(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(54)【発明の名称】流体中の分極分子を除去するための非一様な電場を作り出すための電極装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/48 20060101AFI20220331BHJP
B03C 9/00 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
C02F1/48 B
B03C9/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548657
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 US2020018585
(87)【国際公開番号】W WO2020172132
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502243376
【氏名又は名称】ボード オブ トラスティーズ オブ ミシガン ステート ユニバーシティ
(71)【出願人】
【識別番号】518044240
【氏名又は名称】フラウンホーファー・ユー・エス・エイ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FRAUNHOFER USA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チー ファ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,コーリアン
【テーマコード(参考)】
4D054
4D061
【Fターム(参考)】
4D054HA01
4D061DA03
4D061DB18
4D061DC11
4D061EA10
4D061EB04
4D061EB14
4D061EB19
4D061EB23
4D061EB28
4D061EB29
4D061EB30
4D061EB35
4D061EB40
4D061FA06
(57)【要約】
電極装置(21)および方法は、流体中の分極分子を除去する。別の態様では、非一様な電場は、アノード(43、105)とカソード(41、107)との間に作り出され、前記流体は、前記カソードと前記アノードとの間のギャップ(45、135)内を流れ、前記分極分子は、化学反応を受けることなく、静電気力によって前記アノードへと押しやられ、前記アノードに吸着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中の分極分子を除去するための方法であって、
(a)アノードとカソードとの間に電圧を供給する工程と、
(b)前記アノードと前記カソードとの間に、非一様な電場を作り出す工程と、
(c)カソードと前記アノードとの間のギャップ内に前記流体を流す工程と、
(d)対応する電流の流れを生じさせることなく、工程(b)の助けにより、前記流体中の前記分極分子の前記アノードへの移動を生じさせる工程と、
(e)前記分極分子を前記アノード上にトラップする工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記流体が気体であり、かつ前記アノードが導電性の多孔質材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流体が液体であり、かつ前記アノードが導電性の多孔質材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カソードが前記アノードの周囲を取り囲んでおり、
前記分極分子が前記流体から除去されるとき、前記分極分子に対して化学反応が起こらない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記流体を流す前記工程が、給水栓に取り付けられた前記カソードと前記給水栓に取り付けられた前記アノードとの間の前記ギャップを通じて、飲料水を流すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記流体を流す前記工程が、前記アノードおよび前記カソードが取り付けられた工業用水処理配管システムを通じて行われる工程であり、
前記システムが、汚染水供給リザーバと、電極ベースのプレシピテータと、水ポンプと、複数のセンサと、複数のパイプと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カソードが、長手方向に細長く、かつ実質的に円筒形であり、
前記ギャップが、円筒形であり、かつ前記アノードを取り囲んでおり、
前記アノードが、前記カソードの内径の半分未満の外径を有し、
前記ギャップが、前記アノードと前記カソードとの間にある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アノードと前記カソードとの間に電位差を作り出す工程をさらに含み、
前記分子を除去することが、追加のフィルタリングなしで、複数のPFAS分子を前記アノードの方へ押しやるか、または引きつけることによって、前記流体から前記複数のPFAS分子を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アノードと前記カソードとの間に電位差を作り出す工程をさらに含み、
