(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】パネル連結デバイス
(51)【国際特許分類】
B65D 71/14 20060101AFI20220405BHJP
B65D 71/46 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B65D71/14
B65D71/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547108
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020016986
(87)【国際公開番号】W WO2020167578
(87)【国際公開日】2020-08-20
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301030
【氏名又は名称】ウエストロック・パッケージング・システムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ヘッティンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンティン・スターマー
(72)【発明者】
【氏名】ライナー・エルシュフェルト
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067BA18A
3E067BB02A
3E067EA18
3E067FA01
3E067GD10
(57)【要約】
本開示の態様は、パネル連結デバイス、カートン、およびカートンを形成するための未完成品に関する。カートン未完成品は、第1のパネルおよび第2のパネルを重なり合う関係で共に固定するためのパネル連結デバイスを組み込む。パネル連結デバイスは、第1のパネルから打ち出されたロックタブと、第2のパネルから打ち出されたロック穴を画定する保持タブと、を含む。使用中、保持タブは、第2のパネルの平面から外れて転置されて、ロック穴を通じて前記ロックタブを受容してこれと係合される。保持タブは、対向する側縁を有し、側縁はそれぞれ、保持タブの外側から見ると、凹形に湾曲している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル連結デバイスであって、雄型タブと、対向する側縁を有する雌型タブと、を含み、前記側縁はそれぞれ、前記雌型タブの外側から見ると、凹形に湾曲している、パネル連結デバイス。
【請求項2】
第1のパネルおよび第2のパネルを重なり合う関係で共に固定するためのパネル連結デバイスであって、前記第1のパネルから打ち出されたロックタブと、前記第2のパネルから打ち出されたロック穴を画定する保持タブと、を含み、前記保持タブは、前記第2のパネルの平面から外れて転置されて、前記ロック穴を通じて前記ロックタブを受容してこれと係合され、前記保持タブは、対向する側縁を有し、前記側縁のうちの少なくとも1つは、前記保持タブの外側から見ると、凹形に湾曲していることを特徴とする、パネル連結デバイス。
【請求項3】
第1のパネルおよび第2のパネルを重なり合う関係で共に固定するためのパネル連結デバイスであって、前記第1のパネルから打ち出されたロックタブと、前記第2のパネルから打ち出されたロック穴を画定する保持タブと、を含み、前記保持タブは、前記第2のパネルの平面から外れて転置されて、前記ロック穴を通じて前記ロックタブを受容してこれと係合され、前記ロック穴は、対向する側縁を有し、前記側縁はそれぞれ、前記ロック穴の外側から見ると、凹形に湾曲していることを特徴とする、パネル連結デバイス。
【請求項4】
各湾曲した前記側縁の曲率中心は、前記保持タブの外側に配される、請求項3に記載のパネル連結デバイス。
【請求項5】
前記ロック穴の最小幅F4は、前記ロック穴の遠位端部と近位端部との間に位置し、そのため、前記遠位端部における幅F5、および前記近位端部における幅F2の両方は、前記最小幅F4より大きい(F5>F4)、(F2>F4)、請求項4に記載のパネル連結デバイス。
【請求項6】
各湾曲した前記側縁の曲率中心は、前記雌型タブの外側に配される、請求項1に記載のパネル連結デバイス。
【請求項7】
前記雌型タブの最小幅F4は、前記雌型タブの遠位端部と近位端部との間に位置し、そのため、前記遠位端部における幅F5、および前記近位端部における幅F2の両方は、前記最小幅F4より大きい(F5>F4)、(F2>F4)、請求項6に記載のパネル連結デバイス。
【請求項8】
前記近位端部における前記幅F2は、最大幅である、請求項7に記載のパネル連結デバイス。
【請求項9】
各側縁の曲率半径r3は、前記雌型タブの最大幅F2の3分の2に概ね等しい(r3≒F2の2/3)、請求項8に記載のパネル連結デバイス。
【請求項10】
前記雄型タブは、単一位置タブを含み、前記単一位置タブは、
主要部分と、
ネック部分と、
ショルダー部分と、を含み、前記ネック部分は、前記ショルダー部分より幅が狭く、前記ショルダー部分の下方部分に沿って形成された少なくとも1つのロック縁を画定し、
前記雌型タブの最大幅F2は、前記単一位置タブの最大幅M2より大きい(F2>M2)、請求項1に記載のパネル連結デバイス。
【請求項11】
前記雌型タブの遠位端部における幅F5は、前記単一位置タブの最大幅M2より小さい(F5<M2)、請求項10に記載のパネル連結デバイス。
【請求項12】
前記雌型タブは、非線形の折り目によってマザーパネルに接続される、請求項1に記載のパネル連結デバイス。
【請求項13】
前記非線形の折り目は、湾曲した折り目を含む、請求項12に記載のパネル連結デバイス。
【請求項14】
前記湾曲した折り目の曲率中心は、前記湾曲した折り目よりも、前記雌型タブの遠位端部に近い位置に位置する、請求項13に記載のパネル連結デバイス。
【請求項15】
前記折り目は、前記雌型タブの最大幅F2より短い長さF1を有する(F1<F2)、請求項12に記載のパネル連結デバイス。
【請求項16】
前記長さF1は、前記雌型タブの最小幅F4より短い(F1<F4)、請求項15に記載のパネル連結デバイス。
【請求項17】
前記折り目は、前記雄型タブの最小幅M1/M4に概ね等しい長さF1を有する(F1≒M1)、(F1≒M4)、請求項12に記載のパネル連結デバイス。
