(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(54)【発明の名称】往復式芝刈り機ユニット、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A01D 34/68 20060101AFI20220331BHJP
A01D 34/76 20060101ALI20220331BHJP
A01D 34/30 20060101ALI20220331BHJP
A01D 34/404 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
A01D34/68 K
A01D34/76 C
A01D34/30 B
A01D34/404
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548584
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2019054088
(87)【国際公開番号】W WO2020169184
(87)【国際公開日】2020-08-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】惣宇利 直紀
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 宏之
【テーマコード(参考)】
2B083
2B382
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA03
2B083CA07
2B083CA18
2B083CA28
2B083CA30
2B083CB14
2B083DA02
2B083DA03
2B083EA01
2B083EA03
2B083EA12
2B083HA31
2B083HA60
2B382GA02
2B382GA07
2B382GB05
2B382GC05
2B382GC13
2B382GC15
2B382GC22
2B382HA06
2B382HH04
2B382HH09
2B382HH22
(57)【要約】
往復式芝刈り機ユニット(14)は、ハウジング(24)内に配置された、減速ギア(54)とクランク機構(56)とを具備する。減速ギア(54)は、第1の比較的より速い回転速度で伝動シャフトから入力回転運動を受け取り、第2の比較的より遅い回転速度で出力回転運動をギア出力シャフト(58)に伝達するのに対して、クランク機構(56)は、ギア出力シャフト(58)の出力回転運動を、共通振動軸線(A1)の周りの一対の芝刈り刃(32a、32b)の逆位相振動運動に変換する。往復式芝刈り機ユニット(14)は、入力シャフト(48)を伝動シャフトに取り外し可能に結合するための結合接続部(49)を備えた、入力シャフト(48)を具備する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動管(16)内に配置された伝動シャフト(42)を介して駆動ユニット(12)により駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニット(14)であって、前記往復式芝刈り機ユニット(14)は、
ハウジング(24)と、
前記ハウジング(24)内に配置された減速ギア(54)であって、前記減速ギア(54)は、第1の比較的より速い回転速度で前記伝動シャフト(42)から入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度においてギア出力シャフト(58)に出力回転を伝達するように構成される、減速ギア(54)と、
前記ハウジング内に配置されたクランク機構(56)であって、前記クランク機構(56)は、前記ギア出力シャフト(58)の出力回転運動を、共通振動軸線(A1)の周りで相互に逆位相で振動する、一対の芝刈り刃(32a、32b)の振動運動に変換するように構成されたクランク機構(56)と、を具備する往復式芝刈り機ユニット(14)において、
前記往復式芝刈り機ユニット(14)が、前記伝動シャフト(42)から該入力回転運動を受けるための入力シャフト(48)を具備しており、更に
前記入力シャフト(48)が、前記入力シャフト(48)を前記伝動シャフト(42)に取り外し可能に結合するための結合接続部(49)を備える、ことを特徴とする往復式芝刈り機ユニット。
【請求項2】
前記結合接続部(49)が、前記伝動シャフト(42)の噛合スプライン(44)と回転係合するように軸方向に滑動するためのスプライン(50)を具備する、ことを特徴とする請求項1に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項3】
前記ハウジング(24)は、前記ハウジング(24)を前記伝動管(16)に締結するためのクランプ装置(26)を具備する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項4】
草木裁断機システム(39)が、
伝動管(16)内に配置された伝動シャフト(42)と、モータ(18)と、を具備する駆動ユニット(12)と、
請求項1から3のいずれかに記載の往復式芝刈り機ユニット(14)と、
清掃鋸刃(37)を回転させるように構成された清掃鋸ユニット(38)と、を具備する草木裁断機システム(39)において、
前記往復式芝刈り機ユニット(14)及び前記清掃鋸ユニット(38)は、前記伝動シャフト(42)に二者択一的に接続するように構成される、ことを特徴とする草木裁断機システム。
【請求項5】
