フルドロコルチゾン、及びミドドリンを含むが、それらに限定しない。一部の態様では、組成物はドロキシドパを含まない。
【0134】
一部の態様では、MAOIはTCPであり、及びNRIはアトモキセチン又はデシプラミンである。
【0135】
一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、及びNRIはアトモキセチン又はデシプラミンである。
【0136】
一部の態様では、制御放出製剤は生体適合性ポリマーをさらに含む。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は生体適合性ポリマーを含む。一部の態様では、生体適合性ポリマーは生分解性である。一部の態様では、生体適合性ポリマーは天然の生体適合性ポリマーである。一部の態様では、生体適合性ポリマーは合成の生体適合性ポリマーである。
【0137】
一部の態様では、組成物、制御放出製剤、及び/又は徐放性もしくは徐放製剤中のMAOIは、約10mgから120mgの間、例えば、約10mgから約100mgの間、約10mgから約80mgの間、約10mgから約60mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約120mgの間、約40mgから約120mgの間、約60mgから約120mgの間、約80mgから約120mgの間、又は約100mgから約120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、約40mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に、制御放出製剤又は徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0138】
一部の態様では、組成物、制御放出製剤、及び/又は徐放性もしくは徐放製剤中のTCPは、約10mgから60mgの間、例えば、約10mgから約50mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約30mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約60mgの間、約20mgから約50mgの間、約20mgから約40mgの間、約20mgから約30mgの間、約30mgから約60mgの間、約30mgから約50mgの間、約30mgから約40mgの間、約40mgから約60mgの間、約40mgから約50mgの間、又は約50mgから約60mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、約40mgから60mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約16時間以内に組成物、制御放出製剤、及び/又は徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0139】
一部の態様では、組成物、制御放出製剤、及び/又は徐放性もしくは徐放製剤中のフェネルジンは、約15mgから85mgの間、例えば、約15mgから約75mgの間、約15mgから約65mgの間、約15mgから約55mgの間、約15mgから約45mgの間、約15mgから約35mgの間、約15mgから約25mgの間、約25mgから約85mgの間、約35mgから約85mgの間、約45mgから約85mgの間、約55mgから約85mgの間、約65mgから約85mgの間、又は約75mgから約85mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、約45mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤又は徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0140】
一部の態様では、医薬品は、MAOIの制御放出製剤を含み、MAOIは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0141】
一部の態様では、医薬品は、TCPの制御放出製剤を含み、TCPは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0142】
一部の態様では、医薬品は、フェネルジンの徐放性製剤を含み、フェネルジンは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0143】
一部の態様では、医薬品は、MAOIの徐放性もしくは徐放製剤を含み、MAOIは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり徐放性もしくは徐放製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0144】
一部の態様では、医薬品は、TCPの徐放性もしくは徐放製剤を含み、TCPは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり徐放性もしくは徐放製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0145】
一部の態様では、医薬品は、フェネルジンの徐放性もしくは徐放製剤を含み、フェネルジンは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり徐放性もしくは徐放製剤から放出される。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0146】
一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約4時間から約16時間、約6時間から約16時間、約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約4時間から約14時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、又は約4時間から約6時間の期間にわたり放出される。
【0147】
一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約4時間から約16時間、約6時間から約16時間、約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約4時間から約14時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、又は約4時間から約6時間の期間にわたり放出される。
【0148】
一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約4時間から約16時間、約6時間から約16時間、約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約4時間から約14時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、又は約4時間から約6時間の期間にわたり放出される。
【0149】
一部の態様では、MAOIの実質的に全てが、患者への投与時に約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約8時間から約14時間、約8時間から約12時間、約8時間から約10時間、約10時間から約16時間、又は約12時間から約16時間の期間の後に放出される。
【0150】
一部の態様では、TCPの実質的に全てが、患者への投与時に約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約8時間から約14時間、約8時間から約12時間、約8時間から約10時間、約10時間から約16時間、又は約12時間から約16時間の期間の後に放出される。
【0151】
一部の態様では、フェネルジンの実質的に全てが、患者への投与時に約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約8時間から約14時間、約8時間から約12時間、約8時間から約10時間、約10時間から約16時間、又は約12時間から約16時間の期間の後に放出される。
【0152】
一部の態様では、組成物は、経口剤形として製剤化される。
【0153】
医薬組成物は、医薬的に許容可能な担体中の化合物を含む。医薬的に許容可能な担体は、無菌水性溶液又は非水性溶液、分散液、懸濁液又は乳濁液、ならびに使用直前での無菌注射可能溶液又は分散液中への再構成のための無菌粉末を指す。適切な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒又は溶剤の例は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロース及びそれらの適切な混合物、植物油(例えばオリーブ油など)及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルなどを含む。化合物は、従来の技術、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,19th Edition,Gennaro,Ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1995において開示される技術などに従った、医薬的に許容可能な担体又は希釈剤、ならびに任意の他の公知のアジュバント及び賦形剤を用いて製剤化することができる。
【0154】
種々の態様では、開示される医薬組成物は、活性成分、医薬的に許容可能な担体、及び、場合により、他の治療成分又はアジュバントとしての、開示される化合物(その医薬的に許容可能な塩を含む)を含む。本発明の組成物は、経口、直腸、局所、及び非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)投与のために適切なものを含むが、任意の所与の場合における最も適切な経路は、特定の宿主、ならびに活性成分が投与されている状態の性質及び重症度に依存する。医薬組成物は、単位剤形で便利に提示することができ、薬学の技術分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。
【0155】
非経口投与のための適切な本発明の医薬組成物は、水中の活性化合物の溶液又は懸濁液として調製することができる。適切な界面活性剤を含めることができ、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどである。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及び油中のそれらの混合物中で調製することができる。さらに、保存剤を、微生物の有害な増殖を予防するために含めることができる。
【0156】
注射可能な使用のための適切な本発明の医薬組成物は、無菌の水溶液又は分散液を含む。さらに、組成物は、そのような無菌の注射可能な溶液又は分散液の即時調製のための無菌粉末の形態でありうる。全ての場合において、最終的な注射可能な形態は無菌であるべきであり、簡単な注射性のために有効に流動性であるべきである。医薬組成物は、製造及び保存の条件下で安定であるべきである;このように、好ましくは、微生物、例えば細菌及び真菌などの混入作用に対して保存されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、植物油、及びそれらの適切な混合物を含む溶媒又は分散媒質でありうる。
【0157】
本発明の医薬組成物は、局所使用、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布剤、マウスウォッシュ、うがい薬などのための適切な形態でありうる。さらに、組成物は、経皮デバイスにおける使用のための適切な形態でありうる。これらの製剤は、本発明の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩を利用し、従来の処理方法を介して調製することができる。一例として、クリーム又は軟膏は、親水性材料及び水を、約5重量%から約10重量%の化合物と一緒に混合して、所望の粘稠度を有するクリーム又は軟膏を産生することにより調製される。
【0158】
本発明の医薬組成物は、担体が固体である直腸投与のための適切な形態でありうる。混合物が単位用量坐剤を形成することが好ましい。適切な担体は、カカオバター及び当技術分野において一般的に使用される他の材料を含む。坐剤は、最初に組成物を軟化又は融解された担体と混合し、それに続く型中での冷却及び成形により便利に形成することができる。
【0159】
種々の態様では、本発明の医薬組成物は、医薬的に許容可能な担体及び本発明の化合物又は化合物の医薬的に許容可能な塩を含むことができる。本発明の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩はまた、1つ又は複数の他の治療的に活性な化合物との組み合わせにおいて医薬組成物中に含まれうる。
【0160】
用いられる医薬担体は、例えば、固体、液体、又は気体でありうる。固体担体の例は、ラクトース、テラアルバ、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸を含む。液体担体の例は、糖シロップ、ピーナッツオイル、オリーブオイル、及び水である。気体担体の例は、二酸化炭素及び窒素を含む。
【0161】
経口剤形用の組成物を調製する際、任意の便利な医薬媒体を用いることができる。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などを使用し、経口液体製剤、例えば懸濁液、エリキシル剤、及び溶液などを形成することができる;担体、例えばデンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用し、経口固形製剤、例えば粉末、カプセル、及び錠剤などを形成することができる。それらの投与の簡単さのために、錠剤及びカプセルは好ましい経口剤形単位であり、それによって固形の医薬担体が用いられる。場合により、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によりコーティングすることができる。
【0162】
本発明の組成物を含む錠剤は、場合により、1つ又は複数の補助成分又はアジュバントを用いて、圧縮又は成形により調製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械において、自由流動形態、例えば粉末又は顆粒などにおける有効成分を、場合により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤、又は分散剤と混合して圧縮することにより調製することができる。成形された錠剤は、適切な機械において、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することにより作製することができる。
【0163】
