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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】上肢及び下肢用リハビリ運動装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 1/02 20060101AFI20220405BHJP
   A63B 23/04 20060101ALI20220405BHJP
   A63B 23/12 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A61H1/02 G
A63B23/04 Z
A63B23/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546859
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(85)【翻訳文提出日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2020015121
(87)【国際公開番号】W WO2021096127
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2019-0146775
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0022971
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0043955
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521354075
【氏名又は名称】エイチ ロボティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】H ROBOTICS INC.
【住所又は居所原語表記】(POSTECH, C5) 621-ho, 77, Cheongam-ro, Nam-gu, Pohang-si, Gyeongsangbuk-do 37673 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】チェ ビョンギル
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA09
4C046AA45
4C046AA46
4C046BB04
4C046BB08
4C046DD02
4C046DD12
(57)【要約】
本発明は、上肢及び下肢用リハビリ運動装置に関するものであり、手または足を支持する第1支持部と、上肢の前腕または下肢の下腿を支持する第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部を回転可能に結合する一対の第1ヒンジ部と、上肢の上腕または下肢の大腿を支持する第3支持部と、前記第3支持部と共に回転し、前記第2支持部が相対回転可能に結合される一対の第2ヒンジ部と、前記第2支持部と前記第3支持部との間の角度を調整する角度調整部を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手または足を支持する第1支持部と、
上肢の前腕または下肢の下腿を支持する第2支持部と、
前記第1支持部と前記第2支持部を回転可能に結合する一対の第1ヒンジ部と、
上肢の上腕または下肢の大腿を支持する第3支持部と、
前記第3支持部と共に回転し、前記第2支持部が相対回転可能に結合される一対の第2ヒンジ部と、
前記第2支持部と前記第3支持部との間の角度を調整する角度調整部を含むことを特徴とする上肢及び下肢用リハビリ運動装置。
【請求項2】
前記角度調整部は、
前記第2支持部と連結されて、前記一対の第2ヒンジ部と独立して回転するように、前記一対の第2ヒンジ部とそれぞれ軸結合する一対の回転プレートと、
前記一対の回転プレートの円周方向に沿って形成された複数の固定孔と、
前記一対の第2ヒンジ部との間に設けられ、前記第1支持部に向かって往復移動する角度固定レバーと、
前記角度固定レバーに回転可能に結合される一対の第1伝達リンクと、
前記一対の第1伝達リンクにそれぞれ回転可能に結合して、前記角度固定レバーの往復移動に応じて選択された前記固定孔に挿入または挿入解除を行って、前記一対の回転プレートの回転の断続または断続解除を行う第2伝達リンクを含むことを特徴とする請求項1に記載の上肢及び下肢用リハビリ運動装置。
【請求項3】
前記固定孔は、前記角度固定レバーの往復移動に応じる前記第2伝達リンクの回転半径を考慮して、前記回転プレートの半径方向に対して一定の角度で傾斜するように形成されたことを特徴とする請求項2に記載の上肢及び下肢用リハビリ運動装置。
【請求項4】
前記第2伝達リンクが選択された前記固定孔に挿入されるように、前記角度固定レバーに弾性力を発生する弾性部材をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の上肢及び下肢用リハビリ運動装置。
【請求項5】
前記回転プレートの円周方向に沿って半円弧形状に前記回転プレートに貫通して形成された第1回転ガイド孔と、
前記第2ヒンジ部から突出して前記第1回転ガイド孔に沿って移動する第1回転ガイド突起をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の上肢及び下肢用リハビリ運動装置。
【請求項6】
前記第2ヒンジ部の回転中心を挟んで前記第1回転ガイド孔と相互に対向するように、前記回転プレートの円周方向に沿って半円弧形状に貫通して形成された第2回転ガイド孔と、
前記第2ヒンジ部から突出して前記第2回転ガイド孔に沿って移動する第2回転ガイド突起をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の上肢及び下肢用リハビリ運動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は上肢及び下肢用リハビリ運動装置に関し、より具体的には、上肢または下肢を載置して、上肢または下肢のリハビリ運動が行なえる上肢及び下肢用リハビリ運動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人体の各関節部位は、関節部位に隣接する部位が関節部位を基準に回転可能な構造を有する。
【0003】
一方、高齢者や筋力が弱いリハビリ患者は自らの運動が不能で、健康な人に比べて、関節の運動に難渋していて、実質的に運動が必要であるにも一般的な運動器具にて運動を行うことが現実的に困難な実情である。
【0004】
筋力が弱くなったり、損傷した関節が放置され続けると、筋肉や関節が徐々に固まって動く際に、痛みを感じるようになり、神経が回復されても、通常の活動に支障をきたすことがあり得る。
【0005】
