(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】付加製造デバイスのための可搬式組み立てユニット
(51)【国際特許分類】
B29C 64/364 20170101AFI20220406BHJP
B29C 64/35 20170101ALI20220406BHJP
B29C 64/124 20170101ALI20220406BHJP
【FI】
B29C64/364
B29C64/35
B29C64/124
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533596
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(85)【翻訳文提出日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2020055325
(87)【国際公開番号】W WO2020174092
(87)【国際公開日】2020-09-03
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼンツァール、トーマス
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AM27
4F213WA25
4F213WA83
4F213WA87
4F213WA89
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL55
4F213WL67
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】
光造形式付加製造デバイス(1)への取り付けのための可搬式組み立てユニットであって、光造形式付加製造デバイス(1)のためのコンポーネントキャリア(45)を備え、コンポーネントキャリア(45)は、製造されるべきコンポーネント(8)が製造デバイス(1)の動作中にその上に配置される構築面(7)を備え、コンポーネントキャリア(45)は、構築面(7)を半径方向に取り囲む密封面(14)を備え、可搬式組み立てユニットは、コンテナ(5)を更に備え、コンポーネントキャリア(3)は、蓋としてコンテナ(5)上への配置のために適合される、可搬式組み立てユニット、及びそのようなコンポーネントキャリア(3)を使用して付加製造プロセスに従って製造されたコンポーネント(8)を後処理するための方法。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光造形式付加製造デバイス(1)への取り外し可能な取り付けのために適合された可搬式組み立てユニットであって、前記光造形式付加製造デバイス(1)の樹脂バット(2)の外側にある場所において、前記可搬式組み立てユニットは、
製造されるべきコンポーネント(8)を前記光造形式付加製造デバイス(1)の動作中にその上に配置することができる構築面(7)と、前記構築面(7)を半径方向に取り囲む密封面(14)とを備えるコンポーネントキャリア(3)と、
密封面を備えるコンテナ(5,32)と、
を備え、前記コンポーネントキャリア(3)は、前記コンテナ(5)を被覆及び閉鎖及び密封するように、蓋として前記コンテナ(5)上への配置のために適合され、
前記コンポーネントキャリア(3)の前記密封面(14)は、前記コンテナ(5)の前記密封面と共に、前記コンテナ(5)からの光反応性樹脂、洗浄液、及びUV放射線の漏出に対して共に密封するように更に適合されることを特徴とする、可搬式組み立てユニット。
【請求項2】
前記コンテナ(5,32)は、前記光造形式付加製造デバイス(1)又は後処理のための作業ステーションに接続するための1つ以上の機械的インターフェース(6)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の可搬式組み立てユニット。
【請求項3】
前記構築面(7)とは反対側に面する側で、前記コンポーネントキャリア(3)は、前記光造形式付加製造デバイス(1)の搬送デバイス(9)又は後処理のための作業ステーションとの解放可能な接続のために適合された機械的インターフェース(10)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の可搬式組み立てユニット。
【請求項4】
前記コンテナ(32)は、洗浄液又は乾燥ガスのために、供給ラインへの接続に適した少なくとも1つの接続部(34,35)と、排出ラインへの接続に適した少なくとも1つの接続部(36,37)とを備えることを特徴とする、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の可搬式組み立てユニット。
【請求項5】
前記コンテナ(5)は、UV不透過性であることを特徴とする、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の可搬式組み立てユニット。
【請求項6】
前記コンテナ(32)は、部分的にのみUV透過性であることを特徴とする、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の可搬式組み立てユニット。
【請求項7】
前記コンポーネントキャリア(3)は、UV不透過性であることを特徴とする、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の可搬式組み立てユニット。
【請求項8】
製造システム(21)であって、
各々がコンポーネント(8)を洗浄、乾燥、及び/又は後硬化させるための1つ以上の作業ステーション(22)と、
請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の前記可搬式組み立てユニットと、
を備えることを特徴とする、製造システム(21)。
【請求項9】
搬送デバイス(9)を更に備え、前記コンポーネントキャリア(3)は、前記搬送デバイス(9)に解放可能に接続することができることを特徴とする、
請求項8に記載の製造システム(21)。
【請求項10】
前記コンポーネントキャリア(3)の前記搬送デバイス(9)との前記接続は、グリッパデバイスの助けを借りて確立及び解放することができることを特徴とする、請求項9に記載の製造システム(21)。
【請求項11】
前記搬送デバイス(9)は、水平移動のための駆動装置を備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の製造システム(21)。
【請求項12】
樹脂バットと空間解像度を有する露光デバイスとを更に備え、前記樹脂バット及び前記露光デバイスは、前記可搬式組み立てユニットが取り外し可能な取り付けのために適合される場所の外側にあることを特徴とする、請求項8~11のうちのいずれか一項に記載の製造システム(21)。
【請求項13】
追加の機能的な作業エリア(23)を更に備え、前記作業エリア(23)は、前記コンポーネントキャリア(3)及び前記コンテナ(5)を積載し、並びに余剰溶媒を滴下及び乾燥させるように構成されることを特徴とする、
請求項8~12のうちのいずれか一項に記載の製造システム(21)。
【請求項14】
前記コンテナ(5,32)は、洗浄タンク(24,25)であり、その中に充填された溶媒を移動させるための攪拌器を備えることを特徴とする、請求項8~13のうちのいずれか一項に記載の製造システム(21)。
【請求項15】
