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特表2022-521865電磁エネルギーによって細胞構造を活性化するためのデバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】電磁エネルギーによって細胞構造を活性化するためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20220406BHJP
   A61N 5/00 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020560298
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(85)【翻訳文提出日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2019066466
(87)【国際公開番号】W WO2020002150
(87)【国際公開日】2020-01-02
(31)【優先権主張番号】102018115180.2
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】18202224.4
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512158181
【氏名又は名称】バイオトロニック エスエー アンド カンパニー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】BIOTRONIK SE & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Woermannkehre 1 12359 Berlin Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デール、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】バイス、インゴ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C082
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ23
4C053JJ24
4C053JJ27
4C082AC02
(57)【要約】
本発明は、刺激デバイスであって、エネルギー源と、エレクトロニクスユニットと、当該エレクトロニクス及び/又は当該エネルギー源と結合された、アクチュエータと、を少なくとも備え、当該アクチュエータが、遺伝学的に操作された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されており、当該刺激デバイスが、ヒト又は動物の体内へ少なくとも一時的に埋め込むために設計されており、当該エレクトロニクスユニットが、コントローラを含み、当該コントローラが、当該アクチュエータの当該電磁波によって当該組織を刺激するように設計されている、刺激デバイスを記述する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刺激デバイスであって、
エネルギー源と、
エレクトロニクスユニットと、
前記エレクトロニクス及び/又は前記エネルギー源と結合された、アクチュエータと、を少なくとも備え、
前記アクチュエータが、遺伝学的に操作された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されており、
前記刺激デバイスが、ヒト又は動物の体内へ少なくとも一時的に埋め込むために設計されており、
前記エレクトロニクスユニットが、コントローラを含み、
前記コントローラが、前記アクチュエータの前記電磁波によって前記組織を刺激するように設計されており、
前記エレクトロニクスユニットが、次のユニットのうち少なくとも1つ、又は次のユニットの組み合わせを有し、
前記組織の活動及び/若しくは刺激の成功を特徴付けるデータを測定するように設計された、ピックアップユニット、並びに/又は
刺激の必要性及び/若しくは刺激の前記成功に関する測定データを評価するための、評価ユニット
前記刺激デバイスが、1つ以上の心腔に1つ以上のピックアップユニットを備える、
刺激デバイス。
【請求項2】
前記アクチュエータが、1013~1020Hzの周波数スペクトルの電磁波を放出するように設計されている、請求項1の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項3】
前記刺激デバイスが、少なくとも1つのハウジングを備え、前記ハウジングが、生体適合性材料を含みかつ/又は気密封止されている、請求項1又は2の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項4】
前記エレクトロニクスユニットが、前記ハウジング内に配置されており、前記エネルギー源及び/又は前記アクチュエータが、前記ハウジングの内側又は前記ハウジングの外側に配置されている、請求項3に記載の刺激デバイス。
【請求項5】
前記コントローラが、前記刺激のために使用される前記電磁波の次の特性のうちの1つ、又は次の特性の組み合わせを変えるように設計されている、
強度、
周波数、
波列の持続時間、及び/又は
パルスデューティ比
請求項1から4の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項6】
前記刺激デバイスが、少なくとも1つの電極リード又は電極プローブを有する、請求項1から5の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項7】
前記エレクトロニクスユニットが、外部デバイスによって少なくとも部分的に構成可能である、請求項1から6の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項8】
前記刺激デバイスが、前記刺激デバイスの少なくとも1つの部分をヒト又は動物の体の前記組織内へ固定するように設計された、少なくとも1つの固定ユニットを備える、請求項1から7の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項9】
前記エネルギー源が、一次電池又は二次電池の形態のバッテリを含む、請求項1から8の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項10】
前記刺激デバイスが、少なくとも1つの外部デバイス及び/又はデータセンタとの無線通信のための、テレメトリユニットを有する、請求項1から9の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項11】
前記アクチュエータが、少なくとも1つの光ファイバを含む、請求項1から10の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項12】
前記刺激デバイスが、次のセンサのうちの1つ、又は次のセンサの組み合わせを備える、
加速度計、
温度センサ、
音響センサ、
超音波センサ、
酸素センサ、
圧力センサ、及び/又は
磁場センサ
請求項1から11の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項13】
前記刺激デバイスが、電磁波による刺激を心臓組織に出力するように設計されており、前記刺激が、心拍に対して相対的な時間インターバルの経過後に行われて、少なくとも1つの、心臓の収縮を生じさせ、前記刺激が、少なくとも1つの刺激の形態で出力され、
前記評価ユニットが、徐脈の治療の必要性を検知する場合、前記検知が、少なくとも1つの指定された心拍数を下回る、測定された心拍数に基づき、かつ/若しくは、
前記評価ユニットが、心室細動の治療の必要性を検知する場合、前記検知が、少なくとも1つの指定された心室周波数及び/若しくは心室周波数の指定された安定性と、測定された心室周波数との比較に基づき、
かつ/又は、
前記刺激が、複数の刺激の形態で出力され、
前記評価ユニットが、前記評価ユニットが頻脈の治療の必要性を検知する場合の場合、前記検知が、少なくとも1つの指定された心拍数を下回る、測定された心拍数に基づき、複数の刺激が、シーケンスで出力され、かつ/若しくは、
前記評価ユニットが、心臓再同期療法の必要性を検知する場合、
前記検知が、心臓の活動を表す測定データの評価に基づき、少なくとも1つの第1の刺激及び1つの第2の刺激が、出力され、前記少なくとも第1及び第2の刺激が、前記心臓の左半分と右半分の本質的に同期した収縮を生じさせるように設計されており、
かつ/又は、
前記刺激が、少なくとも1つの刺激の形態で出力され、
前記評価ユニットが、心室細動の治療の必要性を検知する場合、前記検知が、少なくとも1つの指定された心室周波数及び/若しくは心室周波数の指定された安定性と、測定された心室周波数との比較に基づく、
請求項1から12の少なくとも一項に記載の刺激デバイス。
【請求項14】
前記刺激が、心拍に対して相対的な時間インターバルの経過後に出力されて、少なくとも1つの、前記心臓の収縮を生じさせ、前記コントローラが、前記時間インターバルを開始又は終了できるタイマを有し、前記時間インターバルの前記開始及び前記終了が、前記ピックアップユニットによってトリガされ、刺激が、前記時間インターバルの経過後にトリガされる、請求項13に記載の刺激デバイス。
【請求項15】
埋込み可能刺激デバイスを制御する方法であって、前記方法が、
前記刺激デバイスが電磁波を放出するように、誘導することと、前記電磁波によって、遺伝学的に操作された組織への刺激を、トリガすることと、のステップを少なくとも含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁エネルギーによって細胞構造を活性化するためのデバイス及び方法を説明する。
【背景技術】
【0002】
電流によってヒト又は動物の組織を刺激するための刺激装置は、古くから知られている。神経組織への電気刺激は、活動電位の活性化を引き起こし、これは、医学的な治療及び診断において使用される。埋込み可能刺激装置の例は、とりわけ、埋込み可能心臓ペースメーカ及び除細動器、脊髄刺激装置、迷走神経刺激装置、並びに脳ペースメーカである。
【0003】
