(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】支持装置上で人を移動させるためのデバイスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
A61G 7/05 20060101AFI20220330BHJP
A61G 5/10 20060101ALI20220330BHJP
A61G 7/10 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
A61G7/05
A61G5/10
A61G7/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549426
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 US2020019211
(87)【国際公開番号】W WO2020172525
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521370798
【氏名又は名称】セネカ デバイシーズ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】フォックス、サミュエル ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ネザリア、ジェレミー ワイ.
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA03
4C040BB02
4C040BB06
4C040CC10
4C040DD05
(57)【要約】
【要約】
様々な実装形態は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスを含む。デバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、シートと、を含む。ベースは、第1の側面と、第2の側面と、デバイスを支持装置に結合するための支持装置結合器と、を有する。拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置され、第1の位置から第2の位置に作動可能である。シートは、ベースに対して静止している第1の部分と、第2の部分と、を有する。シートは、第1の部分から、第2の側面上、拡張可能な容積上、および第1の側面上に延在する。第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、ベースの第2の側面からベースの第1の側面へ延在するシートの長さを増加させる。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持装置上で人を移動させるためのデバイスであって、前記デバイスは、
第1の側面と、前記第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する、ベースであって、前記デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する、ベースと、
前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記ベースの表面上に配置された拡張可能な容積であって、第1の位置から第2の位置に作動可能である、拡張可能な容積と、
第1の部分と、前記第1の部分とは反対の、かつ離間された第2の部分と、を有する、シートであって、前記第2の部分は、患者を支持するためのものであり、前記シートの前記第1の部分は、前記ベースに対して静止しており、前記シートは、前記第1の部分から、前記第2の側面上、前記拡張可能な容積上、および前記第1の側面上に延在する、シートと、を備え、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記拡張可能な容積の作動は、前記ベースの前記第2の側面から前記ベースの前記第1の側面へ延在する前記シートの長さを増加させる、デバイス。
【請求項2】
前記拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記拡張可能な容積は、リニアアクチュエータを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記シートの前記第2の部分は、前記第1の位置よりも前記第2の位置において前記ベースに近い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記シートの前記第1の部分は、前記ベースに結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記シートの前記第1の部分は、前記ベースから結合解除可能である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのマットレスの頭端部に隣接して結合可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのマットレスの側端部に隣接して結合可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのフレームの頭端部に結合可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのフレームの側端部に隣接して結合可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記支持装置結合器は、前記ベッドのマットレスの底面に隣接して結合可能である、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の位置から前記第2の位置への前記拡張可能な容積の作動は、前記ベッドの前記マットレスの一部分を上昇させる、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記支持装置は、椅子であり、前記支持装置結合器は、前記椅子の背もたれ支持部分に結合可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記椅子は、車椅子である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記ベースは、第1のベース部分および第2のベース部分を含み、前記第2のベース部分は、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1のベース部分は、前記支持装置結合器を含み、前記第2のベース部分の前記第1の端部は、前記第1のベース部分に旋回可能に結合され、前記拡張可能な容積は、前記第1の位置から前記第2の位置に作動するときに、前記第2のベース部分が前記第1のベース部分に対して旋回するように、前記第1のベース部分と前記第2のベース部分との間に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第1のベース部分は、前記第1の側面を含み、前記第2のベース部分は、前記第2の側面を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記支持装置は、マットレスを有するベッドであり、前記シートは、患者の皮膚に接触するための第1の側面と、前記マットレスに接触するための第2の側面と、を有し、前記シートの前記第1の側面は、前記シートの前記第1の側面と患者の前記皮膚との間の第1の摩擦係数を有し、前記シートの前記第2の側面は、前記シートの前記第2の側面と前記マットレスとの間の第2の摩擦係数を有し、前記第1の摩擦係数は、前記第2の摩擦係数よりも大きい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記支持装置は、マットレスを有するベッドであり、前記マットレスの上面と前記シートの底面との間の摩擦係数は、0.20~0.50である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記マットレスの上面と前記シートの底面との間の摩擦係数は、0.30~0.35である、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記マットレスの上面と前記シートの底面との間の摩擦係数は、0.33である、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
支持装置上で人を移動させるためのデバイスであって、前記デバイスは、
第1の側面と、前記第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する、ベースであって、前記デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する、ベースと、
前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記ベースの表面上に配置された拡張可能な容積であって、第1の位置から第2の位置に作動可能である、拡張可能な容積と、を備え、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記拡張可能な容積の作動は、前記第2の側面から、前記拡張可能な容積を越えて、前記第1の側面まで測定される長さを増加させる、デバイス。
【請求項24】
前記ベースは、シートを前記ベースに貼り付けるためのシート結合器を含む、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記シート結合器は、ウェブアセンブリを含み、前記ウェブアセンブリは、前記ベースに結合された第1のウェブアセンブリ部分と、シートを前記ベースに貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分と、を有する、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記ウェブアセンブリは、少なくとも1つのストラップを備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える、請求項23に記載のデバイス。
【請求項28】
前記膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記拡張可能な容積は、リニアアクチュエータを備える、請求項23に記載のデバイス。
【請求項31】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのマットレスの頭端部に隣接して結合可能である、請求項23に記載のデバイス。
【請求項32】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのマットレスの側端部に隣接して結合可能である、請求項23に記載のデバイス。
【請求項33】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのフレームの頭端部に結合可能である、請求項23に記載のデバイス。
【請求項34】
前記支持装置は、ベッドであり、前記支持装置結合器は、前記ベッドのフレームの側端部に隣接して結合可能である、請求項23に記載のデバイス。
【請求項35】
前記支持装置結合器は、前記ベッドのマットレスの底面に隣接して結合可能である、請求項32に記載のデバイス。
【請求項36】
前記第1の位置から前記第2の位置への前記拡張可能な容積の作動は、前記ベッドの前記マットレスの一部分を上昇させる、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記支持装置は、椅子であり、前記支持装置結合器は、前記椅子の背もたれ支持部分に結合可能である、請求項23に記載のデバイス。
【請求項38】
前記椅子は、車椅子である、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記マウントは、第1のマウント部分および第2のマウント部分を含み、前記第2のマウント部分は、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1のマウント部分は、前記支持装置結合器を含み、前記第2のマウント部分の前記第1の端部は、前記第1のマウント部分に旋回可能に結合され、前記拡張可能な容積は、前記第1の位置から前記第2の位置に作動するときに、前記第2のマウント部分が前記第1のマウント部分に対して旋回するように、前記第1のマウント部分と前記第2のマウント部分との間に配置される、請求項23に記載のデバイス。
【請求項40】
前記第1のマウント部分は、前記第1の側面を含み、前記第2のマウント部分は、前記第2の側面を含む、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記シート結合器に貼り付けられたシートをさらに含み、前記支持装置は、マットレスを有するベッドであり、前記シートは、患者の皮膚に接触するための第1の側面と、前記マットレスに接触するための第2の側面と、を有し、前記シートの前記第1の側面は、前記シートの前記第1の側面と患者の前記皮膚との間の第1の摩擦係数を有し、前記シートの前記第2の側面は、前記シートの前記第2の側面と前記マットレスとの間の第2の摩擦係数を有し、前記第1の摩擦係数は、前記第2の摩擦係数よりも大きい、請求項24に記載のデバイス。
【請求項42】
前記シート結合器に貼り付けられたシートをさらに含み、前記支持装置は、マットレスを有するベッドであり、前記マットレスの上面と前記シートの底面との間の摩擦係数は、0.20~0.50である、請求項24に記載のデバイス。
【請求項43】
前記マットレスの上面と前記シートの底面との間の摩擦係数は、0.30~0.35である、請求項42に記載のデバイス。
【請求項44】
前記マットレスの上面と前記シートの底面との間の摩擦係数は、0.33である、請求項43に記載のデバイス。
【請求項45】
前記シートに及ぼされる歪みを測定するための歪みゲージをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項46】
前記ベースに貼り付けられたシートに及ぼされる前記歪みを測定するための歪みゲージをさらに備える、請求項24に記載のデバイス。
【請求項47】
支持装置上で人を移動させるためのデバイスとともに使用するためのシートであって、前記シートは、
第1のシート縁部と、前記第1のシート縁部から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部と、を有する、主本体と、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第1の弾性ストリップであって、前記第1の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第1の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の弛緩幅をさらに有し、前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記第1のシート縁部に結合され、前記第1の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記主本体の第1の部分に結合される、第1の弾性ストリップと、を備え、
前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の距離は、前記第1の弛緩幅よりも大きい、シート。
【請求項48】
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第2の弾性ストリップであって、前記第2の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第2の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の弛緩幅をさらに有し、前記第2の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第2のシート縁部に結合され、前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第2の部分に結合される、第2の弾性ストリップと、をさらに備え、
前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の距離は、前記第2の弛緩幅よりも大きい、請求項47に記載のシート。
【請求項49】
前記第1の弾性ストリップは、前記延長位置において前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の延長幅を有し、前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の前記距離は、前記第1の延長幅に等しい、請求項47に記載のシート。