また、手首及び肩のような関節部位を手術した患者の場合には、自らの運動が不能であるから、筋肉が弱くなって円滑な栄養の供給が行われていなくて手首及び肩の関節部位が堅くなりながら固まるおそれがある。
【0006】
これにより、関節の変形を防止し、正常活動に復帰するためには、長時間の痛みを伴うリハビリ運動を行うべきである。
【0007】
この問題を改善するために、高齢者や筋力が弱いリハビリ患者に受動的運動を付与して、関節の運動を行わせるためのリハビリ運動装置の先行技術として、韓国登録特許公報第10-1163903号に脳卒中患者の上肢リハビリのための外骨格ロボットが開示されている。
【0008】
先行技術に開示されたリハビリ機器は不必要に複雑な構成になっており、購入及び設置に伴う費用の負担が大きく、より多くのユーザーに恩恵を提供しにくい問題がある。また、リハビリ運動装置の移動が容易ではなく、ほとんどのユーザーがリハビリ運動装置がある場所に移動して運動を行うべきなので、使用上の煩わしい問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-1163903号(発明の名称:脳卒中患者の上肢リハビリのための外骨格ロボット、登録日:2012.07.02.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記のような点を勘案して案出されたものであり、本発明は、リハビリ患者の前腕と上腕の間、または、下腿と大腿の間の様々な角度に合わせてリハビリ運動が行なえて、構造を単純化させて購入及び設置に伴う費用の負担を最小化して、移動が便利でお年寄りや筋力が弱いリハビリ患者が容易に移動させて、机、椅子、マットレスなどに安着してから、上肢または下肢を簡便に載置し、上肢または下肢の各関節を正常運動に近似したリハビリ運動が行なえる上肢及び下肢用リハビリ運動装置を提供することを発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、手または足を支持する第1支持部と、上肢の前腕または下肢の下腿を支持する第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部を回転可能に結合する一対の第1ヒンジ部と、上肢の上腕または下肢の大腿を支持する第3支持部と、前記第3支持部と共に回転し、前記第2支持部が相対回転可能に結合される一対の第2ヒンジ部と、前記第2支持部と前記第3支持部との間の角度を調整する角度調整部を含むことを特徴とする上肢及び下肢用リハビリ運動装置により達成される。
【0012】
ここで、前記角度調整部は、前記第2支持部と連結されて、前記一対の第2ヒンジ部と独立して回転するように、前記一対の第2ヒンジ部とそれぞれ軸結合する一対の回転プレートと、前記一対の回転プレートの円周方向に沿って形成された複数の固定孔と、前記一対の第2ヒンジ部との間に設けられ、前記第1支持部に向かって往復移動する角度固定レバーと、前記角度固定レバーに回転可能に結合される一対の第1伝達リンクと、前記一対の第1伝達リンクにそれぞれ回転可能に結合して、前記角度固定レバーの往復移動に応じて選択された前記固定孔に挿入または挿入解除を行って、前記一対の回転プレートの回転の断続または断続解除を行う第2伝達リンクを含むことができる。
【0013】
前記固定孔は、前記角度固定レバーの往復移動に応じる前記第2伝達リンクの回転半径を考慮して、前記回転プレートの半径方向に対して一定の角度で傾斜するように形成することができる。
【0014】
前記第2伝達リンクが選択された前記固定孔に挿入されるように、前記角度固定レバーに弾性力を発生する弾性部材をさらに含むことができる。
【0015】
前記回転プレートの円周方向に沿って半円弧形状に前記回転プレートに貫通して形成された第1回転ガイド孔と、前記第2ヒンジ部から突出して前記第1回転ガイド孔に沿って移動する第1回転ガイド突起をさらに含むことができる。
【0016】
前記第2ヒンジ部の回転中心を挟んで前記第1回転ガイド孔と相互に対向するように、前記回転プレートの円周方向に沿って半円弧形状に貫通して形成された第2回転ガイド孔と、前記第2ヒンジ部から突出して前記第2回転ガイド孔に沿って移動する第2回転ガイド突起をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、リハビリ患者の前腕と上腕の間、または、下腿と大腿の間の様々な角度に合わせてリハビリ運動が行なえて、構造を単純化させて購入及び設置に伴う費用の負担を最小化して、移動が便利でお年寄りや筋力が弱いリハビリ患者が容易に移動させて、机、椅子、マットレスなどに安着してから、上肢または下肢を簡便に載置し、上肢または下肢の各関節を正常運動に近似したリハビリ運動が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置の斜視図である。
図2図1におけるベースプレートが載置プレートから傾斜された状態を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置を用いて、上肢のリハビリを行う状態を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置を用いて、下肢のリハビリを行う状態を示す図である。
図5図1におけるリハビリ運動ユニットの斜視図である。
図6】本発明に係る第2支持部の長さの調整過程を説明するための図5の平面図である。
図7図6における第2支持部の動作メカニズムを説明するための図である。
図8図6における長さストッパーを示す要部拡大断面図である。
図9】本発明に係る第2支持部の長さの調整過程を説明するための他の実施形態の図である。
図10図9における回転ストッパーの要部拡大斜視図である。
図11図10における断続ダイヤルの斜視図である。
図12図9の要部拡大断面図である。
図13図1における載置プレートがベースプレートに対して一定の角度で起立された状態を示す要部拡大斜視図である。
図14図12における載置プレートの動作メカニズムを説明するための図である。
図15図13における要部拡大図である。
図16】ベースプレートの内部から見たとき、固定ユニットの動作過程を示す図である。
図17図1の要部底面斜視図である。
図18】本発明に係る第2支持部と第3支持部との間の角度を調整する過程を示す図17の底面図である。
図19】本発明に係る第2支持部と第3支持部との間の角度調整状態を示す図である。
図20】本発明に係る角度固定レバーと回転プレートの配置状態を示す図である。
図21】本発明に係る駆動モジュールを示す図で、(a)は斜視図、(b)が要部拡大図である。
図22】本発明に係るライト第2ヒンジ部の斜視図である。
図23】一実施形態として、本発明に係るライト第2ヒンジ部に駆動モジュールが装着された状態を示す図である。
図24】本発明に係る駆動軸部材とヒンジ軸部材を示す図で、(a)は分解斜視図、(b)が動作メカニズムを説明するための図である。
図25】一実施形態として、第1ヒンジ部での回転ギアプレートとギア断続部材の相互動作関係を示す図である。
