(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】食品製品を栄養強化するためのコリン及びオメガ-3脂肪酸を含む組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20220330BHJP
A23C 9/13 20060101ALI20220330BHJP
A23L 23/00 20160101ALI20220330BHJP
A23G 1/36 20060101ALI20220330BHJP
A23G 1/32 20060101ALI20220330BHJP
A23C 9/00 20060101ALI20220330BHJP
A23C 19/09 20060101ALI20220330BHJP
A23L 9/00 20160101ALI20220330BHJP
【FI】
A23L33/10
A23C9/13
A23L23/00
A23G1/36
A23G1/32
A23C9/00
A23C19/09
A23L9/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549451
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 US2020019354
(87)【国際公開番号】W WO2020172623
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521371083
【氏名又は名称】インジェニュイティ・フーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ウォルフソン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ブルックス
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン・ノークス
【テーマコード(参考)】
4B001
4B014
4B018
4B025
4B036
【Fターム(参考)】
4B001AC02
4B001AC03
4B001AC05
4B001AC06
4B001AC15
4B001AC20
4B001AC21
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4B036LP19
(57)【要約】
食品製品を栄養強化するためのコリン又はコリン塩及びオメガ-3脂肪酸を含む組成物、並びに得られた食品製品が本明細書で提供される。食品製品は、組成物で栄養強化されている場合、許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は食品製品は50mEq未満の過酸化物価を有する。組成物及び食品製品を調製する方法も提供される。添付の図面から分かるように、本明細書で概説される発見では、高レベルのコリン及びオメガ-3脂肪酸を含有する製品で典型的に見られる重要な官能パラメーターの顕著な変化なしに、経時的な官能安定性がこれまでにないレベルになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸で強化されている栄養強化食品組成物であって、前記栄養強化食品組成物が、少なくとも25mg/gのタンパク質を含み、前記栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有する、栄養強化食品組成物。
【請求項2】
少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸で強化されており、前記栄養強化食品組成物が、少なくとも25mg/gのタンパク質を含み、前記栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有する、請求項1に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項3】
少なくとも1.42mg/gのホスホチジルコリン、少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸で強化されており、前記栄養強化食品組成物が、少なくとも25mg/gのタンパク質を含み、前記栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有する、請求項1に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項4】
前記食品組成物の過酸化物価が、50mEq未満、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満、又は5mEq未満である、請求項2又は3の栄養強化食品組成物。
【請求項5】
前記栄養強化食品組成物が、単離されたタンパク質で強化されている、請求項2から4のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項6】
コリン塩の量が、0.25mg/g~5mg/gであり、DHAの量が、0.25mg/g~5mg/gであり、及び/又はALAの量が、0.25mg/g~5mg/gである、請求項2、4及び5のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項7】
前記栄養強化食品組成物が、0℃~25℃の温度で少なくとも2週間光に曝露された場合、前記栄養強化食品組成物が、許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、若しくは前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有するか、又は
前記栄養強化食品組成物が、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間、若しくは少なくとも52週間光に曝露された場合、前記栄養強化食品組成物が、許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、若しくは前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有する、
請求項2から6のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項8】
前記栄養強化食品組成物が、非冷蔵容器に保存される、請求項7に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項9】
前記栄養強化食品組成物が、任意で照明付き小売陳列ケースである、冷蔵容器に保存される、請求項7に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項10】
前記栄養強化食品組成物が、プロバイオティクス又は活性培養物を含み、任意で前記プロバイオティクス又は活性培養物が、ラクトバチルス、ビフィドバクテリウム、サッカロミセス、エンテロコッカス、ストレプトコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック又はバチルスを含む、請求項2から9のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項11】
栄養強化食品組成物を調製する方法であって、前記方法が、
(a)少なくとも1つの食用食品成分を用意する工程、
(b)コリン塩及びオメガ3-脂肪酸を前記少なくとも1つの食用成分と組み合わせて、前記栄養強化食品組成物を調製する工程であって、前記栄養強化食品組成物が、少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ3-脂肪酸、及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含む、工程
を含み、
前記栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有する、方法。
【請求項12】
栄養強化食品組成物を調製する方法であって、前記方法が、
(a)少なくとも1つの食用食品成分を用意する工程、
(b)ホスホチジルコリン及びオメガ3-脂肪酸を前記少なくとも1つの食用成分と組み合わせて、前記栄養強化食品組成物を調製する工程であって、前記栄養強化食品組成物が、少なくとも0.25mg/gのホスホチジルコリン、少なくとも0.25mg/gのオメガ3-脂肪酸、及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含む、工程
を含み、
前記栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有する、方法。
【請求項13】
前記オメガ-3-脂肪酸を前記少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる前に、前記コリン塩若しくはホスホチジルコリンを前記少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせるか、又は前記コリン塩若しくはホスホチジルコリンを前記少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる前に、前記オメガ-3-脂肪酸を前記少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記コリン塩又はホスホチジルコリン及び前記オメガ-3-脂肪酸を、前記少なくとも1つの食用食品成分と同時に組み合わせる、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記栄養強化食品組成物が、25~200mg/gのタンパク質、25~180mg/gのタンパク質、25~170mg/gのタンパク質、25~150mg/gのタンパク質、25~125mg/gのタンパク質、25~120mg/gのタンパク質、25~110mg/gのタンパク質、25~100mg/gのタンパク質、25~90mg/gのタンパク質、25~80mg/gのタンパク質、25~70mg/gのタンパク質、25~60mg/gのタンパク質、又は25~50mg/gのタンパク質を含む、請求項2若しくは4に記載の栄養強化食品組成物、又は請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの食用食品成分が、少なくとも25mg/g、25~200mg/g、25~180mg/g、25~170mg/g、25~150mg/g、25~125mg/g、25~120mg/g、25~110mg/g、25~100mg/g、25~90mg/g、25~80mg/g、25~70mg/g、25~60mg/g、又は25~50mg/gの前記栄養強化食品組成物のタンパク質濃度を提供するのに十分な量でタンパク質を含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、単離されたタンパク質を添加する工程を更に含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記単離されたタンパク質が、全乳タンパク質、カゼイン若しくは乳清であるか、又は前記単離されたタンパク質が、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質及び小麦タンパク質からなる群から選択される植物性タンパク質である、請求項5に記載の栄養強化食品組成物又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コリン塩の量が、0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g、及び0.25mg/g~1mg/gである、請求項2、4及び5のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物又は請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記オメガ-3脂肪酸の量が、0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g、及び0.25mg/g~1mg/gである、請求項2から5のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法又は請求項19に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項21】
前記栄養強化食品組成物が、非光保護包装材に包装され、任意で、前記非光保護包装材が、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン又はポリプロピレンを含む、請求項2から10のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法、又は請求項19若しくは20に記載の栄養強化食品組成物。
【請求項22】
前記方法が、混合する、ブレンドする、刻む、泡立てる、錬る、折り畳む、加熱する、冷却する、又は冷凍する工程を更に含む、請求項13から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
栄養強化食品組成物中のオメガ-3脂肪酸の酸化を低減する方法であって、前記方法が、食品組成物をコリン塩及びオメガ-3脂肪酸で強化する工程を含み、前記栄養強化食品組成物が、少なくとも0.25mg/gのコリン塩若しくはホスホチジルコリン、少なくとも0.25mg/gのオメガ3-脂肪酸及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含み、前記栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記栄養強化食品組成物が、50mEq未満の過酸化物価を有し、前記オメガ-3脂肪酸の酸化が、少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ3-脂肪酸及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含まない栄養強化食品組成物中のオメガ-3脂肪酸の酸化と比較して低減される、方法。
【請求項24】
食品製品を栄養強化するための組成物であって、前記組成物が、コリン及びオメガ-3脂肪酸を含み、前記食品製品が、前記組成物で栄養強化されている場合、前記食品製品が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記食品製品が、50mEq未満の過酸化物価を有する、組成物。
【請求項25】
前記組成物が、コリン塩及びオメガ-3脂肪酸を含み、前記食品製品が、前記組成物で栄養強化されている場合、前記食品製品が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記食品製品が、50mEq未満の過酸化物価を有する、請求項24に記載の食品製品を栄養強化するための組成物。
【請求項26】
前記組成物が、ホスホチジルコリン及びオメガ-3脂肪酸を含み、前記食品製品が、前記組成物で栄養強化されている場合、前記食品製品が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記食品製品が、50mEq未満の過酸化物価を有する、請求項24に記載の食品製品を栄養強化するための組成物。
【請求項27】
前記組成物が、食品製品1g当たり少なくとも25mgのタンパク質を含む食品製品を調製するのに十分な量でタンパク質を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記タンパク質の量が、25~200mg/gのタンパク質、25~180mg/gのタンパク質、25~170mg/gのタンパク質、25~150mg/gのタンパク質、25~125mg/gのタンパク質、25~120mg/gのタンパク質、25~110mg/gのタンパク質、25~100mg/gのタンパク質、25~90mg/gのタンパク質、25~80mg/gのタンパク質、25~70mg/gのタンパク質、25~60mg/gのタンパク質、又は25~50mg/gのタンパク質を含む食品製品を調製するのに十分である、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記タンパク質が、単離されたタンパク質を含む、請求項27又は28に記載の組成物。
【請求項30】
前記単離されたタンパク質が、全乳タンパク質、カゼイン若しくは乳清を含むか、又は前記単離されたタンパク質が、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質及び小麦タンパク質からなる群から選択される植物性タンパク質である、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記コリン塩の量が、0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g、及び0.25mg/g~1mg/g食品製品の濃度でコリン塩を含む食品製品を調製するのに十分である、請求項25、26及び28から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記オメガ-3脂肪酸の量が、0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g、及び0.25mg/g~1mg/gの濃度でオメガ-3脂肪酸を含む食品製品を調製するのに十分である、請求項25から31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
食品製品を栄養強化するための組成物を調製する方法であって、前記方法が、コリン塩、オメガ-3脂肪酸、及びタンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分を組み合わせる工程を含み、
前記食品製品が、前記組成物で栄養強化されている場合、前記食品製品が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記食品製品が、50mEq未満の過酸化物価を有する、方法。
【請求項34】
食品製品を栄養強化するための組成物を調製する方法であって、前記方法が、ホスホチジルコリン、オメガ-3脂肪酸、及びタンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分を組み合わせる工程を含み、
前記食品製品が、前記組成物で栄養強化されている場合、前記食品製品が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は前記食品製品が、50mEq未満の過酸化物価を有する、方法。