【請求項50】
前記第2の弾性ストリップは、前記延長位置において前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の延長幅を有し、前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の前記距離は、前記第2の延長幅に等しい、請求項48に記載のシート。
【請求項51】
前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の前記距離は、前記第1の弛緩幅の2倍である、請求項49に記載のシート。
【請求項52】
前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の前記距離は、前記第2の弛緩幅の2倍である、請求項50に記載のシート。
【請求項53】
前記第1の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える、請求項47に記載のシート。
【請求項54】
前記第1の弾性ストリップは、スパンデックスを備える、請求項53に記載のシート。
【請求項55】
前記第2の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える、請求項48に記載のシート。
【請求項56】
前記第2の弾性ストリップは、スパンデックスを備える、請求項55に記載のシート。
【請求項57】
前記主本体の前記第1の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの一部分に前記シートを結合するための第1の結合器を含み、前記主本体の前記第2の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるための前記デバイスの別の部分に前記シートを結合するための第2の結合器を含む、請求項47に記載のシート。
【請求項58】
前記第1の結合器および前記第2の結合器は、各々、ジッパーの少なくとも一部分を備える、請求項57に記載のシート。
【請求項59】
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第3の弾性ストリップであって、前記第3の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第3の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第3の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第3の弛緩幅をさらに有し、前記第3の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第3のシート縁部に結合され、前記第3の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第3の部分に結合される、第3の弾性ストリップ、をさらに備え、
前記主本体の前記第3のシート縁部と前記第3の部分との間の距離は、前記第3の弛緩幅よりも大きい、請求項48に記載のシート。
【請求項60】
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第4の弾性ストリップであって、前記第4の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第4の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第4の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第4の弛緩幅をさらに有し、前記第4の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第4のシート縁部に結合され、前記第4の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第4の部分に結合される、第4の弾性ストリップ、をさらに備え、
前記主本体の前記第4のシート縁部と前記第4の部分との間の距離は、前記第4の弛緩幅よりも大きい、請求項59に記載のシート。
【請求項61】
ベッド上で人を移動させるためのシステムであって、
マットレスの側端部とベッドフレームとの間に配置するための第1のデバイスであって、前記第1のデバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、を備え、前記拡張可能な容積は、前記ベースの表面上に配置され、前記拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能であり、前記拡張可能な容積の一部分は、前記第1の位置よりも前記第2の位置において前記ベースから遠い、第1のデバイスと、
第2のデバイスであって、
第1の側面と、前記第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する、ベースであって、前記ベースは、前記デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有し、前記ベースは、前記ベースにシートを貼り付けるためのシート結合器をさらに含む、ベースと、
前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記ベースの表面上に配置された拡張可能な容積であって、第1の位置から第2の位置に作動可能である、拡張可能な容積と、を備え、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記拡張可能な容積の作動は、前記第2の側面から、前記拡張可能な容積を越えて、前記第1の側面まで測定される長さを増加させる、第2のデバイスと、を備える、システム。
【請求項62】
前記第1のデバイスの前記拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記第2のデバイスの前記拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項66】
前記膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項65に記載のシステム。
【請求項68】
前記シート結合器は、ウェブアセンブリを含み、前記ウェブアセンブリは、前記ベースに結合された第1のウェブアセンブリ部分と、シートを前記ベースに貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分と、を有する、請求項61に記載のシステム。
【請求項69】
前記ウェブアセンブリは、少なくとも1つのストラップを備える、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記シート結合器に結合されたシートをさらに備え、前記シートは、
第1のシート縁部と、前記第1のシート縁部から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部と、を有する、主本体と、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第1の弾性ストリップであって、前記第1の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第1の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の弛緩幅をさらに有し、前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記第1のシート縁部に結合され、前記第1の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記主本体の第1の部分に結合される、第1の弾性ストリップと、を備え、
前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の距離は、前記第1の弛緩幅よりも大きい、請求項61に記載のシステム。
【請求項73】
前記シートは、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第2の弾性ストリップであって、前記第2の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第2の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の弛緩幅をさらに有し、前記第2の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第2のシート縁部に結合され、前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第2の部分に結合される、第2の弾性ストリップと、をさらに備え、
前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の距離は、前記第2の弛緩幅よりも大きい、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記第1の弾性ストリップは、前記延長位置において前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の延長幅を有し、前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の前記距離は、前記第1の延長幅に等しい、請求項72に記載のシステム。
【請求項75】
前記第2の弾性ストリップは、前記延長位置において前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の延長幅を有し、前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の前記距離は、前記第2の延長幅に等しい、請求項73に記載のシステム。
【請求項76】
前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の前記距離は、前記第1の弛緩幅の2倍である、請求項74に記載のシステム。
【請求項77】
前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の前記距離は、前記第2の弛緩幅の2倍である、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
前記第1の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える、請求項72に記載のシステム。
【請求項79】
前記第1の弾性ストリップは、スパンデックスを備える、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記第2の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える、請求項73に記載のシステム。
【請求項81】
前記第2の弾性ストリップは、スパンデックスを備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記主本体の前記第1の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの一部分に前記シートを結合するための第1の結合器を含み、前記主本体の前記第2の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるための前記デバイスの別の部分に前記シートを結合するための第2の結合器を含む、請求項72に記載のシステム。
【請求項83】
前記第1の結合器および前記第2の結合器は、各々、ジッパーの少なくとも一部分を備える、請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
前記シートは、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第3の弾性ストリップであって、前記第3の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第3の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第3の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第3の弛緩幅をさらに有し、前記第3の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第3のシート縁部に結合され、前記第3の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第3の部分に結合される、第3の弾性ストリップ、をさらに備え、
前記主本体の前記第3のシート縁部と前記第3の部分との間の距離は、前記第3の弛緩幅よりも大きい、請求項83に記載のシステム。
【請求項85】
前記シートは、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第4の弾性ストリップであって、前記第4の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第4の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第4の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第4の弛緩幅をさらに有し、前記第4の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第4のシート縁部に結合され、前記第4の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第4の部分に結合される、第4の弾性ストリップ、をさらに備え、
前記主本体の前記第4のシート縁部と前記第4の部分との間の距離は、前記第4の弛緩幅よりも大きい、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
ベッド上で人を移動させるためのデバイスであって、
第1の側面と、前記第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する、ベースであって、前記ベースは、前記デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有し、前記ベースは、前記ベースにシートを貼り付けるためのシート結合器をさらに含む、ベースと、
マットレスの側端部とベッドフレームとの間に配置するための内側拡張可能な容積であって、前記内側拡張可能な容積は、前記第1の側面と前記第2の側面との間の前記ベースの表面上に配置され、前記拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能であり、前記内側拡張可能な容積の一部分は、前記第1の位置よりも前記第2の位置において前記ベースから遠い、内側拡張可能な容積と、
マットレスの側端部およびベッドフレームに隣接して配置するための外側拡張可能な容積であって、前記内側拡張可能な容積は、前記第1の側面と前記第2の側面との間の前記ベースの表面上に配置され、前記拡張可能な容積は、前記第1の位置から前記第2の位置に作動可能であり、前記外側拡張可能な容積の一部分は、前記第1の位置よりも前記第2の位置において前記ベースから遠い、外側拡張可能な容積と、
前記内側拡張可能な容積と前記外側拡張可能な容積との間で前記第1の側面と前記第2の側面との間の前記ベースの前記表面上に配置された中間拡張可能な容積であって、前記中間拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能であり、前記中間拡張可能な容積の一部分は、前記第1の位置よりも前記第2の位置においてベースから遠い、中間拡張可能な容積と、を備え、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記外側拡張可能な容積の作動は、前記外側拡張可能な容積の第2の側面から、前記外側拡張可能な容積を越えて、前記外側拡張可能な容積の前記一部分まで測定される長さを増加させる、デバイス。
【請求項87】
前記内側拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える、請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
前記内側膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項87に記載のデバイス。
【請求項89】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項88に記載のデバイス。