【請求項18】
前記雄型タブは、その少なくとも1つの側縁に沿って複数の凹部を含む多位置タブを含み、各凹部は、前記雌型タブが打ち出されるマザーパネルのパネル部分と当接するための係合縁を提供し、前記雌型タブの最大幅F2は、前記多位置タブの最大幅M5より大きい、請求項1に記載のパネル連結デバイス。
【請求項19】
前記雌型タブの遠位端部における幅F5は、前記多位置タブの最大幅M5より小さい(F5<M5)、請求項18に記載のパネル連結デバイス。
【請求項20】
前記雌型タブは、前記雌型タブの外側から見ると凸形に湾曲している遠位端部縁を有する、請求項1に記載のパネル連結デバイス。
【請求項21】
湾曲した遠位端部縁の曲率中心は、前記雌型タブの遠位端部よりも、近位端部に近い位置に位置する、請求項20に記載のパネル連結デバイス。
【請求項22】
前記遠位端部縁の曲率半径r2は、湾曲した前記側縁のそれぞれの曲率半径r3より大きい(r2>r3)、請求項21に記載のパネル連結デバイス。
【請求項23】
前記遠位端部縁の曲率半径r2は、前記雌型タブの最大幅F2に概ね等しい(r2≒F2)、請求項22に記載のパネル連結デバイス。
【請求項24】
第1のパネルおよび第2のパネルを有するパネル連結デバイスを組み込んだカートン未完成品であって、パネル連結手段は、前記第1のパネルから打ち出されたロックタブと、前記第2のパネルから打ち出されたロック穴を画定する保持タブと、を含み、前記保持タブは、前記第2のパネルの平面から外れて転置されて、前記ロック穴を通じて前記ロックタブを受容してこれと係合され得、前記保持タブは、対向する側縁を有し、前記側縁はそれぞれ、前記保持タブの外側から見ると、凹形に湾曲していることを特徴とする、カートン未完成品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートン、およびカートンを形成するための未完成品に関する。排他的ではないが、さらに具体的には、本発明は、一対のパネル、例えば、ボール紙カートンの隣り合う重なり合ったパネルを共に固定するための、カートン用のパネル連結デバイスに関する。場合によっては、これらのパネルは、重なり合う関係で接合され、連結される、包装紙の未完成品の両端部によって提供される。
【背景技術】
【0002】
包装の分野では、複数の物品を運ぶためにカートンを提供することが知られている。カートンは、当技術分野で周知であり、消費者が、消費のため一群の物品を輸送し、保管し、それらにアクセスすることを可能にするのに有用である。コストと環境への配慮から、そのようなカートンまたはキャリヤは、できるだけ少ない材料から形成され、それらが形成される材料の浪費をできるだけ少なくする必要がある。さらなる考慮すべき事項は、カートンの強度、および大きな重量の物品を保持し輸送する適合性である。カートンの中身はカートン内部で安定していることが望ましい。
【0003】
カートン包装紙の一端部から打ち出され、包装紙の反対端部から打ち出された保持タブにより画定された対応する穴を通して押し込まれるように配置された、ロックタブが周知である。そのようなロックの例が、
図1に示されており、実質的に特許文献1に対応する。
【0004】
さらなる例が、特許文献2に例示されており、本発明の出願人により所有されている。この文書は、穴を通して打ち込まれる必要があるロックタブを含むパネル連結手段を備えた巻き付け式カートンを例示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】英国特許第1598367号明細書
【特許文献2】英国特許第2156785号明細書
【特許文献3】英国特許第1598368号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、先行技術の問題を克服、または少なくとも軽減する、改善されたパネル連結デバイスを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によると、パネル連結デバイスが提供され、これは、雄型タブと、対向する側縁を有する雌型タブと、を含み、側縁はそれぞれ、雌型タブの外側から見ると、凹形に湾曲している。
【0008】
本発明の別の態様によると、第1のパネルおよび第2のパネルを重なり合う関係で共に固定するためのパネル連結デバイスが提供され、前記パネル連結デバイスは、前記第1のパネルから打ち出されたロックタブと、前記第2のパネルから打ち出されたロック穴を画定する保持タブと、を含み、保持タブは、前記第2のパネルの平面から外れて転置(displaced)されて、ロック穴を通じて前記ロックタブを受容してこれと係合され、保持タブは、対向する側縁を有し、側縁のうちの少なくとも1つは、保持タブの外側から見ると、凹形に湾曲していることを特徴とする。
【0009】
本発明のさらに別の態様によると、第1のパネルおよび第2のパネルを重なり合う関係で共に固定するためのパネル連結デバイスが提供され、前記パネル連結デバイスは、前記第1のパネルから打ち出されたロックタブと、前記第2のパネルから打ち出されたロック穴を画定する保持タブと、を含み、保持タブは、前記第2のパネルの平面から外れて転置されて、ロック穴を通じて前記ロックタブを受容してこれと係合され、ロック穴は、対向する側縁を有し、側縁はそれぞれ、ロック穴の外側から見ると、凹形に湾曲していることを特徴とする。
【0010】
オプションとして、各湾曲した側縁の曲率中心は、保持タブの外側に配される。
【0011】
オプションとして、ロック穴の最小幅F4は、ロック穴の遠位端部と近位端部との間に位置し、そのため、遠位端部における幅F5、および近位端部における幅F2の両方は、最小幅F4より大きい(F5>F4)、(F2>F4)。
【0012】
オプションとして、近位端部における幅F2は、最大幅である。
【0013】
オプションとして、各側縁の曲率半径r3は、雌型タブの最大幅F2の3分の2に概ね等しい(r3≒F2の2/3)。
【0014】
オプションとして、雄型タブは、単一位置タブを含み、単一位置タブは、主要部分と、ネック部分と、ショルダー部分と、を含み、ネック部分は、ショルダー部分より幅が狭く、ショルダー部分の下方部分に沿って形成された少なくとも1つのロック縁を画定し、雌型タブの最大幅F2は、単一位置タブの最大幅M2より大きい(F2>M2)。
