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特表2022-521306集積回路付きの高密度超音波マトリックスアレイトランスデューサとして動作するインターフェース用フレキシブルプリント回路基板デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】集積回路付きの高密度超音波マトリックスアレイトランスデューサとして動作するインターフェース用フレキシブルプリント回路基板デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20220330BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20220330BHJP
   B06B 1/06 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
H05K1/02 B
H05K1/03 670
B06B1/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549345
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 IB2020051481
(87)【国際公開番号】W WO2020170210
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/809,193
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518312493
【氏名又は名称】ヴァーモン エス.エー.
【氏名又は名称原語表記】VERMON S.A.
【住所又は居所原語表記】180 Rue du General Renault, BP 3813, F-37038 Tours Cedex 1, France
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】フェリン,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンス,フィリップ
【テーマコード(参考)】
5D107
5E338
【Fターム(参考)】
5D107BB07
5D107CC01
5D107CD01
5E338AA05
5E338AA12
5E338BB52
5E338BB56
5E338BB75
5E338CD02
5E338CD33
5E338EE22
(57)【要約】
中央部と、前記中央部から延びる1以上のタブとを含むフレキシブルプリント回路基板。1以上のタブは、前記中央部に対して折り畳み可能である。複数のパッドは、中央部に配置されており、トランスデューサと電気的に接続するように構成されている。ランドが、1以上のタブに配置されており、電気配線が複数のパッドとランドを接続する。電子回路アセンブリの製造方法は、複数の中央部を有するフレキシブルプリント回路基板を提供すること、隣接する中央部が垂直に積層され、かつ、隣接する中央部のパッドが電気的に接続されるように基板を折り畳むことを含む。基板を折り畳む前に、トランスデューサが複数のパッドに付けられ、1以上の電気部品がランドに付けられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部と、
前記中央部から延び前記中央部に対して折り畳み可能な1以上のタブと、
前記中央部に配置されてトランスデューサに電気的に接続するように構成された複数のパッドと、
1以上の前記タブに配置されたランドと、
前記複数のパッドと前記ランドをつなぐ電気配線と、
を備えるフレキシブルプリント回路基板。
【請求項2】
前記ランドに付けられたコネクタをさらに備え、
前記コネクタは、画像機器と電子的に通信するように構成されている請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項3】
前記ランドに付けられた集積回路をさらに備え、
前記集積回路は、前記トランスデューサの1以上の要素を制御するように構成されている請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項4】
前記1以上のタブは、前記中央部の周縁から延びている請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項5】
前記中央部の前記複数のパッドと反対側に位置し、別のフレキシブルプリント回路基板に電気的に接続するように構成された複数の第2面パッドと、
中央部の中に延びる複数のビアであってそれぞれが前記複数のパッドの1つと前記複数の第2面パッドの1つとを電気的に接続するビアと
をさらに備える請求項1のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項6】
前記1以上のタブが、タブの中に延びるアライメント孔を規定する請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項7】
複数の中央部と、隣接する中央部と中央部の間に延びるヒンジ部とを含み、各ヒンジ部はそのヒンジ部でフレキシブルプリント回路基板を折り畳む際に、隣接する中央部が垂直に積み重なるように折り畳み可能である請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項8】
前記ヒンジ部は、そのヒンジ部の中に延びるアライメント孔を規定する請求項5に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント回路基板は、複数の中央部を含み、前記1以上のタブは、隣接する中央部と中央部の間に延び、前記1以上のタブの各々は、前記フレキシブルプリント回路基板をタブのところで折り畳む際に、隣接する中央部が同一平面内で互いに間近に隣接して配置されるように折り畳み可能であり、
隣接する中央部の前記パッドが集合的に高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサに接続されている請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項10】
