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特表2022-521262遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングおよび内燃機関にチャージ空気を供給する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングおよび内燃機関にチャージ空気を供給する方法
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20220330BHJP
   F02M 35/12 20060101ALI20220330BHJP
   F04D 29/44 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
F02B39/00 G
F02M35/12 H
F02B39/00 B
F04D29/44 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549150
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2020054506
(87)【国際公開番号】W WO2020169745
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】19158292.3
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520512373
【氏名又は名称】エービービー スウィッツァーランド リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ABB Switzerland Ltd
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 71a, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ マテイ
(72)【発明者】
【氏名】ベアント アルビーツ
【テーマコード(参考)】
3G005
3H130
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005EA16
3G005FA05
3G005GB02
3G005GB17
3G005GB32
3H130AA13
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC14
3H130BA33A
3H130BA66A
3H130BA68A
3H130BA97A
3H130CA07
3H130CA21
3H130EA06A
3H130EA07A
3H130ED05A
(57)【要約】
本発明は、遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジング(10)に関する。コンプレッサハウジング(10)は、半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)を含んでおり、このハウジング領域(10A)は、遠心式コンプレッサ(20)の吸込み領域において軸方向の流入通路(11)を形成する。付加的にコンプレッサハウジング(10)は、半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)に接続するディフューザ領域(10B)を含んでいる。このディフューザ領域(10B)は、コンプレッサホイール(21)の下流側の半径方向の流れを、流入通路(11)の流入方向(12)とは反対の軸方向に変向させるように形成されている。さらにコンプレッサハウジング(10)は、ディフューザ領域(10B)に接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域(10C)を含んでいる。このハウジング領域(10C)は、流入方向(12)に対して逆方向で軸方向に延びており、1つまたは複数のチャージ空気収集室(13,14)を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心式コンプレッサ(20)のコンプレッサハウジング(10)であって、
半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)であって、前記遠心式コンプレッサ(20)の吸込み領域において軸方向の流入通路(11)を形成する、ハウジング領域(10A)と、
半径方向内側に位置する前記ハウジング領域(10A)に接続するディフューザ領域(10B)であって、コンプレッサホイール(21)の下流側の半径方向の流れを、前記流入通路(11)の流入方向(12)とは反対の軸方向に変向させるように形成されている、ディフューザ領域(10B)と、
前記ディフューザ領域(10B)に接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域(10C)であって、前記流入方向(12)に対して逆方向で軸方向に延びており、1つまたは複数のチャージ空気収集室(13,14)を提供する、ハウジング領域(10C)と、
を含むコンプレッサハウジング(10)。
