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特表2022-521885脛骨アライメントシステムのための固定装置
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  • 特表-脛骨アライメントシステムのための固定装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】脛骨アライメントシステムのための固定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A61B17/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540551
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020052324
(87)【国際公開番号】W WO2020173657
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】102019104965.2
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローランド ベッティガー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL28
4C160LL29
(57)【要約】
本発明は、膝の手術のための脛骨アライメントシステムの固定装置(1)に関し、固定装置(1)は、横方向バー(2)であって、横方向バー(2)の前端部(3)は脛骨アライメントシステムのメインロッド(H)に接続されることができ、上記メインロッドは脛骨に沿ったアライメントのために設けられており、横方向バー(2)の後端部は横方向バー(2)に対して斜めに延在し、脛骨の膝関節側端部に打ち込まれることができる少なくとも1つのアンカーピン(6)を有するアンカーシステム(5)を有する、横方向バー(2)を備える。アンカーシステム(5)は、打ち込みアンビル(7)をさらに有しており、打ち込みアンビル(7)には少なくとも1つのアンカーピン(6)が一体化されており、少なくとも1つのアンカーピン(6)を脛骨に打ち込むために、打ち込みアンビル(7)は、打ち込みアンビル(7)に外部から作用する衝撃力を少なくとも1つのアンカーピン(6)に伝達するように設計されており、アンカーピン(6)及び打ち込みアンビル(7)は、この目的のために、長手方向に移動可能な方法で、横方向バー(2)内でガイドされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝の手術のための脛骨アライメントシステムのための固定装置(1)であって、
横方向バー(2)であって、前記横方向バー(2)の前端部(3)は前記脛骨アライメントシステムのメインロッド(H)に接続されることができ、前記メインロッド(H)は脛骨に沿ったアライメントのために設けられており、前記横方向バー(2)の後端部は、前記横方向バー(2)に対して斜めに延在し、前記脛骨の膝関節側端部に打ち込まれることができる少なくとも1つのアンカーピン(6)を有するアンカーシステム(5)を有する、前記横方向バー(2)を備え、
前記脛骨への前記アンカーシステム(5)の固定を改善するために、前記アンカーシステム(5)は打ち込みアンビル(7)をさらに有しており、前記打ち込みアンビル(7)には前記少なくとも1つのアンカーピン(6)が接続され、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)が一体化されており、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)を前記脛骨に打ち込むために、前記打ち込みアンビル(7)は、前記打ち込みアンビル(7)に外部から作用する衝撃力を前記少なくとも1つのアンカーピン(6)に伝達するように設計されており、前記アンカーピン(6)及び前記打ち込みアンビル(7)は、この目的のために、長手方向に移動可能な方法で、前記横方向バー(2)内でガイドされることを特徴とする、
固定装置(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアンカーピン(6)の打ち込み長さは、前記打ち込みアンビル(7)と前記横方向バー(2)との間のストップによって画定される、請求項1に記載の固定装置(1)。