前記分子を除去することが、追加のフィルタリングなしで、前記分子を前記アノードの方へ押しやるか、または引きつけることによって、前記流体からベンゼン、二酸化炭素、または二酸化硫黄のうちの少なくとも1つを除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
バッテリから前記アノードに電力を供給することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記アノードが、固体棒上におけるプラズマ活性炭を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
流体中の分極分子を除去するための方法であって、
(a)アノードとカソードとの間に電圧を供給する工程であって、前記アノードが、(i)導電性の多孔質材料、または(ii)プラズマ活性炭のうちの少なくとも一方を備える工程と、
(b)前記アノードと前記カソードとの間に電位差を作り出す工程と、
(c)カソードと前記アノードとの間のギャップ内に前記流体を流す工程と、
(d)対応する電流の流れを生じさせることなく、かつ前記分子において化学反応を引き起こすことなく、工程(b)の助けにより、前記流体中の前記分極分子の前記アノードへの移動を生じさせる工程と、
を含む、方法。
【請求項13】
前記流体が気体であり、前記アノードが前記導電性の多孔質材料を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記流体が液体であり、前記アノードが前記導電性の多孔質材料を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記流体を流す前記工程が、給水栓に取り付けられた前記カソードと前記給水栓に取り付けられた前記アノードとの間の前記ギャップを通じて、飲料水を流すことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記流体を流す前記工程が、前記アノードおよび前記カソードが取り付けられた工業用水処理配管システムを通じて行われる工程であり、
前記システムが、汚染水供給リザーバと、電極ベースのプレシピテータと、水ポンプと、複数のセンサと、複数のパイプと、を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記カソードが、長手方向に細長く、かつ実質的に円筒形であり、
前記ギャップが、円筒形であり、かつ前記アノードを取り囲んでおり、
前記アノードが、前記カソードの内径の半分未満の外径を有し、
前記ギャップが、前記アノードと前記カソードとの間にある、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記分子を除去することが、追加のフィルタリングなしで、複数のPFAS分子を前記アノードの方へ押しやるか、または引きつけることによって、前記流体から前記複数のPFAS分子を除去することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
バッテリから前記アノードに電力を供給することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記アノードが、固体棒上における前記プラズマ活性炭を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
電極装置を作る方法であって、
(a)(i)プラズマ活性炭、または(ii)導電性の多孔質金属のうちの少なくとも一方を備える棒状の細長いアノードを作り出す工程と、
(b)前記アノードの周囲をカソードで取り囲む工程と、
(c)前記アノードおよび前記カソードを流体の流れる導管に接続する工程と、
(d)前記アノードと前記カソードとの間に電位差および非一様な電場を作り出して、前記アノードと前記カソードとの間を作用可能に通過する流体から汚染物質を除去するように構成された電気回路を、前記アノードおよび前記カソードに結合する工程と、
を含む方法。
【請求項22】
前記アノードが前記プラズマ活性炭を備え、前記汚染物質がPFASを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アノードが前記導電性の多孔質金属を備え、前記汚染物質がPFASを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記導管を飲料水の給水栓に結合する工程と、
バッテリを前記回路に接続する工程と、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
(a)(i)プラズマ活性炭、または(ii)導電性の多孔質金属のうちの少なくとも一方を備える細長いアノードと、
(b)流体が間を流れることができるように構成された、前記アノードの外表面の周りに同軸状に位置するカソードと、
(c)前記アノードと前記カソードとの間に(i)非一様な電場、または(ii)電位差のうちの少なくとも一方を作り出すように構成された、前記アノードおよび前記カソードに結合された電気回路と、
を備える電極装置。