電気刺激デバイスは、ヒト又は動物の組織にガルバニックに結合されて、電位を測定し、かつ/又は電流を送達して活動電位をトリガすることによって組織を刺激する。とりわけ、組織への必要なガルバニックな接続が理由となって、電気刺激の不利な点がもたらされる。刺激電極と組織の直接接触、及び電流の結合は、例えば壊死、感覚機能を制限する電気的な後電位、クロストーク(すなわち、異なる刺激経路にわたる並行した刺激の場合の、干渉)、(例えば、MRI装置内部の高周波磁場によって生成される)治療電流の不要な外部誘導、起こり得る痛みイベント、エレクトロポレーション、又は近くの組織の不要な刺激(例えば、心臓刺激装置は、横隔神経の不要な共刺激を引き起こす可能性がある)を、引き起こす可能性がある。他の不利な点は、複雑でかさばる場合がある治療電流発生デバイス(例えば、植え込み型除細動器の充電回路)、及び標的組織へのアクセス可能性の限界、による結果としてもたらされる。
【0004】
電磁波による興奮性を作り出すように組織を遺伝学的に操作することは、数年の間、科学的な議論及び研究の主題であった。標的組織が、活動電位が電磁波によって誘発されることができるように、成功裏に遺伝子組換えされている。
【0005】
これらの方法の1つは、光遺伝学的操作と呼ばれる。この方法は、例えば以下に記載されている。
-Lung MS,Pilowsky P,Goldys EM.,“Activation of the Mammalian cells by using light-sensitive ion channels.”Methods Mol Biol.2012;875:241-51;この刊行物は、可視スペクトルの光によって活動電位をトリガするための、組織の光遺伝学的操作を説明している。
-Wang et al.“Optogenetic Control of Heart Rhythm by Selective Stimulation of Cardiomyocytes Derived from Pnmt+Cells in Murine Heart”,January 2017 in Scientific Reports
【0006】
米国特許出願公開第2009/0088680号明細書は、光ファイバを心臓内に導入するためのカテーテルベースのシステムを記載しており、心臓組織は、これまで、光遺伝学的操作によって処置されてきた。光ファイバを心臓の内部に運ぶために、血管アクセスが、患者に配置され、カテーテルが、心臓内へと前方に押し込まれて、光ファイバが、カテーテルを通して心臓の内部に送達される。光ファイバは、光を心臓内に運び、操作された組織の、心内膜の刺激を実行する。
【0007】
米国特許出願公開第2009/0088680号明細書に記載されている方法の不利な点は、その方法が、医師によって外来患者ベースで実行されなければならず、かつ、光ファイバが、外部デバイスから操作されなければならないことである。例えば感染及び血管閉塞などの、静脈血管アクセス及びカテーテル挿入によって引き起こされる不利な点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0088680号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Lung MS,Pilowsky P,Goldys EM.,“Activation of the Mammalian cells by using light-sensitive ion channels.”Methods Mol Biol.2012;875:241-51
【非特許文献2】Wang et al.“Optogenetic Control of Heart Rhythm by Selective Stimulation of Cardiomyocytes Derived from Pnmt+Cells in Murine Heart”,January 2017 in Scientific Reports
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、動物及び/又はヒトの前処置された興奮性の細胞構造の活動電位を、誘発、変調、終了、及び/又は阻害すること、並びにそれを、恒久的に埋込み可能なデバイスで、そのデバイスがガルバニック電流の印加を必要とすることなく、行うことである。
【0011】
本発明の1つの目的は、言及した不利な点を有しない、デバイス及びシステムを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、活動電位をトリガするために電磁波によって組織を刺激するための、デバイス及びシステムを提供することであり、デバイスは、そのデバイスが、恒久的な血管アクセス、外部機器、又は外来患者による医師への訪問を必要とせずに、恒久的な刺激を可能にする。
【0013】
本発明は、独立請求項の特徴によって、この目的を達成する。本発明の好ましい実施形態及び有利な点は、他の請求項及び本明細書による。
【0014】
本発明は、少なくとも次を備える刺激デバイスを、提案する。
エネルギー源、
エレクトロニクスユニット、
当該エレクトロニクス及び/又は当該エネルギー源と結合された、アクチュエータであって、このアクチュエータが、遺伝学的に操作された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されている、アクチュエータ。当該刺激デバイスは、ヒト又は動物の体内へ少なくとも一時的に埋め込むために設計されている。当該エレクトロニクスユニットは、コントローラを含み、当該コントローラは、当該アクチュエータの当該電磁波によって当該組織を刺激するように設計されている。
【0015】
本発明の1つのサンプル実施形態によれば、アクチュエータは、光遺伝学的に操作された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されている。
【0016】
遺伝学的に操作された組織への刺激のための埋込み可能デバイスは、これまで扱われた問題を解決する。埋め込み物は、患者へのカテーテル挿入又は医師による手術を必要とせずに、恒久的な刺激を与えることができる。
【0017】
好ましくは、本発明の刺激デバイスによる刺激は、次の疾患のうち少なくとも1つを処置するように設計されている。
-心臓徐脈
-心臓頻脈
-心房細動
-心室細動
-心不全
-パーキンソン病
-振戦
-ジストニア
-うつ病
-トゥレット症候群
-慢性の痛み
-てんかん
-神経又は筋肉障害。
【0018】
本発明の刺激デバイスの1つのサンプル実施形態によれば、アクチュエータは、赤外光からX線放射までの周波数スペクトルの電磁波を放出するように設計されている。好ましい実施形態によれば、アクチュエータは、1013~1020Hzの周波数スペクトルの電磁波を放出するように設計されている。好ましくは、アクチュエータは、赤外放射及び紫外放射を含む赤外放射から紫外放射までのスペクトルに対応する、1013~1016Hzの周波数スペクトルの電磁波を放出するように設計されている。1つのサンプル実施形態によれば、アクチュエータは、ヒトの目に見えるスペクトルにほぼ対応する、1014~1015Hzの周波数スペクトルの電磁波を放出するように設計されている。この選択の有利な点は、そのようなアクチュエータの実装が比較的簡単であること、並びにエネルギー要求が小さいこと、及び光がヒト又は動物の組織に無害であることである。本発明の枠組みにおいて、周波数範囲の示された限界は、ハードリミットとして解釈されるべきではなく、むしろある一定の許容範囲内で近似的に、示された周波数にあるべきである。許容範囲は、当業者の理解に基づくべきである。特に、許容範囲は、当業者が、電磁スペクトルのいずれの周波数を、対応する放射タイプと関連付けるか(例えば、可視光、X線放射、赤外放射の、スペクトル)、に基づくべきである。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、刺激デバイスは、少なくとも1つのハウジングを備え、そしてまたハウジングは、生体適合性材料を含む。好ましくは、刺激デバイスが埋め込まれた状態にあるときにヒト又は動物の組織と直接接触する、刺激デバイスの部分は、生体適合性材料からなり、そのため、生体は、刺激デバイスを異物として認識せず、そのようにして、生物学的な防衛反応が、予防される。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、ハウジングは、気密封止されており、そのため、埋め込まれた状態では、体液は、ハウジングの内部に侵入できない。
【0021】
本発明の刺激デバイスの別の態様によれば、当該エレクトロニクスユニットは、当該ハウジング内に配置されており、当該エネルギー源及び/又は当該アクチュエータは、当該ハウジングの内側又は当該ハウジングの外側に配置されている。構成要素をハウジングの内側に配置することは、デバイスのコンパクト性が高まり、かつ配線経路が最小化されるという、有利な点を与える。さらに、ハウジングの内側のすべての構成要素は、外部の影響から保護される。アクチュエータをハウジングの外側に配置することは、このことが、アクチュエータの配置におけるより大きな柔軟性を与えるという、有利な点を与える。このことは、刺激される領域が局所的により標的化された方法で電磁波を照射されるように、アクチュエータが配置されることを、可能にする。充電式バッテリ、及び導電性材料で作られたハウジングが、使用されている場合、バッテリをハウジングの外側に配置することは、バッテリがハウジング内に配置されている場合よりも、(例えば、外部コイルによって誘導的に)充電するプロセスがより効率的であるという、有利な点を与える。ハウジング材料による渦電流損失が、減少するからである。
【0022】
さらに、本発明の一実施形態は、当該エレクトロニクスユニットが、次のユニットのうち少なくとも1つ、又は次のユニットの組み合わせを有することを、提供する。
-組織の活動及び/若しくは刺激の成功を特徴付けるデータを測定するように設計された、ピックアップユニット、並びに/又は
-刺激の必要性及び/若しくは刺激の当該成功に関する測定データを評価するための、評価ユニット。
【0023】
例えば、当該コントローラは、当該電磁波又は電磁信号を変調するために、当該刺激のために使用される当該電磁波の次の特性のうちの1つ、又は次の特性の組み合わせを変えるように設計されることができる。
-強度、すなわち当該電磁波の振幅、
-周波数、
-波列の持続時間、及び/又は
-当該電磁波のパルスデューティ比、すなわち電磁波の放出の持続時間と、その後の電磁波の放出がない時間との比。
【0024】
