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特表2022-521405少なくとも1つの物体を照射するためのプロジェクタを備えた検出器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(54)【発明の名称】少なくとも1つの物体を照射するためのプロジェクタを備えた検出器
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/25 20060101AFI20220331BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220331BHJP
   H01L 31/12 20060101ALI20220331BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
G01B11/25 H
G01B11/00 A
H01L31/12 E
G02B5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549251
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 EP2020054469
(87)【国際公開番号】W WO2020169727
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】19158331.9
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517267802
【氏名又は名称】トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】ボンジヒノーレ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー,ニルス
(72)【発明者】
【氏名】ライン,ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ゼント,ロベルト
【テーマコード(参考)】
2F065
2H249
5F889
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA06
2F065AA12
2F065AA51
2F065FF04
2F065GG04
2F065GG23
2F065HH04
2F065HH07
2F065JJ26
2F065LL42
2F065NN01
2F065QQ24
2F065QQ26
2F065QQ29
2F065QQ31
2F065QQ38
2H249AA02
2H249AA12
2H249AA50
2H249AA55
5F889BB17
5F889BC07
5F889CA21
5F889GA01
(57)【要約】
少なくとも2つの照射パターン(124)で少なくとも1つの物体(112)を照射するプロジェクタ(122)が開示されている。プロジェクタ(122)は、少なくとも1つの調整可能なレーザ源(126)と、少なくとも1つの回折光学素子(128)とを備える。プロジェクタ(122)は、調整可能レーザ源(126)の少なくとも1つの特性を制御することによって、それぞれ複数の照射特徴を含む少なくとも2つの照射パターン(124)を生成するように構成されている。プロジェクタ(122)は、少なくとも1つの制御ユニット(136)を備える。制御ユニット(136)は、調整可能レーザ源(126)の少なくとも1つの特性を制御するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための検出器(110)であって、
- 少なくとも2つの照射パターン(124)で前記物体(112)を照射する少なくとも1つのプロジェクタ(122)であって、前記プロジェクタ(122)は、少なくとも1つの調整可能レーザ源(126)と、少なくとも1つの回折光学素子(128)とを備え、そこでは前記プロジェクタ(122)は前記調整可能レーザ源(126)の少なくとも1つの特性を制御することによってそれぞれ複数の照射特徴を含む前記少なくとも2つの照射パターン(124)を生成するように構成され、前記プロジェクタ(122)は少なくとも1つの制御ユニット(136)を備え、前記制御ユニット(136)は前記調整可能レーザ源(126)の少なくとも1つの特性を制御するように構成され、前記プロジェクタ(122)は、少なくとも2つの放射モードで作動可能であって、前記制御ユニット(136)は、前記調整可能レーザ源(126)に電子信号を印加することによって、前記放射モードを調整するように構成され、前記調整可能レーザ源(126)は第1放射モードでは第1放射波長λを有し、前記調整可能レーザ源(126)は第2放射モードでは第1放射波長λとは異なる第2放射波長λを有する、プロジェクタ(122)と;
- 光センサ(118)のマトリックス(116)を有する少なくとも1つのセンサ要素(114)であって、前記光センサ(118)はそれぞれ感光エリア(120)を有し、各光センサ(118)は、前記物体(112)から前記検出器(110)へ伝播する反射光ビームによるそれぞれの感光エリア(120)の照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記センサ要素(114)は、少なくとも1つの反射画像(142)を決定するように構成されている、センサ要素(114)と;
- 少なくとも1つの評価装置(144)であって、前記評価装置(144)は、前記反射画像(142)の少なくとも1つの反射特徴を選択するように構成され、前記評価装置(144)は、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することによって、前記反射画像(142)の前記選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、評価装置(144)と、
を備える、検出器(110)。
【請求項2】
前記センサ要素(114)は、少なくとも1つの撮像フレーム内で前記反射画像(142)を決定するように構成されており、1つの撮像フレームの持続時間は、前記プロジェクタ(122)の前記調整可能レーザ源(126)のパルス持続時間又は前記プロジェクタ(122)の前記調整可能レーザ源(126)の一連のパルスの持続時間に対応している、請求項1に記載の検出器(110)。
【請求項3】
前記調整可能レーザ源(126)の前記少なくとも1つの特性は、電圧、電流、温度、放射波長、強度などからなる群から選択される少なくとも1つの特性である、請求項1又は2に記載の検出器(110)。
【請求項4】
前記調整可能レーザ源(126)の放射波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどの1つ以上によって調整可能である、請求項3に記載の検出器(110)。
【請求項5】
前記制御ユニット(136)は、放射波長を段階的に調整し、それによって前記照射パターン(124)の位置を調整するように構成され、前記第1放射波長λと前記第2放射波長λは分離可能であり、前記第1放射波長λと前記第2放射波長λは、40nm≧│λ-λ│≧1nm、好ましくは30nm≧│λ-λ│≧2.5nm、より好ましくは20nm≧│λ-λ│≧4nmだけ異なる、請求項1~4のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項6】
前記第1放射波長λ及び前記第2放射波長λは安定しており、波長の変動Δλは、波長に比べて小さく、Δλ≦1.5%、好ましくはΔλ≦0.5%、より好ましくはΔλ≦0.1%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項7】
前記調整可能レーザ源(126)は、少なくとも1つの光パルスを生成するように構成され、前記光パルスは、少なくとも1つのビームプロファイルを有し、前記制御ユニット(136)は、前記光パルスの前記ビームプロファイル内の波長が、前記調整可能レーザ源(126)に電子信号を印加することによって波長変動ΔΛだけ変化するように、前記光パルスの波長を調整するように構成され、及び/又は、一連の光パルスのうちの少なくとも2つの光パルスの波長が波長変動ΔΛだけ変化するように、一連の光パルスの光パルスの波長を調整するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項8】
前記評価装置(144)は、前記センサ信号を除算すること、前記センサ信号の倍数を除算すること、前記センサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって結合信号Qを導出するように構成され、前記評価装置は、前記縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標zとの間の少なくとも1つの予め決定された関係を使用するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項9】
前記評価装置(144)は、前記結合信号Qを評価することによって前記選択された反射特徴の縦方向領域を決定するように構成され、前記縦方向領域は前記縦方向座標z及び誤差間隔±εによって与えられ、前記評価装置(144)は前記縦方向領域に対応する少なくとも1つの参照画像における少なくとも1つの変位領域を決定するように構成され、前記評価装置(144)は、前記選択された反射特徴を前記変位領域内の少なくとも1つの参照特徴とマッチングさせるように構成され、前記評価装置(144)は、前記マッチングされた参照特徴と前記選択された反射特徴の変位を決定するように構成され、前記評価装置(144)は、縦方向情報と変位との間の予め決定された関係を使用して前記マッチングされた参照特徴の縦方向情報を決定するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項10】
前記参照画像及び前記反射画像(142)は、一定の距離を有する異なる空間位置で決定された前記物体(112)の画像であって、前記評価装置(144)は、前記参照画像におけるエピポーラ線を決定するように構成されている、請求項9に記載の検出器(110)。
【請求項11】
前記変位領域は前記エピポーラ線に沿って延び、前記評価装置(144)は、前記縦方向座標zに対応する前記エピポーラ線に沿った前記参照特徴を決定し、前記誤差間隔±εに対応して前記エピポーラ線に沿った前記変位領域の範囲を決定するように構成されている、請求項10に記載の検出器(110)。
【請求項12】
前記評価装置(144)は、以下のステップ:
- 各反射特徴の画像位置に対する前記変位領域を決定するステップと、
- 前記変位領域に最も近いエピポーラ線、及び/又は前記変位領域内のエピポーラ線、及び/又は前記エピポーラ線に垂直な方向に沿った変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるように、エピポーラ線を各反射特徴の前記変位領域に割り当てるステップと、
- 前記割り当てられた変位領域に最も近い前記参照特徴、及び/又は前記割り当てられた変位領域内の前記参照特徴、及び/又は前記割り当てられたエピポーラ線に沿って前記割り当てられた変位領域に最も近い前記参照特徴、及び/又は前記割り当てられたエピポーラ線に沿って前記割り当てられた変位領域内の前記参照特徴を割り当てるように、各反射特徴に少なくとも1つの参照特徴を割り当て及び/又は決定するステップと、
を実行するように構成されている、請求項11に記載の検出器(110)。
【請求項13】
前記評価装置(144)は、前記決定された縦方向座標zを考慮して少なくとも1つの評価アルゴリズムを用いることにより、前記反射画像(142)の前記選択された特徴を前記変位領域内の前記参照特徴とマッチングさせるように構成され、前記評価アルゴリズムは線形スケーリングアルゴリズムである、請求項9~12のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項14】
少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための検出器システム(148)であって、前記検出器システム(148)は検出器を参照する請求項1~13のいずれか1項に記載の少なくとも1つの検出器(110)を有し、前記検出器システム(148)はさらに少なくとも1つの光ビームを前記検出器(110)に向けるように構成された少なくとも1つのビーコン装置(150)を有し、前記ビーコン装置(150)は、前記物体(112)に取り付け可能、前記物体(112)によって保持可能、及び前記物体(112)に一体化可能のうちの少なくとも1つである、検出器システム(148)。
【請求項15】
ユーザ(170)とマシン(148)の間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェース(152)であって、前記ヒューマンマシンインターフェース(152)は、請求項14に記載の少なくとも1つの検出器システム(148)を有し、前記少なくとも1つのビーコン装置(150)は、前記ユーザ(170)に直接又は間接的に取り付けられ、及び前記ユーザ(170)によって保持されるうちの少なくとも1つであるように構成され、前記ヒューマンマシンインターフェース(152)は、前記検出器システム(148)によって前記ユーザ(170)の少なくとも1つの位置を決定するように設計され、前記ヒューマンマシンインターフェース(152)は、少なくとも1つの情報項目を前記位置に割り当てるように設計されている、ヒューマンマシンインターフェース(152)。
【請求項16】
少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置(154)であって、前記娯楽装置(154)は、請求項15に記載の少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェース(152)を有し、前記娯楽装置(152)は、前記ヒューマンマシンインターフェース(152)によって少なくとも1項目の情報がプレイヤーによって入力されることを可能にするように設計され、前記娯楽装置(154)は、前記情報に応じて前記娯楽機能を変化させるように設計されている、娯楽装置(154)。
【請求項17】
少なくとも1つの移動可能な物体の位置を追跡するための追跡システム(156)であって、前記追跡システム(156)は、検出器システムを参照する請求項1~16のいずれか1項に記載の少なくとも1つの検出器システム(148)を有し、前記追跡システム(156)は少なくとも1つの追跡コントローラ(186)をさらに有し、前記追跡コントローラ(186)は、特定時点における前記物体(112)の一連の位置を追跡するように構成されている、追跡システム(156)。
【請求項18】
情景の深度プロファイルを決定するための走査システム(158)であって、前記走査システム(158)は、検出器を参照する請求項1~17のいずれか1項に記載の少なくとも1つの検出器(110)を有し、前記走査システム(158)は、少なくとも1つの光ビームで前記情景を走査するように構成された少なくとも1つの照射源をさらに有している、走査システム(158)。
【請求項19】
少なくとも1つの物体を画像化するためのカメラ(146)であって、前記カメラ(146)は検出器を参照する請求項1~18のいずれか1項に記載の少なくとも1つの検出器(110)を備える、カメラ(146)。
【請求項20】
検出器を参照する請求項1~19のいずれか1項に記載の少なくとも1つの検出器(110)を使用して、少なくとも1つの物体(112)の位置を決定する方法であって、以下のステップ:
- 前記検出器(110)の少なくとも1つのプロジェクタ(122)によって生成された少なくとも2つの照射パターン(124)で前記物体(112)を照射するステップと、
- 前記物体(112)から前記検出器(110)へ伝播する少なくとも1つの反射光による光センサ(1189のマトリックス(116)を有する少なくとも1つのセンサ要素(114)の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成するステップであって、前記光センサ(118)はそれぞれ感光領域(120)を有している、ステップと、
- 前記センサ要素(114)を用いて、少なくとも1つの反射画像(142)を決定するステップと、
- 前記反射画像(142)の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置(144)を使用して前記センサ信号を評価し、それによって前記選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップであって、前記評価は前記センサ信号からの結合信号Qを評価することを含む、ステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記プロジェクタ(122)は、少なくとも1つの調整可能レーザ源(126)と、少なくとも1つの回折光学素子(128)とを有し、前記方法は、少なくとも1つの制御ユニット(136)を用いて、前記調整可能レーザ源(126)の少なくとも1つの特性を制御することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
検出器を参照する請求項1~21のいずれか1項に記載の検出器(110)の使用であって、使用目的が、交通技術における位置測定、娯楽用途、セキュリティ用途、監視用途、安全用途、ヒューマンマシンインターフェース用途、物流用途、追跡用途、屋外用途、モバイル用途、通信用途、写真用途、マシンビジョン用途、ロボット用途、品質管理用途、製造用途からなる群から選択される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ、検出器、及び少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法に関する。本発明はさらに、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、カメラ、走査システム、及び検出器装置の様々な使用に関する。本発明による装置、方法及び使用は、具体的には、例えば、日常生活の様々な分野、ゲーム、交通技術、生産技術、セキュリティ技術、芸術のためのデジタル写真又はビデオ写真などの写真、文書化又は技術目的、医療技術、又は科学の分野で採用され得る。さらに、本発明は、具体的には、例えば、建築、計測、考古学、芸術、医学、工学、又は製造の分野において、物体又は場景の奥行きプロファイルを生成するためなど、1つ以上の物体をスキャンするため、及び/又は場景をスキャンするために使用されることができる。しかし、他の用途も可能である。
【背景技術】
【0002】
従来の技術から、三角測量画像化法を使用した多数の光学装置が知られている。例えば、構造化光方式又はステレオ方式が知られている。例えば、固定された相対的向きにある2つのカメラを使用するパッシブステレオ方式、又は追加の光プロジェクタが使用されるアクティブステレオ技術などがある。他の例としては、固定された相対的向きにある1台の光プロジェクタと1台のカメラが使用される構造光のアプローチが知られている。三角測量で深度画像を決定するためには、対応関係の問題がまず解決されなければならない。そのため、パッシブステレオカメラ技術では、両方のカメラビューで十分に対応する特徴点が特定されなければならない。構造化された光のアプローチでは、事前に記憶された擬似ランダム光パターンと投影された擬似ランダム光パターンの間の対応関係が決定されなければならない。これらの対応関係の堅牢な解決のためには、投影された点パターンの点の数に対してほぼ二次的にスケーリングするアルゴリズムなどの計算画像化アルゴリズムが採用されなければならない。構造化光方式では、例えば、固定の相対的距離を有する2つの検出器を有するステレオシステムを使用して、光源が、点、擬似ランダム、ランダム、非周期的点パターン又は不規則な点パターンなどのパターンを投影する。各検出器は反射パターンの画像を生成し、2つの画像の対応する特徴を特定する画像解析タスクが存在する。固定された相対位置により、2つの画像のうちの1つにおいて選択された対応する特徴点は、他方の画像のエピポーラ線に沿って存在する。しかし、いわゆる対応問題を解決することは困難であり得る。ステレオシステム及び三角測量システムでは、エピポーラ線に沿ったすべての特徴点の距離が、互いに合理的に対応していなければならない。対応関係の決定は、逐次的に行うことはできない。1つの対応が間違っていれば、これは不可視など、他の特徴点に影響を及ぼしてしまう。これは、通常は2次スケーリング評価アルゴリズムが用いることを生成する。これらの使用される評価アルゴリズムは、深刻なコスト要因である高い計算能力を必要とする。さらに、必要な計算リソースのエネルギー消費と熱生成のため、該計算要求は、屋外及びモバイルアプリケーションでのこのような3Dセンサ方式の使用を制限してしまう。
【0003】
US2016/0238377A1は、三次元表面のトポグラフィーをモデリングするためのモデリング配置を記載している。この配置は、実質的に単色でコヒーレントな電磁放射を生成するように構成された光源と;光源から放出される波長及び同様に人間の目で検出される波長によってモデル化される表面を撮影するように構成されたカメラと;第1光源に関連して設けられた回折格子とを含む。光源と該光源に関連して提供された回折格子は、モデル化される表面上に既知の幾何学形状の回折パターンを、一緒に生成するように配置されている。このように、回折パターンを生成するために、異なる波長の複数のレーザダイオードが1つの回折光学素子と組み合わされて使用される。例えば、緑色と赤色のレーザダイオードの使用は、2つの異なるパターンを生じる。
【0004】
光子比(DPR)を用いて距離を決定する距離測定の新しい概念が、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1に記載されており、その内容は参照により包含される。さらに、2018年8月28日に出願された国際特許出願PCT/EP2018/073067は、その内容が参照により含まれるが、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器を記載している。検出器は、-光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素であって、前記センサ要素はそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは物体から検出器へ伝播する反射光ビームによるそのそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されており、該センサ要素は少なくとも1つの反射画像を決定するように構成されている、少なくとも1つのセンサ要素と;-少なくとも1つの評価装置であって、前記評価装置は、前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択するように構成されており、前記評価装置は前記センサ信号からの結合信号Qを評価することによって前記反射画像の選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向領域を決定するように構成されており、前記評価装置は前記縦方向領域に対応する少なくとも1つの参照画像内の少なくとも1つの変位領域を決定するように構成されており、前記評価装置は前記選択された反射特徴を前記変位領域内の少なくとも1つの参照特徴とマッチングさせるように構成されている、少なくとも1つの評価装置、を含む。
【0005】
光子比からの深度技術を使用した光プロジェクタは、シングルパターンで照射するように構成されている。シングルパターンは、通常、技術が要求するように点の密度が低い。そのため、対象となるすべてのエリアが投影された点でカバーされず、測定がカバーできない場合がある。さらに、シングルパターンは、明るい物体と暗い物体の両方で理想的ではない場合がある。LCOS(シリコン上の液晶)及びDLP(デジタル光処理)ベースのプロジェクタのような光プロジェクタは、柔軟なパターンを投影することができるが、これらのプロジェクタは非常にコストがかかる。
【0006】
さらに、光子比からの深度の構成では、点はレーザとDOEの組み合わせを使用して物体上に投影される。レーザ光源のあらゆる利点にもかかわらず、欠点は記録されたビームプロファイルにおける斑点である。これらの斑点は、粗い表面でのコヒーレント光の干渉に起因している可能性がある。斑点は、測定結果を悪化させる高強度のスパイクをビームプロファイルが有することを発生させることがある。したがって、インコヒーレント光源の欠点を招くことなく、光源を変更して斑点を回避することが望ましい。
【0007】
US2012/019809A1は、メモリと結合されたプロセッサを含む装置を記載しており、該プロセッサは、物体上の位置の近傍の第1デフォーカス画像の第1斑点パターンを取得し、該近傍の第2デフォーカス画像の第2斑点パターンを取得し、第1斑点パターンと第2斑点パターン間のシフトを決定し、決定されたシフトに基づいて該位置における表面プロファイルの勾配情報を計算するように作動可能である。
【0008】
US2010/008588A1は、3次元情景内の物体上の位置を推定するための方法、システム、及び装置を記載している。複数の放射パターンが1つ以上の変調構造の別個の組み合わせによって複数の第1放射のそれぞれを空間的変調することによって生成され、各第1放射が他の第1放射に対する別個の放射経路、別個の光源、別個の光源スペクトル、又は別個の光源偏光のうちの少なくとも1つを有している。物体上の位置は、2つ以上の放射パターンのそれぞれの一部で照射され、該位置は複数の物体放射を生成し、各物体放射は複数の放射パターンの1つに対応して生成される。複数の測定値は、1つ以上の検出器要素を別個に用いて、各パターンによる物体上の位置からの物体放射を検出することによって生成される。該複数の計測値に基づいて、物体上の位置が推定される。
【0009】
US2004/105100A1は、物体の表面にフリンジを投影するための装置を記載しており、該装置は、距離によって分離された2つの放射線源であって各放射線源がスペクトル分布を有し放射線源の他方に対してコヒーレントである放射線源と、各放射線源を他の放射線源に相対して動かす制御システムと、物体の表面上の点から散乱された放射線を受信するように配置された検出器とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US2016/0238377A1
【特許文献2】WO2018/091649A1
【特許文献3】WO2018/091638A1
【特許文献4】WO2018/091640A1
【特許文献5】PCT/EP2018/073067
【特許文献6】US2012/019809A1
【特許文献7】US2010/008588A1
【特許文献8】US2004/105100A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、既知の装置及び方法の上述の技術的課題に対する装置及び方法を提供することである。具体的には、本発明の目的は、好ましくは低い技術的努力によって、かつ技術的資源及びコストの観点から低い要求によって、空間内の物体の位置を確実に決定することができる装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、独立特許請求項の特徴を有する本発明によって解決される。個別に又は組み合わせて実現することができる本発明の有利な発展形態は、従属請求項及び/又は以下の明細書及び詳細な実施形態によって提示される。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「有する」、「含む」、又は「含有する」という表現ならびにそれらの文法上の変形は、非排他的な形で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴の他に、この関係において説明されている対象においてさらなる特徴が存在していないという状況、及び、1つ又は複数のさらなる特徴が存在しているという状況の両方を指し得る。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、及び「AはBを含む」という表現は、B以外に他の要素がA中に存在しないという状況(すなわち、Aは単独でかつ排他的にBからなるという状況)、及び、B以外に、要素C、要素C及びD、又は、別の要素さえもなど、1つ又は複数のさらなる要素が、実体Aにおいて存在するという状況の両方を指し得る。
【0014】
さらに、用語「少なくとも1つ」、「1つ又は複数(1つ以上)」、又は特徴又は要素が1回又は複数回存在し得ることを示す同様の表現は、通常それぞれの特徴又は要素を導入するときに1回だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴又は要素を参照するときに、表現「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数(1つ以上)」は、それぞれの特徴又は要素が1回又は複数回存在してもよいという事実にもかかわらず、繰り返されないことになる。
【0015】
さらに、以下において使用されているように、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「さらに詳細には」、「具体的には」、「より具体的には」という用語、又は、同様の用語は、代替的な可能性を制限することなく、任意の特徴と共に使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は任意選択の特徴であり、決して特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。当業者が認識するように、本発明は代替的な特徴を使用することによって実行されてもよい。同様に、「本発明の実施形態において」又は同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替的な実施形態に関していかなる制限を課すものではなく、本発明の範囲に関していかなる制限を課すものではなく、また、そのようにして導入される特徴と本発明の他の任意の特徴又は非任意の特徴を組み合わせることの可能性に関していかなる制限を課すものではない。
【0016】
本発明の第1の態様では、少なくとも2つの照射パターンで少なくとも1つの物体を照射するプロジェクタが開示されている。プロジェクタは、少なくとも1つの調整可能なレーザ源と、少なくとも1つの回折光学素子とを備える。プロジェクタは、調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御することによって、それぞれ複数の照射特徴を含む少なくとも2つの照射パターンを生成するように構成されている。プロジェクタは、少なくとも1つの制御ユニットを備える。制御ユニットは、調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御するように構成されている。
【0017】
本明細書で使用される場合、「物体」という用語は、任意の物体、特に表面又は領域を指し、該任意の物体特に表面又は領域は、物体に入射する少なくとも1つの光ビームを少なくとも部分的に反射するように構成されている。光ビームは、物体を照射するプロジェクタから発生してよく、該光ビームは物体によって反射又は散乱される。
【0018】
本明細書で使用される場合、光プロジェクタとも呼ばれる「プロジェクタ」という用語は、少なくとも1つの照射パターンを物体に、具体的には物体の表面に投影するように構成された光学装置を指す。プロジェクタは、特に少なくとも1つの光ビームを生成するための少なくとも1つの調整可能レーザ源を備える。プロジェクタは、特に調整可能レーザ源の光ビームから照射パターンを生成及び/又は形成するための、少なくとも1つの回折光学素子を備える。プロジェクタは、照射パターンが、プロジェクタから、特にプロジェクタのハウジングの少なくとも1つの開口部から、物体に向かって伝播するように構成されることができる。さらに、追加の照射パターンが、少なくとも1つの周囲光源によって生成されてよい。プロジェクタは、それぞれが複数の照射特徴を含む少なくとも2つの照射パターンを生成するように構成される。プロジェクタは、それぞれ複数の照射特徴を含む2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の照射パターンを投影するように構成されてよい。照射パターンは、具体的には、照射特徴の数、照射特徴の配置、照射特徴の形状、照射特徴の波長、照射特徴の強度、開口角などの1つ以上において異なってよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、「パターン」という用語は、少なくとも1つの任意の形状特徴を含む任意の既知の又は事前に決定された配置を指す。パターンは、ポイント又はシンボルなどの少なくとも1つの特徴を含むことができる。パターンは、複数の特徴を含み得る。パターンは、周期的又は非周期的な特徴の配置を含み得る。本明細書で使用される場合、「照射パターン」という用語は、物体を照射するパターンを指す。それぞれの照射パターンは、以下:少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターン;ランダム点パターン又は準ランダムパターン;少なくとも1つのソボル(Sobol)パターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン;少なくとも1つの長方形パターン;凸状の均一なタイル状体(tiling)を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線又は交差線などの少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含むことができる。例えば、プロジェクタは、点群を生成及び/又は投影するように構成され得る。例えば、プロジェクタは、照射パターンが複数の点特徴を含み得るように、点群を生成するように構成され得る。プロジェクタは、調整可能レーザ源によって生成された少なくとも1つの光ビームから照射パターンを生成するように構成された回折光学素子を含んでいてよい。例えば、照射パターンのそれぞれは、少なくとも1つのラインを含むことができる。例えば、調整可能レーザ源は、少なくとも1つのラインレーザを含んでいてもよい。ラインレーザは、例えば水平又は垂直のレーザラインなど、レーザラインを物体に送るように構成されてよい。例えば、プロジェクタは、各照射パターンが少なくとも2つの平行線又は交差線を含むように構成された少なくとも2つの調整可能ラインレーザ、又は1つの調整可能ラインレーザと非調整可能ラインレーザを含むことができる。
【0020】
