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特表2022-521510ホスホノアセテートギャップマー型オリゴヌクレオチド
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  • 特表-ホスホノアセテートギャップマー型オリゴヌクレオチド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-08
(54)【発明の名称】ホスホノアセテートギャップマー型オリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20220401BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20220401BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220401BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20220401BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K48/00
A61P9/00
A61K31/712
A61K31/7125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021548662
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2020054409
(87)【国際公開番号】W WO2020169695
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】19158296.4
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515129320
【氏名又は名称】ロシュ イノベーション センター コペンハーゲン エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ブライヒャー コンラッド
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン ジェシカ マリーヌ オーロール
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZA36
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
(57)【要約】
本発明は、式(I):
の少なくとも1つのジヌクレオシドを含む、一本鎖アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドであって、式中、(A)、(A)、およびAは、本明細書および特許請求の範囲に記載した通りである、一本鎖アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドに関する。本発明に記載のオリゴヌクレオチドは、医薬として使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
の少なくとも1つのジヌクレオシドを含む、一本鎖アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドまたはその薬学的に許容され得る塩であって、
式中、(A)および(A)の一方は糖修飾ヌクレオシドであり、他方は糖修飾ヌクレオシドまたはDNAヌクレオシドであり、Aは酸素または硫黄である、
一本鎖アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドまたはその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
(A)および(A)の一方が糖修飾ヌクレオシドであり、他方がDNAである、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
(A)および(A)が両方とも同時に糖修飾ヌクレオシドである、請求項1または2に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
前記糖修飾ヌクレオシドが、独立して、2’糖修飾ヌクレオシドである、請求項1~3のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記2’糖修飾ヌクレオシドが、2’-アルコキシ-RNA、特に2’-メトキシ-RNA、2’-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2’-メトキシエトキシ-RNA、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、または2’-フルオロ-ANAから独立して選択される、請求項4に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
前記2’糖修飾ヌクレオシドがLNAヌクレオシドである、請求項4に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
前記LNAヌクレオシドが、β-D-オキシLNA、6’-メチル-β-D-オキシLNA、およびENAから独立して選択され、特にβ-D-オキシLNAである、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
ホスホジエステルヌクレオシド間結合、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合および請求項1に記載のヌクレオシド間結合から選択されるさらなるヌクレオシド間結合を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
ホスホロチオエートヌクレオシド間結合および請求項1に記載のヌクレオシド間結合から選択されるさらなるヌクレオシド間結合を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
1~15個、特に1~5個、より詳細には1、2、3、4、または5個の、請求項1に記載の式(I)のジヌクレオシドを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
前記さらなるヌクレオシド間結合が、全て、式-P(=S)(OR)O-のホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、式中、Rが水素またはリン酸保護基である、請求項1~10のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
DNAヌクレオシド、RNAヌクレオシド、および糖修飾ヌクレオシドから選択されるさらなるヌクレオシドを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
1つまたは複数のヌクレオシドが、5-メチルシトシン核酸塩基を含むヌクレオシドなどの、核酸塩基修飾ヌクレオシドである、請求項1~12のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
請求項1に記載の式(I)の少なくとも1つのジヌクレオシドが、前記アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドのフランキング領域中にあるか、または前記アンチセンスギャップマー型オリゴヌセオチドのギャップ領域とフランキング領域との間に位置する、請求項1~13のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
前記ギャップマー型オリゴヌクレオチドが、LNAギャップマー、混合ウイングギャップマー、または2’-置換ギャップマー、特に2’-O-メトキシエチルギャップマーである、請求項1~14のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
前記アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドが、式5’-F-G-F’-3’の連続するヌクレオチド配列を含み、式中、Gが、RNaseHを動員することができる5~18ヌクレオシドの領域であり、前記領域Gは、5’および3’がそれぞれフランキング領域FおよびF’によって隣接されており、領域FおよびF’が、独立して、1~7つの2’-糖修飾ヌクレオチドを含むかまたはそれからなり、領域Gに隣接する領域Fのヌクレオシドが2’-糖修飾ヌクレオシドであり、領域Gに隣接する領域F’のヌクレオシドが2’-糖修飾ヌクレオシドである、請求項1~15のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
請求項1に記載の式(I)の前記少なくとも1つのジヌクレオシドが、領域FもしくはF’中に、または領域Gと領域Fとの間に、または領域Gと領域F’との間に位置する、請求項16に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方における前記2’-糖修飾ヌクレオシドが、2’-アルコキシ-RNA、特に2’-メトキシ-RNA、2’-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2’-メトキシエトキシ-RNA、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、2’-フルオロ-ANA、およびLNAヌクレオシドから独立して選択される、請求項16または17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方における全ての前記2’-糖修飾ヌクレオシドが、LNAヌクレオシドである、請求項16~18のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方が、少なくとも1つのLNAヌクレオシドおよび少なくとも1つのDNAヌクレオシドを含む、請求項16~19のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方が、少なくとも1つのLNAヌクレオシドおよび少なくとも1つの非LNA2’-糖修飾ヌクレオシド、例えば少なくとも1つの2’-メトキシエトキシ-RNAヌクレオシドを含む、請求項16~20のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
前記ギャップ領域Gが、5~16個、特に8~16個、より詳細には8、9、10、11、12、13、または14個の連続するDNAヌクレオシドを含む、請求項16~21のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
領域Fおよび領域F’が、独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8ヌクレオシド長である、請求項16~22のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
領域Fおよび領域F’が、それぞれ独立して、1、2、3、または4つのLNAヌクレオシドを含む、請求項16~23のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
前記LNAヌクレオシドが、β-D-オキシLNA、6’-メチル-β-D-オキシLNA、およびENAから独立して選択される、請求項16~24のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
前記LNAヌクレオシドがβ-D-オキシLNAである、請求項16~25のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
前記オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列(F-G-F’)が、10~30ヌクレオチド長、特に12~22、より詳細には14~20オリゴヌクレオチド長である、請求項16~26のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項28】
前記ギャップマー型オリゴヌクレオチドが、式5’-D’-F-G-F’-D’’-3’の連続するヌクレオチド配列を含み、式中、F、G、およびF’は、請求項17~28のいずれか一項に記載の通りであり、領域D’およびD’’は、それぞれ独立して、0~5つのヌクレオチド、特に2、3、または4つのヌクレオチド、特にDNAヌクレオチド、例えばホスホジエステル結合したDNAヌクレオシドからなる、請求項16~27のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
各フランキング領域FおよびF’が、独立して、1、2、3、4、5、6、または7つ、特に1つの、請求項1に記載のジヌクレオシドを含む、請求項16~28のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項30】
請求項1に記載のジヌクレオシドを合計で1つ含む、請求項16~29のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項31】
請求項1に記載のジヌクレオシドが、領域F’中、または領域Gと領域F’との間に位置する、請求項30に記載のアンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチド。
【請求項32】
前記オリゴヌクレオチドが、ヒトRNaseH1を動員することができる、請求項1~32のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項33】
特にナトリウム、カリウム塩、またはアンモニウム塩である、請求項1~32のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドの薬学的に許容され得る塩。
【請求項34】
請求項1~33のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドまたは薬学的に許容され得る塩と、
任意選択的にリンカー部分を介して、前記オリゴヌクレオチドまたは前記薬学的に許容され得る塩に共有結合した、少なくとも1つのコンジュゲート部分と
を含む、コンジュゲート。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド、薬学的に許容され得る塩、またはコンジュゲートと、治療的に不活性な担体とを含む、薬学的組成物。
【請求項36】
治療的に活性な物質としての使用のための、請求項1~35のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド、薬学的に許容され得る塩、またはコンジュゲート。
【請求項37】
本明細書に記述した通りの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、式(I):
(式中、(A)および(A)の一方は糖修飾ヌクレオシドであり、他方は糖修飾ヌクレオシドまたはDNAヌクレオシドであり、Aは酸素または硫黄である)
の少なくとも1つのジヌクレオシドを含む、一本鎖アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドまたはその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0002】
本発明はまた、特に、本発明に記載のアンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドの調製に有用な新規のホスホロアミダイトに関する。
【背景技術】
【0003】
治療剤としての合成オリゴヌクレオチドは、近年著しい進歩を遂げており、RNaseH活性化ギャップマー、スプライススイッチングオリゴヌクレオチド、マイクロRNA阻害剤、siRNA、またはアプタマーを含む多様な機構によって作用する臨床的に検証された分子の幅広いポートフォリオをもたらしている(S.T.Crooke編、Antisense drug technology:principles,strategies,and applications、第2版、Boca Raton、FL:CRC Press、2008(非特許文献1))。天然オリゴヌクレオチドは、生体系における核酸分解に対して本質的に不安定である。さらに、それらは非常に好ましくない薬物動態学的挙動を示す。これらの欠点を改善するために、近年、多種多様な化学修飾が研究されている。ほぼ間違いなく、最も成功した修飾の1つは、非架橋リン酸の酸素原子の1個が硫黄原子で置き換えられたホスホロチオエート結合の導入である(F.Eckstein、Antisense and Nucleic Acid Drug Development 2009、10、117~121(非特許文献2))。そのようなホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドは、タンパク質結合の増加、および核酸分解に対する明らかに高い安定性、したがってそれらの非修飾ホスホジエステルアナログよりも血漿、組織および細胞における十分に高い半減期を示す。これらの重要な特徴は、第一世代のオリゴヌクレオチド治療薬の開発を可能にし、ロックド核酸(LNA)などの後の世代の修飾によるそれらのさらなる改善に道を拓いた。
【0004】
驚くべきことに、本発明に記載の一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドは、耐性が高いことが見出された。これらは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のみを含む参照オリゴヌクレオチドとインビトロで少なくとも同程度に強力であり、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のみを含む参照オリゴヌクレオチドよりもインビボで強力であった。驚くべきことに、本発明に記載の一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドは、心臓細胞株(インビトロ)および心臓組織(インビボ)において特に強力であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】S.T.Crooke編、Antisense drug technology:principles,strategies,and applications、第2版、Boca Raton、FL:CRC Press、2008
【非特許文献2】F.Eckstein、Antisense and Nucleic Acid Drug Development 2009、10、117~121
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、ヒトHeLa細胞株におけるMALAT1 mRNAを標的とする本発明に記載のオリゴヌクレオチドの用量反応曲線を示す。
図2図2は、ヒトA549細胞株におけるMALAT1 mRNAを標的とする本発明に記載のオリゴヌクレオチドの用量反応曲線を示す。
図3図3は、ヒトHeLa細胞株におけるHIF1A mRNAを標的とする本発明に記載のオリゴヌクレオチドの用量反応曲線を示す。
図4図4は、ヒトA549細胞株におけるHIF1A mRNAを標的とする本発明に記載のオリゴヌクレオチドの用量反応曲線を示す。
図5図5は、マウス初代肝細胞におけるApoB mRNAを標的とする本発明に記載のオリゴヌクレオチドの用量反応曲線を示す。
図6図6は、本発明に記載のオリゴヌクレオチドで処置した動物の心臓におけるMalat1 mRNAレベルの量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書では、用語「アルキル」は、単独または組合せで、1~8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、特に1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、より詳細には1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。直鎖および分岐鎖C-Cアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、異性化ペンチル、異性化ヘキシル、異性化ヘプチルおよび異性化オクチル、特にメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチルである。アルキルの具体的な例は、メチル、エチル、およびプロピルである。
【0008】
用語「シクロアルキル」は、単独または組合せで、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル環、特に3~6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を意味する。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル、より詳細にはシクロプロピルおよびシクロブチルである。「シクロアルキル」の具体的な例は、シクロプロピルである。
【0009】
用語「アルコキシ」は、単独または組合せで、式アルキル-O-の基を意味し、ここで、用語「アルキル」は、前に付与した意味、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシを意味する。具体的な「アルコキシ」は、メトキシおよびエトキシである。メトキシエトキシは、「アルコキシアルコキシ」の具体的な例である。
【0010】
用語「オキシ」は、単独または組合せで、-O-基を意味する。
【0011】
用語「アルケニル」は、単独または組合せで、オレフィン結合と、8個まで、好ましくは6個まで、特に好ましくは4個までの炭素原子とを含む直鎖または分岐炭化水素残基を意味する。アルケニル基の例は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニルおよびイソブテニルである。
【0012】
用語「アルキニル」は、単独または組合せで、三重結合と、8個まで、特に2個の炭素原子とを含む直鎖または分岐炭化水素残基を意味する。
【0013】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、単独または組合せで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素、より詳細にはフッ素を意味する。用語「ハロ」は、別の基と組み合わせて、少なくとも1個のハロゲン、特に1~5個のハロゲンで置換された、特に1~4個のハロゲン、すなわち1、2、3または4個のハロゲンで置換された前記基の置換を表す。
【0014】
用語「ハロアルキル」は、単独または組合せで、少なくとも1個のハロゲンで置換された、特に1~5個のハロゲンで置換された、特に1~3個のハロゲンで置換されたアルキル基を表す。ハロアルキルの例には、モノフルオロ-、ジフルオロ-またはトリフルオロ-メチル、-エチルまたは-プロピル、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、フルオロメチルまたはトリフルオロメチルが含まれる。フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルは、具体的な「ハロアルキル」である。
【0015】
用語「ハロシクロアルキル」は、単独または組合せで、少なくとも1個のハロゲンで置換された、特に1~5個のハロゲンで置換された、特に1~3個のハロゲンで置換された、上に定義したシクロアルキル基を表す。「ハロシクロアルキル」の具体的な例は、ハロシクロプロピル、特にフルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピルおよびトリフルオロシクロプロピルである。
【0016】
用語「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」は、単独または組合せで、-OH基を意味する。
【0017】
用語「チオヒドロキシル」および「チオヒドロキシ」は、単独または組合せで、-SH基を意味する。
【0018】
用語「カルボニル」は、単独または組合せで、-C(O)-基を意味する。
【0019】
用語「カルボキシ」または「カルボキシル」は、単独または組合せで、-COOH基を意味する。
【0020】
用語「アミノ」は、単独または組合せで、第一級アミノ基(-NH)、第二級アミノ基(-NH-)、または第三級アミノ基(-N-)を意味する。
【0021】
用語「アルキルアミノ」は、単独または組合せで、1つまたは2つの上に定義したアルキル基で置換された、上に定義したアミノ基を意味する。
【0022】
用語「スルホニル」は、単独または組合せで、-SO基を意味する。
【0023】
用語「スルフィニル」は、単独または組合せで、-SO-基を意味する。
【0024】
用語「スルファニル」は、単独または組合せで、-S-基を意味する。
【0025】
用語「シアノ」は、単独または組合せで、-CN基を意味する。
【0026】
用語「アジド」は、単独または組合せで、-N基を意味する。
【0027】
用語「ニトロ」は、単独または組合せで、NO基を意味する。
【0028】
用語「ホルミル」は、単独または組合せで、-C(O)H基を意味する。
【0029】
用語「カルバモイル」は、単独または組合せで、-C(O)NH基を意味する。
【0030】
用語「カバミド」は、単独または組合せで、-NH-C(O)-NH基を意味する。
【0031】
用語「アリール」は、単独または組合せで、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルおよびホルミルから独立して選択される1~3つの置換基で任意に置換された6~10個の炭素環原子を含む、一価の芳香族炭素環式単環または二環式環系を表す。アリールの例には、フェニルおよびナフチル、特にフェニルが含まれる。