本発明の一態様によれば、波列の持続時間は、電磁波による刺激の、意図される効果に応じて0.1ms~5sである。波列は、連続的な電磁波を意味するように理解される。例えば、心臓の刺激のためのペースメーカ刺激として、又は抗頻脈ペーシング刺激(antitachycardia pacing stimuli:ATP)のシーケンス中の刺激の持続時間として、神経刺激での適用のために0.1ms~2msの持続時間を有する波列を選択することが、可能である。0.1s~5sの持続時間は、例えば、心臓の刺激のための、電気的除細動又は除細動の刺激として、選択されることができる。
【0025】
さらに、本発明の1つのサンプル実施形態によれば、電磁波による刺激の周波数は、1013~1020Hzの周波数スペクトルにある。好ましいサンプル実施形態によれば、1013~1016又は1014~1015Hzの範囲内の周波数が、選択される。
【0026】
本発明の刺激デバイスの別の態様によれば、刺激デバイスは、少なくとも1つの電極リード又は電極プローブを有する。例えば、刺激デバイスは、一般的な心臓ペースメーカ又は神経刺激装置に使用されるものなどの、長く引き伸ばされる可撓性の電極リードを有することができる。一実施形態によれば、アクチュエータは、遠位端、そのような電極リードに、配置されることができる。
【0027】
例えば、一実施形態によれば、ピックアップユニットは、電磁波を受信して、それを電気的に格納可能な測定データに変換するように、設計されることができる。そのようなピックアップユニットは、例えば光検知器などの、光センサを含むことができる。ピックアップされた電磁波に関する情報は、測定データに変換されるのであり、それから評価ユニットによって分析されることができる。評価ユニットは、例えば患者の生理学的状態及び/又は刺激デバイス自体の状態を表す様々なパラメータに関して、測定データを評価することができる。そのようなパラメータの例は、刺激療法の成功、刺激療法の必要性の状態、患者の健康状態、刺激デバイスの環境の状態を特徴付けるパラメータなどである。
【0028】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、少なくともエネルギー源及びエレクトロニクスユニットが、ハウジングの内側に配置される。これらのユニットは、体液に影響されやすく、その体液のいくつかは、攻撃的であり、これらのユニットが、埋め込まれた状態でその体液にさらされる。したがって、一実施形態によれば、気密封止されたハウジング内への配置は、有利である。
【0029】
好ましい実施形態では、エレクトロニクスユニットは、外部デバイスによって少なくとも部分的に構成可能である。外部デバイスをエレクトロニクスユニットに結合することにより、構成は、無線又は有線であることができる。このことは、本発明の刺激デバイスの機能を柔軟にプログラムし、個々の患者に適合させることを、可能にする。
【0030】
本発明の別の態様によれば、刺激デバイスは、刺激デバイスの少なくとも1つの部分をヒト又は動物の体の組織内へ固定するように設計された、少なくとも1つの固定ユニットを備える。そのような固定ユニットの例は、ねじ要素、フック要素、アンカー要素、及び組織接着剤である。
【0031】
本発明の1つのサンプル実施形態によれば、エネルギー源は、一次電池又は二次電池の形態のバッテリを含む。バッテリは、好ましくはハウジングの内側に配置される。1つのサンプル実施形態によれば、バッテリは、例えば充電コイルを有する外部充電器を介して誘導的に、充電可能である。
【0032】
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、刺激デバイスは、少なくとも1つの外部デバイス及び/又はデータセンタとの無線通信のための、テレメトリユニットを有する。このことは、刺激デバイスが、測定データを送信し、例えばプログラミングコマンド、患者固有のデータなどの、他のデータを受信することを、可能にする。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、アクチュエータは、少なくとも1つの光ファイバを含む。光ファイバは、光遺伝学的組織への刺激のために、電磁波を結合する役割を果たす。
【0034】
さらに、本発明の他の実施形態によれば、刺激デバイスは、次のセンサのうちの1つ、又は次のセンサの組み合わせを備えることができる。
-加速度計、
-温度センサ、
-音響センサ、
-超音波センサ、
-酸素センサ、
-圧力センサ、及び/又は
-磁場センサ。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、追加のセンサが、評価ユニットと結合されていることができる。評価ユニットは、例えば患者の生理学的状態及び/又は刺激デバイス自体の状態を表す様々なパラメータに関して、センサデータを評価することができる。パラメータの例は、刺激療法の成功、刺激療法の必要性の状態、患者の健康状態、刺激デバイスの環境の状態を特徴付けるパラメータなどである。
【0036】
本発明の別の態様によれば、刺激デバイスは、電磁波による刺激を、心臓組織に出力するように設計されている。この刺激は、心拍に対して相対的な、ある特定の時間に実行される。例えば、心拍を表す信号において、特徴的なイベント(例えば、徐脈/頻脈のエピソード、信号形状の異常など)を測定することが可能であり、それらの後にカウンタが開始される。カウンタが、時間インターバルが経過したと判断した場合、刺激が、行われる。刺激は、少なくとも1つの、心臓の収縮を引き起こすように、設計されている。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、刺激は、少なくとも1つの刺激の形態で出力され、
評価ユニットが、徐脈の治療の必要性を検知する場合、当該検知は、少なくとも1つの指定された心拍数を下回る、測定された心拍数に基づき、かつ/又は、
評価ユニットが、心室細動の治療の必要性を検知する場合、当該検知は、少なくとも1つの指定された心室周波数及び/若しくは心室周波数の指定された安定性と、測定された心室周波数との比較に基づく。
【0038】
この実施形態では、刺激デバイスは、徐脈又は心室細動の治療のために設計されている。
【0039】
本発明の一態様によれば、この刺激は、複数の刺激の形態で出力されるのであり、評価ユニットが、評価ユニットが頻脈の治療の必要性を検知する場合の場合、当該検知は、少なくとも1つの指定された心拍数を下回る、測定された心拍数に基づき、複数の刺激は、シーケンスで出力され、かつ/又は、
評価ユニットが、心臓再同期療法の必要性を検知する場合、当該検知は、心臓の活動を表す測定データの評価に基づき、少なくとも1つの第1の刺激及び1つの第2の刺激が、出力され、当該少なくとも第1及び第2の刺激は、当該心臓の左半分と右半分の本質的に同期した収縮を生じさせるように設計されている。
【0040】
本発明の一態様によれば、この刺激は、複数の刺激の形態で出力されるのであり、評価ユニットが、頻脈の治療の必要性を検知する場合、当該検知は、少なくとも1つの指定された心拍数を超える、測定された心拍数に基づき、当該刺激は、シーケンスで出力され、かつ頻脈を終了させるように設計されている。頻脈は、心房性及び/若しくは心室性頻拍、又は心房細動である。心房細動の検知は、例えば、少なくとも1つの指定された心房周波数及び/又は心房周波数の指定された安定性と、測定された心房周波数との比較に基づく。1つのサンプル実施形態によれば、当該シーケンスの刺激は、心房細動を終了させるように設計されている。
【0041】
上記2つの実施形態では、刺激デバイスは、頻脈の治療、又は心臓の右半分と左半分の非同期収縮によって引き起こされる心不全の治療のために、設計されている。
【0042】
本発明の一態様によれば、この刺激は、評価ユニットが心室細動の治療の必要性を検知する場合に、少なくとも1つの刺激の形態で出力される。治療の必要性の検知は、少なくとも1つの指定された心室周波数及び/又は心室周波数の指定された安定性と、測定された心室周波数との比較に基づく。少なくとも1つの出力刺激は、心室細動を終了させるように設計されている。
【0043】
本発明の一態様によれば、刺激デバイスは、1つ以上の心腔に、1つ以上のピックアップユニットをさらに備える。例えば、ピックアップユニットは、右心房又は右心室に配置されることができる。ピックアップユニットは、好ましくは、それらが右心房、右心室、左心房、及び/又は左心室から信号を受信できるように、配置される。当該信号は、例えば電磁的、電気的、又は音響的性質のものであることができる。
【0044】
本発明の別のサンプル実施形態によれば、刺激デバイスは、心拍に対して相対的な時間インターバルが経過した後に、刺激を出力する。このコントローラは、時間インターバルを開始又は終了できる、タイマ又はカウンタがある。時間インターバルの開始及び終了は、ピックアップユニットによってトリガされ、刺激が、時間インターバルが経過した後にトリガされる。
【0045】
本発明は、埋込み可能刺激デバイスを制御する方法であって、この方法が、
当該刺激デバイスが電磁波を放出するように誘導することと、当該電磁波によって、遺伝学的に操作された組織への刺激を、トリガすることと、のステップを少なくとも含む、方法を、提案する。
【0046】
本発明の刺激デバイス及びそれが備える構成要素の、上記の態様及び実施形態は、当該方法に同様に適用されることとなり、当該本発明の刺激デバイスを制御し、かつ本発明の刺激デバイスが備える構成要素を制御する。
【0047】
さらに、本発明の刺激デバイスの別の態様、それは、長く引き伸ばされる電極リードを有しない、埋込み可能刺激装置を備える。電気刺激に関連して頻繁に使用される、電極又はプローブ線は、感染による合併症、又は断線若しくは短絡の、追加的な原因を与える可能性がある。
【0048】
本発明の一態様によれば、刺激デバイスは、少なくとも次を備える。
-エネルギー源、
-コントローラを含む、エレクトロニクスユニット、
-当該エレクトロニクス及び/又は当該エネルギー源と結合された、アクチュエータ、
-当該エネルギー源、当該エレクトロニクスユニット及び当該アクチュエータが配置された、ハウジング、
-当該ハウジングと結合されており、心臓上又は心臓内に当該刺激デバイスを固定するように設計された、固定ユニット。当該アクチュエータは、遺伝学的に操作された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されている。当該コントローラは、当該アクチュエータの電磁波によって、組織への刺激を制御するように設計されている。
【0049】
さらに、本発明の1つのサンプル実施形態によれば、エレクトロニクスユニットは、次のユニットのうち少なくとも1つ、又は次のユニットの組み合わせを有する。
組織の活動及び/若しくは刺激の成功を特徴付けるデータを測定するように設計された、ピックアップユニット、並びに/又は