【請求項26】
前記アノードが前記プラズマ活性炭を備え、前記汚染物質がPFASを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記アノードが前記導電性の多孔質金属を備え、前記汚染物質がPFASを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記アノードと前記カソードとが結合された飲料水給水栓と、
前記回路に接続されたバッテリと、
をさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記カソードが、長手方向に細長く、かつ実質的に円筒形であり、
前記ギャップが、円筒形であり、かつ前記アノードを取り囲んでおり、
前記アノードが、前記カソードの内径の半分未満の外径を有し、
前記ギャップが、前記アノードと前記カソードとの間にある、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記アノードおよび前記カソードが、前記アノードと前記カソードとの間に電流の流れを生じさせることなく、かつ化学反応を引き起こすことなく、前記ギャップを通って流れる前記流体から、(a)PFAS、(b)ベンゼン、(c)二酸化炭素、または(d)二酸化硫黄のうちの少なくとも1つを除去するように作用可能である、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記アノードと前記カソードとが結合された煙突または排気管をさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項32】
前記アノードと前記カソードとが結合された工業用水処理システムをさらに備え、
前記システムが、ポンプと、複数のセンサと、リザーバと、複数のバルブと、を備える、請求項25に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2019年2月20日に出願された米国仮出願第62/807、797号の利益を主張する。上記出願の開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔政府の権利〕
この発明は、政府の支援を受けてなされたものである(国立科学財団による助成金番号第1700785号、第1700787号および第1724941号)。本発明において、政府は一定の権利を有する。
【0003】
〔背景および概要〕
パーフルオロおよびポリフルオロアルキル物質((Per-and-polyfluoroalkyl substances))(「PFAS」)は、ヒトの健康への悪影響につながり得る、環境内および人体内において非常に高い残存性のある人工の化学物質のグループである。PFAS分子は、フルオロケミカルを製造するために用いられる工業プロセスによって大気中および水中へと放出されるものであり、防水剤および消火泡として一般に使用されている。PFAS分子はまた、廃棄物および下水汚泥の処分を通じて、ならびに消防における使用の結果として、地下水および地表水に入っている。
【0004】
米国特許出願公開第2018/0222781号は、Liuらによるものであり、「Water Purification using Porous Carbon Electrode」と題され、2018年8月9日に公開された。この特許出願公開は、参照により本明細書に組み込まれる。この装置は、並列電極間を流れる電流を用いることにより、電気分解化学反応プロセスを使用して、汚染物質を小さくかつ安定な分子へと分解する。
【0005】
本発明によれば、電極装置および方法は、流体中の分極分子を除去する。別の態様では、前記流体内に位置するアノードに電位が与えられ、前記流体は、前記アノードと周囲のカソードとの間のギャップ内を流れ、前記アノードと前記カソードとの間には、非一様な電場が作り出される。さらなる態様は、液体流体または気体流体中の分極分子のアノードの方への移動を生じさせる。別の態様では、導電性の多孔質材料はアノードであり、かつ当該導電性の多孔質材料は接地されたカソードにより周囲を取り囲まれており、前記アノードと前記カソードとの間を流体が流れ、同態様ではさらに、前記アノードと前記カソードとの間に電流の流れを生じさせることなく、かつ/または、前記分極分子への化学反応なしに、前記流体中の分極分子(例えば、PFAS、またはその他の分子等)が前記アノードの方へ押しやられる。さらなる態様では、アノードは、多孔質(ポーラス)金属および/または多孔質活性炭から作製されている。
【0006】
さらに、別の態様は、多孔質金属の発泡体であり得る金属箔シートを作る工程と、前記箔シートに活性炭層を付着させる工程と、前記箔と前記活性炭とのアセンブリを略円筒形状へと巻くか、または曲げる工程と、を含む、アノードを製造するための方法を含む。この方法はさらに、前記箔/炭素アノードと周囲のカソードとの間に電場を加える工程と、前記アノードと前記カソードとの間に液体流体または気体流体を流す工程と、電流の流れを生じさせることなく、複数の分極分子を前記アノードへと電気的に引きつける工程と、を含み得る。本発明の装置および方法のさらなる態様は、前記アノードおよび前記カソードが取り付けられた飲料水給水栓を含む。本発明の装置および方法のさらに別の態様は、工業用水流体処理配管システムの一部として、前記アノードおよび前記カソードを用いる。さらなる利点および特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明および添付の特許請求の範囲において開示されることだろう。
