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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】カテーテル配置器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220405BHJP
   A61N 1/05 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
A61B17/34
A61N1/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549290
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(85)【翻訳文提出日】2021-08-20
(86)【国際出願番号】 US2020017593
(87)【国際公開番号】W WO2020176244
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】16/286,769
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514300557
【氏名又は名称】アヴェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハラージュ、スティーブ・エス
(72)【発明者】
【氏名】シェピス、エリック・エー
(72)【発明者】
【氏名】ミナ、トーマス・ディー
【テーマコード(参考)】
4C053
4C160
【Fターム(参考)】
4C053CC10
4C160MM22
(57)【要約】
カテーテル配置器具を提供する。
カテーテル配置器具は、近位端から遠位端まで長手方向に延びる細長い本体部を含む。細長い本体部は、近位端から遠位端まで延在するカテーテルを支持するように構成された上面を有する。細長い本体部は、カテーテル挿入部およびグリップ部を含む。カテーテル挿入部は、細長い本体部の遠位端に配置されたカテーテルロッククランプを含み、グリップ部は、カテーテルガイドを含む。カテーテル配置器具は、患者の体内に任意の管状医療器具を配置または移植するために用いることができる。管状医療器具を患者の体内の深い部位に配置する方法も提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル配置器具であって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在する細長い本体部を含み、
細長い前記本体部は、前記近位端から前記遠位端まで延在するカテーテルを支持するよう構成された上面と、カテーテル挿入部と、グリップ部とを含み、
前記カテーテル挿入部が、細長い前記本体部の前記遠位端に配置されたカテーテルロッククランプを含み、
前記グリップ部がカテーテルガイドを含む、カテーテル配置器具。
【請求項2】
前記グリップ部は、前記カテーテルロッククランプのロックおよびロック解除をするロック機構をさらに含む、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項3】
前記ロック機構が前記グリップ部に設けられたアクチュエータを含む、請求項2に記載のカテーテル配置器具。
【請求項4】
細長い前記本体部の前記遠位端から前記カテーテル挿入部の少なくとも1つの側壁に沿って延在する測定マーキングをさらに含み、
カテーテルが前記上面に配置されたときに、前記側壁で前記測定マーキングが視認可能に設けられている、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項5】
前記カテーテルガイドが、前記上面から上方へ垂直に延在する少なくとも2つの突起を含む、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項6】
前記カテーテルロッククランプは、細長い前記本体部の前記上面の所定の位置にカテーテルをロックするように構成された少なくとも2つのクランプアームを含む、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項7】
前記カテーテル挿入部は、前記グリップ部の垂直方向の高さHよりも低い垂直方向の高さHを有する、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項8】
前記カテーテル挿入部は横方向に幅Wを有し、前記グリップ部は横方向に幅Wを有する、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項9】
前記グリップ部の幅Wが前記カテーテル挿入部の幅Wよりも大きい、請求項7に記載のカテーテル配置器具。
【請求項10】
前記グリップ部がグリップハンドルを含む、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項11】
前記上面が平坦である、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項12】
前記上面が、カテーテルを保持するように構成された凹状の湾曲部を含む、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項13】
