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特表2022-521430藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を得る方法
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  • 特表-藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を得る方法 図1
  • 特表-藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を得る方法 図2A
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  • 特表-藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を得る方法 図4B
  • 特表-藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を得る方法 図4C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(54)【発明の名称】藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を得る方法
(51)【国際特許分類】
   C11B 1/10 20060101AFI20220331BHJP
   C07C 57/03 20060101ALI20220331BHJP
   C07C 51/48 20060101ALI20220331BHJP
   C11C 3/00 20060101ALI20220331BHJP
   C11B 3/12 20060101ALI20220331BHJP
   C07D 303/12 20060101ALI20220331BHJP
   C11B 3/16 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
C11B1/10
C07C57/03
C07C51/48
C11C3/00
C11B3/12
C07D303/12
C11B3/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549613
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(85)【翻訳文提出日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 EP2020055059
(87)【国際公開番号】W WO2020174019
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】102019202570.6
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(71)【出願人】
【識別番号】508091085
【氏名又は名称】ウニベルジテート シュトゥットガルト
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴェンスクス,フェリクス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット-シュタイガー,ウルリケ
(72)【発明者】
【氏名】ブリングマン,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
4C048
4H006
4H059
【Fターム(参考)】
4C048AA04
4C048BB02
4C048BB15
4C048BC01
4C048BC15
4C048CC01
4C048UU10
4C048XX02
4H006AA02
4H006AD16
4H006BS10
4H059BB16
4H059BB22
(57)【要約】
本発明は、藻類バイオマスからフコキサンチン結晶含有析出物、特にフコキサンチン結晶、特にフコキサンチン、及び脂肪酸含有脂質画分、特に脂肪酸を得る方法、特に藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を一体的に抽出及び分離する方法、並びにこれらの方法から得られた生成物、特にフコキサンチン結晶及び脂肪酸に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
藻類バイオマスからフコキサンチン含有析出物及び脂肪酸含有脂質画分を得る方法であって、以下の方法工程:
a)少なくとも1種の非極性有機溶媒及び藻類バイオマスを準備する方法工程と、
b)方法工程a)で準備された前記藻類バイオマスから、方法工程a)で準備された前記少なくとも1種の非極性有機溶媒によって、少なくとも1つの第1のフィルター要素(11)が割り当てられている少なくとも1つの抽出反応器ユニット(10)において、60℃~150℃の温度及び1.5bar~100barの圧力でフコキサンチン及び脂肪酸を抽出して、藻類抽出物及び抽出済み藻類バイオマスを含む混合物を得る方法工程と、
c)前記少なくとも1つの第1のフィルター要素(11)を通じた濾過によって、方法工程b)で得られた前記混合物から前記抽出済み藻類バイオマスを分離して、濾過済み藻類抽出物を得た後、得られた前記濾過済み藻類抽出物を、少なくとも1つの第2のフィルター要素(21)が割り当てられている少なくとも1つの析出反応器ユニット(20)へと導入する方法工程と、
d)前記濾過済み藻類抽出物の温度を、前記析出反応器ユニット(20)内で-80℃~50℃に下げて、フコキサンチン結晶を析出させて、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分の混合物を得る方法工程と、
e)前記少なくとも1つの第2のフィルター要素(21)を通じた濾過によって、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分の前記混合物から、前記フコキサンチン結晶含有析出物を分離して、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分を得る方法工程と、
f)前記少なくとも1種の非極性有機溶媒を蒸発させることによって、前記脂肪酸含有藻類抽出物画分から脂肪酸含有脂質画分を分離して、前記脂肪酸含有脂質画分を得る方法工程と
を含む、方法。
【請求項2】
方法工程b)での前記温度は、85℃~120℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧力を、方法工程b)での前記抽出の実施後に方法工程c)において下げる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧力を、方法工程b)での前記抽出の実施後に方法工程c)において、1bar~30barに下げる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記圧力を、方法工程d)での前記析出の実施後に方法工程e)において下げる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
方法工程f)で蒸発された前記少なくとも1種の非極性有機溶媒を追加の方法工程g)において液化し、液状の少なくとも1種の非極性有機溶媒を方法工程a)に再び供給する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
方法工程a)で準備された前記藻類バイオマスは、細胞破壊に供給されており、及び/又は乾燥されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
方法工程a)で準備された前記藻類バイオマスは、粒状藻類バイオマスである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1種の非極性有機溶媒は、アルカン、特にn-アルカンである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
方法工程b)で得られた前記藻類抽出物は、更なるカロテノイド、ポリフェノール、及び/又はフィトステロールを含み、これらが、方法工程f)において、前記脂肪酸含有藻類抽出物画分から前記脂肪酸含有脂質画分と一緒に前記少なくとも1種の非極性有機溶媒から分離される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
方法工程e)で得られた、前記フコキサンチン結晶含有析出物中の前記フコキサンチン結晶は、0.1μm~10μmの直径を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
方法工程e)で得られた、前記フコキサンチン結晶含有析出物中の前記フコキサンチン結晶は、特に10μm~100μmのサイズの凝集物の形で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
方法工程e)における前記フコキサンチン結晶含有析出物の分離は、過剰圧力、低圧力又は真空の補助による濾過によって行われる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
方法工程b)における前記抽出反応器内での滞留時間は、1分間~60分間である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
方法工程d)における前記析出反応器内での滞留時間は、1分間~60分間である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの抽出反応器ユニット(10)及び/又は前記少なくとも1つの析出反応器ユニット(20)は、1つの流動床反応器又は複数の流動床反応器である、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