【0007】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明の電極装置を用いた工業用水処理装置を示す概略図である;
図2は、本発明の電極装置を示す、
図1の線2-2に沿った縦断面図である;
図3は、
図2の本発明の電極装置を示す概略図である;
図4は、本発明の電極装置を示す、
図3の線4-4に沿った断面図である;
図5は、本発明の電極装置が使用される分極したPFAS分子のモデルである;
図6は、本発明の電極装置を用いた飲料水給水栓装置を示す斜視図である;
図7は、本発明の電極装置を示す、
図6の線7-7に沿った縦断面図である;
図8は、本発明の電極装置において使用されるアノードを作るための、第1の製造プロセスを示す一連の斜視図である;
図9は、本発明の電極装置において使用されるアノードを示す、
図8の線9-9に沿った断面図である;
図10は、本発明の電極装置のアノードを作るための、第2の製造プロセスを示す一連の斜視図である;
図11は、本発明の電極装置のアノードを示す、
図10の線11-11に沿った断面図である;
図12は、本発明の電極装置のアノードを作るための、第3の製造プロセスを示す一連の斜視図である;
図13は、本発明の電極装置のアノードを示す、
図12の線13-13に沿った断面図である;
図14は、本発明の電極装置のアノードにおいて使用されるバイオ炭(biochar)のゼータ電位を示すグラフである。
【0008】
〔詳細な説明〕
工業用水処理システム23において使用される電極装置21の第1の好ましい実施形態が、
図1~
図4に示されている。水処理システム23は、汚染水供給リザーバまたはタンク25と、除染された水を受け入れまたは保持するリザーバまたはタンク27と、1つ以上の電極ベースのプレシピテータ(precipitator:集塵器)または処理ユニット31および33と、を含む。処理ユニット31のバルブ37は、タンク間を汚染水35が流れることができるように、オンにされる一方、処理ユニット33のバルブ39は、例えばその中のアノードがクリーニングされおよび/または取替えられる必要がある場合に、その中の流体の流れを停止するために、任意選択的にオフにされ得るが、またはその逆もあり得る。さらに、水ポンプ、複数のセンサ、複数のパイプおよびその他の配管系統構成要素が、タンク25から処理ユニット31および/または33を通じてタンク27へと水35を流すために、使用され得る。
【0009】
より詳細には、各プレシピテータおよび処理ユニット31および33は、長手方向に細長くかつ略円筒形状のカソード電極41の内部に位置する略円筒形状でかつ長手方向に細長いアノード電極43を同心状に取り囲む、当該長手方向に細長くかつ略円筒形状のカソード電極41を含む。円筒形ギャップ45は、アノードの外径周囲とカソード41の内径面との間においてアノード43を同心状に取り囲んでおり、その結果、カソードとアノードとは互いに離隔しており、水35がギャップ45内を長手方向に流れることができる。アノードは、好ましくはカソードの内径の半分未満の外径を有するが、かかる関係は、異なる使用(用途)に応じてさまざまであり得る。
【0010】
アノード43は、好ましくは多孔質構造を有する、導電性でかつ耐食性の棒物質47である。アノード43は、例えば銅、ステンレス鋼、ニッケル、またはそれらの合金等の金属であり得る。あるいは、アノード43は、外側に活性炭49の層を有する、金属のコア47から構成されている。活性炭49は好ましくは、2018年7月26日に本発明の共同発明者の一人であるQi Hua Fanにより公開された「Magnetic Field Enhanced Plasma for Materials Processing」という名称のPCT国際公開第2018/136502号、および、2017年9月5日に本発明の共同発明者であるQi Hua Fanに付与された「Method for Plasma Activation of Biochar Material」という名称の米国特許第9,754,733号に開示されているようにして、処理される。両者は、参照により本明細書に組み込まれる。活性炭層49は、少なくとも1μmの厚さを有し、600m2/gよりも大きな表面積を有することが好ましい。PFASの吸着のためには、相対的に正の表面電位を有するプラズマ活性炭を使用することが好ましい。さらに、カソード41は、導電性でかつ耐食性のチューブ状(筒状)の金属物質であり、好ましくは銅であるが、あるいはステンレス鋼、ニッケル、またはそれらの合金である。
【0011】
