(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-08
(54)【発明の名称】機器搭載マウスガードデバイス、及び機器搭載マウスガードデバイス用に構成されている構成要素
(51)【国際特許分類】
A63B 71/08 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
A63B71/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545997
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 AU2020050096
(87)【国際公開番号】W WO2020160621
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521348041
【氏名又は名称】ヒットアイキュー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベガー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ニゼッテ,ベン
(72)【発明者】
【氏名】ラング,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】オースティン,デイビッド
(57)【要約】
機器搭載マウスガードデバイス、例えば、マウスガード着用者の頭部運動を監視することができる加速度計モジュールなどの構成要素を含む機器搭載マウスガードに関する技術をここに記載する。様々な実施形態は、機器搭載マウスガードデバイス、及び可撓性回路基板基体を含む機器搭載マウスガードデバイス用に構成されている構成要素を提供する。幾つかの実施形態において、可撓性回路基板基体は、特定の着用者に対するマウスガード本体の個別化から生じる不規則性をサイズ調整することができるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの口に着用されるように構成されているマウスガード本体であって、前記ユーザの上歯及び/下歯を収容及び保護するように構成されている保護溝を含む、マウスガード本体と、
前記マウスガード本体に装着されている可撓性回路基板基体であって、
互いに離れた位置で前記マウスガード本体に位置決めされている、少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンと、
前記構成要素ゾーンを電子的に結合することができるように構成されている前記可撓性回路基板基体の1つ又は複数の相互接続領域であって、前記相互接続領域のうち所与の1つは、前記マウスガード本体に沿った又は前記マウスガード本体内の直接経路上の前記相互接続領域によって接続されている前記構成要素ゾーンの間の間隔よりも長い長さを有する蛇行経路に従う、1つ又は複数の相互接続領域と、
を含む、可撓性回路基板基体と、
を含む、機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項2】
前記蛇行経路は、特定の着用者に対する前記マウスガード本体の個別化から生じる不規則性のサイズ調整とは無関係に、前記可撓性回路基板基体を前記マウスガード本体に装着することができる、請求項1に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項3】
第1の構成要素ゾーン、第2の構成要素ゾーン、及び第3の構成要素ゾーンに対して、
(i)前記構成要素ゾーンが、
前記マウスガード本体の前領域、
前記マウスガード本体の側領域、及び
前記第2の構成要素ゾーンから前記マウスガード本体の反対側領域
に設置され、
(ii)前記前領域が、前記側領域及び反対側領域に対して前記保護溝の反対側に設置されるように、
前記蛇行経路は、前記可撓性表面基板基体を前記マウスガード本体に装着することができる、請求項1に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項4】
前記前領域は前記保護溝に対して前記本体の内側に設置されており、前記側領域及び反対側領域は前記保護溝に対して前記本体の外側に設置されている、請求項3に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項5】
密封カバーは前記本体に装着され、これによって、覆うための前記保護溝に対する前記本体の前記外側、及び前記保護溝に対する前記本体の前記内側の両方に装着されている構成要素を密封する、請求項3に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項6】
前記相互接続領域のうち少なくとも1つは、前記マウスガード本体に沿った又は前記マウスガード本体内の直接経路上の前記接続構成要素ゾーンの間の前記間隔よりも少なくとも50%長い長さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項7】
前記第1及び第2の構成要素ゾーンは、前記マウスガード本体の前領域及び側領域にそれぞれ設置されている、請求項1に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項8】
前記第1及び第2の構成要素ゾーンは、前記マウスガード本体の反対側領域にそれぞれ設置されている、請求項1に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項9】
構成要素ゾーンを、
前記マウスガード本体の前領域、
前記マウスガード本体の側領域、及び
前記第2の構成要素ゾーンから前記マウスガード本体の反対側領域
に設置するように、第3の構成要素ゾーンを含み、
前記導電部材は、前記第1及び第2の構成要素ゾーンを電子的に結合する第1のセグメントと、前記第2及び第3の構成要素ゾーンを電子的に結合する第2のセグメントとを有する、請求項1に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項10】
前記可撓性回路基板基体の前記相互接続領域のうち少なくとも1つは、前記マウスガード本体に沿った又は前記マウスガード本体内の直接経路上で前記相互接続領域が結合する前記ゾーンの間の前記間隔よりも少なくとも50%長い長さを有する、請求項9に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項11】
前記可撓性回路基板基体の各相互接続領域は、前記マウスガード本体に沿った又は前記マウスガード本体内の直接経路上で前記相互接続領域が結合する前記ゾーンの間の前記間隔よりも少なくとも50%長い長さを有する、請求項9に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項12】