図26】駆動モジュールと各ヒンジ部のタグ付けを説明するための図である。
図27】固定ユニットの他の実施形態を示す図である。
図28図27における動作レバーが除去された状態で係止フックが係止ピンに係止した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、上肢及び下肢用リハビリ運動装置に関するものであり、手または足を支持する第1支持部と、上肢の前腕または下肢の下腿を支持する第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部を回転可能に結合する一対の第1ヒンジ部と、上肢の上腕または下肢の大腿を支持する第3支持部と、前記第3支持部と共に回転し、前記第2支持部が相対回転可能に結合される一対の第2ヒンジ部と、前記第2支持部と前記第3支持部との間の角度を調整する角度調整部を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されることができ、単に本実施形態は、本発明の開示が完全にして、本発明が属する技術分野の通常の技術者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されているものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
【0021】
本明細書で使用する用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書では、単数形は、文句で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素以外に一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。明細書全体にわたって同一の符号は同一の構成要素を指し、「及び/または」は、言及された構成要素のそれぞれ及び一つ以上のすべての組み合わせを含む。たとえ「第1」、「第2」などのさまざまな構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語により限定されないのはもちろんである。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下、記載されている第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0022】
他の定義がなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学の用語を含む)は、本発明が属する技術分野の通常の技術者に共通して理解することができる意味で使用されることができる。また、一般的に使用される辞典に定義されている用語は明白に特別に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明について詳細に説明する。
【0024】
図1乃至図25には、本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置1が示されている。
【0025】
これらの図に示すように、本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置1は、リハビリ運動ユニット3と、リハビリ運動ユニット3を支持する載置台5を含む。
【0026】
リハビリ運動ユニット3は、手または足を支持する第1支持部310と、上肢の前腕または下肢の下腿を支持する第2支持部320と、第1支持部310と第2支持部320を回転可能に連結する一対の第1ヒンジ部311,312と、上肢の上腕または下肢の大腿を支持する第3支持部330と、第2支持部320と第3支持部330を回転可能に連結する一対の第2ヒンジ部331,332を含むことができる。
【0027】
載置台5は、ベースプレート510と、リハビリ運動ユニット3が載置される載置プレート520を含む。ベースプレート510と載置プレート520は、水平方向の動きを垂直方向の動きに変換するリンクメカニズム(Link-mechanism)が適用されるのに、載置プレート520の一側がベースプレート510の板面に沿って水平移動可能に設置され、載置プレート520の中間領域がリンク部材530の一側に連結され、リンク部材530の他側がベースプレート510に回転可能に設けられることにより、リンクメカニズム(Link-mechanism)が適用される。
【0028】
前記のような構成に応じて、図1に示すように、載置プレート520がベースプレート510に折りまれた状態において、図3に示すように、上肢のリハビリ訓練が行なえて、図2に示すように、リンクメカニズムにより載置プレート520をベースプレート510から一定の角度で起立させた状態で、図4に示すように、下肢のリハビリ訓練が行なえる。
【0029】
ここで、載置プレート520とベースプレート510との間の角度調整と、角度の固定及び固定解除については後述する。
【0030】
本発明に係るリハビリ運動ユニット3は、上肢または下肢での使用、リハビリ対象者の上肢の長さや下肢の長さに応じて調節できるように、第2支持部320の長さを調節して、第1支持部310と第3支持部330の間の間隔を調節する間隔調節部を含む。
【0031】
図5乃至図8を参照して、本発明に係るリハビリ運動ユニット3の間隔調節部を説明する。
【0032】
本発明に係るリハビリ運動ユニット3は、積層式スライドクランク(Slide-crank)の構造が第2支持部320に適用され、上肢の前腕または下肢の下腿を支持する第2支持部320の長さが調節されることを例にする。
【0033】
第2支持部320は、第1固定プレート322と、第2固定プレート323と、第1移動プレート324と、第2移動プレート325及びヒンジ軸部321を含むことができる。
【0034】
第1固定プレート322は、一対の第1ヒンジ部311,312に連結されて、第1支持部310と回転可能に結合する。第2固定プレート323は、一対の第2ヒンジ部331,332と連結されて第3支持部330と回転可能に結合する。
【0035】
第1移動プレート324は、第1固定プレート322とヒンジ軸部321との間に設けられ、往復移動する。
【0036】
第2移動プレート325は、第2固定プレート323とヒンジ軸部321との間に設けられ、往復移動する。
【0037】
ヒンジ軸部321は、第1固定プレート322と第2固定プレート323との間に設けられる。
【0038】
一方、間隔調節部は、第1クランク部326と第2クランク部327を含む。
【0039】
第1クランク部326は、第1固定プレート322とヒンジ軸部321に回転可能に連結されて、ヒンジ軸部321の回転運動を第1固定プレート322の直線運動に変換する。
【0040】
第1クランク部326は、第1調節リンク326aと、第2調節リンク326bと、第1連結リンク326cを含む。
【0041】
第1調節リンク326aは、ヒンジ軸部321に回転可能に結合される。
【0042】
