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▶ フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-08
(54)【発明の名称】マルチモードチャンネル符号化
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20220401BHJP
   H03M 13/35 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
H04L1/00 B
H04L1/00 E
H03M13/35
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547399
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(85)【翻訳文提出日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 EP2020053614
(87)【国際公開番号】W WO2020165260
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】19156997.9
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19157036.5
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19157042.3
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19157047.2
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/065205
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/065209
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/065172
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】ビューテ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ベンドルフ コンラート
(72)【発明者】
【氏名】ルツキー マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】シュネル マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュレーゲル マキシミリアン
【テーマコード(参考)】
5J065
5K014
【Fターム(参考)】
5J065AB05
5J065AD03
5J065AE06
5J065AH10
5K014BA01
5K014FA11
(57)【要約】
フレームを符号化するチャンネルエンコーダであって、該チャンネルエンコーダは、異なる符号化モードのセットから特定の符号化モードに従ってフレームを冗長に符号化するマルチモード冗長エンコーダであって、前記符号化モードは、フレームに付加される冗長性の量に関して互いに異なり、前記マルチモード冗長エンコーダは、少なくとも1つの符号語を含む符号化済みフレームを出力するように構成されているマルチモード冗長エンコーダと、少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するための着色器であって、着色シーケンスは、少なくとも1つの着色シーケンスの適用によって符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようなものであり、特定の着色シーケンスは、特定のコーディングモードに応じて選択される、着色器とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームを符号化するためのチャンネルエンコーダであって、
異なる符号化モードのセットからの特定の符号化モードに従ってフレームを冗長符号化するためのマルチモード冗長エンコーダであって、
前記符号化モードは、前記フレームに付加される冗長量に関して互いに異なり、前記マルチモード冗長エンコーダは、少なくとも1つの符号語を含む符号化済みフレームを出力するように構成されている、
マルチモード冗長エンコーダと、
前記少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するための着色器であって、
前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用により前記符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようになっていて、前記特定の着色シーケンスは、前記特定の符号化モードに応じて選択される、
着色器と、
を備える、チャンネルエンコーダ。
【請求項2】
前記マルチモード冗長エンコーダは、前のフレームにおいて前記特定の符号化モードを適用するように構成されており、該第1の符号化モードは、前記着色シーケンスを関連付けており、前記マルチモード冗長エンコーダは、現在のフレームについて、更なる着色シーケンスを関連付けている第2の符号化モードを使用する指示を受信するように構成されており、前記着色器は前記現在のフレームにおいて前記更なる着色シーケンスを適用するように構成される、または
前記現在のフレームにおいて、さらなる着色が着色シーケンスでバイパスされる、
請求項1に記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項3】
符号化基準を提供するためのコントローラであって、前記符号化基準は前記フレームの冗長率を定義し、前記マルチモード冗長エンコーダは、前記特定の符号化モードによって定義された前記冗長率と、前記符号化済みフレームの可変または固定のターゲットサイズとに従って、フレームに冗長性を付加するように構成されているコントローラをさらに含む、
請求項1または2に記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項4】
前記マルチモード冗長エンコーダは、必要なデータ保護強度に基づいて前記符号化モードを決定するように構成されており、
前記コントローラは、送信チャンネルの推定誤り発生率に基づいて、前記必要なデータ保護強度を決定するように構成されている、
請求項3に記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項5】
前記コントローラは、前記フレームの符号化に使用される前記特定の符号化モードを切り替え、前記特定の符号化モードを示す符号化モード情報を生成するように構成されており、
前記マルチモード冗長エンコーダは、前記符号化モード情報を受信し、前記受信した符号化モード情報によって示される前記特定の符号化モードに従って、前記少なくとも1つの符号語を得るために冗長符号化を行うように構成されており、
前記着色器は、前記特定の着色シーケンスを示すための指示を受け取り、示された前記特定の着色シーケンスを前記少なくとも1つの符号語に適用するように構成されている、
請求項1ないし4のいずれかに記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項6】
前記着色器は前記特定の着色シーケンスを示すための指示を、前記コントローラまたは前記マルチモード冗長エンコーダのいずれかから受信するように構成されている、
請求項5に記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項7】
前記着色器は、前記少なくとも1つの符号語と前記特定の着色シーケンスとのビット単位のXORを計算することにより、前記少なくとも1つの符号語の着色を行うように構成されている、
請求項1ないし6のいずれかに記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項8】
前記フレームを複数のデータ語に分割するためのデータ分割器であって、前記マルチモード冗長エンコーダは、前記複数のデータ語の各々を前記特定の符号化モードに従って符号化して、複数の符号語を得るように構成されている、データ分割器を備え、
前記着色器は、前記複数の符号語の予め定義されたサブセット内の各符号語に前記特定の着色シーケンスを適用するように構成されている、
請求項1ないし7のいずれかに記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項9】
前記データ分割器は、前記フレームの目標サイズに基づいて前記符号語の数を算出するように構成されており、前記符号語に含まれる前記データ語の長さは算出された前記符号語の数に基づいて変更される、
請求項8に記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項10】
オーディオ/ビデオフレームデータを符号化するためのオーディオ/ビデオエンコーダであって、前記オーディオ/ビデオエンコーダは、前記特定のモードに基づいて、オーディオ/ビデオフレームデータのセットを設定するように構成される、
請求項1ないし9のいずれかに記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項11】
前記オーディオ/ビデオフレームのハッシュ値を計算するためのプリプロセッサをさらに備え、
前記プリプロセッサは、前記ハッシュ値と前記オーディオ/ビデオフレームとを連結するように構成されている、
請求項1ないし9のいずれかに記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項12】
前記データ分割器は、前記フレームを分割するように構成されており、少なくとも1つのデータ語は、前記ハッシュ値の少なくとも一部と、前記オーディオ/ビデオフレームの一部とで構成されている、
請求項8ないし11のいずれかに記載のチャンネルエンコーダ。
【請求項13】
フレームを符号化するためのチャンネルエンコーダであって、
異なる符号化モードのセットからの特定の符号化モードに従ってフレームを冗長符号化するためのマルチモード冗長エンコーダであって、前記マルチモード冗長エンコーダは、前記セット内の各符号化モードを使用して前記フレームを符号化できるように構成されており、
前記符号化モードは、前記フレームに付加される冗長量に関して互いに異なり、前記マルチモード冗長エンコーダは、少なくとも1つの符号語を含む符号化済みフレームを出力するように構成されている
マルチモード冗長エンコーダと、
前記少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するための着色器であって、
前記着色シーケンスは、前記符号語の少なくとも1つのビットが前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用により変更されるようになっていて、前記着色器は、前記特定の符号化モードに応じて前記特定の着色シーケンスを選択するように構成されている
着色器と
を備え、
前記チャンネルエンコーダは、
前記フレームを複数のデータ語に分割するためのデータ分割器であって、前記マルチモード冗長エンコーダは、前記複数のデータ語の各々を前記特定の符号化モードに従って符号化して複数の符号語を得るように構成されているデータ分割器をさらに備え、
前記着色器は、規定数の前記符号語のうちの各符号語または前記複数の符号語の既定のサブセット内の各符号語に、前記特定の着色シーケンスを適用するように構成される、
チャンネルエンコーダ。
【請求項14】
少なくとも1つの送信済み符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダであって、
前記少なくとも1つの送信済み符号語または誤り訂正された少なくとも1つの送信済み符号語に少なくとも1つの着色シーケンスを適用して、少なくとも1つの着色済み符号語を得るための着色器であって、
前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用により、前記符号語の少なくとも1つのビットが変化するようになっていて、
前記少なくとも1つの着色シーケンスは、特定の復号化モードに特定の着色シーケンスとして関連付けられている、
着色器と、
前記少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、復号化済み出力符号語を得るための冗長デコーダと、
前記冗長デコーダが使用する前記特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成して前記復号化済み出力符号語を得るための復号化モード検出器であって、
前記復号化モードインジケータは、前記送信済み符号語の着色に使用される前記特定の着色シーケンスとして、前記少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられている、
復号化モード検出器と
を備える、チャンネルデコーダ。
【請求項15】
前記冗長デコーダは、前記少なくとも1つの着色済み符号語のビット数を低減するためのビット数削減器と、前記着色済み符号語の誤りを訂正するための誤り訂正器と、を備える、または
前記チャンネルデコーダは、前記少なくとも1つの送信済み符号語の誤りを訂正するための誤り訂正器をさらに備える、
請求項14に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項16】
前記着色器は、前記着色シーケンスに加えて、少なくともさらなる着色シーケンスを使用するように構成されている、または前記チャンネルデコーダは、更なる復号化モードにおいて、一切の着色なしで前記着色器をバイパスするように構成され、
前記冗長デコーダは、前記更なる着色シーケンスを用いて着色された追加の少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して更なる復号化済み符号語、前記更なる着色シーケンスを用いて前記送信済み符号語から得られた更なる着色済み符号語、または別の更なる復号済み符号語を得るための着色されていない送信済み符号語を得るように構成され、
前記冗長デコーダは、前記復号化済み符号語の信頼性尺度、前記更なる復号化済み符号語の更なる信頼性尺度、または前記別の更なる符号語の別の更なる信頼性尺度を出力するように構成され、
前記復号化モード検出器は、前記信頼性尺度に基づいて、前記復号化モードインジケータを決定するように構成され、
前記冗長デコーダは、前記復号化モードインジケータを受信し、前記復号化済み符号語、前記更なる復号化済み符号語、または前記別の更なる復号化済み符号語のいずれかを、前記復号化済み出力符号語として出力するように構成される、
請求項14または15に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項17】
前記復号化モード検出器は、前記復号化済みフレームのハッシュ値を計算して、前記復号化済みフレームの前記ハッシュ値と前記送信済み符号語に関連付けられたハッシュ値とを比較し、ハッシュ比較の結果に基づいて前記復号化モードインジケータを決定するように構成され、
前記着色器は、前記着色動作をバイパスするように構成され、
前記冗長性デコーダは、前記着色シーケンスを使用せずに前記送信済み符号語を受信して、前記復号化モードインジケータに従って前記冗長復号化動作を実行するように構成される、
請求項14ないし16のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項18】
前記着色器は、複数の着色動作を行って、少なくとも前記着色済み符号語を得るとともに前記更なる着色済み符号語を並行して得るように構成され、
前記冗長デコーダは、少なくとも前記復号化済み符号語を得るために複数の冗長復号化動作を行い、前記更なる復号化済み符号語および別の更なる復号化済み符号語を並行して得るように構成され、
前記チャンネルデコーダは、さらに、
前記冗長デコーダの出力を制御するためのコントローラであって、前記コントローラは、前記冗長デコーダに対して、前記復号化済み符号語、前記更なる復号化済み符号語、または前記別の更なる復号化済み符号語のいずれかを、前記復号化済み出力符号語として出力することを指示するように構成されるコントローラを備える、
請求項14ないし16のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項19】
前記冗長デコーダは、前記着色済み符号語の復号化動作中の訂正されたシンボルの数に基づいて前記信頼性尺度を、前記更なる符号語の更なる復号化動作中の前記訂正されたシンボルの数に基づいて前記更なる信頼性尺度を、そして前記別の更なる符号語の別の更なる復号化動作中の前記訂正されたシンボルの数に基づいて前記別の更なる信頼性尺度を算出するように構成される、
請求項16ないし18のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項20】
前記着色器は、前記送信済み符号語の所定数に対して同じ前記着色シーケンスで前記着色動作を実行して所定数の着色済み符号語を得るとともに、前記送信済み符号語の更なる所定数に対して同じ前記更なる着色シーケンスで前記更なる着色動作を実行して所定数の更なる着色済み符号語を得るように構成され、
前記冗長デコーダは、前記所定数の復号化済み符号語を導出する前記信頼性尺度、前記所定数の更なる復号化済み符号語を導出する前記更なる信頼性尺度、または前記所定数の別の更なる復号化済み符号語を導出する前記別の更なる信頼性尺度を決定するように構成される、
請求項16ないし19のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項21】
前記送信済み符号語の前記既定の数は3から9の間である、
請求項20に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項22】
前記コントローラは、
前記冗長デコーダに、前記信頼性尺度を用いて前記特定の復号化モードを選択するように指示するように構成されている、または
出力インタフェースに、前記復号化済み符号語を前記復号化済み出力符号語として出力するように指示するように構成される、
請求項18ないし21のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項23】
前記コントローラは前記冗長デコーダに対して、前記信頼性尺度が最も高い前記特定の復号化モードを選択するように指示するように構成される、または、
前記出力インタフェースに対し、前記復号化済み出力符号語として、異なる復号化モードをさらに用いる復号化済み符号語群から復号化済み符号語を選択するように指示するように構成され、ここで関連付けられている前記選択された符号語は前記最も高い信頼性尺度を有する、
請求項22に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項24】
少なくとも1つの送信済み符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダであって、
前記少なくとも1つの送信済み符号語、または、誤り訂正された少なくとも1つの送信済み符号語に少なくとも1つの着色シーケンスを適用して、少なくとも1つの着色済み符号語を得る着色器であって、
前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用により、前記符号語の少なくとも1つのビットが変化するようになっていて、かつ
前記少なくとも1つの着色シーケンスは、特定の着色シーケンスとして特定の復号化モードに関連付けられている
着色器と、
前記少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、復号化済み出力符号語を得るための冗長デコーダと、
前記冗長性デコーダが使用する前記特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成して前記復号化済み出力符号語を得るための復号化モード検出器であって、
前記復号化モードインジケータは、前記送信済み符号語の着色に使用される前記特定の着色シーケンスとして前記少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられる
復号化モード検出器と、
を備え、
前記着色器は、前記着色シーケンスに加えて、少なくとも1つの更なる着色シーケンスを使用するように構成される、または、前記チャンネルデコーダは、更なる復号化モードにおいて一切の着色を行わずに前記着色器をバイパスするように構成され、
前記冗長デコーダは、前記更なる着色シーケンスを用いて着色された追加の少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、更なる復号化済み符号語、前記更なる着色シーケンスを用いて前記送信済み符号語から得られる前記更なる着色済み符号語、または別の更なる復号化済み符号語を得るための着色を伴わない前記送信済み符号語を得るように構成され、
前記冗長デコーダは、前記復号化済み符号語のための信頼性尺度、前記更なる復号化済み符号語のための更なる信頼性尺度、または前記別の更なる符号語のための別の更なる信頼性尺度を出力するように構成され、
前記復号化モード検出器は、前記信頼性尺度に基づいて、前記復号化モードインジケータを決定するように構成され、
前記冗長デコーダは、前記復号化モードインジケータを受信して、前記復号化済み出力符号語、前記更なる復号化済み符号語、または前記別の更なる復号化済み符号語のいずれかを、前記復号化済み出力符号語として出力するように構成され、
前記着色器は、前記送信済み符号語の所定数に対して同一の前記着色シーケンスで着色動作を行って所定数の着色済み符号語を得て、前記送信済み符号語の更なる所定数に対して同一の前記更なる着色シーケンスで更なる着色動作を行って所定数の前記更なる着色済み符号語を得るように構成され、
前記冗長デコーダは、前記復号化済み符号語の前記所定数を導出する前記信頼性尺度、前記更なる復号化済み符号語の前記所定数を導出する前記更なる信頼性尺度、または前記復号化済み符号語の前記所定数を導出する前記別の更なる信頼性尺度を決定するように構成される、
チャンネルデコーダ。
【請求項25】
前記復号化モード検出器は、所定数の復号化モード候補を示す候補リストを格納し、ここで1つの復号化モード候補は着色シーケンスなしで示され、他のそれぞれの復号化モード候補は着色シーケンスと関連付けられて示され、そして1つの復号化モード候補を、前記冗長デコーダが使用する復号化済み出力符号語を得るために使用する特定の符号化モードとして選択するように構成され、
前記復号化モード検出器は、第1の復号化モード動作と第2の復号化モード動作とを行うように構成され、
前記第1の復号化モード動作を行うための前記復号化モード検出器は、着色シーケンスのない復号化モード候補である前記特定の復号化モードを評価して、前記符号語のシンドロームを算出し、算出されたシンドロームが値0であるかどうかを確認し、
前記算出されたシンドロームが値0である場合、前記送信済み符号語のハッシュ値を算出し、前記算出されたハッシュ値と前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値とを比較し、
前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値と等しい場合には、前記復号化モードインジケータを生成して着色シーケンスのない符号化モード候補を前記特定の復号化モードとして示し、
前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値と異なる場合には、着色シーケンスのない復号化モード候補を前記候補リストから除外して、前記第2の復号化モード動作をさらに進めるように構成される、
請求項14に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項26】
前記復号化モード検出器は、前記第2の復号化モード動作を実行するために、
少なくとも送信済みの符号語についてシンドロームを計算するためのシンドローム算出器と、
前記復号化モード候補に関連した着色シーケンスを前記候補リストに適用して着色済みシンドロームを得るためのシンドローム着色器であって、
前記シンドローム着色器は、前記候補リスト上のすべての復号化モード候補に関連する着色シーケンスを前記シンドロームに適用するように構成される、
シンドローム着色器と、
着色済みシンドロームが値ゼロかどうかをテストしてシンドロームチェックの結果を得るためのシンドロームチェック器と、
を備え、
前記復号化モード検出器は、前記シンドロームチェックの結果に基づいて、前記復号化モードインジケータを生成するように構成される、
請求項25に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項27】
前記復号化モード検出器は、前記第2の復号化モード動作を行うために、

