(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(54)【発明の名称】芝生切取機械
(51)【国際特許分類】
A01G 20/12 20180101AFI20220405BHJP
【FI】
A01G20/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550093
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(85)【翻訳文提出日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 IB2020051685
(87)【国際公開番号】W WO2020178682
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】102019000003051
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521377591
【氏名又は名称】イベア・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】グリフィニ,アルベルト
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022AB06
(57)【要約】
発明は、芝生切取機械(1)に、より具体的には四輪駆動芝生切取機械に関する。当該芝生切取機械には、後車軸プーリー(41)と前車軸プーリー(43)の間に配設された伝動ベルト(39)を備える伝動部配設(37)が設けられており、伝動部配設(37)は、更に、切取刃(13)より上を通過しながら後車軸から前車軸に向かい次いで後車軸へ戻る伝動ベルト(39)のための経路を画定するように後車軸プーリーと前車軸プーリーの間に配設された複数の偏向プーリー(45、47、49、51)を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の後車輪(5)又は類似の転動要素を担持する後車軸(7)と一対の前車輪(9)又は類似の転動要素を担持する前車軸(11)とに取り付けられたフレーム(3)を備え、前記フレームは、前記後車軸と前記前車軸の間に配設された切取刃(13)と、前記前後の車輪(9、5)及び前記切取刃(13)の両方を駆動するモーター(15)とを担持し、前記後車軸(7)及び前記前車軸(11)は、それらが前記フレームからの最大距離にある第1の位置からそれらが前記フレームからの最小距離にある第2の位置へ及びその逆に可動となるようなやり方で前記フレームへ接続されている、芝生切取機械(1)において、前記芝生切取機械(1)が、前記後車軸(7)から前記前車軸(11)へ又はその逆に運動を伝達するための伝動部配設(37)であって、前記後車軸と一体の後車軸プーリー(41)と前記前車軸と一体の前車軸プーリー(43)との間に取り付けられた伝動ベルト(39)を備える伝動部配設(37)、を備えていること、及び、前記伝動ベルトの経路が前記切取刃(13)より上を通過するようなやり方で配設された複数の偏向プーリー(45、47、49、51)上を前記伝動ベルトが走っていること、を特徴とする芝生切取機械。
【請求項2】
請求項1に記載の芝生切取機械(1)において、
前記伝動ベルト(39)の前記経路は、前記後車軸7から前記前車軸11へ向かう第1の部分であって、前記後車軸プーリー(41)から第1の偏向プーリー(45)へ延びる第1の実質的に垂直の区分(a)と、前記切取刃(13)より上に配設されていて前記第1の偏向プーリー(45)から前記第2の偏向プーリー(47)へ延びる実質的に水平の区分(b)と、前記第2の偏向プーリー(47)から前記前車軸プーリー(43)へ延びる第2の実質的に垂直の区分(c)と、を備える第1の部分を含み、前記伝動ベルトの経路は、更に、前記前車軸から前記後車軸へ向かう第2の部分であって、前記前車軸プーリー(43)から第3の偏向プーリー(49)へ延びる第1の実質的に垂直の区分(d)と、前記切取刃(13)より上に配設されていて前記第3の偏向プーリー(49)から第4の偏向プーリー(51)へ延びる実質的に水平の区分(e)と、前記第4の偏向プーリー(51)から前記後車軸プーリー(41)へ延びる第2の実質的に垂直の区分(f)と、を備える第2の部分を含んでいる、芝生切取機械(1)。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の芝生切取機械(1)において、
前記偏向プーリー(45、47、49、51)はアイドラープーリーである、芝生切取機械(1)。
【請求項4】
請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の芝生切取機械(1)において、
