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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-08
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/03 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
F28D1/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546296
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(85)【翻訳文提出日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2019079421
(87)【国際公開番号】W WO2020160800
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】102019000922.3
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512136396
【氏名又は名称】ハイダック クーリング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン テオバルト
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ボルファンガー
(72)【発明者】
【氏名】ディトマール ゲオルギー
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA50
3L103CC01
3L103CC22
3L103DD15
3L103DD55
(57)【要約】
熱交換器であって、媒体流を通過させるための複数列の媒体案内ダクト(12)と、温度制御されるべき流体を通過させるための複数列の流体ダクトと、を少なくとも備え、かつ、帯状のフロープロファイル部(20)を有し、フロープロファイル部(20)の案内部(24)と前記プラグイン部(22)との間の移行部において、フロープロファイル部(20)を、流体ダクト(14)の隣接する端面(34)に間隔を空けずに取り付けることを許容する、2つの互いに向かい合った段部(28)が形成されており、フロープロファイル部(20)は、媒体ダクト(12)の内側の互いに向かい合う境界壁の仮想延長部と、媒体ダクト(12)の媒体入口(18)と、によって画定される自由開口断面(40)に、いかなる位置においても突出していない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器であって、内側の互いに向かい合う境界壁(44)に沿って媒体流を通過させるための複数列の媒体案内ダクト(12)と、温度制御されるべき流体、特に、冷却されるべき流体を通過させるための複数列の流体ダクト(14)と、を少なくとも備え、
前記流体ダクトは、少なくとも一部が互いに向かい合って配置されており、互いの間に少なくとも1列の前記媒体案内ダクト(12)を収容しており、コーティングが無く開放している長方形の端面の少なくとも1つが媒体入口(18)を形成し、
前記流体ダクト(14)の少なくともいくつかは、媒体に巻き込まれた汚染粒子(36)を少なくとも部分的に前記流体ダクト(14)から前記媒体ダクト(12)の方向へ送り出す偏向装置を有しており、
前記偏向装置は、対応付け可能な流体ダクト(14)の自由端面(34)に配置され、前記流体ダクトの外側を環境に向かって閉じると共に、前記流体ダクトを越えて突出する帯状のフロープロファイル部(20)によって形成され、
前記偏向装置は、案内部(24)と、案内部(24)に一体的に接続され、対応付け可能な前記流体ダクト(14)に挿入されるプラグイン部(22)と、を有しており、
前記案内部(24)と前記プラグイン部(22)との間の移行部において、前記フロープロファイル部(20)を、前記流体ダクト(14)の隣接する端面(34)に間隔を空けずに取り付けることを許容する、2つの互いに向かい合った段部(28)が形成されており、各前記フロープロファイル部(20)は、前記媒体ダクト(12)の内側の互いに向かい合う前記境界壁(44)の仮想延長部(42)と、前記媒体入口(18)と、によって画定される自由開口断面(40)に、いかなる位置においても突出していないことを特徴とする、熱交換器。
【請求項2】
各前記フロープロファイル部(20)は、媒体流を前記媒体入口(18)の方向において少なくとも1つの隣接する前記媒体ダクト(12)へ送り出す、少なくとも1つの案内面(30、32)を有することを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
