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  • 特表-シングルスクリュー圧縮機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】シングルスクリュー圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/52 20060101AFI20220330BHJP
   F04C 29/12 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
F04C18/52
F04C29/12 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549429
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 GB2020050405
(87)【国際公開番号】W WO2020169978
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】1902468.6
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521370824
【氏名又は名称】ジェイ アンド イー ホール リミテッド
【氏名又は名称原語表記】J & E HALL LIMITED
【住所又は居所原語表記】Questor House,191 Hawley Road,Dartford Kent DA1 1PU United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,テレンス ウィリアム トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ロール,ジョン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ダー ポール,マムード
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA03
3H129AB01
3H129BB42
3H129BB43
3H129CC04
3H129CC25
(57)【要約】
【解決手段】シングルスクリュー圧縮機は、主ロータ及び少なくとも1つのゲートロータと、ケーシングの吐出端に吐出ポートを有する主ロータ用ケーシングと、主ロータに隣接したケーシングの孔内を摺動可能なスライドとを備える。スライドは、スライドの第1の密閉部2及び第2の密閉部4の間に切り欠き6を有している。スライドは、切り欠き6がケーシング内にあり、吐出ポートへの経路を提供する高容積比位置と、一定の吐出経路をケーシングの孔にもたらするために、スライドがケーシングの吐出端を越えた低容積比位置との間を摺動可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルスクリュー圧縮機において、
主ロータ及び少なくとも1つのゲートロータと、
前記主ロータ用のケーシングであって、前記ケーシングの吐出端に吐出ポートを有するケーシングと、
前記主ロータに隣接した前記ケーシング内の孔内を摺動可能なスライドと、
を備えており、
前記スライドは、前記スライドの第1の密閉部及び第2の密閉部の間に切り欠きを有しており、
前記スライドは、前記切り欠きが前記ケーシング内にあって、前記吐出ポートへの経路を提供する高容積比位置と、一定の吐出経路を前記ケーシングの孔にもたらすために、前記スライドが前記ケーシングの吐出端を越えた低容積比位置との間を摺動可能である、シングルスクリュー圧縮機。
【請求項2】
前記ロータの第1の、即ち上流側の密閉部は、前記スライド及び前記主ロータの軸と直交する面内に実質的にあって、前記切り欠きから外側に向く面を有している、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記ロータの第1の、即ち上流側の密閉部は、前記切り欠きから外側に向く面を有しており、当該面には、前記スライド及び前記主ロータの軸に対して直交する面に対して、前記主ロータのピッチ角度と実質的に同じ角度で傾いている、請求項1に記載の圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変容積比(VR)を有するシングルスクリュー圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリュー圧縮機は、従来よりスライドを使用して、圧縮機の容量及び/又は圧縮工程における容積比を制御してきた。
【0003】
図1に示すような容量制御スライドは、従来、ロータに沿った軸平面内で動作する。スライドの吸込端は、主ロータの初期回転中にバイパスポートを開くことによって圧縮開始を遅れさせ、それによって、圧縮機の押しのけ容積(容量)を効果的に減少させる。同時に、吐出ポートの開放が遅れることで、圧縮工程の大部分において、ほぼ一定のVRが維持される。
【0004】
現在、可変周波数ドライブが一般的に使用されて、スクリュー圧縮機の容量制御が行われている。しかしながら、スライドは、可変容積比の機能をもたらすために維持されている。
【0005】