照射パターンは、三角形パターン、長方形パターン、六角形パターン、又は凸状タイル状体をさらに含むパターンなどの、規則的及び/又は一定及び/又は周期的なパターンを含むことができる。照射パターンは、六角形パターンが好ましいように、面積当たり可能な限り多くのの特徴を含むことができる。それぞれの照射パターンの2つの特徴間の距離、及び/又は少なくとも1つの照射特徴の面積は、後述するように、少なくとも1つの光センサによって決定される画像の錯乱円に依存し得る。
【0021】
プロジェクタは、少なくとも1つの調整可能レーザ源と、少なくとも1つの回折光学素子(DOE)とを含む。本明細書で使用される場合、「回折光学素子」という用語は、DOEに衝突する調整可能レーザ源によって生成された光ビームに応答して、照射パターンを生成及び/又は形成するように構成された光学要素を指す。DOEによって生成及び/又は形成される照射パターンは、波長に依存し得る。具体的には、DOEによって生成及び/又は形成される照射パターンは、波長に強く依存する干渉パターンであり得る。プロジェクタは、同数の調整可能レーザ源と回折光学素子を含むことができる。プロジェクタは、1つの回折光学素子と1つのレーザ源を含むことができる。したがって、プロジェクタは、1つのレーザ源と1つの回折光学素子のみを用いて、例えば波長の異なる2つの異なる照射パターンを投影するように構成されることができる。
【0022】
「レーザ源」という用語は、特に、コヒーレントに放射線を放出するように構成された光源を指す。レーザ源は、コヒーレント放射線を放出するように構成された単一の半導体部品などの、単一利得媒質のみを含んでよい。特に、レーザ源は、具体的には単一の中心波長又は平均波長においてコヒーレント放射線を放出するように構成された単一の半導体部品を含むことができる。レーザ源の放射スペクトルは、平均放射波長の15%未満、好ましくは平均放射波長の10%未満、より好ましくは平均放射波長の5%未満の放射範囲によって特徴付けられることができる。既知のプロジェクタは、例えばUS2016/0238377A1に記載されているように、異なるパターンを生成するために複数の光源を必要とし、異なる波長の光を重ね合わせることで、放射のコヒーレンスが失われる。対照的に、本発明は、DOEにコヒーレント放射線を提供し、レーザ源を調整することによって異なるパターンを生成することを提案している。本明細書でさらに使用される場合、「調整可能レーザ源」という用語は、制御及び/又は調整可能な特性を少なくとも有するレーザ源を指す。例えば、調整可能レーザ源は、半導体調整可能レーザ、サンプル格子分布ブラッグ反射器レーザ(SG-DBR)、例えば(マイクロエレクトロメカニカルシステム)MEMS構造を用いた外部共振器レーザ、ダイオードレーザ、垂直共振器型面放射レーザ(VCSEL)、垂直共振器面放射レーザアレイ、分布帰還型レーザなどのうちの1つ以上を含むことができる。調整可能レーザ源は、350~1500nm、好ましくは400~1100nm、より好ましくは700~1000nm、最も好ましくは980~770nmの波長範囲にわたって調整可能であってよい。調整可能レーザ源の例は、例えば、https://en.wikipedia.org/wiki/Tunable_laserに見出すことができる。調整可能レーザ源は、ドライバ、具体的には調整可能ドライバを含むことができる。調整可能レーザ源は、集束光学部品を含んでよい。調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性は、電圧、電流、温度、放射波長、強度などからなる群から選択される少なくとも1つの特性であってよい。例えば、調整可能レーザ源の放射波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどの1つ以上によって調整可能であってよい。特に、調整可能レーザ源によって放射されるコヒーレント光の放射波長は、調整可能レーザ源を駆動するためのドライバ電流及び/又は温度に依存してよい。プロジェクタは、調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御することにより、少なくとも2つの照射パターンを生成するように構成されている。DOEで生成及び/又は形成される照射パターンのそれぞれは、波長に強く依存するため、放射波長が変化すると照射パターンも変化する。プロジェクタは、複数の調整可能レーザ源を備えていてもよい。
【0023】
プロジェクタは、少なくとも1つの制御ユニットを備える。制御ユニットは、調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御するように構成されている。制御ユニットは、調整可能レーザ源に電子信号を印加することによって、調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御するように構成されていてよい。本明細書で使用される場合、「調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御する」という用語は、該少なくとも1つの特性を調整及び/又は設定及び/又はチューニングすることを指す。例えば、制御ユニットは、ドライバ電流を変化させる、及び/又は、MEMSの状態を変化させる、及び/又は、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させるなどのように構成されてよい。
【0024】
本明細書でさらに使用されるように、「制御ユニット」という用語は、一般的に、調整可能レーザ源の作動を制御するように、及び/又は調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御するように構成された任意の装置を指す。制御ユニットは、少なくとも1つの処理装置、特に少なくとも1つのプロセッサ及び/又は少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる。制御ユニットは、調整可能レーザ源の制御を実行するように構成された1つ又は複数のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上のプログラム可能な装置を備えることができる。制御ユニットは、多数のコンピュータコマンドを含むそこに保存されたソフトウェアコードを有する少なくとも1つの処理装置を含んでよい。制御ユニットは、調整可能レーザ源の制御を実行するための1つ又は複数のハードウェア要素を提供することができ、及び/又は、調整可能レーザ源の制御を実行するために、そこで作動するソフトウェアを有する1つ又は複数のプロセッサを提供することができる。制御ユニットは、調整可能レーザ源の制御を行うための少なくとも1つの電子信号を発行及び/又は生成するように構成されていてよい。制御ユニットは、調整可能レーザ源を制御するための1つ以上の無線及び/又は有線結合インターフェース及び/又は他の種類の制御接続を有してよい。制御ユニット及び調整可能レーザ源は、1つ以上のコネクタ及び/又は1つ以上のインターフェースによって相互に接続されていてよい。
【0025】
調整可能レーザ源は、赤外のスペクトル範囲の光を放射するように構成されていてよい。しかし、追加的又は代替的に、他のスペクトル範囲も実現可能であることに留意されたい。さらに、プロジェクタは、具体的に、変調された光又は変調されていない光を放射するように構成されてよい。複数の調整可能レーザ源が使用される場合、異なる調整可能レーザ源は、異なる変調周波数を有していてもよく、この変調周波数は、後に光ビーム、具体的にはそれぞれの照射パターンを識別するために使用されることができる。
【0026】
プロジェクタは、少なくとも2つの放射モードで作動可能であってよい。本明細書で使用される場合、「放射モード」という用語は、調整可能レーザによって放射される放射光ビームの少なくとも1つの特性を指し、異なる放射モードは、例えば放射波長、放射強度などの放射光ビームのうちの少なくとも1つの特性によって異なる。放射モードは、調整可能レーザ源の放射光ビームの特性を設定及び/又は調整することによって調整されることができる。制御ユニットは、調整可能レーザ源に電子信号を印加することによって、放射モードを調整するように構成されてよい。例えば、第1放射モードでは、調整可能レーザ源は、第1放射波長λを有し、第2放射モードでは、調整可能レーザ源は、第1放射波長λとは異なる第2放射波長λを有することができる。調整可能レーザ源の放射波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどの1つ以上によって調整可能であってよい。制御ユニットは、放射波長を段階的又は連続的に調整するように構成されていてよい。プロジェクタは、2つの照射パターンを少なくとも部分的に異なる位置に投影するように構成されていてよい。制御ユニットは、放射波長を段階的又は連続的に調整するように構成され、それによって照射パターンの位置を調整することができる。放射波長を調整することにより、光スポットなどの照射パターンの照射特徴の位置は物体上で変化することができる。本明細書で使用される場合、「光スポット」とは、一般的に、光ビームによる物体の可視又は検出可能な円形又は非円形の照射を指す。通常、構造化光計測ためのプロジェクタでは、安定して測定を行うために、波長変化は厳密に避けられる。しかし、測定が単一点にのみ依存する光子比からの深度技術の場合、簡単な構成で点パターンを異なる位置に投影することが望ましい。物体上での照射特徴の移動は、2つの照射特徴間の距離に比べて小さいことがあり得る。制御ユニットは、放射波長を段階的に調整するように構成されてよく、その段階サイズは、0.001~5nmの範囲内、好ましくは0.01~0.5nmの範囲内、最も好ましくは0.05~0.15nmの範囲内である。このような小さな段階サイズは、物体の所定領域を照射するために、CMOSなどのセンサ要素の2D画像に従って照射パターンを移動させることを可能にする。
【0027】
調整可能レーザ源の少なくとも2つの放射波長は、明確に分離されていて安定していてよい。分離は、DOEが2つの明確に規定された波長に対して設計されることを保証することができる。第1放射波長λと第2放射波長λは、分離可能であってよい。第1放射波長λと第2放射波長λは、40nm≧│λ-λ│≧1nm、好ましくは30nm≧│λ-λ│≧2.5nm、より好ましくは20nm≧│λ-λ│≧4nmだけ異なっていてよい。第1放射波長λ及び第2放射波長λは、安定していてよい。安定性は、放射波長が照射パターン又はパターンの特徴を望ましくない方法で変動させる可能性があるため、放射波長の周囲の変動に関して重要であり得る。本明細書で使用される場合、「安定性」という用語は、特定の、具体的には事前に決定された、又は事前に定義された限界内のみにおける波長の変動を指す。波長の変動Δλは、波長に比べて小さくてもよく、Δλ≦1.5%、好ましくはΔλ≦0.5%、より好ましくはΔλ≦0.1%である。さらに、明確に定義された放射波長及び安定性は、その内容が参照により含まれる2018年8月28日に出願された国際特許出願PCT/EP2018/073067に記載されているように、光子比からの深度に基づく三角測定にとって望ましく、そこでは、反射画像、具体的には反射パターンと参照パターンの間の信頼性が高い比較を可能にするために、放射モードを決定する電子信号と照射パターンの間の対応は、明確に定義された既知の参照パターンにとって必要である。
【0028】
放射モードは強度が異なることがあり得る。これは、測定のダイナミックレンジを向上させることができる。一例として、暗い物体は高輝度の放射モードで測定されることができる。明るい物体は低輝度の放射モードで測定されることができる。
【0029】
異なる放射モードで生成される照射パターンは、異なる開口角を有していてよい。本明細書で使用される場合、「開口角」という用語は、プロジェクタの射出瞳と、射出瞳から一定の距離、例えば物体距離にある照射パターンの最も外側の照射特徴とを結ぶ直線と、プロジェクタの光軸との間の角度を指す。測定可能フィールドは、照射パターンの開口角に比例してよく、具体的には線形比例してよい。具体的には、測定可能フィールドは、照射パターンによってカバーされる、例えば物体の表面のエリアに対応してよい。2つのパターンの開口角は、0.5°以上、好ましくは1.5°以上、より好ましくは2.5°以上異なっていてよい。このように、測定可能な視野は、放射モードを変えることによって変化され得る。
【0030】
回折光学素子が照射パターンを生成する最小距離は、放射モードの変更に伴って変化してよい。本明細書で使用される場合、「回折光学素子が照射パターンを生成する最小距離」という用語は、以下により詳細に説明される検出器の測定範囲の下限を指す。したがって、放射モードの変更は、検出器の測定範囲を変更させることを可能にすることもできる。
【0031】
調整可能レーザ源は、少なくとも1つの光パルスを生成するように構成されてよい。本明細書で使用される場合、「光パルス」という用語は、特定のパルス長を有する非連続的な光ビームを指す。本明細書で使用される場合、「光線」という用語は、一般に、エネルギーの流れの方向を指し示す光の波面に垂直な線を指す。本明細書で使用される場合、「ビーム」という用語は、一般に、光線の集まりを指す。以下では、「光線」及び「ビーム」という用語を同義語として使用される。本明細書でさらに使用される場合、「光ビーム」という用語は、一般に光の量を指し、具体的には、本質的に同じ方向に進む光の量であって、光ビームが拡張角又は広がり角を有する可能性を含む。光パルスは、少なくとも1つのビームプロファイルを含み得る。光ビームは空間的広がりを有することができる。具体的には、光ビームは、非ガウスビームプロファイルを有することができる。ビームプロファイルは台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル、からなる群から選択されてよい。台形ビームプロファイルは、プラトー領域と少なくとも1つのエッジ領域とを有することができる。光ビームは、ガウス光ビーム又はガウス光ビームの線形結合であり得る。本明細書で使用される場合、「ビームプロファイル」という用語は、特に光ビームの伝播に垂直な少なくとも1つの平面における、光ビームの強度の空間分布であり得る。ビームプロファイルは、光ビームの横方向の強度プロファイルであってよい。ビームプロファイルは、光ビームの断面であってよい。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル及びガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択されてよい。しかしながら、他の実施形態も実現可能である。プロジェクタは、ビームプロファイル、特にビームプロファイルの形を調整、定義及び決定することの1つ以上のために構成され得る少なくとも1つの転送装置を備えてよい。制御ユニットは、光パルスのビームプロファイル内の波長が、調整可能レーザ源に電子信号を印加することにより、波長変動ΔΛだけ変化するように光パルスの波長を調整するように構成されていてもよく、及び/又は、一連の光パルスのうちの少なくとも2つの光パルスの波長が波長変動ΔΛだけ変化するように一連の光パルスの光パルスの波長を調整するように構成されていてもよい。光パルスの波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどのうちの1つ以上によって調整可能であり得る。波長は、光パルス又は一連の光パルスの中で変化させることができる。それにより、投影された照射機能の位置、例えば光スポットの位置は、上述のように物体上でわずかに移動する。照射特徴の1つの移動は、隣接する照射特徴の間の距離に比べて小さいことがあり得る。波長変動ΔΛは、波長に比べて小さいことがあり得る。例えば、波長変動は、0.01%≦|ΔΛ|≦10%、好ましくは0.02%≦|ΔΛ|≦2%、より好ましくは0.075%≦|ΔΛ|≦0.75%の範囲内にあり得る。光パルス又は一連の光パルスは、好ましくは、CMOSなどのセンサ要素の単一フレームの記録内であってよい。好ましくは、以下でより詳細に説明するように、グローバルシャッタCMOSが使用されてよい。レーザ源の使用は、一般にセンサ要素によって記録されるビームプロファイルの斑点を生じることがある。波長変動は、センサ要素が斑点パターンの平均値を記録することになるが、照射特徴の動きはほとんど無視され得る。このように、調整可能レーザ源自体は、そのコヒーレンスを失うことなく、また斑点低減光学要素を使用することなく、斑点を平均化することができる。このことは、距離測定の表面粗さへの依存性を低減させ、一般的に測定精度を向上させることを可能にすることができる。
【0032】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器が開示されている。検出器は、上に開示された実施形態の1つ以上、又は、以下でさらに詳細に開示される1つ以上の実施形態などによる本発明による実施形態による少なくとも1つのプロジェクタを有する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「位置」という用語は、空間での物体及び/又は物体の少なくとも一部の位置及び/又は方向に関する少なくとも1つの情報項目を指す。したがって、該少なくとも1つの情報項目は、物体の少なくとも1つの点と少なくとも1つの検出器との間の少なくとも1つの距離を指すことができる。距離は、縦方向座標であってもよく、又は物体の点の縦方向座標を決定するのに寄与するものであってよい。追加的に又は代替的に、物体及び/又は物体の少なくとも一部の位置及び/又は方向に関する1つ以上の他の情報項目が決定されることができる。一例として、さらに、物体及び/又は物体の少なくとも一部の、少なくとも1つの横方向座標が決定されることができる。したがって、物体の位置は、物体及び/又は物体の少なくとも一部の縦方向座標を指すことができる。追加的に又は代替的に、物体の位置は、物体及び/又は物体の少なくとも一部の少なくとも1つの横方向座標を指すことができる。追加的に又は代替的に、物体の位置は、空間における物体の方向付けを示す、物体の少なくとも1つの方向付け情報を指すことができる。
【0034】
検出器は、
― 光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素であって、該光センサはそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは物体から検出器に伝播する反射光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、該センサ要素は少なくとも1つの反射画像を決定するように構成されている、センサ要素と;
― 少なくとも1つの評価装置であって、該評価装置は、該反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択するように構成され、該評価装置は、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することによって、前記反射画像の前記選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、評価装置と、
を備える。
【0035】
本明細書で使用される場合、「センサ要素」という用語は、一般に、少なくとも1つのパラメータを感知するように構成された装置又は複数の装置の組み合わせを指す。この場合、パラメータは、具体的には光パラメータであってよく、センサ要素は、具体的には光センサ要素であってよい。センサ要素は、一体の単一装置として、又はいくつかの装置の組み合わせとして形成され得る。本明細書でさらに使用される場合、「マトリックス」という用語は、一般に、複数要素の所定の幾何学的順序での配置を指す。以下でさらに詳細に概説されるように、マトリックスは、具体的には、1つ以上の行及び1つ以上の列を有する長方形のマトリックスであってもよく、又はそれを含んでいてもよい。行と列は、具体的には長方形方式に配置されてよい。しかしながら、非長方形の配置など、他の配置も可能であることが説明される。一例として、円形の配置も可能であり、そこでは要素は中心点のまわりに同心円又は楕円に配置される。例えば、マトリックスは、ピクセルの単一の行であってよい。他の配置も可能である。マトリックスの光センサは、具体的には、サイズ、感度、及び他の光学的、電気的、機械的特性のうちの1つ以上で等しくてよい。マトリックスの全ての光センサの感光エリアは、具体的には、共通の平面内に配置されてよく、該共通平面は、好ましくは、物体から検出器に伝播する光ビームが該共通平面上に光スポットを生成するように、物体に面している。
【0036】
本明細書で使用される場合、「光センサ」は、一般に、光ビームの検知のための、例えば少なくとも1つの光ビームによって生成される照射及び/又は光スポットの検知のための感光装置を指す。本明細書で使用される場合、「感光エリア」は、一般的に、少なくとも1つの光ビームによって外部から照射され、該照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成する、光センサのエリアを指す。感光エリアは、具体的には、それぞれの光センサの表面に位置することができる。しかしながら、他の実施形態も可能である。本明細書で使用される場合、「それぞれが少なくとも1つの感光エリアを有する光センサ」という用語は、それぞれが1つの感光エリアを有する複数の単一の光センサを備える構成と、複数の感光エリアを有する1つの結合された光センサを備える構成とを指す。したがって、「光センサ」という用語は、さらに、1つの出力信号を生成するように構成された感光装置を指すが、本明細書では、2つ以上の出力信号を生成するように構成された感光装置、例えば少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置を、2つ以上の光センサと呼ぶ。以下でさらに詳細に概説されるように、各光センサは、正確に1つの感光エリアがそれぞれの光センサ内に存在するように、例えば、照射され得る正確に1つの感光エリアを提供し、該感光エリアの照射に応答して光センサ全体について正確に1つの均一なセンサ信号を生成するようにすることによって具現化されてよい。したがって、各光センサは、単一エリア光センサであってよい。単一エリア光センサの使用は、しかしながら、検出器の構成を特に簡単かつ効率的にする。したがって、一例として、それぞれが正確に1つの感光エリアを有する市販の光センサ、例えば、市販のシリコンフォトダイオードなどが、構成において使用されてよい。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、一例として、本発明の文脈において2つ、3つ、4つ、又は4つ以上の光センサとみなされる、2つ、3つ、4つ、又は4つ以上の感光エリアを含む光学装置が使用されてよい。上で概説したように、センサ要素は、光センサのマトリックスを含む。したがって、一例として、光センサは、ピクセル化光学装置の一部であってもよく、又はそれを構成していてもよい。一例として、光センサは、ピクセルのマトリックスを有し、各ピクセルが感光エリアを形成する少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置の一部であってもよく、又はそれを構成してもよい。
【0037】
好ましくは、検出器は、光センサがフレーム又は撮像フレームと呼ばれる一定の期間内で同時に露光されるように構成される。例えば、光センサは、少なくとも1つのグローバルシャッタCMOSの一部であってもよく、又はそれを構成していてもよい。センサ要素は、少なくとも1つの撮像フレーム内で反射画像を決定するように構成されてよい。単一の撮像フレームの持続時間は、プロジェクタの調整可能レーザ源のパルス持続時間、又はプロジェクタの調整可能レーザ源の一連のパルスの持続時間に対応することができる。一連のパルスは、複数のパルスを含むことができ、パルスシーケンスあたりのパルス数は、2~20000パルスの範囲内、好ましくは5~10000パルスの範囲内、より好ましくは10~1000パルスの範囲内である。上述したように、プロジェクタの制御ユニットは、調整可能レーザ源に電子信号を印加することによって光パルスのビームプロファイル内の波長が波長変動ΔΛだけ変化するように光パルスの波長を調整するように構成され、及び/又は、一連の光パルスの少なくとも2つの光パルスの波長が波長変動ΔΛだけ変化するように一連の光パルスの光パルスの波長を調整するように構成されてよい。それにより、投影された照射特徴、例えば光スポットの位置は、上述のように物体上でわずかに移動する。検出器は、光パルス又は一連の光パルスが、センサ要素の単一フレームの記録内にあるように設計されてよい。波長の変動は、センサ要素が斑点パターンの平均値を記録することを生じることになるが、照射特徴の動きはセンサ要素によってほとんど無視され得る。このように、調整可能レーザ源自体は、そのコヒーレンスを失うことなく、また斑点低減光学要素を使用することなく、斑点を平均化することができる。波長の変動は、斑点を除去し、改善された距離測定結果を有する平均スポットプロファイルを与える。
【0038】
上に概説したように、光センサは、具体的には、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であってもよいし、又はそれらを含んでいてもよい。具体的には、光センサは、赤外スペクトル範囲において感度を有してよい。マトリックスの光センサの全て、又はマトリックスの光センサの少なくとも一群は、具体的には同一であってよい。マトリックスの同一の光センサの群は、具体的には、異なるスペクトル範囲について提供されてもよく、又は全ての光センサは、スペクトル感度に関して同一であってよい。さらに、光センサは、サイズ及び/又はそれらの電子的又は光電子的特性に関して同一であってよい。
【0039】
具体的には、光センサは、赤外スペクトル範囲、好ましくは780nmから3.0マイクロメートルの範囲に感度を有する無機フォトダイオードであってもよく、又はそれらを含んでいてもよい。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが適用可能な特に700nm~1000nmの範囲の近赤外領域の部分で感度を有してよい。光センサに使用され得る赤外光センサは、例えば、ドイツ,D-67056 Ludwigshafen am RheinのtrinamiX GmbHのHertzstueck(登録商標)というブランド名で市販されている赤外光センサなど、市販の赤外光センサであってよい。したがって、一例として、光センサは、固有の光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくは、Geフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、拡張InGaAsフォトダイオード、InAsフォトダイオード、InSbフォトダイオード、HgCdTeフォトダイオード、からなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的又は代替的に、光センサは、外因性光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくはGe:Auフォトダイオード、Ge:Hgフォトダイオード、Ge:Cuフォトダイオード、Ge:Znフォトダイオード、Si:Gaフォトダイオード、Si:Asフォトダイオードからなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的又は代替的に、光センサは、少なくとも1つのボロメータ、好ましくはVOボロメータ及びアモルファスSiボロメータからなる群から選択されるボロメータを含み得る。
【0040】
マトリックスは、独立した光センサで構成されてよい。したがって、マトリックスは、無機フォトダイオードから構成されていてもよい。しかしながら、代替的に、市販のマトリックス、例えば、CCD検出器チップなどの1つ以上のCCD検出器、及び/又はCMOS検出器チップなどのCMOS検出器が使用されてもよい。
【0041】
したがって、一般に、検出器の光センサは、センサアレイを形成してもよく、又は上述のマトリックスなどのセンサアレイの一部であってよい。したがって、一例として、検出器は、例えばm行及びn列を有する長方形アレイなどの光センサアレイを有することができ、ここでm、nは独立して正の整数である。好ましくは、1つ以上の列及び1つ以上の行が与えられ、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2~16以上であり得、mは2~16以上であり得る。好ましくは、行数と列数の比は1に近い。一例として、n及びmは、m/n=1:1、4:3、16:9又は類似のものを選択することなどにより、0.3≦m/n≦3となるように選択され得る。一例として、アレイは、m=2、n=2又はm=3、n=3などを選択することなどにより、等しい数の行及び列を有する正方形アレイであってよい。
【0042】
マトリックスは、具体的には、少なくとも1行、好ましくは複数行及び複数列を有する長方形のマトリックスであってよい。一例として、行及び列は、実質的に垂直な方向に方向付けられてよく、「実質的に垂直」という用語に関しては、上記の定義を参照することができる。したがって、一例として、20°より小さい、具体的には10°より小さい、又は5°より小さい許容誤差さえ許容され得る。広い視野を提供するために、マトリックスは、具体的には、少なくとも10行、好ましくは少なくとも50行、より好ましくは少なくとも100行を有することができる。同様に、マトリックスは、少なくとも10列、好ましくは少なくとも50列、より好ましくは少なくとも100列を有することができる。マトリックスは、少なくとも50個の光センサ、好ましくは少なくとも100個の光センサ、より好ましくは少なくとも500個の光センサを含むことができる。マトリックスは、数メガピクセルの範囲の数のピクセルを含むことができる。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、軸回転対称性が期待される構成では、ピクセルとも呼ばれ得るマトリックスの光センサの円形配置又は同心配置が好ましいことがある。
【0043】
好ましくは、センサ要素は、検出器の光軸に対して実質的に垂直に方向付けされ得る。ここでも、「実質的に垂直」という用語に関して、上述の定義及びの許容誤差を参照することができる。光軸は、直線の光軸であってもよいし、又は、1つ以上の偏向要素を使用することによって、及び/又は1つ以上のビーム分割器を使用することによってなど、屈折又は分割さえされてよく、後者の場合、実質的に垂直な方向付けは、光学構成のそれぞれの分岐又はビーム経路の局所的な光軸を指し得る。
【0044】
反射光ビームは、物体から検出器に向かって伝播することができる。以下にさらに詳細に説明するように、反射光ビームは、物体から発することができる。プロジェクタは、少なくとも2つの照射パターンで物体を照射することができ、光は物体によって反射又は散乱され、これにより、少なくとも部分的に反射光ビームとして検出器に向けられる。
【0045】
反射光ビームは、具体的には、センサ要素が光ビーム内に完全に位置されるように、光マトリックスよりも大きいビームの幅によってセンサ要素を完全に照射してよい。反対に、好ましくは、反射光ビームは、光スポットがマトリックス内に完全に位置するように、マトリックスよりも小さい光スポットをマトリックス全体の上に生成してもよい。この状況は、光学の当業者によって、以下でさらに詳細に概説するように適切な転送装置を使用するなど、光ビームに集束又はデフォーカス効果を有する1つ以上の適切なレンズ又は要素を選択することによって、容易に調整することができる。
【0046】
本明細書でさらに使用される場合、「センサ信号」は、一般に、光ビームによる照射に応答して光センサによって生成される信号を指す。具体的には、センサ信号は、少なくとも1つのアナログ電子信号及び/又は少なくとも1つのデジタル電子信号などの少なくとも1つの電子信号であり得るか、又はそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの電圧信号及び/又は少なくとも1つの電流信号であり得るか、又はそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの光電流を含み得る。さらに、生のセンサ信号が使用されるか、又は、検出器、光センサ、もしくはその他の要素が、フィルタリングなどによる前処理など、センサ信号を処理又は前処理するように構成されることができ、それにより、センサ信号としても使用され得る二次センサ信号を生成する。
【0047】
感光エリアは、具体的には、物体に向かって配向されてよい。本明細書で使用される場合、「物体に向かって配向される」という用語は、一般に、感光エリアのそれぞれの表面が物体から完全に又は部分的に見える状態を指す。具体的には、物体の少なくとも1つの点とそれぞれの感光エリアの少なくとも1つの点との間の少なくとも1つの相互接続線は、感光エリアの表面要素と、0°と異なる角度、例えば、20°から90°の範囲の角度、好ましくは80°から90°の範囲の角度、例えば90°を形成することができる。したがって、物体が光軸上又は光軸の近くにある場合、物体から検出器に向かって伝播する光ビームは、実質的に光軸に平行であり得る。本明細書で使用される場合、「実質的に垂直」という用語は、例えば±20°以下の許容誤差、好ましくは±10°以下の許容誤差、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する垂直配向の状態を指す。同様に、「実質的に平行」という用語は、例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する平行配向の状態を指す。
【0048】
光センサは、紫外、可視、又は赤外スペクトル範囲の1つ以上で感度を有してよい。具体的には、光センサは、500nm~780nm、最も好ましくは650nm~750nm、又は690nm~700nmの可視スペクトル範囲で感度を有してよい。具体的には、光センサは近赤外領域で感度を有してよい。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが適用可能な特に700nm~1000nmの範囲の近赤外領域の部分で感度を有してよい。光センサは、具体的には、赤外スペクトル範囲、具体的には780nm~3.0マイクロメートルの範囲で感度を有してよい。例えば、光センサは、それぞれ独立に、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であってもよく、又はそれらを含んでもよい。例えば、光センサは、CCDセンサ要素、CMOSセンサ要素、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であってもよく、又はそれを含んでもよい。他の任意のタイプの感光要素を使用してもよい。以下でさらに詳細に概説されるように、感光要素は、一般に、完全に又は部分的に無機材料で作製されることができ、及び/又は、完全に又は部分的に有機材料で作製されることができる。最も一般的には、以下でさらに詳細に概説されるように、市販のフォトダイオード、例えば、無機半導体フォトダイオードなどの1つ以上のフォトダイオードが使用され得る。
【0049】
