IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィジュアル オキシー, エス.エル.の特許一覧

<>
  • 特表-喉頭部マスク 図1
  • 特表-喉頭部マスク 図2
  • 特表-喉頭部マスク 図3
  • 特表-喉頭部マスク 図4
  • 特表-喉頭部マスク 図5
  • 特表-喉頭部マスク 図6
  • 特表-喉頭部マスク 図7
  • 特表-喉頭部マスク 図8
  • 特表-喉頭部マスク 図9
  • 特表-喉頭部マスク 図10
  • 特表-喉頭部マスク 図11
  • 特表-喉頭部マスク 図12
  • 特表-喉頭部マスク 図13
  • 特表-喉頭部マスク 図14
  • 特表-喉頭部マスク 図15
  • 特表-喉頭部マスク 図16
  • 特表-喉頭部マスク 図17
  • 特表-喉頭部マスク 図18
  • 特表-喉頭部マスク 図19
  • 特表-喉頭部マスク 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】喉頭部マスク
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/04 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
A61M16/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549424
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(85)【翻訳文提出日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 EP2020052686
(87)【国際公開番号】W WO2020173669
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】19382135.2
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521370765
【氏名又は名称】ヴィジュアル オキシー, エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】VISUAL OXY, S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】モンテロ ゴンザレス, エミリオ
(57)【要約】
喉頭部マスク(1)は、ドーム(5)と、マスクに接続された気道用の複数のチューブとを備え、チューブの軸が平行であり、軸方向の偏心を有し、それらの少なくとも1つが、不規則で非対称で非円形の幾何学的形状を有する断面を有する。ドーム(5)と、患者の人工換気を生成するように構成された接続チャネルとを備える喉頭部マスク(1)であって、喉頭部マスク(1)は、胃吸引チューブの入口(9)をさらに備え、前記入口(9)は、このドーム(5)の側壁の前記ドーム(5)の遠位端に位置し、前記入口(9)は、患者の食道(3)からの任意の胃分泌物を吸収するように構成され、喉頭部マスク(1)は、ドーム(5)の遠位端に位置する少なくとも1つの逆止弁(4)を備え、弁(4)は、流体がドーム(5)の外側から内側へ単一方向に流れることを可能にするように構成された少なくとも2つの可撓性膜を備え、ドーム(5)と外側の人工呼吸器とを接続する接続チャネルのパイプは、それらの断面において不規則で、非対称および非円形の多角形として分類された幾何学的構成を有する。
【選択図】図2図6図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドームと、マスクに接続された気道用の複数のチューブとを備える喉頭部マスク(1)であって、前記チューブの軸が平行であり、軸方向の偏心を有し、それらの少なくとも1つが、不規則で非対称で非円形の幾何学的形状を有する断面を有することを特徴とする、喉頭部マスク。
【請求項2】
前記チューブのうちの1つが、空気または他のガスを患者の肺に入れるための換気チューブである、請求項1に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項3】