【請求項2】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)および前記ディフューザ領域(10B)の少なくとも一方、特に両方が、冷媒にとって通流可能な中間室(15)を形成するために、2つのシェルにより構成されている、請求項1記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項3】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)および前記ディフューザ領域(10B)の少なくとも一方、特に両方が、内側シェル(16)と、該内側シェルに対して間隔Dで離間している外側シェル(17)とを含んでいる、請求項1または2記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項4】
1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)内に、少なくとも1つのチャージ空気冷却器(18)が提供されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項5】
1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)が、前記チャージ空気冷却器の外側幾何学形状に適合している内側幾何学形状を有している、請求項4記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項6】
1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)が、チャージ空気流出開口(19)を含んでおり、該チャージ空気流出開口(19)が、流出方向(23)への前記チャージ空気の流出を提供するために形成されており、該流出方向(23)が、前記流入方向(12)に対して横方向、特に実質的に直角である、請求項1から5までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項7】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、第1のチャージ空気収集室(13)および第2のチャージ空気収集室(14)を含んでおり、該チャージ空気収集室(13,14)が、それぞれ前記ディフューザ領域(10B)に接続されているので、これにより第1のチャージ空気ハウジング脚部(10C1)および第2のチャージ空気ハウジング脚部(10C2)が提供される、請求項1から6までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項8】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、前記流入方向(12)に対して逆方向の軸方向の延在長さを有しており、該延在長さが、半径方向内側に位置する前記ハウジング領域(10A)の軸方向の延在長さよりも大きく、これにより半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、軸方向の中間室(24)を少なくとも部分的に取り囲んでおり、前記軸方向の中間室(24)は、吸込み側で吸音要素(25)を収容するために、形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項9】
半径方向内側に位置する前記ハウジング領域(10A)が、吸込み側で、吸音要素(25)を取り付けるための結合構造体(121)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)を含む、遠心式コンプレッサ(20)。
【請求項11】
吸音要素(25)をさらに含み、該吸音要素(25)が、半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)に吸込み側で結合されており、半径方向外側に位置するハウジング領域(10C)により少なくとも部分的に取り囲まれている、請求項10記載の遠心式コンプレッサ(20)。
【請求項12】
タービン(31)および請求項10または11記載の遠心式コンプレッサ(20)を含む、排ガスターボチャージャ(30)。
【請求項13】
請求項12に記載の排ガスターボチャージャ(30)を備えた内燃機関であって、特に前記排ガスターボチャージャが、1つまたは複数の排ガス管路(32)と、1つまたは複数のチャージ空気流出開口(19)とを介して、鉛直方向または水平方向の配向で内燃機関に接続されている、内燃機関。
【請求項14】
内燃機関にチャージ空気を供給する方法であって、
空気流を提供するために、コンプレッサハウジングの半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)の軸方向の流入通路を通じて空気を吸い込むステップと、
前記コンプレッサハウジングのディフューザ領域(10B)において前記空気流を変向させ、膨張させるステップであって、前記ディフューザ領域(10B)が、コンプレッサホイール(21)の下流側の半径方向の流れを、流入通路(11)の流入方向(12)とは反対の軸方向に変向させるように形成されている、ステップと、
前記ディフューザ領域(10B)に接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域(10C)において前記空気流を冷却するステップであって、半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、前記流入方向(12)に対して逆方向で軸方向に延びていて、1つまたは複数のチャージ空気収集室(13,14)を提供する、ステップと、
を含む方法。