検出器は、三角測量及び/又は構造化光技術を用いて、物体の少なくとも1つの距離情報を決定するように構成されてよい。三角測量又は構造化光技術を用いた装置などの既知の3Dセンシング装置では、各測定点を基準パターンの1つの基準点に割り当てる必要があるため、対応関係の問題により一定又は周期的なパターンは適していない。
【0050】
本明細書で使用される場合、「反射画像」という用語は、少なくとも1つの反射特徴を含む光センサによって決定される画像を指す。本明細書で使用される場合、「反射特徴」という用語は、例えば少なくとも1つの照射特徴を用いて、照射に応答して物体によって生成される画像平面内の特徴を指す。反射画像は、少なくとも1つの反射特徴を含む少なくとも1つの反射パターンを含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、「照射特徴」という用語は、反射パターンの少なくとも1つの任意の形状の特徴を指す。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの反射画像を決定する」という用語は、反射画像の画像化、記録、及び生成のうちの1つ以上を指す。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの反射特徴を選択する」という用語は、反射画像の少なくとも1つの反射特徴を識別、決定、及び選択の1つ以上を指す。検出器は、結合信号からの反射画像の少なくとも1つの反射特徴について物体点の縦方向座標を決定するように構成されてよい。したがって、検出器は、反射画像の少なくとも1つの反射特徴を事前に分類するように構成されてもよい。これは、三角形パターン、長方形パターン、六角形パターン、又はさらなる凸状タイル状体を含むパターンなどの規則的及び/又は一定及び/又は周期的なパターンを有する照射パターンを使用することを可能にする。
【0051】
評価装置は、反射特徴を識別するために、少なくとも1つの画像解析及び/又は画像処理を実行するように構成されてよい。画像解析及び/又は画像処理は、少なくとも1つの特徴検出アルゴリズムを使用してよい。画像解析及び/又は画像処理は:フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって生成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転することによるセンサ信号の反転;異なる時間のセンサ信号によって生成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャネルへの分解;色相への分解;飽和;そして輝度チャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、のうち1つ以上を含み得る。関心領域は、ユーザにより手動によって決定されるか、あるいは、光センサによって生成された画像内で物体を認識することによってなど、自動で決定され得る。
【0052】
評価装置は、センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、反射画像の選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される。本明細書で使用されるとき「結合信号Q」という用語は、センサ信号を結合することによって、特に、センサ信号を除算すること、センサ信号の倍数を除算すること、又はセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、生成される信号を指す。評価装置は、センサ信号を除算すること、センサ信号の倍数を除算すること、センサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、結合信号Qを導出するように構成されてよい。評価装置は、縦方向領域を決定するために、結合信号Qと縦方向領域との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてもよい。たとえば、評価装置は、次のように結合信号Qを導出するように構成される。
【0053】
【数1】
【0054】
式中、x及びyは横方向座標、A1及びA2はセンサの位置における反射光ビームの少なくとも1つのビームプロファイルの異なるエリア、E(x、y、z)は物体距離zで与えられるビームプロファイルを表す。エリアA1とエリアA2は異なっていてよい。特に、A1とA2は合同ではない。したがって、A1及びA2は、形状又は内容のうちの1つ以上が異なっていてよい。
【0055】
一般に、ビームプロファイルは、輝度L(z)及びビーム形状S(x,y;z)に依存し、
【数2】
である。このように、結合信号を導出することで、輝度から独立した縦方向座標を決定することができる。さらに、結合信号を使用することにより、物体の大きさとは無関係に距離zを決定することができる。このように、結合信号は、物体の材料特性及び/又は反射特性及び/又は散乱特性とは無関係に、及び、例えば製造精度、熱、水分、汚れ、レンズの損傷などによる光源の変化とは無関係に、距離zを決定することを可能にする。
【0056】
センサ信号のそれぞれは、光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つのエリアの少なくとも1つの情報を含むことができる。本明細書で使用するとき「ビームプロファイルのエリア」という用語は、一般に、結合信号Qを決定するために使用されるセンサ位置におけるビームプロファイルの任意の領域を指す。感光エリアは、第1センサ信号がビームプロファイルの第1エリアの情報を含み、及び第2センサ信号がビームプロファイルの第2エリアの情報を含むように配置されてもよい。ビームプロファイルの第1エリア及びビームプロファイルの第2エリアは、隣接又は重複する領域の一方又は両方である。ビームプロファイルの第1エリアとビームプロファイルの第2エリアは、面積において正確に合致しない場合がある。
【0057】
評価装置は、ビームプロファイルの第1エリア及びビームプロファイルの第2エリアを決定及び/又は選択するように構成されてよい。ビームプロファイルの第1エリアは、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含んでよく、ビームプロファイルの第2エリアは、ビームプロファイルの実質的に中心情報を含んでよい。ビームプロファイルは、中心、すなわちビームプロファイルの最大値及び/又はビームプロファイルのプラトーの中心点及び/又は光スポットの幾何学的中心と、中心から延びる立下りエッジとを有してよい。第2領域は、断面の内側領域を含んでよく、第1領域は、断面の外側領域を含んでよい。本明細書で使用される場合、「実質的に中心情報」という用語は、一般に、中心情報の割合、すなわち中心に対応する強度分布の割合と比較して、エッジ情報の割合が低いこと、すなわちエッジに対応する強度分布の割合が低いことを指す。好ましくは、中心情報は、10%未満、より好ましくは5%未満、のエッジ情報の割合を有し、最も好ましくは、中心情報はエッジ内容を含まない。本明細書で使用される場合、「実質的にエッジ情報」という用語は、一般に、エッジ情報の割合と比較して、中心情報の割合が低いことを指す。エッジ情報は、ビームプロファイル全体の情報、特に中心領域及びエッジ領域からの情報を含み得る。エッジ情報は、10%未満、好ましくは5%未満の中心情報の割合を有し、より好ましくは、エッジ情報は中心情報を含まない。ビームプロファイルが中心に近いか又はその周囲にあり、実質的に中心情報を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルの第2エリアとして決定及び/又は選択されてよい。ビームプロファイルが断面の立下りエッジの少なくとも部分を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルの第1エリアとして決定及び/又は選択されてよい。例えば、断面の全エリアが第1領域として決定されてよい。ビームプロファイルの第1エリアをエリアA2、ビームプロファイルの第2エリアをエリアA1としてよい。
【0058】
第1エリアA1及び第2エリアA2の他の選択が可能であり得る。例えば、第1エリアはビームプロファイルの外側の領域を実質的に含み、第2エリアはビームプロファイルの内側の領域を実質的に含んでよい。例えば、2次元ビームプロファイルの場合、ビームプロファイルは左部分と右部分に分けられることができ、第1エリアはビームプロファイルの左部分のエリアを実質的に含むことができ、第2エリアはビームプロファイルの右部分のエリアを実質的に含むことができる。
【0059】
エッジ情報は、ビームプロファイルの第1エリアの光子数に関する情報を含むことができ、中心情報は、ビームプロファイルの第2エリアの光子数に関する情報を含むことができる。評価装置は、ビームプロファイルの面積分を決定するように構成されてよい。評価装置は、第1エリアの積分及び/又は加算によってエッジ情報を決定するように構成されてよい。評価装置は、第2エリアの積分及び/又は加算によって中心情報を決定するように構成されてよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであってよく、評価装置は、台形の積分値を決定するように構成されてよい。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置、ならびに中心プラトーの高さの決定などの台形ビームプロファイルの特性を利用し、幾何学的考察によってエッジと中心信号を導出する等価評価によって置き換えられることができる。
【0060】
追加的又は代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライス又はカットから中心情報又はエッジ情報の一方又は両方を決定するように構成されてよい。これは、例えば、結合信号Qの面積分をスライス又はカットに沿った線積分に置き換えることによって実現できる。精度を向上させるために、光スポットを通る複数のスライス又はカットを使用して平均化してもよい。楕円スポットプロファイルの場合には、複数のスライス又はカットにわたって平均化することにより、改善された距離情報が得られる場合がある。
【0061】
一実施形態では、物体から検出器へ伝播する光ビームは、少なくとも1つの特徴点を含む少なくとも1つのパターンでセンサ要素を照射することができる。本明細書で使用される場合、「特徴点」という用語は、パターンの少なくとも1つの少なくとも部分的に拡張された特徴を指す。特徴点は、以下の:少なくとも1つの点、少なくとも1つの線、少なくとも1つのエッジ、からなる群から選択されることができる。パターンは、例えば、少なくとも1つのパターンを含む照射パターンによってする少なくとも1つの光源による照射に応答して、物体によって生成されてよい。A1は、光センサ上の特徴点の全体又は完全なエリアに対応し得る。A2は、光センサ上の特徴点の中心エリアであり得る。中心エリアは一定値であってよい。中心エリアは、特徴点の全エリアと比べてより小さくてもよい。例えば、円形の特徴点の場合、中心エリアは、特徴点の全半径の0.1~0.9、好ましくは全半径の0.4~0.6の半径を有してよい。
【0062】
例えば、物体から検出器へ伝播する光ビームは、少なくとも1つの線パターンで光センサを照射することができる。線パターンは、例えば、少なくとも1つの線パターンを含む照射パターンによる少なくとも1つの照射源による照射に応答して、物体によって生成され得る。A1は、光センサ上の、特に光センサの感光エリア上の線パターンの全線幅を有するエリアに対応してもよい。光センサ上の線パターンは、光センサ上の線幅が増幅するように、照射パターンの線パターンと比較して拡大及び/又は変位されてもよい。特に、光センサのマトリックスの場合には、光センサ上の線パターンの線幅は、ある列から別の列へと変化してもよい。A2は、光センサ上の線パターンの中心エリアであってよい。中心エリアの線幅は一定の値であってもよく、特に照射パターンの線幅に対応していてもよい。中心エリアの線幅は、全体の線幅に比べて小さくてもよい。例えば、中心エリアは、全線幅の0.1~0.9、好ましくは全線幅の0.4~0.6の線幅を有していてよい。線パターンは、光センサ上でセグメント化されていてよい。光センサのマトリックスの各列は、線パターンの中心エリアの強度の中心情報と、線パターンの中心エリアからエッジ領域までさらに外側に延びる領域からの強度のエッジ情報を含むことができる。
【0063】
例えば、物体から検出器に伝播する光ビームは、少なくとも1つの点パターンによってセンサ要素を照射することができる。点パターンは、例えば、少なくとも1つの点パターンを含む照射パターンを用いる少なくとも1つの光源による照射に応答して、物体によって生成されてよい。A1は、光センサ上の点パターンの点の全半径を有するエリアに対応し得る。A2は、光センサ上の点パターンの点の中心エリアであり得る。中心エリアは一定値であってよい。中心エリアは、全半径と相当する半径を有することができる。例えば、中心エリアは、全半径の0.1~0.9、好ましくは全半径の0.4~0.6の半径を有することができる。
【0064】
物体から検出器に伝播する光ビームは、点パターンと線パターンの両方を含む反射パターンによってセンサ要素を照射することができる。線パターン及び点パターンに加えて、又は代替として、他の実施形態も実現可能である。
【0065】
評価装置は、エッジ情報と中心情報の除算、エッジ情報と中心情報の倍数の除算、エッジ情報と中心情報の線形結合の除算、のうち1つ以上によって結合信号Qを導出するように構成されてよい。このように、実質的には、光子比が本方法の物理的基礎として使用されることができる。
【0066】
例えば、評価装置は、
a)最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサを決定し、少なくとも1つの中心信号を形成すること;
b)マトリックスの光センサのセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c)中心信号と和信号を組み合わせることにより、少なくとも1つの結合信号を決定すること;及び
d)結合信号を評価することにより、選択された特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、
によって、センサ信号を評価するように構成されてよい。
【0067】
例えばWO2012/110924A1又はWO2014/097181A1において説明されているように、典型的には、光スポットの直径、ビームウェスト又は同等の直径などの光スポットのサイズと、光ビームが検出器に向かって伝播する物体の縦方向座標との間には、予め決定された又は決定可能な関係が存在する。この理論に拘束されることを望まないが、光スポットは2つの測定変数:中心信号とも呼ばれる光スポットの中心又は中心に近い小さな測定パッチで測定される測定信号と、中心信号の有無にかかわらず光スポット上で積分された積分信号又は和信号によって特徴付けられる。ビームが拡大又は集束しても変化しない特定の総出力を有する光ビームの場合、和信号は光スポットのスポットサイズから独立しているべきであり、したがって、少なくとも線形光センサがそれぞれの測定範囲内で使用される場合、和信号は物体と検出器との間の距離から独立しているべきである。ただし、中心信号はスポットサイズに依存する。したがって、中心信号は、通常、光ビームが集束されると増加し、光ビームがデフォーカスすると減少する。したがって、中心信号と和信号を比較することにより、光ビームによって生成される光スポットのサイズに関する情報項目、したがって、物体の縦方向座標関する情報項目を生成することができる。中心信号と和信号の比較は、一例として、中心信号と和信号から結合信号Qを形成することによって、及び、縦方向座標と商信号の間の予め決定された又は決定可能な関係を縦方向座標を導出するために使用することによって、行うことができる。
【0068】
光センサのマトリックスの使用は、複数の優位及び利益を提供する。このように、センサ要素のマトリックスの光センサの感光エリアの共通平面などの、センサ要素上における光ビームによって生成される光スポットの中心は、物体の横方向の位置によって変化し得る。光センサのマトリックスを使用することにより、本発明による検出器は、これらの条件の変化に適応することができ、したがって、センサ信号を比較するだけで光スポットの中心を決定することができる。その結果、本発明による検出器は、それ自体で中心信号を選択し、和信号を決定し、及びこれらの2つの信号から、物体の縦方向座標に関する情報を含む結合信号を導出することができる。結合信号を評価することにより、物体の縦方向座標がこのように決定され得る。光センサのマトリックスの使用は、したがって、物体の位置、特に物体の横方向の位置に関して著しい柔軟性を提供する。
【0069】
センサ信号を生成する少なくとも1つの光センサの横方向位置などの、光センサのマトリックス上の光スポットの横方向位置は、例えばWO2014/198629A1に開示されているように、それから物体の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目が導出される追加的な情報項目として使用されてよい。追加的又は代替的に、以下でさらに詳細に概説するように、本発明による検出器は、少なくとも1つの縦方向座標に加えて、物体の少なくとも1つの横方向座標を検出するための少なくとも1つの追加の横方向検出器を含んでもよい。
【0070】
したがって、本発明によれば、「中心信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの実質的に中心情報を含む少なくとも1つのセンサ信号を指す。例えば、中心信号は、マトリックス全体又はマトリックス内の関心領域の光センサによって生成される複数のセンサ信号のうち、最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサの信号であり得、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で予め決定され又は決定可能であり得る。本明細書で使用される場合、「最高のセンサ信号」という用語は、関心領域の局所最大値又は最大値の一方又は両方を指す。中心信号は、単一の光センサから、又は以下でさらに詳細に概説されるように、一群の光センサから生じてもよく、後者の場合、一例として、一群の光センサのセンサ信号は、中心信号を決定するために、加算、積分、又は平均化され得る。中心信号がそれから生じる光センサの一群は、最高のセンサ信号を有する実際の光センサから所定距離より短く離れた光センサなどの隣接する光センサの一群であり得るか、又は、最高のセンサ信号から所定範囲内にあるセンサ信号を生成する光センサの一群であり得る。中心信号がそこから生じる光センサの一群は、最大のダイナミックレンジを可能にするように、できるだけ大きく選択され得る。評価装置は、複数のセンサ信号、例えば最高のセンサ信号を有する光センサの周りの複数の光センサのセンサ信号を積分することによって中心信号を決定するように構成されてもよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形、特に台形のプラトーの積分を決定するように構成されてよい。
【0071】
上述したように、中心信号は、一般に、光スポットの中心にある光センサからのセンサ信号などの単一のセンサ信号であってもよく、又は、光スポットの中心にある光センサから生じるセンサ信号の組合せなど、複数のセンサ信号の組合せであってもよく、又は、前述の可能性の1つ以上から導出されるセンサ信号を処理することによって導出される二次センサ信号であってよい。中心信号の決定は、センサ信号の比較が従来の電子機器によってかなり簡単に実施されるため、電子的に実行されてもよく、又は、ソフトウェアによって完全に又は部分的に実行されてもよい。具体的には、中心信号は、最高センサ信号;最高センサ信号からの所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の平均;最高センサ信号を有する光センサを含む光センサの一群及び隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の平均;最高センサ信号を有する光センサを含む光センサの一群及び隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の和;最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の和;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の平均;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の和;最高センサ信号を有する光センサの一群及び隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の積分;最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の積分;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の積分、からなる群から選択され得る。
【0072】
同様に、「和信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含む信号を指す。例えば、和信号は、センサ信号を加算すること、センサ信号を積分すること、又はマトリックス全体もしくはマトリックス内の関心領域のセンサ信号を平均することによって導出することができ、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で予め決定され又は決定可能である。センサ信号を加算、積分、又は平均化する場合、センサ信号が生成される実際の光センサは、加算、積分、又は平均化から除外されてもよく、あるいは、加算、積分、又は平均化に含まれてもよい。評価装置は、マトリックス全体の信号、又はマトリックス内の関心領域の信号を積分することにより、和信号を決定するように構成され得る。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形全体の積分を決定するように構成され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置の決定、及び中央プラトーの高さの決定など、台形ビームプロファイルの特性を利用し、そして幾何学的考察によってエッジ信号と中心信号を導出する等価評価に置き換えることができる。
【0073】
同様に、中心信号及びエッジ信号も、ビームプロファイルの円形セグメントなどのビームプロファイルのセグメント(切片)を使用することによって決定することができる。例えば、ビームプロファイルは、ビームプロファイルの中心を通過しない割線又は弦によって2つのセグメントに分割され得る。したがって、一方のセグメントには実質的にエッジ情報が含まれ、もう一方のセグメントには実質的に中心情報が含まれる。例えば、中心信号のエッジ情報の量をさらに減らすために、中心信号からエッジ信号をさらに差し引くことができる。
【0074】
追加的に又は代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライス又はカットから中心情報又はエッジ情報の一方又は両方を決定するように構成され得る。これは、例えば、結合信号Qの面積分を、スライス又はカットに沿った線積分で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライス又はカットを使用して平均化することができる。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライス又はカットを平均することによって距離情報を向上させることがある。
【0075】
結合信号は、中心信号と和信号を結合することによって生成される信号であり得る。具体的には、結合は:中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、の1つ以上を含むことができる。追加的に又は代替的に、結合信号は、中心信号と和信号との間の比較に関する少なくとも1つの情報を含む任意の信号又は信号の組み合わせを含むことができる。
【0076】
評価装置は、センサ信号間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、又は予め決定された関係を使用して、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されてよい。特に、評価装置は、センサ信号から導出される商信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、又は予め決定された関係を用いて、物体の少なくとも1つの座標zを決定するように構成される。
【0077】
光センサの生のセンサ信号は、評価又はその導出される二次センサ信号に使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「二次センサ信号」という用語は、一般に、フィルタリング、平均化、又は復調など、1つ以上の生信号を処理することによって得られる電子信号、より好ましくはアナログ及び/又はデジタル信号などの信号を指す。したがって、画像処理アルゴリズムが、マトリックスのセンサ信号の全体から、又はマトリックス内の関心領域から、二次センサ信号の生成に使用され得る。具体的には、評価装置などの検出器は、光センサのセンサ信号を変換し、それによって二次光センサ信号を生成するように構成され得、該評価装置は、二次光センサ信号を使用してステップa)~d)を実行するように構成される。センサ信号の変換は、具体的には、以下:フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって生成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転することによるセンサ信号の反転;異なる時間のセンサ信号によって生成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャネルへの分解;色相への分解;飽和;そして輝度チャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、からなる群から選択される少なくとも1つの変換を含み得る。関心領域は、ユーザにより手動によって決定されるか、又は、光センサによって生成された画像内で物体を認識することによってなど、自動で決定され得る。一例として、車両、人、又は別のタイプの予め決定された物体は、画像内で、すなわち、光センサによって生成されたセンサ信号全体内で自動画像認識によって決定され得、関心領域は、物体が該関心領域内に位置するように選択され得る。この場合、縦方向座標の決定などの評価は、関心領域に対してのみ実行されるようにすることができる。ただし、他の実施も可能である。
【0078】
上記で概説したように、光スポットの中心の検出、すなわち、中心信号及び/又は中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの検出は、完全に又は部分的に電子的に実行され得、又は1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを使用して完全に又は部分的に実行され得る。具体的には、評価装置は、少なくとも1つの最高のセンサ信号を検出するため、及び/又は中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を備えることができる。中心検出器は、具体的には、完全に又は部分的にソフトウェアで具体化されてもよく、及び/又は完全又は部分的にハードウェアで具体化されてもよい。中心検出器は、少なくとも1つのセンサ要素に完全に又は部分的に一体化されていてもよく、及び/又はセンサ要素から独立して完全に又は部分的に具体化されていてもよい。
【0079】
上記で概説したように、和信号は、中心信号に寄与する光センサから生じるセンサ信号を除外してマトリックスの全てのセンサ信号から、関心領域内のセンサ信号から、又はこれらの可能性の1つから導出できる。全ての場合において、縦方向座標を決定するために、中心信号と確実に比較することができる信頼できる和信号が生成され得る。一般に、和信号は、マトリックスの全てのセンサ信号の平均;マトリックスの全てのセンサ信号の和;マトリックスの全てのセンサ信号の積分;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスの全てのセンサ信号の平均;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスの全てのセンサ信号の和;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスの全てのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の和;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内に位置する光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の和;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内にある光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択され得る。しかしながら、他の選択肢がある。加算は一般に、典型的には検出器に容易に実装され得る純粋に電子的手段によって可能である。したがって、電子工学の分野では、加算装置は一般に、アナログ信号とデジタル信号の両方の2つ以上の電子信号を加算することが知られている。したがって、評価装置は、和信号を形成するための少なくとも1つの加算装置を備えることができる。加算装置は、完全に又は部分的にセンサ要素に一体化されてもよく、又は完全に又は部分的にセンサ要素とは独立して具体化されてもよい。加算装置は、完全に又は部分的に、ハードウェア又はソフトウェアの一方又は両方で具体化されてもよい。
【0080】
上で概説したように、中心信号と和信号との間の比較は、具体的には、1つ以上の商信号を形成することによって実行されてもよい。したがって、一般的に、結合信号は、中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;和信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆を形成すること;中心信号のべき乗と和信号のべき乗の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、のうちの1つ以上によって導出される商信号Qであってよい。しかし、他の選択肢も存在する。評価装置は、1つ以上の商信号を形成するように構成されていてもよい。評価装置は、少なくとも1つの商信号を評価することにより、少なくとも1つの縦方向座標を決定するようにさらに構成されてよい。
【0081】
評価装置は、具体的には、少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてよい。このように、上記に開示された理由により、及び光スポットの特性の縦方向座標への依存性により、結合信号Qは、典型的には、縦方向座標の単調関数であり、及び/又は、光スポットの直径又は等価直径のような光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、具体的に線形光センサが使用される場合、センサ信号scenterと和信号ssumの簡単な商Q=scenter/ssumは、距離の単調減少関数であり得る。理論に拘束されることを望まないが、これは、上記の好ましい構成では、検出器に到達する光の量が減少するため、光源までの距離の増加に伴って、中心信号scenterと和信号ssumの両方が、二乗関数として減少するという事実が原因であると考えられる。しかしながら、そこでは、中心信号scenterは、実験で使用される光学構成では、画像平面内の光スポットが増大し、したがってより広いエリアに広がるため、和信号ssumよりも急速に減少する。中心信号と和信号の商は、したがって、マトリックスの光センサの感光エリア上の光ビーム又は光スポットの直径の増加に伴って連続的に減少する。さらに、商は、光ビームの総出力が中心信号と和センサ信号の両方の係数を形成するため、通常、光ビームの総出力から独立している。その結果、結合信号Qは、中心信号と和信号との間、及び光ビームのサイズ又は直径との間の一意的かつ明確な関係を提供する二次信号を形成し得る。一方、光ビームのサイズ又は直径は、光ビームが検出器に向かって伝播する物体と検出器自体の間の距離に依存するため、つまり、物体の縦方向座標に依存するため、一方では中心信号と和信号の間で、他方では中心信号と縦方向座標の間に、一意的かつ明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1のような、上記の先行技術文献の1つ以上を参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定することによる分析的考察により、また例えば結合信号及び/又は中心信号及び和信号又はそこから導出される二次信号を、物体の縦方向座標の関数として計測する測定などの経験的測定により、又はその両方により、決定することができる。
【0082】
したがって、一般に、評価装置は、結合信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成されることができる。この決定は、例えば中心信号と和信号を直接結合してその縦方向座標を導出することによってなど、1ステップの過程であってもよいし、例えば第1に中心信号と和信号から結合信号を導出し、第2に結合信号から縦方向座標を導出するような複数ステップの過程であってよい。両方の選択肢、すなわちステップc)とd)が別個の独立したステップである選択肢と、ステップc)とd)が完全に又は部分的に組み合わされる選択肢である、両方の選択肢が本発明に含まれるものとする。
【0083】
評価装置は、結合信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてよい。所定の関係は、経験的関係、半経験的関係、及び分析的に導出された関係のうちの1つ以上であってよい。評価装置は、例えばルックアップリスト又はルックアップテーブルなどの、所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ保存装置を備えてよい。
【0084】
結合信号Qは、様々な手段を用いて決定されてよい。一例として、商信号を導出するためのソフトウェア手段、商信号を導出するためのハードウェア手段、又はその両方が用いられてよく、評価装置に実装されてもよい。したがって、評価装置は、一例として、少なくとも1つのデバイダを含んでもよく、ここで、デバイダは、商信号を導出するように構成される。デバイダは、完全に又は部分的に、ソフトウェアデバイダ又はハードウェアデバイダの一方又は両方として具現化されてよい。デバイダは、完全に又は部分的にセンサ要素の応答に一体化されていてもよいし、完全又は部分的にセンサ要素から独立して具現化されていてもよい。
