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特表2022-521574白髪抜きコンポーネント、櫛及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-11
(54)【発明の名称】白髪抜きコンポーネント、櫛及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A45D 26/00 20060101AFI20220404BHJP
   A45D 8/00 20060101ALI20220404BHJP
   A45D 44/02 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
A45D26/00 F
A45D8/00 501Z
A45D44/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545953
(86)(22)【出願日】2020-02-01
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 CN2020074142
(87)【国際公開番号】W WO2020156531
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】201910108590.2
(32)【優先日】2019-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521345419
【氏名又は名称】鮑 堅斌
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鮑 堅斌
(57)【要約】
白髪抜きコンポーネント(10)及びいくつかの白髪抜きコンポーネント(10)からなる白髪抜き櫛(200)並びに白髪抜きシステムが開示される。白髪抜きコンポーネント(10)は、少なくとも一つの筐体(0)と、筐体(0)内に設けられる少なくとも一つの認識ユニット(2)及び白髪除去ユニット(3)とを含み、筐体(0)の端部に設けられ、当該コンポーネント(10)と頭皮(9)との接触に応答して起動信号を出力する感知ユニット(1)をさらに含み、認識ユニット(2)は、起動信号に応答して白髪(8)を認識するとともに抜き信号を出力し、白髪除去ユニット(3)は、抜き信号に基づいて認識された白髪(8)を除去する。当該白髪抜きコンポーネント(10)と白髪抜きシステムにより頭皮(9)表面の全体を走査することで、すべての白髪(8)を抜いて色髪を残すという目標を実現することが可能になり、利用者の個人的なイメージを向上させている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白髪抜きコンポーネントであって、
少なくとも一つの筐体と、筐体内に設けられる少なくとも一つの認識ユニット及び白髪除去ユニットとを含み、
筐体の端部に設けられ、当該コンポーネントと皮膚との接触に応答して起動信号を出力する感知ユニットをさらに含み、
前記認識ユニットは、前記起動信号に応答して白髪を認識するとともに抜き信号を出力し、
前記白髪除去ユニットは、抜き信号に基づいて認識された白髪を除去することを特徴とする、白髪抜きコンポーネント。
【請求項2】
前記筐体は、端部に近い側壁に窓が設けられ、
前記認識ユニットは、窓を介して白髪を認識するように設けられ、前記白髪除去ユニットは、窓を介して認識された白髪を除去するように設けられることを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項3】
各認識ユニットは、光源モジュールと、情報収集モジュールと、認識モジュールとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項4】
前記認識モジュールは、髪色認識モジュールと形状認識モジュールのうちの一つ又は二つを含むことを特徴とする、請求項3に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項5】
前記白髪除去ユニットは、エネルギ放出モジュールと、合焦モジュールとを含み、前記エネルギ放出モジュールは、光エネルギ、電気エネルギ、磁気エネルギ、音響エネルギ、熱エネルギによるエネルギ放出モジュールのうちの一つ又は複数の組合せを含むことを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項6】
前記白髪除去ユニットは、駆動ユニットと、除去実行機構とをさらに含み、前記駆動ユニットは、前記除去実行機構を筐体の窓から突出させ又は筐体内に保持するように駆動することを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項7】
前記駆動ユニットは、静電ドライバ、電磁ドライバ、圧電ドライバ又は逆圧電ドライバである駆動モジュールを含むことを特徴とする、請求項6に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項8】
前記白髪除去ユニットは、並進又は回転するブレードを含むことを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項9】
前記白髪除去ユニットは、電圧パルスを発生するためのパルス発生ユニットと、前記パルスを印加するための微細針とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項10】
前記認識ユニットは、第1光源と、光学素子と、スペクトルセンサ及び/又は画像センサとを含み、前記光学素子は、光源から放出される光を反射して前記窓から出射させるとともに、窓からの光を前記スペクトルセンサ又は画像センサに反射するように設けられることを特徴とする、請求項2に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項11】
前記白髪除去ユニットは、第2光源と、合焦レンズとをさらに含み、前記合焦レンズは、白髪が除去されるように、第2光源から発生する光を認識された白髪に合焦させることを特徴とする、請求項10に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項12】
前記白髪除去ユニットは、白髪を除去する強度を有するビームが前記第1光源から出力されるように、前記抜き信号に応答してパルスを発生するパルス発生ユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項13】
前記白髪抜きコンポーネントは、同一又は隣接する筐体中に設けられる複数の認識ユニットを含むことを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項14】
前記感知ユニットは、接触スイッチ、圧力センサ、熱センサ、赤外線センサ、抵抗式ディテクタ、容量式ディテクタ、電磁センサ又は音波認識装置のうちの一つ又は複数であることを特徴とする、請求項1に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項15】
前記筐体の窓には、柔軟性又は弾性封止材料が設けられることを特徴とする、請求項2に記載の白髪抜きコンポーネント。
【請求項16】
白髪抜きコンポーネントであって、
筐体と、筐体内に設けられる認識ユニット及び白髪除去ユニットとを含み、前記白髪除去ユニットは、一端が筐体に固定され、他端に刀が固定され、又はレバーを介して刀が固定される圧電ドライバ又は逆圧電ドライバを含むことを特徴とする白髪抜きコンポーネント。
【請求項17】
本体と、少なくとも一つの白髪抜き櫛歯とを含む白髪抜き櫛であって、
前記白髪抜き櫛歯は、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の白髪抜きコンポーネントを含むことを特徴とする、白髪抜き櫛。
【請求項18】
請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の白髪抜きコンポーネントを複数含み、各白髪抜きコンポーネントにおける白髪除去ユニットは、当該白髪抜きコンポーネントにおける認識ユニットからの抜き信号に基づいて認識された白髪を除去し、又は、他の白髪抜きコンポーネントにおける認識ユニットからの抜き信号に基づいて認識された白髪を除去することを特徴とする、請求項17に記載の白髪抜き櫛。
【請求項19】
白髪抜き櫛歯の筐体における窓は、隣接する櫛歯に向かって設けられることを特徴とする、請求項17に記載の白髪抜き櫛。
【請求項20】
櫛歯は、中間部位の櫛歯間隔が端部の櫛歯間隔より大きいことを特徴とする、請求項19に記載の白髪抜き櫛。
【請求項21】