【請求項15】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)および前記ディフューザ領域(10B)の少なくとも一方、特に両方が、中間室(15)を形成するために2つのシェルにより構成されており、前記空気流を冷却する前記ステップが、冷媒を備えた前記中間室(15)の通流を含み、特に、1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)内に、少なくとも1つのチャージ空気冷却器(18)が提供されており、特に前記空気流を冷却する前記ステップを、少なくとも1つの前記チャージ空気冷却器により実施する、請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給される内燃機関用の排ガスターボチャージャの分野に関する。特に本発明は、遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングに関する。さらに、本発明は、このようなコンプレッサハウジングを備えた遠心式コンプレッサと、このような遠心式コンプレッサを備えた排ガスターボチャージャと、このような排ガスターボチャージャを備えた内燃機関とに関する。さらに、本発明は、特にコンプレッサハウジングにより、内燃機関にチャージ空気を供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の出力向上のためには、今日では、内燃機関の排ガス系に設けられたタービンと、内燃機関に前置されたコンプレッサとを備えた排ガスターボチャージャが標準的に使用される。内燃機関の排ガスは、タービン内で膨張する。この場合に獲得される仕事量は、軸を介してコンプレッサに伝達される。コンプレッサは、内燃機関に供給される空気を圧縮する。内燃機関における燃焼プロセスに供給される空気を圧縮するために排ガスのエネルギを使用することにより、内燃機関の燃焼プロセスおよび効率を最適化することができる。
【0003】
コンプレッサホイールの下流側のチャージ圧をさらに高めるために、遠心式コンプレッサでは、コンプレッサハウジングのコンプレッサ流出通路が、通常は、周辺部において連続的に増大する横断面を備えた螺旋部の形で構成されている。この螺旋部は、次いで円錐ディフューザ内で終端する。
【0004】
先行技術から公知の螺旋形のコンプレッサハウジングでは、遠心式コンプレッサの効率損失につながる流れ損失が発生することが判った。さらに、従来のコンプレッサハウジングは一般的に、場合によっては設けられているチャージ空気冷却部がコンプレッサに後置されて、したがってコンプレッサハウジングの外側に別個に配置されているように、構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、先行技術から公知の螺旋形のコンプレッサハウジングの複数の欠点のうちの少なくとも1つの欠点に関して改善されている、遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングを提供することである。特に、本発明の課題は、流れ損失を減じ、これにより遠心式コンプレッサの効率損失を最小限にすることができるコンプレッサハウジングを提供することである。本発明の別の課題は、チャージ空気冷却部の統合可能性に関して改善されている、コンプレッサハウジングを提供することである。さらに、内燃機関にチャージ空気を供給する改善された方法を提供するという別の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、独立請求項に記載の遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングならびに内燃機関にチャージ空気を供給する方法が提供される。本発明の別の態様、利点および特徴は、従属請求項、明細書および添付された図面から明らかとなる。
【0007】
本発明の1つの態様によれば、遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングが提供される。コンプレッサハウジングは、半径方向内側に位置するハウジング領域を含んでおり、このハウジング領域は、遠心式コンプレッサの吸込み領域において軸方向の流入通路を形成する。付加的に、コンプレッサハウジングは、半径方向内側に位置するハウジング領域に接続するディフューザ領域を含んでいる。このディフューザ領域は、コンプレッサホイールの下流側の半径方向の流れを、流入通路の流入方向とは反対の軸方向に変向させるように形成されている。さらにコンプレッサハウジングは、ディフューザ領域に接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域を含んでいる。このハウジング領域は、流入方向に対して逆方向で軸方向に延びており、1つまたは複数のチャージ空気収集室を提供する。
【0008】
したがって、有利には、先行技術に比べて改善されている、遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングが提供される。特に、本発明に係るコンプレッサハウジングにより、有利には流れ損失を減じることができ、これにより遠心式コンプレッサの効率損失を最小限にすることができる。さらに、本明細書に記載されたコンプレッサハウジングの構成は、チャージ空気冷却部の統合を可能にする。このことは、特に少ない空気接続部を備えたよりコンパクトな過給システムの実現を可能にするので、過給システムをよりコンパクトに、かつより簡単に構成することができる。
【0009】
本発明の別の1つの態様によれば、本明細書に記載された実施形態によるコンプレッサハウジングを備えた遠心式コンプレッサが提供される。
【0010】
本発明の別の1つの態様によれば、タービンおよび本明細書に記載された実施形態による遠心式コンプレッサを含む、排ガスターボチャージャが提供される。