【請求項35】
(a)前記コリン塩又はホスホチジルコリンを、前記オメガ-3-脂肪酸と最初に組み合わせて、コリン塩/オメガ-3脂肪酸配合物又はホスホチジルコリン/オメガ-3脂肪酸配合物をそれぞれ調製し、
(b)前記コリン塩/オメガ-3脂肪酸配合物又は前記ホスホチジルコリン/オメガ-3脂肪酸配合物を、タンパク質又は単離されたタンパク質を含む前記成分と組み合わせる、
請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記コリン塩又はホスホチジルコリン、前記オメガ-3-脂肪酸及びタンパク質又は単離されたタンパク質を含む前記成分を同時に組み合わせる、請求項33又は35に記載の方法。
【請求項37】
果実又は野菜調製物であって、前記果実又は野菜調製物が、100mg/100g~1000mg/100gのオメガ-3脂肪酸及び50mg/100g~500mg/100gのコリンを含む、果実又は野菜調製物。
【請求項38】
果実又は野菜調製物を調製する方法であって、前記果実又は野菜調製物が、100mg/100g~1000mg/100gのオメガ-3脂肪酸及び50mg/100g~500mg/100gのコリンを含み、前記方法が、
(a)ベースの果実又は野菜ピューレを用意する工程、
(b)コリン及びオメガ-3脂肪酸を、前記ベースの果実又は野菜ピューレと組み合わせて、ピューレAを調製する工程、
(c)ピューレAを、65℃~100℃の温度に1秒~30分間供して、果実又は野菜調製物を調製する工程、及び
(d)前記果実又は野菜調製物を、周囲温度に冷却する工程
を含み、
前記果実若しくは野菜調製物が、官能パネルにより決定される許容できる外観、香り、風味若しくは食感を有するか、又は前記果実若しくは野菜調製物が、50mEq未満の過酸化物価を有する、方法。
【請求項39】
前記果実又は野菜調製物が、100mg/100g~750mg/100gのオメガ-3脂肪酸、100mg/100g~500mg/100gのオメガ-3脂肪酸、100mg/100g~400mg/100gのオメガ-3脂肪酸、150mg/100g~400mg/100g、150mg/100g~350mg/100g、200mg/100g~350mg/100g、又は200mg/100g~300mg/100gのオメガ-3脂肪酸を含む、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、又は請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記果実又は野菜調製物が、50mg/100g~400mg/100gのコリン、50mg/100g~350mg/100gのコリン、50mg/100g~300mg/100gのコリン、50mg/100g~250mg/100gのコリン、50mg/100g~200mg/100gのコリン、75mg/100g~250mg/100gのコリン、75mg/100g~200mg/100gのコリン、100mg/100g~200mg/100gのコリン、又は100mg/100g~200mg/100gのコリンを含む、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、又は請求項39に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法。
【請求項41】
前記果実又は野菜調製物が、
30~50℃の温度への9~52週間の曝露の後、
10~50℃の温度への9~48週間の曝露の後、又は
10~50℃の温度への9~26週間の曝露の後、
許容できる外観、香り、風味及び食感を有する、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、又は請求項39若しくは請求項40に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法。
【請求項42】
前記果実又は野菜調製物の過酸化物価が、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満、又は5mEq未満である、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、又は請求項39から41のいずれか一項に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法。
【請求項43】
前記果実若しくは野菜調製物が、増粘剤若しくはゲル化剤、甘味料、抗酸化剤、穀物、種子、若しくは乳製品のうちの1つ若しくは複数を更に含み、及び/又は
前記方法が、
増粘剤若しくはゲル化剤を、前記果実若しくは野菜調製物に添加する工程、
甘味料を、前記果実若しくは野菜調製物に添加する工程、
抗酸化剤を、前記果実若しくは野菜調製物に添加する工程、
穀物若しくは種子を、前記果実若しくは野菜調製物に添加する工程、若しくは
乳製品を、前記果実若しくは野菜調製物に添加する工程
のうちの1つ若しくは複数を更に含む、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、又は請求項39から42のいずれか一項に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法。
【請求項44】
前記果実若しくは野菜調製物が、単離されたタンパク質を更に含むか、及び/又は前記方法が、単離されたタンパク質の添加を更に含む、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、又は請求項39から43のいずれか一項に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法。
【請求項45】
前記単離されたタンパク質が、
大麦タンパク質、オート麦タンパク質、米タンパク質、小麦タンパク質及びジャガイモタンパク質からなる群から任意で選択される、植物タンパク質
インゲン豆タンパク質(ファセオルス・ブルガリス)、ヒヨコ豆タンパク質、そら豆タンパク質、レンズ豆タンパク質、ライ豆タンパク質、緑豆タンパク質、ピーナッツタンパク質及び大豆タンパク質からなる群から選択される、豆類タンパク質、
アーモンドタンパク質、カシュータンパク質、チェストナットタンパク質、ヘーゼルナッツタンパク質、マカダミアナッツタンパク質、ペカンタンパク質、ピスタチオタンパク質及びクルミタンパク質からなる群から任意で選択される、ナッツタンパク質、
スピルリナタンパク質、クロレラタンパク質、藍藻タンパク質、緑藻タンパク質及び紅藻タンパク質からなる群から任意で選択される、藻類タンパク質、
乳清タンパク質及びカゼインからなる群から任意で選択される、乳製品タンパク質、並びに
サッカロミセスタンパク質及びフザリウムタンパク質からなる群から任意で選択される、マイコプロテイン
からなる群から選択される、請求項44に記載の果実若しくは野菜調製物又は方法。
【請求項46】
コリンが、コリン塩を含む、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、又は請求項39から45のいずれか一項に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法。
【請求項47】
前記コリン塩が、酢酸コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、クエン酸コリン、重酒石酸コリン及び乳酸コリンからなる群から選択される、請求項2及び4から10のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、請求項11、13及び14、16、17並びに22のいずれか一項に記載の方法、請求項15及び18から21のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物若しくは方法、請求項23から26及び請求項28から32のいずれか一項に記載の組成物、請求項33、35及び36のいずれか一項に記載の方法、又は請求項46に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法。
【請求項48】
前記コリン塩が、塩化コリンである、請求項47に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、又は果実若しくは野菜調製物。
【請求項49】
前記オメガ-3脂肪酸が、カプセル化される、請求項1から10のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、請求項11から14、16、17及び22のいずれか一項に記載の方法、請求項15及び18から21のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物若しくは方法、請求項23から32のいずれか一項に記載の組成物、請求項33から36のいずれか一項に記載の方法、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、請求項39から46のいずれか一項に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法、又は請求項47若しくは48に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、若しくは果実若しくは野菜調製物。
【請求項50】
前記オメガ-3脂肪酸が、非変性多糖、変性多糖又はゼラチンでカプセル化され、任意で、前記非変性多糖又は変性多糖が、寒天、カラギーナン、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、ペクチン、キサンタンガム、ジェラン、単糖及び二糖からなる群から選択される、請求項49に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、又は果実若しくは野菜調製物。
【請求項51】
前記オメガ-3脂肪酸が、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びアルファ-リノレン酸(ALA)からなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、請求項11から14、16、17及び22のいずれか一項に記載の方法、請求項15及び18から21のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物若しくは方法、請求項23から32のいずれか一項に記載の組成物、請求項33から36のいずれか一項に記載の方法、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、請求項39から46のいずれか一項に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法、又は請求項47から50のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、若しくは果実若しくは野菜調製物。
【請求項52】
前記栄養強化食品組成物が、DHA及びALAを含む、請求項51に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、又は果実若しくは野菜調製物。
【請求項53】
前記栄養強化食品組成物が、DHA及び/又はEPAを含む、請求項51に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、又は果実若しくは野菜調製物。
【請求項54】
前記栄養強化食品組成物、組成物、若しくは果実若しくは野菜調製物が、鉄を含むか、又は前記方法が、鉄の添加を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、請求項11から14、16、17及び22のいずれか一項に記載の方法、請求項15及び18から21のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物若しくは方法、請求項23から32のいずれか一項に記載の組成物、請求項33から36のいずれか一項に記載の方法、請求項37に記載の果実若しくは野菜調製物、請求項38に記載の方法、請求項39から46のいずれか一項に記載の果実若しくは野菜調製物若しくは方法、又は請求項47から53のいずれか一項に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、若しくは果実若しくは野菜調製物。
【請求項55】
前記鉄が、カプセル化される、請求項54に記載の栄養強化食品組成物、方法、組成物、又は果実若しくは野菜調製物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、各々その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年2月21日に出願した米国仮特許出願第62/808716号、2019年2月21日に出願した米国仮特許出願第62/808717号及び2019年10月30日に出願した米国仮特許出願第62/928285号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、ヒト栄養の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、栄養科学者は、コリン及びオメガ-3脂肪酸で食事を補うことで、神経発生が増強されることを発見した。コリン単独又はドコサヘキサエン酸(DHA;オメガ-3脂肪酸)単独のいずれかを補給した妊娠齧歯類から生まれた子は、コリン又はDHAを補給しなかった対照動物の子と比較して、神経細胞数の有意な増加(p<0.05)を示すことが実証された。興味深いことに、コリン及びDHAを補給した子は、対照動物と比較して、更に有意に高い神経細胞数を示した(p<0.001)。更に、コリン及び/又はDHAを補給した雌親の子は、記憶力の大幅な向上を示した。Rajarethnemら、Neu Res Int、2017、論文ID 8748706を参照のこと。
【0004】
コリン及びオメガ3-脂肪酸で食事を補う利点が実証されたが、コリン及び/又はオメガ-3脂肪酸が補われた食品は、許容できない味を有する場合が多い。コリンは、金属又は酸味と説明される場合が多い不快な味を有する。オメガ-3脂肪酸は、魚臭い(fishy)又は酸敗と説明される場合が多い不快な味を通常有する。DHA(「魚油」と一般に称される)は、分解に対する感受性が高い6個の二重結合を有するオメガ-3脂肪酸である。複数の二重結合の分解は、非常に不快な臭い及び味の酸化生成物をもたらす。EPAは、同様に分解に対する感受性が高い5個の二重結合を有するオメガ3-脂肪酸である。DHAと同様に、複数の二重結合の分解は、非常に不快な臭い及び味の酸化生成物をもたらす。アルファ-リノレン酸(ALA)は、同様に分解に対する感受性が高い3個の二重結合を有するオメガ3-脂肪酸である。ALAの分解は、酸敗した味がすると説明される場合がある酸化生成物をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT国際公開WO2010040789
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Rajarethnemら、Neu Res Int、2017、論文ID 8748706
【非特許文献2】Feixollahi等(2018年1月) Current Nutrition & Food Science 14(2):90~103
【発明の概要】
【0007】
本明細書で企図される様々な実施形態としては、以下のうちの1つ又は複数を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定される必要はない。(以下の相互参照は、参照される実施形態と同じ項の実施形態を指す。したがって、「食品製品を栄養強化するためのコリン及びオメガ3-脂肪酸を含む組成物に関する実施形態」という表題の項においては、実施形態2は、「コリン及びオメガ3-脂肪酸で栄養強化されている、タンパク質を含む食品組成物に関する実施形態」という表題の項の実施形態1ではなく、すぐ上の実施形態1を参照する。
【0008】
コリン及びオメガ-3脂肪酸で栄養強化されている、タンパク質を含む食品組成物に関する実施形態
実施形態1:少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸で強化されている栄養強化食品組成物であって、栄養強化食品組成物が少なくとも25mg/gのタンパク質を含み、栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は栄養強化食品組成物が50mEq未満の過酸化物価を有する、前記栄養強化食品組成物。
【0009】
実施形態2:前記オメガ-3脂肪酸の酸化レベルが、少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含まない栄養強化食品組成物と比較して低減される、実施形態1の栄養強化食品組成物。
【0010】
実施形態3:食品組成物の過酸化物価が50mEq未満、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満又は5mEq未満である、実施形態1又は2の栄養強化食品組成物。
【0011】
実施形態4:オメガ-3脂肪酸がドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びアルファ-リノレン酸(ALA)からなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0012】
実施形態5:栄養強化食品組成物がDHA及びALAを含む、実施形態4の栄養強化食品組成物。
【0013】
実施形態6:栄養強化食品組成物がDHA及びEPAを含む、実施形態4の栄養強化食品組成物。
【0014】
実施形態7:栄養強化食品組成物が25~200mg/gのタンパク質、25~180mg/gのタンパク質、25~170mg/gのタンパク質、25~150mg/gのタンパク質、25~125mg/gのタンパク質、25~120mg/gのタンパク質、25~110mg/gのタンパク質、25~100mg/gのタンパク質、25~90mg/gのタンパク質、25~80mg/gのタンパク質、25~70mg/gのタンパク質、25~60mg/gのタンパク質又は25~50mg/gのタンパク質を含む、実施形態1~6のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0015】
実施形態8:栄養強化食品組成物が、単離されたタンパク質で強化されている、実施形態1~7のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0016】