【0085】
検出器は、少なくとも1つのレンズ及び/又は少なくとも1つのレンズシステムなどの転送装置、少なくとも1つの回折光学素子の群から選択された少なくとも1つの光学要素を含むことができる。「転送システム」とも呼ばれる「転送装置」という用語は、一般に、光ビームのビームパラメータ、光ビームの幅、又は光ビームの方向の1つ以上を変更することによってなど、光ビームを変更するように構成された1つ以上の光学要素を指し得る。転送装置は、光ビームを光センサに導くように構成されてよい。転送装置は、具体的には:少なくとも1つのレンズ、例えば、少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズからなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学素子;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブ又はビーム分割ミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つ以上を含み得る。本明細書で使用される場合、転送装置の「焦点距離」という用語は、転送装置に衝突する可能性がある入射平行光線が「フォーカルポイント(focal point)」とも呼ばれる「焦点(focus)」に集束される距離を指す。したがって、焦点距離は入射光ビームを収束させる転送装置の能力の指標を構成する。したがって、転送装置は、集束レンズの効果を有し得る1つ以上の画像化要素を含むことができる。例として、転送装置は、1つ以上のレンズ、特に1つ以上の屈折レンズ、及び/又は1つ以上の凸面ミラーを有することができる。この例では、焦点距離は、薄い屈折レンズの中心から薄いレンズの主焦点までの距離として定義することができる。凸型又は両凸型の薄レンズなどの、集束する薄い屈折レンズの場合、焦点距離は、正であると考えられ、転送装置としての薄レンズに衝突する平行光が単一のスポットに集束され得る距離を与えることができる。さらに、転送装置は、少なくとも1つの波長選択要素、例えば少なくとも1つの光フィルタを含むことができる。さらに、転送装置は、例えばセンサ領域の位置で、具体的にはセンサエリアで、電磁放射に所定のビームプロファイルを印加するように設計され得る。転送装置の上記の任意の実施形態は、原則として、個別に、又は任意の所望の組み合わせで実現することができる。
【0086】
転送装置は、光軸を有していてよい。具体的には、検出器と転送装置は、共通の光軸を有する。本明細書で使用される場合、「転送装置の光軸」という用語は、一般に、レンズ又はレンズシステムの鏡面対称又は回転対称の軸を指す。検出器の光軸は、検出器の光学構成の対称の線であってよい。検出器は、少なくとも1つの転送装置、好ましくは、少なくとも1つのレンズを有する少なくとも1つの転送システムを有する。転送システムは、一例として、少なくとも1つのビーム経路であって、該ビーム経路内の転送システムの要素が光軸に関して回転対称に配置されているビーム経路を含んでよい。さらに、以下でもさらに詳細に説明されるように、ビーム経路内に配置された1つ以上の光学要素は、光軸に対して中心ズレされているか、又は傾斜していてもよい。しかし、この場合、光軸は、ビーム経路内の光学要素の中心を相互接続することによって、例えば、レンズの中心を相互接続することなどによって、順次定義されてよく、この文脈では、光センサは光学要素として考慮されない。光軸は、一般にビーム経路を示してよい。そこでは、検出器は、光ビームがそれに沿って物体から光センサに進む単一のビーム経路を有してもよいし、複数のビーム経路を有してもよい。一例として、単一のビーム経路が与えられてもよいし、又はビーム経路が2つ以上の部分ビーム経路に分割されてもよい。後者の場合、各部分ビーム経路は、それ自身の光軸を有することができる。光センサは、1つかつ同一のビーム経路又は部分ビーム経路に配置されてよい。代替的に、しかし、光センサはまた、異なる部分ビーム経路に配置されてよい。
【0087】
転送装置は、縦方向座標lが光軸に沿った座標であり、dが光軸からの空間的オフセットである座標系を構成してよい。座標系は、転送装置の光軸がz軸を形成し、z軸からの距離及び極角が追加の座標として使用され得る極座標系であり得る。z軸に平行又は反平行な方向は、縦方向とみなすことができ、z軸に沿った座標は縦方向座標lとみなすことができる。z軸に垂直な任意な方向は、横方向とみなすことができ、極座標及び/又は極角度は横方向座標とみなすことができる。
【0088】
本明細書でさらに使用される場合、「評価装置」という用語は、一般に、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することにより、より好ましくは、少なくとも1つのプロセッサ及び/又は少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することにより、挙げられた操作を実行するように構成された任意の装置を指す。したがって、一例として、少なくとも1つの評価装置は、多数のコンピュータコマンドを含むそこに保存されたソフトウェアコードを有する少なくとも1つのデータ処理装置を含むことができる。評価装置は、1つ以上の挙げられた操作を実行するための1つ以上のハードウェア要素を提供してもよいし、及び/又は、1つ以上の挙げられた操作を実行するための、そこで実行されるソフトウェアを有する1つ以上のプロセッサを提供してもよい。
【0089】
物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することを含む上述の操作は、少なくとも1つの評価装置によって実行される。したがって、一例として、上述の関係の1つ以上は、例えば1つ以上のルックアップテーブルを実装することにより、ソフトウェア及び/又はハードウェアに実装されてよい。したがって、一例として、評価装置は、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、上述の評価を実行するように構成された1つ以上のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上のプログラム可能な装置を備えることができる。しかしながら追加的に又は代替的に、評価装置はまた、完全に又は部分的にハードウェアによって具体化されてよい。
【0090】
上述したように、中心信号及び和信号を評価することにより、検出器は、物体全体又は物体の1つ以上の部分の縦方向座標を決定する選択肢を含めて、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することを可能にし得る。しかしさらに、1つ以上の横方向座標及び/又は回転座標を含む物体の他の座標が、検出器、特に評価装置によって決定され得る。したがって、一例として、1つ以上の横方向センサが、物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するために使用されてよい。上述したように、中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの位置は、物体の少なくとも1つの横方向座標に関する情報を提供することができ、ここで、一例として、単純なレンズ方程式が、光学的変換、及び横方向座標の導出のために使用されてよい。追加的又は代替的に、1つ以上の追加の横方向センサが使用されてよく、検出器によって含まれてよい。種々の横方向センサ、例えばWO2014/097181A1に開示されている横方向センサ及び/又は例えば象限ダイオード、CCD又はCMOSチップなどの他の位置感知装置(PSD)が、当技術分野で一般に知られている。追加的又は代替的に、一例として、本発明による検出器は、R.A.Street(編):アモルファスシリコンの技術と応用,Springer-Verlag Heidelberg、2010、346~349頁に開示されている1つ以上のPSDを含むことができる。他の実施形態も可能である。これらの装置は、一般に、本発明による検出器に実装されてもよい。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって、検出器内で分割されてもよい。分割部分は、一例として、CCD又はCMOSチップ又はカメラセンサのような横方向センサに向かって案内されてよく、横方向センサ上の分割部分によって生成される光スポットの横方向位置が決定され、それによって物体の少なくとも1つの横方向座標が決定されてよい。したがって、本発明による検出器は、簡単な距離測定装置のような一次元検出器であってもよいし、二次元の検出器として、又は三次元の検出器としてさえ具現化されてもよい。また、上述したように、あるいは以下にさらに詳細に説明するように、情景や環境を一次元的に走査することにより、三次元画像を生成することもできる。したがって、本発明による検出器は、具体的には、一次元検出器、二次元検出器、又は三次元検出器のうちの1つであり得る。評価装置は、さらに、物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定するように構成されてよい。評価装置は、縦方向座標と横方向座標の情報を組み合わせて、空間における物体の位置を決定するように構成されてよい。評価装置は、結合信号Qを評価することによって、選択された反射特徴の縦方向領域を決定するように構成されてよく、該縦方向領域は、縦方向座標z及び誤差間隔±εによって与えられる。本明細書で使用される場合、「縦方向領域」という用語は、縦方向座標z及び結合信号Qからの縦方向座標の決定の測定不確実性±εによって定義される少なくとも1つの不確実性間隔を指す。誤差εは、光センサの測定不確実性に依存し得る。光センサの測定不確実性は、事前に決定及び/又は推定されてもよく、及び/又は、評価装置の少なくとも1つのデータ保存ユニットに保存されてもよい。例えば、誤差間隔は、±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%であってよい。
【0091】
評価装置は、縦方向領域に対応する少なくとも1つの参照画像における少なくとも1つの変位領域を決定するように構成されていてもよい。本明細書で使用される場合、「参照画像」という用語は、反射画像と比較して異なる空間位置で決定される、反射画像とは異なる画像を指す。参照画像は、少なくとも1つの参照特徴を記録すること、少なくとも1つの参照特徴を画像化すること、参照画像を計算することの1つ以上によって決定され得る。参照画像及び反射画像は、一定の距離を有する異なる空間位置で決定された物体の画像であってよい。距離は、ベースラインとも呼ばれる相対距離であってよい。評価装置は、少なくとも1つの反射特徴に対応する少なくとも1つの参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定するように構成されてよい。上記で概説したように、評価装置は、画像分析を実行し、反射画像の特徴を識別するように構成され得る。評価装置は、実質的に同一の縦方向座標を有する参照画像内の少なくとも1つの参照特徴を、選択された反射特徴として識別するように構成され得る。「実質的に同一」という用語は、10%以内、好ましくは5%以内、最も好ましくは1%以内で同一であることを指す。反射特徴に対応する参照特徴は、エピポーラ幾何学を使用して決定されることができる。エピポーラ幾何学の説明については、たとえば、X.Jiang、H.Bunkeによる「Dreidimensionales Computersehen」の第2章、シュプリンガー、ベルリンハイデルベルク、1997年を参照されたい。エピポーラ幾何学は、参照画像及び反射画像が、固定距離を有する異なる空間位置及び/又は空間配向で決定される物体の画像であることを仮定し得る。参照画像及び反射画像は、固定距離を有する異なる空間位置で決定された物体の画像であり得る。評価装置は、参照画像におけるエピポーラ線を決定するように構成され得る。参照画像と反射画像の相対位置は既知である場合がある。例えば、参照画像と反射画像の相対位置は、評価装置の少なくとも1つの保存ユニット内に保存され得る。評価装置は、反射画像の選択された反射特徴から延びる直線を決定するように構成され得る。直線は、選択された特徴に対応する、あり得る物体特徴を含み得る。直線とベースラインはエピポーラ平面を展開する。参照画像が反射画像とは異なる相対的位置で決定されるため、対応する可能な物体の特徴は、参照画像内のエピポーラ線と呼ばれる直線上に画像化され得る。したがって、反射画像の選択された特徴に対応する参照画像の特徴は、エピポーラ線上に位置する。画像の歪み、あるいは経年変化、温度変化、機械的ストレスなどによるシステムパラメータの変化により、エピポーラ線は互いに交差又は非常に接近していることがあり、及び/又は参照特徴と反射特徴の間の対応が不明瞭なことがある。さらに、現実世界の各既知の位置又は物体は参照画像に投影されてもよく、その逆でもよい。投影は検出器の較正によって知られることができる一方、較正は特定のカメラのエピポーラ幾何学のティーチインに相当する。
【0092】
本明細書で使用される場合、「変位領域」という用語は、選択された反射特徴に対応する参照特徴が画像化され得る参照画像内の領域を指す。具体的には、変位領域は、選択された反射特徴に対応する参照特徴が参照画像内に位置すると予想される参照画像内の領域であり得る。物体までの距離に応じて、反射特徴に対応する参照特徴の画像位置は、反射画像内の反射特徴の画像位置と比較して参照画像内で変位する場合がある。変位領域は、1つの参照特徴のみを含んでもよい。変位領域は、複数の参照特徴を含んでもよい。変位領域は、エピポーラ線又はエピポーラ線のセクションを含んでもよい。変位領域は、複数のエピポーラ線又は複数のエピポーラ線の複数のセクションを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「参照特徴」という用語は、参照画像の少なくとも1つの特徴を指す。変位領域は、エピポーラ線に沿って、エピポーラ線に直交して、又はその両方であってよい。評価装置は、縦方向座標zに対応するエピポーラ線に沿った参照特徴を決定し、誤差間隔±εに対応してエピポーラ線に沿った又はエピポーラ線に直交する変位領域の範囲を決定するように構成され得る。結合信号Qを使用した距離測定の測定不確実性は、測定不確実性が方向によって異なる場合があるため、非円形の変位領域をもたらす可能性がある。具体的には、エピポーラ線に沿った測定不確実性は、複数のエピポーラ線に対して直交する方向の測定不確実性よりも大きくなり得る。変位領域は、エピポーラ線又は複数のエピポーラ線に対して直交方向に延びる範囲を含むことができる。評価装置は、反射特徴の画像位置の周りの変位領域を決定してもよい。評価装置は、z±εに対応するエピポーラ線に沿った変位領域を決定するために、反射特徴の縦方向座標z及び結合信号Qからの誤差間隔±εを決定するために構成されてもよい。評価装置は、選択された反射特徴を変位領域内の少なくとも1つの参照特徴とマッチングさせるように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「マッチング」という用語は、対応する参照特徴及び反射特徴を決定及び/又は評価することを指す。評価装置は、決定された縦方向座標zを考慮して少なくとも1つの評価アルゴリズムを使用することによって、反射画像の選択された特徴を変位領域内の参照特徴とマッチングさせるように構成させることができる。評価アルゴリズムは線形スケーリングアルゴリズムであり得る。評価装置は、変位領域に最も近い及び/又は変位領域内のエピポーラ線を決定するように構成されてもよい。評価装置は、反射特徴の画像位置に最も近いエピポーラ線を決定するように構成されてもよい。エピポーラ線に沿った変位領域の範囲は、エピポーラ線に直交する変位領域の範囲より大きくてもよい。評価装置は、対応する参照特徴を決定する前にエピポーラ線を決定するように構成されてもよい。評価装置は、各反射特徴の画像位置の周りの変位領域を決定してもよい。評価装置は、変位領域に最も近いエピポーラ線、及び/又は変位領域内のエピポーラ線、及び/又はエピポーラ線に直交する方向に沿って変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるなどによって、反射特徴の各画像位置の各変位領域にエピポーラ線を割り当てるように構成されてもよい。評価装置は、割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられた変位領域内の参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域内の参照特徴を決定することにより、反射特徴の画像位置に対応する参照特徴を決定するように構成されてもよい。
【0093】
追加的に又は代替的に、評価装置は以下のステップ:
- 各反射特徴の画像位置の変位領域を決定する、ステップと;
- 変位領域に最も近いエピポーラ線、及び/又は変位領域内のエピポーラ線、及び/又はエピポーラ線に直交する方向に沿って変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるなどによって、各反射特徴の変位領域にエピポーラ線を割り当てる、ステップと;
- 割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられた変位領域内の参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域内の参照特徴を割り当てるなどによって、各反射特徴に少なくとも1つの参照特徴を割り当て及び/又は決定するステップと、
を実行するように構成されてよい。
【0094】
追加的に又は代替的に、評価装置は、参照画像内の反射特徴及び/又はエピポーラ線の距離を比較することによって、及び/又は、参照画像内の反射特徴及び/又はエピポーラ線のε重み付き距離などの誤差重み付き距離を比較し、より短い距離及び/又はε重み付き距離のエピポーラ線及び/又は参照特徴を、参照特徴及び/又は反射特徴に割り当てることによってなど、反射特徴に割り当てられる複数のエピポーラ線及び/又は参照特徴の間で決定するように構成されてもよい。
【0095】
好ましくは、検出器は、1つの参照特徴への明確な割り当てが可能なように、結合信号Qを使用して選択された反射特徴を事前に分類するように構成されることができる。具体的には、照射パターンの照射特徴は、参照画像の対応する参照特徴がエピポーラ線上で可能な限り大きい相対的な距離を互いに有するように、配置されることができる。照射パターンの照射特徴は、少数の参照特徴のみがエピポーラ線上に配置されるように、配置されることができる。例えば、照射パターンは、少なくとも1つの六角形のパターンを含むことができる。好ましくは、照射パターンは、少なくとも1つの六角形のパターンを含むことができ、パターンはベースラインに関して回転されている。好ましくは、照射パターンは、少なくとも1つの変位した六角形パターンを含むことができ、該六角形パターンの個々の点は、正規位置からランダムな距離だけ、例えば該点のエピポーラ線に直交するように変位されている。個々の点の変位は、2つの平行なエピポーラ線間の距離の半分よりも小さくてもよく、好ましくは2つの平行なエピポーラ線間の距離の1/4よりも小さくてもよい。個々の点の変位は、2つの点が互いの上に変位しないようなものであってよい。
【0096】
評価装置は、マッチングした参照特徴及び選択された反射特徴の変位を決定するように構成されてよい。本明細書で使用される場合、「変位」という用語は、参照画像内の画像位置と反射画像内の画像位置との間の差を指す。評価装置は、縦方向座標と変位との間の所定の関係を用いて、マッチングした特徴の縦方向情報を決定するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「縦方向情報」という用語は、縦方向座標に関する情報を指す。例えば、縦方向情報は距離値であってよい。評価装置は、三角測量法を使用することによって所定の関係を決定するように構成され得る。反射画像内の選択された反射特徴の位置と、マッチングした参照特徴の位置、及び/又は、選択された反射特徴とマッチングした参照特徴の相対変位が既知である場合、対応する物体特徴の縦方向座標は、三角測量によって決定され得る。したがって、評価装置は、例えば後続及び/又は列ごとに、反射特徴を選択するように構成することができ、参照特徴の各潜在的位置について三角測量を使用して対応する距離値を決定するように構成され得る。変位及び対応する距離値は、評価装置の少なくとも1つの保存装置に保存され得る。評価装置は、一例として、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのDSP、少なくとも1つのFPGA及び/又は少なくとも1つのASICなどの少なくとも1つのデータ処理装置を含むことができる。さらに、縦方向座標zと変位との間の少なくとも1つの予め決定された又は決定可能な関係を保存するために、所定の関係を保存するための1つ以上のルックアップテーブルを提供するなど、少なくとも1つのデータ保存装置が提供され得る。評価装置は、カメラ及び/又は検出器の内因性及び/又は外因性の較正のためのパラメータを保存するように構成され得る。評価装置は、ツァイカメラ較正を実行するなどによって、カメラ及び/又は検出器の内因性及び/又は外因性の較正のためのパラメータを生成するように構成され得る。評価装置は、転送装置の焦点距離、放射レンズの歪み係数、放射レンズの歪みの中心座標、走査とデジタル化のハードウェアタイミングの不完全性に起因する不確実性を説明するためのスケールファクタ、世界座標とカメラ座標間の変換の回転角度、世界座標とカメラ座標間の変換の並進コンポーネント、開口角、イメージセンサ形式、主点、スキュー係数、カメラ中心、カメラ向き、ベースライン、カメラ及び/又は照射源の回転又は並進パラメータ、開口部、焦点距離などの、パラメータを計算及び/又は推定するように構成され得る。
【0097】
結合センサ信号を使用することは、誤差間隔内の縦方向座標zなどの距離の推定を可能にする。推定された縦方向座標と対応する誤差間隔に対応する変位領域を決定することにより、エピポーラ線に沿った可能な解の数を大幅に減らすことができる。可能な解の数を、1つに減らすことさえできる。縦方向座標zと誤差間隔の決定は、選択された反射特徴と参照特徴をマッチングさせる前の事前評価の間に実行されることができる。これは、計算の要求を削減することを可能にすることができ、したがって、コストを大幅に削減し、モバイル装置又は屋外装置での使用を可能にする。さらに、一般的に三角測量システムでは、大きな距離を検出するためにベースラインを大きくする必要がある。結合センサ信号を用いた縦方向座標z及び誤差間隔を事前に評価し、その後の選択された反射特徴及び参照特徴をマッチングさせることは、短いベースラインを使用することを可能にすることができ、したがって、コンパクトな装置を提供することができる。さらに、結合センサ信号を用いた縦方向座標z及び誤差間隔を事前に評価し、その後の選択された反射特徴及び参照特徴をマッチングさせることは、従来の三角測量システムと比較して、精度及び/又は速度を向上させ、及び/又は計算上の要求を低下させることができる。さらに、照射パターンにおける照射点の数などの照射特徴の数は、目の安全規則に準拠しながら周囲光と競合するように、各照射点における光強度を増加させるように、低減され得る。従来の三角測量システムでは、照射特徴の数の減少は、反射特徴と参照特徴をマッチングさせることの困難性を増加させ得る。さらに、照射パターンにおける照射点の数などの照射特徴の数は、例えば、距離測定の解像度を上げるために、例えば、モバイルアプリケーションなどにおけるように評価装置の処理能力を増加させることなく得られた深度マップの解像度を増加させるために、増加され得る。
【0098】
センサ要素は、少なくとも1つの反射パターンを決定するように構成されていてもよい。本明細書で使用されする場合、「反射パターン」という用語は、物体の表面での光の反射又は散乱によって生成される応答パターン、特に照射パターンによる照射に応答して物体によって生成される応答パターンを指す。上で概説したように、照射パターンは、物体を照射するように構成された少なくとも1つの特徴を含むことができる。反射パターンは、照射パターンの少なくとも1つの特徴に対応する少なくとも1つの特徴を含むことができる。反射パターンは、照射パターンと比較して、少なくとも1つの歪んだパターンを含むことができ、その歪みは、物体の表面特性などの物体の距離に依存する。評価装置は、上述のように、反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、センサ信号からの結合信号Qを評価することによって、反射パターンの選択された特徴の縦方向領域を決定するように構成されてもよい。
【0099】
例えば、参照画像は、プロジェクタの位置における画像平面での照射パターンの画像であってよい。評価装置は、反射パターンの選択された特徴の縦方向領域に対応する参照画像内の変位領域を決定するように構成されることができる。評価装置は、反射パターンの選択された特徴を、変位領域内の参照パターンの少なくとも1つの特徴とマッチングさせるように構成されることができる。プロジェクタとセンサ要素は、一定の距離だけ離されてよい。
【0100】
例えば、検出器は、それぞれが光センサのマトリックスを有する少なくとも2つのセンサ要素を含み得る。少なくとも1つの第1センサ要素と少なくとも1つの第2センサ要素は、異なる空間位置に配置されてよい。第1センサ要素と第2センサ要素との間の相対的な距離は固定されていてよい。該少なくとも1つの第1センサ要素は、少なくとも1つの第1反射パターン、特に少なくとも1つの第1反射特徴を決定するように構成されていてよく、該少なくとも1つの第2センサ要素は、少なくとも1つの第2反射パターン、特に少なくとも1つの第2反射特徴を決定するように構成されてよい。評価装置は、第1センサ要素又は第2センサ要素によって決定された少なくとも1つの画像を反射画像として選択し、第1センサ要素又は第2センサ要素のうちの他方によって決定された少なくとも1つの画像を参照画像として選択するように構成されてよい。評価装置は、反射パターンにおける少なくとも1つの反射特徴を選択し、及びセンサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された特徴の縦方向領域を決定するように構成されてよい。評価装置は、反射パターンの選択された特徴の縦方向領域に対応する参照画像内の変位領域を決定するように構成されてよい。評価装置は、反射パターンの選択された特徴を、変位領域内の参照パターンの少なくとも1つの特徴とマッチングするように構成されてよい。
【0101】
上で概説したように、検出器は、1つ以上の追加の光学要素などの、1つ以上の追加の要素をさらに含み得る。さらに、検出器は、完全に又は部分的に、少なくとも1つのハウジングに一体化されてよい。
【0102】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムが開示されている。検出器システムは、例えば上に開示された1つ以上の実施形態による、又は以下にさらに詳細に開示された1つ以上の実施形態によるような、本発明による少なくとも1つの検出器を含む。検出器システムは、少なくとも1つの光ビームを検出器に向けるように構成された少なくとも1つのビーコン装置をさらに含み、該ビーコン装置は、物体に取り付け可能であるか、物体によって保持可能であるか、及び物体に一体化可能であるかのうちの少なくとも1つである。ビーコン装置に関するさらなる詳細は、その潜在的な実施形態を含めて以下で説明する。このように、少なくとも1つのビーコン装置は、レーザ、LED、電球などのような1つ以上の光源などの1つ以上の照射源を含む、少なくとも1つの能動型ビーコン装置であり得るか、又はそれを含み得る。一例として、照射源によって放出される光は、300~500nmの波長を有し得る。あるいは、上述したように、赤外スペクトル範囲、例えば780nm~3.0μmの範囲が使用され得る。具体的には、シリコンフォトダイオードが特に700nm~1000nmの範囲で適用可能な近赤外領域が使用され得る。1つ以上のビーコン装置によって放出される光は、2つ以上の光ビームを区別するために、上述のように非変調であっても、変調されていてもよい。追加的に又は代替的に、少なくとも1つのビーコン装置は、例えば1つ以上の反射要素を備えることなどによって、1つ以上の光ビームを検出器に向けて反射するように構成され得る。さらに、少なくとも1つのビーコン装置は、光ビームを散乱させるように構成された1つ以上の散乱要素であってもよく、又はそれを含んでもいてもよい。そこでは、弾性又は非弾性散乱が使用されることができる。少なくとも1つのビーコン装置が一次光ビームを検出器に向けて反射及び/又は散乱するように構成されている場合、ビーコン装置は、光ビームのスペクトル特性に影響を与えないようにするように構成されていてもよく、あるいは、光ビームの波長を変更するなどによって、光ビームのスペクトル特性を変更するように構成されていてもよい。
【0103】
本発明のさらなる態様では、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが開示されている。ヒューマンマシンインターフェースは、上記で開示された実施形態による、及び/又は以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上による、少なくとも1つの検出器システムを備えている。そこでは、少なくとも1つのビーコン装置は、直接的又は間接的にユーザに取り付けられるか、又はユーザによって保持されるかの少なくとも1つであるように構成される。ヒューマンマシンインターフェースは、検出器システムによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計されており、該ヒューマンマシンインターフェースは、少なくとも1つの情報項目をその位置に割り当てるように設計されている。
【0104】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置が開示されている。娯楽装置は、上記で開示された実施形態による、及び/又は以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上による少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを備えている。娯楽装置は、ヒューマンマシンインターフェースを介して、プレイヤーが少なくとも1つの情報を入力できるように構成されている。娯楽機器は、情報に応じて娯楽機能を変えるようにさらに構成されている。
【0105】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの可動物体の位置を追跡する追跡システムが開示されている。追跡システムは、上記で開示された及び/又は以下でさらに詳細に開示されるような検出器システムを参照する実施形態のうちの1つ以上による少なくとも1つの検出器システムを備えている。追跡システムは、少なくとも1つの追跡コントローラをさらに備える。追跡コントローラは、特定の時点での物体の一連の位置を追跡するように構成されている。
【0106】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体を画像化するためのカメラが開示されている。カメラは、上記で開示された又は以下でさらに詳細に開示される検出器を参照する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を備えている。
【0107】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの位置を決定することも意味し得る、情景の深度プロファイルを決定するための走査システムが提供されている。走査システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上記の実施形態の1つ以上に開示された及び/又は以下の実施形態の1つ以上に開示される少なくとも1つの検出器を備えている。走査システムはさらに、照射光ビーム又は走査光ビームと呼ばれる少なくとも1つの光ビームで情景を走査するように構成された少なくとも1つの照射源を備えている。本明細書で使用される場合、「情景」という用語は、一般に、検出器によって二次元又は三次元範囲の少なくとも1つの幾何学的又は空間的特性が評価され得るというように、検出器によって可視な二次元又は三次元範囲を指す。本明細書でさらに使用される場合、「走査」という用語は、一般に、異なる領域での連続的な測定を指す。したがって、走査は、具体的には、第1方式で向けられ又は方向付けられた照射光ビームを有する少なくとも1つの第1測定と、第1方式と異なる第2方式で向けられ又は方向付けられた照射光ビームを有する少なくとも1つの第2測定を意味し得る。走査は、連続走査又は段階的走査であってよい。したがって、連続的又は段階的方式で、照射光ビームは情景の異なる領域に向けられることができ、検出器は、少なくとも1つの縦方向座標など、各領域について少なくとも1つの情報項目を生成するように検出することができる。一例として、物体を走査するために、1つ以上の照射光ビームが、連続的又は段階的方式で、物体の表面に光スポットを生成することができ、該光スポットについて縦方向座標が生成される。しかしながら、代替的に、光パターンが走査に使用されることができる。走査は、点走査又は線走査、あるいはより複雑な光パターンによる走査でさえあってもよい。走査システムの照射源は、検出器のプロジェクタと異なり得る。あるいは、しかしながら、走査システムの照射源は、検出器のプロジェクタと完全に又は部分的に同一であるか、又はそれに一体化されてもよい。
【0108】
したがって、走査システムは、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1つのドットを照射するように構成された少なくとも1つの光ビームを放出するように構成された少なくとも1つの照射源を有することができる。本明細書で使用される場合、「ドット」という用語は、例えば走査システムのユーザによって選択され、照射源によって照射される物体の表面の一部のエリア、特に小さなエリアを指す。好ましくは、ドットは、一方では、走査システムが、走査システムに含まれる照射源と、ドットが配置され得る物体の表面部分との間の距離の値を、可能な限り正確に決定できるように可能な限り小さいサイズ、他方では、走査システムのユーザ又は走査システム自体が特に自動手順によって物体の表面の関係部分上のドットの存在を検知できるように可能な限り大きいサイズを呈することができる。
【0109】