【0011】
本発明の別の1つの態様によれば、本明細書に記載された実施形態による排ガスターボチャージャを備えた、内燃機関が提供される。特に、内燃機関は、本明細書に記載された実施形態による排ガスターボチャージャを含んでおり、この排ガスターボチャージャは、1つまたは複数の排ガス管路および1つまたは複数のチャージ空気流出開口を介して、鉛直方向または水平方向の配向で内燃機関に接続されている。
【0012】
したがって、本明細書に記載されたコンプレッサハウジングの使用により、遠心式コンプレッサ、遠心式コンプレッサを備えた排ガスターボチャージャおよび排ガスターボチャージャを備えた内燃機関に関連して、改善された遠心式コンプレッサ、改善された排ガスターボチャージャおよび改善された内燃機関を提供することができる。
【0013】
本発明の別の1つの態様によれば、内燃機関にチャージ空気を供給する方法が提供される。この方法は、空気流を提供するためにコンプレッサハウジングの半径方向内側に位置するハウジング領域の軸方向の流入通路を通じて空気を吸い込むステップを含んでいる。付加的には、方法は、コンプレッサハウジングのディフューザ領域において空気流を変向させ、膨張させるステップを含んでいる。ディフューザ領域は、コンプレッサホイールの下流側の半径方向の流れを、流入通路の流入方向とは反対の軸方向に変向させるように形成されている。さらに、方法は、ディフューザ領域に接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域において空気流を冷却するステップを含んでおり、このハウジング領域は、流入方向に対して逆方向で軸方向に延びており、1つまたは複数のチャージ空気収集室を提供する。
【0014】
したがって、有利には、チャージ空気冷却をコンプレッサハウジング内で実施することができる、チャージ空気供給法が提供される。
【0015】
以下に本発明を、図面に図示した実施例に基づき説明する。実施例から、別の利点および変化形が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本明細書に記載された実施形態によるコンプレッサハウジングの概略的な断面図である。
図2】本明細書に記載された実施形態によるコンプレッサハウジングの概略的な斜視図である。
図3】本明細書に記載された実施形態による排ガスターボチャージャの概略的な斜視図である。
図4】本明細書に記載された実施形態による、内燃機関にチャージ空気を供給する方法を可視化するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照しながら、本開示による遠心式コンプレッサ20のコンプレッサハウジング10を説明する。本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、コンプレッサハウジング10は、半径方向内側に位置するハウジング領域10Aを含んでいる。このハウジング領域10Aは、遠心式コンプレッサ20の吸込み領域において軸方向の流入通路11を形成する。さらに、コンプレッサハウジング10は、半径方向内側に位置するハウジング領域10Aに接続するディフューザ領域10Bを含んでいる。ディフューザ領域10Bは、コンプレッサホイール21の下流側の半径方向の流れを、流入通路11の流入方向12とは反対の軸方向に変向させるように形成されている。さらに、コンプレッサハウジング10は、ディフューザ領域10Bに接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cを含んでいる。このハウジング領域10Cは、流入方向12に対して逆方向で軸方向に延びており、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14を提供する。
【0018】
したがって、有利には、先行技術から公知の螺旋形のコンプレッサハウジングに対して改善されている、遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジングが提供される。特に、本明細書に記載された実施形態によるコンプレッサハウジングにより、有利には流れ損失が減少する。このことは、遠心式コンプレッサの効率に有利に作用する。換言すると、本明細書に記載されたコンプレッサハウジングは、遠心式コンプレッサの効率損失を最小限にすることができるという利点を有している。本明細書に記載されたコンプレッサハウジングの別の利点は、このコンプレッサハウジングの構成が、チャージ空気冷却部の統合のために適している点である。コンプレッサハウジングにチャージ空気冷却部を統合することは、よりコンパクトな過給システムの実現を可能にする。なぜならば、流れ通路を介してコンプレッサハウジングに接続される別個のチャージ空気冷却部を省略することができるからである。したがって、排ガスターボチャージャの複雑さも減じることができる。
【0019】
本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cおよびディフューザ領域10Bの少なくとも一方が、2つのシェルにより構成されているので、例示的に図1に図示されているように、冷却媒体にとって通流可能な中間室15が提供される。特に、典型的には半径方向外側に位置するハウジング領域10Cが、2つのシェルにより形成されている。ディフューザ領域10Bは、部分的に2つのシェルにより構成されていてもよいし、または完全に2つのシェルにより構成されていてもよい。図1は、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cも、ディフューザ領域10Bも、2つのシェルにより構成されている例示的な1つの実施形態を示している。ディフューザ領域10Bの2つのシェルによる構成は、チャージ空気からできるだけ多くの熱を取り除くために特に有利である。