患者の体内深部の解剖学的部位にカテーテルを配置するように構成される、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項14】
患者の体内深部の解剖学的部位に1つ以上の電気接点を有する電気リード線を配置するように構成される、請求項1に記載のカテーテル配置器具。
【請求項15】
管状医療器具を患者の体内深部の解剖学的部位へ外科的に配置する方法であって、
前記管状医療器具を切開した手術部位に挿入するステップと、
近位端から遠位端まで長手方向に延在する細長い本体部を含み、
細長い前記本体部が、前記近位端から前記遠位端まで延在する前記管状医療器具を支持するよう構成された上面と、管状医療器具挿入部と、グリップ部とを含み、
前記管状医療器具挿入部が、細長い前記本体部の前記遠位端に位置するロッククランプ部を含み、
前記グリップ部が、管状医療器具ガイドを含む配置器具を提供するステップと、
前記管状医療器具の遠位先端部が細長い前記本体部の前記遠位端に位置し、かつ、前記管状医療器具が前記管状医療器具ガイドを介して延在するように、前記管状医療器具を前記配置器具の前記上面に配置するステップと、
前記管状医療器具の前記遠位先端部を前記ロッククランプ部で締めて固定することにより、前記管状医療器具を前記配置器具にロックするステップと、
前記配置器具の前記遠位端を、切開した前記手術部位からアクセス可能な解剖学的深部に進めるステップと、
解除機構を解除することにより、前記管状医療器具の前記配置器具へのロックを解除するステップと、
前記管状医療器具を動かすことなく前記解剖学的深部から前記配置器具を取り外すステップを含む方法。
【請求項16】
前記管状医療器具がカテーテルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記管状医療器具が、少なくとも1つの電気接点を有する電気リード線である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記配置器具が、細長い前記本体部の前記遠位端から前記管状医療器具挿入部の長手方向の長さに沿って延在する測定マーキングをさらに含み、
前記配置器具の前記遠位端を患者の前記解剖学的深部に進める前記ステップは、深さを測定するための前記測定マーキングを用いることにより、前記管状医療器具の前記遠位端を前記解剖学的部位の所望の深さまで進めるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記配置器具の前記遠位端を患者の前記解剖学的深部に進める前記ステップは、鈍的な切開によって前記配置器具の前記遠位端を前記解剖学的深部に確実な根拠なしに進めるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記管状医療器具が視認可能なインジケータを含み、
さらに、前記管状医療器具を動かすことなく前記解剖学的部位から前記配置器具を取り外す前記ステップは、前記配置器具が前記解剖学的部位から取り外されたときに前記管状医療器具が動かされていないことを確認するための表示可能な前記インジケータを視覚化するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年2月27日に出願された米国出願第16/286,769号明細書の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものである。
【0002】
(技術分野)
本発明の主題は、概して、視覚化が困難である人体の深部にある解剖学的領域にカテーテルを配置するための器具に関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、液体の供給、閉塞した体腔の治療、液体を排出したり、その他にも体内の深部にアクセスするための装置として、多くの臨床現場で用いられている。様々な機能を持つカテーテルが知られており、それらは非常に有用であるが、カテーテルの適切な配置はしばしば困難な手順である。例えば、開腹手術中の鈍的な切開など、外科医、医師、または他の臨床専門家からは視認できない場所にカテーテルを挿入する必要がある場合がある。鈍的な切開は、鋭利な装置または熱作動装置を使用して組織を薄く切り落とすのではなく、指や鋭利でない器具のいずれかにより組織面に沿って組織を注意深く分離することを含む。
【0004】
例えば、流体送達カテーテルは、カテーテルベースの注入システムの一部として用いられることが多く、手術や創傷後に神経束をブロックしたり、術後の疼痛管理のために一定期間(例えば、手術後2~5日)にわたって麻酔薬を継続的に低流量で供給したりする。処置の一例として、人工膝関節全置換術では、一般的な細長い手術器具を用いて、流体送達カテーテルを手術創傷部位から内転筋管に約10~20cmの距離で確実な根拠なしに挿入する。ほとんどの場合、髄核鉗子を用いて、髄核鉗子の遠位端にあるワニ顎にカテーテルの遠位先端部を保持させ、深部組織を鈍的に切開してカテーテルの送達部位にアクセスすることにより、この処置が行われる。ただし、髄核鉗子は、脊椎の骨または椎間板組織の除去のために用いられるよう設計されており、カテーテルの配置のためには最適化されていない。
【0005】