方法工程f)で得られた前記脂肪酸含有脂質画分は、(前記脂肪酸含有脂質画分中の脂肪酸の乾燥物質の総重量に対して)50重量%~70重量%のEPAを有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
方法工程f)で得られた前記脂肪酸含有脂質画分は、(前記脂肪酸含有脂質画分中の脂肪酸の乾燥物質の総重量に対して)50重量%~70重量%のDHAを有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な、特に製造されたフコキサンチン結晶。
【請求項20】
請求項1から18のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な、特に製造された脂肪酸、特にEPA及び/又はDHA。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、藻類バイオマスからフコキサンチン結晶含有析出物、特にフコキサンチン結晶、特にフコキサンチン及び脂肪酸含有脂質画分、特に脂肪酸を得る方法、特に藻類バイオマスからフコキサンチン及び脂肪酸を一体的に抽出及び分離する方法、並びにこれらの方法から得られた生成物、特にフコキサンチン結晶及び脂肪酸に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な大型藻類及び微細藻類、特に珪藻類(Diatomeen)(珪藻植物門(Bacillariophyta)又は珪藻類(Kieselalgen)としても知られる)並びにプリムネシウム藻綱(Prymnesiophyceae)を代表するものには、工業的に適切な量のカロテノイドのフコキサンチン(FX)だけでなく、ほとんどが多価不飽和の様々な脂肪酸(例えば、エイコサペンタエン酸EPA又はドコサヘキサエン酸DHA)が含まれている。フコキサンチンの化学合成は可能であるが、非常に費用がかかる(Kajikawaら, 2012)。EPA及びDHAは通常、魚油から製造される(Leeら, 2009)。
【0003】
フコキサンチンは、藻類細胞のチラコイド膜の膜間腔でフコキサンチン-クロロフィル-a/c-タンパク質複合体(FCP)の形で存在し、そこで緑色から青色の波長領域の光エネルギーを細胞の光化学系に内在する一次色素へと伝達する集光性色素である。橙色から帯赤色の色素としてのその着色特性に加えて、フコキサンチンはその健康増進特性に基づき商業的観点からも関心が持たれており、これらの特性は、本質的に分子の構造及び官能基(とりわけ、エポキシ基及び累積炭素二重結合)に基づいている(Pengら, 2011)。フコキサンチンについては、すでに多くの研究が行われており、とりわけ、フコキサンチンの抗酸化作用(Airanthiら, 2011)、抗炎症作用(Heoら, 2012)、癌抑制作用(Hosokawaら, 1999)及び減量作用(Maedaら, 2005)が記録されている。これらの特性に基づき、フコキサンチンは、栄養生理学的観点から関心が持たれているだけでなく、例えば日焼け止めクリームなどの化粧品にも有利に使用可能である(Heo及びJeon, 2009)。
【0004】
藻類に含まれる(大部分が一価不飽和及び多価不飽和の)脂肪酸は、藻類種に応じて、葉緑体膜の構成要素としての糖脂質及びリン脂質の形で存在するか、又はトリアシルグリセリド(TAG)の形で貯蔵脂質として存在する。最も経済的に関心が持たれているのは、EPA及びDHAなどの必須脂肪酸である。これらは同様に様々な健康増進特性を有する。
【0005】
EPA又はDHAなどの脂肪酸は、極性溶媒を用いて、また非極性溶媒を用いて古典的に、又は圧力に基づく方法によって得ることができる(Pieberら, 2012)。同様に、フコキサンチンを脂肪酸などの他の親油性成分と一緒に室温で又は圧力に基づく方法によってより高温で抽出するためにも、極性溶媒(エタノール、酢酸エチル、アセトン)が用いられる。
【0006】
古典的な様式で使用されていた極性溶媒により確かに高収率のフコキサンチンが得られるが、非常に非選択的である。したがって、得られる抽出物は、非常に高い割合の他の脂質(とりわけ、脂肪酸、フィトステロール及び他のカロテノイド)を含み、高純度のフコキサンチンを得るためには費用をかけて精製しなければならない。
【0007】
微細藻類及び大型藻類の場合に、その際、フコキサンチン、脂肪酸及び多くの他の脂質を含む抽出物が生ずる。この場合に、他の脂質が、乾燥質量に関して抽出物の主要部分に相当し得る。
【0008】
これまで、当業界では、抽出された画分中の脂肪酸(例えば、EPA)とフコキサンチンとを互いに分離し、こうしてこれらの成分を精製する以下の方策が特に知られている。
【0009】
2相系の液/液抽出によって事前に得られた抽出物中の脂肪酸とフコキサンチンとを分離するために、事前に使用された溶媒と混和しない又は部分的にのみ混和する非極性溶媒(例えば、ヘキサンとエタノール及び水との組合せ)を用いることができる(Kimら, 2012a、2012b)。このためには、大量の追加の溶媒が必要であり、大抵は成分の分離は完全には不可能であるため、個々の画分の総乾燥質量に対する両方の成分の必要とされる高い純度は達成されない。
【0010】
例えば、Kimら, 2012aによる方法では、両方の物質種(脂肪酸及びフコキサンチン)を含むエタノール抽出物から脂質/脂肪酸を除去するためにn-ヘキサンが使用される。フコキサンチンはn-ヘキサン中にほとんど不溶性であるため、n-ヘキサンは上述の極性溶媒よりもフコキサンチンをはるかに少ししか取り込むことができないことが確認された。全体として、抽出には3時間というさらに非常に長い時間がかかった。
【0011】
いわゆるATPS系にリン酸塩を添加することによって、フコキサンチンを「排除」によって沈降させることができる(Gomez-Loredoら, 2014)。ここで、両方の物質を利用可能にするためには、例えば透析濾過によって、再び該系から多量のリン酸塩を除去しなければならないという問題があり、これにはまたしても費用がかかり、更なる方法工程をもたらす結果となる。
【0012】
同様に、シリカゲルカラムによる成分のクロマトグラフィー分離に関する研究もある(Xiaら, 2013)。フコキサンチンについては確かに高い純度が達成されるが、この方法は高価であり、非常に時間がかかる。
【0013】
国際公開第2015/101410号パンフレットには、少なくとも1種のアルカンによるフコキサンチンの液/固抽出を行い、抽出物からフコキサンチンを結晶化によって単離するフコキサンチンの連続的な抽出方法が開示されている。この方法では、フコキサンチンの単離のために、特にクロマトグラフィーカラム又は固定床を有する充填カラムが使用される。この方法の不利点は、高純度のフコキサンチンが達成されないことと、特にクロマトグラフィーカラム又は充填固定床の使用が高い浪費、特に高い時間的浪費を意味することである。さらに、国際公開第2015/101410号パンフレットに開示される方法は、藻類抽出物からの脂肪酸含有画分がさらに消費されないため、より経済性が低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2015/101410号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の基礎をなす技術的課題は、フコキサンチン並びに脂肪酸、特にEPA及び/又はDHAの両方を高収率で、特に高純度で、かつ生成物の損傷なく得ること、そのうえ特に費用効果が高く、経済的に魅力的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、本発明の基礎をなす技術的課題を、独立請求項の教示を提供することにより解決する。
【0017】
本発明によれば、藻類バイオマスからフコキサンチン含有析出物及び脂肪酸含有脂質画分を得る方法であって、以下の方法工程:
a)少なくとも1種の非極性有機溶媒及び藻類バイオマスを準備する方法工程と、
b)方法工程a)で準備された藻類バイオマスから、方法工程a)で準備された少なくとも1種の非極性有機溶媒によって、少なくとも1つの第1のフィルター要素が割り当てられている少なくとも1つの抽出反応器ユニットにおいて、60℃~150℃の温度及び1.5bar~100barの圧力でフコキサンチン及び脂肪酸を抽出して、藻類抽出物と抽出済み藻類バイオマスとを含む混合物を得る方法工程と、
c)少なくとも1つの第1のフィルター要素を通じた濾過によって、方法工程b)で得られた混合物から抽出済み藻類バイオマスを分離して、濾過済み藻類抽出物を得た後、得られた濾過済み藻類抽出物を、少なくとも1つの第2のフィルター要素が割り当てられている少なくとも1つの析出反応器ユニットへと導入する方法工程と、
d)濾過済み藻類抽出物の温度を、析出反応器ユニット内で-80℃~50℃に下げることでフコキサンチン結晶を析出させて、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分の混合物を得る方法工程と、
e)少なくとも1つの第2のフィルター要素を通じた濾過によって、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分の混合物からフコキサンチン結晶含有析出物を分離して、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分を得る方法工程と、
f)少なくとも1種の非極性有機溶媒を蒸発させることによって、脂肪酸含有藻類抽出物画分から脂肪酸含有脂質画分を分離して、脂肪酸含有脂質画分を得る方法工程と、
を含む、方法が提供される。
【0018】