第2調節リンク326bは、一側が第1調節リンク326aに回転可能に結合され、他側が第1固定プレート322に回転可能に結合される。
【0043】
第1連結リンク326cは、第1移動プレート324と、第1調節リンク326aの中間領域に回転可能に結合される。
【0044】
第2クランク部327は、第2固定プレート323とヒンジ軸部321に回転可能に連結されて、ヒンジ軸部321の回転運動を第2固定プレート323の直線運動に変換する。
【0045】
第2クランク部327は、第3調節リンク327aと、第4調節リンク327bと、第2連結リンク327cを含む。
【0046】
第3調節リンク327aは、ヒンジ軸部321に回転可能に結合される。第3調節リンク327aは、第1調節リンク326aに対して180度の角度を置いて対向配置される。
【0047】
第4調節リンク327bは、一側が第3調節リンク327aに回転可能に結合され、他側が第2固定プレート323に回転可能に結合される。第4調節リンク327bは、第2調節リンク326bと相反するように配置される。
【0048】
第2連結リンク327cは、第2移動プレート325と第3調節リンク327aの中間領域に回転可能に結合される。第2連結リンク327cは、第1連結リンク326cと相反するように配置される。
【0049】
一方、第1移動プレート324は、第1固定プレート322から第1移動プレート324に向かって延びた一対の第1ガイド棒329aにより往復移動がガイドされる。また、第1移動プレート324は、ヒンジ軸部321から第1移動プレート324に向かって延びた一対の第3ガイド棒329cにより往復移動がガイドされる。ここで、本実施形態においては、第1ガイド棒329aと第3ガイド棒329cがそれぞれ、一対で備わることが図示されているが、これに限定されず、第1ガイド棒329aと第3ガイド棒329cはそれぞれ、一つ以上で備えられる。
【0050】
そして、第2移動プレート325は、第2固定プレート323から第2移動プレート325に向かって延びた一対の第2ガイド棒329bにより往復移動がガイドされる。また、第2移動プレート325は、ヒンジ軸部321から第2移動プレート325に向かって延びた一対の第3ガイド棒329cにより往復移動がガイドされる。ここで、本実施形態においては、第2ガイド棒329bと第3ガイド棒329cがそれぞれ、一対で備わることが図示されているが、これに限定されず、第2ガイド棒329bと第3ガイド棒329cはそれぞれ、一つ以上で備えられる。
【0051】
前記のような構成に応じて、本発明に係るリハビリ運動装置1の間隔調節部は、図7に示すように、第1固定プレート322及び第1移動プレート324と、第2固定プレート323及び第2移動プレート325がそれぞれ、ヒンジ軸部321を中心に相互接近または離隔するように連動して動作するスライドクランク(Slide-crank)のメカニズムが実装されて、第2支持部330の長さの調節が可能になり、第1支持部310と第3支持部330との間の間隔を調節することができる。
【0052】
以下、本発明の理解を助けるために、図7を用いて、第2支持部330の長さの調節について具体的に説明する。
【0053】
図7において、第1調節リンク326aと第2調節リンク326bをヒンジ軸部321を中心にして時計廻りで旋回させると、第1調節リンク326aと第2調節リンク326bとの間の角度、第1調節リンク326aと第1連結リンク326cとの間の角度が増加し、ヒンジ軸部321と第1固定プレート322との間の間隔が大きくなる。同様に、第3調節リンク327aと第4調節リンク327bとの間の角度、第3調節リンク327aと第2連結リンク327cとの間の角度が第1調節リンク326aと第2調節リンク326bとの間の等しい大きさで増加し、ヒンジ軸部321と第2固定プレート323との間の間隔が大きくなる。これにより、第1固定プレート322と第2固定プレート323はそれぞれ、ヒンジ軸部321から等しい大きさで開くことになる。
【0054】
逆に、図7において、第1調節リンク326aと第2調節リンク326bをヒンジ軸部321を中心にして反時計廻りで旋回させると、第1調節リンク326aと第2調節リンク326bとの間の角度、第1調節リンク326aと第1連結リンク326cとの間の角度が減少し、ヒンジ軸部321と第1固定プレート322との間の間隔が小さくなる。同様に、第3調節リンク327aと第4調節リンク327bとの間の角度、第3調節リンク327aと第2連結リンク327cとの間の角度が第1調節リンク326aと第2調節リンク326bとの間の等しい大きさで減少し、ヒンジ軸部321と第2固定プレート323との間の間隔が小さくなる。これにより、第1固定プレート322と第2固定プレート323はそれぞれ、ヒンジ軸部321から等しい大きさで絞られることになる。
【0055】
したがって、本発明に係るリハビリ運動装置1は、第1固定プレート322及び第1移動プレート324と、第2固定プレート323及び第2移動プレート325がヒンジ軸部321を中心に相互に接近または離隔するように連動して動作される。
【0056】
一方、第1固定プレート322と第2固定プレート323は、一対の連結バー328により連結される。
【0057】
本発明においては、連結バー328の一側が第2固定プレート323に固定され、第1固定プレート322は連結バー328に移動可能に結合されて、第1固定プレート322は第2固定プレート323に接近及び離隔する。
【0058】
第1固定プレート322には、連結バー328が通過する貫通孔322a(図8参照)が形成され、第1固定プレート322の長手方向への移動が案内されることができる。
【0059】
そして、第1固定プレート322には、第1固定プレート322の長手方向への移動を断続する例えば、第1固定プレート322と第2固定プレート323の相対移動を制限する長さストッパー340が設けられる。本発明においては、長さストッパー340がそれぞれの連結バー328に一対で設けられることを例にする。
【0060】
図8は、本発明に係る長さストッパー340の領域の断面を示した図である。図8を参照して説明すれば、長さストッパー340は、断続レバー341と、押圧部材345を含むことができる。
【0061】
断続レバー341は、第1固定プレート322に結合された回転軸322bに回転可能に設けられる。
【0062】
断続レバー341は、一端部に設けられ押圧部材345の押圧または押圧解除を行うプッシャー342と、他端部に設けられプッシャー342が押圧部材345の押圧または押圧解除を行うようにプッシャー342を回転させるためのハンドル343を含む。
【0063】
プッシャー342は、一定の曲率半径を有する半円弧形状を有し、回転に応じて押圧部材345に接触及び離隔する。
【0064】