電気回路51は、直流電源53をアノード43の端部55に電気的に接続し、これに正のDC電圧を供給する。好ましい電圧範囲は1~100ボルトであり、より好ましくは3~40ボルトであるが、しかしながら、他の流体に対しては、より大きな電圧が使用され得る。別の電気回路57は、カソード41の端部をグラウンド59に電気的に結合する。電極の非対称性ゆえに、例えば、アノード43のより小さな外径とカソード41のより大きな内径との間の流体に曝される(露出した)表面の面積の大きさの差ゆえに、ギャップ45内に非一様な電場が作り出される。アノード43とカソード41との間には電位差が存在するが、しかしながら、ギャップ45内の淡水は弱い導電体であり、実質的に絶縁体として振る舞うから、これらの電極間には実質的に電流が流れない。PFASの輸送に対応する電流の流れが存在しない。したがって、除去されるべき分極した汚染物質以外に水中の不純物がないものと仮定すると、水中の電極間には電流が存在しない。
【0012】
図2において最もよく見ることができるように、電気コネクタ71は、アノード43の結合端部55を端部取付け部73内に保持している。本実施例では、端部取付け部73がT字パイプ接合部75にねじ結合されている。さらに、中間取付け部77は、カソード41の結合端部79をパイプ接合部75にねじ結合している。追加のパイプまたは汚染水供給管路81は、別の取付け部83を介してパイプ接合部75に結合されている。同様の構成が、処理ユニット31の反対側の端部に設けられている。カソードおよびアノードの長手方向の長さおよび横手方向の直径、ならびに、それらの間にあるギャップの流通面積(flow through area)は、流体の流量、除去されるべき分極分子の汚染物質の濃度、および使用されるアノードの吸着能力にマッチするような大きさとされる、ということを理解されたい。それにもかかわらず、アノード43の長手方向長さは、その外径の少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも20倍であることが想定される。
【0013】
ここで
図4および
図5を参照するが、本発明の電極装置および方法によって除去されるべき汚染物質は、分極分子91であり、好ましくは、少なくとも炭素原子およびフッ素原子から構成されるPFAS分子である。Eは、アノード43とカソード41との間の非一様な電場を示す。当該電場は、分極分子91をアノード43の方へ押しやるか、または引きつけ、次いで、当該分極分子91は、多孔質アノード内に吸着される。電極間には、電流が全く流れないか、または最小限の電流しか流れないため、分子91に対して、化学反応または電気分解が生じない、ということに注意されたい。このように、アノードは、水がアノードを通過して流れるときに、分極分子の汚染物質を水から除去する役割を果たす。流れる飲料水からこれらの分極分子を除去するために、追加のフィルタリング(濾過)または化学反応は必要ではないはずである。定期的に、汚染物質の溜まったアノードが除去されて、取替えまたはクリーニングのいずれかがなされることになる。
【0014】
あるいは、PFAS以外の分極分子が本発明の電極装置および方法の使用によって除去され得る、ということが想定される。さらに、あるいは分極分子は、例えば燃焼煙突内または排気管内等にある、他の液体流体および気体流体から除去され得る。他の分極分子の汚染物質は、ベンゼン、二酸化炭素、および二酸化硫黄等を含む。
【0015】
本発明の電極装置および方法の例示的な第2の好ましい実施形態の住宅用の実装が、
図6および
図7に示されている。住宅用飲料水給水栓101は、その先端部に隣接するアダプタ103を含む。アダプタ103は、アノード電極105、および同心状に取り囲むカソード電極107を使用しており、両者ともに長手方向に細長い。ねじ山付き結合部109は、カソード107の近位端部を、給水栓101の出口パイプ111に取り外し可能に結合する。さらに、一対のポリマー絶縁体131および133はそれぞれ、向かい合うアノード105の外面とカソード107の内面との間に水が流れることができるギャップ135を確保しながら、アノード105をカソード内に取り付けて絶縁する。また、カソード107の段付き凹部139内に絶縁体131を固定するために、ポリマーのカバープレート137が設けられている。カバープレート137は、ねじ山、接着剤またはプレスばめによって、カソードの内側に取り付けられ得る。カバープレート137は、複数の長手方向に開いた穴141を含み、絶縁体131は、複数の位置合わせされた(整合した)長手方向にアクセス可能な穴143を含み、そして、カソード107の遠位端部はさらに、長手方向にアクセス可能な穴145を含む結果、飲料水がそれらを通って流れることができるようになっている。バッテリ電源147は、アノード105に電気的に接続されており、当該バッテリ電源147は、絶縁体131とカバープレート137との間に保持されているか、または、ワイヤ(有線)もしくはスタンプ(印刷)された回路(stamped circuit)により遠隔の異なる場所にあって、アノード105の端部に電圧を供給している。Oリング149は、さまざまな構成要素(コンポーネント)をシールするために使用されている。アノードおよびカソードは、飲料水から分極分子の汚染物質を除去し、それをアノードに吸着するための、従来の工業的な構成と実質的に同じように機能する。
【0016】
本発明のアノード43の第1の製造方法および構造が、
図8および
図9に示されている。プラズマ活性炭(plasma activated carbon)49は、バインダ材料を含み、プレスされ、加熱されて、活性炭およびバインダの組成物が一方の端から他方の端まで断面積全体にわたって均一に広がった、一体でかつ均一な固体棒を形成する。