【0015】
オプションとして、雌型タブの遠位端部における幅F5は、単一位置タブの最大幅M2より小さい(F5<M2)。
【0016】
オプションとして、雌型タブは、非線形の折り目によってマザーパネルに接続される。
【0017】
オプションとして、非線形の折り目は、湾曲した折り目を含む。
【0018】
オプションとして、湾曲した折り目の曲率中心は、湾曲した折り目よりも、雌型タブの遠位端部に近い位置に位置する。
【0019】
オプションとして、折り目は、雌型タブの最大幅F2より短い長さF1を有する(F1<F2)。
【0020】
オプションとして、長さF1は、雌型タブの最小幅F4より短い(F1<F4)。
【0021】
オプションとして、折り目は、雄型タブの最小幅M1/M4に概ね等しい長さF1を有する(F1≒M1)、(F1≒M4)。
【0022】
オプションとして、雄型タブは、その少なくとも1つの側縁に沿って複数の凹部を含む多位置タブを含み、各凹部は、雌型タブが打ち出されるマザーパネルのパネル部分と当接するための係合またはロック縁を提供し、雌型タブの最大幅F2は、多位置タブの最大幅M5より大きい。
【0023】
オプションとして、雌型タブの遠位端部における幅F5は、多位置タブの最大幅M5より小さい(F5<M5)。
【0024】
オプションとして、雌型タブは、雌型タブの外側から見ると凸形に湾曲している遠位端部縁を有する。
【0025】
オプションとして、ロック穴は、ロック穴の外側から見ると凸形に湾曲している遠位端部縁を有する。
【0026】
オプションとして、湾曲した遠位端部縁の曲率中心は、雌型タブの遠位端部よりも、近位端部に近い位置に位置する。
【0027】
オプションとして、遠位端部縁の曲率半径r2は、湾曲した側縁のそれぞれの曲率半径r3より大きい(r2>r3)。
【0028】
オプションとして、遠位端部縁の曲率半径r2は、雌型タブの最大幅F2に概ね等しい(r2≒F2)。
【0029】
本発明のさらなる態様によると、第1のパネルおよび第2のパネルを有するパネル連結デバイスを組み込んだカートン未完成品が提供され、前記パネル連結手段は、前記第1のパネルから打ち出されたロックタブと、前記第2のパネルから打ち出されたロック穴を画定する保持タブと、を含み、保持タブは、前記第2のパネルの平面から外れて転置されて、ロック穴を通じて前記ロックタブを受容してこれと係合され得、保持タブは、対向する側縁を有し、側縁はそれぞれ、保持タブの外側から見ると、凹形に湾曲していることを特徴とする。
【0030】
本出願の範囲内において、前述の段落、特許請求の範囲、ならびに/または以下の説明および図面において述べられるさまざまな態様、実施形態、例、特徴、および代替物は、独立して、またはそれらの任意の組み合わせで考察または考慮され得ることが、想定または意図されている。
【0031】
一実施形態に関連して、または一実施形態との関連で記載される特徴または要素は、特徴の不適合性がない限り、すべての実施形態に適用可能である。一実施形態からの1つもしくは複数の特徴もしくは要素は、本明細書に開示されるその他の実施形態のいずれかに組み込まれるか、またはそれと組み合わせられ得、前記一実施形態から抜き出された前記特徴もしくは要素は、前記他の実施形態の1つもしくは複数の特徴もしくは要素に加えて、またはその代わりに含まれ得る。
【0032】
本明細書に開示される、ある実施形態の特徴、または特徴の組み合わせは、その実施形態の他の特徴とは切り離して抜き出され得る。代わりに、ある実施形態の特徴、または特徴の組み合わせは、その実施形態から省略され得る。
【0033】
本発明の実施形態は、付随の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】特許番号(特許文献3)に実質的に対応するロック手段を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態によるパネル連結デバイスを組み込んだ、巻き付け式カートン未完成品を例示する図である。
【
図3】本発明の一態様によるパネル連結デバイスを組み込んだ、近接する一対のパネルの一部を示す図である。
【
図3B】本発明の一態様によるパネル連結デバイスを形成するためのロックタブの拡大図を示す。
【
図3C】本発明の一態様によるパネル連結デバイスを形成するための保持タブの拡大図を示す。
【
図4】一対のパネルが共に固定された、
図3に例示されるパネル連結デバイスの斜視図である。
【
図5】一対のパネルが共に固定された、
図3に例示されるパネル連結デバイスの斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態によるパネル連結デバイスを組み込んだ、近接する一対のパネルの一部を示す図である。
【
図7】
図6に例示されたパネル連結デバイスによって重なり合う関係で保持されたパネルの内部または上側部分の斜視図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態による、近接する、巻き付け式カートン未完成品の両端部とすることができる一対のパネルから形成されたパネル連結デバイスの例を示す図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態による、近接する、巻き付け式カートン未完成品の両端部とすることができる一対のパネルから形成されたパネル連結デバイスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
パネル連結デバイス、パッケージ、未完成品、およびカートンの特定の実施形態の詳細な説明が、本明細書に開示される。開示される実施形態は、本発明のある特定の態様が実施され得る方法の単なる例であり、本発明が具現化され得る方法のすべての網羅的なリストを表すものではないことが、理解されるであろう。本明細書で使用される単語「例示的な」は、実例、適例、モデル、またはパターンとして役立つ実施形態を言及するために拡張的に使用される。実際、本明細書に記載されるパネル連結デバイス、パッケージ、未完成品、およびカートンは、さまざまな代替的な形態で具現化され得ることが、理解されるであろう。図面は、必ずしも一定の尺度ではなく、いくつかの特徴は、特定の構成要素の細部を示すために誇張または最小化されている場合がある。周知の構成要素、材料、または方法は、本開示を不明瞭にするのを避けるために、必ずしも極めて詳細に記載されているわけではない。本明細書に開示される任意の特定の構造的および機能的詳細は、制限するものとして解釈されるものではなく、単に、特許請求の範囲の根拠として、また、本発明をさまざまに用いることを当業者に教示する代表的な根拠として、解釈される。