【請求項3】
前記固定装置(1)は、前記打ち込みアンビル(7)及び前記少なくとも1つのアンカーピン(6)を解放するための補助装置(11)をさらに備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項4】
前記補助装置は、前記横方向バー(2)の中央に取り付けられる、又は支持されるレバー(11)の形態であり、前記レバー(11)は、前記ピンの長手方向において前記横方向バー(2)に対して前記少なくとも1つのアンカーピン(6)又は前記打ち込みアンビル(7)を変位させるように、1つの持ち上げ端部(10)では前記少なくとも1つのアンカーピン(6)又は前記打ち込みアンビル(7)にヒンジ留めされる、又は支持される、請求項3に記載の固定装置(1)。
【請求項5】
前記補助装置(11)は、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)を前記脛骨からレバーで動かすために、前記横方向バー(2)と前記アンカーシステム(5)の基部との間に単一の構成部分として固定され得る別個に設けられたレバーとして設けられる、請求項3又は4に記載の固定装置(1)。
【請求項6】
前記レバー(11)は、前記打ち込みアンビル(7)又は前記少なくとも1つのアンカーピン(6)に、好ましくは拘束的にヒンジ留めされ、前記横方向バー(2)の中央に接して支持される、請求項4に記載の固定装置(1)。
【請求項7】
前記レバー(11)は、前記横方向バー(2)の中央に、好ましくは拘束的にヒンジ留めされ、前記持ち上げ端部(10)では、前記打ち込みアンビル(7)又は前記少なくともアンカーピン(6)に接して支持される、請求項4に記載の固定装置(1)。
【請求項8】
前記レバー(11)及び前記打ち込みアンビル(7)は、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)に対して異なる側として、前記横方向バー(2)の上側に配置される、請求項7に記載の固定装置(1)。
【請求項9】
前記脛骨及び/又は前記横方向バー(2)に面する前記打ち込みアンビル(7)の下部前面は、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)の打ち込み長さを制限するためのストップ(8)を提供するために、前記アンカーシステム(4、5)が打ち込まれた位置において、前記横方向バー(2)の上側に当接するように調節、特に傾斜されており、
前記打ち込みアンビル(7)は、前記アンカーシステム(4、5)を前記横方向バー(2)から離れるように強制するために、前記レバー(11)の好ましくは丸みを帯びた前記持ち上げ端部(10)と係合するための段差(9)をその下端に形成し、
前記レバー(11)は、S字形に設計され、実質的に前方に延在するように設計され、ヒンジピン(12)によって、前記横方向バー(2)の上側の延長部及び/又は突出部(13)に形成された対応するヒンジアイにヒンジ留めされ、
前記持ち上げ端部(10)の反対側にある前記レバー(11)のハンドル端部(14)は、前記持ち上げ端部(10)を動かすために設けられている、請求項7又は8に記載の固定装置(1)。
【請求項10】
前記横方向バー(2)は、その前端部(3)にガイド部材を備え、前記ガイド部材を介して、前記横方向バー(2)は、前記バー軸に沿って自由に移動可能であるように、前記脛骨アライメントシステムの前記メインロッド(H)に接して支持されることができる、先行する請求項のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【請求項11】
前記横方向バー(2)は、自由に引き抜き可能であるように、前記メインロッド(H)に接して支持されることができる、請求項10に記載の固定装置(1)。
【請求項12】
切削深さを調節するために、前記メインロッド(H)から前記少なくとも1つのアンカーピン(6)までの距離は、前記横方向バー(2)を前記バー軸に沿って移動可能に支持することによって調節することができる、請求項10又は11に記載の固定装置(1)。
【請求項13】
