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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】船舶ランデブー検出
(51)【国際特許分類】
   G08G 3/00 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
G08G3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547588
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(85)【翻訳文提出日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2020017994
(87)【国際公開番号】W WO2020168002
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】16/277,819
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358578
【氏名又は名称】ヴァルカン テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ドゥナガン、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ムーア、デーヴィッド マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ベンスレイ、ジェレミー カイル
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA25
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB20
5H181EE12
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF23
5H181FF25
5H181FF33
5H181FF35
5H181MB02
5H181MB04
5H181MC27
(57)【要約】
船舶ランデブーシステムは、航行可能エリア内で動作する複数の船舶の各船舶から位置データを取得する。各船舶からの位置データを使用して、船舶ランデブーシステムは、第1の船舶が航行可能エリア内で第2の船舶とともに行動に参加したことを判定する。この判定に応答して、船舶ランデブーシステムは、第1の船舶及び第2の船舶が航行可能エリア内で行動に参加していたことの指標を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実施方法であって、
航行可能エリア内で動作している船舶の艦隊から、前記船舶の艦隊の各船舶のトランスポンダデータを取得することと、
前記航行可能エリアの前記トランスポンダデータ及び環境データに基づいて、前記船舶の艦隊からの第1の船舶が前記航行可能エリア内でランデブーに参加したことを判定することと、
前記船舶の艦隊の他の船舶の他のトランスポンダデータに基づいて、第2の船舶のセットが前記第1の船舶との前記ランデブーに参加していた疑いがあることを識別することと、
前記第2の船舶のセットの第2の船舶ごとに、判定として生じる前記第2の船舶が前記第1の船舶との前記ランデブーに参加したかどうかを示すスコアを判定することと、
前記ランデブーが発生したという指標を提供することであって、前記指標は前記判定を含む、前記提供することと、
を含む、コンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記方法は、さらに、
前記第2の船舶のセットの船舶の第2のトランスポンダデータに基づいて、前記船舶のトランスポンダの無効化を示す前記第2のトランスポンダデータの欠落を識別することと、
前記第2のトランスポンダデータの補間を行い、追加トランスポンダデータを取得することと、
前記追加トランスポンダデータを使用して、前記船舶が前記ランデブーに参加していた疑いがあると判定することと、
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記方法は、さらに、
前記ランデブーの場所から、前記航行可能エリア内の探索範囲を規定することと、
前記第2の船舶のセットに関する第2のトランスポンダデータが前記ランデブー中の前記探索範囲内で各第2の船舶の存在に対応する結果を受けて、前記第2の船舶のセットを識別することと、
を含む、請求項1または2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記スコアは、前記ランデブー中の前記第1の船舶に対する前記第2の船舶の近接度、前記近接度が維持された期間の長さ、ならびに前記第1の船舶及び前記第2の船舶の船首方位の変化に基づいて判定される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリであって、前記コンピュータ実行可能命令が実行される場合、システムに、
位置データをエリア内の複数の船舶のうちの一部の船舶から取得することと、
前記位置データに基づいて、前記複数の船舶の第1の船舶が前記複数の船舶の第2の船舶とともに行動に参加したことを判定することと、
前記第1の船舶が前記行動に参加したことの指標を提供することと、
を行わせる、前記メモリと、
を備える、システム。
【請求項6】
前記位置データは、トランスポンダベース監視システムを使用して伝送されたトランスポンダデータを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記行動は前記第1の船舶のプロファイル及び前記第2の船舶のプロファイルに無関係の活動を助長する場所でのランデブーである、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムに前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したことを判定させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、
前記位置データに基づいて、前記行動の場所を識別することと、
前記場所から、前記行動に参加した他の船舶を識別するための探索範囲を規定することと、
前記第2の船舶に対する前記第1の船舶の近接度が前記行動中に前記探索範囲内にあったという結果を受けて、前記第1の船舶及び前記第2の船舶が前記行動に参加したことを判定することと、
を行わせる、請求項5から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムに前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したことを判定させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したかどうかを示すスコアを計算させる、請求項5から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムに前記位置データを前記複数の船舶のうちの前記一部の船舶から取得させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、
前記複数の船舶のうちの1つの船舶の船舶位置データに基づいて、前記船舶のトランスポンダの無効化を示す前記船舶位置データの欠落を識別することと、
前記船舶位置データの補間を行い、前記船舶の追加位置データを取得することと、
前記追加位置データを使用して、前記船舶が前記行動に参加したかどうかを判定することと、
を行わせる、請求項5から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムに前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したことを判定させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、前記第1の船舶の第1の位置データ及び前記第2の船舶の第2の位置データを、前記行動の参加を判定するように構成される機械学習モデルへの入力として利用させる、請求項5から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記指標は、前記第1の船舶の情報、前記行動に関する情報を識別することと、前記第1の船舶とともに前記行動に参加していた疑いのある前記第2の船舶の情報を識別することとを含む、請求項5から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
コンピュータシステムに実行可能命令を行わせるプログラムであって、前記実行可能命令は、前記コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行された結果を受けて、前記コンピュータシステムに、少なくとも、
位置データをエリア内で動作している複数の船舶の各船舶から取得することと、
前記位置データに基づいて、前記複数の船舶の第1の船舶が前記エリアで行動に参加したことを判定することと、
前記行動の場所及び期間ならびに前記位置データに基づいて、前記第1の船舶とともに前記行動に参加した前記複数の船舶の第2の船舶を識別することと、
前記第1の船舶が前記行動に参加したことの指標を提供することと、
を行わせる、プログラム。
【請求項14】
前記場所は前記第1の船舶のプロファイル及び前記第2の船舶のプロファイルに無関係の活動に関連付けられる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータシステムに前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したことを識別させる前記命令は、さらに、前記コンピュータシステムに、
前記位置データに基づいて、前記行動の前記場所を識別することと、
前記場所から、前記行動に参加した他の船舶を識別するための探索範囲を規定することと、
前記第1の船舶に対する前記第2の船舶の近接度が前記行動の前記期間中に前記探索範囲内にあったという結果を受けて、前記第2の船舶を識別することと、
を行わせる、請求項13または14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記コンピュータシステムに前記位置データを取得させる前記命令は、さらに、前記コンピュータシステムに、
前記複数の船舶のうちの1つの船舶の船舶位置データに基づいて、前記船舶のトランスポンダの無効化を示す前記船舶位置データの欠落を識別することと、
前記船舶位置データの補間を行い、前記船舶の追加位置データを取得することと、
前記追加位置データを使用して、前記船舶が前記行動に参加したかどうかを判定することと、
を行わせる、請求項13から15のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記指標は、前記第1の船舶の第1の識別情報、前記第2の船舶の第2の識別情報、及び前記行動に関する情報を含む、請求項13から16のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記コンピュータシステムに前記第2の船舶を識別させる前記命令は、さらに、前記コンピュータシステムに、
前記行動の前記場所及び期間ならびに前記位置データに基づいて、前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したかどうかを識別するスコアを計算することと、
前記スコアを使用して、前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したことを判定することと、
を行わせる、請求項13から17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記位置データは、トランスポンダベース監視システムを使用して伝送されたトランスポンダデータを含む、請求項13から18のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記コンピュータシステムに前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したことを識別させる前記命令は、さらに、前記コンピュータシステムに、前記第1の船舶の第1の位置データ、前記第2の船舶の第2の位置データ、前記場所を示すデータ、及び前記行動の前記期間が示されたデータを、前記行動の参加を判定するように構成される機械学習モデルへの入力として使用させる、請求項13から19のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許出願第16/277,819号(出願日2019年2月15日、発明の名称「vessel rendezvous detection」)の優先権を主張し、該特許の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、航海は、安全な航路を確保し、開放水域での事故を防ぐために、船首方位、進路、及び速度の情報を提供するために、開放水域の各船舶に依存する。しかしながら、いくつかの船舶は、現地の野生生物を脅かし得る不法行為または他の無許可行為(違法漁業等)を隠すために、この情報の提供を控えることがある。例えば、ある船舶は、別の船舶とランデブーしている間、その船舶のトランスポンダを無効にして、船首方位、進路、速度の情報を隠し得る。隠された情報は、隠蔽期間中の船舶の行動を判定することが困難になる可能性があるため、係るランデブーを検出することが困難になる可能性がある。これにより、係るランデブーに関わる船舶の一部で起こりうる不法行為または他の無許可行為のいずれかに対処するためにいずれかの是正措置が取れない可能性がある。
【0003】
図面を参照して、様々な技術を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】様々な実施形態を実装できるシステムの説明に役立つ例を示す。
図2】少なくとも1つの実施形態による、航行可能エリアを航行する船舶の中からいずれかのランデブーを識別するために、船舶ランデブーシステムが航行可能エリアのトランスポンダデータ及び環境データを処理するシステムの説明に役立つ例を示す。
図3】少なくとも1つの実施形態による、検出されたランデブーがマップエリアウィンドウ内の事前定義されたターゲットエリア内に提示されるインターフェースの説明に役立つ例を示す。
