(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】水力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 13/22 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
F03B13/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549153
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 IB2020051435
(87)【国際公開番号】W WO2020170194
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521105938
【氏名又は名称】ファン ロンペイ,ボウデヴィン ガブリエル
【氏名又は名称原語表記】VAN ROMPAY, Boudewijn Gabriel
【住所又は居所原語表記】307 Spottis Woode CT, Clearwater, Florida 33756 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】ファン ロンペイ,ボウデヴィン ガブリエル
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA02
3H074AA12
3H074BB11
3H074CC11
(57)【要約】
本発明は、水塊のうねり利用して水力発電エネルギを生成する装置であって、前記装置が、シャフトを中心に回転可能なインペラ及び少なくとも一つの発電機群を備え、前記発電機の駆動シャフトが、インペラのシャフトにトルクを伝達するように一方向に回転するよう接続され、前記装置がフローティングケースを備え、前記フローティングケースが、部分的に流体が充填され、通路を介して相互に流体連結された二つの区画を有し、前記装置が、さらに、空気が充填されたケーソンを有し、前記ケーソンが、開口底部を備え、かつ前記通路に開口し、前記ケーソン内に、前記インペラが、シャフトを中心に回転可能に設けられ、前記シャフトが通路と直交する方向に延在し、前記インペラが、部分的に、ケーソンにおける空気充填空間にあり、かつ、部分的に、通路における流体内にある装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波(4)又は水塊(2)のうねり利用して水力発電エネルギを生成する装置であって、
前記装置(1)が、
シャフト(21)を中心に回転可能なインペラ(20)及び少なくとも一つの発電機(22)を備え、
前記発電機(22)の駆動シャフトが、インペラ(20)のシャフト(21)にトルクを伝達するように一方向に回転するよう接続され、
前記装置(1)がフローティングケース(5)を備え、前記フローティングケース(5)が、部分的に流体が充填され、通路(11)を介して相互に流体連結された二つの区画(6及び7)を有し、
前記装置(1)が、さらに、空気又はガスが充填されたケーソン(13)を有し、前記ケーソン(13)が、開口底部(14)を備え、かつ前記通路(11)に開口し、
前記ケーソン(13)内に、前記インペラ(20)が、シャフト(21)を中心に回転可能に設けられ、
前記シャフト(21)が通路(11)と直交する方向に延在し、
前記インペラ(20)が、部分的に、ケーソン(13)における空気又はガス充填空間にあり、かつ、部分的に、通路(11)における流体(10)内にある
装置において、
前記ケーソン(13)内の空気又はガスが、圧縮機等によって圧力を受けている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
通路(11)における流体(10)の水位が、一定に維持される
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
区画に、通気口(12)が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
ケーシング(5)が、区画(6及び7)用の通気口(12)を除いて密閉されている
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
装置(1)が、うねり(4)の中で、うねり(4)の運動方向に直交する回転軸線(X-X')を中心に自由に転動することができるように、浮いて離れないようにアンカ止めされている
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