前記第1の構成要素ゾーンは前領域における前記マウスガード本体に設置されており、前記第2の構成要素ゾーンは前領域における前記マウスガード本体に設置されており、前記ゾーンを結合する前記相互接続領域は形成され、これによって、拡張可能領域を与え、全戻り止め幅を調整することができ、これによって、マウスガード本体の様々なサイズ及び/又は形状に対応する、請求項1に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項13】
前記拡張可能領域は、前記マウスガード本体のパレット領域にとられるか又はパレット領域に近い緩みを有する、請求項12に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項14】
前記第1の構成要素ゾーンは前領域における前記マウスガード本体に設置されており、前記第2の構成要素ゾーンは前領域における前記マウスガード本体に設置されており、前記ゾーンを結合する前記導電部材は形成され、これによって、犬歯領域に拡張可能領域を与え、前記マウスガード本体への構成要素適合を調整することができる、請求項1に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項15】
前記構成要素ゾーンの各々は、少なくとも1つの加速度計デバイスを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項16】
前記構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、バッテリーモジュールに対する結合器を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項17】
前記構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、充電コイルを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項18】
前記構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、無線通信モジュールを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項19】
前記構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、前記無線通信モジュール用のアンテナに対する結合器を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項20】
前記構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、メモリモジュール及びマイクロプロセッサを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項21】
前記構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、可撓性領域によって相互接続されている複数の硬質PCBセグメントから形成されている、請求項1~20のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガードデバイス。
【請求項22】
共通基体は部分的に、前記導電部材及び前記第1及び第2の構成要素ゾーンを規定する、請求項1~21のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項23】
前記マウスガードは、
(i)被験者を測定することと、
(ii)前記被験者の前記測定に基づいて内部マウスガード本体部材を形成することと、
(iii)前記構成要素ゾーン及び導電部材を前記内部マウスガード本体の外面に装着することと、
(iv)前記内部マウスガード本体部材に対して外部マウスガード本体部材を密封し、これによって、前記構成要素ゾーン及び導電部材を封入することと、
を含む工程から形成されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項24】
前記被験者を測定する前記ステップは、三次元走査工程を含む、請求項23に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項25】
前記内部マウスガード本体は、前記三次元走査工程から生成されている型を用いて形成されている、請求項24に記載の機器搭載マウスガード。
【請求項26】
少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンであって、前記第1及び第2の主構成要素ゾーンは、互いに離れた位置でマウスガード本体に位置決めされるように構成されている、少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンと、
前記第1及び第2の構成要素ゾーンを電子的に結合する導電部材を支持する可撓性基体であって、前記可撓性基体の1つ又は複数の相互接続領域は、前記構成要素ゾーンを電子的に結合することができるように構成されており、前記相互接続領域のうち所与の1つは、前記マウスガード本体に沿った又は前記マウスガード本体内の直接経路上の前記相互接続領域によって接続されている前記構成要素ゾーンの間の間隔よりも長い長さを有する蛇行経路に従う、可撓性基体と、
を含む、機器搭載マウスガード用の構成要素。
【請求項27】
請求項1~25のいずれか一項に記載のマウスガードデバイスを形成するように構成されている、請求項26に記載の構成要素。
【請求項28】
マウスガードデバイスを形成する方法であって、
(i)被験者の口の内部を走査することと、
(ii)前記被験者の前記走査に基づいて内部マウスガード本体部材を形成することと、
(iii)複数の構成要素ゾーン及び導電部材を前記内部マウスガード本体の外面に装着することであって、所望の位置における前記構成要素ゾーンを様々な形状及びサイズの内部マウスガード本体に適合させることができるように前記導電部材を構成するように、前記導電部材を不規則に形成することと、
(iv)前記内部マウスガード本体部材に対して外部マウスガード本体部材を密封し、これによって、前記構成要素ゾーン及び導電部材を封入することと、
を含む方法。
【請求項29】
前記形成マウスガードは、請求項1~25のいずれか一項に記載のマウスガードデバイスである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンであって、前記第1及び第2の主構成要素ゾーンは、互いに離れた位置でマウスガード本体に位置決めされるように構成されている少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンと、