【請求項90】
前記外側拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える、請求項86に記載のデバイス。
【請求項91】
前記外側膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項90に記載のデバイス。
【請求項92】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項90に記載のデバイス。
【請求項93】
前記中間拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える、請求項86に記載のデバイス。
【請求項94】
前記中央膨張可能なクッションを前記第1の位置から前記第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに備える、請求項93に記載のデバイス。
【請求項95】
前記ポンピングデバイスは、前記膨張可能なクッションの外部に配置される、請求項93に記載のデバイス。
【請求項96】
前記シート結合器は、ウェブアセンブリを含み、前記ウェブアセンブリは、前記ベースに結合された第1のウェブアセンブリ部分と、シートを前記ベースに貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分と、を有する、請求項86に記載のデバイス。
【請求項97】
前記ウェブアセンブリは、少なくとも1つのストラップを備える、請求項96に記載のデバイス。
【請求項98】
前記シート結合器に結合されたシートをさらに備え、前記シートは、
第1のシート縁部と、前記第1のシート縁部から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部と、を有する、主本体と、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第1の弾性ストリップであって、前記第1の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第1の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の弛緩幅をさらに有し、前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記第1のシート縁部に結合され、前記第1の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記主本体の第1の部分に結合される、第1の弾性ストリップと、を備え、
前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の距離は、前記第1の弛緩幅よりも大きい、請求項86に記載のデバイス。
【請求項99】
前記シートは、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第2の弾性ストリップであって、前記第2の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第2の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の弛緩幅をさらに有し、前記第2の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第2のシート縁部に結合され、前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第2の部分に結合される、第2の弾性ストリップと、をさらに備え、
前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の距離は、前記第2の弛緩幅よりも大きい、請求項98に記載のデバイス。
【請求項100】
前記第1の弾性ストリップは、前記延長位置において前記第1の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の延長幅を有し、前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の前記距離は、前記第1の延長幅に等しい、請求項98に記載のデバイス。
【請求項101】
前記第2の弾性ストリップは、前記延長位置において前記第2の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の延長幅を有し、前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の前記距離は、前記第2の延長幅に等しい、請求項99に記載のデバイス。
【請求項102】
前記主本体の前記第1のシート縁部と前記第1の部分との間の前記距離は、前記第1の弛緩幅の2倍である、請求項100に記載のデバイス。
【請求項103】
前記主本体の前記第2のシート縁部と前記第2の部分との間の前記距離は、前記第2の弛緩幅の2倍である、請求項101に記載のデバイス。
【請求項104】
前記第1の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える、請求項98に記載のデバイス。
【請求項105】
前記第1の弾性ストリップは、スパンデックスを備える、請求項104に記載のデバイス。
【請求項106】
前記第2の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える、請求項99に記載のデバイス。
【請求項107】
前記第2の弾性ストリップは、スパンデックスを備える、請求項106に記載のデバイス。
【請求項108】
前記主本体の前記第1の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの一部分に前記シートを結合するための第1の結合器を含み、前記主本体の前記第2の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるための前記デバイスの別の部分に前記シートを結合するための第2の結合器を含む、請求項98に記載のデバイス。
【請求項109】
前記第1の結合器および前記第2の結合器は、各々、ジッパーの少なくとも一部分を備える、請求項108に記載のデバイス。
【請求項110】
前記シートは、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第3の弾性ストリップであって、前記第3の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第3の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第3の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第3の弛緩幅をさらに有し、前記第3の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第3のシート縁部に結合され、前記第3の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第3の部分に結合される、第3の弾性ストリップ、をさらに備え、
前記主本体の前記第3のシート縁部と前記第3の部分との間の距離は、前記第3の弛緩幅よりも大きい、請求項99に記載のデバイス。
【請求項111】
前記シートは、
第1の縁部と、前記第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第4の弾性ストリップであって、前記第4の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能であり、前記第4の弾性ストリップは、前記弛緩位置にある前記第4の弾性ストリップの前記第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第4の弛緩幅をさらに有し、前記第4の弾性ストリップの前記第2の縁部は、前記第4のシート縁部に結合され、前記第4の弾性ストリップの前記第1の縁部は、前記主本体の第4の部分に結合される、第4の弾性ストリップ、をさらに備え、
前記主本体の前記第4のシート縁部と前記第4の部分との間の距離は、前記第4の弛緩幅よりも大きい、請求項110に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月22日に出願された米国仮出願第62/809,214号、および2019年5月8日に出願された米国仮出願第62/844,944号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
ベッドや車椅子に拘束されている患者は、ベッドや車椅子での移動を他の人々に頼ることが多い。重力のために、患者は、しばしば、傾斜したベッドの足側端部に向かって、または直立した車椅子の座席の縁に向かってスライドする傾向がある。患者の体重、ベッドまたは車椅子の位置、および補助者の力などの要因のために、患者をベッドの頭端部に向かって後方に、または車椅子の後方支持部に向かって移動させることは、困難な作業であり得る。
【0003】
しばしば、補助者は、シートまたはタオルの一部分が患者の下から延在するように、シートまたはタオルを患者の下に配置する。次いで、補助者は、シートまたはタオルをシートまたはタオルの延長部分の方向に引っ張り、患者をベッドまたは車椅子内でスライドさせる。人を移動させるこの方法は、患者の相対的な体重および補助者の力のために、依然として補助者に課題を提示する。
【0004】
この問題を解決しようとする従来のデバイスは、ベッドの頭端部のローラと、ベッドの足側端部のローラとに接続された長いシートを含む。患者は、2つのローラの間のベッドの上面に沿って延在するシートの部分に配置される。患者をベッドの頭端部に向かって移動させる必要があるとき、モータがベッドの頭端部のローラを回転させ、ベッドの足側端部のローラからベッドの頭端部に向かってシートの一部分を回転させる。シートの回転は、シート上に配置された患者をベッドの頭端部に向かって移動させる。その後、患者が移動および重力によりベッドの足側端部に向かってスライドすると、ベッドの頭端部上のローラにシートをより多く巻き付けて、患者をベッドの頭端部に向かって戻す。しかしながら、このローラ機構は、マットレスの周囲での挟み込みの危険をもたらし、患者に極近傍に電子部品を必要とする可能性がある。さらに、シートがデバイスに取り付けられているローラまたは他の構成要素を包括的に清掃することは困難である可能性がある。
【0005】
したがって、補助者からの物理的な力を伴わず、挟み込みの危険性がなく、患者の極近傍に電子機器を配置せず、包括的に清掃するのが依然として容易である、患者をベッドの頭端部に向かって移動させることができるデバイスが必要とされている。
【0006】
ベッドに拘束される患者はまた、床ずれを防止し、衛生、皮膚評価、および創傷ケア処置、ならびに移送スリング、シート、タオル、およびベッドパンを含むデバイスの配置のために、介護者が患者の背面にアクセスすることを可能にするために、定期的に横向きにされなければならない。一部の患者の身長または幅、および一部のベッドの狭さのために、ベッドの中央の仰臥位で横たわる一部の患者は、介護者が患者の背中側にアクセスできるように、快適な方法で患者を完全に横向きにするのに十分な空間を有していない。患者をベッドの頭端部に向かって移動させることに関して上述したのと同じ理由のために、患者をベッド上で横方向に移動させることと、患者を横向きにすることとの両方が、補助者にとって非常に困難である可能性がある。
【0007】
したがって、補助者からの関与する物理的な力を制限する、患者を横向きにするのを支援することができるデバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
様々な実装形態は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスを含む。デバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、シートと、を含む。ベースは、第1の側面と、第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する。ベースは、デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する。拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。シートは、第1の部分と、第1の部分とは反対の、かつ離間された第2の部分と、を有する。第2の部分は、患者を支持するためのものである。シートの第1の部分は、ベースに対して静止している。シートは、第1の部分から、第2の側面上、拡張可能な容積上、および第1の側面上に延在する。第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、ベースの第2の側面からベースの第1の側面へ延在するシートの長さを増加させる。
【0009】
いくつかの実装形態では、拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える。いくつかの実装形態では、デバイスは、膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0010】
いくつかの実装形態では、拡張可能な容積は、リニアアクチュエータを備える。
【0011】
いくつかの実装形態では、シートの第2の部分は、第1の位置よりも第2の位置においてベースに近い。
【0012】
いくつかの実装形態では、シートの第1の部分は、ベースに結合される。いくつかの実装形態では、シートの第1の部分は、ベースから結合解除可能である。
【0013】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのマットレスの頭端部に隣接して結合可能である。
【0014】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのマットレスの側端部に隣接して結合可能である。いくつかの実装形態では、支持装置結合器は、ベッドのマットレスの底面に隣接して結合可能である。いくつかの実装形態では、第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、ベッドのマットレスの一部分を上昇させる。
【0015】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのフレームの頭端部に結合可能である。
【0016】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのフレームの側端部に隣接して結合可能である。
【0017】
いくつかの実装形態では、支持装置は、椅子であり、支持装置結合器は、椅子の背もたれ支持部分に結合可能である。いくつかの実装形態では、椅子は、車椅子である。
【0018】
いくつかの実装形態では、ベースは、第1のベース部分および第2のベース部分を含む。第2のベース部分は、第1の端部および第2の端部を有する。第1のベース部分は、支持装置結合器を含み、第2のベース部分の第1の端部は、第1のベース部分に旋回可能に結合される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動するときに、第2のベース部分が第1のベース部分に対して旋回するように、第1のベース部分と第2のベース部分との間に配置される。いくつかの実装形態では、第1のベース部分は、第1の側面を含み、第2のベース部分は、第2の側面を含む。
【0019】
いくつかの実装形態では、支持装置は、マットレスを有するベッドであり、シートは、患者の皮膚に接触するための第1の側面と、マットレスに接触するための第2の側面と、を有する。シートの第1の側面は、シートの第1の側面と患者の皮膚との間の第1の摩擦係数を有し、シートの第2の側面は、シートの第2の側面とマットレスとの間の第2の摩擦係数を有する。第1の摩擦係数は、第2の摩擦係数よりも大きい。
【0020】
いくつかの実装形態では、支持装置は、マットレスを有するベッドであり、マットレスの上面とシートの底面との間の摩擦係数は、0.20~0.50である。いくつかの実装形態では、マットレスの上面とシートの底面との間の摩擦係数は、0.30~0.35である。いくつかの実装形態では、マットレスの上面とシートの底面との間の摩擦係数は、0.33である。
【0021】
いくつかの実装形態では、デバイスは、シートに及ぼされる歪みを測定するための歪みゲージをさらに含む。
【0022】