前記打ち込みアンビル(7)に接続され、互いに平行に延在する2つのアンカーピン(6)が設けられている、先行する請求項のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膝の手術のための脛骨アライメントシステムのための固定装置に関し、この固定装置は、横方向バーであって、横方向バーの前端部は脛骨アライメントシステムのメインロッドに接続されることができ、上記メインロッドは脛骨に沿ったアライメントのために設けられており、横方向バーの後端部は、横方向バーに対して斜めに、特に横方向に延びるとともに、脛骨の膝関節側端部に打ち込まれることができる少なくとも1つのアンカーピンを有するアンカーシステムを有する、横方向バーを備える。
【背景技術】
【0002】
膝の手術では、メインロッド(調整ロッド)が患者の脛又は脛骨に沿ってアライメントされるように、髄外脛骨アライメント器具(ETA)といった脛骨アライメントシステムが、最初に、足側固定及び膝側固定を介して固定される。本出願の範囲内では、上記アライメントは垂直として言及されるが、これは単に説明を容易にすることを意図したものであり、空間におけるアライメントを指すものではない。同様に、以下では、用語「前方」は脛骨アライメントシステムのメインロッドに面するものとして使用され、用語「後方」は脛骨アライメントシステムのメインロッドから離れているものとして使用される。その後、メインロッドに接続又は保持されたソーガイド(a saw guide)又はソー治具(a saw jig)は、脛骨アライメントシステムを介して、膝に位置決め及びアライメントされ得る。これは、脛骨アライメントシステムが、Cベンドとして、例えばフットクランプ(足側固定)によって底部で(即ち、その足側端部でメインロッドに沿って)脛骨に接続され、横方向バーを介して上部で(即ち、その膝側端部でメインロッドに沿って)脛骨に接続されることを意味する。切削深さを調節するために、次いでソー治具/ソーガイドを変位させる、即ち、垂直方向に、又は脛骨に平行に、又はメインロッドに沿って、支持構造全体(Cベンド)に対して調整する。これは、グリッド調整(a grid adjustment)又はスレッド調整(a thread adjustment)によって行うことができる。ソーガイド又はソー治具を用いて切削を行うためには、これらを脛骨に固定し、その後、脛骨アライメントシステムを再び取り外さなければならない。
【0003】
脛骨アライメントシステムは、公知のように、実質的に2つの方法で膝側に固定することができる。一方では、前方から開始して(即ち、体の前方から、又は脛骨アライメントシステムのメインロッドに面する側から開始して)、適用されるソー治具又はソーガイドの取り付け穴を通して、ピンを押すことができる。その後、切削深さを設定できるように、取り付け穴を細長い穴として設計する必要がある。上記細長い穴の内側では、戻り止めによって、又はネジ付きナット若しくは締め付けネジによって、垂直方向に、又はメインロッドに沿って、又は切削深さの方向に、切削深さを設定することができる。他方では、膝側固定は、膝関節の脛骨の前面又は隆起部において、上方(近位)から横方向バーを用いて行うことができる。この目的のために、例えば2本のピンが、脛骨アライメントシステムの垂直なメインロッドに接続された横方向バーから突出している。横方向バー、即ち、横方向バーにおける突出ピンは、隆起部に打ち込まれる。別の方法として、ピンは、横方向バーを介してねじ留めされ、又は打ち込まれることもできる。
【0004】
固定ピンを導入することは、前述した解決策の問題である。スクリューピンが使用される場合に、使用されるピンが長すぎると、それらが脛骨に打ち込まれるとき、特にモータ駆動によって打ち込まれるとき、血管を傷つける可能性があるというリスクがある。長すぎるピンのリスクを避けるために、典型的には、所定の長さの突出ピンを有する横方向バーが、使用される、即ち、打ち込まれる。
【0005】
既に述べたように、脛骨アライメントシステムを固定した後、切削深さを設定し、ソー治具を脛骨に固定する。しかしながら、脛骨切削を実施するためには、上部/前部(近位)ピンを隆起部から再び取り外さなければならない。これは別の問題である、というのも、最終的にソー治具/ソーガイドは、(グリッド調整又はスレッド調整を介して)支持構造全体に調節可能に接続されるので、横方向バー、即ちその突出ピンが隆起部から引き出されるときに、この接続を解放しなければならない。そうでなければ、既に固定されているソー治具/ソーガイドが引っ張られる。最悪の場合には、この接続は、横方向バーの取り外しと同時に解除される。
【0006】