実施形態9:単離されたタンパク質が全乳タンパク質、カゼイン又は乳清である、実施形態8の栄養強化食品組成物。
【0017】
実施形態10:単離されたタンパク質が大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質及び小麦タンパク質からなる群から選択される植物性タンパク質である、実施形態8の栄養強化食品組成物。
【0018】
実施形態11:コリン塩の量が0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gである、実施形態1~10のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0019】
実施形態12:オメガ-3脂肪酸の量が0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gである、実施形態1~11のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0020】
実施形態13:コリン塩の量が0.25mg/g~5mg/gであり、DHAの量が0.25mg/g~5mg/gであり、且つ/又はALAの量が0.25mg/g~5mg/gである、実施形態1~12のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0021】
実施形態14:栄養強化食品組成物が、0℃~25℃の温度で少なくとも2週間光に曝露された場合、栄養強化食品組成物が、許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は栄養強化食品組成物が50mEq未満の過酸化物価を有する、実施形態1~13のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0022】
実施形態15:栄養強化食品組成物が少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間又は少なくとも52週間光に曝露される場合、実施形態14の栄養強化食品組成物。
【0023】
実施形態16:栄養強化食品組成物が、非冷蔵容器に保存される、実施形態14又は15の栄養強化食品組成物。
【0024】
実施形態17:栄養強化食品組成物が、冷蔵容器に保存される、実施形態14又は15の栄養強化食品組成物。
【0025】
実施形態18:冷蔵容器が照明付き小売陳列ケースである、実施形態17の栄養強化食品組成物。
【0026】
実施形態19:栄養強化食品組成物が、許容できる味又は許容できる臭いを有し、更に、栄養強化食品組成物が、コリン塩及びオメガ-3脂肪酸で栄養強化されていない食品組成物と比較して、低減された魚臭味、低減された金属味又は低減された酸敗味を有する、実施形態1~18のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0027】
実施形態20:栄養強化食品組成物が、許容できる臭いを有し、更に、栄養強化食品組成物が、コリン塩及びオメガ-3脂肪酸で強化されていない食品組成物と比較して、低減された野菜臭、果実臭、花臭、薬品臭、化学臭、魚臭さ、悪臭、塗料臭又は土臭さを有する、実施形態1~18のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0028】
実施形態21:コリン塩が酢酸コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、クエン酸コリン、重酒石酸コリン及び乳酸コリンからなる群から選択される、実施形態1~19のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0029】
実施形態22:コリン塩が塩化コリンである、実施形態1~21のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0030】
実施形態23:栄養強化食品組成物が乳製品である、実施形態1~22のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0031】
実施形態24:乳製品が全乳、低脂肪乳、フレーバーミルク、フレーバーミルク飲料、食事代替飲料、プロテインシェーク、ヨーグルトベースのスムージー、ヨーグルト、チーズ、チーズ製品、液体クリーマー、粉末クリーマー、プロバイオティクスショット、プリン、デザート、ディップ、ドレッシング、ソース又は調味料である、実施形態23の栄養強化食品組成物。
【0032】
実施形態25:栄養強化食品組成物が飲料である、実施形態24のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0033】
実施形態26:栄養強化食品組成物が生鮮、冷凍又は貯蔵安定性である、実施形態1~24のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0034】
実施形態27:栄養強化食品組成物が冷凍食品である、実施形態26の栄養強化食品組成物。
【0035】
実施形態28:冷凍食品がアイスクリーム、ソフトクリーム、アイスクリーム商品、冷菓、フローズンヨーグルト、アイスキャンディー、冷凍主菜、冷凍加工食品、冷凍ディナー、冷凍ランチ及び冷凍ブレックファーストである、実施形態27の栄養強化食品組成物。
【0036】
実施形態29:栄養強化食品組成物が、レトルト食品又は缶詰食品である、実施形態1~28のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0037】
実施形態30:栄養強化食品組成物が、プロバイオティクス又は活性培養物を含む、実施形態1~29のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0038】
実施形態31:プロバイオティクス又は活性培養物がラクトバチルス(Lactobacillus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、サッカロミセス(Saccharomyces)、エンテロコッカス(Enterococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)又はバチルス(Bacillus)を含む、実施形態30の栄養強化食品組成物。
【0039】
実施形態32:栄養強化食品組成物が、非光保護包装材に包装される、実施形態1~31のいずれか1つの栄養強化食品組成物。
【0040】
実施形態33:非光保護包装材がポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン又はポリプロピレンを含む、実施形態32の栄養強化食品組成物。
【0041】
実施形態34:栄養強化食品組成物を調製する方法であって、方法が、(a)少なくとも1つの食用食品成分を用意する工程、(b)コリン塩及びオメガ3-脂肪酸を少なくとも1つの食用成分と組み合わせて、栄養強化食品組成物を調製する工程を含み、栄養強化食品組成物が少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ3-脂肪酸及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含み;栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は栄養強化食品組成物が50mEq未満の過酸化物価を有する、前記方法。
【0042】
実施形態35:オメガ-3-脂肪酸を少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる前に、コリン塩を少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる、実施形態34の方法。
【0043】
実施形態36:コリン塩を少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる前に、オメガ-3-脂肪酸を少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる、実施形態34の方法。
【0044】
実施形態37:コリン塩及びオメガ-3-脂肪酸を少なくとも1つの食用食品成分と同時に組み合わせる、実施形態34の方法。
【0045】
実施形態38:方法が、単離されたタンパク質を添加する工程を更に含む、実施形態34~37のいずれか1つの方法。
【0046】
実施形態39:単離されたタンパク質が全乳タンパク質、カゼイン又は乳清である、実施形態38の方法。
【0047】
実施形態40:単離されたタンパク質が大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質及び小麦タンパク質からなる群から選択される植物性タンパク質である、実施形態38の方法。
【0048】
実施形態41:コリン塩の量が0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gである、実施形態34~40のいずれか1つの方法。
【0049】
実施形態42:オメガ-3脂肪酸の量が0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gである、実施形態34~41のいずれか1つの方法。
【0050】
実施形態43:少なくとも1つの食用食品成分が少なくとも25mg/g、25~200mg/g、25~180mg/g、25~170mg/g、25~150mg/g、25~125mg/g、25~120mg/g、25~110mg/g、25~100mg/g、25~90mg/g、25~80mg/g、25~70mg/g、25~60mg/g又は25~500mg/gの栄養強化食品組成物のタンパク質濃度を提供するのに十分な量でタンパク質を含む、実施形態34~42のいずれか1つの方法。
【0051】
実施形態44:方法が全乳タンパク質、カゼイン又は乳清、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質及び小麦タンパク質からなる群から選択される単離されたタンパク質を添加することを含む、実施形態43の方法。
【0052】
実施形態45:単離されたタンパク質が乳清である、実施形態44の方法。
【0053】
実施形態46:栄養強化食品組成物を非光保護包装材で包装する工程を更に含む、実施形態34~43のいずれか1つの方法。
【0054】
実施形態47:非光保護包装材がポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン又はポリプロピレンを含む、実施形態46の方法。
【0055】
実施形態48:方法が混合する、ブレンドする、刻む、泡立てる、錬る、折り畳む、加熱する、冷却する又は冷凍する工程を更に含む、実施形態34~43のいずれか1つの方法。
【0056】
実施形態49:栄養強化食品組成物中のオメガ-3脂肪酸の酸化を低減する方法であって、方法が食品組成物をコリン塩及びオメガ-3脂肪酸で強化する工程を含み、栄養強化食品組成物が少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ3-脂肪酸及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含み、栄養強化食品組成物が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は栄養強化食品組成物が50mEq未満の過酸化物価を有する、前記方法。
【0057】
実施形態50:前記オメガ-3脂肪酸の酸化レベルが、コリン塩及びオメガ-3脂肪酸で強化されていない食品組成物と比較して低減される、実施形態49の方法。
【0058】
実施形態51:食品組成物の過酸化物価が50mEq未満、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満又は5mEq未満である、実施形態49又は50の方法。
【0059】
実施形態52:オメガ-3脂肪酸がドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びアルファ-リノレン酸(ALA)からなる群から選択される、実施形態49~51のいずれか1つの方法。
【0060】
実施形態53:栄養強化食品組成物がDHA及びALAを含む、実施形態52の方法。
【0061】
実施形態54:栄養強化食品組成物がEPA及びALAを含む、実施形態52の方法。
【0062】
実施形態55:栄養強化食品組成物が25~200mg/gのタンパク質、25~180mg/gのタンパク質、25~170mg/gのタンパク質、25~150mg/gのタンパク質、25~125mg/gのタンパク質、25~120mg/gのタンパク質、25~110mg/gのタンパク質、25~100mg/gのタンパク質、25~90mg/gのタンパク質、25~80mg/gのタンパク質、25~70mg/gのタンパク質、25~60mg/gのタンパク質又は25~50mg/gのタンパク質を含む、実施形態49~54のいずれか1つの方法。
【0063】
実施形態56:栄養強化食品組成物が、単離されたタンパク質で強化されている、実施形態49~55のいずれか1つの方法。
【0064】
実施形態57:単離されたタンパク質が全乳タンパク質、カゼイン又は乳清である、実施形態56の方法。
【0065】
実施形態58:単離されたタンパク質が大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質及び小麦タンパク質からなる群から選択される植物性タンパク質である、実施形態57の方法。
【0066】
実施形態59:コリン塩の量が0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gである、実施形態49~58のいずれか1つの方法。
【0067】
実施形態60:オメガ-3脂肪酸の量が0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gである、実施形態49~59のいずれか1つの方法。
【0068】
実施形態61:コリン塩の量が0.25mg/g~5mg/gであり、DHAの量が0.25mg/g~5mg/gであり、且つ/又はALAの量が0.25mg/g~5mg/gである、実施形態49~60のいずれか1つの方法。
【0069】
実施形態62:栄養強化食品組成物が、0℃~25℃の温度で少なくとも2週間光に曝露された場合、栄養強化食品組成物が、許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は栄養強化食品組成物が50mEq未満の過酸化物価を有する、実施形態49~61のいずれか1つの方法。
【0070】
実施形態63:栄養強化食品組成物が少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間又は少なくとも52週間光に曝露される場合、実施形態62の方法。
【0071】
実施形態64:栄養強化食品組成物が非冷蔵容器に保存される、実施形態62又は63の方法。
【0072】
実施形態65:栄養強化食品組成物が冷蔵容器に保存される、実施形態62又は63の方法。
【0073】
実施形態66:冷蔵容器が照明付き小売陳列ケースである、実施形態65の方法。
【0074】
実施形態67:栄養強化食品組成物が、許容できる味又は許容できる臭いを有し、更に、栄養強化食品組成物が、コリン塩及びオメガ-3脂肪酸で栄養強化されていない食品組成物と比較して、低減された魚臭味、低減された金属味又は低減された酸敗味を有する、実施形態49~66のいずれか1つの方法。
【0075】
実施形態68:栄養強化食品組成物が、許容できる臭いを有し、更に、栄養強化食品組成物が、コリン塩及びオメガ-3脂肪酸で強化されていない食品組成物と比較して、低減された野菜臭、果実臭、花臭、薬品臭、化学臭、魚臭さ、悪臭、塗料臭又は土臭さを有する、実施形態49~67のいずれか1つの方法。
【0076】
実施形態69:コリン塩が酢酸コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、クエン酸コリン、重酒石酸コリン及び乳酸コリンからなる群から選択される、実施形態49~68のいずれか1つの方法。
【0077】
実施形態70:コリン塩が塩化コリンである、実施形態49~69のいずれか1つの方法。
【0078】
実施形態71:栄養強化食品組成物が乳製品である、実施形態49~70のいずれか1つの方法。
【0079】
実施形態72:乳製品が全乳、低脂肪乳、フレーバーミルク、フレーバーミルク飲料、食事代替飲料、プロテインシェーク、ヨーグルトベースのスムージー、ヨーグルト、チーズ、チーズ製品、液体クリーマー、粉末クリーマー、プロバイオティクスショット、プリン、デザート、ディップ、ドレッシング、ソース又は調味料である、実施形態71の方法。
【0080】
実施形態73:栄養強化食品組成物が飲料である、実施形態72のいずれか1つの方法。
【0081】
実施形態74:栄養強化食品組成物が生鮮、冷凍又は貯蔵安定性である、実施形態49~73のいずれか1つの方法。
【0082】
実施形態75:栄養強化食品組成物が冷凍食品である、実施形態74の方法。
【0083】
実施形態76:冷凍食品がアイスクリーム、ソフトクリーム、アイスクリーム商品、冷菓、フローズンヨーグルト、アイスキャンディー、冷凍主菜、冷凍加工食品、冷凍ディナー、冷凍ランチ及び冷凍ブレックファーストである、実施形態75の方法。
【0084】
実施形態77:栄養強化食品組成物が、レトルト食品又は缶詰食品である、実施形態49~76のいずれか1つの方法。
【0085】
実施形態78:栄養強化食品組成物が、プロバイオティクス又は活性培養物を含む、実施形態49~77のいずれか1つの方法。
【0086】
実施形態79:プロバイオティクス又は活性培養物がラクトバチルス、ビフィドバクテリウム、サッカロミセス、エンテロコッカス、ストレプトコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック又はバチルスを含む、実施形態78の方法。
【0087】
実施形態80:栄養強化食品組成物が、非光保護包装材に包装される、実施形態49~79のいずれか1つの方法。
【0088】
実施形態81:非光保護包装材がポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン又はポリプロピレンを含む、実施形態80の方法。
【0089】
食品製品を栄養強化するためのコリン及びオメガ-3脂肪酸を含む組成物に関する実施形態