【0036】
図2を参照すると、以下では物品(図示せず)と呼ぶ、瓶または缶などであるが、これらに制限されない、一群の一次製品を収容し運ぶためのカートンまたはキャリヤ(図示せず)を形成することができる、未完成品10の平面図が示されている。未完成品10は、少なくとも1つの一次製品コンテナまたはパッケージを包装するための二次パッケージを形成する。
【0037】
本明細書で詳述される実施形態では、用語「カートン」および「キャリヤ」は、本発明のさまざまな特徴を例示する非限定的な目的で、一次製品コンテナなどの、物品に係合し、これを運ぶためのコンテナを指す。本発明の教示は、テーパー状および/または円筒形であっても、そうでなくてもよい、さまざまな製品コンテナに適用され得ることが企図される。例示的なコンテナは、瓶(例えば、金属、ガラス、またはプラスチックの瓶)、缶(例えば、アルミニウム缶)、ブリキ製の容器、ポーチ、小包などを含む。
【0038】
未完成品10は、適切な基材のシートから形成される。本明細書で使用される用語「適切な基材」は、ボール紙、段ボール、厚紙、プラスチック、それらの組み合わせなどといった、あらゆる種類の折り畳み可能なシート材料を含むことが理解される。未完成品の1つまたは他の個数が使用されて、適切な場合には、例えば、以下でさらに詳細に説明するキャリヤ構造を提供し得ることを認識されたい。
【0039】
本明細書に記載されるパッケージ構造またはカートンは、その強度を増大させる材料で作られるかまたはコーティングされ得る、ボール紙などのシート材料から形成され得る。このようなシート材料の例は、ウェストロック株式会社(WestRock Company)により製造される、耐引裂性のネートラロック(NATRALOCK)(登録商標)ボール紙である。この耐引裂性材料は、2つ以上の層により提供されて、パッケージの耐引裂性を改善するのを助けることができることに留意されたい。典型的には、シート材料の一方の表面は、他方の表面とは異なる特徴を有し得る。例えば、出来上がったパッケージから外方に面する、シート材料の表面は、特に滑らかにすることができ、良好な印刷適性を提供するためにクレイコーティングまたは他の表面処理などのコーティングを有し得る。他方、内方に面するシート材料の表面は、コーティング、層、処理剤を備えるか、または別様に準備されて、耐引裂性、良好な接着性(glue-ability)、ヒートシール性、もしくは他の所望の機能性特性のうちの1つまたは複数などの特性を提供することができる。
【0040】
図面のうち
図2および
図3を参照すると、一対のパネル20、12は、それぞれ、連結されるように適合され、ボール紙または同様の折り畳み可能なシート材料から形成される。一対のパネル20、12は、例えば、全く同一の巻き付け式カートン未完成品10の両端部に配され得る。一対のパネル20、12は、第1のパネル20および第2のパネル12を含む。
図2に示すように、未完成品10は、対向する側壁14、16および上部パネル18を含むカートンスリーブへと形成されるように準備され、次いで、カートンスリーブにおいて、第1のパネル20および第2のパネル12は、カートンの底部パネルを提供する。カートンは、複数の物品、例えば、ヨーグルトのカートン、缶または瓶を包装するのに使用され得る。
【0041】
第2のパネル12、第1の側壁パネル14、上部パネル18、第2の側壁パネル16、および第1のパネル20は、次々にヒンジ式に取り付けられた線系列に配置され得る。
【0042】
第1のパネル20は、カートンの外側底部パネルを形成することができ、第2のパネル12は、カートンの内側底部パネルを形成することができる。
【0043】
特に
図3を参照すると、第1のパネル20および第2のパネル12は、パネルを重なり合う関係で共に固定するためのパネル連結デバイスLを含む。パネル連結デバイスLは、第1のパネル20から打ち出される、またはその内部に画定された、ロックタブ22(本明細書では雄型タブ22とも呼ぶ)を含む。パネル連結デバイスLはまた、第2のパネル12から打ち出される、またはその内部に画定された保持タブ42(本明細書では雌型タブ42とも呼ぶ)を含む。一対のパネル20、12は、本明細書ではマザーパネルとも呼ばれ、それは、雄型タブ22および雌型タブ42が、そうでなければ第1のパネル20または第2のパネル12をそれぞれ形成するであろう材料から打ち出されているためである。
【0044】
ロックタブ22は、折り目24によって第1のパネル20にヒンジ式に接続される。折り目24は、第1のパネル20の端部縁26から離間されている。
【0045】
折り目24は、非線形、弓状、または曲線のある形状とすることができる。
図3の例示された実施形態では、折り目24は、第1のパネル20の端部縁26に対して凹形に湾曲しており、すなわち、折り目24は、第1のパネル20の端部縁26から見ると、凹形に見える。
【0046】
ロックタブ22は、ネック部分28および主要部分30を含み、これらと隣接するショルダー部分32を含む。
【0047】
主要部分30は、ネック部分28を越えて自由縁26に向かって延びており、対向して配された一対の切れ目34、36のそれぞれと接続する、または隣接する第1の切れ目38によって、第1のパネル20から分離されている。第1の切れ目38は、オプションとして「矢じり」形状である、主要部分30の形状を画定する。ネック部分28は、幅がショルダー部分32の隣接部分より狭く、ショルダー部分32の下方部分に沿って形成された少なくとも1つのロック縁40を画定することができる。
【0048】
対向して配された一対の切れ目34、36は、ネック部分28の側縁を画定する。
【0049】
