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特表2022-521770力検知抵抗器(FSR)を含むハンドヘルドコントローラのためのセンサ融合アルゴリズム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】力検知抵抗器(FSR)を含むハンドヘルドコントローラのためのセンサ融合アルゴリズム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20220405BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220405BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/041 600
G06F3/041 580
G06F3/044
G06F3/041 520
G06F3/01 570
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549742
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-15
(86)【国際出願番号】 US2020020084
(87)【国際公開番号】W WO2020176723
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】16/289,420
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517160525
【氏名又は名称】バルブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラインバウ、ジェフリー・ジョージ
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA16
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC01
5E555CA21
5E555FA00
(57)【要約】
ハンドヘルドコントローラの論理は、タッチセンサによって提供されたタッチセンサデータと組み合わせて、力検知抵抗器(FSR)によって提供された力データに基づいて、センサ融合アルゴリズムを実装することができる。例示的なセンサ融合アルゴリズムは、制御部に関連付けられたFSRによって検出され得る、ユーザが閾値を上回る力量でハンドヘルドコントローラの制御部を押すことに応答して、少なくとも制御部のタッチに対応する高レベル値に関して、タッチセンサの較正調節を一時停止するために使用されることができる。例えば、高レベル値に対する較正調節は、FSR値が閾値の下から閾値の上に閾値を横切ることに応答して一時停止されることができ、FSR値が閾値を反対方向に横切ることに応答して較正調節が再開され得る。
【選択図】図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
コントローラ本体を備えるハンドヘルドコントローラであって、前記コントローラ本体が、
押されるように構成された少なくとも1つの制御部と、
前記少なくとも1つの制御部に関連付けられ、前記1つ以上のプロセッサに、前記少なくとも1つの制御部に対する物体の近接度を示すタッチセンサデータを提供するように構成されたタッチセンサと、
前記少なくとも1つの制御部に関連付けられ、前記1つ以上のプロセッサに、前記少なくとも1つの制御部の押圧の力の量を示す力データを提供するように構成された力検知抵抗器(FSR)と、を含む、ハンドヘルドコントローラと、
論理であって、
基準が満たされたことに応答して、前記物体が前記少なくとも1つの制御部に接触していることを示す高レベル値を調節することによって、前記タッチセンサの較正調節を実行し、
前記FSRによって提供された前記力データに少なくとも部分的に基づいて、第1のデジタル化されたFSR値を判定し、
前記第1のデジタル化されたFSR値が、前記物体が前記少なくとも1つの制御部を押さずに前記少なくとも1つの制御部に接触していることから、前記物体が前記少なくとも1つの制御部を押していることへの移行を示す閾値を超えていると判定し、
前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えていると判定することに応答して、前記較正調節を一時停止し、
前記FSRによって提供された前記力データに少なくとも部分的に基づいて、第2のデジタル化されたFSR値を判定し、
前記第2のデジタル化されたFSR値が、前記物体が前記少なくとも1つの制御部を押していることから、前記物体が前記少なくとも1つの制御部を押すことなく、前記少なくとも1つの制御部に接触していることへの移行を示す前記閾値以下であると判定し、
前記第2のデジタル化されたFSR値が前記閾値以下であると判定することに応答して、前記較正調節を再開するように構成された論理と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記タッチセンサが、前記少なくとも1つの制御部に対する前記物体の近接度に基づく静電容量値を測定するように構成された静電容量センサを備え、
前記高レベル値が、前記物体が前記少なくとも1つの制御部に接触した時点で前記静電容量センサによって測定された静電容量値に対応する高レベル静電容量値を表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記FSRが、値の範囲を測定するように構成され、
前記閾値が、前記値の範囲の約5%~約15%である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記高レベル値が、前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えていると判定する時点で既存の値に設定され、
前記較正調節を一時停止することが、前記既存の値を上回る値に前記高レベル値を増加させることを控えることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記較正調節を一時停止することが、
前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えていると判定する前に、前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに基づいて判定された複数の第1のデジタル化された近接値の中から最大値を判定することと、
前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えていると判定した後、前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに基づいて判定された複数の第2のデジタル化された近接値の中から最小値を判定することと、
前記最大値と前記最小値との間の平均値を計算することと、
前記平均値を上回る値に前記高レベル値を増加させることを控えることと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記タッチセンサの前記較正調節を実行することが、
以前のいくつかのサンプルにわたって前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに少なくとも部分的に基づいて平均近接値を判定することと、
前記平均近接値と既存の値に設定された前記高レベル値を比較することと、
前記平均近接値が前記既存の値を超えている場合、前記既存の値から前記既存の値を上回る新しい値に前記高レベル値を調節することと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記物体が、指または親指であり、前記少なくとも1つの制御部が、前記コントローラ本体のヘッド上に配置され、前記指または前記親指によって押されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記論理が、
前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに基づいて、デジタル化された近接値を判定し、
前記デジタル化された近接値が前記高レベル値を超えていると判定するようにさらに構成されており、
前記較正調節を一時停止することが、前記デジタル化された近接値が前記高レベル値を超えていると判定することにさらに応答してのものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
コンピュータ実装方法であって、
基準が満たされたことに応答して、物体が少なくとも1つの制御部に接触していることを示す高レベル値を調節することによって、ハンドヘルドコントローラの少なくとも1つの制御部に関連付けられたタッチセンサのための較正調節を実行することと、
前記少なくとも1つの制御部に関連付けられた力検知抵抗器(FSR)によって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、第1のデジタル化されたFSR値を判定することと、
前記第1のデジタル化されたFSR値が閾値を超えていると判定することと、
前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えているという前記判定に応答して、前記較正調節の前記実行を一時停止することと、
前記FSRによって提供された前記力データに少なくとも部分的に基づいて、第2のデジタル化されたFSR値を判定することと、
前記第2のデジタル化されたFSR値が前記閾値以下であると判定することと、
前記第2のデジタル化されたFSR値が前記閾値以下であるという前記判定に応答して、前記較正調節の前記実行を再開することと、を含む方法。
【請求項10】
前記タッチセンサが、前記物体の前記少なくとも1つの制御部に対する近接度に基づく静電容量値を測定するように構成された静電容量センサを備え、
前記高レベル値が、前記物体が前記少なくとも1つの制御部に接触した時点で前記静電容量センサによって測定された静電容量値に対応する高レベル静電容量値を表す、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記FSRが、値の範囲を測定するように構成され、
前記閾値が、前記値の範囲の約5%~約15%である、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記高レベル値が、前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えていると前記判定する時点で既存の値に設定され、
前記較正調節の前記実行を前記一時停止することが、前記既存の値を上回る値に前記高レベル値を増加させることを控えることを含む、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記較正調節の前記実施を前記一時停止することが、
前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えていると前記判定することの前に、前記タッチセンサによって提供されたタッチセンサデータに基づいて判定された複数の第1のデジタル化された近接値の中の最大値を判定することと、
前記第1のデジタル化されたFSR値が前記閾値を超えていると前記判定することの後に、前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに基づいて判定された複数の第2のデジタル化された近接値の中の最小値を判定することと、
前記最大値と前記最小値との間の平均値を計算することと、
前記平均値を上回る値に前記高レベル値を増加させることを控えることと、を含む請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記タッチセンサによって提供されたタッチセンサデータに基づいて、デジタル化された近接値を判定することと、
前記デジタル化された近接値が前記高レベル値を超えていると判定することをさらに含み、
前記較正調節の前記実行を前記一時停止することが、前記デジタル化された近接値が前記高レベル値を超えていると前記判定することにさらに応答している、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
コントローラ本体を備えるハンドヘルドコントローラであって、前記コントローラ本体が、
押されるように構成された少なくとも1つの制御部と、
前記少なくとも1つの制御部に関連付けられ、前記1つ以上のプロセッサに、前記少なくとも1つの制御部に対する物体の近接度を示すタッチセンサデータを提供するように構成されたタッチセンサと、
前記少なくとも1つの制御部に関連付けられ、前記1つ以上のプロセッサに、前記少なくとも1つの制御部を押す力の量を示す力データを提供するように構成された力検知抵抗器(FSR)と、を含む、ハンドヘルドコントローラと、
論理であって、
基準が満たされたことに応答して、前記物体が前記少なくとも1つの制御部に接触していることを示す高レベル値を調節することによって、前記タッチセンサの較正調節を実行し、
前記FSRによって提供された前記力データに少なくとも部分的に基づいて、閾値以下の第1のデジタル化されたFSR値から前記閾値を上回る第2のデジタル化されたFSR値への第1の移行を検出し、
前記第1の移行の検出に応答して前記較正調節を一時停止し、
前記FSRによって提供される前記力データに少なくとも部分的に基づいて、前記閾値を上回る第3のデジタル化FSR値から前記閾値以下の第4のデジタル化FSR値への第2の移行を検出し、
前記第2の遷移の検出に応答して前記較正調節を再開するように構成された論理と、を備える、システム。
【請求項16】
前記タッチセンサが、前記物体の前記少なくとも1つの制御部に対する近接度に基づく静電容量値を測定するように構成された静電容量センサを備え、
前記高レベル値が、前記物体が前記少なくとも1つの制御部に接触した時点で前記静電容量センサによって測定された静電容量値に対応する高レベル静電容量値を表す、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記FSRが、前記物体が前記タッチセンサに接触していないときに正の値を測定し、
前記閾値が、前記正の値を上回る値に設定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記高レベル値が、前記第1の移行を検出する時点で既存の値に設定され、
前記論理が、前記既存の値を上回る値に前記高レベル値を増加させることを控えることによって前記較正調節を一時停止させるようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記較正調節を一時停止することが、
前記第1の移行を検出する前に、前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに基づいて判定された複数の第1のデジタル化された近接値の中から最大値を判定することと、
前記第1の移行を前記判定することの後に、前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに基づいて判定された複数の第2のデジタル化された近接値の中の最小値を判定することと、
前記最大値と前記最小値との間の平均値を計算することと、
前記高レベル値が前記平均値を上回る値に増加させることを控えることと、を含む請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記タッチセンサの前記較正調節を実行することが、
以前のいくつかのサンプルにわたって前記タッチセンサによって提供された前記タッチセンサデータに少なくとも部分的に基づいて平均近接値を判定することと、
前記平均近接値と既存の値に設定された前記高レベル値を比較することと、
前記平均近接値が前記既存の値を超えている場合、前記既存の値から前記既存の値を上回る新しい値に前記高レベル値を調節することと、を含む請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、「SENSOR FUSION ALGORITHMS FOR A HANDHELD CONTROLLER THAT INCLUDES A FORCE SENSING RESISTOR(FSR)」と題する2019年2月28日出願の米国特許出願第16/289,420号の優先権を主張し、米国特許法120条の下で、この出願自体は、「SENSOR FUSION ALGORITHMS FOR A HANDHELD CONTROLLER THAT INCLUDES A FORCE SENSING RESISTOR(FSR)」と題する2018年5月18日に出願された米国特許出願第15/984,245号の一部継続出願として優先権を主張し、この出願自体は、「ELECTRONIC CONTROLLER WITH FINGER SENSING AND AN ADJUSTABLE HAND RETAINER」と題する2017年12月7日に出願された米国特許出願第15/834,372号の一部継続出願として優先権を主張し、この出願自体は、「Electronic controller with hand retainer and finger motion sensing」と題する2017年8月17日に出願された米国特許出願第15/679,521の一部継続出願として優先権を主張し、この出願自体は、2016年10月11日に出願された米国特許出願第29/580,635の一部継続出願として優先権を主張し、2017年6月16日に出願された米国仮特許出願第62/520,958号の優先権を主張し、これらすべてが参照として本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲーム業界は、大きく、かつ重要になっており、ソフトウェアおよび関連ハードウェアの両方で多くの発明を生み出してきた。様々なハンドヘルドビデオゲームコントローラが、様々なゲームアプリケーションのために設計、製造、および販売されている。これらの発明のいくつかは、産業機械、防衛システム、ロボット工学のコントローラなど、ビデオゲーム業界以外への適用可能性を有する。仮想現実(VR)システムは、ビデオゲーム業界の内外の両方で、現代的に大きな関心および迅速な技術進歩を有するアプリケーションである。VRシステムのためのコントローラは、多くの場合、使用し易さなどのある特定の所望の特性を最適化しながら、いくつかの異なる機能を実施し、厳格な(ときには競合する)設計制約を満たす必要がある。
【0003】
VRシステムで使用されるコントローラの1つの例示的な目的は、掴む、投げる、強く握るなどの自然な相互作用を可能な限り模倣することである。この目的を達成する努力において、とりわけ、可変抵抗を使用してFSRに掛かる力の量を測定する力検知抵抗器(FSR)を含む、様々なタイプのセンサが利用されてきた。しかしながら、FSRを備えた既存のコントローラは、それらの構築で使用される材料に起因して、かなり大雑把な応答曲線(例えば、力対抵抗応答曲線)を示す傾向があり、それらをバイナリ(例えば、オン/オフ)スイッチよりもわずかに有用であるようにしている。このことは、VRシステムでは望ましくない。加えて、マイラ(mylar)ベースのFSRは、大型でかさばるヘッダコネクタを必要とし、このことは、FSRが大きなフットプリントを使い、小型化が困難であり、他の構成要素に直接はんだ付けすることができないことを意味する。FSRの構築にマイラを使用するさらに別の欠点は、リフロー炉の高温に耐えることができないことであり、これにより、マイラベースのFSRの製造コストを低減できる方法が制限される。底部基板にマイラを使用する代わりに、底部基板としてプリント回路基板(PCB)を備えたFSRを構築することも知られている。しかしながら、PCB基板はまた、大雑把な(場合によっては非単調な)応答曲線を示し、これらのタイプのFSRをVR用途に不適当なものにする。したがって、当技術分野では、VRシステムを改善し得る、かつ/またはユーザ操作をより容易にし得る改善されたコントローラ設計が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】手保持具が開位置にある、本開示の例示的な実施形態によるコントローラを図示する。
図2】手のひらを上にしたユーザの開いた手の中にある図1のコントローラを図示する。
図3】ユーザの閉じた手の中にある図1のコントローラを図示する。
図4】手のひらを下に向けたユーザの手の中にある図1のコントローラを図示する。
図5】手保持具が開位置にある、本開示の例示的な実施形態によるコントローラの対を図示する。
図6A】本開示の別の例示的な実施形態による右手コントローラの正面図を図示する。
図6B図6Aの右手コントローラの背面図を図示する。
図7A】本開示の一実施形態による、赤外線センサ用の窓を図示する。
図7B】本開示の別の実施形態による、赤外線センサ用の窓を図示する。
図8図6Aの右手コントローラの側面図を示し、コントローラのハンドルの管状ハウジングを部分的に包む外側シェルが分解されて、その内面上の器具を明らかにしている。
図9A】コントローラのハンドルの管状ハウジングを部分的に包む外側シェルが分解されている、図6Aの右手コントローラの断面を図示する。
図9B】外側シェルがその通常動作位置に取り付けられている点で異なる、図9Aの断面を図示する。
図10A】部分的に閉じられた手保持具を伴う、本開示の別の例示的な実施形態による右手コントローラの正面図を図示する。
図10B】手保持具が全開である点で異なる、図10Aのコントローラの正面図を図示する。
図11A】本開示の例示的な実施形態によるコントローラのヘッドおよびハンドルの正面図を図示し、ヘッドを中心としてその周囲を動き得る手保持具アンカーを含む。
図11B】ヘッドを中心としたその周囲の手保持具アンカーの選択的調節を容易にし得る係止可能なカラー部分を露出するように面板がヘッドから取り外された点で異なる、図11Aのヘッドおよびハンドル構成要素を図示する。
図12A】手保持具構成要素が取り外された、本開示の代替的な実施形態による、部分的に組み立てられたコントローラを図示する。
図12B図12Aのコントローラのチャネル特徴の拡大図を図示する。
図12C図12Bに図示されるチャネルの断面図である。
図13A】本開示の例示的な実施形態による力検知抵抗器(FSR)を図示する。
図13B図13AのFSRの正面図を図示する。
図13C】断面AーAに沿った、図13BのFSRの断面を図示し、断面は、ポリイミドで作製された第1の基板を示す。