さらに、患者の体内深部にカテーテルを挿入するための既存の手術器具では、カテーテルが挿入された体内の深さを示すものがないため、外科医はカテーテルが挿入された深さを確実な根拠なしに近似的に決定したり推定したりする必要がある。
【0006】
その結果、体内深部の解剖学的領域への確実な根拠なしの挿入を行うために最適化されたカテーテル配置器具が必要とされている。特に、体内深部の解剖学的領域でのカテーテルが配置された深さを表示するカテーテル配置器具も有用である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カテーテル配置器具を提供する。カテーテル配置器具は、近位端から遠位端まで長手方向に延在する細長い本体部を含み、細長い本体部は、近位端から遠位端まで延在するカテーテルを支持するよう構成された上面を含む。また、細長い本体部は、カテーテル挿入部と、グリップ部とを含む。カテーテル挿入部は、細長い本体部の遠位端に配置されたカテーテルロッククランプを含む。グリップ部は、カテーテルガイドを含む。
【0008】
ある特定の実施形態では、グリップ部は、ロック機構をさらに含んでいてもよく、ロック機構は、カテーテルロッククランプのロックおよびロック解除をするように構成される。さらに、ロック機構は、グリップ部に設けられたアクチュエータを含んでいてもよい。
【0009】
他の実施形態では、カテーテル配置器具は、細長い本体部の遠位端からカテーテル挿入部の少なくとも1つの側壁に沿って延在する測定マーキングをさらに含んでいてもよい。これにより、カテーテルが細長い本体部の上面に配置されたときに、側壁で測定マーキングを視認することができる。
【0010】
追加の実施形態では、カテーテルガイドは、細長い本体部の上面から上方へ垂直に延びる少なくとも2つの突起を含んでいてもよい。
【0011】
一実施形態では、カテーテルロッククランプは、細長い本体部の上面に対してカテーテルを所定の位置にロックするように構成された少なくとも2つのクランプアームを含んでいてもよい。
【0012】
さらに他の実施形態では、カテーテル挿入部は、グリップ部の垂直方向の高さHよりも低い垂直方向の高さHを有する。
【0013】
さらに他の実施形態では、カテーテル挿入部は、横方向に幅Wを有し、グリップ部は、横方向に幅Wを有する。さらに、グリップ部の幅Wは、カテーテル挿入部の幅Wよりも大きくてもよい。
【0014】
追加の実施形態では、グリップ部は、グリップハンドルを含んでいてもよい。
【0015】
さらに他の実施形態では、細長い本体部の上面は平坦であってもよい。
【0016】
一実施形態では、細長い本体部の上面は、カテーテルを保持するように構成された凹状の湾曲部を含んでいてもよい。
【0017】
さらなる実施形態では、カテーテル配置器具は、患者の体内深部の解剖学的部位にカテーテルを配置するように構成されていてもよい。
【0018】
さらに別の実施形態では、カテーテル配置器具は、患者の体内深部の解剖学的部位に1つ以上の電気接点を有する電気リード線を配置するように構成されていてもよい。
【0019】
本発明はまた、管状医療器具を患者の体内深部の解剖学的部位に外科的に配置する方法を提供する。この方法は、管状医療器具を切開した手術部位に挿入するステップと、配置器具を提供するステップを含む。配置器具は、近位端から遠位端まで長手方向に延在する細長い本体部を含み、細長い本体部は、近位端から前記遠位端まで延在する管状医療器具を支持するよう構成された上面と、管状医療器具挿入部と、グリップ部とを含み、管状医療器具挿入部は細長い本体部の遠位端に位置するロッククランプ部を含み、グリップ部は管状医療器具ガイドを含む。また、この方法は、以下の追加のステップを含む。管状医療器具の遠位先端部を配置器具の細長い本体部の遠位端に配置し、かつ、管状医療器具が管状医療器具ガイドを介して延在するように、管状医療器具を配置器具の上面に配置するステップと、管状医療機器の遠位先端部を前記ロッククランプ部で締めて固定することにより、管状医療器具を配置器具にロックするステップと、配置器具の遠位端を、切開した手術部位からアクセス可能な解剖学的深部に進めるステップと、解除機構を解除することにより、管状医療器具の配置器具へのロックを解除するステップと、管状医療機器を動かすことなく、解剖学的深部から配置器具を取り外すステップとを含む。
【0020】
この方法のある特定の実施形態では、管状医療器具はカテーテルであってもよい。
【0021】
別の実施形態では、管状医療器具は、少なくとも1つの電気接点を有する電気リード線であってもよい。
【0022】
追加の実施形態では、配置器具は、細長い本体部の遠位端から管状医療器具挿入部の長手方向に沿って延在する測定マーキングをさらに含んでいてもよく、配置器具の遠位端を患者の解剖学的深部に進めるステップは、管状医療器具が挿入された深さを測定するための測定マーキングを利用することにより、管状医療器具の遠位端を解剖学的部位の所望の体内深部まで進めるステップを含む。
【0023】
さらに別の実施形態では、配置器具の遠位端を患者の解剖学的深部に進めるステップは、鈍的な切開によって配置器具の遠位端を解剖学的深部に確実な根拠なしに進めるステップを含んでいてもよい。
【0024】
さらに別の実施形態では、管状医療器具が視認可能なインジケータを含む。さらに、管状医療器具を動かすことなく解剖学的部位から配置器具を取り外すステップは、配置器具が解剖学的部位から取り外されたときに管状医療器具が動かないことを確実にするための表示可能なインジケータを視覚化するステップを含んでいてもよい。