前記チューブのうちの1つが、肺から外部へのガスの排出のための挿管チューブである、請求項1または2に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項4】
前記チューブのうちの1つが、食道から前記患者の外部への流体の流出のための胃食道チューブである、請求項1から3のいずれか一項に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項5】
同じ最大直径のチューブの断面に対して不規則な幾何学的形状を有し、円形の断面を有する少なくとも1つのチューブの断面縮小が、10%から40%の間である、請求項1~4のいずれか一項に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項6】
同じ最大直径の円形断面を有するパイプの断面に対して不規則な幾何学的形状を有する少なくとも1つのパイプの断面縮小が、20%から30%の間である、請求項5に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項7】
同じ最大直径の円形断面を有するパイプの断面に対して不規則な幾何学的形状を有する少なくとも1つのパイプの断面縮小が、25%である、請求項5に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項8】
ドーム(5)と、換気チャネルおよび前記ドーム(5)を通って患者の喉頭(2)内に空気を導入することによって前記患者の人工換気を生成するように構成された前記換気チャネルとを備える喉頭部マスク(1)であって、前記喉頭部マスク(1)が、前記ドーム(5)の遠位端に少なくとも逆止システム(4)を備えることを特徴とし、前記システム(4)が、流体が前記ドーム(5)の外側から内側へ単一の方向に流れることを可能にするように構成された少なくとも2つの可撓性膜を備える、喉頭部マスク。
【請求項9】
胃吸引チューブの入口(9)をさらに備え、前記入口(9)が、前記ドーム(5)の遠位端において前記ドーム(5)の側壁に配置され、前記入口(9)が、前記患者の食道(3)からの任意の胃分泌物を吸収するように構成される、請求項8に記載の喉頭部マスク。
【請求項10】
前記胃吸引チューブの前記入口(9)の周りに少なくとも1つの第1のリング(8)を備え、前記少なくとも1つの第1のリング(8)が、食道(3)の壁に嵌合して、胃分泌物が前記喉頭部マスク(1)の壁と前記食道(3)の壁との間を流れるのを防止し、したがって前記胃分泌物が前記胃吸引チューブの前記入口(9)を通って流れるように強制するように構成される、請求項8または9に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項11】
前記患者の喉頭(2)に嵌合して、胃分泌物が前記喉頭部マスク(1)の壁と食道(3)の壁との間を流れるのを防止し、したがって前記胃分泌物が前記胃吸引チューブの前記入口(9)を通って流れるように強制するように構成される、前記ドーム(5)の周りに少なくとも1つの第2のリング(10)を備える、請求項8から10のいずれか一項に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項12】
前記ドーム(5)の内側に、食道(3)から前記喉頭部マスク(1)への、および前記喉頭部マスク(1)から肺への分泌物の通過から保護する少なくとも1つの分泌防止バリア(6)を備える、請求項8から11のいずれか一項に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項13】
前記ドーム(5)の内側で少なくとも部分的に閉鎖されたプール(7)を備え、前記プール(7)が、食道(3)からの胃分泌物を少なくとも一時的に保持するように構成される、請求項8から12のいずれか一項に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項14】
前記逆止システム(4)が、互いに斜めの角度を有する2つの膜を備える、請求項8から13のいずれか一項に記載の喉頭部マスク(1)。
【請求項15】