図14】FSRを構築する例示的なプロセスの進行段階におけるFSRの様々な正面図を図示する。
図15】本開示の別の実施形態による、FSRの例示的な層を図示する。図15は、正確な縮尺ではない。むしろ、図15は、材料の例示的な層を例示するために提示され、FSRの実際の断面図を表すことを意図しない。
図16】本開示の別の実施形態による、FSRの例示的な層を図示する。図16は、正確な縮尺ではない。むしろ、図16は、材料の例示的な層を例示するために提示され、FSRの実際の断面図を表すことを意図しない。
図17】本開示の別の実施形態による、FSRの例示的な層を図示する。図17は、正確な縮尺ではない。むしろ、図17は、材料の例示的な層を例示するために提示され、FSRの実際の断面図を表すことを意図しない。
図18A】本開示の別の実施形態による、完全なFSRを形成するための折り畳み工程の前のFSRの正面図を図示する。
図18B】折り畳み工程が実施された後の、図18AのFSRの正面図を図示する。
図18C】断面B-Bに沿った、図18AのFSRの断面を図示する。
図18D図18AのFSRの例示的な層を図示する。図18Dは、正確な縮尺ではない。むしろ、図18Dは、材料の例示的な層を例示するために提示され、FSRの実際の断面図を表すことを意図しない。
図19】FSRを製造するための例示的なプロセスのフロー図である。
図20】異なる圧力モードで動作するように電子システム用のコントローラのFSRベースの入力機構を構成するために使用され得る、例示的なユーザインターフェース(UI)を例示する。
図21】FSRベースの入力のための「触発性」様式のソフトプレスを例示する力対時間グラフを図示する。
図22】FSRベースの入力のための「ヒップファイア」様式のソフトプレスを例示する力対時間グラフを図示する。
図23】コントローラ本体内に配設された様々なセンサを有する、図1のコントローラを図示する。
図24】タッチセンサによって提供されたタッチデータに基づいて、ハンドヘルドコントローラのFSRを再較正するための例示的なプロセスのフロー図である。
図25】隣接する制御部のためのタッチセンサによって提供されたタッチデータに基づいて、ハンドヘルドコントローラのFSRにおける偽入力を無視するための例示的なプロセスのフロー図である。
図26】ハンドヘルドコントローラのハンドル内の近接センサのアレイによって検出された手のサイズに基づいて、FSRについてFSR入力閾値を調節するための例示的なプロセスのフロー図である。
図27】FSR入力値に基づいてハンドヘルドコントローラの制御部のための結合をアクティブ化および非アクティブ化するための例示的なプロセスのフロー図である。
図28】多数の閾値のうちの第1の閾値についてFSR入力を無視するか否かを判定するために時間遅延を使用するための例示的なプロセスのフロー図である。
図29図1のコントローラなどのハンドヘルドコントローラの例示的な構成要素を例示する。
図30】閾値量を超える力でユーザがハンドヘルドコントローラの制御部を押すときに、高レベル値に関してタッチセンサの較正調節を一時停止するための技術を示すグラフを示す。
図31】力の閾値量を超える力でユーザがハンドヘルドコントローラの制御を押すときに、高レベル値に関してタッチセンサの較正調節を一時停止するための例示的なプロセスのフロー図である。
図32】ハンドヘルドコントローラの制御部に関連付けられたタッチセンサの継続的な較正調節を実行するための例示的なプロセスのフロー図である。
図33】タッチセンサの較正調節を一時停止する例示的なサブプロセスのフロー図である。
図34】タッチセンサの較正調節を一時停止する別の例示的なサブプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に説明されるのは、中でも、抵抗性かつ可撓性である第2の基板の下に配置されたポリイミドで作製された第1の基板を用いて構築される力検知抵抗器(FSR)である。第1の基板は、その前面上に配設された導電性材料(例えば、複数の櫛形金属フィンガ)を有する。1つ以上のスペーサ層はまた、第2の基板の中心部分が第1の基板上に懸架されるように、第1の基板と第2の基板との間に介在する。アクチュエータは、加えられた力を第2の基板の前面に伝達するために、第2の基板上に配設される。これが発生すると、第2の基板の中心部分は、第1の基板に向かって内向きに屈曲し、第2の基板の裏面上の抵抗性材料のいくつかは、第1の基板の前面上の導電性材料のいくつかと接触する。加えられる力が増加するにつれて、抵抗性材料によって接触される導電性材料の表面積が増加する。同様に、加えられる力が減少するにつれて、抵抗性材料によって接触される導電性材料の表面積が減少する。可変の加えられる力の下における表面積接触のこの変化は、FSRを、加えられる力によって値が制御される可変抵抗器として作用させる。
【0006】
第1の基板に使用されるポリイミド材料に少なくとも部分的に起因して、開示されるFSRは、他の可能な最終用途の中でも、VRシステムのコントローラにおける使用に望ましい特性を呈する。例えば、ポリイミド基板は、嵩高のヘッダコネクタの使用なしで、FSRの出力端子(またはリード)を基板(例えば、PCB)上に直接、選択的にはんだ付けすることを可能にし、これは、大きい、嵩高のヘッダコネクタを必要とするマイラベースのFSRと比較して、より小さい設置面積を有するFSRを可能にする。ポリイミドが、一般的に、可撓性回路のための選択材料として使用されるため、FSRのポリイミド基板は、FSRを他の可撓性回路に簡便に接続することを可能にし、このことは、従来のFSRを製造するコストと比較して、開示されたFSRを製造するコストを低減し得る。ポリイミドはまた、リフロー炉の温度などの高温にも耐えることができ、コスト削減製造プロセスへの扉を開く。加えて、ポリイミドは、開示されるFSRの第1の基板として使用されるとき、従来のFSRと比較して、より低いヒステリシスおよびより高い再現性などの望ましい特性を呈する。全体的に、ポリイミドで作製された第1の基板を有する開示されたFSRは、真のアナログ入力をモデル化する力対抵抗応答曲線を呈し、FSRをVRシステムのコントローラにおける使用に望ましいものにする。
【0007】
本明細書では、ポリイミドで作製された第1の基板を有する開示されたFSRを含む電子システム(例えば、VRシステム)用のコントローラも開示される。コントローラは、ユーザの手によって保持されるように構成され得、コントローラ本体を含み得る。開示されるFSRは、コントローラ本体のハンドル内に装着される構造、またはコントローラ本体のヘッド上に含まれる少なくとも1つの親指操作制御部の下に装着される構造などの、コントローラ本体内の構造の平坦表面上に装着され得る。FSRは、電子システム用のコントローラに実装されたとき、コントローラの関連付けられた部分に加えられた力(例えば、ハンドルの外面、少なくとも1つの親指操作制御部に加えられた力など)に対応する抵抗値を測定するように構成される。
【0008】
FSRをVRシステム用のコントローラに実装することは、従来のコントローラを使用してその現在の状態を越えて自然な相互作用の範囲を拡大することを可能にする。例えば、電子システムおよび/またはコントローラは、FSRを介して、ユーザがコントローラのハンドルを握る力、および/またはユーザが親指操作制御部を押す力を判定し得る。開示されるFSRが望ましい応答曲線を呈するため、そのようなコントローラは、様々な力の押圧または握りを、ゲームの仕掛けを制御するために(例えば、岩を粉砕するために、バルーンを握るために、ゲームキャラクターによって使用可能な利用可能な武器を切り替えるために、など)ビデオゲームに使用され得る様々なデジタル化された数値に変換し得る。望ましい応答特性を有するFSRは、ユーザの疲労を軽減するため、および/または制御部の偶発的な作動を軽減するために、従来の機械スイッチを置換し得る。例えば、FSRは、加えられた力が、いつ閾値を超えるかを検出することによって、スイッチとして作用し得る。この閾値は動的に調節され得る。例えば、閾値は、ゲームプレイ中の手の疲労(例えば、ユーザが、ゲームプレイ中に頻繁に武器を撃つために、FSRと関連付けられた制御部を押圧しているとき)を軽減するために、より低い値に調節されてもよい。反対に、閾値は、ユーザがビデオゲーム内の刺激に反応し得るスリリングまたはエキサイティングなゲームにおいて有用であり得る、偶発的な制御操作の事例を低減するために、より高い値に調節されてもよい。
【0009】
本明細書では、それぞれ、タッチセンサまたは近接センサのアレイによって提供されたタッチデータまたは近接データと組み合わせて、コントローラのFSRによって提供された力データに基づいてセンサ融合アルゴリズムを実装するための論理を含む、ハンドヘルドコントローラも開示される。例示的なセンサ融合アルゴリズムは、タッチセンサによって検出されるように、物体がFSRと関連付けられた制御部に接触するときに、FSRを再較正するために使用され得る。例えば、論理は、タッチセンサによって提供されたタッチデータに基づいて、物体が、押されるように構成されたコントローラ本体上の制御部と接触したと判定し得る。論理はまた、物体が制御部と接触した時点でFSRによって提供された力データに基づいて、FSRによって測定された抵抗値を判定し得、制御部におけるタッチを検出する際にFSRを「再較正」するために、抵抗値を、ゼロのデジタル化されたFSR入力値と相関させ得る。
【0010】
別の例示的なセンサ融合アルゴリズムは、物体が隣接する制御部と接触しているときにFSRによって検出された偽入力を無視するために使用され得る。例えば、論理は、FSRによって提供された力データに基づいて、ハンドヘルドコントローラの第1の制御のためにFSR入力イベントを登録するために満たされるべき閾値を満たすかまたはそれを超える、デジタル化されたFSR入力値に対応する、FSRによって測定された抵抗値を判定し得る。論理はまた、FSRによってFSR抵抗値が測定される時点でタッチセンサによって提供されたタッチデータに基づいて、物体が第1の制御部に隣接するハンドヘルドコントローラの第2の制御部と接触していると判定し得、物体が第2の制御部と接触している間、FSR入力イベントの登録を控え得る。
【0011】
別の例示的なセンサ融合アルゴリズムは、近接センサのアレイによって検出されるように、コントローラのハンドルを掴む手のサイズを検出するために、および手のサイズに従ってFSRでFSR入力イベントを登録するように閾値力を調節するために使用され得る。これは、より小さい手を有するユーザにとって力ベースの入力をより容易にするために有用であり得る(より大きい手を有するユーザにとっては、より難しくなるが、困難ではない)。例えば、ハンドヘルドコントローラのハンドル上に空間的に分散される近接センサのアレイは、ハンドルを握っている手のサイズを判定するために使用され得、論理は、手のサイズに基づいて、ハンドルについてのFSR入力イベントを登録するために満たされるべき、調節された閾値に閾値を調節し得る。
【0012】
別の例示的なセンサ融合アルゴリズムは、少なくとも制御部のタッチに対応する高レベル値に関して、制御部と関連付けられたFSRによって検出され得る、ユーザが力の閾値を超えてハンドヘルドコントローラの制御部を押すことに応答して、タッチセンサの較正調節を一時停止するために使用され得る。例えば、ハンドヘルドコントローラの論理は、タッチセンサによって測定された値の範囲の少なくとも高レベル値を再較正またはリセットする目的で、ハンドヘルドコントローラの制御部に関連付けられたタッチセンサによって提供されたタッチセンサデータを監視し得る。例えば、この高レベル値は、制御部を押さずに制御部に接触する物体に対応し得る。タッチセンサのための較正は、ハンドヘルドコントローラが使用されるときに、高レベル値を繰り返し調節することによって機能し、その結果、高レベル値は、物体(例えば、指)が制御部を押すことなく制御部と接触するたびに、タッチセンサによって出力されるデジタル化された近接値を正しく表す値に較正される。これらの較正調節がハンドヘルドコントローラの使用中に実行される例示的な理由は、タッチセンサデータが様々な理由により経時的にドリフトし得るためである。例えば、ハンドヘルドコントローラの使用が経時的に進むにつれて、ユーザの手の汗(または乾燥)が変化し得、ならびに/もしくは、湿度、温度、および/または別の環境パラメータが経時的に変化し得、これらのことが、タッチセンサによって測定される値に影響を及ぼし得る(例えば、タッチセンサが静電容量センサである場合、測定された静電容量は、例えば発汗からなどユーザの手の水分に基づいて影響を受け得る)。したがって、タッチセンサの較正は、例えば、制御部に触れずに制御部の上にホバリングする物体、または制御部を押している物体とは対照的に、少なくとも高レベル値を、物体が制御部に接触することを示す値(押さずに)に較正することによって、これらの種類の変化に対して調節される。
【0013】
ユーザがハンドヘルドコントローラの制御部を押すとき、上述の、および本明細書の他の箇所に記載されているように較正されている、その制御部に関連付けられたタッチセンサが、誤って較正されることがある。これは、ユーザの指(または別の物体)が最初に制御部と接触したときに、タッチセンサが第1のデジタル化された近接値(例えば、任意の単位で1000の値)を測定することが理由であり、ユーザが制御部を触れることから強く押すことに移行するときに、ユーザの指は、通常、制御部の上面に広がり、それによって、指は、押す前よりも広い面積を覆う。さらに、制御部の上面は、ユーザの指が制御部を押すときに、制御部本体に向かって内側に偏向することさえもできる。このことが、制御部に加えられた圧力に基づいて、タッチセンサによって測定されたデジタル化された値を変化させる。例えば、ユーザが制御部を押すとき、タッチセンサは、ユーザが押すことなく制御部に触れていたときに測定された第1のデジタル化された近接値(例えば、1000の値)よりも著しく大きな第2のデジタル化された近接値(例えば、任意の単位での1500の値)を測定することができる。この現象は、ユーザが制御部を押すとき(特に繰り返し行われるとき)、較正アルゴリズムが、より高いデジタル化された近接値(例えば、1500の値がユーザが制御部を押すときの値であるとき)を、ユーザが押すことなく制御部に触れることに対応する高レベル値であると解釈するため、タッチセンサの較正に悪影響を及ぼす可能性がある。続いて、この誤った高レベル値に再較正した後、ユーザは加えられた圧力を緩め、制御部を押さずに触れるように戻すことができる。この時点で、較正アルゴリズムは、デジタル化された近接値を、実際には、ユーザが依然として制御部に触れている可能性があるときに、ユーザの指が制御部から離れることを示す値として解釈する。この誤った較正は、制御部のタッチセンサに対する較正追跡を伴うハンドヘルドコントローラを使用するシステムの操作性に悪影響を及ぼし得る。例えば、VRアプリケーションでは、ディスプレイ画面上に示されるユーザの仮想的な手は、ハンドヘルドコントローラのユーザが、仮想物体を落とすことを意図しないとき(例えば、ユーザは依然としてハンドヘルドコントローラを掴むことができる)、仮想物体を落とし得る。別の例として、ユーザは、少ない量で彼らのグリップを解放することを意図し得る(例えば、硬い握りから軽い握りへと移行すること)が、VRアプリケーションは、ユーザが仮想物体を解放していること(これは、わずかな圧力解放であって、ユーザが意図したものではない)としてタッチセンサデータを解釈し得る。
【0014】
これらおよび他の問題に対処するために、少なくとも制御部のタッチに対応する高レベル値に関して、制御部に関連付けられたFSRによって検出され得る、ユーザが力の閾値を上回る量でハンドヘルドコントローラの制御部を押すことに応答して、タッチセンサの較正調節を一時停止するために使用され得る例示的なセンサ融合アルゴリズムが、本明細書に開示されている。すなわち、センサ融合アルゴリズムは、静電容量センサなどのタッチセンサの出力の改善を促進するために、FSRによって提供された力データを使用することができる。例えば、ハンドヘルドコントローラの論理は、基準が満たされていることに応答して、タッチセンサに関連付けられた制御部に接触する物体を示す高レベル値を調節することによって、タッチセンサの較正調節を実行することができる。論理はさらに、第1のデジタル化されたFSR値が、物体が制御部に接触していることから物体が制御部を押していることへの移行を示す閾値を超えることを判定し得、閾値を超えていることに応答して、論理は、少なくとも高レベル値に対して、較正調節を一時停止することができる。続いて、第2のデジタル化されたFSR値が、物体が制御部を押していることから接触していることへの移行を示す閾値以下であると判定することに応答して、論理は、少なくとも高レベル値に対して較正調節を再開することができる。
【0015】
FSRによって提供された力データに基づいて、高レベル値に対するタッチセンサの較正調節を一時停止および再開することによって、物体(例えば、指)が力の閾値を超える量でハンドヘルドコントローラの制御部を押すときに、タッチセンサの高レベル値は、増加した値に較正されない。この一時停止技術は、ハンドヘルドコントローラの制御部に提供される入力の「ダブルカウント」を回避する。別の言い方をすると、ユーザが制御部に触れることから制御部を押すことに移行すると、制御部のFSRがタッチセンサ用に引き継ぐことができる。同様に、タッチセンサは、ユーザが制御部を押すことから、圧力を加えることなく制御部に触れることに移行すると、FSR用に逆方向に引き継ぐことができる。タッチセンサの高レベル値に対する較正調節を一時停止および再開するこの機構は、物体が制御部から間隔を空けている異なる状態、または物体が制御部を押している状態とは対照的に、物体が制御部に接触する状態に高レベル値が正しく対応することから、タッチセンサの較正を改善する。
【0016】
図1~4は、本開示の例示的な実施形態による、電子システム用のコントローラ100を図示する。コントローラ100は、VRビデオゲームシステム、ロボット、武器、または医療デバイスなどの電子システムによって利用され得る。コントローラ100は、ハンドル112を有するコントローラ本体110と、コントローラ100をユーザの手(例えば、ユーザの左手)の中に保持するための手保持具120と、を含み得る。ハンドル112は、任意選択的に実質的に円筒形であり得る、管状ハウジングを備える。この文脈において、実質的に円筒形の形状は、一定の直径、または完全に円形の断面を有する必要はない。
【0017】
図1~4の実施形態では、コントローラ本体110は、1つ以上の親指操作制御部114、115、116を任意選択的に含み得る、ヘッド(ハンドル112と遠位端111との間)を含み得る。例えば、チルトボタン、または任意の他のボタン、ノブ、ホイール、ジョイスティック、もしくはトラックボールは、コントローラ100がユーザの手の中に保持されている間に、通常動作中にユーザの親指によって簡便に操作され得る場合、親指操作制御部とみなされ得る。
【0018】
コントローラ100は、好ましくは、コントローラ本体110に固定され、かつ2つのノーズ132、134を任意選択的に含む、追跡部材130を含み、ノーズ132、134の各々が、追跡部材130の2つの対向する遠位端の対応する1つから突出している。図1~4の実施形態では、追跡部材130は、円弧形状を有する追跡弧であることが好ましいが、必須ではない。追跡部材130は、その中に配設された複数の追跡変換器を含み、好ましくは、少なくとも1つの追跡変換器が、各突出ノーズ132、134内に配設されている。追加の追跡変換器がコントローラ本体110内にも配設され得、好ましくは、少なくとも1つの遠位追跡変換器が遠位端111に隣接して配設されている。
【0019】
上記の追跡変換器は、電子システムによって放射される電磁放射線(例えば、赤外線)に応答する追跡センサであってもよく、またはそれらは、代替的に、電子システムによって受信される電磁放射線(例えば、赤外線)を放射する追跡ビーコンであってもよい。例えば、電子システムは、コントローラ100に向かってパルス化された赤外線を広くブロードキャスト、すなわち、描写する、VRゲームシステムであり得、追跡部材130の複数の追跡変換器が、ブロードキャストのパルス化された赤外線を受信するかまたはそれらから遮られ得る、赤外線センサである。各ノーズ132、134内の追跡変換器(例えば、各ノーズ内の3つのセンサ)は、好ましくは、追跡部材130の各遠位端上でユーザの手よりも突き出し、したがって、許容できない量のシャドーイングなしに、より広い角度で、電子システムによって放射される電磁放射線を受信するか、または電子システムに電磁放射線を送信するように、より良好に露出される(ユーザの手の周囲で)。
【0020】
好ましくは、追跡部材130およびコントローラ本体110は、硬質プラスチックなどの実質的に剛性の材料で作製され、それらが互いに対して感知できるほどに並進または回転しないように、しっかりと共に固定される。このようにして、空間内における追跡変換器の配置の並進および回転の追跡は、互いに対する追跡変換器の動きによって複雑にならないことが好ましい。例えば、図1~4に示されるように、追跡部材130は、2つの場所でコントローラ本体110に結合されることによってコントローラ本体110に固定され得る。手保持具120は、それらの2つの場所に隣接してコントローラ100(コントローラ本体110または追跡部材130のいずれか)に取り付けられて、2つの位置の間でハンドル112の外面に対してユーザの手のひらを付勢し得る。
【0021】
ある特定の実施形態では、追跡部材130およびコントローラ本体110は、一緒に組み立てられるのではなく、材料の連続性を有する一体的なモノリシック構成要素を含み得る。例えば、追跡部材130およびコントローラ本体110は、単一の射出成形プロセス工程によって一緒に成形され得、追跡部材130およびコントローラ本体110の両方を含む1つの一体的な硬質プラスチック構成要素を結果的にもたらし得る。あるいは、追跡部材130およびコントローラ本体110は、最初に別々に製作され、次いで、一緒に組み立てられてもよい。いずれにせよ、追跡部材130は、コントローラ本体110に固定されているとみなされ得る。
【0022】
手保持具120は、図1に開位置で示される。手保持具120は、湾曲した弾性部材122によって開位置で任意選択的に付勢されて、ユーザがVRゴーグルによって閉塞された視界でコントローラを掴むときに、手保持具120とコントローラ本体110との間へのユーザの左手の挿入を容易にし得る。例えば、湾曲した弾性部材122は、任意選択的に、弾性的に曲がる可撓性金属片であってもよく、または実質的に弾性的に曲がり得るナイロンなどの代替的なプラスチック材料を含んでもよい。湾曲した弾性部材122は、ユーザの快適さのために、任意選択的に、部分的または完全に、クッションまたは布材料124(例えば、ネオプレンシース)に対して内部にあるか、またはそれらによって被覆され得る。あるいは、クッションまたは布材料124は、ユーザの手に面する湾曲した弾性部材122の側部のみに配設(例えば、接着)され得る。
