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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-11
(54)【発明の名称】動物飼料組成物
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/10 20160101AFI20220404BHJP
   A23K 20/174 20160101ALI20220404BHJP
   A23K 20/20 20160101ALI20220404BHJP
   A23K 20/142 20160101ALI20220404BHJP
   A23K 20/163 20160101ALI20220404BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20220404BHJP
   A23K 10/37 20160101ALI20220404BHJP
   A23K 20/147 20160101ALI20220404BHJP
【FI】
A23K50/10
A23K20/174
A23K20/20
A23K20/142
A23K20/163
A23K10/30
A23K10/37
A23K20/147
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534254
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 AU2018051345
(87)【国際公開番号】W WO2020118345
(87)【国際公開日】2020-06-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521258050
【氏名又は名称】プロアグニ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベル,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ソウルスビー,フィオナ
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ラクラン
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005BA01
2B005BA05
2B150AA02
2B150AE01
2B150AE05
2B150AE13
2B150BC06
2B150CA08
2B150CE02
2B150CJ07
2B150CJ08
2B150DA48
2B150DA49
2B150DC14
2B150DC15
2B150DE02
2B150DE03
2B150DE14
2B150DE15
2B150DH02
2B150DH03
2B150DH05
2B150DH06
2B150DH08
2B150DH09
2B150DH11
2B150DH17
2B150DH18
(57)【要約】
本開示は、反芻動物に給餌するための組成物、濃縮物、サプリメント、及び動物飼料に関する。本開示は、さらに、家畜における飼料要求率、資源利用、及び水利用を改善する方法、ならびに家畜排出物を低減する方法、家畜飼料における抗生物質使用を低減する方法、家畜に満腹感を誘発する方法、及び反芻動物の乳酸アシドーシスを予防する方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミンB、及びビタミンEから選択される少なくとも1種のビタミン;
ii)コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の微量元素;
iii)メチオニン、メチオニンヒドロキシ類似体、リシン、ホモシステイン、及びシステインから選択される少なくとも1種の硫黄含有アミノ酸;
iv)オリゴ糖プレバイオティクス及び多糖プレバイオティクスから選択される少なくとも1種のプレバイオティクス;及び
v)少なくとも1種の植物抽出物;
を含有する反芻動物用の組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の植物抽出物が、Coriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、Myristica fragrans抽出物、Aniba rosaeodora抽出物、Apium graveolens抽出物、Boswellia carterii抽出物、Cananga odorata抽出物、Cedrus atlantica抽出物、Citrus aurantifolia抽出物、Citrus aurantium抽出物、Citrus aurantium var. bergamia抽出物、Citrus limon抽出物、Citrus x paradisi抽出物、Citrus reticulata var.madurensis抽出物、Commiphora myrrha抽出物、Coriandrum sativum抽出物、Cucurbita pepo抽出物、Cupressus sempervirens抽出物、Cymbopogon citratus抽出物、Cymbopogon martini抽出物、Cymbopogon nardus抽出物、Daucus carota抽出物、Eucalyptus polybractea抽出物、Foeniculum vulgare抽出物、Gaultheria procumbens抽出物、Juniperus communis抽出物、Lavandula angustifolia抽出物、Macadamia integrifolia抽出物、Melaleuca alternifolia抽出物、Melaleuca cajuputi抽出物、Melaleuca quinquenervia抽出物、Mentha x piperita抽出物、Mentha spicata抽出物、Ocimum basilicum抽出物、Oenothera biennis抽出物、Origanum majorana抽出物、Origanum vulgare抽出物、Pelargonium graveolens抽出物、Pimpinella anisum抽出物、Pimenta racemose抽出物、Pinus sylvestris抽出物、Piper nigrum抽出物、Pogostemon patchouli抽出物、Prunus armeniaca抽出物、Prunus dulcis抽出物、Rosmarinus officinalis抽出物、Salvia officinalis抽出物、Salvia sclarea抽出物、Santalum album抽出物、Syzygium aromaticum抽出物、Thymus vulgaris抽出物、及びVetiveria zizanioides抽出物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が少なくとも3種の植物抽出物を含有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記植物抽出物が精油である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
粉塵防止剤及び/または担体をさらに含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記担体が小麦ポラード及びもみ殻から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、3~7MIU/kgのビタミンA、0.2~0.6MIU/kgのビタミンD3、50~100g/kgのビタミンE、及び/または6~10g/kgのビタミンB1を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、8~12g/kgの銅、0.05~0.2g/kgのコバルト、0.25~0.75g/kgのヨウ素、6~10g/kgのマンガン、0.02~0.05g/kgのセレン、及び/または14~18g/kg亜鉛を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が150~500g/kgのメチオニンまたはメチオニンヒドロキシ類似体を含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、30~40g/kgのマンナンオリゴ糖(MOS)及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンE、銅、コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、メチオニン、マンナンオリゴ糖(MOS)、及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、約10~60g/kgのCoriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、及び/またはMyristica fragrans抽出物を含有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、液体、プリル、ドライリック、ペレット、またはミールの形態で調製される、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が抗生物質及び/またはイオノフォアを含まない、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物を含有する、反芻動物に給餌するための栄養サプリメント。
【請求項16】
前記サプリメントが、酸化マグネシウム、塩化カリウム、硫黄、塩化ナトリウム、石灰、キャノーラ油、キャノーラミール、小麦、及び籾殻から選択される1種以上の成分を含有する、請求項15に記載の栄養サプリメント。
【請求項17】
タンパク質源、粗飼料、緩衝液、及び/または追加のミネラルのうちの1種以上を含有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物または請求項15もしくは請求項16に記載の栄養サプリメント。
【請求項18】
前記組成物が、広範囲の放牧における集中的な仕上げ栄養及び/または補足的な給餌を受けている肥育場の反芻動物に給餌するためのものである、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物または請求項15もしくは請求項16に記載の栄養サプリメント。
【請求項19】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物または請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメントを含む、動物飼料。
【請求項20】
穀物配合飼料と混合された及び/または栄養補給の一部として供給される前記組成物または前記栄養サプリメントを含有する、請求項19に記載の動物飼料。
【請求項21】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用の改善方法。
【請求項22】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出の低減方法。
【請求項23】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の満腹感の誘発方法。
【請求項24】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の食物摂取の制御方法。
【請求項25】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の第一胃中のアンモニア保持の改善方法。
【請求項26】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の反芻動物アシドーシス発症リスクの低減方法。
【請求項27】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物における反芻動物アシドーシスの予防方法。
【請求項28】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を反芻動物家畜に給餌することを含む、反芻動物家畜生産における抗生物質及び/またはイオノフォアの使用の低減または排除方法。
【請求項29】
前記組成物をミネラル濃縮物、液体、押出加工品、またはプリルとして製剤すること、および前記組成物を約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で前記反芻動物に給餌すること、を含む、請求項21~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記反芻動物がウシ、ヒツジ、ヤギ、及びシカから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記反芻動物がヒツジであり、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日で前記ヒツジに給餌することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記反芻動物がウシであり、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日で前記ウシに給餌することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物を増量剤とともに製剤してミネラルリックまたはペレットを形成すること、及び前記組成物を前記反芻動物に約20グラム~約650グラム/頭/日の割合で給餌することを含む、請求項21~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記反芻動物がウシ及びヒツジから選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記反芻動物がヒツジであり、前記ヒツジに約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で給餌することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記反芻動物がウシであり、前記ヒツジに約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で給餌することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