図10および
図11は、アノード143の別の製造プロセスおよび構成を示す。バインダ材料と混合された活性炭49の層が、例えば銅、ステンレス鋼、ニッケル、またはそれらの合金等の、導電性でかつ耐食性の金属棒153の外径表面151にコーティングされるか、またはそうでなければ付着される。当該金属棒153は、略円筒形状でかつ長手方向に細長い形状を有する。好ましくは、アノード143のコーティングされた棒アセンブリは、端部セクション157がその上に活性炭49を有しないように、棒151の中央領域155においてのみコーティングされる。これは、コーティングされていない当該端部セクション157がより容易かつより効果的に電気コネクタに電気的に結合することを、有利に可能にする。
【0017】
アノード243の第3の製造プロセスおよび構成は、
図12および
図13において見ることができる。まず、発泡金属シートまたは箔171を用意する。発泡箔171は好ましくは、約346g/m
2の面密度と95%以上のポロシティ(空隙率)とを有し、1インチ当たり80~110個の細孔、および約0.25mnの平均孔径を有する、ニッケル発泡体である。かかるニッケル発泡箔の1つは、MTI社(MTI Corporation)から入手することができる。しかしながら、その他の金属発泡体、または、あまり好ましくはないものの、非発泡金属シートが使用され得ることを理解されたい。
【0018】
次に、好ましくはバインダと混合された活性炭材料を、金属発泡箔171の多孔質外表面に、略平坦な状態で堆積させるか、コーティングするか、またはそうでなければ付着させる。一例では、活性炭49は混合されスラリーとされて、金属発泡体箔171の開孔(open pores)内に圧入されるが、それは平坦な状態にある。次に、活性炭スラリーと発泡体とのアセンブリを、約60~100℃で熱し、乾燥させる。例示的なバインダは、セルロース系であり得る。続いて、箔と活性炭とのアセンブリを巻き、ロールし、または曲げて、中空中心173を有する円筒形状にし、エッジシーム(端の継ぎ目)175を互いにくっつけて完全な断面円を形成する。任意選択的に、端部キャップ177が、巻かれたアノード243の両端部に固定され、中空中心173を通る流体の流れを防止する。これらのアノード構成43、143、および243のいずれについても、本明細書に開示される工業用装置または住宅用装置のいずれにおいても、相互交換可能に使用され得る。
【0019】
図14は、当該活性炭のゼータ電位(Zeta potential)を示す。CH
4、O
2H
2およびN
2等の種々のプラズマガスのプリカーサ(原料物質)の使用は、活性炭の表面電位を効率的に調整し、汚染物質分子の吸着を容易にするために、炭のプラズマ活性化において採用され得る。これは、活性炭の表面電位のチューニングまたはシフトを可能にし、その結果、それは、特定の汚染物質が最も効果的に吸着されるように調整され得る。本実施例では、プラズマ活性化中にH
2を使用することが、本発明の装置におけるアノード内へのPFAS吸着には最も適している。
【0020】
さまざまな実施形態を開示してきたが、当該電極装置および方法の追加の変形実施形態もまた想定されることを理解されたい。例えば、本発明の利点のうちのいくつかが十分には達成されないことがあり得るものの、追加のまたは異なるハードウェアコンポーネントが使用され得る。多孔質金属または他の導電性材料で作られたアノードを使用することもできる。特定の電極およびパイプ形状を開示してきたが、本発明の利点のうちの全てが十分には達成されないことがあり得るものの、代替の形状(例えば、非一様な電場を作り出す、八角形、楕円形またはその他の断面形状)を使用し得ることを理解されたい。また、前述の特徴のいずれもが、他の特徴のいずれもと相互に交換され、かつ相互に組み合わせされ得ることにも注意されたい。したがって、従属請求項のうちの任意のものおよび/またはすべては、その先行する請求項のすべてに依存し得、任意の組合せにおいて一緒に組み合わされ得る。変形実施形態は本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、全てのかかる変更(修正)は本発明の範囲および趣旨内に含まれる資格を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の電極装置を用いた工業用水処理装置を示す概略図である。
【
図2】本発明の電極装置を示す、
図1の線2-2に沿った縦断面図である。
【
図3】
図2の本発明の電極装置を示す概略図である。
【
図4】本発明の電極装置を示す、
図3の線4-4に沿った断面図である。
【
図5】本発明の電極装置が使用される分極したPFAS分子のモデルである。
【
図6】本発明の電極装置を用いた飲料水給水栓装置を示す斜視図である。
【
図7】本発明の電極装置を示す、
図6の線7-7に沿った縦断面図である。
【
図8】本発明の電極装置において使用されるアノードを作るための、第1の製造プロセスを示す一連の斜視図である。
【
図9】本発明の電極装置において使用されるアノードを示す、
図8の線9-9に沿った断面図である。
【
図10】本発明の電極装置のアノードを作るための、第2の製造プロセスを示す一連の斜視図である。
【
図11】本発明の電極装置のアノードを示す、