様々な他の実装形態は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスを含む。デバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、を含む。ベースは、第1の側面と、第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する。ベースは、デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する。拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、第2の側面から、拡張可能な容積を越えて、第1の側面まで測定される長さを増加させる。
【0023】
いくつかの実装形態では、ベースは、シートをベースに貼り付けるためのシート結合器を含む。いくつかの実装形態では、シート結合器は、ウェブアセンブリを含む。ウェブアセンブリは、ベースに結合された第1のウェブアセンブリ部分と、シートをベースに貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分と、を有する。いくつかの実装形態では、ウェブアセンブリは、少なくとも1つのストラップを備える。
【0024】
いくつかの実装形態では、拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える。いくつかの実装形態では、デバイスは、膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0025】
いくつかの実装形態では、拡張可能な容積は、リニアアクチュエータを備える。
【0026】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのマットレスの頭端部に隣接して結合可能である。
【0027】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのマットレスの側端部に隣接して結合可能である。いくつかの実装形態では、支持装置結合器は、ベッドのマットレスの底面に隣接して結合可能である。いくつかの実装形態では、第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、ベッドのマットレスの一部分を上昇させる。
【0028】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのフレームの頭端部に結合可能である。
【0029】
いくつかの実装形態では、支持装置は、ベッドであり、支持装置結合器は、ベッドのフレームの側端部に隣接して結合可能である。
【0030】
いくつかの実装形態では、支持装置は、椅子であり、支持装置結合器は、椅子の背もたれ支持部分に結合可能である。いくつかの実装形態では、椅子は、車椅子である。
【0031】
いくつかの実装形態では、マウントは、第1のマウント部分および第2のマウント部分を含む。第2のマウント部分は、第1の端部および第2の端部を有する。第1のマウント部分は、支持装置結合器を含み、第2のマウント部分の第1の端部は、第1のマウント部分に旋回可能に結合される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動するときに、第2のマウント部分が第1のマウント部分に対して旋回するように、第1のマウント部分と第2のマウント部分との間に配置される。いくつかの実装形態では、第1のマウント部分は、第1の側面を含み、第2のマウント部分は、第2の側面を含む。
【0032】
いくつかの実装形態では、デバイスは、シート結合器に貼り付けられたシートをさらに含む。支持装置は、マットレスを有するベッドであり、シートは、患者の皮膚に接触するための第1の側面と、マットレスに接触するための第2の側面と、を有する。シートの第1の側面は、シートの第1の側面と患者の皮膚との間の第1の摩擦係数を有し、シートの第2の側面は、シートの第2の側面とマットレスとの間の第2の摩擦係数を有する。第1の摩擦係数は、第2の摩擦係数よりも大きい。
【0033】
いくつかの実装形態では、デバイスは、シート結合器に貼り付けられたシートをさらに含む。支持装置は、マットレスを有するベッドであり、マットレスの上面とシートの底面との間の摩擦係数は、0.20~0.50である。いくつかの実装形態では、マットレスの上面とシートの底面との間の摩擦係数は、0.30~0.35である。いくつかの実装形態では、マットレスの上面とシートの底面との間の摩擦係数は、0.33である。
【0034】
いくつかの実装形態では、デバイスは、ベースに貼り付けられたシートに及ぼされる歪みを測定するための歪みゲージをさらに含む。
【0035】
様々な他の実装形態は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスとともに使用するためのシートを含む。シートは、主本体と、第1の弾性ストリップと、を含む。主本体は、第1のシート縁部と、第1のシート縁部から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第1の弾性ストリップは、弛緩位置にある第1の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の弛緩幅をさらに有する。第1の弾性ストリップの第1の縁部は、第1のシート縁部に結合され、第1の弾性ストリップの第2の縁部は、主本体の第1の部分に結合される。主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の弛緩幅よりも大きい。
【0036】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第2の弾性ストリップをさらに含む。第2の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第2の弾性ストリップは、弛緩位置にある第2の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の弛緩幅をさらに有する。第2の弾性ストリップの第2の縁部は、第2のシート縁部に結合され、第2の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第2の部分に結合される。主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の弛緩幅よりも大きい。
【0037】
いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、延長位置において第1の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の延長幅を有する。主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の延長幅に等しい。
【0038】
いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、延長位置において第2の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の延長幅を有する。主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の延長幅に等しい。
【0039】
いくつかの実装形態では、主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の弛緩幅の2倍である。
【0040】
いくつかの実装形態では、主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の弛緩幅の2倍である。
【0041】
いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える。いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、スパンデックスを備える。
【0042】
いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える。いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、スパンデックスを備える。
【0043】
いくつかの実装形態では、主本体の第1の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの一部分にシートを結合するための第1の結合器を含み、主本体の第2の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの別の部分にシートを結合するための第2の結合器を含む。いくつかの実装形態では、第1の結合器および第2の結合器は、各々、ジッパーの少なくとも一部分を備える。
【0044】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第3の弾性ストリップをさらに含む。第3の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第3の弾性ストリップは、弛緩位置にある第3の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第3の弛緩幅をさらに有する。第3の弾性ストリップの第2の縁部は、第3のシート縁部に結合され、第3の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第3の部分に結合される。主本体の第3のシート縁部と第3の部分との間の距離は、第3の弛緩幅よりも大きい。
【0045】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第4の弾性ストリップをさらに含む。第4の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第4の弾性ストリップは、弛緩位置にある第4の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第4の弛緩幅をさらに有する。第4の弾性ストリップの第2の縁部は、第4のシート縁部に結合され、第4の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第4の部分に結合される。主本体の第4のシート縁部と第4の部分との間の距離は、第4の弛緩幅よりも大きい。
【0046】
様々な他の実装形態は、ベッド上で人を移動させるためのシステムを含む。システムは、第1のデバイスおよび第2のデバイスを含む。第1のデバイスは、マットレスの側端部とベッドフレームとの間に配置するためものである。第1のデバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、を含む。拡張可能な容積は、ベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。拡張可能な容積の一部分は、第1の位置よりも第2の位置においてベースから遠い。第2のデバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、を含む。ベースは、第1の側面と、第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する。ベースは、デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する。ベースは、ベースにシートを貼り付けるためのシート結合器をさらに含む。拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、第2の側面から、拡張可能な容積を越えて、第1の側面まで測定される長さを増加させる。
【0047】
いくつかの実装形態では、第1のデバイスの拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える。いくつかの実装形態では、システムは、膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0048】
いくつかの実装形態では、第2のデバイスの拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える。いくつかの実装形態では、システムは、膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0049】
いくつかの実装形態では、シート結合器は、ウェブアセンブリを含む。ウェブアセンブリは、ベースに結合された第1のウェブアセンブリ部分と、シートをベースに貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分と、を有する。いくつかの実装形態では、ウェブアセンブリは、少なくとも1つのストラップを備える。いくつかの実装形態では、システムは、膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0050】
いくつかの実装形態では、システムは、シート結合器に結合されたシートをさらに含む。シートは、主本体と、第1の弾性ストリップと、を含む。主本体は、第1のシート縁部と、第1のシート縁部から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第1の弾性ストリップは、弛緩位置にある第1の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の弛緩幅をさらに有する。第1の弾性ストリップの第1の縁部は、第1のシート縁部に結合され、第1の弾性ストリップの第2の縁部は、主本体の第1の部分に結合される。主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の弛緩幅よりも大きい。
【0051】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第2の弾性ストリップをさらに含む。第2の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第2の弾性ストリップは、弛緩位置にある第2の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の弛緩幅をさらに有する。第2の弾性ストリップの第2の縁部は、第2のシート縁部に結合され、第2の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第2の部分に結合される。主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の弛緩幅よりも大きい。
【0052】
いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、延長位置において第1の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の延長幅を有する。主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の延長幅に等しい。
【0053】
いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、延長位置において第2の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の延長幅を有する。主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の延長幅に等しい。
【0054】
いくつかの実装形態では、主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の弛緩幅の2倍である。
【0055】
いくつかの実装形態では、主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の弛緩幅の2倍である。
【0056】
いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える。いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、スパンデックスを備える。
【0057】
いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える。いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、スパンデックスを備える。
【0058】
いくつかの実装形態では、主本体の第1の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの一部分にシートを結合するための第1の結合器を含み、主本体の第2の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの別の部分にシートを結合するための第2の結合器を含む。いくつかの実装形態では、第1の結合器および第2の結合器は、各々、ジッパーの少なくとも一部分を備える。