したがって、図8で断続レバー341を回転軸322bを中心にして時計廻りで回転させると、プッシャーが押圧部材345に向かって回転して押圧部材352と接触し押圧部材345を押圧して、押圧部材345は貫通孔322aを通過する連結バー328を押圧して第1固定プレート322の長手方向への移動を防止する。一方、断続レバー341を回転軸322bを中心にして反時計廻りで回転させると、プッシャーが押圧部材345から離隔し押圧部材345の押圧解除を行って、貫通孔322aの内部で連結バー328の移動が可能になり、第1固定プレート322が連結バー328に沿って長手方向に移動可能になる。
【0065】
ここで、本実施形態においては、連結バー328の一側が第2固定プレート323に固定され、第1固定プレート322が連結バー328に移動可能に結合されることが示されているが、これに限定されず、連結バー328の一側が第1固定プレート322に固定され、第2固定プレート323が連結バー328に移動可能に結合されることもできる。この場合には、断続レバー341は第2固定プレート323に設けられる。
【0066】
図9乃至図12は、本発明の他の実施形態に係る第2支持部330の長手方向への移動を断続する構造の例を示した図である。本発明の他の実施形態に係るリハビリ運動ユニット3は、ヒンジ軸部321に設けられ、第1固定プレート322と第2固定プレート323の相対移動を制限する回転ストッパー350を含むことができる。
【0067】
上述したように、本発明に係る第2支持部320は、長手方向への長さを調節するにおいて、スライドクランク(Slide-crank)の構造を有し、これはヒンジ軸部321の回転を含むのに、回転ストッパー350はヒンジ軸部321の回転を断続して一定の長さを保持する。
【0068】
回転ストッパー350は、断続ダイヤル351と、ヒンジ軸部321を形成する軸本体353と、軸本体353から上向きに突出する軸柱部354と、軸柱部354を中心に回転し、第1調節リンク326a及び第3調節リンク327aが連結されて、第1調節リンク326a及び第3調節リンク327aを軸本体353に対して回転させる軸プレート352を含むことができる。
【0069】
断続ダイヤル351は、断続ピン351aと係止溝351cを含む。
【0070】
断続ピン351cは、軸本体353に向かう断続ダイヤル351の端部から突出して形成され、後述する複数の断続孔352aの中の選択されたいずれか一つの断続孔に挿入及び挿入解除を行う。
【0071】
係止溝351cは、断続ピン351aと離隔して軸本体353に向かう端部の一領域に陥没して形成される。本実施形態においては、一対の係止溝351cが対向して設けられている。
【0072】
軸本体353には、軸柱部354の円周方向に沿って複数の断続孔352aが間隔を置いて形成されている。
【0073】
軸プレート352は、円形のリング形状を有する。軸プレート352の外周には、第1調節リンク326a及び第3調節リンク327aが連結され、内周には、断続ダイヤル351が回転可能に設けられる。また、軸プレート352の内周の一領域には、断続ダイヤル351の係止溝351cに係止して断続ダイヤル351を軸プレート352に連結する一対の係止突起352bが突出して形成されている。
【0074】
また、本発明に係る回転ストッパー350は、ストッパ用弾性部材355をさらに含むことができる。
【0075】
ストッパ用弾性部材355は、軸柱部354と断続ダイヤル351の間に設けられ、断続ピン351aが選択された断続孔352aに挿入されるように断続ダイヤル351に弾性力を発生する。
【0076】
ストッパ用弾性部材355は、ユーザーが第2支持部320の長さを調節するとき、断続ダイヤル351を引っ張って軸本体から上昇させて断続ピン351aを断続孔352aから離脱させた状態で長さを調節する途中に、第2支持部320が望む長さで調節される時に断続ダイヤル351を放すと、ストッパ用弾性部材355の弾性力により断続ダイヤル351が軸本体353に向かって下降し、同時に断続ピン351aが当該位置の断続孔352aに挿入される。
【0077】
このような構成により、本発明に係る回転ストッパー350は、断続ピン351aが断続孔352aに挿入される場合に、軸プレート352は軸本体353に対して回転しないことにより、第2支持部320の長さは調節されない。同時に、軸プレート352の係止突起352bが断続ダイヤル351の係止溝351cに係止して、断続ダイヤルが軸柱部354を中心に回転することが防止される。
【0078】
一方、本発明に係る回転ストッパー350は、断続ピン351aが断続孔352aからの挿入解除を行う場合に、軸プレート352は軸本体353に対して回転することにより、第2支持部320の長さは調節可能になる。この際に、軸プレート352の係止突起352bは、断続ダイヤル351の係止溝351cに係止状態を保持して、断続ダイヤル351は軸プレート352と連結された状態を保持する。これにより、断続ダイヤル351は、軸柱部354を中心に正逆回転可能になり、第1固定プレート322と第2固定プレート323は軸本体353を中心に相互に接近または離隔して第2支持部320の長さが調節できる。
【0079】
図11の未説明の参照符号351bは、断続ピン351aが挿入固定されるピン挿入部であり、参照符号351dは、軸柱部354が通過した後に固定される軸通過孔である。図10は、説明の便宜のために、断続ピン351aが断続ダイヤル351から抜けた状態で断続孔352aに挿入された状態を示す。
【0080】
このように、第1固定プレート322及び第1移動プレート324と、第2固定プレート323及び第2移動プレート325がそれぞれ、ヒンジ軸部321を中心に相互に接近または離隔するように連動して動作するスライドクランク(Slide-crank)のメカニズムを実装することにより、第2支持部320の長さの調節が可能になり、ユーザーの様々な前腕または下腿の長さに対応し、第1支持部310と第3支持部330との間の間隔を調節して、リハビリ運動が行なえる。
【0081】
以下、図13乃至図16を参照して、本発明に係る載置台5の構成について詳細に説明する。
【0082】
上述したように、載置台5は、ベースプレート510と、載置プレート520と、リンク部材530を含むことができる。このような構成に応じて、図14に示すように、リンクメカニズム(Link-mechanism)が実装される。
【0083】
ここで、載置プレート520の両側には、一対の延長ブラケット521が第3支持部330に向かって並んで延びて設置される。一対の延長ブラケット521の一端部は、例えば、第1支持部310に向かう一端部は載置プレート520に間隔を置いて回転可能に結合される。一対の延長ブラケット521の他端部は、例えば、第3支持部330に向かう他端部は連結棒522により連結される。
【0084】
そして、ベースプレート510の内部には、載置プレート520とベースプレート510との間の角度に応じて連結棒522が係止する複数の係止爪512が長手方向に沿って形成された係止プレート511が設けられる。複数の係止爪512は、一対の延長ブラケット521の長手方向に沿って間隔を置いて形成され、連結棒522が選択的に係止する。これにより、載置プレート520とベースプレート510との間の傾斜角度に対応して、連結棒522が係止爪512の中のいずれか一つに係止した状態になって一定の角度で保持可能になる。