前記複数のパッドは、略20μmから略500μmのピッチを有する請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項11】
少なくとも1024個のパッドが中央部内に配置されている請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板。
【請求項12】
第1面および前記第1面と反対側の第2面を有する柔軟な折り畳み式の基板であって、
複数の中央部と、
隣接する中央部と中央部の間に延びるヒンジ部と、
それぞれの中央部から延びる1以上のタブと、
前記基板の第1面および前記基板の第2面に配置された複数のパッドであって、それぞれが前記基板の前記複数の中央部のうちの1つに配置されているパッドと、
前記基板の中に延び、前記基板の第1面上の複数のパッドの1つを前記基板の第2面上の複数のパッドの1つと電気的に接続するビアと、
前記基板の第1面に配置される複数のランドであって、それぞれが前記基板の前記1以上のタブの中に配置されるランドと、
前記複数のパッドと前記ランドとをつなぐ電気配線とを含む基板を提供するステップと、
隣接する中央部と中央部が垂直に積層され、隣接する中央部の前記パッドが電気的に接続されるように各ヒンジ部で基板を折り畳むステップと、
各タブを前記中央部に対して折り畳むステップと、
を備える電子回路アセンブリの製造方法。
【請求項13】
前記基板が各ヒンジ部で折り畳まれた後に、トランスデューサが最上の中央部に付けられるように、前記基板の第1面に配置された複数のパッドに前記トランスデューサを付けるステップを含さらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板を折り畳む前に、前記トランスデューサが複数のパッドに付けられる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トランスデューサを付けるステップが、高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサの各要素を、前記最上の中央部に位置する前記基板の第1面に配置された複数のパッドの対応する1つに電気的に接続することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
1以上の集積回路を前記ランドに付けるステップをさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記1以上の集積回路が、前記基板を折り畳む前にランドに付けられる請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒンジ部が、前記基板の中に延びるアライメント孔を規定し、
各ヒンジ部で前記基板を折り畳むステップが、各アライメント孔の位置を整列させることを含む請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記1以上のタブが、前記基板の中に延びるアライメント孔を規定し、
各タブを折り畳むステップが、各アライメント孔を整列させることを含む請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記基板を折り畳む前に導電性接続材料を前記パッドに塗布するステップをさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記導電性接続材料がハンダであり、ハンダをリフローさせるために柔軟な折り畳み基板を加熱するステップをさらに備える請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記導電性接続材料が異方性導電性フィルムであり、垂直に積層された中央部に圧力を加えるステップをさらに備える請求項20に記載の方法。
【請求項23】
隣接する中央部の前記パッドが電気的に接続された後に、前記中央部から前記ヒンジ部を切り離すステップをさらに備える請求項12に記載の方法。
【請求項24】
高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサと、
第1面および前記第1面の反対側の第2面を有し、中央部およびその中央部から延びる1以上のタブを含み、前記中央部に対して折り畳み可能な基板と、
前記基板の第1面に配置された複数の第1面パッドであってそれぞれが前記基板の中央部に配置された第1面パッドと、
前記基板の第2面に配置された複数の第2面パッドであってそれぞれが前記基板の中央部に配置された複数の第2面パッドと、
複数のビアであってそれぞれが複数の第1面パッドの1つと複数の第2面パッドの1つを電気的に接続するビアと、
基板の第1面に配置された複数のランドであってそれぞれが基板の1以上のタブの1つに配置されているランドと、
前記ランドを、複数の第1面パッドの1以上、複数の第2面パッドの1以上、または複数の第1面パッドの1以上および複数の第2面パッドの1以上の両方に電気的に接続する複数の電気配線とをそれぞれが含む複数の積層回路基板と、
前記複数の積層回路基板の少なくとも1つのランドに付けられた1以上の集積回路と、を備え、
上側の回路基板の複数の第1面パッドが、高密度超音波マトリックスアレイトランスデューサの1つのトランスデューサにそれぞれ電気的に接続されており、
前記複数の積層回路基板が前記複数の第1面パッドおよび前記複数の第2面パッドを介して電気的に接続されることにより、前記高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサの各トランスデューサが前記1以上の集積回路の少なくとも1つに電気的に接続される超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2019年2月22日に出願された米国仮出願第62/809,193号の利益を主張するものであり、その開示内容全体がこの参照によりこの明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