実施形態1:食品製品を栄養強化するための組成物であって、組成物がコリン塩及びオメガ-3脂肪酸を含み、食品製品が、前記組成物で栄養強化されている場合、食品製品が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は食品製品が50mEq未満の過酸化物価を有する、前記組成物。
【0090】
実施形態2:食品製品が、食品製品1g当たり少なくとも25mgのタンパク質を含む、実施形態1の組成物。
【0091】
実施形態3:組成物が、食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのコリン塩及び食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのオメガ-3脂肪酸を含む食品製品を製造するのに十分な量で添加される、実施形態1又は2の組成物。
【0092】
実施形態4:食品製品中の前記オメガ-3脂肪酸の酸化レベルが、少なくとも0.25mg/gのコリン塩、少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸及び少なくとも25mg/gのタンパク質を含まない栄養強化食品組成物と比較して低減される、実施形態1~3のいずれか1つの組成物。
【0093】
実施形態5:食品製品の過酸化物価が50mEq未満、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満又は5mEq未満である、実施形態1~4のいずれか1つの組成物。
【0094】
実施形態6:オメガ-3脂肪酸がドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びアルファ-リノレン酸(ALA)からなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか1つの組成物。
【0095】
実施形態7:組成物がDHA及びALAを含む、実施形態6の組成物。
【0096】
実施形態8:組成物がEPA及びALAを含む、実施形態6の組成物。
【0097】
実施形態9:食品製品が25~200mg/gのタンパク質、25~180mg/gのタンパク質、25~170mg/gのタンパク質、25~150mg/gのタンパク質、25~125mg/gのタンパク質、25~120mg/gのタンパク質、25~110mg/gのタンパク質、25~100mg/gのタンパク質、25~90mg/gのタンパク質、25~80mg/gのタンパク質、25~70mg/gのタンパク質、25~60mg/gのタンパク質又は25~50mg/gのタンパク質を含む、実施形態1~8のいずれか1つの組成物。
【0098】
実施形態10:食品製品が、単離されたタンパク質で栄養強化されている、実施形態1~9のいずれか1つの組成物。
【0099】
実施形態11:単離されたタンパク質が全乳タンパク質、カゼイン又は乳清である、実施形態10の組成物。
【0100】
実施形態12:単離されたタンパク質が大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質及び小麦タンパク質からなる群から選択される植物性タンパク質である、実施形態10の組成物。
【0101】
実施形態13:コリン塩の量が0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gの食品製品の濃度でコリン塩を含む食品製品を調製するのに十分である、実施形態1~12のいずれか1つの組成物。
【0102】
実施形態14:コリン塩の量が0.25mg/g~5mg/gの濃度でコリン塩を含む食品製品を調製するのに十分であり、DHAの量が0.25mg/g~5mg/gであり、且つ/又はALAの量が0.25mg/g~5mg/gの食品製品である、実施形態1~13のいずれか1つの組成物。
【0103】
実施形態15:食品製品が、0℃~25℃の温度で少なくとも2週間光に曝露された場合、食品製品が、許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は食品製品が50mEq未満の過酸化物価を有する、実施形態1~14のいずれか1つの組成物。
【0104】
実施形態16:食品製品が少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間又は少なくとも52週間光に曝露される場合、実施形態15の組成物。
【0105】
実施形態17:食品製品が非冷蔵容器に保存される、実施形態15又は16の組成物。
【0106】
実施形態18:食品製品が冷蔵容器に保存される、実施形態15又は16の組成物。
【0107】
実施形態19:冷蔵容器が照明付き小売陳列ケースである、実施形態18の組成物。
【0108】
実施形態20:食品製品が、許容できる味又は許容できる臭いを有し、更に、栄養強化食品製品が、前記組成物で栄養強化されていない食品製品と比較して、低減された魚臭味、低減された金属味又は低減された酸敗味を有する、実施形態1~19のいずれか1つの組成物。
【0109】
実施形態21:食品製品が、許容できる臭いを有し、更に、食品製品が、前記組成物で栄養強化されていない食品製品と比較して、低減された野菜臭、果実臭、花臭、薬品臭、化学臭、魚臭さ、悪臭、塗料臭又は土臭さを有する、実施形態1~19のいずれか1つの組成物。
【0110】
実施形態22:コリン塩が酢酸コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、クエン酸コリン、重酒石酸コリン及び乳酸コリンからなる群から選択される、実施形態1~21のいずれか1つの組成物。
【0111】
実施形態23:コリン塩が塩化コリンである、実施形態22の組成物。
【0112】
実施形態24:食品製品が乳製品である、実施形態1~23のいずれか1つの組成物。
【0113】
実施形態25:乳製品が全乳、低脂肪乳、フレーバーミルク、フレーバーミルク飲料、食事代替飲料、プロテインシェーク、ヨーグルトベースのスムージー、ヨーグルト、チーズ、チーズ製品、液体クリーマー、粉末クリーマー、プロバイオティクスショット、プリン、デザート、ディップ、ドレッシング、ソース又は調味料である、実施形態24の組成物。
【0114】
実施形態26:食品製品が飲料である、実施形態1~24のいずれか1つの組成物。
【0115】
実施形態27:食品製品が生鮮、冷凍又は貯蔵安定性である、実施形態1~26のいずれか1つの組成物。
【0116】
実施形態28:食品製品を栄養強化するための組成物を調製する方法であって、方法がコリン塩、オメガ-3脂肪酸、及びタンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分を組み合わせる工程を含み、食品製品が、前記組成物で栄養強化されている場合、食品製品が、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は食品製品が50mEq未満の過酸化物価を有する、前記方法。
【0117】
実施形態29:(a)最初にコリン塩をオメガ-3-脂肪酸と組み合わせて、コリン塩/オメガ-3脂肪酸配合物を調製し、(b)コリン塩/オメガ-3脂肪酸配合物を、タンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分と組み合わせる、実施形態28の方法。
【0118】
実施形態30:コリン塩、オメガ-3-脂肪酸及びタンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分を同時に組み合わせる、実施形態28又は29の方法。
【0119】
食品製品を栄養強化するためのコリン及びオメガ-3脂肪酸を含む果実又は野菜組成物
実施形態1:果実又は野菜調製物を調製する方法であって、果実又は野菜調製物が100mg/100g~1000mg/100gのオメガ-3脂肪酸及び50mg/100g~500mg/100gのコリンを含み、方法が(a)bベースの果実又は野菜ピューレを用意する工程と、(b)コリン及びオメガ-3脂肪酸をベースの果実又は野菜ピューレと組み合わせて、ピューレAを調製する工程と、(c)ピューレAを65℃~100℃の温度に1秒~30分間供して、果実又は野菜調製物を調製する工程と、(d)果実又は野菜調製物を周囲温度に冷却する工程とを含み、果実若しくは野菜調製物が、官能パネルにより決定される許容できる外観、香り、風味若しくは食感を有するか、又は果実若しくは野菜調製物が50mEq未満の過酸化物価を有する、前記方法。
【0120】
実施形態2:オメガ-3脂肪酸がカプセル化される、実施形態1の方法。
【0121】
実施形態3:オメガ-3脂肪酸が非変性多糖、変性多糖又はゼラチンでカプセル化される、実施形態2の方法。
【0122】
実施形態4:非変性多糖又は変性多糖が寒天、カラギーナン、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、ペクチン、キサンタンガム、ジェラン、単糖及び二糖からなる群から選択される、実施形態1~3のいずれかの方法。
【0123】
実施形態5:オメガ-3脂肪酸がドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びアルファ-リノレン酸(ALA)からなる群から選択される、実施形態1~4のいずれかの方法。
【0124】
実施形態6:果実又は野菜調製物が100mg/100g~750mg/100gのオメガ-3脂肪酸、100mg/100g~500mg/100gのオメガ-3脂肪酸、100mg/100g~400mg/100gのオメガ-3脂肪酸、150mg/100g~400mg/100gのオメガ-3脂肪酸、150mg/100g~350mg/100gのオメガ-3脂肪酸、200mg/100g~350mg/100gのオメガ-3脂肪酸又は200mg/100g~300mg/100gのオメガ-3脂肪酸を含む、実施形態1~5のいずれかの方法。
【0125】
実施形態7:コリンがコリン塩である、実施形態1~6のいずれかの方法。
【0126】
実施形態8:コリン塩が塩化コリンである、実施形態7の方法。
【0127】
実施形態9:果実又は野菜調製物が50mg/100g~400mg/100gのコリン、50mg/100g~350mg/100gのコリン、50mg/100g~300mg/100gのコリン、50mg/100g~250mg/100gのコリン、50mg/100g~200mg/100gのコリン、75mg/100g~250mg/100gのコリン、75mg/100g~200mg/100gのコリン、100mg/100g~200mg/100gのコリン又は100mg/100g~200mg/100gのコリンを含む、実施形態1~8のいずれかの方法。
【0128】
実施形態10:果実又は野菜調製物が、30℃~50℃の温度に9~52週間曝露された後、許容できる外観、香り、風味及び食感を有する、実施形態1~9のいずれかの方法。
【0129】
実施形態11:果実又は野菜調製物が、10℃~50℃の温度に9~48週間曝露された後、許容できる外観、香り、風味及び食感を有する、実施形態10の方法。
【0130】
実施形態12:果実又は野菜調製物が、10℃~50℃の温度に9~26週間曝露された後、許容できる外観、香り、風味及び食感を有する、実施形態10の方法。
【0131】
実施形態13:果実又は野菜調製物の過酸化物価が40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満又は5mEq未満である、実施形態1~12のいずれかの方法。
【0132】
実施形態14:方法が、増粘剤又はゲル化剤を果実又は野菜調製物に添加することを更に含む、実施形態1~13のいずれかの方法。
【0133】
実施形態15:増粘剤が非変性デンプン又は変性デンプンである、実施形態14の方法。
【0134】
実施形態16:方法が、甘味料を果実又は野菜調製物に添加することを更に含む、実施形態1~15のいずれかの方法。
【0135】
実施形態17:甘味料がスクロース、グルコース、フルクトース、コーンシロップ、羅漢果抽出物、スクロモルト、アルロース、アガベ、蜂蜜、メープルシロップ、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、ステビア/レバウジオシド、ネオテーム、ブラゼイン、カラメル、ココナッツシュガー、マルトデキストリン、ソルガムシロップ、タガトース、アスパルテーム、アセスルファム-K、サッカリン、スクラロース及びシクラメートからなる群から選択される、実施形態16の方法。
【0136】
実施形態18:方法が抗酸化剤の添加を更に含む、実施形態1~17のいずれかの方法。
【0137】
実施形態19:抗酸化剤がベータ-カロテン、リコペン、ゼアキサンチン、ルテイン、トコフェロール、トコトリエノール、ローズマリー抽出物、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンC(アスコルビン酸)、レスベラトロール、緑茶抽出物、コーヒーベリー抽出物、ブドウ種子抽出物、ブルーベリー抽出物及びクコの実抽出物からなる群から選択される、実施形態18の方法。
【0138】
実施形態20:方法が穀物又は種子の添加を更に含む、実施形態1~19のいずれかの方法。
【0139】
実施形態21:穀物がアマランス、大麦、ソバ、キビ、オート麦、米、ライ麦、ソルガム、スペルト、テフ、ライ小麦、小麦及び野生米からなる群から選択される、実施形態20の方法。
【0140】
実施形態22:種子がチア、亜麻、麻、カラシ、ケシ、カボチャ、ヒマワリからなる群から選択される、実施形態21の方法。
【0141】
実施形態23:方法が乳製品の添加を更に含む、実施形態1~22のいずれかの方法。
【0142】
実施形態24:乳製品が乳、エバミルク(evaporated milk)、コンデンスミルク、バターミルク、クリーム、乳脂肪、アイスクリーム、カスタード、アイスミルク、粉ミルク、バター、チーズ、ケフィア及びヨーグルトからなる群から選択される、実施形態23の方法。
【0143】
実施形態25:方法が単離されたタンパク質の添加を更に含む、実施形態1~24のいずれかの方法。
【0144】
実施形態26:単離されたタンパク質が植物タンパク質、豆類タンパク質、ナッツタンパク質、藻類タンパク質、乳製品タンパク質及びマイコプロテインからなる群から選択される、実施形態25の方法。
【0145】
実施形態27:単離された植物タンパク質が大麦タンパク質、オート麦タンパク質、米タンパク質、小麦タンパク質及びジャガイモタンパク質からなる群から選択される、実施形態26の方法。
【0146】
実施形態28:単離された豆類タンパク質がインゲン豆タンパク質(ファセオルス・ブルガリス(Phaseolus vulgaris))、ヒヨコ豆タンパク質、そら豆タンパク質、レンズ豆タンパク質、ライ豆タンパク質、緑豆タンパク質、ピーナッツタンパク質及び大豆タンパク質からなる群から選択される、実施形態26の方法。
【0147】
実施形態29:単離されたナッツタンパク質がアーモンドタンパク質、カシュータンパク質、チェストナットタンパク質、ヘーゼルナッツタンパク質、マカダミアナッツタンパク質、ペカンタンパク質、ピスタチオタンパク質及びクルミタンパク質からなる群から選択される、実施形態26の方法。
【0148】
実施形態30:単離された藻類タンパク質がスピルリナ(Spirulina)タンパク質、クロレラ(Chlorella)タンパク質、藍藻タンパク質、緑藻タンパク質及び紅藻タンパク質からなる群から選択される、実施形態26の方法。
【0149】
実施形態31:単離された乳製品タンパク質が乳清タンパク質及びカゼインからなる群から選択される、実施形態26の方法。
【0150】
実施形態32:単離されたマイコプロテインがサッカロミセスタンパク質及びフザリウム(Fusarium)タンパク質からなる群から選択される、実施形態26の方法。
【0151】
実施形態33:果実又は野菜調製物がアップルソースである、実施形態1~32のいずれかの方法。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【
図1】照明付き乳製品ケースに保存したヨーグルト飲料の魚臭い風味の発生を示すグラフである(実施例1を参照のこと)。
【
図2】照明付き乳製品ケースに14日間保存したヨーグルト飲料の風味特性を示すスパイダーチャートである(実施例1を参照のこと)。
【
図3】照明付き乳製品ケースに28日間保存したヨーグルト飲料の風味特性を示すスパイダーチャートである(実施例1を参照のこと)。
【
図4】照明付き乳製品ケースに42日間保存したヨーグルト飲料の風味特性を示すスパイダーチャートである(実施例1を参照のこと)。
【
図5】照明付き乳製品ケースに56日間保存したヨーグルト飲料の風味特性を示すスパイダーチャートである(実施例1を参照のこと)。
【
図6】経時的な飲用ヨーグルトの官能プロファイルを示すスパイダープロットである。甘味は、他の差を視覚化できるようにグラフに示されていない(実施例10を参照のこと)。
【
図7】経時的なヨーグルトの官能プロファイルを示すスパイダープロットである。甘味は、他の差を視覚化できるようにグラフに示されていない(実施例10を参照のこと)。
【
図8】経時的なチェリーバニラヨーグルトの官能プロファイルを示すグラフである。甘味は、他の差を視覚化できるようにグラフに示されていない(実施例11を参照のこと)。
【
図9】経時的なストロベリーバナナヨーグルトの官能プロファイルを示すグラフである。甘味は、他の差を視覚化できるようにグラフに示されていない(実施例11を参照のこと)。
【発明を実施するための形態】
【0153】
定義
以下で別段定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解される意味を有する。
【0154】
「許容できる外観」、「許容される香り」、「許容できる臭い」、「許容できる味」、「許容できる風味」又は「許容できる食感」は、官能パネルが許容できる外観、香り、臭い、味、風味又は食感である。許容できる外観、香り、臭い、味、風味、味又は食感は、基準製品と比較され得る。官能パネルは訓練された官能パネル又は訓練されていない官能パネルであり得る。
【0155】
「焼成品」は、オーブンを使用して調製され、通常膨張剤を含有する食料品を意味する。焼成品としてはブラウニー、クッキー、パイ、ケーキ及びペストリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
「パン」は小麦粉、液体及び通常は膨張剤を含有する食料品を意味する。パンは通常オーブンで焼成して調製されるが、他の調理方法も許容される。膨張剤は本質的に化学的又は有機的/生物学的であり得る。典型的には、有機膨張剤は酵母である。膨張剤が本質的に化学的(例えばベーキングパウダー及び/又は重曹)である場合、これらの食品製品は「クイックブレッド」と称される。クラッカー及び他のクラッカー様製品は、膨張剤を含有しないパンの例である。
【0157】