図4】少なくとも1つの実施形態による、検出されたランデブーに関連する詳細が活動アラート詳細ウィンドウに提示されるインターフェースの説明に役立つ例を示す。
図5】少なくとも1つの実施形態による、各船舶のセグメントデータに基づいて船舶のセットの中からランデブーを検出するためのプロセスの説明に役立つ例を示す。
図6】少なくとも1つの実施形態による、ランデブーに参加した可能性のある船舶のセットを識別するために、検出されたランデブーに近接して範囲探索を行うためのプロセスの説明に役立つ例を示す。
図7】様々な実施形態を実装できるシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に説明及び提案される技術は、経時的な各船舶の追跡データに基づいて船舶の中からランデブーを検出するためのシステムに関する。一例では、船舶ランデブーシステムは、船舶のセットのトランスポンダデータと、船舶のセットが横断し得る、またはそうでなければ動作し得る航行可能エリアに関連する環境データとを取得する。トランスポンダデータは、自動識別システム(AIS)、衛星AIS(S-AIS)等の自動追跡システムによって取得され得る。各船舶は、トランスポンダデータとして、船首方位情報(例えば、船舶の船首が向けられる基本方向等)、進路情報(例えば、船舶を操縦する基本方向等)、航行可能エリアにわたる船舶の速度を伝送し得る。環境データは、気象データ、航行可能エリア内の深度または標高、航行可能エリアの現状(例えば、風速、波高等)、港、湾港、海上石油掘削基地等に対する近接度を含み得る。一例では、船舶ランデブーシステムは、各船舶について、一定期間にわたって船舶について取得されたトランスポンダデータに基づいて、移動セグメントのセットを生成する。これらの移動セグメントを使用して、一定期間にわたる航行可能エリアにわたる船舶の移動プロファイルを判定し得る。
【0006】
一例では、船舶ランデブーシステムは、各船舶の移動セグメントのセットを使用して、船舶が航行可能エリア内でランデブーに参加していたかどうかを判定する。例えば、船舶ランデブーシステムは、最新のトランスポンダデータと、トランスポンダデータを収集した期間中に取得された環境データとを使用して、船舶の履歴セグメントデータ及び船舶の新たに計算されたセグメントデータを使用し、船舶の異常挙動を識別し得る。異常挙動が検出された場合、船舶ランデブーシステムは、この異常挙動が既知のランデブー特徴と一致するかどうかを判定し得る。例えば、異常挙動が一定期間航行可能エリアで停止する船舶に対応し、この行動が船舶の履歴プロファイル(例えば、漁業、給油等に参加した船舶)または船舶に関する報告された問題(例えば、機械的故障等)に対応しない場合、船舶ランデブーシステムは、この異常挙動の期間中に、船舶が別の船舶とのランデブーに参加したと判定し得る。
【0007】
一例では、船舶ランデブーシステムが、船舶がランデブーに参加していたことを検出した場合、船舶ランデブーシステムは、同じ航行可能エリア内の他の船舶のトランスポンダデータ及び航行可能エリアの環境データを処理して、どの船舶が船舶とのランデブーに参加していた可能性があるかを判定する。例えば、船舶ランデブーシステムは、ランデブーに対応するセグメントの近くで範囲探索を行い、航行可能エリア内のどの船舶が、ランデブーセグメントの範囲内のランデブーセグメントと一致するセグメントデータを有するかを識別し得る。一例では、航行可能エリア内のいずれかの船舶がそのAISを無効にすることにより、一定期間にわたってトランスポンダデータが取得されない場合、船舶ランデブーシステムは、そのAISの無効化前及びAISが再起動した後に取得されたこれらの船舶のトランスポンダデータを使用して、停止中にこれらの船舶の可能なセグメントデータを補間し得る。補間されたセグメントを使用して、船舶ランデブーシステムは、ランデブーに参加していたと船舶ランデブーシステムによって識別された船舶とのランデブーに参加している可能性がある船舶を識別し得る。
【0008】
一例では、船舶ランデブーシステムは、第1の船舶が関与するランデブーの検出に応答して、関係のある事業体に伝送され得るアラートを生成する。例えば、船舶ランデブーシステムは、海事法の施行と海上での生命及び財産の保護との責任がある海事事業体にアラートを伝送し得る。船舶ランデブーシステムはこれらの事業体にインターフェースを提供し得、それによって、事業体は、ランデブー、ランデブーに参加していると識別された第1の船舶、及び第1の船舶とのランデブーに参加していた可能性がある候補船舶の順序のグラフィック表示が提示され得る。一例では、船舶ランデブーシステムは、候補船舶がランデブーに参加した尤度の指標として役立ち得るスコアを各候補船舶に適用し得る。したがって、各候補船舶に割り当てられたスコアに基づいて、事業体は、インターフェースによって、どの候補船舶が第1の船舶とのランデブーに参加していた可能性が最も高いかを判定し得る。インターフェースによって、事業体は船舶の特性プロファイルを評価して、アラートに応答して行うべき行動の内容を決定し得る。
【0009】
前述の説明及び以下の説明では、様々な技術を説明する。説明の目的で、具体的な構成及び詳細が、技術を実施するのに可能な方法の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、下記に説明される技術が、具体的な詳細なしに異なる構成で実施され得ることも明らかになる。さらに、説明されている技術を分かり易くするために、周知の特徴は省略または簡略化され得る。
【0010】
当業者が本開示を考慮して理解するように、特定の実施形態は、特定の利点を達成することが可能であり得る。例えば、船舶ランデブーシステムは、トランスポンダが一定期間にわたって場所を隠すことを無効にする船舶を含む、いずれかの船舶のセグメントデータを補間できるため、船舶ランデブーシステムは、いずれかの期間にわたってこれらの船舶のあり得る場所を判定できる。これにより、事業体が船舶のトランスポンダが無効になっている間またはそうでなければトランスポンダデータが船舶に対して受信されていない間、船舶が実行した行動を判定するのが容易になり得る。別の例として、船舶ランデブーシステムが航行可能エリアに沿って各船舶のセグメントデータを生成及び使用するため、船舶ランデブーシステムは、船舶ランデブーシステムが経時的に異常挙動を検出することを容易にし得る各船舶の特徴プロファイルを生成して、船舶のセットの疑わしいランデブーの誤検出率を減らし得る。
【0011】
図1は、様々な実施形態を実装できるシステム100の説明に役立つ例を示す。システム100では、船舶ランデブーシステム102は、航行可能エリア104内で動作する船舶108、110のセットに対応するデータを取得し、このデータを使用して、船舶108、110のセットのいずれかが航行可能エリア104内でランデブー106に参加していたかどうかを判定し得る。船舶ランデブーシステム102は、航行可能エリア104等の航行可能エリア内の船舶活動を監視し、これらの航行可能エリア内の悪意のある活動またはそうでなければ疑わしい活動を識別するためにまとめて動作するコンピューティングリソースの集合を含み得る。航行可能エリア内の船舶活動の監視によって船舶ランデブーシステム102によって生成された情報は、航行可能エリア内の適用法の施行と、それらの航行可能エリア内の生命及び財産の保護との責任がある事業体等の他の海事事業体に利用可能になり得る。
【0012】
ある実施形態では、船舶ランデブーシステム102は、AISまたはS-AISによって、航行可能エリア104内の船舶108、110のそれぞれからトランスポンダデータを取得する。AISシステムのそれぞれは、超短波(VHF)伝送機、VHF時分割多重アクセス(TDMA)受信機のセット、VHFデジタル選択呼び出し(DSC)受信機、ならびにディスプレイシステム及びセンサシステムへの標準的な海洋電子通信リンクを含み得る。位置情報及びタイミング情報は、統合または拡張された全地球航法衛星システム(例えば、全地球測位システム(GPS)等)受信機から派生し得る。AISまたはS-AISによってブロードキャストされる情報は、船舶108、110と船舶ランデブーシステム102との間の様々な通信チャネルを経由して船舶ランデブーシステム102によって取得され得る。AIS及びS-AISは、例示の目的で本開示全体を通して広く利用されているが、船舶監視システム(VMS)等の他のトランスポンダベース監視システムと、トランスポンダデータに依存しない他の監視システムとを使用して、航行可能エリア内の船舶を追跡し、(トランスポンダベース監視システムから)トランスポンダデータと、(他の監視システムから)ランデブーが発生していたかどうかを判定するために使用され得る他の船舶データとを取得し得る。船舶ランデブーシステム102によって取得されたトランスポンダデータは、船舶の船首方位情報、航行可能エリア104における船舶の進路及び速度、船舶の旋回速度、ヒールの角度、ピッチ及びロール、ならびに船舶の目的地及び到着予定時刻情報を含み得る。
【0013】
船舶ランデブーシステム102は、また、航行可能エリア104を含む監視がタスクとして課される航行可能エリアのそれぞれに関連する環境データを取得し得る。環境データは、航行可能エリア104内のリアルタイム気象条件、航行可能エリア104の天気予報、航行可能エリア104の深さ、航行可能エリア104内の波高、波周期、及び波スペクトルデータ、航行可能エリア104内の水温、航行可能エリア104内のプランクトン及び他の野生生物の数等を含み得る。環境データは船舶ランデブーシステム102によって使用され、航行可能エリア104内の状態に応答して、航行可能エリア104内の船舶108、110が行い得る潜在的な行動を識別し得る。例えば、環境データが航行可能エリア104内のかなりの波動乱流を示す場合、船舶ランデブーシステム102は、船舶108、110がより低速で動作し得る、または航行可能エリア104内で特定の姿勢をとって、船舶108、110の波動乱流を軽減することを判定し得る。別の例として、環境データを使用して、漁業を助長し得る航行可能エリア104内の場所を識別し得る。したがって、船舶ランデブーシステム102は、係る場所内における漁船の行動が漁船の通常の業務の範囲内であると判定し得る。
【0014】
ある実施形態では、船舶ランデブーシステム102は、船舶108、110のそれぞれからのトランスポンダデータ及び航行可能エリア104の環境データを使用して、船舶108、110のそれぞれのセグメントデータを生成する。セグメントデータは、航行可能エリア104内の第1の場所で収集されたトランスポンダデータと、第1の場所でのトランスポンダデータの収集後の時点で航行可能エリア104内の第2の場所で収集されたトランスポンダデータとを含み得る。これらの2つのデータ点(第1の場所及び第2の場所)は、船舶108、110から船舶ランデブーシステム102によって取得された連続するトランスポンダ応答に対応し得る。したがって、セグメントデータは、航行可能エリア104内の船舶108、110からの連続するトランスポンダ応答を使用して生成された様々なセグメントを含み得、一定期間にわたる航行可能エリア104内の船舶移動のマッピングを生成し得る。船舶108、110のそれぞれのセグメントデータと、セグメントデータが生成された期間の航行可能エリア104の環境データとを使用して、船舶ランデブーシステム102は、航行可能エリア104内のランデブー106が発生していたかどうかを判定し得る。
【0015】
ある実施形態では、船舶ランデブーシステム102は、管理された学習技術等の機械学習技術を利用して、ランデブー106が航行可能エリア104内で発生していたかどうかを判定する。機械学習システムは、経時的に航行可能エリア104について取得された環境データと一緒に、船舶108、110及び航行可能エリア104内で動作する他の船舶のセグメントデータを使用して、船舶のセグメントデータとセグメントデータが生成された時に収集された環境データとに基づいて、特定の船舶のランデブーを検出するために使用できる機械学習モデルを構築し得る。この例示的な実施形態では、セグメントデータ及び環境データを機械学習システム及び分類アルゴリズムに供給して、セグメントデータを活動カテゴリにクラスタ化するモデルを構築できる。この例示的な実施形態では、特定の船舶のセグメントデータ、経時的に航行可能エリア104内で動作する他の船舶及び特定の船舶の履歴セグメントデータ、セグメントデータが収集された期間中に収集された環境データ等の機械学習モデルを訓練するための入力データ、ならびに船舶の活動の識別に関連し得る他の情報を使用し得る。他の情報は、航行可能エリア104で一般的に行われる活動(例えば、釣り、給油等)に関連する情報を含み得る。管理された学習を使用する実施形態では、入力データは、また、ランデブーの検出が所与の船舶に対して正しかったかどうかの指標を含み得る。例えば、ランデブーに参加することに関して船舶によって行われた行動に基づいて船舶の分析された挙動等を使用して、ランデブーの判定が船舶に対して正しかったかどうかを推測できる。機械学習システムは、いつでも、1つ以上のサンプルベクトルを利用して、1つ以上のシミュレーションを行い、ランデブーが発生していたかどうかを判定するために船舶ランデブーシステム102によって利用される機能が正しく正確な結果を生成しているかどうかを判定し得る、及び/または船舶ランデブーシステム102によって利用される1つ以上の機能を改良して、正しく正確な結果を生成し得る。例えば、機械学習システムの初期化中に、船舶ランデブーシステム102は、これらの1つ以上のサンプルベクトルに少なくとも部分的に基づいて取得するべき1つ以上のサンプルベクトル及び分析結果(例えば、所望の結果)を機械学習システムに提供し得る。機械学習システムは、この演習に少なくとも部分的に基づいて、船舶ランデブーシステム102によって利用される機能を調整して、航行可能エリア104内のランデブーに関連付けられる活動に対応するベクトルを分析し得る。
【0016】
機械学習システムは、船舶ランデブーシステム102を管理する機関によって採用された1人以上のアナリストから入力を受信し、上記に説明した1つ以上の機能を使用して船舶ランデブーシステム102によって行われた1つ以上の分析からの結果を分析し得る。例えば、アナリストは、特定の船舶のセグメントデータ、航行可能エリア104で動作する船舶及び他の船舶の履歴セグメントデータ、環境データ、及び他のソースからの他の情報、ならびに船舶ランデブーシステム102によって生成された1つ以上のベクトルをレビューして、特定の船舶が所与の時間に航行可能エリア104内でランデブー106に参加したかどうかを判定し得る。アナリストは、前述の活動または別の活動のいずれかに完全に対応するものとしてベクトル入力を分類するために使用されるモデルを改良する際に使用するアナリストの入力を提供し得る。アナリストによって行われたレビューに対応する測定値のベクトル及びアナリストの入力に対応する所望の結果は機械学習システムによって使用され、ベクトル入力を分類するために使用されるモデルが更新され得る。これは、複数のアナリストによって行われ及び/または複数のベクトル入力を使用して、機械学習システムに十分な数のサンプルベクトル入力及び所望の出力を提供し得る。機械学習システムが船舶ランデブーシステム102によって使用される1つ以上のモデルを調整することにより、将来の分析で所望の結果を取得する尤度が増加し得る。