候補リスト上のすべての復号化モード候補において、前記シンドロームに基づいて誤り位置決定多項式を計算するための誤り位置決定多項式算出器と、
前記シンドロームおよび前記誤り位置決定多項式に基づいて、前記候補リスト上のすべての復号化モード候補における前記送信済み符号語のリスク値を算出するためのリスク値算出器であって、前記復号化モード検出器は、前記リスク値に基づいて前記復号化モードインジケータを生成するように構成される、リスク値算出器と、
を備える、
請求項26に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項28】
前記復号化モード検出器は、候補リスト上のすべての復号化モード候補における前記送信済み符号語の前記リスク値を評価して所定の閾値と比較し、前記復号化モード候補に対応するリスク値が前記閾値よりも大きい場合には、前記復号化モード候補を前記候補リストから除外するように構成される、請求項27に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項29】
前記復号化モード検出器は、前記復号化モード候補を前記特定の復号化モードとして選択し、ここで前記復号化モード候補は値が最も小さいリスク値に相当し、さらに前記冗長デコーダが使用する前記特定の復号化モードを示す前記復号化モードインジケータを生成して前記復号化済み出力符号語を得るように構成される、
請求項26ないし28のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項30】
前記復号化モード検出器は、前記第2の復号化モード動作を行うために、
前記誤り位置決定多項式を因数分解することにより、前記復号化モード候補における誤り位置を算出する誤り位置算出器を備え、
前記復号化モード検出器は、前記誤り位置決定多項式の因数分解の結果を受信して、前記誤り位置決定多項式の因数分解の結果に基づいて前記復号化モードインジケータを生成するように構成される、
請求項27ないし29のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項31】
前記復号化モード検出器は、前記復号化モード候補における前記誤り位置決定多項式因数分解の結果が得られない場合に、前記復号化モード候補を前記候補リストから除外するように構成される、
請求項30に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項32】
前記復号化モード検出器は、前記誤り位置決定多項式因数分解の結果に関連付けて、前記復号化モード候補の選択を指示する前記復号化モードインジケータを生成するように構成される、
請求項30または31に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項33】
前記復号化モード検出器は、前記第2の復号化モード動作を行うために、
前記復号化モード候補における前記シンドロームおよび同じ前記復号化モード候補における前記算出された誤り位置に基づいて、前記復号化モード候補全ての誤りシンボルを算出する誤りシンボル算出器を備え、
前記復号化モード検出器は、前記選択された復号化モード候補における前記送信済みの符号語の前記誤りシンボルを受信し、前記送信済み符号語の前記誤りシンボルを含む前記復号化モードインジケータを生成するように構成される、
請求項30ないし32のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項34】
前記送信済み符号語の誤りを訂正するための誤り訂正器を備え、
前記誤り訂正器は、前記誤りシンボル算出器が示す前記誤りシンボルを訂正するように構成される、
請求項33に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項35】
前記符号化モード検出器は、
すべての前記復号化モード候補が前記候補リストから除外されたとき、または
前記送信済み符号語内の誤りシンボルが訂正不能であるときに、
フレームを不良フレームとしてマークするよう指示する前記復号化モードインジケータを生成するように構成される、
請求項33または34に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項36】
複数の前記送信済み符号語を含む符号化フレームを受信する入力インタフェースを備え、
前記複数の符号語の数は、少なくとも2から8である、請求項14ないし35のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項37】
前記復号化モード検出器は、前記着色器および前記冗長デコーダに前記復号化モードインジケータを提供するように構成され、
前記着色器は、前記復号化モードインジケータが指示する着色シーケンスを選択するように構成され、
前記冗長デコーダは、前記復号化モードインジケータが示す前記特定の復号化モードを選択するように構成される、
請求項25ないし36のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項38】
受信した符号語をデマルチプレックスまたはデインタリーブして前記少なくとも1つの送信済み符号語を得るためのデマルチプレクサまたはデインタリーバをさらに備える、
請求項37に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項39】
複数の前記復号化済み出力符号語を結合して、オーディオ/ビデオフレームデータを得るためのデータ結合器をさらに備える、
請求項37または38に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項40】
得られた前記オーディオ/ビデオフレームのハッシュ値を再計算して、フレームデータに含まれるハッシュ値と比較することにより、出力するフレームデータを決定するためのポストプロセッサをさらに含む、
請求項39に記載のチャンネルデコーダ。
【請求項41】
前記復号化モード検出器は、前記復号化モードインジケータを決定するために前記着色シーケンスを使用するように構成される、
請求項14ないし40のいずれかに記載のチャンネルデコーダ。
【請求項42】
少なくとも1つの送信済み符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダであって、
前記少なくとも1つの送信済み符号語または誤り訂正された前記少なくとも1つの送信済み符号語に少なくとも1つの着色シーケンスを適用して、少なくとも1つの着色済み符号語を得るための着色器であって、
前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用により、前記符号語の少なくとも1つのビットが変化するようになっていて、かつ

前記少なくとも1つの着色シーケンスは、特定の着色シーケンスとして特定の復号化モードに関連付けられる、
着色器と、
前記少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、復号化済み出力符号語を得るための冗長デコーダと、
前記冗長デコーダが使用する前記特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成して前記復号化済み出力符号語を得るための復号化モード検出器であって、
前記復号化モードインジケータは、前記送信済み符号語の着色に使用される前記特定の着色シーケンスとして、前記少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられている復号化モード検出器と、
を備え、
前記復号化モード検出器は、所定数の復号化モード候補を示す候補リストを格納し、ここで1つの復号化モード候補は着色シーケンスなしで示され、他のそれぞれの復号化モード候補は着色シーケンスと関連付けられて示され、使用する復号化済み出力符号語を得るために前記冗長デコーダが使用する特定の復号化モードとして、1つの復号化モード候補を選択するように構成され、
前記復号化モード検出器は、第1の復号化モード動作と第2の復号化モード動作とを行うように構成され、