【0059】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第3の弾性ストリップをさらに含む。第3の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第3の弾性ストリップは、弛緩位置にある第3の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第3の弛緩幅をさらに有する。第3の弾性ストリップの第2の縁部は、第3のシート縁部に結合され、第3の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第3の部分に結合される。主本体の第3のシート縁部と第3の部分との間の距離は、第3の弛緩幅よりも大きい。
【0060】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第4の弾性ストリップをさらに含む。第4の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第4の弾性ストリップは、弛緩位置にある第4の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第4の弛緩幅をさらに有する。第4の弾性ストリップの第2の縁部は、第4のシート縁部に結合され、第4の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第4の部分に結合される。主本体の第4のシート縁部と第4の部分との間の距離は、第4の弛緩幅よりも大きい。
【0061】
様々な他の実装形態は、ベッド上で人を移動させるためのデバイスを含む。デバイスは、ベースと、内側拡張可能な容積と、外側拡張可能な容積と、中間拡張可能な容積と、を含む。
【0062】
ベースは、第1の側面と、第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する。ベースは、デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する。ベースは、ベースにシートを貼り付けるためのシート結合器をさらに含む。
【0063】
内側拡張可能な容積は、マットレスの側端部とベッドフレームとの間に配置するためものである。内側拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。内側拡張可能な容積の一部分は、第1の位置よりも第2の位置においてベースから遠い。外側拡張可能な容積は、マットレスの側端部およびベッドフレームに隣接して配置するためのものである。内側拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。外側拡張可能な容積の一部分は、第1の位置よりも第2の位置においてベースから遠い。
【0064】
中間拡張可能な容積は、内側拡張可能な容積と外側拡張可能な容積との間で第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。中間拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。中間拡張可能な容積の一部分は、第1の位置よりも第2の位置においてベースから遠い。第1の位置から第2の位置への外側拡張可能な容積の作動は、外側拡張可能な容積の第2の側面から、外側拡張可能な容積を越えて、外側拡張可能な容積の一部分まで測定される長さを増加させる。
【0065】
いくつかの実装形態では、内側拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える。いくつかの実装形態では、デバイスは、内側膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0066】
いくつかの実装形態では、外側拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える。いくつかの実装形態では、デバイスは、外側膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0067】
いくつかの実装形態では、中間拡張可能な容積は、膨張可能なクッションを備える。いくつかの実装形態では、デバイスは、中央膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるためのポンピングデバイスをさらに含む。いくつかの実装形態では、ポンピングデバイスは、膨張可能なクッションの外部に配置される。
【0068】
いくつかの実装形態では、シート結合器は、ウェブアセンブリを含む。ウェブアセンブリは、ベースに結合された第1のウェブアセンブリ部分と、シートをベースに貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分と、を有する。いくつかの実装形態では、ウェブアセンブリは、少なくとも1つのストラップを備える。
【0069】
いくつかの実装形態では、デバイスは、シート結合器に結合されたシートをさらに含む。シートは、主本体と、第1の弾性ストリップと、を含む。主本体は、第1のシート縁部と、第1のシート縁部から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第1の弾性ストリップは、弛緩位置にある第1の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の弛緩幅をさらに有する。第1の弾性ストリップの第1の縁部は、第1のシート縁部に結合され、第1の弾性ストリップの第2の縁部は、主本体の第1の部分に結合される。主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の弛緩幅よりも大きい。
【0070】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第2の弾性ストリップをさらに含む。第2の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第2の弾性ストリップは、弛緩位置にある第2の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の弛緩幅をさらに有する。第2の弾性ストリップの第2の縁部は、第2のシート縁部に結合され、第2の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第2の部分に結合される。主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の弛緩幅よりも大きい。
【0071】
いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、延長位置において第1の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の延長幅を有する。主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の延長幅に等しい。
【0072】
いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、延長位置において第2の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第2の延長幅を有する。主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の延長幅に等しい。
【0073】
いくつかの実装形態では、主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の弛緩幅の2倍である。
【0074】
いくつかの実装形態では、主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離は、第2の弛緩幅の2倍である。
【0075】
いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える。いくつかの実装形態では、第1の弾性ストリップは、スパンデックスを備える。
【0076】
いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、弾性ファブリックを備える。いくつかの実装形態では、第2の弾性ストリップは、スパンデックスを備える。
【0077】
いくつかの実装形態では、主本体の第1の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの一部分にシートを結合するための第1の結合器を含み、主本体の第2の縁部の少なくとも一部分は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスの別の部分にシートを結合するための第2の結合器を含む。いくつかの実装形態では、第1の結合器および第2の結合器は、各々、ジッパーの少なくとも一部分を備える。
【0078】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第3の弾性ストリップをさらに含む。第3の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第3の弾性ストリップは、弛緩位置にある第3の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第3の弛緩幅をさらに有する。第3の弾性ストリップの第2の縁部は、第3のシート縁部に結合され、第3の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第3の部分に結合される。主本体の第3のシート縁部と第3の部分との間の距離は、第3の弛緩幅よりも大きい。
【0079】
いくつかの実装形態では、シートは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する、第4の弾性ストリップをさらに含む。第4の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第4の弾性ストリップは、弛緩位置にある第4の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第4の弛緩幅をさらに有する。第4の弾性ストリップの第2の縁部は、第4のシート縁部に結合され、第4の弾性ストリップの第1の縁部は、主本体の第4の部分に結合される。主本体の第4のシート縁部と第4の部分との間の距離は、第4の弛緩幅よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
例示的な特徴および実装形態が、添付の図面に開示される。しかしながら、本開示は、示された正確な配置および手段に限定されない。
【0081】
【
図1A-1B】一実装形態による、ベッド上の人をベッドの頭端部に向かって移動させるためのデバイスの側面図である。
【
図2A-2C】ベッドのフレームおよびベッドのマットレスの異なる部分に結合された
図1Aおよび1Bのデバイスの平面図である。
【
図3A-3B】別の実装形態による、車椅子の人を車椅子の背もたれ支持体の上部に向かって移動させるためのデバイスの側面図である。
【
図4】別の実装形態による、ベッド上の人をベッドの頭端部に向かって移動させるためのデバイスの斜視図である。
【
図5A-5B】別の実装形態による、ベッド上で人を移動させるためのデバイスの側面図である。
【
図6A-6B】
図5の実装形態による、ベッド上で人を移動させ、寝返りさせるためのデバイスの端面図である。
【
図7A-7B】別の実装形態による、ベッド上で人を移動させるためのデバイスの側面図である。
【
図8A-8B】別の実装形態による、ベッド上で人を移動させるためのデバイスの側面図である。
【
図9A】一実装形態による、
図6Aおよび6Bに示すベッド上で人を移動させるためのデバイスに結合されるシートの斜視図である。
【
図9B-9C】
図9Aのシートの第1の弾性ストリップの詳細図である。
【
図10】別の実装形態による、
図6Aおよび6Bに示すベッド上で人を移動させるためのデバイスに結合されるシートの斜視図である。
【
図11A-11B】
図6Aおよび6Bの実装形態による、
図4に示されるベッド上で人を移動させるためのデバイス、および
図9A~9Cに示されるシートを含む、ベッド上で人を移動させ、寝返りさせるためのデバイスの端面図である。
【
図12A-12B】別の実装形態による、ベッド上で人を移動させ、寝返りさせるためのデバイスの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本明細書に開示されるデバイスは、ベッド、椅子、または他の支持装置内で、人を容易に移動および/または寝返りさせることを可能にする。デバイスは、膨張可能なクッション、回転可能なアーム、またはアクチュエータなどの拡張可能な容積を含む。シートは、デバイスに結合され、拡張可能な容積を越えてベッド、椅子、または他の支持装置上に延在し、それにより、人は、シートの一部分の上に横たわるか、または座ることができる。拡張可能な容積が作動されると、拡張可能な容積は、シートがその上に延在する距離を増加させ、それにより、人を支持するシートの部分がデバイスに向かって引っ張られる。
【0083】
様々な実装形態は、シートを備えた支持装置上で人を移動させるためのデバイスを含む。デバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、シートと、を含む。ベースは、第1の側面と、第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する。ベースは、デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する。拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。シートは、第1の部分と、第1の部分とは反対の、かつ離間された第2の部分と、を有する。第2の部分は、患者を支持するためのものである。シートの第1の部分は、ベースに対して静止している。シートは、第1の部分から、第2の側面上、拡張可能な容積上、および第1の側面上に延在する。第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、ベースの第2の側面からベースの第1の側面へ延在するシートの長さを増加させる。シートを移動させると、支持装置上の人が移動する。
【0084】
様々な他の実装形態は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスを含む。デバイスは、ベースと、拡張可能な容積と、を含む。ベースは、第1の側面と、第1の側面とは反対の、かつ離間された第2の側面と、を有する。ベースは、デバイスを支持装置の一部分に結合するための支持装置結合器を有する。拡張可能な容積は、第1の側面と第2の側面との間のベースの表面上に配置される。拡張可能な容積は、第1の位置から第2の位置に作動可能である。第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、第2の側面から、拡張可能な容積を越えて、第1の側面まで測定される長さを増加させる。
【0085】
様々な他の実装形態は、支持装置上で人を移動させるためのデバイスとともに使用するためのシートを含む。シートは、主本体と、第1の弾性部と、を含む。主本体は、第1のシート縁部と、第1のシート縁部から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、第1の縁部と、第1の縁部から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部と、を有する。第1の弾性ストリップは、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第1の弾性ストリップは、弛緩位置にある第1の弾性ストリップの第1の縁部と第2の縁部との間で測定される第1の弛緩幅をさらに有する。第1の弾性ストリップの第1の縁部は、第1のシート縁部に結合され、第1の弾性ストリップの第2の縁部は、主本体の第1の部分に結合される。主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離は、第1の弛緩幅よりも大きい。
【0086】
図1Aおよび1Bは、支持装置160上で人199を移動させるためのデバイス100を示す。
図1Aおよび1Bに示されている支持装置160は、ベッドフレーム161およびマットレス170を有するベッド160である。しかしながら、他の実装形態では、支持装置は、担架、ストレッチャ、手術台、椅子、車椅子、または人が支持され、あまり好ましくない位置に移動する傾向があり、調整を必要とする任意の装置とすることができる。ベッドフレーム161は、頭端部162と、頭端部162とは反対の、かつ離間された足側端部164と、側端部166、168と、を有する。マットレス170は、ベッドフレーム161の頭端部162に隣接して配置される頭端部172と、マットレス170の頭端部172とは反対側の、かつ離間された足側端部174と、を有する。マットレス170はまた、各々がマットレス170の頭端部172からマットレス170の足側端部174まで延在する2つの側端部176、178を有する。マットレス170は、上面180と、上面180とは反対側の、かつ離間された底面182と、をさらに有する。