このようにして、ロックタブ22は、連続して配置されている第1の切れ目38および対向して配された一対の切れ目34、36から形成された、切れ目34/38/36によって、少なくとも部分的に画定される。
【0050】
折り目24は、ネック部分28の第1の端部からオフセット、インセット(inset)される。ネック部分28の第1の端部は、切れ目34/38/36の終端部によって画定される。
【0051】
オプションとして、折り目24は、ロックタブ22がより容易に折れるように、少なくとも1つの切れ目25によって部分的に画定される。
【0052】
図3に示すように、保持タブ42(本明細書では雌型タブ42とも呼ぶ)は、第2のパネル12から打ち出されるか、またはその内部に画定される。保持タブ42は、
図4に示すように、第2のパネル12の端部縁11から離間したロック穴43を、少なくとも部分的に画定する。
【0053】
保持タブ42は、対向する側縁と、自由端部縁または遠位端部と、ヒンジ端部縁または近位端部と、を含む。第2の切れ目50が、保持タブ42の遠位縁を画定する。対向する側縁は、第2の切れ目50の端部のそれぞれから延びる、対向して配された第2の対の切れ目46、48によって画定される。近位端部は、切れ目47によって部分的に画定される。切れ目47は、対向して配された第2の対の切れ目46、48の間に配され、対向して配された切れ目46、48のそれぞれから離間して、それらの間にヒンジ部分49を画定する。
【0054】
保持タブ42は、遠位端部より近位端部のほうが概して広い。
【0055】
例示された実施形態では、切れ目46、48、50は、
図4に示す、ロック穴43の3つの縁を画定する。
【0056】
切れ目47は、曲線のある形状であり、第2のパネル12の端部縁11から見ると、凹形に湾曲している。切れ目47は、第1の点C1に中心を置く第1の曲率半径r1を含む。
【0057】
切れ目47は、第2の切れ目50とは反対に湾曲され得る。
【0058】
第1の曲率中心C1は、切れ目47より第2のパネル12の端部縁11に近接して配され得る。
【0059】
第1の曲率中心C1は、第2の切れ目50より第2のパネル12の端部縁11に近接して配され得る。第1の曲率中心C1は、保持タブ42の外側に位置し得る。
【0060】
第1の曲率中心C1は、
図3に示すように、第2の切れ目50上に位置し得る。
【0061】
第1の曲率中心C1は、保持タブ42内部またはその上に位置し得る。
【0062】
第2の切れ目50は、曲線のある形状であり、第2のパネル12の端部縁11から見ると、凸形に湾曲している。第2の切れ目50は、第2の点C2に中心を置く第2の曲率半径r2を含む。
【0063】
第2の曲率中心C2は、第2の切れ目50より第2のパネル12の端部縁11から離れて配され得る。
【0064】
第2の曲率中心C2は、切れ目47より第2のパネル12の端部縁11から離れて配され得る。
【0065】
第2の曲率中心C2は、保持タブ42の外側に位置し得る。
【0066】
対向して配された第2の対の切れ目46、48はそれぞれ、曲線のある形状である。対向して配された第2の対の切れ目46、48はそれぞれ、保持タブ42の外側の位置から見ると、凸形に湾曲している。対向して配された第2の対の切れ目46、48のうちの第1の切れ目46は、第3の点C3に中心を置く第3の曲率半径r3を含む。第3の曲率中心C3は、保持タブ42の外側に位置する。対向して配された第2の対の切れ目46、48のうちの第2の切れ目48は、第4の点C4に中心を置く第4の曲率半径r4を含む。第4の曲率中心C4は、保持タブ42の外側に位置する。
【0067】
第3の曲率中心C3および第4の曲率中心C4は、保持タブ42の両側に配される。
【0068】
第3の曲率中心C3および第4の曲率中心C4は、第2の切れ目50より第2のパネル12の端部縁11から離れて位置する。
【0069】
図3Cを参照すると、ロックタブ22は、折り目24と、反対側の端部または先端部との間に定められた長さ寸法M3を含む。ロックタブ22は、ショルダー部分32の外側縁間に定められた第1の幅寸法M2を含む。ロックタブ22のネック部分28は、切れ目34、36間に定められた第2の幅寸法M1を含む。
【0070】
図3Bを参照すると、保持タブ42は、(切れ目47によって画定された)近位端部と(第2の切れ目50によって画定された)遠位端部との間に定められた長さ寸法F3を含む。
【0071】
保持タブ42の長さ寸法F3は、第1の曲率半径r1に等しくすることができる(F3=r1)。
【0072】
保持タブ42は、くびれを含み、すなわち、遠位端部および近位端部より中間領域のほうが幅が狭い。
【0073】
保持タブ42のくびれは、くびれ幅寸法F4を含む。
【0074】
第2の切れ目50の対向する端部は、保持タブ42の遠位端部の幅を定め、保持タブ42の遠位端部は、遠位端部幅寸法F5を含む。
【0075】
遠位端部幅寸法F5は、くびれ幅寸法F4より大きい(F5>F4)。
【0076】
切れ目47の対向する端部は、それらの間に線形寸法F1を定める。線形寸法は、切れ目47の曲率半径r1に等しい半径を有する想像上の円の弦によって定められる。この弦は、切れ目47の終端部間に延びる。
【0077】
対向して配された第2の対の切れ目46、48は、保持タブ42の近位端部の幅寸法F2を定める。保持タブ42の近位端部は、保持タブ42の遠位端部およびくびれより広い(F2>F5>F4)。
【0078】
保持タブ42のくびれ(最小幅F4)は、保持タブ42の近位端部より、保持タブ42の遠位端部に近接して位置し得る。
【0079】
保持タブ42の近位端部の幅寸法F2は、第2の曲率半径r2に実質的に等しくすることができる(F2=r2)。
【0080】
第3の曲率半径r3および第4の曲率半径r4は、保持タブ42の近位端部の幅寸法F2の3分の2に実質的に等しくすることができる(r3=r4=F2の2/3)。
【0081】
切れ目47の線形寸法F1は、ロックタブ22のネック部分28の幅寸法M1に等しくすることができる(F1=M1)。
【0082】
保持タブ42の長さ寸法F3は、ロックタブ22の長さ寸法M3に実質的に等しくすることができる。
【0083】
ロックタブ22のショルダー部分32の幅寸法M2は、保持タブ42の近位端部の幅寸法F2から1mmを引いたものに等しくすることができる(M2=F2-1mm)。
【0084】