前記第1及び第2の構成要素ゾーンを電子的に結合する導電部材であって、所望の位置における前記構成要素ゾーンを様々な形状及びサイズのマウスガード本体に適合させることができるように前記導電部材を構成するように、不規則に形成されている導電部材と、
を含む、機器搭載マウスガード用の構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、様々な実施形態における、機器搭載マウスガードデバイス、及び機器搭載マウスガードデバイス用に構成されている構成要素に関する。例えば、これは、マウスガード着用者の頭部運動を監視することができる加速度計モジュールなどの構成要素を含む、機器搭載マウスガードを含む。本明細書において、実施形態の用途を特に参照して幾つかの実施形態を説明するが、本発明はこのような使用分野に限定されず、より広い状況で適用できることが分かるであろう。
【背景技術】
【0002】
背景
本明細書全体にわたる背景技術の説明は、このような背景技術が広く知られていること又は当該技術分野における一般常識の一部を形成することの承認と決して考えるべきではない。
【0003】
近年、例えば、フットボール/ラグビーの訓練、武術などのコンタクトスポーツの参加者に対する脳震盪及び他の外傷性脳損傷の影響に注目が高まっている。それに応じて、様々な関係者は、加速度計及びジャイロスコープなどを含む機器をマウスガードに埋め込み、これによって頭部運動を表すデータを収集する可能性を検討している。しかし、これらの機器搭載マウスガードには、研究機器から広範囲な使用(例えば、民生用デバイス)に移行するにつれて、デバイス/構成要素の設計及び構成に関連して取り組まれるべき課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
本発明の目的は、先行技術の欠点のうち少なくとも1つを克服若しくは改善するか、又は有用な代替案を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、
ユーザの口に着用されるように構成されているマウスガード本体と、
マウスガード本体に装着されている可撓性回路基板基体であって、
互いに離れた位置でマウスガード本体に位置決めされている、少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンと、
構成要素ゾーンを電子的に結合することができるように構成されている可撓性回路基板基体の1つ又は複数の相互接続領域であって、相互接続領域のうち所与の1つは、マウスガード本体に沿った又はマウスガード本体内の直接経路上の相互接続領域によって接続されている構成要素ゾーンの間の間隔よりも長い長さを有する蛇行経路に従う、1つ又は複数の相互接続領域と
を含む、可撓性回路基板基体と
を含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0006】
一実施形態は、特定の着用者に対するマウスガード本体の個別化から生じる不規則性のサイズ調整とは無関係に、蛇行経路は可撓性表面基板基体をマウスガード本体に装着することができる、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0007】
一実施形態は、第1の構成要素ゾーン、第2の構成要素ゾーン、及び第3の構成要素ゾーンに対して、
(i)構成要素ゾーンが、
マウスガード本体の前領域、
マウスガード本体の側領域、及び
第2の構成要素ゾーンからマウスガード本体の反対側領域
に設置され、
(ii)前領域が、側領域及び反対側領域に対して歯収容溝の反対側に設置されるように、
蛇行経路は、可撓性表面基板基体をマウスガード本体に装着することができる、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0008】
一実施形態は、前領域は保護溝に対して本体の内側に設置されており、側領域及び反対側領域は保護溝に対して本体の外側に設置されている、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0009】
一実施形態は、密封カバーは本体に装着され、これによって、覆うための保護溝に対する本体の外側、及び保護溝に対する本体の内側の両方に装着されている構成要素を密封する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0010】
一実施形態は、相互接続領域のうち少なくとも1つは、マウスガード本体に沿った又はマウスガード本体内の直接経路上の接続構成要素ゾーンの間の間隔よりも少なくとも50%長い長さを有する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0011】
一実施形態は、第1及び第2の構成要素ゾーンはマウスガード本体の前領域及び側領域にそれぞれ設置されている、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0012】
一実施形態は、第1及び第2の構成要素ゾーンはマウスガード本体の反対側領域にそれぞれ設置されている、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0013】
一実施形態は、
構成要素ゾーンを、
マウスガード本体の前領域、
マウスガード本体の側領域、及び
第2の構成要素ゾーンからマウスガード本体の反対側領域
に設置するように、第3の構成要素ゾーンを含み、
導電部材は、第1及び第2の構成要素ゾーンを電子的に結合する第1のセグメントと、第2及び第3の構成要素ゾーンを電子的に結合する第2のセグメントとを有する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0014】
一実施形態は、可撓性回路基板基体の相互接続領域のうち少なくとも1つは、マウスガード本体に沿った又はマウスガード本体内の直接経路上で相互接続領域が結合するゾーンの間の間隔よりも少なくとも50%長い長さを有する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0015】
一実施形態は、可撓性回路基板基体の各相互接続領域は、マウスガード本体に沿った又はマウスガード本体内の直接経路上で相互接続領域が結合するゾーンの間の間隔よりも少なくとも50%長い長さを有する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0016】