【0087】
図1Aおよび1Bに示されているデバイス100は、ベース102、拡張可能な容積130、およびシート140を含む。ベース102は、第1の側面104と、第1の側面104とは反対の、かつ離間された第2の側面106と、を有する。
図1Aおよび1Bに示されているベース102は、剛性材料から製造されるが、他の実装形態では、ベースは、織物や薄い素材などの柔軟な素材から製造される。いくつかの実装形態では、ベースはストラップである。
【0088】
支持装置結合器108は、ベース102の第1の側面104に配置されている。支持装置結合器108は、デバイス100が支持装置160に固定され、デバイス100が使用されるときに支持装置160に対して移動しないように、デバイス100を支持装置160の一部分に結合する。
図1Aおよび1Bに示されている支持装置結合器108は、以下で説明するように、デバイス100をベッドフレーム161の頭端部162に結合するための一対のクランプを含む。しかしながら、他の実装形態では、支持装置結合器は、以下でより詳細に説明するように、ベッドフレーム161の頭端部162の上にしっかりとフィットするスリーブ、ベッドフレーム161の頭端部162の周りにフィットする1つ以上のストラップ、ベッドフレーム161の頭端部162の周りにフィットする1つ以上のラチェットストラップ、1つ以上のフックアンドループストリップ、締結具、ベッドフレーム161の頭端部162に接続する縫合ステッチ、摩擦コーティング、接着剤、またはデバイスが支持装置上で人を移動させているときにデバイスに加えられる力に打ち勝つときにデバイスを支持装置に結合したままにすることができる任意の他の結合器を含む。
【0089】
図1Aおよび1Bのデバイス100の支持装置結合器108は、ベッドフレーム161の頭端部162に結合されている。しかしながら、他の実装形態では、支持装置結合器は、以下に説明するように、ベッドフレームの足側端部、ベッドフレームの側端部、マットレスの頭端部、マットレスの足側端部、マットレスの側端部、またはシートを引っ張ることが所望される方向のベッドフレームまたはマットレスの任意の他の部分に結合される。いくつかの実装形態では、支持装置結合器は、マットレスの底面に結合される。いくつかの実装形態では、デバイスは、支持装置の一部分に結合されない。いくつかの実装形態では、デバイスは、ベッドフレーム、マットレス、または車椅子などの支持装置の一部に一体化される。いくつかの実装形態では、デバイスは、マットレスの底面とベッドフレームの一部分との間に配置される。上述のように、いくつかの実装形態では、支持装置は、担架、ストレッチャ、手術台、椅子、車椅子、または人が支持され、あまり好ましくない位置に移動する傾向があり、調整を必要とする任意の装置とすることができる。
【0090】
拡張可能な容積130は、拡張可能な容積130が第1の位置から第2の位置に作動されたときに、ベース102の第2の側面106から、拡張可能な容積130を越えて、ベース102の第1の側面104まで測定された距離を増加させるカムとして作用する。拡張可能な容積130が第1の位置から第2の位置に作動されると、拡張可能な容積130は、シート140とベース102との間の空間の容積を増加させ、その結果、ベース102の第2の側面106から、拡張可能な容積130を越えて、ベース102の第1の側面104までの距離が増加する。したがって、拡張可能な容積130は、シート140がベース102の周りを移動するためのより長い距離を作り出すカムとして作用する。
図1Aおよび1Bに示されている拡張可能な容積130は、ベース102の第1の側面104とベース102の第2の側面106との間で、デバイス100のベース102の外側に面する表面上に配置される。拡張可能な容積130は、1つ以上の縫い目、ボタン、ジッパー、接着剤、または締結具など、拡張可能な容積130をベース102に対して静止状態に保持することができる任意の方法で、デバイス100のベース102に結合することができる。
図1Aおよび1Bの例示された実装形態に示されている拡張可能な容積130は、膨張可能なクッションである。拡張可能な容積130は、膨張可能なクッションが収縮状態にある第1の位置(
図1Aに示される)と、クッションが完全に膨張される第2の位置(
図1Bに示される)との間で作動可能である。しかしながら、他の実装形態では、第1の位置および第2の位置は、拡張可能な容積で可能な任意の他の拡張状態である。
図1Aおよび1Bに示される拡張可能な容積130は、ベース102の外側に面する表面上に配置されるが、他の実装形態では、拡張可能な容積は、ベースの内側に面する表面上に配置される。
【0091】
デバイス100はまた、膨張可能なクッションを第1の位置から第2の位置に作動させるための電気ポンピングデバイス136を含むことができる。
図1Aおよび1Bのポンピングデバイス136は、膨張可能なクッションの外部に配置された電動空気圧縮機である。ポンピングデバイス136は、支持装置160上に配置された人199を妨害する騒音および振動を制限するために、拡張可能な容積130の外部に配置される。しかしながら、他の実装形態では、ポンピングデバイスは、ベース上に配置されるか、支持装置160上または内部に配置されるか、または拡張可能な容積上または内部に配置される。いくつかの実装形態では、ポンプは、手動ポンプである。
【0092】
図7Aおよび7Bは、回転可能なアームである拡張可能な容積730を含むデバイス700の実装形態を示す。回転可能なアームは、シャフト731およびアーム732を含む。デバイスはまた、アーム732が第2の側面706(
図7Aに示す)に垂直である第1の位置から、アーム732が第2の側面706(
図7Bに示す)に平行である第2の位置まで回転可能なアームを回転させるためにシャフト731に結合されたモータ726を含む。拡張可能な容積730が第1の位置から第2の位置に作動されると、ベース702の第2の側面706から、拡張可能な容積730を越えて、ベース702の第1の側面704まで測定される距離が増加する。したがって、シート740の第2の部分744は、拡張可能な容積730が第1の位置から第2の位置に作動されると、ベース702に近づくように移動される。
図7Aおよび7Bは、拡張可能な容積730を作動させるための電気モータ726を示しているが、いくつかの実装形態では、回転可能なアームのシャフトは、拡張可能なデバイスを第1の位置から第2の位置に作動させるためのハンドルを含む。
【0093】
図8Aおよび8Bは、伸縮アームである拡張可能な容積830を含むデバイス800の実装形態を示す。伸縮アームは、シリンダ本体831と、ピストンロッド832と、を含む。このデバイスはまた、シリンダ本体831に結合され、空気をシリンダ本体831に導入して、ピストンロッド832を、ピストンロッド832がベース802(
図8Aに示す)に向かって後退する第1の位置から、ピストンロッド832がベース802(
図8Bに示す)から離れるように延在する第2の位置まで作動させるポンプ836を含む。拡張可能な容積830が第1の位置から第2の位置に作動されると、ベース802の第2の側面806から、拡張可能な容積830を越えて、ベース802の第1の側面804まで測定される距離が増加する。したがって、シート840の第2の部分844は、拡張可能な容積830が第1の位置から第2の位置に作動されると、ベース802に近づくように移動される。いくつかの実装形態では、ポンプは、手動ポンプである。
【0094】
図1Aおよび1Bに示されているデバイス100はまた、シート140を含む。シート140は、第1の部分142と、第1の部分142とは反対側の、かつ離間された第2の部分144と、を有する。シート140の第1の部分142は、清掃または廃棄のためにシート140をデバイス100から取り外すことができるように、ベース102に取り外し可能に結合される。シート140の第1の部分142は、人199が動いても、デバイス100のベース102に対して静止したままである。シート140は、それが結合される第1の部分142から、ベース102の第2の側面106上、拡張可能な容積130上、およびベース102の第1の側面104上に延在する。シート140は、シート140の第2の部分144が人199の下にあり、人199を支持するように、マットレス170の上面180の上に延在し続ける。シート140は、使い捨て可能であるように、ベース102から結合解除可能である。例えば、シート140の第1の部分142は、クランプによってベース102に結合される。しかしながら、他の実装形態では、シートの第1の部分は、以下でより詳細に論じるように、シートが支持装置上で人を移動させているときにシートに加えられる力に打ち勝つときに、シートをデバイスに結合したままにすることができる、フックアンドループ、ジッパー、接着剤、または任意の他の結合器を含む1つ以上の締結具によってベースに結合される。いくつかの実装形態では、シートの第1の部分は、シートの第1の部分がデバイスに対して静止したままであるように、支持装置の一部分に結合される。いくつかの実装形態では、シートは、デバイスまたは支持装置に永久的に結合される。
【0095】
デバイス100はまた、拡張可能な容積130の位置を決定するためにベース102に結合されたセンサ126を含む。
図1Aおよび1Bに示されているセンサ126は、超音波距離センサであり、タブ128は、センサ126がセンサ126とタブ128との間の距離を測定することができるように、拡張可能な容積130から延在する。他の実装形態では、センサは、赤外線センサ、誘導センサ、容量センサ、光電センサ、または拡張可能な容積が第1の位置から第2の位置に、またはその逆に作動されたときに拡張可能な容積の一部分の変位の距離を測定することができる任意の他の距離センサなど、任意の他の距離センサとすることができる。他の実装形態では、センサは、回転エンコーダなどの角度センサであり、センサは、回転シャフト(
図7Aおよび7Bに示すシャフト731など)またはヒンジ(
図5Aおよび5Bに示す)に結合される。他の実装形態では、センサは、膨張可能なクッションまたはリニアアクチュエータタイプの拡張可能な容積内に少なくとも部分的に配置された圧力センサである。
【0096】
使用時には、拡張可能な容積130は、第1の位置で始まる。人199を支持装置160上でデバイス100の方向に動かす必要があるとき、ポンピングデバイス136に動力を供給して、加圧空気を、導管137を通して拡張可能な容積130内に導入する。拡張可能な容積130が膨張すると、拡張可能な容積130は、第2の位置に移動する。拡張可能な容積130が第1の位置から第2の位置に作動されると、ベース102の第2の側面106からベース102の第1の側面104まで延在するシート140の長さは、シート140の第2の部分144が第1の位置よりも第2の位置でデバイス100のベース102に近づくように増加される。言い換えれば、ベース102の第2の側面106から、拡張可能な容積130を越えて、ベース102の第1の側面104まで測定された長さは、デバイスが第1の位置から第2の位置まで作動されるにつれて増加する。拡張可能な容積130が第1の位置から第2の位置に作動されると、シート140の第2の部分144がデバイス100のベース102に近づくように移動するので、シート140の第2の部分144によって支持された人199もまた、人199がベッドフレーム161の頭端部162およびマットレス170の頭端部172に向かって押し上げられるように、デバイス100に向かって移動する。
【0097】
人199が支持装置160内の所望の位置に移動すると、拡張可能な容積130が第2の位置から第1の位置に戻るように作動される。
図1Aおよび1Bに示すデバイス100の場合、第2の位置から第1の位置への拡張可能な容積130の作動は、膨張可能なクッション内の加圧空気が膨張可能なクッションから流出することができるように、膨張可能なクッション内の圧力を解放することを含む。しかしながら、他の実装形態では、ポンピングデバイスは逆転可能であり、ポンピングデバイス136は、膨張可能なクッションから空気を吸引するために逆に作動され得る。患者の腰がマットレスのヒンジとほぼ整列し、人199、シート140、およびマットレス170の間に十分な摩擦がある場合、人199は、拡張可能な容積130が第2の位置から第1の位置に戻るように作動されたときに、デバイス100から離れるようにすぐにはスライドしない。
図1Aおよび1Bに示されているデバイス100のシート140は、ベース102の第2の側面106から、拡張可能な容積130を越えて、ベース102の第1の側面104まで延在しているが、いくつかの実装形態では、シートは、ベースの第2の側面から拡張可能な容積上に延在するだけであり、人に向かっておよび人の下に延在する前にベースの第1の側面まで延在しない。これらの実装形態では、第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積の作動は、ベースの第2の側面から、シートがもはや拡張可能な容積に接触しない拡張可能な容積上の点まで測定されるように、シートの長さを増加させる。
【0098】
デバイス100は、シート140の第1の部分142と、シート140の第1の部分142が結合されるベース102の部分との間に歪みゲージ139を含む。いくつかの実装形態では、歪みゲージ139は、シート140の一部分に一体化される。人199が支持装置160内の所望の位置に移動され、拡張可能な容積130が第2の位置から第1の位置に戻るように作動されると、人199がマットレス170上でそれ以上移動しないように、人199の後部がマットレス170上に配置されるまで、重力によって人199がマットレス170をスライドして戻ることが望ましい。この位置では、ベッド160の膝部分が適切に持ち上げられると、人199の腰は、マットレス170上のベッド160のヒンジとほぼ一致し、マットレス170上の患者の身体全体にわたる圧力の再分配を容易にする。患者は、シート140の摩擦によって人199が支持されるような所望の位置から外れているのではなく、所望の位置にいるので、シート140がデバイス100に向かって移動されるとき、人199は、マットレス170上をすぐにさらに移動したり、スライドしたりすることはない。しかしながら、状況によっては、拡張可能な容積130が第2の位置から第1の位置に戻るように作動されるときに、重力によって人199がマットレス上をスライドしてこの所望の位置まで行かないことがあり、シート140と人199との間の摩擦によって、人199が所望の休止位置に移動することが妨げられることがある。経時的に、シート140が人199を保持するときにシート140の摩擦によって人199の背中に加えられる力は、床ずれを引き起こす可能性がある。圧力計139は、シート140にかかる歪みを測定するように構成されている。デバイス100は、歪みゲージ139によって測定された歪みが、シート140の摩擦が人199の望ましくない量の体重を保持していることを示す、所定の量よりも大きい場合に、補助者に警告するように構成される。したがって、所望の位置にいる人199がシート140にかける歪みは、所定の歪み量よりも小さい。
【0099】
いくつかの実装形態では、歪みゲージ139は、シート140上の歪みを測定するように構成され、シート140上の歪みが所定の歪み量を超えると、歪みゲージ139は、拡張可能な容積130を第1の位置から第2の位置に移動させるための信号を送信して、支持装置160内の人199を押し上げる。上述したように、拡張可能な容積130が、人199が所望の位置にいるように第2の位置から第1の位置に移動すると、歪みゲージ139は、シート140上の歪みを所定の量よりも小さく測定する。経時的に、人199は、支持装置160上をスライドし、シート140に付加的な歪みを加えることができる。人199が、シート140上の歪みが所定の量を超えるように支持装置160上で十分に遠くに移動すると、歪みゲージ139が信号を送り、拡張可能な容積130を第1の位置から第2の位置に移動させて人199を押し上げる。
【0100】
図1Aおよび1Bに示されているシート140は、人199に接触するための第1の側面146と、マットレス170に接触するための第1の側面146の反対側の第2の側面148と、を有する。シート140の第1の側面146は、シート140の第1の側面146と人199の皮膚との間の関係が第1の摩擦係数を有するように製造され、シート140の第2の側面148は、シート140の第2の側面148とマットレス170との間の関係が第2の摩擦係数を有するように製造される。上述したように、人199が支持装置160上で移動されると、拡張可能な容積130は、第2の位置から第1の位置に戻るように作動され、これにより、デバイス100と人199との間のシート140の張力が解放される。人199とシート140との間の摩擦、およびシート140とマットレス170との間の摩擦は、人199が人199の前の位置(すなわち、デバイス100から離れた位置)に最初にスライドして戻るのを防止することができる。いくつかの実装形態では、第2のシート(フィットシートなど)をシートとマットレスとの間に配置して、シートとベッドとの間に一貫した摩擦を提供することができる。