【0020】
典型的には、中間室15は連続的に構成されているので、冷媒(たとえば、水)は、中間室15全体を流れることができ、たとえば、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cの軸方向の一端部から、ディフューザ領域10Bの、半径方向内側に位置する端部にまで流れることができる。したがって、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14は、チャージ空気を冷却するために冷媒ジャケットにより周囲を取り囲まれていてよい。さらに、中間室15内には、冷媒の流れをガイドするためのガイド金属薄板が設けられていてよく、これによりできるだけ大きな熱量を導出するために、制御された冷媒流を実現することができる。このことは、システム全体の効率に有利に影響を与えることができる。
【0021】
コンプレッサハウジングに統合された冷却に基づいて、コンプレッサハウジングをアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成することができ、このことは、有利には著しい重量削減につながる。したがって、本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、コンプレッサハウジングの材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含んでいてよい。特に、コンプレッサハウジングは、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成っていてよい。
【0022】
例示的に図1に図示されているように、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cおよびディフューザ領域10Bの少なくとも一方が、内側シェル16と、外側シェル17とを含んでいてよい。典型的には、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cも、ディフューザ領域10Bも、内側シェル16および外側シェル17を有している。外側シェル17は、内側シェル16に対して間隔Dで配置されている。安定性を高めるために、中間室15内に、特に内側シェル16と外側シェル17との間に、支持要素(たとえば、ステー)が設けられていてよい。
【0023】
本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、例示的に図1に図示されているように、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14内に、少なくとも1つのチャージ空気冷却器18が提供されている。
【0024】
これに関連して、少なくとも1つのチャージ空気冷却器が典型的には、全負荷点におけるチャージ空気を所望のレベルに下げるように冷却することができるように、寸法設計されている。
【0025】
本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14は、チャージ冷却器の外側幾何学形状に適合している内側幾何学形状を有している。これに関連して、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14の内側幾何学形状は、少なくとも、少なくとも1つのチャージ空気冷却器が配置されている領域において、チャージ空気冷却器の外側幾何学形状に適合していると理解することができる。
【0026】
たとえば、チャージ空気冷却器の外側幾何学形状は、直方体状に形成されていてよく、1つまたは複数のチャージ空気収集室の内側幾何学形状は、少なくとも、チャージ空気冷却器の領域において、チャージ空気冷却器の直方体状の外側幾何学形状に適合していてよい。原理的には、チャージ空気冷却器の別の適切な外側幾何学形状、ひいては1つまたは複数のチャージ空気収集室の、対応して適合された別の内側幾何学形状も可能である。
【0027】
本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14は、例示的に図1において図示されているように、それぞれ1つのチャージ空気流出開口19を含んでいる。チャージ空気流出開口は、典型的には、流出方向23へのチャージ空気の流出を提供するために形成されており、流出方向23は、流入方向12に対して横方向、特に実質的に直角である。
【0028】
本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cは、第1のチャージ空気収集室13と、第2のチャージ空気収集室14とを含んでいる。第1のチャージ空気収集室13および第2のチャージ空気収集室14は、それぞれディフューザ領域10Bに接続されているので、例示的に図1および図2に図示されているように、第1のチャージ空気ハウジング脚部10C1および第2のチャージ空気ハウジング脚部10C2が提供される。
【0029】
典型的には、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cは、ディフューザ領域10Bを起点として、チャージ空気流が連続的に膨張し、穏やかに変向されるように、構成されている。例示的に図1に図示されているように、チャージ空気流を、1つまたは複数の分岐部(たとえば第1のチャージ空気ハウジング脚部10C1および第2のチャージ空気ハウジング脚部10C2)に分割し、それぞれ1つのチャージ空気冷却器18へとガイドすることができる。