刺激の必要性及び/若しくは刺激の当該成功に関する測定データを評価するための、評価ユニット。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、アクチュエータの少なくとも一部は、生体適合性材料でコーティングされている。特に、アクチュエータが、ハウジングの外側に配置されていて、その環境と直接接触している、すなわち埋め込まれた状態で体液と接触している場合、アクチュエータは、そのような生体適合性のコーティングを必要とする。本発明の刺激デバイスの一態様によれば、アクチュエータは、電磁波によって心臓上又は心臓内の局所的な領域を刺激するように、設計されている。
【0051】
本発明の1つのサンプル実施形態によれば、刺激デバイスは、好ましくは、電磁波によって心臓上又は心臓内のそれぞれ異なる局所的な領域を刺激するように設計された、少なくとも1つの第1のアクチュエータ及び1つの第2のアクチュエータを有する。
【0052】
第2のアクチュエータは、刺激デバイスのエレクトロニクスユニット及び/又はコントローラと接続されることができ、かつそれらによって制御されることができる。
【0053】
1つのサンプル実施形態によれば、固定ユニット、及び/又はハウジングの少なくとも部分には、抗炎症薬、例えばステロイドが、与えられている。
【0054】
本発明の刺激デバイスが心臓への電気刺激のためのユニットを有することも、考えられる。刺激デバイスは、それが、電磁波によって若しくはガルバニックに結合された電流によって、又はそれら2つの組み合わせによって、組織への刺激をトリガするように、制御されることができる。電磁波は、アクチュエータによって送信されるであろうし、一方、ガルバニック電流は、心臓への電気刺激のためのユニットによって結合される。
【0055】
本発明の一態様によれば、刺激デバイスは、
-エネルギー源、
-コントローラを含む、エレクトロニクスユニット、
-当該エレクトロニクス及び/又は当該エネルギー源と結合された、アクチュエータであって、当該アクチュエータが、遺伝学的に操作された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されている、アクチュエータ、
固定ユニット、を備え、
当該刺激デバイスは、ヒト又は動物の体内へ少なくとも一時的に埋め込むために設計されており、当該コントローラは、当該アクチュエータの当該電磁波による当該組織への刺激を制御するように設計されている。このことを実現するために、刺激デバイスは、制御ユニットを有する。当該制御ユニットは、電磁アクチュエータを介して行われる刺激による、組織の活動及び/又は刺激の成功を特徴付けるデータを、ピックアップする。
【0056】
さらに、本発明の他のサンプル実施形態によれば、制御ユニットは、次の信号として、少なくとも1つ又は組み合わせに基づいて、当該データを受信する。
-電気的に得られる遠距離場信号、
-心音、
-圧力信号、
-パルスオキシメトリの原理による光学信号、
-超音波信号、
-加速度信号、及び/又は
-熱信号。
【0057】
1つのサンプル実施形態によれば、刺激デバイスは、体液の流量及び流れの方向についてこのように結論を導くことができるように、ドップラー技術に基づいて、超音波信号を受信及び評価するように、設計されている。
【0058】
本発明の刺激デバイスの1つのサンプル実施形態によれば、制御ユニットは、遺伝学的に操作された組織と電気的に接触していない。制御ユニットは、アクチュエータによる組織の活動及び/又は刺激の成功を特徴付ける、評価される信号が、制御ユニットから直接、センサによって受信されることができるような方法で、配置される。あるいは、センサは、それらが制御ユニットから分離されるように、配置されていることができる。この場合、センサが受信した信号は、制御ユニットに転送される。制御ユニットは、エレクトロニクスユニットの一部を形成することができる。
【0059】
本発明の1つのサンプル実施形態は、刺激システムであって、
-エネルギー源、
-コントローラを含む、エレクトロニクスユニット、
-当該エレクトロニクス及び/又は当該エネルギー源と結合された、アクチュエータであって、当該アクチュエータが、遺伝学的に操作された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されている、アクチュエータ、
-ハウジングであって、当該ハウジング内に、少なくとも当該エレクトロニクスユニットが配置された、ハウジング、を少なくとも備え、
当該刺激システムは、ヒト又は動物の体内へ少なくとも一時的に埋め込むために設計されており、当該コントローラは、当該アクチュエータの当該電磁波による当該組織への刺激を制御するように設計されている、刺激システムを記述する。刺激システムは、刺激のために当該組織の区域又は領域を選択するように設計された選択手段も含む。
【0060】
本発明の刺激システムの一態様によれば、アクチュエータは、電磁波を、少なくとも1つの放出方向に放出するように設計されており、選択手段は、放出方向を、制御するように設計されている。
【0061】
1つのサンプル実施形態によれば、アクチュエータは、4*πより小さい立体角で電磁波を放出する。
【0062】
本発明の刺激システムの1つのサンプル実施形態によれば、選択手段は、当該組織の領域をマスクするように設計された少なくとも1つのマスキング手段をさらに有し、そのため、その領域への刺激の強度は、低減されるか、又はゼロに等しくなる。
【0063】
1つのサンプル実施形態によれば、マスキング手段は、アクチュエータが電磁波を放出する立体角を、変えるように設計されている。
【0064】
1つのサンプル実施形態によれば、マスキング手段は、次を遮断する少なくとも1つのフィルタを含む。
-ある一定の周波数範囲の電磁放射、又は
-ある一定の偏波方向の電磁放射。
【0065】
1つのサンプル実施形態によれば、マスキングデバイスは、アクチュエータと接続されているか、又はアクチュエータに固定されている。あるいは、マスキングデバイスは、アクチュエータと共にユニットを形成することができる。
【0066】
1つのサンプル実施形態によれば、マスキングデバイスは、当該組織の領域と接触している。特定のサンプル実施形態は、被覆層(例えば、電磁放射を通さないラック)の形態であるマスキングデバイス、又は当該組織領域を覆う被覆デバイスを伴う。さらに、本発明の1つのサンプル実施形態によれば、マスキングデバイスは、ハウジングの一部によって形成される。このことは、例えば(例えば、シェードの形態で)マスキングデバイスをハウジング上に配置することにより、実現されることができる。
【0067】
さらに、1つのサンプル実施形態によれば、アクチュエータは、刺激システムが埋め込まれた状態にあるときに、環境内の物体が当該組織の少なくとも1つの領域をマスクする役割を果たすような方法で、配置されており、そのため、その領域への刺激の強度は、低減されるか、又はゼロに等しくなる。例えば、このことは、アクチュエータを埋込み部位の環境の空洞内に配置することによって達成されることができ、それにより、そのアクチュエータを取り囲む組織のトポロジが、放出される電磁波に対する自然のマスクとして役割を果たす。刺激システムが、心臓に埋め込まれる場合、アクチュエータは、右心房に位置する心耳に埋め込まれることができる。このことによって、電磁波が右心室に照射されるおそれがなくなる、すなわち心房への選択的な照射が可能になる。別の例では、アクチュエータが調節帯より下方に埋め込まれる場合、電磁波が心房に照射される可能性がない、すなわち右心室への選択的な照射が可能になる。
【0068】
本発明の刺激システムの別の態様によれば、当該組織の照射領域は、マスキング手段を適合させることによって、変更可能である。例えば、刺激の成功の測定に基づいて、細胞構造の処置を改善することが必要になる場合がある。このことは、追加の処置によって照射領域を拡大すること、又はマスキング手段を使用して照射領域を縮小することを、伴う可能性がある。
【0069】
本発明の刺激システムの一実施形態によれば、選択手段は、ハウジングと接続された、支持構造を有し、アクチュエータが、当該支持構造に接続される。支持構造は、選択手段及び/又はアクチュエータが、当該支持構造上の様々な場所に配置及び固定されることができるように、設計されることができる。これにより、選択手段とアクチュエータの間の空間的な配置を変更し、そのようにしてアクチュエータの放出角度をより柔軟に適合させることが、可能になる。1つのサンプル実施形態によれば、支持構造は、アクチュエータによって放出される電磁波の放出角度を制限するように、設計されている。
【0070】
さらに、本発明の刺激システムの一態様によれば、刺激システムは、少なくとも1つの第1のアクチュエータ及び1つの第2のアクチュエータを有する。アクチュエータは、好ましくは、それらが電磁波を同時に放出する場合に干渉が最小化されるように、配置される。例えば、2つの組織領域は、互いに独立して照射されることができる。本発明の一態様によれば、第1及び第2のアクチュエータによって放出される電磁波は、それぞれ異なる周波数、及び/又はそれぞれ異なる偏波を有する。
【0071】
さらに、本発明の刺激システムの1つのサンプル実施形態によれば、刺激システムは、電磁放射を集束させる手段を有する。集束の手段は、例えば次を含む。
-レンズ、
-コリメータ、
-使用されている電磁放射に対して異方性の伝播特性を有する材料を有する、デバイス。
【0072】
本発明の例は、図面に示されるサンプル実施形態を使用して、以下で詳細に説明される。図において、機能的に同じであるか又は同じ効果を有するすべての要素は、同じ参照番号でラベル付けされている。図は、本発明の概略図であり、本発明の非特定パラメータを示す。図は、本発明の典型的な実施形態を再現するのみであり、示される実施形態に本発明を限定するように意図されているのではない。
【0073】
本発明の1つのサンプル実施形態によれば、少なくとも次を含むデバイスが、提案される。
-エネルギー源、
-エネルギーストレージ、
-エレクトロニクスユニット、
-当該デバイスが、ヒト又は動物の体内に埋め込むために設計されていること、
-及び、当該エネルギーストレージと結合されており、かつ当該エネルギーストレージをディスチャージすることにより電磁波を放出するように設計されている、アクチュエータ。
【0074】
さらに、この発明デバイスの一態様によれば、エネルギーストレージは、コンデンサ及び/又はコイルを有する。
【0075】
この発明デバイスの一態様によれば、エレクトロニクスユニットは、次の特性のうち少なくとも1つを有するコントローラを含む。