現在開示されている主題は、医療画像および治療および超音波非破壊検査(NDT)分野において、ケーブル数の削減、システムの簡素化、およびデジタルシステムのために組込み集積回路(IC)付の超音波マトリックスアレイトランスデューサに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の超音波マトリクスアレイは、体積測定のイメージングを実現するために、数千個の非常に小さな個別素子が使用されている。これらの素子はそれぞれ、電子回路(例えば、アナログフロントエンド(AFE))によってアナログ的に駆動される必要がある。しかし、このような超音波マトリクスアレイのイメージングシステムは、あまりにも高価であり、システムが複雑すぎるといえる。さらに、そのようなシステムのためのケーブル配線は、数千本のワイヤーを必要とするため、実用化するには大きすぎ、重すぎる。
【0004】
そのため、イメージングシステムのメーカーは、独立した電子回路のチャネル数を減らすためのいくつかの戦略を開発した。幾つかの戦略は、マイクロビーム形成、時間領域多重化、多重化などを含むものである。これらの戦略は、1:9から1:64、あるいはそれ以上の削減率を示す。これらの技術はすべて、アクティブな超音波マトリックス・アレイの近く(例えば、超音波マトリックス・アレイを収容するプローブ内)にICを集積することに依存している。超音波マトリクスアレイは、大量の圧電部品、または容量性または圧電性のシリコンベースのマイクロマシン化されたトランスデューサ(CMUTまたはPMUT)のいずれかである。接続数や独立したチャンネル数を劇的に減らすためには、1以上のICが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の解決法の1つは、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)を互いに取り付け、ワイヤーボンディング技術で接続し、最終的に音響モジュールを最上位のICにフリップチップ実装するといった垂直構造を用いて、マトリックストランスデューサにICを直接取り付ける手法に基づくものである。この相互接続モジュールは、ICが音響モジュールと同じ占有面積を必要とせず、また同じ素子配置を必要としないので、いくつかの利点をもたらす。そのため、プローブの配列ごとにASICを開発することを要さずに、1つまたは数個のICが使用できる。しかし、現在の技術では、何層もの導体トラックを追加しない限り微細ピッチ(200μm以下)での接続や大きなアレイ(60×60以上)の接続ができないために、その類のプリント回路の柔軟性が大幅に低下するという制限がある。この第1の戦略については、トランスデューサ(すなわち音響モジュール)の構成(すなわち素子の配列とピッチ)ごとに、異なる特定のICが必要になることに留意されたい。このICの開発には非常にコストがかかり、全く再構成が不可能である。
【0006】
別の既存の解決法は、折り畳み可能で柔軟性のあるプリント回路または音響モジュールの各要素と遠ざけられたICとを仲立ちする硬質のインターポーザーなどの相互接続モジュールを使用するものである。ただし、この第2の解決法は、やはり垂直統合である。この第2の戦略のインターポーザーについては、インターポーザーの材料を挿入することで前記構成可能性の問題の解決を試みている面もあるが、相互接続モジュール複雑さが代償になる。
【0007】
最後に、屈曲の限界を克服するために、複数の音響モジュールを並べて組み立てるモジュラーアプローチを提案しているチームもある。システム全体は機械的に整列させられるが、並進や回転の際に素子の位置が不確定になる可能性があり、ビーム形成に関しては受け入れられない。これは水平方向の統合であるがアドレス可能なエレメントの数が少なく、通常のピッチであれば機能する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
現在開示されている主題は、医療画像および治療、超音波非破壊検査(NDT)分野において、ケーブル数の削減、システムの簡素化、およびデジタルシステムのための組込み集積回路(IC)付きの超音波マトリックスアレイトランスデューサに関する。
【0009】
この発明のある実施形態において、フレキシブルプリント回路基板は、中央部と、その中央部から延びる1以上のタブとを含む。1以上のタブは、中央部に対して折り畳み可能である。いくつかの実施形態によれば、1以上のタブは、中央部の周縁部から延びている。複数のパッドが中央部内に配置されており、その複数のパッドは、トランスデューサに電気的に接続するように構成されている。ランドが、前記1以上のタブのうち少なくとも1つのタブ内に配置されており、電気配線が、複数のパッドとランドとを接続している。
【0010】
ある実施形態において、フレキシブルプリント回路基板は、ランドに付けられたコネクタをさらに含む。コネクタは、例えば、画像処理装置、ディスプレイ、ユーザーコントロールなどを備えた外部システムを含む画像処理装置と電子的に通信するように構成されている。
【0011】
ある実施形態において、フレキシブルプリント回路基板は、ランドに付けられた集積回路をさらに含む。集積回路は、トランスデューサの1以上の要素を制御するように構成されている。したがって、集積回路を含むことで、外部システムとの接続数が大幅に減少する。
【0012】
ある実施形態において、フレキシブルプリント回路基板は、中央部で複数のパッドと反対側の表面に位置する複数の第2面パッドをさらに含み、複数の第2面パッドは別のフレキシブルプリント回路基板に電気的に接続するように構成されている。複数のビアが中央部をの中に延び、各ビアは、複数のパッドの1つと複数の第2面パッドの1つとを電気的に接続している。すなわち、ビアは、第1面のパッド(すなわち第1面パッド)と第2面のパッド(すなわち第2面パッド)とを接続する。
【0013】
フレキシブルプリント回路のある実施形態において、1以上のタブが、タブの中に延びるアライメント孔を規定する。
【0014】