上述の担体成分に加えて、上に記載する医薬製剤は、適している場合、1つ又は複数の追加の担体成分、例えば希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、保存剤(抗酸化剤を含む)などを含むことができる。さらに、他のアジュバントを含めて、製剤を、意図されたレシピエントの血液と等張にすることができる。本発明の化合物、及び/又はその医薬的に許容可能な塩を含む組成物はまた、粉末又は液体濃縮形態で調製することができる。
【0164】
D.精神障害を治療するための方法
本発明はまた、少なくとも1つのMAOI、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を投与することにより、ヒト患者においてうつ病を治療するための方法を提供し、それにおいてMAOIは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり徐放性製剤から放出される。一部の態様では、制御放出製剤は、徐放性もしくは徐放製剤である。
【0165】
このように、一態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、有効量の開示された組成物を被験者に投与することを含む。
【0166】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、治療有効量のTCP及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいて医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりTCPを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0167】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、治療有効量のフェネルジン及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいて医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりフェネルジンを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0168】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、MAOI、NRI、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてMAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はMAOI及びNRIは一緒に治療有効量で存在する。
【0169】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、TCP、アトモキセチン、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてアトモキセチンは制御放出剤形として製剤化され、それにおいてTCPは制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてTCP及びアトモキセチンは異なる期間にわたり放出され、ならびにそれにおいてTCP及びアトモキセチンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はそれにおいてTCP及びアトモキセチンは一緒に治療有効量で存在する。
【0170】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、フェネルジン、アトモキセチン、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてアトモキセチンは制御放出剤形として製剤化され、それにおいてフェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びアトモキセチンは異なる期間にわたり放出され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びアトモキセチンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はそれにおいてフェネルジン及びアトモキセチンは一緒に治療有効量で存在する。
【0171】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、フェネルジン、デシプラミン、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてデシプラミンは制御放出剤形として製剤化され、それにおいてフェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びデシプラミンが異なる期間にわたり放出され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びデシプラミンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はフェネルジン及びデシプラミンが一緒に治療有効量で存在する。
【0172】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、MAOI及びNRIを被験者に同時に投与することを含み、それにおいてMAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与され、又はそれにおいてMAOI及びNRIは一緒に治療有効量で投与され、それにより精神障害を治療する。
【0173】
一部の態様では、開示するのは、被験者において精神障害を治療するための方法であって、この方法は、被験者にMAOI及びNRIを同時に投与することを含み、それにおいてNRIは、徐放性製剤の期間内にチラミンに富む食事を消費することへの反応において血圧増加が約20mmHG未満になるのに十分な量で投与され、ならびにそれにおいてMAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与され、又はMAOI及びNRIが治療有効量で一緒に投与され、それにより精神障害を治療する。
【0174】
一部の態様では、MAOI及びNRIは同時に投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは順次投与される。
【0175】
一部の態様では、MAOI及び薬剤は同時に投与される。一部の態様では、MAOI及び薬剤は順次投与される。
【0176】
一部の態様では、MAOI及びNRIは単一剤形として投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは単一経口剤形として投与される。
【0177】
一部の態様では、MAOI及び薬剤は単一剤形として投与される。一部の態様では、MAOI及び薬剤は単一経口剤形として投与される。
【0178】
一部の態様では、この方法は、TCP、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を投与することを含み、それにおいてTCPは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、ラセミ混合物として制御放出製剤中に存在する。一部の態様では、TCPは、単一の異性体として制御放出製剤中に存在する。一部の態様では、制御放出製剤は、徐放性もしくは徐放製剤である。
【0179】
一部の態様では、この方法は、フェネルジン、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を投与することを含み、それにおいてフェネルジンは、患者への投与時に徐放性製剤の期間にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、制御放出製剤は、徐放性もしくは徐放製剤である。
【0180】
一部の態様では、精神障害はうつ病である。一部の態様では、うつ病は治療抵抗性うつ病(TRD)である。一部の態様では、TRDは電気けいれん治療に抵抗性の大うつ病性障害(ECT-r MDD)である。一部の態様では、TRDは双極性うつ病である。
【0181】
一部の態様では、MAOIは治療有効量で存在する。一部の態様では、NRIは非治療有効量で存在する。一部の態様では、MAOI及びNRIは一緒に治療有効量で存在する。
【0182】
一部の態様では、MAOIは制御放出剤形として製剤化される。一部の態様では、制御放出剤形は、患者への投与時に約4時間から約16時間、約6時間から約16時間、約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約4時間から約14時間、約4時間から約12時間、約4時間から約10時間、約4時間から約10時間、約4時間から約8時間、又は約4時間から約6時間の期間にわたりMAOIを放出する。一部の態様では、MAOIの実質的に全てが、患者への投与時に約8時間から約16時間、約10時間から約16時間、約12時間から約16時間、約14時間から約16時間、約8時間から約14時間、約8時間から約12時間、約8時間から約10時間、約10時間から約16時間、又は約12時間から約16時間の期間の後に放出される。
【0183】
一部の態様では、MAOIは、約20mgから約1000mg、約50mgから約1000mg、約100mgから約1000mg、約250mgから約1000mg、約500mgから約1000mg、約750mgから約1000mg、約20mgから約750mg、約20mgから約500mg、約20mgから約250mg、約20mgから約100mg、約20mgから約50mg、約30mgから約90mg、又は約40mgから約60mgの量で存在する。当業者により理解されるように、存在するMAOIの量は、使用されているMAOIに依存的である。このように、例えば、MAOIがTCPである場合、MAOIは、約10mgから約120mgの量で存在することができる。あるいは、MAOIがフェネルジンである場合、MAOIは、約15mgから約120mgの量で存在することができる。
【0184】
一部の態様では、MAOIは、モクロベミド、ラサギリン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びTCPより選択される。一部の態様では、MAOIはTCPである。一部の態様では、MAOIはフェネルジンである。
【0185】
一部の態様では、NRIは制御放出剤形として製剤化される。一部の態様では、剤形は、投与後24時間のその平均1日血漿濃度の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%を送達するように製剤化される。一部の態様では、制御放出剤形は、患者への投与時に約14時間から約26時間、約14時間から約24時間、約14時間から約22時間、約14時間から約20時間、約14時間から約18時間、約14時間から約16時間、約16時間から約26時間、約16時間から約26時間、約18時間から約26時間、約18時間から約26時間、約20時間から約26時間、約22時間から約26時間、又は約16時間から約24時間の期間にわたりNRIを放出する。一部の態様では、NRIの実質的に全てが、患者への投与時に約16時間から約24時間、約18時間から約24時間、約20時間から約24時間、約22時間から約24時間、約16時間から約22時間、約16時間から約20時間、又は約16時間から約18時間の期間後に放出される。
【0186】
一部の態様では、MAOIは制御放出剤形として製剤化され、及びNRIは制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてMAOI及びNRIは異なる期間にわたり放出される。
【0187】
一部の態様では、MAOIは、制御放出剤形として製剤化され、及び薬剤は、制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてMAOI及び薬剤は、異なる期間にわたり放出される。このように、一部の態様では、MAOIは、約6時間から約16時間の期間にわたり放出され、及びNRIは、約16時間から約24時間の期間にわたり放出される。
【0188】
一部の態様では、NRIは、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、及びニソキセチン、ならびにそれらの組み合わせより選択される。一部の態様では、NRIはアトモキセチン又はデシプラミンである。一部の態様では、NRIは三環系抗うつ薬ではない。一部の態様では、NRIはアミトリプチリンではない。
【0189】
一部の態様では、組成物はA1アゴニストを含まない。A1アゴニストの例は、メトキサミン、ミドドリン、メタラミノール、フェニレフリン、及びアミデフリンを含むが、それらに限定しない。
【0190】
一部の態様では、組成物は三環系抗うつ薬を含まない。一部の態様では、組成物はアミトリプチリンを含まない。
【0191】
一部の態様では、組成物は、低血圧を治療することが公知である薬剤を含まない。低血圧を治療することが公知である薬剤の例は、ドロキシドパ、フルドロコルチゾン、及びミドドリンを含むが、それらに限定しない。一部の態様では、組成物はドロキシドパを含まない。
【0192】
一部の態様では、MAOIはTCPであり、及びNRIはアトモキセチンである。
【0193】
一部の態様では、MAOIはフェネルジンであり、及びNRIはアトモキセチン又はデシプラミンである。
【0194】
一部の態様では、被験者はヒトである。一部の態様では、被験者は、以前にTCP以外の抗うつ薬を服用した、あるいは以前に電気けいれん治療(ECT)又はそれらの組み合わせを受けたことがある。一部の態様では、被験者は、投与工程の前に精神障害の治療についての必要性が診断されている。一部の態様では、この方法は、精神障害の治療を必要とする被験者を特定する工程をさらに含む。
【0195】
一部の態様では、患者は、以前にうつ病について治療されたことがない。一部の態様では、患者は、以前に精神障害について治療されたことがない。一部の態様では、患者は、以前にうつ病について治療されている。一部の態様では、患者は、以前に精神障害について治療されている。一部の態様では、患者は、以前にTCP以外の抗うつ薬を服用したことがある、あるいは以前に電気けいれん治療(ECT)、又はそれらの組み合わせを受けたことがある。
【0196】
一部の態様では、制御放出製剤は、生体適合性ポリマーをさらに含む。一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤は、生体適合性ポリマーを含む。一部の態様では、生体適合性ポリマーは生分解性である。一部の態様では、生体適合性ポリマーは、天然の生体適合性ポリマーである。一部の態様では、生体適合性ポリマーは、合成の生体適合性ポリマーである。
【0197】