例えば、米国特許第7344542B2号によって、横方向バーがメインロッドに強固に接続されており、作動時に、横方向バーに配置されたピンを脛骨から引き抜くために、脛骨を押すレバーを含む、脛骨アライメントガイドが知られている。これは、一体化されたピンを有する横方向バー全体が骨に対して引き抜かれることを意味し、垂直なメインロッドへのソー治具の接続は、不利な方法で同時に解放されなければならない。
【0007】
さらに、米国特許出願公開第2010/0087831A1号によって、固定ピンヘッドの下で把持し、レバー及びギアを用いて骨から固定ピンヘッドを引き抜くことができる外科用固定ピンリムーバが知られている。
【0008】
さらに、米国特許第6090114A号及び米国特許第7344542B2号は、本発明の請求項1のプリアンプルに係る、膝の手術のための脛骨アライメントシステムのための固定装置を開示している。固定装置は、横方向バーであって、横方向バーの前端部は、脛骨に沿ったアライメントのために設けられている、脛骨アライメントシステムのメインロッドに接続されることができ、横方向バーの後端部は、横方向バーに対して斜めに延在し、脛骨の膝関節側端部に打ち込まれることができる少なくとも1つのアンカーピンを有するアンカーシステムを含む、横方向バーを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、先行技術の欠点を回避するか、又は少なくとも低減することであり、特に脛骨アライメントシステムのための固定装置、特に取り付け時及び取り外し時の両方において、容易に取り扱うことができる上部/正面固定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の基礎をなす目的は、膝の手術のための脛骨アライメントシステムのための固定装置によって達成され、固定装置は、横方向バーであって、横方向バーの前端部は脛骨アライメントシステムのメインロッドに接続されることができ、上記メインロッドは脛骨に沿ったアライメントのために設けられており、横方向バーの後端部は、横方向バーに対して斜めに延在し、脛骨の膝関節側端部に打ち込まれることができる少なくとも1つのアンカーピンを有するアンカーシステムを有する、横方向バーを備える。アンカーシステムは打ち込みアンビルをさらに有しており、打ち込みアンビルには少なくとも1つのアンカーピンが一体化されており、少なくとも1つのアンカーピンを脛骨に打ち込むために、打ち込みアンビルは、打ち込みアンビルに外部から作用する衝撃力を少なくとも1つのアンカーピンに伝達するように設計されており、上記アンカーピン及び上記打ち込みアンビルは、この目的のために、長手方向に移動可能な方法で、横方向バー内でガイド/保持される。
【0011】
言い換えれば、横方向バーを移動又は変位させることなく、打ち込みアンビルに作用する外力によってピンが脛骨に打ち込まれるように、ピンを脛/脛骨に打ち込むための一体化されたピンを有する打ち込みアンビルが支持/保持される、横方向バーを有する固定装置が提供される。従って、横方向バーを介してアンカーシステムを解放するときに、力がアンカーシステムからメインロッドに伝達されないようにすることができ、その際に、該当する場合にはソー治具又はソーガイドを動かさないようにすることができる。打ち込みアンビルは、立方体形状又は円筒形状といった、異なる形状を有してもよい。好ましくは、打ち込みアンビルの上端部(即ち、手術中に脛骨から離れている端部)が、ハンマー又は同等の器具によって容易に到達又はアクセスされ得るために、打ち込みアンビルが、固定装置の残りの構成品から突出するように、そして、該当する場合には手術中に大腿骨から突出するように、打ち込みアンビルは、横方向バーから上方に、又は手術対象の膝から離れるように、ピンの方向に移動する。
【0012】
従って、ソー治具/ソーガイドが取り付けられている脛骨アライメントシステムのメインロッドを移動させることなく、打ち込みアンビル及び少なくとも1つのアンカーピンを脛骨から及び少なくとも部分的に横方向バーから上方に引き抜くことによって、脛骨アライメントシステムの膝側固定を生成及び/又は解放することができることが有利である。それに対応して、本発明による固定装置の容易で、快適で、かつ安全な取り扱いが可能である。特に、少なくとも1つのアンカーピン又は打ち込みアンビルの保持固定具/ガイドは、それらが拘束的に保持される、又は横方向バーに移動可能に接続されるように、さらに構成される。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つのアンカーピンの打ち込み長さは、打ち込みアンビルと横方向バーとの間のストップによって画定される。例えば、打ち込みアンビルの前面又は段差は、ストップとして作用することができる。従って、アンカーピンが脛骨内に過度に深く打ち込まれることを有利に防止することができ、それによって、例えば、それに伴う血管の損傷を回避することができる。