回転軸線(X-X')が、区画(6及び7)間に位置している
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
インペラ(20)のシャフト(21)が、通路(11)の通過方向に直交している
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
インペラ(20)のシャフト(21)が、ケーソン(13)の開口底部(14)のレベルより上方、好ましくは、ケーソン(13)における流体(10)の水位(16)より上方に位置している
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
インペラ(20)に、複数のブレード(20')が設けられ、その少なくとも一つが、動作中に、通路(11)の流体(10)の中に部分的に連続して延在する
ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
インペラ(20)のブレード(20')が、通路(11)の通過方向に直交している
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ブレード(20')が、インペラ(20)のシャフト(21)に放射状に設けられた平坦なブレードである
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
ケーシング(4)が、インペラ(20)のシャフト(21)に直交する断面から見て、底部が頂部より広い形状を有する
ことを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
発電機(22)が、ケーシング(5)の内部空間における乾燥区域(25)に配置されている
ことを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
複数のインペラ(20)を一つのケーシング(5)に設け、
前記インペラ(20)が、それらのシャフト(21)が相互に平行になるように設けられ、かつ、波(4)の方向に対して、互いに前後に又は隣に配置される
ことを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも一つの発電機(22)の駆動シャフトが、第一の回転方向にインペラ(20)のシャフト(21)と共に回転し、かつ、他の第二の回転方向においては自由に回転可能であり、
少なくとも一つの発電機(22)の駆動シャフトが、第一の回転方向において自由に回転可能であり、第二の回転方向においてインペラ(20)のシャフト(20')と共に回転する
ように構成されていることを特徴とする請求項1~14の何れか一項に記載の装置。
【請求項16】
発電機(22)がフリーホイールを備え、
前記フリーホイールが、一方の回転方向への自由回転を可能にし、かつ、他方の回転方向においては回転できないように連結することを可能にする
ことを特徴とする請求項1~15の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電装置に関する。
特に、本発明は、波やうねりを利用して、再生可能な水力発電エネルギを生成することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
既知のシステムでは、水位より下にある作動部品に深刻な問題がある。前記したような部品は、腐食に非常に敏感であり、また、藻やフジツボのような海中の汚れにも敏感であり、これらはシステムの効率を著しく低下させ、時には、複雑な形状の可動部品に対する多くの困難なメンテナンスが必要になる。
【0003】
水中にスクリューやロータ等を設置し、水の流れで回転させて電流を発生させる水中タービンが公知である。
【0004】
このような公知のものは、タービン及びそれに接続された発電機が水に晒されることによる悪影響を防ぐために、細心の注意を払ってシールする必要があるという欠点がある。
【0005】
そのため、設置費用が高くなるだけでなく、メンテナンスも困難になる。
【0006】
また、スクリューやロータなどの回転ブレードは、海の生物にとって危険である。
【0007】
本発明の目的は、上述した欠点及びその他の欠点の少なくとも一つに対する解決手段を提供することにある。
【発明の概要】
【0008】