【0017】
測定ベクトルを分類するために使用されるモデルは、様々な実施形態に従って変わり得る。例えば、いくつかの実施形態では、サポートベクターマシン技術を使用して、ユークリッド空間内の領域を分類し、船舶の通常の業務過程(例えば、給油、協調漁業活動等)の範囲内のランデブー106を示す、船舶の通常の業務過程の範囲内にない航行可能エリア104内のランデブー106を示す、または別の船舶とのランデブー以外の目的で船舶の移動の一時停止を示すように分類される。これを使用し得ることで、測定ベクトルが含まれる領域に従って測定を分類する。さらに別の実施形態では、機械学習システムは、決定木学習を利用して、決定木(分類木、回帰木)を判定し、決定木を使用して、ベクトル入力を分類し、別の船舶とのルーチンのランデブーを示す、別の船舶との異常なランデブーを示す、別の船舶とのランデブー以外の目的での移動中の一時停止を示す、またはいずれかの重大な一時停止がない航行可能エリア104を通る通常の移動の一時停止を示すように分類される。架空の説明に役立つ例として、ランデブーを示すものとして特定の船舶のセグメントを分類するために船舶ランデブーシステム102によって規定された最小要件は、特定の閾値よりも長い期間にわたって正当な活動(例えば、釣り、給油等)のために過去に使用されていなかった航行可能エリア104内の場所に船舶が静止したままであることである場合、機械学習は、船舶が静止していた時間が閾値時間よりも長いかどうかと、その場所が正当な目的で他の船舶によって利用されるかどうかとを示すベクトル成分に少なくとも部分的に基づいて分岐する決定木が生じ得る。入力が、船舶が閾値よりも長い期間にわたって静止したままであることと、その場所がランデブー以外の目的で船舶が静止したままの場所ではないこととを示す場合、1つ以上の関数(決定木)は、この例では、船舶が静止していた期間にわたって、船舶がこの場所でランデブーに参加したという結果を提供するであろう。したがって、機械学習アルゴリズムは、これらの1つ以上の関数が、船舶がこの場所でランデブーに参加したことを示さない場合、1つ以上の関数を調整し得る。
【0018】
ある実施形態では、船舶ランデブーシステム102が、船舶110が航行可能エリア104内でランデブー106に参加したことを検出した場合、船舶ランデブーシステム102は、ランデブー106の期間中、航行可能エリア104内で動作する船舶108を含む他の船舶のセグメントデータを評価して、どの船舶が船舶110とのランデブー106に参加していた可能性があるかを判定する。例えば、船舶ランデブーシステム102は、ランデブー106の期間中、探索範囲内のエリアを横断したいずれかの船舶を識別するために使用可能な探索範囲をランデブー106の場所から拡張し得る。船舶ランデブーシステム102は、ランデブー106の期間中、船舶108を含む互いの船舶のセグメントデータを評価して、これらの他の船舶のいずれかが探索範囲内のエリアを横断したかどうかを判定し得る。これらの他の船舶のいずれかがランデブー106の期間中に探索範囲内のエリアを横断した場合、船舶ランデブーシステム102は、ランデブー106の期間に関連して、探索範囲内の識別された船舶のそれぞれによって費やされた時間を判定し得る。さらに、船舶ランデブーシステム102は、識別された船舶のそれぞれのセグメントデータを使用して、ランデブー106に参加していたことが知られている船舶110に対するこれらの船舶のそれぞれの近接度を判定し得る。
【0019】
ある実施形態では、船舶110がランデブー106に参加したことを検出するために使用されるセグメントデータは、トランスポンダデータと、1つのトランスポンダベース監視システムを使用して生成された他の船舶データとに基づいて生成できる一方、船舶108及びいずれかの他の船舶のセグメントデータは、トランスポンダデータと、別のトランスポンダベース監視システムを使用して生成された他の船舶データとに基づいて生成できる。例えば、船舶110のためのセグメントデータを生成するために使用されるデータはAISトランスポンダデータに基づき得る一方、船舶108のセグメントデータを生成するために使用されるデータは、VMS、別のトランスポンダベース監視システム、または非トランスポンダベース監視システム(例えば、衛星画像、合成開口レーダー(SAR)の読み取り、無線周波数(RF)マッピング等)に基づき得る。
【0020】
ある実施形態では、船舶ランデブーシステム102は、ランデブー106に参加していたと識別された船舶110とのランデブー106に参加していた可能性があると識別された各船舶のスコアを計算する。スコアは、ランデブー106の期間中に船舶が探索範囲内に停留した時間の長さ、ランデブー106に参加していたと識別された船舶110に対する船舶の近接度、船舶のプロファイルとランデブーサイトの近くのその船舶の存在との不一致(例えば、探索範囲に入る漁船は過去のデータ等に基づいて異常と見なされる)、探索範囲内における船舶の船首方位の変化、及び疑わしいランデブーの前後の船舶の船首方位の変化(例えば、船舶がその元の船首方位の外側を移動して、船舶110とのランデブーに参加し、ランデブー後に船首方位を逆転していた可能性があることの指標)に基づいて計算され得る。例えば、ランデブー106の期間とかなり重複する期間にわたって探索エリア内にあったと見なされ、船舶110にかなり近接していて、航行可能エリア104のこの特定の領域を横断することが知られていない船舶は、短期間に探索エリアに停留した船舶、船舶110にかなり近接しなかった船舶、探索エリアを横断したことが過去に知られている船舶よりも高いスコアが割り当てられ得る。
【0021】
ある場合、船舶ランデブーシステム102は、船舶108等の船舶が一定期間にわたってトランスポンダデータを提供できなかったと判定し得る。これは、一定期間にわたってその場所及び船首方位情報/進路情報を隠そうとする船舶108による試みを示し得る。船舶ランデブーシステム102が、船舶108が一定期間にわたってトランスポンダデータを提供できなかったと判定した場合、船舶ランデブーシステム102は、データ欠落前に取得されたトランスポンダデータ及びデータ欠落後に取得されたトランスポンダデータを使用して、期間中のセグメントデータを補間し得る。この補間セグメントデータは、船舶ランデブーシステム102によって使用され、船舶108が船舶110とのランデブー106に参加したかどうかを判定し得る。例えば、補間セグメントデータを使用することにより、船舶ランデブーシステム102は、船舶108がランデブー106の探索範囲内に存在した時間と、船舶108が船舶110に接近したかどうかと、船舶108がたどったこの経路が航行可能エリア104を通る船舶108の過去の挙動と一致するかどうかとを推定し得る。ある実施形態では、船舶のトランスポンダを無効にすることによって船舶がその場所を隠したという指標は、船舶が船舶110とのランデブー106に参加していた確率を判定するために使用されるスコアを増加させるために使用できる要因として役立ち得る。例えば、ランデブー106の期間とかなり重複する期間にわたって探索エリア内にあったと見なされ、船舶110にかなり近接していて、航行可能エリア104のこの特定の領域を横断することが知られていなく、ランデブー106の期間の少なくとも一部に重なる期間に船舶のトランスポンダが無効になっていると見なされる船舶は、船舶ランデブーシステム102にトランスポンダデータを定期的に継続して伝送することを除いて、同様の要因がある船舶よりも高いスコアが割り当てられ得る。
【0022】
ある実施形態では、船舶ランデブーシステム102が、船舶110がランデブー106に参加していたことを検出し、船舶110とのランデブー106に参加していた可能性があり得る船舶108を含む船舶のセットを識別した場合、船舶ランデブーシステム102は、航行可能エリア104内の適用法の施行と、航行可能エリア104内の生命及び財産の保護との責任がある事業体にアラートを伝送する。例えば、船舶ランデブーシステム102は、前述の事業体と、航行可能エリア104の規制または監督の責任がある他の事業体とに、これらの事業体が航行可能エリア104内で発生するいずれかのランデブー、これらのランデブーに参加していたことが知られている船舶、及びこれらのランデブーに参加していた可能性がある他の船舶を識別することを可能にするインターフェースを提供し得る。インターフェースによって、事業体は、ランデブー106及びランデブー106に参加した船舶108、110のグラフィック表示が提示され得る。さらに、インターフェースによって、船舶ランデブーシステム102は、別の船舶とともに特定のランデブーに参加していた可能性がある各船舶のスコアを提供し得る。これにより、インターフェースを利用する事業体がさらなる調査のために船舶を識別することを可能にし得る。
【0023】
図2は、少なくとも1つの実施形態による、航行可能エリア214を航行する船舶の中からいずれかのランデブーを識別するために、船舶ランデブーシステム202が航行可能エリア214のトランスポンダデータ216及び環境データを処理するシステム200の説明に役立つ例を示す。システム200では、船舶ランデブーシステム202のデータセグメンタサブシステム204は、船舶ランデブーシステム202によって監視された航行可能エリア214内で動作する船舶212のセットからトランスポンダデータ216を取得する。さらに、データセグメンタサブシステム204は、様々なソース(例えば、気象サービス、海洋及び大気サービス、輸送サービス等)から、様々な航行可能エリア214に関連する環境データを取得し得る。データセグメンタサブシステム204は、コンピュータシステムまたはその抽象システム(ハイパーバイザによって動作する1つ以上の仮想マシン等)に実装され、ハードウェア及びソフトウェアを使用して実装され、1つ以上のプロセッサと、実行可能命令を記憶するメモリとを含み得、1つ以上のプロセッサによる実行可能命令の実行により、コンピュータシステムに本明細書に説明される動作を行わせる。
【0024】
データセグメンタサブシステム204は、船舶212のセットの各船舶からのトランスポンダデータ216を利用して、各船舶のセグメントデータを生成し得る。セグメントデータは、船舶によって提供される連続するトランスポンダデータ点のそれぞれの間のセグメントを指定し得る。例えば、データセグメンタサブシステム204は、特定の船舶について取得されたトランスポンダデータを時系列で編成し得る。連続するトランスポンダデータ点の各セット間で、データセグメンタサブシステム204は、2つの連続するトランスポンダデータ点の作成の間の経過時間中の航行可能エリア内の船舶の移動に対応するセグメントを生成し得る。したがって、特定の船舶のセグメントデータは、航行可能エリアを通る船舶の経路をまとめて詳述するセグメントのセットを含み得る。ある実施形態では、データセグメンタサブシステム204は、船舶の連続するトランスポンダデータ点のセットを単一のセグメントに集約し、単一のセグメントを使用して、船舶が航行可能エリア内でランデブーに参加したかどうかを判定できる。
【0025】
ある実施形態では、データセグメンタサブシステム204が、船舶が一定期間にわたってトランスポンダデータを提供できなかったと判定した場合、データセグメンタサブシステム204は、船舶の推定セグメント生成の失敗の前後に船舶から取得された他のトランスポンダデータを補間する。これらの可能性のあるセグメントのそれぞれは、船舶からの実際のトランスポンダデータを使用して生成された他のセグメントと時系列のサイズが同様であり得る。この船舶のセグメントデータは、船舶によって提供されるトランスポンダデータの欠落のために、係るセグメントが補間によって生成されたことを特定し得る。特定の船舶のセグメントデータは、また、船舶が航行可能エリア内に位置していた期間中の航行可能エリアの特性に対応する環境データを組み込み得る。
【0026】
ある実施形態では、データセグメンタサブシステム204は、船舶ランデブーシステム202のセグメントデータリポジトリ208内に各船舶のセグメントデータを記憶する。セグメントデータリポジトリ208は、船舶ランデブーシステム202によって監視された航行可能エリア214内の検出された各船舶のエントリを含むデータベースを含み得る。各エントリ内で、セグメントデータリポジトリ208は、特定の船舶について経時的に収集されたセグメントデータを含み得る。さらに、エントリは特定の船舶に関連して記録されたいずれかの活動を指定し得る。これは、航行可能エリア内で以前に記録された給油作業、船舶の特定の目的に関連する業務等(例えば、漁船によって行われた漁業活動等)を含み得る。さらに、特定の船舶のエントリ内に記録された活動は、船舶が参加した可能性が高いいずれかの検出されたランデブーを含み得る。したがって、セグメントデータリポジトリ208は、特定の船舶について経時的に生成された履歴セグメントデータを記憶するために使用され得、特定の船舶の通常の動作過程を判定するために及び/または船舶のいずれかの異常挙動を検出するために使用され得る。
【0027】
データセグメンタサブシステム204は、船舶212のそれぞれについて新たに生成されたセグメントデータをランデブー検出サブシステム206に伝送し得、ランデブー検出サブシステム206は、生成されたセグメントデータを使用して、船舶ランデブーシステム202によって監視された航行可能エリア214のいずれかの範囲内でランデブーが発生した可能性が高いかどうかを判定し得る。ランデブー検出サブシステム206は、コンピュータシステムまたはその抽象システム(ハイパーバイザによって動作する1つ以上の仮想マシン等)に実装され、ハードウェア及びソフトウェアを使用して実装され、1つ以上のプロセッサと、実行可能命令を記憶するメモリとを含み得、1つ以上のプロセッサによる実行可能命令の実行により、コンピュータシステムに本明細書に説明される動作を行わせる。ある実施形態では、ランデブー検出サブシステム206は、船舶212のそれぞれに提供されたセグメントデータ、セグメントデータリポジトリ208からの船舶212のそれぞれの履歴セグメントデータ、及び航行可能エリア214に適用可能な環境データを機械学習アルゴリズムへの入力として使用して、船舶ランデブーシステム202によって監視された航行可能エリア214のいずれかの範囲内で船舶がランデブーに参加していた尤度を判定する。