【0030】
図1および図2には、それぞれ1つのチャージ空気流出開口19が、第1のチャージ空気ハウジング脚部10C1および第2のチャージ空気ハウジング脚部10C2に配置されている例示的な1つの実施形態が図示されている。たとえば、第1のチャージ空気ハウジング脚部10C1のチャージ空気流出開口は、第2のチャージ空気ハウジング脚部10C2のチャージ空気流出開口に対して鏡像対称的に配置されていてよく、図1に図示された中心軸線は、対称軸線を形成する。典型的には、中心軸線22は、コンプレッサホイール21の回転軸線に一致する。
【0031】
本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cは、流入方向12に対して逆方向の軸方向の延在長さを有している。この延在長さは、例示的に図1および図2に示されているように、半径方向内側に位置するハウジング領域10Aの軸方向の延在長さよりも大きい。したがって、コンプレッサハウジングは、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cが、軸方向の中間室24を少なくとも部分的に取り囲んでいるように形成されている。
【0032】
図1および図2は、軸方向の中間室24が、第1のチャージ空気ハウジング脚部10C1と第2のチャージ空気ハウジング脚部10C2との間に配置されている例示的な1つの実施形態を示している。典型的には、軸方向の中間室24は、例示的に図1および図2に図示されているように、吸込み側で、吸音要素25を収容するために形成されている。例示的に図1に図示されているように、半径方向内側に位置するハウジング領域10Aは、吸込み側で、典型的には、吸音要素25を取り付けるための結合構造体121を有している。さらに、吸音要素25は、例示的に図2に図示されているように、取付け要素251を介して、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cに取り付けられていてよい。
【0033】
換言すると、軸方向の中間室24は、遠心式コンプレッサの流入通路11への給気のために使用することができる。給気は、吸音構造体として、たとえば円筒形の吸音要素25として構成されていてよい供給部を介して行うことができる。このような吸音性の吸込み区間は、有利には、遠心式コンプレッサの吸込み開口における音圧レベルの減少を達成するために使用することができる。これにより、より小さな吸音部を備えた消音器を使用することができ、この消音器は、圧力損失における利点を有している。したがって、このことは、損失をさらに減じ、ひいてはシステム効率を向上させる。
【0034】
本開示の別の1つの態様によれば、本明細書に記載された実施形態によるコンプレッサハウジング10を備えた遠心式コンプレッサ20が提供される。例示的に図1に図示されているように、遠心式コンプレッサは、吸音要素25を含んでいてよく、この吸音要素25は、半径方向内側に位置するハウジング領域10Aに吸込み側で結合されており、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cにより少なくとも部分的に取り囲まれている。
【0035】
図3は、本開示による排ガスターボチャージャ30の概略的な斜視図を示している。排ガスターボチャージャ30は、タービン31と、本明細書に記載された実施形態による遠心式コンプレッサ20とを含んでいる。
【0036】
本開示の別の1つの態様によれば、本明細書に記載された実施形態による排ガスターボチャージャを備えた内燃機関が提供される。特に、排ガスターボチャージャが、1つまたは複数の排ガス管路32と、1つまたは複数のチャージ空気流出開口19とを介して鉛直方向または垂直方向の配向で内燃機関に接続されている、内燃機関を提供することができる。これにより、シリンダヘッドにおける排ガス流出部と内燃機関の空気流入部との間のできるだけ直接的な接続を達成することができる。したがって、本明細書に記載された実施形態によるコンプレッサハウジングを備えた遠心式コンプレッサを含むターボチャージャの本明細書に記載された構成は、内燃機関に設けられたターボチャージャの極めてコンパクトな構造を可能にする。
【0037】
図4に図示されたフローチャートを参照しながら、本開示による内燃機関にチャージ空気を供給する方法40を説明する。
【0038】
本明細書に記載された別の実施形態と組み合わせることができる1つの実施形態によれば、方法40は、空気流を提供するために、コンプレッサハウジングの半径方向内側に位置するハウジング領域10Aの軸方向の流入通路11を通じて空気を吸い込むステップを含んでいる(図4において例示的に方法ブロック41により図示されている)。付加的に、方法40は、コンプレッサハウジングのディフューザ領域10Bにおいて空気流を変向させ、膨張させるステップを含んでいる。(図4において例示的に方法ブロック42により図示されている)。ディフューザ領域10Bは、図1から明らかであるように、コンプレッサホイール21の下流側の半径方向の流れを、流入通路11の流入方向12とは反対の軸方向に変向させるように形成されている。さらに、方法は、ディフューザ領域10Bに接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cにおいて空気流を冷却するステップを含んでいる(図4において例示的に方法ブロック43で図示されている)。半径方向外側に位置するハウジング領域10Cは、流入方向12に対して逆方向で軸方向に延びており、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14を提供する。