一実施形態は、第1の構成要素ゾーンは前領域におけるマウスガード本体に設置されており、第2の構成要素ゾーンは前領域におけるマウスガード本体に設置されており、これらのゾーンを結合する相互接続領域は形成され、これによって、拡張可能領域を与え、全戻り止め幅を調整することができ、これによって、マウスガード本体の様々なサイズ及び/又は形状に対応する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0017】
一実施形態は、拡張可能領域はマウスガード本体のパレット領域にとられるか又はパレット領域に近い緩みを有する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0018】
一実施形態は、第1の構成要素ゾーンは前領域におけるマウスガード本体に設置されており、第2の構成要素ゾーンは前領域におけるマウスガード本体に設置されており、これらのゾーンを結合する導電部材は形成され、これによって、犬歯領域に拡張可能領域を与え、マウスガード本体への構成要素適合を調整することができる、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0019】
一実施形態は、構成要素ゾーンの各々は、少なくとも1つの加速度計デバイスを含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0020】
一実施形態は、構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、バッテリーモジュールに対する結合器を含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0021】
一実施形態は、構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、充電コイルを含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0022】
一実施形態は、構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、無線通信モジュールを含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0023】
一実施形態は、構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、無線通信モジュール用のアンテナに対する結合器を含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0024】
一実施形態は、構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、メモリモジュール及びマイクロプロセッサを含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0025】
一実施形態は、構成要素ゾーンのうち少なくとも1つは、可撓性領域によって相互接続されている複数の硬質PCBセグメントから形成されている、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0026】
一実施形態は、共通基体は部分的に、導電部材及び第1及び第2の構成要素ゾーンを規定する、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0027】
一実施形態は、マウスガードは、
(i)被験者を測定することと、
(ii)被験者の測定に基づいて内部マウスガード本体部材を形成することと、
(iii)構成要素ゾーン及び導電部材を内部マウスガード本体の外面に装着することと、
(iv)内部マウスガード本体部材に対して外部マウスガード本体部材を密封し、これによって、構成要素ゾーン及び導電部材を封入することと
を含む工程から形成されている、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0028】
一実施形態は、被験者を測定するステップは、三次元走査工程を含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0029】
一実施形態は、内部マウスガード本体は、三次元走査工程から生成されている型を用いて形成されている、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0030】
一実施形態は、構成要素は、
少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンであって、第1及び第2の主構成要素ゾーンは、互いに離れた位置でマウスガード本体に位置決めされるように構成されている、少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンと、
第1及び第2の構成要素ゾーンを電子的に結合する導電部材を支持する可撓性基体であって、マウスガード本体への装着時に、マウスガード本体に沿った又はマウスガード本体内の直接経路上のゾーンの間の間隔よりも少なくとも50%長い長さを導電部材が有する、可撓性基体と
を含む、機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
【0031】
一実施形態は、
(i)被験者の口の内部を走査することと、
(ii)被験者の走査に基づいて内部マウスガード本体部材を形成することと、
(iii)複数の構成要素ゾーン及び導電部材を内部マウスガード本体の外面に装着することであって、所望の位置における構成要素ゾーンを様々な形状及びサイズの内部マウスガード本体に適合させることができるように導電部材を構成するように、導電部材を不規則に形成することと、
(iv)内部マウスガード本体部材に対して外部マウスガード本体部材を密封し、これによって、構成要素ゾーン及び導電部材を封入することと
を含む、マウスガードデバイスを形成する方法を提供する。
【0032】
一実施形態は、
少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンであって、第1及び第2の主構成要素ゾーンは、互いに離れた位置でマウスガード本体に位置決めされるように構成されている少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンと、
第1及び第2の構成要素ゾーンを電子的に結合する導電部材であって、所望の位置における構成要素ゾーンを様々な形状及びサイズのマウスガード本体に適合させることができるように導電部材を構成するように、不規則に形成されている導電部材と
を含む、機器搭載マウスガード用の構成要素を提供する。
【0033】