図10の線11-11に沿った断面図である。
【
図12】本発明の電極装置のアノードを作るための、第3の製造プロセスを示す一連の斜視図である。
【
図13】本発明の電極装置のアノードを示す、
図12の線13-13に沿った断面図である。
【
図14】本発明の電極装置のアノードにおいて使用されるバイオ炭(biochar)のゼータ電位を示すグラフである。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中の分極分子を除去するための方法であって、
(a)アノードとカソードとの間に電圧を供給する工程と、
(b)前記アノードと前記カソードとの間に、非一様な電場を作り出す工程と、
(c)カソードと前記アノードとの間のギャップ内に前記流体を流す工程
であって、前記カソードが、前記アノードの少なくとも過半を取り囲んでいる工程と、
(d)対応する電流の流れを生じさせることなく、工程(b)の助けにより、前記流体中の前記分極分子の前記アノードへの移動を生じさせる工程と、
(e)前記分極分子を前記アノード上にトラップする工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記流体が気体であり、かつ前記アノードが導電性の多孔質材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流体が液体であり、かつ前記アノードが導電性の多孔質材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カソードが前記アノードの周囲を取り囲んでおり、
前記分極分子が前記流体から除去されるとき、前記分極分子に対して化学反応が起こら
ず、
前記アノードの電気的に結合された端部が、前記カソードの端部を越えて突き出ている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記流体を流す前記工程が、給水栓に取り付けられた前記カソードと前記給水栓に取り付けられた前記アノードとの間の前記ギャップを通じて、飲料水を流すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記流体を流す前記工程が、前記アノードおよび前記カソードが取り付けられた工業用水処理配管システムを通じて行われる工程であり、
前記システムが、汚染水供給リザーバと、電極ベースのプレシピテータと、水ポンプと、複数のセンサと、複数のパイプと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カソードが、長手方向に細長く、かつ実質的に円筒形であり、
前記ギャップが、円筒形であり、かつ前記アノードを取り囲んでおり、
前記アノードが、前記カソードの内径の半分未満の外径を有し、
前記ギャップが、前記アノードと前記カソードとの間にあ
り、
前記アノード全体が、前記カソードの内部にある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アノードと前記カソードとの間に電位差を作り出す工程をさらに含み、
前記分子を除去することが、追加のフィルタリングなしで、複数のPFAS分子を前記アノードの方へ押しやるか、または引きつけることによって、前記流体から前記複数のPFAS分子を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アノードと前記カソードとの間に電位差を作り出す工程をさらに含み、
前記分子を除去することが、追加のフィルタリングなしで、前記分子を前記アノードの方へ押しやるか、または引きつけることによって、前記流体からベンゼン、二酸化炭素、または二酸化硫黄のうちの少なくとも1つを除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
流体中の分極分子を除去するための方法であって、
(a)アノードとカソードとの間に電圧を供給する工程であって、前記アノードが、(i)導電性の多孔質材料、または(ii)プラズマ活性炭のうちの少なくとも一方を備える工程と、
(b)前記アノードと前記カソードとの間に電位差を作り出す工程と、
(c)カソードと前記アノードとの間のギャップ内に前記流体を流す工程
であって、前記カソードが、前記アノードの少なくとも過半を取り囲んでいる工程と、
(d)対応する電流の流れを生じさせることなく、かつ前記分子において化学反応を引き起こすことなく、工程(b)の助けにより、前記流体中の前記分極分子の前記アノードへの移動を生じさせる工程と、
を含む、方法。
【請求項11】
前記流体が気体であり、前記アノードが前記導電性の多孔質材料を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記流体が液体であり、前記アノードが前記導電性の多孔質材料を含
み、
前記アノードの電気的に結合された端部が、前記カソードの隣接する端部を越えて突き出ている、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記流体を流す前記工程が、給水栓に取り付けられた前記カソードと前記給水栓に取り付けられた前記アノードとの間の前記ギャップを通じて、飲料水を流すことを含
み、