【0032】
用語「ヘテロアリール」は、単独または組合せで、N、OおよびSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルおよびホルミルから独立して選択される1~3つの置換基で任意に置換された炭素である、5~12個の環原子の一価の芳香族複素環式単環または二環式環系を表す。ヘテロアリールの例には、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリルまたはアクリジニルが含まれる。
【0033】
用語「ヘテロシクリル」は、単独または組合せで、N、OおよびSから選択される1、2、3または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルおよびホルミルから独立して選択される1~3つの置換基で任意に置換された炭素である、4~12個、特に4~9個の環原子の一価の飽和または部分不飽和の単環式または二環式環系を意味する。単環式飽和ヘテロシクリルの例は、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ-チエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、またはオキサゼパニルである。二環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、または3-チア-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ-オキサゾリル、テトラヒドロ-ピリジニルまたはジヒドロピラニルである。
【0034】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、生物学的にも別様にも望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持している塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、特に塩酸、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸で形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加することにより調製され得る。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基に由来する塩には、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が含まれるがこれらに限定されない。本発明のオリゴヌクレオチドは、双性イオンの形態で存在することもできる。本発明の特に好ましい薬学的に許容され得る塩は、ナトリウム、リチウム、カリウムおよびトリアルキルアンモニウム塩である。
【0035】
用語「保護基」は、単独または組合せで、化学反応が他の非保護の反応性部位で選択的に行われることができるように、多官能化合物の反応性部位を選択的にブロックする基を意味する。保護基を、除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基またはヒドロキシ保護基である。
【0036】
「リン酸保護基」は、リン酸基の保護基である。リン酸保護基の例は、2-シアノエチルおよびメチルである。リン酸保護基の具体的な例は、2-シアノエチルである。
【0037】
「ヒドロキシル保護基」は、ヒドロキシル基の保護基であり、チオール基を保護するためにも使用される。ヒドロキシル保護基の例は、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、β-メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、ジメトキシトリチル(またはビス-(4-メトキシフェニル)フェニルメチル)(DMT)、トリメトキシトリチル(またはトリス-(4-メトキシフェニル)フェニルメチル)(TMT)、メトキシメチルエーテル(MOM)、メトキシトリチル[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル(MMT)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)、トリチルまたはトリフェニルメチル(Tr)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリ-イソ-プロピルシリルオキシメチル(TOM)およびトリイソプロピルシリル(TIPS)エーテル)、メチルエーテルおよびエトキシエチルエーテル(EE)である。ヒドロキシル保護基の具体的な例は、DMTおよびTMT、特にDMTである。
【0038】
「チオヒドロキシル保護基」は、チオヒドロキシル基の保護基である。チオヒドロキシル保護基の例は、「ヒドロキシル保護基」のものである。
【0039】
本発明の出発物質または出発化合物の1つが、1つまたは複数の反応工程の反応条件下で安定でないか、または反応性である1つまたは複数の官能基を含む場合、適切な保護基(例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsによる「Protective Groups in Organic Chemistry」第3、1999、Wiley、New Yorkに記載されているもの)を、当技術分野で周知の方法を適用する重要な工程の前に導入することができる。このような保護基は、文献に記載の標準的な方法を使用して、合成の後の段階で除去することができる。保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)およびp-メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
【0040】
本明細書に記載の化合物は、数個の不斉中心を含み得、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体などのエナンチオマーの混合物、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体またはジアステレオ異性体ラセミ体の混合物として存在し得る。
【0041】
オリゴヌクレオチド
本明細書で使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、当業者に一般的に理解されているように、共有結合した2つ以上のヌクレオシドを含む分子として定義される。このような共有結合したヌクレオシドは、核酸分子またはオリゴマーとも称され得る。オリゴヌクレオチドは、通常、固相化学合成と、その後の精製によって研究室内で調製される。オリゴヌクレオチドの配列に言及する場合、共有結合したヌクレオチドまたはヌクレオシドの、核酸塩基部分の配列もしくは順序、またはその修飾に対して言及される。本発明のオリゴヌクレオチドは、人工であり、化学的に合成され、通常は精製または単離される。本発明のオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含んでよい。
【0042】
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本明細書で使用される用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸、特に標的核酸上の連続する配列にハイブリダイズすることによって、標的遺伝子の発現を調節することができるオリゴヌクレオチドとして定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは本質的に二本鎖ではなく、したがってsiRNAまたはshRNAではない。好ましくは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは一本鎖である。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって内部(intra)または相互(inter)の自己相補性の程度が50%未満である限り、ヘアピンまたは分子間二重鎖構造(同じオリゴヌクレオチドの2分子間の二重鎖)を形成できることが理解される。
【0043】
連続するヌクレオチド配列
用語「連続するヌクレオチド配列」は、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドの領域を指す。この用語は、本明細書中で用語「連続する核酸塩基配列」および用語「オリゴヌクレオチドモチーフ配列」と互換的に使用される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの全てのヌクレオチドは、連続するヌクレオチド配列を構成する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、連続するヌクレオチド配列、例えばF-G-F’ギャップマー領域を含み、任意に、さらなるヌクレオチド(複数可)、例えば、官能基を連続するヌクレオチド配列に結合するのに使用され得るヌクレオチドリンカー領域を含んでもよい。ヌクレオチドリンカー領域は、標的核酸に相補的であっても、相補的でなくてもよい。
【0044】
ヌクレオチド
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの構成要素であり、本発明の目的のためには、天然に存在するヌクレオチドおよび非天然のヌクレオチドの両方を含む。天然では、DNAヌクレオチドおよびRNAヌクレオチドなどのヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分、および1つまたは複数のリン酸基(ヌクレオシドには存在しない)を含む。ヌクレオシドおよびヌクレオチドはまた、「単位」または「モノマー」と互換的に称され得る。
【0045】
修飾ヌクレオシド
本明細書で使用される用語「修飾ヌクレオシド」または「ヌクレオシド修飾」は、等価のDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドと比較して、糖部分または(核酸)塩基部分の1つまたは複数の修飾の導入によって修飾されたヌクレオシドを指す。好ましい実施形態では、修飾ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。修飾ヌクレオシドという用語はまた、本明細書で用語「ヌクレオシドアナログ」または修飾された「単位」または修飾された「モノマー」と互換的に使用され得る。非修飾DNAまたはRNA糖部分を有するヌクレオシドは、本明細書でDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドと称される。DNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドの塩基領域に修飾を有するヌクレオシドは、Watson Crick塩基対形成が可能であれば、依然として一般にDNAまたはRNAと称される。
【0046】
修飾ヌクレオシド間結合
用語「修飾ヌクレオシド間結合」は、2つのヌクレオシドを互いに共有結合する、ホスホジエステル(PO)結合以外の結合として、当業者に一般的に理解されているように定義される。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシド間結合を含み得る。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合と比較して、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増大させる。天然に存在するオリゴヌクレオチドの場合、ヌクレオシド間結合は、隣接するヌクレオシド間でホスホジエステル結合を形成するリン酸基を含む。修飾ヌクレオシド間結合は、インビボ使用のためのオリゴヌクレオチドの安定化に特に有用であり、本発明のオリゴヌクレオチドのDNAまたはRNAヌクレオシドの領域、例えばギャップマー型オリゴヌクレオチドのギャップ領域内、ならびに領域FおよびF’などの修飾ヌクレオシドの領域中でヌクレアーゼ切断から保護する役割を果たし得る。
【0047】
ある実施形態では、オリゴヌクレオチドは、天然のホスホジエステルから修飾された1つまたは複数のヌクレオシド間結合、例えばヌクレアーゼ攻撃に対してより耐性となるような1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。ヌクレアーゼ耐性は、オリゴヌクレオチドを血清中でインキュベートすることにより、またはヌクレアーゼ耐性アッセイ(例えばヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD))を使用することにより判定することができ、これらは両方とも当技術分野で周知である。オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増強することができるヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合と称される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列の少なくとも50%のヌクレオシド間結合が修飾され、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列の例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、または例えば少なくとも90%のヌクレオシド間結合が、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合は全て、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドを非ヌクレオチド官能基、例えばコンジュゲートに結合するヌクレオシドは、ホスホジエステルであり得ることが認識されるであろう。
【0048】
本発明のオリゴヌクレオチドで使用するための好ましい修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートである。
【0049】
ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性、有益な薬物動態および製造の容易さのために特に有用である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列の少なくとも50%のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートであり、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列の例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、または例えば少なくとも90%のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートである。いくつかの実施形態では、ホスホロトリチオエートヌクレオシド間結合以外、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合の全てがホスホロチオエートである。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、ホスホロトリチオエート結合(複数可)に加えて、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合と少なくとも1つのホスホジエステル結合、例えば2、3または4つのホスホジエステル結合の両方を含む。ギャップマー型オリゴヌクレオチドでは、ホスホジエステル結合は、存在する場合、ギャップ領域G内の連続するDNAヌクレオシド間には当然配置されない。
【0050】
ホスホロチオエート結合などのヌクレアーゼ耐性結合は、標的核酸と二重鎖を形成するときにヌクレアーゼを動員することができるオリゴヌクレオチド領域、例えばギャップマーの領域Gにおいて特に有用である。しかしながら、ホスホロチオエート結合は、非ヌクレアーゼ動員領域および/または親和性増強領域、例えばギャップマーの領域FおよびF’においても有用であり得る。ギャップマー型オリゴヌクレオチドは、いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’、または領域FおよびF’の両方に1つまたは複数のホスホジエステル結合を含んでもよく、領域Gのヌクレオシド間結合は、完全にホスホロチオエートであってもよい。
【0051】
有利には、オリゴヌクレオチドの連続するヌクレオチド配列中の全ヌクレオシド間結合、またはオリゴヌクレオチドの全ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエート結合である。
【0052】
EP2742135に開示されているように、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、他のヌクレオシド間結合(ホスホジエステルおよびホスホロチオエート以外)、例えばアルキルホスホネート/メチルホスホネートヌクレオシド間を含んでもよいことが認識されており、これはEP2742135によれば、例えば、別のDNAホスホロチオエートギャップ領域内で耐性であり得る。
【0053】
立体的にランダムなホスホロチオエート結合
ホスホロチオエート結合は、非架橋酸素の1個が硫黄で置換されているヌクレオシド間リン酸結合である。非架橋酸素の1個を硫黄で置換することにより、キラル中心が導入され、したがって単一のホスホロチオエートオリゴヌクレオチド内で、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合はS(Sp)またはR(Rp)立体アイソフォームのいずれかになる。このようなヌクレオシド間結合は、「キラルヌクレオシド間結合」と称される。それと比較して、ホスホジエステルヌクレオシド間結合は、2個の非末端酸素原子を有しているため、非キラルである。
【0054】
立体中心のキラリティーの指定は、Cahn,R.S.;Ingold,C.K.;Prelog,V.(1966)「Specification of Molecular Chirality」Angewandte Chemie International Edition 5(4):385~415.doi:10.1002/anie.196603851.で最初に公開された標準的なCahn-Ingold-Prelog則(CIP順位則)によって決定される。
【0055】
標準的なオリゴヌクレオチド合成中、カップリングとそれに続く硫化の立体選択性は制御されない。このため、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の立体化学はランダムにSpまたはRpであり、したがって従来のオリゴヌクレオチド合成によって生成されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、実際には2もの異なるホスホロチオエートジアステレオ異性体として存在し得、ここで、Xは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数である。このようなオリゴヌクレオチドは、本明細書では立体的にランダムなホスホロチオエートオリゴヌクレオチドと称され、いずれの立体的に規定されたヌクレオシド間結合も含まない。したがって、立体的にランダムなホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、立体的に規定されていない合成に由来する個々のジアステレオ異性体の混合物である。これに関連して、混合物は最大2の異なるホスホロチオエートジアステレオ異性体として定義される。
【0056】
立体的に規定されたヌクレオシド間結合
立体的に規定されたヌクレオシド間結合は、その2つのジアステレオ異性形態であるRpまたはSpの一方に対してジアステレオ異性体過剰率を有するキラルなヌクレオシド間結合である。
【0057】
当技術分野で使用される立体選択的オリゴヌクレオチド合成法は、典型的には、各キラルなヌクレオシド間結合において少なくとも約90%または少なくとも約95%のジアステレオ選択性を提供することが認識されるものとし、したがってオリゴヌクレオチド分子の最大約10%、例えば約5%が別のジアステレオ異性形態を有し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、立体的に規定されたキラルな各ヌクレオシド間結合のジアステレオ異性体比は、少なくとも約90:10である。いくつかの実施形態では、キラルな各ヌクレオシド間結合のジアステレオ異性体比は、少なくとも約95:5である。
【0059】
立体的に規定されたホスホロチオエート結合は、立体的に規定されたヌクレオシド間結合の具体的な例である。
【0060】
立体的に規定されたホスホロチオエート結合
立体的に規定されたホスホロチオエート結合は、その2つのジアステレオ異性形態であるRpまたはSpの一方に対してジアステレオマー過剰率を有するホスホロチオエート結合である。
【0061】
ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のRp配置およびSp配置を以下に示す:
式中、3’R基は、隣接するヌクレオシド(5’ヌクレオシド)の3’位を表し、5’R基は、隣接するヌクレオシド(3’ヌクレオシド)の5’位を表す。
【0062】
本明細書では、Rpヌクレオシド間結合はsrPとして表され得、Spヌクレオシド間結合はssPとして表され得る。
【0063】
特定の実施形態では、立体的に規定された各ホスホロチオエート結合のジアステレオマー比は、少なくとも約90:10または少なくとも95:5である。
【0064】
いくつかの実施形態では、立体的に規定された各ホスホロチオエート結合のジアステレオマー比は、少なくとも約97:3である。いくつかの実施形態では、立体的に規定された各ホスホロチオエート結合のジアステレオマー比は、少なくとも約98:2である。いくつかの実施形態では、立体的に規定された各ホスホロチオエート結合のジアステレオマー比は、少なくとも約99:1である。
【0065】
いくつかの実施形態では、立体的に規定されたヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチド分子の集団中に存在するオリゴヌクレオチド分子の少なくとも97%、例えば少なくとも98%、例えば少なくとも99%、または(本質的に)全てが同じジアステレオマー形態(RpまたはSp)である。
【0066】
ジアステレオマーの純度は、アキラルな骨格(すなわち、ホスホジエステル)のみを有するモデル系で測定することができる。各モノマーのジアステレオマーの純度は、例えば、立体的に規定するヌクレオシド間結合を有するモノマーを以下のモデル系「5’t-po-t-po-t-po3’」にカップリングすることによって測定することができる。そして、この結果は、HPLCを使用して分離することができる、5’DMTr-t-srp-t-po-t-po-t-po3’または5’DMTr-t-ssp-t-po-t-po-t-po3’となる。ジアステレオマーの純度は、2つの可能なジアステレオ異性体からのUVシグナルを積分し、これらの比、例えば98:2、99:1または>99:1を与えることによって決定される。
【0067】
具体的な単一のジアステレオ異性体(単一の立体的に規定されたオリゴヌクレオチド分子)のジアステレオマーの純度は、各ヌクレオシド間位置での定義された立体中心に対するカップリング選択性、および導入されるべき立体的に規定されたヌクレオシド間結合の数の関数であることが理解されるであろう。例として、各位置でのカップリング選択性が97%である場合、15個の立体的に規定されたヌクレオシド間結合を有する立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの結果として生じる純度は、0.9715となり、すなわち、他のジアステレオ異性体の37%に対して、所望のジアステレオ異性体は63%である。定義されたジアステレオ異性体の純度は、合成後、例えば、イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーなどのHPLCによる精製によって改善することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの集団であって、該集団の少なくとも約40%、例えば少なくとも約50%が所望のジアステレオ異性体である、集団を指す。
【0069】
別様に記載すると、いくつかの実施形態では、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの集団であって、該集団の少なくとも約40%、例えば少なくとも約50%が所望の(特定の)立体的に規定されたヌクレオシド間結合モチーフ(立体的に規定されたモチーフとも称される)からなる、集団を指す。
【0070】
立体的にランダムなおよび立体的に規定されたヌクレオシド間キラル中心の両方を含む立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの場合、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの純度は、所望の立体的に規定されたヌクレオシド間結合モチーフ(複数可)を保有するオリゴヌクレオチドの集団での%に関して決定され、立体的にランダムな結合は計算上無視される。
【0071】
核酸塩基