伝動管(16)内に配置された伝動シャフト(42)を介して駆動ユニット(12)により駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットであって、この往復式芝刈り機ユニット(14)は、
ハウジング(24)と、
前記ハウジング(24)内に配置された減速ギア(54)であって、前記減速ギア(54)が、第1の比較的より速い回転速度で前記伝動シャフト(42)から入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフト(58)に出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギア(54)と、
前記ハウジング(24)内に配置されたクランク機構(56)であって、前記クランク機構(56)が、前記ギア出力シャフト(58)の前記出力回転運動を、共通振動軸線(A1)の周りで相互に逆位相で振動する、一対の芝刈り刃(32a、32b)の振動運動に変換するように構成された、クランク機構(56)と、を具備する往復式芝刈り機ユニット(14)において、
前記減速ギア(54)は二段減速ギアであって、入力シャフト(48)と共に回転するように接続する第1の歯車(68)と、前記第1の歯車(68)と噛み合う第2の歯車(70)と、前記第2の歯車(70)と共に回転するように接続する第3の歯車(74)と、クランク機構(56)のクランク(60a;60b)と共に回転するように構成される第4の歯車(76)であって、前記第4の歯車(76)は前記第3の歯車(74)と噛み合う第4の歯車(76)と、を具備し、
前記第1の歯車(68)は第1の数の歯を有しており、前記第2の歯車(70)は第2の数の歯を有しており、前記第3の歯車(74)は第3の数の歯を有しており、前記第4の歯車(76)は第4の数の歯を有しており、
前記第2の歯車(70)は、前記第1の歯車(68)よりも多くの歯を有しており、前記第4の歯車(76)は、前記第3の歯車(74)よりも多くの歯を有する、ことを特徴とする往復式芝刈り機ユニット。
【請求項6】
前記第1の歯車(68)が7~14個の歯を有しており、前記第2の歯車(70)は20~30個の歯を有しており、前記第3の歯車(74)は11~19個の歯を有しており、前記第4の歯車(76)は26~40の歯を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項7】
伝動管(16)内に配置された伝動シャフト(42)を介して駆動ユニット(12)により駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットであって、この往復式芝刈り機ユニット(14)は、
ハウジング(24)と、
前記ハウジング(24)内に配置された減速ギア(54)であって、前記減速ギア(54)は、第1の比較的より速い回転速度で前記伝動シャフト(42)から入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフト(58)に出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギア(54)と、
前記ハウジング(24)内に配置されたクランク機構(56)であって、前記クランク機構(56)は、前記ギア出力シャフト(58)の前記出力回転運動を、共通振動軸線(A1)の周りで相互に逆位相で振動する、一対の芝刈り刃(32a、32b)の振動運動に変換するように構成されており、前記クランク機構(56)は、前記各芝刈り刃について、前記ギア出力シャフト(58)の回転に応答して前記芝刈り刃のそれぞれを振動させるように構成されたそれぞれの四節リンク装置を具備する、クランク機構(56)と、を具備する往復式芝刈り機ユニット(14)において、
前記四節リンク装置のそれぞれが、
前記ギア出力シャフト(58)の回転軸線(A2)と前記共通振動軸線(A1)との間の固定リンク(24)と、
前記ギア出力シャフト(58)に取り付けられたクランクとして構成された、それぞれの入力リンク(60a;60b)と、
前記共通振動軸線(A1)の周りで旋回するように軸受支持されたクランクとして構成されたそれぞれの出力リンク(64a;64b)と、
前記それぞれの入力リンク及び出力リンク(60a、64a;60b、64b)を相互接続するそれぞれの結合体リンク(62a;62b)と、を具備する往復式芝刈り機ユニット(14)において、
前記四節リンク装置の各々について、前記入力リンク(60a;60b)と前記固定リンク(64a;64b)との間のリンク比が少なくとも1:10である、ことを特徴とする往復式芝刈り機ユニット。
【請求項8】
前記入力リンク(60a; 60b)と前記結合体リンク(62a;62b)との間のリンク比が、少なくとも1:8である、ことを特徴とする請求項7に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項9】
伝動管(16)内に配置された伝動シャフト(42)を介して駆動ユニット(12)により駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットであって、この往復式芝刈り機ユニット(14)は、
ハウジング(24)と、
前記ハウジング(24)内に配置された減速ギア(54)であって、前記減速ギア(54)は、第1の比較的より速い回転速度で前記伝動シャフト(42)から入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフト(58)に出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギア(54)と、