【0028】
ある実施形態では、ランデブー検出サブシステム206が、航行可能エリア内で考えられるランデブーを検出した場合、ランデブー検出サブシステム206はランデブーが実際に発生した確率を示すために使用できるスコアを計算する。例えば、スコアは、船舶が静止したままであるまたは航行可能エリア内で低速を維持した時間の長さ、考えられるランデブーが発生した場所、船舶が行った行動が航行可能エリア内の船舶が行った過去の行動から逸脱しているかどうか等に基づき得る。加えてまたは代わりに、スコアは、ランデブー前の特定の方向への突然または急速な移動のいずれか、及びランデブー後の異なる方向へのいずれかの突然または急速な移動に基づき得る。ランデブーの前後の係る方向の変化は、計画されたランデブーの場所への移動を示し得る。説明に役立つ例として、ランデブー検出サブシステム206は、航行可能エリア内の船舶の履歴データに基づいて、船舶が通常存在しないであろう場所に船舶が静止したままである場合、より高いスコア(例えば、ランデブーのより高い確率)を割り当て得る。また、場所が船舶の通常の動作に適していない場合、より高いスコアが割り当てられ得る。例えば、船舶が主に漁業に使用され、船舶が漁業に適していない場所に静止していることが判明した場合、ランデブー検出サブシステム206は、この行動がその場所でランデブーを示し得るため、船舶によるこの特定の行動により高いスコアを割り当て得る。
【0029】
ランデブー検出サブシステム206が、特定の船舶のセグメントデータに基づいて、特定の船舶が航行可能エリア内で考えられるランデブーに参加したことを検出した場合、ランデブー検出サブシステム206は、考えられるランデブーに関連する情報を船舶監視サブシステム210に伝送して、特定の船舶とのランデブーに参加していた可能性があるいずれかの他の船舶を識別し得る。船舶監視サブシステム210は、コンピュータシステムまたはその抽象システム(ハイパーバイザによって動作する1つ以上の仮想マシン等)に実装され、ハードウェア及びソフトウェアを使用して実装され、1つ以上のプロセッサと、実行可能命令を記憶するメモリとを含み得、1つ以上のプロセッサによる実行可能命令の実行により、コンピュータシステムに本明細書に説明される動作を行わせる。ある実施形態では、船舶監視サブシステム210は、考えられるランデブーに関連するランデブー検出サブシステム206によって提供される情報を利用して、考えられるランデブーの場所の周りの探索範囲を規定し、考えられるランデブーの期間中の探索範囲内にあった可能性のあるいずれかの船舶を識別する。これらの船舶を識別するために、船舶監視サブシステム210は、航行可能エリア内の他の船舶のセグメントデータを評価して、探索範囲内に含まれ、考えられるランデブーの期間と一致するセグメントを有するいずれかの船舶を識別し得る。
【0030】
ある実施形態では、船舶監視サブシステム210は、ランデブーに参加していたと識別された船舶とのランデブーに潜在的に参加していたと識別された各船舶のスコアを計算する。スコアは、ランデブー中に船舶が探索範囲内に停留した時間の長さ、ランデブーに参加していたと識別された船舶に対する船舶の近接度、船舶のプロファイルとランデブーサイトの近くのその船舶の存在との不一致(例えば、探索範囲に入る漁船は過去のデータ等に基づいて異常と見なされる)、探索範囲内における船舶の船首方位の変化、及び疑わしいランデブーの前後の船舶の船首方位の変化(例えば、船舶が元の船首方位の外側を移動して、船舶とのランデブーに参加し、ランデブー後に船首方位を逆転していた可能性があることの指標)に基づいて計算され得る。例えば、ランデブーの期間とかなり重複する期間にわたって探索範囲内にあったと見なされ、ランデブーに参加していたと識別された船舶にかなり近接していて、航行可能エリアのこの特定の領域を横断することが知られていない船舶は、短期間に探索エリアに停留した船舶、船舶にかなり近接しなかった船舶、探索範囲内のエリアを横断したことが過去に知られている船舶よりも高いスコアが割り当てられ得る。
【0031】
ある場合、船舶のセグメントデータは不完全であり得る、または船舶のトランスポンダが無効であることを示し得る1つ以上の欠落を含み得る。ある実施形態では、船舶監視サブシステム210が特定の船舶のセグメントデータが不完全である、または1つ以上の欠落を含むと判定した場合、船舶監視サブシステム210は利用可能なセグメントデータを使用して、セグメントデータの補間を行い、不足セグメントを取得する。例えば、船舶監視サブシステム210は、データ欠落前に取得されたトランスポンダデータ及びデータ欠落後に取得されたトランスポンダデータを使用して、船舶に利用可能なセグメントがない期間中にセグメントデータを補間し得る。この補間セグメントデータは、船舶監視サブシステム210によって使用され、考えられるランデブーに参加していたとランデブー検出サブシステム206によって識別された船舶とのランデブーに参加した船舶かどうかが判定され得る。例えば、補間セグメントデータを使用することにより、船舶監視サブシステム210は、船舶がランデブーの探索範囲内に存在した時間と、ある船舶が他の船舶に接近したかどうかと、この船舶がたどった経路が航行可能エリアを通る船舶の過去の挙動と一致するかどうかとを推定し得る。
【0032】
ある実施形態では、船舶のトランスポンダを無効にすることによって船舶がその場所を隠したという指標は、ランデブー検出サブシステム206によって識別された船舶とのランデブーに参加していた船舶の確率を判定するために使用できる要因として役立ち得る。例えば、ランデブーの期間とかなり重複する期間にわたって探索エリア内にあったと見なされ、船舶にかなり近接していて、航行可能エリアのこの特定の領域を横断することが知られていなく、ランデブーの期間の少なくとも一部に重なる期間に船舶のトランスポンダが無効になっていると見なされる船舶は、船舶ランデブーシステムにトランスポンダデータを定期的に継続して伝送することを除いて、同様の要因がある船舶よりも高いスコアが割り当てられ得る。したがって、トランスポンダの無効化は、別の船舶とのランデブーの参加を含む、不法行為または他の疑わしい行動の指標として役立ち得る。
【0033】
船舶監視サブシステム210が、ランデブーに潜在的に参加していた可能性があるとランデブー検出サブシステム206によって識別された船舶とのランデブーに潜在的に参加していた可能性があり得る船舶のセットを識別する場合、船舶監視サブシステム210は、考えられるランデブーに参加していた可能性がある識別された船舶に関連する船舶情報を含む考えられるランデブーに関連する情報をランデブーアラートシステム218に伝送する。ランデブーアラートシステム218は、コンピュータシステムまたはその抽象システム(ハイパーバイザによって動作する1つ以上の仮想マシン等)に実装され、ハードウェア及びソフトウェアを使用して実装され、1つ以上のプロセッサと、実行可能命令を記憶するメモリとを含み得、1つ以上のプロセッサによる実行可能命令の実行により、コンピュータシステムに本明細書に説明される動作を行わせる。ランデブーアラートシステム218は、図2に示されるようにまたは船舶ランデブーシステム202のコンポーネントとして、船舶ランデブーシステム202とは異なるシステムとして実装され得る。
【0034】
ある実施形態では、ランデブーアラートシステム218は、船舶監視サブシステム210からの情報に応答して、航行可能エリア内の適用法の施行と、航行可能エリア内の生命及び財産の保護との責任がある事業体にアラートを伝送する。例えば、ランデブーアラートシステム218は、前述の事業体と、航行可能エリアの規制または監督の責任がある他の事業体とに、これらの事業体が航行可能エリア内で発生していた可能性があるいずれかの考えられるランデブー、これらのランデブーに参加していたことが知られているまたは疑いのある船舶、及びこれらのランデブーに参加していた可能性がある他の船舶を識別することを可能にするインターフェースを提供し得る。インターフェースによって、事業体が考えられるランデブーのグラフィック表示とランデブーに参加していた可能性がある船舶とを選択すると、それが提示され得る。さらに、インターフェースによって、ランデブーアラートシステム218は、ランデブーが発生した確率に対応するスコアと、船舶が別の船舶とともに特定のランデブーに参加していた可能性がある確率に対応する各船舶のスコアとを提供し得る。これにより、インターフェースを利用する事業体がさらなる調査のために船舶を識別することを可能にし得る。
【0035】
図3は、少なくとも1つの実施形態による、検出されたランデブー308がマップエリアウィンドウ304内の事前定義されたターゲットエリア306内に提示されるインターフェース300の説明に役立つ例を示す。上記のように、ランデブーアラートシステムは、これらのユーザが航行可能エリア内で発生していた可能性がある考えられるランデブーに関するアラートを受信し得るインターフェースをユーザに提供し得る。インターフェース300はウィンドウ選択パネル302を含み得、ウィンドウ選択パネル302によって、ユーザが、特定のマップエリア、または特定のマップエリアもしくはマップエリアのセットの範囲内のランデブーを含む活動に関連するアラート詳細を視認するために選択し得る。ユーザがウィンドウ選択パネル302を介してマップエリアオプションを選択した場合、ランデブーアラートシステムは、インターフェース300を更新して、ユーザにマップエリアウィンドウ304を提示し得る。
【0036】
マップエリアウィンドウ304は、航行可能エリアを含む特定の地理的領域のグラフィック表示を含み得る。例えば、マップエリアウィンドウ304を使用して、陸塊、水域、気象システム、港、湾港、海上石油掘削基地等の場所を示し得る。ある実施形態では、マップエリアウィンドウ304は、インターフェース300のユーザによって利用され、航行可能エリア内で検出された考えられるランデブーに応答してアラートが生成される方法を定義するためのターゲットエリア306を識別できる。例えば、船舶ランデブーシステムが、考えられるランデブーがユーザ定義のターゲットエリア306内で発生していたことを検出した場合、ランデブーアラートシステムは、考えられるランデブーがその定義されたターゲットエリア306内で検出されたことを示すアラートをユーザに伝送し得る。
【0037】
ある実施形態では、ランデブーアラートシステムは、マップエリアウィンドウ304によって、ランデブー308のグラフィック表示等、考えられるランデブーが発生していた可能性がある場所のグラフィック表示を提供する。マップエリアウィンドウ304で表される航行可能エリア内で発生していた可能性がある考えられるランデブーのそれぞれのデモンストレーションによって、ユーザは、ユーザによって定義されたターゲットエリア306内で発生していた可能性があるいずれかの考えられるランデブーを識別し得る。マップエリアウィンドウ304による考えられるランデブーの提示は、航行可能エリア内の考えられる活動の時間範囲に基づいて制限され得る。例えば、マップエリアウィンドウ304を使用して、特定の期間内に検出された考えられるランデブーを提示し得る。この期間は、他の期間に発生していた可能性がある他のランデブーを識別するためにインターフェース300によって変更され得る。マップエリアウィンドウ304による考えられるランデブーの提示は、また、一致する船舶基準に基づいて制限され得る。これらの基準は、限定ではないが、船舶の所有国、船舶の種類(例えば、漁業、貨物、乗客等)、船舶を所有する事業体、船舶の船舶使用歴の長さ、船舶の寸法(例えば、高さ、幅等)等を含み得る。これらの船舶基準は、船舶ランデブーシステムによって、または船舶ランデブーシステムに船舶情報を提供し得る他の事業体によって管理される船舶データベースで維持され得る。
【0038】
ランデブー308のグラフィック表示は、考えられるランデブーの識別された場所の周りに設置され得る円または他の形状を含み得る。ランデブー308のグラフィック表示内で、ランデブーアラートシステムは、ランデブーに参加していたと疑われる船舶310、312のグラフィック表示を含み得る。これは、潜在的にランデブーに参加していたとして、船舶310のセグメントデータに基づいて、前述のランデブー検出サブシステムによって識別された船舶310を含み得る。さらに、ランデブーアラートシステムは、前述の船舶監視サブシステムによって、船舶310とのランデブーに参加している可能性が最も高い船舶として識別された船舶312を含み得る。船舶312の選択は船舶312について計算されたスコアに基づき得る。例えば、マップエリアウィンドウ304によって、ランデブーアラートシステムは、最高のスコア、または船舶312が船舶310とのランデブーに参加した可能性が最も高い船舶であったという他の指標を有する船舶312を選択し得る。上記のように、船舶監視サブシステムは、ランデブー検出サブシステム206によって識別された船舶とともに考えられるランデブーに参加していた可能性がある船舶のセットを識別し得る。インターフェース300によって、ユーザは、マップエリアウィンドウ304内に提示するためにこれらの船舶のいずれかを選択し得る。
【0039】
ある実施形態では、船舶310及び船舶312のグラフィック表示は、ユーザが船舶310、312のそれぞれの船首方位及び進路ならびに考えられるランデブーの期間中の船舶310と船舶312との間の距離を容易に識別できるように提示される。これにより、インターフェース300のユーザは、船舶310、312と、船舶310との考えられるランデブーに参加していた可能性があるいずれかの他の船舶との間の可能な相互作用レベルを測定することを可能にし得る。考えられるランデブー308の境界内の船舶310、312のグラフィック表示を提供することに加えて、ランデブーアラートシステムは、マップエリアウィンドウ304によって、ランデブー308に参加していた疑いがある船舶310、312のそれぞれの識別情報を提供し得る。この情報は、船舶の名前、船舶の原産国、船舶の海上移動業務識別子(MMSI)、船舶の国際海事機関(IMO)識別子、船舶のコールサイン、船舶の種類(例えば、漁業、燃料等)、船舶の所有者、船舶の管理国等を含み得る。さらに、ランデブーアラートシステムは、マップエリアウィンドウ304内で、考えられるランデブーが発生した時間を示し得る。この情報は、示された時間の期間の船舶310、312の活動の調査をさらに進めるためにユーザによって利用され得る。
【0040】