核酸塩基という用語は、ヌクレオシドおよびヌクレオチドに存在する、プリン(例えば、アデニンおよびグアニン)およびピリミジン(例えば、ウラシル、チミンおよびシトシン)部分を含み、これらは核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成する。本発明の文脈において、核酸塩基という用語は、天然に存在する核酸塩基とは異なり得るが、核酸ハイブリダイゼーションの際に機能的である修飾核酸塩基も包含する。この文脈において、「核酸塩基」は、天然に存在する核酸塩基、例えばアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチンおよびヒポキサンチンと、非天然のバリアントとの両方を指す。このようなバリアントは、例えばHiraoら(2012)Accounts of Chemical Research、第45巻、第2055頁およびBergstrom(2009)Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 付録37 1.4.1に記載されている。
【0072】
いくつかの実施形態では、核酸塩基部分は、プリンまたはピリミジンを修飾プリンまたはピリミジン、例えば置換プリンまたは置換ピリミジン、例えばイソシトシン、シュードイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チアゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル、5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2’-チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリンおよび2-クロロ-6-アミノプリンから選択される核酸塩基に変えることにより修飾される。
【0073】
核酸塩基部分は、各々の対応する核酸塩基の文字コード、例えばA、T、G、CまたはUにより示すことができ、各文字は、等価の機能の修飾核酸塩基を任意に含むことができる。例えば、例示的なオリゴヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分は、A、T、G、C、および5-メチルシトシンから選択される。任意に、LNAギャップマーについて、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドが使用され得る。
【0074】
修飾オリゴヌクレオチド
修飾オリゴヌクレオチドという用語は、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドおよび/または修飾ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを表す。用語「キメラ」オリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを表すために文献で使用されている用語である。
【0075】
立体的に規定されたオリゴヌクレオチド
立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合の少なくとも1つが立体的に規定されたヌクレオシド間結合である、オリゴヌクレオチドである。
【0076】
立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合の少なくとも1つが立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、オリゴヌクレオチドである。
【0077】
相補性
用語「相補性」は、ヌクレオシド/ヌクレオチドのWatson-Crick塩基対形成の能力を表す。Watson-Crick塩基対は、グアニン(G)-シトシン(C)およびアデニン(A)-チミン(T)/ウラシル(U)である。オリゴヌクレオチドは修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを含んでもよく、例えば、5-メチルシトシンは多くの場合シトシンの代わりに使用され、したがって相補性という用語は、非修飾核酸塩基と修飾核酸塩基との間のWatson Crick塩基対形成を包含することが理解されよう(例えば、Hiraoら(2012)Accounts of Chemical Research、第45巻、第2055頁およびBergstrom(2009)Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 付録37 1.4.1を参照されたい)。
【0078】
本明細書で使用される用語「相補性%」は、所与の位置において、別個の核酸分子(例えば、標的核酸)の所与の位置における連続するヌクレオチド配列に相補的な(すなわち、Watson Crick塩基対を形成する)、核酸分子(例えば、オリゴヌクレオチド)中の連続するヌクレオチド配列におけるヌクレオチドの割合を指す。百分率は、(標的配列5’-3’とオリゴヌクレオチド配列3’-5’を整列させたとき)2つの配列間で対を形成する整列した塩基の数を計数し、その数をオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数で除し、100を乗じることにより計算される。このような比較において、整列(塩基対を形成)しない核酸塩基/ヌクレオチドは、ミスマッチと称される。好ましくは、挿入および欠失は、連続するヌクレオチド配列の相補性%の計算において許容されない。
【0079】
「完全に相補的な」という用語は、100%の相補性を指す。
【0080】
同一性
本明細書で使用される用語「同一性」は、所与の位置において、別個の核酸分子(例えば標的核酸)の所与の位置における連続するヌクレオチド配列と同一である(すなわち、相補的なヌクレオシドとWatson Crick塩基対を形成する核酸分子の能力において)、核酸分子(例えば、オリゴヌクレオチド)中の連続するヌクレオチド配列におけるパーセント表記でのヌクレオチドの数を指す。百分率は、2つの配列間で同一である整列した塩基の数を計数し、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数で除し、100を乗じることにより計算される。同一性パーセント=(マッチ×100)/整列した領域の長さ。好ましくは、挿入および欠失は、連続するヌクレオチド配列の相補性%の計算において許容されない。
【0081】
ハイブリダイゼーション
本明細書で使用される用語「ハイブリダイズしている」または「ハイブリダイズする」は、2つの核酸鎖(例えば、オリゴヌクレオチドおよび標的核酸)が対向する鎖上の塩基対との間で水素結合を形成することにより二重鎖を形成することとして理解されるべきである。2つの核酸鎖間の結合の親和性は、ハイブリダイゼーションの強度である。これは、多くの場合、オリゴヌクレオチドの半分が標的核酸と二重鎖を形成する温度として定義される融解温度(T)によって表される。生理学的条件では、Tは親和性に厳密には比例しない(MergnyおよびLacroix、2003、Oligonucleotides13:515~537)。標準状態でのギブスの自由エネルギーΔG°は、結合親和性をより正確に表しており、ΔG°=-RTln(K)によって反応の解離定数(K)と関連付けられており、ここで、Rは気体定数であり、Tは絶対温度である。したがって、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の反応の非常に低いΔG°は、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の強いハイブリダイゼーションを反映している。ΔG°は、水溶液濃度が1M、pHが7、温度が37℃で、ある反応に関連したエネルギーである。標的核酸に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、自発的反応であり、自発的反応の場合のΔG°は、ゼロ未満である。ΔG°は、例えば、Hansenら、1965、Chem.Comm.36~38およびHoldgateら、2005、Drug Discov Todayに記載されているような等温滴定熱量測定(ITC)の使用により、実験的に測定することができる。当業者は、ΔG°測定のために市販の装置が入手可能であることを知るであろう。ΔG°は、SantaLucia、1998、Proc Natl Acad Sci USA.95:1460~1465に記載されているように、Sugimotoら、1995、Biochemistry34:11211~11216およびMcTigueら、2004、Biochemistry43:5388~5405に記載されている適切に得られた熱力学パラメータを使用した最近接モデルを使用することにより、数値的に概算することもできる。その意図した核酸標的をハイブリダイゼーションによって調節する可能性を確保するために、本発明のオリゴヌクレオチドは、10~30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して-10kcal未満の概算ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションの程度または強度は、標準状態でのギブスの自由エネルギーΔG°により測定される。オリゴヌクレオチドは、8~30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して-10kcalの範囲未満、例えば-15kcal未満、例えば-20kcal未満、および例えば-25kcal未満の概算ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、-10~-60kcal、例えば-12~-40、例えば-15~-30kcal、または-16~-27kcal、例えば-18~-25kcalの概算ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズする。
【0082】
糖修飾
本発明のオリゴマーは、修飾された糖部分、すなわち、DNAおよびRNAに見られるリボース糖部分と比較した場合に糖部分の修飾を有する、1つまたは複数のヌクレオシドを含み得る。
【0083】
リボース糖部分の修飾を有する多数のヌクレオシドが、親和性および/またはヌクレアーゼ耐性などのオリゴヌクレオチドのある特定の特性を改善することを主な目的として作製されている。
【0084】
このような修飾には、例えば、ヘキソース環(HNA)もしくは二環式環との置換えによってリボース環構造が修飾されたものであって、通常リボース環上のC2とC4炭素との間にビラジカル架橋を有するもの(LNA)であるか、または通常C2とC3炭素との間の結合を欠いている非結合リボース環(例えば、UNA)が含まれる。他の糖修飾ヌクレオシドには、例えばビシクロヘキソース核酸(WO2011/017521)または三環式核酸(WO2013/154798)が含まれる。修飾ヌクレオシドにはまた、例えば、ペプチド核酸(PNA)、またはモルホリノ核酸の場合には、糖部分が非糖部分で置き換えられたヌクレオシドも含まれる。
【0085】
糖修飾にはまた、リボース環上の置換基を水素以外の基、またはDNAヌクレオシドおよびRNAヌクレオシド内に天然に見られる2’-OH基に変化させることを介して行われる修飾も含まれる。置換基は、例えば、2’、3’、4’または5’位で導入され得る。
【0086】
2’糖修飾ヌクレオシド
2’糖修飾ヌクレオシドは、2’位にHもしくは-OH以外の置換基を有するヌクレオシド(2’置換ヌクレオシド)、または2’炭素とリボース環の第2の炭素との間に架橋を形成することができる2’結合ビラジカルを含むヌクレオシド、例えばLNA(2’-4’ビラジカル架橋)ヌクレオシドである。
【0087】
実際、2’置換ヌクレオシドの開発には多くの注目が集まっており、多くの2’置換ヌクレオシドが、オリゴヌクレオチドに取り込まれた際に有益な特性を有することが見出されている。例えば、2’修飾糖は、結合親和性の向上および/またはヌクレアーゼ耐性の増大をオリゴヌクレオチドにもたらすことができる。2’置換修飾ヌクレオシドの例は、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNAおよび2’-F-ANAヌクレオシドである。さらなる例については、例えば、Freier&Altmann;Nucl.Acid Res.、1997、25、4429~4443ならびにUhlmann;Curr.Opinion in Drug Development、2000、3(2)、293~213ならびにDeleaveyおよびDamha、Chemistry and Biology、2012、19、937に見出すことができる。以下に、いくつかの2’置換修飾ヌクレオシドを例示する。
【0088】
本発明の関連では、2’置換は、LNAのような2’架橋分子を含まない。
【0089】
ロックド核酸ヌクレオシド(LNAヌクレオシド)
「LNAヌクレオシド」は、ヌクレオシドのリボース糖環のC2’とC4’とを結合させるビラジカル(「2’-4’架橋」とも称される)を含む2’修飾ヌクレオシドであり、これはリボース環の立体配座を制限または固定する。これらのヌクレオシドは、文献にて架橋核酸または二環式核酸(BNA)とも称されている。リボースの立体配座の固定は、LNAが相補的RNAまたはDNA分子のオリゴヌクレオチドに取り込まれる場合、ハイブリダイゼーションの親和性の向上(二重鎖安定化)に関連している。これは通常、オリゴヌクレオチド/相補的二重鎖の融解温度を測定することにより決定され得る。
【0090】
非限定的で例示的なLNAヌクレオシドは、WO99/014226、WO00/66604、WO98/039352、WO2004/046160、WO00/047599、WO2007/134181、WO2010/077578、WO2010/036698、WO2007/090071、WO2009/006478、WO2011/156202、WO2008/154401、WO2009/067647、WO2008/150729、Moritaら、Bioorganic&Med.Chem.Lett.12、73~76、Sethら、J.Org.Chem.2010、第75巻(5)、第1569~81頁およびMitsuokaら、Nucleic Acids Research、2009、37(4)、1225~1238に開示されている。
【0091】
2’-4’架橋は、2~4個の架橋原子を含み、特に式-X-Y-(ここで、XはC4’に結合し、YはC2’に結合している)であり、
式中、
Xは、酸素、硫黄、-CR-、-C(R)=C(R)-、-C(=CR)-、-C(R)=N-、-Si(R-、-SO-、-NR-;-O-NR-、-NR-O-、-C(=J)-、Se、-O-NR-、-NR-CR-、-N(R)-O-または-O-CR-であり、
Yは、酸素、硫黄、-(CR-、-CR-O-CR-、-C(R)=C(R)-、-C(R)=N-、-Si(R-、-SO-、-NR-、-C(=J)-、Se、-O-NR-、-NR-CR-、-N(R)-O-または-O-CR-であり、
但し、-X-Y-は、-O-O-、Si(R-Si(R-、-SO-SO-、-C(R)=C(R)-C(R)=C(R)、-C(R)=N-C(R)=N-、-C(R)=N-C(R)=C(R)、-C(R)=C(R)-C(R)=N-または-Se-Se-ではなく、
Jは、酸素、硫黄、=CHまたは=N(R)であり、
およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、チオヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、アミノアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、カルバミド、アルカノイルオキシ、スルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、チオヒドロキシルスルフィドアルキルスルファニル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、-OC(=X)R、-OC(=X)NRおよび-NRC(=X)NRから独立して選択されるか、
または、2つのジェミナルなRおよびRは、一緒になって、任意に置換されたメチレンを形成するか、
または、2つのジェミナルなRおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、-X-Y-の炭素原子を1個だけ有するシクロアルキルまたはハロシクロアルキルを形成し、
ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、置換アルコキシおよび置換メチレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、ヘテロシリル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択される1~3つの置換基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルおよびメチレンであり、
は、酸素、硫黄または-NRであり、
、RおよびRは、水素およびアルキルから独立して選択され、
nは、1、2または3である。
【0092】
本発明のさらに詳しい実施形態では、Xは、酸素、硫黄、-NR-、-CR-、または-C(=CR)-、特に酸素、硫黄、-NH-、-CH-または-C(=CH)-、より詳細には酸素である。
【0093】
本発明の別の特定の実施形態では、Yは、-CR-、-CR-CR-または-CRb-CRb-CR-、特に-CH-CHCH-、-CHCH-CH-、-CH-CH-または-CH-CH-CH-である。
【0094】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は、-O-(CR-、-S-CR-、-N(R)CR-、-CR-CR-、-O-CR-O-CR-、-CR-O-CR-、-C(=CR)-CR-、-N(R)CR-、-O-N(R)-CR-または-N(R)-O-CR-である。
【0095】
本発明の特定の実施形態では、RおよびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキルからなる群から独立して選択される。
【0096】
本発明の別の実施形態では、RおよびRは、水素、フルオロ、ヒドロキシル、メチル、および-CH-O-CH、特に水素、フルオロ、メチルおよび-CH-O-CHからなる群から独立して選択される。
【0097】
有利には、-X-Y-のRおよびRの一方は上に定義した通りであり、他方は全て同時に水素である。
【0098】
本発明のさらに特定の実施形態では、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。
【0099】
本発明の別の特定の実施形態では、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。
【0100】
本発明の特定の実施形態では、RおよびRの一方または両方は、水素である。
【0101】
本発明の特定の実施形態では、RおよびRの一方のみが、水素である。
【0102】
本発明の1つの特定の実施形態では、RおよびRの一方はメチルであり、他方は水素である。
【0103】
本発明の特定の実施形態では、RおよびRは、両方とも同時にメチルである。
【0104】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は、-O-CH-、-S-CH-、-S-CH(CH)-、-NH-CH-、-O-CHCH-、-O-CH(CH-O-CH)-、-O-CH(CHCH)-、-O-CH(CH)-、-O-CH2-O-CH-、-O-CH-O-CH-、-CH-O-CH-、-C(=CH)CH-、-C(=CH)CH(CH)-、-N(OCH)CH-または-N(CH)CH-である。
【0105】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は、-O-CR-であり、式中、RおよびRは、水素、アルキルおよびアルコキシアルキル、特に水素、メチルおよび-CH-O-CHからなる群から独立して選択される。
【0106】
特定の実施形態では、-X-Y-は、-O-CH-または-O-CH(CH)-、特に-O-CH-である。
【0107】
2’-4’架橋は、それぞれ式(A)および式(B)に示すように、リボース環の平面の下(β-D-立体配置)または該環の平面の上(α-L-立体配置)のいずれかに位置し得る。
【0108】
本発明に記載のLNAヌクレオシドは、特に式(B1)または(B2):
(式中、
Wは、酸素、硫黄、-N(R)-または-CR-、特に酸素であり、
Bは、核酸塩基または修飾核酸塩基であり、
Zは、隣接するヌクレオシドまたは5’末端基へのヌクレオシド間結合であり、
Z*は、隣接するヌクレオシドまたは3’末端基へのヌクレオシド間結合であり、
、R、R、R、およびR5*は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アジド、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、およびアリールから独立して選択され、
X、Y、R、およびRは、上に定義した通りである)
である。
【0109】
特定の実施形態では、-X-Y-の定義において、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。別の特定の実施形態では、-X-Y-の定義において、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。さらなる特定の実施形態では、-X-Y-の定義において、RおよびRの一方または両方は、水素である。特定の実施形態では、-X-Y-の定義において、RおよびRの一方のみが、水素である。1つの特定の実施形態では、-X-Y-の定義において、RおよびRの一方はメチルであり、他方は水素である。特定の実施形態では、-X-Y-の定義において、RおよびRは、両方とも同時にメチルである。
【0110】
さらなる特定の実施形態では、Xの定義において、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。別の特定の実施形態では、Xの定義において、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。特定の実施形態では、Xの定義において、RおよびRの一方または両方は、水素である。特定の実施形態では、Xの定義において、RおよびRの一方のみが、水素である。1つの特定の実施形態では、Xの定義において、RおよびRの一方はメチルであり、他方は水素である。特定の実施形態では、Xの定義において、RおよびRは、両方とも同時にメチルである。
【0111】
さらなる特定の実施形態では、Yの定義において、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。別の特定の実施形態では、Yの定義において、Rは、水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。特定の実施形態では、Yの定義において、RおよびRの一方または両方は、水素である。特定の実施形態では、Yの定義において、RおよびRの一方のみが、水素である。1つの特定の実施形態では、Yの定義において、RおよびRの一方はメチルであり、他方は水素である。特定の実施形態では、Yの定義において、RおよびRは、両方とも同時にメチルである。
【0112】
本発明の特定の実施形態では、R、R、R、R、およびR5*は、水素およびアルキル、特に水素およびメチルから独立して選択される。
【0113】
本発明のさらなる特定の有利な実施形態では、R、R、R、R、およびR5*は、全て同時に水素である。
【0114】
本発明の別の特定の実施形態では、R、R、Rは全て同時に水素であり、RおよびR5*の一方は水素であり、他方は上に定義した通り、特にアルキル、より詳細にはメチルである。
【0115】
本発明の特定の実施形態では、RおよびR5*は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシアルキル、およびアジドから、特に水素、フルオロ、メチル、メトキシエチルおよびアジドから独立して選択される。特に、本発明の有利な実施形態では、RおよびR5*の一方は水素であり、他方はアルキル、特にメチル、ハロゲン、特にフルオロ、アルコキシアルキル、特にメトキシエチルまたはアジドであるか、またはRおよびR5*は両方とも同時に水素またはハロゲンであり、特に両方とも同時にフルオロの水素である。このような特定の実施形態では、Wは有利には酸素であり得、-X-Y-は有利には-O-CH-であり得る。
【0116】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CH-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このようなLNAヌクレオシドは、WO99/014226、WO00/66604、WO98/039352およびWO2004/046160に開示され、これらは全て参照により本明細書に組み込まれ、β-D-オキシLNAおよびα-L-オキシLNAヌクレオシドとして当技術分野で一般的に公知のものを含む。
【0117】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-S-CH-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このようなチオLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み込まれるWO99/014226およびWO2004/046160に開示されている。
【0118】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-NH-CH-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このようなアミノLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み込まれるWO99/014226およびWO2004/046160に開示されている。