この明細書全体にわたる「一実施形態(one embodiment)」、「幾つかの実施形態(some embodiment)」又は「ある実施形態(an embodiment)」への参照は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、この明細書全体にわたる様々な箇所での「一実施形態における(in one embodiment)」、「幾つかの実施形態における(in some embodiment)」又は「ある実施形態における(in an embodiment)」語句の出現は全て、同じ実施形態を必ずしも参照する必要はないが、参照してもよい。更に、1つ又は複数の実施形態において、この開示から当業者に明白であるように、特定の特徴、構造又は特性を任意の適切な方法で組み合わせてもよい。
【0034】
本明細書において使用されるように、他に指定がない限り、共通の対象を説明する順序形容詞「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」などの使用は、同じ対象の異なる実例を参照しており、そのように記載された対象が、序列において時間的に、空間的に、又は任意の他の方法で所与の順序である必要があることを示唆するようには意図されていないことを単に意味するに過ぎない。
【0035】
ここで、下記の特許請求の範囲及び明細書において、用語「含む(comprising)」、「含む(comprised of)」又は「含む(which comprises)」のうちいずれか1つは、下記の少なくとも要素/特徴を含み、他を除外しないことを意味する非限定用語である。従って、特許請求の範囲で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、その後に列挙される手段又は要素又はステップに限定されると解釈されるべきではない。例えば、「A及びBを含むデバイス(a device comprising A and B)」の語句の範囲は、「要素A及びBだけを含むデバイス(devices consisting only of elements A and B)」に限定されるべきではない。更に、ここで使用されるような用語「含む(including)」、「含む(which includes)」又は「含む(that includes)」のうちいずれか1つは、下記の少なくとも要素/特徴を含み、他を除外しないことを意味する非限定用語である。従って、「含む(including)」は、「含む(comprising)」と同義であり、「含む(comprising)」を意味する。
【0036】
ここで使用されるように、用語「例示的な(exemplary)」は、特質を示すこととは対照的に、例を与えるという意味で使用される。即ち、「例示的な実施形態(exemplary embodiment)」は、必然的に例示的な特質の実施形態であることとは対照的に、例として与えられる実施形態である。
【0037】
図面の簡単な説明
さて、本発明の実施形態について、添付図面を参照してほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】機器搭載マウスガード用のPCB構成要素を例示する。
【
図2】構成時のマウスガードに対する
図1の構成要素の位置決めを例示する。
【
図3】構成時のマウスガードに対する
図1の構成要素の位置決めを例示する。
【
図4】構成時のマウスガードに対する
図1の構成要素の位置決めを例示する。
【
図5A-5B】更なる実施形態による機器搭載マウスガード用の構成要素を例示する。
【
図6A-6D】更なる実施形態による機器搭載マウスガードを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
機器搭載マウスガードデバイス、例えば、マウスガード着用者の頭部運動を監視することができる加速度計モジュールなどの構成要素を含む機器搭載マウスガードに関する技術(例えば、脳損傷などの評価に関するデータを収集する状況)をここで説明する。様々な実施形態は、機器搭載マウスガードデバイス、及び機器搭載マウスガードデバイス用に構成されている構成要素を提供する。幾つかの実施形態において、可撓性回路基板基体は、特定の着用者に対するマウスガード本体の個別化から生じる不規則性をサイズ調整することができるように構成されている。
【0040】
概略的に、後述の実施形態は、機器搭載マウスガード用の内部構成要素を含む。個々の口及び歯の形状及びサイズ(例えば、顎のサイズ/形状、歯のサイズ及び位置など)は、母集団によって大幅に異なることが分かる。この点で、少なくとも場合によっては、目的は、様々な形状及びサイズを有する様々なマウスガード本体に適合されるようにした機器搭載ユニットを提供することにある。これにより、共通機器搭載ユニットを製造することができ、共通機器搭載ユニットを、(例えば、三次元走査工程に基づいて)着用者に対して個々に個別化されたマウスガード本体で使用することができる。後述の実施形態は、機器搭載構成要素が可撓性マウスガード本体で更にうまく実行することができる方法で、この目的を達成し、使用中にマウスガードが蒙る様々な衝撃及び応力に対処する。
【0041】
幾つかの実施形態は、下記を含む機器搭載マウスガードデバイスを提供する。
・ユーザの口に着用されるように構成されているマウスガード本体、例えば、後述のように既知のユーザ走査及び成形工程又はこの工程の変型例を用いて形成されている特別注文適合マウスガード本体
・少なくとも第1及び第2の構成要素ゾーンを含む可撓性基体であり、第1及び第2の構成要素ゾーンは、互いに離れた位置でマウスガード本体に位置決めされている。好ましくは、互いに離れた3つの構成要素ゾーン(1つの前ゾーン、及び2つの反対側ゾーン)がある。各構成要素ゾーンは、1つ又は複数のPCBを含む。
・構成要素ゾーンを電子的に結合する可撓性基体の相互接続領域。これは、側及び前装着構成要素ゾーンを相互接続する第1のセグメント、及び前装着構成要素ゾーン及び反対側構成要素ゾーンを相互接続する第2のセグメントを含んでもよい。
【0042】
幾つかの実施形態において、構成要素ゾーンと相互接続領域との間に短い間隔があってもよい。しかし、幾つかの実施形態において、構成要素ゾーン及び相互接続領域を、共通基体によって一体的に形成することが好ましい。好ましい例において、導電部材及びPCBを、共通可撓性基体に設け、例えば、ポリイミド基体は、PCB自体として機能する(ポリイミド基体は、ポリイミド基体に装着及び/又は形成された硬質PCB領域を有する)。
【0043】