白髪抜き櫛歯と離間して設けられる複数の櫛歯をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の白髪抜き櫛。
【請求項22】
数値制御白髪抜きシステムであって、
制御されるロボットアームと、
ロボットアームの走査速度と方向を制御するための数値制御サブシステムと、
ロボットアームに設けられる少なくとも一つの、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の白髪抜きコンポーネントと、
を含むことを特徴とする、数値制御白髪抜きシステム。
【請求項23】
前記白髪抜きコンポーネントは、前記ロボットアームに可動に接続されることを特徴とする、請求項22に記載の数値制御白髪抜きシステム。
【請求項24】
前記数値制御サブシステムは、
利用者の頭部と白髪抜きコンポーネントの位置を検出するための検出ユニットと、
利用者の頭部と白髪抜きコンポーネントとの位置関係に基づいて、ロボットアーム本体の姿勢調整制御信号を生成する姿勢制御ユニットと、
利用者の頭部と白髪抜きコンポーネントとの位置関係に基づいて、白髪抜きコンポーネントの運動軌跡を制御する軌跡制御ユニットと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の数値制御白髪抜きシステム。
【請求項25】
前記数値制御サブシステムは、位置特定手段と、送受信ユニットとを含むことを特徴とする、請求項22に記載の数値制御白髪抜きシステム。
【請求項26】
髪を梳かすための補助ロボットアームをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の数値制御白髪抜きシステム。
【請求項27】
数値制御白髪抜き方法であって、
請求項1に記載の白髪抜きコンポーネントにより、デジタル位置決め又は走査により頭皮を感知して頭皮表面全体の三次元座標データの集合を取得し、認識ユニットと除去ユニットにより前記三次元座標データの集合をデジタル走査座標としてそれぞれ髪色の区別と白髪の除去を行うことを特徴とする数値制御白髪抜き方法。
【請求項28】
前記認識ユニットにより走査することで、白髪の毛根の三次元座標を記録することを特徴とする、請求項27に記載の数値制御白髪抜き方法。
【請求項29】
記録された白髪の毛根の三次元座標に基づいて、数値制御サブシステムにより記録された白髪を除去するように除去ユニットを制御することを特徴とする、請求項27に記載の数値制御白髪抜き方法。
【請求項30】
白髪を一回走査した後に、複数回の白髪の除去過程に対応できることを特徴とする、請求項27に記載の数値制御白髪抜き方法。
【請求項31】
白髪の割合を提示し、白髪分布領域図を作成することで、利用者は、自分の好みに応じて白髪を除去するか否か及び、白髪をどのように除去するかを決めることをさらに含むことを特徴とする、請求項27に記載の数値制御白髪抜き方法。
【請求項32】
白髪の毛嚢が徹底的に破壊されるように、白髪抜きコンポーネントの短時間の滞留を制御することを特徴とする、請求項27に記載の数値制御白髪抜き技術。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理髪システムに関し、特に、毛根から白髪を除去する白髪抜きコンポーネント、白髪抜き櫛及び白髪抜きシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間は約10~11万本の髪を有し、頭皮の1平方センチメートル当たりにおいては175~300本成長し、成長速度が毎日約0.4ミリメートルである(C.R.Robbins,Chemical and Physical Behavior of Human Hair,4th Ed,Springer-Verlag:New York,2002)。皮質内の色素の種類や含有量の相違によって、髪の色も例えば黒色、とび色、金色及び赤色等で相違する。専門的には、フィッシャー・サラースケール(Fischer-Saller Scale)により髪をA(淡い色)-Y(濃い色)及びI(濃い赤色)-VI(淡い赤色)の合計31の段階に分ける。これらの異なる色の髪をまとめて色髪と称する。
【0003】
色髪が白色や灰色の髪(以下では白髪と総称する)になった場合、見た目が年寄りになってしまう。世界各地の人々は様々な方法を考え出したが、満足できるものが得られておらず、例えば髪染めは健康に有害である。色髪を再生できる薬物が存在する様であるが(A.Wellman et al,New Engl J Med,347,445,2002)、人体に対する副作用が重いので、実用は不可能であった。
【0004】
実際には、白髪を有する人の多くは、白髪の割合が高くなく、頭部での分布も均一であるので、簡単かつ効果的な方法としては、白髪を直接切り取ることである。その目的を目指す研究開発はなされて来ており、中国特許200620121615.0には、内部に櫛歯構造を含み、光により白髪を認識してから、電磁石で白髪を剪断する光電気機械一体化の剪断ナイフが最も早く提案されていた。それ以降の複数の特許も類似する原理を採用したが、これらの発明は実用性に乏しく、その主な原因は以下のように考えられている。
【0005】
まず、大部分の櫛歯の末端が頭皮に接触しておらず、毛根から一定距離離れた位置で白髪に対する認識や剪断(焼切りを含む)を行う。髪が細くて柔らかいので、毛根の代わりに髪の中間位置から剪断された白髪は、極めて容易に櫛と共に移動することで、他の髪と混じり合って絡み合うようになり、白髪の認識と切取りを行い続けることは困難になった。中間位置から剪断することによって、不必要な繰り返し剪断も不可避的に生じて一層混じり合ってしまうようになり、操作全体はますます難しくなった。従来による解決手段は、あまりにも理想的なものであり、白髪を除去するという目標を実現できなかった。
【0006】
また、同様に上記理由から、一部の白髪を切り取った場合であっても、剪断位置の大部分は、毛根から一定距離離れているので、残った白髪の長さは長く、やはり個人的なイメージに影響を与えていた。
【0007】
そのため、操作しやすくて白髪を効果的に除去できる白髪抜きコンポーネント、白髪抜き櫛及び白髪抜きシステムは求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様によれば、白髪抜きコンポーネントであって、少なくとも一つの筐体と、筐体内に設けられる少なくとも一つの認識ユニット及び白髪除去ユニットとを含み、筐体の端部に設けられ、当該コンポーネントと皮膚との接触に応答して起動信号を出力する感知ユニットをさらに含み、前記認識ユニットは、前記起動信号に応答して白髪を認識するとともに抜き信号を出力し、前記白髪除去ユニットは、前記抜き信号に基づいて認識された白髪を除去する白髪抜きコンポーネントが提供される。本発明は、コンポーネントの筐体の端部に感知ユニットを設けることで、従来技術に存在する上記問題を効果的に解決し、髪を梳かす過程において白髪を毛根から容易かつ迅速に除去可能となる。
【0009】
前記筐体は、端部に近い側壁に窓が設けられ、前記認識ユニットは、窓を介して白髪を認識するように設けられ、前記白髪除去ユニットは、窓を介して認識された白髪を除去するように設けられることが好ましい。
【0010】
各認識ユニットは、光源モジュールと、情報収集モジュールと、認識モジュールとを含むことが好ましい。
【0011】
認識モジュールは、髪色認識モジュールと形状認識モジュールのうちの一つ又は二つをさらに含むことが好ましい。
【0012】
前記白髪除去ユニットは、光エネルギに基づく除去、力に基づく除去、電気エネルギに基づく除去、磁気エネルギに基づく除去、音響エネルギに基づく除去又は熱エネルギに基づく除去のうちの一つ又は複数の組合せにより、認識された白髪を除去することが好ましい。
【0013】
前記白髪除去ユニットは、エネルギ放出モジュールと合焦モジュールとを含み、前記エネルギ放出モジュールは、光エネルギ、電気エネルギ、磁気エネルギ、音響エネルギ、熱エネルギによるエネルギ放出モジュールのうちの一つ又は複数の組合せを含むことが好ましい。
【0014】
前記白髪除去ユニットは、駆動ユニットと除去実行機構とをさらに含み、前記駆動ユニットは、前記除去実行機構を筐体の窓から突出させ又は筐体内に保持するように駆動することが好ましい。
【0015】
前記駆動ユニットは、静電ドライバ、電磁ドライバ、圧電ドライバ又は逆圧電ドライバである駆動モジュールを含むことが好ましい。
【0016】
前記白髪除去ユニットは、並進又は回転するブレードを含むことが好ましい。
【0017】
前記白髪除去ユニットは、電圧パルスを発生するためのパルス発生ユニットと、前記パルスを印加するための微細針とをさらに含むことが好ましい。
【0018】