前記第1の復号化モード動作を行うための復号化モード検出器は、前記着色シーケンスのない復号化モード候補である前記特定の復号化モードを評価し、前記符号語のシンドロームを計算し、計算された前記シンドロームが値0であるかどうかを確認し、
前記計算されたシンドロームが値0である場合、前記送信済み符号語のハッシュ値を算出し、算出された前記ハッシュ値と前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値を比較し、
前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値と等しい場合には、前記着色シーケンスのない符号化モード候補を前記特定の復号化モードとして示す前記復号化モードインジケータを生成し、
前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値と異なる場合、前記着色シーケンスのない復号化モード候補を候補リストから除外し、第2の復号化モード動作をさらに進める、
ように構成される、チャンネルデコーダ。
【請求項43】
フレームを符号化する方法であって、
異なる符号化モードのセットからの特定の符号化モードに従って前記フレームを冗長符号化するステップであって、前記符号化モードは、前記フレームに付加される冗長量に関して互いに異なる、ステップと、
少なくとも1つの符号語を出力するステップと、
前記少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するステップであって、前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用によって前記符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようになっていて、前記特定の着色シーケンスは、前記特定の符号化モードに従って選択される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項44】
前のフレームにおいて前記特定の符号化モードを適用するステップであって、第1の符号化モードは、前記着色シーケンスを関連付けている、ステップと、
現在のフレームについて、更なる着色シーケンスを関連づけた第2の符号化モードを使用する指示を受信するステップと、
前記現在のフレームに前記更なる着色シーケンスを適用する、または前記現在のフレームにおいて一切の着色シーケンスの適用をバイパスするステップと、
を含む、
請求項43に記載の方法。
【請求項45】
フレームを符号化する方法であって、
異なる符号化モードのセットからの特定の符号化モードに従って前記フレームをマルチモード冗長符号化するステップであって、前記符号化モードは、前記フレームに付加される冗長量に関して互いに異なる、ステップと、
少なくとも1つの符号語を出力するステップと、
前記少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するステップであって、前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用によって前記符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようになっていて、着色器が前記特定の符号化モードに従って前記特定の着色シーケンスを選択するように構成される、ステップと、
前記フレームを複数のデータ語に分割するステップであって、前記マルチモード冗長エンコーダは、前記複数のデータ語の各々を前記特定の符号化モードに従って符号化して、複数の符号語を得るように構成される、ステップと、
を含み、
前記特定の着色シーケンスは、所定数の前記符号語内の各符号語または前記複数の符号語のうちの所定のサブセットの各符号語に適用される、
方法。
【請求項46】
少なくとも1つの送信済み符号語をチャンネル復号化する方法であって、
前記少なくとも1つの送信済み符号語に少なくとも1つの着色シーケンスを適用して、少なくとも1つの着色済み符号語を得るステップであって、前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用によって前記符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようになっていて、前記少なくとも1つの着色シーケンスは特定の復号化モードに関連付けられている、ステップと、
前記少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、復号化済み出力符号語を得るステップと、
冗長デコーダが使用する特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成して前記復号化済み出力符号語を得るステップであって、前記復号化モードインジケータは、前記着色済み符号語の着色に使用される少なくとも前記少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられている、ステップと、
を含む方法。
【請求項47】
前記着色シーケンスに加えて、少なくともさらなる着色シーケンスを使用するステップ、または、前記チャンネルデコーダは、一切の着色なしで更なる復号化モードで前記着色器をバイパスするように構成されるステップと、

前記更なる着色シーケンスを用いて着色された追加の少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、更なる復号化済み符号語、前記更なる着色シーケンスを用いた送信済み符号語から得られた前記更なる着色済み符号語、または着色されていない前記送信済み符号語を得て、別の更なる復号化された符号語を得るステップと、
前記復号化済み符号語のための信頼性尺度、前記更なる復号化された符号語のための更なる信頼性尺度、または前記別の更なる符号語のための別の更なる信頼性尺度を出力するステップと、

前記信頼性尺度に基づいて、前記復号化モードインジケータを決定するステップと、

前記信頼性尺度に基づいて、前記復号化済み符号語、前記更なる復号化済み符号語、または前記別の更なる復号化された符号語のいずれかを、復号化済み出力符号語として出力するステップと、
を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
所定数の復号化モード候補を示す候補リストを格納し、ここで1つの復号化モード候補は着色シーケンスなしで示され、他のそれぞれの復号化モード候補は着色シーケンスと関連して示され、1つの復号化モード候補を、前記冗長デコーダが使用すべき特定の復号化モードとして選択して、使用する復号化済み出力符号語を得るステップを含み、
決定プロセスは、第1の復号化モード動作と第2の復号化モード動作とを含み、
第1の復号化モード動作は、
着色シーケンスのない前記復号化モード候補である前記特定の符号化モードを評価するステップと、前記符号語のシンドロームを算出するステップと、前記算出されたシンドロームが値0であるか否かを確認するステップと、前記算出されたシンドロームが値0である場合に、前記送信済み符号語のハッシュ値を算出するステップと、前記算出されたハッシュ値と、前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値とを比較するステップとを含み、
前記決定プロセスは、
前記算出されたハッシュ値と前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値との比較結果を受信するステップと、

前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値に等しい場合には、前記復号化モードインジケータを生成して、前記着色シーケンスのない復号化モード候補を前記特定の復号化モードとして示すステップと、
前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値と異なる場合、前記着色シーケンスのない復号化モードの候補を前記候補リストから除外し、前記第2の復号化モード動作をさらに進めるステップと、
を含む、
請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の復号化モード動作は、
前記少なくとも1つの送信済み符号語についてのシンドロームを算出するステップと、
前記候補リストに対して前記復号化モード候補に関連づけられている着色シーケンスを適用して着色済みシンドロームを得るステップであって、
前記シンドローム着色器は、前記候補リスト上のすべての復号化モード候補に関連する着色シーケンスを前記シンドロームに適用するように構成される、ステップと、
着色済みシンドロームが値0を有するかどうかをテストして、シンドロームチェックの結果を得るステップと、
を含み、
前記決定プロセスは、
前記シンドロームチェックの前記結果に基づいて、前記復号化モードインジケータを生成するステップを含む、
請求項48に記載の方法。
【請求項50】
少なくとも1つの送信済み符号語をチャンネル復号化する方法であって、
前記少なくとも1つの送信済み符号語に少なくとも1つの着色シーケンスを適用して、少なくとも1つの着色済み符号語を得るステップであって、前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用によって前記符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようになっていて、前記少なくとも1つの着色シーケンスは特定の復号化モードに関連付けられている、ステップと、
前記少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、復号化済み出力符号語を得るステップと、
冗長デコーダが使用する特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成して前記復号化済み出力符号語を得るステップであって、前記復号化モードインジケータは、前記着色済み符号語の着色に使用される前記少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられている、ステップと、
前記着色シーケンスに加えて、少なくとも更なる着色シーケンスを使用する、または、チャンネルデコーダは、着色を伴わない更なる復号化モードで前記着色器をバイパスするように構成されている、ステップと、
前記更なる着色シーケンスを用いて着色された追加の少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、更なる復号化済み符号語、前記更なる着色シーケンスを用いて前記送信済み符号語から得られた前記更なる着色済み符号語、または別の更なる復号化済み符号語を得るための着色されていない前記送信済み符号語を得るステップと、
前記復号化済み符号語のための信頼性尺度、前記更なる復号化済み符号語のための更なる信頼性尺度、または前記別の更なる復号化済み符号語のための別の更なる信頼性尺度を出力するステップと、
前記信頼性尺度に基づいて、前記復号化モードインジケータを決定するステップと、
前記信頼性尺度に基づいて、前記復号化済み符号語、前記更なる復号化済み符号語、または前記別の更なる復号化済み符号語のいずれかを、前記復号化済み出力符号語として出力するステップと、
を含む方法。
【請求項51】
少なくとも1つの送信済み符号語をチャンネル復号化する方法であって、
前記少なくとも1つの送信済み符号語に少なくとも1つの着色シーケンスを適用して、少なくとも1つの着色済み符号語を得るステップであって、前記着色シーケンスは、前記少なくとも1つの着色シーケンスの適用によって前記符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようになっていて、前記少なくとも1つの着色シーケンスは、特定の復号化モードに関連付けられている、ステップと、

前記少なくとも1つの着色済み符号語を冗長復号化して、復号化済み出力符号語を得るステップと、
冗長デコーダが使用する特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成して前記復号化済み出力符号語を得るステップであって、前記復号化モードインジケータは、前記着色済み符号語の着色に使用される少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられる、ステップと、
所定数の復号化モード候補を示す候補リストを格納し、ここで1つの復号化モード候補は着色シーケンスなしで示され、他のそれぞれの復号化モード候補は着色シーケンスに関連付けられて示され、そして1つの復号化モード候補を、前記冗長デコーダが使用する特定の復号化モードとして選択して使用する出力済み符号語を得るステップと、
を含み、
決定プロセスは、第1の復号化モード動作と第2の復号化モード動作とを含み、
第1の復号化モード動作は、

着色シーケンスのない前記復号化モード候補である前記特定の復号化モードを評価するステップと、前記符号語のシンドロームを算出するステップと、算出されたシンドロームが値0であるか否かをチェックするステップと、前記算出されたシンドロームが値0である場合に、前記送信済み符号語のハッシュ値を算出するステップと、前記算出されたハッシュ値と前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値とを比較するステップとを含み、
前記決定プロセスは、

前記算出されたハッシュ値と前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値との比較結果を受信するステップと、

前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値と等しい場合には、前記復号化モードインジケータを生成して、前記着色シーケンスのない符号化モード候補を前記特定の復号化モードとして示す、ステップと、