各前記フロープロファイル部(20)の案内面(30、32)は、少なくとも断面が、平坦に、屈曲され、又は、段付きに形成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記フロープロファイル部(20)の2つの案内面(30、32)は、対応付け可能な前記流体ダクト(14)から離れて面する端部において、互いに向けて延在するように形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記フロープロファイル部(20)の2つの案内面(30、32)は、互いに対して鋭角に形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記流体ダクト(14)は、両側において収集空間(4)へ開放しており、前記媒体案内ダクト(12)は、隣接する流体ダクト(14)の間に少なくとも部分的に列配置で延在するフィンによって区切られていることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
少なくとも作動時に、前記流体ダクト(14)は、収集チャンバ(4)の間で水平に延在しており、かつ、フィンは、特に、ジグザグ配置で、前記媒体案内ダクト(12)を区切ることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の熱交換器。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の熱交換器のための偏向装置であって、
案内部(24)の少なくとも1つの案内面(30、32)を有し、プラグイン部(22)を備えた、少なくとも1つの帯状のフロープロファイル部(20)が設けられており、かつ、
前記案内部(24)と前記プラグイン部(22)との間の移行部において、互いに向かい合った2つの段部(28)が形成されていることを特徴とする偏向装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側の互いに向き合う境界壁に沿って媒体流を通過させるための複数列の媒体案内ダクトと、温度制御される流体を通過させるための複数列の流体ダクトと、を少なくとも備えた熱交換器に関するものであり、流体ダクトは、少なくとも一部が互いに向かい合って配置されており、互いの間に少なくとも1列の媒体案内ダクトを収容しており、コーティングが無く開放している長方形の端面の少なくとも1つが媒体入口を形成し、流体ダクトの少なくともいくつかは、媒体に混入した汚染粒子を少なくとも部分的に流体ダクトから媒体ダクトの方向へ送り出す、偏向装置を有しており、偏向装置は、対応付け可能な流体ダクトの自由端面に配置され、流体ダクトの外側を環境に向かって閉じると共に、流体ダクトを越えて突出する帯状のフロープロファイル部によって形成されており、偏向装置は、案内部と、案内部に一体的に接続され、対応付け可能な流体ダクトに挿入されるプラグイン部と、を有することを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
通常、液体と空気の熱交換器として作動する熱交換器は、例えば、従来技術である特許文献1を参照されたい。個々の用途で必要とされる冷却能力を達成するために、気液冷却器は、通常、空気ダクト内で効果的な熱交換に必要とされる空気の流れを発生させる冷却ファンを有する能動的な冷却器として作動する。このタイプの熱交換器は、有効な熱伝達面を増やすために、空気ガイドダクトに、好ましくは、薄いアルミニウムシートで作られた曲折フィンの形式の冷却フィンを有する。このタイプの熱交換器が粉塵の多い空気中で作動されると、空気の流れに面した表面に粒子が蓄積される。粒子の蓄積が進むと、空気の通路が詰まり、もはや送風機では補償できない圧力損失が増大し、空気ダクトを流れる空気量、ひいては、熱伝導率が大幅に低下する。
【0003】
特許文献2にも、特に内燃機関において使用するための、フラットチューブ設計、フィン設計、又は、プレート設計で形成され、冷却媒体としての空気が流れる熱交換器が記載されており、熱交換器の冷却空気入口端の前には、同じ格子構造を有する熱交換器としての交換用モックアップが配置されている。プラグイン部品は、関連する媒体ダクトを端部で閉じるために使用され、プラグイン部品は、各媒体ダクトの長方形に配置された端面と同一平面とされ、個別の流れプロファイル部品を有する交換用モックアップは、プラグイン部品の前に配置され、かつ、その放物線状に形成された案内部品は、空気流を送り出す目的で、媒体ダクトに隣接して配置された各空気搬送流体ダクトの自由開口断面に突出する。
【0004】
特許文献3には、プレートの間にジグザグ形状に配置されると共に、プレートの互いに向かい合った2つの縁部に交互に配置され、突出部を除いてプレートと同一平面とされた中間層を有する一般的なプレート式熱交換器が記載されている。プレートは、空気のようなガス状の熱交換媒体を交差して案内するためのフローダクトを区切る。ガス状の熱交換媒体にさらされる熱交換器の入射流端部への汚れの蓄積を減らすために、入射流端部には、均一に滑らかな表面を有するプラスチックのコーティングが施されており、その表面のうち入射流端部の直後の部分では、流れの分離を防ぐために傾斜して終端している。このプラスチックコーティングは、熱交換器の部品の製造に起因する粗さを均一にする。