家畜の完全配合飼料に添加するためのサプリメントとしての、請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、または請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメントの使用。
【請求項38】
反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用を改善するための、請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20に記載の動物飼料の使用。
【請求項39】
反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出を低減するための、反芻動物に満腹感を誘発するための、反芻動物の食物摂取を制御するための、及び/または反芻動物の第一胃内のアンモニア保持を改善するための、請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20に記載の動物飼料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、反芻動物に給餌するための組成物、濃縮物、サプリメント、及び動物飼料に関する。本開示は、さらに、家畜における飼料要求率、資源利用、及び水利用を改善する方法、ならびに家畜排出物を低減する方法、家畜飼料における抗生物質使用を低減する方法、家畜に満腹感を誘発する方法、及び反芻動物の乳酸アシドーシスを予防する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飼料効率及び増体率は、家畜生産における重要な因子である。飼料効率は、動物に規定の量の体重増加をもたらすために必要とされる飼料摂取量に関係する。増体率は、飼料が飼い葉、牧草、及び/または穀物であるかにかかわらず、特定の種類及び/または飼料の量に対する1日の体重増加量(多くの場合1日平均増体量またはADGと呼ばれる)に関係する。種、年齢、遺伝子、気候、ならびに飼料、飼い葉、牧草、及びサプリメントの種類及び量などの、多くの可変事項がこれらの性能基準に影響を及ぼす。
【0003】
メタン(CH)は、自然の生態系(例えば湿地、海、及び湖)、ならびに無脊椎動物及び脊椎動物(例えばシロアリ及び反芻動物)の消化管において見られるメタン生成微生物によって主に生成される温室効果ガスである。人為的な温室効果ガスの排出量は急激に増加しており、大気中のCH濃度は現在では1800年代初頭の2倍を超えている。メタンは太陽光赤外線の吸収に非常に効果的であり、COの25倍を超える地球温暖化係数を有している。結果として、大気中へのその蓄積は気候変動に大きく寄与する。人為的CHの主な発生源の1つは、反芻家畜を含む農業活動に起因する可能性がある。
【0004】
国連から報告されているように、家畜の飼育は、CO当量で測定した場合に、輸送よりも多くの地球温暖化温室効果ガスを発生させる。オーストラリアでは、反芻動物が温室効果ガス総排出量の約10%に寄与すると推定されている。反芻動物は、第一胃内における、及びそれより少ない程度で大腸内における、飼料の嫌気性微生物発酵の副生成物としてCHを生成する。第一胃の微生物群は非常に多様であり、摂取された有機物(OM)を発酵させてCO、H、揮発性脂肪酸(VFA)、及びギ酸を生成するように集合的に作用する、細菌、原生動物、真菌、及びバクテリオファージから構成されている。第一胃の中に存在するメタン生成古細菌は、これらの最終生成物を使用してCHを生成する。CHの生成は、反芻動物の発酵を阻害する可能性のあるHの分圧を低下させるものの、反芻動物の栄養に不可欠なVFAの形成に利用できるエネルギー及び炭素の量も低下させる。反芻動物で生成されるCHのほとんどは、動物によって吐き出され、及びげっぷにより出され、これは総エネルギー摂取量の最大12%の損失に相当する。
【0005】
動物の飼料要求率を改善し、家畜による排出物を低減するための組成物及び方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、反芻動物の微生物群を操作し、発酵に影響を与え、その結果反芻動物の消化で生成されるエネルギーの総量に影響を与えるように配合された成分の混合物を含む組成物に関する。反芻動物に組成物を給餌すると、1日平均増体量の改善、飼料要求率の低減、及びメタン排出量の低減のうちの1つ以上が得られる。反芻動物に組成物を給餌すると、穀物を給餌する際に抗生物質やイオノフォアを摂取させる必要をなくすこともできる。
【0007】
したがって、本開示は、
i)ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミン、及びビタミンEから選択される少なくとも1種のビタミン;
ii)コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の微量元素;
iii)メチオニン、メチオニンヒドロキシ類似体、リシン、ホモシステイン、及びシステインから選択される少なくとも1種の硫黄含有アミノ酸;
iv)オリゴ糖プレバイオティクス及び多糖プレバイオティクスから選択される少なくとも1種のプレバイオティクス;及び
v)少なくとも1種の植物抽出物;
を含む、反芻動物用の組成物を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、B群ビタミンはビタミンB1である。
【0009】
いくつかの実施形態では、ヨウ素はヨウ化カリウムの形態である。
【0010】
いくつかの実施形態では、組成物は、ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミン、及びビタミンEから選択される少なくとも2種のビタミンを含む。別の実施形態では、組成物は、ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミン、及びビタミンEから選択される少なくとも3種のビタミンを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物はオリゴ糖プレバイオティクス及び多糖プレバイオティクスから選択される少なくとも2種のプレバイオティクスを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、オリゴ糖プレバイオティクスはマンナンオリゴ糖(MOS)を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、多糖プレバイオティクスは、β-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の植物抽出物は、Coriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、Myristica fragrans抽出物、Aniba rosaeodora抽出物、Apium graveolens抽出物、Boswellia carterii抽出物、Cananga odorata抽出物、Cedrus atlantica抽出物、Citrus aurantifolia抽出物、Citrus aurantium抽出物、Citrus aurantium var. bergamia抽出物、Citrus limon抽出物、Citrus x paradisi抽出物、Citrus reticulata var.madurensis抽出物、Commiphora myrrha抽出物、Coriandrum sativum抽出物、Cucurbita pepo抽出物、Cupressus sempervirens抽出物、Cymbopogon citratus抽出物、Cymbopogon martini抽出物、Cymbopogon nardus抽出物、Daucus carota抽出物、Eucalyptus polybractea抽出物、Foeniculum vulgare抽出物、Gaultheria procumbens抽出物、Juniperus communis抽出物、Lavandula angustifolia抽出物、Macadamia integrifolia抽出物、Melaleuca alternifolia抽出物、Melaleuca cajuputi抽出物、Melaleuca quinquenervia抽出物、Mentha x piperita抽出物、Mentha spicata抽出物、Ocimum basilicum抽出物、Oenothera biennis抽出物、Origanum majorana抽出物、Origanum vulgare抽出物、Pelargonium graveolens抽出物、Pimpinella anisum抽出物、Pimenta racemose抽出物、Pinus sylvestris抽出物、Piper nigrum抽出物、Pogostemon patchouli抽出物、Prunus armeniaca抽出物、Prunus dulcis抽出物、Rosmarinus officinalis抽出物、Salvia officinalis抽出物、Salvia sclarea抽出物、Santalum album抽出物、Syzygium aromaticum抽出物、Thymus vulgaris抽出物、及びVetiveria zizanioides抽出物から選択される。
【0015】
一実施形態では、組成物は、少なくとも2種の植物抽出物を含む。
【0016】
一実施形態では、組成物は、少なくとも3種の植物抽出物を含む。
【0017】
特定の一実施形態では、植物抽出物は精油である。
【0018】
いくつかの実施形態では、組成物は、粉塵防止剤及び/または担体をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、粉塵防止剤は、約5~10g/kgの量で組成物中に存在する。特定の実施形態では、粉塵防止剤は、約5、6、7、8、9、または10g/kgで組成物中に存在する。
【0020】
いくつかの実施形態では、担体は、約50~100g/kgの量で組成物中に存在する。特定の実施形態では、担体は、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100g/kgで組成物中に存在する。
【0021】
一実施形態では、担体は不活性な植物由来製品である。
【0022】
いくつかの実施形態では、担体は、小麦ポラード及びもみ殻から選択される。
【0023】
一実施形態では、粉塵防止剤は鉱油である。例えば、鉱油は白色鉱油であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、組成物は、3~7MIU/kgのビタミンA、0.2~0.6MIU/kgのビタミンD3、50~100g/kgのビタミンE、及び/または6~10g/kgのビタミンB1を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、組成物は、8~12g/kgの銅、0.05~0.2g/kgのコバルト、0.25~0.75g/kgのヨウ素、6~10g/kgのマンガン、0.02~0.05g/kgのセレン、及び/または14~18g/kgの亜鉛を含む。
【0026】
一実施形態では、組成物は、150~500g/kgのメチオニンまたはメチオニンヒドロキシ類似体を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、組成物は、30~40g/kgのマンナンオリゴ糖(MOS)及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物は、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンE、銅、コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、メチオニン、マンナンオリゴ糖(MOS)、及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含む。
【0029】
一実施形態では、組成物は、約10~60g/kgのCoriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、及び/またはMyristica fragrans抽出物を含む。
【0030】
別の実施形態では、組成物は、約50~60g/kgのCoriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、及び/またはMyristica fragrans抽出物を含む。
【0031】