上記した目的のために、本発明は、波又は水塊のうねり利用して水力発電エネルギを生成する装置であって、前記装置が、シャフトを中心に回転可能なインペラ及び少なくとも一つの発電機を備え、前記発電機の駆動シャフトが、インペラのシャフトにトルクを伝達するように一方向に回転するよう接続され、前記装置がフローティングケースを備え、前記フローティングケースが、部分的に流体が充填され、通路を介して相互に流体連結された二つの区画を有し、前記装置が、さらに、空気が充填されたケーソンを有し、前記ケーソンが、開口底部を備え、かつ前記通路に開口し、前記ケーソン内に、前記インペラが、シャフトを中心に回転可能に設けられ、前記シャフト、通路と直交する方向に延在し、前記インペラが、部分的に、ケーソンにおける空気充填空間にあり、かつ、部分的に、通路における流体内にある装置に関する。
【0009】
装置は、水のうねりにおいて自由に動くことができなければならない。
【0010】
従って、装置には、水のうねりのエネルギをインペラの動きに変換する手段が設けられる。
これらの手段は、連通容器によって形成され、前記連通容器は、流体通路によって底部で連結された二つの区画で形成される。
【0011】
波の動きが装置を前後に動かし、前記通路を通って、流体が一方の区画から他方の区画に流れて戻り、インペラが回転し始める。
【0012】
好ましくは、ケーソン内の空気又はガスは、コンプレッサ等によって加圧されており、ケーソン内の流体の水位は、好ましくは、一定に保たれ得、かつ、好ましくは、インペラシャフトのレベルより下に保たれるようにされ、シャフトが乾燥区域で回転でき、インペラの下側領域のみが、発生するトルクが最も大きいインペラの外郭における通路の流体の流れによって駆動され、上側領域は、ケーソン内の空気又はガス中で摩擦なしに回転するようにされる。
【0013】
好ましい実施形態では、フローティングケースは、水のうねりの底より上の高さの所定の位置で、水底にアンカによって保持され、装置が、波の動きによって自由に転動でき、かつ、両方の区画の間の通路が、うねりの最大の効果を得るために、波の動きの方向に位置するようにされる。好ましくは、アンカの方向は、波がケースの連通容器において最大効果を実現する方向にされる。これにより、装置が、最適な方法で水のうねりから水力発電エネルギを得ることが可能になる。
【0014】
この装置は、インペラが海等の水塊から隔離され、従って、藻や腐食等の海洋環境の影響を受けないという利点を有する。
【0015】
流体は、蒸留水等の中性の非腐食性流体であり、その中で栄養分及び/又は光の不足のために海洋生物がうまく成長しないものであればよい。
【0016】
実際、全ての作動部材は、密閉されたケーシングの中にある。好ましくは、ケーシングは、アクセスハッチを介してアクセス可能である。
【0017】
この構成は、装置の部位が海水に晒されず、その構造、特に、シーリングには厳しい要求が課せられないという利点がある。また、装置のメンテナスが容易で安価になる。
【0018】
さらにまた、この装置は、視界から隠されているため、自然の景観を妨げることもない。
【0019】
このような装置は、例えば、波の動きに敏感な船舶であれば、船舶内に設けることも可能である。
【0020】
好ましくは、この装置は、十分なうねりがある海で使用される。
【0021】
本発明による装置の好ましい実施形態では、インペラには複数のブレードが設けられ、前記ブレードの少なくとも一つが、動作中に、連続的に、かつ、部分的にケーシングの流体の中に延在する。
【0022】
この方法では、インペラは、インペラシャフトを水下に置く必要なしに、水によって動かすことができるように設定され得る。
【0023】
別の実施例では、インペラシャフトは、水中にはない。
【0024】
この構成は、装置が非常にシンプルになり、安価に構築できるという利点を有する。インペラのブレード以外の可動部分が水中にないため、シール及び海水の影響による損傷を防止するための他の工夫も必要ない。
【0025】
好ましくは、発電機及びコンプレッサは、ケーシングの内部空間の乾燥区域に収容され、これらの部品に、耐湿性の点で特別な高い要求を設定する必要がない。
【0026】
本発明による装置のさらに好ましい実施形態では、少なくとも一つの発電機の駆動シャフトが、インペラシャフトと共に、第一の回転方向に回転し、他の第二の回転方向には自由に回転可能であり、かつ、少なくとも一つの発電機の駆動シャフトが、第一の回転方向において自由に回転可能であり、第二の回転方向において、インペラシャフトと共に回転する。
【0027】
本発明による装置の他の好ましい実施形態では、発電機はフリーホイールを備え、前記フリーホイールが一方向への自由回転を可能にし、かつ、他の回転方向において回転不能の連結を形成する。
【0028】