コンポーネントを後硬化させるための少なくとも1つの作業ステーション(42)を更に備え、この作業ステーション(42)は、光及び/又は熱後硬化を実行するように構成されることを特徴とする、
請求項8~14のうちのいずれか一項に記載の製造システム(21)。
【請求項16】
後硬化させるための前記作業ステーション(42)は、保護ガス供給部(43)を備えることを特徴とする、請求項15に記載の製造システム(21)。
【請求項17】
光造形式付加製造プロセスに従って製造されたコンポーネント(8)を後処理するための方法であって、製造後、コンポーネントキャリア(45)に接続されたコンポーネント(8)は、作業スペース(13)中に搬送され、前記コンポーネントキャリア(45)は、樹脂及び溶媒及びUV放射線に対して前記作業スペース(46)を密封することを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記コンポーネント(8)は、前記コンポーネントキャリア(45)によって密封された前記作業スペース(46)中で洗浄されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コンポーネント(8)を洗浄するために、洗浄液が、少なくとも1つの接続部(34,36)を介して前記作業スペース(46)に供給され、前記作業スペース(46)から除去されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンポーネント(8)を洗浄するために、洗浄液が、前記洗浄液を移動させることによって及び/又は前記コンポーネント(8)を移動させることによって、前記コンポーネント(8)に対して調整可能で変更可能な方向及び速度で移動されることを特徴とする、請求項18に従属する請求項19に従属する方法。
【請求項21】
洗浄後、前記コンポーネント(8)は、前記コンポーネントキャリア(45)によって密封された作業スペース(46)中で乾燥されることを特徴とする、請求項18~20のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記コンポーネント(8)を乾燥させるために、空気流が、少なくとも2つの接続部(35,37)を介して前記作業スペース(46)に供給され、前記作業スペース(46)から除去されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記コンポーネント(8)を乾燥させるために生成された前記空気流は、陰圧で入接続部と出接続部との間を移動されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記コンポーネント(8)は、前記コンポーネントキャリア(45)によって密封された前記作業スペース(46)中で後硬化されることを特徴とする、請求項17~23のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記コンポーネント(8)の前記後硬化のために、前記作業スペース(46)は、例えばUV光で、少なくとも1つの側壁(40,41)を通して照射されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コンポーネント(8)の前記後硬化のために、前記作業スペース(46)は、少なくとも2つの光源(52)によって、例えばUV光で照射され、及び/又はUV光とは無関係に、前記作業スペース(46)中でコンポーネントを熱硬化するために制御可能なヒータを装備されることを特徴とする、請求項17又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、請求項8~16のうちのいずれか一項に記載のコンピュータ実装された製造システムによって実行され、前記コンポーネントキャリア(3)は、搬送デバイス(9)によって搬送されることを特徴とする、請求項17~26のうちのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造デバイスのためのコンポーネントキャリアに関し、コンポーネントキャリアは、製造されるべきコンポーネントが製造デバイスの動作中にその上に配置される構築面を備える。本発明は更に、コンポーネントを洗浄及び/又は乾燥及び/又は後硬化させるための1つ以上の作業ステーションを有する製造システムに関する。最後に、本発明は、付加製造プロセスに従って製造されたコンポーネントを後処理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造されるべきコンポーネントがその上に作成される、例えばコンポーネントの第1の層がそれに対して接続される付加製造システムの一部は、コンポーネントキャリアと(又はビルドプラットフォームとも)呼ばれる。
【0003】
コンポーネントキャリアの印刷可能エリア(以下では「構築面」とも呼ばれる)の材料選択は、コンポーネントの十分な接着のための重要な要因である。コンポーネントキャリアの表面の極性は、コンポーネントの初期接着に重要である。従来技術から、ステンレス鋼、陽極酸化アルミニウム又はアルミニウムが、同等の接着機構を有する接着剤の最良の接着を示すことが既に知られている。コンポーネントの接着は、粗面構造によって追加的に改善することができる。このケースでは、表面構造、例えばサンドブラストによって作成された表面構造が有利である。フォトポリマーは、ラジカル的に硬化されるだけでなく、カチオン的にも硬化される。これは、コンポーネントキャリアのために選択された金属合金が銅などのイオン供与体を含むべきでないことを意味する。
【0004】
製造システムは、例えば、以前に製造されたコンポーネントを後処理するために使用される後処理システムであり得る。付加製造の完了後、製造されたコンポーネント(又は一般に製造された物体)は、典型的には、コンポーネントキャリアに、より具体的には構築面に、直接及び/又は支持構造を介して接続される。製造及び形成プロセスの後に、作成されたコンポーネントは、例えば樹脂浴から送出され、そのため、作成されたコンポーネントの表面は、液体フォトポリマー樹脂で濡れている可能性がある。この時点で、従って、作成されたコンポーネントは、(形成のために)固化されているが、おそらくまだ完全には硬化されていない。
【0005】
最終的な材料特性のために、付加製造されたコンポーネントは、通常、溶媒(例えば、IPA、エタノール、又は界面活性剤溶液)中で1~2回洗浄され、乾燥され、UV光及び/又は熱によって後硬化され、最後に機械的に「仕上げられる」(例えば、任意の支持構造が取り除かれる)。上述の後処理ステップ(又は後工程)のために、コンポーネントは、手動で取り扱われなければならない。使用されるフォトポリマー及び可能な溶媒の両方が有害な化学物質であり得るので、直接的な眼、皮膚、及び気道の接触を防止するための保護具の使用が推奨される。
【0006】
硬化されていないフォトポリマーの取り扱いはまた、周囲に関する特別な要件を必要とし、それは理想的には、樹脂残渣の望ましくない硬化が生じないようにUVフリーであるべきである。これは、特に、製造デバイスから樹脂で濡れたコンポーネントを手動で取り除くケースであり得る。滴下する樹脂残渣は、製造デバイス及び直接作業エリアの両方、並びに製造デバイスから後工程が実行される場所までの経路を恒久的に汚す可能性がある。
【0007】
いくつかのフォトポリマー樹脂はまた、非常に臭気があり、それは、同様に刺激をもたらす可能性がある。
【0008】