一部の態様では、制御放出製剤中のMAOIは、約10mgから120mgの間、例えば、約10mgから約100mgの間、約10mgから約80mgの間、約10mgから約60mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約120mgの間、約40mgから約120mgの間、約60mgから約120mgの間、約80mgから約120mgの間、又は約100mgから約120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、約40mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0198】
一部の態様では、制御放出製剤中のTCPは、約10mgから60mgの間、例えば、約10mgから約50mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約30mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約60mgの間、約20mgから約50mgの間、約20mgから約40mgの間、約20mgから約30mgの間、約30mgから約60mgの間、約30mgから約50mgの間、約30mgから約40mgの間、約40mgから約60mgの間、約40mgから約50mgの間、又は約50mgから約60mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、約40mgから60mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約12時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0199】
一部の態様では、制御放出製剤中のフェネルジンは、約15mgから85mgの間、例えば、約15mgから約75mgの間、約15mgから約65mgの間、約15mgから約55mgの間、約15mgから約45mgの間、約15mgから約35mgの間、約15mgから約25mgの間、約25mgから約85mgの間、約35mgから約85mgの間、約45mgから約85mgの間、約55mgから約85mgの間、約65mgから約85mgの間、又は約75mgから約85mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、約45mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0200】
一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約4時間を上回り及び約12時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0201】
一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約4時間を上回り及び約12時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0202】
一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約4時間を上回り及び約12時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0203】
一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤中のMAOIは、約10mgから120mgの間、例えば、約10mgから約100mgの間、約10mgから約80mgの間、約10mgから約60mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約120mgの間、約40mgから約120mgの間、約60mgから約120mgの間、約80mgから約120mgの間、又は約100mgから約120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、約40mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0204】
一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤中のTCPは、約10mgから60mgの間、例えば、約10mgから約50mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約30mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約60mgの間、約20mgから約50mgの間、約20mgから約40mgの間、約20mgから約30mgの間、約30mgから約60mgの間、約30mgから約50mgの間、約30mgから約40mgの間、約40mgから約60mgの間、約40mgから約50mgの間、又は約50mgから約60mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、約40mgから60mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約12時間以内に徐放性もしくは徐放製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0205】
一部の態様では、徐放性もしくは徐放製剤中のフェネルジンは、約15mgから85mgの間、例えば、約15mgから約75mgの間、約15mgから約65mgの間、約15mgから約55mgの間、約15mgから約45mgの間、約15mgから約35mgの間、約15mgから約25mgの間、約25mgから約85mgの間、約35mgから約85mgの間、約45mgから約85mgの間、約55mgから約85mgの間、約65mgから約85mgの間、又は約75mgから約85mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、約45mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性又は徐放製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0206】
一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり徐放性又は徐放製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約4時間を上回り及び約12時間未満にわたり徐放性又は徐放製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性又は徐放製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0207】
一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり徐放性又は徐放製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約4時間を上回り及び約12時間未満にわたり徐放性又は徐放製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性又は徐放製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0208】
一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり徐放性又は徐放製剤から放出される。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約4時間を上回り及び約12時間未満にわたり徐放性又は徐放製剤から放出される。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に徐放性又は徐放製剤から実質的に放出される又は完全に放出される。
【0209】
一部の態様では、NRIは、徐放性製剤の期間内にチラミンに富む食事(即ち、約40mgのチラミン)の消費後に血圧増加が約20mmHG未満になるのに十分な量で投与される。この結果を達成するために要求されるNRIの濃度は、選択されたMAOI及びNRIに従って変動する。このように、例えば、一部の態様では、TCPと組み合わせた場合、この結果を達成するために要求されるNRI(例、デシプラミン、75mg経口用量)の量は、約15ng/mLから約30ng/mL又は約17ng/mLから約28ng/mLである。一部の態様では、この結果を達成するために要求されるNRIの量(例、アトモキセチン、80mg経口用量)は、約120ng/mLから約170ng/mL又は約132ng/mLから約201ng/mLである。理論により拘束されることを望まないが、標準化されたNRI用量の後に1回の血液検査に基づいて個人が最小標的NRI血漿濃度を達成するために必要とされるNRI投与量は、本明細書中でさらに記載する予測アルゴリズムにより決定することができる。必要とされる投与量が副作用の忍容性に関連する特定のNRI固有の最大値を下回る場合、カスタマイズされた処方投与量は、処方者により設定された標的MAOI投与量及び上で決定したNRI投与量に基づいて決定される。
【0210】
障害を治療又は制御するために、化合物及び化合物を含む医薬組成物を、それを必要とする被験者に投与する。この用語は、特定の年齢又は性別を表示しない。このように、成人及び新生児の被験者、ならびに男性又は女性を問わない胎児が対象となることが意図される。被験者は、好ましくは、哺乳動物、例えばヒトなどである。化合物又は組成物を投与する前に、被験者は、精神障害、例えばうつ病などの治療についての必要性を伴うと診断することができる。
【0211】
化合物又は組成物は、任意の方法に従って被験者に投与することができる。そのような方法は当業者に周知であり、経口投与、皮下投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、眼内投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、頬側投与及び非経口投与(例えば静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、及び皮下投与などの注射剤を含む)を含むが、それらに限定しない。投与は継続的又は間欠的でありうる。製剤は治療的に投与することができる;すなわち、既存の疾患又は状態を治療するために投与される。製剤はまた、予防的に投与することができる;すなわち、感染症又は状態、例えば精神障害などの予防のために投与される。
【0212】
化合物の治療有効量又は投与量は、広い限度内で変動しうる。そのような投与量は、投与されている特定の化合物、投与経路、治療されている状態、ならびに治療されている患者を含む、各々の特定の場合における個々の要件に対して調整される。一般的に、体重約70kg又はそれ以上の成人への経口投与又は非経口投与の場合では、約10mgから約1000mg、好ましくは約20mgから約800mgの1日投与量が適しているはずであるが、上限はそれを超えうる。1日投与量は、単一用量として又は分割用量において、あるいは非経口投与については、持続注入として投与することができる。単一用量組成物は、そのような量又はその約数の化合物又は組成物を含み、1日用量を構成することができる。投与量は、任意の禁忌が発生した場合、個々の医師により調整されうる。投与量は変動しうるが、1日又は数日間にわたり毎日1つ又は複数の用量投与において投与することができる。
【0213】
E.うつ病を治療するための方法
本発明はまた、少なくとも1つのMAOI、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩、及び少なくとも1つのNRIを含む制御放出製剤を投与することにより、ヒト患者におけるうつ病を治療するための方法を提供し、それにおいてMAOI及びNRIは各々が、患者へのMAOI及びNRIの両方の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分なNRI投与量で投与される。一部の態様では、制御放出製剤は、徐放性もしくは徐放製剤である。
【0214】
このように、一態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、有効量の開示された組成物を被験者に投与することを含む。
【0215】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、治療有効量のTCP及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいて医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりTCPを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0216】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、治療有効量のフェネルジン及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいて医薬組成物は、患者への投与時に約6時間から約16時間の期間にわたりフェネルジンを放出する制御放出剤形として製剤化される。
【0217】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、MAOI、NRI、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてMAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はそれにおいてMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で存在する。
【0218】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、TCP、アトモキセチン、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてアトモキセチンは制御放出剤形として製剤化され、それにおいてTCPは制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてTCP及びアトモキセチンは異なる期間にわたり放出され、ならびにそれにおいてTCPとアトモキセチンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はそれにおいてTCP及びアトモキセチンが一緒に治療有効量で存在する。
【0219】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、フェネルジン、アトモキセチン、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてアトモキセチンは制御放出剤形として製剤化され、それにおいてフェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びアトモキセチンは異なる期間にわたり放出され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びアトモキセチンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はそれにおいてフェネルジン及びアトモキセチンが一緒に治療有効量で存在する。