前記装置は、発電機とインペラシャフトとの間に変速装置を有し得、かつ、インペラの回転方向に拘わらず、発電機が常に同じ回転方向で駆動されるように、インペラに対する発電機のシャフトの回転方向を反転させる機構を有し得る。
【0029】
本発明による装置の好ましい実施形態では、装置の水と接触する全ての部材が、表面処理された複合コーティング、例えば、Ecospeed(登録商標)をベースにした塗料の無害なコーティングで処理される。
【0030】
このようなコーティングは、前記部材のぬめりや藻等の付着を簡単に除去することを可能にする。
【0031】
さらにまた、このようなコーティングは、腐食に対する保護が非常に優れており、腐食によるダメージを考慮する必要がないので、金属部品の薄型化が可能になる。
【0032】
また、本発明は、波の方向から見て、互いに距離を置いて波の中に配置され、少なくとも一つの装置が、常にうねりのある領域にあるような間隔で拡がっている一連の装置にも関する。
【0033】
本発明の特徴をよりよく示すことを意図して、本発明による水力発電エネルギ生成装置の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、限定性のない実施例として、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明による水力発電エネルギを生成するための装置の好ましい実施形態を模式的に示す図であり、該装置はうねり媒体中に設けられる。
【
図2B】本発明による別の実施例の装置の
図2Aと同様の断面を示す図である。
【
図3】
図2AにおけるIII-III線断面図である。
【
図4】左から来る波を伴う媒体において動作中の
図2Aの断面を示す図である。
【
図5】右から来る波を伴う媒体における
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、例えば、海等のうねりを伴う水塊2に浮かんで置かれた本発明による装置1を示している。該装置1は水に浮かび、アンカ3によって水塊の底に固定され、所定の位置に留まり、浮いて離れないようになっている。
【0036】
アンカ3は、装置1が、波4の運動方向LRに直交する転動軸X-X'の周りで自由に転動することができるようにするものである。
【0037】
装置1は、内部に二つ分離した区画6及び7を備えたフローティング密閉ケーシング5を備え、前記区画6及び7の間に転動軸線X-X'が位置している。
【0038】
区画6及び7には、流体10が一定水位8及び9まで部分的に充填されており、区画6及び7は、通路を介して連通容器として互いに接続されている。
流体は、例えば、蒸留水である。
区画6及び7には通気孔12が設けられている。
【0039】
ケーシング5の区画6及び7間には、前記通路11に開口する開放底部14を有する時計の形態のケーソン13が設けられている。
【0040】
ケーソン13には、空気又は他のガスが充填されており、このガスは、コンプレッサ15又は他の手段によって加圧状態に保たれ、ケーソン13内の流体10の水位16が、水位8及び9より下で可能な限り低く、好ましくは一定に維持されるようにされている。この目的のために、圧力は、
図2Aの位置において、区画内の流体10の水位9とケーソン13内の所望の水位16との間の水位差に等しい高さHを有する流体柱の圧力に等しい必要がある。
【0041】
ケーソン13は上部が密閉されているが、第二アクセスハッチ18を介して梯子19でケーシング5の内部に降りることができるメンテナンススタッフがアクセスできるように、アクセスハッチ17が設けられている。
【0042】
ケーソン13内には、インペラ20の形態の水中タービンが設けられており、この水中タービンは、シャフト21に回転可能に設けられ、前記シャフト21は、通路11の方向に直交する方向に延び、それにより、インペラ20は、部分的にケーソン13の空気で満たされた空間にあり、その下側のブレード20'が通路11内の流体中にある状態になっている。
この実施例では、ブレード20'は、シャフト21と平行に延びる放射状ブレードである。
【0043】
好ましくは、シャフト21は、水位16より、一定の高さ上に位置している。インペラ20は、一部が通路11内の流体中に、一部がケーソン13内の空気中に延在するように設計されており、それにより、前記ブレード14の少なくとも一つが、連続して少なくとも部分的に水中に延在するようにされている。
【0044】
該装置は、
図3の実施例のように、複数のインペラ20を含むことも可能であり、内部で、複数のインペラ20が互いに隣り合って及び/又は前後に配置される。
【0045】
図3の配置では、区画6及び7間に流体を流すために、全てのインペラ20に個別の通路12が設けられている。異なったインペラ20のシャフト13は、必ずしも必要ではないが、互いの延長線上にある。