【0025】
本発明のこれらおよびその他の特徴、局面、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することにより、よりよく理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示すものであり、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【0026】
本発明の最良の態様を含む、当業者に向けた完全かつ有効な開示は、添付の図を参照した以下に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明のある特定の実施形態によるカテーテル配置器具の斜視図である。
図2図1のカテーテル配置器具の側面図である。
図3A図1のカテーテル配置器具の上面の2つの実施形態の3―3断面図を示す図である。
図3B図1のカテーテル配置器具の上面の2つの実施形態の3―3断面図を示す図である。
図4】カテーテル配置器具の代替実施形態を示す側面図である。
図5】カテーテル配置器具のさらに他の可能な実施形態の側面図である。
図6】本発明のカテーテル配置器具を用いてカテーテルを配置する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照し、その1以上の例を図面に示す。各実施例は、本発明を限定するためでなく、本発明を説明するものとして提供されている。実際、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変形を行うことができることが当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明された特徴を別の実施形態と共に使用して、さらに別の実施形態を生み出すことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るような修正および変形をカバーすることが意図されている。
【0029】
本明細書で使用される「約」、「おおよそ」、または「一般的に」という用語は、値を5%上げたり下げたりしても、開示された実施形態の範囲内であることを示す。
【0030】
本明細書に開示されるシステムおよび使用方法の説明を助けるために、以下の用語が使用される。「創傷部位」は、外科的処置が行われた患者の体内の領域である。「切開部位」は、外科医の手や使用器具などが患者の皮膚から入り、創傷部位に到達する領域である。切開部位は外科医が作り出す必要はなく、例えば、患者が開いた創傷を有しており、そこから外科医が創傷部位に到達することもある。「穿刺部位」は、カテーテルがそこから延在して創傷部位に到達するように、患者の皮膚を穿刺する部位である。「遠位」という用語は、指定された部位から離れた部位を指す。「近位」という用語は、指定された部位に近い部位を指す。あるいは、「近位」と呼ばれる部位は、「遠位」と呼ばれる部位よりも、指定された基準点にかなり近い。
【0031】
概して、本発明は、近位端から遠位端まで長手方向に延びる細長い本体部を有するカテーテル配置器具に関する。細長い本体部は、近位端から遠位端まで延在する上面を有し、該上面はカテーテルを支持する。細長い本体部は、カテーテル挿入部およびグリップ部を含む。カテーテル挿入部は、細長い本体部の遠位端に配置されたカテーテルロッククランプを含み、グリップ部は、カテーテルガイドを含む。カテーテル配置器具は、カテーテル、電気リード線、またはその他の管状医療器具を患者の体内深部の解剖学的部位に配置するために使用することができる。本発明のカテーテル配置器具の具体的な特徴は、図1図5を参照することにより、よりよく理解することができる。
【0032】
図1を参照すると、本発明のカテーテル配置器具100の一実施形態が示されている。図1ではデモンストレーションのためにカテーテル10が示されているが、カテーテル配置器具100は、カテーテル10や、少なくとも1つの電気接点を有する電気リード線などの他の管状医療器具を配置または移植するために使用できることを理解されたい。カテーテル配置器具100は、長手方向軸Xに沿って近位端106から遠位端105まで延在する細長い本体部102を含む。細長い本体部102は、近位端106から遠位端105まで延びる上面104を有する。図1に示すように、上面104は、カテーテル10を支持するように構成される。細長い本体部102は、カテーテル10を配置するために患者の組織の深部に延びるように構成されたカテーテル挿入部110と、外科医が把持することでカテーテル10を配置しやすくするよう構成されたグリップ部120とによって形成される。カテーテル配置器具100のカテーテル挿入部110は、長手方向軸Xに沿って、細長い本体部102の遠位端105からグリップ部120まで延在している。グリップ部120は、細長い本体部102の近位端106から、カテーテル挿入部110まで延在している。
【0033】