【0220】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、フェネルジン、デシプラミン、及び医薬的に許容可能な担体を含む有効量の医薬組成物を被験者に投与することを含み、それにおいてデシプラミンは制御放出剤形として製剤化され、それにおいてフェネルジンは制御放出剤形として製剤化され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びデシプラミンは異なる期間にわたり放出され、ならびにそれにおいてフェネルジン及びデシプラミンの少なくとも1つが治療有効量で存在する、又はそれにおいてフェネルジン及びデシプラミンが一緒に治療有効量で存在する。
【0221】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、被験者にMAOI及びNRIを同時に投与することを含み、それにおいてMAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与される、又はそれにおいてMAOI及びNRIは一緒に治療有効量で投与され、それにより精神障害を治療する。
【0222】
一部の態様では、開示するのは、被験者においてうつ病を治療するための方法であって、被験者にMAOI及びNRIを同時に投与することを含み、それにおいてMAOI及びNRIは各々が、徐放性製剤の期間内にチラミンに富む食事を消費することへの反応において血圧増加が約20mmHG未満になるのに十分なNRI投与量で投与され、ならびにそれにおいてMAOI及びNRIの少なくとも1つが治療有効量で投与される、又はそれにおいてMAOI及びNRIが一緒に治療有効量で投与され、それにより精神障害を治療する。
【0223】
一部の態様では、開示するのは、ヒト患者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、TCP、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を投与することを含み、それにおいてTCPは患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。
【0224】
一部の態様では、開示するのは、ヒト患者においてうつ病を治療するための方法であって、この方法は、フェネルジン、その化学的類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を含む制御放出製剤を投与することを含み、それにおいてフェネルジンは患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。
【0225】
一部の態様では、開示するのは、ヒト患者においてうつ病を治療する方法であって、この方法は、TCP及びNRIを投与することを含み、それにおいてTCP及びNRIは各々が、患者へのTCP及びNRIの両方の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分なNRI投与量で投与される。
【0226】
一部の態様では、開示するのは、ヒト患者においてうつ病を治療する方法であって、この方法は、フェネルジン及びNRIを投与することを含み、それにおいてフェネルジン及びNRIは各々が、患者へのフェネルジン及びNRIの両方の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分なNRI投与量で投与される。
【0227】
一部の態様では、MAOI及びNRIは同時に投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは順次投与される。
【0228】
一部の態様では、MAOI及びNRIは単一剤形として投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは単一経口剤形として投与される。
【0229】
一部の態様では、この方法は、TCP及び少なくとも1つのNRIを投与することを含み、それにおいてTPC及びNRIは各々が、患者へのTCP及びNRIの両方の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分なNRI投与量で投与される。一部の態様では、TCPはラセミ混合物として存在する。一部の態様では、TCPは単一の異性体として存在する。
【0230】
一部の態様では、この方法は、フェネルジン及び少なくとも1つのNRIを投与することを含み、それにおいてフェネルジン及びNRIは各々が、患者へのフェネルジン及びNRIの両方の投与時にチラミンの取り込みを阻害するのに十分なNRI投与量で投与される。
【0231】
一部の態様では、患者は以前にうつ病について治療されたことがない。一部の態様では、患者は以前に精神障害について治療されたことがない。一部の態様では、患者は以前にうつ病について治療されている。一部の態様では、患者は以前に精神障害について治療されている。一部の態様では、患者は以前にTCP以外の抗うつ薬を服用したことがある、又は以前に電気けいれん治療(ECT)、又はそれらの組み合わせを受けたことがある。
【0232】
一部の態様では、MAOI及びNRIの併用治療は、うつ病又は他の精神障害のための任意の推奨される標準治療又は他の治療レジメンとの組み合わせにおいて使用される。一部の態様では、MAOI及びNRIの併用治療は、うつ病又は他の精神障害のための任意の推奨される標準治療又は他の治療レジメンと同時に使用される。一部の態様では、MAOI及びNRIの併用治療は、うつ病又は他の精神障害のための任意の推奨される標準治療又は他の治療レジメンの後に投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIの併用治療は、うつ病又は他の精神障害のための任意の推奨される標準治療又は他の治療レジメンの前に投与される。
【0233】
一部の態様では、MAOI及びNRIは単一の組成物中で投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは別々の組成物中で投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは順次投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは交互の様式において投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは単一の用量で投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは複数の用量で投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは同時に投与される。一部の態様では、MAOI及びNRIは、治療レジメンにおいて異なる時間に投与される。
【0234】
一部の態様では、MAOI及びNRIは各々が、経口投与用に製剤化される。一部の態様では、MAOI及びNRIは、経口投与用の単一の錠剤中で製剤化される。一部の態様では、MAOI及びNRIは各々が、経口投与用の別々の錠剤として製剤化される。一部の態様では、MAOI及びNRIは各々が、経口投与用の別々の錠剤として製剤化され、各々の錠剤は、同じパッケージ中で、例えば、同じブリスターパック中などで患者に提供される。
【0235】
一部の態様では、TCP及びNRIは単一の組成物中で投与される。一部の態様では、TCP及びNRIは別々の組成物中で投与される。一部の態様では、TCP及びNRIは順次投与される。一部の態様では、TCP及びNRIは交互の様式において投与される。一部の態様では、TCP及びNRIは単一の用量で投与される。一部の態様では、TCP及びNRIは複数の用量で投与される。一部の態様では、TCP及びNRIは同時に投与される。一部の態様では、TCP及びNRIは、治療レジメンにおいて異なる時間に投与される。
【0236】
一部の態様では、TCP及びNRIは各々が、経口投与用に製剤化される。一部の態様では、TCP及びNRIは、経口投与用の単一の錠剤中で製剤化される。一部の態様では、TCP及びNRIは各々が、経口投与用の別々の錠剤として製剤化される。一部の態様では、TCP及びNRIは各々が、経口投与用の別々の錠剤として製剤化され、各々の錠剤は、同じパッケージ中で、例えば、同じブリスターパック中などで患者に提供される。
【0237】
一部の態様では、フェネルジン及びNRIは単一の組成物中で投与される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは別々の組成物中で投与される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは順次投与される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは交互の様式において投与される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは単一の用量で投与される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは複数の用量で投与される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは同時に投与される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは、治療レジメンにおいて異なる時間に投与される。
【0238】
一部の態様では、フェネルジン及びNRIは各々が、経口投与用に製剤化される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは、経口投与用の単一の錠剤中で製剤化される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは各々が、経口投与用の別々の錠剤として製剤化される。一部の態様では、フェネルジン及びNRIは各々が、経口投与用の別々の錠剤として製剤化され、各々の錠剤は、同じパッケージ中で、例えば、同じブリスターパック中などで患者に提供される。
【0239】
一部の態様では、NRIは、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。
【0240】
一部の態様では、MAOIは、約10mgから120mgの間、例えば、約10mgから約100mgの間、約10mgから約80mgの間、約10mgから約60mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約120mgの間、約40mgから約120mgの間、約60mgから約120mgの間、約80mgから約120mgの間、又は約100mgから約120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、MAOIは、約40mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。
【0241】
一部の態様では、TCPは、約10mgから120mgの間、例えば、約10mgから約50mgの間、約10mgから約40mgの間、約10mgから約30mgの間、約10mgから約20mgの間、約20mgから約60mgの間、約20mgから約50mgの間、約20mgから約40mgの間、約20mgから約30mgの間、約30mgから約60mgの間、約30mgから約50mgの間、約30mgから約40mgの間、約40mgから約60mgの間、約40mgから約50mgの間、又は約50mgから約60mgの間、又は60と80mgの間もしくは80と100mgの間もしくは100と120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、TCPは、約40mgから60mgの範囲中の負荷用量を含む。
【0242】
一部の態様では、フェネルジンは、約15mgから120mgの間、例えば、約15mgから約120mgの間、約15mgから約65mgの間、約15mgから約55mgの間、約15mgから約45mgの間、約15mgから約35mgの間、約15mgから約25mgの間、約25mgから約85mgの間、約35mgから約85mgの間、約45mgから約85mgの間、約55mgから約85mgの間、約65mgから約85mgの間、又は約75mgから約85mgの間もしくは85から100mgの間もしくは100mgから120mgの間の範囲中の負荷用量を含む。一部の態様では、フェネルジンは約45mgから75mgの範囲中の負荷用量を含む。
【0243】
一部の態様では、医薬品は、MAOIの制御放出製剤を含み、それにおいてMAOIは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、MAOIは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0244】
一部の態様では、医薬品は、TCPの制御放出製剤を含み、それにおいてTCPは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、TCPは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0245】
一部の態様では、医薬品は、フェネルジンの制御放出製剤を含み、それにおいてフェネルジンは、患者への投与時に約6時間を上回り及び約16時間未満にわたり制御放出製剤から放出される。一部の態様では、フェネルジンは、患者への投与時に約16時間以内に制御放出製剤から実質的に放出される、又は完全に放出される。
【0246】
F.キット
一態様では、開示するのは、開示される医薬組成物、及び以下の1つ又は複数を含むキットである:(a)精神障害の治療に関連付けられる少なくとも1つの薬剤;(b)精神障害を治療することとの関連において組成物を投与するための指示;及び(c)精神障害を治療するための指示。
【0247】
一部の態様では、薬剤は、気分安定剤及び抗精神病剤より選択される。
【0248】
一部の態様では、薬剤は気分安定剤である。気分安定剤の例は、リチウム、バルプロ酸、ジバルプロエックスナトリウム、カルバマゼピン、及びラモトリジンを含むが、それらに限定しない。
【0249】
一部の態様では、薬剤は、抗精神病薬又は第2世代抗精神病薬(SGA)である。抗精神病薬の例は、アリピプラゾール、アセナピン、カリプラジン、クロザピン、ルラシドン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、及びジプラシドンを含むが、それらに限定しない。
【0250】
一部の態様では、組成物及び薬剤は同時に包装される。
【0251】
一部の態様では、組成物及び薬剤は順次投与される。一部の態様では、組成物及び薬剤は同時に投与される。
【0252】
一部の態様では、精神障害はうつ病である。
【0253】
一部の態様では、キットは、複数の剤形をさらに含み、この複数は、1つ又は複数の用量を含み;それにおいて、各々の用量は、有効量の少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの薬剤を含む。さらなる態様では、有効量は治療有効量である。さらなる態様では、有効量は予防有効量である。