【0023】
手保持具120は、任意選択的に、例えば、ばね付勢された輪止め128によって締められる引きひも126を含むことによって長さを調節可能であり得る。引きひも126は、ランヤードとして使用され得る余分な長さを任意選択的に有し得る。シース124は、任意選択的に、引きひもに取り付けられ得る。ある特定の実施形態では、湾曲した弾性部材122は、締められた引きひも126の張力によって予荷重を与えられ得る。そのような実施形態では、湾曲した弾性部材122が手保持具120に与える張力(開位置で手保持具120をバイアスするための)は、引きひも126が締められていないときに手保持具を自動的に開かせる。本開示はまた、止め具、弾性バンド(手の甲に対して押し当てるように弾性張力を加えるように、手が挿入されると一時的に伸びる)、長さ調整を可能にするフック&ループストラップアタッチメントなどの、手保持具120の長さを調節するための代替的な従来の手法も企図する。
【0024】
手保持具120は、ハンドル112と追跡部材130との間に配設され、ユーザの手の甲に接触するように構成され得る。図2は、ユーザの左手がコントローラ100の中に挿入されているが、コントローラ本体110を掴んでいない、操作中のコントローラ100を示す。図2では、手保持具120は、ハンドル112の外面に対してユーザの手のひらを物理的に付勢するように、閉じられ、手を覆って締め付けられている。そのようにして、手保持具120は、閉じられたとき、手がコントローラ本体110を掴んでいないときでも、コントローラ100を手に保持し得る。図3および4は、手保持具120が閉じられ、手がコントローラ本体110を掴み、親指が親指操作制御部(例えば、トラックパッド116)のうちの1つ以上を操作しているときの操作中のコントローラ100を図示する。
【0025】
コントローラ本体110のハンドル112は、好ましくは、その外面の周囲に部分的または完全に空間的に分散されている近接センサのアレイを含む。アレイの近接センサは、必ずしも等しいサイズではなく、必ずしもそれらの間に等しい間隔を有していないが、アレイは、グリッドを含み得る。近接センサのアレイは、好ましくは、ハンドル112の外面へのユーザの指の近接度に応答する。例えば、近接センサのアレイは、ハンドル112の外面の下に埋め込まれた複数の静電容量センサであり得、その外面は、電気絶縁材料を含む。そのような静電容量センサのアレイとユーザの手の一部分との間の静電容量は、それらの間の距離と逆相関する。静電容量は、RC発振器回路を静電容量センサアレイの素子に接続し、かつ回路の時定数(したがって、発振の周期および周波数)が静電容量によって変化することになる点に留意することによって検知され得る。このようにして、回路は、ハンドル112の外面からのユーザの指の解放を検出し得る。
【0026】
手保持具120(例えば、手保持ストラップ)がしっかりと閉じられているとき、それは、コントローラ100が手から落ちることを防止するのみならず、ハンドル112の近接センサアレイに対して指が過度に並進することを避けて、指の動きをより確実に検知するように機能し得る。電子システムは、制御されたキャラクタの手を開くこと、指の向き、またはコントローラに対するもしくは互いに対する指の他の動きをレンダリングするために、近接センサアレイからの検知をより良好に使用するために、解剖学的に可能な指の動きを具現化するアルゴリズムを含み得る。このようにして、ユーザのコントローラ100および/または指の運動は、VRゲームシステム、防衛システム、医療システム、産業用ロボットもしくは機械、または別のデバイスを制御することを助け得る。VRシステムアプリケーション(例えば、ゲーム、訓練など)では、システムは、追跡変換器の運動に基づいて投げ出す動きをレンダリングし得、コントローラのハンドルの外面からのユーザの指の検知された解放に基づいて、投げ出された物体の解放をレンダリングし得る。
【0027】
したがって、手保持具120の機能(コントローラ100が実際に手から分離されることなく、または床に投げ出されるかもしくは落とされることなく、ユーザがコントローラ100を「手放す」ことを可能にするための)は、制御された電子システムの追加の機能を可能にし得る。例えば、コントローラ本体110のハンドル112のユーザの掴むことの解放および復帰が検知される場合、そのような解放または掴むことは、投げ出すかまたは掴む物体を表示する(例えば、VR内で)ようにゲーム内に組み込まれ得る。手保持具120は、そのような機能が繰り返しかつ安全に達成されることを可能にし得る。例えば、図1~4の実施形態の手保持具120の場所は、例えば、ユーザがVR環境内で検知されたプロンプトに応答して動くとき(例えば、VRゴーグルによって実質的に盲目化されながら)、追跡部材130が現実世界における衝撃からユーザの手の甲を保護することを助け得る。
【0028】
ある特定の実施形態では、コントローラ100は、コントローラ本体110内に配設された充電式電池を含み得、手保持具120(例えば、手保持ストラップ)は、充電式電池に電気的に連結された導電性充電配線を含み得る。コントローラ100はまた、好ましくは、電子システムの残部と通信するための高周波(RF)送信機も含む。そのようなRF送信機は、充電式電池によって給電され得、親指操作制御部114、115、116、コントローラ本体110のハンドル112内の近接センサ、および/または追跡部材130内の追跡センサに応答し得る。
【0029】
図5に示されるように、ある特定の実施形態では、コントローラ100は、類似の右コントローラ200を含む一対のコントローラのうちの左コントローラであり得る。ある特定の実施形態では、コントローラ100および200は、例えば、VR経験を増強するために、ユーザの両手の動きおよび握りを同時に(一緒に)追跡し得る。
【0030】
図6Aは、本開示の別の例示的な実施形態による右手コントローラ600の正面図を図示する。図6Bは、右手コントローラ600の背面図を図示する。コントローラ600は、ヘッド610およびハンドル612を含むコントローラ本体を有する。図6A~6Bの実施形態では、ヘッド610は、少なくとも1つの親指操作制御部A、B、608を含み、人差し指によって操作されるように構成された制御部(例えば、トリガ609)も含み得る。ハンドル612は、外側シェル640によって部分的に包まれた管状ハウジングを備える。
【0031】
図6A~6Bの実施形態では、追跡部材630は、ヘッド610で、かつハンドル612の一端でコントローラ本体に固定される。手保持具620は、ヘッド610とハンドル612の一端との間の外側シェル640に対してユーザの手のひらを物理的に付勢するように構成される。手保持具620は、好ましくは、ハンドル612と追跡部材630との間に配設され、長さが調節可能であり、かつユーザの手の甲に接触するように構成される、手保持ストラップを備え得る。図6A~6Bの実施形態では、手保持具620は、引きひも628を任意選択的に含み、任意選択的に、ひも係止部626(ハンドル612の遠位端に隣接する)によって長さが調節可能であり得、ひも係止部626は、ひも係止部626の場所で引きひも628によって摺動する動きを選択的に防止する。
【0032】
図6A~6Bの実施形態では、追跡変換器632、633は、追跡部材630上に配設され、追跡変換器633は、追跡部材630の対向する遠位端の突出するノーズ上に配設される。追加の追跡変換器634は、ヘッド610の遠位領域上に任意選択的に配設される。追跡変換器632、633、および634は、電子システム(例えば、仮想現実ゲームシステム)によって放射される電磁放射線(例えば、赤外線)に応答する追跡センサであってもよく、または電子システムによって受信される電磁放射線(例えば、赤外線)を放射する追跡ビーコンであってもよい。例えば、電子システムは、コントローラ600に向かってパルス化された赤外線を広くブロードキャスト、すなわち、描写する、VRゲームシステムであり得、追跡変換器632、633、および634は、ブロードキャストのパルス化された赤外線を受信し得る赤外線センサである。そのような追跡センサの応答は、電子システムに返信され得、システムは、そのような応答を解釈して、コントローラ600の場所および配向を効果的に追跡し得る。
【0033】
追跡変換器632、633、634のうちの1つ以上は、任意選択的に、図7Aの実施形態に示されるように、または図7Bの実施形態に代替的に示されるように、または代替的に、示されない従来の手法で構造化され得る。図7Aの下側部分は、赤外線不透過性プラスチックを含む、上に設けられている窓付きハウジング壁755の長方形部分の下に示される、可撓性回路751に電気的に接続されている赤外線センサ750の分解斜視図を図示する。窓付きハウジング壁755は、窓756を含む。窓756は、好ましくは、赤外線透過性ポリカーボネートプラスチックを含み、赤外線センサ750の厚さを収容するための下側凹部を含み得る。
【0034】
図7Aの実施形態によると、窓付きハウジング壁(例えば、追跡部材630の外側構造、または図6Aのヘッド610)は、ハウジング壁の大部分が、赤外線不透過性プラスチックから製作されるが、赤外線透過性プラスチックが、赤外線センサ750の上の窓756内に配設されるように、いわゆる「二連式」射出成形プロセスで製作され得る。
【0035】
図7Aの上側部分は、組み立てられた、赤外線センサ750、可撓性回路751、および窓付きハウジング壁755の断面図を図示する。上から窓756に入射する3つの下向き矢印として図7Aに示される赤外線は、下にある赤外線センサ750によって受光されるように窓756を通過する。ハウジング壁755は、赤外線不透過性プラスチックを含むため、それに当たる赤外線は、通過せず、一部分は、反射されて窓に戻り、赤外線センサ750によって受光される。このようにして、窓756は、ハウジング壁755の大部分が赤外線不透過性プラスチックを含むことにもかかわらず、赤外線が赤外線センサ750に影響を与えることを可能にし、そのため、赤外線センサ750は、好ましい角度範囲のみから赤外線を受光する。
【0036】
あるいは、追跡変換器632、633、634のうちの1つ以上は、任意選択的に、図7Bの実施形態に示されるように構造化され得る。図7Bの下側部分は、IR透過性プラスチックを含む、上に設けられているハウジング壁758の長方形部分の下に示される、可撓性回路751に電気的に接続されている赤外線センサ750の分解斜視図を図示する。ハウジング壁758は、窓759(赤外線不透過性フィルム757が存在しない)を含むようにパターン化されている赤外線不透過性フィルム757で被覆される。
【0037】
図7Bの上側部分は、組み立てられた、赤外線センサ750、可撓性回路751、ハウジング壁758、およびIR不透過性フィルム757の断面図を図示する。上からハウジング壁758に入射する3つの下向き矢印として図7Bに示される赤外線は、赤外線不透過性フィルム757内の窓759を通過し、そこでハウジング壁758を通過して、下にある赤外線センサ750によって受光される。ハウジング壁758が赤外線透過性プラスチックを含むため、それに当たる赤外線は、その中を通過して失われ得、おそらく、内部反射を介して意図せず、かつ望ましくなく、近くのセンサにも到達する場合がある。このようにして、赤外線不透過性フィルム757内の窓759は、赤外線が、赤外線センサ750に主に影響を与えることを可能にする。
【0038】
図8は、右手コントローラ600の側面図を示し、ハンドル612の管状ハウジングを部分的に包む外側シェル640が分解されて、その内面上の器具類を明らかにしている。図8の実施形態では、器具は、外側シェル640の内面に空間的に分散される近接センサのアレイ800を含み得、近接センサのアレイ800は、ユーザの指の外側シェル640の近接度に応答する。アレイの近接センサ800は、必ずしも等しいサイズではなく、互いに規則的または均等に間隔を有する必要もない。ある特定の実施形態では、近接センサのアレイ800は、好ましくは、外側シェル640の内面に結合されている可撓性回路に接続され得る複数の静電容量センサであり得る。図8の実施形態では、外側シェル640は、ハンドル612の嵌合する第2の電気コネクタ部分に接続され得る(図9A~9Bにより詳細に示されるように)第1の電気コネクタ部分805を含む。
【0039】
図9A~Bは、コントローラのハンドルが、任意選択的に、継目613によって長手方向に分割されている管状ハウジング部分612a、612bを含み、管状ハウジング部分612aおよび612bが隣接することを示す、図6Aの右手コントローラ600の断面を図示する。図9Aでは、外側シェル640は、ハンドルの残部から分解されて示される。図9Bは、外側シェル640がその通常動作位置に取り付けられている点で異なる、図9Aの断面を図示する。図9A~9Bの実施形態では、外側シェル640の第1の電気コネクタ部分805は、コントローラハンドルの第2の電気コネクタ部分905に嵌合し、接続可能であるように示される。
【0040】
図9A~9Bの実施形態では、外側シェル640は、好ましくは、長手方向の継目613と重なるように管状ハウジング612a、612bを部分的に包み、その結果、長手方向の継目613は、近接センサアレイ800の所望の円周方向の場所に適応するのではなく、製造プロセスを最適化するように位置付けられ得る。ある特定の実施形態では、外側シェル640は、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの円周部分Cと重なり、円周部分Cは、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの全円周の少なくとも100度、ただし170度以下で角度的に広がる。そのような円周方向の重なりは、ある特定の実施形態では、近接センサアレイ800が、ユーザの指または手のひらの所望の部分、例えば、掴むことを最良に示す手の領域の近接度を検知することを可能にし得る。
【0041】
ハンドルの管状ハウジング612a、612bは、円形断面を有する必要はなく、単語「円周」は、本明細書では、ハンドルの管状ハウジング612a、612bが円形断面を有するか否かにかかわらず、使用される。本明細書では、「円周」という用語は、ハンドルの管状ハウジング612a、612bを中心とした全周を意味し、全周は、管状ハウジング612a、612bが直円筒である場合、円形であり得るが、全周は、管状ハウジングが非円柱または中空プリズムとして成形される場合、円以外の閉じた形状であり得る。
【0042】
図9A~9Bの実施形態では、プリント基板(PCB)920は、ハンドルの管状ハウジング612a、612b内に装着され得、第2の電気コネクタ部分905は、PCB920に電気的に連結される。PCB920は、任意選択的に、力検知抵抗器(FSR)922を含み、コントローラは、外側シェル640を介して加えられた圧縮力を、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの外側に向かってFSR922に内向きに伝達するプランジャ924をさらに備え得る。ある特定の実施形態では、FSR922は、近接センサアレイ800と併せて、ユーザによる掴むことの開始、およびユーザによるそのような掴むことの相対的強度の両方の検知を容易にし得、このことは、ある特定のゲームプレイ特徴を容易にし得る。
【0043】
ある特定の実施形態では、外側シェル640は、ハンドルの管状ハウジング部分612aまたは612bのハウジング壁厚さの3分の1未満であるシェル厚さ(図9A~9Bで半径方向に測定される)を有する。これらの実施形態では、そのような厚さの不等性は、近接センサアレイ800がハンドルの管状ハウジング612a、612bの上または中に配設される代替的な実施形態と比較して、近接センサアレイ800の感度を改善し得る。
【0044】
図10Aは、部分的に閉じられた手保持具220(例えば、手保持ストラップ)を伴う、本開示の別の例示的な実施形態による右手コントローラ200の正面図を図示する。図10Bは、手保持具220が全開である点で異なる、コントローラ200の正面図を図示する。図10A~10Bの実施形態では、コントローラ200は、ヘッド210およびハンドル212を有するコントローラ本体を含む。ヘッド210は、コントローラ200のネック領域211でハンドル212に隣接する。ハンドル212は、好ましくは、その外面のすぐ下に空間的に分散され、好ましくは、ハンドル212の外面へのユーザの指の近接度に応答する近接センサのアレイを含む。
【0045】
図10A~10Bの実施形態では、ヘッド210は、親指操作制御部A、B、および208を含む。コントローラ200はまた、ヘッド210で、かつハンドル212の一端でコントローラ本体に好ましくは固定される、追跡部材230を含む。追跡部材230は、好ましくは、電子システムによって放射される電磁放射線(例えば、仮想現実ゲームシステムによって放射されるパルス化された赤外線)に応答するセンサ、または電子システムによって受信される電磁放射線を放射する追跡ビーコンであり得る、複数の追跡変換器を含む。図10A~10Bの実施形態では、追跡部材230は、円弧形状を有する追跡弧であることが好ましいが、必須ではない。手保持具220は、好ましくは、ハンドル212と追跡弧230との間に配設される。
【0046】
図10A~10Bの実施形態では、コントローラ200は、引きひも228、およびハンドル212の遠位端に隣接するひも係止部226を含む。ひも係止部226は、ひも係止部226における引きひも228による摺動する動きを選択的に防止し得る。図10Aの実施形態では、引きひも228がひも係止部226をさらに越えて漸進的に引っ張られると、手保持具220は、閉位置により強く引き込まれる(図10Aに図示される動きの矢印によって示されるように)。閉位置は、ハンドル212の外面に対してユーザの手のひらを物理的に付勢する。
【0047】
図10A~10Bの実施形態では、手保持具220は、好ましくは、図10Bに示される開位置に向かって手保持具220を付勢する弾性部材(例えば、金属片などの内部または外部の弾性変形可能な片)を含む。図10Bの実施形態では、ユーザがひも係止部226に引きひも228の相対的な摺動を選択的に解放および許容させるとき、弾性変形された弾性部材の直線化に向かう予荷重の付勢は、手保持具220を自然に開かせる(図10Bに図示される動きの矢印によって示されるように)。開位置は、特にユーザの視界が仮想現実ゴーグルの装着によって妨げられ得るときに、ユーザの手をコントローラ200に挿入するかまたはそこから引き出すことを容易にし得る。
【0048】
図11Aは、ヘッド210を中心としてその周囲を動くように調節され得る手保持具アンカー302を含む、コントローラ200のヘッド210およびハンドル212の構成要素の正面図を図示する。図11Bは、ヘッド210を中心としたその周囲の手保持具アンカー302の選択的調節を容易にし得る係止可能なカラー部分311を露出するように面板がヘッド210から取り外された点で異なる、ヘッド210およびハンドル212の構成要素を図示する。
【0049】
図11Bの実施形態では、係止可能なカラー部分311は、内部円弧ガイド315によって画定される円弧経路に沿って並進し得る。係止可能なカラー部分311は、ユーザによって選択的に係止されて、ヘッド210の周囲を中心としたアンカー302のさらなる運動を防止し得る。ここで、図4および10A~11Bを参照すると、手保持具220の弾性部材は、ヘッド210の手保持具アンカー302に取り付けられ、これは、手保持具220が、ユーザの第1指間腔(purlicue)(ユーザの親指と人差し指との間)に向かってまたはそこから離れて調節されることを可能にする。ある特定の実施形態では、手保持具220の弾性部材は、好ましくは、枢動するかまたは回転可能なアタッチメントによってヘッド210の手保持具アンカー302に取り付けられ、それにより、手保持具220は、アタッチメントの場所で手保持具アンカー302に対して枢動し得る。そのような自由度は、ヘッド210の周囲を中心として手保持具アンカー302の位置の調節可能性に付加的である。
【0050】
図12A、12B、および12Cは、ネック領域411内のヘッドに接合されたヘッド410およびハンドル412を含むコントローラ本体を有する部分的に組み立てられたコントローラ400の代替的な実施形態を図示する。図12A~12Cの代替的な実施形態では、コントローラ本体は、ネック領域411に隣接して配設されたチャネル414を含む。チャネル414が部分的に不明瞭にならないように図12Aに示されていない手保持具は、チャネル414内に延在する突起425内で終端する弾性部材420を含む。
【0051】
図12Bおよび12Cの実施形態では、突起425は、手保持具が閉位置にあるとき、チャネル414内の突起の長手方向運動を防止するキャッチ427を含む。例えば、図12Cの実施形態では、キャッチ427は、手保持具突起425の相対角度が手保持具の閉位置に対応するとき、すなわち、手保持具の閉位置が弾性部材420に張力を結果的にもたらすとき(例えば、図12Cの断面に示される下向き方向で)、チャネル414の内面との摩擦を増加させるカムである。
【0052】
対照的に、手保持具突起425が、手保持具の開位置に対応する相対角度に回転されるとき(例えば、図12Cの断面に示される上向き方向で)、キャッチ427とチャネル414との間の摩擦が低減され、手保持具突起425は、チャネル414内で並進され得る(図12Bに示される動きの矢印によって示されるように)。チャネル414は、好ましくは、チャネル414に沿った手保持具突起の並進が、好ましくは、ユーザの手の第1指間腔に向かってまたはそこから離れて手保持具突起425の相対位置を調節するように配向され、例えば、それにより、コントローラ400が異なる手のサイズまたは指の長さに適応し得る。代替的な実施形態では、手保持具突起425は、従来の枢動接合によって手保持具の残部に枢動可能に取り付けられ得る。そのような回転自由度は、チャネル414に沿った手保持具突起425の調節可能な並進に付加的である。
【0053】