図4は、少なくとも1つの実施形態による、検出されたランデブーに関連する詳細が活動アラート詳細ウィンドウ408に提示されるインターフェース400の説明に役立つ例を示す。インターフェース400は、図3に関連して上記に説明したインターフェース300の要素と同様の要素を含み得る。例えば、インターフェース400は、ユーザが特定のマップエリア、または特定のマップエリアもしくはマップエリアのセット内のランデブーを含む活動に関連するアラート詳細を視認することを選択し得るウィンドウ選択パネル402を含み得る。ユーザがウィンドウ選択パネル402から活動アラート詳細オプションを選択した場合、ランデブーアラートシステムは、インターフェース400を更新して、マップエリアウィンドウのアラート404を提供し得る。マップエリアウィンドウのアラート404を使用して、事前定義された期間にわたって特定の航行可能エリア内で検出されていた可能性がある様々なランデブーを提示し得る。例えば、マップエリアウィンドウのアラート404内で、ランデブーアラートシステムは、所定の期間にわたって航行可能エリア内で検出された考えられるランデブーのそれぞれに対応するエントリ406を提供し得る。
【0041】
マップエリアウィンドウのアラート404内のエントリ406のそれぞれは、アラートが生成された活動の種類(例えば、ランデブー、不法行為等)を示し得る。さらに、エントリ406は、航行可能エリア内で発生していた活動の確率の指標として役立ち得るスコアを指定し得る。例えば、図4に示されるように、各エントリは、エントリ406で指定された活動が示されたように発生した確率を示し得るパーセンテージを含み得る。図2に関連して上記に説明したように、このスコアは、ランデブー検出サブシステムによって計算され得る。スコアに加えて、エントリ406のそれぞれは、活動が発生していた可能性がある日時を指定し得る。インターフェース400のユーザは、活動のスコア(例えば、昇順または降順)に基づいて、またはエントリ406のそれぞれの日時(例えば、時系列の昇順または降順)に基づいて、マップエリアウィンドウのアラート404に指定された様々なエントリ406をソートし得る。
【0042】
インターフェース400のユーザがマップエリアウィンドウのアラート404からエントリ406を選択した場合、ランデブーアラートシステムは、インターフェース400を更新して、活動アラート詳細ウィンドウ408を提示し得、活動アラート詳細ウィンドウ408を使用して、航行可能エリア内で考えられるランデブーまたは他の検出された活動に関連する様々な詳細を提示し得る。活動アラート詳細ウィンドウによって、ランデブーアラートシステムは、検出された活動の種類、活動が発生していた可能性がある日時、及び活動が発生していた可能性がある地理的場所(例えば、緯度経度座標等)を提示し得る。さらに、ランデブーアラートシステムは、ランデブーまたは他の活動に参加していたとしてランデブー検出サブシステムによって識別された船舶の詳細を提示し得る。これらの詳細は、船舶の名前、船舶の原産国、船舶のMMSI識別子、船舶のIMO識別子、船舶のコールサイン、船舶の種類(例えば、釣り、燃料等)、船舶の所有者、船舶の管理国等を含み得る。
【0043】
ランデブーまたは他の活動に参加していたとランデブー検出サブシステムによって識別された船舶の詳細を提供することに加えて、ランデブーアラートシステムは、活動アラート詳細ウィンドウ408を用いて、ランデブー検出サブシステムによって識別された船舶とのランデブーまたは他の活動に参加していた可能性がある他の船舶に対応するエントリ410を提示し得る。エントリ410のそれぞれに、指定された船舶がランデブー検出サブシステムによって識別された船舶とのランデブーまたは他の活動に参加していた確率に対応するスコアが指定され得る。上記のように、このスコアは、ランデブー中に船舶が探索範囲内に停留した時間の長さ、ランデブーに参加していたと識別された船舶に対する船舶の近接度、及び船舶のプロファイルとランデブーサイトの近くのその船舶の存在との不一致(例えば、探索範囲に入る漁船は履歴データに基づいて異常であると見なされること等)に基づいて、船舶監視サブシステムによって計算され得る。船舶監視サブシステムは、また、スコアを判定する要因として、ランデブーまたは他の活動と重複し得るいずれかの一定期間を含む一定期間にわたって、船舶のトランスポンダを無効にすることによって船舶がその位置を隠したかどうかを検討し得る。スコア及び船舶名に加えて、エントリ410に船舶の原産国及び船舶のMMSI識別子が指定され得る。活動アラート詳細ウィンドウ408によって識別された元の船舶について上記に説明した情報を含む他の情報はエントリ410のそれぞれの中に提示され得る。
【0044】
ある実施形態では、マップエリアウィンドウのアラート404内のエントリ406及び活動アラート詳細ウィンドウ408内のエントリ410の選択により、ランデブーアラートシステムに、図3に関連して上記に説明したマップエリアウィンドウを更新させる。図3は、選択されたランデブーまたは他の活動と、ランデブーまたは他の活動に参加していた可能性がある選択された船舶とをグラフで表す。したがって、ユーザは、インターフェース400を利用して、図3に関連して上記に説明したマップエリアウィンドウによって提示されるランデブーまたは他の活動を選択し得る。ある場合、マップエリアウィンドウ内でランデブーを選択すると、ランデブーアラートシステムは、マップエリアウィンドウのアラート404及び活動アラート詳細ウィンドウ408によって、インターフェース400及びランデブーの詳細を提示し得る。
【0045】
上記のように、船舶ランデブーシステムは、船舶のセットからのトランスポンダデータ、これらの船舶のそれぞれの履歴セグメントデータ、及び航行可能エリアの環境データを利用して、船舶が別の船舶とのランデブーに参加した可能性があるかどうかを判定し得る。船舶ランデブーシステムが、ランデブーが発生していた可能性があると判定した場合、船舶ランデブーシステムは、船舶とのランデブーに参加していた潜在的な可能性があるいずれかの他の船舶を識別し得る。環境データ及び他の同時記録を使用して、係るランデブーが正当な目的で(例えば、貨物移送、給油、緊急事態、及び救助等)、または不法な目的もしくは他の疑わしい目的であったかどうかを判定し得る。したがって、図5は、少なくとも1つの実施形態による、各船舶のセグメントデータに基づいて船舶のセットの中からランデブーを検出するためのプロセス500の説明に役立つ例を示す。プロセス500は前述の船舶ランデブーシステムによって行われ得、船舶ランデブーシステムは、図2に関連して上記に説明したコンポーネントを使用して、ランデブーが発生したかどうかを判定し、ランデブーに参加していた可能性がある船舶を識別し得る。
【0046】
いつでも、船舶ランデブーシステムは、船舶ランデブーシステムによって監視されている特定の航行可能エリア内で動作する船舶のセットからトランスポンダデータと、トランスポンダデータの収集期間に対応する航行可能エリアの環境データとを取得し得る(502)。船舶ランデブーシステムによって取得されたトランスポンダデータは、各船舶の船首方位情報、航行可能エリアにおける各船舶の進路及び速度、各船舶の旋回速度、ヒールの角度、ピッチ及びロール、ならびに各船舶の目的地及び到着予定時刻情報を含み得る。環境データは、航行可能エリア内のリアルタイム気象条件、航行可能エリアの天気予報、航行可能エリアの深さ、波高、波周期、ならびに航行可能エリア内の波スペクトルデータ、航行可能エリア内の水温等を含み得る。環境データは船舶ランデブーシステムによって使用され、航行可能エリア内の状態に応答して、航行可能エリア内の船舶が行い得る潜在的な行動を識別し得る。
【0047】
船舶のセットからトランスポンダデータ及び特定の航行可能エリアの環境データを取得したことに応答して、船舶ランデブーシステムは船舶のセットの各船舶に関するセグメントデータを生成し得る(504)。セグメントデータは、トランスポンダデータ点の連続対ごとに、航行可能エリア内の第1の場所で収集されたトランスポンダデータと、第1の場所でのトランスポンダデータの収集後の時点で航行可能エリア内の第2の場所で収集されたトランスポンダデータとを含み得る。これらの2つのデータ点(第1の場所及び第2の場所)は、船舶から船舶ランデブーシステムによって取得された連続するトランスポンダ応答に対応し得る。上記に説明したように、セグメントデータは、さらに、連続するまたは一連の2つ以上の船舶位置を含み得る。したがって、セグメントデータは、航行可能エリア内の船舶からの連続するトランスポンダ応答を使用して生成された様々なセグメントを含み得、一定期間にわたる航行可能エリア内の船舶移動のマッピングを生成し得る。
【0048】
船舶ランデブーシステムは、各船舶について生成されたセグメントデータを1つ以上のランデブー検出アルゴリズムへの入力として使用して(506)、ランデブーが検出されたかどうかを判定し得る(508)。ある実施形態では、船舶ランデブーシステムは、ランデブー検出サブシステムによって、各船舶のセグメントデータ、セグメントデータリポジトリからの各船舶の履歴セグメントデータ、及び航行可能エリアに適用可能な環境データを機械学習アルゴリズムへの入力として使用して、船舶ランデブーシステムによって監視された航行可能エリアのいずれかの範囲内で船舶がランデブーに参加していた尤度を判定する。船舶ランデブーシステムが航行可能エリア内で考えられるランデブーを検出した場合、船舶ランデブーシステムは、ランデブーが実際に発生した確率を示すために使用できるスコアを計算し得る。例えば、スコアは、船舶が静止したままであるまたは航行可能エリア内で低速を維持した時間の長さ、考えられるランデブーが発生した場所、船舶が行った行動が航行可能エリア内の船舶が行った過去の行動から逸脱しているかどうか等に基づき得る。
【0049】
船舶ランデブーシステムが、ランデブーが行われなかったと判定した場合、船舶ランデブーシステムは、航行可能エリアで動作する船舶のセットから新しいトランスポンダデータと、航行可能エリアの環境データとを取得して(502)、ランデブーが発生していたかどうかを判定し得る。しかしながら、船舶ランデブーシステムが、航行可能エリア内でランデブーが発生した可能性が高いことを検出した場合、船舶ランデブーシステムは、ランデブー検出アルゴリズムを使用して識別された船舶とのランデブーに参加した可能性があり得るいずれかの他の船舶を識別し得る(510)。例えば、船舶ランデブーシステムは、考えられるランデブー中に航行可能エリア内で動作する他の船舶のセグメントデータを評価して、どの船舶がランデブー検出アルゴリズムを使用して識別された船舶とのランデブーに参加していた可能性があるかを判定し得る。例えば、船舶ランデブーシステムは、ランデブー中、探索範囲内のエリアを横断したいずれかの船舶を識別するために使用可能な探索範囲をランデブーの場所から拡張し得る。船舶ランデブーシステムは、ランデブー中、互いの船舶のセグメントデータを評価して、これらの他の船舶のいずれかが探索範囲内のエリアを横断したかどうかを判定し得る。これらの他の船舶のいずれかがランデブー中に探索範囲内のエリアを横断した場合、船舶ランデブーシステムは、ランデブーの期間に関連して、探索範囲内の識別された船舶のそれぞれによって費やされた時間を判定し得る。さらに、船舶ランデブーシステムは、識別された船舶のそれぞれのセグメントデータを使用して、ランデブーに参加していたことが知られている船舶に対するこれらの船舶のそれぞれの近接度を判定し得る。この情報を使用して、ランデブー検出アルゴリズムによって識別された船舶とのランデブーに潜在的に参加したと識別された各船舶のスコアを計算し得る。
【0050】
船舶ランデブーシステムは、ランデブーに潜在的に参加していたと識別された船舶に関連する情報に基づいて、考えられるランデブーが本質的に疑わしいかどうかを判定し得る(512)。例えば、船舶ランデブーシステムは、ランデブーの正当な目的(例えば、給油、曳航、緊急対応及び救助、貨物移送の文書化等)を示す航行可能エリア内の適用法を施行する事業体から同時に発生するいずれかの情報を取得し得る。さらに、船舶ランデブーシステムは、環境データを使用して、ランデブーがランデブー時のエリアの環境条件に関連していた可能性があるかどうかを判定し得る。ランデブーが正当な目的であると見なされる場合、船舶ランデブーシステムは、ランデブーを正当であると分類し、トランスポンダ及び環境データを継続して処理し、航行可能エリア内の他の考えられるランデブーを識別し得る。
【0051】
船舶のランデブーシステムが、考えられるランデブーが本質的に疑わしいと判定した場合(例えば、ランデブーの正当な目的が識別されていない場合、ランデブーの期間の一部または全ての間に、船舶がそのトランスポンダを無効にした場合等)、船舶のランデブーシステムは船舶ランデブーアラートを生成し得る(514)。船舶ランデブーアラートは、ランデブー検出アルゴリズムによって識別された船舶に関連する情報と、ランデブーに参加していた可能性があるいずれかの他の船舶に関連する情報とを指定し得る。船舶ランデブーシステムは、航行可能エリア内の適用法の施行と、航行可能エリア内の生命及び財産の保護との責任がある事業体にこのアラートを伝送し得る。例えば、船舶ランデブーシステムは、前述の事業体と、航行可能エリアの規制または監督の責任がある他の事業体とに、これらの事業体が航行可能エリア内で発生していた可能性があるいずれかの考えられるランデブー、これらのランデブーに参加していたことが知られているまたは疑いのある船舶、及びこれらのランデブーに参加していた可能性がある他の船舶を識別することを可能にするインターフェースを提供し得る。ある実施形態では、船舶ランデブーシステムは、電子メールメッセージ、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)メッセージ、プッシュ通知、またはいずれかの他の利用可能なメッセージングシステムもしくは方法によって、船舶ランデブーアラートをこれらの事業体に伝送する。インターフェースによって、事業体が考えられるランデブーのグラフィック表示とランデブーに参加していた可能性がある船舶とを選択すると、それが提示され得る。さらに、インターフェースによって、船舶ランデブーシステムは、ランデブーが発生した確率に対応するスコアと、船舶が別の船舶とともに特定のランデブーに参加していた可能性がある確率に対応する各船舶のスコアとを提供し得る。これにより、インターフェースを利用する事業体がさらなる調査のために船舶を識別することを可能にし得る。
【0052】