図1図2および図3A~3Bに最もよく示されているように、細長い本体部102の上面104は、遠位端105から、カテーテル挿入部110およびグリップ部120を通って、細長い本体部102の近位端106まで連続的に延在している。図3Aに示すように、上面104は平坦であってもよく、または、図3Bに示すように、遠位端から近位端106まで延びるチャネル104aを形成する凹状の湾曲部を有していてもよい。チャネル104aは、カテーテル10を所定の位置に保持または抱持するように構成されていてもよい。チャネル104aは、図3Bに示すように、上面104の幅全体にわたって延在していてもよく、または上面104の幅の一部だけにわたって延在していてもよい。
【0034】
図1に示すように、カテーテル挿入部110は、シャフト111の形態であってもよい。図1および図2を参照されたい。シャフト111は、細長い本体部102の上面104、第1の側部107、第2の側部108、および底面109によって画定されてもよい。カテーテル挿入部110、例えば、シャフト111は、鈍的な切開によって体内を通る経路を形成するために、組織、筋肉、または他の構造を貫通して押し込むことが可能な程度の剛性を有するように形成される。カテーテル挿入部110は、ポリマー、金属、または他の材料、または材料の組み合わせ、例えば、ポリマーと金属から製造されてもよい。
【0035】
図1~2に示すように、シャフト111は、長手方向の長さL、横方向Tにおいて細長い本体部102の上面104を横切る幅W、上面104および長手方向軸Xの両方に垂直な縦方向Vにおいて下方に延びる高さHを有していてもよい。幅Wは、シャフト111の長さLに沿って一定であってもよく、あるいは、幅Wは、シャフトの長さLに沿って変化してもよい。例えば、ある代替的な実施形態では、幅Wおよび/または高さH1は、シャフト111の近位端と比較すると、遠位端に向かって増加していてもよい。シャフト111の幅および/または高さの増加は、遠位端の剛性または剛性を高めることによって、トンネリング性能の向上を可能にする。他の実施形態では、幅Wおよび/または高さHは、シャフト111の近位端と比較して、遠位端に向かって減少していてもよい。シャフト111の幅および/または高さの減少は、シャフト111の遠位端の断面積を減少させることによって、患者の組織との干渉を低減させるのに役立つ。さらに他の実施形態では、シャフト111の遠位端およびグリップ部120に隣接するシャフト111の近位端は、シャフト111の中央部分と比較して、より大きな幅および/または高さを有していてもよい。
【0036】
シャフト111の長さLは、少なくともカテーテルの灌流区間と同じ長さになるように構成される。例えば、シャフト111は、約2インチ~約15インチ、または約4インチ~約10インチなど、約1インチ~約20インチの範囲の長さLを有していてもよい。
【0037】
グリップ部120は、図1に示されるように、ユーザがカテーテル配置器具100を把持して保持するためのハンドル122を形成してもよい。グリップ部120は、上面104、第1の側部107、第2の側部108、および底面109によって画定されていてもよい。ある可能な実施形態では、図1に示すように、グリップ部120の第1および第2の側部は、シャフト111の第1の側部107および第2の側部108と連続的および/または同一平面上にあってもよい。
【0038】
図1~2に示すように、グリップ部120は、上面104から垂直方向に下方に延在する高さHを有し、高さHは、シャフト111の高さHと同じかそれ以上である。高さHは、グリップ部120全体にわたって一定であってもよく、または変化してもよい。例えば、図1~2に示すように、グリップ部120の底面は、ユーザが指で把持するのに望ましい表面を形成するために複数の部分が凹状に湾曲しており、その結果、長手方向軸Xに沿って高さHが変化している。さらに、グリップ部120は、細長い本体部102の近位端において、シャフト111の幅W1と同じかそれ以上である幅Wを有する。
【0039】
カテーテル配置器具100のグリップ部120はまた、ポリマー、金属、または他の材料、または材料の組み合わせ、例えば、ポリマーと金属から製造されてもよい。グリップ部120およびカテーテル挿入部110は、場合によっては、同じ材料または材料の組み合わせで構成されてもよい。例えば、細長い本体部102は、剛性ポリマーまたは金属などの単一の単片材料から形成されてもよい。他の例では、グリップ部120およびカテーテル挿入部110は、例えば、2ピース構造によって、細長い本体部102を形成するために一緒に取り付けられる別個の構成部品から形成されてもよい。例えば、グリップ部120はポリマーから製造されてもよく、カテーテル挿入部110は金属から製造されたあとグリップ部120に取り付けられることで細長い本体部102を形成してもよく、あるいは、グリップ部120は金属から製造されてもよく、カテーテル挿入部110はポリマーから製造されてもよい。グリップ部120やカテーテル挿入部110を構成することができる金属または合金の例には、これらに限定されないが、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケルコバルト、およびニッケルコバルト合金が含まれていてもよい。ポリマーの例には、これらに限定されないが、アセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート、ポリプロピレン複合材料、および液晶ポリマー(LCP)が含まれていてもよい。場合によっては、細長い本体部102は、単一の単片材料であってもよい。他の実施形態では、グリップ部120は着脱可能であってもよい(図示せず)。