「コリン」は、脳の発達を含む多くの生物学的プロセスに不可欠な必須栄養素である。コリンは2-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチルエタン-1-アミニウムである。「コリン塩」は、コリンの塩形態である。コリン塩としては酢酸コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、クエン酸コリン、重酒石酸コリン、乳酸コリン及び他のコリン塩が挙げられる。コリンはホスホチジルコリンの形態でも存在する。「ホスホチジルコリン」は、コリンを頭部として組み込むリン脂質の種類である。別段示されない限り、用語「コリン」は、コリンを食品製品に付与できる任意の形態のコリンを指す。
【0158】
「缶詰」製品は、長い貯蔵寿命を有する、缶に包装された製品である。「レトルト」製品は、長い貯蔵寿命を有する、パウチに包装された製品である。
【0159】
「従来の食品製品」は、コリン塩、オメガ-3脂肪酸で栄養強化されていない、例えばヒトによる消費を意図した食品組成物又は製品を意味し、任意で従来の食品製品は単離されたタンパク質で栄養強化されていない。
【0160】
「調理品」は、例えばオーブンで一定期間加熱された食品を意味する。
【0161】
「乳製品」は、乳成分を含む任意の製品である。乳製品としては乳、ヨーグルト、飲用ヨーグルト、チーズ、クリーム、サワークリーム、カッテージチーズ及び乳由来成分を含有する他の製品が挙げられる。
【0162】
「食用成分」は、喫食に適した任意の物質又は組成物を意味する。「食用成分」としては穀物、果実、野菜、タンパク質、ハーブ、香辛料、炭水化物、糖及び脂肪並びにこれらから単離された物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0163】
本明細書で用いられる「飲料」は、飲用及び/又は飲み込みやすい食品である。例えば、飲用ヨーグルト製品は「飲料」である。
【0164】
本明細書で用いられる用語「成分」は、果実又は野菜調製物を含む食品及び/又は食品組成物若しくは製品に用いられる成分を意味する。「成分」としては防腐剤、風味剤、食品添加物、食品着色料、糖代替物及び様々な食品に含まれる他の成分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
「脂肪」は、通常の室温及び圧力で一般に液体又は固体である脂質又は脂質混合物を意味する。「脂肪」としては、ラード及びバターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0166】
「強化食品組成物」、「栄養強化食品組成物」、「栄養強化食品製品」及び「最終食品製品」は、包装、使用又は消費できる状態の食品組成物を意味する。例えば、栄養強化食品組成物は調理されていてもよく、又は最終食品製品を含む成分が混合されているか、若しくは他の方法で互いに統合されていてもよい。
【0167】
「栄養強化食品製品」、「最終食品製品」及び「強化食品製品」は、包装、使用又は消費できる状態の食品を意味する。例えば、栄養強化食品製品は調理されていてもよく、又は最終食品製品を含む成分が混合されているか、若しくは他の方法で互いに統合されていてもよい。
【0168】
「生鮮品」は、長い貯蔵寿命を有するように、冷凍されていない、缶詰にされていない又は他の方法で保存されていない製品である。
【0169】
「食品」、「食品組成物」、「食品製品」及び「食糧」は、栄養及び/又はカロリー源としてヒトにより摂取されることが意図又は予想される任意の組成物を意味する。食品組成物又は製品は炭水化物、脂肪、水及び/タンパク質から主になり得、実質的に人の毎日のカロリー摂取量全体を占めている。果実調製物又は野菜調製物は食品、食品組成物、食品製品又は食糧である。「食品組成物」、「食品製品」、「栄養強化食品組成物」又は「栄養強化食品製品」は典型的にはカプセル化されていないか、又は錠剤の形態ではない。
【0170】
「強化」又は「栄養強化」は、食品又は食品製品の栄養素含有量を増加させるための栄養素又は他の化学物質の添加を意味する。強化及び栄養強化は、本明細書において交換可能に用いられる。
【0171】
「冷凍」品は、0℃未満の温度の冷凍室で保存、輸送及び/又は販売され、冷凍室温度で固体である製品である。冷凍品は、製品温度が0℃未満である場合に消費される場合が多い。
【0172】
「果実調製物」又は「野菜調製物」は、果実又は野菜のピューレを指し得るが、細かく切断された果実又は野菜片を含む調製物も含み得る。細かく切断された果実又は野菜片をピューレに添加することで、消費された場合に咀嚼できる果実又は野菜調製物が製造される。細かく切断された果実片又は野菜片を咀嚼することにより得られる口当たりは、特定の用途において望ましい。
【0173】
「ゼラチン」はコラーゲン由来の食品成分である。ゼラチンは酸、塩基又は熱に曝露するyことによりコラーゲンから調製される。酸、塩基又は熱に曝露することで、コラーゲンポリペプチドが変性し、可逆性ゲルが形成される。
【0174】
瞬間殺菌としても公知の「高温短時間」又は「HTST」は、熱に最小限に曝露した食品を製造し、該食品を殺菌する、食品の殺菌技術である。「HTST」処理法は、許容できる生物学的汚染物質を含む製品を製造するために用いられ得る。例えば、処理温度は1秒~180秒、1秒~120秒、1秒~90秒、1秒~60秒、1秒~30秒、5秒~120秒、5秒~90秒、5秒~60秒、5秒~30秒、10秒~120秒、10秒~90秒、10秒~60秒、10秒~30秒又は10秒~20秒間で65℃~100℃、65℃~95℃、65℃~90℃、65℃~85℃、65℃~80℃、65℃~75℃、65℃~70℃、70℃~100℃、70℃~95℃、0℃~90℃、70℃~85℃、70℃~85℃、70℃~80℃又は70℃~75℃の温度であり得る。
【0175】
「タンパク質を含む成分」は、タンパク質を含む成分である。タンパク質を含む成分としては乳、乳製品、ヨーグルト、フローズンヨーグルト、バター、クリーム、アイスクリーム、ソフトクリーム、サワークリーム、チーズ、穀物、小麦粉、豆類、野菜、果実、野菜又は果実由来の製品、例えばアップルソース、ナッツ、ナッツバター、肉製品及び食品製品を調製するために用いられるか、又は直接消費される他の成分が挙げられる。
【0176】
「単離されたタンパク質」は、ポリペプチドの元の供給源から分離されたポリペプチドを意味する。乳タンパク質は乳から単離されたポリペプチドである。カゼイン及び乳清は、単離された乳タンパク質の例である。乳タンパク質濃縮物(MPC)は別の乳タンパク質である。同様に、大豆タンパク質は大豆から単離されたポリペプチドである。タンパク質濃縮物は、単離されたタンパク質である。
【0177】
「脂質」は、無極性溶媒又は極性有機溶媒に溶解でき、水には相対的に又は完全に不溶である分子の種類のいずれかを意味する。脂質分子は、本質的に疎水性の長い炭化水素の末端から主としてなるため、これらの特性を有する。脂質の例としては脂肪酸(飽和及び不飽和)、グリセリド又はグリセロリン脂質(例えばモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド又は中性脂肪、及びホスホグリセリド又はグリセロリン脂質)及び非グリセリド(スフィンゴ脂質、トコフェロール、トコトリエノール、コレステロール及びステロイドホルモンを含むステロール脂質、テルペノイド、脂肪アルコール、ワックス及びポリケチドを含むプレノール脂質)が挙げられる。
【0178】
「非光保護包装材」は、UV及び可視光からの保護を提供しない包装材である。
【0179】
「栄養補助食品」は、大量のカロリーとは対照的に、特定の栄養素を提供することにより食事を補うことが意図された組成物を意味する。栄養補助食品は、以下の成分:ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸、必須脂肪酸及び他の物質のいずれか1つ又は複数を含有し得る。栄養補助食品は典型的には錠剤化又はカプセル化される。単一の錠剤化又はカプセル化された栄養補助食品は、典型的には1日当たり15g以下のレベルで摂取される。栄養強化食品組成物、食品、食品組成物、食品製品又は食糧は栄養補助食品ではない。
【0180】
「油」は、微細藻類、他の植物及び/又は動物を含む生物により生成される任意のトリアシルグリセリド(又はトリグリセリド油)を意味する。「脂肪」と区別される「油」は、別段示されない限り、通常の室温及び圧力で一般に液体である脂質を指す。しかし、ココナッツ油は、一部のパーム油及びパーム核油のように典型的には室温で固体である。例えば、「油」としては大豆、菜種、キャノーラ、パーム、パーム核、ココナッツ、トウモロコシ、オリーブ、ヒマワリ、綿実、クフェア、ピーナッツ、ナガミノアマナズナ(camelina sativa)、カラシ種子、カシューナッツ、オート麦、ハウチワ豆、ケナフ、キンセンカ(calendula)、麻、コーヒー、亜麻仁、ヘーゼルナッツ、トウダイグサ(euphorbia)、カボチャ種子、コリアンダー、カメリナ、ゴマ、ベニバナ、米、アブラギリ、ココア、コプラ、ケシ、トウゴマ、ペカン、ホホバ、ジャトロファ(jatropha)、マカダミア、ブラジルナッツ及びアボカド、並びにこれらの組み合わせ由来の油が挙げられるがこれらに限定されない、植物由来の植物性油又は種子油が挙げられる。動物脂肪及び油としてはバター脂肪、クリーム、ギー、ラード、獣脂及び動物由来の他の食用脂肪及び油が挙げられる。
【0181】
ω-3脂肪酸又はn-3脂肪酸とも呼ばれる「オメガ-3脂肪酸」は、脂肪酸の炭素鎖のω-3位に炭素-炭素二重結合を含有する多価不飽和脂肪酸(PUFA)である。3つの一般的な種類の脂肪酸としては、植物油に含まれるアルファ-リノレン酸(ALA)、並びに海産油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)がある。海藻はDHA及びEPAの供給源であり、亜麻仁油及びクルミ油等の植物油はALAの一般的な供給源である。
【0182】
「過酸化物価」は、不飽和脂肪及び油の酸敗度の尺度である。過酸化物価は、油1kg当たりの不飽和脂肪の分解から生じた過酸化酸素の量として定義される。過酸化物価は、典型的にはミリ当量で表される。
【0183】
「多糖」は高分子炭水化物分子である。多糖は変性又は非変性であり得る。
【0184】
「プロバイオティクス」又は「活性培養物」は、消費された場合に健康上の利益をもたらす生きた微生物である。ヨーグルト、昆布茶、味噌、ザワークラウト、キムチは、消費された場合にプロバイオティクス又は活性培養物を提供することが公知の食品である。
【0185】
本明細書で用いられる「タンパク質」又は「ポリペプチド」は、「アミド」結合又は「ペプチド」結合で一緒に連結した一連のアミノ酸モノマーである。「タンパク質」及び「ポリペプチド」は少なくとも2個のアミノ酸モノマーを含み、数百又は数千個のアミノ酸モノマーを含む場合もある。
【0186】
「ピューレ」は、裏ごしした、すりつぶした、押しつぶした、刻んだ、ブレンドした、柔らかくした、絞った又は他の方法で液体又は注入可能な形態に加工した果実又は野菜である。裏ごしした、すりつぶした、押しつぶした、刻んだ、ブレンドした、柔らかくした、絞った又は他の方法で液体又は注入可能な形態に加工した果実又は野菜は濃縮形態であり得る。例えば、用語「ピューレ」は、濃縮果汁又は濃縮野菜汁を含む。ピューレは細かく切断された果実片又は野菜片も含み得る。
【0187】
「冷蔵」又は「冷蔵保存」は、食品組成物又は製品(果実又は野菜調製物を含む)が、室温未満の温度を維持する温度制御された環境で保存されることを意味する。典型的には、冷蔵温度は1℃~10℃の範囲である。
【0188】
「貯蔵安定」製品は、室温で密封容器に長期間安全に保存できる製品である。
【0189】
「ヒトの消費に適した」は、健康への悪影響なしに食事摂取としてヒトにより消費され得、消化管内での消化物質の取り込みにより、有意なカロリー摂取量を提供できる組成物を意味する。
【0190】
「未調理品」は、加熱されていない組成物を意味するが、以前に加熱された1つ又は複数の成分を含み得る。
【0191】
「W/W」又は「w/w」は、質量割合に関して、組成物(例えば果実又は野菜組成物)中の1つの物質の質量(重量)に対する組成物の全質量の比を意味する。例えば、5%w/wのオメガ-3脂肪酸を含む栄養強化食品組成物又は製品は、栄養強化食品組成物又は製品の質量の5%がオメガ-3脂肪酸であり、組成物の残りの質量が他の成分からなることを意味する。例えば、5%w/wのオメガ-3脂肪酸の食品組成物又は食品については、100gの栄養強化食品組成物又は製品が、5gのオメガ-3脂肪酸を有する。同様に2.5%w/wのコリン(又はコリン塩)の食品組成物又は製品については、100gの栄養強化食品組成物又は製品が2.5gのコリン(又はコリン塩)を有する。
【0192】
食品製品を栄養強化するためのコリン及びオメガ-3脂肪酸を含む組成物、並びに栄養強化食品製品
食品製品を栄養強化するためのコリン及びオメガ-3脂肪酸を含む組成物が提供される。該組成物で栄養強化されている場合、食品製品は、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は食品製品は50mEq未満の過酸化物価を有する。
【0193】
食品中のオメガ-3脂肪酸等の多価不飽和脂肪酸の酸化は、許容できない味又は許容できない臭いを有する食品製品をもたらす。驚くべきことに且つ意外にも、高レベルのコリン又はコリン塩及び高レベルのオメガ-3脂肪酸を有する組成物が、食品に添加された場合、許容できる味、許容できる臭いを有する食品製品をもたらすか、又は50mEq未満の過酸化物価を有する食品製品をもたらすことが発見された。
【0194】
様々な実施形態において、食品製品の過酸化物価は、本明細書で提供される組成物で栄養強化されている場合、50mEq未満、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満又は5mEq未満である。或いは、食品製品の過酸化物価は1~50mEq、1~45mEq、1~40mEq、1~35mEq、1~30mEq、1~25mEq、1~24mEq、1~23mEq、1~22mEq、1~21mEq、1~20mEq、1~17.5mEq、1~15mEq、1~12.5mEq及び1~10mEqである。過酸化物価は、市販の機械で測定され、AOCS公式法Cd 8-53、ISO/IEC17025又は他の公知の方法に従って行われ得る。
【0195】
一実施形態において、組成物は、食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのコリン塩(mg/g)及び食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのオメガ-3脂肪酸(mg/g)を含む食品製品を製造するのに十分な量で食品製品に添加される。別段示されない限り、単位「mg/g」は、食品製品1g当たりmgの成分(例えばコリン塩又はオメガ-3脂肪酸)を指す。したがって、語句「少なくとも0.25mg/gのコリン塩」は、食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのコリン塩を意味し、語句「少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸」は、食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのオメガ-3脂肪酸を意味する。
【0196】
特定の実施形態において、食品製品は、食品製品への組成物の添加前又は後、食品製品1g当たり少なくとも25mgのタンパク質を含む。幾つかの実施形態において、組成物に含まれ得る単離されたタンパク質は、食品製品1g当たり少なくとも25mgのタンパク質のタンパク質レベル(「25mg/gのタンパク質」とも表される)を得るために食品製品に添加される。
【0197】
幾つかの実施形態において、食品製品中に存在するオメガ-3脂肪酸の酸化レベルは、組成物で栄養強化されていない食品と比較して低減される。
【0198】
コリン
コリンの任意の好適な供給源は、本明細書に記載される組成物、食品製品及び方法において使用できる。幾つかの実施形態において、栄養強化食品製品は、組成物で栄養強化されている場合、食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのコリン又はコリン塩を含む食品製品を提供する。様々な実施形態において、食品製品は、0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/gの濃度でコリン又はコリン塩を提供するために本明細書で提供される組成物で栄養強化されている。したがって、組成物中のコリン塩の量は、所望の濃度のコリン塩を食品製品に付与するのに十分である。当業者が容易に認識するように、この量は、組み合わせるコリン又はコリン塩含有組成物と食品製品の相対量に応じて変化する。
【0199】
本明細書で教示される組成物のコリン塩は酢酸コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、クエン酸コリン、重酒石酸コリン及び乳酸コリンからなる群から選択され得る。
【0200】
幾つかの実施形態において、コリン塩の代わりに又はそれに加えて、ホスホチジルコリン及び/又は遊離塩基コリンが、コリンを栄養強化食品に供給するために用いられる。様々な形態のコリンの好適な濃度は、本明細書で提供される指針に基づき決定され得る。例えば、当業者が公知のように、塩化コリンはコリン74質量%であるが、ホスホチジルコリンはわずか13質量%である。一般に、例えば用いられるホスホチジルコリンの量は、上に示した量のコリンを供給しなければならない。
【0201】
オメガ-3脂肪酸
栄養強化食品製品は、組成物で栄養強化されている場合、食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのオメガ-3脂肪酸を含む食品製品を提供する。様々な実施形態は、0.25mg/g~5mg/g、0.25mg/g~4mg/g、0.25mg/g~3.5mg/g、0.25mg/g~3mg/g、0.25mg/g~2.5mg/g、0.25mg/g~2mg/g、0.25mg/g~1.75mg/g、0.25mg/g~1.5mg/g、0.25mg/g~1.25mg/g及び0.25mg/g~1mg/g食品製品の濃度でオメガ-3脂肪酸を含む食品製品を調製するために組成物で栄養強化されている食品製品を提供する。幾つかの実施形態(例えば、本明細書に記載される一部の果実又は野菜調製物)において、より高い濃度のオメガ-3脂肪酸が用いられる。様々な実施形態において、食品製品1g当たりのオメガ-3脂肪酸の濃度は0.5mg/g~10mg/g、1.0mg/g~8mg/g、1.5mg/g~6mg/g、2mg/g~4mg/g又は2mg/g~3mg/gである。したがって、組成物中のオメガ-3脂肪酸の量は、所望の濃度のオメガ-3脂肪酸を食品製品に付与するのに十分である。当業者が容易に認識するように、この量は、組み合わせるオメガ-3脂肪酸含有組成物と食品製品の相対量に応じて変化する。