前記ハウジング(24)内に配置されたクランク機構(56)であって、前記クランク機構(56)は、前記ギア出力シャフト(58)の前記出力回転運動を、共通振動軸線(A1)の周りで相互に逆位相で振動する一対の芝刈り刃(32a、32b)の振動運動に変換するように構成されたクランク機構(56)と、を具備する往復式芝刈り機ユニット(14)において、
前記クランク機構(56)が、前記共通振動軸線(A1)の周りで各芝刈り機刃を15度未満の振動角度(α1; α2)で振動するように構成される、ことを特徴とする往復式芝刈り機ユニット。
【請求項10】
伝動管(16)内に配置された伝動シャフト(42)を介して駆動ユニット(12)により駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットであって、この往復式芝刈り機ユニット(14)は、
ハウジング(24)と、
前記ハウジング(24)内に配置された減速ギア(54)であって、前記減速ギア(54)は、第1の比較的より速い回転速度で前記伝動シャフト(42)から入力回転運動を受け、且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフト(58)に出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギア(54)と、
前記ハウジング(24)内に配置されたクランク機構(56)であって、前記クランク機構(56)は、前記ギア出力シャフト(58)の前記出力回転運動を、共通振動軸線(A1)の周りで相互に逆位相で振動する一対の芝刈り刃(32a、32b)の振動運動に変換するように構成されたクランク機構(56)と、
前記往復式芝刈り機ユニット(14)が使用されている時に、地面に戴置されるための最下部面を画定する接地体(84)と、を具備する往復式芝刈り機ユニット(14)において、
前記接地体(84)は、前記共通振動軸線(A1)の周りの回転に関し、前記一対の芝刈り刃(32a、32b)の内の各芝刈り刃(32a;32b)から分離される、ことを特徴とする往復式芝刈り機ユニット。
【請求項11】
前記接地体(84)は、前記ハウジング(24)から回転に関して分離される、ことを特徴とする請求項10に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項12】
前記接地体(84)は、刃往復シャフト(80a)により軸方向に支持される、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項13】
前記接地体(84)は、前記接地体(84)の中央孔(86)を介して、上部軸方向停止部(94)と下部軸方向停止部(90)との間で軸方向に保持されており、
前記上部軸方向停止部と下部軸方向停止部(94、90)の間の軸方向距離は、前記中央孔(86)に隣接する前記接地体(84)の厚さを超える、ことを特徴とする請求項12に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項14】
前記上部軸方向停止部は、前記芝刈り刃往復シャフト(80a)の下向きの肩部(94)により画定される、ことを特徴とする請求項13に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項15】
前記下部軸方向停止部(90)は、前記芝刈り機刃往復シャフト(80a)の肩部(92)と隣接する固定装置により画定される、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の往復式芝刈り機ユニット。
【請求項16】
往復式芝刈り機ユニット(14)の操作方法であって、
一対の芝刈り刃(32a、32b)を駆動して、共通振動軸線(A1)の周りで、案内された相互逆位相運動で振動させることと、
接地体(84)が、前記往復式芝刈り機ユニット(14)により前記接地体(84)の底面において軸方向に保持されて、静止状態に維持されることを可能にすること、を含むことを特徴とする往復式芝刈り機ユニットの操作方法。
【請求項17】
往復式芝刈り機の操作方法であって、
毎分8000回転を超える回転速度で駆動ユニット(12)のモータ(18)を動作させることと、
前記モータ(18)の回転速度において、少なくとも1メートルの長さを有する伝動シャフト(42)を動作させることと、
前記伝動シャフト(42)の出力回転運動により第1の減速ギアを駆動することと、
前記第1の減速ギアを駆動する工程の出力回転運動により第2の減速ギアを駆動することと、
前記第2の減速ギアを駆動する工程の出力回転運動を、一対の芝刈り刃(32a、32b)の振動運動に変換することと、を具備することを特徴とする往復式芝刈り機の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復式芝刈り機ユニットと、前記往復式芝刈り機ユニットを具備する草木裁断システムと、往復式芝刈り機ユニットを操作する方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、共通振動軸線の周りで相互に逆位相で一対の芝刈り刃を振動させる、往復式芝刈り機を開示する。その様な芝刈り機は、小石を蹴るリスクが非常に低い状態で、柔らかい草と共に小さな低木の便利な刈り取りを容易にする。