前記算出されたハッシュ値が前記送信済み符号語に含まれるハッシュ値と異なる場合、前記着色シーケンスのない復号化モード候補を前記候補リストから除外し、前記第2の復号化モード動作をさらに進めるステップと、
を含む、方法。
【請求項52】
コンピュータ上で実行されるときに、請求項43ないし51のいずれかに記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【請求項53】
請求項43ないし51のいずれかに記載の方法で生成された、データストリーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、マルチモードのチャンネル符号化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル通信では、信頼性の低い、あるいはノイズの多い通信チャンネル上のデータの誤りを制御するために、チャンネル符号化(誤り訂正符号化ともいう)が用いられる。したがって、チャンネル符号化はデジタル通信において不可欠なものとなっている。チャンネル符号化の目的は、伝送中の妨害から情報を保護することである。これにより、誤り訂正および誤り検出のために冗長性が付加され、すなわち、誤りが生じやすいチャンネルを介して送信される一連のデータパケット、例えばオーディオ/ビデオコーダのフレームに冗長性が付加され、受信機側で一定量の送信誤り訂正が可能となる。誤り訂正能力は冗長率と相関があり、誤り訂正能力が高ければ、通常、冗長率も高くなる。
【0003】
オーディオデータフレームの文脈では、3つの効果を考慮する必要がある。
【0004】
1. 同じフレームのオーディオデータは、通常、柔軟なビット数でエンコードすることができ、オーディオ品質はビットレートに応じて変化する。
【0005】
2. 消失フレームは、送信データが時間的な構造を持っており、フレームエラーレート(FER)に応じて増加する一定の劣化を伴うため、隠蔽することができる。
【0006】
3. パケット損失隠蔽(PLC)方式は、通常、検出されていない不良フレームをデコードするよりもはるかに良い結果が得られる。
【0007】
したがって、チャンネル符号化はオーディオデータにとって非常に魅力的であり、次のような方法でオーディオ品質を向上させることができる。
- 不良フレームを検出する(不良フレームデコーディングの代わりにPLCを使用する)。
- 不良フレームの修正(FERの低減)。
【0008】
しかし、このプラスの効果は誤りが発生した場合にのみ見られるもので、データレートの低下によるマイナスの影響は常に存在する。さらに、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication;デジタル強化無線電気通信)システムのような無線ネットワークの信号強度は、通常、接続期間中に変化する。すなわち、話し手が話しながら移動する電話の場合や、外部の時間的な妨害のために変化する。そのため、固定の前方誤り訂正(FEC)方式を接続期間中に適用することは準最適にすぎない。むしろ、低保護・高データレートから高保護・低データレートまで、さまざまなFECモードを提供する柔軟なチャンネルコーダが望まれる(データレートと冗長性レートの合計であるトータルレートは固定であると仮定する)。
【0009】
オーディオコーデックの観点から、最近のオーディオコーデックは音声信号とオーディオ信号のビットレートのオンザフライ切り替えを常にサポートするようになっているので、このような切り替え可能なシステムは大きな課題ではない。しかし、FECモードをフレームベースでシグナリングするという技術的な問題が発生する。既存のシステムに簡単に組み込むためには、FECモードを帯域内でシグナリングする必要がある。これを明示的に行うと、データレートの低下にもつながる。さらに、モード信号は伝送誤りにさらされ、誤り訂正符号では保護されない。なぜなら、チャンネルデコーダは、符号化されたデータを復号化する前にモードを知る必要があるからである。そのため、FECモードを個別に保護することで、オーディオフレームのデータレートを低下させるFEC方式のアキレス腱を回避する必要がある。
【0010】
オーディオデータ用のチャンネルコーダとしては、MPEG-4 Part 3(Information technology - Coding of audio-visual objects - Part 3: Audio Standard, International Organization for Standardization, Geneva, CH 2009)で規定されているEP(Error Protection)ツールがよく知られている。MPEG-4 Part 3で規定されている誤り保護(Error Protection)ツールは、誤り検出から、強度の異なるFECスキームまで、さまざまな保護クラスを備えている。また、柔軟なフレームアーキテクチャと不均一誤り保護(UEP)を特徴としている。UEPの基本的な考え方は、ビット誤りの感度に応じてフレームをサブフレームに分割し、これらのサブフレームを適切な強度のFECおよび/または巡回剰余検査(CRC)で保護するというものである。音声フレームにUEPを適用するためには、フレームの構成パラメータとして、少なくとも、a)クラス数、b)各クラスに含まれるビット数、c)各クラスに適用するCRCコード(CRCビット数として提示できる)、d)各クラスに適用するFECコード、の情報が必要である。以上のように、UEPでは、基本構成の帯域外信号と、帯域内でシグナリングされる相当量の構成パラメータの両方が必要である。帯域内の構成パラメータは、データの復号化の前に必要となるため、さらにデータとは別に保護される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、効率的で誤りに強いチャンネル符号化の概念を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、本願の請求項1によるチャンネルエンコーダ、請求項14によるチャンネルデコーダ、請求項43によるフレームを符号化する方法、請求項46による少なくとも1つの送信符号語をチャンネル復号化する方法、請求項52によるコンピュータプログラム、および請求項53によるデータストリームの主題によって達成される。
【0013】
本願発明によれば、チャンネルエンコーダは、少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するための着色器を備えており、すなわち、符号語は、符号化モードの情報/指示を含んでいる。従って、チャンネルデコーダへの符号化モードの指示に用いる伝送ビットが不要となり、このため、伝送レートが向上し、効率的に符号語を伝送することが可能となる。さらに、符号化モードに応じて選択された着色シーケンスを適用することで、符号化モードの情報/指示を符号語に含めることができるため、誤りに強いモードシグナリングを実現することができる。
【0014】
本願発明によれば、チャンネルデコーダは、少なくとも1つの送信された符号語、すなわち、符号化モード(復号化モード)の情報/指示を含む符号語を受信する。すなわち、符号化モードの情報/指示は、着色シーケンスを適用することによって符号語に分散されており、したがって、符号化モードの情報/指示は、誤り回復力のある方法でチャンネルデコーダにより受信されることになる。さらに、チャンネルデコーダは、冗長復号化に使用される特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成するための復号化モード検出器を備えており、復号化モードインジケータは、送信される符号語の着色に使用される特定の着色シーケンスとして、少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられている。したがって、具体的な着色シーケンスを判断することで、復号化モードを検出することができ、すなわち、チャンネルデコーダは、復号化モードの具体的な情報を別途受信することなく、復号化モードを判断することができる。それゆえ、データ伝送率が向上する。
【0015】
本願発明の実施形態によれば、フレームを符号化するためのチャンネルエンコーダは、以下のものを備える。様々な符号化モードのセットから特定の符号化モードに従ってフレームを冗長符号化するマルチモード冗長エンコーダであって、符号化モードは、フレームに付加される冗長量に関して互いに異なり、マルチモード冗長エンコーダは、少なくとも1つの符号語を含む符号化済みフレームを出力するように構成されているマルチモード冗長エンコーダと、少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するための着色器であって、着色シーケンスは、符号語の少なくとも1つのビットが着色シーケンスの少なくとも1つの適用によって変更されるようなものであり、特定の着色シーケンスは、特定の符号化モードに応じて選択される、着色器。
【0016】
本願発明の実施形態によれば、モード選択の指示に基づいて、各フレームごとにチャンネル符号化を変更してもよい。指示は、モード選択と適用される着色シーケンス、または着色シーケンスのバイパスの指示を含む。
【0017】
本願発明の実施形態によれば、チャンネルエンコーダは、フレームを複数のデータ語に分割するためのデータ分割器をさらに備え、マルチモード冗長エンコーダは、複数のデータ語の各々を特定の符号化モードに従ってエンコードして複数の符号語を得るように構成され、着色器は、複数の符号語の予め定義されたサブセットの各符号語に特定の着色シーケンスを適用するように構成される。すなわち、冗長率は、異なるデータ語に対して異なるものとすることができ、すなわち、冗長率は、各データ語に対して異なるものとすることができる。また、算出された符号語の数に基づいて、さらに符号語インデックスに基づいて、符号語に含まれるデータ語の長さが変更される。
【0018】
本願発明の実施形態によれば、少なくとも1つの送信符号語をチャンネル復号化するチャンネルデコーダは、少なくとも1つの着色された符号語を得るために、少なくとも1つの送信された符号語または少なくとも1つの誤り訂正された送信された符号語に少なくとも1つの着色シーケンスを適用するための着色器であって、着色シーケンスは、少なくとも1つの着色シーケンスの適用によって符号語の少なくとも1つのビットが変更されるようなものであり、少なくとも1つの着色シーケンスは、特定の着色シーケンスとして特定の復号化モードに関連付けられている着色器、少なくとも1つの着色された符号語を冗長復号化して、復号化済み出力符号語を得る冗長デコーダ、および、復号化された出力符号語を得るために冗長デコーダによって使用される特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成するための復号化モード検出器であって、復号化モードインジケータが、送信される符号語の着色に使用される特定の着色シーケンスとして、少なくとも1つの着色シーケンスに関連付けられている、復号化モード検出器とを備える。すなわち、複数の送信符号語に対して、異なる着色シーケンス(脱色)を適用し、異なる復号化モードを使用して(脱)着色済みの符号語を復号化し、使用された復号化モードの1つを、試験結果に基づいて特定の復号化モードとして選択する。
【0019】
本願発明の実施形態によれば、冗長デコーダは、着色済みの符号語のビット数を削減するためのビット数削減器と、着色済みの符号語の誤りを訂正するための誤り訂正器とを備え、または、チャンネルデコーダは、送信された符号語の誤りを訂正するための誤り訂正器をさらに備える。
すなわち、伝送される符号語に誤りが存在する場合には、誤り訂正処理を冗長デコーダでの復号化処理の一部で動作させるか、冗長デコーダとは独立して(脱)彩色を施す前に誤り訂正処理を動作させる。
【0020】
本願発明の実施形態によれば、着色器は、着色シーケンスに加えて、少なくともさらなる着色シーケンスを使用するように構成され、または、チャンネルデコーダは、着色なしのさらなる復号化モードで着色器をバイパスするように構成され、例えば、以下のようになる。前記着色シーケンスは、値としてゼロのみを有しており、冗長デコーダが、さらなる着色シーケンスを使用して着色された追加の少なくとも1つの着色された符号語を冗長復号化して、さらなる復号化済みの符号語を得るように構成され、さらなる着色シーケンスを使用して送信された符号語から得られたさらなる着色済みの符号語、または着色されていない送信された符号語から、別のさらなる復号化済みの符号語を得るように構成され、冗長デコーダが、復号化された符号語の信頼性尺度、さらなる復号化された符号語のさらなる信頼性尺度、またはさらなる符号語のさらなる信頼性尺度を出力するように構成され、例えば、信頼性尺度は、異なる色付けシーケンスおよび復号化モードを使用して復号化された符号語ごとに計算され、復号化モード検出器は、信頼性尺度に基づいて、復号化モードインジケータを決定するように構成され、冗長デコーダは、復号化モードインジケータを受信して、復号化済みの符号語、復号化済みの符号語またはさらなる復号化済みの符号語、または別のさらなる復号化済みの符号語のいずれかを、復号化された出力符号語として出力するように構成される。すなわち、送信された符号語に誤りがある場合には、信頼性尺度、例えば、リスク値(信頼性尺度)を計算し、最小のリスク値を有する復号化符号語に使用される復号化モードを特定の復号化モードとして選択する。
【0021】
本願発明の実施形態によれば、復号化モード検出器は、所定数の復号化モード候補を示す候補リストを格納するように構成されており、1つの復号化モード候補は、着色シーケンスなしで示される場合もあれば、すべての復号化モード候補が着色シーケンスに関連付けられている場合もあり、使用されるべき復号化出力符号語を得るために冗長デコーダによって使用されるべきある復号化モードとして1つの復号化モード候補を選択するように構成されており、復号化モード検出器は、第1の復号化モード動作および第2の復号化モード動作を実行するように構成され、第1の復号化モード動作を実行するための復号化モード検出器は、ある復号化モードが着色シーケンスのない復号化モード候補であると推定するように構成される、すなわち、第1の符号語が着色されていないかどうかをハッシュが評価される前に、符号語のシンドロームを計算し、計算されたシンドロームが値ゼロを有するかどうかを確認し、計算されたシンドロームが値ゼロを有するときに、送信された符号語のハッシュ値を計算し、計算されたハッシュ値と、送信された符号語に含まれるハッシュ値とを比較し、算出されたハッシュ値が含まれるハッシュ値とが等しい場合には、着色シーケンスのない復号化モード候補を特定の復号化モードとして示す復号化モードインジケータを生成し、算出されたハッシュ値が含まれるハッシュ値と異なる場合には、着色シーケンスのない復号化モード候補を候補リストから除外して、第2の復号化モード動作をさらに進めるように構成されている。すなわち、復号化モード検出器は、2つの動作を行い、例えば、復号化モード検出器は、第1の復号化モード動作を行う第1の復号化モード検出器と、第2の復号化モード動作を行う第2の復号化モード検出器とからなり、第1の復号化モード動作で特定の復号化モードが選択されなかった場合には、第2の復号化モード動作でさらに選択処理を進めることになる。したがって、送信された符号語に誤りがなく、エンコーダで着色シーケンスがないことに関連したモードが使用されていた場合には、それ以上進む必要がないので、効率的に特定の復号化モードが選択されることになる。
【0022】
本願発明の実施形態によれば、第2の復号化モード動作において、送信された符号語の誤りがシンドロームを用いて検出され、誤り位置多項式を用いて誤りシンボルが計算され、誤りシンボルが訂正される。この手順では、検出された誤りが訂正不可能な場合、訂正不可能な誤りを含む送信ワードに適用された着色シーケンスに関連する復号化モードが候補リストから除外される。また、訂正可能な誤りを持つ送信ワードに対する誤り位置多項式が決定できない場合には、さらにその復号化モードを候補リストから除外する。つまり、リストアップされた候補の復号化モードを段階的に除外してゆき、最後にリストに残った復号化モードをある復号化モードとして選択する。したがって、誤り発生のリスクを考慮すると、確実に特定の復号化モードが選択される。
【0023】
本願発明の好ましい実施形態では、デコーダが部分的なテスト復号化によってFECモードを決定することができる一方で、冗長率が効率的になるように周知の線形符号を修正することによって、FECモードをシグナリングする。このゼロバイト暗黙のシグナリングは、伝送誤りが発生しなければ決定論的であり、そうでなければ高い確率で正しいモードを見つけることができる。すなわち、シグナリング誤りによるフレーム損失は、訂正できないフレームによるフレーム損失に比べて無視できる程度のものである。より具体的には、データシーケンスを所定の長さNtargetのコードシーケンスにエンコードするための多数のNmodeモードを提供する(FEC)スキームに関するものである。ここでは、単純化のために2進数のシーケンスを想定しているが、同様の方式は、データシンボルが任意の体(field)、例えば有限ガロア体の要素である一般的なケースにも適用できるであろう。
【0024】
本願発明の有利な態様は、従属請求項の対象となる。本願発明の好ましい実施形態は、そのうちの図に関して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本願発明の実施形態に従って伝送されるフレームを符号化するためのチャンネルエンコーダの一例を示すブロック図である。
図2図2は、本願発明の実施形態に従って送信されるフレームを符号化するための他のチャンネルエンコーダの一例を示すブロック図である。
図3図3は、本願発明の実施形態に従って伝送されるフレームを符号化するためのチャンネルエンコーダを含むエンコーダの一例を示すブロック図である。