【0202】
オメガ-3脂肪酸の任意の好適な供給源は、組成物、食品製品及び本明細書に記載される方法において使用できる。オメガ-3脂肪酸は菜食源又は非菜食源から得ることができる。食品製品を調製するために添加される組成物のオメガ-3脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びアルファ-リノレン酸(ALA)からなる群から選択され得る。異なるオメガ-3脂肪酸の組み合わせが用いられる場合、DHA、EPA及び/又はEPAの総量は少なくとも0.25mg/g食品製品であり、上に列挙した濃度範囲は、種類に関わらず、オメガ-3脂肪酸の量を指す。組成物はDHAを単独で(即ち、唯一のオメガ-3脂肪酸として)、EPAを単独で又はALAを単独で含み得る。或いは、DHA、EPA及びALAのいずれかの組み合わせが、食品製品を栄養強化するために用いられ得る。例えば、組成物はDHA及びALAを含み得る。組成物はEPA及びALAを含み得る。組成物はDHA及びEPAを含み得る。組成物はDHA、EPA及びALAを含み得る。
【0203】
本明細書に記載される組成物及び製品(例えば以下で考察される果実又は野菜調製物)に用いられるオメガ-3脂肪酸は、カプセル化されていてもよく、又はカプセル化されていなくてもよい。カプセル化された脂肪酸は、「マイクロカプセル化された」と称される場合がある。オメガ-3脂肪酸はタンパク質、例えば乳製品タンパク質若しくは植物タンパク質(これらの説明については以下を参照のこと)、又は変性若しくは非変性炭水化物でカプセル化され得る。炭水化物(例えば多糖)への「変性」は、この文脈に適当である当業者に公知の任意の変性を含み得る。例としては、熱変性、酵素変性、粉砕及び共混合が挙げられ、これらは最も一般的な種類の多糖の変性である。例示的な実施形態において、オメガ-3脂肪酸は変性多糖、非変性多糖又はゼラチンでカプセル化され得る。オメガ-3脂肪酸をカプセル化するのに有用な多糖としては寒天、カラギーナン、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、ペクチン、キサンタンガム、ジェランガム、単糖及び二糖が挙げられる。オメガ-3脂肪酸はまた、単糖又は二糖でカプセル化され得る。オメガ-3脂肪酸をマイクロカプセル化する他の方法としては、リポソームの形成が挙げられる。オメガ-3脂肪酸のカプセル化方法は、この説明についてはその全体が参照により本明細書に組み込まれている、Feixollahi等(2018年1月) Current Nutrition & Food Science 14(2):90~103に総説されている。
【0204】
タンパク質
様々な実施形態において、食品製品は、組成物で栄養強化されている場合、25~200mg/g、25~180mg/g、25~170mg/g、25~150mg/g、25~125mg/g、25~120mg/g、25~110mg/g、25~100mg/g、25~90mg/g、25~80mg/g、25~70mg/g、25~60mg/g又は25~50mg/gの濃度でタンパク質を含む。タンパク質は、組成物の添加前に食品製品に既に存在し得るか、組成物自体に存在し得るか、又はこれらの何らかの組み合わせであり得る。
【0205】
様々な実施形態において、食品製品は25~200mg/g、25~180mg/g、25~170mg/g、25~150mg/g、25~125mg/g、25~120mg/g、25~110mg/g、25~100mg/g、25~90mg/g、25~80mg/g、25~70mg/g、25~60mg/g又は25~50mg/gの濃度でタンパク質を含む。
【0206】
特定の実施形態において、食品製品は、組成物に含まれていてもよく、又は組成物とは別に食品製品に添加されてもよい単離されたタンパク質で栄養強化されている。したがって、組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25mg/gを食品製品に送達するのに十分なタンパク質、又は上に示されたタンパク質範囲のいずれかに該当するレベルのタンパク質を含み得る。
【0207】
単離されたタンパク質は、任意の単離されたタンパク質であり得る。食品製品に添加できる単離されたタンパク質としては、乳製品タンパク質が挙げられる。好ましい乳製品タンパク質としては乳タンパク質、カゼイン又は乳清がある。大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、綿実タンパク質、トウモロコシタンパク質又は小麦タンパク質を含む植物源から単離されたタンパク質も使用できる。使用できる更なるタンパク質源は、「タンパク質」という表題の「更なる成分」に基づく項において以下で考察される。
【0208】
コリン、オメガ-3脂肪酸及び任意で単離されたタンパク質の例示的な濃度
例示的な実施形態において、食品製品(例えば撹拌型ヨーグルト)を栄養強化するための組成物は、約0.70mg/g食品製品~約2.5mg/g食品製品を有する食品製品を得るのに十分な濃度でコリン(例えば塩化コリン)と共に、0.45mg/g食品製品~約4.5mg/g食品製品の濃度でALAを有する食品製品を得るのに十分な濃度でALA、及び約0.40mg/g食品製品~約3.5mg/g食品製品を有する食品製品を得るのに十分な濃度でDHAを含み得る。具体的で例示的な実施形態において、食品製品を栄養強化するための組成物(例えば撹拌型又は飲用ヨーグルト)は、約1.06mg/g食品製品を有する食品製品を得るのに十分な濃度でコリン(例えば塩化コリン)と共に、約1.4mg/g食品製品の濃度でALAを有する食品製品を得るのに十分な濃度でALA、及び約1.15mg/g食品製品を有する食品製品を得るのに十分な濃度でDHAを含み得る。食品製品が単離されたタンパク質を含む場合、単離されたタンパク質は、食品製品を栄養強化するための組成物に含まれていてもよいが、必ずしも含まれている必要はない。例示的な実施形態において、単離されたタンパク質が組成物に含まれる場合、単離されたタンパク質(例えば乾物でタンパク質85%の乳タンパク質濃縮物)は、約15mg/g食品製品~約55mg/g食品製品を有する食品製品を得るのに十分な濃度で含まれ得る。
【0209】
例示的な実施形態において、栄養強化食品製品(例えば撹拌型ヨーグルト)は、約0.70mg/g食品製品~約2.5mg/g食品製品の濃度でコリン(例えば塩化コリン)と組み合わせて、0.45mg/g食品製品~約4.5mg/g食品製品の濃度でALA及び約0.40mg/g食品製品~約3.5mg/g食品製品の濃度でDHAを含む。具体的で例示的な実施形態において、栄養強化食品製品(例えば撹拌型又は飲用ヨーグルト)は、約1.06mg/g食品製品の濃度でコリン(例えば塩化コリン)と共に、約1.4mg/g食品製品の濃度でALA及び約1.15mg/g食品製品の濃度でDHAを含み得る。単離されたタンパク質が食品製品に添加される例示的な実施形態において、単離されたタンパク質(例えば乾物でタンパク質85%の乳タンパク質濃縮物)の濃度は、約15mg/g食品製品~約55mg/g食品製品であり得る。一般に、食品製品が幾つかのタンパク質を有する原料を含む場合、より少ない量のタンパク質が用いられ得る。例えば、乳は典型的におよそ35mgのタンパク質/gを有し、したがって乳性食品製品は、少なくとも25mgのタンパク質/g食品製品を含有する栄養強化食品製品を製造するために、(乳に添加される他の成分の量に応じて)単離されたタンパク質をそこに添加する必要がある場合も、必要ない場合もある。(ALA、DHA、コリン及びタンパク質のこれらの濃度範囲を開示する、例えば実施例1を参照のこと)。
【0210】
食品製品を栄養強化するための組成物を調製する方法
食品製品を栄養強化するための組成物を調製する方法は、コリン又はコリン塩、オメガ-3脂肪酸、及びタンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分を組み合わせることを伴う。一実施形態において、食品製品が前記組成物で栄養強化されている場合、食品製品は、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は食品製品は50mEq未満の過酸化物価を有する。様々な実施形態において、組成物で栄養強化されている食品製品の過酸化物価は50mEq未満、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満又は5mEq未満である。
【0211】
組成物を調製する方法の一実施形態において、最初にコリン又はコリン塩をオメガ-3-脂肪酸と組み合わせて、コリン塩/オメガ-3脂肪酸配合物を調製し、コリン塩/オメガ-3脂肪酸配合物を、タンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分と組み合わせる。
【0212】
別の実施形態において、コリン又はコリン塩、オメガ-3脂肪酸、及びタンパク質又は単離されたタンパク質を含む成分を同時に組み合わせる。
【0213】
栄養強化食品製品を調製する方法
栄養強化食品製品(又は食品組成物)、例えば上記のものは、コリン及びオメガ-3脂肪酸を少なくとも1つの食用成分と組み合わせて、少なくとも0.25mg/gのコリン(例えば、遊離塩基コリン、コリン塩又はホスホチジルコリン)、少なくとも0.25mg/gのオメガ-3脂肪酸及び任意で少なくとも25mg/gのタンパク質を含む栄養強化食品製品(又は食品組成物)を製造することにより調製され得る。得られた栄養強化食品製品(又は食品組成物)は、官能パネルにより決定される許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は栄養強化食品組成物は50mEqの過酸化物価を有する。
【0214】
一実施形態において、オメガ-3脂肪酸を少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる前に、コリンを少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせてもよい。或いは、コリンを少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせる前に、オメガ-3脂肪酸を少なくとも1つの食用食品成分と組み合わせてもよい。別の実施形態において、コリン及びオメガ-3脂肪酸を少なくとも1つの食用食品成分と同時に組み合わせてもよい。これは、例えばコリン及びオメガ-3脂肪酸を「予め組み合わせ」て、上に記載されたもの等の食品製品(又は食品組成物)を栄養強化するための組成物を形成する場合の例である。単離されたタンパク質が食品製品(又は食品組成物)に添加される場合、これは食品製品を栄養強化するための組成物中に存在していてもよく、又は別に添加されてもよい。単離されたタンパク質が別に添加される場合、単離されたタンパク質は、多くの用途の任意の時点で、及びタンパク質が栄養強化食品製品(又は食品組成物)の調製における特定の時点で最適に添加される場合の用途の任意の時点で添加され得、この時点は当業者に明らかであるか、又は当業者により容易に決定される。
【0215】
上で考察されるコリン、オメガ-3脂肪酸、タンパク質及びこれらの濃度は、栄養強化食品製品(例えば食品組成物)を調製する方法に等しく適用される。栄養強化食品製品(例えば食品組成物)は、任意の食品製品、例えば本明細書に記載されるもののいずれかであり得、当業者は所与の食品製品(例えば食品組成物)に対して1つ又は複数の好適な食用成分を容易に選択できる。
【0216】
方法は混合する、ブレンドする、刻む、泡立てる、錬る、折り畳む、加熱する、冷却する又は冷凍する等、特定の食品製品(又は食品組成物)の調製に関連して用いられる任意の工程を更に含み得る。同様に、方法は、食品製品(又は食品組成物)を任意の好適な包装材で包装することを更に含み得る。包装材は、光保護包装材又は非光保護包装材であってよく、任意で非光保護包装材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)又は他のこれらの植物性等価物を含む。
【0217】
栄養強化食品製品及びその安定性
上記のように、様々な実施形態において、食品製品は、組成物で栄養強化されている場合、0.25mg/g~5mg/g食品製品の濃度でコリン若しくはコリン塩、0.25mg~5mg/g食品製品の濃度でDHA及び/又は0.25mg/g~5mg/g食品製品の濃度でALAを含む。幾つかの実施形態において、食品製品は、何らかの形態のコリン及び少なくとも1つのオメガ-3脂肪酸に加えて、25mg/g~200mg/g食品製品の濃度でタンパク質を含む。(これらの成分の更なる濃度範囲については上記を参照のこと)。
【0218】
食品製品は、本明細書で提供される組成物で栄養強化されている場合、0℃~25℃の温度で少なくとも2週間光に曝露された場合に安定であり、食品製品は許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は栄養強化食品製品は50mEq未満の過酸化物価を有する。上記のように、オメガ-3脂肪酸は化学的に不安定であり、UV又は可視光に曝露された場合に簡単に酸化する。様々な実施形態において、食品製品は、組成物で栄養強化されている場合、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間又は少なくとも52週間光に曝露された場合に許容できる味又は許容できる臭いを有する。
【0219】
食品製品は、本明細書で提供される組成物で栄養強化されている場合、非冷蔵容器又は冷蔵容器に保存された場合に許容できる味、許容できる臭い又は50mEq未満の過酸化物価を有する。食品製品は、非冷蔵容器又は冷蔵容器に少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間又は少なくとも52週間保存され、許容できる味、許容できる臭い又は50mEq未満の過酸化物価を有することができる。冷蔵又は非冷蔵容器は照明付き又は照明なしの小売陳列ケースであり得る。
【0220】
特定の実施形態において、本明細書に記載される組成物で栄養強化されている食品製品は、魚臭味、金属味又は酸敗味を全く有さないか、又は許容できる程度に低いレベルで有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される組成物で栄養強化されている食品製品は、コリン又はコリン塩及びオメガ-3脂肪酸で栄養強化されていない食品製品と比較して、低減された魚臭味、低減された金属味又は低減された酸敗味を有する。
【0221】
別の態様において、本明細書に記載される組成物で栄養強化されている食品製品は、野菜臭、果実臭、花臭、薬品臭、化学臭、魚臭さ、悪臭、塗料臭又は土臭さを全く有さないか、又は許容できる程度に低いレベルで有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される組成物で栄養強化されている食品製品は、組成物で栄養強化されていない食品と比較して、低減された野菜臭、果実臭、花臭、薬品臭、化学臭、魚臭さ、悪臭、塗料臭又は土臭さを有する。
【0222】
組成物で栄養強化されている食品製品は、ヒト又は動物により消費され得る任意の食品製品である。一実施形態において、食品製品は乳製品である。乳製品としては全乳、低脂肪乳、限外濾過乳、フレーバーミルク、フレーバーミルク飲料、食事代替飲料、プロテインシェーク、ヨーグルトベースのスムージー、ヨーグルト、チーズ、チーズ製品、液体クリーマー、粉末クリーマー、プロバイオティクスショット、プリン、デザート、ディップ、ドレッシング若しくはソース又は調味料があり得る。幾つかの実施形態において、食品製品は非乳製品液体又は粉末クリーマーである。
【0223】
一実施形態において、組成物で栄養強化されている食品製品は飲料である。飲料としては乳、発酵ヨーグルト飲料、ジュース、果実飲料、炭酸飲料、大豆乳、アーモンド乳及び植物物質由来の他の「乳」を含む乳代替物、アルコール飲料、コーヒー飲料又は茶飲料があり得る。
【0224】
幾つかの実施形態において、組成物で栄養強化されている食品製品は、ナッツバター又は種子バターである。例示的なナッツバター及び種子バターとしてはピーナッツバター、アーモンドバター、カシューバター、チェストナットバター、ヘーゼルナッツバター、マカダミアナッツバター、ペカンバター、クルミバター、ブラジルナッツバター、ピスタチオバター、ゴマ種子バター(タヒニ)、ヒマワリ種子バター、カボチャ種子バター等が挙げられる。
【0225】
特定の実施形態において、組成物で栄養強化されている食品製品はバー、例えばキャンディーバー、グラノーラバー、エネルギーバー、プロテインバー又は食事代替バーである。このようなバーは、複合炭水化物、例えばオート麦又は大麦、並びにフルクトース、グルコース、マルトデキストリン等のような糖を含み得る。このようなバーに一般に含まれる脂肪としてはココアバター及びチョコレートが挙げられる。他の成分としては、例えば、上記のナッツバター又は種子バターのいずれか、及び「更なる成分」という表題の項において以下に列挙される任意の好適な成分、例えば穀物、種子、タンパク質及び甘味料を挙げることができる。バーは、任意の形状であってよく、ヨーグルト又はチョコレート等のコーティングがかぶせられてもよい。
【0226】
本明細書で提供される組成物で栄養強化されている食品製品は生鮮、冷凍又は貯蔵安定性である。一実施形態において、食品製品は缶詰又はレトルトである。
【0227】
栄養強化されている食品製品は追加の成分、例えば「更なる成分」という表題の以下の項に記載されるもののうちの1つ又は複数を含み得る。
【0228】
冷凍食品である、組成物で栄養強化されている食品製品としてはアイスクリーム、ソフトクリーム、アイスクリーム商品、冷菓、フローズンヨーグルト、アイスキャンディー、冷凍主菜、冷凍加工食品、冷凍ディナー、冷凍ランチ及び冷凍ブレックファーストが挙げられる。
【0229】
例示的な配合
カップ及びチューブに好適な撹拌型ヨーグルトの例示的な配合を以下の表に示す。
【0230】
【0231】
【0232】
ヨーグルト飲料の例示的な配合を以下の表に示す。
【0233】
【0234】
【0235】
チョコレートミルク/ミルク飲料の例示的な配合を以下の表に示す。
【0236】
【0237】
ストリングチーズ/スティックの例示的な配合を以下の表に示す。
【0238】
【0239】
チョコレート風味のプリンの例示的な配合を以下の表に示す。
【0240】
【0241】
非乳製品クリーマーの例示的な配合を以下の表に示す。
【0242】
【0243】
コリン及びオメガ-3脂肪酸を含む果実又は野菜調製物
幾つかの実施形態において、果実又は野菜調製物はコリン及びオメガ-3脂肪酸で栄養強化されている。