当該コントローラが、エネルギーストレージのチャージ、及びアクチュエータへのエネルギーストレージのディスチャージを制御するように設計されていること、
-当該コントローラが、チャージ及びディスチャージのためのエネルギー量を制御するように設計されていること、
-当該コントローラが、プログラミングデバイスによって外部から設定可能であること、
-当該コントローラが、ディスチャージのための放出ユニットを有すること、並びに/又は
-当該ディスチャージが、直列に接続された少なくとも2つのインピーダンス上で行われ、当該インピーダンスが、当該コントローラによって調整可能であること。
【0076】
例えば、そのようなインピーダンスは、電気的なスイッチ要素によって実現されることができる。そのようにして、そのようなスイッチ要素は、ディスチャージが進行できるようにする。
【0077】
本発明のデバイスの1つのサンプル実施形態によれば、ディスチャージは、アクチュエータが0.1ms~5sの期間で連続的な波列の形態の電磁波を放出するように、コントローラによって制御される。神経刺激適用(例えば、脊髄刺激、迷走神経刺激)、心臓ペーシング、又はATP刺激の場合、0.1ms~2msの期間を選択することが可能であり、心臓の電気的除細動又は除細動の場合、0.1s~5sを選択することが可能である。
【0078】
さらに、本発明の一態様によれば、ディスチャージは、2つ以上の位相で行われる。
【0079】
本発明のデバイスの1つのサンプル実施形態によれば、アクチュエータは、次の特性のうち少なくとも1つを有する。
-当該アクチュエータが、電磁波の放出のための少なくとも1つの光源を含むこと、
-当該アクチュエータが、少なくとも1つの電流制限器(例えば、抵抗器若しくはダイオード)を含むこと、
-当該アクチュエータが、1V~1500V(特別な解決策は、例えば並列回路の場合1~10V、直列回路の場合50~500Vであろう)の、エネルギーストレージによって動作すること、
-及び/又は
-当該アクチュエータが、デバイスのハウジングから分離して配置されており、電気心臓刺激のための埋込み可能デバイスのプラグソケットと互換性のあるプラグ・アンド・ソケット・コネクタを有すること。
【0080】
本発明の別の態様によれば、光源は、発光ダイオード(light emitting diode:LED)の直列回路、LEDの並列回路、又はLEDの直列回路と並列回路との組み合わせを含む。
【0081】
本発明の1つのサンプル実施形態によれば、埋込み可能刺激デバイスが、心臓組織又は神経組織構造を刺激するために、提案され、この埋込み可能刺激デバイスは、本発明の当該デバイスを有する。デバイスは、少なくとも1つの刺激電極を有することができる。
【0082】
本発明の刺激デバイスの一態様によれば、それは、心臓組織への刺激を引き起こすように設計されており、当該刺激は、
-アクチュエータによって電磁波によって、又は
-電気刺激によって行われ、
-電磁波及び電気刺激による刺激は、個別に、続けて、又は同時に行われ、
-刺激は、組織の1つの領域又は複数の領域で行われる。
【0083】
本発明の一態様によれば、刺激デバイスは、さらに次を備える。
-アクチュエータと互換性のある、プラグコンタクト、及び/若しくは
-電気刺激のための電極と互換性のある、プラグコンタクト、並びに/又は
-アクチュエータ及び電極。
【0084】
刺激デバイスの1つのサンプル実施形態によれば、それは、アクチュエータを介して、当該操作された組織の刺激のための電磁波を出力し、成功制御を有し、電気治療が不成功の場合、さらなる治療出力である。例えば、両方のタイプの治療を同時に出力し、又はそれら2つの間で選択的に切り替えることも、可能である。どの場所でどの形態の治療が使用されるかは、プログラム可能であり、又は/かつ、それは、必要に応じて、治療の過去の成功を分析することによって、刺激デバイス自体によって決定されかつ切り替えられる。好ましくは、本発明の刺激デバイスは、電磁アクチュエータのための専用接続を有する。
【0085】
好ましい実施形態では、本発明の刺激デバイスは、本発明のアクチュエータ、及びまた従来技術の電気刺激の、両方に使用されることができる少なくとも1つの接続を有する。一実施形態によれば、アクチュエータは、プラグを介して刺激デバイスと接続可能である。当該プラグは、電気治療の場合の同等の構成要素のための、プラグ(例えば、心臓刺激のための電極リードのプラグ)に対応する。好ましくは、本発明のアクチュエータは、従来技術の電気治療(例えば、心臓ペースメーカ治療、神経刺激装置)に使用されるものと同じか、又は少なくとも類似の電圧によって動作する。
【0086】
本発明の1つのサンプル実施形態は、デバイスを提案する。当該デバイスは、ヒト又は動物の体内に埋込み可能であり、かつ少なくとも1つの物質を含む。物質は、細胞構造内の活動電位が、1013~1020Hzの周波数範囲の電磁波の照射によって検知及び/又は誘発されることができるように、ヒト又は動物の細胞構造を修飾するように設計されている。この場合、デバイスは、物質を組織に送達するための適用手段を含む。
【0087】
さらに、本発明の一態様によれば、物質を組織に送達するための適用手段は、次の手段のうち少なくとも1つを含む。
-カニューレ、
-物質を上に、スプレー、ブラッシング、滴下、及び/又はスタンプするための手段。
【0088】
本発明の1つのサンプル実施形態によれば、デバイスは、物質のための少なくとも1つの供給ラインを有する。デバイスが、物質のための少なくとも1つの貯蔵デバイスを有することも、検討されるべきである。
【0089】
1つのサンプル実施形態によれば、デバイスは、物質を貯蔵するように設計されたリザーバを有する。デバイスは、ハウジングを有することができ、リザーバは、ハウジングの内側又はハウジングの外側に配置されている。リザーバは、生体適合性の覆い、及び/若しくは断熱材、並びに/又は硬放射線に対する保護を有することができる。このことは、リザーバの内側の物質が外部の影響から効果的に保護されることを、可能にする。
【0090】
本発明のデバイスの一態様によれば、後者は、リザーバを充填するためのポートを有する。ポートは、例えば供給ライン、デバイスのハウジング、又はリザーバに取り付けられることが、できる。一例では、ポートは、膜を含む。膜は、次の特性のうち少なくとも1つを有することができる。
-当該膜が、物質で充填するための用具によってアクセス可能であるように、当該膜が、配置されていること、
-当該膜が、複数回突き刺されることができること、及び/又は
-充填するための用具が取り外された後に当該膜が再び閉じるように、当該膜が、設計されており、そのため、充填された物質の漏れが、本質的に防止されること。
【0091】
一実施形態によれば、リザーバは、供給ラインの一部を形成することができる。
【0092】
さらに、本発明のデバイスの一態様によれば、貯蔵デバイスは、次の手段のうち少なくとも1つを有する。
-冷却及び/若しくは加熱のための熱要素、
-滅菌のための放射線の発生器、
-物質に添加できる防腐剤のストレージ、並びに/又は
-物質の貯蔵状態を決定するための制御手段。
【0093】
1つのサンプル実施形態によれば、本発明のデバイスは、閉ループ制御手段を含むか、又は閉ループ制御手段と接続可能である。閉ループ制御手段は、電磁波による組織内の活動電位の検知可能性及び/又は誘発可能性の、変更の程度を特定するように、設計されている。閉ループ制御手段は、次の特性のうち少なくとも1つを有することができる。
当該閉ループ制御手段が、低い程度を特定した場合に、当該閉ループ制御手段が、物質を送達するための適用手段の必要を認めること、並びに/又は
当該程度が、1013~1020Hzの周波数範囲の電磁波による組織内の活動電位の検知及び/若しくは誘発に関する、測定データに基づいて特定されること。
【0094】
一例によれば、本発明のデバイスは、次の手段のうち少なくとも1つを含む。
物質を放出するためのバルブ、
ポンプ、及び/又は
物質が送達されるべきではない組織領域をマスクするように設計されたマスキングデバイス。
【0095】
さらに、一実施形態によれば、デバイスは、少なくとも次を含む。
-エネルギー源、
-エレクトロニクスユニット、
-当該エレクトロニクスユニット及び/又は当該エネルギー源と結合されており、物質によって処置された組織への刺激のために、電磁波を放出するように設計されている、アクチュエータ。
【0096】
一態様によれば、適用手段による組織への物質の送達は、期間にわたって制御可能である。例えば、適用手段は、例えば予め決定された用量を規則的な間隔で送達することにより、期間にわたって物質の送達を制御できる。あるいは、適用手段は、手段を含むことができる。当該手段は、より長い期間を通して生分解性であり、かつ物質を含有している。組織との接触は、生分解性手段が、物質と一緒に放出されて時間制御された方法で組織にアウトプットされることを、引き起こす。一例では、物質自体は、より長い期間を通して生分解性である。
【0097】
1つのサンプル実施形態によれば、少なくとも次を含むデバイスが、提案される。
-エネルギー源、
-エレクトロニクスユニット、
-エレクトロニクスユニットと結合されており、1013~1020Hzの周波数範囲の電磁波を測定するように設計されている、ピックアップユニット、
-当該デバイスが、ヒト又は動物の体内に埋め込むために設計されていること。当該デバイスは、遺伝学的に操作された組織から電磁波が放出されたことを検知するように設計されている。
【0098】
本発明のデバイスの一態様によれば、このデバイスは、アクチュエータを有する。当該アクチュエータは、エレクトロニクスユニット及び/又はエネルギー源と結合されており、1013~1020Hzの周波数範囲の電磁波を放出するように設計されている。
【0099】
本発明のデバイスの一態様によれば、エレクトロニクスユニットは、ピックアップユニットによって測定された電磁波がアクチュエータから放出されたことを、認識するように設計されている。例えば、それら電磁波は、組織から反射される、アクチュエータによって放出される波であり得る。反射波はピックアップユニットによって検知され、それに対応してエレクトロニクスユニットによって認識される。
【0100】
例えば、本発明のデバイスの一態様によれば、ピックアップユニットによって測定される電磁波は、変化した形態でアクチュエータによって放出される電磁波である。変化は、例えば次の作用のうち少なくとも1つに、基づく。
-反射、
-蛍光、
-吸収、
-透過、及び/又は
-偏波。
【0101】
一例では、エレクトロニクスユニットは、ピックアップユニットによって測定された電磁波に関して、次のパラメータのうち少なくとも1つ、それらの組み合わせ、又はそれらから導かれる変数を認識するように設計されている。