加えて、安全上重要な用途、例えば生体適合性の歯科用物体の生産のための特定の材料特性を確実にするために、製造業者によって与えられたプロセス記述に可能な限り厳密に従わなければならない。後工程のパラメータ化可能な実施のオプションがない場合、材料製造業者によって保証される材料特性の設定は、使用者の資格及び勤勉さに強く依存し、そのリスクは、評価が困難である。
【0009】
付加製造されたコンポーネントの後工程を実施するための以下の変形形態、第1に、専用後露光デバイスにおける手動洗浄及び手動乾燥及びその後の後露光、第2に、専用後露光デバイスにおける機械支援洗浄、その後の手動乾燥及びその後の後露光、並びに第3に、専用後露光デバイスにおける機械支援洗浄及び機械支援乾燥及びその後の後露光、が現在利用可能である。第1の変形形態は、製造デバイスに加えて1つのデバイスのみを必要とするが、同時に、最初の2つの後工程の注意深い手動実行に特に依存する。第2及び第3の変形形態は両方とも、少なくとも2つの追加のデバイスと、追加のデバイス間の手動の移送とを必要とする。
【0010】
いくつかの処理ステーションと、コンベア台車又はコンベアベルトを使用してその間に運ばれる交換可能なコンテナとを有する製造システムが、DE 10 2014 007 408 A1に既に示されている。しかしながら、交換可能なコンテナの密封は開示していない。交換可能なコンテナ中で搬送されるコンポーネントは、従って、いずれのケースでも後処理のために交換可能なコンテナから取り除かれなければならない。
【0011】
EP 1 769 904 B1は、ビルドプラットフォームを示しており、そのビルドプラットフォームは、昇降デバイスに取り外し可能に結合され、製造デバイスのバット中に浸漬可能である。その結果として、ビルドプラットフォームは、バットを被覆することも密封することもできない。
【0012】
US 7 556 490 B2は、異なるタスクのためのいくつかの作業ステーションを有する製造システムを示す。可動ビルドプラットフォームを用いて、異なる洗浄及び硬化エリアに到達することができる。個々のステーションには、製造システム全体を取り囲むキャビネットと同様に、バット及びエンクロージャが設けられ、バット及びエンクロージャの中にビルドプラットフォームが下降され、バット及びエンクロージャは、ビルドプラットフォームを取り囲む。製造システムの空間要件は、従って、製造されるべきコンポーネントのサイズと比較して非常に高い。
【0013】
一般的な製造システムのコンテキストでは、US 2009/0283109 A1は、製造されたコンポーネントのためのコンテナと、前記コンテナに適合する蓋とを示している。蓋を有するコンテナは、放射線透過性であり、その中に包含されるコンポーネントの後硬化を可能にする。それらは、後硬化までその中で搬送されるコンポーネントを損傷から保護することを更に意図している。コンテナ中に収容されるより前に、コンポーネントは、コンポーネントキャリアから手動で分離されなければならない。その後、コンテナ中のコンポーネントの位置又は向きは、制御することができない。コンポーネントを受け取った後、コンテナは、蓋によって手動で閉鎖されなければならない。まさにその性質上、コンテナは、意図しない(例えば不均一な)後硬化をもたらす可能性がある環境からの放射線からの保護にも適していない。
【発明の概要】
【0014】
本発明の1つの目的は、付加製造方法によって製造されたコンポーネントの後処理を可能にすることであり、必要とされるシステム境界は、可能な限り単純で、安価で、空間を節約する形で確立が可能であるべきである。
【0015】
この目的は、請求項1の特徴を有するコンポーネントキャリア及び請求項19の特徴を有する後処理のための方法によって解決される。好ましい実施形態が、従属請求項に明記されている。
【0016】
冒頭に述べたタイプの本発明によるコンポーネントキャリアは、構築面を半径方向に取り囲む密封面を備える。ここで、「半径方向に」という用語は、相対位置を定義するために使用され、構築面又は密封面の形状を限定するものではなく、それらは、円形又は丸いものであってもなくてもよい。密封面は、例えば連続した矩形の又は丸い縁若しくは枠の形態で構築面を完全に取り囲むことができる。密封面は、構築面と同じ幾何学的平面上に位置付けることができるが、この配置に限定されない。密封面は、例えば、コンポーネントキャリアの外側、又は動作中に水平である構築面に対して垂直に配置される前記外側の一部分によって形成することができる。密封面はまた、共通平面内に必ずしも配置される必要がないいくつかの断面、例えば水平及び垂直断面にわたって延在し、それらから成ることができる。本発明は、後処理中に閉鎖された作業スペースのシステム境界の一部として、同時に既存のコンポーネントキャリアを使用するという概念に基づいている。従って、後処理中に作業スペースを密封するのに適したコンポーネントキャリアのどの表面も、密封面として機能することができる。密封面は、例えば、対応する密封面又は対応する密封要素若しくは密封部に接するように構成することができ、それは、例えば、コンテナ又はチャンバに接続される。製造(即ち形成)後、コンポーネントキャリア(又はビルドプラットフォーム)は、例えばコンテナ上に配置され、同時にコンテナを閉鎖することができる。例えば密封要素又は密封層による、コンテナ又はチャンバ上の密封部のケースでは、コンポーネントキャリアの密封面は、コンテナ又はチャンバの閉鎖状態で密封部に接する表面である。密封面は、コンポーネントキャリアの表面の一部である。コンポーネントキャリアの材料は、密封面から離れた密封面のエリアにおいて同じ材料であり得、即ち、密封面は、コンポーネントキャリア上に特別な密封材料を必ずしも必要としない。密封面に適合された密封要素及び/又は密封材料は、例えばコンテナ又はチャンバ上に設けることができる。コンポーネントキャリア上でのその配置の結果として、密封面は、常に構築面と共に移動される。
【0017】
コンポーネントキャリアは、例えば、UV不透過性であり得る。そのケースでは、コンポーネントキャリアは、UV放射線を使用する光後硬化中にシステム境界としての役割を果たすことができる。密封面は、それによって、後硬化のための作業スペースのUV気密閉鎖部として使用される。さもなければ、作業スペースの外側の樹脂残渣の望ましくない硬化をもたらす可能性がある作業スペースからのUV放射線の漏出は、このことから、防止することができる。
【0018】
構築面とは反対側に面する側で、コンポーネントキャリアは、搬送デバイスと解放可能に接続するための機械的インターフェースを更に備えることができる。搬送デバイスは、例えば、コンポーネントキャリアの垂直搬送のために(「zタワー」として)、又はコンポーネントキャリアの垂直搬送及び水平搬送の両方のために(「x-zタワー」又は「y-zタワー」として)構成することができ、例えば、対応する駆動装置を備える。
【0019】
1つの例証的な実施形態によると、コンポーネントキャリアは、コンテナを閉鎖し、コンポーネントキャリアの密封面は、コンテナの対応する密封面と共に、コンテナからの光反応性樹脂及び/又は洗浄液及び/又はUV放射線の漏出に対して密封する。2つの対応する密封面によって達成される密封はまた(又はその代わりに)、一般に、コンテナへの又はコンテナからの空気又は他のガスの望ましくない侵入及び/又は漏出から保護することができる。コンテナの容積は、付加製造プロセスからの最大の作成可能な物体容積をその中に収容することができるように寸法決めされる。このケースでは、コンテナ及びコンポーネントキャリアは、単一の管理可能なユニットを形成する。コンテナは、例えば、搬送容器(清潔、安全、オプションとしてUV気密)として機能することができる。