したがって、本発明は、藻類バイオマスからフコキサンチン結晶含有析出物、特にフコキサンチン及び脂肪酸含有脂質画分を、特に断続的に得る方法であって、第1の方法工程a)において、少なくとも1種の非極性有機溶媒及び藻類バイオマスを準備し、第2の方法工程b)において、第1の方法工程で準備された藻類バイオマスから、第1の方法工程で準備された少なくとも1種の非極性有機溶媒によって、特に60℃~150℃の温度及び1.5bar~100barの圧力でフコキサンチン及び脂肪酸を抽出して、藻類抽出物と抽出済み藻類バイオマスとを含む混合物を得る、方法を提供する。
【0019】
第3の方法工程c)において、濾過によって、第2の方法工程で得られた混合物から抽出済み藻類バイオマスを分離して、濾過済み藻類抽出物を得る。第4の方法工程d)において、濾過済み藻類抽出物の温度を-80℃~50℃に下げることでフコキサンチン結晶が析出するため、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分の混合物が得られる。
【0020】
第5の方法工程e)において、濾過によって、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分の混合物からフコキサンチン結晶含有析出物を分離して、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分を得る。第6の方法工程f)において、少なくとも1種の非極性有機溶媒を蒸発させることによって、脂肪酸含有藻類抽出物画分から脂肪酸含有脂質画分を分離して、脂肪酸含有脂質画分を得る。本発明は、特に、少なくとも1つの抽出反応器ユニットと該抽出反応器ユニットに下流接続された少なくとも1つの析出反応器ユニットとを備える反応器系において、上述の6つの方法工程a)~f)を実施することを企図しており、ここで、各抽出反応器ユニットには、少なくとも1つの第1のフィルター要素が割り当てられており、各析出反応器ユニットには、少なくとも1つの第2のフィルター要素が割り当てられており、かつ少なくとも1つの第1のフィルター要素は、第1の工程から最後の工程(方法工程a)から第6の工程、すなわち方法工程f))へのプロセス方向で見て、少なくとも1つの析出反応器ユニットの上流に配置されており、かつ少なくとも1つの第2のフィルター要素は、少なくとも1つの析出反応器ユニットの下流に配置されている。
【0021】
したがって、本発明による、特に断続的な方法様式は、特に、少なくとも1種の非極性有機溶媒によって、藻類バイオマスからフコキサンチン含有析出物、特にフコキサンチン及び脂肪酸含有脂質画分を抽出し、本発明による反応パラメーター及び、特に断続的な方法様式によって、少なくとも2つのフィルター要素を利用して、すなわち第2の方法工程で得られた抽出済み藻類バイオマス及び第4の方法工程で得られたフコキサンチン結晶含有析出物の分離のために、高収率かつ高純度のフコキサンチン及び脂肪酸を得ることができることを特徴とする。
【0022】
この方法は、連続的又は断続的に実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による方法の概略図を示す図である。
図2A】市販の分析用フコキサンチン標準(95%以上、それぞれ上方)及びP.トリコルナータム(P.tricornutum)からの本発明により得られたフコキサンチン結晶含有析出物(95%以上、それぞれ下方)のUHPLCクロマトグラム(A)を示す図である。
図2B】市販の分析用フコキサンチン標準(95%以上、それぞれ上方)及びP.トリコルナータム(P.tricornutum)からの本発明により得られたフコキサンチン結晶含有析出物(95%以上、それぞれ下方)の質量スペクトル(B)を示す図である。
図3】P.トリコルナータムからの本発明により得られて乾燥されたフコキサンチン結晶含有析出物を示す図である。
図4A】フコキサンチン結晶凝集物(A)に関する本発明により得られたフコキサンチン含有析出物の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。
図4B】個々のフコキサンチン結晶(B)に関する本発明により得られたフコキサンチン含有析出物の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。
図4C】個々のフコキサンチン結晶(C)に関する本発明により得られたフコキサンチン含有析出物の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
藻類バイオマスからのフコキサンチン及び脂肪酸の抽出は、本発明によれば、少なくとも1つの第1のフィルター要素が割り当てられている少なくとも1つの抽出反応器ユニットにおいて、60℃~100℃の温度及び1.5bar~100barの圧力で行われる。抽出によって、藻類抽出物と抽出済み藻類バイオマスとを含む混合物が得られる。抽出済み藻類バイオマスは、少なくとも1つの第1のフィルター要素による濾過によって混合物から除去される。濾過済み藻類抽出物が得られ、これを、少なくとも1つの第2のフィルター要素が割り当てられている少なくとも1つの析出反応器ユニットに導入する。この少なくとも1つの析出反応器ユニット内で、濾過済み藻類抽出物の温度を-80℃~50℃に下げることで、濾過済み藻類抽出物からフコキサンチン結晶が析出するため、フコキサンチン結晶含有析出物及び析出しない脂肪酸含有藻類抽出物画分の混合物が得られる。少なくとも1つの第2のフィルター要素による濾過によって、フコキサンチン結晶含有析出物を、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分の事前に形成された混合物から分離することで、フコキサンチン結晶含有析出物及び脂肪酸含有藻類抽出物画分が得られる。脂肪酸含有藻類抽出物画分から、更なる方法工程において、少なくとも1種の非極性有機溶媒を蒸発させることによって、脂肪酸含有脂質画分を得る。フコキサンチン結晶含有析出物を、少なくとも1つの更なる方法工程、例えば、溶解、乾燥、再結晶化、特に超音波処理による細砕などにおいてさらに処理して、特に規定された直径を有するフコキサンチン結晶、特にフコキサンチンを得ることができる。
【0025】
本発明による方法は、有利には、フコキサンチン結晶、特にフコキサンチン並びに脂肪酸、特にDHA及びEPAを、特に高純度かつ特に高収率で製造する。特に、使用される藻類において、脂肪酸が、むしろ極性の性質を有する糖脂質の形で存在することに鑑みて、脂肪酸の特に高い収率は容易に予測することはできない。理論に拘束されるものではないが、抽出の間に熱に依存した糖脂質の遊離脂肪酸への変換が、この特に高い収率につながる可能性がある。
【0026】
本発明による方法は、脂肪酸及びフコキサンチンを特に高純度で製造し、ここで、有利には、両方の成分は単一の方法過程で得ることができるため、その方法も特に経済的であり費用効果が高い。特に、更なる精製工程を省くことができる。脂肪酸及びフコキサンチン結晶の高純度という特別な利点は、それらのより良好な更なる処理にある。例えば、本発明による方法により得られる脂肪酸は、変色がわずか又は変色がないため、特に化粧品産業で有利に使用し得る。
【0027】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、本発明を実施するために本発明により調整された反応器系において実施される。本発明により調整された反応器系は、少なくとも1つの第1のフィルター要素が割り当てられている少なくとも1つの抽出反応器ユニットと、少なくとも1つの第2のフィルター要素が割り当てられている少なくとも1つの第2の析出反応器ユニットとを備える。好ましくは、反応器系は、第2のフィルター要素の下流に配置され、かつ析出反応器ユニットと接続された蒸発装置、特に蒸留装置を備える。
【0028】
特に有利な実施形態では、1つの抽出反応器ユニットに、少なくとも2つ、特に少なくとも3つ、特に2つ、特に3つの第1のフィルター要素が割り当てられている。
【0029】
特に有利な実施形態では、1つの析出反応器ユニットに、少なくとも2つ、特に少なくとも3つ、特に2つ、特に3つの第2のフィルター要素が割り当てられている。
【0030】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニット及び少なくとも1つの析出反応器ユニットは、互いに空間的に隔離されており、接続、特に流体接続によって接続された2つの反応器である。
【0031】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニット及び少なくとも1つの析出反応器ユニットは、1つの反応器内に一体的に存在し、接続、特に流体接続によって接続された2つの隔離された反応器のユニットを表す。
【0032】
特に有利な実施形態では、両方の反応器ユニット間の接続は、少なくとも1つのチューブ又は少なくとも1つの導管である。
【0033】
特に有利な実施形態では、両反応器ユニット間の接続は、空間分離装置中の開口部である。空間分離装置は壁であり得る。
【0034】
特に有利な実施形態では、反応器ユニットの少なくとも1つには、1つの撹拌機が含まれている。
【0035】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニットには、1つの撹拌機が含まれている。
【0036】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの析出反応器ユニットには、1つの撹拌機が含まれている。
【0037】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニット及び少なくとも1つの析出反応器ユニットには、それぞれ1つの撹拌機が含まれている。
【0038】
特に有利な実施形態では、反応器ユニットの少なくとも1つは、流動床反応器である。