図4図4は、図3に示した更なるチャンネルエンコーダの一例を示すブロック図である。
図5A図5Aは、本願発明の実施形態による少なくとも1つの送信される符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダの例を示すブロック図である。
図5B図5Bは、本願発明の実施形態による少なくとも1つの送信される符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダの例を示すブロック図である。
図6図6は、本願発明の実施形態による図5Aまたは図5Bに示された請求項のチャンネルデコーダによって実施されるチャンネル復号化動作の一例を示すフローチャートである。
図7A図7Aは、図5Aで示した本願発明による少なくとも1つの送信された符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダの変形例を示すブロック図である。
図7B図7Bは、図5Bで示した本願発明による少なくとも1つの送信された符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダの変形例を示すブロック図である。
図8図8は、図7Aまたは図7Bによって示された本願発明による少なくとも1つの送信された符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダのさらなる変形例を示すブロック図である。
図9図9は、本願発明の実施形態による送信されるべきフレームを符号化するためのチャンネルエンコーダの別の例を示すブロック図である。
図10図10は、本願発明の実施形態による図9に示したチャンネルエンコーダによって実施されるチャンネル符号化動作の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、図9に示した本願発明の実施の形態により、送信されるべきフレームを符号化するためのチャンネルエンコーダの変形例を示すブロック図である。
図12図12は、本願の実施形態による図11に示したチャンネルエンコード動作におけるフレームアーキテクチャのための例を示す模式図である。
図13図13は、本願発明の実施形態による、符号化モードに依存したフレームアーキテクチャの例を示す概略図である。
図14図14は、本願発明の実施形態による、送信すべきフレームを符号化するためのチャンネルエンコーダのさらなる例を示すブロック図である。
図15図15は、本願の実施形態による、少なくとも1つの送信すべき符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダのさらなる例を示すブロック図である。
図16図16は、本願の実施形態による図15に示したチャンネルデコーダに配置されたチャンネルデコーダの復号化モード検出器の一例を示すブロック図である。
図17図17は、本願の実施の形態による、図16に示した復号化モード検出器が実施する復号化モード検出器の復号化モード検出動作の一例と、図15に示したチャンネルデコーダが実施するチャンネルデコーダの復号化動作の一例とを示すフローチャートである。
図18図18は、本願発明の実施形態による図16に示した復号化モード検出器によって実装される復号化モード検出器の第2の復号化モード動作の一例を示すブロック図である。
図19図19は、本願発明の実施の形態による図18に示した第2の復号化モード検出器が実施する第2の復号化モード動作の手順の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、図15に示した本願の実施形態による、少なくとも1つの送信された符号語をチャンネル復号化するためのチャンネルデコーダの変形例を示すブロック図である。
図21図21は、本願の実施形態による、図20に示したチャンネルデコーダに配置されたチャンネルデコーダの復号化モード検出器の変形例を示すブロック図である。
図22図22は、図20に示したモード検出器によって実施される第1の復号化モード動作の動作を示す模式図である。
図23図23は、図18に示した第2の復号化モード検出器によって実装される第2の復号化モード動作の動作を示す概略図である。
図24図24は、図18に示した第2の復号化モード検出器によって実装される第2の復号化モード動作の動作を示す概略図である。
図25図25は、図23図24に示した第2の復号化モード動作の動作を示す拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明では、同等または等価の要素、または同等または等価の機能を持つ要素は、同等または等価の参照数字で示される。
【0027】
以下の説明では、本願発明の実施形態をより詳細に説明するために、複数の詳細を記載している。しかし、本願発明の実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本願の実施形態を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および装置を詳細にではなくむしろブロック図の形で示している。また、以下に説明する異なる実施形態の特徴は、特に断りのない限り、互いに組み合わせることができる。
【0028】
図1は、フレームを符号化するためのチャンネルエンコーダ2の実施形態を示しており、異なる符号化モードのセットから特定の符号化モードに従ってフレームを冗長符号化するためのマルチモード冗長エンコーダ4と、少なくとも1つの符号語に着色シーケンスを適用するための着色器6とを備えている。図2は、チャンネルエンコーダ2の別の例を示しており、符号化基準、例えば、フレームの冗長率、必要なデータ保護(特定の符号化モード、データ長、ターゲットサイズNtarget、フレームを構成するデータ語の数などを提供するためのコントローラ8をさらに備えている。図1に示すように、チャンネルエンコーダ2がコントローラ8を含まない場合、符号化基準はフレームに関連付けられてマルチモード冗長エンコーダ4に提供される。オプションとして、チャンネルエンコーダ2は、送信されるフレームのハッシュ値を計算するためのハッシュ伸長も含む。
【0029】
さらなる実施形態では、例えば、オーディオデータのフレームがチャンネルエンコーダ2に提供される。コントローラ8がチャンネルエンコーダ2に含まれていない場合(図1に示すように)、オーディオデータのフレームは、ターゲットサイズNtargetおよび特定の符号化モードmfecの指示と関連付けられる。そして、提供されたフレームは、マルチモード冗長エンコーダ4で符号化され、マルチモード冗長エンコーダ4から複数の符号語が出力される。出力された符号語は、着色器6に供給され、出力された符号語のうち少なくとも1つの符号語は、ある符号化モードmfecに応じて選択された特定の着色シーケンスsigmを適用して着色される。着色シーケンスについては、その値がゼロである場合には、その符号語については着色をバイパスする。すなわち、例えば、ゼロの値を持つ着色シーケンスsig1には、符号化モードmfec=1が関連付けられており、すなわち、着色シーケンスsig1はゼロのシーケンスであるため、符号化モードmfec=1で符号化された符号語に対する発色がバイパスされることになる。
【0030】
図3は、本願発明の一実施形態によるチャンネルエンコーダを含むエンコーダの一例を示す図である。このエンコーダは、オーディオエンコーダ1と、チャンネルエンコーダ2と、スイッチングユニット3とから構成されている。オーディオエンコーダ1は、入力されたオーディオデータをエンコードするように構成されており、チャンネルエンコーダ2は、示されたモードに従ってチャンネルをエンコードするように構成されている。スイッチングユニット3は、オーディオエンコーダ1にペイロードサイズNpを与え、チャンネルエンコーダ2にFECモードとスロットサイズNsを与える。図3に示すように、エンコーダは、符号化済みフレームを出力する。
【0031】
図4は、図3に示したチャンネルエンコーダのさらなる例を示す図である。チャンネルエンコーダ2は、ハッシュ拡張部10、リニアエンコーダ4'、および着色器6'から構成される。オーディオエンコーダ1で符号化されたオーディオデータが入力データainとして入力され、ハッシュ拡張部10は、ハッシュデータを加算して拡張データaextを生成する。拡張データaextは、リニアエンコーダ4'に供給され、リニアエンコーダ4'は、線形符号の符号語aencを生成する。符号語aencは、着色器6'に供給され、着色器6'は、送信すべき着色符号語aoutを生成する。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
図5Aに示すように、チャンネルデコーダ20は、着色器(脱色器)22と、冗長デコーダ24と、モード検出器26とで構成されている。なお、冗長デコーダ24は、ビット数削減器24aと誤り訂正器24bとで構成されているが、冗長デコーダ24にビット数削減器24aと誤り訂正器24bとが設けられている必要はない。すなわち、図5Bに示すように、誤り訂正器24bを着色器22に接続し、ビット数削減器24bを着色器22とモード検出器26の間に配置してもよい。モード検出器26は、冗長デコーダ24(ビット数削減器24a)と着色器22に接続されている。チャンネルデコーダ20では、より具体的には、復号化モード検出器26では、復号化された出力符号語を得るために冗長デコーダ24(ビット数削減器24a)が使用する特定の復号化モードを示す復号化モードインジケータと、着色器22での送信符号語の着色に使用される特定の着色シーケンスとが決定される。
【0039】
チャンネルデコーダ20は、チャンネルエンコーダ2から送信された送信符号語を受信する。そして、以下に説明するように、復号化モード検出器26で復号化モードインジケータを生成するために、所定数の送信符号語が使用/テストされる。復号化モード検出器26は、チャンネルエンコーダ2が使用し得る復号化モードに関する情報、例えば、復号化モード候補のリストを有する。
【0040】
図6は、図5Aまたは図5Bに示した請求項のチャンネルデコーダが実施するチャンネル復号化動作の一例を示すフローチャートである。送信された所定数の符号語は、候補リストの復号化モードmfec=1に関連付けられた着色シーケンス(S2)、例えば、着色シーケンスsig1を適用して脱色される。そして、着色(脱色)された符号語がビット数削減器24aで復号化され(S4)、所定数の復号化された出力符号語が得られる。伝送誤りが発生していない場合には(S6)、復号化された出力符号語に基づいて、復号化モード検出器26で復号化モードインジケータを生成する(S10)。生成された復号化モードインジケータは、着色器22および冗長デコーダ24(ビット数削減器24a)に提供され、すなわち、復号化モードインジケータが特定の復号化モードを示している場合には、その復号化モードが検出されたと定義される(S12)。そして、ある復号化モードを用いて復号化された送信符号語を、復号化出力符号語として出力する(S16)。
【0041】
S6で示したように、誤りが検出された場合には、復号化モード検出器26で信頼性指標(リスク値)を算出する(S7)。すなわち、送信された誤りが発生した場合、誤りを検出し、誤り訂正器24bでシンドロームを計算して使用することにより、誤り訂正を試み、誤り訂正器24bから復号化モード検出器26に誤り訂正の結果が提供される。なお、図5Bに示すように、誤り訂正器24bが独立している場合には、誤り訂正の結果が送信符号語に関連付けられる。誤り検出および誤り訂正の詳細な手順については、後で説明する。
【0042】
そして、リスト上の全ての復号化候補モードをテストした場合(S8)、さらに上述のS10に進む。リスト上の復号化候補モードが残っている場合には(S8)、全ての復号化候補モードをテストするまで、S2~S7を繰り返す。全ての復号化モード候補をテストしたにもかかわらず、ある復号化モードが決定されなかった場合(S12)、ある復号化モードを決定するために使用/テストされた送信符号語で構成されるフレームは、不良フレームとして登録される。
【0043】
図7A及び図7Bは、図5A及び図5Bに示したチャンネルデコーダ20の変形例を示す。図7Aに示すように、チャンネルデコーダ20は、着色器22、冗長デコーダ24およびモード検出器26に接続されたコントローラ28をさらに備えている。また、図5Bで説明したチャンネルデコーダ20に対応する図7Bのチャンネルデコーダ20は、誤り訂正器24b、着色器22、ビット数削減器24aおよびモード検出器26に接続されたコントローラ28をさらに備えている。
【0044】
図7Aのチャンネルデコーダ20においても、図7Bと同様に、複数のモードテストを並行して処理してもよい。例えば、候補リストに4つの候補モードがある場合、各候補モードに対してモードテストを行う、すなわち、以下のようになる。候補1:着色シーケンスsig1と復号化モードmfec=1、候補2:着色シーケンスsig2と復号化モードmfec=2、候補3:着色シーケンスsig3と復号化モードmfec=3、候補4:着色シーケンスsig4と復号化モードmfec=4を後述のように並行して行う(図6のS2~S8は各候補に対して並行して行う)。そして、モード検出器26は、復号化モードインジケータを生成し、コントローラ28は、指示された復号化モードを用いて復号化された復号化符号語を、出力される復号化符号語として出力するように、冗長デコーダ24(ビット数削減器24a)に指示する。
【0045】
図8は、複数の着色器221~224と、複数のデコーダ(冗長デコーダ)241~244と、モードセレクタ(検出器)25と、スイッチ27とからなるチャンネルデコーダの変形例を示す。図8で説明したように、送信された符号語、すなわち符号化データainは、チャンネルデコーダに入力され、複数の着色器221~224に提供するためにコピーされる。コピーされた符号化データainには、着色器221で着色シーケンスsig1が適用され、着色された符号語ain(1)には、デコーダ241で復号化モードmfec=1が適用されて、復号化された符号語adec(1)が得られるようになっている。本実施形態では、着色シーケンスsig1はゼロシーケンス、すなわち着色動作をバイパスしている。着色器222でコピーされた符号化データainに着色シーケンスsig2を適用し、デコーダ242で着色された符号語ain(2)に復号化モードmfec=2を適用して、復号化された符号語adec(2)が得られる。着色器223でコピーされた符号化データainに着色シーケンスsig3が適用され、デコーダ243で着色された符号語ain(3)に復号化モードmfec=3が適用されて、復号化された符号語adec(3)が得られる。着色器224でコピーされた符号化データainに着色シーケンスsig4が適用され、デコーダ244で着色された符号語ain(4)に復号化モードmfec=4が適用されて、復号化された符号語adec(4)が得られる。
【0046】
図8には描かれていないが、デコーダは誤り訂正器を含み、復号化統計情報、例えば、訂正されたビットまたはシンボルの数、および符号がより小さいコードから構築される場合にはサブ符号語内の訂正されたシンボルの数は、点線で示されるように各デコーダ241~244からモードセレクタ25に提供される。そして、モードセレクタ25は、復号化された出力符号語を得るためにデコーダが使用するある復号化モードを示す復号化モードインジケータを生成する。モードセレクタ25は、復号化統計情報に基づいて、復号化モードを特定の復号化モードとして選択する、すなわち、誤り訂正を行わずに復号化するモードがあれば、このモードが特定の復号化モードとして選択される。この場合、注意すべきは、誤りが発生していない場合には、選択ミスは起こり得ないということである。誤りが発生した場合は、ランダムな推測によって同程度の誤り数の符号語を生成する可能性に基づいて、復号化モードのリスク値(信頼性尺度)が計算される。そして、モード検出器は、リスク値が最も低い復号化モードを決定する。さらに、モード検出器は、選択されたモードのリスク値が予め定められた閾値よりも小さいことを要求してもよい。したがって、あらかじめ決められた閾値よりも小さいリスク値を持つ復号化モードがない場合、復号化モードインジケータの代わりに不良フレームインジケータが生成される。不良フレームインジケータは、データサイズ/長さNdataとともにエンコーダに提供される。
【0047】
デコーダは、着色された符号語の復号化動作中に、訂正されたシンボルの数に基づいて、復号化モードのリスク値(信頼性尺度)を決定/算出/計算する。所定数の符号語が着色されている場合、例えば、6個の符号語が着色されている場合、6個の着色された符号語の復号化動作中の訂正シンボル数に基づいて、復号化モードmfec=2のリスク値(信頼性尺度)が算出される。同様に、復号化モードmfec=3のリスク値(更なる信頼性尺度)は、6個の着色符号語の復号化動作中に訂正されたシンボル数に基づいて算出され、また、復号化モードmfec=1のリスク値(更なる信頼性尺度)は、6個の着色されていない符号語の復号化動作時に修正されたシンボル数に基づいて算出される。
【0048】
特定の復号化モードが選択されると、モードセレクタ25からスイッチ27に復号化モードインジケータが供給される。スイッチ27は、復号化モードインジケータに基づいて、デコーダへの接続を切り替え、復号化された出力符号語を得る。すなわち、例えば、ある復号化モードとして、復号化モードmfec=3が指示された場合、スイッチ27は、デコーダ243に接続して復号化出力符号語を得る。
【0049】
【0050】
このようにして、誤ったモードを選択するリスクは、基礎となる符号の誤り訂正能力を超えて損傷した符号語を誤って復号化するリスクによって制限される。このリスクが大きすぎると考えられる場合には、符号化前のデータにオプションとしてハッシュ値を追加でき、モード検出手順で考慮することができる。これは、明示的なシグナリングと同様に、データレートを低下させる一方、モード選択のリスクと誤った復号化のリスクを同様に改善する。したがって、提案されたFEC方式は、検出されなかった破損フレームが、検出されて隠蔽された破損フレームよりも通常強い劣化をもたらすというアプリケーションに非常に適している。