【0254】
一部の態様では、少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの薬剤の各々の用量は、同時に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの薬剤の各々の用量は、同時に包装される。
【0255】
一部の態様では、少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの薬剤の各々の用量は、順次投与される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの薬剤の各々の用量は、同時に投与される。
【0256】
一部の態様では、剤形は、経口投与、吸入、局所投与、及び/又は非経口投与のために製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は、経口投与用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は非経口投与用に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は非経口投与用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は経口投与用に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は局所投与用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は非経口投与用に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は非経口投与用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は局所投与用に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は経口投与用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は吸入用に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は吸入用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は経口投与用に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は局所投与用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は吸入用に製剤化される。さらなる態様では、少なくとも1つの化合物についての剤形は吸入用に製剤化され、少なくとも1つの薬剤についての剤形は局所投与用に製剤化される。
【0257】
開示されるキットは、開示される化合物、産物、及び医薬組成物から調製することができることが理解される。開示されるキットは、開示された使用方法との関連において用いることができることも理解される。
【0258】
G.実施例
本明細書中では、困難なMDD症候群、例えば双極性うつ病及び内因性単極性うつ病などを伴う患者の治療のためのより安全な使用を可能にするように設計されたMAOIベースの組成物が開示される。理論により拘束されることを望まないが、本明細書中に詳述されるアプローチは、チラミン昇圧剤の影響を低下させるための機構ベースの戦略を使用する。具体的には、アプローチは、MAOIとNRIを組み合わせることを通じて、神経終末でのチラミンの間接的な交感神経刺激作用を直接的に遮断するためである。
【0259】
チラミンは、ノルエピネフリン輸送(NET)受容体を通じた末梢交感神経終末中への取り込みにより心血管効果を産生し(Finberg et al.,2011)、それによりシナプス前貯蔵小胞から大量のノルエピネフリンを放出し、それによって、血管収縮及び心臓刺激を通じて血圧が上昇する。NRIはNETを遮断し、それにより末梢神経系に対するチラミンの作用が有意に低下する(Gillman,2011)。実際に、NRIはチラミンの血圧効果を有意に低下させることが周知である。例えば、100mg用量のデシプラミンは、TYRに対する被験者の感受性を平均5分の1に低下させる(即ち、収縮期血圧30mmHGを5倍増加させるTYRの用量を増加させる;Chalon et al.2003)。他の研究では、NRIであるレボキセチンがTCPの前に与えられた場合、ラットの心臓において蓄積する標識チラミンの増加レベルを遮断することが示されている(Dostert,et al.,1994)。アミトリプチリンで治療されたうつ病患者における試験では、チラミン感受性における減少は、ノルトリプチリン(NETを選択的に遮断するアミトリプチリンの一次代謝物)の血漿濃度と相関していた(Ghose and Coppen,1977)。Pare et al.,(1982)は、アミトリプチリン投与によって、TCPの投与に関連付けられる静注チラミンに対する感受性における増加が逆転されることを示した。このように、MAOIをNRIと組み合わせることによって、MAOIの投与に関連付けられる「チーズ効果」が軽減されることを示唆する十分な証拠がある(Gillman,2011)。
【0260】
本発明を、以下の実施例においてさらに定義する。これらの実施例は、本発明の好ましい態様を示しており、例証としてだけ与えられていることを理解すべきである。上の考察及びこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、その精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変化及び修飾を作製して、本発明を種々の使用及び条件に適合させことができる。
【0261】
1.MAOI及びNRIの併用治療を受けている患者におけるチラミン昇圧応答の評価
本明細書中で提供する試験は、正常なボランティアのヒト被験者を使用して行われる。これらの試験では、テスト被験者には、ノルトリプチリン、デシプラミン、プロトリプチリン、ロフェプラミン、レボキセチン、アトモキセチン、ニソキセチン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されたNRIとの組み合わせにおいて、MAOIベースの抗うつ薬、例えばTCPなどが投与され、NRIの存在において観察されたチラミン昇圧応答の正確な減衰の程度を評価する。
【0262】
うつ病又は他の重大な病気に苦しんでいない正常なボランティアの小さな群には、少用量の経口チラミンが与えられ、以前には治療用量のMAOI及び十分な用量の選ばれたNRIが与えられており、それらの条件下でのチラミンに対するそれらの感受性が評価される。これによって、チラミン注射に起因する血圧増加の量の推定値が提供される。集団の被験者での平均血圧増加及び最大血圧増加の両方が、最小の又は無のチラミン食事制限を伴うmAOIの組み合わせを安全に摂取するのに十分に中等度(例、20mmHG未満)であることが重要である。
【0263】
2.MAOI制御放出製剤を受けている患者における一過性発作性高血圧の評価
本明細書中で提供する試験は、正常なボランティアのヒト被験者を使用して行われる。これらの試験では、被験者は、少なくとも1つのMAOIベースの抗うつ薬、例えばフェネルジン(PHZ)又はTCPなどを含む制御放出製剤を与えられ、MAOI制御放出製剤の投与後に観察される一過性発作性高血圧応答の正確な減衰の程度を評価する。
【0264】
3.MAOIチラミン効果の比較
食事とともに摂取された40mgのチラミンを用いた平均収縮期血圧(SBP)の増加を、以下の
図3及び表1において例証する。
【表1】
【0265】
4.NRI-PHZの併用
以下の
図5及び表2において示すように、フェネルジン(PHZ)へのNRIの追加によって、食事とともに摂取された40mgのチラミンを用いて、SBPの増加が有意に低下する。FDAは以前に、40mgが、チラミンに富む食事の最大含量と見なされていると述べている。
【表2】
【0266】
5.NRI-TCPの併用
以下の
図6及び表3において示すように、TCPへのNRIの追加によって、食事とともに摂取された40mgのチラミンを用いて、SBPの増加が有意に低下する。FDAは以前に、40mgが、チラミンに富む食事の最大含量と見なされていると述べている。
【表3】
【0267】
6.トラニルシプロミン体位性低血圧
以下の
図4及び表4において示すように、SBPの体位性下落はTCP血漿濃度と高度に相関している。
【表4】
【0268】
7.十分なチラミン昇圧剤の軽減を達成するためにNRI投与量を個別化するためのアルゴリズム
理論により拘束されることを望まないが、個々の患者は、集団の平均から非常に異なる生体認証の結果を有しうる。例えば、特与の薬物投与量が100ng/mLの平均濃度を達成する場合、一部の個人が同じ投与量について、その濃度の30%を有することは珍しくない。同様に、チラミンへの反応としてのSBP増加が、集団の平均について15mmHGである場合、個人にわたる最大SBP増加は50mmHG又はそれ以上になりうるが、それは、集団の平均とは異なり、臨床的な害を起こしうる。
【0269】
NRIによってチラミンがSBPを増加させるために使用する経路が遮断されると仮定すると、血圧増加の上限を維持するための手がかりは、最小のNRI濃度を確実にすることである。そのような最小値は、低い個々のNRI血漿の利用可能性を補うために、標準化された用量よりも高い用量を要求しうる。
【0270】
最小NRI濃度は、以下のように算出することができる:(1)A=NET受容体の最小99%遮断をもたらす最小NRI濃度を算出する。これは、以下の式を使用して行うことができる:パーセント遮断=C/(C+Ki)=.99、式中、CはNRIの最小濃度、及びKiはNRIによるNET抑制定数である。(2)個人の十分な集団(30~100名の被験者)に対してチラミン負荷を用いて経験的テストを実行し、SBP増加が標的SBP増加閾値、例えば20mmHGなどを下回る最も低いNRI濃度としてBを算出する。(3)最小NRI濃度MをA又はBの大きい方に設定する。
【0271】
個別化したNRI投与量は、以下のように算出することができる:(1)平均NRI定常状態濃度と、6時間の単一NRI投与後に達成された濃度を関連付けるモデルを推定する。モデルは、以下のような関数形式fを与える:予測定常状態濃度=f(6時間の単一投与濃度)。そのようなモデルの例は、Hrdina PD,Bakish D,Swenson S,Lapierre YD.Prediction of steady-state plasma levels of doxepin and imipramine from single dose levels in depressed outpatients.J Psychiatry Neurosci.1991;16(1):25-29により提供される。そのようなモデルについてのデータは、単一投与及び定常状態の両方の濃度が測定される30~100名の被験者の集団から経験的に集めることができる。(2)所与の患者について、投与の6時間後にNRIの標準化用量Sを用いて達成された血漿濃度C6を測定し、上の工程(1)において確立されたモデルに従ってその患者についての予測定常状態濃度SSC=f(C6)を推定する。(3)標的NRI用量TD=S*M/SSCを算出する。TDが、NRIについて推奨される最大値よりも低い場合、個別化された投与量はTDに設定され、最も近い利用可能な用量に切り上げる。TDが、NRIについての最大許容用量よりも大きい場合、次に患者は、十分なチラミンの軽減についての確実性の欠如に起因して、処方について不適格と規定される。
【0272】
8.ノルエピネフリン再取り込み阻害剤を伴う併用投与を通じたチラミン効果のモノアミンオキシダーゼ阻害剤増強の軽減
血圧及びチラミン昇圧応答に対する、単独で与えられたフェネルジンの効果、ならびにフェネルジンの投与の間でのチラミン昇圧効果に対する潜在的に3つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(アトモキセチン、デシプラミン、及び潜在的にプロトリプチリン)の軽減効果を研究するための、健常な被験者における非盲検無作為化並行チラミン負荷試験を、以下により完全に記載するように行う。
【0273】
a.試験計画
ATX(bid、65mg/日)、又はDMI(bid、75mg/日)とPHZ(bid、60mg/日)、又はPRT(bid、15mg/日)とPHZ(bid、60mg/日)の組み合わせの投与、及びPHZ単剤治療(bid、60mg/日)の間、TYRは連続的に経口投与される。PHZ単剤治療については、1%ミルクを伴い投与されるチラミンの用量は、5、10、及び20mgであり、収縮期血圧が30mmHGを上回って増加しないことを確実にする安全調整を伴う。PHZを伴うNRIについては、5mg、20mg、及び40mgのチラミンの漸増用量を1%ミルクとともに投与し、収縮期血圧が30mmHGを上回って増加しないことを確実にする安全調整を伴う。また、各々のNRIレジメンについての標準的な食事を伴う、分割された40mgチラミン用量、及びPHZ単独を受けている被験者のための標準的な食事を伴う分割された20mg用量のチラミン。
【0274】
これは、以下のために計画された2つパートの試験である:(1)単独で与えられたPHZの固有の特性を検証する;(2)PHZを用いた治療の間でのチラミンへの応答に対する2つのより短い半減期NRI(ATX、又はDMI)の効果を比較し、適している場合、確認試験のために「より良好な」NRIを選択する。選択されるためには、「より良好なNRI」は、最後のPHZ用量の24時間後に十分なチラミン昇圧の軽減を提供し、PHZと組み合わせた場合に許容可能な忍容性及び副作用プロファイルを有するべきである;ならびに(3)ATXもDMIも、最後の併用PHZ用量の24時間後に十分なチラミン昇圧の軽減を与えない場合、PHZとの併用においてより長い半減期のNRI、プロトリプチリンを潜在的にテストする。
【0275】
パート1は、PHZ単独、及びPHZとDMI又はATXを、10(PHZ単独):10(PHZ+ATX):10(PHZ+DMI)の様式で受けるように無作為化された30名の健常な被験者を登録する。パート2は、パート1(ATX又はDMI)において選択されたNRI又はパート2(より長い半減期のNRI)におけるPRTを伴う、PHZ+NRIの併用の徹底的な試験のために、最大30名の被験者を登録することができた。
【0276】
試験の各々のパートは、4つのフェーズ中に分割される:スクリーニング及び適格性(フェーズ1/来診1);用量漸増(フェーズ2/来診2);血圧-心拍数評価、チラミンテスト(フェーズ3/来診3);及び試験薬物のウォッシュアウト(フェーズ4/来診4、完了電話)。
【0277】
b.試験の被験者