【0040】
さらに、細長い本体部102のシャフト111の遠位端105は、患者の組織または筋肉を貫通してトンネリングしやすいような形になってもよい。例えば、遠位端105は、ユーザが、周囲の組織に過剰な損傷を与えたり、皮膚を穿刺したり、組織のコアリングを引き起こすことなく、皮下組織を通じて鈍的な切開を行うことができるように、先細り形状、角度付けられた形状、鋭利でない形状、丸みを帯びた形状、尖った形状、曲がった形状、またはその他の形状であってもよい。
【0041】
さらに図1を参照すると、カテーテル挿入部110の遠位端105、例えばシャフト111には、カテーテルロッククランプ(クランプ)130が設けられている。カテーテルロッククランプ130は、細長い本体部102の遠位端の所定の位置にカテーテル10をロックするように構成される。ある可能な実施形態では、カテーテルロッククランプ130は、カテーテル10を所定の位置に締め付けて保持するための少なくとも2つのクランプアーム132aおよび132bを含む。カテーテルロッククランプ130のクランプアーム132a、132bは、細長い本体部102の上面104に配置されていてもよく、あるいは、細長い本体部102の遠位端105にあるシャフト111の第1の側部107および第2の側部108に接続されていてもよい。
【0042】
カテーテルロッククランプ130のロックおよびロック解除は、ロック機構150によって制御されてもよい。ロック機構150は、クランプ130のロックまたはロック解除を司るためのアクチュエータ(スライドボタン)152を有していてもよい。アクチュエータ152は、グリップ部120を保持するユーザの利用を便利にするために、カテーテル配置器具100のグリップ部120に配置されるのが好ましい。アクチュエータ152は、カテーテルロッククランプ130のロック解除(開放)およびロック(閉鎖)を司るための任意の適切な機構の形態を有していてもよい。例えば、図1に示すように、アクチュエータ152は、スライド式ロック/ロック解除ボタンの形態をとっていてもよい。図1に示すようなスライド式ロック/ロック解除ボタンは、細長い本体部102の長手方向軸に沿って一方向にスライドしてクランプ130をロックし、長手方向軸に沿って他方向にスライドしてクランプ130のロックを解除してカテーテル10を取り外してもよい。同様の実施形態では、スライド式ロック/ロック解除ボタンであるアクチュエータ152は、細長い本体部102の長手方向軸に垂直な軸に沿ってスライドして、クランプ130をロックまたはロック解除したり、または他の軸に沿って方向付けられたりしてもよい。図1のアクチュエータ152は、ユーザが指でスライドボタン152を把持して、それを前後にスライドさせるための人間工学的形状を作成するために、頂点153に向かって傾斜または湾曲した形状を有していてもよい。
【0043】
図1に示すように、細長い本体部102の近位端106には、さらにカテーテルガイド134が存在する。カテーテルガイド134は、カテーテルロッククランプ130とは反対側の端部の上面104に設けられ、カテーテル10を配置しやすくするように構成されている。カテーテルガイド134は、細長い本体部102の上面104、または細長い本体部102の近位端106のグリップ部120の第1の側部107および第2の側部108から延びる突起136aおよび136bを含んでいてもよい。突起136aおよび136bは、細長い本体部102の上面104の上方から垂直に延在していてもよい。突起136aおよび136bは、細長い本体部102の上面104の、突起136aおよび136bの間にカテーテル10を載置するように構成される。突起136aおよび136bは、細長い本体部102と一体的に形成されてもよく、または任意の適切な永久的または着脱可能な取り付け手段によって細長い本体部102に接着またはその他の方法で取り付けられていてもよい。カテーテルガイド134は、上面104にカテーテル10を配置しやすくするために上面104の両側に垂直のガイドを形成していてもよく、ガイドは断面視において概ねC字型、概ねU字型、概ね馬蹄型、または任意の他の適切な形状であるとよい。
【0044】
図1~2に示すように、細長い本体部102は、カテーテル挿入部110の第1の側部107および第2の側部108の少なくとも一方、例えば、シャフト111の第1の側部107および第2の側部108に測定マーキング112を含む。測定マーキング112の表示は、カテーテルロッククランプ130の位置から開始してもよく、また、カテーテル挿入部110の長手方向に沿って、細長い本体部102の近位端106に向かって延在していてもよい。測定マーキング112は、カテーテル挿入部110の長さLの一部にあたる位置まで延在していてもよく、またはカテーテル挿入部110の長さL全体を越えてグリップ部120の位置まで延在していてもよい。例えば、カテーテルロッククランプ130の位置に測定マーキングの目盛の「ゼロ」が存在していてもよく、測定マーキング112は、カテーテル挿入部110の挿入の深さをユーザに通知するために、グリップ部120に向かって近位方向に増加していてもよい。あるいはまたはさらに、測定マーキング112は、カテーテル挿入部110の近位端106でゼロから始まり、カテーテル挿入部110の遠位端105に向かって増加していてもよい。測定マーキング112は、インチ、cm、またはその両方、あるいは他の任意の帝国単位またはメートル法などの長さの単位で距離を測定してもよく、整数全体または単位の端数などの任意の適切な間隔でマーキングを提供してもよい。一実施形態では、図1に示すように、1.5875ミリメートル(1/16インチ)ごとに垂直方向の線状マーキングを行い、12.7ミリメートル(1/2インチ)ごとに長いおよび/または広い垂直方向のマーキングを行い、整数単位ごとに挿入された深さの数値表示を行ってもよい。測定マーキング112は、レーザーエッチングされるか、印刷されるか、細長い本体部102またはシャフト111と一体的に形成される(成形されるなど)か、もしくは細長い本体部102に配置されていてもよい。