【0020】
コンテナは、洗浄液(上述の溶媒を参照)及び/又は乾燥ガス(例えば、空気又は窒素)のために、供給ラインのための少なくとも1つの接続部と、排出ラインのための少なくとも1つの接続部とを更に備えることができる。コンポーネントキャリアの助けを借りて密閉されたコンテナは、このことから、製造されたコンポーネントを洗浄及び/又は乾燥させるための作業スペースを取り囲むことができる。コンテナという用語は、搬送に特に適した物体に限定されず、より一般には、例えばまた製造システムのチャンバのシステム境界及び収容部として理解されるべきである。少なくとも1つの接続部を用いて、しかしながら、搬送コンテナはまた、例えば、後工程洗浄及び/又は乾燥及び/又は後硬化を実行するためのプロセスチャンバとして使用することができる。
【0021】
搬送用途では、コンテナがUV不透過性であれば特に有益である。コンテナのための蓋として機能する同様にUV不透過性のコンポーネントキャリアと共に、周囲放射線の負の影響は、大幅に排除することができる。オプションとして、コンテナの内側を見ることも可能であり得、即ち、コンテナは、可視光に対して透過性であり得、そのため、その中に収容されたコンポーネントを見ることができる。
【0022】
コンテナは部分的にのみUV透過性であると規定することができる。例えば、コンテナ壁の個々の断面のみがUV透過性であり、そのため、コンテナがUV光源を装備された製造システム中に収容されるとき、UV透過性断面がUV光源のエリア中に配置され、そのため、コンテナ中に保持されたコンポーネントを損傷のリスクを最小限に抑えて迅速且つ確実に後硬化させることができることが考えられる。
【0023】
コンテナは、製造デバイス又は一般に作業ステーションに接続するための1つ以上の機械的インターフェースを更に備えることができる。例えば、フォームフィット接続のための接続要素は、例えば、ピン接続、ボルト接続、キー接合又はさねはぎ接続のための機械的インターフェースとして設けることができる。
【0024】
本発明は更に、コンポーネントを洗浄及び/又は乾燥及び/又は後硬化させるための1つ以上の作業ステーションを有する製造システム又は「後処理システム」に関し、製造システムは、上述した変形形態のうちの1つによるコンポーネントキャリアを備える。製造システムは、付加製造プロセスによって製造されたコンポーネントを後処理するためのシステムであり得る。少なくとも1つの後処理ステップ(又は後工程)が、製造システムによって実行可能であり得る。後処理ステップ(1つ以上)は、少なくとも1つの作業ステーションにそれぞれ割り当てることができる。製造システムは、その結果として、洗浄ステーション(コンポーネントを洗浄するための作業ステーション)及び/又は乾燥ステーション(例えば、洗浄されたコンポーネントを乾燥させるための作業ステーション)及び/又は後硬化ステーション(コンポーネントを後硬化させるための作業ステーション)を含むことができる。いくつかの後処理ステップを1つの作業ステーション中で実行することも考えられる。後処理ステップと作業ステーションとの間の割り当てとは無関係に、そのような製造システムは、1つの単一のデバイス中での後工程のうちのいくつか又は全てを統合することを可能にすることができる。コンポーネントキャリアは、少なくとも1つの作業ステーション中で機能的に使用することができ、即ち、後処理ステップに参加し、前記後処理ステップの適切な実行と協働することができる。更なるシーケンスでは、デバイス中での後工程のうちのいくつか又は全ては、例えば材料製造業者の仕様に従って、一貫して再現可能にパラメータ化することができる。
【0025】
そのような製造システムのコンテキストでは、製造システムは、上述の変形形態のうちの1つによるコンテナ、即ち、本タイプのコンポーネントキャリアによって密封されるコンテナを含むことができる。コンテナが乾燥ガス及び/又は洗浄液などの異なる媒体のための接続部を有するコンテナである場合、製造システムは、後処理に必要とされる媒体を提供することができる。
【0026】
製造システムが搬送デバイスを含む場合、コンポーネントキャリアは、搬送デバイスに接続可能であり得る。コンポーネントキャリアは、オプションとして、搬送デバイスに接続、例えば解放可能に接続することができる。このようにして、ことによるとコンポーネントキャリア上で製造されたコンポーネントは、搬送デバイスの助けを借りて異なる作業ステーション間で搬送することができ、及び/又は搬送デバイスは、コンポーネントキャリアがコンテナを密封する密封位置と、コンポーネントキャリアがコンテナから取り除かれる開放位置との間でコンポーネントキャリアを移動させることができ、このことから、コンテナ中でのコンポーネントの再現可能な位置付けを達成することができる。
【0027】
上記のケースでは、コンポーネントキャリアの搬送デバイスへの接続は、グリッパデバイスによって確立及び解放することができると規定することができる。搬送デバイスは、このことから、コンポーネントキャリアから解放することができ、コンポーネントキャリアは、製造システムから取り除くことができる。搬送デバイスは、いくつかの異なるコンポーネントキャリアを交互に又は連続して搬送するために更に使用することができる。
【0028】
異なる作業ステーション間の移動のために、搬送デバイスが水平移動のための駆動装置を備える場合に有用である。駆動装置は、電気モータ、例えば、より具体的にはステッピングモータであり得る。
【0029】
更なる設計の変形形態によると、製造システムは、樹脂バットと空間解像度を有する露光デバイスとを有する製造ステーションを含むことができる。製造システムは、このことから、後処理のためだけでなく、コンポーネントの先行する製造のためにも使用することができ、同時に製造デバイスとして機能することができる。製造ステーションは、例えば、1つ以上の作業ステーションに加えて設けることができる。製造と後処理とを組み合わせることは、特に高度の統合及び自動化を可能にし、その結果として、潜在的に特に費用効果が高く、迅速な上に安全で再現可能な製造を可能にする。
【0030】
製造システムはまた、コンポーネントキャリア及びコンテナを積載し、並びに余剰溶媒を滴下及び乾燥させるために使用することができる追加の機能的な作業エリアを含むことができる。例えば、搬送コンテナを正確に位置付けして受け取り、搬送コンテナを保持するための機能的な作業エリアを設けることができる。そのケースでは、コンポーネントキャリアによって閉鎖され、前記コンポーネントキャリア上にコンポーネントを包含する搬送コンテナは、それぞれの作業エリア中に挿入することができる。自動化された後処理プロセスを次いで開始することができ、搬送デバイスがコンポーネントキャリア上にドッキングされ、その後、接続されたコンポーネントを1つ以上の作業ステーションに搬送する。
【0031】
製造システムのコンテナは、オプションとして、洗浄タンクであり、その中に充填された溶媒を移動させるための(例えば機械的な)攪拌器を備えることができる。攪拌器(かき混ぜ器とも呼ばれる)は、例えば、洗浄タンク中に溶媒の流れを作成するように構成することができる。蓋を自動的に開閉するためのアクチュエータに接続された洗浄タンクの蓋を更に設けることができる。この蓋は、コンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントであり得、蓋は、洗浄プロセスの間に、即ち、コンポーネントが現在洗浄されていないときに、洗浄タンクから溶媒が漏出するのを防止する。