上記のように、船舶ランデブーシステムが、ランデブーが発生していた可能性があると判定した場合、船舶ランデブーシステムは、ランデブーに参加していた可能性があるいずれかの他の船舶を識別し得る。さらに、船舶ランデブーシステムは、利用可能なセグメントデータの補間を行い、ランデブーの期間に対応するセグメントをさらに洗練し得る。これは、これらの他の船舶を識別し、これらの船舶のそれぞれがランデブーに参加していた確率を計算するのに役立ち得る。したがって、図6は、少なくとも1つの実施形態による、ランデブーに参加した可能性のある船舶のセットを識別するために、検出されたランデブーに近接して範囲探索を行うためのプロセス600の説明に役立つ例を示す。上記に説明したように、プロセス600は、船舶監視サブシステムによって前述の船舶ランデブーシステムによって行われ得る。
【0053】
いつでも、船舶監視サブシステムは特定の船舶の考えられるランデブーを検出し得る(602)。上記に説明したように、ランデブー検出サブシステムは、各船舶について生成されたセグメントデータを1つ以上のランデブー検出アルゴリズムへの入力として使用して、ランデブーが検出されたかどうかを判定し得る。ある実施形態では、ランデブー検出サブシステムは、各船舶のセグメントデータ、セグメントデータリポジトリからの各船舶の履歴セグメントデータ、及び航行可能エリアに適用可能な環境データを機械学習アルゴリズムへの入力として使用して、船舶ランデブーシステムによって監視された航行可能エリアのいずれかの範囲内で船舶がランデブーに参加していた尤度を判定する。ランデブー検出サブシステムが、ランデブーが発生していた可能性が高いことを検出した場合、ランデブー検出サブシステムは、船舶監視サブシステムに、考えられるランデブーに関連する情報を提供し、特定の船舶とのランデブーに参加していた可能性があるいずれかの他の船舶を識別し得る。
【0054】
ある実施形態では、船舶監視サブシステムは、考えられるランデブーに関連するランデブー検出サブシステムによって提供される情報を利用して、考えられるランデブーの場所の周りの探索範囲を規定し(604)、考えられるランデブーの期間中の探索範囲内にあった可能性のあるいずれかの船舶を識別する(606)。これらの船舶を識別するために、船舶監視サブシステムは、航行可能エリア内の他の船舶のセグメントデータを評価して、探索範囲内に含まれ、考えられるランデブーの期間と一致するセグメントを有するいずれかの船舶を識別し得る。ある場合、船舶のセグメントデータは不完全であり得る、または船舶のトランスポンダが無効であることを示し得る1つ以上の欠落を含み得る。ある実施形態では、船舶監視サブシステムが、特定の船舶のセグメントデータが不完全である、または1つ以上の欠落を含むと判定した場合、船舶監視サブシステムは利用可能なセグメントデータを使用して、セグメントデータの補間を行い(608)、不足セグメントを取得する。例えば、船舶監視サブシステムは、データ欠落前に取得されたトランスポンダデータ及びデータ欠落後に取得されたトランスポンダデータを使用して、船舶に利用可能なセグメントがない期間中にセグメントデータを補間し得る。この補間セグメントデータは、船舶監視サブシステムによって使用され、考えられるランデブーに参加していたとランデブー検出サブシステムによって識別された船舶とのランデブーに参加した船舶かどうかが判定され得る。例えば、補間セグメントデータを使用することにより、船舶監視サブシステムは、船舶がランデブーの探索範囲内に存在した時間と、ある船舶が他の船舶に接近したかどうかと、この船舶がたどった経路が航行可能エリアを通る船舶の過去の挙動と一致するかどうかとを推定し得る。
【0055】
ランデブーセグメントと一致するセグメントまたは探索範囲内にあるセグメントを有する識別された船舶のそれぞれのセグメントデータに基づいて、船舶監視サブシステムは、識別された船舶のいずれかが考えられるランデブー中のランデブー検出サブシステムによって識別された船舶に近接した可能性が高かったかどうかを判定し得る(610)。例えば、近接度は、考えられるランデブー中のいずれかの時点における船舶間の閾値距離に基づいて定義され得る。したがって、各船舶のセグメントデータに基づいて、船舶監視サブシステムは、船舶間の距離が閾値距離内にあったかどうかを判定し得る。船舶監視サブシステムが、ランデブーに参加していたとランデブー検出サブシステムによって識別された船舶に近接して船舶がないと判定した場合(例えば、ランデブー中に識別された船舶の閾値距離内に船舶がなかった場合)、船舶監視サブシステムは、ランデブー検出サブシステムによって識別された船舶とのランデブーに参加していたとして他の船舶が識別されなかったことを示し得る(612)。しかしながら、船舶監視システムが、1つ以上の船舶がランデブー検出サブシステムによって識別された船舶に近接していたと判定した場合、船舶監視システムは、これらの1つ以上の船舶がランデブーに参加した可能性があると識別し得る(614)。上記のように、船舶監視サブシステムは各船舶にスコアを割り当て得、そのスコアは船舶が考えられるランデブーに参加した確率の指標として役立ち得る。
【0056】
図7は、ある実施形態による、複数の態様を実装するための例示的なシステム700の態様を示す。理解され得るように、ウェブベースシステムが説明の目的で使用されるが、異なる環境を使用して、必要に応じて、様々な実施形態を実装し得る。ある実施形態では、システムは電子クライアントデバイス702を含み、電子クライアントデバイス702は、適切なネットワーク704を通じて要求、メッセージ、または情報を送信及び/または受信し、デバイスのユーザに情報を送り返すように動作可能な適切なデバイスを含む。係るクライアントデバイスの例は、パーソナルコンピュータ、セルラー式電話または携帯電話、ハンドヘルドメッセージングデバイス、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、携帯情報端末、埋込式コンピュータシステム、電子ブックリーダー等を含む。ある実施形態では、ネットワークは、イントラネット、インターネット、セルラーネットワーク、ローカルエリアネットワーク、衛星ネットワーク、もしくはいずれかの他の係るネットワーク、及び/またはそれらの組み合わせを含むいずれかの適切なネットワークと、選択されたネットワーク及び/またはシステムの種類に少なくとも部分的に依存する係るシステムに使用されるコンポーネントとを含む。係るネットワークを介して通信するための多くのプロトコル及びコンポーネントは周知であり、本明細書で詳細に説明しない。ある実施形態では、ネットワークを通じた通信は、有線接続及び/または無線接続、及びそれらの組み合わせによって可能になる。ある実施形態では、システムが要求を受信しそれに応答してコンテンツを供給するためのウェブサーバ706を含むため、ネットワークはインターネット及び/または他のパブリックにアドレス可能な通信ネットワークを含むが、他のネットワークについて、当業者に明らかであろうように、同様の目的を果たす代替のデバイスを使用し得る。
【0057】
ある実施形態では、実例のシステムは、少なくとも1つのアプリケーションサーバ708及びデータストア710を含み、いくつかのアプリケーションサーバ、層、または、他の要素、プロセス、もしくはコンポーネントがあり得、それらは、連鎖され得るもしくはそうでなければ構成され得、適切なデータストアからデータを取得する等のタスクを行うために相互作用できることを理解されたい。ある実施形態では、サーバは、ハードウェアデバイス、仮想コンピュータシステム、コンピュータシステム上で実行されるプログラミングモジュール、ならびに/またはネットワークを介して通信(例えば、ウェブサービスアプリケーションプログラミングインターフェィス(API)要求)を受信してそれに応答するハードウェア及び/もしくはソフトウェアで構成される他のデバイスとして実装される。本明細書で使用されるように、特に明記しない限りまたは文脈から明らかでない限り、用語「データストア」は、データを記憶し、データにアクセスし、及びデータを取り出することが可能であるいずれかのデバイスまたはデバイスの組み合わせを指し、いずれかの標準システム、分散システム、仮想システム、またはクラスタシステムにおいて、いずれかの組み合わせ及び任意の数のデータサーバ、データベース、データストレージデバイス、及びデータ記憶媒体を含み得る。ある実施形態では、データストアはブロックレベル及び/またはオブジェクトレベルのインターフェィスで通信する。アプリケーションサーバは、必要に応じて、データストアと統合して、クライアントデバイスのための1つ以上のアプリケーションの態様を実行し、アプリケーションのためのデータアクセス及びビジネスロジックの一部または全てを処理するためのいずれかの適切なハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアを含み得る。
【0058】
ある実施形態では、アプリケーションサーバは、データストアと協働してアクセス制御サービスを提供し、限定ではないが、テキスト、グラフィックス、音声、ビデオ、及び/または他のコンテンツ等を含むコンテンツを生成し、そのコンテンツは、ハイパーテキストマークアップ言語(「HTML」)、拡張マークアップ言語(「XML」)、JavaScript(登録商標)、カスケーディングスタイルシート(「CSS」)、JavaScript Object Notation(JSON)、及び/または別の適切なクライアント側もしくは他の構造化言語の形式で、ウェブサーバによってクライアントデバイスに関連付けられるユーザに提供される。ある実施形態では、クライアントデバイスに転送されたコンテンツはクライアントデバイスによって処理され、限定ではないが、聴覚的に、視覚的に、及び/または他の感覚によってユーザが知覚可能な形式を含む1つ以上の形式でコンテンツを提供する。ある実施形態では、全ての要求及び応答の処理ならびにクライアントデバイス702とアプリケーションサーバ708との間のコンテンツの配信は、PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ(「PHP」)、Python、Ruby、Perl、Java(登録商標)、HTML、XML、JSON、及び/またはこの例では別の適切なサーバ側の構造化言語を使用するウェブサーバによって処理される。ある実施形態では、単一のデバイスによって行われているとして本明細書に説明される動作は、分散システム及び/または仮想システムを形成する複数のデバイスによってまとめて行われる。
【0059】
ある実施形態では、データストア710は、いくつかの別個のデータテーブル、データベース、データ文書、動的データストレージ方式、及び/または本開示の特定の態様に関係するデータを記憶するための他のデータストレージ機構及びデータ記憶媒体を含む。ある実施形態では、例えば、例示されるデータストアは生産データ及びユーザ情報を記憶するための機構を含み、この機構を使用して、生産側にコンテンツを提供する。また、データストアはログデータを記憶するための機構を含むことが示され、この機構は、ある実施形態では、報告、コンピューティングリソース管理、分析、または他の係る目的で使用され得る。ある実施形態では、ページ画像情報及びアクセス権情報(例えば、アクセス制御ポリシーまたは他の許可の符号化)等の他の態様は、必要に応じて上記の機構のいずれかのデータストアまたはデータストア710における追加機構のデータストアに記憶される。
【0060】
ある実施形態では、データストア710は、それに関連付けられるロジックによって、アプリケーションサーバ708から命令を受信し、それに応答してデータを取得、更新、またはそうでなければ処理するように動作可能であり、アプリケーションサーバ708は、受信した命令に応答して、静的データ、動的データ、または静的データ及び動的データの組み合わせを提供する。ある実施形態では、ウェブログ(ブログ)、ショッピングアプリケーション、ニュースサービス、及び他の係るアプリケーションで使用されるデータ等の動的データは、本明細書に説明されるサーバ側の構造化言語によって生成される、またはアプリケーションサーバ上で、もしくはアプリケーションサーバの制御下で動作するコンテンツ管理システム(「CMS」)によって提供される。ある実施形態では、ユーザは、ユーザによって操作されるデバイスによって、特定の種類の項目に対する探索要求を提出する。この例では、データストアはユーザ情報にアクセスしてユーザの身元情報を確認し、カタログ詳細情報にアクセスしてその種類のアイテムに関する情報を取得し、ユーザがユーザデバイス702上のブラウザを介して視認するウェブページにリストアップされている結果等の情報をユーザに返す。この特定の例の説明を続けると、着目される特定のアイテムについての情報は、ブラウザの専用ページまたはウィンドウで視認される。しかしながら、本開示の実施形態は必ずしもウェブページの文脈に限定されるのではないが、一般的な要求を処理するのにより一般的に利用可能であり、要求は必ずしもコンテンツに関する要求ではないことに留意されたい。例示的な要求は、システム700及び/または係るコンピューティングリソースを起動、終了、削除、修正、読み取る、及び/またはそうでなければそれにアクセスする等のための別のシステムによってホストされるコンピューティングリソースを管理及び/またはそれと相互作用する要求を含む。ある実施形態では、アプリケーションサーバ708は、データストリーミングまたは係るデータの他のソースから、複数の船舶の船舶トランスポンダデータを含むデータストリームを受動的に及び/または継続的に受信する。アプリケーションサーバ708は、また、ランデブーが検出された場合、電子メッセージ及びアラートをユーザに伝送し得る。したがって、アプリケーションサーバ708は、ユーザがアプリケーションサーバ708に要求を提出する必要なく、特定の操作を行い得る。
【0061】
ある実施形態では、各サーバは、通常、そのサーバの一般的な管理及び操作のための実行可能なプログラム命令を提供するオペレーティングシステムを含み、サーバのプロセッサによって実行された場合、サーバがその意図される機能を行わせるまたはそうでなければ行うことを可能にする命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体(例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ等)を含む(例えば、サーバの1つ以上のプロセッサがコンピュータ可読記憶媒体に記憶される命令を実行する結果を受けて機能を行う)。
【0062】
ある実施形態では、システム700は分散コンピューティングシステム及び/または仮想コンピューティングシステムであり、本システムは、1つ以上のコンピューターネットワークまたは直接接続を使用して、通信リンク(例えば、トランスミッションプロトコル(TCP)接続及び/もしくはトランスポート層セキュリティ(TLS)、または暗号で保護された他の通信セッション)を介して相互接続されたいくつかのコンピュータシステム及びコンポーネントを利用する。しかしながら、係るシステムが図7に示されるよりも少ない数または多い数のコンポーネントを有するシステムで動作し得ることが当業者によって理解される。したがって、図7のシステム700の描写は、本質的に例示的なものであり、本開示の範囲に限定されないものとして解釈するべきである。