一実施形態では、組成物は合計約60g/kgの植物抽出物を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、組成物は、液体、プリル、ドライリック、ペレット、またはミールの形態で調製される。
【0033】
いくつかの実施形態では、組成物は、抗生物質及び/またはイオノフォアを含まない。
【0034】
本開示は、さらに、本明細書に記載の組成物を含む、反芻動物に給餌するための栄養サプリメントを提供する。
【0035】
いくつかの実施形態では、サプリメントは、銅、酸化マグネシウム、塩化カリウム、硫黄、塩化ナトリウム、石灰、キャノーラ油、キャノーラミール、小麦、及び籾殻から選択される1種以上の成分を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、組成物またはサプリメントは、タンパク質源、粗飼料、緩衝液、及び/または追加のミネラルのうちの1種以上を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、組成物または栄養サプリメントは、広範囲の放牧における集中的な仕上げ栄養及び/または補足的な給餌を受けている肥育場の反芻動物に給餌するためのものである。
【0038】
本開示は、さらに、本明細書に記載の組成物、または本明細書に記載の栄養サプリメントを含む動物飼料を提供する。
【0039】
いくつかの実施形態では、飼料は、穀物配合飼料と混合された、及び/または栄養補給の一部として供給される、請求項のいずれか1つに記載の組成物または栄養サプリメントを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、動物飼料は、完全配合飼料、例えば反芻動物家畜による消費に適した完全配合飼料である。
【0041】
本開示は、さらに、反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用及び/または水利用を改善する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0042】
本開示は、さらに、反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出を低減する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0043】
本開示は、さらに、反芻動物に満腹感を誘発する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0044】
本開示は、さらに、反芻動物の食物摂取を制御する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0045】
本開示は、さらに、反芻動物の第一胃中のアンモニア保持を改善する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0046】
本開示は、さらに、反芻動物が反芻動物アシドーシスを発症するリスクを低減する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0047】
本開示は、さらに、反芻動物における反芻動物アシドーシスを予防する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0048】
本開示は、さらに、反芻動物家畜生産における抗生物質及び/またはイオノフォアの使用を低減または排除する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物を含む動物飼料、本明細書に記載の栄養サプリメント、及び/または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含み、反芻動物家畜に給餌される動物飼料は低減された量の抗生物質及び/またはイオノフォアを含む、あるいは動物飼料は抗生物質及び/またはイオノフォアを含まない。
【0049】
いくつかの実施形態では、低減された量の抗生物質及び/またはイオノフォアは、抗生物質及び/またはイオノフォアの推奨用量未満である。
【0050】
いくつかの実施形態では、反芻動物は、肥育場配合飼料への導入を受ける。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法は、組成物をミネラル濃縮物、液体、押出加工品、またはプリルとして製剤し、組成物を約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で反芻動物に給餌することを含む。
【0052】
一実施形態では、反芻動物は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、及びシカから選択される。
【0053】
特定の一実施形態では、反芻動物はヒツジであり、方法は、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日でヒツジに給餌することを含む。
【0054】
別の実施形態では、反芻動物はウシであり、方法は、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日でウシに給餌することを含む。
【0055】
さらに別の実施形態では、方法は、組成物を増量剤とともに製剤してミネラルリックまたはペレットを形成すること、組成物を反芻動物に約20グラム~約650グラム/頭/日の割合で給餌することを含む。
【0056】
一実施形態では、反芻動物はウシ及びヒツジから選択される。
【0057】
いくつかの実施形態では、反芻動物はヒツジであり、方法は、ヒツジに約20グラム~約60グラム/頭/日の割合で給餌することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、反芻動物はウシであり、方法は、ウシに約60グラム~約650グラム/頭/日の割合で給餌することを含む。
【0059】
本開示は、さらに、家畜の完全配合飼料に添加するためのサプリメントとしての、本明細書に記載の組成物または本明細書に記載の栄養サプリメントの使用を提供する。
【0060】
本発明は、さらに、反芻動物の飼料要求率、資源利用、及び/または水利用を改善するための、本明細書に記載の組成物または本明細書に記載の栄養サプリメントの使用を提供する。
【0061】
本開示は、さらに、反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出を低減するための、反芻動物に満腹感を誘発するための、反芻動物の食物摂取を制御するための、及び/または反芻動物の第一胃内のアンモニア保持を改善するための、本明細書に記載の組成物または本明細書に記載の栄養サプリメントの使用を提供する。
【0062】
本明細書全体を通じて、「含む(comprise)」という単語、または「含む(comprises、comprising)」などの変形形態は、記載されている要素、完全体(integer)、もしくはステップ、または要素、完全体、もしくはステップの群を含むことを意味すると理解されるが、任意の他の要素、完全体、もしくはステップ、または要素、完全体、もしくはステップの群を除外するものではない。
【0063】
本発明は、以下の非限定的な例によって、及び添付の図面を参照しつつ、以降で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】治療群の動物対対照群の動物における第一胃内のpHである。
図2】対照動物対治療動物における1日平均増体量である。
図3】対照動物対治療動物における飼料効率である。
図4】対照動物対治療動物におけるpH6未満の平均の時間(分)/日である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
基本技術及び定義
別途具体的に定義されていない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者(例えば動物の栄養、飼料配合、家畜管理)によって一般に理解されるものと同じ意味を有すると解釈するものとする。
【0066】
本明細書において使用される「a」、「and(及び)」、及び「the」の単数形は、文脈から明らかにそうでないとの指示がない限り、これらの単語の複数形を含む。
【0067】
「及び/または」という用語、例えば、「X及び/またはY」は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味すると理解され、両方の意味またはいずれかの意味を明示的にサポートするように解釈されるものとする。
【0068】
本明細書において使用される「予防する(preventing)」、「予防する(prevent)」、または「予防(prevention)」という用語は、例えば反芻動物のアシドーシスなどの疾患または状態のうちの少なくとも1つの症状の発症を止めるか妨げるのに十分な有効量の組成物、サプリメント、または飼料を反芻動物に投与することを含む。
【0069】
「約」という用語は、本明細書ではおおよそを意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲と組み合わせて使用される場合、これは記載されている数値の上下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。通常、「約」という用語は、本明細書では、記載されている値の上下の数値を上下に(より高くまたはより低く)10%変更するために使用される。
【0070】
組成物
当該技術分野で理解されているように、反芻動物は、食物を複数回噛むことによって植物系の食物を消化する哺乳動物である。反芻動物は、食物を最初に噛み、飲み込み、部分的に柔らかくし、逆流させ、再び噛み、その後消化するプロセスによって栄養を獲得する。反芻動物には、ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、ヤク、シカ、アンテロープ、及びその他の関連する動物が含まれる。
【0071】
本明細書に記載の組成物及び方法は、発酵に影響を与え、その結果反芻動物の消化において生成されるエネルギーの全体量に影響を与えるために、反芻動物の微生物群を操作するためのものである。反芻動物に組成物を給餌すると、1日平均増体量の改善、飼料要求率の低減、及びメタン排出量の低減のうちの1つ以上が得られる。反芻動物に組成物を給餌すると、穀物を給餌する際に抗生物質やイオノフォアを摂取させる必要をなくすこともできる。
【0072】
本明細書に記載の組成物は、増量剤と任意選択的な追加の成分とを添加して反芻動物用の栄養サプリメントとして使用できるように配合される。あるいは、組成物または栄養サプリメントは、完全配合動物飼料にブレンドされてもよい。
【0073】
例えば、本明細書に記載の組成物は、動物飼料の製造業者によって調製されてもよく、あるいは動物飼料の製造業者に出荷されてもよい。その後、組成物は、増量剤(例えばキャノーラミール、小麦、及び/または籾殻)などのその他の成分、ならびに任意選択的な例えば銅、酸緩衝液、酸化マグネシウム、塩化カリウム、硫黄、塩、石灰、及び/または植物油などの追加のミネラル及び成分を添加することによって、反芻動物用の栄養サプリメントへと配合することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物または栄養サプリメントは、小麦、大麦、ルパンマメ、ヒヨコマメ、干し草、及び/または糖蜜などの追加の成分を含む動物飼料、すなわち完全配合飼料へと配合することができる。当該技術分野で理解されるように、動物飼料は典型的には栄養的に完全である。
【0075】
ビタミン
本明細書に記載の組成物は、ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミン、及びビタミンEから選択される1種以上のビタミンを含む。
【0076】
ビタミンAは、細胞膜の完全性及び免疫において重要な役割を果たす脂溶性ビタミンである。ビタミンAは、臓器の発達、細胞の増殖、細胞の分化に影響を与える。いくつかの実施形態では、組成物は、約3~7MIU/kg、例えば約3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、または7MIU/kgの量のビタミンAを含んでいてもよい。
【0077】
ビタミンDの主な機能は、骨及びその他の身体機能の正常な石灰化をサポートするレベルまで血漿カルシウム及びリンを上昇させることである。ビタミンDはマグネシウムの吸収も促進する。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.2~0.6MIU/kg、例えば約0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、または0.6MIU/kgの量のビタミンDを含んでいてもよい。一実施形態では、ビタミンDはビタミンD3である。
【0078】
ビタミンEは、生殖、循環、神経、及び免疫系の完全性及び最適な機能に重要であることが示されている。ビタミンEは抗酸化剤として非常に有効である。いくつかの実施形態では、組成物は、約50~100g/kg、例えば約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100g/kgの量のビタミンEを含んでいてもよい。
【0079】