但し、より人間工学的で且つ使い易い芝刈り機の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の問題の一部又は全てを解決するか、又は少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、第1の形態によれば、伝動管内に配置された伝動シャフトを介して駆動ユニットにより駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットが提供されており、この往復式芝刈り機ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に配置された減速ギアであって、減速ギアは、第1の比較的より速い回転速度で伝動シャフトから入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度においてギア出力シャフトに出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギアと、ハウジング内に配置されたクランク機構であって、クランク機構は、ギア出力シャフトの出力回転運動を、共通振動軸線の周りで相互に逆位相で振動する、一対の芝刈り刃の振動運動に変換するように構成されたクランク機構と、伝動シャフトから該入力回転運動を受けるための入力シャフトと、を具備しており、そこでは入力シャフトが、入力シャフトを伝動シャフトに取り外し可能に結合するための結合接続部を備える。このような往復式芝刈り機ユニットは、往復式芝刈り機ユニットの伝動シャフトへの/からの結合及び分離を可能にし、これにより、往復式芝刈り機ユニットを異なる駆動ユニットに接続し、又はその反対の接続を可能にする。これにより、往復動式芝刈り機ユニット及び駆動ユニットの汎用性が向上する。
【0006】
一実施の形態によれば、結合接続部が、伝動シャフトの噛合スプラインと回転係合するように軸方向に滑動するためのスプラインを具備してもよい。入力シャフトと伝動シャフトの一方は、内側スプラインを備えたソケットを具備してもよい一方で、入力シャフトと伝動シャフトの内の一つは、外側スプラインを備えてもよい。
【0007】
一実施の形態によれば、ハウジングは、ハウジングを伝動管に締結するためのクランプ装置を具備してもよい。
【0008】
第2の形態によれば、上記の問題の一部又は全ては、草木裁断機システムにより解決されるか、又は少なくとも軽減されており、草木裁断機システムが、伝動管内に配置された伝動シャフトとモータとを具備する駆動ユニットと;上記で規定される往復式芝刈り機ユニットと;清掃鋸刃を回転させるように構成された清掃鋸ユニットと;を具備しており、そこでは往復式芝刈り機ユニット及び清掃鋸ユニットは、伝動シャフトに二者択一的に接続するように構成される。
【0009】
第3の形態によれば、上記の問題の一部又は全ては、伝動管内に配置された伝動シャフトを介して駆動ユニットにより駆動されるように構成された、往復式芝刈り機ユニットにより解決されるか、又は少なくとも軽減されており、この往復式芝刈り機ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に配置された減速ギアであって、減速ギアが、第1の比較的より速い回転速度で伝動シャフトから入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフトに出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギアと、ハウジング内に配置されたクランク機構であって、クランク機構が、ギア出力シャフトの出力回転運動を、共通振動軸線の周りで相互に逆位相で振動する、一対の芝刈り刃の振動運動に変換するように構成された、クランク機構と、を具備しており、往復式芝刈り機ユニットにおいて、減速ギアは二段減速ギアであり、入力シャフトと共に回転するように接続する第1の歯車と、第1の歯車と噛み合う第2の歯車と、第2の歯車と共に回転するように接続する第3の歯車と、クランク機構のクランクと共に回転するように構成されている第4の歯車であって、第3の歯車と噛み合う第4の歯車と、を具備し、第1の歯車は第1の数の歯を有しており、第2の歯車は第2の数の歯を有しており、第3の歯車は第3の数の歯を有しており、第4の歯車は第4の数の歯を有しており、第2の数の歯は、第1の数の歯よりも多く、そして第4の数の歯は、第3の数の歯よりも多い。このような二段式減速ギアは、往復式芝刈り機ユニット内での容積がコンパクトであり且つ高い減速比を得ることを可能にしており、そのことは、駆動ユニット内の任意の減速ギアの必要性を低減する。それにより、同じタイプの駆動ユニットを、例えば、回転式清掃鋸に使用してもよいので、駆動ユニットの製造コストを削減できる。更に、もし往復式芝刈り機ユニットが上記で規定された結合接続部を備える場合には、組み立て式システムが得られてもよく、同じ駆動ユニットを使用して、回転式芝刈り機ユニットと往復式芝刈り機ユニットとの間で切り替えることを可能にする。一実施の形態によれば、その様なモジュール式システムの駆動ユニットには減速ギアが何らないので、伝動シャフトは、モータの回転速度で回転する。一実施の形態によれば、第1と第2の歯車は、かさ歯車であってもよい。これにより、第1の歯車の回転軸線は、共通振動軸線に対して傾斜角度だけ傾斜してもよく、これにより、傾斜した伝動シャフトへの接続が可能になる。例によれば、傾斜角度は、25度から65度の間、又は45度から60度の間であってもよい。
【0010】
一実施の形態によれば、第1の歯車は7~14個の歯を有してもよく、第2の歯車は20~30個の歯を有してもよく、第3の歯車は11~19個の歯を有してもよく、第4の歯車は26~40の歯を有してもよい。
【0011】