【0014】
好ましくは、固定装置は、打ち込みアンビル及び少なくとも1つのアンカーピンを解放するための補助装置をさらに備える。補助装置として、好ましくはレバーが設けられており、このレバーは、ピンの長手方向において横方向バーに対して少なくとも1つのアンカーピン又は打ち込みアンビルを変位させるように、横方向バーの中央に接して支持され、1つの持ち上げ端部では、少なくとも1つのアンカーピン又は打ち込みアンビルにヒンジ留めされる、又は支持される。
【0015】
言い換えれば、レバーは、好ましくは、打ち込みアンビル又は少なくとも1つのアンカーピンのいずれかに拘束的にヒンジ留めされ、横方向バーの中央に当接する、あるいはレバーは、好ましくは、横方向バーの中央に拘束的にヒンジ留めされ、持ち上げ端部では、打ち込みアンビル又は少なくとも1つのアンカーピンに当接する。言い換えれば、好ましくは、拘束的にヒンジ留めされたレバーのヒンジ点は、打ち込みアンビル又は少なくとも1つのアンカーピンのいずれかに配置され、レバーの支持点は、レバーが作動するときに、横方向バーの中央に接して位置してもよい。あるいは、好ましくは、拘束的にヒンジ留めされたレバーのヒンジ点は、横方向バーの中央に配置され、レバーの持ち上げ端部に配置されたレバーの支持点は、レバーが作動するときに、打ち込みアンビル又は少なくとも1つのアンカーピンに接して位置してもよい。
【0016】
基本的には、少なくとも1つのアンカーピンを脛骨からレバーで動かすために、横方向バーとアンカーシステムの基部との間に単一の部分として固定され得る別個に設けられたレバーを設けることも可能である。
【0017】
このようにして、少なくとも1つのアンカーピンと打ち込みアンビルとを有するアンカーシステムと、横方向バーとは、レバーによって互いに離れるように強制されることができ、これによって、少なくともアンカーピンは、手術中に脛骨から引き抜かれる。これは、レバーが骨に当接することを防止するのに役立ち、従って、患者にはほとんど力が伝達されず、この構成は組織に優しい。さらに、レバーの「梃子(てこ)の原理」のために、手術医は、小さい力を加えるだけでよく、このため手術医がそれほど迅速に疲労せずに済み、さらに、アンカーピンの円滑で安定した取り外しが可能である。
【0018】
好ましくは、レバー及び打ち込みアンビルは、少なくとも1つのアンカーピンに対して異なる側として、横方向バーの上側に配置される。言い換えれば、好ましくは、レバーのヒンジ点と支持点との両方が、横方向バーの上側に、又は横方向バーの上側より上の領域に位置している。従って、打ち込みアンビル及び少なくとも1つのアンカーピンを解放するために、レバーが作動するときに、レバーの移動範囲及び/又は運動学的自由度が、もっぱら横方向バーの上側に位置し、従って、少なくとも1つのアンカーピンに面する横方向バーの側には位置しないように、特にレバーは、位置決めされ得る又は位置決め可能であり得る。移動範囲という用語は、特に、レバーと、少なくとも1つのアンカーピンを有する解放される打ち込みアンビルとの間の、少なくとも1つの接触点の移動の発展(又は変化)進路(developing (or evolving) line)を含む。即ち、レバーの作動時において、打ち込みアンビル及び少なくとも1つのアンカーピンを解放するための補助装置としてのレバーが交差すること、即ち、レバーの領域及び/又は部分が横方向バーと交差することが回避される。従って、レバー、即ちレバーの部分が、レバーが作動するときに、患者の近傍に少しでも移動することが効果的に防止される。このようにして、この好ましい実施形態は、補助装置、即ちレバーによって、患者、特に脛骨に接触し及び/又は力を機械的に加えるという、特に痛みを伴う及び/又は外傷を与える危険性を事前に、即ち構造設計によって、完全に避けることができるという特別な利点を提供する。
【0019】