前記逆止システム(4)が、互いに平行であり、互いの縁部に水平に面する2つの膜を備える、請求項8から13のいずれか一項に記載の喉頭部マスク(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、喉頭内の貴重な空間を節約する不規則且つ非対称の偏心平行チューブの配置、ならびに喉頭マスクによる患者の肺への酸素の送り込みを伴う手術中に食道からの流出胃液が気管に入るのを防止するように設計された逆止弁を含む、従来技術に対する一連の改良を組み込んだ喉頭部マスクに関する。
【0002】
本発明の喉頭部マスクの目的は、外科用器具、特に患者の肺に空気を送り込むことを目的とした器具の設計、製造およびマーケティングに特化した産業分野において特別な用途を有する。
【背景技術】
【0003】
病院および病院外の世界では、正しい患者換気の提供は、患者が有する病理にかかわらず、任意の患者の治療のための最初のステップとして考慮されるべき第1の点である。患者が麻酔のために意識不明であるか、または事故もしくは病気のために意識不明である場合、換気は、患者の生存を維持するための最も重要な点である。
【0004】
最新技術では、麻酔によって意識不明の患者、または事故もしくは疾患によって意識不明の患者を換気する2つの方法のみが現在存在する:一方は、気管に気管内チューブを挿入して患者を換気することであり、他方は、患者の喉頭に喉頭部マスクを使用して患者を換気することである。
【0005】
現在、1つまたは別の方法の使用は、50/50の割合で多かれ少なかれバランスがとれており、原因、病理、手術の期間、患者の重症度、医師の能力、その使用が急患におけるものかもしくは手術室におけるものであるか、または1日の外来手術であるかなどに応じて少し変化する。
【0006】
現在、患者の前記換気を実施するために存在する1つの方法は、喉頭部マスクの先端から喉頭部マスクの外側への胃吸引チャネルを一体化することである。この胃チャネルのために、喉頭部マスクは、現在、胃吸引チャネルを有しない第1世代マスクと、胃吸引チャネルを有する第2世代マスクとに分類されている。
【0007】
特定の場合には、第2世代の喉頭部マスクの胃チャネルだけでは十分ではなく、食道の出口に分泌物を含み、前記分泌物が喉頭部マスクのドームの内側に入ると、それらの段差で後方に戻り、患者の肺に通過し、胃吸引によって重度の肺炎を引き起こすのを防ぐために、他の方法が必要であることが観察されている。
【0008】
また、長年にわたって、喉頭部マスクは、喉頭部マスクの外側から喉頭部マスクの内側まで延びるチューブの数が増加して製造されていることが観察されている。新世代の喉頭部マスクが構成する前記チューブの数の増加は、それらに以下の新たな機能性をもたらすことを意図している:例えば、肺に出入りするガス用の1つまたは2つのチューブに加えて、マスクのドームに到達する場合がある任意の胃分泌物の排出を意図した他のチューブまたはチャネルを有するマスク、端部に写真またはビデオカメラを有するケーブル、生検用の針を有する医療デバイス、心エコー検査デバイスなどの異なる種類のデバイスを患者の喉頭内に挿入することを意図した他のものがある。これは、チューブの数、すなわち口または喉頭の直径などの限られた空間内の前記チューブによって占められる空間の増加によってのみ増大する以下の問題を引き起こしている:チューブによって占められる空間の増加に伴って、熟練の医師が複数のチューブを有するマスクを患者の口および喉頭内に正確に挿入して取り扱うことが困難であるだけでなく、喉頭/チューブ内の自由空間が少なく、喉頭および食道からの喉頭部マスクの密封、分泌物の溢出、胃プローブまたは食道鏡などの食道内への喉頭部マスクの外側の任意の器具の通過の不可能性に関して問題を引き起こす可能性があるという事実もある。
【発明の概要】
【0009】
上述した欠点を解決するために、本発明は、従来の喉頭部マスクと比較して改善された特性を有する喉頭部マスクに言及する。
【0010】
喉頭部マスクは、ドームと、換気チャネルおよび前記ドームを介して患者の喉頭に空気を挿入することによって患者の人工換気を生成するように構成された前記換気チャネルを含む接続チャネルのシステムと、を組み込む。
【0011】
喉頭部マスクは、胃吸引チューブ入力部をさらに含み、前記入力部が、ドームの遠位端に位置し、患者の外部の喉頭部マスクの出口への接続チャネルのシステムの近位端に到達するまで前記ドームの側壁を通過する。
【0012】