第4の形態によれば、上記の問題の一部又は全ては、伝動管内に配置された伝動シャフトを介して駆動ユニットにより駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットにより解決されるか又は少なくとも軽減されており、この往復式芝刈り機ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に配置された減速ギアであって、減速ギアは、第1の比較的より速い回転速度で伝動シャフトから入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフトに出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギアと、ハウジング内に配置されたクランク機構であって、クランク機構は、ギア出力シャフトの出力回転運動を、共通振動軸線の周りで相互に逆位相で振動する、一対の芝刈り刃の振動運動に変換するように構成されており、クランク機構は、各芝刈り刃について、ギア出力シャフトの回転に応答してそれぞれの刃を振動させるように構成されたそれぞれの四節リンク装置を具備する、クランク機構と、を具備しており、それぞれの四節リンク装置は、ギア出力シャフト回転軸線と共通振動軸線との間の固定リンクと、ギア出力シャフトに取り付けられたクランクとして構成されたそれぞれの入力リンクと、共通振動軸線の周りで旋回するように軸受支持されたクランクとして構成されたそれぞれの出力リンクと、それぞれの入力リンク及び出力リンクを相互接続するそれぞれの結合体リンクと、を具備しており、該四節リンク装置の各々について、入力リンクと固定リンクとの間のリンク比が少なくとも1:10である。その様なリンク比を使用すると、工具の振動を比較的低いレベルにすることができ、その結果、より良好な作業環境が得られることが分かった。一実施の形態によれば、入力リンクと固定リンクとの間のリンク比は、少なくとも1:13である。リンク比は、一般的な例によれば、1:13から1:25の間であってもよい。入力リンクの一般的な長さは、例えば、1.5mmから3mmの間であってもよい。固定リンクの一般的な長さは、例えば、31mmを超えてもよい。代替的又は追加的に、固定リンクは約50mmより短くてもよい。往復式芝刈り機ユニットは、上記で規定されたように、結合接続部及び/又は二段減速ギアを備えていてもよい。
【0012】
一実施の形態によれば、往復式芝刈り機ユニットは、入力リンクと結合体リンクとの間のリンク比が、少なくとも1:8である、リンク比を有しても良い。その様なリンク比を使用すると、コンパクトで効率的な往復式芝刈り機ユニットと組み合わせることにより、工具の比較的低いレベルの振動が得られてもよく、その結果としてより人間工学的な往復式芝刈り機ユニットが得られることが分かった。一実施の形態によれば、入力リンクと結合体リンクとの間のリンク比は、1:9から1:14の間にある。結合体リンクの一般的な長さは、例えば、19mmから29mmの間であってもよい。出力リンクの一般的な長さは、例えば、22mmから29mmの間であってもよい。
【0013】
第5の形態によれば、上記の問題の一部又は全ては、伝動管内に配置された伝動シャフトを介して駆動ユニットにより駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットにより解決されるか又は少なくとも軽減されており、この往復式芝刈り機ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に配置された減速ギアであって、減速ギアは、第1の比較的より速い回転速度で伝動シャフトから入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフトに出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギアと、ハウジング内に配置されたクランク機構であって、クランク機構は、ギア出力シャフトの出力回転運動を、共通振動軸線の周りで相互に逆位相で振動する一対の芝刈り刃の振動運動に変換するように構成されたクランク機構と、を具備しており、クランク機構が、共通振動軸線の周りで各芝刈り機刃を15度未満の振動角度で振動するように構成される。それにより、振動を低レベルにすることができる。6度から13度の間の振動角度は、芝刈り取り効率と振動との間の特に良好なバランスをもたらすことが分かっている。往復式芝刈り機ユニットは、上記で規定されたように、結合接続部及び/又は二段減速ギア及び/又は四節リンク装置を備えてもよい。
【0014】
第6の形態によれば、上記の問題の一部又は全ては、伝動管内に配置された伝動シャフトを介して駆動ユニットにより駆動されるように構成された往復式芝刈り機ユニットにより解決されるか又は少なくとも軽減されており、この往復式芝刈り機ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に配置された減速ギアであって、減速ギアは、第1の比較的より速い回転速度で伝動シャフトから入力回転運動を受けるように且つ第2の比較的より遅い回転速度でギア出力シャフトに出力回転運動を伝達するように構成される、減速ギアと、ハウジング内に配置されたクランク機構であって、クランク機構は、ギア出力シャフトの出力回転運動を、共通振動軸線の周りで相互に逆位相で振動する一対の芝刈り刃の振動運動に変換するように構成されたクランク機構と、往復式芝刈り機ユニットが使用されている時に、地面に戴置されるための最下部面を画定する接地体と、を具備しており、接地体は、共通振動軸線の周りの回転に関して、該一対の芝刈り刃の内の各芝刈り刃から回転に関して分離される。それにより、工具の振動を低減することができ、それにより、より良好な使用感を結果的に生じる。往復式芝刈り機ユニットは、結合接続部及び/又は二段減速ギア及び/又は四節リンク装置及び/又は上記で規定された振動角度を備えてもよい。任意選択で、接地体は、やはりハウジングからも回転に関して分離されてもよい。
【0015】
一実施の形態によれば、接地体は、共通振動軸線に沿って示されるように、円形の外形を有してもよい。接地体は、プラスチック製であってもよい。