【0039】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニットは、流動床反応器である。
【0040】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの析出反応器ユニットは、流動床反応器である。
【0041】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニット及び少なくとも1つの析出反応器ユニットは、流動床反応器である。
【0042】
特に有利な実施形態では、反応器ユニットの少なくとも1つは、1つの反応器ユニットの温度調節用の装置を備えている。
【0043】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニットは、1つの反応器ユニットの温度調節用の装置を備えている。
【0044】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの析出反応器ユニットは、1つの反応器ユニットの温度調節用の装置を備えている。
【0045】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニット及び少なくとも1つの析出反応器ユニットは、それぞれ1つの反応器ユニットの温度調節用の装置を備えている。
【0046】
特に有利な実施形態では、1つの抽出反応器ユニットは、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を有する。
【0047】
特に有利な実施形態では、1つの析出反応器ユニットは、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を有する。
【0048】
特に有利な実施形態では、1つの抽出反応器ユニットは、1つの入口及び1つの出口を有する。
【0049】
特に有利な実施形態では、1つの析出反応器ユニットは、1つの入口及び1つの出口を有する。
【0050】
特に有利な実施形態では、抽出反応器ユニットに割り当てられた少なくとも1つの第1のフィルター要素は、抽出反応器ユニットの出口にある。
【0051】
特に有利な実施形態では、抽出反応器ユニットに割り当てられたそれぞれの第1のフィルター要素は、抽出反応器ユニットの出口にある。
【0052】
特に有利な実施形態では、抽出反応器ユニットに割り当てられた少なくとも1つの第1のフィルター要素は、析出反応器ユニットの入口にある。
【0053】
特に有利な実施形態では、抽出反応器ユニットに割り当てられたそれぞれの第1のフィルター要素は、析出反応器ユニットの入口にある。
【0054】
特に有利な実施形態では、抽出反応器ユニットに割り当てられた少なくとも1つの第1のフィルター要素は、少なくとも1つの抽出反応器ユニットと少なくとも1つの析出反応器ユニットとの間の接続内に存在する。
【0055】
特に有利な実施形態では、抽出反応器ユニットに割り当てられた少なくとも1つの第1のフィルター要素は、空間分離装置の開口部、特に壁の開口部に存在する。したがって、この少なくとも1つの第1のフィルター要素は、少なくとも1つの抽出反応器ユニットと少なくとも1つの析出反応器ユニットとの接続内に存在する。
【0056】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの第1のフィルター要素は加熱されている。これは、フコキサンチン結晶含有析出物の早期析出を減らし、特に大幅に抑え、特に完全に抑えるという利点を有する。
【0057】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの第1のフィルター要素は、0.1μm~0.9μm、特に0.1μm~0.5μm、特に0.1μm、特に0.2μm、特に0.25μm、特に0.5μm、特に1μmの細孔サイズを有する。
【0058】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの第1のフィルター要素は、鋼、セラミック若しくはPTFE、又はこれらの組合せからなる。
【0059】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの第1のフィルター要素は、クロスフロー濾過に適したフィルター、特に中空糸膜フィルターである。
【0060】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの第1のフィルター要素は、スクリーンフィルター(Siebfilter)である。
【0061】
特に有利な実施形態では、析出反応器ユニットに割り当てられた第2のフィルター要素は、析出反応器ユニットの出口に存在する。
【0062】
特に有利な実施形態では、析出反応器ユニットに割り当てられた第2のフィルター要素は、析出反応器ユニットと後続の装置との少なくとも1つの、特に1つの接続内に存在する。
【0063】
特に有利な実施形態では、第2のフィルター要素は、0.2μm~10μm、特に0.2μm~5μm、特に0.2μm~1μm、特に0.2μm~0.45μm、特に正確に0.2μm、特に正確に0.45μm、特に正確に1μm、特に正確に5μmの細孔サイズを有する。
【0064】
特に有利な実施形態では、第2のフィルター要素は、鋼、セラミック若しくはPTFE、又はこれらの組合せからなる。
【0065】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの第2のフィルター要素は、クロスフロー濾過に適したフィルター、特に中空糸膜フィルターである。
【0066】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの第2のフィルター要素は、スクリーンフィルターである。
【0067】
特に有利な実施形態では、乾燥用、特に噴霧乾燥用、特に凍結乾燥用の装置は、抽出反応器ユニットの上流に接続されていることを企図している。
【0068】
特に有利な実施形態では、細胞破壊用の装置は、抽出反応器ユニットの上流に接続されていることを企図している。
【0069】
特に有利な実施形態では、細胞破壊用の装置は、抽出反応器ユニットの上流に接続されており、かつ乾燥用、特に噴霧乾燥用、特に凍結乾燥用の装置は、細胞破壊用の装置の下流に接続されていることを企図している。
【0070】
特に有利な実施形態では、細胞破壊用の装置は、高圧ホモジナイザー又はボールミル、特に撹拌型ボールミルである。
【0071】
特に有利な実施形態では、蒸留装置は、第2のフィルター要素の下流に接続されていることを企図している。
【0072】
特に有利な実施形態では、溶媒返送用の装置は、蒸留装置の下流に接続されていることを企図している。
【0073】
特に有利な実施形態では、フコキサンチン結晶含有析出物の更なる処理用、特に細砕用の装置が第2のフィルター要素の下流に設けられている。フコキサンチン結晶含有析出物の更なる処理用、特に細砕用のこの装置は、蒸留装置の接続部を損なわずに、すなわち特に蒸留装置と並行して接続されていてもよい。
【0074】
特に有利な実施形態では、フコキサンチン結晶含有析出物の細砕用の装置は、超音波によってフコキサンチン結晶含有析出物を細砕する装置である。
【0075】
特に有利な実施形態では、フコキサンチン結晶含有析出物の細砕用の装置は、機械的剪断力によってフコキサンチン結晶含有析出物を細砕する装置である。
【0076】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニットと少なくとも1つの析出反応器ユニットとの間に圧力差がある。
【0077】
特に有利な実施形態では、第1のフィルター要素前後の、特に少なくとも1つの抽出反応器ユニットと少なくとも1つの析出反応器ユニットとの間の圧力差は、1bar~99bar、特に1bar~98bar、特に1bar~97bar、特に1bar~90bar、特に1bar~80bar、特に1bar~70bar、特に1bar~60bar、特に5bar~99bar、特に5bar~98bar、特に5bar~97bar、特に5bar~90bar、特に5bar~80bar、特に5bar~70bar、特に5bar~60bar、特に10bar~99bar、特に20bar~98bar、特に20bar~97bar、特に20bar~90bar、特に20bar~80bar、特に20bar~70bar、特に20bar~60bar、特に20bar~99bar、特に20bar~98bar、特に20bar~97bar、特に20bar~90bar、特に20bar~80bar、特に20bar~70bar、特に20bar~60barである。
【0078】
特に有利な実施形態では、少なくとも1つの抽出反応器ユニットと少なくとも1つの第2のフィルター要素との間に圧力差がある。
【0079】
特に有利な実施形態では、第2のフィルター要素前後の、特に少なくとも1つの抽出反応器ユニットと蒸発装置との間の圧力差は、1bar~99bar、特に1bar~98bar、特に1bar~97bar、特に1bar~90bar、特に1bar~80bar、特に1bar~70bar、特に1bar~60bar、特に5bar~99bar、特に5bar~98bar、特に5bar~97bar、特に5bar~90bar、特に5bar~80bar、特に5bar~70bar、特に5bar~60bar、特に10bar~99bar、特に20bar~98bar、特に20bar~97bar、特に20bar~90bar、特に20bar~80bar、特に20bar~70bar、特に20bar~60bar、特に20bar~99bar、特に20bar~98bar、特に20bar~97bar、特に20bar~90bar、特に20bar~80bar、特に20bar~70bar、特に20bar~60barである。