胃吸引チューブ入力部は、患者の食道からの任意の胃分泌物を吸収するように構成される。
【0013】
新規に、本発明にかかる喉頭部マスクでは、マスクを含む少なくとも2つのチューブ、好ましくは複数のチューブ、またはさらにはそれらの全てが、その全長に沿って互いに部分的に埋め込まれ、その結果、この構成においてチューブによって占められる領域または空間は、マスクが同じ直径を有するが互いに独立した隣接するチューブである完全に円形のチューブからなる場合にチューブが占める空間よりも大幅に小さい。口語的に説明すると、チューブは、それらの連続するチューブのうちの1つ以上から領域または断面の一部を「盗み」、それらの規則的且つ対称的な円形断面の少なくとも一部を失い、幾何学的に不規則な、非対称的且つ非円形の形状を有する断面を採用する。異なる隣接するチューブの「盗み」である領域から生じる断面の領域の適切な選択によって、各チューブが、ガスの出入りおよび分泌物の排出を可能にするその対応するタスクを満たすことができるのに十分な大きさの断面または領域を有するが、同時に口および喉頭内の全てのチューブの全体の厚さの大幅な縮小をもたらし、したがって、患者の口および喉頭内の従来技術の全てのチューブによって占められる高い容積に関連する上述した問題を大幅に軽減する構成を得ることが可能である。
【0014】
したがって、本発明によれば、外側からドームへの接続部のチャネルまたはチューブのセットが、非対称、不規則、且つ円形ではないものとして定義された喉頭部マスクの内側に初めて形成され、他の隣接する領域「盗み」断面の内側にいくつかのチャネルまたはチューブのインプリントを形成する。
【0015】
また、新規に、喉頭部マスクは、ドームの遠位端に位置する少なくとも1つの胃流逆止防止装置を組み込む。前記逆止防止装置は、少なくとも1つの可撓性膜、好ましくは2つ以上の可撓性膜を組み込み、これらの可撓性膜は、互いに水平に面するか、または流体がドームの外側から内側へ単一方向に流れることを可能にするが反対方向には流れないような角度で互いに斜めに面する。
【0016】
好ましくは、喉頭部マスクは、胃吸引チューブの入口の周りに配置された少なくとも第1のリングまたは突出部を含む。好ましくは、胃吸引ダクトの入口の周りに配置された複数の第1のリングがある。前記少なくとも第1のリングは、胃分泌物が喉頭部マスクの壁と食道の壁との間を流れるのを防止するために食道の壁及び外部食道リングに嵌合するように構成され、したがって、前記胃分泌物が胃吸引チューブの入口を通って流れるのを強制する。
【0017】
また好ましくは、喉頭部マスクは、ドームの周りに少なくとも第2の保持リングを含む。前記少なくとも第2のリングは、胃分泌物が喉頭部マスクの壁と食道の壁との間を流れるのを防止するために前記患者の喉頭の壁に嵌合するように構成され、したがって、前記胃分泌物が胃吸引チューブの入口を通って流れるのを強制する。
【0018】
好ましくは、喉頭部マスクのドームの内側は、食道から喉頭部マスクへの、および喉頭部マスクから肺への分泌物の通過から保護する少なくとも「抗分泌」バリアまたは壁を含む。
【0019】
同様に、好ましくは、喉頭部マスクのドームの内部は、少なくとも「プール」または「リザーバ」を含み、これらは、ドーム内で少なくとも部分的に閉鎖された中空エンクロージャであり、一時的に食道からの胃分泌物を保持するように構成され、それらの肺への戻りを困難にするかまたは少なくとも遅延させる。
【0020】
喉頭部マスクの可能な実施形態に応じて、逆止弁システムは、特定の迎え角を有する2つの膜を備え、したがって、膜は互いに斜めに対向している。これは、前記弁の保持および「逆止」動作に有利である。あるいは、双方の膜が同じ平面内にあり、互いに平行であり、互いに対向することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の少なくとも一実施形態の説明の一部として、以下の図が含まれている。
図1】喉頭部マスクが患者の喉頭領域にどのように配置されるかを概略的に示している。
図2】食道からの分泌物が気管に漏れるのを防止するための逆止システムを含む喉頭部マスクの一実施形態の斜視図を示している。
図3】胃吸引チューブの入口の周りの第1のリングまたは突出部が観察されることができる、喉頭部マスクの正面図を示している。
図4】胃吸引チューブの入口の周りの第1のリングの詳細図を示している。