【0051】
以下、本願発明によるチャンネルエンコーダ2およびチャンネルデコーダ20について、さらに詳しく説明する。
【0052】
チャンネルエンコーダ
想定しているチャンネルエンコーダはバイト単位で動作し,GF(16)上のリードソロモン符号を利用して線形符号のファミリーを構成する。入力として、スロットサイズとも呼ばれるNsと呼ばれるバイト単位のターゲットサイズ、1から4の間のモード番号mfec、および0から255の間の整数として解釈されるデータバイトの入力シーケンスa(k)、k=0,1,...,Np-1を受取る。入力サイズNpは、後述するようにパラメータNsおよびmfecから導かれる。以下では、ターゲットサイズは少なくとも40バイトであると仮定する。
【0053】
図9は、本願発明の実施の形態による送信すべきフレームを符号化するためのチャンネルエンコーダ2の他の例を示すブロック図である。チャンネルエンコーダ2は、コントローラ8、プリプロセッサ10、データ分割器12、マルチモード冗長エンコーダ4、着色器6、及びマルチミキサ14から構成される。
【0054】
図10は、図9に示したチャンネルエンコーダが実施するチャンネル符号化動作の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、入力データ、すなわち入力フレームデータのハッシュ値を算出し、入力データに付加する(S20)。入力データと付加されたハッシュ値を含むフレームは、データ分割器12によって複数のデータ語に分割される(S22)。データ語の数は、フレームの目標サイズに基づいて算出される。複数のデータ語は、マルチモード冗長エンコーダ4によって符号化され(S24)、符号化されたデータ語、すなわち符号語は、着色シーケンスを適用するために着色器6に提供される(S26)。そして、着色された符号語は、マルチミキサ14でインターリーブされる(S28)。
【0055】
図11は、図9に描かれたチャンネルエンコーダの変形例を示すブロック図である。図11のチャンネルエンコーダは、他の装置に情報を提供するためのフレーム構成器11をさらに備えている。例えば、フレーム構成器11は、パラメータ、例えば、符号語Nsの目標サイズや符号化モードmfecを受け取る。また、フレーム構成器11では、フレームのハッシュ値Nhashのサイズやハミング距離が算出される。図11に示すように、入力データainとデータ長Npの情報と、算出されたハッシュサイズNhashとハミング距離がプリプロセッサ10に与えられる。また、符号語の長さLi、ハミング距離di、符号語の数Ncwは、データ分割器12、リードソロモン(Read-Solomon;RS)エンコーダ4、着色器6、マルチプレクサ(インターリーバ)14に供給される。プリプロセッサ10からは、例えば、N2=Np+Nhashのサイズを有するデータa2がデータ分割器12に供給される。データ分割器12は、フレームを、RSエンコーダ4に供給される複数の符号語D0,D1~DNCW-1に分割する。RSエンコーダ4は、データ語を符号化して、着色器6に供給される符号語C0,C1~CNCW-1を得る。着色器6は、符号語に着色シーケンスを適用して着色符号語を得て、着色符号語はマルチプレクサでインターリーブされ、aoutとして出力される。詳細な手順は以下の通りである。
【0056】
【0057】
リードソロモン符号の誤り検出はあまり強力ではないため、ハッシュ値はデータの検証に使用される。
【0058】
【0059】
算出されたハッシュ値で拡張された入力データ、すなわちハッシュ値を含むフレームは、複数のデータ語に分割される。データ語の数は、例えば、フレームの目標サイズと符号語インデックスに基づいて算出される。
【0060】
図12は、図11に示したチャンネルエンコーダが行うチャンネルエンコード動作におけるフレームアーキテクチャの一例を示す模式図である。入力データ、すなわちハッシュ値を含む入力フレームは、算出された数のデータ語(符号語の数でもある)、例えば6個のデータ語D1~D5に分割される。
【0061】
リードソロモン符号化
(参考文献:"Error Correction Coding: Mathematical Methods and Algorithms", Todd K. Moon, 2005.)
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
以上で説明されるように、図12にも示すように、データ語が符号化され、符号語が出力される。各符号語の長さは必ずしも同じではなく、例えば、符号語C0およびC1の長さは14ニブルであり、符号語C2~C5の長さは13ニブルであり、したがって、符号語C0~C5を含むフレームの長さは40バイトである。なお、データ語の長さは全く同じではないため、データ語ごとに冗長率が異なる可能性があることに留意すべきである。
【0068】
図13は、符号化モードに依存したフレームアーキテクチャの一例を示す模式図である。図13は、ターゲットサイズを40とした場合の、送信するデータと冗長配置の間の関係を示している。例えば、mfec=1を使用して符号化された符号語は誤りが発生せず、mfec=2を使用して符号化された符号語は1符号語につき1シンボルの誤りが発生し、mfec=3で符号化された符号語は1符号語につき2シンボルの誤りが発生し、mfec=4で符号化された符号語は1符号語につき3シンボルの誤りが発生する可能性がある。復号化には、符号化されたデータを拡張するためにモードの知識が必要であるため、チャンネルデコーダ20には、伝送すべきデータと冗長構成が通知される。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
着色された符号語を図12に示す。符号化モードmfec=1を用いて符号化された符号語には、着色シーケンスsig1が適用され、すなわち、着色シーケンスはゼロシーケンスであるため、着色はバイパスされる。符号化モードmfec=2を用いて符号化された符号語には、着色シーケンスsig2が適用され、符号化モードmfec=3を用いて符号化された符号語には、着色シーケンスsig3が適用され、符号化モードmfec=4を用いて符号化された符号語には、着色シーケンスsig4が適用される。なお、すべての符号語を着色する必要はなく、フレーム内の符号語の所定のサブセットにのみ着色シーケンスを適用してもよい。
【0076】
符号語の多重化
着色された符号語は、マルチプレクサ14によってインターリーブされる。すなわち、着色された符号語からのビットが、少なくとも1つの異なる符号語のさらなるビットにおける様々な符号語に配置されて、フレームが得られる。
【0077】
【0078】
図14は、伝送されるべきフレームを符号化するためのチャンネルエンコーダのさらなる例を示すブロック図である。図14に示すチャンネルエンコーダ2は、コントローラ8、チャンネルエンコードコア2'およびオーディオエンコーダ16から構成されており、すなわち、このチャンネルエンコーダは、伝送されるべきオーディオフレームをエンコードするために使用される。送信すべきビデオフレームを符号化する場合には、チャンネルエンコーダ2は、オーディオエンコーダ16の代わりにビデオエンコーダを構成する。
【0079】
チャンネルデコーダ
図15は、チャンネルデコーダ20のさらなる構成例を示す。チャンネルデコーダ20は、デマルチプレクサ60、復号化モード検出器26、誤り訂正器62、着色器22、冗長デコーダ24、データ結合器64、およびポストプロセッサ68から構成される。誤り訂正器62は、図15では復号化モード検出器26に接続されている。しかし、誤り訂正器62は、例えば、図5Aに示すように、冗長デコーダ24に含まれていてもよいし、復号化モード検出器26と着色器22の間、または着色器22と冗長デコーダ24の間に配置されていてもよい。さらに、図15には示されていないが、チャンネルデコーダ20は、コントローラおよび/または、復号化モードの候補リストを格納するメモリ/ストレージをさらに備えていてもよい。
【0080】
図20は、図15に示すチャンネルデコーダ20の変形例を示す。図20は、図11と同様に、チャンネルデコーダ20の動作に合わせて描かれている。チャンネルデコーダ20は、デマルチプレクサ60、誤り訂正器を含むモード検出器26、脱色器(着色器)22、RSデコーダ24およびデータ結合器64に、符号語数Ncwおよび符号語長Liを与えるフレーム構成器61をさらに含む。また、フレーム構成器61は、フレームターゲットサイズ、すなわちスロットサイズNsをポストプロセッサ68に与える。デマルチプレクサ60は、インターリーブされた符号語を抽出する。モード検出器26は、ある復号化モードを検出し、復号化モードインジケータを生成する。復号化モードインジケータは、特定の復号化モードを示す情報を少なくとも含み、追加情報、例えば、訂正されたシンボルの数を含んでもよい。復号化モードインジケータは、モード検出器26から脱色器22、RSデコーダ24およびポストプロセッサ68に提供される。脱色器22は、所定の数の第1の符号語、例えば、特定の復号化モードに関連する着色シーケンスを有する第1の6個の符号語にXORを適用することにより、特定の復号化モードに従って脱色する。RSデコーダ24は、符号語のデータ部分のみを抽出し、すなわち、着色された符号語に対して先に行われた誤り訂正を行う。冗長量は、復号化モードインジケータによって示される。データ結合器64は、入力を連結する、すなわち、データ語を結合して出力データを得る。ポストプロセッサ68は、ある復号化モードがモード1でない場合、ハッシュ値を用いて出力データを検証する。以下、詳細な動作を説明する。
【0081】
チャンネルデコーダ20は、入力として、バイトのシーケンスainと、バイト単位のスロットサイズNsを受け取る。ここでも、バイトは0および255間の数字として解釈される。
【0082】
符号語のデマルチプレックス
デマルチプレクサ60は、デコーダ20でインターリーブされた符号語を抽出する。すなわち、フレーム構成器61は、「リードソロモン符号化」の項で規定したように入力サイズNsから、符号語数Ncwと符号語長Liを算出し、「符号語のマルチプレックス」の項で説明した配置に従って符号語Ciを抽出する。
【0083】
【0084】
【0085】
提案されているモード判定では、少し異なる方法がとられている。モード検出器は、可能性のあるすべてのモードの完全なデコードを目指すのではなく、候補となるモードのリストを段階的に絞り込み、最初の6つの符号語を処理した後に最終的な判断に至るという並列的なアプローチをとる。この方法は、平均して計算量が少ないという利点がある。
【0086】
図16は、図15に示したチャンネルデコーダ20に配置されたチャンネルデコーダの復号化モード検出器26の一例を示すブロック図である。復号化モード検出器26は、第1の復号化モード検出器30と、第2の復号化モード検出器32と、コントローラ34とから構成されている。復号化モード検出器26は、第1の復号化モード検出器30で第1の復号化モード動作を行い、第2の復号化モード検出器32で第2の復号化モード動作を行うように構成されている。コントローラ34は、復号化モードの候補リストを記憶するためのメモリ/ストレージを含んでいてもよい。
【0087】
図17は、図16に示した復号化モード検出器が実施する復号化モード検出器の復号化モード検出動作の一例と、図15に示したチャンネルデコーダが実施するチャンネルデコーダの復号化動作の一例を示すフローチャートである。
【0088】
第1の復号化モード動作は、ある復号化モードがモード1であるかどうかをテストすることによって行われる。まず、符号語のシンドロームが計算され、計算されたシンドロームが消失したとき、すなわち値のないシンドロームが計算されたとき(S30)、ハッシュ値が計算され、評価される(S31)。すなわち、復号化モードがモード1であれば、誤りはないはずなので、シンドロームは値ゼロとなる。算出されたシンドロームが値を持つ場合、第1の復号化モード動作を終了し、第2の符号化モード動作に進む(S38)。算出されたハッシュ値が、符号語に含まれるハッシュ値(受信ハッシュ値)と等しくない場合(S34)、第1の復号化モード動作を終了し、第2の復号化モード動作に進む(S38)。ハッシュ値が同じである場合(S34)、第1の復号化モード検出器30は、復号化モードインジケータを生成し(S36)、コントローラ34は、先行するさらなるステップを実行して(S82)、復号化データを出力する。
【0089】
図18は、図16に示した復号化モード検出器が実施する復号化モード検出器の第2の復号化モード検出器32の一例を示すブロック図である。第2の復号化モード検出器32は、シンドローム算出器40、シンドローム着色器42、シンドローム検査器44、誤り位置多項式算出器46、リスク値算出器48、誤り位置算出器50、誤りシンボル算出器52から構成される。第2の復号化モード動作において、シンドローム着色器42は、符号語やシンドロームに着色を行うことは基本的に同じことであるため、算出されたシンドロームを脱色するために着色シーケンスを適用する。
【0090】
図19は、図18に示した第2の復号化モード検出器32が実施する第2の復号化モード動作の手順の一例を示すフローチャートである。図19に示すように、シンドローム算出器40(S40)でシンドロームを算出し、シンドローム着色器42(S42)でシンドロームを着色する。例えば、候補リストの次の候補モードに関連付けられた着色シーケンスのシンドロームが着色され、例えば、モード2に関連付けられた着色シーケンスsig2が着色される。符号語のシンドロームを着色シーケンスのシンドロームで着色することは、符号語のシンドロームを計算する前に符号語を着色するのと同じ出力を得ることができるが、計算量は少ない。脱色されたシンドロームは、シンドローム検査器44(S44)で、チェックされる、すなわち、シンドロームの値がチェックされる。あるモードについてすべてのシンドロームが消失している場合には、さらなるモードをチェックすることなく、このモードが直接選択される。脱色されたシンドロームが値を有する場合、誤りが発生したことになり(S46)、したがって、誤り位置多項式算出器46(S48)において、誤り位置多項式(ELP)が計算される。ELPが存在しない場合(S50)、すなわちELPが算出できない場合には、その復号化モードを候補リストから除外し(S52)、未検証のモードがある場合には(S58)、ステップS40に戻る。例えば、着色シーケンスsig2を適用した脱色シーケンスのELPが存在しない場合には、復号化モード2を候補リストから除外する。ELPが存在する場合(S50)、リスク値算出器48でリスク値を算出する(S54)。算出されたリスク値が所定の閾値よりも大きい場合(S56)、そのモードを候補リストから除外する(S52)。リスク値が所定のしきい値よりも小さい場合(S56)、候補リストにまだテストされていないモードがあるかどうかがチェックされる(S58)。候補リストにまだテストされていないモードがあるときは(S58)、処理はステップS40に戻る。候補リストの全てのモードがテストされた場合(S58)、誤り位置算出器50(S60)によって誤り位置が算出される。算出された誤り位置に基づいて、誤りが修正できない場合(S62)、その復号化モードは候補リストから除外される(S52)。誤りが訂正可能な場合(S62)、誤りシンボル算出器52により誤りシンボルを算出し(S64)、復号化モードインジケータを生成する(S66)。
【0091】
そして、図17に描かれているように、誤り訂正器62によって誤りが訂正される(S68)。誤り訂正が成功しない場合には、訂正できない誤りを有する符号語を含むフレームを不良フレームとして登録する(S70)。誤り訂正が成功した場合には、着色器22により、復号化モードインジケータに基づいて符号語が着色される(S72)。そして、着色された(脱色された)符号語は、冗長デコーダ24によって復号化モードインジケータに基づいて復号化され(S74)、データ結合器64によってデータ語が連結される(S76)。連結されたデータのハッシュ値を算出し、含まれるハッシュ値と比較してハッシュ値の評価を行う(S78)。ハッシュ値が一致する場合(S80)、復号化されたデータが出力される。ハッシュ値が一致しない場合(S80)、復号化されたフレームを不良フレームとして登録する(S70)。
【0092】
図21は、図20に示したチャンネルデコーダに配置されたチャンネルデコーダの復号化モード検出器の変形例を示すブロック図である。図21は、図20のモード検出器26が行う動作を示した概略ブロック図を示す。すなわち、図20のモード検出器26は、ステージ1(第1の復号化モード動作)を行う第1の復号化モード検出器と、ステージ2(第2の復号化モード動作)を行う第2の復号化モード検出器と、モードセレクタと、誤り訂正器とから構成されている。
【0093】
【0094】
【0095】
すなわち、図22に示すように、両方の条件が満たされた場合、第1の復号化モード検出器は、ある復号化モードがモード1であることを通知する(図21に "is_mode_1 "として表示されている)。この場合、それ以降の手順、すなわち、ステージ2と誤り訂正はスキップされる。
【0096】
【0097】
【0098】
図23に示すように、モード2で行った動作をモード3、モード4でも同様に行う。そして、誤りシンボル算出器1から、誤り位置を示すデータerr_posi,2と、誤りシンボルerr_symbi,2を示すデータがスイッチに送られる。また、誤りシンボル算出器2からは、err_posi,3とerr_symbi,3がスイッチに送られ、誤りシンボル算出器2からは、err_posi,4とerr_symbi,4がスイッチに送られる。モードセレクタは、以下の手順に従って特定のデコードモードを選択する。
【0099】
1. is_mode_1 "と表示されていればモード1、失敗していれば "is_mode_n"、n = 2, 3, 4をチェックする。終了。