【0080】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、脂肪酸について、65重量%~95重量%(TS(ドイツ語)(英語ではDM)、乾燥物質)の収率(出発材料中の脂肪酸の乾燥重量に対する収率)を有する。
【0081】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、EPAについて、65重量%~98重量%(TS)の収率(出発材料中のEPAの乾燥重量に対する収率)を有する。
【0082】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、フコキサンチンについて、30重量%~75重量%、特に40重量%~75重量%(TS)の収率(出発材料中のフコキサンチンの乾燥重量に対する収率)を有する。
【0083】
本発明による方法の特に有利な実施形態では、方法工程a)で準備される藻類バイオマスは、準備前に、特に細胞破壊によって細砕されていることを企図している。
【0084】
本発明による方法の特に有利な実施形態では、方法工程a)で準備される藻類バイオマスは、準備前に、特に噴霧乾燥又は凍結乾燥によって乾燥されていることを企図している。
【0085】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程a)で準備される藻類バイオマスは、準備前に、特に細胞破壊によって細砕され、かつ特に噴霧乾燥又は凍結乾燥によって乾燥されていることを企図している。
【0086】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程a)で準備される藻類バイオマスは、粒状藻類バイオマスである。
【0087】
特に有利な実施形態では、藻類バイオマスの細砕、特に細胞破壊は、方法工程a)における準備前に、ボールミル、特に撹拌型ボールミルによって、又は高圧ホモジナイザーによって、特にボールミル、特に撹拌型ボールミルによって実施することを企図している。
【0088】
本発明の特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒は、アルカン、特にn-アルカンであるか、又は種々のアルカン、特に種々のn-アルカンからの組合せであることを企図している。
【0089】
本発明の特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及び/又はこれらの組合せ、特にn-ヘキサン、n-ペンタン、n-ヘプタン及び/又はこれらの組合せ、特にシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及び/又はこれらの組合せであることを企図している。
【0090】
本発明の特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒は、ヘキサン又はヘプタン、特にヘキサン、特にヘプタンであることを企図している。
【0091】
本発明の特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒は、n-ヘキサン又はn-ヘプタン、特にn-ヘキサン、特にn-ヘプタンであることを企図している。
【0092】
特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒は、方法工程a)における準備前に、少量の、特に0.1容量%~10容量%、特に0.1容量%~5容量%、特に0.1容量%~1容量%、特に0.1容量%~0.5容量%(それぞれ、少なくとも1種の非極性有機溶媒と少なくとも1種の極性溶媒とからの混合物の総容量に対する)の少なくとも1種の極性溶媒と混合される。
【0093】
特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒と少なくとも1種の極性溶媒とからの混合物中の少なくとも1種の極性溶媒は、エタノール、酢酸エチル、アセトン又はそれらの混合物からなる群から選択される溶媒である。
【0094】
方法工程a)における準備前に少なくとも1種の非極性有機溶媒を少量の少なくとも1種の極性溶媒と混合することで、特に有利には、フコキサンチン及び/又は脂肪酸の収率の増加がもたらされる。
【0095】
本発明の特に有利な実施形態では、藻類バイオマスは、大型藻類又は微細藻類、特に珪藻類、特に珪藻植物綱(Bacillariophyceae)、特にプリムネシウム藻綱(class Prymnesiophyceae)の藻類、特にフェオダクチラム・トリコルナータム(Phaeodactylum tricornutum)、特にシリンドロテカ・フシフォルミス(Cylindrotheca fusiformis)、特にオドンテラ・アウリタ(Odontella aurita)、特にハプト藻(Haptophyta)、特にイソクリシスの1種(Isochrysis spec.)、特にイソクリシス・ガルバナ近縁種(Isochrysis aff. galbana)の藻類バイオマスであることを企図している。
【0096】
本発明の非常に特に有利な実施形態では、藻類バイオマスは、フェオダクチラム・トリコルナータムの藻類バイオマスであることを企図している。
【0097】
特に有利な実施形態では、藻類バイオマスからフコキサンチン含有析出物及び脂肪酸含有脂質画分を得る方法は、藻類バイオマスからフコキサンチン含有析出物及び脂肪酸含有脂質画分を断続的に得る方法である。
【0098】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、方法工程b)における温度が100℃~120℃、特に正確に100℃であることを企図している。
【0099】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程b)における温度は、70℃~120℃、特に70℃~100℃、特に70℃~95℃、特に70℃~90℃、特に70℃~80℃、特に正確に70℃である。
【0100】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程b)における温度は、80℃~150℃、特に80℃~120℃、特に80℃~100℃、85℃~150℃、特に85℃~120℃、特に85℃~100℃、特に90℃~150℃、特に90℃~100℃、特に正確に80℃、特に正確に90℃、特に正確に95℃である。
【0101】
特に有利な実施形態では、方法工程b)における圧力は、3bar~100bar、特に5bar~100bar、特に10bar~100bar、特に15bar~100bar、特に20bar~100bar、特に25bar~100bar、特に30bar~100bar、特に40bar~100bar、特に50bar~100bar、特に60bar~100bar、特に70bar~100bar、特に1.5bar~90bar、特に1.5bar~80bar、特に1.5bar~70bar、特に1.5bar~60bar、特に1.5bar~50bar、特に1.5bar~40bar、特に1.5bar~30bar、特に1.5bar~25bar、特に1.5bar~20bar、特に1.5bar~15bar、特に1.5bar~10bar、特に1.5bar~5bar、特に1.5bar~3bar、特に3bar~90bar、特に3bar~80bar、特に3bar~70bar、特に3bar~60bar、特に3bar~50bar、特に3bar~40bar、特に3bar~30bar、特に3bar~25bar、特に3bar~20bar、特に3bar~15bar、特に3bar~10bar、特に3bar~5bar、特に5bar~90bar、特に5bar~80bar、特に5bar~70bar、特に5bar~60bar、特に5bar~50bar、特に5bar~40bar、特に5bar~30bar、特に5bar~25bar、特に5bar~20bar、特に5bar~15bar、特に5bar~10barであることを企図している。
【0102】
非常に特に有利な実施形態では、方法工程b)における圧力は、100barであることを企図している。
【0103】
方法工程b)で使用される圧力を、特に相乗的に使用して、方法工程b)による抽出を引き起こすことができ、特定の実施形態によれば、第1のフィルター要素前後の圧力に補助されて濾過済み藻類抽出物を得ることができ、第2のフィルター要素前後の圧力に補助されてフコキサンチン含有析出物を分離することができるだけでなく、脂肪酸含有藻類抽出物画分を得ることができる。
【0104】
特に有利な実施形態では、方法工程b)で使用される第1のフィルター要素前後の圧力に補助されて、濾過済み藻類抽出物を得ることができ、かつ/又は第2のフィルター要素前後の圧力に補助されて、フコキサンチン含有析出物を分離することができるだけでなく、脂肪酸含有藻類抽出物画分を得ることができる。
【0105】
特に有利な実施形態では、方法工程b)で使用される第1のフィルター要素前後の圧力に補助されて、濾過済み藻類抽出物を得ることができ、かつ第2のフィルター要素前後の圧力に補助されて、フコキサンチン含有析出物を分離することができるだけでなく、脂肪酸含有藻類抽出物画分を得ることができる。
【0106】
特に有利な実施形態では、方法工程b)における抽出反応器ユニット内での滞留時間は、1分間~60分間、特に1分間~45分間、特に1分間~30分間、特に1分間~25分間、特に1分間~20分間、特に1分間~15分間、特に1分間~10分間、特に1分間~5分間であることを企図している。
【0107】
非常に特に有利な実施形態では、方法工程b)における抽出反応器ユニット内での滞留時間は、1分間~5分間であることを企図している。
【0108】
方法工程b)における特に短い滞留時間によって、これまでに知られている方法と比較して、脂肪酸及び/又はフコキサンチンの生成物の損傷がわずかしか生じないこと、及び/又は脂肪酸含有脂質画分及び/又はフコキサンチン結晶含有析出物がより高い純度を有することを達成し得る。