【0063】
様々な実施形態は、さらに、場合によって、いくつかのアプリケーションのいずれかを動作するために使用できる1つ以上のユーザコンピュータ、コンピューティングデバイス、または処理デバイスを含み得る様々な動作環境で実装できる。ある実施形態では、ユーザまたはクライアントデバイスは、標準オペレーティングシステムを起動するデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータ、ならびにモバイルソフトウェアを起動して、いくつかのネットワークプロトコル及びメッセージングプロトコルをサポートすることが可能であるセルラー式(携帯電話)、無線デバイス、及びハンドベルドデバイス等のいくつかのコンピュータのいずれかを含み、係るシステムは、また、開発及びデータベース管理等の目的で、様々な市販のオペレーティングシステム及び他の既知のアプリケーションのいずれかを起動するいくつかのワークステーションを含む。ある実施形態では、これらのデバイスは、また、ダミー端末、シンクライアント、ゲームシステム、及びネットワークを介して通信することが可能である他のデバイス等の他の電子デバイスと、オペレーティングシステムレベルの仮想化を利用する仮想マシン、ハイパーバイザ、ソフトウェアコンテナ等の仮想デバイスと、ネットワークを介して通信することが可能である仮想化をサポートする他の仮想デバイスまたは非仮想デバイスとを含む。
【0064】
ある実施形態では、システムは、様々な市販のプロトコルのいずれかの通信をサポートするための当業者によく知られているであろう少なくとも1つのネットワークを利用する。そのプロトコルとして、トランスミッションプロトコル/インターネットプロトコル(「TCP/IP」)、ユーザデータグラムプロトコル(「UDP」)、オープンシステムインターコネクション(「OSI」)モデルの様々な層で動作するプロトコル、ファイル転送プロトコル(「FTP」)、ユニバーサルプラグアンドプレイ(「UpnP」)、ネットワークファイルシステム(「NFS」)、共通インターネットファイルシステム(「CIFS」)、及び他のプロトコル等が挙げられる。ある実施形態では、ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、仮想プライベートネットワーク、インターネット、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク、衛星ネットワーク、及びそれらのいずれかの組合せである。ある実施形態では、コネクション型プロトコルを使用してネットワークエンドポイント間で通信することにより、コネクション型プロトコル(時々、コネクションベースプロトコルと呼ばれる)が順序付けられたストリームでデータを伝送することが可能になる。ある実施形態では、コネクション型プロトコルは信頼性があり得る、または信頼性がない場合がある。例えば、TCPプロトコルは信頼性のあるコネクション型プロトコルである。非同期転送モード(「ATM」)及びフレームリレーは信頼性がないコネクション型プロトコルである。コネクション型プロトコルは、例えば、順序付けを保証せずにパケットを転送するUDP等のパケット型プロトコルとは対照的である。
【0065】
ある実施形態では、システムは、ハイパーテキスト転送プロトコル(「HTTP」)サーバ、FTPサーバ、共通ゲートウェイインターフェース(「CGI」)サーバ、データサーバ、Javaサーバ、Apacheサーバ、及びビジネスアプリケーションサーバを含む様々なサーバまたは中間層アプリケーションの1つ以上を起動するウェブサーバを利用する。ある実施形態では、1つ以上のサーバは、また、Java(登録商標)、C、C#、もしくはC++等のいずれかのプログラミング言語、またはRuby、PHP、Perl、Python、もしくはTCL等のいずれかのスクリプト言語、及びそれらの組み合わせで書き込まれた1つ以上のスクリプトまたはプログラムとして実装される1つ以上のウェブアプリケーションを実行すること等によって、ユーザデバイスからの要求に応答してプログラムまたはスクリプトを実行することが可能である。ある実施形態では、1つ以上のサーバは、また、データベースサーバを含み、データベースサーバは、Oracle(登録商標)、Microsoft(登録商標)、Sybase(登録商標)、及びIBM(登録商標)から市販されている非限定のサーバと、MySQL、Postgres、SQLite、MongoDB、Apache Kafka(登録商標)、Apache Beam、Apache Spark(商標)、ならびに構造化データまたは非構造化データを記憶し、取り出し、及びそれにアクセスすることが可能ないずれかの他のサーバ等のオープンソースサーバとを含む。ある実施形態では、データベースサーバは、テーブルベースサーバ、ドキュメントベースサーバ、非構造化サーバ、関係サーバ、非関係サーバ、ログベースのメッセージキュー、イベントストレージシステム、もしくはこれらの組み合わせ、及び/または他のデータベースサーバを含む。
【0066】
ある実施形態では、システムは、1つ以上のコンピュータにローカルにある(及び/もしくはそこに常駐する)記憶媒体またはネットワークにわたってコンピュータのいずれかもしくは全てからリモートにある記憶媒体等の様々な場所に常駐できる上記に説明したような様々なデータストアならびに他のメモリ及び他の記憶媒体を含む。ある実施形態では、情報は、当業者によく知られているストレージエリアネットワーク(「SAN」)に存在し、同様に、コンピュータ、サーバ、または他のネットワークデバイスに属する機能を行うために必要なファイルのいずれかは、必要に応じて、ローカルに及び/またはリモートに記憶される。システムがコンピュータ化されたデバイスを含む実施形態では、係るデバイスのそれぞれは、バスを介して電気的に結合されるハードウェア要素を含み得、要素は、例えば、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、及び/またはテンソル処理装置(TPU)、少なくとも1つの入力デバイス(例えば、マウス、キーボード、コントローラ、タッチスクリーン、またはキーパッド)、少なくとも1つの出力デバイス(例えば、ディスプレイデバイス、プリンタ、またはスピーカ)、ディスクドライブ等の少なくとも1つのストレージデバイス、光ストレージデバイス、及びランダムアクセスメモリ(「RAM」)または読み取り専用メモリ(「ROM」)等のソリッドステートストレージデバイス、及びリムーバブルメディアデバイス、メモリカード、フラッシュカード等、及びそれらの様々な組み合わせを含む。
【0067】
ある実施形態では、係るデバイスは、また、上記に説明したようなコンピュータ可読記憶媒体リーダー、通信デバイス(例えば、モデム、ネットワークカード(無線または有線)、赤外線通信デバイス等)、及びワーキングメモリを含み、コンピュータ可読記憶媒体リーダーは、コンピュータ可読記憶媒体と接続し、またはコンピュータ可読記憶媒体のデータを受信するように構成され、リモート、ローカル、固定式のストレージデバイス及び/またはリムーバブルストレージデバイス、ならびにコンピュータ可読情報を一時的に及び/またはさらに永久的に含有し、記憶し、伝送し、及び取り出すための記憶媒体を表す。ある実施形態では、また、システム及び様々なデバイスは、通常、いくつかのソフトウェアアプリケーション、モジュール、サービス、またはオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム(クライアントアプリケーションまたはウェブブラウザ等)を含む少なくとも1つのワーキングメモリデバイス内に位置する他の要素を含む。ある実施形態では、さらに、カスタマイズされたハードウェアを使用する及び/または特定の要素はハードウェア、ソフトウェア(アプレット等のポータブルソフトウェアを含む)もしくは両方に実装される。ある実施形態では、ネットワーク入力/出力デバイス等の他のコンピューティングデバイスへの接続を使用する。
【0068】
ある実施形態では、コードまたはコードの一部を含有するための記憶媒体及びコンピュータ可読媒体は、限定ではないが、揮発性媒体及び非揮発性媒体、取り外し可能媒体及び非取り外し可能媒体等の記憶媒体及び通信媒体を含む当技術分野で既知のまたは使用されるいずれかの適切な媒体を含み、それらの媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報を記憶及び/または伝送するためのいずれかの方法または技術で実施され、RAM、ROM、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(「CD-ROM」)、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光ストレージデバイス、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、もしくは他の磁気ストレージデバイス、または所望の情報を記憶するために使用でき及びシステムデバイスによってアクセスできるいずれかの他の媒体を含む。本明細書に提供される開示及び教示に基づいて、当業者は、様々な実施形態を実装するための他の手段及び方法を理解する。
【0069】
さらに、本開示の実施形態は、以下の条項を考慮して説明できる。
1.コンピュータ実施方法であって、
航行可能エリア内で動作している船舶の艦隊から、前記船舶の艦隊の各船舶のトランスポンダデータを取得することと、
前記航行可能エリアの前記トランスポンダデータ及び環境データに基づいて、前記船舶の艦隊からの第1の船舶が前記航行可能エリア内でランデブーに参加したことを判定することと、
前記船舶の艦隊の他の船舶の他のトランスポンダデータに基づいて、第2の船舶のセットが前記第1の船舶との前記ランデブーに参加していた疑いがあることを識別することと、
前記第2の船舶のセットの第2の船舶ごとに、判定として生じる前記第2の船舶が前記第1の船舶との前記ランデブーに参加したかどうかを示すスコアを判定することと、
前記ランデブーが発生したという指標を提供することであって、前記指標は前記判定を含む、前記提供することと、
を含む、前記コンピュータ実施方法。
【0070】
2.前記方法は、さらに、
前記第2の船舶のセットの船舶の第2のトランスポンダデータに基づいて、前記船舶のトランスポンダの無効化を示す前記第2のトランスポンダデータの欠落を識別することと、
前記第2のトランスポンダデータの補間を行い、追加トランスポンダデータを取得することと、
前記追加トランスポンダデータを使用して、前記船舶が前記ランデブーに参加していた疑いがあると判定することと、
を含む、条項1に記載のコンピュータ実施方法。
【0071】
3.前記方法は、さらに、
前記ランデブーの場所から、前記航行可能エリア内の探索範囲を規定することと、
前記第2の船舶のセットに関する第2のトランスポンダデータが前記ランデブー中の前記探索範囲内で各第2の船舶の存在に対応する結果を受けて、前記第2の船舶のセットを識別することと、
を含む、条項1または2に記載のコンピュータ実施方法。
【0072】
4.前記スコアは、前記ランデブー中の前記第1の船舶に対する前記第2の船舶の近接度、前記近接度が維持された期間の長さ、ならびに前記第1の船舶及び前記第2の船舶の船首方位の変化に基づいて判定される、条項1~3のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0073】
5.1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリであって、前記コンピュータ実行可能命令が実行される場合、前記システムに、
位置データをエリア内の複数の船舶のうちの一部の船舶から取得することと、
前記位置データに基づいて、前記複数の船舶の第1の船舶が前記複数の船舶の第2の船舶とともに行動に参加したことを判定することと、
前記第1の船舶が前記行動に参加したという指標を提供することと、
を行わせる、前記メモリと、
を備える、システム。
【0074】
6.前記位置データは、トランスポンダベース監視システムを使用して伝送されたトランスポンダデータを含む、条項5に記載のシステム。
【0075】
7.前記行動は前記第1の船舶のプロファイル及び前記第2の船舶のプロファイルに無関係の活動を助長する場所でのランデブーである、条項5または6に記載のシステム。
【0076】
8.前記システムに前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したことを判定させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、
前記位置データに基づいて、前記行動の場所を識別することと、
前記場所から、前記行動に参加した他の船舶を識別するための探索範囲を規定することと、
前記第2の船舶に対する前記第1の船舶の近接度が前記行動中に前記探索範囲内にあったという結果を受けて、前記第1の船舶及び前記第2の船舶が前記行動に参加したことを判定することと、
を行わせる、条項5~7のいずれかに記載のシステム。
【0077】
9.前記システムに前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したことを判定させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したかどうかを示すスコアを計算させる、条項5~8のいずれかに記載のシステム。
【0078】
10.前記システムに前記位置データを前記複数の船舶のうちの前記一部の船舶から取得させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、
前記複数の船舶のうちの1つの船舶の船舶位置データに基づいて、前記船舶のトランスポンダの無効化を示す前記船舶位置データの欠落を識別することと、
前記船舶位置データの補間を行い、前記船舶の追加位置データを取得することと、
前記追加位置データを使用して、前記船舶が前記行動に参加したかどうかを判定することと、
を行わせる、条項5~9のいずれかに記載のシステム。
【0079】
11.前記システムに前記第1の船舶が前記第2の船舶とともに前記行動に参加したことを判定させる前記コンピュータ実行可能命令は、さらに、前記システムに、前記第1の船舶の第1の位置データ及び前記第2の船舶の第2の位置データを、前記行動の参加を判定するように構成される機械学習モデルへの入力として利用させる、条項5~10のいずれかに記載のシステム。