動作条件が変化すると、最適な効率を達成しようとするならば、それらの変化する条件に適応するために、必要とされる容積比(built in volume ratio)を変更する必要がある。可変容積比スライドの一例が図2に示されている。これは、従来の容量制御スライドの変形と考えることができる。これは、スライドが軸方向に完全に移動する間に吸込のためのどのバイパスポートも開かないように、スライドの吸込端を延長することで得られている。そして、スライドのVRポートは、ロータの溝がスライドのVRポートを介して吐出ポートに向かって開くにつれて、変化する容積比を提供するように設計されている。
【0006】
従来のVVRスライドは、スライドが吐出ポートからロータの端まで延びなくてはならず、そのため、スライドが最も高いVRの位置(ロータの吐出端に向かって移動)にある場合においても、ロータの吸込端は密閉されており、吸込のバイパスは起こり得ないという欠点がある。スライドが自由に動くためには、スライドのスライド孔にクリアランスがなくてはならない。このクリアランスは、吐出から吸込への直接的な漏れ経路となり、また、比較的程度は低いが、スライドによって密閉された中間圧力も吸込へと漏れる可能性がある。この漏れは、スライドがどの位置にあっても発生して、圧縮機の効率の望ましくない低下をもたらす。図3は圧縮機内にて所定の位置にあるスライドを概略的に示しており、図4はスライドの漏れ経路1を示している。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、吐出から吸込への漏れ経路を排除することで、ベース効率を向上させることである。
【0008】
本発明は、シンプルな二段構成を採用しており、漏れが低減される効果により、正確な全変調可変VRのスライドの効率に匹敵できる。
【0009】
本発明はシングルスクリュー圧縮機を提供し、当該圧縮機は、主ロータ及び少なくとも1つのゲートロータと、主ロータ用のケーシングであって、ケーシングの吐出端に吐出ポートを有するケーシングと、主ロータに隣接したケーシングの孔内を摺動可能なスライドとを備えており、
スライドは、スライドの第1及び第2の密閉部の間に切り欠きを有しており、スライドは、切り欠きがケーシング内にあって吐出ポートへの経路を提供する高容積比位置と、一定の吐出経路をケーシングの孔にもたらすために、スライドがケーシングの吐出端を越えた低容積比位置との間を摺動可能である。
【0010】
ある実施形態では、ロータの第1の、即ち上流側の密閉部は、スライド及び主ロータの軸と直交する面内に実質的にあって、切り欠きから外側に向く面を有している。これは製造を容易にするためである。
【0011】
代替的な実施形態では、ロータの第1の密閉部は、切り欠きから外側に向く面を有しており、当該面には、スライド及び主ロータの軸に対して直交する面に対して、主ロータのピッチ角度と実質的に同じ角度で傾いている。これにより正確なVR制御が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、添付の図面を例としてのみ参照して、より詳細に説明される。
【0013】
図1図1は上述した公知の容量制御スライドを示す。
【0014】
図2図2は上述した公知のVR制御スライドを示す。
【0015】
図3図3は公知のVR制御スライドとその漏れ経路を示す図である。
図4図4は公知のVR制御スライドとその漏れ経路を示す図である。
【0016】
図5図5は本発明の実施形態に基づくスライドを示す。
【0017】
図6図6は、圧縮機においてある位置にある図5のスライドを示す。
図7図7は、圧縮機において異なる位置にある図5のスライドを示す。
【0018】
図8図8は代替的な実施形態に基づくスライドを示す。
【0019】
図9図9は、圧縮機においてある位置にある図5のスライドを示す。
図10図10は、圧縮機において異なる位置にある図5のスライドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図5は、本発明に基づいており、密閉部2、密閉部4及び切り欠き6を有するスライドを示す。
【0021】
図6は、主ロータと一緒に、主ケーシングに向けて配置された図5のスライドを示す。切り欠き6は、正確な高VR吐出ポートを提供する。
【0022】
図7は、低VRがどのように達成されるかを示す。スライドは、主ロータを超えてケーシングから引き出されて、それにより、VRは、ケーシングに残されるポート8から生じる。
【0023】
図5乃至図7のスライドはシンプルなスライドである。切り欠き6によりもたらされる高VRスライドの吐出ポートは、ロータの溝と正確に揃えられるが、スライドがロータを越えて引き抜かれた場合、残される低VRの一定のポートは正確なVRの要件を満たさない。
【0024】
図8乃至図10は、図5乃至図7のスライドと同様な高VRの切り欠きを有する代替的なスライドを示す。しかしながら、このスライドはまた、図10で示すように、ロータを越えて外された場合に、ケーシングに残る正確な低VRも有する。
【0025】
図5乃至図7のシンプルなスライドは、製造が容易であって、VRにおける妥協の弊害は、高VR条件よりも低VR動作条件において少ない。図8乃至図10の正確なVRスライドは最も高い効率を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】