【0005】
特許文献4には、既知の熱交換器の隣接する中空チャンバプレートの端面にセパレータウェブとして差し込まれた、フロープロファイルの一部である空力的な入射流面と出射流面を有する、別の一般的な復熱式中空チャンバプレート熱交換器が記載されている。公知の解決策における中空チャンバプレートの使用は、互いに対して傾いており、多かれ少なかれ恒久的に振動し得る、個別のシートメタルプレートの従来の形態に置き換わるものである。ガイドパーツが中空チャンバプレートから突出し、プラグインパーツがガイドパーツに一体的に接続されていることとは別に、中空チャンバプレートに恒久的にプラグインされている、言及されているフロープロファイル部品も恒久的な較正を達成する。フロープロファイル部品の入射流面は、熱交換器に出入りする際の媒体の圧力損失がわずかになるように流体的に設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102010046913号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3140408号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3109955号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3926283号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの従来技術を鑑み、本発明の課題は、これらに比較してより好ましい作動挙動を特徴とする、熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の特徴部分によれば、この課題は、案内部とプラグイン部との間の移行部において、フロープロファイル部を流体ダクトの隣接する端面に間隔を空けずに取り付けることができる、2つの互いに向かい合った段差が形成されており、かつ、フロープロファイル部が、媒体ダクトの内側の互いに向き合う境界壁の仮想延長線と、媒体入口と、によって画定される自由な開口部断面に、いかなる点において突出していないという点で、最初に言及したタイプの熱交換器によって解決される。このようにして、埃を含んだ空気のような汚染物質を含み得る媒体流の自由な入射流は、これらの媒体搬送案内部が、各媒体ダクトの仮想のダクトの延伸によって事前に特定される、伝播された入射流空間を完全に空のままにするので、いかなるフロープロファイル部によっても妨げられない。特に、媒体(空気)の入口を妨げ得る乱流は、このようにして防止され、案内部、又は、ガイド面を有する案内部による改善された汚れの除去及び汚れの蓄積が達成される。この点において、本発明による解決策は、コストの削減に貢献し、作動の間の不必要な振動を防ぎ、自由な流れの送り出しを損なわない流れの送り出しの文脈においてコーティングなしで完全に管理することもできる。
【0009】
プラグイン部及び案内部が一体化したフロープロファイル部のデザインによって、連続鋳造プロセス又は押出成形プロセスにおいてコスト効率よく製造することができ、かつ、流体ダクトは、特にその自由端面で補強され、熱交換器の全体的な安定性も向上する。また、案内部とフロープロファイル部のプラグイン部との間の移行部において、案内部へ向けて直径が一致して広がる2つの互いに向かい合った段差が形成されており、フロープロファイル部は、段差を介して流体ダクトの隣接する端面に間隔を空けずに据え付けられ、それゆえ、シール状に据え付けられ得ることもこの一助となっている。この点において、この領域でのシール問題は確実に防止され、フロープロファイル部は、それぞれの流体ダクトの基準壁の端面において、媒体(空気)の流れ方向に対して、表面全体にわたって支持されることができる。この点において、この領域でのシールの問題は確実に抑制され、フロープロファイル部は、表面全体にわたって各流体ダクトの基準壁の端面において媒体(空気)の流れの方向に対して支持され得る。
【0010】
本発明による偏向装置は、空気などの媒体に巻き込まれた汚染物質粒子を、流体ダクトから媒体案内ダクトの方向へ送り出すために使用し得る。媒体の流れに影響を与える偏向装置のガイド機能は、媒体ダクトを介した汚染物質粒子の除去を促進する。公知の偏向装置のない、それゆえ、媒体流に面した平らな入射流面と比較して、汚染粒子の蓄積が阻害され、空気のような埃を含んだ媒体の作動信頼性が向上し、閉塞のリスクが低減される。粒子を汚染物質と称する場合、これには任意の種類の繊維が含まれ、材料を切り刻む際に発生し、作業機械を割り当てた熱交換器の農業用途では容易に発生し得るような植物繊維の任意の形態も含まれる。
【0011】