ある実施形態において、フレキシブルプリント回路基板は、複数の中央部と、隣接する中央部の間に延びるヒンジ部とを含む。本実施形態によれば、各ヒンジ部は、ヒンジ部でフレキシブルプリント回路基板を折り畳む際に、隣接する中央部が垂直に積み重なるように、折り畳み可能である。ヒンジ部を含むフレキシブルプリント回路のある実施形態において、ヒンジ部は、ヒンジ部の中に延びるアライメント孔を規定する。ヒンジ部内で規定されたアライメント孔は、中央部の適切な整列を確保するために用いられる。
【0015】
ある実施形態において、フレキシブルプリント回路基板は、複数の中央部を含み、1以上のタブは、隣接する中央部の間に延びている。本実施形態によれば、1以上のタブのそれぞれは、タブの箇所でフレキシブルプリント回路基板を折り畳む際に、隣接する中央部が同一平面内でお互いにすぐ隣に配置されるように、折り畳み可能である。隣接する中央部の前記パッドは、高密度超音波マトリックスアレイトランスデューサにまとめて接続される。
【0016】
フレキシブルプリント回路のある実施形態では、複数のパッドが、約20μmから約500μmのピッチを有している。
【0017】
フレキシブルプリント回路のある実施形態では、少なくとも1024個のパッドが中央部に配置されている。
【0018】
この発明の異なる実施形態において、超音波プローブは、高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサと、複数の積層回路基板とを含む。各回路基板は、第1面および第1面と反対側の第2面を有する基板を含む。基板は、中央部と、中央部から延びる1以上のタブとを含み、1以上のタブは中央部に対して折り畳み可能である。複数の第1面パッドが基板の第1面上に配置され、各第1面パッドは基板の中央部内に位置する。複数の第2面パッドは、基板の第2面上に配置され、各第2面パッドは基板の中央部内に配置される。各ビアは、複数の第1面パッドの1つと複数の第2面パッドの1つとを電気的に接続し、基板の中に延びている。ランドは、基板の第1面に配置されており、各ランドは、基板の1以上のタブの中に配置されている。電気配線が、ランドを複数の第1面パッドの1以上と接続するか、複数の第2面パッドの1以上と接続するか、あるいは複数の第1面パッドと複数の第2面パッドの両方を電気的に接続する。1以上の集積回路もまた、複数の積層回路基板のうち少なくとも1つのランドに付けられている。上部回路基板の複数の第1面パッドは、それぞれ高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサの1つのトランスデューサに電気的に接続されており、複数の積層回路基板は、高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサの各トランスデューサが1以上の集積回路の少なくとも1つに電気的に接続されるように、複数の第1面パッドおよび複数の第2面パッドを介して電気的に接続されている。
【0019】
この発明は、電子回路アセンブリを製造する方法にも向けられている。前記方法のいくつかの例示的な実装では、まず第1面および第1面と反対側の第2面を有する可撓性折り畳み基板が提供される。基板は、複数の中央部と、隣接する中央部の間に延在するヒンジ部と、中央部のそれぞれから延在する1以上のタブとを含む。複数のパッドは、基板の第1面および基板の第2面に配置され、各パッドは、基板の複数の中央部の1つ内に配置されている。複数のビアが基板の中に延びており、基板の第1面上の複数のパッドのうちの1つと、基板の第2面上の複数のパッドのうちの1つとを電気的に接続している。ランドは基板の第1面に配置されており、各ランドは基板の1以上のタブのうちの1つに配置されている。電気配線は、複数のパッドとランドを接続する。前記方法のいくつかの例示的な実施態様によれば、基板は、隣接する中央部が垂直に積層され、隣接する中央部のパッドが電気的に接続されるように、各ヒンジ部で折り畳まれる。各タブも中央部に対して折り畳まれる。
【0020】
前記方法のいくつかの例示的な実施態様によれば、トランスデューサも、基板が各ヒンジ部で折り畳まれた後にトランスデューサが最上部の中央部に付けられるように、基板の第1面に配置された複数のパッドに付けられる。いくつかの例示的な実施態様によれば、トランスデューサは、基板を折り畳む前に複数のパッドに付けられる。ある具体的な実施態様では、トランスデューサを付けるステップは、高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサの各要素を、最上部の中央部に位置する基板の第1面上に配置された複数のパッドの対応する1つに電気的に接続することを含む。
【0021】
前記方法のいくつかの例示的な実施例によれば、1以上の集積回路もランドに付けられる。いくつかの例示的な実施例によれば、1以上の集積回路は、基板を折り畳む前にランドに付けられる。
【0022】
前記方法のいくつかの例示的な実施例によれば、ヒンジ部は、基板の中に延びるアライメント孔を規定し、各ヒンジ部で基板を折り畳むステップは、アライメント孔のそれぞれを整列させることを含む。
【0023】
前記方法のいくつかの例示的な実施例によれば、1以上のタブは、基板の中に延びるアライメント孔を規定し、タブの各々を折り畳むステップは、アライメント孔の各々を整列させることを含む。
【0024】
前記方法のいくつかの例示的な実施例によれば、基板を折り畳む前に、導電性接続材料がパッドに塗布される。いくつかの例示的な実施態様によれば、導電性接続材料はハンダであり、前記方法は、ハンダをリフローするために折り曲げ基板を加熱するステップをさらに含む。他のいくつかの例示的な実施例では、導電性接続材料は異方性導電フィルムであり、この方法は、垂直に積み重ねられた中央部に圧力を加えるステップをさらに含む。
【0025】
前記方法のいくつかの例示的な実施例によれば、隣接する中央部のパッドが電気的に接続された後、ヒンジ部は中央部から切り離される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、この明細書の実施形態を、添付の図面と併せて説明する。それらの図面は、特許請求の範囲を限定するものではなく、説明のために提供される。
【0027】
図1は、この発明の第1の実施の形態に基づいて製造されたフレキシブル基板の平面図である。
【0028】