【0045】
図4および図5は、カテーテル配置器具のグリップ部およびロック機構アクチュエータの代替の実施形態を示している。例えば、図4は、カテーテル挿入部210として細長いシャフト211を有するが、第1のハンドル222aおよび第2のハンドル222bを含む2つのハンドルグリップ部を有するカテーテル配置器具200を示し、第1のハンドル222aおよび第2のハンドル222bのそれぞれは、ユーザの指を挿入するための少なくとも1つの円形の開口部を含む。第1のハンドル222aおよび第2のハンドル222bは、カテーテルロッククランプ230用のロック機構250用のアクチュエータ252を形成する。第1のハンドル222aおよび第2のハンドル222bを互いに近付けるように把持することで、カテーテルロッククランプ230を作動させてもよい。例えば、第1のハンドル222aおよび第2のハンドル222bを一緒に把持することにより、カテーテルロッククランプ230を開いてロックを解除してもよく、第1のハンドル222aおよび第2のハンドル222bをそれらの静止位置に戻すことで、カテーテルロッククランプ230を閉じてロックしてもよい。カテーテル配置器具200はさらに、図1に示されるカテーテル配置器具100のカテーテルガイド134と同じかまたは同様の特徴を有するカテーテルガイド240を含んでいてもよい。カテーテル配置器具200は、カテーテル配置器具100に関して上記で説明したように、測定マーキング112をさらに含んでいてもよい。
【0046】
同様に、図5は、グリップ部320を形成するハンドル322およびカテーテル挿入部310を形成するシャフト311にトリガーアクチュエータ352を有するカテーテル配置器具300のさらに別の実施形態を示す。図4の実施形態と同様に、カテーテルロッククランプ330は、トリガーアクチュエータ352が作動してカテーテルロッククランプ330を解放することでロック解除するまで、閉じた状態であってもよい。カテーテル配置器具300はさらに、図1に示すカテーテル配置器具100のカテーテルガイド134と同じかまたは同様の特徴を有するカテーテルガイド340を含んでいてもよい。カテーテル配置器具300は、カテーテル配置器具100に関して上記で説明したように、測定マーキング112をさらに含んでいてもよい。
【0047】
解放機構のためのアクチュエータの他の可能な実施形態には、グリップ部120の側部の1つに配置されるか、またはカテーテル配置器具100の近位端のいずれかに配置される格納式ペンに類似する格納式押しボタンアクチュエータ、あるいは任意の他のクイックリリース機構が含まれる。
【0048】
ある可能な実施形態では、図1に示すように、本発明のカテーテル配置器具100と共に用いることを意図されたカテーテル10は、遠位先端部12の挿入または配置の深さの指標として、少なくとも1つのマーキング20などの可視インジケータを含んでいてもよい。例えば、カテーテル10の少なくとも1つのマーキング20は、シャフト111の患者の体内へ挿入された深さが、実際にカテーテル10の挿入されている深さと一致することを確実にするために、カテーテル配置器具100の測定マーキング112と整列するように設計されていてもよい。したがって、カテーテル10がわずかに取り外されたり、患者の体内に深く挿入されすぎたり、または挿入中にカテーテル配置器具100から外れたり動かされたりした場合、あるいはカテーテル配置器具100が取り外されているときに、ユーザがカテーテル10のマーキング20が適切に配置されていないことを視認することができ、その後、カテーテル10を再配置することができるようになる。一実施形態では、カテーテル10の1つ以上のマーキング20は、カテーテル10とカテーテル配置器具100の位置合わせを容易にするために、カテーテル配置器具100そのものに対応する測定マーキングであってもよい。
【0049】
図6は、本発明のカテーテル配置器具100を用いた一例示的な手術方法600を示しており、人工膝関節全置換術中に行われる、術後疼痛管理用の神経ブロックを実行するためにカテーテル10を配置するステップである。一方で、カテーテル配置器具100は、少なくとも1つの電気接点を有する電気リード線などの他の管状医療装置を配置または移植するために、手術方法600の方法ステップと共に用いられてもよい。
【0050】