流体ダクトには、また、水とグリコールの混合液、変圧器油、HFC液等を含む潤滑油及び燃料といった、冷却又は温度制御されるべき液体を含み得る。しかしながら、原理的には、温度制御の一環として、媒体ダクト内のガス状、液体状、ペースト状の媒体によって、流体ダクト内のそのような液体を加熱することも可能である。また、媒体ダクト内において送り出された高温のプロセスガスといった高温の気体を、流体ダクト内の冷却流体によって冷却し得る。割り当てられた媒体案内ダクト及び流体ダクトは、気体/気体、気体/液体、液体/気体、及び、液体/液体を互いに分離することができ、媒体と流体の同化の方向性で温度交換を可能にする。言及されている各媒体は、気体の混合物及び液体との混合物から成り得る。液体は、また、気体成分を有してもよい。さらに、熱交換器の配置に関連して、ペースト状の媒体の使用も可能である。
【0012】
偏向装置は、対応付け可能な流体ダクトの自由端面に配置され、周囲から外側へ向けて流体ダクトを閉鎖し、かつ、その上に突出する、少なくとも1つのフロープロファイル部によって形成される。有利には、対応付け可能な流体ダクトのための各フロープロファイル部は、好ましくは、インサート部品又はプラグイン部品の形で、流体ダクトの前端を封鎖する閉鎖部を形成し得る。
【0013】
各フロープロファイル部は、有利には、媒体流を媒体入口の方向において少なくとも1つの隣接する媒体ダクトへ送り出す、少なくとも1つの案内面を有してもよい。
【0014】
この配置は、有利には、各フロープロファイル部のガイド面が、平坦、湾曲、又は、段差のある断面に形成され得る。形状は、有利には、熱交換器の異なる用途の条件、例えば、媒体流に負担をかける汚染粒子の性質、ダクトの寸法等に適合させ得る。
【0015】
特に有利なことには、フロープロファイル部の2つのガイド面は、対応付け可能な流体ダクトから離れる側を向いた端部において、互いに向けて延在するように形成し得る。これによって、媒体流に面する流れ断面部の前部圧力領域の断面積の減少を引き起こし、偏向装置の流れ抵抗の減少をもたらす。
【0016】
特に有利な例示的な実施形態では、フロープロファイル部の2つのガイド面は、互いに鋭角に形成されている。この結果、汚染粒子の特に効果的な送出流を、尖った形状によって発生する特に低い流れ抵抗で実現することができる。
【0017】
好ましい例示的な実施形態では、流体ダクトは、両側が開放され、収集空間に入っており、媒体案内ダクトは、隣接する流体ダクトの間に少なくとも部分的に列配置され、延在するフィンによって区切られている。流れ案内体は、1つの収集空間から次の収集空間まで帯形状で連続的に延在する。この配置は、有利には、少なくとも作動の間は、流体ダクトが収集チャンバの間を水平に延在し、フィンが、特にジグザグ配置で、媒体ダクトを区切るようにされてもよい。垂直方向に延在する収集チャンバは、収集チャンバの間に入射流面が架けられた長方形の構造のスタンドの支柱を形成する中空の箱とされてもよい。しかしながら、このようにして形成された中空の箱は、必ずしも正方形の断面を有していなくてもよい。偏向装置は、熱交換器の一体型部品とされてもよいが、偏向装置を熱交換器の媒体入口の前に、フロントマウントフレームのように想像される独立したアドオン部品として配置することも可能である。
【0018】
また、本発明の対象は、請求項1から7の何れか1項に記載の熱交換器のために設けられ、かつ、請求項8の特徴を有する、偏向装置でもある。
【0019】
以下、図面に示された実施例を用いて本発明の詳細を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、媒体入射流端部の方向から見た本発明に係る熱交換器の実施例の斜視図を示す。
図2図2は、実施例の側面図を示す。
図3図3は、実施例のフローガイドプロファイル部の斜視図を個別に示す。
図4図4は、実施例の空気入口領域の非常に概略的な簡略化された部分断面図であり、フロープロファイル部によって影響を受けた媒体流のコースが、記号で示された汚染粒子によって示されている。
図5図5は、本発明に係る熱交換器の第2の実施例の図4に対応する図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1から図5に示された熱交換器の例示的な実施形態は、図1に示されるように、空気流などの媒体流にさらされる端面2を有しており、かつ、長方形の外形を有する。端面2の両側には、端面2に隣接して支持構造を形成する主支柱4を有しており、主支柱4は、正方形又は他の任意の断面を有するウェブ状の中空の箱のような形状とされており、かつ、この場合、熱を輸送する液体流体のための収集空間を形成する。液体流体は、水とグリコールの混合液のような冷却液、又は、油圧オイルのような冷却されるべき流体とされ得る。上端及び下端において、支柱4は、支持ストリップ6によって相互に連結されており、これらのうちの2つの前部ストリップ6は、前面2の平面内において延在し、2つの後部ストリップ6は、熱交換器の後面8の平面内において延在している。支柱4の端部において、収集チャンバへの流体の流入及び収集チャンバの外側への流体の流出のためのポート10が配置されている。しかながら、流体としての冷却液の代わりに、熱流体、つまり加熱された流体を用いて、加熱されてもよい。
【0022】