図2は、図1のフレキシブル基板の2つのユニットの詳細図である。
【0029】
図2Bは、図1および図2のフレキシブル基板の第1ユニットの中央部に形成されたパッドの詳細図である。
【0030】
図3は、図1のフレキシブル基板の斜視図で、基板に付けられたトランスデューサと追加の電子部品を示している。
【0031】
図4は、図3のフレキシブル基板を、その中央部が垂直に積層されるように初めに折り畳む様子を示している。
【0032】
図5は、この発明の第1の実施形態に基づいて作られた電子回路アセンブリの断面図である。
【0033】
図6は、図5の垂直方向に積層された回路基板の詳細図である。
【0034】
図7は、図5の電子回路アセンブリの斜視図の一部を切り取ったものである。
【0035】
図8は、この発明の第2の実施形態に基づいて製造されたフレキシブル基板の平面図である。
【0036】
図9は、図8に示したフレキシブル基板の4つのユニットの詳細図である。
【0037】
図10は、図9のフレキシブル基板の4つのユニットが、トランスデューサや追加の電子部品を基板に付けた後、どのように折り畳まれるかを示したものである。
【0038】
図11は、この発明の第2の実施形態に基づいて作られた電子回路アセンブリの斜視図の一部を切り取ったものである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
この発明は、高密度超音波マトリクスアレイと集積回路(IC)とのインターフェースを可能にするフレキシブルプリント回路基板に関するものである。
【0040】
最初に図5~7を参照すると、この発明に従って作られ、超音波プローブのハウジング内に封入されるように構成された多層電子回路アセンブリ102は、高密度超音波マトリックスアレイントランスデューサ(トランスデューサ200)を撮像装置に動作可能に接続する多層積層の回路基板110a~110eを含む。積層された回路基板110a~110eは、回路基板110a~110eのそれぞれの中央部120が垂直に積層され、周辺タブ130,132がそれぞれの中央部120に対して折り畳まれるように折り畳めるように構成されたフレキシブル回路基板から形成されている。トランスデューサ200は、最上部の回路基板110aの中央部120に電気的に接続されているが、おそらく図6に最もよく示され、以下でさらに議論されるように、すべての中央部120はパッド152、154、ビア156、およびハンダボール158の組み合わせを介して互いに電気的に接続されている。おそらく図5に最もよく示され、さらに後述されるように、電気配線182は、続く回路基板110b~110eの各中央部120からそれぞれのタブ130、132に沿って延びており、タブで追加の電子部品300、400が、ランド136によって回路基板110b~110eに付けられる。それによって、電子回路アセンブリ102の構造は、トランスデューサ200の大きさに比べると全体的に小さな電子回路アセンブリ102の占有面積を維持しながら、集積回路、または他の電子部品が接続されるための複数の場所を提供する。本システムのさらなる詳細および利点について説明する。
【0041】
ここで図1を参照すると、この発明のある例示的な実施形態において、フレキシブルプリント回路基板(基板100)は、互いに接続される複数のユニット110a~110eを含む。これらのユニット110a~110eの各々は、後に、図5~7に示す積層回路基板110a~110eの1つを形成する。特に、以下で詳細に説明するように、この発明の方法の例示的な実施例に従って、様々な電子部品がまずこのフレキシブルな基板100に取り付けられ、その後、基板100が折り畳まれて、図5に示す電子回路アセンブリ102に到達する。
【0042】
図1に示す例示的な基板100において、5つのユニット110a~110eがあるが、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、それ以外の数のユニットも意図に含まれている。しかしながら、ユニットの数にかかわらず、各ユニットは、以下でさらに説明するように、ヒンジ部140、142によって連結された中央部120をそれぞれ含む。さらに、2次ユニット110b~110e(すなわち、第1ユニット110a以外のすべて)はそれぞれ、中央部120の周縁から互いに反対方向へ、中央部120から離れて延びるタブ130,132を含むが、他の構成も可能である。例えば、それに代わる実施形態において、第1のユニットが1以上のタブを含み、第2のユニットのそれぞれがゼロ、1つ、または2つのタブを含んでもよい。タブの特定の数および配置は、結果として得られる多層電子回路アセンブリの所望の構成に基づいて選択される。
【0043】
ここで図2および図2Bを参照すると、第1ユニット110aの中央部120は、アレイ状に配置され、高密度超音波マトリクスアレイトランスデューサに接続するように構成された複数のパッド152を含む。ある実施形態によれば、複数のパッド152は、30×30(すなわち、合計1024個のパッドがある)の正方形のアレイに配置されているが、パッドのアレイの特定のサイズおよび形状は、関連するトランスデューサアレイのサイズおよび形状によって決定される。例えば、ある実施形態において、最小の範囲で少なくとも50個のパッドがある。同様に、パッドの長方形、円形、およびランダムな配置も考えに含まれている。
【0044】
ここで、特に図2Bを参照すると、パッド152自体も、約150μmの幅wと長さlを有する正方形であるが、パッド152の特定のサイズおよび形状も限定されない。例えば、図7に示すパッド152は、実質的に円形として図示されている。
【0045】
さらに図2Bを参照すると、パッド152の間隔、すなわちピッチも変化し得るが、ある実施形態において、パッド152のピッチは、各方向に約20μmから約500μmの間である。すなわち、図2Bに示す距離d1および距離d2は、それぞれ約20μmから約500μmの間である。いくつかの好ましい実施形態において、図2Bに示す距離d1および距離d2はそれぞれ、約100μmから約400μmの間、約200μmから約300μmの間、または約200μmから約250μmの間である。ある特定の例示的な実施形態において、図2Bに示す距離d1および距離d2は、それぞれ約240μmである。もちろん、図2Bに示す距離d1と距離d2は同じ距離である必要はなく、アポダイゼーションの目的でピッチが変わってもよい。