この目的のために、照射源は、人工照射源、特に少なくとも1つのレーザ源、及び/又は少なくとも1つの白熱灯、及び/又は少なくとも1つの半導体光源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機及び/又は無機発光ダイオードを含み得る。一例として、照射源によって放出される光は、300~500nmの波長を有し得る。追加的に又は代替的に、780nm~3.0μmの範囲などの赤外スペクトル範囲の光が使用され得る。具体的には、シリコンフォトダイオードが適用可能な特には700nm~1000nmの範囲の近赤外領域部分の光が使用されることができる。それらの一般的に定義されるビームプロファイル及び取り扱い性の他の特性のために、照射源としての少なくとも1つのレーザ源の使用が特に好ましい。ここでは、特に、ユーザによって容易に保存及び運搬され得るコンパクトな走査システムを提供することが重要である場合に、単一のレーザ源の使用が好ましいことがあり得る。照射源はしたがって、好ましくは、検出器の構成部分であってもよく、及び、したがって特に検出器のハウジング内など検出器内に一体化されてもよい。好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングは、距離関連情報をユーザに読みやすい方法で提供するように構成された少なくとも1つのディスプレイを備えることができる。さらに好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングはさらに、1つ以上の操作モードを設定するなど、走査システムに関連する少なくとも1つの機能を操作させるように構成された少なくとも1つのボタンを含むことができる。さらに好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングはさらに、走査システムをさらなる表面に固定するように構成され得る少なくとも1つの固定ユニット、例えば、ゴム足、磁性材料を含むベースプレート又はホルダーなどのベースプレート又は壁ホルダーなどを、特に距離測定の精度及び/又はユーザによる走査システムの取り扱い性を向上させるために含み得る。
【0110】
特に、走査システムの照射源は、したがって、物体の表面に位置する単一のドットを照射するように構成された単一のレーザビームを放出し得る。本発明による検出器の少なくとも1つを使用することにより、少なくとも1つのドットと走査システムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目が、このように生成され得る。これにより、好ましくは、走査システムによって含まれる照射システムと、照射源によって生成される単一ドットとの間の距離は、例えば少なくとも1つの検出器によって含まれる評価装置を使用することなどにより、決定され得る。しかしながら、走査システムは、さらに、この目的のために特に構成され得る追加の評価システムを含み得る。代替的に又は追加的に、走査システムのサイズ、特に走査システムのハウジングのサイズを考慮してもよく、したがって、走査システムのハウジング上の特定の点、例えばハウジングの前縁又は後縁と、単一ドットとの間の距離を代替的に決定することもできる。照射源は、点群を生成及び/又は投影するように構成されてよく、例えば、照射源は、本発明による少なくとも1つのプロジェクタ、少なくとも1つのデジタル光処理(DLP)プロジェクタ、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学素子;発光ダイオードの少なくとも1つのアレイ;レーザ光源の少なくとも1つのアレイのうちの1つ以上を含み得る。
【0111】
代替的に、走査システムの照射源は、ビームの放出方向の間に直角など、それぞれの角度を提供するように構成された2つの個別のレーザビームを放出することができ、それにより、同じ物体の表面又は2つの異なる物体の2つの異なる表面に位置する2つの個別のドットが照射され得る。しかしながら、2つの個別のレーザビームの間のそれぞれの角度の他の値も可能であり得る。この特徴は、特に、例えば走査システムとドットとの間に1つ以上の障害物が存在するために直接アクセスできない場合の、又は他の方法では到達することが困難な場合の、間接距離を導出するためなど、間接測定機能のために採用され得る。例として、したがって、2つの個別の距離を測定し、ピタゴラスの式を使用して高さを導出することにより、物体の高さの値を決定することが可能であり得る。特に、物体に対して所定の水準を維持できるようにするために、走査システムはさらに、少なくとも1つの水準ユニット、特に、ユーザによって所定の水準を維持するために使用され得る一体型気泡バイアルをさらに備えることができる。
【0112】
さらなる代替として、走査システムの照射源は、複数の個別のレーザビーム、例えばそれぞれのピッチ、特に互いに対して規則的なピッチを示すことができるレーザビームのアレイ、及び、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面上に位置するドットのアレイを生成するように配置されたレーザビームのアレイなど、複数の個別のレーザビームを放出することができる。この目的のために、ビーム分割装置及びミラーなどの特別に適合された光学要素が提供されてもよく、これにより、記載されたレーザビームのアレイの生成が可能になり得る。具体的には、照射源は、1つ以上の可動ミラーを使用して、周期的又は非周期的な方式で光ビームをリダイレクトすることによって、面積又は体積を走査するように向けられることができる。
【0113】
このように、走査システムは、1つ以上の物体の1つ以上の表面に配置された1つ以上のドットの静的配置を提供し得る。あるいは、走査システムの照射源、特に上記のレーザビームのアレイなどの1つ以上のレーザビームは、時間の経過とともに変化する強度を示すことができ、及び/又は、特に述べたマイクロミラーのアレイ内に含まれるマイクロミラーなど1つ以上のミラーを動かすことによって、時間の経過とともに交互に放出方向を変えることができる、1つ以上の光ビームを提供するように構成され得る。結果として、照射源は、走査システムの少なくとも1つの照射源によって生成される交互に変わる特徴を有する1つ以上の光ビームを使用することにより、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面の一部を画像として走査するように構成され得る。特に、走査システムは、したがって、1つ以上の物体の1つ以上の表面を順次又は同時に走査するように、少なくとも1つの行走査及び/又は線走査を使用することができる。したがって、走査システムは、3つ以上のドットを測定することによって角度を測定するように構成され得、又は、走査システムは、従来の測定スティックを使用してアクセスすることが困難な、屋根の切妻などのコーナー又は狭い領域を測定するように構成され得る。非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナに、及び/又は例えば3Dプリンティング、ボディスキャンニング、品質管理などに関連して、物体の形状の決定に使用される三次元走査装置に、例えば距離計などの建設用途に、例えば荷物のサイズ又は体積を決定するための物流用途に、例えばロボット掃除機又は芝刈機などの家事用途に、又は走査ステップを含み得る他の種類の用途に使用され得る。非限定的な例として、走査システムは産業用安全カーテンの用途に使用され得る。非限定的な例として、走査システムは、拭き掃除、バキューム掃除、モップがけ、又はワックスがけ機能、又は芝刈り又は掻き集めなどのヤード又は庭の手入れ機能を実行するために使用されてよい。非限定的な例として、走査システムは、コリメートされた光学系を備えたLED照射源を使用することができ、及び、より正確な結果を得るために照射源の周波数を異なる周波数にシフトするように、及び/又は他の周波数を送信しながら特定の周波数を減衰させるためにフィルタを使用するように、構成されることができる。非限定的な例として、走査システム及び/又は照射源は、作動中に走査システムが完全な360度の視野を有することができ、又はさらに走査範囲をさらに拡大するために平面外に移動又は回転することができるように、専用モータを使用して、全体として回転されるか、又は、ミラー、ビーム分割器などの特定の光学パッケージのみが回転されることができる。さらに、照射源は、能動的に所定の方向に向けられ得る。さらに、有線の電気システムの回転を可能にするために、スリップリング、光データ伝送、又は誘導結合が使用されてもよい。
【0114】
非限定的な例として、走査システムは、三脚に取り付けられ、いくつかの角及び表面を有する物体又は領域に向けられてもよい。1つ以上の柔軟に可動なレーザ源が走査システムに取り付けられている。1つ以上のレーザ源は、それらが関心点を照射するように動かされる。走査システムに対する照射点の位置は、走査システムの指定されたボタンを押すと、測定され、位置情報は、無線インターフェースを介して携帯電話に送信される。位置情報は携帯電話のアプリケーションに保存される。レーザ源は、さらに関心点を照射するために移動され、それらの位置は測定され、携帯電話アプリケーションに送信される。携帯電話アプリケーションは、隣接する点を平面で接続することにより、点のセットを3Dモデルに変換することができる。3Dモデルは保存され、さらに処理されることができる。測定された点又は表面間の距離及び/又は角度は、走査システムに取り付けられたディスプレイ上に、又は位置情報が送信される携帯電話上に表示されてもよい。
【0115】
非限定的な例として、走査システムは、点を投影するための2つ以上の柔軟に可動なレーザ源と、線を投影するさらに1つの可動なレーザ源とを備えていてよい。線は、2つ以上のレーザスポットを線に沿って配置するために使用されることができ、走査システムのディスプレイは、線に沿って例えば等距離に配置され得る2つ以上のレーザスポット間の距離を表示し得る。2つのレーザスポットの場合、単一のレーザ源が使用されてもよく、投影された点の距離は、1つ以上のビーム分割器又はプリズムを使用して変更され、そこでは、ビーム分割器又はプリズムは、投影されたスポットが離れたり近づいたりするように、動かされることができる。さらに、走査システムは、直角、円、正方形、三角形などのさらなるパターンを投影するように構成させることができ、それに沿って測定が、レーザスポットを投影しそれらの位置を測定することによって、行われ得る。
【0116】
非限定的な例として、走査システムは、線走査装置として構成されることができる。特に、走査システムは、少なくとも1つのセンサライン又はセンサ列を有することができる。三角測量システムは、近接場で検出が不可能になるため、十分なベースラインを必要とする。近接場の検出は、レーザスポットを転送装置の方向に傾ければ、可能になり得る。しかし、傾けることは、光スポットが遠方場領域での検出を制限する視野外に移動してしまうことを生じる。このような近接場と遠方場の問題は、本発明による検出器を使用することによって解決されることができる。特に、検出器は、光センサのCMOSラインを含むことができる。走査システムは、物体からCMOSライン上の検出器へ伝播する複数の光ビームを検出するように構成されることができる。光ビームは、物体上の異なる位置で生成されることができ、又は照射源の動きによって生成されることができる。走査システムは、上述及び以下でより詳細に説明するように、光点のそれぞれについて少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成されることができる。
【0117】
非限定的な例として、走査システムは、鋸、穴あけ機などの木材又は金属の加工工具などのツールを使用する作業をサポートするように構成され得る。したがって、走査システムは、2つの反対方向の距離を測定し、2つの測定距離又は距離の合計をディスプレイに表示するように構成されることができる。さらに、走査システムは、走査システムが表面上に配置されると、レーザ点が表面に沿って走査システムから自動的に離れ、距離測定値が表面のコーナー又はエッジによる突然の変化を示すまで、表面のエッジまでの距離を測定するように構成されることができる。これは、走査システムが板の上に置かれているが、そのエッジから離れて置かれている状態で、板材の端部までの距離を測定することを可能にする。さらに、走査システムは、一方向の板の端部までの距離を測定し、及び、反対方向に指定された距離で線又は円又は点を投影することができる。走査システムは、例えば、所定の合計距離に応じて、反対方向に測定した距離に応じた距離で線又は円又は点を投影するように構成されることができる。これは、ツールから安全な距離に走査システムを配置しながら、鋸や穴あけ機などのツールを投影位置で操作し、同時に、板の端部までの所定の距離でツールを使用して処理を実行すること可能にする。さらに、走査システムは、点又は線などを所定の距離で2つの反対方向に投影するように構成され得る。距離の合計が変更されると、投影された距離の1つだけが変更される。
【0118】
非限定的な例として、走査システムは、切断、鋸引き、穴あけなどのタスクが実行される表面などの表面上に配置され、及び走査システムのボタンなどで調整可能な所定距離で該表面上に線を投影するように構成されてよい。
【0119】
非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナに、及び/又は例えば3Dプリンティング、ボディスキャンニング、品質管理などに関連して、物体の形状の決定に使用される三次元走査装置に、例えば距離計などの建設用途に、例えば荷物のサイズ又は体積を決定するための物流用途に、例えばロボット掃除機又は芝刈機などの家事用途に、又は走査ステップを含み得る他の種類の用途に使用され得る。
【0120】
転送装置は、上記で説明したように、物体から検出器へと伝播する光を、好ましくは連続的に光センサへ供給するように設計されることができる。上記で説明したように、この供給は、画像化によって又は転送装置の非画像化特性によって、任意に行うことができる。特に、転送装置は、電磁放射が光センサに供給される前に、電磁放射を収集するように設計されることができる。転送装置は、例えば、定義された光学特性を有する光ビーム、例えば定義された又は正確に既知のビームプロファイルを有する光ビーム、例えばガウスビームの少なくとも1つの線形結合、特に既知のビームプロファイルを有する少なくとも1つのレーザビームを提供するように設計された照射源により、全体的に又は部分的に、少なくとも1つの任意の光照射源の構成部分であってよい。
【0121】
任意の照射源の潜在的な実施形態については、WO2012/110924A1を参照することができる。さらに、他の実施形態が可能である。物体から出る光は、物体自体から発生することもできるが、任意で別の原点を有し、この原点から物体まで伝播し、続いて横方向及び/又は縦方向光センサに向かって伝播することができる。後者の場合は、例えば、少なくとも1つの照射源を使用することによって実現される。この照射源は、例えば、周囲照射源であるか、又はそれを含むことができ、及び/又は、人工照射源であるか、又はそれを含むことができる。例として、検出器自体は、少なくとも1つの照射源、例えば少なくとも1つのレーザ及び/又は少なくとも1つの白熱灯及び/又は少なくとも1つの半導体照射源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機及び/又は無機発光ダイオードを含むことができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイル及び取り扱い性の他の特性のために、照射源又はその一部としての1つ以上のレーザの使用が特に好ましい。照射源自体は、検出器の構成部分であり得るか、又は検出器とは独立して形成されることができる。照射源は、特に検出器、例えば検出器のハウジングに一体化されることができる。代替的又は追加的に、少なくとも1つの照射源はまた、少なくとも1つのビーコン装置、又は1つ以上のビーコン装置、及び/又は物体に一体化され得るか、又は物体に接続又は空間的に結合され得る。
【0122】
1つ以上の任意のビーコン装置から出る光は、それに応じて、前記光がそれぞれのビーコン装置自体から発生するという選択の代わりに又はこれに加えて、照射源から出ることができ、及び/又は照射源によって励起されることができる。例として、ビーコン装置から出る電磁光は、ビーコン装置自体によって放出されるか、及び/又はビーコン装置によって反射されるか、及び/又はそれが検出器に供給される前にビーコン装置によって散乱されることができる。この場合、電磁放射の放出及び/又は散乱は、電磁放射のスペクトルの影響がなく、又はそのような影響を伴って行われることができる。したがって、例として、波長シフトが、散乱中に、例えばストークス又はラマンによって、起こり得る。さらに、光の放出は、例えば、一次照射源、例えば物体又はルミネセンス、特に、リン光及び/又は蛍光を生成するように励起された物体の部分領域によって、励起されることができる。原則として、他の放出過程も可能である。反射が発生する場合、物体は、例えば少なくとも1つの反射領域、特に少なくとも1つの反射面を有することができる。前記反射面は、物体自体の一部であり得るが、例えば、物体に接続され又は空間的に結合された反射器、例えば、物体に接続された反射板であってもよい。少なくとも1つの反射器が使用される場合、それはまた、例えば検出器の他の構成部品とは独立に、物体に接続された検出器の一部と見なすこともできる。
【0123】
ビーコン装置及び/又は少なくとも1つの任意の照射源は、一般的に:紫外スペクトル範囲、好ましくは200nm~380nmの範囲;可視スペクトル範囲(380nm~780nm);赤外スペクトル範囲、好ましくは780nm~3.0マイクロメートルの範囲、より好ましくはシリコンフォトダイオードが適用可能な具体的には700nm~1000nmの範囲で適用可能な近赤外領域の部分、のうちの少なくとも1つにおいて光を放出することができる。熱画像用途では、ターゲットは、遠赤外スペクトル範囲、好ましくは3.0マイクロメートル~20マイクロメートルの範囲の光を放出することができる。例えば、少なくとも1つの照射源は、可視スペクトル範囲、好ましくは500nm~780nmの範囲、最も好ましくは650nm~750nmの範囲、又は690nm~700nmの範囲の光を放出するように構成されている。例えば、少なくとも1つの照射源は、赤外スペクトル範囲の光を放出するように構成されている。しかしながら、他の選択肢が可能である。
【0124】
光ビームの光センサへの供給は、特に、例えば円形、楕円形、又は異なる形状の断面を有する光スポットが、光センサの任意のセンサエリア上に生成されるように行われることができる。例として、検出器は、物体が検出され得る視覚範囲、特に立体角範囲及び/又は空間範囲を有することができる。好ましくは、転送装置は、例えば物体が検出器の視覚範囲内に配置されている場合、光スポットが光センサのセンサ領域上及び/又はセンサエリア上に配置されるように、設計され得る。例として、センサエリアは、この状態を確実にするために対応するサイズを有するように、選択され得る。
【0125】
さらなる態様において、本発明は、例えば上記に開示されたような、又は以下にさらに詳細に開示されるような検出器を参照する1つ以上の実施形態などによる本発明による検出器のような検出器を用いることによって、少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法を開示している。それでも、他のタイプの検出器を使用することができる。本方法は、以下の方法ステップを含み、方法ステップは、所定の順序で実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよい。さらに、列挙されていない1つ以上の追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、方法ステップの1つ、1つより多く、又は、全てさえも、繰り返し実行されてよい。
【0126】
本方法は、以下の方法ステップ:
- 検出器の少なくとも1つのプロジェクタにより生成された少なくとも2つの照射パターンで物体を照射するステップと;
- 前記物体から前記検出器へ伝播する少なくとも1つの反射光による光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成するステップであって、前記光センサはそれぞれ感光エリアを有するステップと;
- 前記センサ要素を用いて、少なくとも1つの反射画像を決定するステップと;
- 前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置を使用して前記センサ信号を評価し、それによって前記選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップであって、前記評価は、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することを含むステップと、
を含む。
【0127】
詳細、選択肢、及び定義については、上述した検出器を参照することができる。したがって、具体的には、上記で説明されたように、本方法は、上記で与えられ又は以下でさらに詳細に与えられる1つ以上の実施形態によるなどの、本発明による検出器の使用を含むことができる。
【0128】
上で概説したように、プロジェクタは、少なくとも1つの調整可能レーザ源と、少なくとも1つの回折光学素子とを備える。本方法は、少なくとも1つの制御ユニットを用いることによって調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御することを含んでよい。例えば、プロジェクタは、少なくとも2つの放射モードで作動可能であってもよく、本方法は、調整可能レーザ源に電子信号を印加することにより、制御ユニットを使用することによって放射モードを調整することを含んでよく、第1放射モードでは、調整可能レーザ源は、第1放射波長λを有し、第2放射モードでは、調整可能レーザ源は、第1放射波長λとは異なる第2放射波長λを有している。
【0129】
本発明のさらなる態様において、上記で与えられ又は以下でさらに詳細に与えられる1つ以上の実施形態などによる、本発明による検出器の使用が、交通技術における位置測定;娯楽用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシンインターフェース用途;追跡用途;写真撮影用途;画像化用途又はカメラ用途;少なくとも1つの空間のマップを生成するためのマッピング用途;車両用のホーミング又は追跡ビーコン検出器;屋外用途;モバイル用途;通信用途;マシンビジョン用途;ロボット用途;品質管理用途;製造用途、からなる群から選択される使用目的のために、提案される。
【0130】
物体は、一般的に、生物であってもよく、又は、非生物であってもよい。検出器又は検出器システムは、少なくとも1つの物体を含んでよく、それによって、該物体は、検出器システムの一部を形成する。しかし、好ましくは、物体は、少なくとも1つの空間次元において、検出器から独立して移動することが可能である。物体は一般的に任意の物体であってもよい。一実施形態では、物体は剛体物体であってよい。例えば、物体が非剛体物体であるか、又はその形状を変化させ得る物体など、他の実施形態が可能である。
【0131】
本発明の検出器及び装置のさらなる使用に関しては、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1が参照され、その内容は参照によって含まれる。
【0132】
したがって、具体的には、本出願は、写真撮影の分野に適用され得る。したがって、検出器は、写真撮影装置、具体的には、デジタルカメラの一部であってよい。特に、検出器は3D写真撮影、具体的にはデジタル3D写真撮影に使用され得る。したがって、検出器はデジタル3Dカメラを形成し、又はデジタル3Dカメラの一部であってよい。本明細書で使用される場合、「写真撮影」という用語は、一般的に少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「カメラ」は一般に写真撮影を行うのに構成された装置である。本明細書でさらに使用される場合、「デジタル写真撮影」という用語は一般に、照射の強度及び/又は色を示す電子信号、好ましくは、デジタル電子信号を生成するように構成された複数の感光要素を使用することによって、少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用される場合、「3D写真撮影」という用語は一般的に、三次元空間における少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。したがって、3Dカメラは3D写真撮影を実行するように構成された装置である。カメラは一般的に、単一の画像、例えば単一の3D画像を取得するように構成されてもよく、又は複数の画像、例えば一連の画像を取得するように構成されてよい。したがって、カメラは、デジタルビデオシーケンスを取得するためなどの、ビデオ用途に構成されたビデオカメラであってもよい。
【0133】
したがって、一般的に、本発明は、さらに、少なくとも1つの物体を画像化するためのカメラ、具体的には、デジタルカメラ、より具体的には、3Dカメラ又はデジタル3Dカメラに言及する。上記で概説したように、「画像化」という用語は、本明細書で使用される場合、一般的に、少なくとも1つの物体の画像情報を取得することを指す。カメラは本発明による少なくとも1つの検出器を含む。カメラは、上記で概説したとおり、単一の画像を取得するように構成されてもよく、又は画像シーケンス、好ましくはデジタルビデオシーケンスなどの複数の画像の取得するように構成されてもよい。したがって、一例として、カメラは、ビデオカメラであるか、又は、それを含み得る。後者の場合、カメラは好ましくは画像シーケンスを保存するためのデータメモリを含む。
【0134】
本発明で使用されるとき、「位置」という表現は一般的に、物体の1つ以上の点の絶対位置及び方向付けに関する少なくとも1つの情報項目を指す。したがって、具体的には、位置は検出器の座標系、例えばデカルト座標系において決定され得る。しかし、付加的又は代替的に、他の種類の座標系、例えば極座標系及び/又は球座標系も使用され得る。
【0135】
上記に概説されたように、及び、さらに詳細に下記に概説されるように、本発明は好ましくはヒューマンマシンインターフェース分野、スポーツ分野、及び/又はコンピュータゲーム分野に適用され得る。したがって、好ましくは、物体は、ラケット、クラブ、バットからなる群から好ましくは選択されるスポーツ用品、衣類、帽子、靴からなる群から選択されることができる。他の実施形態も実現可能である。
【0136】
検出器の座標系であってよい物体位置を決定するための座標系に関して、検出器は、検出器の光軸がz軸を形成し、また追加的にz軸に直交しかつ互いに直交するx軸とy軸が提供され得る座標系を、構成することができる。一例として、検出器及び/又は検出器の一部は、この座標系の原点など、この座標系における特定の点に所在し得る。この座標系において、z軸に平行又は逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、z軸に沿った座標を、縦方向座標と考えることができる。縦方向に対して垂直な任意の方向を横方向と考え、x座標及び/又はy座標を横方向座標と考えることができる。
【0137】
代替的に、他のタイプの座標系を使用してよい。したがって、一例として、光軸がz軸を形成し、z軸からの距離及び極角が付加的な座標として使用され得る極座標系を使用することができる。同様に、z軸に平行又は逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、z軸に沿った座標を縦方向座標と考えることができる。z軸に対して垂直な任意の方向を横方向と考え、また極座標及び/又は極角を横方向座標と考えることができる。
【0138】
検出器は、少なくとも1つの物体及び/又はその一部の位置に関する少なくとも1つの情報項目を提供するように構成された装置であってよい。したがって、位置は、好ましくは検出器の座標系における、物体又は物体の一部の位置を完全に記述する情報項目を指してもよく、又は位置を部分的にのみ記述する部分的情報を指してもよい。検出器は一般的に、ビーコン装置から検出器へと伝播する光ビームなどの光ビームを検出するように構成された装置であり得る。
【0139】
評価装置及び検出器は、単一の装置に完全に又は部分的に一体化されてよい。したがって、一般的に、評価装置も検出器の一部を形成することができる。代替的に、評価装置及び検出器は、別々の装置として完全に又は部分的に具現化されてよい。検出器はさらなる構成要素を含んでよい。
【0140】
検出器は、固定式装置、又は移動式装置であってよい。さらに、検出器は独立型装置であってもよく、あるいはコンピュータ、車両又は如何なる他の装置のような別の装置の一部を形成していてもよい。さらに、検出器は携帯型装置であってよい。検出器の他の実施形態も実現可能である。
【0141】
評価装置は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つ以上の集積回路、及び/又は、1つ以上コンピュータ、好ましくは1つ以上のマイクロコンピュータ、及び/又はマイクロコントローラ、フィールドコンパイラアレイ、又はデジタルシグナルプロセッサなどの、1つ以上のデータ処理装置であるか、又はそれらを含んでいてもよい。追加の構成要素、例えば、1つ以上の処理装置、及び/又は1つ以上のAD変換器及び/又は1つ以上のフィルタなどの、センサ信号の受信及び/又は前処理を行う1つ以上装置などのデータ収集装置が含まれていてもよい。さらに、評価装置は、電流及び/又は電圧を測定するための1つ以上の測定装置などの、1つ以上の測定装置を備えることができる。さらに、評価装置は1つ以上のデータ保存装置を含むことができる。さらに、評価装置は、1つ以上のインターフェース、例えば1つ以上の無線インターフェース及び/又は1つ以上の有線インターフェースを含むことができる。
【0142】
少なくとも1つの評価装置は、例えば本発明による方法の方法ステップの1つ又は複数又はすべてさえも実行又はサポートするように構成された少なくとも1つのコンピュータプログラムなどの、少なくとも1つのコンピュータプログラムを実行するように構成され得る。一例として、センサ信号を入力変数として使用することによって物体の位置を決定する1つ以上のアルゴリズムが、実装され得る。
【0143】
評価装置は、光センサ及び/又は評価装置によって得られる情報などの情報を、表示すること、視覚化すること、分析すること、配布すること、通信すること、又は、さらに処理することのうちの1つ以上のために使用され得る少なくとも1つのさらなるデータ処理装置に、接続されることができ、又は、それを含むことができる。データ処理装置は、一例として、ディスプレイ、プロジェクタ、モニタ、LCD、TFT、ラウドスピーカ、マルチチャネルサウンドシステム、LEDパターン、又は、さらなる視覚化装置うちの少なくとも1つに接続されることができ、又は、それを組み込むことができる。それはさらに、Eメール、テキストメッセージ、電話、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線又はインターネットインターフェース、ポート又は接続部のうちの1つ又は複数を使用して、暗号化された情報又は暗号化されていない情報を送ることができる、通信装置又は通信インターフェース、コネクタ又はポートのうちの少なくとも1つに、さらに接続されることができ、又はそれを組み込むことができる。それはさらに、プロセッサ、グラフィックプロセッサ、CPU、Open Multimedia Applications Platform(OMAP(登録商標))、集積回路、Apple Aシリーズ又はSamsung S3C2シリーズの製品、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサなどのようなシステムオンチップ、ROM、RAM、EEPROM、又はフラッシュメモリなどの1つ以上のメモリブロック、発振器もしくは位相同期ループなどのタイミングソース、カウンタタイマ、リアルタイムタイマ、又はパワーオン-リセット-ジェネレーター、電圧調整器、電力管理回路、又はDMAコントローラのうちの少なくとも1つにさらに接続されることができ、又はそれを組み込むことができる。個々のユニットは、さらに、AMBAバスなどのバスによって、モノのインターネット又はインダストリー4.0タイプのネットワークに接続され得るか、統合され得る。
【0144】
評価装置及び/又はデータ処理装置は、シリアル又はパラレルのインターフェース又はポート、USB、Centronics Port、FireWire(登録商標)、HDMI(登録商標)、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、RFID、Wi-Fi、USART、もしくはSPIのうちの1つ以上などの外部インターフェース又はポート、あるいは、ADC又は、DAC、又はCameraLinkのようなRGBインターフェースを使用して2Dカメラ装置のようなさらなる装置への標準化されたインターフェースもしくはポートのうちの1つ以上などのアナログインターフェース又はポートによって接続されていてもよく、又はそれらを有していてもよい。さらに、評価装置及び/又はデータ処理装置は、さらに、プロセッサ間インターフェースもしくはポート、FPGA-FPGA-インターフェース、又は、シリアルもしくはパラレルインターフェースポートのうちの1つ以上によって接続され得る。さらに、評価装置及びデータ処理装置は、さらに、光学ディスクドライブ、CD-RWドライブ、DVD+RWドライブ、フラッシュドライブ、メモリカード、ディスクドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク、又はソリッドステートハードディスクのうちの1つ以上に接続され得る。
【0145】
評価装置及び/又はデータ処理装置は、フォンコネクタ、RCAコネクタ、VGAコネクタ、雄雌同体コネクタ、USBコネクタ、HDMI(登録商標)コネクタ、8P8Cコネクタ、BCNコネクタ、IEC60320 C14コネクタ、光ファイバコネクタ、Dサブミニチュアコネクタ、RFコネクタ、同軸コネクタ、SCARTコネクタ、XLRコネクタのうちの1つ以上などの、1つ以上のさらなる外部コネクタによって接続されていてもよく、又は、それらを有していてもよく、及び/又は、これらのコネクタのうちの1つ以上のための少なくとも1つの適切なソケットを組み込んでいてもよい。
【0146】
本発明による検出器、評価装置、又はデータ処理装置のうち1つ以上を組み込んだ単一の装置、例えば、光センサ、光学システム、評価装置、通信装置、データ処理装置、インターフェース、システムオンチップ、ディスプレイ装置、又はさらなる電子装置のうち1つ以上を組み込んだ単一の装置の可能な実施形態としては、携帯電話、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、テレビジョン、ゲームコンソール、又はさらなる娯楽装置がある。さらなる実施形態では、さらに詳細に下記に概説される3Dカメラ機能が、装置のハウジング又は外見における顕著な相違なしに、従来の2Dデジタルカメラを有する利用可能な装置の中に一体化されることができ、そこでは、ユーザにとっての顕著な相違は、3D情報を取得及び/又は処理することの機能だけであることが可能である。さらに本発明による装置は、360度デジタルカメラ又はサラウンドビューカメラに使用されることができる。