【0039】
本明細書に記載されているように、半径方向外側に位置するハウジング領域10Cおよびディフューザ領域10Bの少なくとも一方、特に両方が、中間室15を形成するために、2つのシェルにより構成されていてよい。したがって、空気流を冷却するステップは、冷媒を備えた中間室15の通流を含んでいてよい。
【0040】
さらに、本明細書に記載されているように、1つまたは複数のチャージ空気収集室13,14内に、少なくとも1つのチャージ空気冷却器18が提供されていてよい。したがって、空気流を冷却するステップを、付加的または代替的に、少なくとも1つのチャージ空気冷却器による空気流の冷却により実施することができる。
【0041】
これに関連して、本明細書に記載された、内燃機関にチャージ空気を供給する方法を、本明細書に記載されたコンプレッサハウジングを使用しながら、特に本明細書に記載された遠心式コンプレッサを使用しながら実施することができることを述べておく。
【0042】
本明細書に記載された実施形態から判るように、有利には、先行技術に対して改善されている、遠心式コンプレッサのコンプレッサハウジング、遠心式コンプレッサ、排ガスターボチャージャ、内燃機関および内燃機関にチャージ空気を供給する方法が提供される。
【0043】
特に、本発明に係るコンプレッサハウジングにより、有利には流れ損失を減じることができ、これにより遠心式コンプレッサの効率損失を最小限にすることができる。さらに、本明細書に記載されたコンプレッサハウジングの構成は、チャージ空気冷却部の統合を可能にする。このことは、特に少ない空気接続部を備えた、よりコンパクトな過給システムの実現を可能にし、これにより、過給システムをよりコンパクトに、かつより簡単に構成することができる。
【0044】
換言すると、本明細書に記載された実施形態では、遠心式コンプレッサの、先行技術から公知の螺旋形ハウジングが、コンプレッサハウジングの、本明細書に記載された構成により代替される。コンプレッサハウジングの本明細書に記載された実施形態は、有利には、コンプレッサハウジング内に統合されたチャージ空気冷却部を提供することができるように、構成されている。特に、本明細書に記載されたコンプレッサハウジングは、圧縮された空気を、螺旋部の介在なしに、かつ別の接続部なしに、(ディフューザに類似の構成を有する)コンプレッサハウジング内で直接に冷却し、チャージ空気冷却器へとガイドすることができる。コンプレッサハウジングの出口において、冷却されたチャージ空気を内燃機関のレシーバ(Receiver)に引き渡すことができる。
【符号の説明】
【0045】
10 コンプレッサハウジング
10A 半径方向内側に位置するハウジング領域
10B ディフューザ領域
10C 半径方向外側に位置するハウジング領域
10C1 第1のチャージ空気ハウジング脚部
10C2 第2のチャージ空気ハウジング脚部
11 流入通路
12 流入方向
121 吸音要素を取り付けるための、半径方向内側に位置するハウジング領域の結合構造体
13 第1のチャージ空気収集室
14 第2のチャージ空気収集室
15 中間室
16 内側シェル
17 外側シェル
18 チャージ空気冷却器
19 チャージ空気流出開口
20 遠心式コンプレッサ
21 コンプレッサホイール
22 中心軸線
23 チャージ空気の流出方向
24 軸方向の中間室
25 吸音要素
251 半径方向外側に位置するハウジング領域に吸音要素を取り付けるための取付け要素
30 排ガスターボチャージャ
31 タービン
32 排ガス管路
40 内燃機関にチャージ空気を供給する方法
41 「空気を吸い込むステップ」を表す方法ステップのブロック
42 「空気流を変向させ、膨張させるステップ」を表す方法ステップのブロック
43 「空気流を冷却するステップ」を表す方法ステップのブロック
R 半径方向
x 軸方向
D 内側シェルと外側シェルとの間の間隔
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心式コンプレッサ(20)のコンプレッサハウジング(10)であって、
半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)であって、前記遠心式コンプレッサ(20)の吸込み領域において軸方向の流入通路(11)を形成する、ハウジング領域(10A)と、
半径方向内側に位置する前記ハウジング領域(10A)に接続するディフューザ領域(10B)であって、コンプレッサホイール(21)の下流側の半径方向の流れを、前記流入通路(11)の流入方向(12)とは反対の軸方向に変向させるように形成されている、ディフューザ領域(10B)と、
前記ディフューザ領域(10B)に接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域(10C)であって、前記流入方向(12)に対して逆方向で軸方向に延びており、1つまたは複数のチャージ空気収集室(13,14)を提供する、ハウジング領域(10C)と、
を含むコンプレッサハウジング(10)。
【請求項2】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)および前記ディフューザ領域(10B)の少なくとも一方が、冷媒にとって通流可能な中間室(15)を形成するために、2つのシェルにより構成されている、請求項1記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項3】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)および前記ディフューザ領域(10B)の少なくとも一方が、内側シェル(16)と、該内側シェルに対して間隔Dで離間している外側シェル(17)とを含んでいる、請求項1または2記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項4】