前記偏向プーリー(45、47、49、51)は、前記前後の車軸(11、7)が前記第1の位置から前記第2の位置へ及びその逆に動いたときに前記伝動ベルト(39)の前記経路の長さが変化しないようなやり方で配設されている、芝生切取機械(1)。
【請求項5】
請求項4に記載の芝生切取機械(1)において、
前記偏向プーリー(45、47、49、51)は、前記後車軸プーリー(41)を担持する同じ支持体又は前記前車軸(43)を担持する同じ支持体に取り付けられている、芝生切取機械(1)。
【請求項6】
請求項3及び請求項5に記載の芝生切取機械(1)において、
前記第1及び前記第4の偏向プーリー(45、51)は前記後車軸プーリー(41)を担持する同じ支持体に取り付けられ、前記第2及び前記第3の偏向プーリー(47、49)は前記前車軸(43)を担持する同じ支持体に取り付けられている、芝生切取機械(1)。
【請求項7】
請求項5に記載の芝生切取機械(1)において、
前記偏向プーリーのうちの1つ(45)は、ばね(69)によって荷重をかけられる揺動アーム(67)を介在させて前記各個の支持体に取り付けられている、芝生切取機械(1)。
【請求項8】
上記請求項の何れか一項に記載の芝生切取機械(1)において、
前記後車軸(7)及び前記前車軸(11)は関節式平行リンクヒッチ(33)を介在させて前記フレームへ接続されていて、前記車軸が前記第1の位置から前記第2の位置へ及びその逆に動くことが可能である、芝生切取機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芝生切取機械に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は四輪駆動芝生切取機械に関する。
【背景技術】
【0003】
新しい芝生の層を敷設するために古い芝生の層を除去したり別の場所へ移植しなくてはならない芝生の層を切り取ったりするのに使用される芝生切取機械(turf cutting machine)は技術から知られている。
【0004】
芝生切取機械は、わずか数時間で庭園を築造及び改造することを可能にし、例えばサッカー場やテニスコートなどの既存の芝草を修復することも可能にする。
【0005】
芝生切取機械は、(例えばケーブル及び/又はパイプの敷設作業中に)掘削を遂行するために芝生の一区画を一時的に除去するのに使用されることもある。
【0006】
一般的に、芝生切取機械は、一対の前車輪と一対の後車輪に取り付けられていてモーター及び切取刃を担持しているフレーム、を備えている。モーターは、車輪へ運動を伝達するのに使用されると共に、地面を掘り芝生を切り取るように揺動交互運動で動く切取刃へ運動を伝達するのにも使用される。
【0007】
切取刃の地面からの距離は、当該刃が地面に進入する深さ、ひいては切り取られる芝生の厚さを選択できるように調節可能でなくてはならない。切取刃の回転中心はフレームに対して固定されているので、当該切取刃の地面からの距離の調節は、関節式平行リンクヒッチが設けられているおかげでフレームに対して可動である前車輪の車軸(前車軸)及び後車輪の車軸(後車軸)を動かすことによって得られる。この様に、前車輪及び後車輪は、切取刃の回転中心に平行して上下に動くことができ、その結果、切取刃の地面からの距離が変化する。
【0008】
大抵は、芝生切取機械は2つの駆動輪、つまり2つの後車輪を有している。
【0009】
場合によっては、当該後駆動輪が後駆動ローラーに置換されていることもあるが、この解決策は、後部のローラーが新しく切り取られた芝生の上を横切り芝生に損傷を与える危険性がある、という欠点を有している。
【0010】
一般的に、切取刃は車輪軌道内に配設されており、切り取り中に刃が遭遇する抵抗や草の湿分のせいで2つの駆動輪がスリップし機械が前進しないということがよく起こる。
【0011】
そうすると、操作者は、機械のフレームに片足を置き、機械を押してそれが前に進むのを手助けしなくてはならない。
【0012】
この作業は、不快で骨が折れるということの他に、操作者にとって危険を伴うものであり、操作者は転ぶ危険又は筋肉の捻挫及び/又は挫傷を被る危険を冒すことになる。
【0013】
加えて、芝生切取機械の不均一な前進が、更に、切り取られた芝生層の品質に悪影響を与えかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、運転中の芝生切取機械自体の地面でのスリップを回避し均一前進運動を保証するように地面に対する改善された牽引性及び密着性を有する芝生切取機械を提供することによって、先行技術の欠点を克服することである。
【0015】
この目的及び他の目的は、付随の特許請求の範囲に記載の芝生切取機械という手段によって実現される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明は、四輪駆動芝生切取機械を提供することによって先行技術の欠点を克服するものであり、つまり4つの駆動輪が二倍の駆動力を地面へ伝達することを可能にし、こうして運転中の芝生切取機械の前進を容易にする。