【0147】
具体的には、検出器、及び/又は評価装置及び/又はデータ処理装置などのその一部を組み込んだ実施形態としては、3Dカメラの機能のために、ディスプレイ装置、データ処理装置、光センサ、任意のセンサ光学系、及び評価装置を組み込んだ携帯電話があり得る。本発明による検出器は、特に、娯楽機器及び/又は携帯電話などの通信機器に一体化するのに適している。
【0148】
ヒューマンマシンインターフェースは、ユーザに直接又は間接的に取り付けられるか、ユーザによって保持されるかの少なくとも1つに構成された複数のビーコン装置を含むことができる。したがって、ビーコン装置の各々は、適切な固定装置などの任意の適切な手段によってユーザに独立して取り付けられることができる。追加的又は代替的に、ユーザは、少なくとも1つのビーコン装置又はビーコン装置の1つ以上を手に持つことによって、及び/又は、少なくとも1つのビーコン装置及び/又はビーコン装置を身体部分に含む衣服を着用することによって、保持及び/又は携帯することができる。
【0149】
ビーコン装置は一般に、少なくとも1つの検出器によって検出され得る任意の装置、及び/又は、少なくとも1つの検出器による検出を容易にする任意の装置であり得る。したがって、上記で概説したように、又は以下でさらに概説するように、ビーコン装置は、少なくとも1つの光ビームを生成するための1つ以上の照射源を有することによって、検出器によって検出される少なくとも1つの光ビームを生成するように構成された能動型ビーコン装置であり得る。追加的に代替的に、ビーコン装置は、別個の照射源によって生成された光ビームを反射するように構成された1つ以上の反射要素を提供することなどによって、完全に又は部分的に受動型ビーコン装置として設計されることができる。少なくとも1つのビーコン装置は、直接的又は間接的な方法で恒久的又は一時的にユーザに取り付けてもよく、及び/又はユーザによって携帯又は保持されてもよい。取り付けは、例えば、1つ以上の取り付け手段を使用することによって、及び/又は、ユーザによって少なくとも1つのビーコン装置を手で保持すること、及び/又はユーザがビーコン装置を着用することによってなど、ユーザ自身によって、行われてよい。
【0150】
追加的に又は代替的に、ビーコン装置は、物体に取り付けられたもの、及びユーザによって保持されている物体に一体化されたもの少なくとも1つであり、これは、本発明の意味において、ユーザがビーコン装置を保持しているという選択肢に含まれるべきである。したがって、以下にさらに詳細に概説されるように、ビーコン装置は、ヒューマンマシンインターフェースの一部であってよく、及びユーザによって保持又は携帯されてよく、及び、その方向が検出器装置によって認識され得る、制御要素に取り付けられ又は一体化されることができる。したがって、一般に、本発明は、本発明による少なくとも1つの検出器装置を含み、さらに少なくとも1つの物体を含み得る検出器システムも指し、そこでは、ビーコン装置は、物体に取り付けられ、物体によって保持され、物体に一体化されたものうち、少なくとも1つである。一例として、物体は好ましくは、その方向がユーザによって認識され得る制御要素を形成することができる。したがって、検出器システムは、上で概説したように、又は以下でさらに詳細に概説するように、ヒューマンマシンインターフェースの一部であってよい。一例として、ユーザは、1つ以上のコマンドをマシンに伝送するためなど、1つ以上の情報をマシンに伝送するために、特定の方法で制御要素を取り扱うことができる。
【0151】
代替的に、検出器システムは、他の方法で使用されてもよい。したがって、一例として、検出器システムの物体は、ユーザ、又は、ユーザの身体の一部とは異なってもよく、また、一例として、ユーザから独立して動く物体であってよい。一例として、検出器システムは、装置及び/又は製造プロセス及び/又はロボット工学プロセスなどの工業プロセスを制御するために使用されてよい。したがって、一例えば、物体は、マシン、及び/又は、方向が検出器システムを使用することによって検出され得るロボットアームなどのマシン部品であり得る。
【0152】
ヒューマンマシンインターフェースは、検出器装置が、ユーザの位置、又は、ユーザの少なくとも1つの身体部分の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように構成されてよい。具体的には、少なくとも1つのビーコン装置のユーザへの取り付け方法が既知である場合、該少なくとも1つのビーコン装置の位置を評価することによって、ユーザ又はユーザの身体部分の位置及び/又は方向に関する少なくとも1つの情報項目が取得され得る。
【0153】
ビーコン装置は、好ましくは、ユーザの身体又はユーザの身体部分に取り付け可能なビーコン装置、及びユーザが保持し得るビーコン装置のうちの1つである。上記に概説されているように、ビーコン装置は、完全に又は部分的に能動型ビーコン装置として設計されることができる。したがって、ビーコン装置は、検出器へ伝送される少なくとも1つの光ビーム、好ましくはビーム特性が既知である少なくとも1つの光ビームを生成するように構成された少なくとも1つの照射源を含むことができる。追加的又は代替的に、ビーコン装置は、照射源により生成された光を反射し、それによって検出器へ伝送される反射光ビームを生成するように構成された少なくとも1つの反射体を含むことができる。
【0154】
検出器システムの一部を形成し得る物体は、一般的に任意の形状を有し得る。好ましくは、検出器システムの一部である物体は、上で説明したように、手動などでユーザによって取り扱われ得る制御要素であってよい。一例として制御要素は、手袋、ジャケット、帽子、靴、ズボン及びスーツ、手で保持できる杖、バット、クラブ、ラケット、鞭、トイガンのような玩具からなる群から選択される少なくとも1つの要素であるか、又はそれを含んでいてもよい。したがって、一例として、検出器システムは、ヒューマンマシンインターフェース及び/又は娯楽装置の一部であってよい。
【0155】
本明細書で使用される場合、娯楽装置は、以下では1人以上のプレイヤーとも呼ばれる、1人以上のユーザのレジャー及び/又は娯楽の目的に供することができる装置である。一例として、娯楽装置はゲーミング、好ましくはコンピュータゲーミングの目的に供し得る。したがって、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワーク、又はコンピュータシステムに実装されることができ、又は、1つ以上のゲーミングソフトウェアプログラムを実行するコンピュータ、コンピュータネットワーク又はコンピュータシステムを含むことができる。
【0156】
娯楽装置は、上記にて開示された1つ以上の実施形態による、及び/又は以下で開示される1つ以上の実施形態によるなどの、本発明による少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含む。娯楽装置は、少なくとも1つの情報項目がヒューマンマシンインターフェースを用いてプレイヤーによって入力されることを可能にするように設計されている。該少なくとも1つの情報項目は、娯楽装置のコントローラ及び/もしくはコンピュータに伝送されることができ、及び/又は、これらによって使用されることができる。該少なくとも1つの情報項目は、好ましくは、ゲームの進行に影響を与えるように構成された少なくとも1つのコマンドを含むことができる。したがって、一例として、少なくとも1つの情報項目は、プレイヤー及び/又はプレイヤーの1つ以上の身体部分の少なくとも1つの方向に関する少なくとも1項目の情報を含むことができ、それによって、プレイヤーがゲーミングのために必要とされる特定の位置及び/又は方向及び/又は行動をシミュレートすることを可能にする。一例として、以下の動きの1つ以上は、シミュレートされ、及び、娯楽装置のコントローラ及び/又はコンピュータに伝達され得る:ダンス;ランニング;ジャンプ;ラケットのスイング;バットのスイング;クラブのスイング;例えば、トイガンを標的に向けることなど、ある物体を他の物体へ向けること。
【0157】
娯楽装置は、好ましくは、娯楽装置のコントローラ及び/又はコンピュータは、一部として又は全体として、情報に応じて娯楽機能を変更するように設計される。したがって、上述したように、ゲームの進行は、少なくとも1つの情報項目に応じて影響を受けることができる。したがって、娯楽装置は、少なくとも1つの検出器の評価装置とは別個の1つ以上のコントローラ、及び/又は、少なくとも1つの評価装置と完全に又は部分的に同一である1つ以上のコントローラ、又は、少なくとも1つの評価装置を含むことさえできる1つ以上のコントローラ、を含み得る。好ましくは、少なくとも1つのコントローラは、1つ以上のコンピュータ及び/又はマイクロコントローラなどの、1つ以上のデータ処理装置を含むことができる。
【0158】
さらに本明細書で使用される場合、「追跡システム」は、少なくとも1つの物体及び/又は物体の少なくとも一部の、一連の過去の位置に関する情報を収集するように構成された装置である。さらに、追跡システムは、少なくとも1つの物体又は物体の少なくとも一部の予測される少なくとも1つの将来の位置及び/又は方向に関する情報を提供するように構成されることができる。追跡システムは、少なくとも1つの追跡コントローラを有し、該少なくとも1つの追跡コントローラは、電子装置として、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置として、より好ましくは少なくとも1つのコンピュータ又はマイクロコントローラとして完全に又は部分的に具現化されることができる。繰り返しになるが、該少なくとも1つの追跡コントローラは、少なくとも1つの評価装置を完全に又は部分的に有してもよく、及び/又は、少なくとも1つの評価装置の一部であってもよく、及び/又は、完全に又は部分的に少なくとも1つの評価装置と同一であってもよい。
【0159】
追跡システムは、上記に挙げた1つ以上の実施形態に開示されているような、及び/又は下記の1つ以上の実施形態において開示されるような、少なくとも1つの検出器などの、本発明による少なくとも1つの検出器を含む。追跡システムはさらに、少なくとも1つの追跡コントローラを含む。追跡コントローラは、少なくとも1つの位置情報及び少なくとも1つの時間情報をそれぞれ含むデータ又はデータ対のグループを記録することなどにより、特定の時点での物体の一連の位置を追跡するように構成されている。
【0160】
追跡システムはさらに、本発明による少なくとも1つの検出器システムを含んでよい。したがって、少なくとも1つの検出器及び少なくとも1つの評価装置及び任意の少なくとも1つのビーコン装置に加えて、追跡システムは、さらに、物体自体又はその一部、例えば、ビーコン装置又は少なくとも1つのビーコン装置を含む少なくとも1つの制御要素を含むことができ、該制御要素は、追跡される物体に直接又は間接的に取り付け可能であるか、又は一体化可能である。
【0161】
追跡システムは、追跡システム自体、及び/又は1つ以上の別個の装置の1つ以上の動作を開始するように構成され得る。後者の目的のために、追跡システム、好ましくは、追跡コントローラは、少なくとも1つの動作を開始するための1つ以上の無線及び/又は有線接続インターフェース及び/又は他のタイプの制御接続を有することができる。好ましくは、少なくとも1つの追跡コントローラは、物体の少なくとも1つの実際の位置にしたがって少なくとも1つの動作を開始するように構成され得る。一例として、動作は、物体の将来の位置を予測すること;少なくとも1つの装置を物体に向けること;少なくとも1つの装置を検出器に向けること;物体を照射すること;検出器を照射すること、からなる群から選択され得る。
【0162】
追跡システムの適用の一例として、追跡システムは、第1物体及び/又は第2物体が動いても、少なくとも1つの第1物体を少なくとも1つの第2物体に連続的に向けるように使用されることができる。同じく可能な例は、ロボット工学、及び/又は製造ラインもしくは組み立てラインにおける製造途中など、物品がたとえ移動中であっても物品に対して継続的に行う作業などの産業用途に見出すことができる。追加的に又は代替的に、追跡システムは、物体が移動しているかもしれないにもかかわらず、照射源を物体に連続的に向けることによって、物体を連続的に照射することなど、照射目的のために使用され得る。さらなる用途は、送信機を移動中の物体に向けることによって、連続的に情報を移動中の物体に伝送するためなど、通信システムに見出すことができる。
【0163】
全体として、本発明の文脈において、以下の実施形態が好ましいと考えられる。
【0164】
実施形態1:少なくとも2つの照射パターンで少なくとも1つの物体を照射するプロジェクタであって、前記プロジェクタは、少なくとも1つの調整可能レーザ源と、少なくとも1つの回折光学素子とを備え、そこでは前記プロジェクタは調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御することによってそれぞれ複数の照射特徴を含む少なくとも2つの照射パターンを生成するように構成され、前記プロジェクタは少なくとも1つの制御ユニットを備え、前記制御ユニットは調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御するように構成されている、プロジェクタ。
【0165】
実施形態2:前記調整可能レーザ源の前記少なくとも1つの特性は、電圧、電流、温度、放射波長、強度などからなる群から選択される少なくとも1つの特性である、先行する実施形態によるプロジェクタ。
【0166】
実施形態3:前記制御ユニットは、前記調整可能レーザ源に電子信号を印加することによって、前記調整可能レーザ源の前記少なくとも1つの特性を制御するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0167】
実施形態4:前記プロジェクタは、2つの照射パターンを少なくとも部分的に異なる位置に投影するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0168】
実施形態5:前記プロジェクタは、少なくとも2つの放射モードで作動可能であって、前記制御ユニットは、前記調整可能レーザ源に電子信号を印加することによって、前記放射モードを調整するように構成されており、前記調整可能レーザ源は、第1放射モードでは、第1放射波長λを有し、前記調整可能レーザ源は、第2放射モードでは、第1放射波長λとは異なる第2放射波長λを有する、先行する実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0169】
実施形態6:前記調整可能レーザ源の放射波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどの1つ以上によって調整可能である、先行する実施形態によるプロジェクタ。
【0170】
実施形態7:前記制御ユニットは、放射波長を段階的又は連続的に調整するように構成されており、それによって照射パターンの位置を調整する、先行する2つの実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0171】
実施形態8:前記制御ユニットは、放射波長を段階的に調整するように構成されており、前記段階のサイズは、0.001~5nmの範囲内、好ましくは0.01~0.5nmの範囲内、最も好ましくは0.05~0.15nmの範囲内である、先行する実施形態によるプロジェクタ。
【0172】
実施形態9:前記第1放射波長λと前記第2放射波長λは分離可能であり、前記第1放射波長λと前記第2放射波長λは、40nm≧│λ-λ│≧1nm、好ましくは30nm≧│λ-λ│≧2.5nm、より好ましくは20nm≧│λ-λ│≧4nmだけ異なる、先行する4つの実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0173】
実施形態10:前記第1放射波長λ及び前記第2放射波長λは安定しており、波長の変動Δλは、波長に比べて小さく、Δλ≦1.5%、好ましくはΔλ≦0.5%、より好ましくはΔλ≦0.1%である、先行する5つの実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0174】
実施形態11:前記放射モードは強度が異なる、先行する6つの実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0175】
実施形態12:異なる放射モードで生成される前記照射パターンは、異なる開口角を有し、前記開口角は、0.5°以上、好ましくは1.5°以上、より好ましくは2.5°以上異なる、先行する7つの実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0176】
実施形態13:前記回折光学素子が前記照射パターンを生成する最小距離は、前記放射モードの変更に伴って変化する、先行する8つの実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0177】
実施形態14:前記調整可能レーザ源は、少なくとも1つの光パルスを生成するように構成されており、前記光パルスは、少なくとも1つのビームプロファイルを含み、前記制御ユニットは、前記光パルスの前記ビームプロファイル内の波長が、前記調整可能レーザ源に電子信号を印加することによって波長変動ΔΛだけ変化するように、前記光パルスの波長を調整するように構成され、及び/又は、一連の光パルスのうちの少なくとも2つの光パルスの波長が波長変動ΔΛだけ変化するように、一連の光パルスの光パルスの波長を調整するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0178】
実施形態15:前記光パルスの波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどのうちの1つ以上によって調整可能である、先行する実施形態によるプロジェクタ。
【0179】
実施形態16:前記波長変動ΔΛは、波長に比べて小さく、前記波長変動は、0.01%≦|ΔΛ|≦10%、好ましくは0.02%≦|ΔΛ|≦2%、より好ましくは0.075%≦|ΔΛ|≦0.75%の範囲内にある、先行する2つの実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0180】
実施形態17:前記プロジェクタは、同数の前記調整可能レーザ源と前記回折光学素子を備えている、先行する実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0181】
実施形態18:前記プロジェクタは、1つの回折光学素子及び1つのレーザ源を備える、先行する実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0182】
実施形態19:それぞれの照射パターンは、少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;ランダム点パターン又は準ランダムパターン;少なくとも1つのソボル(Sobol)パターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン;少なくとも1つの長方形パターン;凸状の均一なタイル状体(tiling)を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線又は交差線などの少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含む、先行する実施形態のいずれか1つによるプロジェクタ。
【0183】
実施形態20:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、前記検出器は、
- 先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも2つの照射パターンで物体を照射するための少なくとも1つのプロジェクタと;
- 光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素であって、前記光センサはそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは、物体から検出器へ伝播する反射光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記センサ要素は、少なくとも1つの反射画像を決定するように構成されている、センサ要素と;
- 少なくとも1つの評価装置であって、前記評価装置は、前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択するように構成され、前記評価装置は、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することによって、前記反射画像の前記選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、評価装置と、
を備える、検出器。
【0184】
実施形態21:前記センサ要素は、少なくとも1つの撮像フレーム内で前記反射画像を決定するように構成されており、1つの撮像フレームの持続時間は、前記プロジェクタの前記調整可能レーザ源のパルス持続時間又は前記プロジェクタの前記調整可能レーザ源の一連のパルスの持続時間に対応している、先行する実施形態による検出器。
【0185】
実施形態22:前記一連のパルスは複数のパルスからなり、パルスシーケンスあたりのパルス数は、2~20000パルスの範囲内、好ましくは5~10000パルスの範囲内、より好ましくは10~1000パルスの範囲内であることを特徴とする、先行する実施形態による検出器。
【0186】
実施形態23:前記光センサが少なくとも1つのグローバルシャッタCMOSの一部であるか、又はそれを構成している、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0187】
実施形態24:前記評価装置は、センサ信号を除算すること、センサ信号の倍数を除算すること、センサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって結合信号Qを導出するように構成されている、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0188】
実施形態25:前記評価装置は、縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標zとの間の少なくとも1つの予め決定された関係を使用するように構成されている、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0189】
実施形態26:前記評価装置は、下式によって結合信号Qを導出するように構成されている、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0190】
【数3】
【0191】
ここで、x及びyは横方向座標であり、A1及びA2は、センサ要素の位置における反射光ビームの少なくとも1つのビームプロファイルの異なるエリアであり、E(x,y,zo)は、物体距離zoで与えられるビームプロファイルを表し、前記センサ信号の各々は、前記反射光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つのエリアの少なくとも1つの情報を含んでいる。
【0192】
実施形態27:前記感光エリアは、第1センサ信号がビームプロファイルの第1エリアの情報を有し、第2センサ信号がビームプロファイルの第2エリアの情報を有するように構成され、前記ビームプロファイルの前記第1エリアと前記ビームプロファイルの前記第2エリアは、隣接領域又は重複領域の一方又は両方である、先行する実施形態による検出器。
【0193】
実施形態28:前記評価装置は、前記ビームプロファイルの前記第1エリアと前記ビームプロファイルの前記第2エリアとを決定するように構成され、前記ビームプロファイルの前記第1エリアは、本質的に前記ビームプロファイルのエッジ情報を有し、前記ビームプロファイルの前記第2エリアは、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を有し、前記エッジ情報は、前記ビームプロファイルの前記第1エリアの光子の数に関連する情報を有し、前記中心情報は、前記ビームプロファイルの前記第2エリアの光子の数に関連する情報を有する、先行する実施形態による検出器。
【0194】
実施形態29:前記少なくとも1つの評価装置が、
a) 最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサを決定し、少なくとも1つの中心信号を形成すること、
b) 前記マトリックスの前記光センサの前記センサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること、
c) 前記中心信号と前記和信号を結合して少なくとも1つの結合信号を決定すること 、
d) 前記結合信号を評価することによって縦方向領域を決定すること、
によって前記センサ信号を評価するように構成されている、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0195】
実施形態30:前記結合信号は、前記中心信号と前記和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;前記中心信号の倍数と前記和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;前記中心信号の線形結合と前記和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、の1つ以上によって導出される商信号Qである、先行する実施形態による検出器。
【0196】
実施形態31:前記評価装置は、前記結合信号Qを評価することにより前記選択された反射特徴の縦方向領域を決定するように構成され、前記縦方向領域は、前記縦方向座標z及び誤差間隔±εによって与えられ、前記評価装置が、前記縦方向領域に対応する少なくとも1つの参照画像における少なくとも1つの変位領域を決定するように構成され、前記評価装置は、前記選択された反射特徴を前記変位領域内の少なくとも1つの参照特徴とマッチングさせるように構成され、前記評価装置は、前記マッチングされた参照特徴と前記選択された反射特徴の変位を決定するように構成され、前記評価装置は、縦方向情報と変位との間の予め決定された関係を使用して前記マッチングされた参照特徴の縦方向情報を決定するように構成されている、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0197】
実施形態32:前記参照画像及び前記反射画像は、一定の距離を有する異なる空間位置で決定された前記物体の画像であって、前記評価装置は、前記参照画像におけるエピポーラ線を決定するように構成されている、先行する実施形態による検出器。
【0198】
実施形態33:前記変位領域は前記エピポーラ線に沿って延び、前記評価装置は、前記縦方向座標zに対応する前記エピポーラ線に沿った前記参照特徴を決定し、前記誤差間隔±εに対応して前記エピポーラ線に沿った前記変位領域の範囲を決定するように構成されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0199】
実施形態34:前記評価装置は以下のステップ:
- 各反射特徴の画像位置に対する前記変位領域を決定するステップと、
- 前記変位領域に最も近いエピポーラ線、及び/又は前記変位領域内のエピポーラ線、及び/又は前記エピポーラ線に垂直な方向に沿って変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるように、エピポーラ線を各反射特徴の前記変位領域に割り当てるステップと、
- 前記割り当てられた変位領域に最も近い前記参照特徴、及び/又は前記割り当てられた変位領域内の前記参照特徴、及び/又は前記割り当てられたエピポーラ線に沿って前記割り当てられた変位領域に最も近い前記参照特徴、及び/又は前記割り当てられたエピポーラ線に沿って前記割り当てられた変位領域内の前記参照特徴を割り当てるように、各反射特徴に少なくとも1つの参照特徴を割り当て及び/又は決定するステップと、
を実行するように構成されている、先行する実施形態による検出器。
【0200】
実施形態35:前記評価装置は、前記決定された縦方向座標zを考慮して少なくとも1つの評価アルゴリズムを用いることにより、前記反射画像の前記選択された特徴を前記変位領域内の前記参照特徴とマッチングさせるように構成され、前記評価アルゴリズムは線形スケーリングアルゴリズムである、先行する4つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0201】
実施形態36:前記検出器は、それぞれが光センサのマトリックスを有する少なくとも2つのセンサ要素を有し、少なくとも1つの第1センサ要素及び少なくとも1つの第2センサ要素は異なる空間位置に配置され、前記第1センサ要素と前記第2センサ要素との間の相対距離は固定されており、前記少なくとも1つの第1センサ要素は少なくとも1つ第1反射パターンを決定するように構成され、前記少なくとも1つの第2センサ要素は少なくとも1つの第2反射パターンを決定するように構成され、前記評価装置は前記第1センサ要素又は前記第2センサ要素によって決定された少なくとも1つの画像を反射画像として選択し、及び、前記第1センサ要素又は前記第2センサ要素の他の要素によって決定された少なくとも1つの画像を参照画像として選択するように構成されている、先行する5つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0202】
実施形態37:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムであって、前記検出器システムは検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を有し、前記検出器システムはさらに少なくとも1つの光ビームを前記検出器に向けるように構成された少なくとも1つのビーコン装置を有し、前記ビーコン装置は、物体に取り付け可能、物体によって保持可能、及び物体に一体化可能のうちの少なくとも1つである、検出器システム。
【0203】
実施形態38:ユーザとマシンの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェースであって、前記ヒューマンマシンインターフェースは、先の実施形態による少なくとも1つの検出器システムを有し、前記少なくとも1つのビーコン装置は、ユーザに直接又は間接的に取り付けられ、及びユーザによって保持されるうちの少なくとも1つであるように構成され、前記ヒューマンマシンインターフェースは、前記検出器システムによって前記ユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計され、前記ヒューマンマシンインターフェースは、少なくとも1つの情報項目を前記位置に割り当てるように設計されている、ヒューマンマシンインターフェース。
【0204】
実施形態39:少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置であって、前記娯楽装置は、先行する実施形態による少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを有し、前記娯楽装置は、前記ヒューマンマシンインターフェースによって少なくとも1項目の情報がプレイヤーによって入力されることを可能にするように設計され、前記娯楽装置は、前記情報に応じて前記娯楽機能を変化させるように設計されている、娯楽装置。
【0205】
実施形態40:少なくとも1つの移動可能な物体の位置を追跡するための追跡システムであって、前記追跡システムは、検出器システムを参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器システムを有し、前記追跡システムは少なくとも1つの追跡コントローラをさらに有し、前記追跡コントローラは、特定時点における物体の一連の位置を追跡するように構成されている、追跡システム。
【0206】
実施形態41:情景の深度プロファイルを決定するための走査システムであって、前記走査システムは、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を有し、前記走査システムは、少なくとも1つの光ビームで前記情景を走査するように構成された少なくとも1つの照射源をさらに有している、走査システム。
【0207】
実施形態42:少なくとも1つの物体を画像化するためのカメラであって、前記カメラは検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を含む、カメラ。
【0208】
実施形態43:検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を使用して、少なくとも1つの物体の位置を決定する方法であって、以下のステップ:
- 前記検出器の少なくとも1つのプロジェクタによって生成された少なくとも2つの照射パターンで前記物体を照射するステップと、
- 前記物体から前記検出器へ伝播する少なくとも1つの反射光による光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成するステップであって、前記光センサはそれぞれ感光エリアを有している、ステップと、
- 前記センサ要素を用いて、少なくとも1つの反射画像を決定するステップと、
- 前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置を使用して前記センサ信号を評価し、それによって前記選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップであって、前記評価は前記センサ信号からの結合信号Qを評価することを含む、ステップと、
を含む、方法。
【0209】
実施形態44:前記プロジェクタは、少なくとも1つの調整可能レーザ源と、少なくとも1つの回折光学素子とを有し、前記方法は、少なくとも1つの制御ユニットを用いて、前記調整可能レーザ源の少なくとも1つの特性を制御することを含む、先行する実施形態による方法。
【0210】
実施形態45:前記プロジェクタは、少なくとも2つの放射モードで作動可能であり、前記方法は、前記調整可能レーザ源に電子信号を印加することにより、前記制御ユニットを用いて前記放射モードを調整することを含み、前記調整可能レーザ源は第1放射モードでは第1放射波長λを有し、前記調整可能レーザ源は第2放射モードでは前記第1放射波長λと異なる第2放射波長λを有する、先行する実施形態による方法。
【0211】
実施形態46:先行する実施形態のいずれか1つによる検出器の使用であって、使用目的が、交通技術における位置測定、娯楽用途、セキュリティ用途、監視用途、安全用途、ヒューマンマシンインターフェース用途、物流用途、追跡用途、屋外用途、モバイル用途、通信用途、写真用途、マシンビジョン用途、ロボット用途、品質管理用途、製造用途からなる群から選択される、使用。