【0032】
製造システムは、コンポーネントを後硬化させるための少なくとも1つの作業ステーションを更に備えることができ、この作業ステーションは、光(例えばUV光による)及び/又は熱(例えば統合された制御可能なヒータによる)後硬化のために構成することができる。このケースでは、コンポーネントキャリアは、例えば漏出UV光に対する適切な密封のために、又は熱対流及び/又は熱伝導に対する絶縁体として構成することができる。
【0033】
このコンテキストでは、作業ステーションは、後硬化のためのシールドガス供給部を更に備えることができる。コンポーネントキャリアは、作業ステーションと相互作用して、供給されたシールドガスを空間的に閉じ込め、作業ステーション中、より具体的には作業スペース中で十分に高いシールドガス濃度を達成することができる。
【0034】
冒頭に述べたタイプの本発明による方法では、製造後に、コンポーネントキャリアに接続されたコンポーネントは、作業スペース(作業スペースは、例えばコンテナ中又は製造システムの作業ステーションの収容部又はチャンバ中の内部にあり得る)に搬送され、コンポーネントキャリアは、樹脂及び/又は溶媒及び/又はUV放射線に対して作業スペースを密封する。
【0035】
本方法のコンテキストでは、コンポーネントは、コンポーネントキャリアによって密封された作業スペース中で洗浄することができる。コンポーネントキャリアは、コンポーネントキャリア上で洗浄されるべきコンポーネントが作業スペース中に収容されたときに、洗浄液、例えば溶媒を有する液体洗浄溶液の漏出に対して作業スペースを密封する。
【0036】
このコンテキストでは、コンポーネントを洗浄するために、洗浄液を、少なくとも1つの接続部を介して作業スペースに供給し、作業スペースから除去することができる。作業スペースがコンテナによって形成される場合、前記コンテナはそのような接続部を備えることができる。その際、接続部は、例えば弁を用いて、洗浄前後に作業スペースを密封することができる。供給及び除去は、同じ接続部又は異なる接続部を介して行うことができる。
【0037】
コンポーネントを洗浄するために、洗浄液は、洗浄液を移動させることによって及び/又はコンポーネントを移動させることによって、コンポーネントに対して調整可能で変更可能な方向及び速度で更に移動させることができる。これは、コンポーネントの表面が、例えばコンポーネント中の空洞又は凹部に関して、その形状とはほとんど無関係に均一に洗浄されることを確実にすることができる。
【0038】
コンポーネントは、コンポーネントキャリアによって密封された作業スペース中で洗浄した後、更にオプションとして乾燥させることができる。この作業スペースは、コンポーネントが以前に洗浄されたのと同じ作業スペースであり得るが、必ずしもそうである必要はない。同じ連続的に密封された作業スペースが使用される場合、洗浄液は、洗浄後及び乾燥中に大部分を回収することができ、次いで、オプションとして再生(濾過及び/又は調製)することができる。
【0039】
コンポーネントを乾燥させるために、空気流を、少なくとも2つの接続部を介して作業スペースに供給し、作業スペースから除去することができる。その際、空気流は、一方の接続部を介して供給され、同時に他方の接続部を介して除去される。その結果として、2つの接続部間の作業スペース中に空気流が作成される。空気流がそれを介して供給される接続部はまた、作業スペース中の定められていない漏出によって形成することができる。入接続部と出接続部との間には、作業スペース中に陰圧をもたらす差圧が存在する。別の実施形態では、活性炭フィルタが出接続部の上流に接続される。差圧及び活性炭フィルタは、溶媒蒸気の漏出によって生じる臭気が作業スペースから出ないことを確実にする。
【0040】
これに関して、コンポーネントを乾燥させるために作成された空気流は、例えば、入接続部と出接続部との間の陰圧によって移動させることができる。陰圧の使用は、排出される空気の制御されない漏出に対抗し、例えば、環境への溶媒蒸気の放出を防止することができる。
【0041】
空気流の方向は、接続部の役割が切り替わり、入口が出口になり、逆もまた同様であるように、オプションとして逆にすることができる。一般に、乾燥は、空気流の使用に限定されず、原則として、あらゆるタイプのガス流を使用することができる。洗浄液を蒸発させるために、乾燥させるために作業スペース中が減圧されると更に規定することができる。乾燥させるために、接続部のうちの少なくとも1つを使用して、洗浄液の相対飽和度が増大した乾燥ガス(例えば空気)を作業スペースから除去することができ、洗浄液の相対飽和度が比較的より低い乾燥ガスは、オプションとして、第2の又は更なる接続部を介して作業スペース中に供給される又は給される。
【0042】
代替的な又は追加的な後処理ステップとして、コンポーネントは、コンポーネントキャリアによって密封された作業スペース中で後硬化されると規定することができる。後硬化中に、コンポーネントの構造又は少なくとも1つの表面(即ち外側)が完全に硬化される。一般的な製造プロセス中に開始された印刷材料の硬化を継続し、完了させることができる。
【0043】
後硬化は、例えばUV光で実行することができるので、作業スペースは、コンポーネントを後硬化させるために、少なくとも1つの側壁を通して、例えばUV光で照射することができる。関連する側壁は、後硬化のために使用される放射線(例えばUV光)に対して少なくとも部分的に透過性であり得る。他の側壁又は他の側壁のうちのいくつかは、UV光に対して不透過性であり得る。UV光に対して少なくとも部分的に透過性の側壁は、作業スペースの床とは異なる側壁、例えば床に垂直な側壁であり得る。2つの側壁、例えば2つの対向する実質的に平行な側壁をオプションとして使用して、それぞれの関連する放射線源(例えばUVランプ)で後硬化させるための作業スペースを照射することができる。
【0044】
特に、作業スペースは、オプションとして、コンポーネントを後硬化させるための少なくとも2つの光源によって、例えばUV光で照射することができ、及び/又はUV光コンポーネントとは無関係に作業スペース中のコンポーネントを熱硬化させるための制御可能なヒータを装備することができる。熱硬化中に、コンポーネント又は少なくともその表面が加温若しくは加熱され、そのため、コンポーネント材料は、加熱若しくは加熱のうちのいずれか中、及び/又は温度を保持しているとき及び/又はその後の冷却中に更に硬化する。
【0045】
本開示は、冒頭で説明した付加製造プロセスによる形成と、最も望ましい後工程との間のギャップを埋める。実施形態に応じて、本開示を後工程に使用することにより、保護具を摩耗させる必要がなく、特別な室内要件がもはや不要となり、溶媒蒸気及びフォトポリマー樹脂からの臭気がなくなり、並びに/又は機械及び作業環境の汚染が低減若しくは排除され、更に、材料製造のためのプロセス仕様をパラメータ的により確実且つより安全に実装することができ、使用者のより低い資格で既に十分である。
【0046】
本発明を、例証的な実施形態に基づいて、及び図面を参照して以下により詳細に説明するが、本発明は、それらの例証的な実施形態に限定されるものではない。特に、図面は以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】樹脂バットと、密封位置においてコンポーネントキャリアによって密封されたコンテナとを有する製造システムを概略的に示す。