【0244】
多価不飽和脂肪酸、例えばオメガ-3脂肪酸の酸化は、許容できない外観、風味、味、香り、臭い又は食感を有する、オメガ-3脂肪酸が補われた果実又は野菜調製物をもたらす。驚くべきことに且つ意外にも、許容できる外観、香り、風味又は食感を有する、高レベルのコリン又はコリン塩及び高レベルのオメガ-3脂肪酸を有する果実又は野菜調製物を調製できることが発見された。更に、高レベルのコリン又はコリン塩及び高レベルのオメガ-3脂肪酸を含む果実又は野菜調製物は貯蔵安定性があり、10~50℃、20℃~50℃又は30℃~50℃の温度に9~52週間曝露された後に許容できる外観、香り、風味及び/又は食感を有する。
【0245】
様々な実施形態において、果実又は野菜調製物は、50mEq未満の過酸化物価を有する。一態様において、果実又は野菜調製物の過酸化物価は50mEq未満、40mEq未満、35mEq未満、30mEq未満、25mEq未満、20mEq未満、15mEq未満、10mEq未満又は5mEq未満である。別の態様において、果実又は野菜調製物の過酸化物価は1~50mEq、1~45mEq、1~40mEq、1~35mEq、1~30mEq、1~25mEq、1~24mEq、1~23mEq、1~22mEq、1~21mEq、1~20mEq、1~17.5mEq、1~15mEq、1~12.5mEq及び1~10mEqである。過酸化物価は、市販の機械で測定され、AOCS公式法Cd 8-53、ISO/IEC17025又は他の公知の方法に従って行われ得る。
【0246】
特定の実施形態において、果実又は野菜調製物は、果実又は野菜調製物100g当たり100mg~1000mgのオメガ-3脂肪酸(mg/100g)を含み、果実又は野菜ピューレ100g当たり50mg~500mgのコリンを含む。別段示されない限り、単位「mg/g」は、果実又は野菜調製物1g当たりmgの成分(例えばコリン又はオメガ-3脂肪酸)を指す。したがって、語句「少なくとも0.25mg/gのコリン塩」は、食品製品1g当たり少なくとも0.25mgのコリン塩を意味し、語句「少なくとも100mg/100gのオメガ-3脂肪酸」は、果実又は野菜調製物100g当たり少なくとも100mgのオメガ-3脂肪酸を意味する。
【0247】
様々な実施形態において、DHA、EPA及び/又はEPAの総量は、100mg/100g~1000mg/100gのオメガ-3脂肪酸、100mg/100g~750mg/100gのオメガ-3脂肪酸、100mg/100g~500mg/100gのオメガ-3脂肪酸、100mg/100g~400mg/100gのオメガ-3脂肪酸、150mg/100g~400mg/100gのオメガ-3脂肪酸、150mg/100g~350mg/100gのオメガ-3脂肪酸、200mg/100g~350mg/100gのオメガ-3脂肪酸又は200mg/100g~300mg/100gのオメガ-3脂肪酸である。
【0248】
様々な実施形態において、果実又は野菜調製物は、50mg/100g~500mg/100gのコリン、50mg/100g~400mg/100gのコリン、50mg/100g~350mg/100gのコリン、50mg/100g~300mg/100gのコリン、50mg/100g~250mg/100gのコリン、50mg/100g~200mg/100gのコリン、75mg/100g~250mg/100gのコリン、75mg/100g~200mg/100gのコリン又は100mg/100g~200mg/100gのコリンの濃度でコリン又はコリン塩を提供する。
【0249】
上記のコリン及びオメガ-3脂肪酸(カプセル化されたオメガ-3脂肪酸を含む)のいずれか及びこれらの組み合わせが、本明細書に記載される果実又は野菜調製物において使用できる。
【0250】
果実又は野菜調製物は、追加の成分、例えば「更なる成分」という表題の以下の項に記載されるもののうちの1つ又は複数を含み得る。
【0251】
例示的な果実又は野菜調製物としてはアップルソース、洋ナシソース、バナナソース、ストロベリーソース又は2つ以上の果実及び野菜の組み合わせ、例えばストロベリーアップルソース及びアップルバナナソース等が挙げられる。
【0252】
例示的な実施形態において、果実又は野菜調製物(例えばアップルソース、シナモンアップルソース又はストロベリーアップルソース)は、約0.70mg/g果実又は野菜調製物~約3.5mg/g果実又は野菜調製物(例えば1.8mg/g果実又は野菜調製物)の濃度でコリン(例えば塩化コリン)と組み合わせて、約5mg/g果実又は野菜調製物~約15mg/g果実又は野菜調製物の濃度で(例えばオメガ-3脂肪酸粉末からの)オメガ-3脂肪酸を含み得る。(例えば実施例13を参照のこと)。単離されたタンパク質が果実又は野菜調製物に添加される例示的な実施形態において、単離されたタンパク質(例えば乾物でタンパク質85%の乳タンパク質濃縮物)の濃度は、約15mg/g果実又は野菜調製物~約55mg/g果実又は野菜調製物であり得る。(実施例13に示す例示的なアップルソース、シナモンアップルソース及びストロベリーアップルソースは、いずれかの添加される単離されたタンパク質を含まない)。
【0253】
例示的な実施形態において、果実又は野菜調製物(例えばアップルソース、シナモンアップルソース又はストロベリーアップルソース)を栄養強化するための組成物は、約0.70mg/g食品製品~約3.5mg/g食品製品を有する果実又は野菜調製物を得るのに十分な濃度でコリン(例えば塩化コリン)と共に、約5mg/g果実又は野菜調製物~約15mg/g果実又は野菜調製物(例えば10mg/g果実又は野菜調製物)の濃度で(例えばオメガ-3脂肪酸粉末からの)オメガ-3脂肪酸を有する果実又は野菜調製物を得るのに十分な濃度でオメガ-3脂肪酸を含み得る。果実又は野菜調製物が、単離されたタンパク質を含む場合、単離されたタンパク質は、果実又は野菜調製物を栄養強化するための組成物に含まれていてもよいが、必ずしも含まれている必要はない。例示的な実施形態において、単離されたタンパク質が組成物に含まれる場合、単離されたタンパク質(乾物でタンパク質85%の乳タンパク質濃縮物)が、約15mg/g果実又は野菜調製物~約55mg/g果実又は野菜調製物を有する食品製品を得るのに十分な濃度で含まれ得る。
【0254】
例示的な配合
アップルソースの例示的な配合を以下の表に示す。
【0255】
【0256】
【0257】
幾つかの実施形態において、上の表に示す配合は0.01~0.05%のアスコルビン酸を含み得る。
【0258】
果実又は野菜調製物を調製する方法
本開示は、果実又は野菜調製物を調製する方法も提供する。果実又は野菜調製物を調製する方法は
a.ベースの果実又は野菜ピューレを用意する工程と、
b.コリン及びオメガ-3脂肪酸を果実又は野菜ピューレと組み合わせて、ピューレAを調製する工程と、
c.ピューレAを殺菌する温度にピューレAを曝露する工程と
d.果実又は野菜調製物を周囲温度に冷却する工程と
を含み、
果実若しくは野菜調製物が、官能パネルにより決定される許容できる外観、香り、風味及び食感を有するか、又は果実若しくは野菜ピューレが50mEq未満の過酸化物価を有する。
【0259】
幾つかの実施形態において、殺菌は、65℃~100℃、65℃~95℃、65℃~90℃、65℃~85℃、65℃~80℃、65℃~75℃、65℃~70℃、70℃~100℃、70℃~95℃、70℃~90℃、70℃~85℃、70℃~85℃、70℃~80℃、70℃~75℃、75℃~100℃、80℃~95℃又は85℃~90℃の温度で1秒~180秒、1秒~120秒、1秒~90秒、1秒~60秒、1秒~30秒、5秒~120秒、5秒~90秒、5秒~60秒、5秒~30秒、10秒~120秒、10秒~90秒、10秒~60秒、10秒~30秒又は10秒~20秒間行われる。幾つかの実施形態において、殺菌は長時間、例えば3、5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30分間行われる。例示的な実施形態において、殺菌は65℃~100℃の温度で1秒~30分間、80℃~96℃の温度で3~25分間、82℃~94℃の温度で3~20分間、84℃~92℃の温度で3~15分間又は85℃~90℃(例えば88℃)の温度で3~10分間(例えば約5分間)行われる。
【0260】
様々な実施形態において、果実又は野菜調製物を調製する方法は、1つ又は複数の追加の成分を、ベースの果実若しくは野菜ピューレ、ピューレA又は果実若しくは野菜調製物自体に添加することを含み得る。
【0261】
本明細書に開示される果実又は野菜調製物を調製する方法はアップルソース、洋ナシソース、バナナソース、ストロベリーソース又は2つ以上の果実及び野菜の組み合わせを調製するために用いられ得る。例示的なソースとしてはアップルソース、ストロベリーアップルソース、アップルバナナソースが挙げられる。
【0262】
例示的な実施形態において、果実又は野菜調製物(例えばアップルソース、シナモンアップルソース又はストロベリーアップルソース)は、約0.70mg/g果実又は野菜調製物~約3.5mg/g果実又は野菜調製物(例えば1.8mg/g果実又は野菜調製物)の濃度でコリン(例えば塩化コリン)と組み合わせて、約5mg/g果実又は野菜調製物~約15mg/g果実又は野菜調製物(例えば10mg/g果実又は野菜調製物)の濃度で(例えばオメガ-3脂肪酸粉末からの)オメガ-3脂肪酸を含み得る。(例えば実施例13を参照のこと)。このような調製物は、85℃~90℃(例えば約88℃[190°F])の温度で殺菌され得る。
【0263】
果実又は野菜調製物の安定性
果実又は野菜調製物を調製する方法は、10~50℃の温度に9~52週間、10~50℃に9~48週間、10~50℃に9~26週間、10~50℃に9~18週間、10~50℃に9~12週間曝露された後、又は20~50℃の温度に9~52週間、20~50℃に9~48週間、20~50℃に9~26週間、20~50℃に9~18週間若しくは20~50℃に9~12週間曝露された後、又は30~50℃の温度に9~52週間、30~50℃に9~48週間、30~50℃に9~26週間、30~50℃に9~18週間若しくは30~50℃に9~12週間曝露された後、許容できる外観、香り、風味及び食感を有する果実又は野菜調製物を製造する。これらの温度範囲及び時間は、許容できる外観、香り、風味及び/若しくは食感を有する果実若しくは野菜調製物の加速安定性試験に、又は果実又は野菜調製物の長期保存に用いられ得る。
【0264】
幾つかの実施形態において、果実又は野菜調製物は、非冷蔵容器又は冷蔵容器に保存された場合、果実又は野菜調製物は、許容できる外観、香り、風味及び/若しくは食感、又は50mEq未満の過酸化物価を有する。果実又は野菜調製物は、非冷蔵容器又は冷蔵容器に少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間又は少なくとも52週間保存され、許容できる外観、香り、風味及び/若しくは食感又は50mEq未満の過酸化物価を有することができる。冷蔵又は非冷蔵容器は照明付き又は照明なしの小売陳列ケースであり得る。
【0265】
特定の実施形態において、本明細書に開示される果実又は野菜調製物は、0℃~25℃の温度で少なくとも2週間光に曝露された場合に安定である。オメガ-3脂肪酸が化学的に不安定であり、UV又は可視光に曝露された場合に簡単に酸化するため、これは驚くべきことである。より具体的には、この光曝露後、果実若しくは野菜調製物は、許容できる味若しくは許容できる臭いを有するか、又は果実若しくは野菜調製物は50mEq未満の過酸化物価を有する。一態様において、果実又は野菜調製物が少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、少なくとも18週間、少なくとも24週間又は少なくとも52週間光に曝露された場合、果実又は野菜調製物は、許容できる外観、風味、味、香り、臭い及び/又は食感を有する。
【0266】
更なる成分
様々な実施形態において、本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物は、以下の追加の成分のうちの1つ又は複数を含み得る。同様に、本明細書に記載される方法は、これらの成分のいずれか又はその組み合わせを添加する1つ又は複数の工程を含み得る。
【0267】
鉄
本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物は更に鉄を含み得、本明細書に開示される方法は、鉄を添加する工程を更に含み得る。鉄は生体利用可能で、特定の用途に十分安定な形態でなくてはならず、鉄が添加される組成物、食品製品又は果実及び野菜調製物の味に悪影響を与えてはならない。幾つかの実施形態において、これらの目的は、鉄をカプセル化する(また「マイクロカプセル化する」とも称される)ことによって達成される。カプセル化の方法は周知であり、カプセル化オメガ-3脂肪酸の説明と関連して上で考察される材料の使用を含む。
【0268】
鉄をカプセル化する方法は、具体的には、この説明についてはその全体が参照により本明細書に組み込まれている、PCT国際公開WO2010040789に記載されている。この公報は、特に、アルギン酸鉄を含むコア及びアルギン酸カルシウムの外層を有するカプセル化された鉄を記載する。コアは生体利用可能な鉄塩、例えばサッカリン酸第二鉄を更に含み得る。コアはアルギン酸ナトリウムを更に含み得る。コアはキレート剤、例えばショ糖を更に含み得る。AB-Fortis社から市販されているカプセル化された鉄は、AB-FORTIS(登録商標)マイクロカプセル化鉄であり、これはサッカリン酸第二鉄(40w/w%鉄)を活性剤として、並びにアルギン酸ナトリウム及び酢酸カルシウムを含むアルギン酸カルシウムを含む。
【0269】
例示的な実施形態において、カプセル化された鉄、例えばAB-Fortisは、AB-FORTIS(登録商標)マイクロカプセル化鉄であり、約0.25mg/100g食品製品/果実及び野菜調製物~約20mg/100g食品製品/果実及び野菜調製物の濃度で食品製品又は果実及び野菜調製物に含まれ得る。様々な実施形態において、カプセル化された鉄の濃度は約0.25mg/g~18mg/g、0.25mg/g~16mg/g、0.25mg/g~14mg/g、0.50mg/g~12mg/g、0.50mg/g~10mg/g、0.50mg/g~8mg/g、0.50mg/g~6mg/g、0.75mg/g~4mg/g、0.75mg/g~3mg/g、1mg/g~3mg/g及び2mg/g~3mg/gであり得る。例示的な実施形態において、食品製品を栄養強化するための組成物中のカプセル化された鉄の量は、所望の濃度の鉄を食品製品に付与するのに十分である。当業者が容易に認識するように、この量は、組み合わせる鉄含有組成物と食品製品の相対量に応じて変化する。
【0270】
カプセル化された鉄は、カプセル化されていない鉄で容易に強化できない乳、ヨーグルト、アイスクリーム又はチーズのような乳製品ベースの製品等の食品を栄養強化するのに特に有用である。
【0271】
抗酸化剤
本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物は、抗酸化剤を更に含み得、本明細書に開示される方法は、抗酸化剤を添加する工程を更に含み得る。抗酸化剤はベータ-カロテン、リコペン、ゼアキサンチン、ルテイン、トコフェロール、トコトリエノール、ローズマリー抽出物、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンC(アスコルビン酸)、レスベラトロール、緑茶抽出物、コーヒーベリー抽出物、ブドウ種子抽出物、ブルーベリー抽出物及びクコの実抽出物からなる群から選択され得る。様々な実施形態において、(例えば果実又は野菜調製物中の)抗酸化剤の量は質量で0.005%~0.5%、0.005%~0.4%、0.005%~0.3%、0.005%~0.2%、0.005%~0.1%、0.01%~0.1%、0.01%~0.09%、0.01%~0.08%、0.01%~0.07%、0.01%~0.6%又は0.01%~0.05%であり得る。
【0272】
穀物及び/又は種子
本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物は、穀物及び/又は種子を更に含み得、本明細書に開示される方法は、穀物及び/又は種子を添加する工程を更に含み得る。任意の穀物又は種子がこの目的に用いられ得る。穀物はアマランス、大麦、ソバ、キビ、オート麦、米、ライ麦、ソルガム、スペルト、テフ、ライ小麦、小麦、キノア及び野生米からなる群から選択され得る。種子はチア、亜麻、麻、カラシ、ケシ、カボチャ及びヒマワリからなる群から選択され得る。様々な実施形態において、(例えば果実又は野菜調製物中の)穀物又は種子の量は質量で1%~20%、1%~15%、1%~10%、2%~10%、3%~10%、4%~10%又は5%~10%であり得る。
【0273】
タンパク質
タンパク質が、コリン及びオメガ-3脂肪酸と共に存在する実施形態が上で考察される。任意の特定の理論に拘束されずに、コリン及び/又はオメガ-3脂肪酸と共にタンパク質の存在は、両成分のうちの1つを安定化させるのに役立つと考えられている。しかし、単離されたタンパク質は、単に組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物のタンパク質含有量を増加させるために、本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物のいずれかに添加され得る。本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物に添加できる単離されたタンパク質は植物タンパク質、豆類タンパク質、ナッツタンパク質、藻類タンパク質、乳製品タンパク質及びマイコプロテインから選択され得る。例示的な単離された植物タンパク質としては大麦タンパク質、オート麦タンパク質、米タンパク質、小麦タンパク質及びジャガイモタンパク質が挙げられる。例示的な単離された豆類タンパク質としてはインゲン豆タンパク質(ファセオルス・ブルガリス)、ヒヨコ豆タンパク質、そら豆タンパク質、レンズ豆タンパク質、ライ豆タンパク質、緑豆タンパク質、ピーナッツタンパク質及び大豆タンパク質が挙げられる。例示的な単離されたナッツタンパク質としてはアーモンドタンパク質、カシュータンパク質、チェストナットタンパク質、ヘーゼルナッツタンパク質、マカダミアナッツタンパク質、ペカンタンパク質、ピスタチオタンパク質及びクルミタンパク質が挙げられる。例示的な単離された藻類タンパク質としてはスピルリナタンパク質、クロレラタンパク質、藍藻タンパク質、緑藻タンパク質及び紅藻タンパク質が挙げられる。例示的な単離された乳製品タンパク質としては乳清タンパク質及びカゼインが挙げられる。例示的な単離されたマイコプロテインとしてはサッカロミセスタンパク質及びフザリウムタンパク質が挙げられる。(例えば果実又は野菜調製物中の)タンパク質の量は質量で0.05%~5%、0.05%~4%、0.05%~3%、0.1%~5%、0.1%~4%、0.1%~3%、0.2%~5%、0.2%~4%、0.2%~3%、0.5%~5%、0.5%~4%、0.5%~3%、0.75%~5%、0.75%~4%、0.75%~3%、1%~5%、1%~4%、1%~3%又は1%~2%であり得る。タンパク質バー及び飲料の場合、タンパク質のレベ