-振幅、
-周波数若しくは周波数スペクトル、及び/又は
-偏波方向、
-位相、
-次のプロセスのうち少なくとも1つが使用される。
-変調方法、
-パルス幅変調(例えば、照射される電磁波が、組織構造によって、測定可能なパルス持続時間を有するパルスに変換される場合、そこから刺激及び/又は組織特性に関する情報を得ることが可能である)、
-(例えば、測定された電磁波の周波数スペクトルを検知するための)フィルタの適用による変化の認識。
【0102】
特別なサンプル実施形態によれば、エレクトロニクスユニットは、フィルタ効果の結果としての変化の検知を通して、ピックアップユニットによって測定された電磁波の、周波数若しくは周波数スペクトル又は周波数シフトを認識する。
【0103】
一例によれば、エレクトロニクスユニットは、ピックアップユニットによって測定された電磁波の、スペクトルパワー密度を決定するように設計されている。
【0104】
さらに、本発明のデバイスの一態様によれば、エレクトロニクスユニット又はピックアップユニットは、測定された電磁波を電子的な信号に変換し、それを、次のプロセスのうち少なくとも1つによって前処理する。
-増幅、
-復調、
-フィルタリング、
-AD変換、
-整流、
-信号強度の決定、
-しきい値の決定、
-(例えば、フーリエ変換、ハートレー変換、若しくはウェーブレット変換による)周波数領域での変換
-(例えば、信号対雑音比[signal-to-noise ratio:SNR]の決定による)信号品質の決定、及び/又は
-信号形態学的パラメータ(例えば、信号振幅、信号スパイク、信号振幅及び/若しくは信号スパイクの比率など)の決定。
【0105】
本発明のデバイスの1つのサンプル実施形態によれば、エレクトロニクスユニット又はピックアップユニットは、測定された電磁波を、電子的な信号に変換する。さらに、エレクトロニクスユニットは、次のプロセスのうち少なくとも1つに基づいて、信号を分析する。
-セグメント化、
-イベント検知、
-周期性の決定、
-位相位置の決定(例えば、当該信号と別のピックアップされた信号若しくは基準信号との間の位相位置の決定)。
-安定性の決定(例えば、信号強度の安定性、又は信号中に検知されたリズムの安定性を、認識すること)、若しくは
-リズムの分類、及び/又は
-信号形態学的パラメータの分類。
【0106】
本発明のデバイスの1つのサンプル実施形態によれば、ピックアップユニットは、次のセンサのうち少なくとも1つを有する。
-フォトダイオード、
-フォトトランジスタ、
-電荷結合デバイス(charge-coupled device:CCD)素子、及び/又は
-アナログ又はデジタルイメージセンサ。
【0107】
さらに、本発明の一態様によれば、デバイスは、少なくとも1つの第1のアクチュエータ及び1つの第2のアクチュエータを含み、第1及び第2のアクチュエータは、それぞれ異なる周波数で電磁波を放出する。第1のアクチュエータは、デバイスのハウジングと結合されることができる。あるいは、第1のアクチュエータは、ハウジングから遠隔で配置されることができる。第1のアクチュエータは、ピックアップユニットと接続されることができる。
【0108】
1つのサンプル実施形態によれば、デバイスは、電気刺激手段を有する。本発明の一態様によれば、デバイスは、心臓組織、若しくは脊髄の神経組織、又は筋肉組織へと電磁波を放出するように設計されている。
【0109】
サンプル実施形態によれば、少なくとも第1のアクチュエータは、LEDを含む。特別な実装では、アクチュエータは、フィルタ(例えば、偏波フィルタ)を含む。1つのサンプル実施形態によれば、放出特性(すなわち、放出の方向、強度、周波数、持続時間)は、コントローラによってプログラム可能である。デバイスが埋め込み物である場合、当該プログラミングは、埋込みの前に、及び後にも、行われることができる。
【0110】
1つのサンプル実施形態によれば、デバイスは、固定デバイスを含む。固定デバイスは、アクチュエータ及び/又はセンサが、電磁放射が組織を貫通するような方法で、その固定デバイスに固定されるように、設計されている。
【0111】
本発明のデバイスは、制御可能な位置決め補助(例えば、制御可能なカテーテル、ステアラブルシース(steerable sheath)、オーバー・ザ・ワイヤ[over-the-wire:OTW]技術など)によって埋め込まれることができる。デバイスは、イメージング技術(例えば、X線イメージング、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴イメージング、超音波、インピーダンス断層撮影)を使用して配置されることができる。
【0112】
本発明のアイデアは、ヒト又は動物の体内に埋込み可能なデバイスを制御する方法を、提案する。方法は、少なくとも次のステップを有する。
1013~1020Hzの周波数範囲の電磁波の測定をさせること、及び
電磁波が、遺伝学的に操作された組織から放出されたかどうかの、検知をさせること。
【図面の簡単な説明】
【0113】
図1】外部デバイスと共に埋め込まれた状態の、本発明の刺激デバイスのサンプル実施形態の概略図である。
図2】本発明の刺激デバイスの少なくとも1つのサンプル実施形態についての、光学刺激によって徐脈を処置する方法の概略図である。
図3】本発明の刺激デバイスの少なくとも1つのサンプル実施形態についての、心室性又は心房性頻脈の形態の頻脈性不整脈を処置する方法の概略図である。
図4】本発明の刺激デバイスの少なくとも1つのサンプル実施形態についての、心房細動を処置する方法の概略図である。
図5】本発明の刺激デバイスの少なくとも1つのサンプル実施形態についての、心室細動を処置する方法の概略図である。
図6】本発明の刺激デバイスの少なくとも1つのサンプル実施形態についての、電磁波による心臓再同期療法の適用の方法の概略図である。
図7】本発明の刺激デバイスの少なくとも1つのサンプル実施形態についての、電磁波による神経刺激の方法の概略図である。
図8】本発明の埋込み可能刺激装置の実施形態の概略図である。
図8a】治療成功のコントロールを有する本発明の刺激デバイスの実施形態の概略図である。
図8b】除細動機能を有する本発明の刺激デバイスの実施形態の概略図である。
図9】代替の固定デバイスを有する、図8の埋込み可能刺激装置の図である。
図9a】1つのサンプル実施形態による本発明の刺激デバイスのブロック図である。
図9b】代替の固定デバイスを有する、図8bの埋込み可能刺激装置の図である。
図10】本発明の1つのサンプル実施形態による埋込み可能刺激装置のブロック図である。
図10a】空間選択的作用を有する電磁放射器の、サンプル2次元特性を示す図である。
図10b図8bによるサンプル実施形態による、本発明の刺激デバイスのブロック図である。
図11】実施形態による、刺激のために当該組織の領域を選択するように設計された選択手段を有する、本発明の刺激システムの実装を示す図である。
図12】実施形態による、刺激のために当該組織の領域を選択するように設計された選択手段を有する、本発明の刺激システムの実装を示す図である。
図13】実施形態による、刺激のために当該組織の領域を選択するように設計された選択手段を有する、本発明の刺激システムの実装を示す図である。
図14】実施形態による、刺激のために当該組織の領域を選択するように設計された選択手段を有する、本発明の刺激システムの実装を示す図である。
図15】刺激のために当該組織の領域を選択するように設計された選択手段を有し、刺激システムが支持体を有する、本発明の刺激システムの実装の図である。
図16】サンプル実施形態による本発明の刺激システムのための方法のフローチャートである。
図17】電磁放射への感受性の高い領域を作り出すための局所的前処置の概略図である。
図18】電磁放射への感受性が高い可能性のある領域をマスクするための、局所的前処置の概略図である。
図19】電磁放射による刺激のために、局所的に前処置された領域での例を示す図である。
図20】本発明のサンプル実施形態による、遮蔽のために組織の解剖学的性質を使用するためにアクチュエータを置くことによる、選択的治療の概略図である。
図21】本発明の刺激装置の一実施形態のブロック図である。
図22】ICDのパルス放電の概略図であり、このパルス放電は、電磁放射によって治療を実行する能力を有する本発明の刺激装置を制御し、それにより、本発明の刺激装置は、パルス治療を与える。
図23】右心室、刺激デバイスのハウジング、及び右心房の間の、刺激及びショックベクトルのサンプル組み合わせを示す表である。
図24】デバイスが、物質を組織に送達するための適用手段を含む、本発明のデバイスの一実施形態の概略図である。
図25】本発明の埋込み可能デバイスの1つのサンプル実施形態の概略図であり、デバイスは、固定デバイスによって組織に固定されている。
図26】本発明のデバイスの1つのサンプル実装の概略図である。デバイスは、固定ユニットに組み込まれた電磁放射のためのアクチュエータ又はセンサを有する。
図27】本発明のデバイスの別のサンプル実装の概略図である。デバイスは、固定ユニットに組み込まれた電磁放射のためのアクチュエータ又はセンサを有する。
図28】本発明の方法の信号処理における、イベントの好ましいシーケンスの例を示す図である。
図29】本発明の方法の信号処理における、イベントのシーケンスの例を示す図である。
【0114】
図1は、本発明の埋込み可能刺激装置を示す。この刺激装置は、患者10の体の組織に埋め込まれており、気密封止されたハウジング11を含む。ここでは、このハウジングは、固定デバイス12によって体の組織にアンカーされている。埋込みハウジング11は、エネルギー源13、コントローラ14、及びアクチュエータ15を含み、後者は、例えば遺伝学的、特に光遺伝学的操作によって、及び例えば活動電位を誘発するため、すなわち電磁放射によって刺激をトリガするため、予め前処置された体の組織に、例えば可視光の範囲の、電磁放射16を送達できるように設計されている。さらに、埋め込み物は、外部デバイス18、例えばテレメトリユニットによって、読出し及び/又はプログラムされることができる。
【0115】
図2は、遺伝学的に操作された組織、好ましくは光遺伝学的に操作された組織の刺激による、徐脈の処置の方法を示す。組織的に配置されたECG100は、最初に、固有QRS群の形態の規則的な心拍110を示す。提案されるプロセスでは、このQRS群が最初に記録され(120)、次に、予想される心拍数に対応する、時間インターバル130が開始される。この予想される間隔140が、別の固有QRS群が記録されることなく経過する場合、光学刺激150が、トリガされる。光学刺激150は、好ましくは光遺伝学的に前処置された心筋組織内で、刺激されるQRS群をトリガする。