【0046】
特に図2をもう一度参照すると、第2ユニット110b~110eのそれぞれを代表する第2ユニット110bを参照すると、第2ユニット110bの中央部120は、第1ユニット110aと同様の複数のパッド152をまた含んでいる。図1および図2は、基板100の第1の面のみを示しているが、さらに後述するように、また図5~7に示すように、第1の面と反対側の基板100の第2の面が、第1の面のパッド152(すなわち、第1の面のパッド152)と第2の面のパッド154(すなわち、第2の面のパッド154)とを接続するビア156を備えた、ユニット110a~110eのそれぞれの中央部120に位置する対応するパッド154を含む。
【0047】
さらに図2を参照すると、第2ユニット110bのタブ130,132のそれぞれには、図5に示す追加の電子部品300,400を付けるための実装領域である複数のランド136が設けられており、図2には図示されていないが図5に示されている電気配線182は、さらに後述するように、特定のパッド152,154をランド136に電気的に接続している。タブ130,132の各々は、アライメント孔134をさらに規定し、同様に、ヒンジ部140,142の各々は、2つのアライメント孔144を規定し、その目的については後述する。
【0048】
ここで、図3を参照すると、第1ユニット110aの中央部120のパッド152にトランスデューサ200が付けられ、続くユニット110b~110eのタブ130,132のそれぞれのランド136には追加の電子部品が付けられている。より具体的には、続くユニット110b~110eのタブ130,132のそれぞれには、コネクタ300と集積回路400が付けられており、その目的と動作についてはさらに後述する。図示するように、すべての電子部品(例えば、トランスデューサ200、コネクタ300、および集積回路400)が基板100を折り畳む前に、基板100に付けられることが好ましい。このため、トランスデューサ200を付ける前に、第1ユニット110aの中央部120上のパッド152のそれぞれが、ハンダペースト、ハンダボール、異方性導電フィルム(ACF)、異方性導電接着剤(ACA)、または当技術分野で知られている他のそのような導電性接続材料を用いて覆われる。コネクタ300および集積回路400のそれぞれは、同様に、当技術分野で知られている手段によって関連するランド136に付けられる。さらに、続く各ユニット110b~110eの中央部120に設けられたパッド152の少なくとも一部も同様に、後述するように、導電性接続材料で覆われる。
【0049】
電子部品を基板100に配置して付ける特定の手段は限定されないが、いくつかの好ましい実施形態において、高速かつ正確に行うためにピック・アンド・プレース・マシンが利用される。例示的な実施形態において、電子部品のそれぞれが基板100の同じ側に付けられているが、基板の両側への配置も可能であることが考えに含まれている。このような実施形態において、基板の一方の面での第1のピック・アンド・プレース工程が実行された後、基板を上下反転させて、基板の第2の面で第2のピック・アンド・プレース工程を行ってもよい。基板の第1面に既に配置されている電子部品を補正するために、既に取り付けられている電子部品を受け入れるためのくぼみを含むチャックが用意されており、第2のピック・アンド・プレースのために基板が平らに保たれるようになっている。このような2回目のピック・アンド・プレースの際、装着された電子部品は、1回目のピック・アンド・プレースの際に装着された電子部品と対向する位置には配置されないことが好ましい。
【0050】
次に図4を参照すると、このようにしてトランスデューサ200、コネクタ300、および集積回路400のそれぞれを付け、後続するユニット110b~110eのそれぞれの中央部120上のパッド152に適切な導電性接続材料を塗布した後、まず、すべてのユニット110a~110eの中央部120が垂直に積層されるように、基板100が隣接するヒンジ部140,142の間で折り畳まれる。
【0051】
図4に示す前後の折り返しにより、基板100は、同じ面が交互に向かい合うように折り返される。即ち、特に図6を参照すると、第1ユニット110aの第1面は、最上部、すなわち第1の回路基板110aの上面112aとなり、第1ユニット110aの第2面は、第1の回路基板110aの下面114aとなり、第2ユニット110bの第2面は、第2の回路基板110bの上面112bとなり、第2ユニット110bの第1面は、第2の回路基板110bの下面114bとなる。第3ユニット110cの第1面は、第3の回路基板110cの上面112cとなり、第3ユニット110cの第2面は、第3の回路基板110cの下面114cとなり、第4ユニット110dの第2面は、第4の回路基板110dの上面112dとなり、第4ユニット110dの第1面は、第4の回路基板110dの下面114dとなる。そして、第5ユニット110eの第1面は、第5の回路基板110eの上面112eとなり、第5ユニット110eの第2面は、第5の回路基板110eの下面114eとなる。
【0052】
したがって、第1ユニット110aの第2面パッド154は、ハンダボール158の上に位置してハンダボール158によって第2ユニット110bの第2面パッド154に直接接続され、第2ユニット110bの第1面パッド152は、ハンダボール158の上方に位置してハンダボール158によって第3ユニット110cの第1面パッド152に直接接続されている。第3ユニット110cの第2面パッド154は、ハンダボール158の上方に位置し、ハンダボール158によって第4ユニット110dの第2面パッド154に直接接続されており、第4ユニット110dの第1面パッド152は、ハンダボール158の上方に位置してハンダボール158によって第5ユニット110eの第1面パッド152と直接接続されている。もちろん、ハンダボールではなく、他の導電性接続材料(例えば、ハンダペーストACF、またはACA)を使用して、関連するパッドを接続することができる。さらに、いくつかの実施形態では、パッドの周囲に非導電性の接着剤を塗布して、パッドとパッドを直接接触させる。それらの実施形態において、接着剤は表面全体に塗布され、接着剤の硬化中に積層に圧力をかけることにより、パッドの表面から接着剤を押し流すことも考えに含まれている。