図13A~Cは、本開示の例示的な実施形態による力検知抵抗器(FSR)1300の異なる図を図示する。図13CのFSR1300の断面に示されるように、FSR1300は、ポリイミドで作製された第1の基板1302を含み得る。FSR1300は、第1の基板1302上(またはその上方)に配設された第2の基板1304をさらに含み得る。第1の基板1302および第2の基板1304は、2層FSR1300とみなされ得る、FSR1300の2つの主基板(または層)であるとみなされ得るが、本明細書により詳細に説明されるように、FSR1300が追加の層を含むことを理解されたい。この文脈では、第1の基板1302は、FSR1300の2つの主基板に対して「底部」または「ベース」基板とみなされ得るが、第1の基板1302の裏(または下)(すなわち、図13Cに図示される、負のZ方向に)に材料の層が存在し得ることを理解されたい。
【0054】
第1の基板1302は、第1の基板1302の前面(すなわち、正のZ方向に面する表面)上に配置された導電性材料を有する。図14を参照してより詳細に説明されるように、この導電性材料は、複数の櫛形金属フィンガを含み得る。一方、第2の基板1304(場合によっては、抵抗性「膜」と呼ばれる)は、第2の基板1304の裏面(すなわち、負のZ方向に面する表面)上に配設された抵抗性材料を有する。この抵抗性材料は、ある程度の電気抵抗(例えば、300キロオーム(kOhm)/スクエア(kOhm/sq)~400kOhm/sq)の範囲内の比較的高いシート抵抗)呈する、インク組成物(例えば、銀インク、炭素インク、それらの混合物など)などの半導体材料であり得る。好ましくは、第2の基板1304のシート抵抗は、350kOhm/sqであるが、FSR1300が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用されるときなど、本明細書に指定されるシート抵抗範囲外のものを含む他のシート抵抗値が使用されてもよいことを理解されたい。したがって、本明細書に指定されるシート抵抗範囲(複数可)は、非限定的であると理解されるべきである。いくつかの実施形態では、第2の基板1304は、抵抗性材料が第2の基板1304の裏面に配設されたマイラで作製され得る。いくつかの実施形態では、第2の基板1304は、裏面上に抵抗性材料(例えば、導電性インク組成物)を有するポリイミドで作製される。第2の基板1304にポリイミドを使用する例示的な利点は、リフロー炉を使用して量産され得るFSR1300を作成することであり、一方、マイラは、そのような高温に耐えることができなかった。
【0055】
FSR1300は、第2の基板1304の中心部分が第1の基板1302の上に懸架され、そこから一定の距離だけ間隔を有するように、第1の基板1302と第2の基板1304との間に介在する1つ以上のスペーサ層を含み得る。図13Cは、非限定的に、第1の基板1302の周囲に第1の基板1302上に配設されたカバーレイ1306と、カバーレイ1306上に配設された接着剤の層1308と、を含む、2つのスペーサ層を示す。カバーレイ1306は、ポリイミドで作製され得、したがって、第1の基板1302と同じ材料であり得る。カバーレイ1306の厚さ(Z方向で測定される)は、10ミクロン~15ミクロンの範囲内であり得る。接着剤1308の層の厚さ(Z方向で測定される)は、50ミクロン~130ミクロンの範囲内であり得る。それゆえに、第2の基板1304が第1の基板1302から離間する総距離は、1つ以上のスペーサ層の厚さの合計(例えば、カバーレイ1306の厚さに接着剤の層1308の厚さを加えたもの)であり得る。これらの層は、FSR1300が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用されるときなどでは、本明細書に指定される厚さ範囲外にある厚さで提供されてもよい。したがって、これらの厚さ範囲は、非限定的であると理解されるべきである。
【0056】
アクチュエータ1310(ディスク形状の順応性プランジャなど)は、第2の基板1304上に配設され得、力Fを第2の基板1304の前面上に伝達するように構成される。アクチュエータ1310は、アクチュエータ1310の上に力を加えると、ある程度変形する順応性材料であるポロンで作製され得る。アクチュエータ1310は、加えられた力Fを中心に置くために、FSR1300の活性エリアの中心と同心であり得る。アクチュエータ1310はまた、FSR1300の活性エリアのその部分にわたって、加えられた力Fを均等に分散させるために、FSR1300の活性エリアの一部分に広がる。
【0057】
第2の基板1304の厚さ(Z方向で測定される)は、50ミクロン~130ミクロンの範囲内であり得る。この例の厚さでは、第2の基板1304は、可撓性である。例えば、第2の基板1304は、上記の範囲内の厚さで可撓性である、マイラで作製され得る。FSR1300の機能的動作は、アクチュエータ1310に加えられた圧縮力Fの下で、第2の基板1304の裏面上の抵抗性材料が、第1の基板1302の前面上の導電性材料と接触するために、第2の基板1304の可撓性に依存する。第1の基板1302の厚さ(Z方向で測定される)は、20ミクロン~30ミクロンの範囲内であり得る。この厚さでは、ポリイミドもまた、可撓性である。したがって、第1の基板1302もまた、可撓性である。一方、アクチュエータ1310の厚さ(Z方向で測定される)は、780ミクロン~810ミクロンの範囲内であり得る。これらの層は、FSR1300が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用されるときなどでは、本明細書に指定される厚さ範囲外にある厚さで提供されてもよい。したがって、これらの厚さ範囲は、非限定的であると理解されるべきである。
【0058】
FSR1300は、アクチュエータ1310に加えられた可変力Fに応答して、様々な抵抗を呈し得る。例えば、アクチュエータ1310上の力Fが増加すると、抵抗は減少する。このようにして、FSR1300は、値が加えられた力Fによって制御される可変抵抗として扱われ得る。FSR1300は、「シャントモード」FSR1300または「スルーモード」FSR1300であり得るが、好ましくは、シャントモードFSR1300である。シャントモードFSR1300によると、第1の基板1302の前面上に配設された導電性材料は、複数の櫛形金属フィンガの形態であり得る。力Fがアクチュエータ1310の前面(または上面)に加えられると、第2の基板1304の裏面上の抵抗性材料は、金属フィンガをシャントする櫛形金属フィンガのいくつかと接触し、それによって、FSR1300の出力端子にわたって抵抗を変化させる。スルーモード実装形態では、第1の基板1302上の導電性材料は、導電性材料上に配設された半導体(または抵抗性)材料を有する導電性材料の固体エリアであり得、第2の基板1304は、同様の構造(例えば、導電性材料の固体エリアが、その上に配設された半導体(または抵抗性)材料を有する)を有し得る。各基板(1302および1304)上の導電性材料の固体エリアは、個々の出力端子に連結され、励磁電流は、2つの基板(1302および1304)が、加えられた力Fの下で接触するときに、1つの層を通って他方の層まで通過し得る。
【0059】
少なくとも好ましいシャントモード実装形態では、FSR1300抵抗が加えられた力Fの関数としてプロットされる、力対抵抗応答曲線は、VRシステムのコントローラ100/600で使用するための望ましい特性を呈する。例えば、FSR1300の応答曲線は、底部基板の材料としてマイラを使用するものなどの従来のFSRと比較して、より低いヒステリシスおよびより高い再現性(1つのFSR1300から別のFSR1300まで)を呈し得る。負荷ヒステリシスは、現在のFSR1300抵抗に対する以前に加えられた力の影響を説明する。応答曲線はまた、単調であり、仮想岩を粉砕する、仮想バルーンを握るなどの、VRゲームシステム内のいくつかのゲームの仕掛けのために利用され得る、真のアナログ入力をモデル化する。本明細書の例は、加えられた力Fを説明するが、FSR1300は、実際には、小さい点対第2の基板1304の前面上のより大きい面積で加えられた等量の力が、FSR1300の異なる抵抗応答を結果的にもたらすことになるため、加えられた圧力(力×面積)に敏感であることを理解されたい。したがって、アクチュエータ1310は、加えられた力Fの下の応答曲線の観点から、FSR1300にわたって再現性を維持する役割を果たす。
【0060】
図14は、FSR1300を構築する例示的なプロセスの進行段階におけるFSR1300の様々な正面図を図示する。図14の段階1では、複数の櫛形金属フィンガ1400が、ポリイミドの第1の基板1302の前面上に形成され得る。金属フィンガ1400は、導電性である。金属フィンガ1400に使用される例示的な導電性金属は、1/3オンスのHA銅などの銅である。この銅はまた、金めっき処理され得る。複数の櫛形金属フィンガ1400は、減法的製造プロセスを使用して形成され得る。例えば、段階1の前に、ポリイミドの第1の基板1302は、その前面に配設された銅箔層と共に形成され得、銅箔層は、図14の段階1に示される櫛形金属フィンガ1400のパターンを作成するために、エッチングされ得る(例えば、銅材料片を除去することによって)。エッチングされたパターンのサイズおよび間隔は、0.2ミリメートル(mm)である、隣接する金属フィンガ1400の対の間の距離(Y方向で測定される)、および0.2mmである、複数の櫛形金属フィンガ1400の各金属フィンガの幅(Y方向で測定される)を作成するように選択され得る。このフィンガ幅およびフィンが間の間隔は、FSR1300の最大感度と最小製造エッチング公差との間の最適なバランスを提供し得る。金属フィンガ1400の均一なパターンが図14に示されるが、他の不均一なパターン(例えば、中心に向かってより密度の高いフィンが、および外側に向かってより密度の低いフィンが)が用いられてもよいことを理解されたい。図14は、2組の櫛形金属フィンガ1400を示し、各々が、第1の出力端子1402(1)および第2の出力端子1402(2)を有する2端子FSR1300の出力端子1402(またはリード)につながる。
【0061】
上述されたように、金属フィンガ1400を構成する銅は、金めっき処理され得る。したがって、櫛形金属フィンガ1400のパターンをエッチングした後、金めっきの層が、金めっき処理されたフィンガを作成するために銅フィンガ上に堆積され得る。したがって、図14の段階1に示される複数の櫛形金属フィンガ1400は、金めっき処理されたフィンガを表し得る。金めっきは、無電解ニッケル浸漬金(ENIG)であり得る。特に、金めっきの前に、ベース層の銅の上に追加の銅めっきは存在しなくてもよい。追加の銅めっきは、一般に、多層可撓性基板にビアを追加するときに、ベース層の銅の上に適用される。しかしながら、金めっきの前にベース層の銅の上に追加の銅めっきを追加することは、実際には、金めっきの前にベース層の銅の上にいかなる追加の銅めっきを含まない開示されたFSR1300と比較して、検出される抵抗の望ましくない増加を引き起こし得る。したがって、金めっきの前の金属フィンガ1400上におけるあらゆる追加の銅めっきを省略することは、FSR1300で最適な感度を達成する。したがって、金属フィンガ1400を構成する銅箔層は、金属フィンガ1400が金材料でめっき処理される時点で露出されたままである。このようにして、金材料は、ベース層の銅と金めっきとの間に介在するいかなる追加の銅めっきもなしで、金属フィンガ1400のベース銅材料と直接接触する。
【0062】
図14の段階2では、カバーレイ1306が、第1の基板1302の周囲で第1の基板1302の上に堆積され得る。例えば、カバーレイ1306は、金属フィンガ1400の周囲部分を被覆するために環状の形状であり得、金属フィンガ1400の残部分は、堆積後にカバーレイ1306によって被覆されていないままである。カバーレイ1306は、ポリイミドで作製され得る。
【0063】
図14の段階3では、接着剤の層1308は、金属フィンガ1400の残部分(カバーレイ1306によって被覆されていないままの金属フィンガ1400の部分)が、接着剤1308の層によっても被覆されていないままになるように、カバーレイ1306の上に堆積され得る。例えば、接着剤の層1308は、接着剤の層1308がカバーレイ1306の実質的な部分を覆い、かつ接着剤の層1308がFSR1300の活性エリアを被覆しないように、C字形であり得る。FSR1300の「活性エリア」は、直径Bを有するように図14の段階3に示される。さらに、C字形である接着剤の層1308は、接着剤の層1308によって被覆されていないカバーレイ1306の区分を残し得る。カバーレイ1306のこの被覆されていない区分は、幅wを有するように図14の段階3に示される。第2の基板1304が第1の基板1302の上面に配置された後、カバーレイ1306のこの被覆されていない区分は、空気が第1の基板1302と第2の基板1304との間の空間から入るおよび/または出ることを可能にする空隙を作成し、この空隙は、大気圧の変化に起因するセンサ間応答変動を防止し得る。空隙(すなわち、カバーレイ1306の被覆されていない区分)の幅wは、1mmであり得、これは、加えられた力の下で接触した表面積の対称性を保存するのに十分に小さく、かつ空気が空隙を通って入る/出ることを可能にするのに十分に大きい。いくつかの実施形態では、接着剤の層1308は、3M(登録商標)Company of Maplewood、Minnesota製の467接着剤(すなわち、3M467接着剤)であり得る。カバーレイ1306および接着剤の層1308は、第2の基板1304を、懸架された様式で第1の基板1304から一定の距離だけ間隔を置くために、第1の基板1302の上に提供され得るスペーサ層の例を表す。上述のように、カバーレイ1306の厚さ(Z方向で測定される)は、10ミクロン~15ミクロンの範囲内であり得、接着剤の層1308の厚さ(Z方向で測定される)は、50ミクロン~130ミクロンの範囲内であり得る。好ましくは、接着剤の層1308の厚さは、非常に軽く加えられた力Fの下における初期応答(例えば、FSR1300が入力の検出を開始する)を可能にするために、可能な限り薄く作製される。しかしながら、これらの層は、FSR1300が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用される場合などでは、本明細書に指定される厚さ範囲外である厚さで提供されてもよい。したがって、これらの厚さ範囲は、非限定的であると理解されるべきである。
【0064】
段階4では、第2の基板1304が、第1の基板1302の上に提供され得る。段階4では、第2の基板1304の中心部分が、第1の基板1302と第2の基板1304との間に介在する1つ以上のスペーサ層(例えば、カバーレイ1306および接着剤の層1308)によって第1の基板1302の上に懸架される(図13C参照)。図14に示されていないが、図13A~Cに示されるように、アクチュエータ1310は、FSR1300の構築を完了するために、第2の基板1304の前面に取り付けられ得る。アクチュエータのサイズ(X-Y平面で測定される)は、FSR1300の活性エリアの80%(すなわち、図14の段階3に示される直径Bの80%)に広がり得る。例えば、ディスク形状のアクチュエータ1310は、0.8×Bに等しい直径を有し得る。いくつかの実施形態では、FSR1300の全体の直径は、14.5mmであり得る。この寸法では、活性エリアは、10.5mmの直径Bを有し得、これは、カバーレイ1306および接着剤の層1308が、第1の基板1302と第2の基板1304との間の2mmのリングとして堆積され得ることを意味する。この実施形態では、アクチュエータ1310は、8.4mm(すなわち、0.8×10.5mm)の直径を有し得る。
【0065】
FSR1300は、外力(または負荷)不在下で開回路であり得る。いくつかの実施形態では、ゼロまたは無視できる加えられた力の下における第1の基板1302および第2の基板1304の任意の接触を考慮するために、閾値回路は、第1の基板1302および第2の基板1304が「接触している」とみなされる閾値抵抗値を設定するために使用され得、このことは、2つの主基板(すなわち、1302および1304)が実際に接触している場合でも、閾値抵抗値が満たされるまでFSR1300が開回路であり得ることを意味する。
【0066】
図15は、本開示の別の実施形態による、FSR1300の例示的な層を図示する。図15は、正確な縮尺ではない。むしろ、図15は、材料の例示的な層を例示するために提示され、FSR1300の実際の断面図を表すことを意図しない。既出の図を参照して上記で説明されたように、FSR1300は、図15に示されるように、ポリイミドで作製された第1の基板1302、第1の基板1302の前面上に配設された金属フィンガ1400(すなわち、導電性材料)、および第1の基板1302上に配設された第2の基板1304を含み、1つ以上のスペーサ層が、第1の基板1302と第2の基板1304との間に介在し、この場合、上述のカバーレイ1306および接着剤の層1308を含む、2つの主基板の間に配設された多数のスペーサ層が存在する。アクチュエータ1310はまた、第2の基板1304上に配設される。
【0067】
図15の実施形態では、アクチュエータ1310は、ポロンから作製され得、794ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。アクチュエータ接着剤1500の層は、アクチュエータ1310を第2の基板1304に取り付けるために使用され得る。このアクチュエータ接着剤1500は、厚さ(Z方向で測定される)が70ミクロンであり得る。アクチュエータ接着剤1500に好適な接着剤は、Avery Dennison of Glendale、California製のFT8397接着剤である。図15の実施形態では、第2の基板1304の厚さ(Z方向で測定される)は、125ミクロンであり得る。第2の基板1304の裏面上の抵抗性材料のシート抵抗は、350kOhm/sqであり得る。接着剤の層1308は、3M MP467接着剤などの剥離接着剤であり得る。接着剤の層1308の厚さ(Z方向で測定される)は、50ミクロンであり得る。カバーレイ1306は、ポリイミドで作製され得、12.5ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。カバーレイ接着剤1502(例えば、両側に接着剤を有するポリエチレン)が、金属フィンガ1400の上の第1の基板1302の前面上にカバーレイ1306を取り付けるために使用され得る。カバーレイ接着剤1502は、25ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。金属フィンガ1400は、銅(例えば、金めっきされた銅)で作製され得、12.5ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。第1の基板1302は、25ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。
【0068】
感圧接着剤(PSA)1504が、第1の基板1302の裏面に取り付けられ得る。PSA1504は、3M 467MPであり得、50ミクロンの厚さを有し得る。PSAライナ1506が、PSA1504の上に配設され得、FSR1300を平坦表面に(例えば、コントローラ本体110の内側に装着された構造の平坦表面に)取り付ける前に剥離され得る。
【0069】
FSR1300のコネクタ部分では、補強ポリイミド1508が、補強接着剤1510を使用して第1の基板1302の裏面に取り付けられ得る。補強ポリイミド1508は、137.5ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得、コネクタ部分のさらなる耐久性のためにFSR1300のより硬いコネクタ部分を作成し得る。補強接着剤の厚さ(Z方向で測定される)は、25ミクロンであり得る。
【0070】
図15の実施形態は、本明細書に開示されるように、電子システム(例えば、VRシステム)用のコントローラ100/600のハンドル112/612内に装着される構造の平坦表面上に装着するために好適であるFSR1300を表し得る。FSR1300が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用されるときなど、図15を参照して指定されるもの以外の他の厚さ値、シート抵抗値、および/または材料が利用され得ることを理解されたい。したがって、これらの値および材料は、非限定的であると理解されることになる。
【0071】
図16は、本開示の別の実施形態による、FSR1300の例示的な層を図示する。図16は、正確な縮尺ではない。むしろ、図16は、材料の例示的な層を例示するために提示され、FSR1300の実際の断面図を表すことを意図しない。第1の基板1302に対して図16に示されるFSR1300および第1の基板1302の上の層(すなわち、正のZ方向)は、図15に示されるFSR1300と同様の構造を有し得る。図16は、第1の基板1302の下の層(すなわち、負のZ方向)で図15とは異なる。したがって、簡潔化の目的のために、第1の基板1302および上の層(すなわち、正のZ方向)は、図16のこれらの層についての図15の説明を参照することができるため、図16の第1の基板1302は、再び説明されない。
【0072】
図16の実施形態では、補強剤1600は、補強接着剤1510を使用して、FSR1300の主本体部分の下の第1の基板1302の裏面に取り付けられ得る。補強接着剤の厚さ(Z方向で測定される)は、図15の実施形態の場合のように、25ミクロンであり得るが、補強剤1600は、FSR1300の主本体部分の下に位置し、一方、補強剤ポリイミド1508は、FSR1300のコネクタ部分の下に位置する。さらに、補強剤1600は、図15の実施形態の補強剤ポリイミド1508よりも厚い、530ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有するFR4補強剤であり得る。プルタブ1602は、接着剤1604の層を使用して、補強剤1600の裏面に取り付けられ得る。接着剤の層1604は、3M MP467接着剤などのプルタブ接着剤であり得る。接着剤の層1604の厚さ(Z方向で測定される)は、50ミクロンであり得る。
【0073】
図16の実施形態は、本明細書に開示されるように、電子システム(例えば、VRシステム)用のコントローラ100/600の親指操作制御部116の下に装着される構造の平坦表面上に装着するために好適であるFSR1300を表し得る。FSR1300が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用されるときなど、図16を参照して指定されるもの以外の他の厚さ値、シート抵抗値、および/または材料が利用され得ることを理解されたい。したがって、これらの値および材料は、非限定的であると理解されることになる。
【0074】