B群ビタミンは、細胞代謝において重要な役割を果たす水溶性ビタミンの分類である。これらのビタミンは似た名称を共有しているものの、同じ食物中に共存していることが多い化学的に異なる化合物である。一般的に、8種全てを含む栄養サプリメントはビタミンB複合体と呼ばれる。個々のビタミンBサプリメントは、各ビタミンの特定の番号または名称で呼ばれる。B群ビタミンには、ビタミンB1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B3(ニコチンアミド)、B5(パントテン酸)、B6(ピリドキシン)、B7(ビオチン)、B9(葉酸)、B12(コバラミン)が含まれる。一実施形態では、B群ビタミンは、ビタミンB1であってもよい。ビタミンB1(チアミン)は、糖代謝(クレブス回路)において重要な役割を果たしており、炭水化物の消費量の増加に伴いチアミンの必要量が増加する。食餌のチアミンが不足している場合、脂肪とタンパク質が多い餌を与えられた動物よりも高炭水化物の餌を与えられた動物の方が、体の蓄えが急激に枯渇する。いくつかの実施形態では、B群ビタミンは、約6~10g/kg、例えば約6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10g/kgの量で組成物中に存在する。
【0080】
微量元素
本明細書に記載の組成物は、例えば、銅、コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、及び亜鉛から選択される微量元素などの1種以上の微量元素を含む。銅は、エネルギー代謝、神経系機能、骨形成、及びヘモグロビン生成に深く関与している金属酵素である。キレート化された形で供給されると、拮抗薬からミネラルが保護され、小腸に到達した際により効率的に吸収されることができる。その結果、バイオアベイラビリティ及び消化管安定性が大きくなる。いくつかの実施形態では、銅は、約8~12g/kg、例えば約8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、または12g/kgで組成物中に存在する。
【0081】
コバルトは、第一胃の微生物によってB12を合成するために使用される。ビタミンB12は、多数の基本的な代謝機能を実行する複数の酵素システムの主要部分である。ほとんどの反応は、メチル基などの1炭素単位の移動または合成を伴う。ビタミンB12は、コリン、メチオニン、及び葉酸などの他の必須栄養素と代謝的に関連している。ビタミンB12の最も重要な役割は核酸とタンパク質の代謝に関するものであるが、これは脂肪と炭水化物の代謝においても機能する。ビタミンB12の機能の概要は、(a)プリン及びピリミジンの合成;(b)メチル基の転移;(c)アミノ酸からのタンパク質の形成;及び(d)炭水化物及び脂肪の代謝;を含む。ビタミンB12の基本機能は、赤血球合成を促進し、神経系の完全性を維持することであり、これらは欠乏状態で著しく影響を受ける機能である。ビタミンB12の主な役割は、酵素であるメチオニンシンターゼ及びメチルマロニル-CoAムターゼの必須補因子である。メチオニンシンターゼは、葉酸(N5-メチルテトラヒドロ葉酸)からホモシステインへのメチル基の移動を生じさせ、メチオニンを形成する。そのため、ビタミンB12の欠乏は、メチオニンの供給及びメチル基の代謝リサイクルを低下させる。いくつかの実施形態では、コバルトは、約0.05~0.2g/kg、例えば約0.05、0.1、0.15、または0.2g/kgで組成物中に存在する。
【0082】
ヨウ素は、動物のエネルギー代謝を調節する甲状腺ホルモン、サイロキシン(T4)及びトリヨードサイロニン(T3)の合成において重要である。甲状腺ホルモンは、体の維持に必要なエネルギーの構成要素である基礎代謝率の設定に関与している。いくつかの実施形態では、ヨウ素は、約0.25~0.75g/kg、例えば約0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、または0.75g/kgで組成物中に存在する。
【0083】
マンガンの主な役割は、酵素活性化剤である。マンガンは、骨及び軟骨の有機マトリックスを形成するムコ多糖及び糖タンパク質の生成に寄与する酵素の活性化に関与している。いくつかの実施形態では、マンガンは、約6~10g/kg、例えば約6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10g/kgで組成物中に存在する。
【0084】
セレンは、細胞の抗酸化剤として作用するグルタチオンペルオキシダーゼ酵素の不可欠な成分である。この酵素の主な役割は、過酸化水素を水に変換することによって細胞膜を損傷から保護することである。過酸化水素及び細胞還元経路の他の中間体は、細胞膜に損傷を与え、細胞機能を破壊する可能性があり、動物の健康に悪影響を及ぼす場合がある。いくつかの実施形態では、セレンは、約0.02~0.5g/kg、例えば約0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、または0.05g/kgで組成物中に存在する。
【0085】
亜鉛は、酵素系で大部分がまたは完全に機能し、タンパク質合成、炭水化物代謝、及び他の多くの生化学反応に関与する、動物に必須の栄養素である。亜鉛は、ビタミンAの形成、貯蔵、及び分布に関してベータカロテンと密接な関係を有している。いくつかの実施形態では、亜鉛は、約14~18g/kg、例えば約14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、または18g/kgで組成物中に存在する。
【0086】
硫黄含有アミノ酸(メチオニン及びメチオニン類似体)
第一胃内の微生物は、栄養素を分解して揮発性脂肪酸を生成し、反芻動物へのエネルギー及びタンパク質の供給として微生物タンパク質を合成する。反芻動物は第一胃微生物と共生関係を築いている。反芻動物は栄養素及び最適な環境条件を提供する。微生物は飼料を分解してエネルギー源として揮発性脂肪酸を生成し、反芻動物のタンパク質源として微生物タンパク質を合成する。第一胃微生物タンパク質は、反芻動物の主要なアミノ酸源である。微生物タンパク質は反芻動物のアミノ酸の70%~100%を供給することができる。微生物タンパク質の生成量が多いと、第一胃分解性タンパク質を供給する必要性を減らすことができる。第一胃で生成し、その後消化管を通過する微生物は、全てのタンパク要求量の60~80%を供給することができる。
【0087】
メチオニン及びシステインは、2つの主要な硫黄含有アミノ酸である。メチオニンは必須アミノ酸であり、食餌摂取により得られる一方で、システインは必須ではなく、メチオニン代謝の代謝物である。
【0088】
1973年に、メチオニン(硫黄含有アミノ酸)が飼料で自由に利用可能である場合、細菌量が増加し、メチオニンが制限されている場合には、細菌量は増加しないことが示された。無機硫黄は微生物バイオマス全体に寄与した一方で、メチオニンヒドロキシル類似体(MHA)はかなりの総微生物量を生成した。微生物合成タンパク質の量を増やして供給することにより、下流に波及効果が及び、食欲(満腹感)、エネルギー利用、及びビタミン生成にプラスの結果的影響を与え、これらは全て性能の改善をもたらす。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、メチオニン及び/またはMHAから選択される硫黄含有アミノ酸または類似体を含み得る。いくつかの実施形態では、メチオニンまたはMHAは、約100~500g/kg、例えば約100、150、200、250、300、350、400、450、または500g/kgで組成物中に存在する。
【0090】
プレバイオティクス
プレバイオティクスは、有益な細菌の増殖を優先的に刺激する非消化性物質である。ほとんどのプレバイオティクスは、例えば様々な植物性や微生物性の供給源から入手可能なオリゴ糖、ガラクタン、及びβ-グルカンなどの発酵性炭水化物である。具体的な例としては、マンナンオリゴ糖(MOS)、β-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコース、アラビノガラクタン、フルクトオリゴ糖(FOS)、及びFOSを生成する多糖であるイヌリンが挙げられる。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、マンナンオリゴ糖(MOS)及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースから選択されるプレバイオティクス、またはマンナンオリゴ糖(MOS)とβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースとの組み合わせを含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、プレバイオティクスは、約30~40g/kg、例えば約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40g/kgで組成物中に存在する。
【0093】
植物抽出物
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の植物抽出物は、Coriandum sativum(コリアンダー)抽出物、Daucus carota(ニンジン種子)抽出物、Myristica fragrans抽出物、Anibar saeodora(ローズウッド)抽出物、Apium graveolens(セロリ種子)抽出物、Boswellia carterii(乳香)抽出物、Cananga odorata(イランイラン)抽出物、Cedrus atlantica(シダーウッド)抽出物、Citrus aurantifolia(ライム)抽出物、Citrus aurantium(オレンジ;ペティグレン)抽出物、Citrus aurantium var.bergamia(ベルガモット)抽出物、Citrus limon(レモン)抽出物、Citrus x paradisi(グレープフルーツ)抽出物、Citrus reticulata var.madurensis(マンダリン)抽出物、Commiphora myrrha(没薬)抽出物、Cucurbita pepo(カボチャ)抽出物、Cupressus sempervirens(ヒノキ)抽出物、Cymbopogon citratus(レモングラス)抽出物、Cymbopogon martini(パルマローザ)抽出物、Cymbopogon nardus(シトロネラ)抽出物、Eucalyptus polybractea(ユーカリ)抽出物、Foeniculum vulgare(フェンネル)抽出物、Gaultheria procumbens(ウィンターグリーン)抽出物、Juniperus communis(ジュニパー)抽出物、Lavandula angustifolia(フレンチラベンダー)抽出物、Macadamia integrifolia(マカダミア)抽出物、Melaleuca alternifolia(ティーツリー)抽出物、Melaleuca cajuputi(カユプテ)抽出物、Melaleuca quinquenervia(ニアウリ)抽出物、Mentha x piperita(ペパーミント)抽出物、Mentha spicata(スペアミント)抽出物、Ocimum basilicum(バジル)抽出物、Oenothera biennis(イブニングプリムローズ)抽出物、Origanum majorana(マジョラム)抽出物、Origanum vulgare(オレガノ)抽出物、Pelargonium graveolens(ゲラニウム)抽出物、Pimpinella anisum(アニスシード)抽出物、Pimenta racemose(ベイ)抽出物、Pinus sylvestris(マツ)抽出物、Piper nigrum(ブラックペッパー)抽出物、Pogostemon patchouli(パチョリ)抽出物、Prunus armeniaca(アプリコットカーネル)抽出物、Prunus dulcis(スイートアーモンド)抽出物、Rosmarinus officinalis(ローズマリー)抽出物、Salvia officinalis(セージ)抽出物、Salvia sclarea(クラリセージ)抽出物、Santalum album(サンダルウッド)抽出物、Syzygium aromaticum(クローブ)抽出物、Thymus vulgaris(タイム)抽出物、Vetiveria zizanioides(ベチバー)抽出物、及びZingiber officinale(ジンジャー)抽出物から選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、植物抽出物は、約10~60g/kg、例えば約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60g/kgで組成物中に存在する。
【0095】
飼料要求率の改善
本開示は、反芻動物の飼料要求率または飼料効率を改善する方法を提供する。飼料要求率(または飼料要求比または飼料要求割合)は、家畜の体が動物飼料を望まれる生産物に変換する効率の尺度である。例えば、乳牛では、望まれる生産物は牛乳である一方で、肉牛などの肉用に飼育された動物では、生産物は肉、すなわち動物の体重である。飼料要求率は、入力質量を出力で割ったものである。対照的に、飼料効率は出力を入力で割ったものである(すなわち飼料要求率の逆数)。
【0096】
本実施例では、本明細書に記載の組成物を反芻動物に給餌すると、飼料効率が改善され、または飼料要求率が増加した。したがって、本開示は、反芻動物において飼料要求率を増加させるか飼料効率を改善する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、栄養サプリメント、及び/または動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【0097】
反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出量の削減