【0119】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CHCH-または-OCHCHCH-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このようなLNAヌクレオシドは、WO00/047599およびMoritaら、Bioorganic&Med.Chem.Lett.12、73~76に開示され、これらは参照により本明細書に組み込まれ、2’-O-4’C-エチレン架橋核酸(ENA)として当技術分野で一般に公知なものを含む。
【0120】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CH-であり、Wは酸素であり、R、R、Rは全て同時に水素であり、RおよびR5*の一方は水素であり、他方はアルキル、例えばメチルなどで水素ではない。このような5’置換LNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み込まれるWO2007/134181に開示されている。
【0121】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CR-であり、ここで、RおよびRの一方または両方は水素ではなく、特にメチルなどのアルキルであり、Wは酸素であり、R、R、Rは全て同時に水素であり、RおよびR5*の一方は水素であり、他方は水素ではなく、特にアルキル、例えばメチルである。このようなビス修飾LNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み込まれるWO2010/077578に開示されている。
【0122】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CHR-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このような6’-置換LNAヌクレオシドは、WO2010/036698およびWO2007/090071に開示されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。このような6’-置換LNAヌクレオシドにおいて、Rは、特に、メチルなどのC-Cアルキルである。
【0123】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は、-O-CH(CH-O-CH)-(「2’O-メトキシエチル二環式核酸」、Sethら、J.Org.Chem.2010、第75巻(5)、第1569~81頁)である。
【0124】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CH(CHCH)-である。
【0125】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CH(CH-O-CH)-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このようなLNAヌクレオシドは、当技術分野では環状MOE(cMOE)としても公知であり、WO2007/090071に開示されている。
【0126】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CH(CH)-である(「2’O-エチル二環式核酸」、Sethら、J.Org.Chem.2010、第75巻(5)、第1569~81頁)。
【0127】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CH-O-CH-である(Sethら、J.Org.Chem、2010、前掲)。
【0128】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CH(CH)-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このような6’-メチルLNAヌクレオシドは、当技術分野ではcETヌクレオシドとしても公知であり、両方とも参照により本明細書に組み込まれるWO2007/090071(β-D)およびWO2010/036698(α-L)に開示されているように、(S)-cETまたは(R)-cETジアステレオ異性体のいずれかであり得る。
【0129】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CR-であり、ここで、RもRも水素ではなく、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。特定の実施形態では、RおよびRは両方とも同時にアルキル、特に両方とも同時にメチルである。このような6’-ジ-置換LNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み込まれるWO2009/006478に開示されている。
【0130】
本発明の別の特定の実施形態では、-X-Y-は-S-CHR-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このような6’-置換チオLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み込まれるWO2011/156202に開示されている。このような6’-置換チオLNAの特定の実施形態では、Rはアルキル、特にメチルである。
【0131】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は-C(=CH)C(R)-、-C(=CHF)C(R)-または-C(=CF)C(R)-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。RおよびRは、有利には、水素、ハロゲン、アルキルおよびアルコキシアルキル、特に水素、メチル、フルオロおよびメトキシメチルから独立して選択される。RおよびRは特に両方とも同時に水素またはメチルであるか、またはRおよびRの一方が水素であり、他方がメチルである。このようなビニルカルボLNAヌクレオシドは、WO2008/154401およびWO2009/067647に開示されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0132】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は-N(OR)-CH-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。特定の実施形態では、Rは、メチルなどのアルキルである。このようなLNAヌクレオシドはまた、N置換LNAとしても公知であり、参照により本明細書に組み込まれるWO2008/150729に開示されている。
【0133】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-N(R)-、-N(R)-O-、-NR-CR-CR-または-NR-CR-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。RおよびRは、有利には、水素、ハロゲン、アルキルおよびアルコキシアルキル、特に水素、メチル、フルオロおよびメトキシメチルから独立して選択される。特定の実施形態では、Rはアルキル、例えばメチルであり、Rは水素またはメチル、特に水素である(Sethら、J.Org.Chem、2010、前掲)。
【0134】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-N(CH)-である(Sethら、J.Org.Chem、2010、前掲)。
【0135】
本発明の特定の実施形態では、RおよびR5*は、両方とも同時に水素である。本発明の別の特定の実施形態では、RおよびR5*の一方は水素であり、他方はメチルなどのアルキルである。このような実施形態では、R、RおよびRは、特に水素であり得、-X-Y-は、特に-O-CH-または-O-CHC(R-、例えば-O-CH(CH)-であり得る。
【0136】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は-CR-O-CR-、例えば-CH-O-CH-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。このような特定の実施形態では、Rは、特にアルキル、例えばメチルであり、Rは水素またはメチル、特に水素であり得る。このようなLNAヌクレオシドはまた、立体配座制限ヌクレオチド(conformationally restricted nucleotides:CRN)としても公知であり、参照により本明細書に組み込まれるWO2013/036868に開示されている。
【0137】
本発明の特定の実施形態では、-X-Y-は-O-CR-O-CR-、例えば-O-CH-O-CH-であり、Wは酸素であり、R、R、R、RおよびR5*は、全て同時に水素である。RおよびRは、有利には、水素、ハロゲン、アルキルおよびアルコキシアルキル、特に水素、メチル、フルオロおよびメトキシメチルから独立して選択される。このような特定の実施形態では、Rは、特にアルキル、例えばメチルであり、Rは水素またはメチル、特に水素であり得る。このようなLNAヌクレオシドはまた、COCヌクレオチドとしても公知であり、参照により本明細書に組み込まれるMitsuokaら、Nucleic Acids Research 2009、37(4)、1225~1238に開示されている。
【0138】
特に指定しない限り、LNAヌクレオシドは、β-Dまたはα-L立体アイソフォームであり得ると認識される。
【0139】
本発明のLNAヌクレオシドの具体的な例をスキーム1に提示する(式中、Bは上に定義した通りである)。
【0140】
具体的なLNAヌクレオシドは、β-D-オキシ-LNA、6’-メチル-β-D-オキシLNA、例えば(S)-6’-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)cET)およびENAである。
【0141】
RNaseH活性および動員
アンチセンスオリゴヌクレオチドのRNaseH活性は、相補的RNA分子と二重鎖を形成する場合にRNaseHを動員する、その能力を指す。WO01/23613は、RNaseH活性を決定するためのインビトロ方法を提供し、RNaseHを動員する能力の決定に使用することができる。典型的には、オリゴヌクレオチドは、相補的標的核酸配列が提供されたときに、被験修飾オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するが、オリゴヌクレオチドの全モノマー間にホスホロチオエート結合を有するDNAモノマーのみを含むオリゴヌクレオチドを使用し、WO01/23613(参照により本明細書に組み込まれる)の実施例91~95により提供される方法論を使用して決定された初期速度(pmol/l/分で測定)の少なくとも5%、例えば少なくとも10%または20%超の初期速度を有する場合に、このオリゴヌクレオチドはRNaseHを動員することができるとみなされる。RHaseH活性の決定に使用するために、組換えヒトRNaseH1が、Lubio Science GmbH、Lucerne、Switzerlandから入手可能である。
【0142】
ギャップマー
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列は、ギャップマーであってもよい。アンチセンスギャップマーは、通常、RNaseH媒介性分解を介して標的核酸を阻害するために使用される。ギャップマー型オリゴヌクレオチドは、少なくとも3つの別個の構造領域、5’-フランク、ギャップおよび3’-フランク、F-G-F’を5’→3’方向で含む。「ギャップ」領域(G)は、オリゴヌクレオチドがRNaseHを動員することを可能にする、連続するDNAヌクレオチドのストレッチを含む。ギャップ領域は、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む5’フランキング領域(F)と、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む3’フランキング領域(F’)が隣接する。領域FおよびF’の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの親和性を向上させる(すなわち、親和性向上糖修飾ヌクレオシドである)。いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、例えばLNAおよび2’-MOEから独立して選択される、高親和性2’糖修飾などの2’糖修飾ヌクレオシドである。
【0143】
ギャップマー設計において、ギャップ領域の最も5’および3’のヌクレオシドはDNAヌクレオシドであり、それぞれ、5’(F)または3’(F’)領域の糖修飾ヌクレオシドに隣接して配置されている。フランクはさらに、ギャップ領域から最も遠い端、すなわち、5’フランクの5’末端および3’フランクの3’末端に少なくとも1つの糖修飾ヌクレオシドを有することによって定義されてもよい。
【0144】
領域F-G-F’は、連続するヌクレオチド配列を形成する。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列は、式F-G-F’のギャップマー領域を含み得る。
【0145】
ギャップマー設計F-G-F’の全長は、例えば12~32ヌクレオシド、例えば13~24、例えば14~22ヌクレオシド、例えば14~17、例えば16~18ヌクレオシドであり得る。
【0146】
例として、本発明のギャップマー型オリゴヌクレオチドは、以下の式により表すことができる:
1-8-G5-16-F’1-8、例えば
1-8-G7-16-F’2-8
但し、ギャップマー領域F-G-F’の全長は、少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
【0147】
領域F、G、およびF’は、さらに以下に定義され、F-G-F’式に組み込むことができる。
【0148】
ギャップマー-領域G
ギャップマーの領域G(ギャップ領域)は、オリゴヌクレオチドがRNaseH、例えばヒトRNaseH1を動員することを可能にするヌクレオシド、典型的にはDNAヌクレオシドの領域である。RNaseHは、DNAとRNAとの間の二重鎖を認識し、RNA分子を酵素的に切断する細胞性酵素である。適切なギャップマーは、少なくとも5または6連続するDNAヌクレオシド、例えば5~16連続するDNAヌクレオシド、例えば6~15連続するDNAヌクレオシド、例えば7~14連続するDNAヌクレオシド、例えば8~12連続するDNAヌクレオチド、例えば8~12連続DNAヌクレオチド長のギャップ領域(G)を有し得る。ギャップ領域Gは、いくつかの実施形態では、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16連続するDNAヌクレオシドからなっていてもよい。ギャップ領域のシトシン(C)DNAは、場合によってはメチル化されていてもよく、このような残基は、5-メチルシトシン(meCまたはcの代わりにe)として注記される。ギャップ内のシトシンDNAのメチル化は、cgジヌクレオチドがギャップ内に存在して潜在的な毒性を低減させる場合に有利であり、この修飾はオリゴヌクレオチドの有効性に有意な影響を与えない。
【0149】
いくつかの実施形態では、ギャップ領域Gは、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16連続するホスホロチオエート結合DNAヌクレオシドからなっていてもよい。いくつかの実施形態では、ギャップ内の全ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエート結合である。
【0150】
従来のギャップマーはDNAギャップ領域を有するが、ギャップ領域内で使用される場合にRNaseH動員を可能にする修飾ヌクレオシドの例が多数存在する。ギャップ領域内に含まれる場合にRNaseHの動員が可能であるとして報告されている修飾ヌクレオシドには、例えば、α-L-LNA、C4’アルキル化DNA(両方とも参照により本明細書に組み込まれる、PCT/EP2009/050349およびVesterら、Bioorg.Med.Chem.Lett.18(2008)2296~2300に記載されている通り)、ANAおよび2’F-ANAのようなアラビノース由来ヌクレオシド(Mangosら2003J.AM.CHEM.SOC.125、654~661)、UNA(アンロックド核酸)(参照により本明細書に組み込まれるFluiterら、Mol.Biosyst.、2009、10、1039に記載されている通り)が含まれる。UNAは、典型的には、リボースのC2とC3との間の結合が除去され、アンロックド「糖」残基を形成するアンロックド核酸である。このようなギャップマーに使用されている修飾ヌクレオシドは、ギャップ領域内に導入された場合に2’エンド(endo)(DNA様)構造を採用する(すなわち、RNaseH動員を可能にする修飾)ヌクレオシドであってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のDNAギャップ領域(G)は、任意に、ギャップ領域内に導入された際に2’エンド(DNA様)構造を採用する1~3つの糖修飾ヌクレオシドを含んでもよい。
【0151】
領域G-「ギャップブレーカー」
一方、いくつかのRNaseH活性を保持しながら、ギャップマーのギャップ領域に3’エンド立体配座を付与する修飾ヌクレオシドの挿入についての多くの報告が存在する。1つまたは複数の3’エンド修飾ヌクレオシドを含むギャップ領域を有するこのようなギャップマーは、「ギャップブレーカー」または「ギャップ破壊」ギャップマーと称され、例えば、WO2013/022984を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドは、RNaseH動員を可能にするために、ギャップ領域内にDNAヌクレオシドの十分な領域を保持する。RNaseHを動員するためのギャップブレーカーオリゴヌクレオチド設計の能力は、典型的には、配列特異的、または化合物特異的でさえある(Rukovら2015 Nucl.Acids Res.第43巻、第8476~8487頁を参照されたい)。当該文献は、いくつかの場合、標的RNAのより特異的な切断を提供するRNaseHを動員する「ギャップブレーカー」オリゴヌクレオチドを開示している。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内で使用される修飾ヌクレオシドは、例えば、3’エンドコンファメーションを付与する修飾ヌクレオシド、例えば2’-O-メチル(OMe)もしくは2’-O-MOE(MOE)ヌクレオシド、またはβ-D LNAヌクレオシド(ヌクレオシドのリボース糖環のC2’とC4’との間の架橋が、β立体配座である)、例えばβ-D-オキシLNAまたはScETヌクレオシドであり得る。
【0152】
上述した領域Gを含むギャップマーと同様に、ギャップブレーカーまたはギャップ破壊ギャップマーのギャップ領域は、ギャップの5’末端に(領域Fの3’ヌクレオシドに隣接して)DNAヌクレオシドを有し、ギャップの3’末端に(領域F’の5’ヌクレオシドに隣接して)DNAヌクレオシドを有する。破壊ギャップを含むギャップマーは、典型的には、ギャップ領域の5’末端または3’末端のいずれかに少なくとも3または4連続するDNAヌクレオシドの領域を保持する。
【0153】
ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドの例示的な設計は、
1-8-[D3-4-E-D3-4]-F’1-8
1-8-[D1-4-E-D3-4]-F’1-8
1-8-[D3-4-E-D1-4]-F’1-8
を含み、領域Gは角括弧[D-E-D]内であり、DはDNAヌクレオシドの連続する配列であり、Eは修飾ヌクレオシド(ギャップブレーカーまたはギャップ破壊ヌクレオシド)であり、FおよびF’は本明細書に定義したフランキング領域であるが、但し、ギャップマー領域F-G-F’の全長は、少なくとも12、例えば14ヌクレオチド長であることを条件とする。
【0154】
いくつかの実施形態では、ギャップ破壊ギャップマーの領域Gは、少なくとも6つのDNAヌクレオシド、例えば6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個のDNAヌクレオシドを含む。上記のように、DNAヌクレオシドは連続であってもよく、任意に、1つまたは複数の修飾ヌクレオシドが散在してもよいが、但し、ギャップ領域Gが、RNaseH動員を媒介できることを条件とする。
【0155】
ギャップマー-フランキング領域、FおよびF’
領域Fは、領域Gの5’DNAヌクレオシドにすぐ隣接して位置する。領域Fの最も3’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性糖修飾ヌクレオシド、例えば2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
【0156】
領域F’は、領域Gの3’DNAヌクレオシドにすぐ隣接して位置する。領域F’の最も5’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性糖修飾ヌクレオシド、例えば2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
【0157】
領域Fは、1~8つの連続するヌクレオチド長、例えば2~6つ、例えば3~4つの連続するヌクレオチド長である。有利には、領域Fの最も5’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの2つの最も5’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの最も5’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの2つの最も5’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの2つの最も5’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2つの3’MOEヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの最も5’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドである。
【0158】
領域F’は、2~8つの連続するヌクレオチド長、例えば3~6つ、例えば4~5つの連続するヌクレオチド長である。有利には、実施形態領域F’の最も3’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の2つの最も3’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の2つの最も3’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の最も3’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の2つの最も3’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2つの3’MOEヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の最も3’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドである。
【0159】
領域FまたはF’の長さが1である場合、それは、有利には、LNAヌクレオシドであることに留意するべきである。
【0160】
いくつかの実施形態では、領域FおよびF’は、独立して、糖修飾ヌクレオシドの連続する配列からなるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、領域Fの糖修飾ヌクレオシドは、独立して、2’-O-アルキル-RNA単位、2’-O-メチル-RNA、2’-アミノ-DNA単位、2’-フルオロ-DNA単位、2’-アルコキシ-RNA、MOE単位、LNA単位、アラビノ核酸(ANA)単位および2’-フルオロ-ANA単位から選択されてもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、領域FおよびF’は、独立して、LNAおよび2’置換修飾ヌクレオシドの両方を含む(混合ウイング設計)。
【0162】
いくつかの実施形態では、領域FおよびF’は、1種類のみの糖修飾ヌクレオシド、例えばMOEのみ、またはβ-D-オキシLNAのみ、またはScETのみからなる。このような設計は、均一フランクまたは均一ギャップマー設計とも称される。
【0163】
いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’、またはFおよびF’の全ヌクレオシドは、例えばβ-D-オキシLNA、ENAまたはScETヌクレオシドから独立して選択されるような、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fは、1~5つ、例えば2~4つ、例えば3~4つ、例えば1、2、3、4または5つの連続するLNAヌクレオシドからなる。いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の全ヌクレオシドは、β-D-オキシLNAヌクレオシドである。
【0164】
いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’、またはFおよびF’の全ヌクレシドは、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fは、1、2、3、4、5、6、7または8つの連続するOMeまたはMOEヌクレオシドからなる。いくつかの実施形態では、フランキング領域の一方のみが、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEヌクレオシドからなり得る。いくつかの実施形態では、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEヌクレオシドからなるのは5’(F)フランキング領域であり、一方、3’(F’)フランキング領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEヌクレオシドからなるのは3’(F’)フランキング領域であり、一方、5’(F)フランキング領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の全修飾ヌクレオシドは、例えばβ-D-オキシLNA、ENAまたはScETヌクレオシドから独立して選択されるようなLNAヌクレオシドであり、領域FもしくはF’、またはFおよびF’は、任意に、DNAヌクレオシドを含んでもよい(交互フランク、より詳細にはこれらの定義を参照されたい)。いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の全修飾ヌクレオシドはβ-D-オキシLNAヌクレオシドであり、一方、領域FもしくはF’、またはFおよびF’は、任意に、DNAヌクレオシドを含んでもよい(交互フランク、より詳細にはこれらの定義を参照されたい)。
【0166】
いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の最も5’および最も3’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはScETヌクレオシドである。
【0167】
いくつかの実施形態では、領域Fと領域Gとの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、領域F’と領域Gとの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、領域FまたはF’、FおよびF’のヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0168】
さらなるギャップマー設計は、WO2004/046160、WO2007/146511およびWO2008/113832に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
LNAギャップマー
LNAギャップマーは、領域FおよびF’のいずれか一方または両方が、LNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなるギャップマーである。β-D-オキシギャップマーは、領域FおよびF’のいずれか一方または両方が、β-D-オキシLNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなるギャップマーである。
【0170】
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、式:[LNA]1-5-[領域G]-[LNA]1-5のものであり、領域Gはギャップマー領域Gの定義に規定した通りである。
【0171】
MOEギャップマー
MOEギャップマーは、領域FおよびF’がMOEヌクレオシドからなるギャップマーである。いくつかの実施形態では、MOEギャップマーは、設計[MOE]1-8-[領域G]-[MOE]1-8、例えば[MOE]2-7-[領域G]5-16-[MOE]2-7、例えば[MOE]3-6-[領域G]-[MOE]3-6のものであり、領域Gはギャップマーの定義に規定した通りである。5-10-5設計(MOE-DNA-MOE)を有するMOEギャップマーは、当技術分野で広く使用されている。
【0172】
混合ウイングギャップマー
混合ウイングギャップマーは、領域FおよびF’の一方または両方が、2’置換ヌクレオシド、例えば2’-O-アルキル-RNA単位、2’-O-メチル-RNA、2’-アミノ-DNA単位、2’-フルオロ-DNA単位、2’-アルコキシ-RNA、MOE単位、アラビノ核酸(ANA)単位および2’-フルオロ-ANA単位から独立して選択される2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドを含むLNAギャップマーである。領域FおよびF’の少なくとも一方、または領域FおよびF’の両方が少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの実施形態では、領域FおよびF’の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群から独立して選択される。領域FおよびF’の少なくとも一方、または領域FおよびF’の両方が少なくとも2つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの実施形態では、領域FおよびF’の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群から独立して選択される。いくつかの混合ウイング実施形態では、領域FおよびF’の一方または両方が、1つまたは複数のDNAヌクレオシドをさらに含んでもよい。
【0173】
混合ウイングギャップマー設計は、WO2008/049085およびWO2012/109395に開示されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる)。
【0174】
交互フランクギャップマー
フランキング領域は、LNAおよびDNAヌクレオシドの両方を含み得、それらがLNA-DNA-LNAヌクレオシドの交互モチーフを含むので、「交互フランク」と称される。このような交互フランクを含むギャップマーは、「交互フランクギャップマー」と称される。したがって、「代替フランクギャップマー」は、フランク(FまたはF’)の少なくとも一方がLNAヌクレオシド(複数可)に加えてDNAを含む、LNAギャップマー型オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’の少なくとも一方、または領域FおよびF’の両方は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。このような実施形態では、フランキング領域FもしくはF’、またはFおよびF’の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、Fおよび/またはF’領域の最も5’および3’のヌクレオシドが、LNAヌクレオシドである。
【0175】
交互フランクLNAギャップマーは、WO2016/127002に開示されている。
【0176】
交互フランク領域は、1~2つ、または1つ、または2つ、または3つの連続するDNAヌクレオシドなどの最大3つの連続するDNAヌクレオシドを含み得る。
【0177】
交互フラック(flak)は、いくつかのLNAヌクレオシド(L)、それに続くいくつかのDNAヌクレオシド(D)の数を表す、例えば、
[L]1-3-[D]1-4-[L]1-3
[L]1-2-[D]1-2-[L]1-2-[D]1-2-[L]1-2の一連の整数として注記することができる。
【0178】
オリゴヌクレオチド設計では、これらは、2-2-1が5’[L]-[D]-[L]3’を表し、1-1-1-1-1が5’[L]-[D]-[L]-[D]-[L]3’を表すような数として表されることが多い。交互フランクを有するオリゴヌクレオチドにおけるフランクの長さ(領域FおよびF’)は、独立して、3~10ヌクレオシド、例えば4~8、例えば5~6ヌクレオシド、例えば4、5、6、または7個の修飾ヌクレオシドであり得る。いくつかの実施形態では、ギャップマー型オリゴヌクレオチド中のフランクの一方のみが交互であるが、他方はLNAヌクレオチドから構成される。さらなるエキソヌクレアーゼ耐性を付与するために、3’フランク(F’)の3’末端に少なくとも2つのLNAヌクレオシドを有することが有利であり得る。交互フランクを有するオリゴヌクレオチドのいくつかの例は:
[L]1-5-[D]1-4-[L]1-3-[G]5-16-[L]2-6
[L]1-2-[D]1-2-[L]1-2-[D]1-2-[L]1-2-[G]5-16-[L]1-2-[D]1-3-[L]2-4
[L]1-5-[G]5-16-[L]-[D]-[L]-[D]-[L]であり、
但し、ギャップマーの全長は、少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
【0179】
オリゴヌクレオチド内の領域D’またはD’’
本発明のオリゴヌクレオチドは、いくつかの実施形態では、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドの連続するヌクレオチド配列、例えばギャップマーF-G-F’、ならびにさらに5’および/または3’ヌクレオシドを含むか、またはそれからなり得る。さらなる5’および/または3’ヌクレオシドは、標的核酸に完全に相補的であっても、完全に相補的でなくてもよい。このようなさらなる5’および/または3’ヌクレオシドは、本明細書では領域D’およびD’’と称され得る。
【0180】
領域D’またはD’’の付加は、連続するヌクレオチド配列、例えばギャップマーをコンジュゲート部分または別の官能基に連結する目的のために使用され得る。連続するヌクレオチド配列をコンジュゲート部分と連結するために使用する場合、生体切断可能なリンカーとしての役割を果たし得る。あるいは、それはエキソヌクレアーゼ保護をもたらすために、または合成もしくは製造を容易にするために使用され得る。
【0181】
領域D’およびD’’は、それぞれ、領域Fの5’末端または領域F’の3’末端に結合して、以下の式D’-F-G-F’、F-G-F’-D’’またはD’-F-G-F’-D’’の設計を生成することができる。この場合、F-G-F’はオリゴヌクレオチドのギャップマー部分であり、領域D’またはD’’は、オリゴヌクレオチドの別個の部分を構成する。
【0182】
領域D’またはD’’は、独立して、1、2、3、4または5個の追加のヌクレオチドを含むか、またはそれからなり、標的核酸に相補的であっても、相補的でなくてもよい。FまたはF’領域に隣接するヌクレオチドは、糖修飾ヌクレオチドではなく、例えばDNAもしくはRNAまたはこれらの塩基修飾バージョンである。D’またはD’領域は、ヌクレアーゼ感受性の生体切断可能なリンカーとしての役割を果たし得る(リンカーの定義を参照されたい)。いくつかの実施形態では、追加の5’および/または3’末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で結合されており、DNAまたはRNAである。領域D’およびD’’としての使用に適切なヌクレオチドベースの生体切断可能なリンカーは、WO2014/076195に開示されており、これは例としてホスホジエステルで結合されたDNAジヌクレオチドを含む。ポリオリゴヌクレオチドコンストラクトにおける生体切断可能なリンカーの使用は、WO2015/113922に開示されており、それらは複数のアンチセンスコンストラクト(例えば、ギャップマー領域)を単一のオリゴヌクレオチド内で結合するのに使用されている。
【0183】
一実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、ギャップマーを構成する連続するヌクレオチド配列に加えて、領域D’および/またはD’’を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、以下の式により表すことができる:
F-G-F’、特にF1-8-G5-16-F’2-8
D’-F-G-F’、特にD’1-3-F1-8-G5-16-F’2-8
F-G-F’-D’’、特にF1-8-G5-16-F’2-8-D’’1-3
D’-F-G-F’-D’’、特にD’1-3-F1-8-G5-16-F’2-8-D’’1-3
【0185】
いくつかの実施形態では、領域D’と領域Fとの間に位置するヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合である。いくつかの実施形態では、領域F’と領域D’’との間に位置するヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合である。
【0186】
トータルマー(totalmer)
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列のヌクレオシドの全てが糖修飾ヌクレオシドである。このようなオリゴヌクレオチドは、本明細書ではトータルマーと称される。
【0187】
いくつかの実施形態では、トータルマーの糖修飾ヌクレオシドの全ては、同じ糖修飾を含み、例えば、それらは全てLNAヌクレオシドであってもよく、全て2’O-MOEヌクレオシドであってもよい。いくつかの実施形態では、トータルマーの糖修飾ヌクレオシドは、LNAヌクレオシドおよび2’置換ヌクレオシドであって、例えば、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、および2’-F-ANAヌクレオシドからなる群から選択される、2’置換ヌクレオシドから独立して選択されてもよい。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、LNAヌクレオシドおよび2’置換ヌクレオシドであって、例えば、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、および2’-F-ANAヌクレオシドからなる群から選択される、2’置換ヌクレオシドの両方を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、LNAヌクレオシドおよび2’-O-MOEヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、(S)cET LNAヌクレオシドおよび2’-O-MOEヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド単位は、2’置換ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド単位は、2’-O-MOEヌクレオシドである。
【0188】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列の全てのヌクレオシドは、LNAヌクレオシド、例えば、β-D-オキシ-LNAヌクレオシドおよび/または(S)cETヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、このようなLNAトータルマーオリゴヌクレオチドは、7~12ヌクレオシド長である(例えば、WO2009/043353を参照されたい)。このような短い完全LNAオリゴヌクレオチドは、マイクロRNAの阻害に特に有効である。
【0189】
さまざまなトータルマー化合物は、特にマイクロRNAを標的とするときの治療用オリゴマー(antimiR)として、またはスプライススイッチングオリゴマー(SSO)として非常に有効である。
【0190】
いくつかの実施形態では、トータルマーは、反復配列XYXまたはYXYなどの少なくとも1つのXYXまたはYXY配列モチーフを含むか、またはそれからなり、ここで、XはLNAであり、Yは2’-OMe RNA単位および2’-フルオロDNA単位などの代替(すなわち、非LNA)ヌクレオチドアナログである。上記の配列モチーフは、いくつかの実施形態では、例えば、XXY、XYX、YXYまたはYYXであり得る。
【0191】
いくつかの実施形態では、トータルマーは、7~24ヌクレオチド、例えば、7、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22もしくは23ヌクレオチドの連続するヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなってもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、トートルマーの連続するヌクレオチド配列は、少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば95%、例えば100%のLNA単位を含む。完全なLNA化合物の場合、12ヌクレオチド長未満、例えば7~10であることが有利である。
【0193】
残りの単位は、2’-O-アルキル-RNA単位、2’-OMe-RNA単位、2’-アミノ-DNA単位、2’-フルオロ-DNA単位、LNA単位、PNA単位、HNA単位、INA単位、および2’-MOE RNA単位からなる群、または2’-OMe RNA単位および2’-フルオロDNA単位群から選択されるものなど、本明細書で言及される非LNAヌクレオチドアナログから選択されてもよい。
【0194】
ミックスマー
用語「ミックスマー」は、DNAヌクレオシドと糖修飾ヌクレオシドとの両方を含むオリゴマーを指し、RNaseHを動員するには連続するDNAヌクレオシド長が不十分である。適切なミックスマーは、最大3つまたは最大4つの連続するDNAヌクレオシドを含み得る。いくつかの実施形態では、ミックスマーは、糖修飾ヌクレオシドとDNAヌクレオシドとの交互領域を含む。オリゴヌクレオチドに取り込まれたときにRNA様(3’エンド)立体配座を形成する糖修飾ヌクレオシドの領域と、DNAヌクレオシドの短い領域と交互に配置することにより、非RNaseH動員オリゴヌクレオチドを作製することができる。有利には、糖修飾ヌクレオシドは、親和性増強糖修飾ヌクレオシドである。
【0195】
オリゴヌクレオチドミックスマーは、スプライスモジュレーターまたはマイクロRNA阻害剤などの標的遺伝子の役割に基づく調節をもたらすために使用されることが多い。
【0196】
いくつかの実施形態では、ミックスマー中の糖修飾ヌクレオシド、またはその連続するヌクレオチド配列は、LNAヌクレオシド、例えば(S)cETもしくはβ-D-オキシLNAヌクレオシドを含むか、または全てそれらである。
【0197】
いくつかの実施形態では、ミックスマーの糖修飾ヌクレオシドの全ては、同じ糖修飾を含み、例えば、それらは、全てLNAヌクレオシドであっても、全て2’O-MOEヌクレオシドであってもよい。いくつかの実施形態では、ミックスマーの糖修飾ヌクレオシドは、LNAヌクレオシドおよび2’置換ヌクレオシドであって、例えば、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、および2’-F-ANAヌクレオシドからなる群から選択される、2’置換ヌクレオシドから独立して選択されてもよい。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、LNAヌクレオシドおよび2’置換ヌクレオシドであって、例えば、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、および2’-F-ANAヌクレオシドからなる群から選択される、2’置換ヌクレオシドの両方を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオイチドは、LNAヌクレオシドおよび2’-O-MOEヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、(S)cET LNAヌクレオシドおよび2’-O-MOEヌクレオシドを含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、ミックスマーまたはその連続するヌクレオチド配列は、LNAおよびDNAヌクレオシドのみを含み、このようなLNAミックスマーオリゴヌクレオチドは、例えば、8~24ヌクレオシド長であり得る(例えば、マイクロRNAのLNA antmiR阻害剤を開示するWO2007/112754を参照されたい)。
【0199】
さまざまなミックスマー化合物は、特にマイクロRNAを標的とするときの治療用オリゴマー(antimiR)として、またはスプライススイッチングオリゴマー(SSO)として非常に有効である。
【0200】
いくつかの実施形態では、ミックスマーは、次のモチーフを含む:
...[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m...、または
...[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m...、または
...[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m...、または
...[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m[D]n[L]m...
【0201】
ここで、LはLNAまたは2’置換ヌクレオシド(例えば2’-O-MOE)などの糖修飾ヌクレオシドを表し、DはDNAヌクレオシドを表し、各mは1~6から独立して選択され、各nは1、2、3および4、例えば1~3から独立して選択される。いくつかの実施形態では、各Lは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのLはLNAヌクレオシドであり、少なくとも1つのLは2’-O-MOEヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、各Lは、LNAおよび2’-O-MOEヌクレオシドから独立して選択される。
【0202】
いくつかの実施形態では、ミックスマーは、10~24ヌクレオチド、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22もしくは23ヌクレオチドの連続するヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなってもよい。
【0203】
いくつかの実施形態では、ミックスマーの連続するヌクレオチド配列は、少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%のLNA単位を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、ミックスマーは、ヌクレオチドアナログと天然に存在するヌクレオチドとの、またはあるタイプのヌクレオチドアナログと第2のタイプのヌクレオチドアナログとの繰返しパターンの連続するヌクレオチド配列を含むか、またはそれらからなる。繰返しパターンは、例えば、次のようになり得る:1つ置きもしくは2つ置きのヌクレオチドは、LNAなどのヌクレオチドアナログであり、残りのヌクレオチドは、DNAなどの天然に存在するヌクレオチドであるか、または本明細書で言及される2’フルオロアナログの2’MOEなどの2’置換ヌクレオチドアナログ、またはいくつかの実施形態では、本明細書で言及されるヌクレオチドアナログの群から選択されるものである。LNA単位などのヌクレオチドアナログの繰返しパターンは、固定した位置、例えば5’末端または3’末端でヌクレオチドアナログと組み合わせられ得ることが認識されている。
【0205】
いくつかの実施形態では、3’末端から数えて、オリゴマーの1番目のヌクレオチドは、LNAヌクレオチドまたは2’-O-MOEヌクレオシドなどのヌクレオチドアナログである。
【0206】
同じであっても異なっていてもよいいくつかの実施形態では、3’末端から数えて、オリゴマーの2番目のヌクレオチドは、LNAヌクレオチドまたは2’-O-MOEヌクレオシドなどのヌクレオチドアナログである。
【0207】
同じであっても異なっていてもよいいくつかの実施形態では、オリゴマーの5’末端は、LNAヌクレオチドまたは2’-O-MOEヌクレオシドなどのヌクレオチドアナログである。
【0208】
いくつかの実施形態では、ミックスマーは、少なくとも2つの連続するヌクレオチドアナログ単位、例えば少なくとも2つの連続するLNA単位を含む領域を少なくとも含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、ミックスマーは、少なくとも3つの連続するヌクレオチドアナログ単位、例えば少なくとも3つの連続するLNA単位を含む領域を少なくとも含む。
【0210】
コンジュゲート
本明細書で使用されるコンジュゲートという用語は、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分または領域Cまたは第3の領域)に共有結合したオリゴヌクレオチドを指す。
【0211】
1つまたは複数の非ヌクレオチド部分に対する本発明のオリゴヌクレオチドのコンジュゲーションは、例えば、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、細胞取込み、または安定性に影響を及ぼすことにより、オリゴヌクレオチドの薬効薬理を改善し得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲート部分は、オリゴヌクレオチドの細胞分布、バイオアベイラビリティ、代謝、排出、浸透性、および/または細胞取込みを改善することにより、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を調節または増強する。特に、コンジュゲートは、オリゴヌクレオチドを特定の器官、組織または細胞型に標的化し、それにより、その器官、組織または細胞型におけるオリゴヌクレオチドの有効性を増強し得る。同時に、コンジュゲートは、非標的細胞型、組織または器官内のオリゴヌクレオチドの活性を低下させるのに役立ち得る(例えば、非標的細胞型、組織または器官におけるオフターゲット活性または活性)。
【0212】