前記認識ユニットは、第1光源と、光学素子と、スペクトルセンサ又は画像センサとを含み、前記光学素子は、光源から放出される光を反射して前記窓から出射させるとともに、窓からの光を前記スペクトル又は画像センサに反射するように設けられることが好ましい。
【0019】
前記白髪除去ユニットは、第2光源と合焦レンズとをさらに含み、前記合焦レンズは、白髪が除去されるように、第2光源から発生する光を認識された白髪に合焦させることが好ましい。
【0020】
前記白髪除去ユニットは、白髪を除去する強度を有するビームが前記第1光源から出力されるように、前記抜き信号に応答してパルスを発生するパルス発生ユニットをさらに含むことが好ましい。このように認識ユニットと除去ユニットを一つのものとして、認識ユニットにより白髪が発見されると、光源モジュールは、光源が出力する光強度を高めて白髪を除去する。
【0021】
前記白髪抜きコンポーネントは、同一又は隣接する筐体中に設けられる複数の認識ユニットを含み、前記隣接する筐体の窓が対向して設けられることが好ましい。
【0022】
認識ユニットと白髪除去ユニットは、同一の筐体中に設けられ、又は、隣接する筐体中にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0023】
前記感知ユニットは、接触スイッチ、圧力センサ、熱センサ、赤外線センサ、抵抗式ディテクタ、容量式ディテクタ、電磁センサ又は音波認識装置のうちの一つ又は複数であることが好ましい。
【0024】
前記筐体の窓には、柔軟性又は弾性封止材料が設けられることが好ましい。
【0025】
本発明の一態様によれば、白髪抜きコンポーネントであって、筐体と、筐体内に設けられる認識ユニット及び白髪除去ユニットとを含み、前記白髪除去ユニットは、一端が筐体に固定され、他端に刀、微細針又は他の除去実行機構が固定され、又はレバーを介して刀、微細針が固定される圧電ドライバ又は逆圧電ドライバを含む白髪抜きコンポーネントが提供される。
【0026】
本発明では、白髪を抜こうとする人を利用者と定義する。本発明に記載の頭皮とは、頭のてっぺん及びその周りにおける髪が成長されている皮膚である。
【0027】
本発明の技術的解決手段では、筐体における端部に近い側壁に窓が設けられ、白髪抜きコンポーネントの認識ユニット及び白髪除去ユニットは、筐体に設けられる窓を介して作動する。白髪抜きコンポーネントの各ユニットは、同一の筐体内に設けられてもよいし、隣接する筐体内に設けられてもよく、各ユニット又はその中の各モジュールは、同一の窓又は隣接する筐体において対向して設けられる窓を介して頭皮における同一又は対応する領域範囲に対して作動する。同一又は対応する領域範囲は作動微小領域と称される。作動微小領域の大きさは、単一の毛嚢ひいては単一の髪を含むように設けられてもよい。小さい作動微小領域によれば、認識対象の数及び白髪除去ユニットによる除去操作ごとの対象となる髪の数を低減し、認識の正確率を向上させ、誤って抜かれる黒髪の数を低減することが可能になる。作動微小領域の(白髪抜きコンポーネントの移動方向に沿う)長さ及び(移動方向に垂直な方向に沿う)幅はそれぞれ0.01~10mmの範囲とされ、好ましい範囲は利用者の髪の直径から2mmの間とされる。人種によっては髪の直径が異なっており、黄色人種と黒色人種については約0.06~0.12mmであるから、好ましい範囲は0.12~2mmとされる一方、白色人種について髪の直径が0.05~0.09mmだけであるから、好ましい範囲は0.09~2mmとされる。認識ユニットは、各作動微小領域における白髪を認識し、白髪除去ユニットは頭皮表面から非常に近い位置又は頭皮表面で白髪を除去する。髪は一端が頭皮に固定されるので、本発明の方法では改めて髪を配列又は固定する必要がなく、非常に容易に白髪を直接認識し除去することができる。頭皮表面のみにおいて作動するので、他の髪による干渉が大きく軽減されるとともに、不必要な繰り返し除去も回避され得る。本発明の櫛によれば、髪を梳かす過程において毛根から利用者の頭部におけるすべての白髪を除去して色髪を残すことができ、利用者の個人的なイメージを向上させている。
【0028】
感知ユニット
本発明による白髪抜きコンポーネントにおけるその筐体の端部に設けられる感知ユニットによれば、白髪抜きコンポーネントは、端部と頭皮との接触に応答して作動し始め、毛根から白髪を除去することが確保されるので、白髪の残留根部が最も短くなり、さらには、白髪の毛嚢を直接破壊することで永久に白髪を除去することも可能である。
【0029】
前記感知ユニットは、光感知、力感知、電気感知、磁気感知、音響感知、熱感知のうちの一つ又は複数の組合せにより頭皮との接触状態を判断する。頭皮に接触したことを確認した場合、起動信号を発生する。感知ユニットは、常時開スイッチとして機能しており、白髪抜きコンポーネントが頭皮に接触すると、スイッチがオンにされて起動信号を発生し、認識ユニット及び白髪除去ユニットを起動して作動させるようになる。
【0030】
感知ユニットは、接触スイッチ、圧力センサ、熱センサ、赤外線センサ、抵抗式ディテクタ、容量式ディテクタ、電磁センサ又は音波認識装置のうちの一つ又は複数であってもよい。接触スイッチとしての感知ユニットは、物理的には常時開スイッチであり、白髪抜きコンポーネントが頭皮に接触すると、スイッチがオンにされて起動信号を出力する。圧力センサとしての感知ユニットは、圧力センサにより白髪抜きコンポーネントが頭皮に接触するときの圧力を計測し、圧力が設定値より大きくなると、起動信号を発生する。赤外線センサとしての感知ユニットは、赤外線センサにより頭皮から発する赤外線を計測し、赤外線の強度が設定範囲になると、起動信号を出力する。容量式ディテクタとしての感知ユニットでは、頭皮に接触することが感知回路に一つの容量の高いコンデンサを追加することに等価であり、回路の変化により起動信号が発生する。圧力センサとしての感知ユニットを使用することが好ましい。圧力センサの他の役割としては、圧力が大きすぎる場合に警報を出すことで、大きすぎる圧力により利用者の頭皮へ損傷を与えるのを防止することである。
【0031】
認識ユニット
認識ユニットは、走査光源を提供するための光源モジュールと、前記作動微小領域内の光学情報を収集するための情報収集モジュールと、前記作動微小領域内の様々な情報を分析することにより作動微小領域に白髪が存在することを特定する認識モジュールとを含む。光源モジュールは、単色光又は多色光の光源を採用してもよく、波長域として、可視光と赤外光が人体に安全で好ましい。情報収集モジュールは、画像センサ及び/又はスペクトルセンサを含む。光学情報の収集には、一般的な顕微技術や共焦点顕微技術を採用してもよく、又は簡略的に、非顕微技術を採用してもよい。顕微技術では、光の合焦に凹状反射鏡又は凸レンズを採用する。光学画像情報を収集する場合、白色光を光源として、撮影された色と形状について比較を行うことで髪を同定するのは一般的である。認識モジュールは、色認識モジュールを含み、形状認識モジュールを含むことが好ましい。色認識モジュールは、測定目標のRGBカラーモードにより髪色を判断し、RGBが白色光に近い髪を白髪と判断し、白色光からずれている髪を色髪と判断する。形状認識モジュールは、作動微小領域内の判断目標の形状を判断する。判断目標の形状が規則的な線状や円柱状及び楕円柱状であれば、目標を髪と判断し、不規則な形状であれば、髪ではないと判断し、実際にはふけ又はほこりである可能性がある。ここでの楕円柱状は、楕円形や卵形の断面を有する柱状を含む。
【0032】
前記認識モジュールは、透過スペクトル、吸収スペクトル、反射スペクトル、偏光スペクトル又は蛍光スペクトルのうちの一つ又は複数の組合せにより作動微小領域内の髪色を判断してもよい。反射スペクトル又は蛍光スペクトルにより色髪と白髪を区別し、波長の短い光、例えば紫色光や青色光を入射光源とすることが好ましい。色髪中の色素が入射光を吸収するので、検出された反射光は強度が低くなって色髪と判断される。入射光が色素に吸収されることにより、蛋白質発色団、例えばトリプトファンやキヌレニンの発光強度、即ち蛍光の強度をも低減するので、色髪と判断される。
【0033】
複数の情報収集モジュールと複数種のスペクトルを組み合わせた複数の認識ユニットにより白髪を認識するようにしてもよい。複数の認識ユニットは、作動微小領域に複数本の髪が含まれる場合に有意義である。
【0034】
色髪の種類によっては、異なる認識方法を選択する。フィッシャー・サラースケールにおけるAとVIに近い髪、例えば薄金髪や淡紅髪の色素含有量が少なくて光に対する吸収も少ないので、髪外面での反射光や他の散乱光による干渉を排除することに注意されたい。色髪の色が白髪に非常に近ければ、白髪を抜く需要も低くなるだろう。
【0035】
認識ユニットは、作動微小領域にて白髪を発見した場合には抜き信号、例えば電気パルス信号を発し、この白髪を除去するように白髪除去ユニットに通知する。