ルは典型的にはより高く、例えば1食当たり10~25gである。
【0274】
プロバイオティクス及び/又は活性培養物
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物は、プロバイオティクス又は活性培養物を更に含み得る。プロバイオティクス又は活性培養物はラクトバチルス、ビフィドバクテリウム、サッカロミセス、エンテロコッカス、ストレプトコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック、バチルス又はこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択され得る。プロバイオティクス又は活性培養物は、ヨーグルト又はヨーグルトベースの飲料のような製品に有用である。
【0275】
甘味料
幾つかの実施形態において、甘味料が本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物に含まれ得る。例示的な甘味料としてはスクロース、グルコース、フルクトース、コーンシロップ、羅漢果抽出物、スクロモルト、アルロース、アガベ、蜂蜜、メープルシロップ、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、ステビア/レバウジオシド、ネオテーム、ブラゼイン、カラメル、ココナッツシュガー、マルトデキストリン、ソルガムシロップ、タガトース、アスパルテーム、アセスルファム-K、サッカリン、スクラロース及びシクラメートが挙げられる。
【0276】
包装
本明細書に記載される組成物、食品製品並びに果実及び野菜調製物は非光保護包装材で包装され得る。非光保護包装材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリ乳酸(PLA)又は他のこれらの植物性等価物を含み得る。
【実施例】
【0277】
(実施例1)
カップ及びチューブ用撹拌型ヨーグルト
【0278】
【0279】
方法
1)gmo又は非gmo乳を乳脂肪3.5%及び全固形分12.5%にバッチ処理する
2)乳を80~100Fに加熱する
3)バッチ1-高せん断液化機で乳タンパク質濃縮物を温かい乳に10分間ブレンドする
4)バッチ2-高せん断液化機で脱脂粉乳を温かい乳に10分間ブレンドする
5)バッチ3-タピオカデンプン、ローカストビーンガム、ペクチン/寒天ブレンドを温かい乳にブレンドする
6)バッチタンクに送る。全固形分及び脂肪の検査を行って、基準に対する組成を確認する。
7)HTST(高温/短時間)にポンプで送り、殺菌前にDHA、混合トコフェロール及び亜麻油(ALA)をバランスタンクに添加する。
8)170F~190Fで殺菌する
9)標準的なホモジナイザー(Gaulen社)により2段階で均質化する。第1段階1000~1500psi及び第2段階0~500psi
10)培養タンクにポンプで送り、基準に対する組成を取得する
11)培養物を103~110Fでタンクに添加し、20分間ブレンドする
12)撹拌を停止し、白色塊がpH4.4~4.9に達するまで発酵させる
13)撹拌しながら50Fに冷却する。50Fに達したら、撹拌を停止する。
【0280】
果実調製物及びフレーバーシステムの添加
【0281】
【0282】
14)果実調製物/フレーバーシステムを白色塊のヨーグルトに添加し、10分間ブレンドする
15)包装に送る
【0283】
(実施例2)
飲用ヨーグルト
【0284】
【0285】
方法
1)非gmo乳をBF3.5%及び全固形分12.5%にバッチ処理する
2)乳を80~100Fに加熱する
3)バッチ1-高せん断液化機で乳タンパク質濃縮物を温かい乳に10分間ブレンドする
4)バッチ3-タピオカデンプン及びジェランガムを温かい乳にブレンドする
5)水を添加する
6)バッチタンクに送る。全固形分及び脂肪の検査を行って、基準に対する組成を確認する。
7)HTST(高温/短時間)にポンプで送り、殺菌前にDHA、混合トコフェロール及び亜麻油(ALA)をバランスタンクに添加する。
8)170F~190Fで殺菌する
9)標準的なホモジナイザー(Gaulen社)により2段階で均質化する。第1段階1000~1500psi及び第2段階0~500psi
10)培養タンクにポンプで送り、基準に対する組成を取得する
11)培養物を103~110Fでタンクに添加し、20分間ブレンドする
12)撹拌を停止し、白色塊がpH4.4~4.9に達するまで発酵させる
13)撹拌しながら50Fに冷却する。50Fに達したら、撹拌を停止する。
14)果実を実施例1に従って調製した
15)果実調製物/フレーバーシステムを白色塊のヨーグルトに添加し、10分間ブレンドする
【0286】
(実施例3)
アップルソース
【0287】
【0288】
方法
1)アップルピューレ、濃縮物及びジュースをバットで混合する
2)10分間ブレンドする
3)塩化コリン、DHA、亜麻ALAを添加する
4)10分間ブレンドする
5)170~190Fで10分間バット殺菌又はチューブインチューブ殺菌する
6)170に冷却する
7)熱間充填する
【0289】
(実施例4)
チョコレートミルク/ミルク飲料
【0290】
【0291】
方法
1)乳を0.05~2.5%でブレンドする
2)乳をブレンダーに添加し、ココアパウダー、糖、安定剤を添加する
3)HTSTにポンプで送る
4)機能性油(DHA、ALA、コリン、トコフェロール)をバランスタンクに添加する
5)171~190で殺菌し、1000~1500の第1段階及び0~500の第2段階の2段階で均質化するか、又は230℃で15秒間UHTする
6)HTSTの再生冷却セクション(regen or cooling section)を40~50Fに冷却する
7)包装する
【0292】
(実施例5)
ストリングチーズ/スティック
【0293】
【0294】
方法
1)乳を液化機/せん断ブレンダーに添加する
2)DHA、ALA、コリン、トコフェロール及びローズマリー抽出物を乳に添加する
3)必要に応じて、WPC/MPCを添加する
4)171~190で殺菌し、1000~1500の第1段階及び0~500の第2段階の2段階で均質化する
5)乳ブレンドをチーズバットに80~110Fで添加する
6)培養物及びレンネットを添加する
7)pH4.6~4.8に発酵させる
8)カードを0.5~1インチのカッティングスクリーンで切断する
9)カードを100~150Fに設定調理する
10)乳清を流し、カードを洗浄する。塩を添加する
11)クッカーストレッチャー機に添加し、120~160Fに加熱する
12)チーズを二軸押出機で押し出す
13)スティック/ストリングチーズを包装し、40Fに冷却する
【0295】
(実施例6)
フレーバープリン
【0296】
【0297】
方法
1)乳を液化機又はせん断ブレンダーに添加する
2)ココアパウダー又は天然の風味ブレンドを添加する
3)デンプンを添加する
4)安定剤を添加する
5)DHA、ALA、コリンを添加する
6)170~190Fでバット殺菌又はチューブインチューブ殺菌する
7)1000~1500psiの第1段階及び0~500psiの第2段階で均質化するか、又はコロイドミルを使用する
8)40~50F又は150~170Fに冷却する
9)包装する
【0298】
(実施例7)
過酸化物価の決定
過酸化物価をAOAC方法965.33に従って試験する。
【0299】
(実施例8)
官能パネル試験
官能パネルを招集して、栄養強化食品製品が、許容できる味又は許容できる臭いを有するか否かを決定する。訓練された又は訓練されていないパネリストを招集し、パネリストには、栄養強化食品製品を調製したときの脂肪の酸敗度(randity)/酸化について栄養強化食品製品を評価するよう求める。次に、同じパネル又は異なるパネルに、栄養強化食品製品を指定された時間及び温度で保存した後に栄養強化食品製品を評価するよう求める。パネリストには、酸敗度(1-酸敗あり、9-酸敗なし)、塗料臭(1-塗料臭あり、9-塗料臭なし)及び総合的好み(1-非常に嫌い、9-非常に好き)について9ポイントの快不快尺度で酸化を評価するよう求める。スコアが4~9である場合、栄養強化食品は許容できる味又は許容できる臭いを有する。
【0300】
(実施例9)
ヨーグルト飲料の官能パネル試験
ヨーグルトを実施例2に従って調製し、官能パネルがこれを0、14、28、42及び56日目に評価した。0日目、シングルサーブボトルのストロベリーヨーグルト飲料を、以下の時点構成ごとに4℃で暗所対照、照明付き乳製品ケース(700Lx)又は2000LxのLED照明箱に割り当てた。
【0301】
【0302】
記述的官能分析
ヨーグルトの全調製中、オーバーヘッドライトをオフにした。ヨーグルトを記述的官能分析のために3桁のコードの2オンスの蓋付透明スフレカップに分注し、口直し用の天然水及び無塩クラッカーを添えて提供した。記述的分析では、SPECTRUM(商標)法及び以前に確立された感覚言語による0~15点万能強度スケールを使用した。紙投票を使用した。乳製品の風味及び食感の記述的分析で200時間超の経験を有する記述的官能パネル(n=7、女性5人、男性2人、22歳~46歳)がヨーグルトを評価した。SPECTRUM(商標)記述的分析訓練と一致して、パネリストには、万能強度スケールの一貫した使用について習得するために甘味、酸味、塩味及び苦味の基準液を与えた(Meligaard等1999;Drake及びCiville 2003)。基本の味によるSPECTRUM(商標)スケールの一貫した使用後、パネリストは、風味の定義及び基準の発表及び考察を通じて同じ強度スケールを用いた風味の記述子の特定及びスケール化について習得した。訓練セッションから収集したデータの分析により、パネルの結果が一貫しており、且つ用語が重複しておらず、開発された言語の以前の使用と一致していたことが確認された(Drake等2001;Drake等2005)。各パネリストは各ヨーグルトを二重に評価した。
【0303】
統計分析
データを、分散分析(ANOVA)(XLSTAT、version 2014 Addinsoft Inc.、New York、NY)を用いて分析した。全統計分析を95%有意レベルで行った。
【0304】
【0305】
【0306】
7日目、照明箱のヨーグルトは、暗所対照製品と風味プロファイルが異なる。風味の違いは、光酸化された風味によるものである。7日目、暗所に保存したヨーグルトは魚臭い香り及び風味を有していなかった。
【0307】
【0308】
14日目、照明箱のヨーグルトは、独特の魚臭い風味を有する。照明付き乳製品ケースのヨーグルトは、暗所対照製品と風味プロファイルが異なる。風味の違いは、光酸化された風味によるものである。14日目、暗所に保存したヨーグルトは魚臭い香り及び風味を有していなかった。
【0309】
【0310】
21日目、照明箱のヨーグルトは、独特の魚臭い風味を有する。照明付き乳製品ケースのヨーグルトは、暗所対照製品と風味プロファイルが異なる。風味の違いは、光酸化された風味によるものである。数人のパネリストが、照明付き乳製品ケースに保存したヨーグルトで魚臭い風味を検出した。21日目、暗所に保存したヨーグルトは魚臭い香り及び風味を有していなかった。
【0311】
【0312】
28日目、照明付き乳製品ケースのヨーグルトは、暗所対照製品と風味プロファイルが異なる。風味の違いは、光酸化された風味によるものである。より多くのパネリストが、照明付き乳製品ケースに保存したヨーグルトで魚臭い風味を検出した。28日目、暗所に保存したヨーグルトは魚臭い香り及び風味を有していなかった。
【0313】
【0314】
42日目、照明付き乳製品ケースのヨーグルトは独特の魚臭い香り及び風味を有する。42日目、暗所に保存したヨーグルトは魚臭い香り及び風味を有していなかった。
【0315】
【0316】
56日目、照明付き乳製品ケースのヨーグルトは、独特の魚臭い香り及び風味を有する。56日目、暗所に保存したヨーグルトは魚臭い香り及び風味を有していなかった。
【0317】
図1は、照明付き冷蔵乳製品ケース(700Lx)に保存した飲用ヨーグルトの魚臭い風味の強度を示している。28日目、約半分の訓練されたパネルが一貫してヨーグルトで魚臭い風味を検出した。42日目、全パネリストが一貫して魚臭い風味を検出した。
【0318】
図2は、暗所に4℃で、及び照明付き乳製品ケース(700Lx)に4℃で14日間保存したヨーグルトの官能プロファイルを示している。甘味は、値に差がなく(p>0.05)、より高いスケール強度が他の差を隠すため、グラフに含まれない。青線は暗所に保存したヨーグルトである。オレンジ線は照明付き冷蔵乳製品ケースに保存したヨーグルトである。
【0319】
図3は、暗所に4℃で、及び照明付き乳製品ケース(700Lx)に4℃で28日間保存したヨーグルトの官能プロファイルを示している。甘味は、値に差がなく(p>0.05)、より高いスケール強度が他の差を隠すため、グラフに含まれない。青線は暗所に保存したヨーグルトである。オレンジ線は照明付き冷蔵乳製品ケースに保存したヨーグルトである。
【0320】
図4は、暗所に4℃で、及び照明付き乳製品ケース(700Lx)に4℃で42日間保存したヨーグルトの官能プロファイルを示している。甘味は、値に差がなく(p>0.05)、より高いスケール強度が他の差を隠すため、グラフに含まれない。青線は暗所に保存したヨーグルトである。オレンジ線は照明付き冷蔵乳製品ケースに保存したヨーグルトである。
【0321】
図5は、暗所に4℃で、及び照明付き乳製品ケース(700Lx)に4℃で56日間保存したヨーグルトの官能プロファイルを示している。甘味は、値に差がなく(p>0.05)、より高いスケール強度が他の差を隠すため、グラフに含まれない。青線は暗所に保存したヨーグルトである。オレンジ線は照明付き冷蔵乳製品ケースに保存したヨーグルトである。
【0322】
(実施例10)
チェリーバニラヨーグルト及びヨーグルト飲料の官能パネル試験
チェリーバニラヨーグルト及びチェリーバニラヨーグルト飲料を4月5日に受け取った。ヨーグルトを以下の時点構成で4℃で保存した。
【0323】
【0324】
記述的官能及び統計分析を実施例9に記載されるように行った。
【0325】
被験ヨーグルトを以下の表に示すように配合した。
【0326】
【0327】
被験ヨーグルト飲料を以下の表に示すように配合した。
【0328】
【0329】
官能試験の結果を以下の表に示す。
【0330】
【0331】
【0332】
(実施例11)
ストロベリーバナナ及びチェリーバニラヨーグルト飲料の官能パネル試験
実施例10に示すように配合したストロベリーバナナ及びチェリーバニラヨーグルト飲料を、5月22日に受け取った。ヨーグルトを4℃で保存し、以下の時点構成で試食した。
【0333】
【0334】
記述的官能及び統計分析を実施例9に記載されるように行った。
【0335】
【0336】
【0337】
(実施例12)
照明付き及び遮光条件下でのストロベリーバナナ及びチェリーバニラヨーグルト飲料の官能パネル試験
実施例10に示すように配合し、ボトル及びチューブに入れたストロベリーバナナ及びチェリーバニラヨーグルト飲料を、7月11日に受け取った。製品を照明付き乳製品ケース又は暗い遮光箱に割り当てた。ヨーグルトを4℃で保存し、以下の時点構成で試食した。
【0338】
【0339】
【0340】
【0341】
記述的官能及び統計分析を実施例9に記載されるように行った。
【0342】
【0343】
【0344】
【0345】
【0346】
【0347】
【0348】
【0349】
【0350】
【0351】
【0352】
【0353】
【0354】
重要な知見
1.ボトル入りミックスベリーヨーグルトは、暗所で及び照明付き乳製品ケースでの保存時間にわたって良い成績を収めた。保存による変化が認められたが、両方の保存条件間で一致していた。
【0355】
ボトル入りストロベリーヨーグルトは、暗所で及び照明付き乳製品ケースでの保存時間にわたって良い成績を収めた。照明付きケースにおける最後の2つの時点(35及び42日目、T5及びT6)で、油っぽいノート(魚臭くない)及び控えめな全体的な風味が認められた。
【0356】
チューブ入りのチェリーバニラヨーグルトは、56日目までの暗所での保存時間にわたって良い成績を収めた。少し魚臭い風味が63及び70日目に検出された。照明付き乳製品ケースにおいて、少し魚臭い風味が42日目(T6)に検出された。
【0357】
チューブ入りのストロベリーバナナヨーグルトは、63日目までの暗所での保存時間にわたって良い成績を収めた。少し魚臭い風味が70日目までに検出された。照明付き乳製品ケースにおいて、少し魚臭い風味が35及び42日目(T5及びT6)に検出された。
【0358】
(実施例13)
アップルソース、シナモンアップルソース及びストロベリーアップルソースの調製
アップルソース、シナモンアップルソース及びストロベリーアップルソースを、以下の表中の成分を組み合わせることにより調製した。
【0359】
【0360】
【0361】
【0362】
幾つかの実施形態において、上の表に示した配合は0.01~0.5%のアスコルビン酸を含み得る。
【0363】
表1、2及び3の成分を商業的供給源から購入した。オメガ-3脂肪酸粉末は、1.10%で、食品製品(ここではアップルソース)1g当たり約0.9~約1.6mgのDHA及び食品製品1g当たり約0.2~約0.5mgのEPAを提供した。成分を秤量し、ミキサーで混合して、ピューレAを調製した。ピューレAのpHを、確実にpHが4.0未満又はそれ以下であるように決定した。次に、ピューレAを190°F~193°Fの温度に加熱して、パウチに熱間充填した。充填したパウチを190°Fで5分間保持して、アップルソースを調製した。アップルベース(アップルピューレ)のブリックス値は12超であった。オメガ-3脂肪酸粉末は、DHAとEPAの両方を提供するカプセル化された脂肪酸である。粉末は、乾燥質量で約30%の多価不飽和脂肪酸(PUFA)である。したがって、1.1gのオメガ-3脂肪酸粉末は、アップルソース100g当たり約330mgのPUFAを提供する。塩化コリンの量は、0.18%で、アップルソース100g当たり約180mgの塩化コリン及びアップルソース100g当たり約130mgのコリンを提供する(加工ロスに応じて)。ローズマリー抽出物は天然の防腐剤である。
【0364】
(実施例14)
実施例1のアップルソースの加速貯蔵寿命試験
実施例1のアップルソースを加速貯蔵寿命試験で試験した。アップルソースを調製し、70°F~90°Fに16週間曝露したパウチに熱間充填し、0日目並びに3、6、9及び16週目に官能評価した。以下の表は結果を示す。
【0365】
【0366】
【国際調査報告】