本発明の別の態様によれば、横方向バーは、その前端部にガイド部材を備え、ガイド部材を介して、横方向バーは、ストップから、特に前端部及び後端部までバーに沿って自由に移動可能であるように、脛骨アライメントシステムのメインロッドに接して/内に支持/保持される。特に、横方向バーは、自由に引き込み可能であるように、メインバーに接して支持/保持される、又は支持可能/保持可能である。例えば、この目的のために、メインロッドにベアリングアイが設けられており、そこでは、円筒状の支持面を介して横方向バーが保持されている。これにより、手術医は、手術中に固定装置の横方向バーを脛骨アライメントシステムのメインロッドに容易に挿入し、ソー治具/ソーホルダーを引っ張ることなく、横方向バーを取り外すことができる。従って、脛骨アライメントシステムを取り外すときに、ソー治具/ソーホルダーを変位させる危険性を最小限に抑えることができる。加えて、固定装置の取り外し時、及び固定装置の取り付け時において、脛骨アライメントシステムの取り扱いが、大幅に容易になり、加速される。
【0020】
好ましくは、メインロッドから少なくとも1つのアンカーピンまでの距離は、横方向バーをメインロッドに接する/内のバー軸に沿って移動可能に支持することによって調節することができる。このようにして、ピンが打ち込まれた後、メインロッドは、膝側の横方向バーによってガイドされながら前方に変位することができ、従って、切削高さを決定する切削ブロック(ソー治具/ソーホルダー)を脛骨から離間させ、続いて、メインロッドに対して上方に、又は下方に/メインロッドに沿って、脛骨と衝突することなく移動できるようにする。少なくとも1つのアンカーピンとメインロッドとの間の距離が固定されている場合、切削ブロックは、脛骨の結節粗面に当接し、脛骨を損傷させる可能性がある。
【0021】
好ましい実施形態によれば、互いに平行に延在しており、特に横方向バーに沿ってオフセットされている、2つのアンカーピンが設けられており、それらは打ち込みアンビルに接続されている。これは、脛骨上へのアンカーシステムの固定を改善するのに役立つ。
【0022】
言い換えれば、本発明の基礎をなす目的は、近位(上部/前部)固定(髄外脛骨アライメント器具-ETA)によって達成され、ETAは、ETAを適用した後に手術医の側から挿入することができる、(互いに対して移動可能な別個の構成要素を有する)複数の部分からなる横方向バーを(固定装置として)備える。横方向バーは、脛骨プラトーのそれぞれのサイズ及び深さに適応できるように、ETA内で前後方向に移動可能な状態であり続ける(前方及び後方に変位可能である)。脛骨自体への固定は、アンビル/打ち込みアンビルに一体化されている少なくとも1つのピン、好ましくは2つのピンを用いて行われる。アンビルは、屈曲した大腿骨から突出し、ハンマーによって隆起部に打ち込むことができるように設計されている。ピンを取り除くために、ピンを有するアンビルを引き抜くレバーを、横方向バーの方向に下方に移動させる。続いて、複数の部分からなる横方向バーをETAから手術医に向かって引き抜くことができる。ソー治具の位置は、影響を受けない。横方向バーの全ての構成部品は、好ましくは、拘束的に相互に接続される。特に、ピンと一体化された打ち込みアンビルが関連している。横方向バーは、ETAに固く接続されていないが、ガイドから前方又は後方に移動することができ、脛骨プラトーの深さに適応することができる。横方向バーは、打ち込みアンビルに一体化されているピンを引き抜くためのレバーも含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下では、添付の図面の助けを得つつ、例示的な実施形態を用いて本発明を説明する。図面は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、単に例示の目的のために役立つものである。
【0024】
図1】本発明による固定装置の側面図を示す。
【0025】
図2図1の固定装置の背面図を示す。
【0026】
図3】手術中の固定装置の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示す固定装置1は、横方向バー2を備え、横方向バー2の前端部3(図1の右側)には、好ましくは円筒形のガイドが設けられており、ガイドを通して、横方向バー2は、脛骨アライメントシステム(ETA)のメインロッドHの対応する台座Aに挿入されることができる。横方向バー2の後端部4(図1の左側)には、バーの長手方向において、軸方向に間隔を空けて配置された2つのアンカーピン6を含むアンカーシステム5が設けられており、上記アンカーピン6は、横方向バー2の(図1における)下側から斜めに、好ましくは80°~130°の角度で突出している。