【0080】
12.前記指標は、前記第1の船舶の情報、前記行動に関する情報を識別することと、前記第1の船舶とともに前記行動に参加していた疑いのある前記第2の船舶の情報を識別することとを含む、条項5~11のいずれかに記載のシステム。
【0081】
13.実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記実行可能命令は、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行された結果を受けて、前記コンピュータシステムに、少なくとも、
位置データをエリア内で動作している複数の船舶の各船舶から取得することと、
前記位置データに基づいて、前記複数の船舶の第1の船舶が前記エリアで行動に参加したことを判定することと、
前記行動の場所及び期間ならびに前記位置データに基づいて、前記第1の船舶とともに前記行動に参加した前記複数の船舶の第2の船舶を識別することと、
前記第1の船舶が前記行動に参加したという指標を提供することと、
を行わせる、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0082】
14.前記場所は前記第1の船舶のプロファイル及び前記第2の船舶のプロファイルに無関係の活動に関連付けられる、条項13に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0083】
15.前記コンピュータシステムに前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したことを識別させる前記命令は、さらに、前記システムに、
前記位置データに基づいて、前記行動の前記場所を識別することと、
前記場所から、前記行動に参加した他の船舶を識別するための探索範囲を規定することと、
前記第1の船舶に対する前記第2の船舶の近接度が前記行動の前記期間中に前記探索範囲内にあったという結果を受けて、前記第2の船舶を識別することと、
を行わせる、条項13または14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0084】
16.前記コンピュータシステムに前記位置データを取得させる前記命令は、さらに、前記コンピュータシステムに、
前記複数の船舶のうちの1つの船舶の船舶位置データに基づいて、前記船舶のトランスポンダの無効化を示す前記船舶位置データの欠落を識別することと、
前記船舶位置データの補間を行い、前記船舶の追加位置データを取得することと、
前記追加位置データを使用して、前記船舶が前記行動に参加したかどうかを判定することと、
を行わせる、条項13~15のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0085】
17.前記指標は、前記第1の船舶の第1の識別情報、前記第2の船舶の第2の識別情報、及び前記行動に関する情報を含む、条項13~16のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0086】
18.前記コンピュータシステムに前記第2の船舶を識別させる前記命令は、さらに、前記システムに、
前記行動の前記場所及び期間ならびに前記位置データに基づいて、前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したかどうかを識別するスコアを計算することと、
前記スコアを使用して、前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したことを判定することと、
を行わせる、条項13~17のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0087】
19.前記位置データは、トランスポンダベース監視システムを使用して伝送されたトランスポンダデータを含む、条項13~18のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0088】
20.前記コンピュータシステムに前記第2の船舶が前記第1の船舶とともに前記行動に参加したことを識別させる前記命令は、さらに、前記コンピュータシステムに、前記第1の船舶の第1の位置データ、前記第2の船舶の第2の位置データ、前記場所を示すデータ、及び前記行動の前記期間が示されたデータを、前記行動の参加を判定するように構成される機械学習モデルへの入力として使用させる、条項13~19のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0089】
したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に記載された本発明の広範な主旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な修正及び変更がなされ得ることは明らかである。
【0090】
他の変形形態は本開示の主旨の範囲内である。したがって、開示された技術は様々な修正及び代替構造の影響を受けやすいが、その例示された特定の実施形態が図面に示され、上記に詳細に説明されている。しかしながら、開示された特定の1つ以上の形態に本発明を限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の主旨及び範囲内に含まれる全ての修正、代替構造、及び均等物を網羅する意図があることを理解されたい。
【0091】
開示された実施形態を説明することに関連する(特に以下の特許請求の範囲に関連する)用語「a」及び「an」及び「the」ならびに同様の指示語の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈するべきである。同様に、用語「または」の使用は、明示的にまたは文脈的に矛盾しない限り、「及び/または」を意味すると解釈するべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」は、特に記載がない限り、無制限型用語(すなわち、「限定ではないが、~を含む(including,but not limited to)」を意味する)と解釈するべきである。用語「接続された(connected)」は、修飾されておらず、物理的接続に言及しているとき、介在する何らかのものがある場合でさえも、部分的にまたは全体的に内部に含有される、取り付けられる、または一緒に結合されると解釈するべきである。本明細書の値の範囲の記述は、本明細書に別段の指示がない限り、単に、範囲内に含まれるそれぞれの別個の値を個々に指す簡潔な方法としての役割を果たすことが意図され、それぞれの別個の値は、本明細書に個々に記述されるかのように本明細書に組み込まれる。用語「セット」(例えば、「アイテムのセット」)または「サブセット」の使用は、特に記載がない限り、または文脈的に矛盾しない限り、1つ以上の要素を含む非空の集合と解釈するべきである。さらに、特に記載がない限り、または文脈的に矛盾しない限り、対応するセットの用語「サブセット」は、必ずしも、対応するセットの適切なサブセットを示すわけではないが、サブセット及び対応するセットが等しくなり得る。語句「~に基づいて」の使用は、特に明示的に記載されないまたは文脈から明らかでない限り、「~に少なくとも部分的に基づいて」を意味し、「~だけに基づいて」に限定されない。
【0092】
「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」(すなわち、オックスフォードコンマの有無にかかわらず同じ語句)という形式の語句等の接続語は、具体的に明記されていない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、項目、用語等が、AもしくはBもしくはCのいずれか、A及びB及びCのセットのいずれかの非空サブセット、または少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、もしくは少なくとも1つのCを含有する文脈的に矛盾しない、またはそうでなければ除外されないいずれかのセットであり得ることを提示するために一般に使用される文脈内で別途理解される。例えば、3つの要素を有するセットの説明に役立つ例は、接続語句「A、B、及びCの少なくとも1つ」及び「A、B及びCの少なくとも1つ」は、{A}、{B}、{C}、{A,B}、{A,C}、{B,C}、{A,B,C}のセットのいずれかを指し、明示的または文脈的に矛盾しない場合、サブセットとして{A}、{B}、及び/または{C}を有するいずれかのセット(例えば、複数の「A」を有するセット)を指す。したがって、係る接続語は、概して、特定の実施形態が、Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つがそれぞれ存在することを要することを意味することを意図しない。同様に、「A、B、またはCの少なくとも1つ」及び「A、BまたはCの少なくとも1つ」等の語句は、「A、B、及びCの少なくとも1つ」と同じことを指し、「A、B及びCの少なくとも1つ」は、異なる意味が明示的に記載されないまたは文脈から明らかでない限り、{A}、{B}、{C}、{A,B}、{A,C}、{B,C}、{A,B,C}のセットのいずれかを指す。さらに、特に記載がない限り、または文脈的に矛盾しない限り、用語「複数(plurality)」は、複数である状態を示す(例えば、「複数(plurality)の項目」は複数(multiple)の項目を示す)。複数の項目の数は少なくとも2つであるが、そのように明示的または文脈的のいずれかで示されるとき、2以上になり得る。
【0093】
本明細書に説明されるプロセスの動作は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、いずれかの適切な順序で行うことができる。ある実施形態では、本明細書に説明されるプロセス(またはその変形形態及び/またはその組み合わせ)は、実行可能命令で構成される1つ以上のコンピュータシステムの制御下で行われ、1つ以上のプロセッサでハードウェアまたはそれらの組み合わせによりまとめて実行するコード(例えば、実行可能命令、1つ以上のコンピュータプログラム、または1つ以上のアプリケーション)として実装される。ある実施形態では、コードは、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を含むコンピュータプログラムの形式で、コンピュータ可読記憶媒体に記憶される。ある実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり、これは、一時的信号(例えば、伝播する一時的な電気的伝送または電磁的伝送)を除外するが、一時的信号のトランシーバ内に非一時的データ記憶回路(例えば、バッファ、キャッシュ、及びキュー)を含む。ある実施形態では、コード(例えば、実行可能コードまたはソースコード)は、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されたとき(すなわち、実行された結果を受けて)、コンピュータシステムに本明細書に説明される動作を行わせる実行可能命令を記憶した1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットに記憶される。ある実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の個々の非一時的記憶媒体のうちの1つ以上がコードの全てを欠いている一方、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体はコードの全てをまとめて記憶する。ある実施形態では、実行可能命令は異なる命令が異なるプロセッサによって実行されるように実行される。例えば、ある実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が命令を記憶し、メインCPUが命令の一部を実行する一方、グラフィックプロセッサユニットは他の命令を実行する。別の実施形態では、コンピュータシステムの異なるコンポーネントは別個のプロセッサを有し、異なるプロセッサは異なる命令のサブセットを実行する。
【0094】
したがって、ある実施形態では、コンピュータシステムは、本明細書に説明されるプロセスの動作を、単独でまたはまとめて行う1つ以上のサービスを実施するように構成され、係るコンピュータシステムは、動作の実行を可能にする適用可能なハードウェア及び/またはソフトウェアで構成される。さらに、本開示の実施形態では、コンピュータシステムは単一のデバイスであり、別の実施形態では、分散コンピュータシステムが本明細書に説明される動作を行い、単一のデバイスが全ての動作を行わないように異なって動作する複数のデバイスを備える分散コンピュータシステムである。
【0095】
本明細書に提供されるいずれかの例及び全ての例または例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、単に本発明の実施形態をより良く明らかにすることを意図したものにすぎず、別段の請求がない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる文言も、請求されていない要素が本発明の実施に必須であると示すものと解釈するべきではない。
【0096】
本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の形態を含む本開示の実施形態は本明細書に説明される。それらの実施形態の変形形態は、前述の説明を読むと当業者に明らかになり得る。本発明者らは、必要に応じて、当業者が係る変形形態を使用することを予想しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外にも、本開示の実施形態を実施することを意図したものである。したがって、本開示の範囲は、適用法で認められた本明細書に添付された特許請求の範囲に記載される主題の全ての修正及び均等物を含む。さらに、上記の要素のあらゆる可能な変形形態のいずれかの組み合わせは、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、本開示の範囲に包含される。
【0097】
本明細書で引用される刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が個別に及び具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】