図17は、本開示の別の実施形態による、FSR1300の例示的な層を図示する。図17は、正確な縮尺ではない。むしろ、図17は、材料の例示的な層を例示するために提示され、FSR1300の実際の断面図を表すことを意図しない。図17に示されるFSR1300の層のいくつかは、図15に示されるFSR1300と同様の構造を有し得る。しかしながら、図17は、図15とは、いくつかの態様で異なる。
【0075】
図17の実施形態では、第2の基板1304の厚さ(Z方向で測定される)は、127ミクロンであり得る。接着剤の層1308は、3M 468MP接着剤などの剥離接着剤であり得る。リフロー炉の高温に耐え得るFSR1300について、接着剤の層1308は、3M 9085または3M 9082などの剥離接着剤であり得る。接着剤の層1308の厚さ(Z方向で測定される)は、125ミクロンであり得る。いくつかの場合、接着剤1308の層の厚さは、50ミクロンであり得る。加えて、金属フィンガ1400は、RA銅で作製され得る。加えて、導電性材料1700は、第1の基板1302の裏面上に配設され得る。導電性材料1700は、12.5ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有するHA銅またはRA銅であり得る。追加のカバーレイ1702は、導電性材料1700上に堆積され得る。この追加のカバーレイ1702は、ポリイミドで作製され得、カバーレイ接着剤1704を使用して導電性材料1700に取り付けられ得る。追加のカバーレイ1702の厚さ(Z方向で測定される)は、12.5ミクロンであり得、カバーレイ接着剤1704の厚さ(Z方向で測定される)は、25ミクロンであり得る。接着剤の層1706は、カバーレイ1702上に配設され得る。接着剤の層1706は、60ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)で、3M 467MP接着剤などの剥離接着剤であり得る。リフロー炉の高温に耐え得るFSR1300について、接着剤の層1706は、3M 9085または3M 9082などの剥離接着剤であり得る。
【0076】
図17の実施形態は、非VRコントローラのコントローラ本体110内に装着される構造の平坦表面上に装着するために好適なFSR1300を表し得る。FSR1300が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用されるときなど、図17を参照して指定されるもの以外の他の厚さ値、シート抵抗値、および/または材料が利用され得ることを理解されたい。したがって、これらの値および材料は、非限定的であると理解されることになる。
【0077】
図18A~Dは、本開示の別の実施形態による、FSR1800を図示する。FSR1800は、ポリイミドで作製された第1の基板1802、および可撓性であり、その裏面に抵抗性材料を有する第2の基板1804などの、FSR1300に関して説明されたものと同様である構成要素層を有し得る。1つ以上のスペーサ層(例えば、カバーレイ1806および接着剤の層1808)が、第1の基板1802と第2の基板1804との間に介在し得る。
【0078】
図18Bおよび18CのFSR1800の第1基板1802の一部分は、第2基板1804の周囲に巻かれ、第2の基板1804の前面上にも配設される。図18Aは、「折り畳む前」とラベル付けされ、第1の基板1802の一部分が第2の基板1804の周囲に巻かれる前のFSR1800を図示する。図18Aでは、FSR1800は、第1の本体部分1812(1)(「下側バルーン」1812(1)と称されることもある)および第2の本体部分1812(2)(「上側バルーン」1812(2)と称されることもある)を含む。下側バルーン1812(1)は、下側バルーン1812(1)の第1の端にある折り畳みネック1814によって上側バルーン1812(2)に接続される。はんだ付けピグテール1816は、下側バルーン1812(1)の第2の端から延在し、はんだ付けパッド1818は、はんだ付けピグテール1816の端末端上にある。図18Bおよび図18Cに示されるように、タクトスイッチの形態のアクチュエータ1810は、アクチュエータ1810が折り畳み操作後にFSR1800の前面または上層になるように、上側バルーン1812(2)上に配設される。したがって、FSR1800の第1の基板1802のうち、第2の基板1804の周囲に巻かれている部分は、上側バルーン1812(2)である。
【0079】
折り畳み操作後のFSR1800の断面が、FSR1800の例示的な層を図示するために図18Cに示される。図18Cに示される層のいくつかは、図18Dを参照してより詳細に説明される。図18Cのこの実施形態では、力Fは、アクチュエータ1810(例えば、タクトスイッチ)に加えられ得、可変のデジタル化された値に変換されるFSR1800の可変抵抗を引き起こす。アクチュエータ1810用のタクトスイッチ(例えば、所定の力の量Fの適用下で異なるバイナリ状態に切り替えられるスイッチ)の使用は、タクトスイッチ1810が作動されると最初に「クリック」する二段階FSR1800を作成し、次いで、FSR1800は、増加した力Fが加えられると可変抵抗を出力し得る。これは、タクトスイッチ1810が押下されるたびに、タクトスイッチ1810が同じ力の量Fで作動すると仮定することによって、FSR1800の個々の作動に対してFSR1800を較正するように機能し得る。すなわち、FSR1800は、タクトスイッチ1810の作動の検出に応答して、タクトスイッチ1810の作動と関連付けられた既知の力の量Fにリセットされ得る。これは、FSR1800の固有の不正確さを軽減し得る。
【0080】
図18Cおよび18Dに示すように、FSR1800は、25ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有するポリイミドで作製された第1の基板1802を含む。12.5ミクロンの厚さ(Z方向に測定される)を有する導電性材料(例えば、図18Dに示されるHA銅(例えば、金めっきされた銅)で作製された金属フィンガ1820)は、導電性材料が第2の基板1804上の抵抗性材料の下にあるように、下側バルーン1812(1)の第1の基板1802の前面上に配設され得る。カバーレイ接着剤1822が、金属フィンガ1820の上の第1の基板1802の前面上にカバーレイ1806を取り付けるために使用され得る。カバーレイ接着剤1822は、25ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。カバーレイ1806は、ポリイミドで作製され得、12.5ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。カバーレイ1806上に配設された接着剤の層1808は、3M MP467接着剤などの剥離接着剤であり得る。接着剤の層1808の厚さ(Z方向で測定される)は、60ミクロンであり得る。第2の基板1804の厚さ(Z方向で測定される)は、127ミクロンであり得る。第2の基板1804の裏面上の抵抗性材料のシート抵抗はまた、350kOhm/sqであり得る。接着剤の層1824は、上側バルーン1812(2)が折り畳みネック1814で下側バルーン1812(1)の上に折り畳まれるときに、上側バルーン1812(2)を下側バルーン1812(1)に取り付けるために使用され得る。接着剤の層1824は、厚さ(Z方向で測定される)が125ミクロンであり得る。接着剤の層1824に好適な接着剤は、3M 468MPである。接着剤の層1824はまた、C字形であり得る。
【0081】
FSR1800の上側バルーン1812(2)上では、第1の補強ポリイミド1834は、補強接着剤1836を使用して第1の基板1802の前面に取り付けられ得る(折り畳む前に)。第1の補強ポリイミド1834は、75ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。補強接着剤の厚さ(Z方向で測定される)は、25ミクロンであり得る。加えて、FSR1800の上側バルーン1812(2)上では、第2の補強ポリイミド1838が、接着剤の層1840を使用して、第1の補強ポリイミド1834の前面に取り付けられ得る(折り畳む前)。第2の補強ポリイミド1838は、75ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有し得る。接着剤の層の厚さ(Z方向で測定される)は、125ミクロンであり得る。上側バルーン1812(2)が、折り畳みネック1814で下側バルーン1812(1)の上に折り畳まれるとき、第2の補強ポリイミド1838は、図18Cに示されるように、第2の基板1804と接触し、接着剤の層1824は、折り畳み操作後、FSR1800の2つの主本体部分1812(1)および1812(2)を積層された関係で接着する。FSR1800が非コントローラベースの用途などの他の用途で使用されるときなど、図18Dを参照して指定されるもの以外の他の厚さ値、シート抵抗値、および/または材料が利用され得ることを理解されたい。したがって、これらの値および材料は、非限定的であると理解されることになる。
【0082】
加えて、図18Dに示されるように、導電性材料1826は、第1の基板1802の裏面に配設され得る。導電性材料1826は、12.5ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)を有するHA銅であり得る。追加のカバーレイ1828は、導電性材料1826上に堆積され得る。この追加のカバーレイ1828は、ポリイミドで作製され得、カバーレイ接着剤1830を使用して導電性材料1826に取り付けられ得る。追加のカバーレイ1828の厚さ(Z方向で測定される)は、12.5ミクロンであり得、カバーレイ接着剤1830の厚さ(Z方向で測定される)は、25ミクロンであり得る。追加のカバーレイ1828およびカバーレイ接着剤1830は、はんだ付けピグテール1816、下側バルーン1812(1)、折り畳みネック1814、および上側バルーン1812(2)の一部分に広がり得、アクチュエータ1810のための設置面積(または空間)(図18Dの「ボタン設置面積」)を残し得る。接着剤の層1832は、追加のカバーレイ1828上に配設され得る。接着剤の層1832は、125ミクロンの厚さ(Z方向で測定される)で、3M 468MP接着剤などの剥離接着剤であり得る。接着剤の層1832は、はんだ付けピグテール1816および下側バルーン1812(1)に広がり得る。
【0083】
例示的なFSR1300/1800は、略円形形状を有するように示されるが、FSR1300/1800は、正方形、長方形などの異なる断面形状の層で構築され得ることを理解されたい。FSR1300/1800は、特定の用途に応じて、本明細書に説明される例よりも全体的なサイズが大きくてもよく、または小さくてもよい。さらに、多数のFSR1300/1800を一緒に接続することによって、FSRのアレイが実装され得ることを理解されたい。そのようなアレイでは、FSR材料の層は、長い材料片内に構築され得る。
【0084】
図19は、本明細書に開示されるFSR1300またはFSR1800などのFSRを製造するための例示的なプロセス1900のフロー図である。本明細書に説明されるプロセスは、一連の操作を表す論理フローグラフ内のブロックの集合として例示される。操作が説明される順序は、限定として解釈されることを意図するものではなく、任意の数の説明されたブロックは、プロセスを実装するために任意の順序でおよび/または並行して組み合わされ得る。
【0085】
1902では、ポリイミドで作製された第1の基板1302が、第1の基板1302の前面に配設された銅箔層で形成され得る。
【0086】
1904では、銅箔層は、第1の基板1302の前面上に複数の櫛形銅フィンガ(すなわち、金属フィンガ1400の例)を形成するためにエッチングされ得る。ブロック1904のエッチングは、複数の櫛形銅フィンガの中の隣接する銅フィンガの対の間に0.2mmの距離をもたらすように、0.2mmの幅を有する銅材料片を除去することを含む。除去された銅材料の連続片間の間隔はまた、0.2mmに保持されて、0.2mmの幅を有する銅フィンガを提供し得る。
【0087】
1906では、金めっきの層は、複数の櫛形銅フィンガ上に堆積されて、金めっきされたフィンガを作製し得る。この金めっきは、ENIGであり得る。
【0088】
1908では、1つ以上のスペーサ層は、第1の基板1302の周囲で第1の基板1302の上に提供され得、それによって、1つ以上のスペーサ層によって被覆されていない金めっきされたフィンガの一部分を残し得る。サブブロック1910および1912によって示されるように、多数のスペーサ層は、2つの操作で提供され得る。
【0089】
1910では、カバーレイ1306(例えば、ポリイミド製)が、第1の基板の周囲で第1の基板1302上に堆積され得る。カバーレイ1306は、金めっきされたフィンガの周囲部分を被覆し得、金めっきされたフィンガの残部分は、カバーレイ1306によって被覆されないままである。
【0090】
1912では、金めっきされたフィンガの残部分が接着剤の層1308によって被覆されていないままになるように、接着剤の層1308がカバーレイ1306上に堆積され得る。さらに、ブロック1912における操作は、接着剤1308の層によって被覆されていないカバーレイ1306の区分を残して、空気が第1の基板1302と第2の基板1304との間の空間から入るかまたは出ることを可能にする空隙を作成することを含み得る。
【0091】
1914では、第2の基板1304は、第2の基板1304の中心部分が、第1の基板1302と第2の基板1304との間に介在する1つ以上のスペーサ層によって第1の基板1302の上に懸架されるように、第1の基板1302の上に提供され得る。この第2の基板1304は、可撓性であり、第2の基板1304の裏面上に配設された抵抗性材料を有する。
【0092】
1916では、FSR1800を構築するために、第1の基板1802の延長部分は、第2の基板1804の周囲に巻かれ、第2の基板1804の前面に取り付けられ得、第1の基板1802の延長部分は、取り付けられることになるアクチュエータ1810と第2の基板1804との間に介在することになる。ブロック1916の点線の枠によって示されるように、この操作は、FSR1800を構築するために実施されるが、FSR1300を構築するときに省略されてもよい。
【0093】
1918では、アクチュエータ1310は、例えば、アクチュエータ1310を第2の基板1304の前面に取り付けてFSR1300を構築することによって、またはアクチュエータ1810(例えば、タクトスイッチ)を、第1の基板第2の基板1804とアクチュエータ1810との間に介在する第1の基板1802に取り付けることによって、第2の基板1304の上に提供され得る。
【0094】
本明細書に開示されるFSR1300/1800は、本明細書に開示されるコントローラ100/600などのハンドヘルドコントローラ内の構造の平坦表面上に装着され得、この構造は、コントローラ本体110の外面に加えられた力(例えば、制御部を押す指によって加えられた力、ハンドル112/612を手で握ることによって加えられた力)の量に対応する抵抗値を測定するために、コントローラ本体110内の任意の好適な場所に位置付けられ得る。図9Aおよび9Bを具体的に参照すると、FSR1300/1800は、PCB920の平坦表面上に装着され得、PCB920自体は、ハンドル612の管状ハウジング612a、612b内に装着され得る。この構成では、プランジャ924は、FSR1300/1800のアクチュエータ1310/1810とインターフェースし得、このことは、プランジャ924からアクチュエータ1310/1810に圧縮力を伝達することを可能にし得る。しかしながら、プランジャ924が省略され、アクチュエータ1310/1810が、ハンドル612の管状ハウジング612a、612bの一部分とインターフェースする、他の構成が可能である。図1を具体的に参照すると、FSR1300/1800は、ヘッド内(ハンドル112と遠位端111との間)の構造の平坦表面上に装着され得る。ヘッド内に装着された構造は、親指操作制御部114、115、116のうちの1つ以上の下に装着され得る。例えば、FSR1300/1800は、親指操作制御部116(例えば、トラックパッド)の下に位置付けられ得る。したがって、コントローラ100の操作中にユーザの親指が親指制御部116を押すと、親指操作制御部116の下に位置付けられたFSR1300/1800は、ユーザの親指によって親指操作制御部116に加えられた力の量に対応する抵抗値を測定するように構成され得る。多数のFSR1300/1800は、ハンドル112/612内に装着された1つ以上のFSR1300/1800、およびコントローラ本体110のヘッド上の1つ以上の対応するコントローラ114、115、116の下に装着された1つ以上のFSR1300/1800などの、コントローラのコントローラ本体110内に配設され得ることを理解されたい。
【0095】
本明細書に開示されるFSR1300/1800は、コントローラ100/600に実装されたときに可変アナログ入力を可能にし得る。例えば、ハンドル112/612を握ること、または様々な力の量で親指操作制御部(複数可)(例えば、116)を押すことは、FSR1300/1800の抵抗を、加えられた力と共に変化させ得、抵抗は、ゲームの仕掛けを制御するためのFSR入力を表す、様々なデジタル化された値に変換され得る。
【0096】
図20は、異なるモードで動作するように、コントローラ100/600などの、電子システム用のハンドヘルドコントローラのFSRベースの入力機構を構成するために使用され得る、例示的なユーザインターフェース(UI)2000を例示する。UI2000は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などの電子システムのディスプレイ、またはパーソナルコンピュータ(PC)もしくはゲームコンソールと共に使用される任意の他のタイプのディスプレイ上に出力され得る。UI2000は、「アクティブ化タイプ」ドロップダウンメニュー2002を含む。「アクティブ化タイプ」ドロップダウンメニュー2002は、FSRベースの入力機構(例えば、親指操作制御部116、ハンドル112/612など)のアクティブ化の「ソフトプレス」タイプを選択するために使用され得る。ここで、「ソフトプレス」は、コントローラ100/600および/またはコントローラ100/600が関連付けられている電子システムが、FSR1300/1800のアナログ入力(例えば、FSR1300/1800に加えられた力に対応し、デジタル化されたFSR入力値に変換される、FSR抵抗)に基づいて、および簡単に考察されることになる追加の構成設定にも基づいて、FSRベースの入力イベントをいつ登録するかを、論理を使用して判定することを可能にする「ソフトウェアプレス」を意味する。言い換えると、抵抗値は、デジタル化されたFSR入力値に変換され得るFSR1300/1800によって測定され得る。このデジタル化されたFSR入力値が、「ソフトプレス」の構成設定によって指定された基準を満たす場合、FSRベースの入力イベントが登録され得る。
【0097】
UI2000は、コントローラ100/600上の対応するFSRベースの入力機構に結合するようにPCベースの入力制御部を選択するために使用され得る、「結合」ドロップダウンメニュー2004をさらに含み得る。ここで、結合は、左マウスボタンとして選択されるが、結合は、他のPCベースの入力制御部として選択され得ることを理解されたい。結合はまた、アナログであってもよい。例えば、レーシングゲームの場合、FSR1300/1800は、ガスペダルに使用され得る(例えば、ユーザがFSRベースの制御機構を強く押すほど、レーシング車両は、ゲーム内で速く進む)。
【0098】
UI2000は、ソフトプレスの様々な様式のうちの1つを選択するために使用され得る、「ソフトプレス様式」ドロップダウンメニュー2006をさらに含み得る。「単純閾」様式は、デジタル化されたFSR入力値が閾値を満たすかまたは超えると、FSR入力イベントが発生することを意味する。デジタル化されたFSR入力値は、FSRによって測定された特定の抵抗値に対応し、結果的に、FSR1300/1800に加えられた特定の力の量に対応するため、FSRによって測定された抵抗値が閾値抵抗値を満たすとき、および/または加えられた力の量が閾値の力の量を満たすとき、この様式のソフトプレスが、FSR入力イベントを登録すると考えることもできる。例えば、コントローラ100/600のハンドル112/612がFSR1300/1800を含む場合、ハンドル112/612は、閾値の力の量に達するまで握られ得、それに応答して、FSR入力イベントが「ソフトプレス」として登録される。「非押圧」に必要な力は、デバウンス目的の閾値の一部であり得る、および/または物理的なスナップ比を有するタクトスイッチを模倣するためのものであり得る。「単純閾」様式は、そのため、従来の機械スイッチに置換され得る。UI2000は、構成可能なソフトプレス閾値2008(1)が、FSR入力イベントを登録するか否かを判定するために、デジタル化されたFSR入力値と比較される閾値を増加または減少させるように、ユーザによって調節され得ることを示す。ユーザは、FSRベースの入力機構の作動に関連する手の疲労を軽減するために、ソフトプレス閾値2008(1)をより低く(例えば、スライダを左に動かすことによって)調節することができる。ユーザは、偶発的な入力がFSRベースの入力機構によって登録される事例を低減するために、ソフトプレス閾値2008(1)をより高く(例えば、スライダを右に動かすことによって)調節することができる。いくつかの場合、ソフトプレス閾値2008(1)は、特定のゲーム用のデフォルト閾値(例えば、シューティングゲーム用のより低いデフォルト閾値、探索ゲーム用のより高いデフォルト閾値など)に設定され得る。
【0099】
「触発性」様式は、ベースライン閾値を設定し得、FSR1300/1800と関連付けられたデジタル化されたFSR入力値がベースライン閾値を満たすかまたは超えると、結合がアクティブ化される(すなわち、FSR入力イベントが登録され、長押しボタン作動に似ている)。その後、任意の後続の力の減少は、結合を非アクティブ化し(すなわち、FSR入力イベントが「登録解除」され、ユーザがボタンを放すことに似ている)、結合を非アクティブ化した後のあらゆる力の増加は、結合を再びアクティブ化するように操作する。ソフトプレスの「触発性」様式には、いくつかのデバウンスが存在し得る。簡単に図21を参照すると、「触発性」論理の例が、力対時間グラフ2100上に示される。力軸は、ゼロから任意の好適な最大値までの範囲のデジタル化されたFSR入力値を表し得、これは、FSR1300/1800によって測定可能である抵抗値の範囲に対応する。図21に示されるように、デジタル化されたFSR入力値が増加するにつれて(例えば、ユーザがFSRベースの入力機構を徐々に強く押す)、デジタル化されたFSR入力値は、最終的にベースライン閾値2102を超え、それに応答して、結合がアクティブ化され(すなわち、FSR入力イベントは、ユーザ入力の長押しタイプと同様に登録される)、その後、結合は、デジタル化されたFSR入力値の減少(例えば、ユーザがFSRベースの入力機構をわずかに「放す」)に応答して非アクティブ化される。ユーザがFSRベースの入力機構をより強く押す場合、結合は、力がベースライン閾値2102を超える値にとどまる限り、再びアクティブ化され得、またその他諸々であり得る。