2. nに対してsyndrome_check=trueの場合は、mfec=n+1(誤りなし)が選択される。

3. すべてのモードがブラックリストに載っている場合、モードは選択されない、つまり、is_mode_n <0、となる。

4. 候補リストに残っている(ブラックリストに載っていない)モードから、risk_val_(mfec-1)が最小となるmfecを選択する。
【0100】
その後、スイッチはmfecに応じて入力を切り替える(モードが選択されていない場合は出力は関係ない)。誤り訂正器では、is_mode_1、すなわちmfec=1の場合、誤りが発生しないため、output=inputとなる。それ以外の場合、誤り訂正器はerr_pos i,mfecで示されるシンボルをerr_symbi,mfecとXORして修正する。詳細な処理は以下の通りである。
【0101】
ステージ2では、候補となるモードのリストをいくつかのステップでさらに減らしていく。特定の復号化モードを選択する手順は、有効なモードが見つかった時点、または候補リストに有効なモードが残っていない時点で終了する。後者の場合、復号化は停止され、フレームは不良フレームとしてマークされる。
【0102】
ステージ2では、符号語C0~C3のみを考慮してモード検出を行う。本実施形態では、符号語の数を6個としているが、例えば、送信チャンネルの状況、送信環境、必要な保護強度、および/またはコーデックの性能などに応じて、この数は異なっていても構わない。
【0103】
【0104】
k=1,2,...,δi(m)-1に対してσi,m(k)=0となるmが存在する場合、モードmが選択される。これは、送信誤りが発生していない場合は常にそうであり、sigkの選択により、このようなmは必然的に一意となることに留意されたい。
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
fec>1の場合、ポストプロセッサ68において、ハッシュ値を再計算し、送信された符号語に含まれるハッシュ値と比較することにより、復号化されたデータが検証される。検証が成功した場合、復号化されたデータは、エンコーダでのデータ位置に従って出力される。そうでない場合は、チャンネルエンコーダ2に不良フレームが通知される。
【0112】
復号化モードが選択されると、図20に示すように、ある復号化モードを示す復号化モードインジケータが生成され、脱色器22、RSデコーダ24、ポストプロセッサ68に送られる。また、図20に示すように、脱色器22は、最初の6個の符号語とsigmfec(k)とをXORすることにより、モードmfecに従って脱色する。RSデコーダ24は、符号語のデータ部分のみを抽出し、すなわち、着色された符号語に対しては、先に誤り訂正を行う。また、冗長量を特定するためには、ある復号化モードを知る必要があるため、復号化モードインジケータをRSデコーダ24に送る。"Error Correction Coding:Mathematical Methods and Algorithms", Todd K. Moon, 2005に開示されているような方法で、ある復号化モードに応じて復号化する復号化処理を行う。データ結合器64は、入力を連結して出力を得、ポストプロセッサ68は、mfec>1であればデータを検証し、ハッシュデータを除去する。
【0113】
本願発明の実施形態によれば、チャンネルエンコーダは、フレームの符号語に着色シーケンスを適用することにより、符号化モードを示す。したがって、ある符号化モードと必要なパラメータを示すために、データを別途送信する必要がなく、したがって、データ伝送レートが向上する。また、符号化モードに応じて選択された着色シーケンスを適用することで、符号化モードの情報/指示を符号語に含めることができるため、誤り耐性のあるモードシグナリングが可能となる。さらに、着色シーケンスを適用することで、符号化モードの情報/指示が符号語に分散されるため、符号化モードの情報/指示を、誤りに強い方法でチャンネルデコーダにて受信することができるようになる。また、チャンネルデコーダは、復号化モードに関する具体的な情報や、復号化モードを決定するためのパラメータを別途受け取ることなく、復号化モードを決定することができる。したがって、チャンネルのデータ伝送率が効果的に改善される。
【0114】
本願発明の実施形態によれば、チャンネルデコーダは、復号化モードを検出するために、誤りが発生したか否かを調べるテスト復号化を行う。そのため、伝送誤りが発生していない場合には、簡単な計算で信頼性の高い復号化モードを決定することができる。
【0115】
本願発明の実施形態によれば、伝送誤りが発生した場合、チャンネルデコーダは、テストとして所定数の符号語に対して誤り訂正を行い、誤りのリスク値(信頼性尺度)を算出する。したがって、チャンネルエンコーダから特定の情報やパラメータを受け取らなくても、所定数の符号語をテストし、信頼性尺度を考慮することで、適切な復号化モードを決定することが可能となる。
【0116】
本願発明の実施形態によれば、復号化モード指示器は、所定数の符号語をテストすることにより復号化モードを検出し、復号化モード候補リストの中から復号化モードの候補を推測する復号化モード検出器を備える。発生した誤りに基づいて候補リストの候補を除外またはブラックリスト化し、信頼性尺度(リスク値)を考慮して候補リストに残った復号化モード候補の中から特定の復号化モードを最終的に選択する。そして、復号化モードインジケータには、選択された復号化モードのリスク値が含まれており、誤りのリスクが所定の閾値よりも大きい場合には、そのフレームは不良フレームとして登録される。これにより、所定数の符号語のみをテストすることで、信頼性の高い適切な復号化モードを選択することが可能となる。
【0117】
続いて、さらなる実施形態について説明する。
【0118】
アプリケーション層の前方誤り訂正
【0119】
1. チャンネルエンコーダ
【0120】
1.1 機能と定義
【0121】
1.2 一般的なチャンネルエンコーダのパラメータ
【0122】
1.2.1 FECモード