【0109】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程b)は、回分式操作モードで実施することを企図している。
【0110】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、方法工程b)を、方法工程c)の実施前に、少なくとも1回、特に少なくとも2回、特に少なくとも3回、特に少なくとも4回繰り返すことを企図している。
【0111】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程b)で得られた藻類抽出物は、更なるカロテノイド、ポリフェノール、及び/又はフィトステロールを含むことを企図している。特に、前述の物質、すなわち、更なるカロテノイド、ポリフェノール、及び/又はフィトステロールは、本発明の特に有利な実施形態では、方法工程f)おいて脂肪酸含有脂質画分と一緒に得られる、すなわち、得られた脂肪酸含有脂質画分中に存在することを企図している。
【0112】
特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒は、方法工程b)の前に方法工程b0)において、特に抽出反応器ユニット内で、好ましくは抽出反応器ユニットの上流に接続され、かつ該抽出反応器ユニットと接続されている別個の装置内で、方法工程b)で必要とされる温度に予熱される。
【0113】
特に有利な実施形態では、少なくとも1種の非極性有機溶媒は、方法工程b)の前に方法工程b0)において、好ましくは温度調節用の装置を備えた析出反応器ユニット内で予熱された後に、抽出反応器ユニットへと移送される。
【0114】
本発明の特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程b)での抽出の実施後に方法工程c)において下げられる。
【0115】
特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程b)での抽出の実施後に方法工程c)において、1bar~30bar、特に1bar~20bar、特に1bar~15bar、特に1bar~10bar、特に1bar~5bar、特に1bar~3bar、特に1bar~2bar、特に1bar~1.5bar、特に1.5bar~30bar、特に1.5bar~20bar、特に1.5bar~15bar、特に1.5bar~10bar、特に1.5bar~5bar、特に1.5bar~3bar、特に1.5bar~2bar、特に2bar~30bar、特に2bar~20bar、特に2bar~15bar、特に2bar~10bar、特に2bar~5bar、特に2bar~3bar、特に3bar~30bar、特に3bar~20bar、特に3bar~15bar、特に3bar~10bar、特に3bar~5bar、特に1bar、特に2bar、特に3bar、特に5bar、特に10bar、特に20barに下げられる。
【0116】
特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程b)での抽出の実施後に方法工程c)において、0bar~10bar、特に0bar~5bar、特に0bar~3bar、特に0bar~2bar、特に0bar~1.5bar、特に0barに下げられる。
【0117】
非常に特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程b)での抽出の実施後に方法工程c)において、30barに下げられる。
【0118】
少なくとも1つの第1のフィルター要素及び/又は少なくとも1つの第2のフィルター要素での圧力差を介して、方法工程c)及び/又は方法工程e)での濾過を引き起こすために、特にエネルギー的に合理的に引き起こすために、方法工程b)で抽出に使用された圧力を使用することもできる。特に、少なくとも1つの第1のフィルター要素及び少なくとも1つの第2のフィルター要素での圧力差を介して、方法工程c)及び方法工程e)での濾過を引き起こすために、特にエネルギー的に合理的に引き起こすために、方法工程b)による圧力を使用することができる。
【0119】
本発明の特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程d)での析出の実施後に方法工程e)において下げられる。
【0120】
特に有利な実施形態では、方法工程d)の間の析出反応器ユニット内の圧力は、1bar~30bar、特に1bar~20bar、特に1bar~15bar、特に1bar~10bar、特に1bar~5bar、特に1bar~3bar、特に1bar~2bar、特に1bar~1.5bar、特に1.5bar~30bar、特に1.5bar~20bar、特に1.5bar~15bar、特に1.5bar~10bar、特に1.5bar~5bar、特に1.5bar~3bar、特に1.5bar~2bar、特に2bar~30bar、特に2bar~20bar、特に2bar~15bar、特に2bar~10bar、特に2bar~5bar、特に2bar~3bar、特に3bar~30bar、特に3bar~20bar、特に3bar~15bar、特に3bar~10bar、特に3bar~5bar、特に1bar、特に2bar、特に3bar、特に5bar、特に10bar、特に20bar、特に30barである。
【0121】
非常に特に有利な実施形態では、方法工程d)の間の析出反応器ユニット内の圧力は、30barである。
【0122】
特に有利な実施形態では、析出反応器ユニット内の圧力は方法工程d)の間に下げられる。
【0123】
特に有利な実施形態では、析出反応器ユニット内の圧力は、方法工程d)の間に1bar~20bar、特に1bar~15bar、特に1bar~10bar、特に1bar~5bar、特に1bar~3bar、特に1bar~2bar、特に1bar~1.5bar、特に1.5bar~20bar、特に1.5bar~15bar、特に1.5bar~10bar、特に1.5bar~5bar、特に1.5bar~3bar、特に1.5bar~2bar、特に2bar~20bar、特に2bar~15bar、特に2bar~10bar、特に2bar~5bar、特に2bar~3bar、特に3bar~20bar、特に3bar~15bar、特に3bar~10bar、特に3bar~5bar、特に1bar、特に2bar、特に3bar、特に5bar、特に10bar、特に20barに下げられる。
【0124】
非常に特に有利な実施形態では、析出反応器ユニット内の圧力は、方法工程d)の間に3barに下げられる。
【0125】
特に有利な実施形態では、析出反応器ユニット内の圧力は、方法工程d)の開始時に30barであり、方法工程d)の間に3barに下げられる。
【0126】
特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程d)での析出の実施後に方法工程e)において、1bar~20bar、特に1bar~15bar、特に1bar~10bar、特に1bar~5bar、特に1bar~3bar、特に1bar~2bar、特に1bar~1.5bar、特に1.5bar~20bar、特に1.5bar~15bar、特に1.5bar~10bar、特に1.5bar~5bar、特に1.5bar~3bar、特に1.5bar~2bar、特に2bar~20bar、特に2bar~15bar、特に2bar~10bar、特に2bar~5bar、特に2bar~3bar、特に3bar~20bar、特に3bar~15bar、特に3bar~10bar、特に3bar~5bar、特に1bar、特に2bar、特に3bar、特に5bar、特に10bar、特に20barに下げられる。
【0127】
特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程d)での析出の実施後に方法工程e)において、0bar~10bar、特に0bar~5bar、特に0bar~3bar、特に0bar~2bar、特に0bar~1.5bar、特に0barに下げられる。
【0128】
非常に特に有利な実施形態では、圧力は、方法工程d)での析出の実施後に方法工程e)において、0barに下げられる。
【0129】
特に有利な実施形態では、方法工程c)の濾過は、クロスフロー濾過であることを企図している。
【0130】
特に有利な実施形態では、方法工程c)の濾過は、スクリーン濾過(Siebfiltration)であることを企図している。
【0131】
特に有利な実施形態では、方法工程d)での温度は、-80℃~40℃、特に-60℃~50℃、特に-60℃~40℃、特に-40℃~50℃、特に-40℃~40℃、特に-20℃~50℃、特に-20℃~40℃、特に0℃~50℃、特に0℃~40℃、特に5℃~50℃、特に5℃~40℃、特に10℃~50℃、特に10℃~40℃、特に15℃~50℃、特に15℃~40℃に下げられることを企図している。
【0132】
特に有利な実施形態では、方法工程d)における析出反応器ユニット内での滞留時間は、1分間~60分間、特に1分間~45分間、特に1分間~30分間、特に1分間~20分間、特に1分間~15分間、特に1分間~10分間、特に1分間~5分間であることを企図している。
【0133】
方法工程d)での特に短い滞留時間によって、これまでに知られている方法と比較して、脂肪酸及び/若しくはフコキサンチンの生成物の損傷がわずかしか生じないこと、並びに/又は脂肪酸含有脂質画分及び/若しくはフコキサンチン結晶含有析出物がより高い純度を有することを達成し得る。
【0134】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程d)は、半連続式操作モードで、特に向流操作モードで実施することを企図している。