【
図3】
図2による開放されたコンテナの側面図を概略的に示しており、コンポーネントキャリアは、開放位置でその上に配置されている。
【
図4】コンポーネントキャリアによって密封され、密封位置にある閉鎖されたコンテナの垂直断面を概略的に示す。
【
図5】いくつかの作業ステーションと搬送デバイスとを有する製造システムを概略的に示す。
【
図6】媒体接続部を有する密封されたコンテナを概略的に示す。
【
図7】作業ステーション中にドッキングされた
図6によるコンテナを概略的に示す。
【
図8】コンテナが挿入された後硬化チャンバを概略的に示す。
【
図9】コンテナが挿入され、対流ヒータを有する後硬化チャンバを概略的に示す。
【
図10】統合された攪拌器と追加の蓋とを有する洗浄タンク上のコンポーネントキャリアである。
【
図11】コンポーネントキャリアが挿入されていない、蓋で閉じられた洗浄タンクを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、樹脂バット2と空間解像度を有する露光デバイスとを有する付加製造デバイス1を示す。製造デバイス1はまた、製造システムの製造ステーションとして使用可能であろう。付加製造デバイス1(「3Dプリンタ」)は、レーザ及びDLPベースである。液体フォトポリマー樹脂は、「オーバーヘッドバット重合」の原理に従って、前記付加製造デバイス中で固形コンポーネントに加工処理することができる。UV光(紫外光)による光重合が、固化原理として使用される。UV光は、UVレーザ又はDMDベース(「デジタルマイクロミラーデバイス」)のUVプロジェクタによってマスクを投影するために使用される。投影されたマスクはまた、材料の固化が生じる樹脂バット2中の樹脂浴中のエリアをマークする。材料硬化がその内部で行われる層厚は、各マスクに割り当てられる。付加製造では、印刷されるべきコンポーネントのデジタルボリュームモデルが層に分解される。マスクは、印刷されるべき物体の全ての層が露光されるまで繰り返し露光される。個々の層が全て互いに露光されないことを確実にするために、コンポーネントキャリア3は、各層サイクル後に少なくとも1つの層厚だけz方向4にトレイの基部から離れて露光ゾーンから移動される。
【0049】
好ましくは剛性のコンテナ5が、付加製造デバイス1の隣に取り付けられる。樹脂が製造デバイス1の機械内部に滴下する機会を可能な限り最小限にするために、前記コンテナは、樹脂バット2などの樹脂担持コンポーネントに可能な限り近接して位置付けられる。コンテナ5は、付加製造デバイス1への解放可能な挿入のための機械的インターフェース6を備える。コンポーネントの付加製造の完了後、コンポーネントキャリア3は、取り付けられた付加製造されたコンポーネントと共に、蓋としてコンテナ5上に配置することができる。コンテナ5は、次いで、付加製造デバイス1の取り除き可能なコンポーネントキャリア3によって被覆及び密封される。コンテナ5及びコンポーネントキャリア3は、このことから、自己完結型の可搬式組み立てユニットを形成し、それは、後処理のための作業ステーションに搬送するために、使用者によって樹脂接触なしに製造デバイス1から取り除くことができる。
【0050】
コンポーネントキャリア3は、構築面7を備える(
図4を参照)。製造デバイス1の動作中、コンポーネント8が、構築面7上に製造され、コンポーネント8の第1の製造された層が、構築面7に接続される。コンポーネントキャリア3の搬送デバイス9への接続は、グリッパデバイスによって確立及び解放することができる。この目的のために、コンポーネントキャリア3は、機械的インターフェース10を備える。機械的インターフェース10は、搬送デバイス9上の結合要素を収容するためのスロット11によって形成される。スロット11は、グリッパデバイスの対応する突出部又は延長可能なクランプのための、又は一般に搬送デバイス9の可動アーム12上の結合要素のためのアンダーカットを備える。結合要素は、端部ストッパに当たるまでスロット11中に水平に挿入することができる。コンポーネントキャリア3は、次いで、搬送デバイス9と共にコンテナ5から持ち上げることができ、コンテナ5は、このことから、開放することができる。
【0051】
付加製造プロセスに従って製造されたコンポーネントを後処理するための方法では、支持構造8’を介してコンポーネントキャリア3に接続されたコンポーネント8が、製造後にコンテナ5中の作業スペース13中に収容され、前記コンテナ中で搬送され、コンポーネントキャリア3は、樹脂及び/又は溶媒及び/又はUV放射線に対して作業スペース13を密封し、このことから、コンポーネント8を有害な外部影響からほとんど遮蔽する。
【0052】
図2~4は、異なるコンポーネントキャリア3及びコンテナ5をより詳細に示しており、それによって、繰り返しを避けるために、機能的に同一の部分には同じ参照符号を使用しており、全ての変形形態についての共通点を以下に説明する。コンポーネントキャリア3は、構築面7と、構築面7を半径方向に取り囲む密封面14とを備える(
図3及び4参照)。コンポーネントキャリア3は、UV不透過性である。コンテナ5は、基部15と、4つの側壁16と、基部15に対向する開口部17とを有する。基部15及び側壁16は、UV不透過性である。開口部17に隣接する側壁16の上縁は、密封ストリップ18をそれぞれ備え、4つの密封ストリップ18は共に、(基部15に垂直な中心軸に対して)開口部17を半径方向に取り囲む閉じた枠の形態の密封部19を形成する。密封部19は、基部15に平行な平面内に配置され、そのため、コンポーネントキャリア3がコンテナ5を密閉する
図4に示す密封位置では、コンポーネントキャリア3の構築面7は、コンテナ5の基部15に平行に配置されている。コンポーネントキャリア3の密封面14は、コンテナ5の対応する密封面、より具体的にはコンテナ5の密封部19で、コンテナ5から光反応性樹脂及び/又は洗浄液及び/又はUV放射線の漏出に対して密封される。構築面7とは反対側に面する上側20に、
図4によるコンポーネントキャリア3は、搬送デバイス9への解放可能な接続のための機械的インターフェース10を備える。
【0053】
図5は、コンポーネントを洗浄、乾燥、及び後硬化させるためのいくつかの作業ステーション22を有する製造システム21を示す。製造システム21は、
図4によるコンポーネントキャリア3及びコンテナ5を含み、コンテナ5は、コンポーネントキャリア3及びコンテナ5を積載するため、並びに余剰溶媒を滴下して乾燥させるために使用することができる作業エリア23中に配置される。作業エリア23に加えて、製造システム21は、いくつかの作業ステーション22を備える。2つの作業ステーション22は各々、洗浄タンク24、25を備える。第3の作業ステーション22は、制御可能なヒータを使用してコンポーネントを熱後硬化させるための後硬化チャンバ26である。後処理の過程で、後硬化チャンバ26の作業スペース中の温度は、好ましくは50℃~90℃の後硬化温度まで上昇して、オプションとして追加的に設けられたUV光(
図7を参照)とは無関係にコンポーネントを熱硬化させる。製造システム21は、搬送デバイス9を更に含み、コンポーネントキャリア3は、搬送デバイス9に接続される。搬送デバイス9は、水平及び垂直移動のための駆動装置を備える。
【0054】