【0085】
また、本発明に係る載置台5は、連結棒522が係止爪512の中のいずれか一つに係止した状態が保持されるように固定する固定ユニット540を含むことができる。
【0086】
固定ユニット540は、図15及び図16に示すように、一対のユニット本体541と、一対の動作レバー542と、一対の連動レバー543と、一対の連動ブラケット522aを含むことができる。
【0087】
ユニット本体541は、ベースプレート510と載置プレート520の角度調整に応じて連結棒522と一緒に移動するのに、ベースプレート510に沿って往復移動する。
【0088】
動作レバー542は、ベースプレート510の外側に設けられ、ユニット本体541に回転可能に結合される。
【0089】
連動レバー543は、ベースプレート510の内側に設けられ、動作レバー542の回転と連動して回転するようにユニット本体541に回転可能に結合される。
【0090】
連動ブラケット522aは、連結棒522の両側端に連動レバー543に向かって設けられ、連動レバー543の回転に応じて押圧または押圧解除を行う。連動ブラケット522aは、連結ブラケット522bにより連結棒522と連結される。
【0091】
このような構成により、図16の(a)に示すように、動作レバー542を時計廻りで回転させると連動レバー543が時計廻りで回転して、連結ブラケット522bが連動レバー543により下部方向に押圧する形態になって、連結棒522が上部に動くことが遮断され、連結棒522がベースプレート510の係止爪512から抜けることを防止する。
【0092】
一方、ベースプレート510に対する載置プレート520の角度を調整するために載置プレート520を折ったり広げたりする動作を行うとき、動作レバー542を反時計廻りで回転させると、図16の(b)と(c)に示すように、連動レバー543が反時計廻りで回転しながら連動ブラケット522aの上部の末端を持ち上げて、連結棒522が係止爪512から抜け出て折ったり広げたりすることが可能になる。
【0093】
これにより、ベースプレート510の外部にある動作レバー542の操作を介して連結棒522を係止爪512から抜いたり固定したりするように構成することにより、載置プレート520とベースプレート510との間に手を入れ、連結棒522を持ち上げる動作により発生する不安全事故を未然に防止することができる。
【0094】
また、連結棒522を係止爪512からの係止解除を行って、図3に示すように載置プレート520がベースプレート510に折り畳まれた状態における上肢をリハビリ運動が行なえる。また、連結棒522を係止爪512に固定して、図4に示すように、載置プレート520をベースプレート510から一定の角度で起立させた状態で下肢をリハビリ運動が行なえる。
【0095】
そして、リハビリ患者の状態に合わせて、床に安着するベースプレート510に対する上肢または下肢の載置角度を簡便に調整してリハビリ運動が行なえる。
【0096】
一方、図27及び図28には、前述した固定ユニットと他の形態の固定ユニット540aが示されている。
【0097】
本発明の他の実施形態に係る固定ユニット540aは、前述した固定ユニット540とは異なり、ベースプレート510の一側にベースプレート510の長手方向に沿って、例えば係止プレート511の複数の係止爪512と並んで複数の補助係止爪523が形成されている。
【0098】
複数の補助係止爪523は、溝と山をなす連続的な波形状を形成し、係止プレート511の複数の係止爪512と等しいピッチを有する。複数の補助係止爪523には、ユニット本体541が選択的に載置される。
【0099】
また、複数の補助係止爪523が形成されたベースプレート510の一側には、補助係止爪523の溝の位置に対応して複数の係止ピン524が設けられている。
【0100】
複数の係止ピン524は、補助係止爪523と等しいピッチを有し、ベースプレート510の一側から突出するように設けられている。
【0101】
そして、本発明の他の実施形態に係る固定ユニット540aは、動作レバー542の回転に連動して回転する連動レバー543aの自由端部が環形状を有する。
【0102】
連動レバー543aは、ベースプレート510の外側に設けられ、ユニット本体541に回転可能に結合される。
【0103】
連動レバー543aは、動作レバー542の回転と連動して回転するのに伴い、選択された係止ピン524に係止または係止解除を行う。
【0104】
また、ユニット本体541は、連結ブラケット522bにより連結棒と連結される。
【0105】
このような構成により、図27及び図28に示すように、連結棒522が係止爪512に係止された状態で動作レバー542はベースプレート510に対して垂直に位置する。この際に、連動レバー543aは、係止ピン524に係止されて、連結棒522が上部に動くことが遮断され、連結棒522がベースプレート510の係止爪512から抜けることを防止する。
【0106】
一方、ベースプレート510に対する載置プレート520の角度を調整するために載置プレート520を折ったり広げたりする動作を行うとき、動作レバー542を反時計廻りで回転させると、連動レバー543aが反時計廻りで回転しながら係止ピン524からの係止解除を行って、これにより動作レバー542を持ち上げて、連結棒522が係止爪512から抜け出て、折ったり広げたりすることが可能になる。
【0107】
これにより、ベースプレート510の外側にある動作レバー542の操作を介して連結棒522を係止爪512から抜いたり固定したりするように構成することにより、リハビリ患者の状態に合わせて、床に安着されるベースプレート510に対する上肢または下肢の載置角度を簡便に調整してリハビリ運動が行なえる。
【0108】
一方、本発明に係るリハビリ運動装置1は、駆動モジュール7を一対の第1ヒンジ部311,312と、一対の第2ヒンジ部331,332の中のいずれか一つに選択的に結合させることができる。上肢を例にして説明すれば、第1ヒンジ部311,312の中のいずれか一側に駆動モジュール7を装着すると、手首のリハビリ運動が可能になり、第2ヒンジ部331,332の中のいずれか一側に駆動モジュール7を装着すると、肘関節のリハビリ運動が可能になる。
【0109】
この際に、一対の第1ヒンジ部311,312の場合は、左側の上肢または右側の上肢のリハビリに応じて駆動モジュール7の設置位置が決められて、一対の第2ヒンジ部331,332の場合も同様に右側または左側の上肢のリハビリに応じて駆動モジュール7の選択が可能になる。
【0110】
ここで、第1ヒンジ部311,312に駆動モジュール7が装着されて、手首の運動を行う場合、すなわち、第1支持部310と第2支持部320が相対的に回転運動が行われている場合、第2支持部320と第3支持部330は一定の角度で固定される必要がある。
【0111】
また、本発明に係るリハビリ運動装置は、図17乃至図20に示すように、第2支持部320と第3支持部330との間の角度を調整する角度調整部6を含むことができる。