ウシ及びヒツジが飼料を消化する場合、それらが消費する飼料エネルギーの2~10パーセントがメタンガスの形態で失われる。これは、動物の胃(第一胃)に天然に生息している消化を助ける微生物の活動によって引き起こされる。メタンガス(CH)は、動物によって大気中に放出される。簡単に言えば、それらは供給エネルギーを筋肉に変換するのではなく「漏出」させる。メタンは有力な温室効果ガスでもあり、オーストラリアでは、全ての温室効果ガス排出量の約10%、及び農業排出物の3分の2が、ウシ及びヒツジによって生成されたメタン由来である。家畜は、メタンに加えて、亜酸化窒素(NO)も排出する。
【0098】
本明細書に記載の組成物、栄養サプリメント、及び/または動物飼料を反芻動物に給餌することにより、反芻動物からのメタン及び亜酸化窒素の排出は、反芻動物に従来の家畜飼料または完全配合飼料を給餌する場合と比較して減少する。
【0099】
満腹感の誘発/飼料摂取量の制御
本明細書で使用される「満腹感」は、栄養の必要性を満たしていること、及び「お腹が一杯である」として説明されることが多い空腹感の消滅を指す。満腹感応答とは、突然のまたは先細りの採食の停止などの、十分な量の食物を消費したことと一致することが観察された行動の特徴を指す。しかしながら、満腹感応答をもたらす生物学的メカニズムは、しばしば段階的または遅延した形で引き起こされるため、通常、動物が停止する前に摂取した食物の量と一致せず、その結果、動物は適切なまたは最も効率的な量よりも多くの栄養成分を消費する。満腹誘発剤は、満腹感応答の開始を加速させる。すなわち、満腹誘発剤を含む動物飼料組成物は、満腹誘発剤を含まない同様の動物飼料組成物よりも早い時点で満腹感応答を誘発する。
【0100】
本開示の組成物、栄養サプリメント、及び動物飼料は、例えば典型的には反芻動物の栄養における第1制限アミノ酸の1つであるメチオニン(またはメチオニンヒドロキシル類似体)などの成分を含む。豊富なメチオニンを供給することにより、反芻動物において食餌摂取量を増加させる駆動因子を抑制できると考えられる。これにより、見込まれるよりも飼料摂取量が少なくなる。
【0101】
さらに、本明細書に記載の組成物、栄養サプリメント、及び動物飼料中の成分は、プロピオン酸に有利に揮発性脂肪酸(VFA)の比率を変化させると考えられる。プロピオン酸は第一胃壁を通って血流の中に運ばれ、肝臓に取り込まれる。肝臓は、グルコースを生成するための主要な燃料源としてプロピオン酸を使用する。肝臓によるプロピオン酸吸収の増加、及びそれに続くプロピオン酸のグルコースへの代謝により、満腹ホルモンが産生される。
【0102】
したがって、メチオニンとプロピオン酸の両方のレベルを増加させることにより、総食餌要求量が低下し、その結果反芻動物の総飼料効率が改善される。
【0103】
アンモニア保持
反芻動物が必要とするエネルギー及び栄養素のほとんどは、反芻動物の消化器系内の微生物によって飼料から得られる。窒素含有物質は、天然タンパク質であっても、尿素などの非タンパク質源であってもよく、これらは第一胃の微生物によって分解され、アミノ酸及びタンパク質に変換されることができる。尿素と天然タンパク質の両方が第一胃内の微生物によってアンモニアと炭素断片とに分解され、その後、炭水化物分解生成物と一緒に再構成されてアミノ酸が形成される。アミノ酸は、その後宿主動物によって使用され得るタンパク質を構成するために使用することができる。炭水化物分解プロセスは、アミノ酸再構成プロセスのためのエネルギーを供給する。
【0104】
しかしながら、尿素は宿主動物に効率的に使用されない場合がある。第一胃内では、尿素はウレアーゼによって非常に速い速度で、通常は微生物によって尿素が有用な生成物に変換され得る速度を超える速度で、アンモニアに変換され得る。残されたアンモニアは尿素に戻されて尿と共に排出されることができ、あるいは動物に毒性レベルまで蓄積される場合がある。尿中に排出された尿素は、糞便や土壌でよく見られるウレアーゼと接触することにより、地面でアンモニアに変換される場合がある。空気中では、アンモニアは、他の化合物と結合して微粒子状の硝酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを形成する場合がある。これらの粒子はヒトの健康に対する懸念があり、大気浄化法(Clean Air Act)の下で規制されている。そのため、尿素からのアンモニアの生成を調整して消化器系に最適なアンモニア濃度を提供し、動物飼養の実施由来のアンモニアの放出を最小限に抑えることが望ましい。
【0105】
理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載の組成物、栄養サプリメント、及び動物飼料は、第一胃内の微生物を操作し、その結果発酵を操作するように機能して、他の揮発性脂肪酸よりも大量のプロピオン酸を生成すると考えられる。結果として、アンモニアの第一胃壁間移動が低下し、肝臓での解毒要求が減少するため、生産量が改善される。
【0106】
動物飼料からの抗生物質の低減または除去
特定の抗生物質は、治療量未満の低用量で投与されると、飼料要求効率を改善することが知られており(所定量の飼料に対する筋肉や牛乳などのより多くの生産物)、おそらく腸管内菌叢に影響を与えることによって、より成長を促進することができる。これらの抗生物質の一部にはイオノフォアが含まれる。家畜の飼料要求率及び体重増加を増やすために使用される薬物としては、バシトラシン、バンベリシン、カルバドックス、レイドロマイシン、ラサロシド、モネンシン、ネオマイシン、ペニシリン、ロキサルソン、サリノマイシン、タイロシン、及びバージニアマイシンが挙げられる。
【0107】
家畜への抗生物質の使用は、ヒトへの使用を大幅に上回っている。一部の地域における抗生物質の使用に関するデータ収集は十分には文書化されていないものの、2013年の世界の抗生物質の獣医消費量は約131,000トンであり、抗生物質の総消費量の約70~80%であると推定されている。
【0108】
家畜における抗生物質の使用は、ヒトの治療用途のための抗生物質の有効性に重大な脅威をもたらすと考えられている。国連は、家畜における抗生物質の使用に関する広範なガイドラインを発行し、家畜生産における医学的に重要な抗生物質の使用を全体的に削減することについての強い勧告を発表した。
【0109】
本明細書に記載のように、本明細書に記載の組成物、栄養サプリメント、及び/または動物飼料を反芻動物家畜に給餌すると、抗生物質及び/またはイオノフォアを添加せずに飼料要求率が増加する。したがって、本開示は、反芻動物家畜生産における抗生物質及び/またはイオノフォアの使用を低減または排除する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物を含む動物飼料、本明細書に記載の栄養サプリメント、及び/または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物家畜に給餌することを含み、反芻動物家畜に給餌される動物飼料は、標準投与量と比較して低減された量の抗生物質及び/またはイオノフォアを含む、あるいは動物飼料は抗生物質及び/またはイオノフォアを含まない。
【0110】
抗生物質及び/またはイオノフォアの「低減された量」とは、反芻家畜の動物飼料に典型的に含まれており有効であると考えられている抗生物質及び/またはイオノフォアの量の50%未満、40%未満、または30%、20%、10%、もしくは5%未満を動物飼料が含むことを意味する。
【0111】
肥育場配合飼料への導入
当業者によって理解されるように、導入は、家畜が肥育場または集約仕上げシステムに到着した時の管理プロセスであり、新しく到着した家畜の健康及び福祉を保証する。導入に関する考慮事項には、典型的には、トレーサビリティ、健康及び福祉の手順、ならびに性能管理が含まれ得る。導入プロセスの一環として、肥育場に到着した直後に、きれいな水と新鮮な干し草を動物に供給する必要がある。その後、動物を徐々に肥育場配合飼料に導入することができる。例えば、肥育場に到着した後、子羊は、任意に穀物の干し草ときれいな冷水を入手できる状態で、1日目の午前に1頭あたり50gの肥育場配合飼料をトレイルフィードされ、1日目の午後に1頭あたり50gの肥育場配合飼料をトレイルフィードされる。この肥育場配合飼料は、午前に及びさらに午後に1頭あたり200gの肥育場配合飼料まで、3~5日かけて徐々に増加させることができる。その頃には、動物は自動給餌器のトレイで肥育場配合飼料の50%を供給される場合もある。7日目頃までに、動物は午前と午後に1頭あたり約350gの肥育場配合飼料を受け入れることができ、肥育場配合飼料の75%が自動給餌器のトレイに供給される。10日目から11日目頃までに、干し草を交換せずに消費できるようにしながら、動物は完全な肥育場配合飼料を受け入れることができる。当業者であれば、ウシなどの他の反芻動物に適したプロトコルを決定することができるであろう。
【0112】
第一胃アシドーシスの予防
反芻動物のアシドーシスは、反芻動物の重大な障害としてますます認識されてきている。この状態は、家畜の罹患率及び死亡率を増加させ、肥育場での体重増加を著しく低下させ、ヒツジ及びウシの干ばつ給餌戦略を複雑にし、畜産及び大規模酪農においてますます認識されてきている。これは、高品質の牧草や穀物を給餌されている反芻動物の最も重大な健康障害の1つの場合がある。
【0113】
アシドーシスは、血液及び体組織における酸の蓄積またはアルカリ貯蔵物の枯渇に関連する病的状態であり、水素イオン濃度の増加によって特徴付けられる。第一胃アシドーシスとは、牛の第一胃のpHの低下を反映する一連の状態を指す。第一胃乳酸アシドーシス(穀物過負荷、穀物中毒、急性消化不良)は、第一胃発酵性炭水化物が多く含まれる不慣れな飼料を大量に摂取したヒツジやウシで発症する。
【0114】
結果として生じる大量の揮発性脂肪酸(VFA)及び乳酸の生成は、第一胃のpHを非生理学的水準にまで低下させ、それと同時に第一胃の緩衝能力を弱め、第一胃フローラ及び発酵の効率を低下させる。乳酸アシドーシスは、第一胃炎、代謝性アシドーシス、跛行、肝膿瘍、肺炎、及び死を引き起こす可能性がある。アシドーシスは、臨床的と亜臨床的の2つのカテゴリーに分けることができる。
【0115】
亜臨床的アシドーシスに多くの場合関連する徴候には、乳脂肪含有量、飼料要求率、飼料摂取量の減少、及び繊維消化の低下、跛行を引き起こす蹄葉炎、肝臓膿瘍、下痢、及び第四胃の左右の変位のより高い発生率が含まれる。亜臨床的アシドーシスは、多くの場合、かなり多い群れの併発及び明らかな臨床徴候が明らかになるまで、認識も診断もされないままである。この段階では、大きな経済的損失や、群れの跛行の高い有病率などの長期的な健康問題を免れない可能性がある。
【0116】
本開示は、反芻動物における反芻動物のアシドーシスのリスクを低減する、または予防する方法を提供する。方法は、本明細書に記載の組成物、栄養サプリメント、及び/または動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。一例では、組成物、栄養サプリメント、及び/または動物飼料は、反芻動物のアシドーシスのリスクを低減するか予防するために、肥育場配合飼料を導入する間に反芻動物に給餌される。肥育場配合飼料は、例えば、穀物と乾燥粗飼料とに基づいており、平均乾物含量は約80%~90%である。
【0117】
当業者であれば、本開示の広い一般的な範囲から逸脱することなしに、上述した実施形態に対して多数の変形及び/または修正を行い得ることを理解するであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【実施例
【0118】
実施例1.組成物の配合
試験組成物は、ビタミン、微量元素、メチオニン、プレバイオティクス、植物抽出物、粉塵防止剤、及び担体を含むように配合した。試験組成物に配合した成分を表1に示す。この表には、成分の好ましい範囲だけでなく、以降の実施例で使用される試験組成物の成分量も示されている。
【表1】
【0119】
実施例2.商業用牛肥育場-60日間の導入試験
本明細書に記載の試験組成物Dを用いた農場試験を、商業規模の牛肥育場で実施した。この試験は、i)5%の試験組成物を含む試験用飼料を給餌された70頭が入った1つの囲い;ii)イオノフォアを含む代替製品からなる飼料2;及びiii)イオノフォアを含む別の代替製品からなる飼料3:の3つの処理から構成された。3つの処理の概要を表2に示し、試験結果を表3に示す。
【表2】
【表3】
【0120】
表3に示されているように、試験組成物を投与された処理群は、約44%の経済的利益の増加を達成した。これは、飼料利用率の改善、飼料要求率の改善、1日平均増体量の改善、全体の合計kg増体量の改善、及び配合飼料コストに基づいた増体コストの削減に基づいて計算した。
【0121】
実施例3.集中的な牛の給餌試験
表1で指定した成分濃度の複数の組成物を、複数の場所における牛の給仕試験において評価した。牛に給餌した基本飼料の組成は、試験全体で比較的一貫して維持された。基本飼料の組成を表4に示す。
【表4】
【0122】
飼料効率の過去の長期平均は、飼料として約6.8~7:1で揺れていた。これは、生体の体重を1kg増やすために上記試料を約6.8~7kg要することを意味する。その場合、この飼料効率は、1.7~1.8kg/頭/日の1日平均増体量に相当する。以下の表5に示されている結果は、5か月間にわたる様々な場所からのものである。データセットは約5000頭の牛である。
【表5】
【0123】
実施例4.集中的な羊の給餌試験
本明細書に記載の組成物を、複数の場所での羊給餌試験において評価した。羊に給餌した基本飼料の組成は、試験全体で比較的一貫して維持された。基本飼料の組成を表6に示す。
【表6】
【0124】