少なくとも1対の隣接構成要素ゾーンの間で(好ましくは、隣接対側ゾーン及び共通前ゾーンの両方の間で)、相互接続領域は、マウスガード本体に沿った又はマウスガード本体内の直接経路上のゾーンの間の間隔よりも少なくとも50%長い長さを有する。幾つかの実施形態において、相互接続領域は、マウスガード本体に沿った又はマウスガード本体内の直接経路上の構成要素ゾーンの間の間隔よりも少なくとも100%、150%又は200%長い長さを有する。この拡張長さは、導電部材に緩みを与え、これによって、様々なマウスガードのサイズに対応し、堅牢な機器搭載デバイスを与える。好ましい実施形態において、少なくとも1つのセグメントに対して、導電部材は蛇行し、これによって、「S」形状又は部分的な「S」形状を与える。即ち、セグメントは、1対の実質的に平行な領域を与えるセグメントの2重戻しによって規定される部分を含む。
【0044】
図1は、マウスガード本体に装着し、これによって、機器搭載マウスガードデバイスを提供するように構成されている、一実施形態による機器搭載構成要素100を例示する。
図2、
図3及び
図3は、機器搭載マウスガード構成時に構成要素100をマウスガードに対して位置決めする方法を実質的に示す。より詳細に後述するように、導電部材を支持する相互接続領域は、構成要素ゾーン(例えば、印刷回路基板領域)を電子的に結合する。所望の位置における構成要素ゾーンを様々な形状及びサイズのマウスガード本体に適合させることができるように導電部材を構成するように、導電部材を支持する相互接続領域は、不規則に形成される。より詳細には、緩むことができる方法で構成要素ゾーンの間に蛇行するように、PCBを形成する。多数のゾーンを説明するが、ここに開示の本発明の実施形態は、導電材料及びPCB構成要素を装着する構成要素100に基礎的本体を与える一体形成PCB基体を提供することが分かる。PCB基体は、可変厚であってもよく、及び/又は適用される剛性支持体を有してもよく、これによって、特別に剛性を調整し、これによって、堅牢性のために必要に応じてPCB構成要素を保護する。
【0045】
構成要素100は、下記の3つの構成要素ゾーンを含む。
・右側構成要素ゾーン110。この例において、右側構成要素ゾーンは、加速度計(3軸)、無線通信ユニット、メモリ及びマイクロプロセッサを含むPCB構成要素を支持するように構成されている。
・前構成要素ゾーン120。この例において、構成要素ゾーン120は、2つの別々のサブゾーンに分割され、バッテリー装着ゾーンは、前歯の内部に位置決めされるように構成され、加速度計支持ゾーン(3軸加速度計の場合)は、前歯の反対側に位置決めされるように構成されている。
・左側構成要素ゾーン130。この例において、左側構成要素ゾーンは、加速度計(3軸)及びバッテリー充電ユニット用の装着位置を与える。
【0046】
右サイズ構成要素ゾーン110及び前構成要素ゾーン120を電子的に結合する第1のセグメント181、及び前構成要素ゾーン120及び左側構成要素ゾーン130を電子的に結合する第2のセグメント182を含む可撓性接続領域は、これらのゾーンを接続する。
図1に示すように、セグメント181は、ゾーン110との接続点とゾーン120との接続点との間の間隔の長さの150%を超え、セグメント182は、ゾーン120との接続点とゾーン130との接続点との間の間隔の200%を超える。
【0047】
可撓性コネクタ部材は、導電ストリップ及び複数のPCB構成要素(例えば、ゾーン110、120及び130におけるPCB構成要素)を装着する可撓性基体を提供する。幾つかの実施形態において、可撓性基体の厚さを特定の領域で厚くし、これによって、PCB屈曲の結果として損傷を受けやすいPCB構成要素に対する剛性を増加する(例えば、後述の領域111、112及び113を参照)。幾つかの実施形態において、可撓性基体に追加材料を加え、これによって、必要に応じて剛性を増加する。
【0048】
例示の実施形態において、比較的軟質の領域(可撓性コネクタ)114及び115によって相互接続された3つの実質的に硬質のPCB領域111、112及び113によって、ゾーン110が規定される。これにより、ゾーン110を曲面に一層良く適合させることができる。本実施形態において、ゾーン110は、マウスガード本体の右頬領域に装着されるように構成されている。ゾーン110は、下記を含む様々な電子構成要素を含む。
・3軸加速度計
・マイクロプロセッサ(例えば、Qualcomm CSR1012)
・メモリモジュール(例えば、Macronix MX25L3233)
・無線通信モジュール、この実施形態においては、Bluetoothアンテナ140に結合されたBluetoothモジュールであり、このアンテナは、着用者の歯の前方へマウスガードの前領域にわたって延びるように装着されるように構成されている。
・プログラミングタブ160への結合ポート。構成要素100をマウスガード本体に装着する前にプログラミングタブを取り外すことを示すために、プログラミングタブを点線で示す。
・ユーザにデバイス状態表示器を与えるために、マウスガード本体を通して見えるように構成されている発光ダイオード。例えば、この発光ダイオードは、着用者の上唇の後部に位置決めされるように構成されている。
【0049】
様々な位置に装着されるべきPCB構成要素の少なくとも一部に基づいて、ゾーン110(及び一般的に構成要素にわたって)内の剛性の変化を選択することが分かるはずである。例えば、一実施形態において、領域111、112及び113のうち1つ又は複数の領域は、硬質でなく、これによって、マウスガード本体への適用時に湾曲を向上させることができ、PCB基体の屈曲にもかかわらず、堅牢なままであるような方法で、非硬質領域に装着されるPCB構成要素を、選択及び/又は装着する。
【0050】
ゾーン120は、バッテリーユニットを接続する第1のPCB領域121(バッテリーは、使用中に右側歯の後部に位置決めされる位置でマウスガード本体に装着され、例えば、バッテリーは、
図2における構成例に基づいて第2小臼歯及び2つの臼歯の大部分を覆う、第1のPCB領域121から右側に延在するように見える)、及び3軸加速度計(使用中に前歯の後部に位置決めされる位置でマウスガード本体に装着されるように構成されている)を含む第2のPCB領域122を含む。
【0051】
ゾーン130は、マウスガード本体の左頬領域に装着されるように構成されており、バッテリーユニットの無線充電を可能にする充電コイルと一緒に、3軸加速度計を支えるPCBを含む。
【0052】
導電部材のセグメント181は、マウスガード本体への装着時に、犬歯及び第1小臼歯(又は代わりに、第1歯及び第2歯)に隣接する領域でマウスガード本体の底領域を横切るように構成されている。これにより、ゾーン120を内部領域(歯の後部)に設け、ゾーン110を外部領域(歯の前部)に設けることができる。
【0053】
セグメント182は、できるだけ左側歯の内部に隣接するマウスガード本体(又は代わりに、あまり好ましくないが、左側歯の内部に隣接するマウスガード本体に近いパレット領域)に主に緩みを位置決めするように構成されている歯列蛇行を含む。