【0053】
この折り畳みプロセスの間、ヒンジ部140、142内に規定されたアライメント孔144が、中央部120の適切な整列を確保するために使用される。一旦折り畳まれると、ユニット110a~100eの全ての中央部120が、使用される相互接続媒体(すなわち、ハンダのリフロー、ACFまたはACAのホットバープロセス)に応じて、多層積層の回路基板として相互接続される。
【0054】
次に、タブ130、132のそれぞれが中央部120に対して折り畳まれ、図5に示す電子回路アセンブリ102が得られる。この折り畳みプロセスの間、タブ130、132内に規定されたアライメント孔134は、タブ130、132の適切な整列を確保するために使用される。図5に示すように、基板100がこのように折り畳まれると、隣接するタブ130,132のコネクタ300は互いに向き合う。したがって、いくつかの好ましい実施形態において、基板は、最初のユニットがタブを含まず、続く各ユニットがタブを含む奇数個のユニットを含む。このようにして、基板を折り畳む際に、互いに向き合う各組のユニットのコネクタが、後述するように、他の機器との電子通信のためのプリント回路基板(PCB)(図示せず)の両面に容易に付けられる。
【0055】
電子回路アセンブリ102の横方向の寸法を小さくするために、タブ130,132が約90°の角度で折り畳まれることが好ましい。このため、いくつかの好ましい実施形態において、ユニット110a~110eのそれぞれの中央部120は、タブ130,132が折り畳まれたときに、図5に示すように、折り畳まれたタブ130,132の間に配置された関連電子部品(例えば、コネクタ300および/または集積回路400)を収容するために、タブ130,132の間に十分なスペースがあるように形成することも考えに含まれている。
【0056】
次に、図5~7を参照すると、電気配線182は、各ユニット110b~110eの中央部120に配置された複数のパッド152,154を、ユニット110b~110eのそれぞれのタブ130,132に配置されたランド136に接続している。このようにして、配線の柔軟性が高まり、トランスデューサ200のより多くの要素がコネクタ300や集積回路400と電気的に通信できるようになる。もちろん、最終的にすべての配線をランド136に導くためには、タブ130,132を介して形成される追加のビア184(図5に示す)が必要である。なお、信頼性の観点から、何れのビア156,184も折り返し領域の近くに配置されないことが好ましいと考えられる。
【0057】
ここで図5~6を参照すると、前述したように、積層された中央部120のそれぞれのパッド152,154は相互に接続されている。しかしながら、各ユニットについて、第1面パッド152のうちの特定のものだけが、ビア156によって第2面パッド154に接続されている。さらに、配線182は、ユニット110b~110eのそれぞれの第1面パッド152および/または第2面パッド154のうちの特定のものだけから出て、それぞれのランド136まで延びている。例えば、次に図7を参照すると、第2ユニット110b上では、パッド152の2つの最外列のみが、パッド152から出て延びる配線182を有する。第3ユニット110cでは、パッド152の次の2列が、パッド152から離れて延びる配線182を有する。中央の2列のパッド152は、第2ユニット110bまたは第3のユニット110c上に配線を持たず、代わりに第1のユニット110aおよび第2ユニット110bのそれぞれの中に延びるビア156を含む。前述したように、そしておそらく図5および図6に最もよく示されているように、ビア156は、特定のトランスデューサ要素の信号を、より低い積層層および付属の配線に通すことが望まれる場合にのみ使用される。このようにして、トランスデューサの要素の各々は、特定の集積回路400に接続され、集積回路400の各々は、それによって、トランスデューサ200の要素の特定のグループと電気的に通信する。そして、各コネクタ300は、特定の集積回路400と通信することで、集積回路400と外部システムとの間でワイヤーなど(図示せず)を介して電気信号を通過させることができる。
【0058】
さらに図7を参照すると、いくつかの例では、スペーサー160が、基板の一方の側から他方の側への電気的接続がないパッドの代わりに使用される。スペーサー160は、中央部120の他の場所に配置されたパッド152,154の高さと一致するように構成されている。この高さ補償がないと、スタックの高さが中央部120全体で異なることになり、接続プロセス中に圧力が使用された場合(例えば、接着剤硬化中にスタックに圧力を加える)、圧力がスタックの中央部120全体で同じにならないため、問題が発生する可能性がある。
【0059】
スタックが形成されて相互に接続されると、ヒンジ部140、142は、図7に示す切断線Lに沿って中央部120から切り離すことができる。
【0060】
次に、基板100に付けられた電子部品について具体的に説明すると、図3~7に示すトランスデューサ200は単一のユニットとして図示されているが、この発明のいくつかの実施形態によれば、トランスデューサ200の配置後に、トランスデューサ材料の全高または部分的な深さ上で、トランスデューサ要素を分離するためのダイシング工程が実行される。しかし、この工程は任意であり、CMUTまたはPMUTトランスデューサと比べて圧電トランスデューサにのみ必要と考えられる。ただし、ダイシング工程を行う場合は、他の電子部品(コネクタ300や集積回路400など)を配置して付ける前に、この工程を行うことが望ましいと考えられる。したがって、ダイシング工程が失敗した場合、追加の電子部品が機能しないトランスデューサに追加されることはない。
【0061】