飼料効率の過去の長期平均は、飼料として約4:1~4.5:1で揺れていた。これは、生体重を1kg増やすために上記試料を約4kg~4.5kg要することを意味する。その場合、この飼料効率は260g~280g/頭/日の1日平均増体量に相当する。5か月間にわたる様々な場所からの結果を表7に示す。
【表7】
【0125】
実施例5.羊ペレット給餌試験における組成物の評価
この試験では、1日平均増体量、飼料効率、死亡率、罹患率(プルレート)、及び平均糞便スコアを含む重要な測定指標を測定した。
【0126】
以下の健康治療は、給餌試験の開始前に投与した:ビタミンAD及びE、筋肉内1ml;クロストリジウムワクチン(1mlの6in1 SB12、皮下);多群内部寄生虫治療。
【0127】
試験において羊に給餌された飼料は、75%の穀物(小麦または大麦);20%ルパンマメ;及び5%の試験組成物;を含んでいた。
【0128】
子羊の体重を量り、個体間で5kg以下の変動の体重別階級にグループ分けした。動物は、治療群と対照群の両方で使用するためにランダム化した。治療あたり250頭以下の子羊であった(試験組成物A)。
【0129】
各動物には、最低3mの囲いスペース、最低50mmの給餌トラフスペース、及び最低20mmの水トラフスペースが割り当てられた。
【0130】
試験データを表8に示す。
【表8】
【0131】
実施例6.肥育牛における乳酸アシドーシスの低減
10頭のアンガス牛に、75%の押し麦をベースとした標準的な肥育場仕上げ配合飼料(「対照飼料」)(表1)、または本開示の試験組成物を含む同じ飼料を、5頭の牛/飼料で給餌した。対照飼料には業界標準の慣行として22~25ppmのモネンシンが含まれていた一方で、試験組成物にはモネンシンは含まれていなかった。
【0132】
牛に一定量の乾物(平均体重の2%に相当)を与え、20日間飼料に徐々に慣れさせ、表9に従って1日1回給餌した。
【表9】
【0133】
全ての動物は、リアルタイムのpH変動を監視することができるロガーにデータを無線で供給する第一胃内pH測定装置(留置Smaxtekセンサー)を含む。
【0134】
治療群対対照群の第一胃内pH測定の結果を表10及び図1に示す。対照群の平均第一胃内pHは、治療群における5.74に対して5.68であった。さらに、いずれの治療動物もアシドーシスとして分類される第一胃内pHを有していなかった一方で、対照動物の1頭は乳酸アシドーシスに入り、2頭目の対照動物はアシドーシス状態のpH5.5未満の閾値に近かった。
【0135】
図2は、治療群の動物の1日平均増体量が対照群よりも大きかったことを示している。図3に示されているように、治療群の動物は対照群と比較してより高い飼料効率を示した。図4は、治療群の動物の第一胃が、対照群と比較してpH6未満で過ごす1日あたりの時間(分)が少ないことを示している。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2019-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミンB、及びビタミンEから選択される少なくとも1種のビタミン;
ii)コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の微量元素;
iii)メチオニン、メチオニンヒドロキシ類似体、リシン、ホモシステイン、及びシステインから選択される少なくとも1種の硫黄含有アミノ酸;
iv)オリゴ糖プレバイオティクス及び多糖プレバイオティクスから選択される少なくとも1種のプレバイオティクス;及び
v)少なくとも1種の植物抽出物;
を含有する反芻動物用の組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の植物抽出物が、Coriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、Myristica fragrans抽出物、Aniba rosaeodora抽出物、Apium graveolens抽出物、Boswellia carterii抽出物、Cananga odorata抽出物、Cedrus atlantica抽出物、Citrus aurantifolia抽出物、Citrus aurantium抽出物、Citrus aurantium var. bergamia抽出物、Citrus limon抽出物、Citrus x paradisi抽出物、Citrus reticulata var.madurensis抽出物、Commiphora myrrha抽出物、Coriandrum sativum抽出物、Cucurbita pepo抽出物、Cupressus sempervirens抽出物、Cymbopogon citratus抽出物、Cymbopogon martini抽出物、Cymbopogon nardus抽出物、Daucus carota抽出物、Eucalyptus polybractea抽出物、Foeniculum vulgare抽出物、Gaultheria procumbens抽出物、Juniperus communis抽出物、Lavandula angustifolia抽出物、Macadamia integrifolia抽出物、Melaleuca alternifolia抽出物、Melaleuca cajuputi抽出物、Melaleuca quinquenervia抽出物、Mentha x piperita抽出物、Mentha spicata抽出物、Ocimum basilicum抽出物、Oenothera biennis抽出物、Origanum majorana抽出物、Origanum vulgare抽出物、Pelargonium graveolens抽出物、Pimpinella anisum抽出物、Pimenta racemose抽出物、Pinus sylvestris抽出物、Piper nigrum抽出物、Pogostemon patchouli抽出物、Prunus armeniaca抽出物、Prunus dulcis抽出物、Rosmarinus officinalis抽出物、Salvia officinalis抽出物、Salvia sclarea抽出物、Santalum album抽出物、Syzygium aromaticum抽出物、Thymus vulgaris抽出物、及びVetiveria zizanioides抽出物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が少なくとも3種の植物抽出物を含有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記植物抽出物が精油である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物
【請求項5】
粉塵防止剤及び/または担体をさらに含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記担体が小麦ポラード及びもみ殻から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、3~7MIU/kgのビタミンA、0.2~0.6MIU/kgのビタミンD3、50~100g/kgのビタミンE、及び/または6~10g/kgのビタミンB1を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、8~12g/kgの銅、0.05~0.2g/kgのコバルト、0.25~0.75g/kgのヨウ素、6~10g/kgのマンガン、0.02~0.05g/kgのセレン、及び/または14~18g/kg亜鉛を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が150~500g/kgのメチオニンまたはメチオニンヒドロキシ類似体を含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、30~40g/kgのマンナンオリゴ糖(MOS)及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンE、銅、コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、メチオニン、マンナンオリゴ糖(MOS)、及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、約10~60g/kgのCoriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、及び/またはMyristica fragrans抽出物を含有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、液体、プリル、ドライリック、ペレット、またはミールの形態で調製される、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が抗生物質及び/またはイオノフォアを含まない、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物を含有する、反芻動物に給餌するための栄養サプリメント。
【請求項16】
前記サプリメントが、酸化マグネシウム、塩化カリウム、硫黄、塩化ナトリウム、石灰、キャノーラ油、キャノーラミール、小麦、及び籾殻から選択される1種以上の成分を含有する、請求項15に記載の栄養サプリメント。
【請求項17】
タンパク質源、粗飼料、緩衝液、及び/または追加のミネラルのうちの1種以上を含有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物または請求項15もしくは請求項16に記載の栄養サプリメント。
【請求項18】
前記組成物が、広範囲の放牧における集中的な仕上げ栄養及び/または補足的な給餌を受けている肥育場の反芻動物に給餌するためのものである、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物または請求項15もしくは請求項16に記載の栄養サプリメント。
【請求項19】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物または請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメントを含む、動物飼料。
【請求項20】
穀物配合飼料と混合された及び/または栄養補給の一部として供給される前記組成物または前記栄養サプリメントを含有する、請求項19に記載の動物飼料。
【請求項21】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用の改善方法。
【請求項22】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出の低減方法。
【請求項23】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の満腹感の誘発方法。
【請求項24】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の食物摂取の制御方法。
【請求項25】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の第一胃中のアンモニア保持の改善方法。
【請求項26】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の反芻動物アシドーシス発症リスクの低減方法。
【請求項27】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物における反芻動物アシドーシスの予防方法。
【請求項28】
請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20の動物飼料を反芻動物家畜に給餌することを含む、反芻動物家畜生産における抗生物質及び/またはイオノフォアの使用の低減または排除方法。
【請求項29】
前記組成物をミネラル濃縮物、液体、押出加工品、またはプリルとして製剤すること、および前記組成物を約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で前記反芻動物に給餌すること、を含む、請求項21~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記反芻動物がウシ、ヒツジ、ヤギ、及びシカから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記反芻動物がヒツジであり、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日で前記ヒツジに給餌することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記反芻動物がウシであり、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日で前記ウシに給餌することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物を増量剤とともに製剤してミネラルリックまたはペレットを形成すること、及び前記組成物を前記反芻動物に約20グラム~約650グラム/頭/日の割合で給餌することを含む、請求項21~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記反芻動物がウシ及びヒツジから選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記反芻動物がヒツジであり、前記ヒツジに約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で給餌することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記反芻動物がウシであり、前記ヒツジに約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で給餌することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