図5】バリアおよび胃液分泌保持プールを有するドームの内側の斜視図を示している。
図6】本発明にかかる喉頭部マスクの空気チューブの一実施形態の断面図を示しており、前記チューブが不規則且つ非対称な断面を有することを示している。
図7】喉頭部マスクの四分割図を示している。
図8】喉頭部マスクの正面図を示している。
図9】喉頭部マスクのドームの正面図および正面詳細図を示している。
図10】本発明にかかるマスクの斜視図、ならびにドームの前部の詳細な斜視図を示している。
図11】喉頭部マスクの実施形態の別の斜視図を示している。
図12】ドームの異なる図を示している。
図13】ドームの異なる図および断面を示している。
図14】弁システムおよびプールを見ることができるドームの詳細を示している。
図15】弁システムが観察されるドームの断面を示している。
図16】喉頭部マスクの側面図を示している。
図17】喉頭部マスクの平面図を表示している。
図18】喉頭部マスクの側面図、正面図および平面図を示している。
図19】マスクおよびドームの平面図を示している。
図20】喉頭部マスクの四分割図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、上述したように、喉頭部マスク(1)に関する。
【0023】
図1は、患者の喉頭内に喉頭部マスク(1)を配置する従来のモードの概略図を示している。気管(2)および食道(3)も示されている。喉頭部マスク(1)の最遠位部は、患者の食道(3)内に挿入される。
【0024】
喉頭部マスク(1)は、そのドームの遠位部に、この場合、好ましくは前記喉頭部マスク(1)の最遠位領域に配置され、食道への入口のちょうど反対側で喉頭(2)内に配置されるように意図されたドーム(5)の端部にある弁(4)から構成される逆止システムを組み込む。
【0025】
図2は、逆止弁(4)を有する喉頭部マスク(1)の好ましい実施形態を示している。
【0026】
喉頭部マスク(1)の別の好ましい実施形態によれば、弁(4)は、2つの膜を有する。弁(4)の2つのダイアフラムは、ばねとして作用し、したがって、弁(4)によって覆われたドーム部(5)の最適な封止を達成する。
【0027】
弁(4)は、患者のタイプの必要性および/または特性に応じて(年齢、性別などに応じて)、ドーム(5)のより大きいまたはより小さい部分を覆うことができる。
【0028】
静止時に、弁(4)の膜は、互いに接触しているそれらの最も近い縁部を有するか、または互いに非常に近い。
【0029】
膜は、流体が一方向にのみ通過することを可能にし、静止位置にあるときに反対方向の流れを防止する。
【0030】
膜は、高い弾性および可撓性を有する。各膜は、回転/ねじれ要素であるため、流体(胃分泌物)が特定の方向に循環すると、膜は拡張して流体を通過させるが、その材料の可撓性を回転時の機械的エネルギーに維持することにより、膜は静止位置に戻り、流体がその方向に循環しない場合には閉鎖して戻り流体を回避する。
【0031】
特定の実施形態に応じて、膜は、同じ平面内にあるのではなく、特定の迎え角を有することができる。それらの間のこの迎え角によって、弁(4)ダイアフラムの一方向流れ効果も達成されることができる。
【0032】
あるいは、膜はまた、同じ平面内で互いに平行とすることができる。
【0033】
可能な実施形態に応じて、喉頭部マスク(1)は、ドーム(5)の内側および/または底部に、食道(3)から喉頭部マスク(1)へのおよび喉頭部マスク(1)から肺への分泌物の通過から部分的および/または一時的に保護する少なくとも分泌防止バリアまたは壁(6)を組み込む。この/これらのバリア(6)は、肺の入力とは反対の方向である単一の方向の流体の通過に有利である。
【0034】
また、可能な実施形態によれば、喉頭部マスク(1)は、ドーム(5)の内側および/または底部にプール(7)または中空で空のリザーバを含む。このプール(7)は、食道(3)から分泌物を収集して保持するために使用される。
【0035】
図5は、前記バリア(6)および前記プール(7)を示している。
【0036】
また、可能な実施形態(図3および図4を参照)に応じて、喉頭部マスク(1)は、喉頭部マスク(1)の先端の胃吸引チューブの入口(9)の周りに少なくとも第1のリング(8)または突出部を備える。