【0016】
一実施の形態によれば、接地体は、刃往復シャフトにより軸方向に支持されてもよい。
【0017】
一実施の形態によれば、接地体は、接地体の中央孔を介して、上部軸方向停止部と下部軸方向停止部との間で軸方向に保持されてもよく、上部軸方向停止部と下部軸方向停止部の間の軸方向距離は、中央孔に隣接する接地体の厚さを超える。上部軸方向停止部は、芝刈り刃往復シャフトの下向きの肩部により画定されてもよい。下部軸方向停止部は、芝刈り刃往復シャフトの下部肩部と隣接する固定装置により画定されてもよい。固定装置は、例えば、ねじ又はナット等のねじ付き要素を具備してもよく、ワッシャーを下部軸方向肩部と当接してしっかりと保持する。接地体の中央孔は、例えば、それを貫通する任意の刃往復シャフトよりも十分に大きくて、刃往復シャフトに対して接地体が自由に回転することを可能にする。
【0018】
第7の形態によれば、上記の問題の一部又は全ては、往復式芝刈り機ユニットの操作方法により解決されるか、又は少なくとも軽減されており、往復式芝刈り機ユニットの操作方法は、一対の芝刈り刃を駆動して、共通振動軸線の周りで、案内された相互逆位相運動で振動させることと、接地体が、往復式芝刈り機ユニットによりそれ(接地体)の底面において軸方向に保持されて、静止状態に維持されることを可能にすることと、を具備する。
【0019】
第8の形態によれば、上記の問題の一部又は全ては、往復式芝刈り機を操作する方法によって解決されるか、又は少なくとも軽減されており、この往復式芝刈り機の操作方法は、毎分8000回転を超える回転速度で駆動ユニットのモータを動作させることと、モータの回転速度において、少なくとも1メートルの長さを有する伝動シャフトを動作させることと、伝動シャフトの出力回転運動により第1の減速ギアを駆動することと、第1の減速ギアを駆動する工程の出力回転運動により第2の減速ギアを駆動することと、第2の減速ギアを駆動する工程の出力回転運動を、一対の芝刈り刃の振動運動に変換することと、を具備する。
【0020】
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された特徴の全ての可能な組み合わせにより具体化されてもよいことが留意される。更に、装置について説明された様々な実施の形態は全て、方法と組み合わせることができ、逆もまた同様であることが理解されよう。
【0021】
本発明の、上記並びに追加の目的と特徴と利点とは、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施の形態の以下の例示的且つ非限定的な詳細な説明を通じてより良好に理解されるであろう、そこでは、同様の要素には同様な数字が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、往復式芝刈り機の立体概略図である。
【
図2】
図2は、上から見た、
図1に示された往復式芝刈り機の往復式芝刈り機ユニットの平面図である。
【
図3a】
図3aは、
図2の往復式芝刈り機ユニットと、清掃鋸ユニットと、往復芝刈り機ユニット及び清掃鋸ユニットのいずれかを駆動するための駆動ユニットと、を具備する、草木裁断機システムの立体概略図である。
【
図4a】
図4aは、
図2に示される往復式芝刈り機ユニットの上から見た平面図であり、芝刈り刃がなく、ハウジングの上部カバーが取り外されている。
【
図4b】
図4bは、
図2の往復式芝刈り機ユニットのクランク機構を表す、四節リンク装置の簡略化されたモデルである。
【
図5】
図5は、
図2に示される往復式芝刈り機ユニットの立体概略図であり、ハウジングが取り外されて、ハウジング内の可動部品を明らかにする。
【
図6】
図6は、
図2の往復式芝刈り機ユニットの二段減速ギアとクランク機構との立体分解図である。
【
図7】
図7は、
図2の往復式芝刈り機ユニットの、
図4aに示される線VII-VIIに沿って切断された断面の概略図である。
【
図8】
図8は、
図2の往復式芝刈り機ユニットの接地体装置の立体概略図である。
【0023】
全ての図は概略図であり、必ずしも縮尺どおりではなく、一般的に、実施の形態を説明するために必要な部分のみを示しており、そこでは他の部分は省略されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、駆動ユニット(装置)12と往復式芝刈り機ユニット14とを具備する、手持ち型往復式芝刈り機10を示す。駆動ユニット12は、伝動管16と、伝動管16の第1の端部16aに取り付けられたモータ18と、を具備する。伝動管16内の伝動シャフト(図示せず)を介して往復式芝刈り機ユニット14を駆動するように構成された、モータ18は、例えば、内燃機関又は電気モータであってもよい。駆動ユニットは更に、往復式芝刈り機10を保持するための一対のハンドル20a、20bと、内燃機関の場合一般的に、毎分8000回転(rpm)を超える速度で動作する、モータ18の回転速度を制御するための起動機22と、を備える。往復式芝刈り機ユニット14は、第1の端部16aに対向する伝動管16の第2の端部16bに取り付けられるので、操作者が、直立位置に立っていて且つ往復式芝刈り機10を2つのハンドル20a、20bにより保持した状態で、例えば草及び別の草木の刈り取りのために、往復式芝刈り機ユニット14を地面に近づけ、彼/彼女の足から安全な距離に配置するには、便利である。この目的のために、伝動管は通常、約1メートルを超える長さを有する。
【0025】
ここで
図2を参照すると、往復式芝刈り機ユニット14は、ハウジング24を伝動管16(