家畜の完全配合飼料に添加するためのサプリメントとしての、請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、または請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメントの使用。
【請求項38】
反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用を改善するための、請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20に記載の動物飼料の使用。
【請求項39】
反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出を低減するための、反芻動物に満腹感を誘発するための、反芻動物の食物摂取を制御するための、及び/または反芻動物の第一胃内のアンモニア保持を改善するための、請求項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、請求項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項19もしくは請求項20に記載の動物飼料の使用。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミンB、及びビタミンEから選択される少なくとも1種のビタミン;
ii)コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の微量元素;
iii)メチオニン、メチオニンヒドロキシ類似体、リシン、ホモシステイン、及びシステインから選択される少なくとも1種の硫黄含有アミノ酸;
iv)オリゴ糖プレバイオティクス及び多糖プレバイオティクスから選択される少なくとも1種のプレバイオティクス;及び
v)少なくとも1種の植物抽出物;
を含有する反芻動物用の組成物。
【請求項2】
(i)前記少なくとも1種の植物抽出物が、Coriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、Myristica fragrans抽出物、Aniba rosaeodora抽出物、Apium graveolens抽出物、Boswellia carterii抽出物、Cananga odorata抽出物、Cedrus atlantica抽出物、Citrus aurantifolia抽出物、Citrus aurantium抽出物、Citrus aurantium var. bergamia抽出物、Citrus limon抽出物、Citrus x paradisi抽出物、Citrus reticulata var.madurensis抽出物、Commiphora myrrha抽出物、Coriandrum sativum抽出物、Cucurbita pepo抽出物、Cupressus sempervirens抽出物、Cymbopogon citratus抽出物、Cymbopogon martini抽出物、Cymbopogon nardus抽出物、Daucus carota抽出物、Eucalyptus polybractea抽出物、Foeniculum vulgare抽出物、Gaultheria procumbens抽出物、Juniperus communis抽出物、Lavandula angustifolia抽出物、Macadamia integrifolia抽出物、Melaleuca alternifolia抽出物、Melaleuca cajuputi抽出物、Melaleuca quinquenervia抽出物、Mentha x piperita抽出物、Mentha spicata抽出物、Ocimum basilicum抽出物、Oenothera biennis抽出物、Origanum majorana抽出物、Origanum vulgare抽出物、Pelargonium graveolens抽出物、Pimpinella anisum抽出物、Pimenta racemose抽出物、Pinus sylvestris抽出物、Piper nigrum抽出物、Pogostemon patchouli抽出物、Prunus armeniaca抽出物、Prunus dulcis抽出物、Rosmarinus officinalis抽出物、Salvia officinalis抽出物、Salvia sclarea抽出物、Santalum album抽出物、Syzygium aromaticum抽出物、Thymus vulgaris抽出物、及びVetiveria zizanioides抽出物から選択される、
(ii)前記組成物が少なくとも3種の植物抽出物を含有する、及び/または
(iii)前記植物抽出物が精油として提供される、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
粉塵防止剤及び/または担体をさらに含有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記担体が小麦ポラード及びもみ殻から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、
(i)3~7MIU/kgのビタミンA、0.2~0.6MIU/kgのビタミンD3、50~100g/kgのビタミンE、及び/または6~10g/kgのビタミンB1
(ii)8~12g/kgの銅、0.05~0.2g/kgのコバルト、0.25~0.75g/kgのヨウ素、6~10g/kgのマンガン、0.02~0.05g/kgのセレン、及び/または14~18g/kg亜鉛、
(iii)150~500g/kgのメチオニンまたはメチオニンヒドロキシ類似体、及び/または
(iv)30~40g/kgのマンナンオリゴ糖(MOS)及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコース
を含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、
(i)ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンE、銅、コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、メチオニン、マンナンオリゴ糖(MOS)、及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコース、及び/または
(ii)約10~60g/kgのCoriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、及び/またはMyristica fragrans抽出物
を含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、
(i)液体、プリル、ドライリック、ペレット、またはミールの形態でる、及び/または、
(ii)抗生物質及び/またはイオノフォアを含まない、
請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の組成物を含有する、反芻動物に給餌するための栄養サプリメント。
【請求項9】
前記サプリメントが、酸化マグネシウム、塩化カリウム、硫黄、塩化ナトリウム、石灰、キャノーラ油、キャノーラミール、小麦、及び籾殻から選択される1種以上の成分を含有する、請求項に記載の栄養サプリメント。
【請求項10】
(i)前記組成物または前記サプリメントが、タンパク質源、粗飼料、緩衝液、及び/または追加のミネラルのうちの1種以上を含有する、及び/または
(ii)前記組成物が、広範囲の放牧における集中的な仕上げ栄養及び/または補足的な給餌を受けている肥育場の反芻動物に給餌するためのものである、
請求項1~のいずれか1項に記載の組成物または請求項もしくは請求項に記載の栄養サプリメント。
【請求項11】
穀物配合飼料と混合された及び/または栄養補給の一部として供給される、請求項1~、もしくは10のいずれか1項に記載の組成物または請求項10のいずれか1項に記載の栄養サプリメントを含む、動物飼料。
【請求項12】
請求項1~、もしくは10のいずれか1項に記載の組成物、請求項10のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、及び/または請求項11の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む、方法。
【請求項13】
前記組成物、前記栄養サプリメント、及び/または前記動物飼料を前記反芻動物に給餌することが、
(i)反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用を改善する、
(ii)反芻動物からのメタン及び/または亜酸化窒素の排出を低減する
(iii)反芻動物の満腹感を誘発する、
(iv)反芻動物の食物摂取を制御する、
(v)反芻動物の第一胃中のアンモニア保持を改善する、
(vi)反芻動物の第一胃アシドーシス発症リスクを低減する、及び/または
(vii)反芻動物が第一胃アシドーシスを患うことを予防する、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~、もしくは10のいずれか1項に記載の組成物、請求項10のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または請求項11の動物飼料を反芻動物家畜に給餌することを含む、反芻動物家畜生産における抗生物質及び/またはイオノフォアの使用の低減または排除方法。
【請求項15】
前記組成物をミネラル濃縮物、液体、押出加工品、またはプリルの形態で提供し、前記組成物を約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で前記反芻動物に給餌する、請求項1214のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記反芻動物がウシ、ヒツジ、ヤギ、及びシカから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(i)前記反芻動物がヒツジであり、前記組成物を約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で前記ヒツジに給餌する、又は
(ii)前記反芻動物がウシであり、前記組成物を約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で前記ウシに給餌する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物を、増量剤とともにミネラルリックまたはペレットの形態で製剤化し、前記反芻動物に約20グラム~約650グラム/頭/日の割合で給餌する、請求項1214のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記反芻動物がウシ及びヒツジから選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(i)前記反芻動物がヒツジであり、前記組成物を前記ヒツジに約20~約60グラム//日の割合で給餌する、または
(ii)前記反芻動物がウシであり、前記組成物を前記ウシに約60~約650グラム/頭/日の割合で給餌する、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
(i)家畜動物の配合飼料の栄養補助、及び/または
(ii)反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用の改善、及び/または、
(iii)反芻動物からのメタン及び/または亜酸化窒素の排出の低減、及び/または、
(iv)反芻動物の満腹感の誘発、及び/または、
(v)反芻動物の食物摂取の制御、及び/または、
(vi)反芻動物の第一胃内のアンモニア保持の改善、及び/または、
(vii)反芻動物の第一胃アシドーシス発症リスクの低減、及び/または、
(viii)反芻動物が第一胃アシドーシスを患うことの予防
において使用するための、請求項1~、もしくは10のいずれか1項に記載の組成物、または請求項10のいずれか1項に記載の栄養サプリメントの使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
本開示は、さらに、反芻動物が第一胃アシドーシスを発症するリスクを低減する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
本開示は、さらに、反芻動物における第一胃アシドーシスを予防する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の組成物、本明細書に記載の栄養サプリメント、または本明細書に記載の動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