WO93/07883およびWO2013/033230は、適切なコンジュゲート部分を提供し、これらは参照により本明細書に組み込まれる。さらに適切なコンジュゲート部分は、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に結合することができる部分である。特に、三価のN-アセチルガラクトサミンのコンジュゲート部分は、ASGPRへの結合に適しており、例えば、WO2014/076196、WO2014/207232およびWO2014/179620(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。このようなコンジュゲートは、肝臓へのオリゴヌクレオチドの取込みを増強するよう機能する一方で、腎臓におけるその存在を低減させ、それにより、コンジュゲートしたオリゴヌクレオチドの肝臓/腎臓比を、同じオリゴヌクレオチドの未コンジュゲートバージョンと比較して上昇させる。
【0213】
オリゴヌクレオチドコンジュゲートとその合成については、ManoharanによるAntisense Drug Technology,Principles,Strategies,and Applications,S.T.Crooke編、第16章、Marcel Dekker,Inc.、2001およびManoharan、Antisense and Nucleic Acid Drug Development、2002、12、103の包括的なレビューでも報告されており、これらそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0214】
ある実施形態では、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分)は、炭水化物、細胞表面受容体リガンド、原薬、ホルモン、親油性物質、ポリマー、タンパク質、ペプチド、毒素(例えば、細菌毒素)、ビタミン、ウイルスタンパク質(例えば、キャプシド)またはそれらの組合せからなる群から選択される。
【0215】
リンカー
結合またはリンカーは、1つまたは複数の共有結合を介して、ある目的の化学基またはセグメントを別の目的の化学基またはセグメントに結合する、2個の原子間の接続である。コンジュゲート部分は、直接、または結合部分(例えば、リンカーまたはテザー)を介してオリゴヌクレオチドに結合させることができる。リンカーは、例えばコンジュゲート部分などの第3の領域(領域C)を、例えば標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続するヌクレオチド配列などの第1の領域(領域A)に共有結合させるよう機能する。
【0216】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のコンジュゲートまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、任意に、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続するヌクレオチド配列(領域Aまたは第1の領域)と、コンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)との間に位置するリンカー領域(第2の領域または領域Bおよび/または領域Y)を含み得る。
【0217】
領域Bは、哺乳動物の体内で通常見られる条件下、または見られるものに類似した条件下で切断可能である生理学的に不安定な結合を含むか、またはそれからなる生体切断可能なリンカーを指す。生理学的に不安定なリンカーが化学的変換(例えば、切断)を受ける条件には、哺乳動物細胞で見られる、または見られるものに類似した、pH、温度、酸化もしくは還元条件または酸化もしくは還元剤、および塩濃度などの化学的条件が含まれる。哺乳動物の細胞内条件には、タンパク質分解酵素または加水分解酵素またはヌクレアーゼなどに由来する、哺乳動物細胞に通常存在する酵素活性の存在も含まれる。一実施形態では、生体切断可能なリンカーは、S1ヌクレアーゼ切断の影響を受けやすい。好ましい実施形態では、ヌクレアーゼ感受性リンカーは、1~10個のヌクレオシド、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のヌクレオシドを含み、より好ましくは2~6個のヌクレオシドを含み、最も好ましくは2~4個の結合したヌクレオシドを含み、これは少なくとも3または4または5つの連続するホスホジエステル結合などの少なくとも2つの連続するホスホジエステル結合を含む。好ましくは、ヌクレオシドは、DNAまたはRNAである。ホスホジエステルを含む生体切断可能なリンカーは、WO2014/076195(参照により本明細書に組み込まれる)においてより詳細に記載されている。
【0218】
領域Yは、必ずしも生体切断可能ではないが、主にコンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)をオリゴヌクレオチド(領域Aまたは第1の領域)に共有結合する役割を果たすリンカーを指す。領域Yリンカーは、鎖構造、またはエチレングリコール、アミノ酸単位もしくはアミノアルキル基などの繰返し単位のオリゴマーを含み得る。本発明のオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、以下の局所要素A-C、A-B-C、A-B-Y-C、A-Y-B-CまたはA-Y-Cから構築することができる。いくつかの実施形態では、リンカー(領域Y)は、例えばC6~C12アミノアルキル基を含むC2~C36アミノアルキル基などのアミノアルキルである。好ましい実施形態では、リンカー(領域Y)は、C6アミノアルキル基である。
【0219】
したがって、本発明は、特に次のものに関する:
(A)および(A)の一方が糖修飾ヌクレオシドであり、他方がDNAである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
(A)および(A)が両方とも同時に糖修飾ヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
糖修飾ヌクレオシドが、独立して2’糖修飾ヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
2’糖修飾ヌクレオシドが、2’-アルコキシ-RNA、特に2’-メトキシ-RNA、2’-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2’-メトキシエトキシ-RNA、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、または2’-フルオロ-ANAから独立して選択される、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
2’糖修飾ヌクレオシドが、2’-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2’-メトキシエトキシ-RNAである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
2’糖修飾ヌクレオシドがLNAヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
LNAヌクレオシドが、β-D-オキシLNA、6’-メチル-β-D-オキシLNA、およびENAから独立して選択され、特にβ-D-オキシLNAである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
ホスホジエステルヌクレオシド間結合、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合および式(I)に定義されたヌクレオシド間結合から選択されるさらなるヌクレオシド間結合を含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
ホスホロチオエートヌクレオシド間結合および式(I)に定義されたヌクレオシド間結合から選択されるさらなるヌクレオシド間結合を含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
1~15個、特に1~5個、より詳細には1、2、3、4、または5個の、式(I)に定義された式(I)のジヌクレオシドを含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
さらなるヌクレオシド間結合が全て、式-P(=S)(OR)O-(式中、Rは、水素またはリン酸保護基)のホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
DNAヌクレオシド、RNAヌクレオシド、および糖修飾ヌクレオシドから選択されるさらなるヌクレオシドを含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
1つまたは複数のヌクレオシドが、5-メチルシトシン核酸塩基を含むヌクレオシドなどの、核酸塩基修飾ヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
式(I)の少なくとも1つのジヌクレオシドが、アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドのフランキング領域中にあるか、またはアンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドのギャップ領域とフランキング領域との間に位置する、すなわち、(A)および(A)が両方とも同時に糖修飾ヌクレオシドであるか、または(A)および(A)の一方がDNAヌクレオシドもしくはRNAヌクレオシドであり、他方が糖修飾ヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
ギャップマー型オリゴヌクレオチドが、LNAギャップマー、混合ウイングギャップマーまたは2’-置換ギャップマー、特に2’-O-メトキシエチルギャップマーである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
Aが硫黄である、本発明に記載のオリゴヌクレオチド。
アンチセンスギャップマー型オリゴヌクレオチドが、式5’-F-G-F’-3’の連続するヌクレオチド配列を含み、式中、Gは、RNaseHを動員することができる5~18個のヌクレオシドの領域であり、前記領域Gは、5’および3’がそれぞれフランキング領域FおよびF’によって隣接されており、領域FおよびF’は、独立して、1~7つの2’-糖修飾ヌクレオチドを含むか、またはそれからなり、領域Gに隣接する領域Fのヌクレオシドは2’-糖修飾ヌクレオシドであり、領域Gに隣接する領域F’のヌクレオシドは2’-糖修飾ヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
式(I)の少なくとも1つのジヌクレオシドが、領域FもしくはF’中に、または領域Gと領域Fとの間に、または領域Gと領域F’との間に位置する、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方における2’-糖修飾ヌクレオシドが、2’-アルコキシ-RNA、特に2’-メトキシ-RNA、2’-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2’-メトキシエトキシ-RNA、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNA、2’-フルオロ-ANA、およびLNAヌクレオシドから独立して選択される、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方における全ての2’-糖修飾ヌクレオシドが、LNAヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方における2’-糖修飾ヌクレオシドが、全て2’-アルコキシ-RNA、特に2’-メトキシ-RNA、全て2’-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2’-メトキシエトキシ-RNA、全て2’-アミノ-DNA、全て2’-フルオロ-RNA、全て2’-フルオロ-ANAまたは全てLNAヌクレオシドである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方が、少なくとも1つのLNAヌクレオシドおよび少なくとも1つのDNAヌクレオシドを含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
領域Fもしくは領域F’、または領域FおよびF’の両方が、少なくとも1つのLNAヌクレオシドおよび少なくとも1つの非LNA2’-糖修飾ヌクレオシド、例えば少なくとも1つの2’-メトキシエトキシ-RNAヌクレオシドを含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
ギャップ領域Gが、5~16個、特に8~16個、より詳細には8、9、10、11、12、13、または14個の連続するDNAヌクレオシドを含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
領域Fおよび領域F’が、独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8ヌクレオシド長である、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
領域Fおよび領域F’が、それぞれ独立して、1、2、3、または4つのLNAヌクレオシドを含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
LNAヌクレオシドが、β-D-オキシLNA、6’-メチル-β-D-オキシLNA、およびENAから独立して選択される、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
LNAヌクレオシドがβ-D-オキシLNAである、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
オリゴヌクレオチドまたはその連続するヌクレオチド配列(F-G-F’)が、10~30ヌクレオチド長、特に12~22、より詳細には14~20オリゴヌクレオチド長である、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
ギャップマー型オリゴヌクレオチドが、式5’-D’-F-G-F’-D’’-3’の連続するヌクレオチド配列を含み、式中、F、G、およびF’は、請求項17から28のいずれか一項に記載される通りであり、領域D’およびD’’は、それぞれ独立して、0~5つのヌクレオチド、特に2、3、または4つのヌクレオチド、特にDNAヌクレオチド、例えばホスホジエステル結合したDNAヌクレオシドからなる、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
各フランキング領域FおよびF’が独立して、1、2、3、4、5、6、または7つ、特に、式(I)の1つのジヌクレオシドを含む、請求項17から29のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド;
式(I)の、合計で1つのジヌクレオシド、特に領域F’または領域Gと領域F’との間に位置する、式(I)の1つのジヌクレオシドを含む、本発明に記載のオリゴヌクレオチド。
オリゴヌクレオチドがヒトRNaseH1を動員することができる、本発明に記載のオリゴヌクレオチド;
本発明に記載のオリゴヌクレオチドの薬学的に許容され得る塩、特にナトリウム、カリウム塩、またはアンモニウム塩;
本発明に記載のオリゴヌクレオチドまたは薬学的に許容され得る塩と、任意選択的にリンカー部分を介して、前記オリゴヌクレオチドまたは前記薬学的に許容され得る塩に共有結合した、少なくとも1つのコンジュゲート部分とを含む、コンジュゲート;
本発明に記載のオリゴヌクレオチド、薬学的に許容され得る塩、またはコンジュゲートと、治療的に不活性な担体とを含む、薬学的組成物;ならびに
治療的に活性な物質として使用するための、本発明に記載のオリゴヌクレオチド、薬学的に許容され得る塩、またはコンジュゲート。
【0220】
本発明は、特に、式(I-a):
(式中、
は、アルコキシ、アルコキシアルコキシまたはアミノであり、
は、水素であるか、または
およびRは、一緒になって、X-Yを形成し、
Xは、酸素、硫黄、-CR-、-C(R)=C(R)-、-C(=CR)-、-C(R)=N-、-Si(R-、-SO-、-NR-;-O-NR-、-NR-O-、-C(=J)-、Se、-O-NR-、-NR-CR-、-N(R)-O-または-O-CR-であり、
Yは、酸素、硫黄、-(CR-、-CR-O-CR-、-C(R)=C(R)-、-C(R)=N-、-Si(R-、-SO-、-NR-、-C(=J)-、Se、-O-NR-、-NR-CR-、-N(R)-O-または-O-CR-であり、
但し、-X-Y-は、-O-O-、Si(R-Si(R-、-SO-SO-、-C(R)=C(R)-C(R)=C(R)、-C(R)=N-C(R)=N-、-C(R)=N-C(R)=C(R)、-C(R)=C(R)-C(R)=N-または-Se-Se-ではなく、
Jは、酸素、硫黄、=CHまたは=N(R)であり、
およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、チオヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、アミノアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、カルバミド、アルカノイルオキシ、スルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、チオヒドロキシルスルフィドアルキルスルファニル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、-OC(=X)R、-OC(=X)NRおよび-NRC(=X)NRから独立して選択されるか、
または、2つのジェミナルなRおよびRは、一緒になって、任意に置換されたメチレンを形成するか、
または、2つのジェミナルなRおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、-X-Y-の炭素原子を1個だけ有するシクロアルキルまたはハロシクロアルキルを形成し、
ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、置換アルコキシおよび置換メチレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、ヘテロシリル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択される1~3つの置換基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルおよびメチレンであり、
は、酸素、硫黄または-NRであり、
、RおよびRは、水素およびアルキルから独立して選択され、
は、ヒドロキシル保護基であり、
は、シアノアルキルまたはアルキルであり、
は、ジアルキルアミノまたはピロリジニルであり、
Nuは、核酸塩基または保護された核酸塩基であり、
nは、1、2または3である)
の化合物に関する。
【0221】
本発明に記載のオリゴヌクレオチドは、例えば、以下のスキームに従って調製することができる。
【0222】
スキーム2では、BおよびBは核酸塩基であり、Aは上に定義した通りである。
【0223】
ホスホノアセテートまたはチオホスホノアセテート修飾を含むオリゴヌクレオチドは、固相オリゴヌクレオチド化学を使用して合成することができる。DMT保護デオキシリボヌクレオシド3’-O-ジイソプロピルアミノホスフィノ酢酸ジメチル-β-シアノエチルエステルを、固体支持体に連結したデオキシリボヌクレオシドに縮合させる。次いで、ホスフィナイト結合を、例えば、低酸化剤試薬(THF/ピリジン/HO:88/10/2中の0.02M I)を使用して酸化するか、または例えば、アセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンの0.1M溶液を使用して硫化する。無水酢酸でキャッピングし、ジクロロ酢酸で処理して5’-O-ジメトキシトリイル基を除去した後、サイクルを適切な回数繰り返して、ホスホノアセテート修飾を含むオリゴヌクレオチドを得る。
【0224】
本発明に記載のオリゴヌクレオチドの製造に有用なモノマー構成要素は、例えば、以下のスキームに従って調製することができる。
【0225】
ジメチルシアノエチルブロモアセテートを、ブロモアセチルブロミドをトルエン中で3-ヒドロキシ-3-メチルブチロニトリルと還流下で一晩縮合させることによって合成する。次いで、亜リン酸エステル誘導体を、ジイソプロピルアミノクロロホスフィンとのレフォルマトスキー反応を介して調製する。テトラゾールを使用して、この反応物を保護された2’-デオキシヌクレオシドとさらに縮合させて、LNA PACEホスホロアミダイトを得る。
【0226】
スキーム3では、R、R、RおよびNuは、上に定義した通りである。
【0227】
モノマーは、特に、上記の手順に従う以下のスキームに従って調製することができる。
【0228】
スキーム4では、Nuは上に定義した通りである。
【0229】
したがって、本発明はまた、式(II):
(式中、
Xは、酸素、硫黄、-CR-、-C(R)=C(R)-、-C(=CR)-、-C(R)=N-、-Si(R-、-SO-、-NR-;-O-NR-、-NR-O-、-C(=J)-、Se、-O-NR-、-NR-CR-、-N(R)-O-または-O-CR-であり、
Yは、酸素、硫黄、-(CR-、-CR-O-CR-、-C(R)=C(R)-、-C(R)=N-、-Si(R-、-SO-、-NR-、-C(=J)-、Se、-O-NR-、-NR-CR-、-N(R)-O-または-O-CR-であり、
但し、-X-Y-は、-O-O-、Si(R-Si(R-、-SO-SO-、-C(R)=C(R)-C(R)=C(R)、-C(R)=N-C(R)=N-、-C(R)=N-C(R)=C(R)、-C(R)=C(R)-C(R)=N-または-Se-Se-ではなく、
Jは、酸素、硫黄、=CHまたは=N(R)であり、
およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、チオヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、アミノアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、カルバミド、アルカノイルオキシ、スルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、チオヒドロキシルスルフィドアルキルスルファニル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、-OC(=X)R、-OC(=X)NRおよび-NRC(=X)NRから独立して選択されるか、
または、2つのジェミナルなRおよびRは、一緒になって、任意に置換されたメチレンを形成するか、
または、2つのジェミナルなRおよびRは、それらが結合している炭素原子と共に、-X-Y-の炭素原子を1個だけ有するシクロアルキルまたはハロシクロアルキルを形成し、
ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、置換アルコキシおよび置換メチレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、ヘテロシリル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択される1~3つの置換基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルおよびメチレンであり、
は、酸素、硫黄または-NRであり、
、RおよびRは、水素およびアルキルから独立して選択され、
は、ヒドロキシル保護基であり、
は、シアノアルキルまたはアルキル、特にシアノアルキルであり、
は、ジアルキルアミノまたはピロリジニルであり、
Nuは、核酸塩基または保護された核酸塩基であり、
nは、1、2または3である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0230】
本発明は、さらに特に次のものに関する:
-X-Y-が-CH-O-、-CH(CH)-O-または-CHCH-O-である、本発明に記載の化合物;
本発明に記載の、式(III)または(IV):
(式中、R、R、RおよびNuは上に定義した通りである)
の化合物;
が2-シアノ-1,1-ジメチル-エチル、メチル、エチル、プロピルまたはtert-ブチルである、本発明に記載の化合物;
が2-シアノ-1,1-ジメチル-エチルである、本発明に記載の化合物;
がジイソプロピルアミノまたはピロリジニルである、本発明に記載の化合物;
がジアルキルアミノである、本発明に記載の化合物;
がジイソプロピルアミノである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物;
本発明に記載の、式(V):
(式中、RおよびNuは、上に定義した通りである)
の化合物;
Nuがチミン、保護されたチミン、アデノシン、保護されたアデノシン、シトシン、保護されたシトシン、5-メチルシトシン、保護された5-メチルシトシン、グアニン、保護されたグアニン、ウラシルまたは保護されたウラシルである、本発明に記載の化合物。
【0231】
以下:
から選択される、本発明に記載の化合物。
【0232】
本発明に記載の式(II)の化合物を製造するためのプロセスであって、カップリング剤および塩基の存在下で、式(C):
の化合物と、式P(R(CH)COO(R)の化合物との反応を含む(式中、X、Y、R、Nu、RおよびRは上に定義した通りである)、プロセス;
カップリング剤が1H-テトラゾール、5-エチルチオ-1H-テトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾールまたは4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、特にテトラゾールである、本発明に記載のプロセス;ならびに