図1)上に締結するためのクランプ装置26を備えた、ハウジング24を具備する。クランプ装置は、ハウジング24内のスリット28と、スリット28を一緒に押圧するように構成されたクランプねじ30と、を具備する。クランク機構(図示せず)は、頂部カバー25の下のハウジング24内に配置されており、クランク機構は、共通振動軸線A1の周りで相互に逆位相で一対の芝刈り刃32a、32bを振動させるように構成される。クランク機構は、第1の振動角度α1により規定される端部位置の間において一対の芝刈り刃のうちの第1の下側芝刈り刃32aを振動させ更に、第2の振動角度α2により規定される端部位置の間で一対の芝刈り刃のうちの第2の上側芝刈り刃32bを振動させるように構成される。通常、α1及びα2は、実質的に同じであっても良く、図示の例では、α1=α2≒9度である。振動角度は、切削歯ピッチPの半分に概略対応しており、即ち、芝刈り刃32a、32bが、お互いに対して移動するので、上側芝刈り刃32bの各切削歯34bは、下側芝刈り刃32aの2つの隣接する切削歯34aと交互に重なり、及びその逆であって、それらの間の間隙36に捕捉された草木を剪断する。
【0026】
図3aは、駆動ユニット12と、往復式芝刈り機ユニット14と、清掃鋸ユニット38と、を示す。駆動ユニット12は、伝動管16の第2の端部16bにおいて、裁断機ユニット接続部40aを具備しており、そして往復式芝刈り機ユニット14及び清掃鋸ユニット38の各々は、駆動ユニット12の裁断機ユニット接続部40aと噛み合うように構成された、それぞれの駆動ユニット接続部40bを具備する。それにより、駆動ユニット12と往復式芝刈り機ユニット14と清掃鋸ユニット38は、往復式芝刈り機ユニット14或いは清掃鋸ユニット38を駆動ユニット12に接続することを可能にする、モジュール式芝刈り機システム39を構成する。往復式芝刈り機ユニット14は、芝及び小型の低木に、良好に適するとしても、特に、小石の跳ね返りが損傷を引き起こし得る状況において、円形の清掃鋸刃37を高い回転速度で回転させるように構成された、回転式清掃鋸ユニット38は、より茂った低木に対して及びより高い切削速度が望まれる状況において、より良好に適し得る。モジュール式システム39のおかげで、2つの選択肢は、軽量且つ低容積にて操作者に利用可能にし得る。
【0027】
図3bは、駆動ユニット12の裁断機ユニット接続部40aと、往復式芝刈り機ユニット14の駆動ユニット接続部40bと、をより詳細に示す。清掃鋸ユニット38の駆動ユニット接続部40bは、往復式芝刈り機ユニット14の駆動ユニット接続部40bと同一であってもよいことが理解されよう。説明を明確にするために、駆動ユニット12の伝動管16及び往復式芝刈り機ユニット14のハウジング24のそれぞれの輪郭が、破線で示される。伝動シャフト(軸)42は、伝動管16の内部に配置されており、更に駆動ユニット12のモータ18(
図1)により回転するように接続する。伝動シャフト42の自由端部43は、伝動シャフト42に沿って軸方向に伸びる、外側スプライン44を備える。駆動ユニット接続部40bは、伝動管16の自由な第2の端部16bを噛み合うように受容するための伝動管ソケット46を具備しており、そしてクランプ装置26は、ハウジング24内のスリット28の幅を減少可能にするので、伝動管16は、ハウジング24の伝動管ソケット46内に堅固に締結される。駆動ユニット接続部40bは、伝動シャフト42のスプライン付き端部44を受容するために、内側スプライン50を備えた伝動シャフトソケット49を有する入力シャフト48を更に具備する。軸受装置52は、ハウジング24内の入力シャフト48を半径方向に支持する。
【0028】
図4aは、そのカバー25(
図2)が取り外された状態の往復式芝刈り機ユニット14(
図1)のハウジング24を示しており、減速ギア(歯車)54とクランク機構56とを示す。減速ギア54は、刃32a、32b(
図2)を対向して回転させるためのクランク機構56を駆動する、ギア出力シャフト58の低下した回転速度まで、入力シャフト48(
図3b)により伝達される回転速度を減少するように構成される。ギア出力シャフト58は、ギア出力シャフト回転軸線A2の周りで回転するように構成されており、それによりギア出力シャフト58上に形成された第1の上部クランクピン60aとして構成された第1の上部入力クランクを回転させる。上部入力クランクピン60aは、上部入力クランクピン60aと、上部結合体リンク62aと、ギア出力シャフト回転軸線A2の周りで上部入力クランクピン60aを回転させることに応答して共通振動軸線A1の周りで往復するように構成された、上部出力クランク64aと、を具備する、第1の上部四節リンク装置の入力リンクを形成する。上部結合体リンク62aは、上部入力クランクピン60aと出力クランク64aの上部出力クランクピン66aとに旋回するように結合するが、それ以外の場合は浮遊する。上部四節リンク装置の第4のリンクは、ギア出力シャフト回転軸線A2と共通振動軸線Aとの間の固定リンクにより形成される。固定リンクはハウジング24が物理的に相当しており、ギア出力シャフト回転軸線A2と共通振動軸線A1とを相互に固定された関係に保持する。
【0029】
図4bは、上部四節リンク装置56の動作を概略的に示す。四節リンク装置は、2つの位置で示されており、その内の1つは、破線で描かれる。ギア出力シャフト回転軸線A2の周りの入力リンク60aの回転は、結合体リンク62aを動かし、次に、結合体リンク62aは、共通振動軸線A1の周りで往復運動の状態で出力リンク64aを旋回させる。固定リンク24は動かない。図示の例によれば、入力リンク60aは、約2mmの長さを有しており(即ち、クランクピンの半径方向中心は、ギア出力シャフト(=軸線A2)の半径方向中心から約2mmずれる)、結合体リンク62aは、約23mmの長さ(即ち、旋回軸線間の距離は約23mm)を有しており、出力リンク64aは、約25mmの長さを有しており、固定リンク24は、約37mmの長さの長さを有する。