【0116】
図3は、心室性又は心房性頻脈の形態の頻脈性不整脈の、処置の方法を示す。組織的に配置されたECG200は、最初に、心室の規則的な収縮210を示す。心臓リズムをモニタするために、これらの収縮のそれぞれが記録され、次の記録される収縮までの時間測定(t1...t8)が開始される。示されている例では、あまりに速い心拍数が、頻脈230の形態で今まさに開始する。頻脈230は、最初に数回の心拍にわたって記録されて、確認される(240)。確認240の後、予め決定された光学刺激シーケンス250が、好ましくは前処置された心筋に送達されて、一連の刺激された興奮を引き起こし、当該一連の刺激された興奮は、一般的に、頻脈を終了させて、規則的なリズム260を回復させる。
【0117】
図4は、心房細動の処置の方法を示す。組織的に配置されたECG300は、最初に、洞リズム310でQRS群を示す。次に、心房細動320が、自発的に始まる。これは、最初に記録されて、確認される(330)。一旦この心房細動320が確認されると、光学刺激350が、前処置された心臓の心房に送達されるが、しかしそれは、時間的にずれてQRS群と同期する(電気的除細動)。これにより、心房細動が終了し、規則的な洞リズム360が回復する。
【0118】
図5は、心室細動の処置の方法を示す。組織的に配置されたECG400は、最初に、洞リズム410でQRS群を示す。次に、心室細動420が、自発的に始まり、これは、最初に記録されて、それから確認される(430)。一旦この心室細動420が確認されると、大面積光学刺激440が、好ましくは光遺伝学的に前処置された、心室の領域でトリガされ、心室細動を終了させ、洞リズム450を回復させる。
【0119】
図6は、遺伝学的に操作された組織、好ましくは光遺伝学的に操作された組織の刺激のための、心臓再同期の方法を示す。この図は、心臓500の両方の心室である、左心室(left ventricle:LV;510)と右心室(right ventricle:RV、520)からの、心臓内ECGリードを概略的に示す。ECGリードは、最初に、右心室心拍に対する左心室心拍の時間遅延530を示す。このずれは、いわゆる左脚ブロックの表れであり、これは、心筋への高度の構造的損傷の場合、両方の心室の再同期の形態の治療を必要とする。ここでは、この再同期は、同時又は準同時の、心臓の両方の心室への光学刺激540、550によって実行され、両方の心室の機械的収縮560を、同時に恒久的に生じさせる。
【0120】
図7は、遺伝学的に操作された組織、好ましくは光遺伝学的に操作された組織への神経刺激の例を示す。示されている例では、左側は、てんかん発作のEEG詳細610を示す。処置のために、光学刺激シーケンス620が、このてんかん発作の終了630をもたらすために、1つ以上の好ましくは光遺伝学的に前処置された脳区域に、送達される。ここに示す光学神経刺激の方法は、例えば脊髄刺激、脳深部刺激又は皮質刺激についての他の適用、絶縁神経刺激、筋肉刺激などの、他のすべてを示す代表的な適用として機能するように意図されている。
【0121】
図8は、本発明の埋込み可能刺激装置の可能な実施形態を示す。この刺激装置は、バッテリ81と埋込みエレクトロニクス82とからなり、それらの両方が、気密封止されたハウジング内にあり、埋込みエレクトロニクス82は、図10に示すブロック図の構成要素を含む。ハウジングの底部に光源83があり、光源83も気密封止されている。しかし、光源83は、この光源の周波数スペクトルが気密封止を貫通できて標的組織(ここでは心筋85)を励起できるような方法で、封止されている。ここでは、埋め込み物は、らせん84で心筋85に固定されている。
【0122】
図9は、バッテリ81と埋込みエレクトロニクス82とからなる図8の埋込み可能刺激装置を示す。しかし、例えばニチノールで作られた、逆とげの形態の代替の固定デバイス94、94´を側部に有する。ハウジングの底部に光源93があり、光源93は、この光源の周波数スペクトルが気密封止を貫通できて標的組織(ここでは心筋95)を励起できるような方法で、気密封止されている。
【0123】
図10は、埋込み可能刺激装置100のブロック図を示す。後者は、エネルギー源101と、検知ユニット103に接続された、心拍を表す特徴を検知するためのセンサインタフェース102とを含み、検知ユニット103は、今度は接続されたコントローラ104に心拍の検知を信号伝達する。このコントローラ104は、治療ジェネレータ105に接続されており、治療ジェネレータ105は、コントローラ104からのトリガ信号を受信すると、治療ジェネレータに接続されたLED106を励起し、そのようにして、心筋組織を刺激する光信号を放出する。治療ジェネレータ105は、光信号の強度、持続時間、信号形態、及び色を変えることができる。
【0124】
図8aは、治療の成功の制御を伴う、本発明の埋込み可能刺激装置の可能な実施形態を示す。この刺激装置は、バッテリ8a1と埋込みエレクトロニクス8a2とからなり、それらの両方が、気密ハウジング内にあり、埋込みエレクトロニクス8a2は、図9aのブロック図の構成要素を含む。ハウジングの底部に光源8a3があり、光源8a3も気密封止されている。しかし、光源8a3は、この光源の周波数スペクトルが気密封止を貫通できて標的組織(ここでは心筋8a5)を励起できるような方法で、封止されている。ここでは、埋め込み物は、らせん8a4で心筋8a5に固定されている。このサンプル実施形態では、埋込みエレクトロニクス8a2は、3D加速度計8a6をさらに含み、3D加速度計8a6は、心筋に固定された埋め込み物の加速が検知されたかどうかを光学刺激後ごとに評価することにより、治療の成功について制御するために使用される。心筋に固定された埋め込み物の加速が検知された場合、刺激は、効果があると考えられる。心臓組織の収縮は、加速につながるからである。加速が現れない場合、刺激は、効果がないと考えられ、例えばより大きな振幅で、繰り返されるか、あるいは、効果がない刺激が、遠隔モニタシステムに信号伝達される。
【0125】
図9aは、埋込み可能刺激装置9a0のブロック図を示す。後者は、エネルギー源9a1と、検知ユニット9a3に接続された、心拍を表す特徴を検知するためのセンサインタフェース9a2とを含み、検知ユニット9a3は、今度は接続されたコントローラ9a4に心拍の検知を信号伝達する。このコントローラ9a4は、治療ジェネレータ9a5に接続されており、治療ジェネレータ9a5は、コントローラ9a4からのトリガ信号を受信すると、治療ジェネレータに接続されたLED9a6を励起し、そのようにして、心筋組織を刺激する光信号を放出する。治療ジェネレータ9a5は、光信号の強度、持続時間、信号形態、及び色を変えることができる。
【0126】
検知ユニット9a3は、3D加速度計9a7にさらに接続されており、3D加速度計9a7は、心筋に固定された埋め込み物の加速が検知されたかどうかを光学刺激後ごとに評価することにより、治療の成功を制御するために使用される。心筋に固定された埋め込み物の加速が検知された場合、刺激は、効果があると考えられる。心臓組織の収縮は、加速につながるからである。加速が現れない場合、刺激は、効果がないと考えられ、例えばより高い強度、持続時間、代替の信号形態又は別の色で、繰り返される。
【0127】
図10aは、空間選択的作用を有する電磁放射器の、2次元特性の例を示す。
【0128】
図8bは、本発明の埋込み可能除細動器の可能な実施形態を示す。この除細動器は、エネルギー源8b2と共に、高出力LED8b1とカプセル化された埋込みエレクトロニクスとからなり、それらの両方が、気密封止されたハウジング内にあり、埋込みエレクトロニクスは、図3に示すブロック図の構成要素を含む。ハウジングの底部に別の局所光源8b3があり、局所光源8b3は、この局所光源8b3が、前処置された心筋8b5の局所的な脱分極のみをトリガできるような方法で、配置され、かつ寸法が合わされている。ここでは、埋め込み物は、らせん8b4で心筋8b5に固定されている。高出力LED8b1は、それが、除細動の目的で、心臓のほぼ全体を「透き通るように照らす」ことができるように、寸法が合わされており、そのため、除細動の瞬間にすべての興奮性の心筋細胞を同時に脱分極させることが、可能である。
【0129】
図9bは、図8bの埋込み可能刺激装置を示す。しかし、ニチノールの逆とげの形態の代替の固定デバイス9b4、9b4´を側部に有する。ハウジングの底部に光源9b3があり、光源9b3は、この光源の周波数スペクトルが気密封止を貫通できて標的組織(ここでは心筋9b5)を励起できるような方法で、気密封止されている。
【0130】
図10bは、図8bによる埋込み可能刺激装置100のブロック図を示す。後者は、エネルギー源10b1と、検知ユニット10b3に接続された、心拍を表す特徴を検知するためのセンサインタフェース10b2とを含み、検知ユニット10b3は、今度は接続されたコントローラ10b4に心拍の検知を信号伝達する。このコントローラ10b4は、治療ジェネレータ10b5に接続されており、治療ジェネレータ10b5は、コントローラ10b4からのトリガ信号を受信すると、治療ジェネレータに接続されたLED10b6を励起し、そのようにして、心筋組織を刺激する光信号を放出する。治療ジェネレータ10b5は、光信号の強度、持続時間、信号形態、及び色を変えることができる。
【0131】
図11は、典型的な実装を示す。埋め込み物110は、固定デバイス113によって臓器組織に固定されており、電磁放射器111を有する。電磁放射器111は、電磁エネルギーが、処置される組織115に、有効コーン114及び1141内でのみ放射されるようにするために、マスク112によってマスクされている。
【0132】
図12は、覆われた組織区域への電磁エネルギーの侵入を防ぐために、マスク122が第2のユニットを表し、埋め込み物から独立して固定デバイス1221によって固定される、実装を開示する。埋め込み物120は、固定デバイス123によって臓器組織に固定されており、電磁放射器121を有する。電磁放射器121は、マスク122によってマスクされている。治療は、マスクされていない区域126及び1261でのみ、処置される組織125に作用する。
【0133】
図13は、局所的に前処置された組織での実装を示す。放射の有効範囲136は、すべての組織135にわたっているが、放射は、区域137及び1371の組織にのみ作用する。埋め込み物130は、固定デバイス133によって臓器組織に固定されており、電磁放射器131を有する。治療は、前処置された区域137及び1371でのみ、処置される組織135に作用する。
【0134】