オリゴヌクレオチドの製造における本発明に記載の化合物の使用。
【0233】
本発明のプロセスは、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルアミンまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミンで簡便にクエンチすることができる。
【0234】
本発明に記載の2’-アルコキシ-RNA、特に2’-メトキシ-RNA、2’-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2’-メトキシエトキシ-RNAを含むオリゴヌクレオチドは、以下の手順に従って合成することができる。
【0235】
スキーム5では、BおよびBは核酸塩基であり、Aは上に定義した通りである。
【0236】
MOE(または他の2’置換基)ホスホノアセテートまたはチオホスホノアセテート修飾を含むオリゴヌクレオチドは、固相オリゴヌクレオチド化学を使用して合成することができる。DMT保護デオキシリボヌクレオシド3’-O-ジイソプロピルアミノホスフィノ酢酸ジメチル-β-シアノエチルエステルを、固体支持体に連結したデオキシリボヌクレオシドに縮合させる。次いで、ホスフィナイト結合を、例えば、低酸化剤試薬(THF/ピリジン/HO:88/10/2中の0.02M I)を使用して酸化するか、または例えば、アセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンの0.1M溶液を使用して硫化する。無水酢酸でキャッピングし、ジクロロ酢酸で処理して5’-O-ジメトキシトリイル基を除去した後、サイクルを適切な回数繰り返して、ホスホノアセテート修飾を含むオリゴヌクレオチドを得る。
【0237】
本発明に記載のオリゴヌクレオチドの製造に有用なモノマー構成要素は、例えば、以下のスキームに従って調製することができる。
【0238】
ジメチルシアノエチルブロモアセテートを、ブロモアセチルブロミドをトルエン中で3-ヒドロキシ-3-メチルブチロニトリルと還流下で一晩縮合させることによって合成する。次いで、亜リン酸エステル誘導体を、ジイソプロピルアミノクロロホスフィンとのレフォルマトスキー反応を介して調製する。4,5-DCIを使用して、この反応物を保護された2’-デオキシヌクレオシドとさらに縮合させて、MOE PACEホスホロアミダイトを得る。
【0239】
スキーム6では、R、R、RおよびNuは、上に定義した通りである。
【0240】
モノマーは、特に、上記の手順に従う以下のスキームに従って調製することができる。
【0241】
スキーム7では、Nuは上に定義した通りである。
【0242】
したがって、本発明はまた、式(VI):
(式中、
は、アルコキシ、アルコキシアルコキシまたはアミノ、特にアルコキシまたはアルコキシアルコキシであり、
は、ヒドロキシル保護基であり、
は、シアノアルキルまたはアルキル、特にシアノアルキルであり、
は、ジアルキルアミノまたはピロリジニルであり、
Nuは、核酸塩基または保護された核酸塩基である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0243】
本発明は、さらに特に次のものに関する:
がメトキシ、メトキシエトキシまたはアミノ、特にメトキシまたはメトキシエトキシである、本発明に記載の化合物;
本発明に記載の、式(VII):
(式中、R、R、RおよびNuは上に定義した通りである)
の化合物;
が2-シアノ-1,1-ジメチル-エチル、メチル、エチル、プロピルまたはtert-ブチルである、本発明に記載の化合物;
が2-シアノ-1,1-ジメチル-エチルである、本発明に記載の化合物;
がジイソプロピルアミノまたはピロリジニルである、本発明に記載の化合物;
がジアルキルアミノである、本発明に記載の化合物;
がジイソプロピルアミノである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物;
本発明に記載の、式(VIII):
(式中、RおよびNuは、上に定義した通りである)
の化合物;
Nuがチミン、保護されたチミン、アデノシン、保護されたアデノシン、シトシン、保護されたシトシン、5-メチルシトシン、保護された5-メチルシトシン、グアニン、保護されたグアニン、ウラシルまたは保護されたウラシルである、本発明に記載の化合物。
【0244】
以下:
から選択される、本発明に記載の化合物。
【0245】
本発明に記載の式(VI)の化合物を製造するためのプロセスであって、カップリング剤および塩基の存在下で、式(D):
の化合物と、式P(R(CH)COO(R)の化合物との反応を含む(式中、R、R、Nu、RおよびRは上に定義した通りである)、プロセス;
カップリング剤が1H-テトラゾール、5-エチルチオ-1H-テトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾール、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、特にDCIである、本発明に記載のプロセス;ならびに
オリゴヌクレオチドの製造における本発明に記載の化合物の使用。
【0246】
本発明のプロセスは、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルアミンまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミンで簡便にクエンチすることができる。
【0247】
次に、本発明を、限定的な特徴を有しない以下の実施例によって例示する。
【実施例
【0248】
略語:
A アデニン
G グアニン
C メチルシトシン
T チミン
LNA ロックド核酸
RNA リボ核酸
DMT ジメトキシトリチル
DCA ジクロロ酢酸
DCM ジクロロメタン
THF テトラヒドロフラン
Anh.無水
TLC 薄層クロマトグラフィー
NMR 核磁気共鳴
CPG 制御された細孔ガラス
RT 逆転写
qPCR 定量的ポリメラーゼ連鎖反応
ds 二本鎖
Tm 熱融解
【0249】
実施例1:モノマー合成
1.1. 1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-ブロモアセテート
2-ブロモアセチルブロミド(14.7g、6.31mL、72.6mmol、1.2当量)のトルエン(67.2mL)溶液に、撹拌しながら3-ヒドロキシ-3-メチルブタンニトリル(6g、6.28ml、60.5mmol、1当量)をゆっくり添加した。丸底フラスコにフリードリッヒ冷却器および酸トラップ(NaOH水溶液を含有)に通気した乾燥管を取り付けた。反応混合物を一晩加熱還流した。反応物を室温に冷却し、次いで、混合物を真空中で濃縮して無色油状物を得た。粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサンを勾配として使用するコンビフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、生成物をヘキサン中の30%酢酸エチルで溶出して、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(8.14g、37mmol、収率58%)を得た。
【0250】
1.2. 1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート
1-クロロ-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスファンジアミン(7.75g、29mmol、1当量)を無水THF(69.4ml)に溶解した。さらに41.6mlの無水ジエチルエーテルを添加した。無水THF(34.7ml)中の1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-ブロモアセテート(7.03g、32mmol、1.1当量)を丸底フラスコに入れた。亜鉛(2.85g、43.6mmol、1.5当量)、無水ジエチルエーテル(22.2ml)および磁気撹拌子を、フリードリッヒ冷却器を取り付けた500mLの三口丸底フラスコに入れた。ホスフィン(36mL)およびブロモアセテート溶液(10mL)を三口丸底フラスコに同時に非常にゆっくりと添加した。次いで、発熱反応が顕著になる(わずかに濁った無色の反応が透明でわずかに黄色になる)まで、反応混合物を還流下で加熱した。ホスフィンおよびブロモアセテート溶液の残りを添加することにより、反応を還流下で継続した。添加が完了したら、反応物を加熱により45分間還流を維持し、室温に冷却し、31P NMRによって完了について分析した。δ=135ppmの出発物質をδ=48ppmの単一生成物に変換した。冷却した反応混合物を真空中で濃縮して、粘稠な油状物を得た。得られた物質を無水ヘプタンおよび少量のアセトニトリルで溶解して、粗生成物を完全に溶解した。この溶液を無水ヘプタンで2回抽出した。アセトニトリル層を、δ=48ppmの生成物が存在しないことについて31P NMRによって分析し、廃棄した。全てのヘプタン画分を合わせ、真空中で濃縮して、わずかに黄色の油状物を得た。次いで、これを高真空下で一晩乾燥させて、白色固体(7.096g、19mmol、収率62%)を得た。
【0251】
1.3. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[[rac-(1R,3R)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ]ホスファニル]アセテート
1-[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル]-5-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(0.7g、1.22mmol、1当量)を無水DCM(15.3ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(545mg、1.47mmol、1.2当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、テトラゾール(2.17ml、978μmol、0.8当量)を無水CHCN中の0.45M溶液として反応混合物に添加した。次いで、反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(99mg、136μl、978μmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を真空中で濃縮して、粘稠な無色油状物を得た。生成物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、カラムクロマトグラフィー(80/20:酢酸エチル/ヘプタン)を介して精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、泡状物を得、最小量の無水DCMに再溶解した。ヘプタンを滴下添加して速く撹拌した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、743mgの標的化合物を白色固体として得た(743mg、0.88mmol、収率69%)。
【0252】
1.4. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[[rac-(1R,3R)-3-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ]ホスファニル]アセテート
N-[9-[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル]プリン-6-イル]ベンズアミド(3g、4.37mmol、1当量)を無水DCM(54.7ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(1.95g、5.25mmol、1.2当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、テトラゾール(7.78ml、3.5mmol、0.8当量)を無水CHCN中の0.45M溶液として反応混合物に添加した。反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(354mg、488μl、3.5mmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を真空中で濃縮して、粘稠な無色油状物を得た。生成物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、カラムクロマトグラフィー(80/20:酢酸エチル/ヘプタン)を介して精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、泡状物を得、最小量の無水DCMに再溶解した。ヘプタンを滴下添加して速く撹拌した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、1.86gの標的化合物を白色固体として得た(1.86g、1.9mmol、収率45%)。
【0253】
1.5. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[[rac-(1R,3R)-3-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソピリミジン-1-イル)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ]ホスファニル]アセテート
N-[1-[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル]-5-メチル-2-オキソ-ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(2.8g、4.14mmol、1当量)を無水DCM(59.2ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(1.85g、4.97mmol、1.2当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、テトラゾール(7.37ml、3.31mmol、0.8当量)を無水CHCN中の0.45M溶液として反応混合物に添加した。反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(335mg、462μl、3.31mmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を真空中で濃縮して、粘稠なわずかに黄色の油状物を得た。生成物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、カラムクロマトグラフィー(50/50:酢酸エチル/ヘプタン)を介して精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、泡状物を得、最小量の無水DCMに再溶解した。ヘプタンを滴下添加して速く撹拌した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、2.35gの標的化合物を淡黄色固体として得た(2.35g、2.22mmol、収率46%)。
【0254】
1.6. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[[rac-(1R,3R)-1-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-3-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル]オキシ]ホスファニル]アセテート
N’-[9-[(1R,4R,6R,7S)-4-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニル-メトキシ]メチル]-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル]-6-オキソ-1H-プリン-2-イル]-N,N-ジメチル-ホルムアミジン(2.6g、3.89mmol、1当量)を無水DCM(55.6ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(1.74g、4.67mmol、1.2当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、テトラゾール(6.92ml、3.12mmol、0.8当量)を無水CHCN中の0.45M溶液として反応混合物に添加した。反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(315mg、434μl、3.12mmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を真空中で濃縮して、粘稠な無色油状物を得た。生成物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、カラムクロマトグラフィー(100%酢酸エチル)を介して精製した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、泡状物を得、最小量の無水DCMに再溶解した。ヘプタンを滴下添加して速く撹拌した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、1.4gの標的化合物を白色固体として得た(1.4g、1.4mmol、収率38%)。
【0255】
実施例2:オリゴヌクレオチドの合成
Bioautomation社のMerMade 12自動DNA合成装置を使用して、オリゴヌクレオチドを合成した。合成は、ユニバーサルリンカーを備えた制御された細孔ガラス支持体(500Å)を使用して1μmolスケールで行った。
【0256】
標準的なDNAとLNAホスホロアミダイトのカップリングのための標準サイクル手順において、DMTの脱保護化を、CHCl中の3%(w/v)ジクロロ酢酸を用いて230μLの3回の適用で105秒間行った。それぞれのホスホロアミダイトを、アセトニトリル(またはLNA-MeC構成要素に対してはアセトニトリル/CHCl 1:1)中の0.1M溶液95μLおよび活性化剤としての5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-テトラゾールの0.25M溶液110μLと、180秒のカップリング時間で3回カップリングさせた。3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンのアセトニトリル/ピリジン中0.1M溶液を使用して、200μLを1回の適用で3分間硫化を行った。酸化は、THF/pyr/HO:88/10/2中の0.02M Iを使用して1回の適用で3分間行った。THF/ルチジン/AcO 8:1:1(CapA、75μmol)およびTHF/N-メチルイミダゾール 8:2(CapB、75μmol)を使用して、キャッピングを70秒間行った。
【0257】
PACE LNAを導入するための合成サイクルは、CHCl中の3%(w/v)ジクロロ酢酸を230μLの3回の適用で105秒間使用するDMT脱保護化を含んだ。新たに調製したLNA PACEを、95μLのアセトニトリル中0.1M溶液および0.25M溶液110μLの活性化剤としての5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-テトラゾールと、15分のカップリング時間で2回カップリングさせた。アセトニトリル/ピリジン 1:1中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオン0.1M溶液を使用して、1回の適用で3分間硫化を行った。酸化は、THF/pyr/HO:88/10/2中の0.02M Iを使用して1回の適用で3分間行った。THF/ルチジン/AcO 8:1:1(CapA、75μmol)およびTHF/N-メチルイミダゾール 8:2(CapB、75μmol)を使用して、キャッピングを70秒間行った。
【0258】
合成後、無水CHCN中の1.5%DBU溶液を慎重に数回カラムに通して、ジメチルシアノエチル保護基を脱保護化し、脱保護中の塩基のアルキル化を防止した。次いで、室温で60分間放置した。次いで、溶液を廃棄し、カラムを2~3mLの無水CHCNですすいだ。次いで、これをアルゴン流下で乾燥させた。次いで、CPGを4mLバイアルに慎重に移し、MeOH中1mlの7N NHを添加し、55℃で24時間撹拌したままにした。
【0259】
オリゴヌクレオチド上の粗DMTを、C18カラムを使用するRP-HPLC精製、続いて80%酢酸水溶液およびエタノール沈殿によるDMT除去またはカートリッジ精製によって精製した。PACE LNAホスホロアミダイトを、Baselで合成した。通常のホスホロアミダイト、および固相合成に使用した全ての試薬は、Sigma Aldrichから注文した。
【0260】
上記手順に従って、以下の分子を調製した。
*隣接ヌクレオチド間のPACEホスホロチオエート修飾。
A、G、C、Tは、LNAヌクレオチドを表す。
a、g、c、tは、DNAヌクレオチドを表す。
他の結合は全て、ホスホロチオエートとして調製した。
【0261】
実施例3:用量反応曲線のための異なる濃度でのヒトHeLaおよびA549細胞におけるHIF1a mRNAを標的とするオリゴヌクレオチドのインビトロ有効性
HeLaおよびA549細胞株をATCCから購入し、サプライヤーの推奨に従って、37℃、5%COの加湿インキュベータで維持した。アッセイのために、3000細胞/ウェル(HeLa)および3500細胞/ウェル(A549)を96マルチウェルプレートの培養培地中に播種した。細胞を24時間インキュベートした後、PBSに溶解したオリゴヌクレオチドを添加した。オリゴヌクレオチドの濃度範囲:8段階の最高濃度25μM、1:1希釈。オリゴヌクレオチドを添加した3日後、細胞を採取した。RNAを、製造者の説明書に従い、PureLink Pro 96 RNA精製キット(Thermo Fisher Scientific)を使用して抽出し、50μlの水に溶出した。その後、RNAをDNase/RNaseフリーの水(Gibco)で10倍希釈し、90℃に1分間加熱した。
【0262】
遺伝子発現解析のために、二重鎖セットアップにおいてqScript(商標)XLT One-Step RT-qPCR ToughMix(登録商標)、Low ROX(商標)(Quantabio)を使用してOne Step RT-qPCRを行った。qPCRには、以下のTaqManプライマーアッセイを使用した:HIF1A、内因性対照GUSBを有するHs00936368_m1、Hs99999908_m1(VIC-MGB)。全てのプライマーセットは、Thermo Fisher Scientificから購入した。HIF1A mRNAの相対的発現レベルを対照(PBS処理細胞)のパーセントとして示し、IC50値を、n=2の生物学的複製物からのデータに対してGraphPad Prism 7を使用して決定した。
【0263】
結果を、以下の表および図1に示す。
【0264】
図1のプロットに示されるデータを、以下の表に報告する。
【0265】
HeLaにおけるHIF1A発現(生物学的複製物の平均)
【0266】
A549におけるHIF1A発現(生物学的複製物の平均)
【0267】
実施例4:用量反応曲線のための異なる濃度でのヒトHeLaおよびA549細胞におけるMALAT1 mRNAを標的とするオリゴヌクレオチドのインビトロ効力および有効性
HeLaおよびA549細胞株をATCCから購入し、サプライヤーの推奨に従って、37℃、5%COの加湿インキュベータで維持した。アッセイのために、3000細胞/ウェル(HeLa)および3500細胞/ウェル(A549)を96マルチウェルプレートの培養培地中に播種した。細胞を24時間インキュベートした後、PBSに溶解したオリゴヌクレオチドを添加した。オリゴヌクレオチドの濃度範囲:8段階の最高濃度25μM、1:1希釈。オリゴヌクレオチドを添加した3日後、細胞を採取した。RNAを、製造者の説明書に従い、PureLink Pro 96 RNA精製キット(Thermo Fisher Scientific)を使用して抽出し、50μlの水に溶出した。その後、RNAをDNase/RNaseフリーの水(Gibco)で10倍希釈し、90℃に1分間加熱した。
【0268】
遺伝子発現解析のために、二重鎖セットアップにおいてqScript(商標)XLT One-Step RT-qPCR ToughMix(登録商標)、Low ROX(商標)(Quantabio)を使用してOne Step RT-qPCRを行った。qPCRには、以下のTaqManプライマーアッセイを使用した:MALAT1、内因性対照GAPDHを有するHs00273907_s1(FAM-MGB)。全てのプライマーセットは、Thermo Fisher Scientificから購入した。MALAT1 mRNAの相対的発現レベルを対照(PBS処理細胞)のパーセントとして示し、IC50値を、n=2の生物学的複製物からのデータに対してGraphPad Prism 7を使用して決定した。
【0269】
結果を、以下の表および図2に示す。
【0270】
図2のプロットに示されるデータを、以下の表に報告する。
【0271】
HeLaにおけるMALAT1発現(生物学的複製物の平均):
【0272】
A549HeLaにおけるMALAT1発現(生物学的複製物の平均)
【0273】
実施例5:マウス初代肝細胞におけるApoB mRNAを標的とするオリゴヌクレオチドのインビトロ効力および有効性