【0017】
四輪駆動芝生切取機械を作ることは、前述の2つの主な理由、即ち、
―― 切取刃の地面からの距離の調節を可能にするために前車軸及び後車軸が機械のフレームに対して可動でなければならない、
―― 切取刃がその駆動システムと共に前車軸と後車軸の間で車輪軌道内に配設される、
という理由のせいで、自明の解決策ではない。
【0018】
一例として、後車軸と前車軸の間に伝動シャフトの使用を構想する解決策は、前述の理由に因り実施するのは現実的に不可能であろう。
【0019】
伝動ベルトが使用されたとしても、当該伝動ベルトは前車軸側と後車軸側にそれぞれ配置された2つのプーリーを直接に接続することができない、というのも、切取刃の地面からの距離が変更されたとき、具体的には関節式平行リンクヒッチという手段によって車軸がフレームに対して動かされたときに、当該車軸間の距離が変化するからである。
【0020】
加えて、伝動ベルトが前車軸側と後車軸側にそれぞれ配置された2つのプーリーを直接に接続したのでは切取刃及びその駆動システムに干渉する危険があるだろう。
【0021】
発明によれば、運動は、伝動ベルトと、後車軸に取り付けられたプーリーと、前車軸に取り付けられたプーリーと、切取刃及びその駆動システムの上を通過しながら後車軸から前車軸に向かい次いで後車軸へ戻る伝動ベルトための経路を画定するように配設された複数の偏向プーリーと、を含む伝動部配設(transmission arrangement)という手段によって、後車軸から前車軸へ(又はその逆に)伝達される。
【0022】
望ましくは、当該偏向プーリーはアイドラープーリーである。
【0023】
発明の或る好適な実施形態では、当該偏向プーリーは後車軸及び前車軸に取り付けられたプーリーと共に伝動ベルトのための経路を画定しており、当該経路は、概略的には、切取刃より上に配設された水平区分と当該水平区分の各端を各車軸へ接合する垂直区分を持つ逆「U字」の形状を有している。
【0024】
より厳密には、伝動ベルトの経路が閉ループを形成しているという事実を考慮すると、経路は、後車軸から前車軸へ向かう第1の逆「U字」と前車軸から後車軸へ戻る第2の逆「U字」の二重逆「U字」を画定していることになる。
【0025】
発明の特に好適な或る実施形態では、偏向プーリーの配設は、切取刃の地面からの距離が変更されたときの車軸間隔の変化を考慮している。
【0026】
言い方を変えれば、偏向プーリーの配設は、当該偏向プーリー並びに前後の車軸に取り付けられたプーリーによって画定される伝動ベルトの経路の長さ又は周長が、切取刃の地面からの距離が変更されたときに変化しないような配設である。
【0027】
このために、当該偏向プーリーは後車軸のプーリーと同じ支持体又は前車軸のプーリーと同じ支持体に取り付けられていて、切取刃の地面からの距離を変更するために車軸が動かされたときにそれらプーリーが共に動くようになっている。
【0028】
この配設は否定のしようのない利点を手に入れることを可能にする。
【0029】
第一に、この配設は伝動ベルトの張力を一定に保つことを可能にする。
【0030】
第二に、この配設は、切取刃の地面からの距離を調節するためのレバーが作動されたときに前車輪が地面の上でスリップするのを回避するものであり、その様なスリップは、駆動トルクが一方の車軸でしか生成されないのでレバーの操作が極めて骨の折れるものになってしまうという様に重大な欠点を表わすことだろう。
【0031】
発明の更なる利点及び特徴は、添付図面に関連付けて非限定的な一例として与えられている或る好適な実施形態についての以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】第1の運転構成で示された
図1の芝生切取機械の左からの側面図である。
【
図3】
図2の芝生切取機械の右からの側面図である。
【
図4】第2の運転構成で示された
図1の芝生切取機械の左からの側面図である。
【
図5】前記第1の運転構成で示された
図1の芝生切取機械の運動伝達部配設(motion transmission arrangement)を概略的に示している。
【
図6】前記第2の運転構成で示された
図1の芝生切取機械の運動伝達部配設を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1-
図4を参照すると、発明の或る好適な実施形態による芝生切取機械1が概略的に示されている。
【0034】
それ自体は既知である様式では、芝生切取機械1は、車輪つまり後車軸7に取り付けられた一対の後車輪5及び前車軸11に取り付けられた一対の前車輪9、に取り付けられたフレーム3を備えている。
【0035】
後車軸7及び前車軸11は、それぞれの車輪へ堅く接続されている。