【0046】
装置1には、さらに一つ又は複数の発電機22が設けられ、前記発電機22は、チェーン駆動装置23、又は、例えば、駆動シャフトが各インペラ20よりも速く発電機22を駆動するように設計され得る変速装置24を含み得る他の駆動装置を介して、一つ又は複数のインペラ20によって駆動され得る。
【0047】
好ましくは、発電機22及び変速装置、並びにコンプレッサ15は、ケーシング5の内部空間の乾燥区域25に配置される。
【0048】
好ましくは、ケーシング5は、図面に示すように、翼部26の形態で底部に広い部分を有する棒状の形状を有する。前記形状は、安定性と、水塊2の波動を吸収してケーシング5内の流体10の動きに変換するのに有利であり、この点は、連通容器、即ち、区画6及び7間についての
図4及び
図5に基づいて以下に説明される。
【0049】
図4は、
図1のII-II線断図を示している。装置1は、矢印Rで示されるように図中右方向に移動する波4を伴ううねり媒体2中に設けられ、うねりは、好ましくは、ケーシング4の長手方向X-X'に垂直に配向される。
【0050】
装置が波4の中に設けられると、うねりがケーシング5をその長手方向の軸X-X'の周りに転動させ、ケーシング5の中の流体10にうねりが伝わり、最初は左区画内の水位8が右区画10'の水位9よりも高くなる。
【0051】
連通容器の効果により、左区画6の水は通路11を介して右区画7に
図4の矢印Cの方向に流れ、インペラ9がその方向に回転し始め、その結果、発電機7が回転Dの方向に駆動されて発電するようになる。
【0052】
通気孔12は、左区画6において空気が圧縮されて右区画が真空になるのを防ぐためのもので、これにより、連通容器間の流体の動きが打ち消されることになる。
【0053】
波4が通過した時、装置1は、
図5に示すように他の方向に転動し、水位8が水位9よりも低くなり、水が
図5の矢印C'の方向に逆流するようになり、インペラ20が他の方向に駆動されるようになる。
【0054】
好ましくは、流体が方向C'に逆流する時に、発電機22が駆動されることなくインペラ20を自由に回転させることができるフリーホイールが変速装置24に設けられ、これらはすべて、前記状況においてインペラ20が流体の逆流に対する障害物を形成しないようにするためであり、発電機22は、連続する波の間にあっても、一つの単一の方向Dにのみ駆動されるようにされている。
【0055】
連続する波とは、ある期間は、インペラ20が、そのシャフト21を中心とした一方向の回転で駆動され、他の期間は、逆方向の回転で駆動され、発電機群7が、前記二つの期間のうちの一方の期間の間のみ発電することを意味する。
【0056】
連続して発電できるように、装置1は、一方のインペラ20のフリーホイールが一方向に働く時に、他のインペラ20のフリーホイールが他方向に働くように構成され得、ある期間中は両方のインペラ20のうちの一方の発電機22が電気を供給し、当該発電機22が電気を供給しない次の期間中は、この期間中に電気を供給する他方の発電機22が電気を供給するようにされ得る。そのため、電流のピークが平滑化される。
【0057】
また、電気を蓄えるためにバッテリを使用することで、さらに電流を平滑化することができる。
【0058】
また、フリーホイールを使用する代わりに、変速装置24の入力軸は任意の方向に駆動する一方で、出力軸は常に同じ方向Dに駆動するように変速装置24を切り替える方法もある。
【0059】
好ましくは、ブレード20'の幅は、通路11の幅より僅かに小さく、ブレード20'と通路11との間にわずかな横方向の遊びがあるだけにし、結果的にブレードが通路11を通る流れ全体を処理するようにし得る。同様に、好ましくは、インペラ20の外側の輪郭と通路の底部27との間にはほとんど遊びがないようにされ、これにより、インペラ9の横や下で漏れる流体の量をできるだけ少なくし、水の水圧を最大限に利用してインペラ9を駆動するようにすることができる。
【0060】
一つ又は複数の装置1の生成されたエネルギは、例えば、ケーブルを介して岸壁上のインバータに送られ得る。これは、一つ又は複数の発電機グループを相互に適切に接続することで実現され得る。
【0061】
本発明は、実施例として説明され、かつ、図面に示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定義された本発明による装置及び方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、あらゆる種類の変形で実現することができる。
【国際調査報告】