【0054】
好ましくは、構成要素100を含む機器搭載マウスガードの構成は、下記を含む。
(i)被験者を測定すること。例えば、これは、被験者の口及び歯を正確に測定する三次元走査工程を含んでもよい。代わりに、測定工程は、型をとることを含んでもよい。
(ii)被験者の測定に基づいて内部マウスガード本体部材を形成すること。これは、測定ステップから型を形成すること、及び弾性マウスガード本体材料を形成するためにその型を使用することを含んでもよい。幾つかの実施形態において、代替の技法(例えば、三次元印刷)を使用する。
(iii)構成要素100(即ち、構成要素ゾーン及び導電部材)を内部マウスガード本体の外面に装着すること。
(iv)外部マウスガード本体部材を内部マウスガード本体部材に密封し、これによって、構成要素100を封入すること。
【0055】
更なる状況として、従来のマウスガード製造方法は、歯列(例えば、走査、成形などから測定されるような被験者の戻り止め)の押し込み金型の上に材料の1つ又は複数(典型的に、2つ)の層を真空形成することを含む。実施形態によれば、機器搭載マウスガードを製造する工程は、このマウスガード製造方法の変型例である。第1の層は、型に形成される真空であり、次に、構成要素100を規定する回路基板を、(例えば、接着剤を用いて)その第1の層の外側に固定する。硬い樹脂又は接着剤を使用して、PCB(名目上平坦である)の内層(歯の形状に従う)の硬質区分の間に生じる隙間に充填し、これは、回路基板を支持し、次のステップ中に損傷を防止する。その次のステップは、組み合わせた第1の層/PCB対の上に第2の層を真空形成することである。接着剤/樹脂が正しく塗布されている場合、材料は、PCBを変形又は屈曲させるべきではない。
【0056】
任意選択ステップは、下記を含む。
・個々の構成要素を周りに形成し、その後、構成要素を損傷することがある横力をそれらの構成要素に伝達する外MG層を防止するために、電気適合材料(例えば、ポリイミド(Kapton)テープ)で回路基板を包むこと。
・半硬質エポキシ又は樹脂でPCBの一部又は全部を封入すること。これは、上述のテープと同じ仕事を行うが、PCBに構成要素をより強く付着して、回路基板の任意の残留横荷重及び/又は屈曲の影響を軽減する。
【0057】
好ましい実施形態において、真空形成(例えば、構成要素100を位置決めする凹部を形成する)の前に、材料層を変更しない。これは、マウスガード全体にわたって衝撃吸収材料の最小厚さを保証する(従って、マウスガードとしての機能を、機器の存在によって損なわない)。
【0058】
更なる実施形態において、構成要素100又は構成要素の変型例を、後製造個別化(例えば、「煮沸及び咬合」)マウスガードに埋め込む。このような実施形態において、標準的な一般形態は、射出成形であり、ユーザは、マウスガードを一時的に変形可能な状態に加熱し、マウスガードに強く咬みつき、これによって、マウスガードが、冷めて、新しい個別化形状に安定する前に、弾性材料を実質的に歯に形成する。
【0059】
図5A及び
図5Bは、更なる実施形態による機器搭載構成要素500を例示する。この構成要素500は、マウスガード本体に装着し、これによって、機器搭載マウスガードを提供するように構成されている。
【0060】
図5Aに示すように、1つ又は複数の導電部材が構成要素ゾーン(例えば、印刷回路基板領域)を電子的に結合するように構成されている可撓性回路基板基体によって、構成要素500を規定する。このように、可撓性回路基板は、所望の位置における構成要素ゾーンを様々な形状及びサイズのマウスガード本体に適合させることができるように導電部材を構成するように、不規則に形成される導電部材を規定する。より詳細には、マウスガードを使用する場合に追加の可撓性及び堅牢性を与えながら、個別化適合を可能にする方法で、構成要素ゾーンの間に蛇行するように、PCBを形成する。これは、非蛇行PCBよりも著しい利点、又は異なるPCBを相互接続する線の使用を与える。
【0061】
図5Aに例示のPCB基体は、可変厚であってもよく、及び/又は適用される剛性支持体を有してもよく、これによって、特別に剛性を調整し、これによって、堅牢性のために必要に応じてPCB構成要素を保護する。
【0062】
構成要素100は、下記の3つの構成要素ゾーンを含む。
・右側構成要素ゾーン110。幾つかの実装形態において、右側構成要素ゾーンは、加速度計(3軸)、無線通信ユニット、メモリ及びマイクロプロセッサを含むPCB構成要素を支持するように構成されている。
・前構成要素ゾーン120。幾つかの実装形態において、構成要素ゾーン120は、前歯の反対側に位置決めされるように構成されている加速度計支持ゾーン(3軸加速度計の場合)を与える。
・左側構成要素ゾーン130。幾つかの実装形態において、左側構成要素ゾーンは、加速度計(3軸)、バッテリー充電ユニット用の装着位置、及びバッテリー装着位置を与える。
【0063】
図5Bに示す上述の構成要素の位置決めは、例に過ぎず、他の実施形態において、構成要素の代替の構成を、構成要素ゾーンの間に分散させる。
【0064】
導体がこれらのゾーンを接続するPCB基体の一部によって規定される可撓性接続領域は、右サイズ構成要素ゾーン110及び前構成要素ゾーン120を電子的に結合する第1のセグメント181、及び前構成要素ゾーン120及び左側構成要素ゾーン130を電子的に結合する第2のセグメント182を有する。
図5A及び
図5Bに示すように、これらのセグメントは、蛇行している。この例において、上述の例と同様に、セグメント181は、ゾーン110との接続点とゾーン120との接続点との間の間隔の長さの150%を超え、セグメント182は、ゾーン120との接続点とゾーン130との接続点との間の間隔の200%を超えるように、蛇行している。
【0065】
可撓性コネクタ部材は、導電ストリップ及び複数のPCB構成要素(例えば、ゾーン110、120及び130におけるPCB構成要素)を装着する可撓性基体を提供する。幾つかの実施形態において、可撓性基体の厚さを特定の領域で厚くし、これによって、PCB屈曲の結果として損傷を受けやすいPCB構成要素に対する剛性を増加する(例えば、後述の領域111、112及び113を参照)。幾つかの実施形態において、可撓性基体に追加材料を加え、これによって、必要に応じて剛性を増加する。
【0066】
図5Bの実施形態において、比較的軟質の領域(可撓性コネクタ)114及び115によって相互接続された3つの実質的に硬質のPCB領域111、112及び113によって、ゾーン110が規定される。これにより、ゾーン110を曲面に一層良く適合させることができる。本実施形態において、ゾーン110は、マウスガード本体の右頬領域に装着されるように構成されている。ゾーン110は、下記を含む様々な電子構成要素を含む。