【0101】
経時的に人199が支持装置160内を移動すると、人199は、支持装置160上をデバイス100から離れるようにスライドし始める可能性がある。人199を移動させるためのデバイス100の繰り返しの使用のために、シート140に対する人199の低い動きが望ましく、その結果、第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積130のその後の作動は、人199の下でシート140を再配置する必要なく、人199を支持装置160上の同じ位置に戻す。このように、
図1Aおよび1Bに示すシートについては、シート140の第1の側面146と人199の皮膚との間の第1の摩擦係数は、シート140の第2の側面148とマットレス170との間の第2の摩擦係数よりも高く、シート140は、人199がシート140に沿ってスライドするのではなく、マットレス170に沿ってスライドする。
図1Aおよび1Bに示されているシート140は、0.46の第1の摩擦係数および0.33の第2の摩擦係数を有する。しかしながら、他の実装形態では、第1の摩擦係数は、第2の摩擦係数よりも大きい任意の値とすることができる。いくつかの実装形態では、第2の摩擦係数は、0.20~0.50である。いくつかの実装形態では、第2の摩擦係数は、0.30~0.35である。
【0102】
図2A~2Cは、デバイス200の支持装置結合器208をベッド260の異なる部分に結合することができる様々な方法の上面図を示す。
図2Aは、ベッド260のマットレス270の頭端部272に結合された支持装置結合器208を示す。
図2Bは、ベッド260のマットレス270の側端部276に結合された支持装置結合器208を示す。
図2Cは、ベッド260のフレームの側端部266に結合された支持装置結合器208を示す。
【0103】
図3Aおよび3Bは、
図1に示されたデバイス100と同様のデバイス300を示すが、
図3Aおよび
図3Bのデバイス300が結合されている支持装置390は、車椅子390である。
図3Aおよび3Bに示されている支持装置結合器308は、シート340が背もたれ支持体392の上端394の上に延在し、シート340の第2の部分344が人399の後部を支持するように、車椅子390の背もたれ支持体392に結合される。使用時には、拡張可能な容積330を第1の位置(
図3Aに示す)から第2の位置(
図3Bに示す)に作動させると、シート340の第2の部分344がデバイス300に向かって移動し、人399の後部が背もたれ支持体392に向かって移動し、人399の背もたれが車椅子390の背もたれ支持体392の上端394に向かって移動する。
【0104】
図4は、
図1に示すデバイス100と同様のデバイス400を示すが、シート440は、
図4に示すデバイス400のベース402に直接結合されていない。代わりに、デバイス400のベース402は、シート440をデバイス400に結合するためのシート結合器450を含む。シート結合器450は、ベース402に結合された第1のウェブアセンブリ部分452と、シート440をベース402に貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分454と、を有する、ウェブアセンブリを含む。
図4のウェブアセンブリは、ベース402の第2の側面406上、拡張可能な容積430上、およびベース402の第1の側面404上に延在する2つのストラップを含む。第2のウェブアセンブリ部分454は、シート440の第1の部分442に結合され、シート440の第2の部分444は、人499(図示せず)を支持している。ウェブアセンブリは、シート440の延長部として機能し、デバイス400が標準サイズのシート440を使用し、
図1に示すデバイス100に関して上述したのと同じ方法で動作することを可能にする。いくつかの実装形態では、第2のウェブアセンブリ部分は、人が着用する衣類に結合され、拡張可能な容積の作動は、衣類および人をデバイスに向かって移動させる。
【0105】
図5Aおよび5Bは、デバイス500の別の実装形態を示す。
図5Aおよび5Bに示すデバイス500は、
図1~4に示すデバイス200、300、400と同様であるが、
図5Aおよび5Bに示されているデバイス500のベース502は、第1のベース部分510と第2のベース部分520との間に配置された拡張可能な容積530を有する第2のベース部分520に回転可能に結合された第1のベース部分510を含む。デバイス500の第1のベース部分510は、第1の端部512および第2の端部514を有し、支持装置結合器508を含む。第2のベース部分520はまた、第1の端部522および第2の端部524を有する。第2のベース部分520の第1の端部522は、第1のベース部分510の第1の端部512に旋回可能に結合される。拡張可能な容積530は、第1の位置から第2の位置に作動するときに、第2のベース部分520が第1のベース部分510に対して旋回するように、第1のベース部分510と第2のベース部分520との間に配置される。
図5Aおよび5Bに示されているデバイス500の第1のベース部分510および第2のベース部分520は、ヒンジによって旋回可能に結合されるが、他の実装形態では、第1のベース部分および第2のベース部分は、動作中にベースに加えられる力に耐えながら、第1のベース部分および第2のベース部分が互いに対して旋回することを可能にすることができる任意のリンク機構によって旋回可能に結合される。
【0106】
デバイス500の第1のベース部分510は、第1の側面504を含み、第2のベース部分520は、第2の側面506を含む。
図5Aおよび5Bのデバイス500に含まれるシート540は、第2のベース部分520の第2の側面506上、拡張可能な容積530上、および第1のベース部分510の第1の側面504上に延在する。この実装形態では、シート540は、拡張可能な容積530上に延在するが、
図5のシート540は、第1の位置または第2の位置のいずれにおいても拡張可能な容積530に接触しない。しかしながら、いくつかの実装形態では、シートは、第1の位置、第2の位置、またはその両方で拡張可能な容積に接触する。第1のベース部分と第2のベース部分とを含むことにより、第1のベース部分と第2のベース部分との間に配置された拡張可能な容積が、
図1~4に示されたデバイスの他の実装形態におけるよりも、より均一に、したがってより予測可能に拡張することが可能になる。この構成はまた、デバイス500が、支持装置560上の異なる位置に、および支持装置560に対して異なる角度で取り付けられることを可能にする。
【0107】
拡張可能な容積530が、第1の位置(
図5Aに示される)から第2の位置(
図5Bに示される)に作動されると、拡張可能な容積530は、第2のベース部分520の第1の端部522において第2のベース部分520を第1のベース部分510に対して旋回させ、第2の側面506から、拡張可能な容積530を越えて、第1の側面504まで測定されるシート540の部分の長さを増加させる。シート540のこの部分の長さの増加のために、シート540の第2の部分544、およびシート540の第2の部分544によって支持された人599は、デバイス500に近づくように移動される。
【0108】
図6Aおよび6Bは、
図5Aおよび5Bに示される同じデバイス500を示すが、
図6Aおよび6Bでは、デバイス500は、ベッド560のマットレス570の側端部576に配置され、人599が容易に横になることができるようにする。
図6Aに見られるように、ある人599は幅が広すぎ、ベッド560は幅が狭すぎて、快適な方法で人599を真横にさせることができない。したがって、人599を横向きにするのに十分な空間を有するために、人599は、マットレス570の反対側の端部576、578の方向に向きを変える前に、またはそれと同時に、マットレス570の側端部576、578の一方に向かって移動されなければならない。
【0109】
図6Aおよび6Bに示されているデバイス500は、デバイス500の第2のベース部分520がマットレス570の底面582と接触するように、マットレス570とベッドフレームとの間でマットレス570の底面582に隣接して配置される。
図6Aおよび6Bに示されているデバイス500の支持装置結合器508は、第1のベース部分510および第2のベース部分520の外面上に配置された摩擦コーティングである。マットレス570の底面582とデバイス500との間の摩擦、およびベッドフレーム561とデバイス500との間の摩擦は、デバイス500をベッド560に結合するのに十分である。しかしながら、他の実装形態では、支持装置結合器は、ベッドフレームの側端部の上にしっかりとフィットするスリーブ、ベッドフレームの側端部の周りにフィットする1つ以上のストラップ、ベッドフレームの側端部の周りにフィットする1つ以上のラチェットストラップ、1つ以上のフックアンドループストリップ、締結具、ベッドフレームの側端部に接続する縫合ステッチ、摩擦コーティング、接着剤、またはデバイスが支持装置上で人を移動させているときにデバイスに加えられる力に打ち勝つときにデバイスを支持装置に結合したままにすることができる任意の他の結合器を含む。いくつかの実装形態では、支持装置結合器は、ベッドのマットレスに結合されるか、またはそれと一体化される。
図5Aおよび5Bに関して説明したように、デバイス500の拡張可能な容積530が、第1の位置(
図6Aに示される)から第2の位置(
図6Bに示される)に作動されるとき、デバイス500は、シート540の第2の部分544を、デバイス500が位置するマットレス570の側端部576に向かって移動させる。しかしながら、デバイス500は、マットレス570の底面582に配置されているので、第1の位置から第2の位置への拡張可能な容積530の作動は、デバイス500の真上に配置されたマットレス570の側端部576部分を持ち上げる。したがって、デバイス500がマットレス570の側端部576をベッドフレームに対して上昇させ、マットレス570に傾斜を生じさせると、シート540の第2の部分544は、マットレス570の傾斜を、デバイス500が配置されるマットレス570の側端部576に向かって上昇させる。シート540の第2の部分544が人599を支持しているので、人599は、マットレス570の傾斜した側端部576を上に移動する。人599がマットレス570の側端部576に向かって移動されると、人599をマットレス570の他方の側端部578に向かって寝返りさせるのに十分な空間が存在する。人599は、マットレス570の傾斜部分上に移動されているので、人599を容易に横向きにすることができる。
【0110】
図6Aおよび6Bは、拡張可能な容積530の周りに蝶番式に結合された第1のベース510および第2のベース520を有するデバイス500を示しているが、他の実装形態では、拡張可能な容積は、
図1Aおよび1Bに示されるデバイス100の拡張可能な容積130のような単一のベースのみを有する。このようなデバイスは、デバイスの拡張可能な容積がマットレスの底面と接触するように、マットレスとベッドフレームとの間のマットレスの底面に隣接して配置することができる。
【0111】
図9A~9Cは、
図6Aおよび6Bに示される支持装置上で人を移動させるためのデバイス500とともに使用するためのシート900を示す。シート900は、主本体910と、第1の弾性ストリップ930と、第2の弾性ストリップ950と、を有する。弾性ストリップ930、950は、シート900の側面に沿って配置され、デバイス500が第1の位置から第2の位置に作動されると、シート900が拡張することを可能にする。デバイス500が第2の位置から第1の位置に戻るように作動されると、弾性的な弾性ストリップ930、950は、シート900の主本体910を弛緩位置に戻し、シート900をベッド560の一方の側にシフトさせたままにするのではなく、シート900を元の位置に戻す。
【0112】
シート900の主本体910は、第1のシート縁部912と、第1のシート縁部912から離間し、かつそれとは反対の第2のシート縁部914と、を有する。第1のシート縁部912および第2のシート縁部914は、ベッド560の側端部576、578に隣接して配置されるように構成される。
【0113】
シート900の主本体910は、主本体910の縁部912、914に沿って延在する、ジッパーの半分として
図9Aに示される結合器940を含む。主本体910の結合器940は、シート900の主本体910が、ベッド560のフレーム561に貼り付けられたジッパーの別の半分に結合され得るように構成される。
図9Aに示される結合器940はジッパーであるが、他の実装形態では、結合器は、フックアンドループ、接着剤、ボタン/ループ、ストラップ、または第1のシート縁部および第2のシート縁部の主本体をベッドフレームに対して静止状態に保つことができる任意の他の結合デバイスを含む、1つ以上の締結具によるものである。いくつかの実装形態では、第1のシート縁部および第2のシート縁部のみが結合器を含む。
図9A~9Cの結合器940は、ベッド560のフレーム561の一部分に結合されて示されているが、他の実装形態では、結合器は、主本体の縁部が第1および第2の弾性ストリップに対して静止するように、デバイス、マットレス、支持装置、または任意の他の物体の少なくとも一部分に結合される。
【0114】
第1の弾性ストリップ930は、第1の縁部932と、第1の縁部932から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部934と、を有し、第2の弾性ストリップ950は、第1の縁部952と、第1の縁部952から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部954と、を有する。第1および第2の弾性ストリップ930、950は、スパンデックスから作製されるが、他の実装形態では、第1および第2の弾性ストリップは、任意の弾性ファブリックから作製される。第1および第2の弾性ストリップ930、950は、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第1の弾性ストリップ930の第1の縁部932は、第1のシート縁部912に結合され、第1の弾性ストリップ930の第2の縁部934は、主本体910の第1の部分922に結合される。同様に、第2の弾性ストリップ950の第2の縁部954は、第2のシート縁部914に結合され、第2の弾性ストリップ950の第1の縁部952は、主本体910の第2の部分924に結合される。
【0115】
第1の弾性ストリップ930が(
図9Bに示すように)弛緩位置にあるとき、第1の弾性ストリップ930の第1の縁部932と第2の縁部934との間で測定される第1の弛緩幅936は、主本体910の第1のシート縁部912と第1の部分922との間の距離よりも小さい。第1の弾性ストリップ930が(
図9Cに示すように)延長位置にあるとき、第1の弾性ストリップ930の第1の縁部932と第2の縁部934との間で測定される第1の延長幅938は、主本体910の第1のシート縁部912と第1の部分922との間の距離に等しく、その結果、シート900の主本体910は、第1の弾性ストリップ930が第1の延長位置を超えて付勢されることを防止する。同様に、第2の弾性ストリップ950が弛緩位置にあるとき、第2の弾性ストリップ950の第1の縁部952と第2の縁部954との間で測定される第2の弛緩幅956は、主本体910の第2のシート縁部914と第2の部分924との間の距離よりも小さい。第2の弾性ストリップ950が延長位置にあるとき、第2の弾性ストリップ950の第1の縁部952と第2の縁部954との間で測定される第2の延長幅958は、主本体910の第2のシート縁部914と第2の部分924との間の距離に等しく、その結果、シート900の主本体910は、第2の弾性ストリップ950が第2の延長位置を超えて付勢されることを防止する。
【0116】
図9Bおよび9Cにおいて、主本体910の第1のシート縁部912と第1の部分922との間の距離は、第1の弾性ストリップ930の第1の弛緩幅936の2倍であり、主本体910の第2のシート縁部914と第2の部分924との間の距離は、第2の弾性ストリップ950の第2の弛緩幅956の2倍である。しかしながら、他の実装形態では、主本体の第1のシート縁部と第1の部分との間の距離に対する第1の弛緩幅の相対幅、および主本体の第2のシート縁部と第2の部分との間の距離に対する第2の弛緩幅の相対幅は、デバイスが第1の位置から第2の位置に移動するときにシートが延在することができるように、任意の所望の比率とすることができる。
【0117】
図10は、