人工膝関節全置換術では、カテーテル10を手術中に内側筋間中隔に挿入して、内転筋管と関節周囲の神経を連続的にブロックしてもよい。カテーテルの挿入は、TKAのメディアルパラパテラアプローチ、ミッドバスタスアプローチ、またはサブバスタスアプローチで行われてもよい。メディアルパラパテラ処置は、膝蓋骨のすぐ上の内方から内側広筋斜走繊維を切開して脛骨結節まで伸ばし、膝蓋骨に被膜組織のカフを残して閉鎖時に修復することで行うことができる。ミッドバスタスアプローチは、膝蓋骨の上極部で内側広筋斜走繊維を筋線維に沿って分割した後、遠位で脛骨結節まで切開する。TKAのサブバスタスアプローチは、内側広筋斜走繊維の下の切開から始まり、脛骨結節まで伸ばすものである。
【0051】
上記の膝への外科的アプローチの後、大腿骨上顆の内転筋結節を確認する。次に、内側広筋斜走繊維を鋭利でない開創器で持ち上げて、広筋斜走繊維の深部表面と内側筋間中隔の前面を露出させる。内側筋間中隔は、カテーテル10を配置するための床として機能させてもよい。大内転筋腱は、内転筋結節のすぐ頭部側(患者の頭部の方向)にある内側筋間隔壁の下で触診することができる。内側広筋斜走繊維と内転筋は、内転筋管との境界を形成する。上で定義したように、切開した手術部位は、カテーテル10を配置するための創傷部位であると考えられる。
【0052】
ステップ602では、カテーテル10は、任意の従来の手順によって、切開した手術部位に挿入されるとよい。例えば、イントロデューサニードルをT型剥離シース内に配置して、切開した手術部位周辺の穿刺部位から挿入して、創傷部位内に進めたあと、イントロデューサニードルを除去し、次にカテーテル10をT型剥離シースから切開した創傷部位内に進めてもよい。カテーテル10は、カテーテル10の遠位先端部12を把持し、シースを通して前進させることによって、T型剥離シースから回収されてもよい。
【0053】
T型剥離シースを通じてカテーテル10を前進させて、創傷部位内のカテーテル10の長さを、少なくともカテーテル配置器具100の細長い本体部102の長さ分だけ露出させた後、ステップ604においてカテーテル10をカテーテル配置器具100に載せてもよい。まず、ユーザは、カテーテルロッククランプ130のロックが解除されるように、アクチュエータ152が解放されていることを確認する。次に、カテーテル10の遠位先端部12を、カテーテル配置器具100の上面104に設けられたカテーテルロッククランプ130に配置し、カテーテル10が、カテーテル配置器具100の上面104に遠位端105から近位端106にわたって載るように配置し、カテーテル10が上面104の近位端に設けられたカテーテルガイド134を通って延在するようにする。次に、ユーザは、カテーテル10の遠位先端部12の周りでカテーテルロッククランプ130をロックすることにより、カテーテル10を所定の位置にロックしてもよい。カテーテルロッククランプ130をロックするステップは、アクチュエータ152を作動させることによって、例えば、図1のアクチュエータ152をロック方向にスライドさせることによって実行されてもよい。これにより、カテーテル10およびカテーテル配置器具100を、患者の組織内に配置する準備が整う。
【0054】
次に、ステップ606では、ユーザは、カテーテル配置器具100のグリップ部120のハンドル122を把持し、カテーテル配置器具100の遠位端105を創傷部位に挿入したあと、カテーテル配置器具100の遠位端105を内側筋間中隔の前面部に沿って頭側に進め、内側広筋斜走繊維の深部、例えば、上膝蓋骨の頭側に約15~20cm、内転筋管内に進入させる。ステップ608では、内転筋管が直接見えないため、ユーザは、図1に示すように、シャフト111の側部にある測定マーキング112により、カテーテル配置器具100の遠位端105およびカテーテル10の遠位先端部12の挿入された深さを視認する。遠位先端部12の挿入が所望の深さに達したとき、ユーザは、ステップ610においてカテーテルロッククランプ130のアクチュエータ152を解除し、その後、カテーテル10を細長い本体部102によって形成された経路に残しつつ、細長い本体部102を取り外すことによって、カテーテル10や他の移植可能な構造体を体内に配置してもよい。次に、ステップ612では、ユーザは、カテーテル配置器具100を挿入方向とは反対方向に向かって患者の組織から引き抜くことにより、カテーテル配置器具100を取り外す。
【0055】
上記の方法は非限定的であり、本発明のカテーテル配置器具100は、他の外科的処置でのカテーテル挿入の方法でも使用できることを理解されたい。さらに、本発明のカテーテル配置器具100は、他の任意の細長い部材または装置の人体への移植、挿入、および/または配置のために使用されてもよい。
【0056】
この書面による説明は、最良の態様を含む本発明を開示するために例を用いており、また、任意の装置またはシステムを作成および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、当業者が本発明を実施することを可能にするためのものである。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含むことがある。このような他の例は、特許請求の範囲の文字通りの表現と異なることのない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文字通りの表現とは実質的に異なる同等の構造要素を含む場合には、特許請求の範囲に含まれることを意図している。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
【国際調査報告】