【0036】
白髪除去ユニット
認識ユニットから発する抜き信号が受信された場合、白髪除去ユニットは作動して、対応するする作動微小領域にて認識された白髪を除去する。白髪を除去する策は二つあり、一つは永久に白髪を除去し、白髪の毛嚢を破壊することで以降の成長を抑えることである。もう一つは非永久に白髪を除去し、白髪の毛嚢を保ち、頭皮より高い白髪の毛幹のみを除去することである。
【0037】
白髪除去ユニットは、光エネルギに基づく除去、力に基づく除去、電気エネルギに基づく除去、磁気エネルギに基づく除去、音響エネルギに基づく除去又は熱エネルギに基づく除去のうちの一つ又は複数の組合せにより、認識された白髪を除去する。
【0038】
前記除去ユニットは、高強度の光エネルギ、電気エネルギ、磁気エネルギ、音響エネルギ、熱エネルギを放出するエネルギ放出モジュールと、これらのエネルギを白髪の局所となる点や領域に合焦させるための合焦モジュールとを含む。
【0039】
前記光エネルギに基づく除去とは、レーザ又は大電力発光ダイオードをエネルギ放出モジュールとして、発生した光パルスを合焦モジュールにより合焦させることで、毛根にて白髪を気化し切断するかその毛嚢を破壊することである。可視光源と赤外光源は人体に安全で好ましい。
【0040】
前記電気エネルギに基づく除去又は磁気エネルギに基づく除去とは、電界や磁界又は電磁界パルスにより白髪の毛根の局所にて十分に高いエネルギ密度を発生して白髪を除去することである。高エネルギを局所となる作動微小領域に閉じ込めることによって、エネルギの消費を低減するとともに、人体にも安全であり、例えば、局所火花放電により白髪を切断し、電解(electrolysis)により毛嚢を破壊する等である。
【0041】
前記音響エネルギに基づく除去とは、超音波によるキャビテーションにより白髪の毛根の局所にて高音響強度の超音波パルスを発生して白髪を除去することである。
【0042】
前記熱エネルギに基づく除去とは、白髪の毛根の局所領域の温度を高めることで白髪を除去することである。
【0043】
髪は、面積が非常に小さいから、非常に高いエネルギ密度が必要となるので、白髪の除去においても、いくつかの異なるエネルギ、例えば電磁波とレーザを組み合せる組合せ法が採用される。白髪を除去する場合には臭気ガスが発生する可能性があるので、負圧吸気システムを選択的に備えるようにしてもよい。
【0044】
前記力に基づく除去とは、力により白髪を切断することであり、この場合、前記除去ユニットは、駆動力を発生し制御する駆動モジュールと、前記駆動力に応じて位置を変更し切削を実行する切削実行機構とを含む。
【0045】
前記駆動モジュールは、電気ドライバや磁気ドライバ、例えば静電ドライバ、電磁ドライバ、圧電ドライバ又は逆圧電ドライバであり、前記切削実行機構は、ブレード、はさみ又は微細針電極である。前記切削実行機構は、角度が調整可能であり、白髪根部の毛幹に垂直なものが好ましい。前記切削実行機構は、柔軟性又は弾性を有し、切削中に方向を変換し、例えば、上下運動を左右運動に変換するものである。
【0046】
圧電ドライバ又は逆圧電ドライバにより微細針電極又はブレードを制御することが好ましい。逆圧電効果は、応答速度が高く(最高速がマイクロ秒級までも達し得る)、変位精度が高く、耐用年数が長いという特性を持つ。一実施例では、圧電曲げアクチュエータ(piezo bending actuator)は、電圧パルスに応答して曲がることで、白髪が切断されるように切削実行機構を動かす。他の実施例では、多層スタック圧電アクチュエータ(stack multilayer piezo actuator)は、電圧パルスに応答して伸びることで、白髪が切断されるように柔軟性又は弾性切削実行機構を動かす。
【0047】
白髪抜きコンポーネントは、外筐に包まれてもよく、外筐は、上端が他の白髪抜きコンポーネントに接続されるか外部機器と固定され、下端が使用時に頭皮と接触する。コンポーネントにおける認識ユニット及び白髪除去ユニットの作動微小領域を提供する窓は、感知ユニットの接触領域に近接して設けられ、即ち、前記筐体の下端エンド外領域に位置する。柔軟性又は弾性封止材料は、髪やふけ及びほこり等の微細粒子が白髪抜きコンポーネントに入るのを回避するために、下端エンドの側部及び/又は底部に配置されてもよい。
【0048】
感知ユニット、認識ユニット及び白髪除去ユニットは、任意に組み合せてもよい。
【0049】
認識ユニット及び白髪除去ユニットが対応する作動微小領域は、同一又は異なる領域である。一般には、感知ユニットは、認識ユニットと除去ユニットの付近にて頭皮に接触すれば、白髪根部から白髪を除去するという目標を満足できる一方、認識ユニットが対応する作動微小領域と除去ユニットが対応する作動微小領域はできるだけ重なり合うべきである。しかし、ある一瞬では、両ユニットが対応する作動微小領域は異なる領域であってもよい。例えば、認識ユニットを前に配置し、除去ユニットを後に配置して、除去ユニットに対してプリセットした遅延応答時間を持たせることで、特に白髪抜きコンポーネントを定速で走査させる場合に、認識ユニットにより認識された白髪を除去できる。このような設計によれば、作動微小領域の長さをより小さくすることができる。
【0050】
除去ユニットに隣接する前後位置又は対向位置に複数の認識ユニットを配置することは、白髪の検出の向上、特に複数本の髪を含む作動微小領域に対応する場合には価値がある。
【0051】
白髪抜きコンポーネントが作動する場合、下端エンドが大角度で頭皮表面に接触するようになり、エンドは複数種の異なる外形構造を有する。当業者は必要に応じてエンドの形状を選択し筐体内において各ユニットを適宜配置することで、白髪抜きコンポーネントにより白髪を正確かつ迅速に認識して抜くことができる。いくつかの好ましい解決手段を以下に示す。
【0052】
一番目は、幅方向の断面が直角形となる方形エンドである。方形エンドによれば、白髪抜きコンポーネントは、大面積で頭皮に接触するようになるので、三つのユニットを配置する空間が多くなり、認識ユニットと除去ユニットが一層頭皮に近接し、白髪の残留根部をより短くしている。方形エンドでは、白髪抜きコンポーネント近傍の白髪のみを除去でき、エンド自体に覆われる頭皮領域内の白髪は除去できない。方形エンドは、走査領域の割合を向上できるように自体の幅を小さくする方が良いのは明らかである。
【0053】
二番目は、幅方向の断面が錐状となる錐状エンドである。錐状エンドによれば、すべての髪を白髪抜きコンポーネントの両側に分けるようになるので、髪が覆われることがなくなるが、長さ方向では、白髪に対する認識と除去の精度要求が顕著に向上している。錐状エンドは、頭皮に直接接触する部分が小さいので、認識ユニットと除去ユニットを頭皮から遠い位置に配置せざるを得ないことがあり、例えば、力により白髪を除去する場合の残留根部は方形エンドの場合の残留根部よりも長くなる。
【0054】
三番目は、幅方向の断面の一方側が錐状、他方側が直角形となる半錐状・半方形エンドである。
【0055】
白髪抜き櫛
本発明の他の態様によれば、本体と、少なくとも一つの白髪抜き櫛歯とを含む白髪抜き櫛であって、前記白髪抜き櫛歯は、上記のような白髪抜きコンポーネントを含むことを特徴とする白髪抜き櫛が提供される。
【0056】
前記白髪抜き櫛は、上記のような白髪抜きコンポーネントを複数含み、各白髪抜きコンポーネントにおける白髪除去ユニットは、当該白髪抜きコンポーネントにおける認識ユニットからの抜き信号に基づいて認識された白髪を除去し、又は他の白髪抜きコンポーネントにおける認識ユニットからの抜き信号に基づいて認識された白髪を除去することが好ましい。
【0057】
櫛歯の筐体における窓は、隣接する櫛歯に向かって設けられることが好ましい。
【0058】
櫛歯は、中間部位の櫛歯間隔が端部の櫛歯間隔より大きいことが好ましい。
【0059】
前記白髪抜き櫛は、白髪抜き櫛歯と離間して設けられる複数の櫛歯をさらに含むことが好ましい。白髪抜き櫛歯とは異なり、ここでの櫛歯は、一般の櫛のものであってもよい。
【0060】
髪は、数が多いので、効率を高めるために、複数の白髪抜きコンポーネントを組み合せて白髪抜きシステムとして使用するようにし、組合せの形式や数には制限がない。
【0061】
最もよく使用される組合せ形式としては、白髪抜きコンポーネントのアレイを配列して白髪抜き櫛とすることであり、各白髪抜きコンポーネントは、一つ又は複数の筐体を櫛歯として、白髪抜き櫛の櫛歯の一部となる。櫛歯は、互いに固定され、例えば白髪抜きコンポーネントの上部を並べて連結されてもよいし、櫛体に固定されてもよい。
【0062】
一実施例では、各櫛歯は、等間隔に一列に配列されて固定され、歯の先端が同一の直線にある。
【0063】