くびれ幅寸法F4は、切れ目47の線形寸法F1に0.5mmを足したものに等しくすることができる(F4=F1+0.5mm)。
【0085】
遠位端部幅寸法F5は、切れ目47の線形寸法F1に1mmを足したものに等しくすることができる(F5=F1+1mm)。
【0086】
いくつかの実施形態では、切れ目47の線形寸法F1は、4mm~8mmの範囲とすることができ(4mm<F1<8mm)、いくつかの実施形態では、6mmに等しくすることができる(F1=6mm)。
【0087】
いくつかの実施形態では、保持タブ42の近位端部の幅寸法F2は、10mm~14mmの範囲とすることができ(10mm<F2<14mm)、いくつかの実施形態では、12mmに等しくすることができる(F2=12mm)。
【0088】
いくつかの実施形態では、保持タブ42の長さ寸法F3は、7mm~11mmの範囲とすることができ(7mm<F3<11mm)、いくつかの実施形態では、9mmに等しくすることができる(F3=9mm)。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の曲率半径r1は、7mm~11mmの範囲とすることができ(7mm<r1<11mm)、いくつかの実施形態では、9mmに等しくすることができる(r1=9mm)。
【0090】
いくつかの実施形態では、第2の曲率半径r2は、10mm~14mmの範囲とすることができ(10mm<r2<14mm)、いくつかの実施形態では、12mmに等しくすることができる(r2=12mm)。
【0091】
いくつかの実施形態では、第3の曲率半径r3は、6mm~10mmの範囲とすることができ(6mm<r3<10mm)、いくつかの実施形態では、8mmに等しくすることができる(r3=8mm)。
【0092】
カートンは、いくつかのロックタブおよび保持タブを備えることができ、これらは、2つのパネルを共にロックするためのロックタブ22、保持タブ42と実質的に同一であり、したがって、これ以上詳細に説明しないことが想定される。さらに、パネル連結手段は、「ハーフロック(half lock)」を含み得、ロックタブ、保持タブ、およびロック穴は、
図3に示す、想像上の中心線Xの片側のみに形成されることが想定される。このような実施形態では、保持タブおよび/またはロック穴の片側または両側は、形状が凹形に湾曲していてよい。パネル連結手段の発明をハーフロックに適用する一般的原理は、当技術分野で周知である。よって、本発明が、本発明のそれらの関連する特徴を組み込んだハーフロックを含むことは、当業者には明らかであろう。
【0093】
第1のパネル20および第2のパネル12を共にロックするために、これらは、互いに重なり合う関係にされ、ロックタブ22は、折り曲げられて、
図4および
図5に示す、第1のパネル20との整列から外れる。保持タブ42は、折り曲げられて、第1のパネル12との整列から外れ、ロックタブ22は、この実施形態では保持タブ42によって画定された穴43を突き抜ける。
【0094】
ロックタブ22が
図4に示す穴43を通過すると、折り目24の周りで折り曲げられ続け、第1のパネル20および第2のパネル12と実質的に垂直な関係になり、そのため、ロックタブ22は、
図5に示す保持タブ42の遠位縁50を越えて押される。よって、ロックタブ22は、保持タブ42がロックタブ22の片側に当接して、ロックタブ22がその元の位置にはね返るのを防ぐので、所定の位置に保持される。ロックタブ22は、保持タブ42の遠位縁50に対応する穴43の縁に当接し、それによって、ロックタブ22を、第1のパネル20および第2のパネル12に対して実質的に垂直な関係で保持することができる。
【0095】
図4および
図5に例示されるように、ショルダー部分32の基部は、ロック縁40と第2のパネル12のパネル部分との間の当接により所定の場所に保持され、それは、ショルダー部分が垂直または斜めの位置においてロック穴43より広いためである。
【0096】
張力が、ロック方向の反対に、すなわち、第1のパネル20と第2のパネル12を離すのに役立つ方向において、第1のパネル20および第2のパネル12に加えられ得る。よって、ロックタブ22と保持タブ42との間の突合せ係合(butt engagement)は、ロックタブ22をそのロック状態に維持する。第1のパネル20および第2のパネル12は、穴43の前方縁が第1のパネル20の折り目24と突合せ係合または接触係合し、前述したように、ロックタブ22のロック縁40が、第2のパネル12のパネル部分によって支持されているので、連結されたままとなり得る。
【0097】
穴43は、対向して配された第2の対の切れ目46、48の形状および配置により、くびれを含む。いくつかの実施形態では、くびれ幅寸法F4は、ロックタブ22のネック部分28の幅寸法M1未満とすることができる(F4<M1)。
【0098】
したがって、穴43のくびれは、ロックタブ22の動きを阻害することができ、ロックタブ22は、くびれを通過するには、変形または屈曲を必要とし得る。このように、くびれは、抵抗を増加させ、穴43の遠位端部において受容されたときのロックタブ22の安定を改善する。
【0099】
切れ目50によって画定される穴43の遠位端部は、ロックタブ22のネック部分に適応するように配置され得る。ロックタブ22は、穴43の遠位端部に隣接して位置する場合、穴43の遠位端部の湾曲した形状を採用し得る。保持タブ42の湾曲した遠位端部は、ロックタブ22の変形を助長または促進し得る。
【0100】
ロックタブ22を第1のパネル20にヒンジ式に取り付けている折り目24は、穴43の遠位端部の湾曲した形状、および保持タブ42の湾曲した遠位端部と同様に成形され得る。
【0101】
折り目24、穴43の遠位端部、および保持タブ42の遠位端部の湾曲した配置は、穴43の遠位端部と係合させるようにロックタブ22を付勢し得る。
【0102】
次に
図6~
図9を参照すると、本開示の代替的な実施形態が示されている。第2、第3、および第4の例示された実施形態では、同様の数字が、可能な場合、同様の部分を示すのに使用されているが、これらの特徴がそれぞれ第2、第3、および第4の実施形態に属することを示すために、前に付ける数字「100」、「200」、「300」を加えている。代替的な実施形態は、
図1~