【0135】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程d)は、回分式操作モードで実施することを企図している。
【0136】
特に有利な実施形態では、方法工程b)及び方法工程d)は、回分式操作モードで実施することを企図している。
【0137】
特に有利な実施形態では、方法工程b)は、回分式操作モードで実施し、かつ方法工程d)は、半連続式操作モードで、特に向流操作モードで実施することを企図している。
【0138】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程e)でのフコキサンチン結晶含有析出物の分離は、過剰圧力、低圧力又は真空の補助による濾過によって行うことを企図している。
【0139】
特に有利な実施形態では、方法工程e)の濾過は、クロスフロー濾過であることを企図している。
【0140】
特に有利な実施形態では、方法工程e)の濾過は、スクリーン濾過であることを企図している。
【0141】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、方法工程f)で蒸発された少なくとも1種の非極性有機溶媒を追加の方法工程g)において液化し、液化された少なくとも1種の非極性有機溶媒を方法工程a)に再び供給することを企図している。
【0142】
特に有利な実施形態では、本発明による方法は、方法工程g)を、溶媒の返送用の装置内で実施することを企図している。
【0143】
特に有利な実施形態では、本発明はまた、本発明による方法によって製造可能な、特に製造されたフコキサンチン結晶に関する。
【0144】
特に有利な実施形態では、本発明はまた、本発明による方法によって製造可能な、特に製造された脂肪酸、特にEPA及び/又はDHAに関する。
【0145】
特に有利な実施形態では、方法工程f)で得られた脂肪酸含有脂質画分は、(乾燥物質の総重量に対して)40重量%~90重量%、特に45重量%~75重量%の脂肪酸を有する。
【0146】
特に有利な実施形態では、脂肪酸含有脂質画分は、本質的に脂肪酸からなり、特に脂肪酸からなる。
【0147】
特に有利な実施形態では、方法工程f)で得られた脂肪酸含有脂質画分は、(乾燥物質の総重量に対して)10重量%~50重量%、特に20重量%~35重量%のEPAを有する。
【0148】
特に有利な実施形態では、方法工程f)で得られた脂肪酸含有脂質画分は、(脂肪酸含有脂質画分中の脂肪酸の乾燥物質の総重量に対して)50重量%~70重量%、特に55重量%~65重量%のEPAを有する。
【0149】
特に有利な実施形態では、方法工程f)で得られた脂肪酸含有脂質画分は、(脂肪酸含有脂質画分中の脂肪酸の乾燥物質の総重量に対して)50重量%~70重量%、特に55重量%~65重量%のDHAを有する。
【0150】
特に有利な実施形態では、方法工程f)で得られた脂肪酸含有脂質画分は、(EPA及びDHAの総重量に対して)DHAよりも多くのEPAを有し、特に、DHAと比較して1.2倍、特に1.5倍、特に2倍、特に5倍、特に10倍の量のEPAを有する。これは、より高い割合のEPAが必要とされる場合に特に有利である。これまでに使用されてきたEPA及びDHAについての供給源の魚油からは、このためにクロマトグラフィー法によって費用をかけて両者を互いに分離しなければならない。
【0151】
特に有利な実施形態では、方法工程f)で得られた脂肪酸含有脂質画分は、油様の粘稠度を有する。
【0152】
特に有利な実施形態では、方法工程e)で得られたフコキサンチン結晶含有析出物は、(乾燥物質の総重量に対して)50重量%~100重量%、特に60重量%~99.999重量%のフコキサンチン、特にフコキサンチン結晶を有する。
【0153】
特に、本発明による有利な実施形態では、方法工程d)において滞留時間の期間、冷却の速度、又は両者のパラメーターを変動させることによって、フコキサンチン結晶の純度、すなわちフコキサンチン結晶含有析出物中のフコキサンチン結晶の割合に影響を与えることを企図している。
【0154】
更なる有利な実施形態では、方法工程d)における滞留時間の期間の変動によって、冷却の速度によって、又は両者のパラメーターによって、フコキサンチン結晶含有析出物中の得られるフコキサンチン結晶の直径に影響を与えることを企図し得る。
【0155】
本発明の一実施形態では、フコキサンチン結晶含有析出物中に含まれるフコキサンチン結晶は、例えば10μm~100μm、特に10μm~80μm、特に10μm~70μm、特に10μm~50μm、特に10μm~25μm、特に20μm~100μm、特に20μm~80μm、特に20μm~70μm、特に20μm~50μm、特に20μm~25μm、特に30μm~80μm、特に30μm~70μm、特に30μm~50μmのサイズの凝集物の形で存在する。特に有利な実施形態では、これらの凝集物は、超音波によって個々の結晶へと変換し得る。
【0156】
特に有利な実施形態では、フコキサンチン結晶は、フコキサンチン結晶含有析出物から、フコキサンチン結晶含有析出物の細砕によって得られる。
【0157】
特に有利な実施形態では、フコキサンチン結晶含有析出物を超音波によって細砕して、フコキサンチン結晶を得ることを企図している。
【0158】
特に有利な実施形態では、フコキサンチン結晶含有析出物を機械的剪断力によって細砕して、フコキサンチン結晶を得ることを企図している。
【0159】
特に有利な実施形態では、フコキサンチン結晶含有析出物を再結晶化させて、フコキサンチン結晶を得ることを企図している。
【0160】
本発明の特に有利な実施形態では、方法工程e)においてフコキサンチン結晶含有析出物中に含まれるフコキサンチン結晶は、0.1μm~10μm、特に0.5μm~10μm、特に1μm~10μm、特に2μm~10μm、特に3μm~10μm、特に4μm~10μm、特に5μm~10μm、特に6μm~10μm、特に8μm~10μm、特に0.1μm~8μm、特に0.1μm~6μm、特に0.1μm~4μm、特に0.1μm~2μm、特に0.1μm~1μm、特に0.5μm~8μm、特に0.5μm~6μm、特に0.5μm~4μm、特に0.5μm~2μm、特に0.5μm~1μm、特に1μm~9μm、特に1μm~8μm、特に1μm~6μm、特に1μm~5μm、特に1μm~4μm、特に1μm~2μm、特に3μm~8μm、特に3μm~6μm、特に3μm~5μm、特に3μm~4μmの直径を有することを企図している。
【0161】
本発明との関連で、「藻類バイオマス」とは、藻類、特に大型藻類、特に微細藻類を含み、特に本質的にこれらからなり、特にこれらからなる生物起源の材料を意味すると解釈される。
【0162】
本発明との関連で、「抽出済み藻類バイオマス」とは、抽出によって物質が除去された藻類バイオマスを意味すると解釈される。特に、抽出済み藻類バイオマスとは、使用される溶媒中に溶解しない材料を意味すると解釈される。
【0163】
本発明に関連して、「藻類抽出物」とは、少なくとも1種の非極性溶媒と該溶媒中に溶解された藻類バイオマス由来の物質とからの組成物を意味すると解釈される。
【0164】
本発明に関連して、「濾過済み藻類抽出物」とは、分離、特に濾過に供された藻類抽出物を意味すると解釈される。
【0165】
本発明に関連して、「フコキサンチン結晶含有析出物」とは、濾過済み藻類抽出物から沈降した、すなわち析出した、フコキサンチン結晶を含む、特に本質的にこれらからなる、特にこれらからなる材料を意味すると解釈される。特に、フコキサンチン結晶含有析出物は、フコキサンチン結晶の凝集物を含み得る、特に本質的にこれらからなり得る、特にこれらからなり得る。
【0166】
本発明に関連して、「脂肪酸含有藻類抽出物画分」とは、脂肪酸を含み、特に本質的にこれらからなり、特にこれらからなり、かつ沈降したフコキサンチン結晶の大部分、特に全部が分離された藻類抽出物画分を意味すると解釈される。
【0167】
本発明に関連して、「脂肪酸含有脂質画分」とは、脂質、とりわけ脂肪酸を含む、特に本質的にこれらからなる、特にこれらからなる画分を意味すると解釈される。特に、脂肪酸含有脂質画分は、脂肪酸を含み得る、特に本質的にこれらからなり得る、特にこれらからなり得る。これは藻類油とも呼ばれ得る。
【0168】
本発明に関連して、「フィルター要素」とは、濾過に適した装置を意味すると解釈される。フィルター要素は、濾過に適している限り、どのようなデザイン、形状、サイズ、又はタイプで構成されていてもよい。
【0169】
本発明に関連して、「第1のフィルター要素」とは、少なくとも1種の非極性有機溶媒によるフコキサンチン及び脂肪酸の抽出によって得られる藻類抽出物から抽出済み藻類バイオマスを分離することができるフィルター要素を意味すると解釈され、その際、濾過済み藻類抽出物としての藻類抽出物が透過液に相当し、抽出済み藻類バイオマスが保持液に相当する。
【0170】
本発明に関連して、「第2のフィルター要素」とは、脂肪酸含有藻類抽出物画分からフコキサンチン結晶含有析出物を分離することができるフィルター要素を意味すると解釈され、ここで、フコキサンチン結晶含有析出物が保持液に相当し、脂肪酸含有藻類抽出物画分が透過液に相当する。
【0171】
本発明に関連して、「抽出反応器ユニット」とは、溶液反応、すなわち抽出のための反応空間として機能する装置を意味すると解釈される。
【0172】
本発明に関連して、「析出反応器ユニット」とは、沈降反応、すなわち析出のための反応空間として機能する装置を意味すると解釈される。
【0173】
本発明に関連して、「回分式操作モード」とは、反応器ユニットの断続的な操作モードを意味すると解釈される、すなわち、出発物質は、ほとんど空の、特に空の反応器ユニットに加えられ、或る特定の滞留時間後に生成物が反応器ユニットから取り出される。
【0174】