組み入れ基準は以下を含む:健常な男性又は女性の被験者;18~55歳、包括的;試験に参加するための書面によるインフォームドコンセントを提供し、手順及び試験要件を理解し、予定通りに、試験の制限を遵守し、試験来診のために戻ることに同意する;病歴、スクリーニング身体検査により一般的に健常であり、スクリーニング検査室評価で原因不明の臨床的に重大な異常はない;BMIが31kg/M2未満;B型及びC型肝炎、ならびにHIV感染についてネガティブのスクリーニング検査;機械の読み取りに基づく通常の限度内の心電図及び治験責任医師による過剰読み取り;PHZ/TYR/NRIを用いた投薬前のアセトアミノフェン、イブプロフェン、経口抗ヒスタミン薬(うっ血除去薬なし)の通常の用量を除き、過去30日間にわたり薬物療法なし。生薬、及び試験の実施を妨げないと考えられる慢性疾患についての薬物療法は、治験依頼者との再調査後に許可されうる(例:スタチン、抗分泌剤);試験及び経過観察の期間にわたる制限された処方薬/非処方薬を控える意思及び能力;PHZの添付文書において指定されているTYRの食事制限に従う意思;試験に関連する場合を除いて、MAOI/NRI薬物の禁忌に従う意思;スクリーニング時、安静時/座位の収縮期血圧130mmHG以下、拡張期血圧90mmHG以下;65~85bpmの間の安静時心拍数;出産の可能性のある女性は、以下の許容可能な避妊方法のいずれかを使用している:最初の投薬前の少なくとも3ヶ月間にわたる及び試験を通した非ホルモン放出子宮内避妊デバイス又は最初の投薬前の少なくとも3ヶ月間にわたる及び試験を通したデポ/埋め込み型ホルモン(例、Depo-Provera(登録商標)、Implanon)。
【0278】
除外基準は以下を含む:インフォームドコンセントを提供できない;試験は、治験責任医師の判断において被験者の最善の利益にはならない;治験責任医師の判断において試験手順に従うことができない被験者;現在、治験責任医師の判断において試験を危険にする、及び/又は試験結果の解釈を混乱させる医学的又は精神医学的状態を有する。これらは、高血圧;又は治療された高血圧、慢性うつ病(即ち、過去1年間において抗うつ薬治療を受けていない)の病歴、重大な心血管疾患(例、冠状動脈疾患、静脈血栓症、血栓性静脈炎、血栓塞栓症など)の現病歴又は病歴、ベータアゴニスト又は吸入ステロイドを用いた現在の治療を要求する肺疾患の病歴(例、喘息、COPD)、現在のADHD、慢性ウイルス性疾患、例えばHIV及びC型肝炎などの病歴、又は、恐らくは試験評価を妨げると治験責任医師により考えられた任意の他の状態;被験者は、うつ病のための任意の治療で現在治療されている、又は過去6週間において治療されており、それは、SSRI、又は中枢神経系においてセロトニンのレベルを増強するTCAが含む;被験者は、うつ病のための任意の治療で治療されており‐MAOI、及び他の抗うつ薬を含む。被験者は現在、降圧薬、経口又は吸入うっ血除去薬、喘息のための吸入又は経口βアゴニスト、チモロール点眼薬、経口避妊薬、プロトンポンプ阻害剤及び/又はADHDのための治療で治療されている;任意の場合において、任意の薬物に関する質問がある場合、治験責任医師は治験依頼者とその薬物療法を再調査することになる;被験者は、St.John’s Wort、トリプトファン、又はエフェドリンサプリメントで自己治療している。全ての形態のニコチン(ベイピング、喫煙、パッチなど)は、試験手順の間に許可されない;被験者は現在、マリファナ及びCBDを含む、過去2年間における薬物乱用障害についてのDSM-V診断基準を満たしている;過去3年間における自殺傾向の任意の病歴;以下の基準のいずれかを満たす女性被験者:妊娠中、授乳中、又は試験の間に妊娠もしくは授乳を計画している;風邪薬又は他の医薬へのアレルギー又は過敏症の病歴;前月、又は少なくとも5半減期のいずれか長い方の期間内での任意の治験薬での治療;血液又は尿スクリーニング評価での任意の医学的に重大な異常、具体的には、参照検査室のための正常の上限の1.25倍以上のALT及び/又はASTを含む;アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、コカイン、オピオイド、PCP、三環系抗うつ薬についての陽性の尿中薬物スクリーニング。カンナビノイドについての陽性のスクリーニングを伴う被験者は、最近の使用について質問され、彼ら自身の安全のために、試験の間にカンナビノイドを使用しないように助言される。被験者は、追加の尿検査が行われうること、及び、結果が依然として陽性である場合、被験者が試験を中止しうることを警告される。PHZ(60mg/日又はそれ以上)、DMI(75mg/日)、PRT、15mg/日、又はATX(65mg/日)に耐えられないことが公知である。
【0279】
c.TYR応答性の評価
この試験は、単独で与えられた場合に投薬間隔を通してチラミンへの応答に対するPHZの効果を特徴付けるように計画されており、PHZによるチラミン昇圧効果の増強を軽減するためにNETの阻害剤を用いる。背景として、PHZは複数の試験において抗うつ活性を示している(Rabkin,et al,1985;Thase,et al.,1995;Birkenhager,et al,2004)。PHZの治療用量60mgは、絶食時チラミン用量を低下させ、それは、収縮期血圧の437mgから33mgへの13倍低下において30mmHG増加をもたらし、他のMAOIと比較して低下した効果である(Bieck and Antonin,1989)。理論により拘束されることを望まないが、60mg/日のPHZでの治療の間での食事を伴う、FDAが定めた40mg用量のチラミンの投与によって、SBPが12mmHG増加しうることが予測され、臨床的に許容可能な増加である。NRIを用いたこの効果の緩和は、わずか3mmHG増加をもたらすと予測されうる。
【0280】
この試験におけるTYR応答性の評価へのアプローチは、事前に指定された固定経口TYR用量での収縮期血圧(昇圧応答又はPR)の増加を決定することである。NRIによるチラミン昇圧効果の増強の軽減を予測し、5mg(PR5)、20(PR20)、及び40mg(PR40)のチラミン用量を、NRIと併用した、PHZを用いた治療の間にテストすべきである。投与量を注意深く漸増させ、結果として生じる血圧増加が40mmHGを超えないことを確実にする。絶食条件下での経口TYRへのPRが、高血圧の緊急性と考えられる持続レベル、又は重大な症状を伴うレベルに達した場合、静脈内フェントラミンを使用してPRを迅速に逆転させてもよい。この試験では、絶食時の用量と等価と考えられる、6オンスの1%ミルク(胃腸炎症を限定するために含まれる)を伴う経口チラミンカプセルを摂取する被験者についてPRを確立する。
【0281】
絶食条件下でのTYRPRの決定は、研究評価である。そのような測定では、TYRが食事の間に摂取された場合のTYR PRに対するMAOIの効果に関連する「チーズ効果」を直接的に評価しない(Bieck,et al.,1988;Gillman,2011)。このように、食物はチラミンの経口バイオアベイラビリティを低下させることが示されている(VanDenBerg,et al.,2003)。Cmaxは平均で72%低下し、AUC∞における低下は平均53%であった。したがって、NRI+PHZを服用している被験者に投与された40mg又はPHZ単独を服用している被験者に投与された20mgのTYR用量は、食事とともに投与された場合のPR効果についてテストされる。FDAは、以前の製品レビューで、MAOIの臨床試験について、40mgまでのチラミンを含む食事での血圧増加を測定することの重要性を強調したが、それは、チラミンに富む食事の最大含量として特徴付けられる(US FDA,2006)。このテストは、PR20が、40mg用量の食事中チラミンが安全で中等度の血圧増加をもたらす可能性が高いことを示す被験者において実施される。
【0282】
絶食条件下のチラミンへの応答の全ての評価について、各々の用量のチラミンへの、各々の被験者において観察された実際の応答が、アミンが投与される際にモニターされる。各々の用量への応答に基づいて、絶食で又は食事とともに投与されるその後の用量の投与を調整し、可能な限り最良に、30mmHGの応答が意味のある程度を超えないことを確実にする。
【0283】
この試験における追加の強調は、PHZの固有の薬理学をさらに特徴付けることである。これは、上で要約したように、Birkenharger,et al(2004)により、彼らのコントロール試験において記載された有害効果の発生を含み、及びRabkin,et al(1985)により要約されたように、比較的大きな診療所の集団にわたり逸話風である。加えて、いくつかの試験では、体位性低血圧の発生が記載されており、この試験において使用される用量と同等の用量でのうつ病患者へのPHZの投与に関連付けられる観察所見として、仰臥位での血圧減少を潜在的に伴う(Kronig,et al,1983、Rabkin,et al,1985、及びGeorgotas,et al,1987(Ulrich et al.,2017)。用量に関連する傾向があるが、これら及び他の有害効果が、MAO阻害、又はPHZの他の効果に関連するか否かは明らかではない(Baker,et al,1992)。
【0284】
d.安全戦略
先験的に、この試験は被験者の安全性を最適化するように計画されており、綿密な臨床モニタリングならびに治験薬及びチラミンの注意深い投与を強調している。それは、NRI、例えばデシプラミン(DMI)、アトモキセチン(ATX)、プロトリプチリン(PRT)などが、TYRなどの間接的に作用するアミンの作用を阻害することを示した、ヒト及び実験モデルにおけるより初期の研究に続く(Chalon,2003;Zerbe,1985;Gillman,2011)。
【0285】
簡単には、目標は、NRI(アトモキセチン、デシプラミン、又は潜在的にプロトリプチリン(PRT)のいずれか)を伴うPHZを投与し、併用を用いたTYR昇圧効果を測定するための、慎重に計画された絶食(6オンスの1%ミルクを投与)固定用量チラミン負荷が続く。定常状態への投薬後のTYR応答の評価は、併用を伴うPHZ/PHZ+NRIを用いた投薬後のピーク、2、3、4、及び6時間後、投薬後の約18、19、及び24時間のトラフで行われる。
【0286】
文献は、30mmのSBP増加を産生するチラミンの食事中用量が、収縮期血圧における30mmHG増加をもたらす絶食時経口用量よりも2~4倍大きいことを示唆する(Gillman,2011)。このように、絶食時経口PD30が33mg TYRである場合、食事中用量は約100mgでありうる。この試験では、安全性の予防措置として、PHZ+NRIで治療された被験者において、絶食時に与えられた40mgまでのTYRへの応答を評価し、食物とともに与えられた40mg用量のTYRが、SBPを、30mmHGを上回り増加させると予想されうるか否かを決定する。保守的な安全対策として、被験者の絶食時チラミン用量があまりにも大きな効果をもたらす場合、食事とともに与えられる用量は下方に調整される。
【0287】
経験によって、経口及び静脈内の両方のTYR単独の、あるいはNRIもしくはMAOI、又はその両方を用いた段階的投与は、30mmHGの収縮期血圧に対する標的化された効果を伴って安全に実施することができることが示されている(例、Pare,et al,1982;Bieck and Antonin,1988;1989;Blier et al.,2007を参照のこと)。この試験において評価される固定TYR用量では、PHZ投与単独の間の、及びNRIを伴うチラミンのSBP効果は、30mmHG又はそれ以下に近いと予測される(例、Bieck and Antonin,1989;Bieck,et al.1988)。加えて、被験者には、以前の絶食時経口チラミン負荷の間に測定された被験者固有のPR20値に基づく30~40mmHGを超えない、予測される、収縮期血圧における増加を達成するように、また、調整されたTYRの食事中用量(NRIを伴うPHZの評価については40mg、及び単独で与えられたPHZについては20mgを標的化する)が与えられる。
【0288】
試験されるNRIの1つであるDMIは、三環系抗うつ薬(TCA)である;第2のATXは違う。MAOI、例えばPHZなどを用いた選択的NRIの投与は、これらの薬剤を一緒に使用するためのラベル付きの警告が与えられ、慎重に行われなければならない(Pfizer,2009)。そのような警告は、セロトニン毒性を誘発する、これらの併用についての想定される潜在能を主に前提としている。しかし、この試験において使用されたNRIは、特にフルオキセチン及びパロキセチンのような選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と比較し、セロトニントランスポーターよりもノルエピネフリンでずっとより強力である(Pfizer,2009)。加えて、選択的NRIを、この試験において提示されているよりも有意に高い用量を用いて、治療目的のために、MAOIとの組み合わせにおいて安全に投与することができることを実証する多くの経験的データがある(Ulrich et al,2017;Gillman,2006)。例えば、この試験においてデシプラミンについて使用される、提示された用量は75mg/日であるが、うつ病において使用されるデシプラミン治療用量の範囲は100mgから300mgである。選択的NRIは、NETと比較し、セロトニントランスポーター(SERT)に対する効果をほとんど有さず、MAOIとともに安全に与えられてきた。対照的に、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)及び、SERTを阻害するTCAによるSERTの阻害は、MAOIと投与された場合、セロトニン毒性の明らかなリスクを伴うことが公知である(Gillman,2006;2011)。これらの試験治療の安全性をさらに制御するために、PHZ、ATX、及びDMIの投薬を段階的な様式で最終用量まで漸増し、治験責任医師は、併用が不十分に忍容される任意の被験者を中止するように指示した。試験治療を中止する必要性は、別の決定的な試験エンドポイントである。
【0289】
プロトリプチリンは、デシプラミン及びアトモキセチンでの結果に依存し、試験されうる潜在的な第3のNRIである。デシプラミンと同様に、プロトリプチリンはTCAである。プロトリプチリンの特性は、2つの重要な例外を伴い、デシプラミンと非常に類似している:長い半減期(60~90時間)及び低い用量範囲(15mg/日のプロトコル投与量)。プロトリプチリンの抗うつ薬「治療範囲」は20~40mg/日である(Teva,2014)。
【0290】
e.PHZを用いた投薬
PHZは、45mg/日のPHZへの漸減が、60mg/日の不十分な忍容性に基づいて要求されない場合、1日2回、約12時間離して合計60mg/日について別々の錠剤として投与される。30mg/日のPHZが忍容されない場合、被験者は中止される。
【表5】
【0291】
PHZの用量は、予定されている60mg用量まで(忍容されるように)漸増される。投薬工程は3~4日間隔であり、来診3の前に最終PHZ用量を伴う、定められた治療間隔が可能になる。以下の表6も参照のこと。
【表6】
【0292】
PHZ用量漸増:最終用量レベルまでの複数工程において、来診2で開始し、60mg/日が忍容されない場合、必要に応じて45mg/日までの逆滴定の1工程を伴う。下方滴定が生じた場合、被験者は、V3についてチェックインする前に45mgのPHZ用量に忍容するのに3~4日間を要しうる。
【0293】