図5の実施形態と多くの共通の特徴を共有しており、したがって、
図1~
図5に例示された実施形態との差のみを、非常に詳細に説明する。
【0103】
第2の実施形態が
図6および
図7に示され、
図6を参照すると、それぞれ、連結されるように適合され、ボール紙または同様の折り畳み可能なシート材料から形成された、一対のパネル120、112が示されている。第1の実施形態と同様に、パネル120、112は、例えば、全く同一の巻き付け式カートン未完成品の両端部に配され得、この未完成品は、対向する側壁および上部パネルを含むカートンスリーブへと形成され、カートンスリーブにおいて、パネル120、112は、カートンの底部パネルを提供する。カートンは、複数の物品、例えば、ヨーグルトのカートン、缶または瓶、を包装するのに使用される。
【0104】
第1のパネル120および第2のパネル112は、パネルを重なり合う関係で共に固定するための一対のパネル連結デバイスLを含む。パネル連結手段Lはそれぞれ、第1のパネル120から打ち出されて、これにヒンジ式に接続された、ロックタブ122を含む。この実施形態では、ロックタブ122は、対向して配された一対の切れ目134、136によって画定され、主要部分130の側縁を画定する。
【0105】
第2の実施形態では、ロックタブ122(雄型タブ122)は、多位置ロックタブを形成するのに対し、
図1~
図5に例示される実施形態では、ロックタブ22(雄型タブ22)は、単一位置ロックタブを形成する。
【0106】
ロックタブ122は、端部縁126で終端しており、切れ目134および136を接続し、主要部分の形状を画定する切れ目によって、第1のパネル120から分離されている。好ましくは、ロックタブ122は、概して細長い形状である。この実施形態では、切れ目134、136は、少なくとも1つの凹部129を画定するように非線形である。さらに好ましくは、切れ目134、136は、鋸歯状であり、その凹部129または各凹部129は、隣り合う歯128の間に画定され、係合縁を提供する。よって、タブ122は、どれだけのパネルを重ね合わせる必要があるかに応じて、いくつかの位置において係合され得る。
【0107】
ロックタブ122は、主要部分130の片側の凹部129と、反対側に設けられた凹部129との間に定められた最小幅寸法M4を含む。いくつかの実施形態では、ロックタブ122の最小幅寸法M4は、切れ目147の線形寸法F1に1mmを足したものに実質的に等しい(M4≒F1+1mm)。
【0108】
ロックタブ122は、主要部分130の片側の歯128と、反対側に設けられた歯128との間に定められた最大幅寸法M5を含む。いくつかの実施形態では、ロックタブ122の最大幅寸法M5は、保持タブ142の最大幅寸法F2から0.5mmを引いたものに実質的に等しい(M5≒F2-0.5mm)。
【0109】
ロックタブ122は、端部縁126と、主要部分130の近位端部を画定する切れ目134および136の終端部との間に定められた長さ寸法M6を含む。いくつかの実施形態では、ロックタブ122の長さ寸法M6は、保持タブ142の最大幅寸法F2に7mmを足したものに実質的に等しい(M6≒F2+7mm)。
【0110】
歯128は、線形寸法M7を有するピッチまたは周期で配置され、隣り合う凹部129は、線形寸法M7だけ同様に離間されている。いくつかの実施形態では、ピッチ寸法M7は、切れ目147の線形寸法F1から1mmを引いたものに実質的に等しい(M7≒F1-1mm)。
【0111】
例示された実施形態では、一対のパネル連結デバイスLのうちの第1のパネル連結デバイスLのロックタブ122は、一対のパネル連結デバイスLのうちの第2のパネル連結デバイスLのロックタブ122から、間隔距離M8だけ離間している。いくつかの実施形態では、間隔距離M8は、保持タブ142の長さF3から0.5mmを引いたものに実質的に等しい(M8≒F3-0.5mm)。
【0112】
図6に示すように、保持タブ142は、ロック穴143内に延びる第2のパネル112から打ち出されている。
図7を参照されたい。好ましくは、保持タブ142は、
図1~
図5の実施形態の保持タブ42と実質的に同じように構成されており、さらに詳細には説明しない。
【0113】
カートンは、いくつかのロックタブおよび保持タブを備えることができ、これらは、2つのパネルを共にロックするためのロックタブ122および保持タブ142と実質的に同一であり、したがって、さらに詳細には説明しないことが、当業者には認識されるであろう。
【0114】
第1のパネル120および第2のパネル112を共にロックするプロセスは、第1の実施形態のパネル20および12を共にロックするのと実質的に同一であり、したがって、これ以上詳細には論じない。
【0115】
図7を参照すると、パネル120および112が共にロックされると、ロックタブ122が折り曲げられて、パネル120、112と実質的に垂直な関係になり、ロックタブ122は、所定の位置に保持され、それは、保持タブ142がロックタブ122の面のうちの1つに当接して、ロックタブ122がその元の位置にはね返るのを防ぎ、穴143の対応する縁が、ロックタブ122の対向する凹部129に係合するためである。対向する側縁の歯128がオフセットしている実施形態では、ロックタブ122は、ねじれるかまたは変形して、それを保持するのに役立ち得る。
【0116】
ロックタブ122は、歯128が第2のパネルと当接することにより、所定の場所に保持され、それは、歯が、垂直または斜めの位置においてロック穴143の狭い部分より広いためである。
【0117】
第3の実施形態が
図8に示されており、第3の実施形態は、
図1~
図5の実施形態と実質的に同様であり、第3の実施形態では、切れ目47が、折り目、刻み目、または畳み目ライン245と置き換えられている。畳み目ライン245は、刻み目付きライン、エンボス加工ライン、デボス加工ライン、穿孔のライン、短いスリットのライン、ハーフカットのライン、単一のハーフカット、中断された切れ目、整列したスリットのライン、刻み目のライン、またはそれらの任意の組み合わせから形成され得る。
【0118】
第4の実施形態が
図9に示されており、第4の実施形態は、
図6および