認識ユニット及び白髪除去ユニットは、同一又は隣接する櫛歯に設けられてもよい。除去ユニットが対応する作動微小領域を取り囲むように複数の認識ユニットを配置し、例えば、除去ユニットに隣接する位置及び対向する隣接する櫛歯のいずれにも認識ユニットを配置することで、より良好に白髪を認識することができる。
【0064】
一実施例では、櫛歯同士間の距離として、端部から離れた領域、例えば中間領域での距離が端部領域での距離より大きく、これは櫛歯の形状を変更することで実現されてもよく、それにより、他の髪(頭皮表面にない白髪を含む)がスムーズに通過可能になる。
【0065】
一実施例では、白髪抜き櫛歯と一般の櫛歯を交互に配置する。一般の櫛歯は、幅が小さく、内部に除去ユニットが設けられておらず、除去ユニットをその両側の白髪抜き櫛歯内に設けるとともに、走査方向に沿って前後にずれている。
【0066】
前記の単列櫛歯とは異なり、白髪抜き櫛歯を並列に二列又はそれ以上に並べた白髪抜き櫛によれば、短髪の利用者に関して効率の向上は図られている。
【0067】
前記白髪抜き櫛は、その櫛体内に設けられる給電モジュールにより給電され、また、外部電源を使用してよい。
【0068】
さらに、白髪抜き櫛は、歯の先端に近い髪を案内するための髪分け手段や髪押圧プレートを含む。白髪抜き櫛は、毛ローラや一般の櫛であり、倒伏した髪を起こすための髪起こし手段をさらに含む。黄色人種よりも白色人種と黒色人種は一般に巻き毛を有し、髪起こし手段によれば、髪をまっすぐにすることも可能になる。
【0069】
白髪抜き櫛は直接使用可能である。利用者は、白髪抜き櫛を手に持ちながら歯の先端を大角度で頭皮表面に押し付けて、一般の櫛の使用と同様に白髪抜き櫛を移動するだけで、白髪を抜くことができる。
【0070】
数値制御白髪抜きシステム
本発明のさらなる態様によれば、数値制御白髪抜きシステムであって、制御されるロボットアームと、一定の速度と方向で走査を行うようにロボットアームを制御するための数値制御サブシステムと、ロボットアームに設けられる少なくとも一つの上記のような白髪抜きコンポーネントとを含む数値制御白髪抜きシステムが提供される。
【0071】
前記白髪抜きコンポーネントは、前記ロボットアームに可動に接続されることが好ましい。
【0072】
前記数値制御サブシステムは、白髪抜きコンポーネントにおける感知ユニットからの信号に基づいて各白髪抜きコンポーネントの運動をさらに駆動して各白髪抜きコンポーネントの端部を皮膚に接触させることで、白髪抜きの効率を向上させることが好ましい。
【0073】
前記数値制御サブシステムは、利用者の頭部と白髪抜きコンポーネントの位置を検出するための検出ユニットと、利用者の頭部と白髪抜きコンポーネントとの位置関係に基づいて、ロボットアーム本体の姿勢調整制御信号を生成する姿勢制御ユニットと、利用者の頭部と白髪抜きコンポーネントとの位置関係に基づいて、白髪抜きコンポーネントの運動軌跡を制御する軌跡制御ユニットとをさらに含むことが好ましい。
【0074】
前記数値制御サブシステムは、複数の位置特定手段及び送受信ユニットを含むことが好ましい。
【0075】
前記数値制御白髪抜きシステムは、髪を梳かすための補助ロボットアームをさらに含むことが好ましい。
【0076】
前記白髪抜きコンポーネントは、頭部を走査する場合に頭皮と大角度を保持することが好ましい。
【0077】
前記位置特定手段には、少なくとも三つの信号送信/受信点が含まれ、利用者の頭部における髪以下かつ、あご以上の領域、例えば耳、頬骨弓、頬骨、鼻、眉弓及び前額などの領域に固定されてもよい。前記白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛には複数の信号送信/受信点が固定される。
【0078】
固定的な場所、例えば天井、壁面及び地面に信号送信/受信基点が固定される。信号送信/受信点と信号送信/受信基点とは、電磁波や光信号により通信し、電磁波や光の方向、強度及び位相により信号送信/受信点の位置データを測定する。
【0079】
一実施例では、二本のロボットアームが採用され、二本目の補助ロボットアームは、髪を梳かすためのものとなり、例えば、補助ロボットアームによれば、髪を起こしてまっすぐにすることが可能になり、より容易に認識し除去するようになる。
【0080】
前記補助ロボットアームには、一般の櫛が接続されてもよい。利用者の頭部と白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛の実際の位置データに基づいて、数値制御サブシステムは、二本のロボットアームを協働させて白髪を除去するように指揮する。
【0081】
頭皮に接触するのは、白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛のみであり、それらとロボットアーム本体との接続に可動ジョイントが採用され、髪と絡み合ってそれを引っ張ってしまう場合、直ちにロボットアーム本体から離脱可能である。白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛は、ロボットアーム本体により給電され、離脱後は電気がなくなる。ロボットアーム本体は、抵抗に合うと運動を停止する。
【0082】
さらに、ロボットアーム本体と白髪抜きコンポーネントにカメラが設けられることで、利用者がそれらの作動状態を容易に監視可能になる。システム全体に対して電源遮断モジュールと電源遮断ボタンが設けられ、必要時にシステム全体を電源遮断する。ロボットアームの下方は、安全領域となり、利用者が容易に離れることができる。
【0083】
前記数値制御白髪抜きシステムによれば、白髪抜きコンポーネントの感知ユニット、認識ユニット及び白髪除去ユニットをより柔軟に使用可能になる。
【0084】
数値制御白髪抜き方法
当該方法では、上記のような白髪抜きコンポーネントにより、デジタル位置決め又は走査により頭皮を感知して頭皮表面全体の三次元座標データの集合を取得し、認識ユニットと除去ユニットにより前記三次元座標データの集合をデジタル走査座標としてそれぞれ髪色の区別と白髪の除去を行う。
【0085】
一実施例では、まず認識ユニットにより走査し、すべての白髪の毛根の三次元座標を記録してから、数値制御サブシステムによりこれらの白髪を除去するように除去ユニットを指揮する。数値制御技術を採用することの優位性として、白髪を一回走査した後に、複数回の白髪の除去過程に対応できることである。
【0086】
さらに、数値制御技術によれば、白髪の割合を提示し、白髪分布領域図を作成することで、利用者は、自分の好みに応じて白髪を除去するか否か、及び、白髪をどのように除去するかを決めることができる。利用者が永久に白髪を除去するのを選択した場合、数値制御白髪抜きシステムを採用することが望ましく、これは、数値制御技術により、白髪の毛嚢がより徹底的に破壊されるように白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛の短時間の滞留を指揮することができるからである。
【発明の効果】
【0087】
人生の異なる段階では、個人の好みによって白髪を抜く戦略がある程度相違している。白髪が初発する場合、その数が少なく、利用者は、永久に又は非永久にこれらの白髪を除去することを選択してもよい。永久に白髪を除去することの最大の利点は、便利であるが、少数の白髪だけについて毛嚢を破壊するはずである。白髪の数が増えるにつれて、利用者にとっては、非永久に白髪を除去するのを選択することはより合理的になり、将来において利用者にとって必要になる場合、例えば脱毛により髪の数が不十分になってしまう場合、十分な数の髪を保有し、たとえ白髪を保有しても有意義となる。
【0088】
利用者は短髪の髪型を偏愛すれば、白髪抜きが比較的容易になり、これは、短い白髪が直立しており、容易に除去できる一方、短い色髪による白髪抜きへの干渉も小さくなるためである。本発明は、根部から白髪を除去するものであるので、短髪の髪型の場合であっても、利用者は成長した白髪を適時に除去すれば、いつまでも白髪が見えないような良好なイメージを保持ことができ、男性利用者による毎日の髭剃りの感覚になる。
【0089】
利用者は長髪の髪型を偏愛すれば、予め髪を梳かしておく方が良い。
【0090】
まとめ
1.本発明は、適切で実行可能な白髪除去方法を提案し、白髪抜きコンポーネントの筐体の端部に感知ユニットを設けることで、コンポーネントは、皮膚に接触した場合にのみ白髪を認識し初めて抜くようにするので、毛根から白髪を除去することが実現され、頭皮から一定距離離れた箇所にて髪を剪断することによる剪断動作や梳かしへの多くの困難を克服し、白髪を自動的に除去することの実現の困難さを克服することができる。
【0091】
2.本発明は、制御される走査技術を採用して利用者の頭皮全体をカバーすることが実現され、利用者の頭部から白髪が完全に抜かれる。
【0092】