・3軸加速度計
・マイクロプロセッサ(例えば、Qualcomm CSR1012)
・メモリモジュール(例えば、Macronix MX25L3233)
・無線通信モジュール、この実施形態においては、Bluetoothアンテナ(図示せず)に結合されたBluetoothモジュールであり、例えば、アンテナは、着用者の歯の前方へマウスガードの前領域にわたって延びるように装着されるように構成されている。
・プログラミングタブ(図示せず)への結合ポート。
・ユーザにデバイス状態表示器を与えるために、マウスガード本体(図示せず)を通して見えるように構成されている発光ダイオード。例えば、この発光ダイオードは、着用者の上唇の後部に位置決めされるように構成されている。
【0067】
様々な位置に装着されるべきPCB構成要素の少なくとも一部に基づいて、ゾーン110(及び一般的に構成要素にわたって)内の剛性の変化を選択することが分かるはずである。例えば、一実施形態において、領域111、112及び113のうち1つ又は複数の領域は、硬質でなく、これによって、マウスガード本体への適用時に湾曲を向上させることができ、PCB基体の屈曲にもかかわらず、堅牢なままであるような方法で、非硬質領域に装着されるPCB構成要素を、選択及び/又は装着する。
【0068】
ゾーン120は、3軸加速度計(使用中に前歯の後部に位置決めされる位置でマウスガード本体に装着されるように構成されている)を含む第2のPCB領域122を含む。
【0069】
ゾーン130は、マウスガード本体の左頬領域に装着されるように構成されており、バッテリーユニット151の無線充電を可能にする充電コイル132と一緒に、3軸加速度計131を支えるPCBを含む。
【0070】
他の実装形態において、バッテリーユニットを、ゾーン110又はゾーン120に設置する。更なる実施形態において、ジャイロスコープなどを含む追加構成要素(例えば、各構成要素ゾーンで加速度計と組み合わせたジャイロスコープ)が、構成要素ゾーンのうち1つ又は複数の構成要素ゾーンに存在してもよい。
【0071】
導電部材のセグメント181は、マウスガード本体への装着時に、犬歯及び第1小臼歯(又は代わりに、第1歯及び第2歯)に大体隣接する領域でマウスガード本体の底領域を横切るように構成されている。これにより、ゾーン120を内部領域(歯の後部)に設け、ゾーン110を外部領域(歯の前部)に設けることができる。密封カバーは、本体に装着され、これによって、覆うための保護溝に対する本体の外側、及び保護溝に対する本体の内側の両方に装着されている構成要素を密封する。
【0072】
図6A~
図6Dに示すように、機器搭載マウスガードデバイスは、ユーザ個別化本体600、
図5A及び
図5Bに示す構成と同様な構成を有するPCB構成要素、及び密封カバー610から形成される。マウスガード本体の前領域(構成要素ゾーン120)、マウスガード本体の側領域(構成要素ゾーン110)、及び第2の構成要素ゾーンからマウスガード本体の反対側領域(構成要素ゾーン130)に構成要素ゾーンが設置されるように、蛇行経路は、可撓性表面基板基体をマウスガード本体に装着することができる。前領域は、側領域及び反対側領域に対して歯収容溝の反対側に設置される。この例において、前領域は、保護溝に対して本体の内側に設置されており、側領域及び反対側領域は、保護溝に対して本体の外側に設置されている。密封カバー610は、本体に装着され、これによって、覆うための保護溝に対する本体の外側、及び保護溝に対する本体の内側の両方に装着されている構成要素を密封する。
【0073】
本発明の例示的な実施形態において、開示を合理化し、様々な発明態様のうち1つ又は複数の態様の理解に役立つ目的で、本発明の様々な特徴を、単一の実施形態、図面、又は明細書に集約することもあることが分かるはずである。しかし、開示のこの方法は、特許請求の範囲の発明が各々の特許請求の範囲に明示的に列挙されるものよりも多い特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、下記の特許請求の範囲を反映するので、発明の態様は、単一の上述された開示実施形態の全特徴よりも少ない。従って、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、この詳細な説明に明示的に取り入れられ、各々の特許請求の範囲は、この発明の別々の実施形態として自立する。
【0074】
更に、ここに記載の幾つかの実施形態は、他の実施形態に含まれる他の特徴でない幾つかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあるように意図され、当業者によって理解されるように、異なる実施形態を形成する。例えば、下記の特許請求の範囲において、特許請求の範囲の実施形態のいずれかを、任意の組み合わせで使用することができる。
【0075】
ここで与えられた明細書において、多くの特定の詳細が説明されている。しかし、本発明の実施形態を、これらの特定の詳細無しで実施することができるものとする。他の実例、周知の方法、構造及び技法は、この明細書の理解を分かり難くしないように、詳細に示されていない。
【0076】
同様に、特許請求の範囲で使用される場合、用語「結合(coupled)」は、直接接続だけに限定されると解釈されるべきではないことに気付くべきである。用語「結合(coupled)」及び「接続(connected)」を、これらの用語の派生語と一緒に、使用してもよい。これらの用語は、互いに同義語として意図されていないものと理解されたい。従って、表現「デバイスBに結合されるデバイスA(a device A coupled to a device B)」の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続されるデバイス又はシステムに限定されるべきではない。これは、他のデバイス又は手段を含む経路であることがある、Aの出力とBの入力との間の経路が存在することを意味する。「結合(coupled)」は、2つ以上の要素が、直接物理的又は電気的接触していること、又は、2つ以上の要素が、互いに直接接触していないが、互いにまだ協働又は相互作用することを意味してもよい。
【0077】
従って、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものを説明しているが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、他の修正及び更なる修正を行うことができることを理解しており、そのような変更及び修正の全部を本発明の範囲内に入るものとして請求するように意図されている。
【国際調査報告】