【0036】
芝生切取機械1は、使用者が機械を駆動できるようにするフレーム3と一体のハンドルバー4を具備している。
【0037】
芝生切取機械1は、更に、後車軸7と前車軸11の間で且つ後車輪5及び前車輪9の軌道内でフレーム1に取り付けられた切取刃13を具備している。
【0038】
フレーム3は、機械1及び切取刃13を前進させるために後車輪5と前車輪9の両方を駆動するモーター15を担持している。
【0039】
このために、モーター15は、モータープーリー21とギヤボックスプーリー23の間に取り付けられた第1のベルト19という手段によってギヤボックス17へ接続されていて、モーター15は、更に、モータープーリー21と刃プーリー27の間に取り付けられた第2のベルト25という手段によって接続されている(特に
図3参照)。
【0040】
運動は、モーター15から後車輪5へギヤボックス17を通じて伝達される。
【0041】
運動は、同じく、モーター15から切取刃13へ偏心輪(eccentric)29を通じて伝達され、偏心輪29は、刃プーリー27と一体であって、2つのコネクティングロッド31を通じて切取刃13を水平方向に往復揺動運動で以って動かし、切取刃はコネクティングロッド31より上の回転中心にてヒンジ付けされている。
【0042】
切取刃13の地面からの距離を調節し、ひいては当該切取刃が地面に進入する深さ及び切り取られる芝生の厚さを調節するために、後車軸7及び前車軸11は関節式平行リンクヒッチ33を介在させてフレーム3に取り付けられており、連結平行リンクヒッチ33は、車軸7、11がフレームからの最大距離にあり、その結果、切取刃13が地面からの最大距離にある第1の位置(
図2、
図3)と、車軸7、11がフレームからの最小距離にあり、その結果、切取刃13が地面からの最小距離にある位置(
図4)との間で、車軸7、11が動かされるのを可能にする。
【0043】
関節式平行リンクヒッチ33は作動レバー35によって制御される。
【0044】
発明によれば、芝生切取機械1は四輪駆動機械であり、このために、それは後車軸7から前車軸11へ運動を伝達するための伝動部配設(transmission arrangement)37を含んでいる。
【0045】
伝動部配設37は更に
図5及び
図6にいっそう詳細に示されている。
【0046】
上記の目的で、伝動部配設37は、後車軸と一体の後車軸プーリー41(駆動プーリー)と前車軸と一体の前車軸プーリー43(被駆動プーリー)との間に取り付けられた伝動ベルト39を備えている。
【0047】
伝動ベルト39が切取刃13及びその駆動システムに干渉するのを防ぐために、伝動部配設37は、後車軸7から前車軸11に向かい次いで再び後車軸7に戻る伝動ベルト39の経路が切取刃13の上を通過するようなやり方で配設された複数の偏向プーリー45、47、49、51を備えている。
【0048】
示されている実施形態では、伝動ベルトの経路は、切取刃より上に配設された水平区分と当該水平区分の各端を各車軸へ接合する垂直区分を持つ実質的に逆「U字」の形状を有しており、又はより厳密には、伝動ベルト39の経路が閉ループを形成していることを考慮すれば、二重逆「U字」の形状を有しているということになる。
【0049】
詳細には、伝動ベルトの経路は後車軸7から前車軸11へ向かう部分を含み、当該部分は、後車軸プーリー41から第1の偏向プーリー45へ向かう第1の実質的に垂直の区分aと、切取刃13より上に配設されていて第1の偏向プーリー45から第2の偏向プーリー47へ向かう実質的に水平の区分bと、第2の偏向プーリー47から前車軸プーリー43へ向かう第2の実質的に垂直の区分cと、を備えている。伝動ベルトの経路は更に前車軸11から後車軸7に向かう「戻り」部分を含み、当該部分は、前車軸プーリー43から第3の偏向プーリー49へ向かう第1の実質的に垂直の区分dと、切取刃13より上に配設されていて第3の偏向プーリー49から第4の偏向プーリー51へ向かう実質的に水平の区分eと、第4の偏向プーリー51から後車軸プーリー41へ向かう第2の実質的に垂直の区分fと、を備えている。
【0050】
図2及び
図4に見ることができる様に、伝動ベルトの経路の区分a、b、cは第1の逆「U字」を形成し、伝動ベルトの経路の区分d、e、fは第2の逆「U字」を形成している。
【0051】
偏向プーリー45、47、49、51は望ましくはアイドラープーリーである。
【0052】
フレーム3に固定的に取り付けられた更なる固定プーリー46が、伝動ベルト39の経路の、第1の偏向プーリー45と第2の偏向プーリー47の間の水平の区分bに沿って設けられている。
【0053】
固定プーリー46もまた望ましくはアイドラープーリーである。
【0054】