図5に示す製造システムを使用するには、コンテナ5を作業エリア23に挿入する。搬送デバイス9の可動アーム12上のグリッパは、ここで、コンポーネントキャリア3に結合するために、搬送デバイス9のzタワー27によって移動させることができる。結合された状態では、コンポーネントキャリア3は、zタワー27を介して衝突のない作業エリアへと上昇することができる(この位置は
図5に示す)。zタワー27は、作業エリア23から開始して水平なx軸28に沿って両方向29に移動させることができる。zタワー27上の上方位置に到達した後、コンポーネントキャリア3を、予め選択されたプログラムに従って個々の作業ステーション22に運ぶことができる。作業ステーション22は、第1の洗浄タンク24と、第2の洗浄タンク25と、洗浄タンク24、25の上方の乾燥エリア30と、後硬化チャンバ26とによって形成される。必要な後工程も、上述のシーケンスで実行される。第1の洗浄プロセスのために、コンポーネントキャリア3は、第1の洗浄タンク24の上方に位置付けられ、洗浄タンク24の蓋を自動的に開放した後、zタワー27を介して下降されることによって第1の洗浄タンク24上に配置される。その際、コンポーネントキャリアに取り付けられた付加製造されたコンポーネント31は、第1の洗浄タンク24中の溶媒に浸漬される。その際、コンポーネントキャリア3は、第1の洗浄タンク24を閉鎖する。第1の洗浄タンク24及び第2の洗浄タンク25の両方には、機械的攪拌器が存在し、機械的攪拌器は、コンポーネントキャリア3に取り付けられた付加製造されたコンポーネント31とその中に充填された溶媒との間の相対運動を確実にする。機械的攪拌器の回転方向及び回転速度は、プロセス要件に従って設定することができる。第1の洗浄プロセスが完了した後、コンポーネントキャリア3は、zタワー27上を移動して乾燥エリア30中に戻る。規定された滴下時間の後、コンポーネントキャリア3は、x軸28に沿って第2の洗浄タンク25に移動され、第2の洗浄プロセスが、第1の洗浄プロセスと同様に開始される。洗浄時間、滴下時間、及び乾燥時間は、例えばコンポーネントの材料及び/又は形状に応じて、それぞれ異なって規定することができる。第2の洗浄プロセスの後に、乾燥プロセスが続き、乾燥プロセスでは、コンポーネントキャリア3の表面及び取り付けられた付加製造されたコンポーネント31から溶媒が完全に除去される。
【0055】
その後にのみ、コンポーネントキャリア3が後硬化チャンバ26に向かって移動され、後硬化チャンバ26中に下降される。酸素阻害(即ち、酸素の存在が硬化を妨げる)を回避するために、後硬化チャンバ26は、窒素で満たすことができる。この目的のために、後硬化チャンバ26は、対応する接続部を備える。後硬化チャンバ26は、所望の波長範囲のUV光を放射する照明手段(ランプ又はLED)を更に備える。後硬化チャンバ26中の温度は、能動的又は受動的な加熱及び冷却によって追加的に調節することができる。後硬化プロセスのために、後硬化チャンバ26は、最初に窒素で満たされ、所望の温度に設定される。UV放射照明手段は、次いで、規定された時間期間にわたってスイッチオンされる。コンポーネントキャリア3に取り付けられた付加製造されたコンポーネント31における後硬化が、ここで、それらがスイッチオンされている時間中に実行される。後硬化プロセスの制御は、UV放射線及び/又は熱が加えられるように行うことができる。後硬化の完了後、コンポーネントキャリア3は、コンテナ5に戻され、その上に配置される。使用者は、ここで、コンテナ5をその上に配置したコンポーネントキャリア3を取り除くことができる。ここで、コンポーネントキャリア3は、コンテナ5から取り除くことができる。コンポーネントキャリア3に取り付けられた付加製造されたコンポーネント31は、ここで、機械的仕上げのためにコンポーネントキャリア3から取り除くことができる。
【0056】
更なる例証的な実施形態によると、
図5による製造システム21は、
図1に示す樹脂バット2と空間解像度を有する露光デバイスとを有する製造デバイス1と同様の製造ステーションを追加的に含むことができる。このケースでは、コンポーネントキャリア3は、搬送デバイス9によって製造ステーションから第1の洗浄ステーションに直接搬送することができる。
【0057】
更なる例証的な実施形態によると、製造システム21は、
図5に従って外部ハウジングを追加的に備えることができる。
図5に示す全てのデバイスは、外部ハウジング中に収容することができる。これは、外部ハウジングによる追加の外部遮蔽を達成することを可能にし、それは、例えば、周囲との空気の交換及び/又は放射線の入射及び/又は出射を少なくとも一時的に妨げる。外部ハウジングは、閉鎖状態でコンテナ5を挿入し、取り除くためのドアを備えることができる。外部ハウジングは、コンテナ5の内部と環境との間のエアロックのように機能することができる。
【0058】
図6及び
図7は、別の代替的な例証的な実施形態を示す。
図6に示すコンテナ32は、4つの媒体接続部33を備える。洗浄液38又は乾燥ガス39の、供給ラインのための2つの接続部34、35と、排出ラインのための2つの接続部36、37とがそれぞれ設けられている。このコンテナ32は、UV透過性である2つの垂直側壁40、41(図面の左右)を備える。2つの他の垂直側壁は、UV不透過性である。コンテナ32のこの実施形態は、最初に接続部なしの前述のコンテナ5と全く同じ方法で付加製造デバイス1中で取り扱われる。その後、しかしながら、接続部33を有するコンテナ32は、単一の作業ステーション42(
図7を参照)中でのそれぞれの後工程のためのプロセスチャンバを同時に形成する。後処理するために使用される媒体、例えば洗浄するための溶媒(例えばIPA/イソプロピルアルコール、エタノール、エステルベース又は界面活性剤溶液)、乾燥させるための空気、及び後硬化させるための窒素を、接続部33を介して供給及び除去することができる。
【0059】
図7による製造システム21は、コンポーネント8の光後硬化を含む後処理のための作業ステーション42を備える。後硬化のための作業ステーション42は、シールドガス供給部43を備える。作業ステーション42は、付加製造デバイス1の付属品として使用することができる追加デバイス44によって形成される。コンテナ32は、追加デバイス44にドッキングされる。コンテナ32をドッキングするとき、全ての接続部33が追加デバイス44にしっかりと接続されることが確実にされなければならない。密封ドッキングの後、必要とされる後工程を次々に実行することができる。第1のステップでは、コンポーネント8は、コンテナ32中で洗浄することができる。これを行うために、コンテナ32中にあってコンポーネントキャリア45によって密封された作業スペース46は、第1のステップにおいて、洗浄のための溶媒で満たされる。洗浄液38は、第1の接続部34を介して作業スペース46中に給され、第2の接続部36を介して除去される。流入及び循環は、溶媒とコンポーネントキャリア45に取り付けられた付加製造されたコンポーネント8との間に所望の相対運動を作成する。洗浄時間は、予備試験の助けを借りて決定された。溶媒自体は、十分に寸法決めされたタンク47中に貯蔵され、循環ポンプ53によって洗浄プロセス中にタンク47と作業スペース46との間で循環される。戻り溶媒は、オプションとして、タンク入口で濾過することができる。粒子フィルタによるその後の濾過を簡単にするために、溶解した樹脂残渣は、UV光源48によって固化させることができる。洗浄プロセスの完了後、コンポーネント8は、コンポーネントキャリア45によって密封された作業スペース46中で乾燥される。