図9A~9Cに示されるシート900の第1の弾性ストリップ930および第2の弾性ストリップ950と同様の第1の弾性ストリップ1030および第2の弾性ストリップ1050を含むシート1000を示す。しかしながら、
図10に示されるシート1000は、第3の弾性ストリップ1070および第4の弾性ストリップ1090をさらに含む。シート1000は、
図9A~9Cに示されるシート900と同様の特徴を含むので、シート1000の特徴は、同様の参照番号を使用して示されている。
【0118】
第3の弾性ストリップ1070は、第1の縁部1072と、第1の縁部1072から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部1074と、を有し、第4の弾性ストリップ1090は、第1の縁部1092と、第1の縁部1092から離間し、かつそれとは反対の第2の縁部1094と、を有する。第3および第4の弾性ストリップ1070、1090は、スパンデックスから作製されるが、他の実装形態では、第3および第4の弾性ストリップは、任意の弾性ファブリックから作製される。第3および第4の弾性ストリップ1070、1090は、弛緩位置に向かって弾性的に偏倚され、延長位置に付勢可能である。第3の弾性ストリップ1070の第1の縁部1072は、第3のシート縁部1016に結合され、第3の弾性ストリップ1070の第2の縁部1074は、主本体1010の第3の部分1026に結合される。同様に、第4の弾性ストリップ1090の第2の縁部1094は、第4のシート縁部1018に結合され、第4の弾性ストリップ1090の第1の縁部1092は、主本体1010の第4の部分1028に結合される。
【0119】
第1または第2の弾性ストリップ1030、1050が延長位置に付勢されると、第3および第4の弾性ストリップ1070、1090は、第3のシート縁部1016または第4のシート縁部1018がしわになることなく、シート1000の主本体1010がベッド560の側面に向かってシフトすることを可能にするように延長することができる。
【0120】
図9A~9Cに示されるシート900と、
図10に示されるシート1000の両方で、フィットシートをシート900、1000の上に配置して、人とシート900、1000との間の保護層として作用させることができる。フィットシートは、本明細書に開示されたデバイスがマットレス570および/またはシート900、1000を移動させるように作動されたときに、フィットシートをマットレス570および/またはベッド560上に固定するために、周囲に引き紐を含むことができる。しかしながら、周囲に弾性を有する標準的なフィットシートを使用することもできる。
【0121】
図11Aおよび11Bは、
図6Aおよび6Bに示されるデバイス500のうちの2つが、
図9Aおよび9Cに示されるシート900、ならびに
図4に示されるデバイス400のうちの2つとともに使用される様子を示す。デバイス500の1つは、デバイス500の第2のベース部分520がマットレス570の底面582と接触するように、マットレス570とベッドフレーム561との間でマットレス570の側端部576の底面582に隣接して配置される。他方のデバイス500は、デバイス500の第2のベース520がマットレス570の底面582と接触するように、マットレス570とベッドフレーム561との間のマットレス570の側端部578の底面582に隣接して配置される。しかしながら、シート900の第1および第2のシート縁部912、914は、
図6Aおよび6Bに示すようなデバイス500、または
図9A~9Cに示すようなベッドフレーム561に結合されていない。
図11Aおよび11Bにおいて、シート900の第1および第2のシート縁部912、914は、シート結合器450を介して2つのデバイス400に結合される。
【0122】
図4に詳細に示すように、シート結合器450は、各々、ベース402に結合された第1のウェブアセンブリ部分452と、シート900をベース402に貼り付けるための第2のウェブアセンブリ部分454と、を有する、ウェブアセンブリを含む。
図11Aおよび11Bのウェブアセンブリは、ベース402の第2の側面406上、拡張可能な容積430上、およびベース402の第1の側面404上に延在する複数のストラップを含む。第2のウェブアセンブリ部分454は、シート900の第1のシート縁部912に結合される。
【0123】
シート900は、第1および第2の弾性ストリップ930、950を含むので、
図11Aおよび11Bに示されるように、デバイス500のうちの1つが第1の位置から第2の位置に作動されるとき、シート900は、
図9Bおよび9Cに示されるように、拡張位置に付勢される。通常、デバイスが作動されるときにシート900を引っ張るのではなく、シート900は伸張することができ、主本体910は、マットレス570に対して静止したままである。しかしながら、マットレス570の側端部576に隣接して結合されたデバイス400は、デバイス500の作動と同時に第1の位置から第2の位置に作動されると、デバイス400が第1のシート縁部912を引っ張ってシート900の第1の弾性ストリップ930によって作り出されたあらゆる弛みを除去するように、シート900の第1のシート縁部912に結合される。しかしながら、第2の弾性ストリップ950は、シート900の主本体910がベッド560内で人599をスライドさせることができるように、シート900の反対側の縁部に弛みを作り出すように依然として拡張することができる。
【0124】
図11Aおよび11Bは、マットレス570の一部分を持ち上げるためのデバイス500を含み、他の実装形態は、マットレスの一部分を持ち上げるために、本明細書に開示される支持装置上で人を移動させるための任意の他のデバイスを含む。
図11Aおよび11Bは、シート900を引っ張るためのデバイス400を含み、他の実装形態は、シートを引っ張るために本明細書に開示される支持装置上で人を移動させるための任意の他のデバイスを含む。いくつかの実装形態では、シート900を引っ張るためにデバイス400を使用するのではなく、モータに回転可能に結合されたローラを含めて、シートをローラの周りに巻き付けてシートを引っ張ることができる。
図11Aおよび11Bは、シート900を含んでいるが、他の実装形態は、
図10に開示されたシート1000を含むことができる。
【0125】
図12Aおよび12Bは、ベッド1260のマットレス1270の側端部1276に配置して、人1299を容易に横向きにできるようにするためのデバイス1200の実装形態を示す。
図12Aに見られるように、ある人1299は幅が広すぎ、ベッド1260は幅が狭すぎて、快適な方法で人1299を真横にさせることができない。したがって、人1299を横向きにするのに十分な空間を有するために、人1299は、マットレス1270の反対側の端部1276、1278の方向に向きを変える前に、またはそれと同時に、マットレス1270の側端部1276、1278の一方に向かって移動されなければならない。
【0126】
デバイス1200は、ベース1202と、3つの拡張可能な容積1230と、を含む。
図12Aおよび12Bに示されているベース1202は、可撓性織物材料から製造されたストラップであるが、他の実装形態では、ベースは、薄い材料または剛性材料などの任意の他の可撓性材料から製造される。シート1240の第1の部分1242は、ベース1202に結合され、シート1240の第2の部分1244は、マットレス1270の側端部1276およびマットレス1270の上部の上に巻き付けられる。
【0127】
支持装置結合器1208は、ベース1202に結合されている。支持装置結合器1208は、デバイス1200がベッド1260に固定され、デバイス1200が使用されるときにベッド1260に対して移動しないように、デバイス1200をベッド1260の一部分に結合する。
図12Aおよび12Bに示されている支持装置結合器1208は、以下に論じるように、ベッドフレーム1261の周りにデバイス1200を結合するためのストラップを含む。しかしながら、他の実装形態では、支持装置結合器は、以下でより詳細に論じるように、ベッドフレームの頭端部の上にしっかりとフィットするスリーブ、1つ以上のクランプ、ベッドフレームの頭端部の周りにフィットする1つ以上のラチェットストラップ、1つ以上のフックアンドループストリップ、締結具、ベッドフレームの頭端部に接続する縫合ステッチ、摩擦コーティング、接着剤、またはデバイスが支持装置上で人を移動させ、マットレスの一部分を持ち上げているときにデバイスに加えられる力に打ち勝つときにデバイスを支持装置に結合したままにすることができる任意の他の結合器を含む。
【0128】
デバイス1200は、内側拡張可能な容積1230'、外側拡張可能な容積1230''、および中間拡張可能な容積1230'''を含む。
【0129】
内側拡張可能な容積1230'は、デバイス1200の内側拡張可能な容積1230'がマットレス1270の底面1282と接触するように、マットレス1270とベッドフレーム1261との間のマットレス1270の底面1282の間に配置される。デバイス1200の内側拡張可能な容積1230'が、第1の位置(
図12Aに示される)から第2の位置(
図12Bに示される)に作動されると、デバイス1200の内側拡張可能な容積1230'は、シート1240の第2の部分1244を、デバイス1200が位置するマットレス1270の側端部1276に向かって移動させる。しかしながら、デバイス1200は、マットレス1270の底面1282に配置されているので、第1の位置から第2の位置への内側拡張可能な容積1230'の作動は、デバイス1200の真上に配置されたマットレス1270の側端部1276部分を持ち上げる。したがって、デバイス1200の内側拡張可能な容積1230'が、マットレス1270の側端1276をベッドフレーム1261に対して上昇させ、マットレス1270に傾斜を生じさせると、シート1240の第2の部分1244は、マットレス1270の傾斜を、デバイス1200が配置されるマットレス1270の側端1276に向かって上昇させる。シート1240の第2の部分1244が人1299を支持しているので、人1299は、マットレス1270の傾斜した側端部1276を上に移動する。
【0130】
外側拡張可能な容積1230''は、外側拡張可能な容積1230''が第1の位置(
図12Aに示される)から第2の位置(
図12Bに示される)に作動されるとき、ベース1202から、外側拡張可能な容積1230''を越えて、外側拡張可能な容積1230''の一部分1232''まで測定される距離を増加させるカムとして作用する。外側拡張可能な容積1230''が第1の位置から第2の位置に作動されると、外側拡張可能な容積1230''は、ベース1202から、外側拡張可能な容積1230''を越えて、外側拡張可能な容積1230''の一部分1232''まで測定される距離が増加するように、シート1240とベース1202との間の空間の容積を増大させる。したがって、外側拡張可能な容積1230''は、シート1240が外側拡張可能な容積1230''の周りを移動するためのより長い距離を作り出すカムとして作用する。外側拡張可能な容積1230''は、1つ以上の縫い目、ボタン、ジッパー、接着剤、または締結具など、外側拡張可能な容積1230''をベース1202に対して静止状態に保持することができる任意の方法で、デバイス1200のベース1202に結合することができる。
図12Aおよび12Bの例示された実装形態に示されている外側拡張可能な容積1230''は、膨張可能なクッションである。外側拡張可能な容積1230''は、膨張可能なクッションが収縮状態にある第1の位置(
図12Aに示される)と、クッションが完全に膨張される第2の位置(
図12Bに示される)との間で作動可能である。しかしながら、他の実装形態では、第1の位置および第2の位置は、外側拡張可能な容積で可能な任意の他の拡張状態である。外側拡張可能な容積1230''が第1の位置から第2の位置に作動すると、デバイス1200は、シート1240の第2の部分1244を、内側拡張可能な容積1230'がマットレス1270の側端部1276を持ち上げるときにデバイス1200が位置するマットレス1270の側端部1276に向かってさらに移動させる。
【0131】
中間拡張可能な容積1230'''は、内側拡張可能な容積1230'と外側拡張可能な容積1230''との間でベース1202に結合され、それらの間に配置されている。デバイス1200の中間拡張可能な容積1230'''が第1の位置(
図12Aに示す)から第2の位置(
図12Bに示す)に作動されると、中間拡張可能な容積1230'''は、内側拡張可能な容積1230'および外側拡張可能な容積1230''に圧力を加えて、それらを所望の位置に押し込む。中間拡張可能な容積1230'''はマットレス1270の下に配置されているので、中間拡張可能な容積1230'''はまた、デバイス1200の真上に配置されたマットレス1270の側端部1276部分をさらに持ち上げるのに役立つ。
【0132】
図12Aおよび12Bに示されている内側拡張可能な容積1230'、外側拡張可能な容積1230''、および中間拡張可能な容積1230'''は、第1の位置から第2の位置に同時に作動されていることが示されているが、いくつかの実装形態では、内側拡張可能な容積、外側拡張可能な容積、および中間拡張可能な容積は、必要に応じて、それらの個々の機能を段階付けするために、異なる時間に膨張される。
図12Aおよび12Bに示されている内側拡張可能な容積1230'、外側拡張可能な容積1230''、および中間拡張可能な容積1230'''は、各々、膨張可能なデバイスであるが、他の実装形態では、内側拡張可能な容積、外側拡張可能な容積、および中間拡張可能な容積は、本明細書に開示される任意の他のタイプの拡張可能な容積である。
【0133】
人1299がマットレス1270の側端部1276に向かって移動されると、人1299をマットレス1270の他方の側端部1278に向かって寝返りさせるのに十分な空間が存在する。人1299は、マットレス1270の傾斜部分上に移動されているので、人1299を容易に横向きにすることができる。デバイス1200が一旦作動された後、デバイス1200を非作動にして、シート1240およびマットレス1270をそれらの元の位置に戻すことができる。デバイス1200は、人1299の向きをさらに変え続けるために複数回作動させることができる。
【0134】
図12Aおよび12Bは、マットレス1270の側端部1276の下に配置された1つのデバイス1200のみを示しているが、いくつかの実装形態では、第2のデバイス1200は、マットレス1270の他方の側端部1278の下に含まれ、その結果、人の向きを他方の方向に容易に変えることができる。
【0135】
本明細書では、いくつかの例示的な実装が提供される。しかしながら、本明細書の開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解されよう。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書において使用される「備える(comprising)」という用語およびその変形は、「含む(including)」という用語およびその変形と同義的に使用され、開放の非限定的用語である。様々な実装形態を記載するために、「備える(comprising)」および「含む(including)」という用語が本明細書において使用されてきたが、より具体的な実装形態を与えるために、「備える(comprising)」および「含む(including)」の代わりに「から本質的になる」および「からなる」という用語を使用することができ、同じく開示されている。
【0136】
開示されるのは、開示される方法、システム、およびデバイスのために使用することができる、それらと組み合わせて使用することができる、それらの準備に使用することができる、またはそれらの製品である、材料、システム、デバイス、方法、組成物、および構成要素である。これらおよび他の構成要素は本明細書に開示されており、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示されている場合、これらの構成要素の、各様々な個々かつ集合的な組み合わせおよび並べ替えへの具体的な言及は、明示的に開示されていないことがあるが、それぞれが本明細書で具体的に企図され、記載されていることが理解される。例えば、デバイスが開示され、議論される場合、デバイスの全ての組み合わせおよび置換、ならびに可能な修正は、特に反対のことが示されない限り、具体的に企図される。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも具体的に企図され、開示されている。この考え方は、開示されたシステムまたはデバイスを使用する方法のステップを含むがこれらに限定されない、本開示の全ての態様に適用される。したがって、実行することができる様々な追加のステップがある場合、これらの追加のステップの各々は、開示された方法の任意の特定の方法ステップまたは方法ステップの組み合わせで実行することができ、そのような組み合わせまたは組み合わせのサブセットの各々は、具体的に企図され、開示されていると考えられるべきであることを理解されたい。
【国際調査報告】