【0112】
角度調整部6は、回転プレート611と、複数の固定孔613と、角度固定レバー621と、一対の第1伝達リンク623と、一対の第2伝達リンク625を含む。
【0113】
一対の回転プレート611は円盤形状を有し、一対の第2ヒンジ部331,332と独立して回転するように、第3支持部330と一体に設けられ、一対の第2ヒンジ部331,332にそれぞれ、軸結合される。これにより、本発明に係るリハビリ運動装置1の第2ヒンジ部331,332は第3支持部330と独立して回転し、第2支持部320は相対回転可能に結合される。第2ヒンジ部331,332は載置プレート520と固定される。
【0114】
複数の固定孔613は、各回転プレート611の円周方向に沿って間隔を置いて形成される。複数の固定孔613は、後述する角度固定レバー621の動作に応じた第2伝達リンク625の回転半径を考慮して、回転プレート611の半径方向に対して一定の角度で傾斜するように形成される。
【0115】
角度固定レバー621は、一対の第2ヒンジ部331,332との間に設けられ、第1支持部310に向かって往復移動する。角度固定レバー621は、図17に示すように、第3支持部330の下部に位置する。
【0116】
一対の第1伝達リンク623は角度固定レバー621の両側にそれぞれ回転可能に結合される。
【0117】
一対の第2伝達リンク625の一側はそれぞれ、一対の第1伝達リンク623に回転可能に結合されて、一対の第2伝達リンク625の他側はそれぞれ、選択された固定孔613に挿入または挿入解除を行って、一対の回転プレート611の回転の断続または断続解除を行う。
【0118】
このような構成により、角度固定レバー621を第1支持部310の反対側へ移動させると、図18の(b)に示すように、第2伝達リンク625の他側は一対の第2ヒンジ部331,332の内側へ回転して固定孔613から挿入解除を行って、第2支持部320と第3支持部330との間の角度を固定解除する。
【0119】
角度固定レバー621を第1支持部310に向かって移動すると、図18の(a)に示すように、第2伝達リンク625の他側がそれぞれ、第2ヒンジ部331,332の外側へ回転して、選択した固定孔613に挿入されて、第2支持部320と第3支持部330との間の角度を固定する。
【0120】
ここで、図18の(a)は角度を固定する位置となって、図18の(b)が角度の固定を解除する位置となるのに、角度固定レバー621が角度を固定する位置へ押圧するようにバネのようなレバー用弾性部材627をさらに含むことができる。
【0121】
レバー用弾性部材627は、第2伝達リンク625が選択された固定孔613に挿入されるように、角度固定レバー621に弾性力を発生する。
【0122】
これにより、図19の(a)に示すように、第2支持部320と第3支持部330が水平に固定された状態でユーザーが角度固定レバー621を第1支持部310の反対側に引いて、第2伝達リンク625が固定溝613から挿入解除を行った状態で第3支持部330を第2支持部320に対して設定しようとする角度で回転させた後、角度固定レバー621を放すと、レバー用弾性部材627の弾性力により角度固定レバー621は第1支持部310に向かって移動しながら、第2伝達リンク625が選択された固定溝613に挿入されて、図19の(b)に示すように、第3支持部330は当該位置で第2支持部320と設定された角度で固定されるように備えられる。
【0123】
一方、回転プレート611には、円周方向に沿って半円弧形状に第1回転ガイド孔615及び第2回転ガイド孔617が形成されることができる。そして、第1回転ガイド孔615と第2回転ガイド孔617はそれぞれ、第2ヒンジ部331,332の回転中心を挟んで相互に対向する半円弧形状に形成することができる。
【0124】
ここで、第1回転ガイド孔615及び第2回転ガイド孔617には、第2ヒンジ部331,332から突出する第1回転ガイド突起331a及び第2回転ガイド突起331bが挿入されて移動し、第2ヒンジ部331,332を中心に第2支持部320と第3支持部330との間の回転をガイドすることができる。この際に、半円弧形状に形成された第1回転ガイド孔615及び第2回転ガイド孔617により第2支持部320と第3支持部330との間の回転角度は略180度の角度の範囲内で断続することができる。
【0125】
このように、リハビリ患者の状態に応じた前腕と上腕の間、または下腿と大腿の間の様々な角度に対応し、第2支持部320と第3支持部330との間の角度を調整してリハビリ運動が行なえる。
【0126】
以下、図21乃至図24を参照して、本発明に係る駆動モジュール7について詳細に説明する。
【0127】
上述したように、駆動モジュール7は、一対の第1ヒンジ部311,312と、一対の第2ヒンジ部331,332の中のいずれか一つに選択的に装着されて、第1支持部310または第2支持部320を旋回させる。
【0128】
駆動モジュール7は、内部に駆動モータ、プリント回路基板などの構成要素が収容される本体ハウジング710と、駆動モータの回転軸が連結される駆動軸部材720と、第1ヒンジ部311,312または第2ヒンジ部331,332に装着及び固定するためのリング部材730を含むことができる。
【0129】
そして、第1ヒンジ部311,312または第2ヒンジ部331,332には、リング結合部751が形成される。
【0130】
一方、本実施形態においては、駆動モジュール7が、図1において、第1支持部310から第3支持部330に見たとき、右側に位置する第2ヒンジ部332に取り付けられているので、以下、説明の便利上、右側に位置する第2ヒンジ部をライト第2ヒンジ部332と称して説明する。
【0131】
ここで、リング部材730の内側には、複数の装着突起731がリング部材730円周方向に沿って一定の間隔を置いて形成されており、ライト第2ヒンジ部332の開口の周囲には、駆動モジュール7のリング部材730が結合されるリング結合部751が設けられている。リング結合部751には、装着突起731に対応して複数の係止部753が形成されることができる。
【0132】
これにより、駆動モジュール7をライト第2ヒンジ部332に挿入した後、リング部材730を回転させると、装着突起731が回転して係止部753に係止することで、駆動モジュール7の離脱を防止することができる。
【0133】
また、本体ハウジング710には、リング部材730に挿入されてリング部材730の回転を断続する係止レバー740が形成され、リング部材730を回転させた後、係止レバー740を押してリング部材730に挿入させることで、リング部材730の回転を防止することができる。
【0134】
また、ライト第2ヒンジ部332には、駆動モジュール7の駆動軸部材720がかみ合い結合するヒンジ軸部材760が設けられている。
【0135】
駆動軸部材720とヒンジ軸部材760はそれぞれ、図24に示すように、複数の爪720a、760aが相互に対向するように円周方向に沿って交互に突出して形成されている。
【0136】