【図面の簡単な説明】
【0212】
本発明のさらなる任意の詳細及び特徴は、従属請求項と関連して続く好ましい例示的な実施形態の説明から明らかである。この文脈では、特定の特徴は、個別に実施されても、又は他の特徴と組み合わせて実施されてもよい。本発明は、例示的な実施形態に限定されない。例示的な実施形態は、図に模式的に示されている。個々の図における同一の符号は、同一の要素又は同一の機能を有する要素、又はその機能に関して互いに対応する要素を指している。
【0213】
具体的には、以下の図の中で:
図1】本発明による検出器の一実施形態を示す図である。
図2図2A~2Cは、単一波長を用いて投影した照射パターン(図2A)、小さい変動を有する3つの波長で投影された3つの照射パターン(図2B)、大きな変動を有する3つの波長で投影された3つの照射パターン(図2C)を示す図である。
図3図3A及び図3Bは、単一波長の単一レーザパルスのCMOSで記録した光スポット、及び異なる波長の一連の50レーザパルスのCMOSで記録した光スポットを示す図である。
図4】検出器システム、カメラ、娯楽機器、追跡システム、走査システムの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0214】
図1は、少なくとも1つの物体112の位置を決定するための検出器110の第1の実施形態を高度に概略的に示している。検出器110は、光センサ118のマトリックス116を有する少なくとも1つのセンサ要素114を有している。光センサ118はそれぞれ、感光エリア120を有している。
【0215】
センサ要素114は、一体の単一装置として、又はいくつかの装置の組み合わせとして形成され得る。マトリックス116は、具体的には、1つ以上の行及び1つ以上の列を有する長方形のマトリックスであってもよく、又はそれを含んでいてもよい。行と列は、具体的には長方形方式に配置されてよい。しかしながら、非長方形の配置など、他の配置も可能である。一例として、円形の配置も可能であり、そこでは要素は中心点のまわりに同心円又は楕円に配置される。例えば、マトリックス116は、ピクセルの単一の行であってよい。他の配置も可能である。
【0216】
マトリックス116の光センサ118は、具体的には、サイズ、感度、及び他の光学的、電気的、機械的特性のうちの1つ以上で等しくてよい。マトリックス116の全ての光センサ118の感光エリア120は、具体的には、共通の平面内に配置されてよく、該共通平面は、好ましくは、物体112から検出器110に伝播する光ビームが該共通平面上に光スポットを生成するように、物体に面している。感光エリア120は、具体的には、それぞれの光センサ118の表面に位置することができる。しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0217】
光学センサ118は、例えば、少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置を含んでいてもよい。一例として、光センサ118は、ピクセル化光学装置の一部であってもよく、又はそれを構成していてもよい。一例として、光センサは、ピクセルのマトリックスを有し、各ピクセルが感光エリア120を形成する少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置の一部であってもよく、又はそれを構成してもよい。好ましくは、検出器は、光センサ118がフレーム又は撮像フレームと呼ばれる一定の期間内で同時に露光されるように構成される。例えば、光センサ118は、少なくとも1つのグローバルシャッタCMOSの一部であってもよく、又はそれを構成していてもよい。
【0218】
光センサ118は、具体的には、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であってもよいし、又はそれらを含んでいてもよい。具体的には、光センサ118は、赤外スペクトル範囲において感度を有してよい。マトリックス116の光センサ118の全て、又はマトリックス116の光センサ118の少なくとも一群は、具体的には同一であってよい。マトリックス116の同一の光センサ118の群は、具体的には、異なるスペクトル範囲について提供されてもよく、又は全ての光センサは、スペクトル感度に関して同一であってよい。さらに、光センサ118は、サイズ及び/又はそれらの電子的又は光電子的特性に関して同一であってよい。マトリックス116は、独立した光センサ118で構成されてよい。したがって、マトリックス116は、無機フォトダイオードから構成されていてもよい。しかしながら、代替的に、市販のマトリックス、例えば、CCD検出器チップなどの1つ以上のCCD検出器、及び/又はCMOS検出器チップなどのCMOS検出器が使用されてもよい。
【0219】
光センサ118は、センサアレイを形成してもよく、又は上述のマトリックスなどのセンサアレイの一部であってよい。したがって、一例として、検出器110は、例えばm行及びn列を有する長方形アレイなどの光センサ118のアレイを有することができ、ここでm、nは独立して正の整数である。好ましくは、1つ以上の列及び1つ以上の行が与えられ、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2~16以上であり得、mは2~16以上であり得る。好ましくは、行数と列数の比は1に近い。一例として、n及びmは、m/n=1:1、4:3、16:9又は類似のものを選択することなどにより、0.3≦m/n≦3となるように選択され得る。一例として、アレイは、m=2、n=2又はm=3、n=3などを選択することなどにより、等しい数の行及び列を有する正方形アレイであってよい。
【0220】
マトリックス116は、具体的には、少なくとも1行、好ましくは複数行及び複数列を有する長方形のマトリックスであってよい。一例として、行及び列は、実質的に垂直な方向に方向付けられてよい。広い視野を提供するために、マトリックス116は、具体的には、少なくとも10行、好ましくは少なくとも50行、より好ましくは少なくとも100行を有することができる。同様に、マトリックスは、少なくとも10列、好ましくは少なくとも50列、より好ましくは少なくとも100列を有することができる。マトリックス116は、少なくとも50個の光センサ118、好ましくは少なくとも100個の光センサ118、より好ましくは少なくとも500個の光センサ118を含むことができる。マトリックス116は、数メガピクセルの範囲の数のピクセルを含むことができ。しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0221】
検出器110は、物体112を少なくとも2つの照射パターン124で照射するためのプロジェクタ122をさらに含む。プロジェクタ122は、特に少なくとも1つの光ビームを生成するための少なくとも1つの調整可能レーザ源126を備える。プロジェクタ122は、特に調整可能レーザ源126の光ビームから照射パターン124を生成及び/又は形成するための、少なくとも1つの回折光学素子128を備える。プロジェクタ122は、照射パターン124が、プロジェクタ122から、特にプロジェクタ122のハウジングの少なくとも1つの開口部130から、物体112に向かって伝播するように構成されることができる。さらに、追加の照射パターンが、少なくとも1つの周囲光源によって生成されてよい。プロジェクタ122は、それぞれが複数の照射特徴を含む少なくとも2つの照射パターン124を生成するように構成される。プロジェクタ122は、それぞれ複数の照射特徴を含む2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の照射パターンを投影するように構成されてよい。照射パターン124は、具体的には、照射特徴の数、照射特徴の配置、照射特徴の形状、照射特徴の波長、照射特徴の強度、開口角などの1つ以上において異なってよい。図1の実施形態では、プロジェクタ122は、特に波長の大きな変動を有する2つの照射パターン124を、物体112上に投影するように構成されることができる。これにより、異なるエリアを照射特徴でカバーすることができる。
【0222】
各照射パターン124は、以下の:少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターン;ランダム点パターン又は準ランダムパターン;少なくとも1つのソボル(Sobol)パターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン;少なくとも1つの長方形パターン;凸状の均一なタイル状体(tiling)を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線又は交差線などの少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含むことができる。例えば、プロジェクタ122は、点群を生成及び/又は投影するように構成され得る。例えば、プロジェクタ122は、照射パターン124が複数の点特徴を含み得るように、点群を生成するように構成され得る。プロジェクタ122は、調整可能レーザ源126によって生成された少なくとも1つの光ビームから照射パターン124を生成するように構成された回折光学素子を含んでいてよい。例えば、照射パターン124のそれぞれは、少なくとも1つのラインを含むことができる。例えば、調整可能レーザ源126は、少なくとも1つのラインレーザを含んでいてもよい。ラインレーザは、例えば水平又は垂直のレーザラインなど、レーザラインを物体に送るように構成されてよい。例えば、プロジェクタ122は、各照射パターン124が少なくとも2つの平行線又は交差線を含むように構成された少なくとも2つの調整可能ラインレーザ、又は1つの調整可能ラインレーザと非調整可能ラインレーザを含むことができる。
【0223】
照射パターンは、三角形パターン、長方形パターン、六角形パターン、又は凸状タイル状体をさらに含むパターンなどの、規則的及び/又は一定及び/又は周期的なパターンを含むことができる。照射パターンは、六角形パターンが好ましいように、面積当たり可能な限り多くのの特徴を含むことができる。それぞれの照射パターンの2つの特徴間の距離、及び/又は少なくとも1つの照射特徴の面積は、後述するように、少なくとも1つの光センサによって決定される画像の錯乱円に依存し得る。
【0224】
DOE128によって生成及び/又は形成される照射パターン124は、波長に依存し得る。具体的には、DOE128によって生成及び/又は形成される照射パターン124は、波長に強く依存する干渉パターン124であり得る。
【0225】
例えば、調整可能レーザ源126は、半導体調整可能レーザ、サンプル格子分布ブラッグ反射器レーザ(SG-DBR)、例えば(マイクロエレクトロメカニカルシステム)MEMS構造を用いた外部共振器レーザ、ダイオードレーザ、垂直共振器型面放射レーザ(VCSEL)、垂直共振器面放射レーザアレイ、分布帰還型レーザなどのうちの1つ以上を含むことができる。調整可能レーザ源は、350~1500nm、好ましくは400~1100nm、より好ましくは700~1000nm、最も好ましくは980~770nmの波長範囲にわたって調整可能であってよい。調整可能レーザ源126の例は、例えば、https://en.wikipedia.org/wiki/Tunable_laserに見出すことができる。調整可能レーザ源126は、ドライバ、具体的には調整可能ドライバを含むことができる。調整可能レーザ源126は、集束光学部品134を含んでよい。プロジェクタ122は、複数の調整可能レーザ源126を備えることができる。
【0226】
プロジェクタ122は、少なくとも1つの制御ユニット136を備える。制御ユニット136は、調整可能レーザ源126の少なくとも1つの特性を制御するように構成されている。調整可能レーザ源126の少なくとも1つの特性は、電圧、電流、温度、放射波長、強度などからなる群から選択される少なくとも1つの特性であってよい。例えば、調整可能レーザ源126の放射波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどの1つ以上によって調整可能であってよい。特に、調整可能レーザ源126から放出されるコヒーレント光の放射波長は、調整可能レーザ源を駆動するためのドライバ電流及び/又は温度に依存してよい。プロジェクタ122は、調整可能レーザ源126の少なくとも1つの特性を制御することにより、少なくとも2つの照射パターン124を生成するように構成されている。DOE128で生成及び/又は形成される照射パターン124のそれぞれは、波長に強く依存するため、放射波長が変化すると照射パターン124も変化する。
【0227】
制御ユニット136は、調整可能レーザ源126に電子信号を印加することによって、調整可能レーザ源126の少なくとも1つの特性を制御するように構成されていてよい。例えば、制御ユニット136は、ドライバ電流を変化させる、及び/又は、MEMSの状態を変化させる、及び/又は、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させるなどのように構成されてよい。
【0228】
制御ユニット136は、少なくとも1つの処理装置、特に少なくとも1つのプロセッサ及び/又は少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる。制御ユニット136は、調整可能レーザ源126の制御を実行するように構成された1つ又は複数のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上のプログラム可能な装置を備えることができる。制御ユニット136は、多数のコンピュータコマンドを含むそこに保存されたソフトウェアコードを有する少なくとも1つの処理装置を含んでよい。制御ユニット136は、調整可能レーザ源126の制御を実行するための1つ又は複数のハードウェア要素を提供することができ、及び/又は、調整可能レーザ源の制御を実行するために、そこで作動するソフトウェアを有する1つ又は複数のプロセッサを提供することができる。制御ユニット136は、調整可能レーザ源の制御を行うための少なくとも1つの電子信号を発行及び/又は生成するように構成されていてよい。制御ユニット136は、調整可能レーザ源126を制御するための1つ以上の無線及び/又は有線結合インターフェース及び/又は他の種類の制御接続を有してもよい。制御ユニット136及び調整可能レーザ源は、1つ以上のコネクタ及び/又は1つ以上のインターフェースによって相互に接続されてもよい。
【0229】
調整可能レーザ源126は、赤外のスペクトル範囲の光を放射するように構成されていてよい。しかし、追加的又は代替的に、他のスペクトル範囲も実現可能であることに留意されたい。さらに、プロジェクタ122は、具体的に、変調された光又は変調されていない光を放射するように構成されてよい。複数の調整可能レーザ源126が使用される場合、異なる調整可能レーザ源126は、異なる変調周波数を有していてもよく、この変調周波数は、後に光ビーム、具体的にはそれぞれの照射パターンを識別するために使用されることができる。
【0230】
プロジェクタ122は、少なくとも2つの放射モードで作動可能であってよい。放射モードは、調整可能レーザ源126の放射光ビームの特性を設定及び/又は調整することによって調整されることができる。制御ユニット136は、調整可能レーザ源126に電子信号を印加することによって、放射モードを調整するように構成されてよい。例えば、第1放射モードでは、調整可能レーザ源126は、第1放射波長λを有し、第2放射モードでは、調整可能レーザ源126は、第1放射波長λとは異なる第2放射波長λを有することができる。調整可能レーザ源126の放射波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどの1つ以上によって調整可能であってよい。制御ユニット136は、放射波長を段階的又は連続的に調整するように構成されていてよい。プロジェクタ122は、2つの照射パターン124を少なくとも部分的に異なる位置に投影するように構成されていてよい。制御ユニット136は、放射波長を段階的又は連続的に調整するように構成され、それによって照射パターン124の位置を調整することができる。放射波長を調整することにより、光スポットなどの照射パターン124の照射特徴の位置は物体112上で変化することができる。通常、構造化光計測ためのプロジェクタでは、安定して測定を行うために、波長変化は厳密に避けられる。しかし、測定が単一点にのみ依存する光子比からの深度技術の場合、簡単な構成で点パターンを異なる位置に投影することが望ましい。物体112上での照射特徴の移動は、2つの照射特徴間の距離に比べて小さいことがあり得る。制御ユニット136は、放射波長を段階的に調整するように構成されていてもよく、その段階サイズは、0.001~5nmの範囲内、好ましくは0.01~0.5nmの範囲内、最も好ましくは0.05~0.15nmの範囲内である。このような小さな段階サイズは、物体112の所定領域を照射するために、CMOSなどのセンサ要素114の2D画像に従って照射パターンを移動させることを可能にする。
【0231】
調整可能レーザ源126の少なくとも2つの放射波長は、明確に分離されていて安定していてよい。分離は、DOE128が2つの明確に規定された波長に対して設計できることを保証することができる。第1放射波長λと第2放射波長λは、分離可能であってよい。第1放射波長λと第2放射波長λは、40nm≧│λ-λ│≧1nm、好ましくは30nm≧│λ-λ│≧2.5nm、より好ましくは20nm≧│λ-λ│≧4nmだけ異なっていてよい。第1放射波長λ及び第2放射波長λは、安定していてよい。安定性は、放射波長が照射パターン又はパターンの特徴を望ましくない方法で変動させる可能性があるため、放射波長の周囲の変動に関して重要であり得る。波長の変動Δλは、波長に比べて小さくてもよく、Δλ≦1.5%、好ましくはΔλ≦0.5%、より好ましくはΔλ≦0.1%である。さらに、明確に定義された放射波長及び安定性は、その内容が参照により含まれる2018年8月28日に出願された国際特許出願PCT/EP2018/073067に記載されているように、光子比からの深度に基づく三角測定にとって望ましく、そこでは、反射画像、具体的には反射パターン138と参照パターンの間の信頼性が高い比較を可能にするために、放射モードを決定する電子信号と照射パターンの間の対応は、明確に定義された既知の参照パターン124にとって必要である。
【0232】
放射モードは強度が異なることがあり得る。これは、測定のダイナミックレンジを向上させることができる。一例として、暗い物体は高輝度の放射モードで測定されることができる。明るい物体は低輝度の放射モードで測定されることができる。
【0233】
異なる放射モードで生成される照射パターン124は、異なる開口角を有していてよい。2つのパターンの開口角は、0.5°以上、好ましくは1.5°以上、より好ましくは2.5°以上異なっていてよい。このように、測定可能な視野は、放射モードを変えることで変更され得る。
【0234】
回折光学素子128が照射パターン124を生成する最小距離は、放射モードの変更に伴って変化してよい。したがって、放射モードの変更は、検出器110の測定範囲を変更させることを可能にすることもできる。
【0235】
調整可能レーザ源126は、少なくとも1つの光パルスを生成するように構成されていてよい。光パルスは、特定のパルス長を有する非連続的な光ビームを指す。光パルスは、少なくとも1つのビームプロファイルを含み得る。光ビームは空間的広がりを有することができる。具体的には、光ビームは、非ガウスビームプロファイルを有することができる。ビームプロファイルは台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル、からなる群から選択されてよい。台形ビームプロファイルは、プラトー領域と少なくとも1つのエッジ領域とを有することができる。光ビームは、ガウス光ビーム又はガウス光ビームの線形結合であり得る。ビームプロファイルは、光ビームの横方向の強度プロファイルであってよい。ビームプロファイルは、光ビームの断面であってよい。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル及びガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択されてよい。しかしながら、他の実施形態も実現可能である。プロジェクタ122は、ビームプロファイル、特にビームプロファイルの形を調整、定義及び決定することの1つ以上のために構成され得る、少なくとも1つの転送装置140を備えてよい。制御ユニット136は、光パルスのビームプロファイル内の波長が、調整可能レーザ源126に電子信号を印加することにより、波長変動ΔΛだけ変化するように光パルスの波長を調整するように構成されていてもよく、及び/又は、一連の光パルスのうちの少なくとも2つの光パルスの波長が波長変動ΔΛだけ変化するように一連の光パルスの光パルスの波長を調整するように構成されていてもよい。光パルスの波長は、ドライバ電流を変化させること、MEMSの状態を変化させること、電気光学変調器又は音響光学変調器の変調を変化させることなどのうちの1つ以上によって調整可能であり得る。波長は、光パルスの中で変化させることができる。それにより、投影された照射特徴の位置、例えば光スポットの位置は、上述のように物体上でわずかに移動する。照射特徴の1つの移動は、隣接する照射特徴の間の距離に比べて小さいことがあり得る。波長変動ΔΛは、波長に比べて小さいことがあり得る。例えば、波長変動は、0.01%≦|ΔΛ|≦10%、好ましくは0.02%≦|ΔΛ|≦2%、より好ましくは0.075%≦|ΔΛ|≦0.75%の範囲内にあり得る。光パルス又は一連の光パルスは、好ましくは、CMOSのようなセンサ要素114の単一フレームの記録内であってよい。好ましくは、グローバルシャッタCMOSが使用されてよい。レーザ源の使用は、一般にセンサ要素によって記録されるビームプロファイルの斑点を生じることがある。波長変動は、センサ要素が斑点パターンの平均値を記録することになるが、照射特徴の動きはほとんど無視され得る。このように、調整可能レーザ源126自体は、そのコヒーレンスを失うことなく、また斑点低減光学要素を使用することなく、斑点を平均化することができる。このことは、距離測定の表面粗さへの依存性を低減させ、一般的に測定精度を向上させることを可能にすることができる。
【0236】
各光センサ118は、物体112から検出器110へ伝播する反射光ビームによるそれぞれの感光エリア120の照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計される。さらに、センサ要素114は、少なくとも1つの反射画像142を決定するように構成される。マトリクス116は、反射画像142を含むことができる。反射画像142は、反射特徴として点を含むことができる。これらの点は、物体112から発する反射光ビーム125から生じる。
【0237】
検出器110は、少なくとも1つのレンズ、例えば、少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズからなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学素子;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブ又はビーム分割ミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つ以上を含む少なくとも1つの転送装置140を備えることができる。特に、転送装置110は、画像面内の少なくとも1つの物体点に焦点を合わせるように構成された少なくとも1つのコリメートレンズを含むことができる。
【0238】
検出器110は、少なくとも1つの評価装置144を含む。評価装置144は、反射画像142の少なくとも1つの反射特徴を選択するように構成される。評価装置144は、反射特徴を識別するために、少なくとも1つの画像解析及び/又は画像処理を実行するように構成されてよい。画像解析及び/又は画像処理は、少なくとも1つの特徴検出アルゴリズムを使用してよい。画像解析及び/又は画像処理は:フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって生成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転することによるセンサ信号の反転;異なる時間のセンサ信号によって生成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャネルへの分解;色相への分解;飽和;そして輝度チャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、のうち1つ以上を含み得る。関心領域は、ユーザにより手動によって決定されるか、あるいは、光センサ118によって生成された画像内で物体を認識することによってなど、自動で決定され得る。
【0239】
評価装置144は、センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、反射画像142の選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される。評価装置144は、センサ信号を除算すること、センサ信号の倍数を除算すること、センサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、結合信号Qを導出するように構成されてよい。評価装置144は、縦方向領域を決定するために、結合信号Qと縦方向領域との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてもよい。たとえば、評価装置144は、次のように結合信号Qを導出するように構成される。
【0240】
【数4】
【0241】
式中、x及びyは横方向座標、A1及びA2はセンサの位置における反射光ビームの少なくとも1つのビームプロファイルの異なるエリア、E(x、y、z)は物体距離zで与えられるビームプロファイルを表す。エリアA1とエリアA2は異なっていてよい。特に、A1とA2は合同ではない。したがって、A1及びA2は、形状又は内容のうちの1つ以上が異なっていてよい。ビームプロファイルは、光ビームの横方向の強度プロファイルであってよい。ビームプロファイルは、光ビームの断面であってよい。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル及びガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択されてよい。一般に、ビームプロファイルは、輝度L(z)及びビーム形状S(x,y;z)に依存し、
【数5】
である。このように、結合信号を導出することで、輝度から独立した縦方向座標を決定することができる。さらに、結合信号を使用することにより、物体の大きさとは無関係に距離zを決定することができる。このように、結合信号は、物体の材料特性及び/又は反射特性及び/又は散乱特性とは無関係に、及び、例えば製造精度、熱、水分、汚れ、レンズの損傷などによる光源の変化とは無関係に、距離zを決定することを可能にする。
【0242】
センサ信号のそれぞれは、光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つのエリアの少なくとも1つの情報を含むことができる。感光エリア120は、第1センサ信号がビームプロファイルの第1エリアの情報を含み、及び第2センサ信号がビームプロファイルの第2エリアの情報を含むように配置されてもよい。ビームプロファイルの第1エリア及びビームプロファイルの第2エリアは、隣接又は重複する領域の一方又は両方である。ビームプロファイルの第1エリアとビームプロファイルの第2エリアは、面積において正確に合致しない場合がある。
【0243】
評価装置144は、ビームプロファイルの第1エリア及びビームプロファイルの第2エリアを決定及び/又は選択するように構成されてよい。ビームプロファイルの第1エリアは、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含んでよく、ビームプロファイルの第2エリアは、ビームプロファイルの実質的に中心情報を含んでよい。ビームプロファイルは、中心、すなわちビームプロファイルの最大値及び/又はビームプロファイルのプラトーの中心点及び/又は光スポットの幾何学的中心と、中心から延びる立下りエッジとを有してよい。第2領域は、断面の内側領域を含んでよく、第1領域は、断面の外側領域を含んでよい。好ましくは、中心情報は、10%未満、より好ましくは5%未満、のエッジ情報の割合を有し、最も好ましくは、中心情報はエッジ内容を含まない。エッジ情報は、ビームプロファイル全体の情報、特に中心領域及びエッジ領域からの情報を含み得る。エッジ情報は、10%未満、好ましくは5%未満の中心情報の割合を有し、より好ましくは、エッジ情報は中心情報を含まない。ビームプロファイルが中心に近いか又はその周囲にあり、実質的に中心情報を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルの第2エリアとして決定及び/又は選択されてよい。ビームプロファイルが断面の立下りエッジの少なくとも部分を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルの第1エリアとして決定及び/又は選択されてよい。例えば、断面の全エリアが第1領域として決定されてよい。ビームプロファイルの第1エリアをエリアA2、ビームプロファイルの第2エリアをエリアA1としてよい。同様に、中心信号及びエッジ信号も、ビームプロファイルの円形セグメントなどのビームプロファイルのセグメントを使用することによって決定することができる。例えば、ビームプロファイルは、ビームプロファイルの中心を通過しない割線又は弦によって2つのセグメントに分割され得る。したがって、一方のセグメントには実質的にエッジ情報が含まれ、もう一方のセグメントには実質的に中心情報が含まれる。例えば、中心信号のエッジ情報の量をさらに減らすために、中心信号からエッジ信号をさらに差し引くことができる。
【0244】
エッジ情報は、ビームプロファイルの第1エリアの光子数に関する情報を含むことができ、中心情報は、ビームプロファイルの第2エリアの光子数に関する情報を含むことができる。評価装置144は、ビームプロファイルの面積分を決定するように構成されてよい。評価装置144は、第1エリアの積分及び/又は加算によってエッジ情報を決定するように構成されてよい。評価装置144は、第2エリアの積分及び/又は加算によって中心情報を決定するように構成されてよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであってよく、評価装置は、台形の積分値を決定するように構成されてよい。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置、ならびに中心プラトーの高さの決定などの台形ビームプロファイルの特性を利用し、幾何学的考察によってエッジと中心信号を導出する等価評価によって置き換えられることができる。
【0245】
追加的又は代替的に、評価装置144は、光スポットの少なくとも1つのスライス又はカットから中心情報又はエッジ情報の一方又は両方を決定するように構成されてよい。これは、例えば、結合信号Qの面積分をスライス又はカットに沿った線積分に置き換えることによって実現できる。精度を向上させるために、光スポットを通る複数のスライス又はカットを使用して平均化してもよい。楕円スポットプロファイルの場合には、複数のスライス又はカットにわたって平均化することにより、改善された距離情報が得られる場合がある。
【0246】
例えば、評価装置144は、
a)最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサ118を決定し、少なくとも1つの中心信号を形成すること;
b)マトリックス116の光センサ118のセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c)中心信号と和信号を組み合わせることにより、少なくとも1つの結合信号を決定すること;及び
d)結合信号を評価することにより、選択された特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、
によって、センサ信号を評価するように構成されていてもよい。
【0247】
例えば、中心信号は、マトリックス116全体又はマトリックス116内の関心領域の光センサ118によって生成される複数のセンサ信号のうち、最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサ116の信号であり得、該関心領域は、マトリックス116の光センサによって生成される画像内で予め決定され又は決定可能であり得る。中心信号は、単一の光センサ118から、又は一群の光センサ118から生じてもよく、後者の場合、一例として、一群の光センサ118のセンサ信号は、中心信号を決定するために、加算、積分、又は平均化され得る。中心信号がそれから生じる光センサ118の一群は、最高のセンサ信号を有する実際の光センサから所定距離より短く離れた光センサ118などの隣接する光センサの一群であり得るか、又は、最高のセンサ信号から所定範囲内にあるセンサ信号を生成する光センサの一群であり得る。中心信号がそこから生じる光センサ118の一群は、最大のダイナミックレンジを可能にするように、できるだけ大きく選択され得る。評価装置144は、複数のセンサ信号、例えば最高のセンサ信号を有する光センサの周りの複数の光センサのセンサ信号を積分することによって中心信号を決定するように構成されてもよい。
【0248】
センサ信号の比較が従来の電子機器によってかなり簡単に実装されるため、中心信号の決定は電子的に行ってもよく、又はソフトウェアによって完全に又は部分的に実行されてもよい。光スポットの中心の検出、すなわち、中心信号及び/又は中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの検出は、完全に又は部分的に電子的に実行され得るか、又は1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを使用して完全に又は部分的に実行され得る。具体的には、評価装置144は、少なくとも1つの最高のセンサ信号を検出するため、及び/又は中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を備えることができる。中心検出器は、具体的には、完全に又は部分的にソフトウェアで具体化されてもよく、及び/又は完全又は部分的にハードウェアで具体化されてもよい。中心検出器は、少なくとも1つのセンサ要素に完全に又は部分的に一体化されてもよく、及び/又はセンサ要素から独立して完全に又は部分的に具体化されてもよい。