【0030】
図5は、ハウジング24(
図4a)が取り外された状態の、減速ギア54及びクランク機構56を示す。減速ギア54は、入力シャフト48に取り付けられた第1の歯車(ギア)68と、中間シャフト72に取り付けられていて且つ第1の歯車68と噛み合う第2の歯車70と、中間シャフト72に取り付けられて第2の歯車70と共に同じ回転速度で回転する第3の歯車74と、ギア出力シャフト58に取り付けられていて且つ第3の歯車74と噛み合う第4の歯車76とを具備する、2段減速ギアである。第1と第2の歯車68、70は、かさ歯車であり、
図5の図において、説明を容易にするために、第1と第2の歯車68、70は、歯なしで示される。図示の例において、第1の歯車68は、11個の歯を有しており、第2の歯車70は、26個の歯を有しており、第3の歯車74は、15個の歯を有しており、そして第4の歯車76は、33個の歯を有する。それにより、第1と第2の歯車68、70との間の係合において、回転速度に対して第1の減速が与えられ、前記2段減速ギアの第1の段階を規定し、更に第3と第4の歯車74、76との間の係合において回転速度に対して第2の減速が与えられ、前記2段減速ギアの第2段階を規定する。
図5の図において下部軸受のみが示されるが、中間シャフト72及びギア出力シャフト58の上端部及び下端部は、軸受78において軸受支持される。
図5はまた、第2の下部四節機構と共に、クランク機構56の第1の上部四節機構を示しており、
図6の分解図においてより良好に示される。
【0031】
図6を参照すると、第2の下部四節機構もまた、ギア出力シャフト58により駆動される。ギア出力シャフト58上に形成された第2の下部クランクピン60bとして構成される、入力クランクは、第2の下部四節リンク装置の入力リンクを形成する。下部クランクピン60bは、ギア出力シャフト回転軸線A2の周りの回転に関して、上部クランクピン60aから180度位相がずれる。下部四節リンク装置は、下部入力クランクピン60bと、下部結合体リンク62bと、下部入力クランクピン60bをギア出力シャフト回転軸線A2の周りで回転させることに応答して共通振動軸線A1の周りで往復するように構成される、下部出力クランク64bと、を具備する。下部結合体リンク62bは、下部入力クランクピン60b及び下部出力クランク64bの下部出力クランクピン66bに関して旋回するように結合されるが、それ以外は浮遊する。下部四節リンク装置の第4のリンクは、上部四節リンク装置と同様に、ギア出力シャフト回転軸線A2と共通振動軸線A1との間の固定リンクにより形成されており、そしてハウジング24が物理的に相当する。
【0032】
下部出力クランク64bは、スプラインを介して外刃往復シャフト80bに接続しており、共通振動軸線A1の周りで外刃往復シャフト80bを回転させる。上部刃支持体82bは、外刃往復シャフト80bの下端部に固定されるように接続する。同様に、上部出力クランク64aは、スプラインを介して内刃往復シャフト80aに接続して、内刃往復シャフト80aを、外刃往復シャフト80bと逆位相で、共通振動軸線A1の周りで往復運動させる。下部刃支持体82aは、内刃往復シャフト80aの底端部に固定されるように接続する。内刃及び外刃往復シャフト80a、80bは同心であり、内刃往復シャフト80aは、下部刃支持体82aから外刃往復シャフト80b及び下部出力クランク64bを介して軸方向に伸長して、上部出力クランク62aのスプラインと係合する。各下部及び上部刃支持体82a、82bは、それぞれの芝刈り刃32a、32bを保持する(
図2)。
【0033】
図7の断面図は、減速ギア54及びクランク機構56の様々な構成要素を示す。ギア出力シャフト58は、断面図において示されないが、その回転軸線A2は、第4の歯車76の中心と一致するように示される。入力シャフト48は、ギア出力シャフトの共通振動軸線A1に対して約55度の傾斜角度α3で傾斜しており、刃32a、32bが地面の上で水平な状態で、伝動管16(
図1)を都合の良い角度で保持するように設けられる。
【0034】
図7の断面図はまた、往復式芝刈り機ユニット14が使用されている時に、地面に対して戴置するための接地体84を示す。
図8は、接地体84を立体図で示しており、接地体84は、共通振動軸線A1に沿って示されるように、円形の外形を有しており、ねじ88を受容するための円形中央孔86を備える。ワッシャー90は、接地体84のための下部軸方向停止部を形成する。
図7に戻り参照すると、ねじ88は、内刃往復シャフトのめねじと係合して、ねじ88及び内刃往復シャフト80aは、堅固に接続する。ねじ88は、ワッシャー90を内刃往復シャフト80aの下部軸方向端部92に対してしっかりと保持し、一方で、内刃往復シャフト80aと一体的に形成される下部刃支持体82aの底面は、接地体84の上部軸方向停止部を画定する。上部軸方向停止部と下部軸方向停止部の間の軸方向距離は、中央孔86に隣接する接地体の厚さを超える。それにより、接地体は、内刃及び外刃往復シャフト80a、80bの両方から、並びにハウジング24から回転に関して分離される。
【0035】
本発明は主に、幾つかの実施の形態を参照して上記で説明されてきた。しかしながら、当業者により直ちに理解されるように、上に開示されたもの以外の別の実施の形態は、添付の特許請求の範囲により定義されるように、本発明の範囲内で等しく可能である。
【0036】
請求項において、「具備する」という単語は、別の要素又は手順を排除せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除しない。
【国際調査報告】