【0100】
図20を再び参照すると、ソフトプレスの「ヒップファイア」様式が、3つの異なるサブ様式(例えば、アグレッシブ、ノーマル、およびリラックス)で選択され得る。「ヒップファイア」様式は、「ヒップファイア」様式が時間遅延を利用し、それにより、多数のレベルの結合を有する構成で、時間遅延が、より高い閾値に十分に速く到達する場合に、より低いFSR入力値を無視するために使用され得る点を除いて、ソフトプレスの「単純閾」様式と同様であり得る。時間遅延量は、異なるサブ様式(例えば、アグレッシブ、ノーマル、およびリラックス)間で変化する。簡単に図22を参照すると、「ヒップファイア」論理の例が、力対時間グラフ2200上に示される。繰り返しになるが、力軸は、ゼロから任意の好適な最大値までデジタル化されたFSR入力値の範囲を表し得、これは、FSR1300/1800によって測定可能である抵抗値の範囲に対応する。図22に示されるように、A1 2202は、第1のアクションに対応する第1の閾値に対応し、A2 2204は、第2のアクションに対応する第2の閾値に対応すると仮定する。時間遅延tは、ヒップファイア様式がアグレッシブタイプ、ノーマルタイプ、リラックスタイプのうちのいずれかであることに基づいて設定され得る。図22に示される「高速」曲線では、FSR入力値は、A1 2202に迅速に到達し、このことは、実行を開始するための時間遅延をトリガする。次いで、FSR入力値は、時間遅延が経過する前にA2 2204に到達し、このことは、論理に、A1 2202を無視させ、A2 2204に対応する第2のアクションについて、排他的にFSR入力イベントを登録させる。図22に示される「低速」曲線では、FSR入力値がA1 2202に到達し、時間遅延が開始される。しかしながら、FSR入力値は、時間遅延が経過する前にA2 2204に到達するのに十分速く増加しないため、論理は、A1 2202に対応する第1のアクションについてのFSR入力イベントを登録し、その後、FSR入力値は、最終的にA2 2204に到達し、論理は、A2 2204に対応する第2のアクションについての追加のFSR入力イベントを登録する。時間遅延tは、ミリ秒単位で指定され得、構成可能である。
【0101】
図20を再び参照すると、追加のソフトプレス閾値2008(2)は、例えば、ソフトプレスの「ヒップファイア」様式のための閾値などの複数のレベルの閾値を設定するために使用可能であり得る。FSRベースの入力のための異なる様式のソフトプレスは、ユーザが様々な力でFSRベースの入力機構を握るかまたは押すことによって、いくつかの異なるゲーム関連のアナログ入力を可能にするために使用され得る。例えば、VRゲームは、コントローラ本体110のハンドル112/612を増加する力で握ることによって、ユーザが岩を粉砕するか、または風船を握ることを可能にし得る。別の例として、シューティングベースのゲームは、ユーザが、加えられる力の異なるレベルで親指操作制御部116を押すことによって、異なるタイプの武器間を切り替えることを可能にし得る。
【0102】
図23は、コントローラ本体110内に配設された様々なセンサを有する、図1のコントローラ100を図示する。例えば、第1のFSR1300(1)は、コントローラ本体110のヘッド113上に含まれる親指操作制御部116などの、押されるように構成される制御部の下に装着され得る。第2のFSR1300(2)は、近接センサのアレイ800と共に、コントローラ本体110のハンドル112内に装着され得る。1つまたは他のFSR1300(1)または1300(2)がコントローラ100内に提供され得るか、またはFSR1300(1)および1300(2)の両方がコントローラ100内に提供され得ることを理解されたい。近接センサのアレイ800に加えて、またはその代わりに、1つ以上のタッチセンサ2300(例えば、タッチセンサ2300(1)~(3))は、親指操作制御部114、親指操作制御部115、および/もしくは親指操作制御部116、ならびに/または指操作制御部(例えば、トリガ609)などの、押されるように構成される1つ以上の制御部と関連付けられ得る。タッチセンサ(複数可)2300は、関連付けられた制御部(例えば、親指操作制御部114~116のうちの1つ以上)に接触する物体(例えば、指、親指など)を示すタッチデータを提供するように構成され得る。一例では、タッチセンサ(複数可)2300は、コントローラ本体110のヘッド113内に装着される静電容量センサ(または静電容量センサのアレイ)を備える(例えば、外側ハウジングの裏面およびコントローラ114~116の下に接着されるかまたは別様に取り付けられ、ヘッド113内のPCBなどの構造に取り付けられるなど)。他の事例では、タッチセンサ(複数可)2300は、赤外線または音響タッチセンサなどの他のタッチ検知技術に基づき得る。一方、ハンドル112上に空間的に分散される近接センサのアレイ800は、ハンドル112を掴む手を示す近接データを提供するように構成され得る。近接センサ800はまた、本明細書に開示されるように、ハンドル112上/ハンドル112への手の接触および/または近接度を検知するための任意の好適な技術を使用し得る。FSR1300は、制御部の押圧(例えば、制御部116の押圧)、またはハンドル112を握ることの力の量を示す力データを提供するように構成されている。図23に示される様々なセンサの組は、可撓性回路によって接続され得る。例えば、ヘッド113内のタッチセンサ2300およびFSR1300(1)は、共通の可撓性回路によって共に接続され得る。本明細書に開示されるFSR1300のポリイミド基板は、FSR出力端子の可撓性回路へのこのタイプの直接はんだ付けを可能にする。
【0103】
本明細書に説明されるプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装され得る一連の操作を表す論理フローグラフ内のブロックの集合として例示される。ソフトウェアの文脈では、ブロックは、コンピュータ実行可能命令を表し、コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、列挙された操作を実施する。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実施するか、または特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。操作が説明される順序は、限定として解釈されることを意図するものではなく、任意の数の説明されたブロックは、プロセスを実装するために任意の順序でおよび/または並行して組み合わされ得る。
【0104】
図24は、タッチセンサによって提供されたタッチデータに基づいて、ハンドヘルドコントローラ100/600のFSR1300/1800を再較正するための例示的なプロセス2400のフロー図である。
【0105】
2402において、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理は、タッチセンサによって提供されたタッチデータに少なくとも部分的に基づいて、物体(例えば、指、親指など)がハンドヘルドコントローラの少なくとも1つの制御部と接触したと判定し得る。少なくとも1つの制御部は、コントローラ100/600のコントローラ本体110に含まれ得、押されるように構成され得る。例えば、制御部は、コントローラ本体110のヘッド113に含まれる親指操作制御部116であり得る。この実施形態では、タッチセンサは、タッチセンサ2300のうちの1つであり得る。あるいは、制御部は、コントローラ本体110のハンドル112であってもよい。この実施形態では、タッチセンサは、近接センサのアレイ800であり得る。
【0106】
2404では、論理は、物体が少なくとも1つの制御部と接触した時点でFSR1300/1800によって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、FSR1300/1800によって測定された抵抗値を判定し得る。
【0107】
2406では、論理は、抵抗値を、ゼロのデジタル化されたFSR入力値と相関させ得る。言い換えると、物体が少なくとも1つの制御部と接触したときの検知された抵抗は、ゼロの力入力とみなされ得、このことは、その点の後にFSR1300/1800に加えられた力のあらゆる増加が、正のFSR入力値と相関されることを意味する。したがって、プロセス2400は、物体が制御部を押していないときでも幾らかの抵抗を測定し得る、FSR1300/1800のあらゆる固有の不正確さを、制御部のタッチの検出に対する再較正を介して軽減することを助け得るセンサ融合アルゴリズムを表す。
【0108】
図25は、隣接する制御部のためのタッチセンサによって提供されたタッチデータに基づいて、ハンドヘルドコントローラ100/600のFSR1300/1800における偽入力を無視するための例示的なプロセス2500のフロー図である。
【0109】
2502では、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理は、ハンドヘルドコントローラの第1の制御部(例えば、親指操作制御部116)と関連付けられたFSR1300/1800によって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、FSR1300/1800によって測定された抵抗値を判定し得る。
【0110】
2504では、論理は、抵抗値をデジタル化されたFSR入力値に変換し得る。
【0111】
2506では、論理は、デジタル化されたFSR入力値が、第1の制御部のFSR入力イベントを登録するために満たされるべき閾値を満たすかまたはそれを超えるかを判定し得る。2506で閾値が満たされない場合、プロセス2500は、ブロック2506からブロック2502への「いいえ」経路に従い、追加の力データを待ち受ける。2506で閾値が満たされた場合、プロセス2500は、ブロック2506からブロック2508への「はい」経路に従う。
【0112】
2508では、論理は、第1の制御部に隣接する第2の制御部(例えば、親指操作制御部114または115)と関連付けられたタッチセンサ2300によって提供されたタッチデータに少なくとも部分的に基づいて、物体(例えば、指、親指など)が、隣接する第2の制御部と接触しているか否かを判定し得、タッチデータは、FSR抵抗値がFSR1300/1800によって測定される時点で提供される。物体が、隣接する第2の制御と接触していない場合、プロセス2500は、ブロック2508から論理が第1の制御部のFSR入力イベントを登録する(例えば、第1の制御部の結合をアクティブ化することによって)ブロック2510への「いいえ」経路に従う。物体が、隣接する第2の制御部と接触している場合、プロセス2500は、ブロック2508からブロック2512への「はい」経路に従う。
【0113】
2512では、論理は、物体が第2の制御部と接触していると判定することに少なくとも部分的に基づいて、第1の制御部のFSR入力イベントを登録することを控え得る。したがって、プロセス2500は、ハンドヘルドコントローラ上の隣接する制御部の押圧に基づくFSR1300/1800における偽入力を無視するために使用され得るセンサ融合アルゴリズムを表す。
【0114】
図26は、ハンドヘルドコントローラ100/600のハンドル112/612内の近接センサのアレイ800によって検出された手のサイズに基づいて、FSR1300/1800についてFSR入力閾値を調節するための例示的なプロセス2600のフロー図である。
【0115】
2602では、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理は、コントローラ100/600のハンドル上に空間的に分散される近接センサのアレイ800によって提供された近接データに少なくとも部分的に基づいて、ハンドル112/612を掴んでいる手のサイズを判定し得る。手のサイズは、複数の所定の手のサイズ(例えば、小および大、または小、中、および大など)の中から判定され得る。
【0116】
2604では、論理は、閾値を、ブロック2602で判定された手のサイズに少なくとも部分的に基づいて、ハンドル112/612に対するFSR入力イベントを登録するために満たされるべき調節された閾値に調整し得る。この調節された閾値は、ハンドル112/612が握られる特定の力の量に対応する。例えば、力の量は、ハンドル112/612内のFSR1300/1800の測定された抵抗に対応し、その抵抗は、デジタル化されたFSR入力値に対応し得る。ユーザがハンドルを握ると、デジタル化されたFSR入力値が、調節された閾値を満たすかまたはそれを超える場合、FSR入力イベントが登録され得る。したがって、ブロック2602で近接センサのアレイ800によって検出されるように、閾値は、より小さい手のユーザに対してより低い値に調節され得るが、一方、閾値は、より大きい手のユーザに対してより大きい値に調節され得る。いくつかの場合、デフォルト閾値が、ブロック2602における手のサイズの検出前にコントローラ100/600に対して構成され得、ブロック2604における調節は、デフォルト値に対して閾値を増加または減少させることであり得る。
【0117】
図26のサブブロックによって示されるように、プロセス2600は、より詳細な操作を伴い得る。例えば、ブロック2602における手のサイズの判定は、サブブロック2606および2608を含み得る。
【0118】
2606では、論理は、近接データを提供した、近接センサのアレイ800のうちの近接センサの数を判定し得る。例えば、小さい手は、近接センサのアレイ800内の近接センサの小さいサブセットのみに広がり、小さいサイズの手を検出しない残りの近接センサは、上述の近接データを提供しない場合がある。対照的に、大きい手は、近接センサのアレイ800の全体に広がり、この場合、近接センサ800の全て(または少なくとも閾値数を上回る数)が近接データを提供し得る。
【0119】
2608では、論理は、近接データを提供した近接センサ(アレイ800の)の数に少なくとも部分的に基づいて、手のサイズを判定し得る。
【0120】
加えて、サブブロック2610および2612によって示されるように、ブロック2604における閾値の調節は、コントローラ100/600の1つ以上のFSRの閾値を調節することを含み得る。
【0121】
例えば、2610では、論理は、制御部116に対するFSR入力イベントを登録するために満たされるべきである第1の閾値(第1のFSR1300(1)と関連付けられた)を調節し得る。2612では、論理は、ハンドル112/612のFSR入力イベントを登録するために満たされるべきである第2の閾値(第2のFSR1300(2)と関連付けられた)を追加的にまたは代替的に調節し得る。
【0122】
図27は、FSR入力値に基づいてハンドヘルドコントローラの制御のための結合をアクティブ化および非アクティブ化するための例示的なプロセス2700のフロー図である。図27のページ外参照「A」によって示されるように、プロセス2700は、プロセス2400、2500、または2600のいずれかから継続し得るが、必須ではない。
【0123】
2702では、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理は、コントローラ100/600のFSR1300/1800によって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間における、第1のデジタル化されたFSR入力値を判定し得る。この第1のデジタル化されたFSR入力値は、第1の時間におけるFSR1300/1800によって測定された第1の抵抗値から変換され得る。
【0124】
2704では、論理は、第1のデジタル化されたFSR入力値が、FSR入力イベントを登録するために(例えば、FSR1300/1800と関連付けられた制御部を結合するために)満たされるべきである閾値を満たすかまたはそれを超えるかを判定し得る。2704で閾値が満たされない場合、プロセス2700は、ブロック2704から論理が追加の力データを待ち受けるブロック2702への「いいえ」経路に従う。2704で閾値が満たされた場合、プロセス2700は、ブロック2704からブロック2706への「はい」経路に従う。
【0125】
2706では、論理は、第1のデジタル化されたFSR入力値を満たすかまたはそれを超えることに少なくとも部分的に基づいて、FSR入力イベントを登録し得る(例えば、FSR1300/1800と関連付けられた制御部と関連付けられた結合をアクティブ化するために)。
【0126】
2708では、論理は、FSR1300/1800によって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間の後の第2の時間に、第2のデジタル化されたFSR入力値を判定し得る。この第2のデジタル化されたFSR入力値は、第2の時間におけるFSR1300/1800によって測定された第2の抵抗値から変換され得る。
【0127】
2710では、論理は、第2のデジタル化されたFSR入力値が第1のデジタル化されたFSR入力値未満であるか否か(すなわち、FSR入力がFSR1300/1800による以前の測定から減少したか否か)を判定し得る。第2のデジタル化されたFSR入力値が第1のデジタル化されたFSR入力値未満である場合、プロセス2700は、ブロック2710から論理がFSR1300/1800と関連付けられた制御部の結合を非アクティブ化し得る(これは、長押し入力に相当する、既に登録されたFSR入力イベントの登録解除として考えられ得る)ブロック2712への「はい」経路に従う。ブロック2710で、第2のデジタル化されたFSR入力値が第1のデジタル化されたFSR入力値以上である場合、プロセス2700は、ブロック2710から論理がFSR1300/1800からの追加の力データを待ち受けるブロック2708への「いいえ」経路に従う。プロセス2700は、図21に例示され、かつ上記で説明された、FSR検出モードを反映し得る。したがって、ブロック2704で評価された閾値は、図21を参照して説明されるベースライン閾値2102に対応し得る。
【0128】
図28は、多数の閾値のうちの第1の閾値についてFSR入力を無視するか否かを判定するために時間遅延を使用するための例示的なプロセス2800のフロー図である。図28のページ外参照「A」によって示されるように、プロセス2800は、プロセス2400、2500、または2600のいずれかから継続し得るが、必須ではない。
【0129】
2802では、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理は、コントローラ100/600のFSR1300/1800によって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、第1の時間における、第1のデジタル化されたFSR入力値を判定し得る。この第1のデジタル化されたFSR入力値は、第1の時間におけるFSR1300/1800によって測定された第1の抵抗値から変換され得る。
【0130】
2804では、論理は、第1のデジタル化されたFSR入力値が、第1のFSR入力イベントを登録するために(例えば、FSR1300/1800と関連付けられた制御部を結合するために)満たされるべきである第1の閾値(例えば、図22のA1 2202)を満たすかまたはそれを超えるかを判定し得る。第1のFSR入力イベントは、第1のアクション(例えば、第1のゲームの仕掛け)に関連付けられていてもよい。2804で第1の閾値が満たされない場合、プロセス2800は、ブロック2804から論理が追加の力データを待ち受けるブロック2802への「いいえ」経路に従う。2804で閾値が満たされた場合、プロセス2800は、ブロック2804からブロック2806への「はい」経路に従う。
【0131】
2806では、論理は、所定の期間(例えば、図22の時間遅延t)の監視を開始し得る。
【0132】
2808では、論理は、第1の時間後に、FSR1300/1800によって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、第2の時間における、第2のデジタル化されたFSR入力値を判定し得る。この第2のデジタル化されたFSR入力値は、第2の時間におけるFSR1300/1800によって測定された第2の抵抗値から変換され得る。
【0133】
2810では、論理は、第2のデジタル化されたFSR入力値が、第2のFSR入力イベントを登録するために(例えば、FSR1300/1800と関連付けられた制御部を結合するために)満たされるべきである第2の閾値(例えば、図22のA2 2204)を満たすかまたはそれを超えるかを判定し得る。第2のFSR入力イベントは、第1のアクションとは異なる第2のアクション(例えば、第2のゲームの仕掛け)と関連付けられていてもよく、第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい。2810で第2の閾値が満たされない場合、プロセス2800は、ブロック2810から論理が所定の期間が経過したか否か(例えば、第2の時間と第1の時間との間の差が所定の期間未満であるか否か)の判定を待ち受けるブロック2812への「いいえ」経路に従う。ブロック2812で期間がまだ経過していない場合、プロセス2800は、ブロック2812からブロック2810に戻る「いいえ」経路に従うことによって反復する。ブロック2812で期間が経過し、かつ第2の閾値が満たされていない場合、プロセス2800は、ブロック2812から論理が第1の閾値(例えば、第1のアクションまたはゲームの仕掛けと関連付けられ得る)についての第1のFSR入力イベントを登録し得るブロック2814への「はい」経路に従う。
【0134】