本発明に関連して、「分離する」とは、混合物の一部が1つの残りの部分又は複数の残りの部分から空間的に分離され、したがって混合物の一部が1つの残りの部分又は複数の残りの部分ともはや物理的に接触しないことを意味すると解釈される。
【0175】
本発明に関連して、「断続的に得る」とは、本発明による方法様式が、連続的な生成物流により本発明による生成物が得られるのではなく、これらが個別の量単位で得られるようなものであることを意味すると解釈される。
【0176】
本発明に関連して、「抽出」とは、1種以上の物質が材料又は物質混合物から抽出媒体、すなわち溶媒によって溶解される、すなわち抽出媒体中に溶解されることを意味する。
【0177】
本発明に関連して、圧力とは、大気圧を差し引いた後の圧力を意味すると解釈される。
【0178】
本発明に関連して、或る特定の方法工程について示された第1の圧力範囲からの第1の圧力から後続の更なる第2の方法工程について示された更なる第2の圧力範囲内にある第2の圧力に下げる又は下げることとは、第1の圧力範囲から選択される本発明により該方法で使用される第1の圧力を、第2の更なる圧力範囲から選択される相違する、すなわちより低い圧力に下げることを意味すると解釈される。
【0179】
本発明に関連して、圧力を下げることとは、好ましくは、圧力を0バール超に下げることを意味すると解釈される。
【0180】
本発明に関連して、圧力を下げることとは、好ましくは、圧力を0バールに下げることを意味すると解釈される。
【0181】
本発明に関連して、barで示された圧力をPaで示すこともできる。1barは、100000Pa(0.1MPa)である。
【0182】
本発明に関連して、本発明による方法で使用される反応器系に対して指定される相対的な空間的な記述、特に「上流」及び「下流」は、本発明による方法様式の方向、すなわち方法工程a)から出発して方法工程f)への方向で解釈されるべきである。
【0183】
更なる有利な実施形態は従属請求項から明らかになる。
【0184】
本発明を、以下の実施例及び添付の図面に基づきより詳細に説明する。
【実施例
【0185】
[実施例]
以下で、本発明による方法の例示的な実施を、図1に基づき概略的に示すこととする。
【0186】
例えば珪藻植物綱又はプリムネシウム藻綱からの微細藻類バイオマス(A1)を、任意の方法工程において、藻類バイオマスの細胞破壊用の装置(51)内で細砕する。
【0187】
引き続き、細砕された微細藻類バイオマスを、任意の方法工程において藻類バイオマスの乾燥用の装置(52)内で乾燥させ、こうして粒状藻類バイオマスを生成する。
【0188】
粒状微細藻類バイオマスを抽出反応器ユニット(10)に移送し、その中で、3bar~100barの圧力及び60℃~150℃の温度にて、少なくとも1種の非極性有機溶媒、例えばn-ヘキサンによって、藻類バイオマスから藻類抽出物と抽出済み藻類バイオマスとを含む混合物を得る。
【0189】
析出反応器ユニット(20)への経路で、抽出反応器ユニット(10)に割り当てられた第1のフィルター要素(11)を通じて、抽出済み藻類バイオマスを藻類抽出物から分離する。この場合に、抽出反応器ユニット(10)と析出反応器ユニット(20)との間にある圧力差を濾過に利用する。
【0190】
それに応じて、圧力を3bar~20barに下げる。引き続き、析出反応器ユニット(20)内で、圧力を3bar~10barに、そして温度を50℃~-80℃に下げることで、藻類抽出物からフコキサンチン結晶を沈降させる。
【0191】
引き続き、これらの沈降したフコキサンチン結晶を、濾過によって、特に析出反応器ユニット(20)内に存在する3bar~10barの圧力を利用して第2のフィルター要素(21)を通じて分離することで、フコキサンチン結晶含有析出物(P1)と、脂肪酸含有藻類抽出物画分とが得られる。
【0192】
代替的に、第2のフィルター要素(21)を通じた濾過は、特に析出反応器ユニット内の圧力が0バールに下げられる場合に、真空濾過であり得る。この脂肪酸含有藻類抽出物画分からの脂肪酸含有脂質画分(P2)を、更なる方法工程において、蒸留装置(30)内での蒸留によって、少なくとも1種の非極性有機溶媒から分離する。
【0193】
任意に、蒸発された溶媒を、溶媒返送用の装置(40)内で再び冷却して返送し、抽出反応器内での再度の抽出のために使用する。
【0194】
概略図の具体的な実施形態を以下に挙げる。
【0195】
微細藻類バイオマス(A1)として、屋外パイロットプラントにおいて光合成独立栄養条件下で、180L容の平板型フォトバイオリアクター内で事前に生成された珪藻のフェオダクチラム・トリコルナータム(珪藻植物綱)を使用した。
【0196】
粉砕チャンバーCentrex S1及び0.22dm3の粉砕容量を有する撹拌型ボールミル(PML-2、Buehler社)を細胞破壊用の装置(51)として用いて、藻類バイオマスの細砕を行った。直径0.3mm及び密度5.95g cm-3を有する安定化セラミックボール(Draison Ytterium Ultra Power、Buehler社)を粉砕媒体として使用した。水性媒体中に懸濁された藻類細胞を、貯蔵容器からポンプ(PSF3、Ragazzini社)を通じて撹拌型ボールミルの粉砕チャンバーへと連続的に搬送した。破壊の程度の制御を、FTIR分光法を用いて上清中のタンパク質含有量を測定することによって3時間の期間にわたって行った。
【0197】
引き続き、藻類バイオマスを、Christ社の凍結乾燥装置を用いて真空下で24時間の期間にわたって乾燥させた。次いで、真空中で乾燥させた粒状藻類バイオマスを、抽出反応器ユニット(10)へと移送した。
【0198】
抽出反応器ユニット(10)内での抽出のために、100barの圧力及び100℃の温度を使用した。固-液抽出の間の滞留時間は20分間であった。溶媒としてn-ヘキサンを用い、抽出反応器ユニット(10)として耐圧ステンレス鋼容器を用いた。抽出済み藻類バイオマスの分離のために、第1のフィルター要素(11)として、0.25μmの細孔サイズを有する焼結ステンレス鋼フィルターを使用した。
【0199】
析出反応器ユニット(20)への経路で、抽出反応器ユニット(10)に割り当てられた第1のフィルター要素(11)を通じて、抽出済み藻類バイオマスを藻類抽出物から分離した。その際、析出反応器ユニットにおいて、当初の100barから30barに圧力を下げた。
【0200】
その後、析出反応器ユニット(20)内の圧力を3barに下げ、温度を25℃に下げることで、フコキサンチン結晶が藻類抽出物から析出物の形で沈降した。
【0201】
引き続き、これらの沈降したフコキサンチン結晶を、濾過によって、特に析出反応器ユニット(20)内に存在する3barの圧力を利用して第2のフィルター要素(21)を通じて分離することで、フコキサンチン結晶含有析出物と、脂肪酸含有藻類抽出物画分とが得られた。第2のフィルター要素(21)として、1μmの細孔サイズを有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のフィルターを用いた。この脂肪酸含有藻類抽出物画分からの脂肪酸含有脂質画分を、更なる方法工程において、蒸留装置(30)内での蒸留によって、少なくとも1種の非極性有機溶媒のn-ヘキサンから分離した。引き続き、n-ヘキサンを、その後の実施のために抽出反応器ユニット(10)内で再利用した。
【0202】
実施例で使用されたP.トリコルナータムの藻類バイオマスは、藻類バイオマスの総乾燥物質に対して、104.7mg/gの総脂肪酸含有量、54.5mg/gのエイコサペンタエン酸(EPA)含有量、及び17.6mg/gのフコキサンチン含有量を有していた。
【0203】
フコキサンチン結晶含有析出物(P1)として、実施例では、使用されたP.トリコルナータムの藻類バイオマス1gに対して、7.1mgのフコキサンチン結晶含有析出物を得ることができた(図3を参照)。フコキサンチン結晶含有析出物は、個々のフコキサンチン結晶(図4B及び図4C)を集合した凝集物(図4A)の形で有していた。フコキサンチン結晶含有析出物は、(総乾燥物質に対して)98.3重量%のフコキサンチンの質量割合、すなわち純度(UHPLC-MS)を有していた(図2を参照)。使用された出発バイオマスにおいて利用可能なフコキサンチンの量に対して、これは40重量%の収率(TS)(出発材料中のフコキサンチンの乾燥重量に対する収率)に相当する。
【0204】
使用されたP.トリコルナータムの藻類バイオマス1gに対して、87.85mgの脂肪酸及び49.0mgのエイコサペンタエン酸(EPA)を得ることができた。したがって、脂肪酸含有脂質画分(P2)中の脂肪酸の(脂肪酸含有脂質画分中の脂肪酸の乾燥物質の総重量に対して)約55.8重量%はEPAである。使用された出発バイオマスにおいて利用可能な脂肪酸の量に対して、これは83.9重量%の収率(TS)(出発材料中の脂肪酸の乾燥重量に対する収率)に相当する。使用された出発バイオマスにおいて利用可能なエイコサペンタエン酸(EPA)の量に対して、89.9重量%の収率(TS)(出発材料中のEPAの乾燥重量に対する収率)に達した。したがって、(乾燥バイオマス1gについて)134mgの脂肪酸含有脂質画分(P2)の総乾燥物質を考慮すると、脂肪酸は、画分中で(総乾燥物質に対して)65.6重量%の割合に相当する。
【0205】
参考文献
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【符号の説明】
【0206】
参照符号一覧
10 抽出反応器ユニット
20 析出反応器ユニット
11 第1のフィルター要素
21 第2のフィルター要素
30 蒸留装置
40 溶媒返送用の装置
51 藻類バイオマスの細胞破壊用の装置
52 藻類バイオマスの乾燥用の装置
A1 藻類バイオマス
P1 フコキサンチン含有析出物
P2 脂肪酸含有脂質画分
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
【国際調査報告】