熱交換器の通常の方法で、前述の特許文献1に示されているように、前述の特許文献1の図1において符号5で指定されている媒体ダクト12の重ねられた列(図4及び図5を参照)が、支柱4の間に設けられている。流体ダクト14は、流体搬送方式で支柱4の収集チャンバに接続されている媒体ダクト12の間に配置されている。流体ダクト14は、それぞれ、平面プレート16(前述の特許文献1の図1の符号1によって指定されている)によって空気ダクト12から分離されている。このタイプの熱交換器における通常の方法で、媒体ダクト12内の熱伝達面を増加させるために、フィン(前述の特許文献1において符号19で指定されている)が、好ましくはジグザグ配置で設けられており、これは、図4及び図5において省略されている。ここに示される例示的な実施形態では、例えば、熱交換器が下部ストリップ6上に設置されたときに、支柱4の間の水平面に延在する、図1においてその一部だけに符号が付けられている37個のダクト12が設けられている。
【0023】
図4及び図5に示されるように、フロープロファイル部を形成し、その周りに流入する媒体流が流れる偏向装置は、各媒体ダクト12の媒体入口又は空気入口18に配置されており、例示的な実施形態において符号20によって指定され、図1及び図2において部分的に符号が付されている。単一のフロープロファイル部20が示されている図3を参照すると、フロープロファイル部20は、支柱4の間において一体で延在するプロファイルストリップによって形成されている。フロープロファイル部20のプロファイルは、フット部又はプラグイン部22と、これに隣接するヘッド部又は案内部24と、を有する。プラグイン部22は、流体ダクト14の端部に十分フィットした態様で差し込まれる、平坦で平行な外側面を有する平坦なバンドの形態を有しており、プラグイン部22は、流体ダクト14の流体密の端部閉鎖部を形成する。プラグイン部22から案内部24への移行部において、フロープロファイル部20は、図3に参照されるように、段部28によって延長され、図4に参照される挿入された状態において、図4及び図5に示されるように、プレート6の媒体入口又は空気入口18における端縁34を越えて外側へ向けて同一平面に沿った態様で延長されている。2つの向かい合った段部28から延在する両方の外側面を有する案内部24は、それぞれ、横方向に傾斜し、平面的に合流する案内面30、32を形成し、点35において結合する。このようにして、フロープロファイル部20は、その断面が鋭角三角形に相当し、熱交換器の端面2において、媒体入口又は空気入口18の平面によって画定される入射流面の平面から外向きに突出する先のとがった先細のリブの列を形成する。汚染粒子が記号的に示され、かつ、符号36によって指定されている図4に示すように、案内面30、32には、媒体流に巻き込まれた粒子36を、媒体入口18へ向けた流れの方向に偏向させ、これによって、案内ダクト12を介した粒子の除去を促進し、同時に、入口18における蓄積のリスクを低減する。
【0024】
図5は、第1の例示的な実施形態と比較して、フロープロファイル部20の案内部24の修正されたプロファイル輪郭を有する例示的な実施形態を示す。第1の例示的な実施形態と同様に、フット部及びプラグイン部22は、流体ダクト14の閉鎖端部を形成しており、先の例示的な実施形態と同様に、プロファイル幅を拡張する段部28は、プレート16の端縁34を越えた位置まで届いている。案内部24は、今度は、入口18を有する端面2の平面から前方に突出しており、第1の例示的な実施形態と同様に、合流する横方向の案内面30、32も有する。しかしながら、これらは、先端部35ではなく、狭い端面38で終わるような、段差のあるコースを有する。図5に示される例示的な実施形態では、案内面30、32は、同じ段差高さを有する2段の段差を有しており、端面38の幅は、案内部24のプロファイル幅の約1/4とされている。
【0025】
媒体案内ダクト12が、流れの案内と熱交換を改善するためにジグザグ形状又は曲折したフィンを有するのと同様に、入射流の方向に見て、流体の流れを案内するために、流体ダクト14に同様の構造の流れガイドが設けられてもよい。また、断面で見たときに、偏向装置20の自由端面をカロート(calotte)状(帽子状)に形成することも可能である。特に好ましくは、流体ダクト14の自由端面が、異なるタイプのプロファイルが熱交換器1に交換可能に使用されることを許容するアダプタマウントで閉じられてもよい。ここで、仕様によっては、アダプタ(図示省略)を使用して、異なる形状のプロファイル断面に交換されてもよい。
【0026】
図4及び図5がさらに示すように、媒体案内ダクト12の互いに向き合った内側の境界壁44の仮想延長部42が、関連付けられた媒体入口18と共に、熱交換器の幅にわたって実質的に矩形の、フロープロファイル部20を有していない入射流空間を形成する。特に、案内面の無いフロープロファイル部20は、各媒体案内ダクト12内への自由な流入が損なわれないように、定められた流れ空間内へ延在する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】