機械1の何れの運転構成でも伝動ベルト39が正しく張られたままであり続け、運動が正しく両車軸7、11へ伝達されることを保証するために、偏向プーリー45、47、49、51は、伝動ベルト39の経路の長さ(周長)(a+b+c+d+e+f)が一定であり且つ車軸7、11を第1の運転構成から第2の運転構成へ及びその逆に入れるため関節式平行リンクヒッチが作動されたときも一定であり続けるようなやり方で配設されている。
【0055】
このために、以下に詳細に例示されている様に、第1の偏向プーリー45及び第4の偏向プーリー51は後車軸プーリー41と同じ支持体に取り付けられ、第2の偏向プーリー47及び第3の偏向プーリー49は前車軸プーリー43と同じ支持体に取り付けられていて、車軸7、11が第1の運転構成から第2の運転構成へ及びその逆に動いたときにこれらのプーリーが共に動くようになっている。
【0056】
図5及び
図6により明白に視認できる様に、関節式平行リンクヒッチ33は、リターン要素57、59及びリターン要素61、63という手段によってそれぞれ作動レバー35へ接続された後回転中心53及び前回転中心55を備えている。
【0057】
詳細には、作動レバー35は、第1のリターンコネクティングロッド57及びギヤボックス17のギヤボックスプレート18と一体の第1のリターンアーム59という手段によって後回転中心53へ接続されており、当該後回転中心53も同じくギヤボックス17のギヤボックスプレート18と一体である。
【0058】
また、作動レバー35は、第2のリターンコネクティングロッド61及び第2のリターンアーム59という手段によって前回転中心55へ接続されている。
【0059】
この様に、作動レバー35に働きかけることによって、使用者は車軸7、11を第1の運転構成(
図5)から第2の運転構成(
図6)へ及びその逆に動かすことができる。
【0060】
第1の偏向プーリー45及び第4の偏向プーリー51を、後車軸プーリー41も取り付けられているギヤボックスプレート18に取り付けて設けることによって、そして第2の偏向プーリー47及び第3の偏向プーリー49を、前車軸プーリー43も取り付けられているプレート65に取り付けて設けることによって、車軸7、11が第1の運転構成から第2の運転構成へ及びその逆に移行したときに、第1の偏向プーリー45及び第4の偏向プーリー51は後車軸プーリー41と共に動き、第2の偏向プーリー47及び第3の偏向プーリー49は前車軸43と共に動くので、伝動ベルト39の経路の長さ(a+b+c+d+e+f)は車軸が動いたときも一定のままであり続ける。
【0061】
この配設は、伝動ベルトが一定して張った状態で安定していることを確約し、運動が常に正しく両車軸へ伝達されることを確約する。
【0062】
好都合にも、示されている実施形態では、第1の偏向プーリー45はギヤボックスプレート18に固定的に取り付けられているのではなく、それどころか第1の偏向プーリー45は揺動アーム67を介在させてギヤボックスプレート18に取り付けられている。
【0063】
好都合にも、ばね69によって荷重の掛けられる、揺動アーム30及び第1の偏向プーリー45によって形成された運動学的機構は、伝動ベルト39を張った状態に保つ働きをし、かくして経時的な摩耗及び/又は寸法変動を補償する。
【0064】
以上より、発明が、上述の目的を申し分なく実現し、四輪駆動芝生切取機械を実現することを可能にさせるのは明らかである。
【0065】
以上に説明されている実施形態は、非限定的な一例として与えられており、付随の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱することなく幾つかの修正及び変形が実施可能である、ということも明白である。
【符号の説明】
【0066】
1 芝生切取機械
3 フレーム
4 ハンドルバー
5 後車輪
7 後車軸
9 前車輪
11 前車軸
13 切取刃
15 モーター
17 ギヤボックス
18 ギヤボックスプレート
19 第1のベルト
21 モータープーリー
23 ギヤボックスプーリー
25 第2のベルト
27 刃プーリー
29 偏心輪
31 コネクティングロッド
33 関節式平行リンクヒッチ
35 作動レバー
37 伝動部配設(transmission arrangement)
39 伝動ベルト
41 後車軸プーリー
43 前車軸プーリー
45 第1の偏向プーリー
46 固定プーリー
47 第2の偏向プーリー
49 第3の偏向プーリー
51 第4の偏向プーリー
53 後回転中心
55 前回転中心
57 第1のリターンコネクティングロッド
59 第1のリターンアーム
61 第2のリターンコネクティングロッド
63 第2のリターンアーム
65 プレート
67 揺動アーム
69 ばね
a 伝動ベルトの経路の第1の垂直区分
b 伝動ベルトの経路の水平区分
c 伝動ベルトの経路の第2の垂直区分
d 伝動ベルトの「戻り」経路の第1の垂直区分
e 伝動ベルトの「戻り」経路の水平区分
f 伝動ベルトの「戻り」経路の第2の垂直区分
【国際調査報告】