1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)内に、少なくとも1つのチャージ空気冷却器(18)が提供されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項5】
1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)が、前記チャージ空気冷却器の外側幾何学形状に適合している内側幾何学形状を有している、請求項4記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項6】
1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)が、チャージ空気流出開口(19)を含んでおり、該チャージ空気流出開口(19)が、流出方向(23)への前記チャージ空気の流出を提供するために形成されており、該流出方向(23)が、前記流入方向(12)に対して横方向である、請求項1から5までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項7】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、第1のチャージ空気収集室(13)および第2のチャージ空気収集室(14)を含んでおり、該チャージ空気収集室(13,14)が、それぞれ前記ディフューザ領域(10B)に接続されているので、これにより第1のチャージ空気ハウジング脚部(10C1)および第2のチャージ空気ハウジング脚部(10C2)が提供される、請求項1から6までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項8】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、前記流入方向(12)に対して逆方向の軸方向の延在長さを有しており、該延在長さが、半径方向内側に位置する前記ハウジング領域(10A)の軸方向の延在長さよりも大きく、これにより半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、軸方向の中間室(24)を少なくとも部分的に取り囲んでおり、前記軸方向の中間室(24)は、吸込み側で吸音要素(25)を収容するために、形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項9】
半径方向内側に位置する前記ハウジング領域(10A)が、吸込み側で、吸音要素(25)を取り付けるための結合構造体(121)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載のコンプレッサハウジング(10)を含む、遠心式コンプレッサ(20)。
【請求項11】
吸音要素(25)をさらに含み、該吸音要素(25)が、半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)に吸込み側で結合されており、半径方向外側に位置するハウジング領域(10C)により少なくとも部分的に取り囲まれている、請求項10記載の遠心式コンプレッサ(20)。
【請求項12】
タービン(31)および請求項10または11記載の遠心式コンプレッサ(20)を含む、排ガスターボチャージャ(30)。
【請求項13】
請求項12に記載の排ガスターボチャージャ(30)を備えた内燃機関であって、前記排ガスターボチャージャが、1つまたは複数の排ガス管路(32)と、1つまたは複数のチャージ空気流出開口(19)とを介して、鉛直方向または水平方向の配向で内燃機関に接続されている、内燃機関。
【請求項14】
内燃機関にチャージ空気を供給する方法であって、
空気流を提供するために、コンプレッサハウジングの半径方向内側に位置するハウジング領域(10A)の軸方向の流入通路を通じて空気を吸い込むステップと、
前記コンプレッサハウジングのディフューザ領域(10B)において前記空気流を変向させ、膨張させるステップであって、前記ディフューザ領域(10B)が、コンプレッサホイール(21)の下流側の半径方向の流れを、流入通路(11)の流入方向(12)とは反対の軸方向に変向させるように形成されている、ステップと、
前記ディフューザ領域(10B)に接続する、半径方向外側に位置するハウジング領域(10C)において前記空気流を冷却するステップであって、半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)が、前記流入方向(12)に対して逆方向で軸方向に延びていて、1つまたは複数のチャージ空気収集室(13,14)を提供する、ステップと、
を含む方法。
【請求項15】
半径方向外側に位置する前記ハウジング領域(10C)および前記ディフューザ領域(10B)の少なくとも一方が、中間室(15)を形成するために2つのシェルにより構成されており、前記空気流を冷却する前記ステップが、冷媒を備えた前記中間室(15)の通流を含み、1つまたは複数の前記チャージ空気収集室(13,14)内に、少なくとも1つのチャージ空気冷却器(18)が提供されており、前記空気流を冷却する前記ステップを、少なくとも1つの前記チャージ空気冷却器により実施する、請求項14記載の方法。
【国際調査報告】