図14は、局所的に周波数特異的(若しくは偏波特異的)な方法で反応するか、又はそのようにするように前処置された組織での、解決策を開示する。放射器の周波数(帯域)又は偏波に応じて、1つの区域148又は他の区域1481のみが、効果を示す。放射の有効範囲146は、すべての組織145にわたっているが、放射は、区域148及び1481の組織にのみ作用する。埋め込み物140は、固定デバイス143によって臓器組織に固定されており、電磁放射器141を有する。
【0135】
図15は、埋込みハウジングの遠位にあり、かつ処置される組織に直接(図示せず)又は固定部156を有する支持体154によって配置される、放射器151及び1511での解決策を示す。支持体はまた、マスクの役割を担い、かつ臓器の残りの部分を遮蔽する。放射器は、埋め込み物150からリード1515を通して供給される。あるいは、埋め込み物自体が、支持体の役割を担うことができる。次に、放射器は、ハウジングに直接固定される。埋め込み物150は、固定デバイス153によって臓器組織に固定される。
【0136】
図16は、サンプル実施形態による本発明の刺激システムのための方法のフローチャートを示す。開始160の後、前処置161が実行されて、刺激装置の埋込み及び固定162が続く。その後、治療の有効性のテスト163が行われる。テストが成功でない場合、プロセスは、ステップ164で改善される。そうでなければ、方法は、終了する(165)。
【0137】
図17は、前処置された領域177及び1771を有する、組織175を示す。電磁アクチュエータ171を有する刺激装置170は、固定部173によって組織に固定される。
【0138】
図18は、前処置によってマスクされた領域182を有する、組織185を示す。したがって、領域186及び1861のみが、アクチュエータ181から出力される放射によって、刺激可能である。埋め込み物180は、固定デバイス183によって臓器組織に固定されており、電磁放射器181を有する。
【0139】
図19は、局所的に前処置された領域198及び1981での例を示すが、しかし、これらは、異なる周波数の電磁放射に対して感受性が高い。治療の選択的作用は、1つの周波数199で1回、及び別の周波数1991で別の時に、電磁放射を出力するアクチュエータ191によって達成される。放射の有効範囲196は、すべての組織195にわたっているが、放射は、区域198及び1981の組織にのみ作用する。埋め込み物190は、固定デバイス193によって臓器組織に固定されており、電磁放射器191を有する。
【0140】
図20は、遮蔽のために組織の解剖学的性質を使用するためにアクチュエータを置くことにより、選択的治療を実行することの例を示す。図20は、遮蔽のために組織205の解剖学的形状202を使用するために、(リード2015及び2016によって刺激装置200と接続された)アクチュエータ201及び2011を置くことによって、選択的治療が、どのように実現されるかを示す。埋め込み物200は、固定デバイス203によって臓器組織に固定される。
【0141】
図21は、光学治療を出力することができる、特許請求の範囲に記載された刺激装置のブロック図を示す。刺激装置210は、エネルギー源211、少なくとも1つのエネルギーストレージ214、エネルギーストレージ214のためのチャージデバイス213、及びエネルギーを放出するためのデバイス215を含む。アクチュエータ216も、示されている。アクチュエータ216は、光源218及び電流制限器217(例えば、抵抗器又はダイオード)を有する。刺激装置210は、コントローラ212を有する。刺激装置210は、検知ユニット2125を含む。アクチュエータ216は、本発明のデバイスの残りの部分から分離可能なユニットの形態で実装されることができ、接触を作るためのインタフェース219を有することができる。
【0142】
図22は、ICDのパルス放電を示し、このパルス放電は、パルス療法を出力するために、本発明の光学治療アクチュエータを制御している。
【0143】
本発明の一実施形態では、既に知られている電気刺激デバイス(例えば、心臓ペースメーカ、神経刺激装置)は、電磁波による刺激を行うために、電磁放射を放出するためのアクチュエータを補足されることができる。アクチュエータとは別に、刺激デバイスは、軽微な変更のみを必要とするか、又は全く必要としない。
【0144】
図23は、右心室(RV)、刺激デバイスのハウジング(缶)、及び右心房(right atrium:RA)の間の、刺激及びショックベクトルのサンプル組み合わせを表す表を示す。例えば、表の2行目及び3行目は、本発明のアクチュエータによる刺激のためのハウジング缶から右心室RVへの第1のベクトル、及びハウジング缶と右心房RAの間の第2のショックベクトルの、2つのベクトルの組み合わせを表す。市販のICDでは、これらの電極は、右心室ショックコイル、ICDハウジング、及び上室ショックコイルによって実装されることができる。各々の場合において、ベクトルは、ばつ印でマークされた第1の極から、第2の極につながる。刺激は、本発明のアクチュエータを介した電磁放射によって、若しくは知られている電気刺激によって、又はそれら2つの組み合わせによって、行われることができる。
【0145】
図24は、物質を組織に送達するための適用手段を含む、本発明のデバイスの一実施形態の概略図である。デバイス241は、体240に埋め込まれる。それは、治療物質のリザーバ242、並びに供給ライン2435、2425、及び2445を有する。リザーバは、ポート243を通して充填される。コントローラ247による制御下で(Under the control of by the controller 247)、ポンプは、物質を、デバイス/組織インタフェース、又は適用手段245にポンピングし、このことによって、臓器246が、任意的なマスク2455を通して、この物質で処置される。制御ユニット249は、とりわけ、リザーバレベルを検知して、それを、テレメトリユニット2495を介して外部に報告する。有効性をテストするために、治療ユニット248は、コントローラ247の制御下で、テスト信号2485を出力する。反応は、検知ユニット(図示せず)によって検知され、制御ユニットに報告される。
【0146】
図25は、本発明の埋込み可能デバイス250を示す。本発明の埋込み可能デバイス250は、固定デバイス251によって組織254に固定されており、興奮性の(任意的に前処置された)細胞構造255から一次放射として出て観察される(後者が活動電位を形成する場合)、電磁放射256を検知するためのセンサ252を有する。
【0147】
代替の実装/適用シナリオでは、埋込み可能デバイス250は、電磁放射257を生成するための追加のアクチュエータ253を有する。この電磁放射257は、興奮性の(任意的に前処置された)細胞構造255によって、それらの活動電位に応じて変調されて観察され、二次放射256の形態でセンサ252に戻る。
【0148】
図26は、固定ユニットに組み込まれた電磁放射のためのアクチュエータ及びセンサを伴う、実装を開示する。ここでは、固定ユニット261は、例えばセンサ262を、支持する折り畳み式のロック可能なアーム2612を有する、シャフト2611からなる。アクチュエータ263は、反対側、例えばハウジング260上に、固定される。埋込みの間、アームは、シャフトの方向に整列され、臓器壁268を通して押し込まれ、次に折り曲げられて、壁の裏側の、アームがアクチュエータとは反対側にある位置でロックされる。
【0149】
図27は、固定ユニットに組み込まれた電磁放射のためのアクチュエータ273及びセンサ272を伴う、別の実装を開示する。これは、ピンサ270の形態の、アクチュエータ273及びセンサ272の固定ユニット271を伴う。リード271は、デバイス(図示せず)につながっている。
【0150】
図28は、本発明の方法による埋込みにおける、イベントの好ましいシーケンスの例を示す。示されるステップは、以下の通りである。
-280 埋込みを開始
-281 標的組織を前処置
-282 適切な埋込み部位を決定
-283 適切な埋込み部位に到達するまでデバイスを位置決め
-2835 位置を調整
-284 固定
-285 パラメータを設定し検知方法を開始(処理及び分析を含む)
-286 テスト
-2865 パラメータを調整
-287 埋込みを終了
【0151】
図29は、本発明の方法の信号処理における、イベントの好ましいシーケンスの例を示す。示されるステップは、以下の通りである。
-290 検知(測定)を開始
-291 増幅
-2911 復調
-2912 アナログフィルタリング
-292 AD変換
-2921 デジタルフィルタリング
-2922 信号強度を決定
-2923 しきい値を決定
-293 セグメント化
-2931 イベント検知
-2932 周期性の決定
-294 リズムを分類
-295 検知(測定)を終了
【0152】
本発明は、心臓組織、神経組織、又は筋肉組織の治療のための、ガルバニックに結合された治療電流の不利な作用を、完全に又は部分的に取り除く。
【0153】
この選択的治療アプローチは、刺激部位ごとに個別のプローブを埋め込む必要なしに、多焦点治療の新たな可能性を開く。それが可能にする大面積多焦点治療は、以前よりもはるかに良好な、自然な時間空間関係を表す、興奮させるパターンを生成することを可能にする。
【0154】
そのような埋め込み物のエネルギー要求の要件は、大幅に低減されることができる。さらに、そのような埋め込み物の完全に新しい設計が、可能である。
【0155】
本発明の文脈において、次の用語は、遺伝学的に操作された組織から放出される電磁波の検知のための、及び/又は電磁波による遺伝学的に操作された組織の刺激のための、本発明の埋込み可能デバイスの同義語として使用される。刺激装置、刺激デバイス、刺激のためのデバイス、刺激システム(デバイスは、刺激システムとして記載されるものの少なくとも一部である)。
【0156】
本発明の文脈において、
-「波列」は、連続的な電磁波を意味するように理解され、
-「電磁放射」及び「電磁波」という用語は、同義語として使用され、
-ATPは、「抗頻脈ペーシング(antitachycardia pacing)」の意味を有し、IPGは、「埋込み可能パルスジェネレータ(implantable pulse generator)」の意味を有し、ICDは「植え込み型除細動器(implantable cardioverter-defibrillator)」の意味を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8a
図8b
図9
図9a
図9b
図10
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【国際調査報告】