PHZの用量は、体位性低血圧のために忍容されないであろう;しかし、この効果は一時的及び/又は無症候性でありうる。体位性低血圧が生じた場合、被験者がゆっくりと立ち上がるように注意を払い、転倒を招く任意の過剰な眩暈を治験責任医師に報告することが重要である。体位性低血圧の過剰な眩暈又は他の症状が報告された場合、被験者はCRUで評価され、PHZ用量漸増は、それに従って調整される。治験責任医師は、体位性低血圧がほとんどなくなるまで、PHZ用量を下げ、その場合において、被験者は、次のPHZ用量に再び漸増させることができる。PHZの用量を究極的に60mg/日に漸増することができない場合、被験者は中止される。
【0294】
用量漸増調整は、PHZの最終用量での被験者の安定化を許すために、来診3のタイミングにおける遅延を招きうる。
【0295】
全ての治療についての試験漸減期間の終了:来診3の終了時から開始し、PHZの用量を、上の表3及び4に従って、段階的な様式で低下させる。より遅い漸減レジメンが、治験責任医師の判断で、中止に関連する有害事象を報告する被験者について処方されうる。
【0296】
f.ATX、DMI、又はPRTを用いた投薬
アトモキセチン(ATX)、デシプラミン(DMI)、又はプロトリプチリン(PRT)は、1日2回、約6時間離して、PHZ投薬と同時に別々の錠剤として投与される。上の表3及び4を参照のこと。
【0297】
ATXコホート標的:PHZ(1日2回)とATX(1日2回)の併用。
【0298】
DMIコホート標的:PHZ(1日2回)とDMI(1日2回)の併用。
【0299】
PRTコホート標的(パート2において試験した場合):PHZ(1日2回)とPRT(1日2回)の併用。
【0300】
NRI用量漸増:NRIの用量は、上の表3及び4に従って、予定された用量まで(忍容されるように)漸増される。
【0301】
DMI漸増:来診2で開始する複数の用量レベルにおいて、用量が忍容されない場合、必要に応じて逆滴定の1工程を伴う。DMIの標的化用量は、AMにおいて50mg/日及びPMにおいて25mg/日(50/25mg)である。逆滴定は、AMにおいて25mg及びPMにおいて25mg(25/25mg)の用量をもたらしうる。DMIの25/25mgレジメンが忍容されない場合、被験者は中止される。
【0302】
ATX用量漸増:来診2から開始する複数の用量レベルにおいて、用量が忍容されない場合、必要に応じて逆滴定の1工程を伴う。ATXの標的化用量は、AMにおいて40mg/日及びPMで25mg/日(40/25mg)である。逆滴定は、AMにおいて20mg及びPMにおいて25mg(20/25mg)の用量をもたらしうる。ATXの20/25mgレジメンが忍容されない場合、被験者は中止される。
【0303】
PRT用量漸増:来診2から開始する複数の用量レベルにおいて、用量が忍容されない場合、必要に応じて逆滴定の1工程を伴う。PRTの標的化用量は、AMにおいて10mg/日及びPMにおいて5mg/日(10/5mg)である。逆滴定は、AMにおいて10mg及びPMにおいて0mg(10/0mg)の用量をもたらしうる。PRTの10/0mgレジメンが忍容されない場合、被験者は中止される。
【0304】
全ての治療についての試験漸減期間の終了:来診3の終了時から開始し、各々の薬物の用量を段階的な様式で低下させる。ATX、DMI、又はPRTについての漸減スケジュールについては、表3及び4を参照のこと。各々の薬物について、より遅い漸減レジメンが、治験責任医師の判断で、中止に関連する有害事象を報告する被験者について処方されうる。
【0305】
g.チラミン投薬
チラミンは、40mgまでの用量を達成するために、5、10、及び20mgのカプセルとして提供される。下の表7A及び表7Bにおいて示すように、チラミンの各々の用量後(昇圧応答があるか否かに関係なく)、観察期間は、SBPが最低10分間にわたりベースラインに戻ったと仮定すると、90分である。
【0306】
絶食で与える場合、TYRは6オンスの1%ミルク(又は等価のもの)とともに与えられる。
【0307】
食事を伴うTYR投与は、試験治療に従って2カプセルとして投与され、開始時及び5分目に食事中に投与される。チラミンの食事中用量の調整は、表7A及び表7Bにおいて記載されている。
【0308】
PHZ単独については、チラミン用量は、絶食時(6オンスの1%ミルク(又は等価のもの)を伴う)に与えられる5、10、及び20mgならびに食事を伴う分割用量としての20mgである。
【0309】
PHZ+NRIについては、チラミン用量は、絶食時(6オンスの1%ミルク(又は等価のもの)を伴う)に与えられる5、20、及び40mgならびに食事を伴う分割用量として40mgである。
【0310】
最初の絶食チラミンテストの間での5、10、及び20mgのチラミンへの昇圧応答に従って、各々の用量は連続的にテストされ、食事中テストについての20mgの標的化用量を伴う。PHZ単独で受けており、予想よりも大きい又は少ない応答を達成した個々の被験者については、以下を注意すること:5mgのチラミンに対する昇圧応答が5mmHG未満である場合、この用量はその後に使用されない。5mgのチラミンに対する昇圧応答が≧20mmHGである場合、5mgがその後の絶食テストのための用量となり、食事とともに与えられる単一用量でありうる。5mgのチラミンに対する昇圧応答が≧30mmHGである場合、被験者は「最も低い用量のチラミンに対する過剰応答」のために試験から中止する。10mgに対するSBP昇圧応答が>20mmHG及び<30mmHGである場合、5mgがその後の絶食テストのための用量になりうる;10mgが食事中テストのための用量になりうる。10mgのチラミンに対する昇圧応答が≧30mmHGである場合、5mgがその後の絶食テストのための用量でありうる、単一用量が食事とともに与えられる。20mgのチラミンに対する昇圧応答が<30mmHGである場合、その後に使用される用量は絶食時及び食事とともに20mgでありうる。20mgに対するSBP昇圧応答が>30mmHGである場合、10mgがその後の絶食テストのための用量になりうる;20mgが食事中テストのための用量になりうる(10mgに対する応答が20mmHG未満でありえたため)。
【0311】
あるいは、個々の被験者について、TYR用量を以下のように調整してもよい:最も低い(及び中間の)絶食時用量に対する応答が5mmHG未満である場合、次回はより高い用量で開始する。特定の絶食用量に対する応答が≧30mmHGである場合、用量が5mgでない場合、次回はより低い用量を絶食で投与し、次に中止する。特定の絶食時用量に対する応答が≧30mmHG及び<40mmHGである場合は、その用量を食事中テストのために使用する。特定の絶食時用量に対する応答が≧40mmHGである場合、食事中テストのために次のより低い用量を使用する。
【0312】
最初の絶食時チラミンテストの間での5、20、及び40mgのチラミンに対する昇圧応答に従って、各々の用量が連続的にテストされ、食事中テストについての40mgの標的化用量を伴う。PHZ+NRIを受けており、予想よりも大きい又は少ない応答に達成した個々の被験者については、以下を注意すること:5mgのチラミンに対する昇圧応答が5mmHG未満である場合、この用量はその後に使用されない。5mgのチラミンに対する昇圧応答が≧20mmHGである場合、5mgがその後の絶食時及び食中テストのための用量でありうる。5mgのチラミンに対する昇圧応答が≧30mmHGである場合、被験者は「最も低い用量のチラミンに対する過剰な応答」のために試験から中止する。20mgに対するSBP昇圧応答が>20mmHG、及び≦30mmHGである場合、20mgがその後の絶食時及び食事中テストのための用量でありうる。20mgに対するSBP昇圧応答が>30mmHG及び<40mmHGである場合、10mgがその後の絶食時テストのための、20mgが食事中テストのための用量でありうる。20mgに対するSBP昇圧応答が≧40mmHGである場合、5mgがその後の絶食時及び食事中テストのための用量でありうる。40mgのチラミンに対するSBP昇圧応答が<40mmHGである場合、この用量はその後に絶食時及び食事中テストのために使用されうる。40mgに対するSBP昇圧応答が>40mmHGである場合、20mgがその後の絶食時及び食事中テストのための用量でありうる。
【表7-1】
【0313】
表7Aに関して、投薬のための時間間隔はおおよそであり、「0」は、1日目及び2日目の手順の開始時間である(典型的には、毎日0700から0800時間の間)。おおよその時刻が便宜のために示されている。チラミン用量は、PHZ単独については5、10、又は20mg、及びPHZ+NRIについては10、20、又は40mgである。収縮期血圧におけるピーク増加は、各々のTYR用量、特に来診3での最初の一連の用量について、TYRテストの間に決定(又は推定)することが重要である。TYR投薬順序における所与の用量に対する応答に基づき、所与の用量に対する昇圧応答が予想よりも大きい又は少ない場合、所与の系列の用量内で投与される次のTYRの用量について、ならびにその後の絶食時用量系列において与えられる用量及び食事とともに与えられる用量について調整がありうる。調整についてのトリガーポイントは、応答が以下のいずれであるかを含む:5mmHG未満;20mmHGより大きい又は少ない;20~30mmHGの間;40mmHGより大きい。焦点は主に、順序における2つのより低い用量に対する応答、及び最も高い用量に対する応答が40mmHGを超えるか否かにあるべきである。
【0314】
NRIは、DMI、ATX、又はPRTである(パート1の結果を再調査した後に選択されるPRT)。PHZ、NRI、及び/又はTYRについてのPKサンプリングは、絶食時に与えられた、各々の用量のチラミン後の約30分及び39分(±1分)に収集される。PKサンプリング時に記録された血圧測定値は、データベースにおいて記録される。PHZ、NRI、及び/又はTYRについてのPKサンプリングは、チラミンが食事を伴う分割用量として与えられた場合、第2の用量後の約30分及び42分(±1分)に収集される。PKサンプリング時に記録された血圧測定値は、データベースにおいて記録される。PLATサンプリングは、血小板MAO活性の可能な測定のためのサンプルの収集を示す。血小板膜は、以下の手順又は同様に許容可能な手順に従って、試験実施施設により調製されるべきである。プロトコルの逸脱は、テスト表中の提示された時間の5分以内である採血及び投薬については公表されない。
【表7-2】
【0315】
表7Bに関して、チラミンの用量は、絶食時(6オンスの1%ミルク、又は等価のものを伴う)に与えられる5、20、及び40mgならびに食事を伴う40mgである。
【0316】
フェネルジン+NRI治療-来診3。最初の絶食チラミンテストの間での5、20、及び40mgのチラミンに対する応答に従い、個々の被験者について以下に注意すること:(1)5mgのチラミンに対する昇圧応答が>20mmHGである場合、5mgがその後の絶食テストのための用量である;(2)5mgのチラミンに対する昇圧応答が40mmHG又はそれ以上である場合、被験者は中止される;(3)20mgに対するSBP昇圧応答が>20mmHGである場合、20mgがその後の絶食テストのための用量である;(4)20mgに対するSBP昇圧応答が>40mmHGである場合、10mgがその後の絶食テストのための用量である;(5)40mgのチラミンに対する昇圧応答が40mmHG未満である場合、この用量はその後の絶食テストのために使用されうる;(6)40mgに対するSBP昇圧応答が40mmHGを超える場合、20mgがその後の絶食テストのための用量である;(7)その後の絶食時のTYR用量が、絶食時のTYRに対する昇圧応答に基づいて2又は5mgであると決定された場合、被験者は20mgの食事中TYR用量を有しうる;(8)その後の絶食時のTYR用量が、絶食時のTYRに対する昇圧応答に基づいて10、20、又は40mgであると決定された場合、被験者は40mgの食事中TYR用量を有しうる;(9)プロトコルの逸脱は、テスト表中の提示された時間の5分以内である採血及び投薬については公表されない。
【0317】
h.試験期間
各々の試験パートにおいて、各々の被験者について、試験期間は、約6週間の積極的試験であり、4回の予定された来診を含み、最後の完了電話インタビュー前の試験後観察のための2週間が続く。
【0318】
i.MAOIを用いた治療に関連する被験者の制限。
下に要約されている食事及び薬物の制限は、PHZについての承認されたラベルに基づく(Pfizer,2009)。公開された文献(総説については、Gillman,2006,2011を参照のこと)、モニターされたチラミンテストに関連する試験手順、及びこの試験において使用される特定の併用治療の排他的な、綿密にモニターされた使用に基づき、被験者はこのプロトコルにおいて安全に試験されることができると判断された。中止規則は、これらの制限を念頭に置いて計画された。
【0319】
食事制限。被験者が試験においてPHZを服用している期間にわたり、及びその後の大体2週間の期間にわたり、被験者は、米国の添付文書(Pfizer,2009)に従い、下の高いTYR含量を含むことが示されている食物を消費することを控えなければならない:肉及び魚(例、ニシンの漬物、肝臓、ジェノアサラミ、ハードサラミ、ペパロニ、及びレバノンボローニャを含むドライソーセージ)、野菜(例、ソラマメのさや又は空豆のさや、ザウアークラウト)、乳製品(例、チーズ(カッテージチーズ及びクリームチーズは可能)、ヨーグルト)、飲料(ビール及びワイン、アルコール不含及び低アルコールのビール及びワイン製品)、ならびに多種雑多な食品目(例、醸造用酵母を大量に含む酵母抽出物、肉抽出物、過剰量のチョコレート及びカフェイン)。また、風味を改善するために熟成、漬け込み、発酵、燻し、又は細菌混入によりタンパク質変化を受けたであろう食品を含む、任意の腐敗した又は不適切に冷蔵、取り扱い、又は保存されたタンパク質に富む食物、例えば肉製品、魚製品、乳製品などは避けるべきである。
【0320】
薬物制限。重篤な、潜在的に生命を脅かす相互作用は、制限された薬物とPHZの同時使用から起因しうる(Pfizer,2009)。被験者は、試験スクリーニングの間、ならびに試験の期間及び被験者が彼らの最後のATX//DMI//PRT+PHZ用量を服用した後の2週間のウォッシュアウト期間にわたり除外された任意の薬物療法を受けるべきではない。この制限はまた、特定の市販薬に適用される。任意の有害な又は危険な薬物相互作用を避けるために、被験者は、ATX//DMI+PHZを服用している間、及びその後の2週間にわたり、治験責任医師からの特定の許可なしに、以下の特定の薬物を服用すべきではない:ハーブ及びアンフェタミンを含む製剤、ならびに関連化合物、例えば例えばグアネチジン、メチルドパ、レセルピン、ドーパミン、レボドパ、及びトリプトファンなど、ならびに市販薬、例えば風邪、枯草熱、又は減量用の製剤など;メペリジン(ペチジン)及びデキストロメトルファンを含む交感神経模倣薬。
【0321】
j.試験来診
来診1(0日目、約2時間)。被験者は参加するためのインフォームドコンセントに署名し、彼らが組み入れ/除外基準を満たしているか否かを決定するために評価される。全ての組み入れ基準を満たし、除外基準を満たさない人々を登録する。要求されるように、パート1におけるATX又はDMI及びパート2におけるパート1 NRI又はPRTへの被験者の割り当ては、一度適格性が確認されると、来診2~4の手順の円滑な管理を可能にする様式で、来診1で行ってもよい。被験者は、約7日以内に(即ち、被験者が全ての組み入れ基準を満たし、除外基準を満たさないことが決定された後)、来診2に戻るように指示される。被験者は、試験結果に干渉することが予想されない慢性的な薬物療法を除き、前の深夜以降の絶食後の午前8時から午前9時30分の間での来診2(及び全てのその後の来診)について報告する。