【0249】
具体的には、中心信号は、最高センサ信号;最高センサ信号からの所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の平均;最高センサ信号を有する光センサ118を含む光センサの一群及び隣接する光センサ118の所定の一群からのセンサ信号の平均;最高センサ信号を有する光センサ118を含む光センサ118の一群及び隣接する光センサ118の所定の一群からのセンサ信号の和;最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の和;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の平均;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の和;最高センサ信号を有する光センサ118の一群及び隣接する光センサ118の所定の一群からのセンサ信号の積分;最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の積分;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の積分、からなる群から選択され得る。
【0250】
例えば、和信号は、センサ信号を加算すること、センサ信号を積分すること、又はマトリックス116全体もしくはマトリックス内の関心領域のセンサ信号を平均することによって導出することができ、該関心領域は、マトリックス116の光センサ118によって生成される画像内で予め決定され又は決定可能である。センサ信号を加算、積分、又は平均化する場合、センサ信号が生成される実際の光センサ118は、加算、積分、又は平均化から除外されてもよく、あるいは、加算、積分、又は平均化に含まれてもよい。評価装置144は、マトリックス116全体の信号、又はマトリックス116内の関心領域の信号を積分することにより、和信号を決定するように構成され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置の決定、及び中央プラトーの高さの決定など、台形ビームプロファイルの特性を利用し、そして幾何学的考察によってエッジ信号と中心信号を導出する等価評価に置き換えることができる。
【0251】
和信号は、中心信号に寄与する光センサ118から生じるセンサ信号を除外してマトリックス116の全てのセンサ信号から、関心領域内のセンサ信号から、又はこれらの可能性の1つから導出できる。全ての場合において、縦方向座標を決定するために、中心信号と確実に比較することができる信頼できる和信号が生成され得る。一般に、和信号は、マトリックス116の全てのセンサ信号の平均;マトリックス116の全てのセンサ信号の和;マトリックス116の全てのセンサ信号の積分;中心信号に寄与する光センサ118からのセンサ信号を除く、マトリックス116の全てのセンサ信号の平均;中心信号に寄与する光センサ118からのセンサ信号を除く、マトリックス116の全てのセンサ信号の和;中心信号に寄与する光センサ118からのセンサ信号を除く、マトリックス116の全てのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサ118のセンサ信号の和;最高のセンサ信号を有する光センサ118から所定の範囲内の光センサのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサ118から所定の範囲内に位置する光センサ118の所定の閾値を超えるセンサ信号の和;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内にある光センサ118の所定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択され得る。しかしながら、他の選択肢がある。加算は、完全に又は部分的にソフトウェアで実行されてもよく、及び/又は完全又は部分的にハードウェアで実行されてもよい。加算は一般に、典型的には検出器に容易に実装され得る純粋に電子的手段によって可能である。したがって、電子工学の分野では、加算装置は一般に、アナログ信号とデジタル信号の両方の2つ以上の電子信号を加算することが知られている。したがって、評価装置144は、和信号を形成するための少なくとも1つの加算装置を備えることができる。加算装置は、完全に又は部分的にセンサ要素に一体化されてもよく、又は完全に又は部分的にセンサ要素とは独立して具体化されてもよい。加算装置は、完全に又は部分的に、ハードウェア又はソフトウェアの一方又は両方で具体化されてもよい。
【0252】
結合信号は、中心信号と和信号を結合することによって生成される信号であり得る。具体的には、結合は:中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、の1つ以上を含むことができる。追加的に又は代替的に、結合信号は、中心信号と和信号との間の比較に関する少なくとも1つの情報を含む任意の信号又は信号の組み合わせを含むことができる。評価装置144は、センサ信号間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、又は予め決定された関係を使用して、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されてよい。特に、評価装置144は、センサ信号から導出される商信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、又は予め決定された関係を用いて、物体の少なくとも1つの座標zを決定するように構成される。
【0253】
中心信号と和信号との間の比較は、具体的には、1つ以上の商信号を形成することによって実行されてもよい。したがって、一般的に、結合信号は、中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;和信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆を形成すること;中心信号のべき乗と和信号のべき乗の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、のうちの1つ以上によって導出される商信号Qであってよい。しかし、他の選択肢も存在する。評価装置144は、1つ以上の商信号を形成するように構成されていてもよい。評価装置144は、少なくとも1つの商信号を評価することにより、少なくとも1つの縦方向座標を決定するようにさらに構成されてよい。
【0254】
評価装置144は、具体的には、少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてよい。このように、上記に開示された理由により、及び光スポットの特性の縦方向座標への依存性により、結合信号Qは、典型的には、縦方向座標の単調関数であり、及び/又は、光スポットの直径又は等価直径のような光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、具体的に線形光センサが使用される場合、センサ信号scenterと和信号ssumの簡単な商Q=scenter/ssumは、距離の単調減少関数であり得る。理論に拘束されることを望まないが、これは、上記の好ましい構成では、検出器に到達する光の量が減少するため、光源までの距離の増加に伴って、中心信号scenterと和信号ssumの両方が、二乗関数として減少するという事実が原因であると考えられる。しかしながら、そこでは、中心信号scenterは、実験で使用される光学構成では、画像平面内の光スポットが増大し、したがってより広いエリアに広がるため、和信号ssumよりも急速に減少する。中心信号と和信号の商は、したがって、マトリックスの光センサの感光エリア上の光ビーム又は光スポットの直径の増加に伴って連続的に減少する。さらに、商は、光ビームの総出力が中心信号と和センサ信号の両方の係数を形成するため、通常、光ビームの総出力から独立している。その結果、結合信号Qは、中心信号と和信号との間、及び光ビームのサイズ又は直径との間の一意的かつ明確な関係を提供する二次信号を形成し得る。一方、光ビームのサイズ又は直径は、光ビームが検出器に向かって伝播する物体と検出器自体の間の距離に依存するため、つまり、物体の縦方向座標に依存するため、一方では中心信号と和信号の間で、他方では中心信号と縦方向座標の間に、一意的かつ明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1のような、上記の先行技術文献の1つ以上を参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定することによる分析的考察により、また例えば結合信号及び/又は中心信号及び和信号又はそこから導出される二次信号を、物体の縦方向座標の関数として計測する測定などの経験的測定により、又はその両方により、決定することができる。
【0255】
評価装置144は、結合信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてよい。所定の関係は、経験的関係、半経験的関係、及び分析的に導出された関係のうちの1つ以上であってよい。評価装置144は、例えばルックアップリスト又はルックアップテーブルなどの、所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ保存装置を備えてよい。
【0256】
センサ要素114は、反射パターン138を決定するように構成されてよい。反射パターンは、照射パターン124の少なくとも1つの特徴に対応する少なくとも1つの特徴を含んでよい。反射パターン138は、照射パターンと比較して、少なくとも1つの歪んだパターンを含んでもよく、該歪みは、物体の表面特性などの物体の距離に依存する。評価装置144は、上述したように、反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、反射パターンの選択された特徴の縦方向座標を決定するように構成されてよい。したがって、検出器110は、反射画像142の少なくとも1つの反射特徴を事前に分類するように構成されることができる。これは、三角形パターン、長方形パターン、六角形パターン、又はさらなる凸状タイル状体を含むパターンなどの規則的及び/又は一定及び/又は周期的なパターンを有する照射パターン124を使用することを可能にする。
【0257】
評価装置144は、結合信号Qを評価することによって、選択された反射特徴の縦方向領域を決定するように構成されてもよく、該縦方向領域は、縦方向座標z及び誤差間隔±εによって与えられる。誤差εは、光センサ118の測定不確実性に依存し得る。光センサ118の測定不確実性は、事前に決定及び/又は推定されてもよく、及び/又は、評価装置144の少なくとも1つのデータ保存ユニットに保存されてもよい。例えば、誤差間隔は、±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%であってよい。
【0258】
評価装置144は、縦方向領域に対応する少なくとも1つの参照画像における少なくとも1つの変位領域を決定するように構成されていてもよい。参照画像は、反射画像142と比較して異なる空間位置で決定される、反射画像とは異なる画像を指す。参照画像は、少なくとも1つの参照特徴を記録すること、少なくとも1つの参照特徴を画像化すること、参照画像を計算することの1つ以上によって決定され得る。参照画像及び反射画像は、一定の距離を有する異なる空間位置で決定された物体の画像であってよい。距離は、ベースラインとも呼ばれる相対距離であってよい。評価装置144は、少なくとも1つの反射特徴に対応する少なくとも1つの参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定するように構成されてよい。評価装置144は、画像分析を実行し、反射画像の特徴を識別するように構成され得る。評価装置は、実質的に同一の縦方向座標を有する参照画像内の少なくとも1つの参照特徴を、選択された反射特徴として識別するように構成され得る。反射特徴に対応する参照特徴は、エピポーラ幾何学を使用して決定されることができる。エピポーラ幾何学の説明については、たとえば、X.Jiang、H.Bunkeによる「Dreidimensionales Computersehen」の第2章、シュプリンガー、ベルリンハイデルベルク、1997年を参照されたい。エピポーラ幾何学は、参照画像及び反射画像142が、固定距離を有する異なる空間位置及び/又は空間配向で決定される物体の画像であることを仮定し得る。参照画像及び反射画像142は、固定距離を有する異なる空間位置で決定された物体112の画像であり得る。評価装置144は、参照画像におけるエピポーラ線を決定するように構成され得る。参照画像と反射画像の相対位置は既知である場合がある。例えば、参照画像と反射画像142の相対位置は、評価装置144の少なくとも1つの保存ユニット内に保存され得る。評価装置144は、反射画像142の選択された反射特徴から延びる直線を決定するように構成され得る。直線は、選択された特徴に対応する、あり得る物体特徴を含み得る。直線とベースラインはエピポーラ平面を展開する。参照画像が反射画像とは異なる相対的位置で決定されるため、対応する可能な物体の特徴は、参照画像内のエピポーラ線と呼ばれる直線上に画像化され得る。したがって、反射画像の選択された特徴に対応する参照画像の特徴は、エピポーラ線上に位置する。画像の歪み、あるいは経年変化、温度変化、機械的ストレスなどによるシステムパラメータの変化により、エピポーラ線は互いに交差又は非常に接近していることがあり、及び/又は参照特徴と反射特徴の間の対応が不明瞭なことがある。さらに、現実世界の各既知の位置又は物体は参照画像に投影されてもよく、その逆でもよい。投影は検出器110の較正によって知られることができる一方、較正は特定のカメラのエピポーラ幾何学のティーチインに相当する。
【0259】
具体的には、変位領域は、選択された反射特徴に対応する参照特徴が参照画像内に位置すると予想される参照画像内の領域であり得る。物体112までの距離に応じて、反射特徴に対応する参照特徴の画像位置は、反射画像内の反射特徴の画像位置と比較して参照画像内で変位する場合がある。変位領域は、1つの参照特徴のみを含んでもよい。変位領域は、複数の参照特徴を含んでもよい。変位領域は、エピポーラ線又はエピポーラ線のセクションを含んでもよい。変位領域は、複数のエピポーラ線又は複数のエピポーラ線の複数のセクションを含んでもよい。変位領域は、エピポーラ線に沿って、エピポーラ線に直交して、又はその両方であってよい。評価装置144は、縦方向座標zに対応するエピポーラ線に沿った参照特徴を決定し、誤差間隔±εに対応してエピポーラ線に沿った又はエピポーラ線に直交する変位領域の範囲を決定するように構成され得る。結合信号Qを使用した距離測定の測定不確実性は、測定不確実性が方向によって異なる場合があるため、非円形の変位領域をもたらす可能性がある。具体的には、エピポーラ線に沿った測定不確実性は、エピポーラ線に対して直交する方向の測定不確実性よりも大きくなり得る。変位領域は、エピポーラ線又は複数のエピポーラ線に対して直交方向に延びる範囲を含むことができる。評価装置は、反射特徴の画像位置の周りの変位領域を決定してもよい。評価装置144は、z±εに対応するエピポーラ線に沿った変位領域を決定するために、反射特徴の縦方向座標z及び結合信号Qからの誤差間隔±εを決定するために構成されてもよい。評価装置は、選択された反射特徴を変位領域内の少なくとも1つの参照特徴とマッチングさせるように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「マッチング」という用語は、対応する参照特徴及び反射特徴を決定及び/又は評価することを指す。評価装置144は、決定された縦方向座標zを考慮して少なくとも1つの評価アルゴリズムを使用することによって、反射画像の選択された特徴を変位領域内の参照特徴とマッチングさせるように構成させることができる。評価アルゴリズムは線形スケーリングアルゴリズムであり得る。評価装置144は、変位領域に最も近い及び/又は変位領域内のエピポーラ線を決定するように構成されてもよい。評価装置144は、反射特徴の画像位置に最も近いエピポーラ線を決定するように構成されてもよい。エピポーラ線に沿った変位領域の範囲は、エピポーラ線に直交する変位領域の範囲より大きくてもよい。評価装置144は、対応する参照特徴を決定する前にエピポーラ線を決定するように構成されてもよい。評価装置144は、各反射特徴の画像位置の周りの変位領域を決定してもよい。評価装置144は、変位領域に最も近いエピポーラ線、及び/又は変位領域内のエピポーラ線、及び/又はエピポーラ線に直交する方向に沿って変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるなどによって、反射特徴の各画像位置の各変位領域にエピポーラ線を割り当てるように構成されてもよい。評価装置144は、割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられた変位領域内の参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域内の参照特徴を決定することにより、反射特徴の画像位置に対応する参照特徴を決定するように構成されてもよい。
【0260】
追加的に又は代替的に、評価装置144は以下のステップ:
- 各反射特徴の画像位置の変位領域を決定する、ステップと;
- 変位領域に最も近いエピポーラ線、及び/又は変位領域内のエピポーラ線、及び/又はエピポーラ線に直交する方向に沿って変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるなどによって、各反射特徴の変位領域にエピポーラ線を割り当てる、ステップと;
- 割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられた変位領域内の参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、及び/又は割り当てられたエピポーラ線に沿って割り当てられた変位領域内の参照特徴を割り当てるなどによって、各反射特徴に少なくとも1つの参照特徴を割り当て及び/又は決定するステップと、
を実行するように構成されてよい。
【0261】
追加的に又は代替的に、評価装置144は、参照画像内の反射特徴及び/又はエピポーラ線の距離を比較することによって、及び/又は、参照画像内の反射特徴及び/又はエピポーラ線のε重み付き距離などの誤差重み付き距離を比較し、より短い距離及び/又はε重み付き距離のエピポーラ線及び/又は参照特徴を、参照特徴及び/又は反射特徴に割り当てることによってなど、反射特徴に割り当てられる複数のエピポーラ線及び/又は参照特徴の間で決定するように構成されてもよい。
【0262】
好ましくは、検出器110は、1つの参照特徴への明確な割り当てが可能なように、結合信号Qを使用して選択された反射特徴を事前に分類するように構成されることができる。具体的には、照射パターン124の照射特徴は、参照画像の対応する参照特徴がエピポーラ線上で可能な限り大きい相対的な距離を互いに有するように、配置されることができる。照射パターン124の照射特徴は、少数の参照特徴のみがエピポーラ線上に配置されるように、配置されることができる。例えば、照射パターン124は、少なくとも1つの六角形のパターンを含むことができる。好ましくは、照射パターン124は、少なくとも1つの六角形のパターンを含むことができ、パターンはベースラインに関して回転されている。好ましくは、照射パターン124は、少なくとも1つの変位した六角形パターンを含むことができ、該六角形パターンの個々の点は、正規位置からランダムな距離だけ、例えば該点のエピポーラ線に直交するように変位されている。個々の点の変位は、2つの平行なエピポーラ線間の距離の半分よりも小さくてもよく、好ましくは2つの平行なエピポーラ線間の距離の1/4よりも小さくてもよい。個々の点の変位は、2つの点が互いの上に変位しないようなものであってよい。
【0263】
評価装置144は、マッチングした参照特徴及び選択された反射特徴の変位を決定するように構成されてよい。評価装置144は、縦方向座標と変位との間の所定の関係を用いて、マッチングした特徴の縦方向情報を決定するように構成され得る。例えば、縦方向情報は距離値であってよい。評価装置144は、三角測量法を使用することによって所定の関係を決定するように構成され得る。反射画像内の選択された反射特徴の位置と、マッチングした参照特徴の位置、及び/又は、選択された反射特徴とマッチングした参照特徴の相対変位が既知である場合、対応する物体特徴の縦方向座標は、三角測量によって決定され得る。したがって、評価装置144は、例えば後続及び/又は列ごとに、反射特徴を選択するように構成することができ、参照特徴の各潜在的位置について三角測量を使用して対応する距離値を決定するように構成され得る。変位及び対応する距離値は、評価装置144の少なくとも1つの保存装置に保存され得る。評価装置144は、一例として、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのDSP、少なくとも1つのFPGA及び/又は少なくとも1つのASICなどの少なくとも1つのデータ処理装置を含むことができる。さらに、縦方向座標zと変位との間の少なくとも1つの予め決定された又は決定可能な関係を保存するために、所定の関係を保存するための1つ以上のルックアップテーブルを提供するなど、少なくとも1つのデータ保存装置が提供され得る。評価装置144は、カメラ及び/又は検出器110の内因性及び/又は外因性の較正のためのパラメータを保存するように構成され得る。評価装置144は、ツァイカメラ較正を実行するなどによって、カメラ及び/又は検出器の内因性及び/又は外因性の較正のためのパラメータを生成するように構成され得る。評価装置144は、転送装置の焦点距離、放射レンズの歪み係数、放射レンズの歪みの中心座標、走査とデジタル化のハードウェアタイミングの不完全性に起因する不確実性を説明するためのスケールファクタ、世界座標とカメラ座標間の変換の回転角度、世界座標とカメラ座標間の変換の並進コンポーネント、開口角、イメージセンサ形式、主点、スキュー係数、カメラ中心、カメラ向き、ベースライン、カメラ及び/又は照射源の回転又は並進パラメータ、開口部、焦点距離などの、パラメータを計算及び/又は推定するように構成され得る。
【0264】
結合センサ信号を使用することは、誤差間隔内の縦方向座標zなどの距離の推定を可能にする。推定された縦方向座標と対応する誤差間隔に対応する変位領域を決定することにより、エピポーラ線に沿った可能な解の数を大幅に減らすことができる。可能な解の数を、1つに減らすことさえできる。縦方向座標zと誤差間隔の決定は、選択された反射特徴と参照特徴をマッチングさせる前の事前評価の間に実行されることができる。これは、計算の要求を削減することを可能にすることができ、したがって、コストを大幅に削減し、モバイル装置又は屋外装置での使用を可能にする。さらに、一般的に三角測量システムでは、大きな距離を検出するためにベースラインを大きくする必要がある。結合センサ信号を用いた縦方向座標z及び誤差間隔を事前に評価し、その後の選択された反射特徴及び参照特徴をマッチングさせることは、短いベースラインを使用することを可能にすることができ、したがって、コンパクトな装置を提供することができる。さらに、結合センサ信号を用いた縦方向座標z及び誤差間隔を事前に評価し、その後の選択された反射特徴及び参照特徴をマッチングさせることは、従来の三角測量システムと比較して、精度及び/又は速度を向上させ、及び/又は計算上の要求を低下させることができる。さらに、照射パターンにおける照射点の数などの照射特徴の数は、目の安全規則に準拠しながら周囲光と競合するように、各照射点における光強度を増加させるように、低減され得る。従来の三角測量システムでは、照射特徴の数の減少は、反射特徴と参照特徴をマッチングさせることの困難性を増加させ得る。さらに、照射パターンにおける照射点の数などの照射特徴の数は、例えば、距離測定の解像度を上げるために、例えば、モバイルアプリケーションなどにおけるように評価装置の処理能力を増加させることなく得られた深度マップの解像度を増加させるために、増加され得る。
【0265】
図2Aは、単一波長を用いて投影された回折光学素子128によって生成された照射パターン124を示している。すべてのスポットは、同じ距離で投影され得る。照射パターン124は、ポイント又はシンボルなどの少なくとも1つの特徴を含むことができる。照射パターン124は、複数の特徴を含み得る。照射パターン124は、周期的又は非周期的な特徴の配置を含み得る。本実施形態では、照射パターン124は、少なくとも1つのランダムな六角形のパターンを含むことができる。照射パターン124は、六角形パターンが好ましいように、面積当たり可能な限り多くのの特徴を含むことができる。照射パターン124の2つの特徴間の距離、及び/又は少なくとも1つの照射特徴の面積は、画像の錯乱円に依存し得る。照射パターン124の照射特徴は、少数の参照特徴のみがエピポーラ線上に配置されるように、配置されることができる。
【0266】
図2Bは、小さな変動を有する3つの波長で1つのDOEを用いて投影した3つの照射パターン124を示している。照射パターン124のこの選択は、斑点の平均化を可能にすることができる。照射パターン124の全てのスポットは同じ距離で投影されてよい。照射パターンは、少なくとも1つのランダムな六角形のパターンを含むことができる。スポット位置のシフトは、回折光学素子128の中心からの距離に伴い増加し得る。
【0267】
図2Cは、より大きな変動を有する3つの波長によって1つのDOEを用いて投影された3つの照射パターン124を示している。照射パターン124のこの選択は、照射パターンのスポットによって異なるエリアをカバーすることを可能にすることができる。照射パターン124の全てのスポットは同じ距離で投影されてよい。照射パターンは、少なくとも1つのランダムな六角形のパターンを含むことができる。スポットの位置のシフトは、回折光学素子128の中心からの距離に伴い増加し得る。
【0268】
図3Aは、単一波長の単一レーザパルスのCMOSで記録された白紙上の光スポットを示す。斑点は、ビームプロファイルとその周辺に見られる。スポットの強度は、最高値に正規化されていた。図3Bは、異なる波長の一連の50レーザパルスで記録された同じスポットを示す。スポットの強度は、最大値に正規化されていた。斑点は50画像を平均することによって除去された。
【0269】
図4は、高度に概略的な図示で、例えば図1に示された実施形態による検出器110の例示的な実施形態を示している。検出器110は、具体的には、カメラ146として具現化されてもよく、及び/又は、カメラ146の一部であってもよい。カメラ146は、画像化、具体的には3D画像化のために作られてよく、及び、静止画像及び/又はデジタルビデオクリップなどの画像シーケンスを取得するために作られてもよい。他の実施形態も可能である。図4はさらに、検出器システム148の実施形態を示しており、該検出器システム148は、少なくとも1つの検出器110の他に、この例では、物体112に取り付け及び/又は一体化されることができ、位置が検出器110を使用して検出される1つ以上のビーコン装置150を含んでいる。図4はさらに、ヒューマンマシンインターフェース152及び、さらに、娯楽装置154の模式的な実施形態を示しており、該ヒューマンマシンインターフェース152は、少なくとも1つの検出器システム148を備え、該娯楽装置154はヒューマンマシンインターフェース152を含む。図4はさらに、検出器システム148を含む、物体112の位置を追跡するための追跡システム156の一実施形態を示している。装置及びシステムの構成要素は、以下でさらに詳細に説明される。
【0270】
図4はさらに、物体112を走査するため、及び/又は少なくとも1つの物体112の少なくとも1つの位置を決定するためなど、物体112を含む情景を走査するための走査システム158の例示的な実施形態を示している。走査システム158は、少なくとも1つの検出器110と、さらに、任意で、少なくとも1つの照射源と、同様に任意で、ここでは図示しない少なくとも1つのさらなる照射源とを備える。さらなる照射源は一般に、少なくとも1つのドット、例えば、ビーコン装置150の位置及び/又は物体112の表面のうちの1つ以上に位置するドットを照射するためなどの、少なくとも1つの照射光ビームを放出するように構成されている。走査システム158は、物体112を含む情景のプロファイル及び/又は物体112のプロファイルを生成するように設計されていてもよく、及び/又は、少なくとも1つの検出器110を使用して、少なくとも1つのドットと走査システム158、具体的には検出器110との間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されてもよい。
【0271】
上述したように、検出器110は、図4に象徴的に示されるように、例えば、少なくとも1つのデバイダ160及び/又は少なくとも1つの位置評価装置162を有する、少なくとも1つの評価装置144を備える。評価装置144の構成要素は、完全に又は部分的に別個の装置に一体化されてもよく、及び/又は、完全に又は部分的に検出器110の他の構成要素に一体化されてもよい。2つ以上の構成要素を完全に又は部分的に組み合わせる可能性に加えて、光センサ118のうちの1つ以上と評価装置144の1つ以上の構成要素は、図4に象徴的に示されているように、1つ以上のコネクタ164によって及び/又は1つ以上のインターフェースによって相互接続されてよい。さらに、1つ以上のコネクタ164は、センサ信号を修正又は前処理するための1つ以上のドライバ及び/又は1つ以上の装置を備えることができる。さらに、少なくとも1つの任意のコネクタ164を使用する代わりに、評価装置144は、光センサ128の一方又は両方に、及び/又は検出器110のハウジング166に、完全又は部分的に一体化されてよい。追加的に又は代替的に、評価装置144は、完全に又は部分的に、別個の装置として設計されてよい。
【0272】
この例示的な実施形態では、位置が検出され得る物体112は、スポーツ用品として設計されてもよく、及び/又は、その位置がユーザ170によって操作され得る制御要素又はさらなる制御装置168を形成してもよい。一例として、物体112は、バット、ラケット、クラブ、又はスポーツ用品及び/又はフェイクのスポーツ用品の他の物品であってもよいし、それらを含んでもいてもよい。他の種類の物体112も可能である。さらに、ユーザ170自身を、その位置が検出される物体112とみなされてもよい。
【0273】
上で概説したように、検出器110は、光センサ118を含む。光センサ118は、ハウジング166の内部に配置されてよい。さらに、検出器110は、好ましくは1つ以上のレンズを含む1つ以上の光学系などの少なくとも1つの転送装置140を備えてよい。ハウジング166の内部の開口部172は、好ましくは、検出器110の光軸174に対して同心円状に配置され、好ましくは、検出器110の視野方向176を定義する。座標系178を定義することができ、そこでは、光軸174に平行又は反平行な方向を縦方向として定義することができ、一方、光軸174に垂直な方向を横方向として定義することができる。図4に象徴的に示されている座標系178では、それぞれ、縦方向はzで示され、横方向はxとyで示されている。非デカルト座標系などの、他のタイプの座標系も実現可能である。
【0274】
照射パターンの光ビームのような1つ以上の光ビーム180は、物体112から及び/又は1つ以上のビーコン装置150から、検出器110に向かって伝播している。検出器110は、少なくとも1つの物体112の位置を決定するように構成されている。ビーコン装置150及び/又はこれらのビーコン装置150のうちの少なくとも1つは、発光ダイオードなどの一体化された照射源を有する能動型ビーコン装置であってもよく、又はそれを含んでいてもよい。あるいは、周囲光源が使用されてもよい。
【0275】
例えば、少なくとも1つの照射パターン124などのプロジェクタ122によって生成された光ビーム180は、1つ以上の光学要素を使用することによって物体に向けられることができる。物体112は、照射に応答して、少なくとも1つの反射光ビーム182を生成することができる。評価の詳細については、上記の図1を参照することができる。
【0276】
上で概説したように、検出器110を使用することによって物体112及び/又はその一部の位置を決定することは、マシン184に少なくとも1つの情報項目を提供するため、ヒューマンマシンインターフェース152を提供するために使用されてもよい。図4に模式的に示された実施形態では、マシン184は、コンピュータであってもよく、及び/又は、コンピュータを含んでいてもよい。他の実施形態も実現可能である。評価装置144は、コンピュータなどのマシン184に完全に又は部分的に一体化されてもよい。
【0277】
上で概説したように、図4は、少なくとも1つの物体112及び/又はその部品の位置を追跡するように構成された追跡システム156の一例も示している。追跡システム156は、検出器110及び少なくとも1つの追跡コントローラ186を備えている。追跡コントローラ186は、特定の時点での物体112の一連の位置を追跡するように構成され得る。追跡コントローラ186は、独立型装置であってもよく、及び/又は、図4に示すように、マシン184具体的にはコンピュータに、及び/又は、評価装置144に、完全又は部分的に一体化されてよい。
【0278】
同様に、上で概説したように、ヒューマンマシンインターフェース152は、娯楽装置154の一部を形成してよい。マシン184、具体的にはコンピュータは、娯楽装置154の一部を形成してもよい。したがって、物体112として機能するユーザ170によって、及び/又は物体112として機能する制御装置を扱うユーザ170によって、ユーザ170は、少なくとも1つの制御コマンドなどの少なくとも1つの情報項目を、コンピュータに入力し、それによって、コンピュータのコースを制御するなど娯楽機能を変化させることができる。
【符号の説明】
【0279】
110 検出器
112 物体
114 センサ要素
116 マトリックス
118 光センサ
120 感光エリア
122 プロジェクタ
124 照射パターン
126 調整可能レーザ源
128 DOE
130 開口部
132 ハウジング
134 光学部品
136 制御ユニット
138 反射パターン
140 転送装置
142 反射画像
144 評価装置
146 カメラ
148 検出器システム
150 ビーコン装置
152 ヒューマンマシンインターフェース
154 娯楽装置
156 追跡システム
158 走査システム
160 デバイダ
162 位置評価装置
164 コネクタ
166 ハウジング
168 制御装置
170 ユーザ
172 開口部
174 光軸
176 視野方向
178 座標系
180 光ビーム
182 反射光ビーム
184 マシン
186 追跡コントローラ
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】