駆動軸部材720とヒンジ軸部材760の各爪720a、760aは、相互にかみ合い結合して、駆動モジュール7の回転力がヒンジ軸部材760を介してライト第2ヒンジ部322に伝達できる。ここで、ライト第2ヒンジ部322のヒンジ軸部材760は第2支持部330と連結される。
【0137】
そして、駆動軸部材720とヒンジ軸部材760の中のいずれか一つには、反対側に向かって押圧するバネのような弾性部材765が取り付けられて駆動軸部材720とヒンジ軸部材760を強固に連結することができる。
【0138】
また、駆動軸部材720とヒンジ軸部材760の各爪720a、760aの両側面は傾斜するように形成され、初期の結合の際に整列が多少ずれても、容易に結合されるように構成できる。
【0139】
このように、本発明に係るリハビリ運動装置1は、駆動モジュール7を望むヒンジ部に簡便に着脱することができ、ユーザーの利便性を向上させリハビリ運動が行なえる。
【0140】
一方、図25に示すように駆動モジュール7が、第1ヒンジ部311,312または第2ヒンジ部331,332の自由回転を断続する回転断続部770が設けられる。
【0141】
本実施形態においては、駆動モジュール7がライト第2ヒンジ部332に装着されるので、回転断続部770は一対の第1ヒンジ部311,312に設けられる。
【0142】
回転断続部770は、第1支持部310と第2支持部320の中のいずれか一つと一緒に回転する回転ギアプレート771と、第1支持部310と第2支持部320の中のいずれか一つに設けられるギア断続部材775を含むことができる。
【0143】
回転ギアプレート771の円周方向の末端にはギアが形成され、ギア断続部材775の末端にもギアが形成されて、図25の(a)に示すようにギア断続部材775が回転ギアプレート771のギアの歯とかみ合って回転ギアプレート771が回転しないし、または図25の(b)に示すようにギア断続部材775が回転ギアプレート771のギアの歯とのかみ合いが解除されて回転ギアプレート771が回転して、第1支持部310と第2支持部320の回転を断続することができる。
【0144】
前記の構造は、第2ヒンジ部331,332に対しても同じ適用が可能である。
【0145】
このような構成により、図1に示すように、ライト第2ヒンジ部332に駆動モジュール7を装着し、一対の第1ヒンジ部311,312にそれぞれギア断続部材775と回転ギアプレート771のギアの歯がかみ合うようにして一対の第1ヒンジ部311,312が回転しないようにする場合、第2支持部320は駆動モジュール7の回転力により回転運動が行なえるが、第1支持部310は旋回運動が制限されて、ユーザーは手首の関節が動かない状態で肘関節の運動が行なえる。
【0146】
また、他の実施形態として、ライト第1ヒンジ部312に駆動モジュール7を装着し、一対の第2ヒンジ部331,332にそれぞれギア断続部材775と回転ギアプレート771のギアの歯がかみ合うようにして一対の第2ヒンジ部331,332が回転しないようにする場合、第1支持部310は駆動モジュール7の回転力により回転運動が行なえるが、第2支持部320は旋回運動が制限されて、ユーザーは肘関節が動かない状態で手首の関節の運動が行なえる。
【0147】
このように、ギア断続部材775と回転ギアプレート771を駆動モジュール7により旋回しない関節部位を区別し、当該ヒンジ部に装着して、選択的に手首の関節または肘関節のリハビリ運動が行なえる。
【0148】
一方、本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置1は、運動しようとする上肢または下肢の位置に対応して、駆動モジュール7を各ヒンジ部に選択的に装着してリハビリ運動が行なえる。
【0149】
例えば、駆動モジュール7がレフト第1ヒンジ部311またはレフト第2ヒンジ部331に装着される場合に、本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置1は、駆動モジュール7がユーザーの胴体と干渉せず、右側の上肢に着用して運動が行なえる。この際に、駆動モジュール7がレフト第1ヒンジ部311に装着されると、右側の手首の関節の運動が行なえて、駆動モジュール7がレフト第2ヒンジ部331に装着されると、右側の肘関節の運動が行なえる。
【0150】
駆動モジュール7がライト第1ヒンジ部312またはライト第2ヒンジ部332に装着される場合に、本発明の一実施形態に係るリハビリ運動装置1は、駆動モジュール7がユーザーの胴体と干渉せず、左側の上肢に装着して運動が行なえる。この際に、駆動モジュール7がライト第1ヒンジ部312に装着されると、左側の手首の関節の運動が行なえ、駆動モジュール7がレフト第2ヒンジ部332に装着されると、左側の肘関節の運動が行なえる。
【0151】
また、図26に示すように、それぞれの第1ヒンジ部311,312と、第2ヒンジ部331,332には、駆動モジュール7との結合時にタグ付けが可能な位置にタグ920が取り付けられる。そして、駆動モジュール7には、第1ヒンジ部311,312または第2ヒンジ部331,332との結合時にタグ920のタグ付けが可能なリーダー910が備えられる。ここで、タグ920及びリーダー910は、RFまたはNFC方式の通信を介して接続することができる。
【0152】
これにより、駆動モジュール7を一対の第1ヒンジ部311,312及び一対の第2ヒンジ部331,332の中のいずれか一つに設けても、タグ920の認識を介して駆動モジュール7がどこに設けたかを自動認識可能になる。
【0153】
これは、本発明に係るリハビリ運動装置1をスマートフォンと連動して動作するとき、駆動モジュール7の設置位置を自動的に認識し、どの部位の運動が進行されるかを自動的に認識することができ、既に設定された負荷や運動量、運動回数などをスマートフォンを介して自動的に駆動モジュール7側に伝達できる。同様に、リハビリ運動装置1を用いた運動記録などが当該部位に合わせてスマートフォンに保存可能になる。
【0154】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野の通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されることができることを理解できるだろう。従って、以上で記述した実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明は、患者の上肢または下肢のリハビリ運動のためのリハビリ運動装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0156】
1:上肢及び下肢用リハビリ運動装置
3:リハビリ運動ユニット
5:載置台
7:駆動モジュール
310:第1支持部
311,312:第1ヒンジ部
320:第2支持部
330:第3支持部
331,332:第2ヒンジ部
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【国際調査報告】