本明細書において使用される「予防する(preventing)」、「予防する(prevent)」、または「予防(prevention)」という用語は、例えば第一胃アシドーシスなどの疾患または状態のうちの少なくとも1つの症状の発症を止めるか妨げるのに十分な有効量の組成物、サプリメント、または飼料を反芻動物に投与することを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
第一胃アシドーシスの予防
第一胃アシドーシスは、反芻動物の重大な障害としてますます認識されてきている。この状態は、家畜の罹患率及び死亡率を増加させ、肥育場での体重増加を著しく低下させ、ヒツジ及びウシの干ばつ給餌戦略を複雑にし、畜産及び大規模酪農においてますます認識されてきている。これは、高品質の牧草や穀物を給餌されている反芻動物の最も重大な健康障害の1つの場合がある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
本開示は、反芻動物における第一胃アシドーシスのリスクを低減する、または予防する方法を提供する。方法は、本明細書に記載の組成物、栄養サプリメント、及び/または動物飼料を反芻動物に給餌することを含む。一例では、組成物、栄養サプリメント、及び/または動物飼料は、第一胃アシドーシスのリスクを低減するか予防するために、肥育場配合飼料を導入する間に反芻動物に給餌される。肥育場配合飼料は、例えば、穀物と乾燥粗飼料とに基づいており、平均乾物含量は約80%~90%である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
図2は、治療群の動物の1日平均増体量が対照群よりも大きかったことを示している。図3に示されているように、治療群の動物は対照群と比較してより高い飼料効率を示した。図4は、治療群の動物の第一胃が、対照群と比較してpH6未満で過ごす1日あたりの時間(分)が少ないことを示している。
本発明の態様として、例えば以下を挙げることができる。
[項1]
i)ビタミンA、ビタミンD3、B群ビタミンB、及びビタミンEから選択される少なくとも1種のビタミン;
ii)コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の微量元素;
iii)メチオニン、メチオニンヒドロキシ類似体、リシン、ホモシステイン、及びシステインから選択される少なくとも1種の硫黄含有アミノ酸;
iv)オリゴ糖プレバイオティクス及び多糖プレバイオティクスから選択される少なくとも1種のプレバイオティクス;及び
v)少なくとも1種の植物抽出物;
を含有する反芻動物用の組成物。
[項2]
前記少なくとも1種の植物抽出物が、Coriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、Myristica fragrans抽出物、Aniba rosaeodora抽出物、Apium graveolens抽出物、Boswellia carterii抽出物、Cananga odorata抽出物、Cedrus atlantica抽出物、Citrus aurantifolia抽出物、Citrus aurantium抽出物、Citrus aurantium var. bergamia抽出物、Citrus limon抽出物、Citrus x paradisi抽出物、Citrus reticulata var.madurensis抽出物、Commiphora myrrha抽出物、Coriandrum sativum抽出物、Cucurbita pepo抽出物、Cupressus sempervirens抽出物、Cymbopogon citratus抽出物、Cymbopogon martini抽出物、Cymbopogon nardus抽出物、Daucus carota抽出物、Eucalyptus polybractea抽出物、Foeniculum vulgare抽出物、Gaultheria procumbens抽出物、Juniperus communis抽出物、Lavandula angustifolia抽出物、Macadamia integrifolia抽出物、Melaleuca alternifolia抽出物、Melaleuca cajuputi抽出物、Melaleuca quinquenervia抽出物、Mentha x piperita抽出物、Mentha spicata抽出物、Ocimum basilicum抽出物、Oenothera biennis抽出物、Origanum majorana抽出物、Origanum vulgare抽出物、Pelargonium graveolens抽出物、Pimpinella anisum抽出物、Pimenta racemose抽出物、Pinus sylvestris抽出物、Piper nigrum抽出物、Pogostemon patchouli抽出物、Prunus armeniaca抽出物、Prunus dulcis抽出物、Rosmarinus officinalis抽出物、Salvia officinalis抽出物、Salvia sclarea抽出物、Santalum album抽出物、Syzygium aromaticum抽出物、Thymus vulgaris抽出物、及びVetiveria zizanioides抽出物から選択される、項1に記載の組成物。
[項3]
前記組成物が少なくとも3種の植物抽出物を含有する、項1または2に記載の組成物。
[項4]
前記植物抽出物が精油である、項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
[項5]
粉塵防止剤及び/または担体をさらに含有する、項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
[項6]
前記担体が小麦ポラード及びもみ殻から選択される、項5に記載の組成物。
[項7]
前記組成物が、3~7MIU/kgのビタミンA、0.2~0.6MIU/kgのビタミンD3、50~100g/kgのビタミンE、及び/または6~10g/kgのビタミンB1を含有する、項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
[項8]
前記組成物が、8~12g/kgの銅、0.05~0.2g/kgのコバルト、0.25~0.75g/kgのヨウ素、6~10g/kgのマンガン、0.02~0.05g/kgのセレン、及び/または14~18g/kg亜鉛を含有する、項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
[項9]
前記組成物が150~500g/kgのメチオニンまたはメチオニンヒドロキシ類似体を含有する、項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
[項10]
前記組成物が、30~40g/kgのマンナンオリゴ糖(MOS)及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含有する、項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
[項11]
前記組成物が、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンE、銅、コバルト、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、メチオニン、マンナンオリゴ糖(MOS)、及びβ-(1,3及び1,6)-ポリ-D-グルコースを含有する、項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
[項12]
前記組成物が、約10~60g/kgのCoriandum sativum抽出物、Daucus carota抽出物、及び/またはMyristica fragrans抽出物を含有する、項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
[項13]
前記組成物が、液体、プリル、ドライリック、ペレット、またはミールの形態で調製される、項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
[項14]
前記組成物が抗生物質及び/またはイオノフォアを含まない、項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
[項15]
項1~14のいずれか1項に記載の組成物を含有する、反芻動物に給餌するための栄養サプリメント。
[項16]
前記サプリメントが、酸化マグネシウム、塩化カリウム、硫黄、塩化ナトリウム、石灰、キャノーラ油、キャノーラミール、小麦、及び籾殻から選択される1種以上の成分を含有する、項15に記載の栄養サプリメント。
[項17]
タンパク質源、粗飼料、緩衝液、及び/または追加のミネラルのうちの1種以上を含有する、項1~14のいずれか1項に記載の組成物または項15もしくは項16に記載の栄養サプリメント。
[項18]
前記組成物が、広範囲の放牧における集中的な仕上げ栄養及び/または補足的な給餌を受けている肥育場の反芻動物に給餌するためのものである、項1~14のいずれか1項に記載の組成物または項15もしくは項16に記載の栄養サプリメント。
[項19]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物または項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメントを含む、動物飼料。
[項20]
穀物配合飼料と混合された及び/または栄養補給の一部として供給される前記組成物または前記栄養サプリメントを含有する、項19に記載の動物飼料。
[項21]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用の改善方法。
[項22]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出の低減方法。
[項23]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の満腹感の誘発方法。
[項24]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の食物摂取の制御方法。
[項25]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の第一胃中のアンモニア保持の改善方法。
[項26]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物の第一胃アシドーシス発症リスクの低減方法。
[項27]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を前記反芻動物に給餌することを含む、反芻動物における第一胃アシドーシスの予防方法。
[項28]
項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20の動物飼料を反芻動物家畜に給餌することを含む、反芻動物家畜生産における抗生物質及び/またはイオノフォアの使用の低減または排除方法。
[項29]
前記組成物をミネラル濃縮物、液体、押出加工品、またはプリルとして製剤すること、および前記組成物を約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で前記反芻動物に給餌すること、を含む、項21~28のいずれか1項に記載の方法。
[項30]
前記反芻動物がウシ、ヒツジ、ヤギ、及びシカから選択される、項29に記載の方法。
[項31]
前記反芻動物がヒツジであり、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日で前記ヒツジに給餌することを含む、項30に記載の方法。
[項32]
前記反芻動物がウシであり、約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日で前記ウシに給餌することを含む、項30に記載の方法。
[項33]
前記組成物を増量剤とともに製剤してミネラルリックまたはペレットを形成すること、及び前記組成物を前記反芻動物に約20グラム~約650グラム/頭/日の割合で給餌することを含む、項21~28のいずれか1項に記載の方法。
[項34]
前記反芻動物がウシ及びヒツジから選択される、項33に記載の方法。
[項35]
前記反芻動物がヒツジであり、前記ヒツジに約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で給餌することを含む、項34に記載の方法。
[項36]
前記反芻動物がウシであり、前記ヒツジに約0.5~約3グラム/kg乾物摂取量/日の割合で給餌することを含む、項34に記載の方法。
[項37]
家畜の完全配合飼料に添加するためのサプリメントとしての、項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、または項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメントの使用。
[項38]
反芻動物の飼料要求率、飼料効率、資源利用、及び/または水利用を改善するための、項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20に記載の動物飼料の使用。
[項39]
反芻動物のメタン及び/または亜酸化窒素の排出を低減するための、反芻動物に満腹感を誘発するための、反芻動物の食物摂取を制御するための、及び/または反芻動物の第一胃内のアンモニア保持を改善するための、項1~14、17、もしくは18のいずれか1項に記載の組成物、項15~18のいずれか1項に記載の栄養サプリメント、または項19もしくは項20に記載の動物飼料の使用。
【国際調査報告】