【0037】
喉頭部マスク(1)が既に患者の喉頭(2)内の正しい位置にあり、喉頭部マスク(1)の先端が食道(3)の内側(具体的には上部食道リングの内側)にあるとき、前記リングは、分泌物が喉頭部マスク(1)と食道(3)の壁との間の側壁から出るのを防止するために食道(3)の壁に取り付けられ、したがって、いかなる前記分泌物も胃吸引チューブの入口(9)から押し出す。
【0038】
また、可能な実施形態に応じて、喉頭部マスク(1)は、ドーム(5)全体を周囲に取り囲む少なくとも第2のリング(10)を含み、それにより、喉頭部マスク(1)が患者の喉頭(2)に調整するとき、前記第2のリング(10)は、食道(3)の壁、喉頭、および喉頭部マスク(1)の壁の間の胃分泌物の通過を妨げる。
【0039】
喉頭部マスク(1)は、喉頭部マスク(1)の外側から複数のアクセスチャネルであって、吸引プローブを吸引することができるように、または吸引プローブをそれらを通して挿入することができるように、危険な胃分泌物からドーム(5)を洗浄するために、線維スコープ、穿刺針、温度プローブまたは圧力プローブなどの診断および生検手段を挿入するために、多くの異なる機能を有して喉頭部マスク(1)のドーム(5)と接続する複数のアクセスチャネルを組み込む。
【0040】
前記チャネルの少なくとも1つの内側に、喉頭部マスク(1)は、ドーム(5)の内側に胃分泌物が蓄積しているか否かを外部から視覚化することができるように連続視覚システムを組み込むことができる。
【0041】
図6は、本発明の好ましい実施形態にかかるマスクからなるチューブアセンブリの断面を示している。この好ましい実施形態によれば、マスクは、合計5本のチューブからなり、その中にはとりわけ、患者のガスの入口および出口用のチューブがある。
【0042】
この図に示す構成では、各チャネルの面積およびチューブ全体の厚さは、それらのうちの2つが依然として円形断面を保持するように最適化されているが、他の3つは、非対称、非円形、および不規則な幾何学的断面を有し、これにより、それらが厳密に対称的な円形断面を有し、互いに隣接している場合よりも少ない量の空間または総容積を占めることを可能にする。この構成は、パイプの断面または領域、したがってそれらが運ぶことができるガスの流れまたは液体もしくは分泌物の流れに悪影響を及ぼすことなく、パイプまたは接続チャネルのセットによって占められる総空間または総容積の最適化を可能にする。非対称、不規則、および非円形の構成を有するチャネルまたは接続チューブは、それらが互いに連続しており、円形、対称、および規則的である場合、同じ数のチャネルまたはチューブよりも患者の口または喉頭内で占める容積または空間が少ない。それらがより小さい口および喉頭に解剖学的に入ることを可能にする。
【0043】
一般に、本発明にかかるマスクは、複数のチューブを備え、それらのうちの少なくとも1つは、不規則な幾何学的形状の断面を有するが、非対称および非円形の不規則な幾何学的形状の断面を有するチューブの数は、マスクが構成するチューブの1つから全体までの任意数であってもよい。
【0044】
マスクが構成されるチューブの軸は、平行であり、軸方向の偏心を示す。
【0045】
また、一般的な方法では、それらのパイプの断面または領域の縮小は、同じ最大直径のパイプの断面に対して不規則、非対称、および非円形の幾何学的形状を有し、且つ10%~40%、好ましくは20%~30%、最も好ましくは約25%の縮小された面積の円形の幾何学的形状の断面を有する。
【0046】
異なる隣接するチューブの「盗まれた」断面またはインプリントまたは食品の面積の適切な選択によって、チューブのそれぞれが、内側および外側へのガスの通過ならびに液体または分泌物の出力のためのその対応する目的を満たすことができるのに十分に大きい断面または領域を有する構成を得ることが可能であるが、同時に喉頭内の全てのチューブによってともに占められる総空間または総容積または厚さの大幅な縮小をもたらし、したがって、隣接するチャネルへのチューブが患者の口および喉頭の限られた空間内の大きな容積および空間を占める円形および対称的である従来技術のチューブによって占められる大きな容積または空間と比較して上述した問題を大幅に軽減する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】