3.毛根から白髪が除去されるので、利用者は白髪を抜いた場合、頭には色髪のみが残るようになり、白髪が全く見えず、確かに利用者の個人的なイメージを向上させている。
【0093】
本発明は、髪以外に、他の如何なる毛、例えば眉毛、髭、腋毛、陰毛、胸毛、背毛、腕毛及びすね毛等にも適用可能である。
【0094】
以下、図面に合わせて本発明の具体的な実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】白髪抜きフローの模式図である。
図2】本発明の第一実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図3a】本発明の第二実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図3b】本発明の第二実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図3c】本発明の第二実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4a】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4b】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4c】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4d】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4e】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4f】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4g】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図4h】本発明の第三実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図5a】本発明の第四実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図5b】本発明の第四実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図5c】本発明の第四実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図5d】本発明の第四実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図6a】本発明の第五実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図6b】本発明の第五実施例による白髪抜きコンポーネントの模式図である。
図7】本発明の第六実施例による白髪抜き櫛の模式図である。
図8】本発明の第七実施例による白髪抜き櫛の模式図である。
図9】本発明の第八実施例による白髪抜き櫛の模式図である。
図10】本発明の第九実施例による数値制御白髪抜きシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
本発明をより明瞭に説明するために、好ましい実施例と図面に合わせて本発明を以下でさらに説明する。図面中の類似する部品について同一の符号で示す。以下に具体的に記述される内容は制限的なものではなく説明的なものであり、それにより本発明の保護範囲を制限するべきではないことは当業者に理解されたい。
【0097】
以下、図1から図4を参照しながら、本発明による白髪抜きコンポーネントの好ましい実施例を具体的に説明する。本発明による白髪抜きコンポーネントは、筐体0と、筐体の端部に設けられる感知ユニット1と、筐体内に設けられる認識ユニット2及び白髪除去ユニット3と(図2に示されるように、図中の各ユニットは模式的なものであり、それらの形状又は互いの位置関係を示すものではない)、好ましく筐体の端部付近の側壁に設けられる窓(図示せず)とを含む。窓は、側壁(側端部を含む)に設けられる開口であってもよく、開口に戸を設けてもよい。本発明の白髪抜きコンポーネントでは、筐体の端部に位置する感知ユニットは、皮膚に接触する時に起動信号を出力する。各認識ユニットは光源モジュールと、情報収集モジュールと、認識モジュールとを含む。認識ユニットは、前記起動信号に応答して、光源モジュールにより光を放出し光路及び筐体における窓を介して作動微小領域に照射し、収集モジュールにより作動微小領域からの反射光を収集し光路を介して情報収集モジュールに伝送し、認識モジュールにより情報収集モジュールからの画像又はスペクトルを認識することで、判断対象が白髪であるか否かを確認し、白髪が認識された場合に抜き信号を出力する。白髪除去ユニットは、前記抜き信号に基づいて認識された白髪を除去する。頭皮表面の全体を梳かし、又は走査すれば、毛根から利用者の頭部の白髪を抜いて色髪を残すことができる。図1には、制御ユニットにより自動走査を行うように白髪抜きコンポーネントを制御する場合のフロー図が示される。
【0098】
以下、白髪抜きコンポーネントの各ユニット及び白髪抜きコンポーネントを組み合せた白髪抜きシステムについて例を挙げて説明する。
【0099】
第一実施例:感知ユニット
図2には、本発明による感知ユニット1を含む白髪抜きコンポーネントが示される。前記感知ユニットは、接触スイッチ、圧力センサ、熱センサ、赤外線センサ、抵抗式ディテクタ、容量式ディテクタ、電磁センサ又は音波認識装置のうちの一つ又は複数である。
【0100】
一つの好ましい実施例では、圧力センサとしての感知ユニットが採用される。筐体0に収容される圧力センサ1は、コンポーネントが頭皮9に接触するときの圧力をセンシングするためのものである。圧力センサ1が頭皮9に接触すると、圧力が増える。圧力が設定値より大きくなると、起動信号が出力される。白髪抜きコンポーネントは、毛髪6を認識し始める。
【0101】
他の好ましい実施例では、接触スイッチとしての感知ユニットが採用される。感知ユニットは、可動子と常時開スイッチとを含んでもよく、白髪抜きコンポーネントが頭皮9に接触すると、可動子が上へ移動し、常時開スイッチがオンにされることで、起動信号が出力される。白髪抜きコンポーネントは、毛髪6を認識し始める。
【0102】
第二実施例:認識ユニット
本発明による白髪抜きコンポーネントにおける認識ユニットは、光源と、情報収集モジュールと、認識モジュールとを含む。図3a-3cには、本発明の第二実施例による認識ユニットを含む白髪抜きコンポーネントの模式図が示される。
【0103】
図3aに示される好ましい実施例では、信号収集モジュールは、従来の顕微技術を採用し、筐体の端部は、半錐状・半方形エンドを例として描かれるものである。コンポーネント10の認識ユニットでは、光源11から発する白色光は、反射鏡13にて反射された後、筐体側面の窓を介して頭皮表面9の髪6の根部に照射し、髪6からの反射光は、反射鏡13と合焦レンズ14を介して情報収集モジュール、例えばCCD画像センサ19に入り、認識モジュールは、収集された作動微小領域内の光学データ情報から白髪を認識する。
【0104】
さらに図3aを参照し、他の好ましい実施例では、信号収集モジュールは、従来の顕微技術を採用し、コンポーネント10の認識ユニットでは、光源11から発する光は、側面から頭皮表面9の髪6の根部に照射し、髪6からの反射光又は蛍光は、反射鏡13、合焦レンズ14及びフィルタ18を介して情報収集モジュール、例えば検出器19に入り、検出器19は、その強度を検出する。認識モジュールは、光強度から白髪を認識し、所定の強度より高い場合には白髪であり、所定の強度より低い場合には色髪であり、又は作動微小領域内に髪が存在しない。
【0105】
図3bを参照する好ましい実施例では、信号収集モジュールは、非顕微技術を採用し、錐状エンドを例として描かれるものである。小型の光源21、フィルタ28及び検出器29は、コンポーネント20の底部領域に直接配置されており、光源21から発する光は、側面から頭皮表面9の髪6の根部に照射し、髪6からの反射光又は蛍光は、フィルタ28を介して検出器29に入り、認識モジュールは、検出された光強度から白髪を認識する。
【0106】
図3cを参照する好ましい実施例では、信号収集モジュールは、共焦点顕微技術を採用し、方形エンドを例として描かれるものであり、コンポーネント30では、紫色光源31から発する光は、半透明半反射の二色性ミラー32を介して側面から頭皮表面9の髪6の根部に照射し、髪6から発する蛍光は、合焦レンズ34と反射鏡33(両者の順序は入れ替えてもよい)を介して二色性ミラー32にて反射された後、反射鏡35、合焦レンズ36、ピンホール37及びフィルタ38を介して検出器39に入り、検出器39は、蛍光強度を検出し、認識モジュールは、蛍光強度から白髪を認識する。