【0028】
脛骨Tの上部/遠方側(図1の上部)では、アンカーピン6は、打ち込みアンビル7に接続/保持/一体化/固定されており、打ち込みアンビル7は、横方向バー2の上側に配置され、ピンの長手方向において上方に延びている。さらに、アンカーピン6は異なる長さであり、特に、より後方のアンカーピン6が前方のアンカーピン6よりも短い。
【0029】
脛骨T及び横方向バーに面する打ち込みアンビル7の下部前面は、ここに示されるアンカーシステム4が打ち込まれた位置において、横方向バー2の上側に接触するように調節、特に傾斜されており、従って、アンカーピン6の打ち込み長さを制限するためのストップ8を提供する。打ち込みアンビル7は、その下端(図1の底部)に段差9をさらに形成し、この段差9には、横方向バー2からアンカーシステム4を押し離すために、レバー11の持ち上げ端部10が係合する。この目的のために、丸みを帯びた持ち上げ端部10が段差9に押し付けられる。従って、レバー11は、2つのアンカーピン6、6を有する打ち込みアンビル7を解放するための補助装置として作用する。
【0030】
レバー11は、S字形状であり、実質的に前方に延在している。レバー11のS字形状の中央領域には、ヒンジピン12が設けられており、ヒンジピン12は、横方向バー2の上側の延長部/突出部13に設けられているヒンジ点を形成するために、対応するヒンジアイに挿入される。ヒンジピン12は、横方向バー2の長手方向軸に垂直であるが、オフセットしている。
【0031】
図1から分かるように、レバー11及び打ち込みアンビル7は、それらが2つのアンカーピン6、6とは異なる(他の)側(即ち、脛骨の遠方側)に位置するように、横方向バー2の上側に配置されている。従って、対応するヒンジアイ内のヒンジピン12によって形成されたレバー11のヒンジ点と、持ち上げ端部10と段差9との間に形成されたレバー11の支持点との両方が、横方向バー2の上側に設けられる。
【0032】
持ち上げ端部10の反対側にあるレバー11のハンドル端部14は、レバーを作動させるためのハンドルとして機能する。レバー11のS字形状は、ハンドル端部14を握って動かすことができるように、ハンドル端部14と横方向バー2の上側との間に十分な空間が設けられることを保証する。横方向バー2の上側に向かってハンドル端部14を押し下げることによってレバー11が作動すると、支持点は横方向バー2の上側から離れる方向にシーソーのように持ち上がる。従って、支持点の移動の進路は、横方向バー2の長手方向軸と交わらないことになる。このように、レバー11の作動、即ちレバー11の移動の運動学的推移は、2つのアンカーピン6、6から離れた、即ち、脛骨から離れた横方向バー2の側であって、横方向バー2の上側の上方の空間内で行われる。
【0033】
図2は、上記した固定装置1の背面図を示す。図2から明らかなように、打ち込みアンビル7、レバー11、横方向バー2及びアンカーピン6は、互いに対して対称的に一列に、即ち、図2に見られるように、垂直方向に延在する対称面に対して対称的に配置されている。特に、段差9を上方に押し上げるために、段差9の領域において、打ち込みアンビル7に食い込む分岐持ち上げ端部10が示されている。その前面8において、打ち込みアンビル7は、横方向バー2の後端部4に当接して、アンカーピン6の打ち込み長さを制限する。また、横方向バー2は、分岐持ち上げ端部10のタイン/ジョー(the tines/jaws)間に位置することができるように、後端部において十分に細くなっている。これにより、レバー11の容易な取扱い及び取付けが保証される。
【0034】
図3に示す図は、実質的には、図1の本発明による固定装置1の実施形態を簡略化して示した図に対応するが、膝の手術に使用されるときの固定装置1を示す。横方向バー2の後端部4に保持されているアンカーピン6は、(図3に見られるように)上方から又は前方から脛骨Tの上部前面に打ち込まれることがより詳細に分かる。このように、横方向バー2は脛骨Tに固定される。横方向バーは、メインロッドHの方向において前方に延在し、メインロッドHに接してバー軸に沿って移動可能にガイドされる。
【0035】