2810で第2の閾値が満たされる場合、プロセス2800は、ブロック2810から論理が所定の期間を評価するブロック2816への「はい」経路に従う。ブロック2816で期間がまだ経過していない場合、プロセス2800は、ブロック2816から論理が第1のFSR入力イベントの登録を控え、第2の閾値と関連付けられた第2のFSR入力イベント(例えば、第2のアクションまたはゲームの仕掛けと関連付けられ得る)を登録するブロック2818に戻る「いいえ」経路に従う。ブロック2816で期間が経過し、かつ第2の閾値が満たされた場合、プロセス2800は、ブロック2816から論理が第1の閾値についての第1のFSR入力イベントおよび第2の閾値についての第2のFSR入力イベントの両方を登録し得るブロック2820への「はい」経路に従う。プロセス2800は、図22に例示され、かつ上記で説明された、FSR検出モードを反映し得る。
【0135】
図29は、図1のコントローラ100などのハンドヘルドコントローラの例示的な構成要素を例示するが、図29に示される構成要素は、コントローラ600によっても同様に実装され得る。例示されるように、ハンドヘルドコントローラは、上記の制御部(例えば、ジョイスティック、トラックパッド、トリガなど)、潜在的に任意の他のタイプの入力または出力デバイスなどの、1つ以上の入力/出力(I/O)デバイス2902を含む。例えば、I/Oデバイス2902は、ユーザの音声入力などの音声入力を受信するための1つ以上のマイクを含み得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のカメラまたは他のタイプのセンサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU))が、ハンドヘルドコントローラ100の動きなどのジェスチャ入力を受信するための入力デバイスとして機能し得る。いくつかの実施形態では、追加の入力デバイスが、キーボード、キーパッド、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、制御ボタンなどの形態で提供され得る。入力デバイス(複数可)は、音量を増加/減少させるための基本音量制御ボタン(複数可)、ならびに電源およびリセットボタンなどの制御機構をさらに含み得る。
【0136】
一方、出力デバイスは、ディスプレイ、光素子(例えば、LED)、触覚をもたらすバイブレータ、スピーカ(複数可)(例えば、ヘッドフォン)などを含み得る。例えば、電源がオンであるときなどの状態を示すための単純な光素子(例えば、LED)も存在し得る。数例が提供されているが、ハンドヘルドコントローラは、追加的または代替的に、任意の他のタイプの出力デバイスを含み得る。
【0137】
加えて、ハンドヘルドコントローラ100は、ネットワークおよび/または1つ以上の遠隔システム(例えば、アプリケーション、ゲームコンソールなどを実行するホストコンピューティングデバイス)への無線接続を容易にするための1つ以上の通信インターフェース2904を含み得る。通信インターフェース2904は、Wi-Fi、Bluetooth、無線周波数(RF)などの様々な無線技術のうちの1つ以上を実装し得る。ハンドヘルドコントローラ100は、ネットワーク、接続された周辺デバイス、または他の無線ネットワークと通信するプラグインネットワークデバイスへの有線接続を容易にする物理ポートをさらに含み得ることを理解されたい。
【0138】
例示された実装形態では、ハンドヘルドコントローラは、1つ以上のプロセッサ2906およびコンピュータ可読媒体2908をさらに含む。いくつかの実装形態では、プロセッサ(複数可)2906は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、CPUおよびGPUの両方、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、または当該技術分野で既知の他の処理ユニットもしくは構成要素を含み得る。代替的に、または追加的に、本明細書に説明される機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理構成要素によって実施され得る。例えば、非限定的に、使用され得るハードウェア論理構成要素の例示的なタイプとしては、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などが挙げられる。加えて、プロセッサ(複数可)2906の各々は、プログラムモジュール、プログラムデータ、および/または1つ以上のオペレーティングシステムも記憶し得る、その独自のローカルメモリを保有し得る。
【0139】
一般に、コントローラは、本明細書で説明される技術、機能、および/または動作を実装するように構成されている論理(例えば、ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアなど)を含み得る。コンピュータ可読媒体2908は、揮発性および不揮発性メモリ、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含み得る。そのようなメモリとしては、限定されるものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多目的ディスク(DVD)もしくは他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、RAIDストレージシステム、または所望の情報を記憶するために使用され得、コンピューティングデバイスによってアクセスされ得る、任意の他の媒体が挙げられる。コンピュータ可読媒体2908は、コンピュータ可読媒体2908に記憶された命令を実行するためにプロセッサ(複数可)2906によってアクセス可能な任意の利用可能な物理媒体であり得る、コンピュータ可読ストレージ媒体(「CRSM」)として実装され得る。1つの基本的な実装形態では、CRSMは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)およびフラッシュメモリを含み得る。他の実装形態では、CRSMは、限定されるものではないが、読み出し専用メモリ(「ROM」)、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(「EEPROM」)、または所望の情報を記憶するために使用され得、プロセッサ(複数可)2906によってアクセスされ得る、任意の他の有形媒体を含み得る。
【0140】
命令、データストアなどの数個のモジュールが、コンピュータ可読媒体2908内に記憶され、プロセッサ(複数可)2906上で実行するように構成され得る。数例の機能モジュールは、コンピュータ可読媒体2908に記憶され、プロセッサ(複数可)2906上で実行されるように示されるが、同じ機能が、代替的に、ハードウェア、ファームウェアで、またはシステムオンチップ(SOC)として実装されてもよい。
【0141】
オペレーティングシステムモジュール2910は、他のモジュールの有益性のために、ハンドヘルドコントローラ100内でハードウェアを管理し、ハンドヘルドコントローラ100に連結されるように構成され得る。加えて、コンピュータ可読媒体2908は、ハンドヘルドコントローラ100が、通信インターフェース2904を介して、アプリケーション(例えば、ゲームアプリケーション)、ゲームコンソール、HMD、遠隔サーバなどを実行するパーソナルコンピューティングデバイスなどの1つ以上の他のデバイスと通信することを可能にするネットワーク通信モジュール2912を記憶し得る。コンピュータ可読媒体2908は、ハンドヘルドコントローラ上で、またはハンドヘルドコントローラ100が連結するコンピューティングデバイス上で実行するゲーム(または他のアプリケーション)と関連付けられたデータを記憶するためのゲームセッションデータベース2914をさらに含み得る。コンピュータ可読媒体2908はまた、パーソナルコンピューティングデバイス、ゲームコンソール、HMD、遠隔サーバなどの、ハンドヘルドコントローラ100が連結するデバイスと関連付けられたデータを記憶するデバイス記録データベース2916を含み得る。コンピュータ可読媒体2908は、ハンドヘルドコントローラ100をゲームコントローラとして機能するように構成するゲーム制御命令2918、およびハンドヘルドコントローラ100を他の非ゲームデバイスのコントローラとして機能するように構成する汎用制御命令2920をさらに記憶し得る。
【0142】
図30は、ユーザが力の閾値を上回る量でハンドヘルドコントローラの制御部を押すときに、少なくとも、押さずに制御部に触れる物体を示す高レベル値に関して、タッチセンサの較正調節を一時停止するための技術を示すグラフ3000を描いている。図30は、ハンドヘルドコントローラ100の制御部3002、ならびに時間範囲にわたって制御部3002に対して様々な位置で示された指3004を示す。指3004は、制御部3002と相互作用し得る物体の一例である。制御部3002は、指3004の制御部3002に対する近接度を示すタッチセンサデータを提供するように構成されたタッチセンサに関連付けられ得ることから、指3004は、制御部3002に触れずに制御部3002の上でホバリングすることによって、および/または制御部3002にタッチまたは接触することによって、制御部3002と相互作用し得る。制御部3002はまた、FSRに関連付けられ得ることから、指3004は、可変力で制御部3002を押すことによって制御3002と相互作用し得る。これらの異なるタイプの相互作用は、制御部3002を「操作」して、異なる機能を実装し得る。図30は、指3004を、制御部3002と相互作用し得る例示的な物体として描写しているが、他の物体(例えば、親指、手のひらなどの手の一部、複数の指、スタイラス、等)が、制御部3002と相互作用して、同様の方法で制御部3002を操作できることを理解されたい。したがって、図30に示される指3004は、単に一例であって、本明細書では、他の物体が開示された実施形態に関して考慮される。
【0143】
制御部3002は、本明細書で説明されるように、ハンドヘルドコントローラ100上に設けられている本明細書で説明される制御部のいずれかを表すことができる。例えば、図23を参照すると、制御部3002は、コントローラ本体110上に配置され、指または親指によって押されるように構成された制御部を表し得る。例えば、制御部3002は、親指操作制御部114、親指操作制御部115、および/または親指操作制御部116、ならびに/もしくは指操作制御部(例えば、図6Bに示されるトリガ609)を表し得る。したがって、制御部3002は、例えば、コントローラ本体100のヘッド113上に配置され得る。別の例として、制御部3002は、手で強く握られるように構成されているコントローラ本体110のハンドル112を表し得る。したがって、図30の制御部3002は、図23のタッチセンサ(複数可)2300のようなタッチセンサに関連付けられ得、タッチセンサは、関連付けられた制御部3002(例えば、親指操作制御部114~116のうちの1つ以上)に対する物体(例えば、指、親指など)の近接度を示すタッチセンサデータを提供するように構成され得る。これは、物体が関連付けられた制御部3002に接触していることを示すタッチセンサデータを含み得る。制御部3002に関連付けられたタッチセンサ(複数可)は、いくつかの実施形態では、コントローラ本体110のハンドル112内に含まれた近接センサのアレイ800を含み得る。例えば、ハンドル112上に空間的に分散され得る近接センサのアレイ800は、ハンドル112を掴む手を示す近接データを提供するように構成され得る(図30の制御部3002の一例)。したがって、制御部3002は、本明細書に開示されるように、指3004などの物体の制御部3002への接触および/または近接度を感知するための任意の好適な技術を使用するタッチセンサと関連付けられ得る。一例では、制御部3002に関連付けられたタッチセンサ(複数可)は、コントローラ本体110内に装着される(例えば、外側ハウジングの裏面ならびにコントローラ114~116および/またはハンドル112の下でヘッド113内のPCBなどの構造に接着されるかまたは別様に取り付けられる)静電容量センサ(または静電容量センサのアレイ)を備える。他の事例では、制御部3002に関連付けられたタッチセンサ(複数可)は、赤外線または音響タッチセンシングなどの他のタッチセンシング技術に基づき得る。
【0144】
制御部3002はまた、制御部3002の押圧の力の量を示す力データを提供するように構成されたFSRに関連付けられ得る。制御部3002がコントローラ100のハンドル112を表すとき、そのような押圧は、ハンドル112の握りを含み得る。したがって、制御部3002は、本明細書に記載されるように、コントローラ本体110内に装着され得る、図23に示されるFSR1300のうちの1つ以上と関連付けられることができる。
【0145】
図30は、タッチセンサ入力曲線3006およびFSR入力曲線3008が、指3004と制御部3002との間の相互作用に応じてそれぞれ経時的にどのように変化するかを示している。タッチセンサ入力曲線3006は、制御部3002と関連付けられたタッチセンサによって提供されたタッチセンサデータに基づいて、時間に対してデジタル化された近接値をプロットする。タッチセンサが静電容量値を測定するように構成された静電容量センサである実施形態では、タッチセンサ入力曲線3006の値は、タッチセンサによって測定されたアナログ静電容量から変換されたデジタル化された静電容量値を表し得る。一方で、FSR入力曲線3008は、制御部3002に関連付けられたFSRによって提供された力データに基づいて、時間に対してデジタル化されたFSR値をプロットする。FSR入力曲線3008のこれらの値は、FSRによって測定されたアナログ抵抗値から変換されたデジタル化された値を表し得る。
【0146】
時間範囲3010の開始時において、タッチセンサ入力曲線3006上のデジタル化された近接値は、指3004が制御部3002から間隔を空け、制御部3002に触れていないために低くなっている。タッチセンサ入力曲線3006のこの低い点では、指3004はまた、制御部3002を押していない。時間範囲3010の間、FSR入力曲線3008上の正のFSR値3012は、センサノイズによるFSR出力のバイアスを表す。すなわち、FSRによって提供された力データは、指3004が制御部3002に触れていないときであっても、指3004が制御部3002を押していないときに出力される力であるという意味で「想像上の」力である正のデジタル化されたFSR値に変換され得る。時間範囲3010の間にわたって、指3004は制御部3002に近くに移動し、制御部3002に関連付けられたタッチセンサが、物体(例えば、指3004)の制御部3002に対する近接度を示すタッチセンサデータを提供するように構成されていることから、この移動に従ってタッチセンサ入力曲線3006の値は増加し、このことは、指3004が制御部3002に対してより近くにあり、より近い位置にあることが検出されるにつれて、タッチセンサ入力曲線3006上のデジタル化された近接値が増加することを意味する。一方、FSR入力曲線3008は、制御部3002に圧力が加えられていないことから、時間範囲3010の間、一定を維持する(変化しない)。
【0147】
時間範囲3014の開始時において、指3004は、制御部3002と最初に接触する。この時点で、タッチセンサ入力曲線3006のデジタル化された近接値は、高レベル値3016で、またはその付近で測定され得る。これは、タッチ入力に対応する最大近接値と呼ばれることもある。高レベル値3016は、制御部3002を押すことなく、制御部3002に接触する物体(例えば、指3004)を示す。いくつかの実施形態では、この高レベル値3016は、離散的ジェスチャ検出に基づいて判定され得る。例えば、制御部3002に関連付けられたタッチセンサのための較正アルゴリズムは、離散的ジェスチャを検出するために制御部によって提供されるタッチセンサデータ(すなわち、静電容量値)を分析することができる。例えば、タッチセンサデータが、タッチセンサのデジタル化された近接値(例えば、静電容量値)が急激に低下することを示す場合、タッチセンサのための較正アルゴリズムは、この値の低下を、ユーザがコントローラ100上でグリップを解放する(例えば、ハンドル112から離して指を広げる)こと、または特定の指3004を制御部3002から解放する(例えば、制御部3002から指3004を持ち上げて、制御部3002に触れることを停止する)ことに関連付けることができる。ユーザが制御部3002から自分の指3004を急に解放するときに受信される近接(例えば、静電容量)値は、タッチセンサによって検出される近接(例えば、静電容量)値の範囲についての低レベル値に対応し得る(例えば、低レベル値は、指3004が制御部3002に触れていないとき、かつ、制御部3002から間隔を空けているときを表す)。急激な降下の前に受信された近接(例えば、静電容量)値は、グラフ3000に示される高レベル値3016(例えば、指3004が押下することなく制御部3002に接触しているときを表す高レベル値3016)に対応し得る。近接(例えば、静電容量)値の範囲で、較正アルゴリズムは、タッチセンサが、タッチセンサによって測定された近接(例えば、静電容量)値を正規化するためのバイアスおよびスケール係数を判定し得る。
【0148】
時間範囲3014の間の少し後の時点で、指3004は、制御部3002を押す。この時点では、FSR入力曲線3008上のデジタル化されたFSRの値は、初期タッチ入力での制御部3002上での力の量の適用により、増加開始することができる。指3004が制御部3002をより強く押すと、FSR入力曲線3008上のFSR値が増加し始め、FSR値がFSR閾値3020未満(閾値)からFSR閾値3020超へと移行するクロスオーバーポイント3018に近づく。したがって、ハンドヘルドコントローラ100の論理は、(制御部3002と関連付けられたFSRによって提供された力データに基づいて)第1のデジタル化されたFSR値がFSR閾値3020を超えていると判定することができ、これは、制御部3002を押さずに制御部3002に接触する指3004から、FSR閾値3020に対応する閾値量を上回る力で制御部3002を押す指3004への移行を示すものである。前述の別の方法では、論理は、FSR閾値3020以下の第1のデジタル化されたFSR値からFSR閾値3020を超える第2のデジタル化されたFSR値への第1の移行を検出し得る。デジタル化されたFSR値が、FSR閾値3020を超えていると判定することに応答して(例えば、クロスオーバーポイント3018を越える第1の移行を検出することに応答して)、論理は、タッチセンサについての進行中の較正調節を一時停止することができ、この較正調節は、一時停止がない場合、時間範囲3014の間に既存の高レベル値3016を超えるタッチセンサ入力曲線3006上の値に高レベル値3016を増加させることになる。すなわち、時間範囲3014の間、指3004は、押圧し、次いで、制御部3002上での圧力を解放することができる。制御部3002上でのこの押圧および圧力解放と同時に、FSR入力曲線3008は上下し(例えば、スパイク)、タッチセンサ入力曲線3006もまた、より広い接触面積および/または制御部3002の関連付けられたタッチセンサに向けた下方偏向により、高レベル値3016の上で上下する。較正調節の一時停止は、FSR値がFSR閾値3020の上方からFSR閾値3020の下方に移行するとき、クロスオーバーポイント3018と後続のクロスオーバーポイント3022との間の高レベル値3016の追跡を一時停止、一時休止、またはそうでなければ停止するように較正アルゴリズムに指示することによって、高レベル値3016をクロスオーバーポイント3018へ、またはその近傍の値に効果的にクリップする。
【0149】
時間範囲3024の間、指3004は、押すことなく制御部3002に触れている状態を維持し、FSR値は、ここで、クロスオーバーポイント3022においてFSR閾値3020を下回って移行した。この時点では、指3004がもはや制御部3002を押していないため、較正追跡が再開されることができる。したがって、少なくとも高レベル値3016に関して、タッチセンサの較正調節の一時停止は、FSR値がFSR閾値3020を上回る時間中、タッチセンサ入力曲線3006上の近接(例えば、静電容量)値の範囲を無視するように較正アルゴリズムに効果的に指示し、較正アルゴリズムは、タッチセンサの較正追跡の目的のために、タッチセンサ入力曲線3006上のこれらの近接値が存在しないことを本質的に装う。クロスオーバーポイント3018と3022との間にわたるタッチセンサ入力曲線3006上のより高い近接値を無視する根拠は、FSRがこの時間中の圧力ベースの入力を捕捉していることであり、そのため、この時間中にタッチセンサ入力曲線3006上の値を監視する必要がなく、それは、この時間中の入力が、制御部3002をより強く押す指3004によるものであることからである。較正のためにこのデータを無視することにより、タッチセンサのより良い較正を通じてタッチセンサ出力が改善される。このことは、次いで、指追跡アルゴリズムを改善することができ、例えば、ユーザの手が依然としてコントローラ100を掴んでいるときに、VRアプリケーションが、コントローラ100から持ち上がる仮想的手の指をレンダリングしないか、またはVRアプリケーションが、タッチセンサデータを不用意に解釈して、VRゲーム内の物体を不用意に落下させないようにする。
【0150】
グラフ3000に示されるように、制御部3002に関連付けられたFSRは、デジタル化されたFSR値に変換される抵抗値の範囲を測定するように構成される。例えば、FSR入力曲線3008のピークは、FSR範囲の上限を表し得、正のFSR値3012は、FSR範囲の下限を表し得る。いくつかの実施形態では、FSR閾値3020は、FSRによって測定可能な抵抗値の範囲の約5%~約15%(またはグラフ3000に図示されたデジタル化されたFSR値の範囲の5~15%)である。いくつかの実施形態では、FSR閾値3020は、FSRによって測定可能な抵抗値の範囲の約10%(またはグラフ3000に図示されたデジタル化されたFSR値の範囲の10%)である。いくつかの実施形態では、FSR閾値3020は、グラフ3000に示される正のFSR値3012(またはセンサノイズによるFSRによって測定された対応する正の抵抗値)を上回る値に設定される。いくつかの実施形態では、FSR閾値3020は、ノイズフロアを上回る2つの標準偏差などの正のFSR値3012によって表される閾値量だけ、この正のFSR値3012を上回る。目的の1つは、センサノイズによるバイアス値とは対照的に、デジタル化されたFSR値を制御部3002に適用される圧力として解釈することが安全である点にFSR閾値3020を設定することであり得る。較正一時停止論理にFSR出力のゼロ点が知られていない場合であっても、FSRのノイズフロアの上にある低忠実度FSR範囲を識別することができ、クロスオーバーポイント3018と3022との間の時間範囲3014の一部が、制御部3002を押さずに接触する指3004とは対照的に、妥当な信頼性で制御部3002を押す指3004に対応するようになっている。