【0107】
第三実施例:白髪除去ユニット
本発明による白髪抜きコンポーネントにおける白髪除去ユニットは、光エネルギに基づく除去、力に基づく除去、電気エネルギに基づく除去、磁気エネルギに基づく除去、音響エネルギに基づく除去又は熱エネルギに基づく除去のうちの一つ又は複数の組合せを採用して、認識された白髪を除去する。図4a-4hには、本発明の第三実施例による白髪除去ユニットを含む白髪抜きコンポーネントの模式図が示される。
【0108】
図4aと4bを参照する好ましい実施例では、コンポーネント40における除去ユニットは、認識ユニットから発する抜き信号を受信した場合、微細針電極49は、電磁石又は圧電体41、例えば多層スタック圧電アクチュエータにより駆動されて窓を介して頭皮9に突き刺され、方形エンドを例として描かれるものである。1~2mm突き刺すと、白髪8の毛嚢に入る。微細針電極49に電圧パルスを印加することで、永久に白髪8の毛嚢を破壊することができる。パルス発生ユニットによる電圧パルスは、ワイヤ43を介して微細針電極49に印加され、図4bに示されるように、微細針電極49における頭皮以上の部分は、絶縁体44により保護されている。柔軟性封止材料47は、コンポーネント40の側底部の窓付近に配置されることで、髪やふけ及びほこり等の微細粒子がコンポーネント40内に入ることが防止されている。
【0109】
図4cを参照する好ましい実施例では、コンポーネント50における除去ユニットは、認識ユニットから発する抜き信号を受信した場合、大電力レーザ光源51は、高強度の光パルスを発生し、合焦レンズ、例えば凹状反射鏡53により光エネルギを白髪8の根部に合焦させることで、焦点にある白髪8を切断する(図4cに示されるように、錐状エンドを例として描かれるものである)。
【0110】
図4cを参照する他の好ましい実施例では、コンポーネント50における除去ユニットは、認識ユニットから発する抜き信号を受信した場合、光源51は、高強度の光パルスを発生し、凹状反射鏡53により白髪8の根部に合焦させる。同時に、電極59は、RF電気パルスを放出する(接地電極は隣接するユニットの壁面であるが、図示されていない)。光エネルギと電気エネルギの協力により頭皮表面9にて白髪8を切断する。
【0111】
図4dと4eを参照する好ましい実施例では、コンポーネント60の除去ユニットは、認識ユニットから発する電気パルスを受け取った場合、マイクロステッピングモータ61によりツールバー66を半回転させるように動かし、方形エンドを例として描かれるものであり、ツールバー66の遠端は、軸受62により支持され、ツールバー66に固定されるブレード68は、回転(回転方向63は図4eに示されるとおりである)過程において頭皮表面9にて白髪8を切断する。封止材料67は、除去ユニット60の外筐の側底部に固定される。
【0112】
図4fを参照する好ましい実施例では、コンポーネント70の除去ユニットは、認識ユニットから発する抜き信号を受信した場合、電磁石又は圧電体71、例えば多層スタック圧電アクチュエータが作動するようになり、支点72によって固定されるレバー76を右へ運動させるように駆動する。ブレード78は、きっさき以外が弾性封止材料77によって包まれ、ブレード78は、レバー76により押されて右へ運動し窓を介して、頭皮表面9にて白髪8を切断する(図4fに示されるように、方形エンドを例として描かれるものである)。その後、弾性封止材料77が反発することで、レバー76とブレード78を復帰させるように動かす。弾性封止材料77は、除去ユニット70の側底部にて外筐と密着することで、封止が図られている。
【0113】
図4gを参照する好ましい実施例では、コンポーネント80の除去ユニットは、認識ユニットから発する抜き信号を受信した場合、電磁石又は圧電体81、例えば多層スタック圧電アクチュエータは、作動し始めて先端が下へ運動し、案内溝82又は除去ユニット80の筐体による案内でフレキシブルブレード88は、方向転換となるように駆動され(図4gに示されるように、半錐状・半方形エンドを例として描かれるものである)、速やかに右へ運動し窓を介して白髪8を切断する。その後、電磁石又は圧電アクチュエータ81によりブレード88を復帰させるように動かす。柔軟性封止材料87は、除去ユニット80の側底部に配置される。
【0114】
図4hを参照する好ましい実施例では、コンポーネント90の除去ユニットは、認識ユニットから発する電気パルスを受け取った場合、固定材料92により固定される圧電体91、例えば圧電曲げアクチュエータは、電圧の作用で右へ曲がり(図4hに示されるように、方形エンドを例として描かれるものである)、下端が変位し、ブレード98を右へ運動させるように直接動かし、それにより、ブレード98は、窓を介して隣接する筐体と押し合うことで、白髪8を切断する。その後、圧電アクチュエータ91によりブレード98を復帰させるように動かす。柔軟性封止材料97は、側底部に配置されることで、除去ユニット90を封止する。
【0115】
第四実施例:白髪抜きコンポーネント
本発明による白髪抜きコンポーネントは、感知ユニットと、少なくとも一つの認識ユニット及び白髪除去ユニットとを含む。図5a-5dには、本発明の第四実施例による白髪抜きコンポーネントにおける各ユニットの配置位置の模式図が示される。
【0116】
図5aを参照する好ましい実施例では、白髪抜きコンポーネント100の端部に感知ユニット101、認識ユニット102及び除去ユニット106が配置され、認識ユニット102と除去ユニット106は、同一の作動微小領域を向いている。白髪8が発見された場合、除去ユニット106は、窓を介して根部から白髪8を切断するように駆動される。
【0117】
図5bを参照する好ましい実施例では、白髪抜きコンポーネント110の端部に感知ユニット101、認識ユニット103及び除去ユニット106が配置され、認識ユニット102と除去ユニット106は、異なる作動微小領域を向いている。白髪抜きコンポーネント110が定速で前へ(運動方向107に沿って)運動する場合、認識ユニット103により作動微小領域にて白髪8’が認識され、除去ユニット106は、プリセットした時間遅延して応答し、この時、白髪8’の相対位置が除去ユニット106に正対する白髪8の位置に移動したため、除去ユニット106は、窓を介して白髪を除去する。
【0118】
図5cを参照する好ましい実施例では、白髪抜きコンポーネント120の筐体の端部に感知ユニット101、除去ユニット106及び認識ユニット104が配置され、認識ユニット105は、対向側筐体の端部に配置され、即ち、白髪抜きコンポーネント120’の筐体内に位置してもよい。認識ユニット104又は105により白髪8が発見された場合、除去ユニット106は、白髪8を切断するように駆動される。
【0119】
図5dを参照する好ましい実施例では、白髪抜きコンポーネント130の端部に感知ユニット101が配置され、認識ユニットと除去ユニットは、合焦レンズ107を共用し、認識のために低強度の光を使用し、白髪8が発見された場合、光源(図示せず)の光強度を高めて白髪8を切断する。
【0120】
第五実施例:白髪抜きコンポーネント
図6a-6bには、本発明の第五実施例による白髪抜きコンポーネントにおける筐体の端部形状の模式図が示される。図6aを参照する好ましい実施例では、白髪抜きコンポーネントの端部は、方形エンド140とされ、方形エンド140は、大面積で頭皮に接触するので、その底部の空間が大きくなり、認識ユニット(図示せず)と除去ユニット148がより頭皮9に近接して配置され、除去後の白髪8の残留根部がより短いものとなる。方形エンドでは、コンポーネント140近傍の白髪8のみを除去でき、コンポーネント140自体に覆われる頭皮領域内の白髪145は除去できなくなる。
【0121】
白髪抜きコンポーネントの設計によれば、エンド140は、各ユニットの作動領域となり、作動時、エンド140は、頭皮表面9に対して略垂直である。エンド以上の部分も一般に頭皮と垂直であるが、図6aに示されるように、エンド上部141と頭皮表面に対する垂直線142との間に一定の角度αを持たせてもよい。
【0122】
図6bを参照する好ましい実施例では、白髪抜きコンポーネントの端部は、錐状エンド150とされ、錐状エンド150によれば、すべての髪をエンド150の両側に分けるようになるので、エンド150に覆われることがなくなる。錐状エンドは、頭皮に直接接触する部分が小さくなり、認識ユニット(図示せず)と除去ユニット158を頭皮9から比較的遠い位置にしか配置できないので、除去後の白髪8の残留根部は、方形エンドの場合よりも長くなる。
【0123】
第六実施例:白髪抜き櫛