コネクタ300に関しては、上述したように電子回路アセンブリ102を作成する際に、この電子回路アセンブリ102を、コネクタ300を介して、(余分な電子部品を搭載した)PCBに付けたり、ワイヤーに付けたりする。注目すべきは、ワイヤーはタブ130,132に付けられたコネクタ300に直接挿入される必要がなく、それに代えて小型のPCBに実装された第2のコネクタがタブ130,132に付けられたコネクタ300に嵌合し、前記ワイヤーがハンダ付けされるPCB上のパッドに信号がリルートされる。これにより、電子回路アセンブリ102が、超音波プローブにまとめられ、これらのワイヤーは、例えば、撮像装置、ディスプレイ、ユーザーコントロールなどを含む外部システムとの通信を提供する。
【0062】
集積回路400に関して、コネクタ300を介した外部システムとトランスデューサ200の各要素との間の直接的な通信に依存するのではなく、各集積回路400が、トランスデューサ200の要素のグループをローカルに制御することを可能にする。そして、外部システムと各集積回路400との間の通信は、コネクタ300によって行われる。したがって、集積回路400を含めることで、外部システムとの接続数が大幅に減少する。
【0063】
上述した実施形態において、コネクタ300と集積回路400の両方がタブ130,132のそれぞれに付けられているが、ある実施形態において、トランスデューサの各要素と外部システムとの間で電気信号を直接渡すために、コネクタだけが用いられる。もちろん、コネクタと集積回路の任意の組み合わせが可能である。さらに、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、この発明の電子回路アセンブリに他の電子部品を含めることも可能である。
【0064】
上述したように、電子回路パッケージ102を形成する際に使用される例示的な基板100では、複数のユニット110a~110eの中央部120は、ヒンジ部142、144の折り畳みが単一の方向に沿って発生するように直線的に整列している。しかし、この発明の他の実施形態において、そして今、図8~11を参照すると、多方向の折り畳みが意図されている。
【0065】
ここで特に図8を参照すると、グリッド配置で互いに接続されている複数のユニットを含むフレキシブル基板1100が提供される。より具体的には、フレキシブル基板1100内のすべてのユニットを代表するような4つのユニット1110a~1110dを図示する図9に示されるように、各ユニット1110a~1110dは、中央部1120から出て延びる4つのタブ1130、1131、1132、1133を有する中央部1120を含み、図10に示されるように、これらは中央部1120に対して折り畳むように構成されている。第2の実施形態の中央部1120は、第1の実施形態の中央部120と実質的に類似しており、タブ1130、1131、1132、1133は、別段の記載がある場合を除き、第1の実施形態のタブ130、132と実質的に類似することが意図に含まれている。すなわち、図8~11に関して明示的に説明していないが、通常の技術者であれば、後述するように、トランスデューサを追加の電子部品に電気的に接続するために、第1の実施形態と同様の方法で動作するように、フレキシブル基板1100上にパッド、ビア、配線、およびランドを形成する方法を容易に理解するであろう。同様に、折り畳みプロセスを容易にするために、アライメント孔を含めることができる。
【0066】
第1の実施形態と同様に、図10に示すように、フレキシブル基板1100を折り畳む前に、トランスデューサ1200が中央部1120に付けられ、追加の電子部品(例えば、コネクタ1300)がタブ1130、1131、1132、1133の1以上に付けられる。第2の実施形態において、コネクタ1300のみが図示されているが、第1の実施形態に関して上述したように、集積回路または任意の他の電子部品がまた含まれてもよい。
【0067】
次に図11を参照すると、第1の実施形態とは異なり、ヒンジ部がないため、折り畳みはタブ1130、1131、1132、1133のそれぞれと中央部1120との間で行われる。このようにして、第2の実施形態のタブ1130,1131,1132,1133は、第1の実施形態のヒンジ部142,144と同様に作用する。
【0068】
折りたたみが完了すると、4つのトランスデューサ1200が間近に隣接して配置される。これらの隣接するトランスデューサ1200が、集合的に複合音響コンポーネントとして動作できるようにすることも意図に含まれている。
【0069】
さらに図11を参照すると、中央部1120は垂直に積層されておらず、代わりに、同一平面内で隣接して配置されている。そのため、特定のトランスデューサ要素の信号を下位の積層された層にルーティングすることはできない。しかしながら、第2の実施形態において、各中央部1120を囲む4つのタブ1130、1131、1132、1133が含まれることにより、電子回路(例えば、コネクタ1300)を含むことができる追加の場所が提供される。このような点で、電子回路アセンブリの全体的なコンパクトさにおいて、なお改善がもたらされる。
【0070】
図8~11に示す第2の実施形態において、正方形の構造が採用されているが、三角形やらせん状の折り方など、対応する折り方で他の配置も可能であることが考えに含まれている。
【0071】
さらに、図9~11では4つの中央部のみが一緒に折り畳まれて図示されているが、フレキシブル基板1100は、任意の数の中央部が互いに隣接して配置されるように折り畳まれることも意図に含まれている。したがって、折り畳み後に形成されて得られる複合音響コンポーネントの全体的なサイズおよび形状は、4つのトランスデューサの2×2の正方形に限定されない。結果として得たい構造体に望まれる特定のサイズおよび形状に応じて、必要なユニットが折り畳み前に基板1100から切断される。
【0072】
当業者であれば、この発明の教示から逸脱することなく、追加の実施形態が可能であることを認識するであろう。この詳細な説明、特にそこに開示されている例示的な実施形態の具体的な詳細は、主に理解を明確にするために与えられたものであり、そこから不必要な制限が理解されるべきでなく、この開示を読めば当業者には修正が明らかになるように与えられたものであり、この発明の精神または範囲から逸脱することなく修正できるように与えられたものである。
図1
図2
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】