【0322】
来診2(来診1から約1~7日;約6時間の長さ);登録された被験者は、PHZ単独(パート1だけ)、DMIを用いたPHZ、又はパート1におけるATX、及びより良好なパート1 NRIを用いたPHZ、又はパート2におけるPRTに割り当てられる。治療を、来診2で指示されるように、開始し、受ける。PHZの初期用量を臨床研究ユニット(CRU)で投与し、被験者を4時間(又はそれより長く)にわたり忍容性についてモニターする。被験者は、上に要約するように、各々の治療について用量漸増に関して指示される。また、PLATサンプルをMAO活性用に採取する。少量の食事が提供された後に予定用量の試験薬物を投与する(即ち、PHZ単独(パート1だけ);DMI、ATX、又はPRTを伴うPHZ(パート1及び2))(表3及び4を参照のこと)。軽度の無症候性体位性低血圧を伴う被験者は、試験において継続してもよい。体位性低血圧を伴う重度の眩暈又は失神を伴う被験者は、試験から中止する。
【0323】
試験薬物の投与後4時間(又はそれより長く)に、被験者の用量の忍容性に従って、被験者は、治験責任医師の判断で退院してもよい。被験者の追加の観察が治験責任医師により要求されると決定された場合、被験者は、治験責任医師が、被験者が退院し、次の来診のために戻りうると決定するまで、試験ユニットに残ることが要求される。要求される場合、2時間毎の、又は必要に応じ、治験責任医師により決定されるようにより頻繁な血圧及び心拍数のモニタリングを伴う観察のために、被験者を一晩維持するように準備すべきである。
【0324】
被験者が一晩観察を要求する場合、治験責任医師の判断で、彼/彼女は試験から退院してもよい(及び代替物により置き換えられてもよい)。あるいは、第2の用量を次の日に投与し、被験者の観察を以前のように継続してもよい。第2の用量が不十分に忍容される場合、被験者は試験から中止する。
【0325】
来診3(来診2からの間隔:PHZだけ、PHZ+ATX、PHZ+DMIについて約14日後)。PRTについての定常状態を達成するために、この群では、来診3は来診2の21日後;約48時間の長さ)。表7A及び表7B中のように、試験治療及びチラミンテストのための以下の投薬スケジュールからなる2日間の来診。被験者は、来診3前の夜に開始してCRUに入院し、2日間連続のテストのために滞在する(1及び2日目)。被験者は、治験責任医師により指定されるように、来診3前の夜にCRUに報告する。要求されるように、実施施設は被験者に「定期的な」夕食及び/又は夜食を提供し、以下を含む投薬前評価を実施しうる:較正済み自動血圧計を使用した血圧及び心拍数を含む、簡略化された身体検査;最後の来診以降の試験薬物の毎日の投薬及び以前の併用薬を再調査する;尿中薬物スクリーニング;バイタルサイン-体温;来診2以降の有害事象を記録する;来診2で収集されたSafety Labsを再調査する;来診2での許容可能な安全性ラボの結果、試験治療の順守、試験治療の忍容性、試験において継続する被験者の意欲などに基づいて、試験における継続の適合性を確認する;V3前の夜にCYP2D6遺伝子型(登録された被験者)についてサンプルを収集する。
【0326】
来診3での入院患者の1日目及び2日目のテスト。
【0327】
1日目:約00:00時間以降絶食していた;CRUに朝の用量を服用する;TYRテストのための継続的なECG(例、不整脈、虚血のエビデンス);PHZ、PHZ+ATX、DMI又はPRT、TYRについてPK採取;MAO活性のために血小板膜を調製する;昼食及び夕食を伴う食事中TYRテストを行う。
【0328】
2日目:約00:00時間以降絶食していた;15mgで与えられるべきATXを除き、朝の用量試験薬物をスキップする;経口絶食時チラミンテスト;TYRテスト(例、不整脈、虚血のエビデンス)のための継続的ECG;PHZ、PHZ+ATX、DMI又はPRT、TYRについてのPK採取;MAO活性のために血小板膜を調製する;昼食を伴う食事中TYRテストを行う;ベースラインの経口絶食後チラミンテストへのBPの復帰時にPHZ、PHZ+ATX、DMI又はPRTのPM用量を投与する;来診3の間に全ての時間に経験された有害事象について評価する;血圧は、較正済み自動血圧モニタリングデバイスを使用して測定する;心拍数の測定値は、血圧モニター、ECGモニター、又はラジアルパルスから測定してもよい。起立時の血圧は、2分間の静かな起立後(又は被験者が起立後に症候性である場合)に測定される。
【0329】
血圧及び心拍数のモニタリング:(1)PHZ、ATX/DMI、又はPRTの用量前の15分から開始し、チラミンの用量の投与まで15分毎、又はチラミンが投与されていない場合は用量後4時間にわたる:座位及び立位測定;(2)チラミンの各々の用量の投与後90分間にわたる3分毎:座位測定;(3)その日についてのチラミンの最後の用量が与えられた後の数分で開始し、2日目についての試験手順が開始されるまで3時間毎:仰臥位又は座位測定。
【0330】
2日目のPHZ、PHZ+NRIのPM用量後の1時間で、ベースラインへの血圧/心拍数の回復を確認する。その時、被験者は、治験責任医師の判断で退院してもよい。被験者の追加の観察が、治験責任医師により要求されていると決定された場合、被験者は、治験責任医師が、被験者が退院して次の来診のために戻りうると決定するまで、試験ユニットに残ることが要求される。
【0331】
来診4(来診3からの間隔:約14日、用量漸減スケジュールに依存;約2時間の長さ)。試験薬物が中止に向けて安全に漸減されてきたことを決定する。試験後の連絡を手配する。被験者は、PHZの食事制限、及び処方薬の制限を、試験薬物の最後の用量後2週間にわたり維持することが期待されていると言われる。14日後に標的化される、完了電話について利用可能になる。併用医薬、特にSSRI及び類似の薬物に関する制限を強化する。
【0332】
来診5(来診4からの間隔:約14日)。試験後の電話連絡及び電話インタビューの間の安全確認を完了する。被験者は、任意の懸念される副作用がその後の月に生じた場合、クリニックに連絡するよう言われる。
【0333】
k.統計分析
以下により測定される、PHZ及びATX-PHZ又はDMI-PHZ又はPRT-PHZの併用の全体的な忍容性:有害事象のための中止;重篤有害事象の分析;ATX、DMI、又はPRT+PHZ、PHZ単独を用いた治療の間、ならびに/あるいはTYRテストの間の治療緊急有害事象(TEAE)の発生率及び性質;有害事象の重症度及び試験薬物との関係、ならびに/あるいは試験薬物を伴うTYR;各々のPHZ+NRIについて、異なる投与量レベルでのAEの比較;PHZ、及びPHZ+NRIに対する血圧及び心拍数の応答;IVフェントラミンを用いた血圧における過剰な増加の治療についての必要性を含む、TYRテストの間での血圧及び心拍数;TYRテストの間でのECGモニター所見(ある場合)。重篤有害事象の発生率及び性質;ならびにベースラインの心電図からの変化。
【0334】
薬力学的結果の測定。経時的なPHZの心血管系効果を要約し、座位の血圧及び心拍数、立位の血圧及び心拍数、座位から立位への血圧及び心拍数における変化を含む。
【0335】
PHZ単独を用いた、及び各々のNRIを用いた治療の間での絶食及び摂食条件下での固定用量のチラミンに対する応答を、チラミンの各々の用量について経時的に及びピーク時に要約する。TYRに対する収縮期血圧、拡張期血圧、及び心拍数の応答を、来診3の間のPHZ単独について、及び各々のNRIを用いた投薬と比べて、用量後18時間及び用量後24時間の「ピーク」時に要約する:
【0336】
分析のための昇圧応答計量は以下を含む:PRF(TYR用量)=昇圧応答絶食;PRIM(TYR用量)=食事中の昇圧応答;昇圧応答(PR)は、TYR用量の投与後3分毎に記録された血圧測定値から決定されるように、各々のTYR血漿濃度が測定された時点でのTYR前のベースラインからの座位収縮期血圧における増加である。また、TYR用量の投与後3分毎に記録された血圧測定値から記録されるのは、「最大」PR(PRmax)、TYRの各々の用量後での座位収縮期血圧における最も大きな増加である。
【0337】
ピーク-最後のPHZ用量から8時間未満に投与されたTYR用量について;固定チラミン用量、絶食時(NRI/PHZ治療の間での5、20、40mg;PHZ単独の間での5、10、20mg);具体的には、NRI/PHZについてPRF5、PRF20、PRF40;PHZ単独についてPRF5、PRF10、PRF20;NRI/PHZ治療の間での食事を伴う40mg;PHZ単独の間での食事を伴う20mg(食事中の昇圧応答についてのPRIM40及びPRIM20)。注意:PRIM用量を指定する際、セクション6.3.2に従って、食事とともに与えられるTYRの実際の用量が、そのTYRの用量に対するPRFに基づいて変動しうることに注意すべきである。
【0338】
用量後約18時間-固定TYR用量、絶食(NRI/PHZ治療についてPRF5、PRF10、又はPRF40、PHZ単独についてPRF5、PRF10、又はPRF20)。
【0339】
トラフ(即ち、24時間)-食物を伴うTYR(NRI/PHZ治療の間でのPRIM40;PHZ単独の間でのPRIM10)。
【0340】
各々の昇圧応答計量について、昇圧応答測定値(PRF又はPRIM)を、治療別(PHZだけ、PHZ+ATX、PHZ+DMI、又は利用可能な場合はPHZ+PRT)の全治験集団、又はNRI濃度がそのNRIで治療された被験者の上位70%にある被験者のための治療の種類別の亜集団にわたり要約する。例えば、ATXについて、濃度がATX濃度の上位70%にある亜集団が見出され、要約統計量、例えば平均値及び標準偏差などを算出する。
【0341】
他の探索的分析。血小板MAOのパーセント阻害に対するTYR応答の関係(各々の被験者について、来診3での血小板MAO活性を、来診2での血小板MAO活性により割る、×100)。来診3での血小板MAO阻害率と、各々の被験者についてのPHZ用量(mg/日及びmg/kg/日)との関係。
【0342】
各々のNRIについて、チラミン(PRF及びPRIM)に対する昇圧応答が安全標的(即ち、<20mmHG)を下回っている時間の割合を、最後のPHZ用量後の8時間、ならびに18時間及び24時間の投薬時間にわたる各々の治療(PHZだけ、PHZ+NRI)について評価する。これらの評価の長期的な目標は、各々のNRI/PHZの併用について、用量計画又は濃度最小値が、即時の用量後期間において安全な標的応答を達成するか否かを決定することである。これらの分析を、データの変動性及び予測モデリングの検出力に依存して探索及び微調整する。
【0343】
l.チラミン負荷
テストの前。約0830時間で、カテーテルを、TYR負荷テストの間での静脈アクセスのための適切な前腕静脈中に挿入する。静脈アクセスは、TYRに対する過剰な昇圧応答が、静脈内フェントラミンを用いた治療を要求する高血圧の緊急性を招く場合、安全のために維持する。アクセスポートはまた、約1時間の間隔で定期的な生理食塩水フラッシュを介した血液サンプリング(例、ATX、DMI、PRT、PHZ、TYR濃度)のために使用されうる。較正済み自動血圧測定デバイスを反対側に配置する。被験者は次に、BP平衡化を可能にするために、わずかに暗い部屋において少なくとも30分間にわたり静かに休息する。TYR用量サイクルは、TYRの1つの経口用量の投与から、3分間隔での3回の血圧測定が安定であり、ベースラインSBPから5mmHGを下回るまでの間隔として決定する。
【0344】
チラミン投薬工程。TYRを、PHZを伴うNRI(ATX、DMI、又はPRT)を受けている被験者について、5、20、及び40mgの用量を使用し、増加的な負荷用量(即ち、用量サイクル)において投与する。PHZだけを受けている被験者について、TYR用量は5、10、及び20mgである。初期のTYR用量は5.0mg、又は2mgであり、保存的に低く、ある場合、30分以内に効果が現れると予想される。TYR昇圧応答の評価は、「累積的」ではなく;各々の用量に対する応答は、ピークに達し、次の用量が与えられる前にベースラインに戻ることが許される。その後の用量は、前の用量に対する応答が、少なくとも10分間にわたりベースラインに戻った後に投与される。用量を増加させるにつれて、最大効果が20~40分以内に発生し、効果は投薬後60~90分までにベースラインに戻ると予想される。この様式において、TYRの用量を、90分間のチラミン用量間の間隔を伴う、各々の経口治療についての3用量の評価、ならびにチラミン用量の投与後30及び39分でのチラミン及び試験薬物の血中レベルについての血漿サンプリングをもたらす様式で漸増させる。
【0345】
単一用量のチラミン負荷。TYRの単一用量を、食事中のTYR(TIM)に対する応答に対する治療効果を研究するために、来診3で食物とともに投与する。食事中の単一用量の標的TYR用量は40mgであり、それはFDAにより、チラミンに富む食事の最大チラミン含量として見なされる(FDA,2006)。大半の被験者について、TIMの40mg用量は、20mmHG又はそれ以下のSBP増加をもたらすと予想される。しかし、低下したTYRの用量を、絶食時に与えられたTYRの固定用量に対する応答に依存して、食物とともに与えられる用量として選択することができうる。PHZ単独を受けている被験者について、食事中テストについての標的は10mgTYRである。食事中で与えられる任意の用量を、2つの等しい半用量に分割し、1つは食事の開始時に与え、他は食事中への5分に与えられ、同様の量のTYRを含む典型的な食事中での40mgチラミンの段階的な摂取をシミュレートする。食事を伴う第2の用量のチラミンの投与後、チラミン及び試験薬物の血中レベルについての血漿サンプリングは、第2のチラミン用量の投与後の30及び42分である。
【0346】
m.チラミンテストの間でのデシプラミン、アトモキセチン、トラニルシプロミン、プロトリプチリン、及びチラミンの測定のための血液サンプル。
血液サンプルを、絶食時のチラミン用量後の約30及び39分後に採取し、血液サンプリング時に記録された同時の血圧測定を伴う。血液サンプルを、与えられたチラミン用量後の約33及び45分後に採取し、血液サンプリング時に記録された同時の血圧測定を伴う。サンプルの目的は、記録された血圧測定と同時期にPHZ、ATX/DMI/PRT、及びチラミンの濃度を測定することである。理想的には、このピークはサイクルの間での最も高いピークに対応するが、しかし、それはサイクルが終わるまで知られることはない。治験責任医師は、臨床経験の利点を用いて、15分間までの血液採取のタイミングを調整する判断を有する。
【0347】
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【0348】
種々の修飾及び変形を、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく本発明において作ることができることは当業者には明らかであろう。本発明の他の態様は、本明細書中に開示する本発明の明細書及び実践の考慮から当業者に明らかであろう。本明細書及び実施例は例示的としてだけ考えられることを意図しており、本発明の真の範囲及び精神を、以下の特許請求の範囲により示す。
【国際調査報告】