本発明の第六実施例には、本体208と複数の櫛歯202とを含む白髪抜き櫛200が示され、少なくとも一つの櫛歯は、上記のような白髪抜きコンポーネントである。本発明の白髪抜き櫛を使用すれば、髪を梳かしながら白髪を除去することができる。毎日髪を梳かせば、髪をすべて黒髪とすることができる。
【0124】
本発明の一つの好ましい実施例によれば、白髪抜きコンポーネント202の筐体は、上部が下部より広く、図7に示されるように、それらを並べることで白髪抜き櫛200とする。各白髪抜きコンポーネント202は、白髪抜き櫛200の一つの櫛歯となり、櫛歯の下端が同一の直線にある。
【0125】
例えば、各白髪抜きコンポーネント202には、図2のような感知ユニット0と、図3aのような認識ユニット10(下端を方形エンドに変更する)と、図4hのような除去ユニット90とが含まれている。例えば、白髪抜き櫛200における最も横の櫛歯204内には、いかなる作動ユニットも含まれていない。
【0126】
白髪抜き櫛は、給電モジュールにより給電され、給電モジュール(図示せず)は、櫛背208とも称される本体内に設けられ、各白髪抜きコンポーネント202の上端にある破線領域から導入され白髪抜きコンポーネント202に給電する。
【0127】
第七実施例:白髪抜き櫛
本発明の他の好ましい実施例によれば、図8に示されるように、白髪抜き櫛210は、その櫛歯として並べられた白髪抜きコンポーネント212を含む。各櫛歯212は、下端において曲がり、すべての櫛歯は、下端の端面が同一の平面にあり、端面(使用時には頭皮表面となる)での櫛歯同士間の隙間214は、作動微小領域の幅となり、上部での櫛歯同士間の間隔である幅216は、大きくされることで、他の髪(頭皮表面にない白髪を含む)がスムーズに白髪抜き櫛210を通過可能になる。白髪抜き櫛210は、電池により給電され、電池(図示せず)は、例えばハンドル218内に配置される。
【0128】
第八実施例:白髪抜き櫛
本発明の他の好ましい実施例によれば、図9に示されるように、白髪抜き櫛230は、方形エンドを持つ櫛歯231と、錐状エンドを持つ櫛歯232とを含む。錐状エンドを持つ櫛歯232は、幅が小さいものであり、内部に白髪除去ユニットを配置する代わりに、その両側にある方形エンドを持つ櫛歯233と231内に除去ユニット235と237をそれぞれ配置する。白髪抜き櫛230における最も横となる二つの櫛歯233と234内にそれぞれ一つの除去ユニット、即ち235と236が配置されればよく、他の方形エンドを持つ櫛歯231のいずれにも二つの除去ユニット237と238が含まれ、両ユニットは、走査方向に沿って前後にずれており、作動時、237が左、238が右に向かって白髪を切断する。
【0129】
第九実施例:数値制御白髪抜きシステム
本発明の第十実施例によれば、制御されるロボットアームと、ロボットアームに設けられる少なくとも一つの上記のような白髪抜きコンポーネントとを含む数値制御白髪抜きシステムが提供される。白髪抜きコンポーネントをロボットアームと組み合わせることで、自動かつ効率的に白髪を除去できる。
【0130】
本発明の一つの好ましい実施例によれば、図10に示されるように、複数の白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310をロボットアーム本体300に接続させてもよく、ロボットアーム本体300は、3~6個の自由度を有し、各自由度は、独立して駆動される関節350により実現される。
【0131】
本発明の一つの好ましい実施例によれば、前記システムは、一定の速度と方向で走査を行って図1に示される白髪抜きフローを実現するようにロボットアームを制御するための数値制御サブシステムを含む。
【0132】
前記数値制御サブシステムは、白髪抜きコンポーネントにおける感知ユニットからの信号に基づいて各白髪抜きコンポーネントの運動を駆動して各白髪抜きコンポーネントの端部を皮膚に接触させることで、白髪を認識して抜くことが好ましい。
【0133】
本発明の一つの好ましい実施例によれば、利用者の頭皮399の実際の位置データ及び白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310の実際の位置データに基づいて、数値制御サブシステム330は、ロボットアーム本体の姿勢制御信号及び白髪抜き櫛の走査領域と方向制御信号を生成する。ロボットアーム本体300は、前記信号に基づいて、頭皮399を走査して白髪を除去するように白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310を駆動する。走査時、白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310は、頭皮399と大角度を保持する。
【0134】
白髪を抜くことに先立って、利用者の頭部999に位置特定手段320を固定する。位置特定手段320に三つの信号送信/受信点321、322及び323が含まれることで、頭部999に対する位置特定が行われる。位置特定手段320は、利用者の頭部の鼻、頬骨、頬骨弓及び耳などの領域に固定される。白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310には、三つの信号送信/受信点311、312及び313が固定される。
【0135】
頭部999及び白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310の実際の位置データを測定するために、壁面に信号送信/受信基点(図示せず)を固定する。すべての信号送信/受信点と信号送信/受信基点との間の信号通信は、電磁波を採用し、電磁波の方向や強度及び位相から位置データを測定する。位置データは、ロボットアーム本体300の位置を修正するために用いられ、頭部999の位置変化が大きすぎると、改めて走査するための信号を送信してもよい。
【0136】
頭皮399に接触するのは、白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310のみであり、白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310は、可動ジョイント307によりロボットアーム本体300に接続される。白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310は、髪と絡み合ってそれを引っ張ってしまう場合、ロボットアーム本体300から離脱する。白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310は、ロボットアーム本体300により給電される。ロボットアーム本体300は、抵抗に合うと運動を停止する。ロボットアーム本体300にカメラ(図示せず)が設けられ、システム全体に対して緊急電源遮断ボタン(図示せず)が設けられる。
【0137】
本発明の他の好ましい実施例によれば、数値制御白髪抜きシステムは、二本のロボットアーム300と340を採用してもよい。ロボットアーム本体340には、髪397を梳かすための櫛342が接続される。数値制御サブシステム330は、櫛342の実際の位置データに基づいて信号を送信してロボットアーム340を指揮することで、ロボットアーム300と協働させて白髪を除去する。櫛342の信号送信/受信点344と信号送信/受信基点との間の信号通信は、電磁波を採用する。
【0138】
本発明のさらなる好ましい実施例によれば、白髪抜きコンポーネントの白髪除去ユニットと認識ユニットは、個別に使用されるものであり、ロボットアーム300により白髪抜きコンポーネントを運動させるように動かす場合、認識ユニットにより走査しながら、すべての白髪の頭皮表面での三次元座標を記録して数値制御サブシステム330に入力し、さらに、数値制御サブシステム330は、白髪抜きコンポーネントを運動させるようにロボットアームを指揮することで、除去ユニットにより既知の座標にて白髪を除去する。
【0139】
本発明のさらなる好ましい実施例によれば、永久に白髪を除去するようにする。数値制御サブシステム330により制御される白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310は、白髪の成長箇所ごとに数秒滞留することで、白髪抜きコンポーネント又は白髪抜き櫛310に備えられた実施例7のような白髪除去ユニット50により白髪の毛嚢を破壊する。
【0140】
本発明に記載の上記実施例は、本発明を明瞭に説明するために挙げられたものに過ぎず、本発明の実施形態を限定するものではなく、当業者にとっては、上記説明をもとに他の様々な変化や変形を行うことができ、ここではすべての実施形態を挙げ尽くすことができないが、本発明の技術的解決手段から派生される自明な変化や変形のいずれも本発明の保護範囲に含まれることは明らかである。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】