初代マウス肝細胞を、文献(BerryおよびFriend、1969、J.Cell Bio;Paternaら、1998、Toxicol.Appl.Pharmacol.)に従って、2段階灌流プロトコルの後にペントバルビタールで麻酔したC57BL/6Jマウスの肝臓から単離した。第1の工程は、HBSS+15mM HEPES+0.4mM EGTAで5分間、続いてHBSS+20mM NaHCO+0.04%BSA(Sigma #A7979)+4mM CaCL(Sigma #21115)+0.2mg/mlコラゲナーゼ2型(Worthington #4176)で12分間行った。肝細胞を氷上で5mlの冷Williams培地E(WME)(Sigma#W1878、1×Pen/Strep/グルタミン、10%(v/v)FBS(ATCC#30-2030)で補完)に捕捉した。粗細胞懸濁液を70μm、続いて40μmセルストレーナー(Falcon#352350および#352340)でフィルタにかけ、WMEを25mlまで充填し、室温で5分間、50×gで遠心分離して肝細胞をペレット化した。上清を除去し、肝細胞を25mlのWMEに再懸濁した。25mlの90%パーコール(Percoll)溶液(Sigma#P4937、pH=8.5~9.5)を添加し、10分間25℃で、50×gで遠心分離した後、上清および浮遊細胞を除去した。残りのパーコールを除去するために、ペレットを50mLのWME培地に改めて再懸濁し、3分間25℃で、50×gで遠心分離し、上清を廃棄した。細胞ペレットを20mLのWMEに再懸濁し、細胞数および生存率を決定し(Invitrogen、Cellcount)、250,000細胞/mlに希釈した。25,000細胞/ウェルをコラーゲン被覆96ウェルプレート(PD Biocoat Collagen I #356407)に播種し、37℃、5% COでインキュベートした。3時間後、細胞をWMEで洗浄して、付着していない細胞を除去し、培地を置き換えた。播種の24時間後、オリゴヌクレオチドをある範囲の濃度で添加した:最高濃度3,125μM、8段階のハーフログ希釈。オリゴヌクレオチドを添加した3日後、細胞を採取した。RNAを、製造者の説明書に従い、PureLink Pro 96 RNA精製キット(Thermo Fisher Scientific)を使用して抽出し、50μlの水に溶出した。その後、RNAをDNase/RNaseフリーの水(Gibco)で10倍希釈し、90℃に1分間加熱した。
【0274】
遺伝子発現解析のために、二重鎖セットアップにおいてqScript(商標)XLT One-Step RT-qPCR ToughMix(登録商標)、Low ROX(商標)(Quantabio)を使用してOne Step RT-qPCRを行った。qPCRには、以下のTaqManプライマーアッセイを使用した:内因性対照Gapdhを有するApob Mm_01545150_m1(FAM-MGB)、Mm99999915_g1(VIC-MGB)。全てのプライマーセットは、Thermo Fisher Scientificから購入した。ApoB mRNAの相対的発現レベルを対照(PBS処理細胞)のパーセントとして示し、IC50値を、GraphPad Prism 7を使用して決定した。
【0275】
結果を、以下の表および図3に示す。
【0276】
図3のプロットに示されるデータを、以下の表に報告する。
【0277】
初代マウス肝細胞におけるApoB mRNAの相対的発現
【0278】
実施例6:RNAおよびDNAにハイブリダイズしたホスホノ酢酸ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドの熱融解(Tm)
dsLNA/DNAまたはdsLNA/RNAヘテロ二重鎖(熱融解=Tm)の変性点を以下の手順に従って測定した:
等モル量のRNAまたはDNAおよびLNAオリゴヌクレオチド(ApoBについては20μMおよびMalat-1については10μM)の溶液は、緩衝液(137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM NaHPO、pH7.4)中で10μMのdsオリゴヌクレオチド(ApoB)および5μMのdsオリゴヌクレオチド(Malat-1)をもたらす。溶液を95℃に2分間加熱(ハイブリダイゼーション)し、次いで、15分間室温に冷却した。260nmでのUV吸光度を、Thermo ScientificからのEvolution 600UV-Vis分光光度計(加熱速度1℃/分、読取速度20/分)を使用して記録した。変性点(すなわち、融点、Tm)の決定のために、融解転移をLOWESS曲線に適合させ、変曲点(=Tm)を記述的適合の一次導関数のピーク位置によって同定した。
【0279】
ApoBオリゴヌクレオチドのTm測定(RNAおよびDNA)を以下の表に示す。
【0280】
本発明に記載の化合物は、対照のRNAおよびDNAに対して高い親和性を保持する。
【0281】
実施例7:LTK細胞(線維芽細胞)におけるMALAT1 mRNAを標的とする選択されたオリゴヌクレオチドのインビトロ効力および有効性
以下のオリゴヌクレオチドを生成し、それに対して試験した:
*隣接ヌクレオチド間のPACEホスホロチオエート修飾。
°隣接ヌクレオチド間のPACEホスホロジエステル修飾。
A、G、C、Tは、LNAヌクレオチドを表す。
a、g、c、tは、DNAヌクレオチドを表す。
他の結合は全て、ホスホロチオエートとして調製した。
【0282】
【0283】
Malat-1を標的とする上記化合物を、自然な取込みを使用してマウス線維芽細胞(LTK細胞)において72時間、ある濃度範囲で試験して、化合物の効力(IC50)を決定した。
【0284】
LTK細胞に対する濃度範囲:50μM、1/2対数希釈、8濃度。
【0285】
Malat1のRNAレベルを、qPCR(GAPDHレベルに正規化)を使用して定量し、IC50値を決定した。
【0286】
IC50の結果を上記の表に示し、この化学修飾が標的ノックダウンに関して(疾患に関連する骨格筋細胞についてここで例示されるように)十分に許容されることを示している。
【0287】
実施例8:15mg/kgの用量を用いた心臓における標的mRNAレベル(Malat1)の測定
マウス(C57/BL6)に、オリゴヌクレオチドを15mg/kg用量、1、2および3日目に3回用量で皮下投与した(n=5)。8日目にマウスを屠殺し、MALAT-1 RNAの低減を心臓に対して測定した。親化合物は、3×15mg/kgおよび3×30mg/kgの2回用量で投与した。
【0288】
結果を図4に示す。
【0289】
インビボ結果は、チオ-PACE修飾化合物#24が、心臓におけるMALAT-1のノックダウンにおいて参照化合物の約2倍強力であることを示している(15mg/kgでの有効性は、30mg/kg投与での参照と同じである)。位置12に導入された追加のチオ-PACE修飾を有する化合物#25は、#24よりも低い有効性を示すが、依然として参照よりも良好である。対応するOxo-PACEアナログ(#26)は、実質的に低下した活性を示す。
【0290】
有効性に対する大きな影響が、本発明に記載の一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてインビボで観察されている。本発明に記載のオリゴヌクレオチドの用量は、参照用量のわずか50%であることに留意すべきである。
【0291】
実施例9:MOE PACEモノマーの合成
9.1. 1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-ブロモアセテート
2-ブロモアセチルブロミド(14.7g、6.31mL、72.6mmol、1.2当量)の溶液を、トルエン(67.2mL)を含む250mL丸底フラスコに添加した。3-ヒドロキシ-3-メチルブタンニトリル(6g、6.28ml、60.5mmol、1当量)を撹拌しながらゆっくり添加した。丸底フラスコにフリードリッヒ冷却器および酸トラップ(NaOH水溶液を含有)に通気した乾燥管を取り付けた。反応混合物を加熱還流し、一晩還流した。反応物を室温に冷却し、次いで、混合物を真空中で濃縮して油状物を得た。粗油状物を、酢酸エチル/ヘキサンを勾配として使用するコンビフラッシュクロマトグラフィーによって精製した:生成物をヘキサン中の30%酢酸エチルで溶出し、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル-2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(8.14g、37mmol、収率58%)を得た。
【0292】
9.2. 1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート
栓をした250mL丸底フラスコに無水THF(69.4ml)、1-クロロ-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスファンジアミン(7.75g、29mmol、1当量)および磁気撹拌子を加え、ホスフィンが溶解するまで溶液を撹拌した。溶解後、無水ジエチルエーテル(41.6ml)を添加した。1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-ブロモアセテート(7.03g、32mmol、1.1当量)を100mL丸底フラスコに入れ、無水THF(34.7ml)を添加した。亜鉛(2.85g、43.6mmol、1.5当量)、無水ジエチルエーテル(22.2ml)および磁気撹拌子を、フリードリッヒ冷却器を取り付けた500mLの三口丸底フラスコに入れた。ホスフィン(36mL)およびブロモアセテート溶液(10mL)を三口丸底フラスコに添加した。次いで、発熱反応が顕著になる(わずかに濁った無色の反応が透明でわずかに黄色になる)まで、反応混合物を還流下で加熱した。ホスフィンおよびブロモアセテート溶液の残りを添加することにより、反応を還流下で継続した。添加が完了したら、反応物を加熱により45分間還流を維持し、室温に冷却し、31P NMRによって完了について分析した。δ=135ppmの出発物質をδ=48ppmの単一生成物に変換した。冷却した反応混合物を真空中で粘稠な油状物に濃縮した。得られた粘稠な油状物を、無水ヘプタンで溶解した。次いで、形成した固体をアセトニトリルに溶解し、この溶液を無水ヘプタンで2回抽出した。アセトニトリル溶液を、δ=48ppmの生成物が存在しないことについて31P NMRによって分析し、廃棄した。全てのヘプタン画分を合わせ(上層)、真空中で濃縮して、わずかに黄色の油状物を得た。次いで、これを高真空下で一晩乾燥させた。一晩乾燥させたところ、得られた生成物は良好な白色固体(7.096g、19mmol、収率62%)であった。
【0293】
9.3. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[rac-(2R,5R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-4-(2-メトキシエトキシ)-5-(5-メチル-2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)オキソラン-3-イル]オキシホスファニル]アセテート
5-メチル-1-[rac-(2R,5R)-4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシエトキシ)-5-[[rac-(2E)-1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-2-[rac-(Z)-プロパ-1-エニル]ペンタ-2,4-ジエノキシ]メチル]オキソラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン(800mg、1.29mmol、1当量)を無水DCM(16.2ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(721mg、1.94mmol、1.5当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、4,5-DCI(122mg、1.03mmol、0.8当量)を反応混合物に添加した。次いで、反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって反応の程度を分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(105mg、144μl、1.03mmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を、ロータリーエバポレータを使用して真空中で粘稠な油状物に濃縮した。粘稠な油状物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、80/20:酢酸エチル/ヘプタンで予備平衡化したシリカゲルカラムの上部に添加して生成物を回収した。生成物を含有する画分を合わせ、ロータリーエバポレータで真空中で泡まで濃縮し、最小量の無水DCMに再溶解し、速く撹拌している無水ヘプタンに滴下添加した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、736mgの標的化合物を白色固体として得た(736mg、収率61%)。LCMS(ES+)実測値:889.5g/mol.
【0294】
9.4. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[rac-(2R,5R)-5-(6-ベンズアミドプリン-9-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-4-(2-メトキシエトキシ)オキソラン-3-イル]オキシホスファニル]アセテート
Rac-N-(9-((2R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシエトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-9H-プリン-6-イル)ベンズアミド(600mg、0.82mmol、1当量)を、無水DCM(10.2ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(457mg、1.23mmol、1.5当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、4,5-DCI(77.5mg、0.66mmol、0.8当量)を反応混合物に添加した。次いで、反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって反応の程度を分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(66.4mg、91.4μl、0.65mmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を、ロータリーエバポレータを使用して真空中で粘稠な油状物に濃縮した。粘稠な油状物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、80/20:酢酸エチル/ヘプタンで予備平衡化したシリカゲルカラムの上部に添加して生成物を回収した。生成物を含有する画分を合わせ、ロータリーエバポレータで真空中で泡まで濃縮し、最小量の無水DCMに再溶解し、速く撹拌している無水ヘプタンに滴下添加した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、260mgの標的化合物を白色固体として得た(260mg、収率32%)。LCMS(ES+)実測値:1002.5g/mol.
【0295】
9.5. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[rac-(2R,5R)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-4-(2-メトキシエトキシ)-5-[2-(2-メチルプロパノイルアミノ)-6-オキソ-1H-プリン-9-イル]オキソラン-3-イル]オキシホスファニル]アセテート
2-メチル-N-[6-オキソ-9-[rac-(2R,5R)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシエトキシ)オキソラン-2-イル]-1H-プリン-2-イル]プロパンアミド(700mg、0.98mmol、1当量)を無水DCM(12.3ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(546mg、1.47mmol、1.5当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、4,5-DCI(93mg、0.79mmol、0.8当量)を反応混合物に添加した。次いで、反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって反応の程度を分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(80mg、109μl、0.79mmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を、ロータリーエバポレータを使用して真空中で粘稠な油状物に濃縮した。粘稠な油状物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、酢酸エチルで予備平衡化したシリカゲルカラムの上部に添加して生成物を回収した。生成物を含有する画分を合わせ、ロータリーエバポレータで真空中で泡まで濃縮し、最小量の無水DCMに再溶解し、速く撹拌している無水ヘプタンに滴下添加した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、520mgの標的化合物を白色固体として得た(520mg、収率49%)。LCMS(ES+)実測値:984.5g/mol.
【0296】
9.6. (1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル)2-[[ジ(プロパン-2-イル)アミノ]-[rac-(2R,5R)-5-(4-ベンズアミド-5-メチル-2-オキソピリミジン-1-イル)-2-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-4-(2-メトキシエトキシ)オキソラン-3-イル]オキシホスファニル]アセテート
N-[5-メチル-2-オキソ-1-[rac-(2R,5R)-5-[[ビス(4-メトキシフェニル)-フェニルメトキシ]メチル]-4-ヒドロキシ3-(2-メトキシエトキシ)オキソラン-2-イル]ピリミジン-4-イル]ベンズアミド(950mg、1.32mmol、1当量)を無水DCM(16.5ml)に溶解し、次いで、1-シアノ-2-メチルプロパン-2-イル2-(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)アセテート(733mg、1.97mmol、1.5当量)を反応混合物に添加した。反応成分が完全に溶解したら、4,5-DCI(124mg、1.05mmol、0.8当量)を反応混合物に添加した。次いで、反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌し、31P NMRおよびシリカゲルTLC(酢酸エチルで溶出)によって反応の程度を分析した。TLC上でのより速い溶出生成物へのスポット間転換および酢酸ホスフィノジアマイト31P NMRシグナルの完全喪失によって、反応が完了したと判断した。完了したら、トリエチルアミン(107mg、147μl、1.05mmol、0.8当量)を添加することによって反応をクエンチした。5分後、反応混合物を、ロータリーエバポレータを使用して真空中で粘稠な油状物に濃縮した。粘稠な油状物を最小体積の酢酸エチルに再溶解し、80/20:酢酸エチル/ヘプタンで予備平衡化したシリカゲルカラムの上部に添加して生成物を回収した。生成物を含有する画分を合わせ、ロータリーエバポレータで真空中で泡まで濃縮し、最小量の無水DCMに再溶解し、速く撹拌している無水ヘプタンに滴下添加した。固体沈殿物を濾過によって単離し、真空中で一晩乾燥させて、722mgの標的化合物を淡黄色固体として得た(722mg、収率55%)。LCMS(ES+)実測値:992.4g/mol.
【0297】
実施例10:オリゴヌクレオチドの合成
Bioautomation社のMerMade 12自動DNA合成装置を使用して、オリゴヌクレオチドを合成した。合成は、ユニバーサルリンカーを備えた制御された細孔ガラス支持体(500Å)を使用して1μmolスケールで行った。
【0298】
標準的なDNAとLNAホスホロアミダイトのカップリングのための標準サイクル手順において、DMTの脱保護化を、CHCl中の3%(w/v)ジクロロ酢酸を用いて230μLの3回の適用で105秒間行った。それぞれのホスホロアミダイトを、アセトニトリル(またはLNA-MeC構成要素に対してはアセトニトリル/CHCl 1:1)中の0.1M溶液95μLおよび活性化剤としての5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-テトラゾールの0.25M溶液110μLと、180秒のカップリング時間で3回カップリングさせた。3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンのアセトニトリル/ピリジン中0.1M溶液を使用して、200μLを1回の適用で3分間硫化を行った。酸化は、THF/pyr/HO:88/10/2中の0.02M Iを使用して1回の適用で3分間行った。THF/ルチジン/AcO 8:1:1(CapA、75μmol)およびTHF/N-メチルイミダゾール 8:2(CapB、75μmol)を使用して、キャッピングを70秒間行った。
【0299】
MOE PACEを導入するための合成サイクルは、CHCl中の3%(w/v)ジクロロ酢酸を230μLの3回の適用で105秒間使用するDMT脱保護化を含んだ。新たに調製したMOE PACEホスホロアミダイトを、95μLのアセトニトリル中0.1M溶液および0.25M溶液110μLの活性化剤としての5-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-テトラゾールと、15分のカップリング時間で2回カップリングさせた。アセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオン0.1M溶液を使用して、1回の適用で3分間硫化を行った。酸化は、THF/pyr/HO:88/10/2中の0.02M Iを使用して1回の適用で3分間行った。THF/ルチジン/AcO 8:1:1(CapA、75μmol)およびTHF/N-メチルイミダゾール 8:2(CapB、75μmol)を使用して、キャッピングを70秒間行った。
【0300】
合成後、無水CHCN中の1.5%DBU溶液を慎重に数回カラムに通して、ジメチルシアノエチル保護基を脱保護化し、脱保護中の塩基のアルキル化を防止した。次いで、室温で60分間放置した。次いで、溶液を廃棄し、カラムを2~3mLの無水CHCNですすいだ。次いで、これをアルゴン流下で乾燥させた。次いで、CPGを4mLバイアルに慎重に移し、水中1mLの40%MeNHを添加し、55℃で15分間撹拌したままにした。
【0301】
オリゴヌクレオチド上の粗DMTを、C18カラムを使用するRP-HPLC精製、続いて80%酢酸水溶液およびエタノール沈殿によるDMT除去またはカートリッジ精製によって精製した。MOE PACEホスホロアミダイトを、Baselで合成した。通常のホスホロアミダイト、および固相合成に使用した全ての試薬は、Sigma Aldrichから注文した。
【0302】
実施例11:用量反応曲線のための異なる濃度でのヒトHeLa細胞におけるMALAT1 mRNAを標的とするオリゴヌクレオチドのインビトロ効力および有効性
HeLa細胞をATCCから購入し、サプライヤーの推奨に従って、37℃、5%COの加湿インキュベータで維持した。アッセイのために、3000細胞/ウェルを96マルチウェルプレートの培養培地中に播種した。細胞を24時間インキュベートした後、PBSに溶解したオリゴヌクレオチドを添加した。オリゴヌクレオチドの濃度範囲:8段階の最高濃度25μM、1:1希釈。オリゴヌクレオチドを添加した3日後、細胞を採取した。RNAを、製造者の説明書に従い、PureLink Pro 96 RNA精製キット(Thermo Fisher Scientific)を使用して抽出し、50μlの水に溶出した。その後、RNAをDNase/RNaseフリーの水(Gibco)で10倍希釈し、90℃に1分間加熱した。
【0303】
遺伝子発現解析のために、二重鎖セットアップにおいてqScript(商標)XLT One-Step RT-qPCR ToughMix(登録商標)、Low ROX(商標)(Quantabio)を使用してOne Step RT-qPCRを行った。qPCRには、以下のTaqManプライマーアッセイを使用した:MALAT1、内因性対照GAPDHを有するHs00273907_s1(FAM-MGB)。全てのプライマーセットは、Thermo Fisher Scientificから購入した。MALAT1 mRNAの相対的発現レベルを対照(PBS処理細胞)のパーセントとして示し、IC50値を、n=2の生物学的複製物からのデータに対してGraphPad Prism 7を使用して決定した。
【0304】
結果を下表に提供する。
太字t、a、g、cはMOE修飾を表す。
(ps)隣接ヌクレオチド間のホスホロチオエート修飾。
(po)隣接ヌクレオチド間のホスホロジエステル修飾。
*隣接ヌクレオチド間のPACEホスホロチオエート修飾。
°隣接ヌクレオチド間のPACEホスホロジエステル修飾。
A、G、C、Tは、LNAヌクレオチドを表す。
a、g、c、tは、DNAヌクレオチドを表す。
他の結合は全て、ホスホロチオエートとして調製した。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
2022521510000001.app
【国際調査報告】