図7の実施形態と実質的に同様であり、第4の実施形態では、切れ目147は、折り目、刻み目、または畳み目ライン345と置き換えられている。畳み目ライン345は、刻み目付きライン、エンボス加工ライン、デボス加工ライン、穿孔のライン、短いスリットのライン、ハーフカットのライン、単一のハーフカット、中断された切れ目、整列したスリットのライン、刻み目のライン、またはそれらの任意の組み合わせから形成され得る。
【0119】
第3および第4の実施形態のパネル連結手段は、前述したものと同様の方法で形成され、したがってこれ以上詳細には説明しない。
【0120】
本発明およびその例示的な実施形態は、カートンにおける2つの隣り合うパネルをロックする手段に関し、ロック位置において十分な強度を提供するよう成形される。キャリヤは、手または機械類によって形成され得る。本発明は、巻き付け式タイプのものに制限されないさまざまなキャリヤに適用され得ることが予期される。
【0121】
さまざまな変更が本発明の範囲内で行われ得ることが、認識され得る。例えば、パネルおよび穴のサイズおよび形状は、異なるサイズまたは形状の物品に適応するように調節され得る。
【0122】
本明細書で使用される、方向への言及、例えば「上(top)」、「底(bottom)」、「基部(base)」、「前(front)」、「後ろ(back)」、「端部(end)」、「側(side)」、「内側(inner)」、「外側(outer)」、「上方(upper)」および「下方(lower)」は、必ずしもそれぞれのパネルをそのような向きに制限するものではなく、単にこれらのパネルを互いから識別するのに役立ち得ることが、認識されるであろう。
【0123】
本明細書で使用される用語「ヒンジ式接続」および「折り目」は、未完成品のヒンジ特徴を画定する、未完成品の一部を互いに対して折り曲げるのを容易にする、または、別様に未完成品の最適なパネル折り曲げ場所を示す、あらゆる種類のラインを指す。「ヒンジ式接続」への任意の言及は、必ずしも単一の折り目のみを指すものと解釈すべきではなく、実際、ヒンジ式接続は2つ以上の折り目から形成され得、2つ以上の折り目はそれぞれ、形状が直線/線形または湾曲/曲線のいずれかであってよい。線形の折り目がヒンジ式接続を形成する場合、折り目は、互いに平行に配されるか、または互いに対してわずかに角度を付けられていてよい。曲線の折り目がヒンジ式接続を形成する場合、折り目は、互いに交差して、曲線の折り目により囲まれた領域内部に成形されたパネルを画定し得る。このようなヒンジ式接続の典型的な例は、2つの点で交差する一対のアーチ形または弓形の折り目を含み得、そのため、折り目は、それらの間に長円形のパネルを画定する。ヒンジ式接続は、1つまたは複数の線形の折り目および1つまたは複数の曲線の折り目から形成され得る。このようなヒンジ式接続の典型的な例は、2つの点で交差する、線形の折り目と、アーチ形または弓形の折り目との組み合わせを含み得、そのため、これらの折り目は、それらの間に半月形のパネルを画定する。
【0124】
本明細書で使用される用語「折り目」は、以下のうちの1つを指すことができる。すなわち、刻み目付きライン、エンボス加工ライン、デボス加工ライン、穿孔のライン、短いスリットのライン、ハーフカットのライン、単一のハーフカット、中断された切れ目、整列したスリットのライン、刻み目のライン、および前述したオプションの任意の組み合わせ。
【0125】
ヒンジ式接続および折り目はそれぞれ、穿孔、穿孔のライン、短いスリットのライン、ハーフカットのライン、単一のハーフカット、切れ目、中断された切れ目、スリット、刻み目、それらの任意の組み合わせなどを含む、未完成品の基材に形成される要素を含み得ることを理解されたい。この要素は、所望の機能性を提供するように寸法決めされ、配置され得る。例えば、穿孔のラインは、折り目および/または切断ラインを画定するようにある程度の弱さを伴って寸法決めまたは設計され得る。穿孔のラインは、折り曲げを容易にし、かつ破断に抵抗するか、折り曲げを容易にし、かつより多くの労力での破断を容易にするか、または、より少ない労力での破断を容易にするように、設計され得る。
【0126】
本明細書で使用される語句「~と位置合わせする(in registry with)」は、直立したカートンにおける2つ以上の要素、例えば、2つの重なり合うパネルのうちの第1のパネルに形成された穴、および2つの重なり合うパネルのうちの第2のパネルに形成された第2の穴の整列を指す。互いに位置合わせしているそれらの要素は、重なり合うパネルの厚さの方向において、互いに整列され得る。例えば、第1のパネルの穴が、第1のパネルと重なり合った配置で設置された第2のパネルの第2の穴「と位置合わせしている」場合、穴の縁は、第2の穴の縁の少なくとも一部に沿って延びることができ、第1のパネルおよび第2のパネルの厚さの方向において、第2の穴と整列され得る。
【符号の説明】
【0127】
10 未完成品
11 端部縁
12 第2のパネル
14 側壁、第1の側壁パネル
16 側壁、第2の側壁パネル
18 上部パネル
20 第1のパネル
22 ロックタブ、雄型タブ
24 折り目
25 切れ目
26 端部縁、自由縁
28 ネック部分
30 主要部分
32 ショルダー部分
34 切れ目
36 切れ目
38 第1の切れ目
40 ロック縁
42 保持タブ、雌型タブ
43 ロック穴
46 切れ目
47 切れ目
48 切れ目
49 ヒンジ部分
50 第2の切れ目、遠位縁
112 第2のパネル
120 第1のパネル
122 ロックタブ、雄型タブ
126 端部縁
128 歯
129 凹部
130 主要部分
134 切れ目
136 切れ目
142 保持タブ
143 ロック穴
147 切れ目
245 畳み目ライン
345 畳み目ライン
C1 第1の点、第1の曲率中心
C2 第2の点、第2の曲率中心
C3 第3の点、第3の曲率中心
C4 第4の点
C4 第4の曲率中心
F1 線形寸法
F2 幅寸法、最大幅寸法
F3 長さ寸法
F4 くびれ幅寸法、最小幅
F5 遠位端部幅寸法
L パネル連結デバイス、パネル連結手段
M1 第2の幅寸法
M2 第1の幅寸法
M3 長さ寸法
M4 最小幅寸法
M5 最大幅寸法
M6 長さ寸法
M7 線形寸法、ピッチ寸法
M8 間隔距離
X 想像上の中心線
r1 第1の曲率半径
r2 第2の曲率半径
r3 第3の曲率半径
r4 第4の曲率半径
【国際調査報告】