前記アノード全体が、前記カソード内に位置する、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記流体を流す前記工程が、前記アノードおよび前記カソードが取り付けられた工業用水処理配管システムを通じて行われる工程であり、
前記システムが、汚染水供給リザーバと、電極ベースのプレシピテータと、水ポンプと、複数のセンサと、複数のパイプと、を備える、請求項
10に記載の方法。
【請求項15】
前記カソードが、長手方向に細長く、かつ実質的に円筒形であり、
前記ギャップが、円筒形であり、かつ前記アノードを取り囲んでおり、
前記アノードが、前記カソードの内径の半分未満の外径を有し、
前記ギャップが、前記アノードと前記カソードとの間にある、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記分子を除去することが、追加のフィルタリングなしで、複数のPFAS分子を前記アノードの方へ押しやるか、または引きつけることによって、前記流体から前記複数のPFAS分子を除去することを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
バッテリから前記アノードに電力を供給することをさらに含む、請求項
1または10に記載の方法。
【請求項18】
前記アノードが、固体棒上における前記プラズマ活性炭を含む、請求項
1または10に記載の方法。
【請求項19】
電極装置を作る方法であって、
(a)(i)プラズマ活性炭、または(ii)導電性の多孔質金属のうちの少なくとも一方を備える棒状の細長いアノードを作り出す工程と、
(b)前記アノードの周囲をカソードで取り囲む工程
であって、前記アノードが、(i)前記カソードの隣接する端部を越えて延在するか、または(ii)前記カソードの内部にあるか、のいずれかである電気的に接続された端部を含む工程と、
(c)前記アノードおよび前記カソードを流体の流れる導管に接続する工程と、
(d)前記アノードと前記カソードとの間に電位差および非一様な電場を作り出して、前記アノードと前記カソードとの間を作用可能に通過する流体から汚染物質を除去するように構成された電気回路を、前記アノードおよび前記カソードに結合する工程と、
を含む方法。
【請求項20】
前記アノードが前記プラズマ活性炭を備え、前記汚染物質がPFASを含む、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記アノードが前記導電性の多孔質金属を備え、前記汚染物質がPFASを含む、請求項
19に記載の方法。
【請求項22】
前記導管を飲料水の給水栓に結合する工程と、
バッテリを前記回路に接続する工程と、
をさらに含む、請求項
19に記載の方法。
【請求項23】
(a
)プラズマ活性
炭を備える細長いアノードと、
(b)流体が間を流れることができるように構成された、前記アノードの外表面の周りに同軸状に位置するカソードと、
(c)前記アノードと前記カソードとの間に(i)非一様な電場、または(ii)電位差のうちの少なくとも一方を作り出すように構成された、前記アノードおよび前記カソードに結合された電気回路と、
を備える電極装置。
【請求項24】
前記
流体が水であり、前記アノードの方へ引きつけられる前記水内の汚染物質がPFASを含む、請求項
23に記載の装置。
【請求項25】
前記アノードが
多孔質金属の発泡体を備え、
前記活性炭が箔シートに付着している、請求項
23に記載の装置。
【請求項26】
前記アノードと前記カソードとが結合された飲料水給水栓と、
前記回路に接続されたバッテリと、
をさらに備え
、
前記アノード全体が、前記カソードの内部にある、請求項
23に記載の装置。
【請求項27】
前記カソードが、長手方向に細長く、かつ実質的に円筒形であり、
前記ギャップが、円筒形であり、かつ前記アノードを取り囲んでおり、
前記アノードが、前記カソードの内径の半分未満の外径を有し、
前記ギャップが、前記アノードと前記カソードとの間にあ
り、
前記アノードが、前記カソードの隣接する端部を越えて延在する電気的に接続された端部を含む、請求項
23に記載の装置。
【請求項28】
前記アノードおよび前記カソードが、前記アノードと前記カソードとの間に電流の流れを生じさせることなく、かつ化学反応を引き起こすことなく、前記ギャップを通って流れる前記流体から、(a)PFAS、(b)ベンゼン、(c)二酸化炭素、または(d)二酸化硫黄のうちの少なくとも1つを除去するように作用可能である、請求項
23に記載の装置。
【請求項29】
前記アノードと前記カソードとが結合された煙突または排気管をさらに備える、請求項
23に記載の装置。
【請求項30】
前記アノードと前記カソードとが結合された工業用水処理システムをさらに備え、
前記システムが、ポンプと、複数のセンサと、リザーバと、複数のバルブと、を備える、請求項
23に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年2月18日に出願されたPCT国際出願第PCT/US2020/018585号の国内段階移行であり、2019年2月20日に出願された米国仮出願第62/807、797号に対する優先権を主張する。上記出願の開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】