FECモードmは、1から4までの数字で、m=1は基本的な誤り保護のみを提供し、m=2,3,4は誤り訂正能力を高める。チャンネルエンコーダでは、FECモードをmfecと表記し、チャンネルデコーダではnfecと表記する。
【0123】
1.2.2 スロットサイズ
スロットサイズNsは、チャンネルエンコードされたフレームのサイズをオクテット単位で指定する。Nsは40~300の整数値をとり、フレームレート100Hzで32~240kbpsの公称ビットレートをカバーする。
【0124】
1.2.3 CMR
符号化モード要求CMRは、0~3の数字で表される2ビットのシンボルである。
【0125】
1.2.4 ジョイントチャンネル符号化フラグ
ジョイントチャンネル符号化フラグjcc_flagは、0または1の値をとり、入力データに複数のオーディオチャンネルのデータが含まれていることを示す。
【0126】
1.3 導出されたチャンネルエンコーダパラメータ
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
1.4 チャンネルエンコーダのアルゴリズムの説明
【0135】
1.4.1 入力/出力
チャンネルエンコーダは、スロットサイズNs、FECモードmfec、符号化モード要求CMR、オクテットのデータシーケンス、例えばadat(0..Np-1)、ジョイントチャンネル符号化フラグjcc_flagを入力とし、オクテットのシーケンスacc(0..Ns-1)を返す。オクテットは、指定されたエンディアンに従って、0から255までの数字として解釈される。
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
さらに、rn2(0..8NCRC2-1)は、bn2で計算された長さ8NCRC2の2番目のハッシュシーケンスとする。NCRC2=0の場合、rn2は空のシーケンスとなることに留意されたい。
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
CRCハッシュはデータブロック上で効率的に計算できるため、本項で説明するビット展開を実際に行う必要はないことに留意されたい。
【0144】
【0145】
【0146】
写像は一対一であり、逆写像はと表記し、となるようにする。
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
なお、符号語の着色では、C0のビット位置30および32でのCMRビットは変更されないことに留意されたい。
【0152】
1.4.5 符号語のマルチプレックス

シーケンスCCiは、次のようにセミオクテットをインターリーブすることで、まずオクテットのシーケンスにマルチプレックスされる。

il(Ncwk+i):=CCi(k)

ここで、iは0からNcw-1まで、kは0からLi-1までの範囲である。そして、連続するセミオクテットを以下のようにペアリングする。

cc(k):=ail(2k)+16ail(2k+1)

ここで、kは0からNs-1までの範囲である。
【0153】
1.5 チャンネルデコーダのアルゴリズムの説明
【0154】
1.5.1 入力/出力

チャンネルデコーダは、スロットサイズNs、オクテットシーケンスzcc(0..Ns-1)、ジョイントチャンネル符号化フラグjcc_flagを入力とし、ペイロードサイズNp、デコードされたオクテットシーケンスzdat(0..Np-1)、0,1,2の値をとる不良フレームインジケータbfi、0から11の値をとるCMR推定値XNI、-1から480の値をとる数error_report(bfi=0の場合の訂正ビット数を示す)、および部分的な隠蔽のためのビット位置インジケータfbcwbpを返す。
【0155】
Npとzdat(0..Np-1)の値はbfi≠1の場合にのみ指定され、ビット位置インジケータfbcwbpの値はbfi=2の場合にのみ指定される。
【0156】
【0157】
1.5.3 モード検出
モード検出は、符号語XXi(iの範囲は0~5)を分析して、FECモードmfecを復元することを目的としている。検出されたモードはnfecと呼ばれ、0~4の値をとる。ただし、0はモードが検出されなかったことを示す。いったんモードが検出されると、ペイロードサイズ、部分的な隠蔽符号語の数など、派生するすべてのコーデックパラメータは、このモードに応じて定義される。モードは、最初はFECモード1~4を含む候補リストから選択され、段階的に絞られていく。
【0158】
【0159】
【0160】
これらの条件が満たされた場合、error_reportとbfiは0に設定され、チャンネルデコーダは1.5.7項で生成されたデータzdat(0..Np-1)を出力する。そうでなければ、モード検出はステージ2に入り、モード1は候補リストから削除される。
【0161】
【0162】
【0163】
0から5までの少なくとも1つのiに対してΛi,m(y)=[0]となるモードmはすべて、さらなる検討から除外される。
【0164】
【0165】
【0166】
リスク値がrisk_thresh以下の残りのモードをmj,但しj=1..nとして列挙し、すべてのj=1..n-1についてrsk(mj)<rsk(mj+1)またはrsk(mj)=rsk(mj+1)かつmj<mj+1が成立するようにする。
【0167】
【0168】
モードが検出されなかった場合、すなわちnfec=0、error_reportが-1に設定された場合)、bfi=1でチャンネルデコーダが終了する前に、CMR検出は1.5.4項に従い、M=[1,2,3,4]で行われる。
【0169】
1.5.4 フレームが復号化できない場合のCMR推定
フレームが復号化できない場合、最初の符号語XX0と、それに対応する誤り位置多項式Λ0,mを、すべてのモードm∈M、但しMは所定の候補モードのセット、について分析することで、CMRを推定する。
【0170】
まず、以下のいずれかに該当する全てのモードをMから取り除く。
誤り位置多項式Λ0,mが有効でない、または
表2で指定されたリスク値指数?0,mが-8よりも大きい
【0171】
残りのモードのセットをM1とする。
【0172】
1が空の場合、CMR推定値XNIは次のように設定される。

XNI=bit2(XX0(7))+2bit0(XX0(8))+8

ここで、合計値の8は、この値が検証されていないことを示す。
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
インデックスi≧Ncw-Npccwに対して、シーケンスT(Ncw-Npccw。。Ncw-1)が以下のように定義される。インデックスi≧Ncw-Npccwで誤り訂正が失敗した場合、または表で指定されたリスク値指数?i,mが-16より大きい場合、値T(i)は0に設定され、符号語XXiのデータがさらなる検証なしでは信頼できないことを示す。誤り訂正が失敗した場合、訂正された符号語XXi cは、それにもかかわらずXXiと定義されるが、最初の不良フレームインジケータbfi0は2に設定される。
【0179】
【0180】
【0181】
s>40で全ての符号語の訂正が成功した場合、最初の不良フレームインジケータbfi0は0に設定される。
【0182】
1.5.5.1.1 誤り位置多項式の計算

誤り位置多項式は、GF(16)のシンボル列σk,k=1..2t(tは1~3の数字)から計算される。
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
1.5.5.2 誤り位置の計算

誤り位置は、誤り位置多項式から計算される。

Λ(y):=[1]+λ1y+…+λtd
【0187】
【0188】
値nkは、n=0..Li-1に対してΛ(α-n)=0を検定することで決定できる。また、λiでインデックスされた誤り位置を表にすることも可能であり、その方がかなり速いかもしれない。
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
n1extとyn2に対して行われる2つの巡回冗長検査(CRC)は、1.4.2項で規定されたハッシュ列を再計算することによって行われる。
【0196】
1.4.2項で指定されたyn1extの計算された8NCRC1-2ビット冗長シーケンスがin1と一致しない場合、不良フレームインジケータbfiは1に設定され、CMRはM={nfec}で1.5.4項に従って推定される。それ以外の場合、CRCの推定値は次のように設定される。

XNI=yn1ext(0)+2yn1ext(1)
【0197】
第1回目のCMRが合格し、bfi0≠2の場合、第2回目のCRCは、1.4.2項で指定されたようにyn2の8NCRC2ハッシュシーケンスを計算して実行される。その結果がシーケンスin2と一致しない場合、不良フレームインジケータbfiは2に設定され、部分的な隠蔽データの損失を示す。1回目のCRCがパスしてbfi0=2の場合は、2回目のCRCを行わずにbfiを2に設定する。
【0198】
両方のCRCが合格した場合、不良フレームインジケータbfiは0に設定され、デコードされたデータが有効であることを示す。
【0199】
bfi=2の場合、部分隠蔽ブロック内の最初の潜在的に破損しているビットの位置fbcwbpは、1.5.5項のシーケンスT(Ncw-Npccw..Ncw-1)から以下のようにして決定される。
【0200】
【0201】
いくつかの態様を装置の文脈で説明してきたが、これらの態様は、ブロックまたは装置が方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応する、対応する方法の説明をも表していることは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたはアイテムまたは特徴の説明も表している。方法ステップの一部またはすべては、例えば、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、または電子回路のようなハードウェア装置によって(またはそれを用いて)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップの1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0202】
本発明のデータストリームは、デジタル記憶媒体に保存することができ、また、無線伝送媒体やインターネットなどの有線伝送媒体などの伝送媒体で伝送することができる。
【0203】
特定の実装要件に応じて、本願発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。実装は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク(登録商標)、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、またはFLASHメモリであって、その上に格納された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、それぞれの方法が実行されるようなプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)ものを用いて行うことができる。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータで読み取り可能であってもよい。
【0204】
本発明によるいくつかの実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアであって、本明細書に記載されている方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができるデータキャリアを含んでいる。
【0205】
一般に、本願発明の実施形態は、プログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品として実施することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、方法の1つを実行するために動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械読み取り可能なキャリアに格納することができる。
【0206】
他の実施形態は、他の実施形態は、機械読み取り可能なキャリアに格納された、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
【0207】
言い換えれば、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0208】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上に記録したデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ読み取り可能な媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、または記録媒体は、典型的には有形および/または非遷移的である。
【0209】
本発明方法のさらなる実施形態は、したがって、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えば、インターネットなどのデータ通信接続を介して転送されるように構成されていてもよい。
【0210】
さらなる実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するように構成された、または適合された、例えばコンピュータ、またはプログラム可能な論理装置などの処理手段を備える。
【0211】
さらなる実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしたコンピュータを備える。
【0212】
本発明による更なる実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをレシーバに転送(例えば、電子的または光学的に)するように構成された装置またはシステムを備える。レシーバは、例えば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイスなどであってもよい。本装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムをレシーバに転送するためのファイルサーバを含んでいてもよい。
【0213】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法の一部またはすべての機能を実行するために、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用してもよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載された方法の1つを実行するために、マイクロプロセッサと協働してもよい。一般に、本方法は、好ましくは、任意のハードウェア装置によって実行される。
【0214】
本明細書に記載されている装置は、ハードウェア装置を使用しても、コンピュータを使用しても、あるいはハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを使用しても実装することができる。
【0215】
本明細書に記載されている装置、または本明細書に記載されている装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで実装されていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】