これを行うために、コンテナ32は完全に空にされ、第3の接続部35を介して空気流を作業スペース46中に導入し、第4の接続部37を介してそれを除去することによって、その後の乾燥プロセスのために空気で洗い流される。乾燥させるための空気は、ポンプ49及び第3の接続部35を介してコンテナ32に導入され、第4の接続部37及び切換可能な出口弁50を介して再び排出される。空気による洗い流しは、規定された乾燥時間内に行われる。乾燥されたコンポーネント8を、次いで、コンポーネントキャリア45によって密封された作業スペース46中で後硬化させることができる。乾燥後、コンテナ32は、後硬化のための窒素で充填することができる。これを行うために、ここで、窒素が、空気の代わりに切換弁51を介してポンプ49に給される。窒素で充填した後、2つの設置されたUV照明手段52がスイッチオンされ、作業スペース46が、UV光で2つの対向する側壁40、41を通して照射される。後硬化温度の能動的な操作は、ガス交換及びUV照明手段52のアクティブ化期間の両方を介して可能であり、追加の制御可能なヒータの設置は、オプションとして提供することができる。後硬化が行われた後、コンテナ32は、コンポーネントキャリア45と共に追加デバイス44から取り除くことができる。そして最後に、化学的に洗浄され、後硬化されたコンポーネント8を取り除くために、コンポーネントキャリア45は、コンテナ32から取り除くことができる。
【0060】
図8は、後硬化チャンバ54を概略的に示す。コンテナ55が、後硬化チャンバ54に挿入されている。コンテナ55及び後硬化チャンバ54は、コンポーネントキャリア56によって密封されている。コンポーネントキャリア56は、構築面7を有しており、構築面7に対して、以前に製造されたコンポーネント8が取り付けられている。コンポーネントキャリア56は、密封面57を有する。密封面57は、構築面7と同一平面内に配置され、構築面7を取り囲んでいる。密封面57は、コンテナ55の開口部における垂直フランジによって形成されたコンテナ55の対応する密封面58に密着し、それによって、コンテナ55とコンポーネントキャリア56によって取り囲まれた作業スペース46を密封する。コンポーネントキャリア56は、構築面7の反対の上側に配置された、搬送デバイス9への解放可能な接続のための機械的インターフェース10を備える。
【0061】
後硬化チャンバ54は、後硬化チャンバ54のハウジング59とコンテナ55の2つの対向する側との間に配置された2つの紫外線(UV)照明手段52を備える。この実施形態における紫外線照明手段52は、各々が100ワット(2×100W)の電力を提供する懐中電灯である。紫外線照明手段52に面するハウジング59の内側は、紫外線照明手段52からの紫外光をコンテナ55のための収容部に反射するためのミラー面60を備える。ハウジング59は、2つの紫外線照明手段52の上方で、その上側に2つの空気入口61を備える。ハウジング59の底部には、空気出口62(排気口)がある。空気入口61と空気出口62との間には、ハウジング59の内側に冷却ファン63が配置されている。冷却ファン63は、空気入口61を通ってハウジング59中に入り、空気出口62を通ってハウジング59から出る空気流を提供する。空気流は、紫外線照明手段52並びにコンテナ55及びハウジング59を冷却する。
【0062】
コンテナ55は、後硬化チャンバ54の供給ライン65のための接続部64を備える。供給ライン65は、コンテナ55が後硬化チャンバ54中に挿入されたときに、接続部64を通してコンテナ55を窒素で満たすために設けられている。窒素供給を使用して、後硬化プロセスを妨害しないように、作業スペース46から酸素を除去することができるか、又は環境からの酸素の侵入を回避することができる。接続部64は、密封リング66と、オプションとして逆止弁67とを備える。
【0063】
コンポーネント8の後硬化を実行するとき、コンテナ55は、コンポーネントキャリア56で密封され、後硬化チャンバ54と供給ライン65に結合された接続部64とに挿入される。供給ライン65を通して提供される窒素の圧力は、コンポーネントキャリア56をコンテナ55からわずかに持ち上げて密封面57、58間の過圧を解放することによって作業スペース46から酸素を除去するように選択される。このパージプロセスの後に、2つの紫外線照明手段52が予め規定された回数点滅され、それによって、コンテナ55の側壁40、41のうちのUV透過性である2つを通して作業スペース46を照射する。ハウジング59及びコンポーネントキャリア56は、UV不透過性である。この後硬化手順中、冷却ファン63は、ハウジング59を通る空気流を提供する。
【0064】
図9は、後硬化チャンバ54中に挿入されたコンテナ55の拡張された実施形態を示す。
図8に関連して説明した全ての要素に対して、同じ参照符号が
図9で使用され、繰り返しを避けるために上記の説明が参照される。加えて、コンテナ55は、対流ヒータ70のための2つの接続部68、69を備える。対流ヒータ70は、作業スペース46中に封入された流体(例えば主に窒素)を加熱するために設けられている。前記流体を加熱することによって、コンポーネント8の熱後硬化が実行される。対流ヒータ70は、コンテナ55の接続部68、69に接続された流体回路72中に配置されたポンプ71(又はファン)を備える。ポンプ71は、作業スペース46中に封入された流体を、加熱要素73、例えばヒータスパイラルを通過して循環させる。
【0065】
図10は、
図5による洗浄タンク24をより詳細に示すが、依然として概略的である。洗浄タンク24は、コンポーネントキャリア3によって密封されている。矢印74によって示すように、コンポーネントキャリア3は、洗浄タンクから垂直方向に持ち上げることができるか、又は洗浄タンク24上に垂直方向に降ろすことができる。コンポーネントキャリア3は、構築面7を有しており、付加製造デバイス中でコンポーネント8を製造した後、構築面7に対してコンポーネント8が取り付けられる。洗浄タンク24は、洗浄液75で充填されている。コンポーネント8を洗浄するために、洗浄タンク内の洗浄液75の循環は、この例では回転ブレードを有する機械的攪拌器76によって提供される。洗浄タンク24が使用されていないとき、即ち洗浄液75に浸漬されたコンポーネント8がないとき、洗浄タンク24は、ヒンジ78を介して洗浄タンク24に取り付けられた蓋77で閉鎖される。オプションとして、コンポーネント8を有するコンポーネントキャリア3が洗浄タンク24に接近しているときに蓋77を自動的に開放するために、ヒンジ78を駆動装置に結合することができる。
【0066】
図11は、洗浄タンク79の異なる実施形態を示し、それは、待機構成で、即ち挿入されたコンポーネントキャリア又はコンポーネントなしで示す。この構成では、蓋80は、洗浄タンク79を密封する。蓋80は、ねじキャップ82によって被覆された補充開口部81を備える。補充開口部81は、洗浄タンク79中に洗浄液を充填するために設けられている。蓋80を開放するための機械的インターフェース83は、ねじキャップ82の隣に配置される。垂直壁のうちの一方には、水位センサ84が、その洗浄タンク79の内側の洗浄液の水位を感知するためのフロートスイッチの形態で設けられている。水位センサ84の出力に基づいて、洗浄タンク79が洗浄液の補充を必要としているという警告が発せられ得る。洗浄タンク79の底部には、洗浄タンク79上に配置されたコンポーネントキャリアから取り外され得るコンポーネントから機械的攪拌器86を保護するためバスケット85が機械的攪拌器86の上方に設けられる。
【国際調査報告】