【0151】
図31は、力の閾値量を超える力でユーザがハンドヘルドコントローラ100/600の制御部3002を押すときに、高レベル値に関してタッチセンサの較正調節を一時停止するための例示的なプロセス3100のフロー図である。
【0152】
3102では、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理は、ハンドヘルドコントローラ100/600の少なくとも1つの制御部3002に関連付けられたタッチセンサの較正調節を実行することを開始できる。この文脈において、(以前のいくつかのサンプルにわたるタッチセンサからのタッチセンサデータに基づいた)平均近接値が、既存の高レベル値3016を超えているとき、基準が満たされ得る。そのような基準が、ハンドヘルドコントローラ100/600の使用中に満たされる場合、高レベル値3016は、既存の値から、既存の値を上回る新しい値に増加され得る。例示的な較正アルゴリズムは、以下の図32に関してより詳細に説明される。ブロック3102において較正調節を行うことはまた、異なる基準が満たされる場合、物体が制御部3002から間隔を空けていることを示す低レベルの値を調節することも含み得ることを理解されたい。
【0153】
3104では、論理は、(i)制御部3002に関連付けられたタッチセンサによって提供されたタッチセンサデータに少なくとも部分的に基づいたデジタル化された近接値、および(ii)制御部3002に関連付けられたFSRによって提供された力データに少なくとも部分的に基づいた(第1の)デジタル化されたFSR値を判定することができる。例えば、デジタル化された近接値は、タッチセンサによって測定された静電容量値から変換され得、および/またはこのデジタル化されたFSR値は、FSRによって測定された抵抗値から変換され得る。
【0154】
3106では、論理は、ブロック3104で判定された(第1の)デジタル化されたFSR値が閾値(例えば、FSR閾値3020)を超えているか否かを判定し得る。デジタル化されたFSR値が閾値を超えない場合、プロセス3100は、ブロック3106からの「いいえ」の経路に続き、別のデジタル化された近接値および別のデジタル化されたFSR値を判定することができる。言い換えると、デジタル化されたFSR値がFSR閾値3020を超えない限り、較正調節は一時停止されない。ブロック3106において(第1の)デジタル化されたFSR値が閾値を超えている場合、プロセス3100は、ブロック3106からブロック3107への「はい」の経路に続くことができる。FSR閾値3020を超えるデジタル化されたFSR値は、物体が制御部3002を押すことなく、制御部3002に接触していることから物体が制御部3002を押していることへの移行を示し得る。上述の別の方法では、論理は、ブロック3106において、制御部3002と関連付けられたFSRによって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、閾値(例えば、FSR閾値3020)以下である(第1の)デジタル化されたFSR値から、閾値を上回る(第2の)デジタル化されたFSR値への第1の移行を検出し得る。
【0155】
3107において、論理は、ブロック3106において、デジタル化されたFSR値が閾値を超えていると判定することに応答して、ブロック3104で判定されたデジタル化された近接値が高レベル値3016を超えているか否かを判定し得る。デジタル化された近接値が高レベル値3016を超えない場合、プロセス3100は、ブロック3107からの「いいえ」の経路に続き、別のデジタル化された近接値および別のデジタル化されたFSR値を判定し得る。言い換えると、デジタル化された近接値が高レベル値3016を超えない限り、較正調節は一時停止されない。図30を参照すると、このシナリオは、タッチセンサ入力曲線3006が、クロスオーバーポイント3018に対応する時点において、たまたま高レベル値3016を下回る場合に生じる。ブロック3107において、デジタル化された近接値が高レベル値3016を超えている場合、プロセス3100は、ブロック3107からブロック3108への「はい」の経路に続くことができる。
【0156】
3108において、論理は、ブロック3102で開始された較正調節を一時停止し得る。ブロック3108における較正調節のこの一時停止は、ブロック3106において、デジタル化されたFSR値が閾値を超えていると判定することに応答して(例えば、閾値以下の(第1の)デジタル化されたFSR値から閾値を上回る(第2の)デジタル化されたFSR値への第1の移行を検出することに応答して)、そしてまた、ブロック3107において、デジタル化された近接値が高レベル値3016を超えていると判定することに応答して実行され得る。較正調節を一時停止することは、ブロック3106において第1の移行を検出した後、かつ、現在のデジタル化された近接値が高レベル値3016を上回ると判定した後に、高レベル値3016に増加させることを控えることを含み得る。較正調節を一時停止することは、高レベル値3016を固定値に制限することを含み得、高レベル値3016が固定値に制限されている間に増加しないようにする。較正調節を一時停止するための例示的な技術は、以下の図33および34を参照してさらに開示されている。
【0157】
3110において、論理は、制御部3002に関連付けられたFSRによって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、(第2の)デジタル化されたFSR値を判定し得る。例えば、このデジタル化されたFSR値は、ブロック3108において較正調節が一時停止した後にFSRによって測定された抵抗値から変換され得る。
【0158】
3112において、論理は、ブロック3110で判定された(第2の)デジタル化されたFSR値が閾値(例えば、FSR閾値3020)を超えているか否かを判定し得る。ブロック3112において、デジタル化されたFSR値が閾値を超えている場合、プロセス3100は、ブロック3112から「はい」の経路に続き、別のデジタル化されたFSR値を決定し得る。言い換えると、デジタル化されたFSR値がFSR閾値3020を超え続ける限り、較正調節は一時停止されたままとなる。ブロック3112において(第2の)デジタル化されたFSR値が閾値以下である場合、プロセス3100は、ブロック3112からブロック3114への「いいえ」の経路に続くことができる。ブロック3112においてFSR閾値3020以下であるデジタル化されたFSR値は、物体が制御部3002を押していることから、物体が制御部3002を押さずに制御部3002に接触していることへの移行を示すことができる。上述の別の方法では、論理は、ブロック3112において、制御部3002に関連付けられたFSRによって提供された力データに少なくとも部分的に基づいて、閾値(例えば、FSR閾値3020)を上回る(第3の)デジタル化されたFSR値から、閾値以下の(第4の)デジタル化されたFSR値への第2の移行を検出し得る。
【0159】
3114において、論理は、ブロック3112でデジタル化されたFSR値が閾値以下であると判定することに応答して(例えば、閾値を上回る(第3の)デジタル化されたFSR値から閾値以下である(第4の)デジタル化されたFSR値への第2の移行を検出することに応答して)、ブロック3108で一時停止された較正調節を再開し得る。較正調節を再開することは、ブロック3112で第2の移行を検出した後に高レベル値3016を増加させることを可能にすることを含み得る。ブロック3114に続いて、プロセス3100は、例えば、ハンドヘルドコントローラ100/600の電源がオフになるまで、ブロック3104~3114を反復し得る。
【0160】
図32は、ハンドヘルドコントローラ100/600の制御部3002に関連付けられたタッチセンサの連続的な較正調節を実行するための例示的なプロセス3200のフロー図である。
【0161】
3202において、ハンドヘルドコントローラ100/600の1つ以上のプロセッサは、ハンドヘルドコントローラ100/600の制御部3002と関連付けられたタッチセンサからのタッチセンサデータを受信し得る。例えば、タッチセンサデータは、タッチセンサのアナログ近接測定(例えば、静電容量)値から変換されたデジタル化された近接(例えば、静電容量)値を含み得る。
【0162】
3204において、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理(例えば、較正アルゴリズムを実装する論理)は、較正調節を実行することによって、制御部3002と関連付けられたタッチセンサを較正し得る。ブロック3204のサブブロックによって示されるように、この較正は、様々なサブ操作を含み得る。
【0163】
3206では、論理は、離散的ジェスチャ検出を実行し得る。このことは、タッチセンサによって提供されるタッチセンサデータ(すなわち、静電容量値)を分析してコントローラ100/600における離散的ジェスチャを検出することを含み得る。例えば、タッチセンサデータが、タッチセンサの近接(例えば、静電容量)値が急激に低下していることを示している場合、論理は、この近接(例えば、静電容量)値の低下を、ユーザが制御部3002から自身の手を離すこと、または制御部3002から特定の指3004を離すことに関連付けることができる。ユーザが制御部3002から急に自身の指3004を離すときに受信される近接(例えば、静電容量)値は、タッチセンサによって検出される近接(例えば、静電容量)値の範囲の低レベル値(例えば、この低レベル値は、指3004が制御部3002から間隔を空けて制御部3002に接触していないときを表す)に対応し得る。急激な低下の前に受信された近接(例えば、静電容量)値は、タッチセンサによって検出された近接(例えば、静電容量)値の範囲の高レベル値3016(例えば、この高レベル値3016は、指3004が制御部3002を押すことなく、接触しているときを表す)に対応し得る。
【0164】
3208では、論理は、低レベル値に対する連続的較正(更新および減衰)を実行することができる。例えば、タッチセンサデータがタッチセンサから受信されると、論理は、タッチセンサデータを継続的に監視して、タッチセンサの近接(例えば、静電容量)値の範囲に対する低レベル値を再較正またはリセットすることができる。言い換えると、タッチセンサからのタッチセンサデータの継続的な受信を通じて、論理は、この近接(例えば、静電容量)値が、この範囲の以前に判定された低レベル値よりも低いか否かを判定することができる。例えば、静電容量値が、ゲームプレイ体験を通じて変化すると(例えば、手が汗をかくか乾く、湿度、温度など)、ブロック3208において、論理は、新しい低レベル値を決定するか、または設定し、それによって、タッチセンサによって検出される近接(例えば、静電容量)値の範囲を調節することができる。
【0165】
3210において、論理は、高レベル値3016に対する連続的較正(更新および衰退)を実行することができる。例えば、タッチセンサからタッチセンサデータが受信されると、論理は、タッチセンサデータを連続的監視して、タッチセンサの近接(例えば、静電容量)値の範囲について高レベル値3016を再較正またはリセットすることができる。言い換えると、タッチセンサからタッチセンサデータを連続的に受信することを通じて、論理は、近接(例えば、静電容量)値が以前に判定された高レベル静電容量値の範囲を上回るか否かを判定することができる。例えば、サブブロック3212~3216は、ブロック3210において実行され得る。
【0166】
3212において、論理は、以前のいくつかのサンプル(例えば、カウント、フレームなど)にわたってタッチセンサによって提供されたタッチセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、平均近接値を判定することができる。例えば、N個(例えば、N=20)のサンプルにわたって検出された近接値は、タッチセンサのアナログ出力(例えば、測定されたアナログ静電容量)から変換され得、論理は、これらN個の近接値の平均値を判定することができる。このことが、以前のN個のサンプルにわたる平均近接値を提供する。
【0167】
3214において、ブロック3212において判定された平均近接値は、既存値に設定された高レベル値3016と比較され得、平均近接値が高レベル値3016を超えているかどうかを判定する。平均近接値が既存の高レベル値3016を超えない場合、プロセス3200は、ブロック3214からブロック3212への「いいえ」の経路に続くことができ、ここで、別の後続の平均近接値が、タッチセンサによって提供される追加のタッチセンサデータに基づいて判定される。平均近接値が既存の高レベル値3016を超えている場合、プロセス3200は、ブロック3214からブロック3216への「はい」経路に従い得る。
【0168】
3216において、既存の高レベル値3016を超える平均近接値に応答して、論理は、既存値から既存値を上回る新しい値に高レベル値3016を調節することができる。言い換えれば、高レベル値3016は、ブロック3216において増加される。いくつかの実施形態では、新しい高レベル値3016は、フレームの所定の数にわたって受信された平均近接値のパーセンテージまたは重みに少なくとも部分的に基づいて、ブロック3216において判定される。例えば、新しい高レベル値3016は、過去のサンプルの以前の数から判定された平均近接値に向けて延びることができる(または押し上げられ得る)。いくつかの事例では、高レベル値3016が「増える」量は、前のフレームの数からの平均近接値に0.2のような変数を乗じることによって決定され得る。しかしながら、この変数は、ハンドヘルドコントローラ100/600を保持するユーザの手のジェスチャを正確に判定するために、前のフレーム数にわたって決定された平均近接値に向かって高レベル値3016が「増える」ように最適化されてもよい。場合によっては、高レベル値3016の増加量はまた、平均近接値が、ブロック3214において高レベル値3016を超えている量に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、ブロック3204において較正調節を実行することは、ユーザがコントローラ100/600をどのように握るか、環境条件(例えば、湿度)、または他の特性(例えば、皮膚の濡れ具合)に応じて、経時的に低レベル値または高レベル値3016を減衰させることを含み得る。例えば、高レベル値3016は、既存の値から所定のより低い値に徐々に減少し得、かつ/または低レベル値は、既存の値から所定のより高い値に徐々に増加し得る。低レベルの値および高レベル値3016の量は、低レベルの値および高レベル値3016が、タッチセンサのセンサノイズを低減するための範囲の閾値量だけ分離されるように限定され得、減衰し得る。場合によっては、減衰は、タッチセンサの近接(例えば、静電容量)値の時間および/または変化率に依存し得る。例えば、ユーザが制御部3002上で指をタップするか、または異なるユーザがコントローラ100/600を拾い上げ、それによって、受信した近接(例えば、静電容量)値の変化を潜在的に引き起こす場合、減衰率は、低レベル値および/または高レベル値3016を更新するのに必要な時間の量を低減するために増加し得る。
【0170】
較正調節が一時停止されるとき(例えば、プロセス3100のブロック3108において)、較正調節のこの一時停止は、そのような一時停止の後にブロック3204のサブブロック3210を省略すること、または他の方法で無視することを含み得ることを理解されたい。言い換えれば、力の閾値を上回る量で制御部3002を押す物体に応答した較正調節の一時停止は、本明細書で説明されるように、高レベル値3016が増加できないが、ブロック3208における連続的な低レベル調節が、一時停止の後に継続できることを意味する。この一時停止は、高レベル値3016がさらに増加することを防止することを少なくとも指している。
【0171】
図33は、タッチセンサの較正調節を一時停止する一例示的なサブプロセス3300のフロー図である。例えば、プロセス3300は、プロセス3100のブロック3108の一部として実行され得る。
【0172】
3302において、ハンドヘルドコントローラ100/600の論理は、(第1の)デジタル化されたFSR値がFSR閾値3020を超えていると判定する時間において(例えば、閾値(例えば、FSR閾値3020)以下の(第1の)デジタル化されたFSR値から閾値を上回る(第2の)デジタル化されたFSR値への第1の移行を検出する時間において)、高レベル値3016が現在設定されている既存の値を判定することができる。
【0173】
3304において、論理は、高レベル値3016が、ブロック3302で判定された既存の値を上回る値まで増加させることを控えることができる。言い換えると、プロセス3300は、グラフ3000のFSR入力曲線3008が、クロスオーバーポイント3018においてFSR閾値3020を横切ったとき(例えば、FSR閾値3020の下からFSR閾値3020の上に)、高レベル値3016が何に設定されているかを判定し、論理は、この時点で現在設定されている値で高レベル値3016を「凍結」する。
【0174】
図34は、タッチセンサの較正調節を一時停止する別の例示的なサブプロセス3400のフロー図である。例えば、プロセス3400は、プロセス3100のブロック3108の一部として実行され得る。プロセス3400は、(第1の)デジタル化されたFSR値がFSR閾値3020を超えていると判定するハンドヘルドコントローラ100/600の論理に応答して(例えば、閾値(例えば、FSR閾値3020)以下の(第1の)デジタル化されたFSR値から、閾値を上回る(第2の)デジタル化されたFSR値への第1の移行の検出に応答して)実行され得る。
【0175】
3402において、論理は、(第1の)デジタル化されたFSR値がFSR閾値3020を超えていると判定する前に(例えば、第1の移行を検出する前に)、タッチセンサによって提供されたタッチセンサデータに基づいて判定された複数の第1のデジタル化された近接(例えば、静電容量)値の中の最大値を判定することができる。すなわち、論理は、FSR閾値3020が、FSR閾値3020の下からFSR閾値3020の上へと横切る前の時点で、タッチセンサの最大近接値を判定することができる。
【0176】
3404において、論理は、(第1の)デジタル化されたFSR値がFSR閾値3020を超えていると判定した後(例えば、第1の移行を検出した後)、タッチセンサによって提供されたタッチセンサデータに基づいて判定された複数の第2のデジタル化された近接値の中の最小値を判定することができる。すなわち、論理は、FSR閾値3020が、FSR閾値3020の下からFSR閾値3020の上へと横切った後の時点で、タッチセンサの最小近接値を判定することができる。
【0177】
3406において、論理は、ブロック3402で判定された最大値と、ブロック3404で判定された最小値との間の平均値を計算することができる。
【0178】
3408において、論理は、高レベル値3016が、ブロック3406で決定された平均値を上回る値まで増加させることを控えることができる。言い換えると、プロセス3400は、クロスオーバーポイント3018でFSR閾値3020を横切る(例えば、FSR閾値3020の下からFSR閾値3020の上まで)グラフ3000のFSR入力曲線3008の前に見られた最高近接(例えば、静電容量)値と、FSR入力曲線3008がクロスオーバーポイント3018でFSR閾値3020を横切った後に見られた最小近接(例えば、静電容量)値との間の平均を判定し、論理は、高レベル値3016を平均値で「凍結」して、較正調節を一時停止させる。
【0179】
別段の定めがない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される量を表す全ての数値は、全ての場合に「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、別途、定めがない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本開示によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、かつ同等物の原則の適用を特許請求の範囲の範囲に制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有意な桁の数を考慮して、かつ通常の四捨五入法を適用することによって解釈されるべきである。さらなる明確性が必要とされる場合、「約」という用語は、当業者によって合理的に見なされる意味を有しており、記載された数値または範囲と併せて使用される場合、すなわち、記載された値の±20%、記載された値の±19%、記載された値の±18%、記載された値の±17%、記載された値の±16%、記載された値の±15%、記載された値の±14%、記載された値の±13%、記載された値の±12%、記載された値の±11%、記載された値の±10%、記載された値の±9%、記載された値の±8%、記載された値の±7%、記載された値の±6%、記載された値の±5%、記載された値の±4%、記載された値の±3%、記載された値の±2%、または記載された値の±1%の範囲内にある、記載された値または範囲よりもある程度大きい、またはある程度小さいことを意味する。
【0180】
主題は、構造的特徴に固有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義された主題が必ずしも説明された特定の特徴に限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示される。
【0181】
本開示は、本明細書の特定の例示的な実施形態を参照して説明されるが、当業者は、本開示がそれらに限定されないことを認識するであろう。本開示の様々な特徴および態様は、個別に、または共同して、場合によっては、異なる環境または用途で使用され得ることが想定される。例えば、右手コントローラに関して示される特徴は、左手コントローラにも実装され得、その逆も同様である。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく、例示的かつ代表的なものとしてみなされるべきである。例えば、「好ましくは」という単語および「好ましいが必須ではない」という語句は、本明細書では、「必須ではない」または任意選択の意味を一貫して含むように同義語として使用される。「備える」、「含む」、および「有する」は、非限定的用語(open-ended terms)であることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】