脛骨Tに対して実質的に平行に延びるメインロッドHには、切削ブロックS、即ちソー治具又はソーホルダーが、メインロッドHに沿って移動可能に保持されている。この概略図において明らかに分かるように、仮にメインロッドHと横方向バー2とが強固な接続を有する状態で、切削ブロックSが下方に変位すると、切削ブロックは脛骨Tの一部に当接し、又は脛骨Tの一部に沿って擦れ、脛骨Tの一部が損傷するだろう。しかしながら、メインロッドH又は少なくともその上端部は、固定された横方向バー2に沿って前方に移動可能であるため、この1つに向かって切削ブロックSとともに脛骨Tから離れることが可能である。その後、切削ブロックSは脛骨Tを傷つける危険性なく、メインロッドHに沿って移動可能(摺動可能)である。
【0036】
切削ブロックSを固定した後に、脛骨Tの前面からピンを引き抜くために、レバー14を押し下げて、打ち込みアンビル7及びそこに接して配置/保持されたアンカーピン6を脛骨T及び横方向バー2に対して上方に引っ張ることができる。アンカーピン6は、横方向バー2におけるピン軸に沿って移動可能(摺動可能)であるので、前述したように、横方向バー2及びメインロッドHを固定したままとすることができ、切削ブロックS/ソー治具とメインロッドHとの接続を同時に解除する必要がない。
【符号の説明】
【0037】
1:固定装置
2:横方向バー
3:横方向バーの前端部
4:横方向バーの後端部
5:アンカーシステム
6:アンカーピン
7:打ち込みアンビル
8:ストップ
9:段差
10:持ち上げ端部
11:レバー
12:ヒンジピン
13:延長部
14:ハンドル端部
15:メインロッド
A:台座
S:切削ブロック/ソーホルダー/ソー治具
T:脛骨
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝の手術のための脛骨アライメントシステムのための固定装置であって、
横方向バーであって、前記横方向バーの前端部は前記脛骨アライメントシステムのメインロッドに接続されることができ、前記メインロッドは脛骨に沿ったアライメントのために設けられており、前記横方向バーの後端部は、前記横方向バーに対して斜めに延在し、前記脛骨の膝関節側端部に打ち込まれることができる少なくとも1つのアンカーピンを有するアンカーシステムを有する、前記横方向バーを備え、
前記脛骨への前記アンカーシステムの固定を改善するために、前記アンカーシステムは打ち込みアンビルをさらに有しており、前記打ち込みアンビルには前記少なくとも1つのアンカーピンが接続され、前記少なくとも1つのアンカーピンが一体化されており、前記少なくとも1つのアンカーピンを前記脛骨に打ち込むために、前記打ち込みアンビルは、前記打ち込みアンビルに外部から作用する衝撃力を前記少なくとも1つのアンカーピンに伝達するように設計されており、
前記アンカーピン及び前記打ち込みアンビルは、この目的のために、長手方向に移動可能な方法で、前記横方向バー内でガイドされることによって特徴付けられる
固定装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアンカーピンの打ち込み長さは、前記打ち込みアンビルと前記横方向バーとの間のストップによって画定される、請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
前記固定装置は、前記打ち込みアンビル及び前記少なくとも1つのアンカーピンを解放するための補助装置をさらに備える、請求項1又は2に記載の固定装置。
【請求項4】
前記補助装置は、前記横方向バーの中央に取り付けられる、又は支持されるレバーの形態であり、前記レバーは、前記ピンの長手方向において前記横方向バーに対して前記少なくとも1つのアンカーピン又は前記打ち込みアンビルを変位させるように、1つの持ち上げ端部では前記少なくとも1つのアンカーピン又は前記打ち込みアンビルにヒンジ留めされる、又は支持される、請求項3に記載の固定装置。
【請求項5】
前記補助装置は、前記少なくとも1つのアンカーピンを前記脛骨からレバーで動かすために、前記横方向バーと前記アンカーシステムの基部との間に単一の構成部分として固定され得る別個に設けられたレバーとして設けられる、請求項3又は4に記載の固定装置。
【請求項6】
前記レバーは、前記打ち込みアンビル又は前記少なくとも1つのアンカーピンにヒンジ留めされ、前記横方向バーの中央に接して支持される、請求項4に記載の固定装置。
【請求項7】
前記レバーは、前記横方向バーの中央にヒンジ留めされ、前記持ち上げ端部では、前記打ち込みアンビ又は前記少なくともアンカーピンに接して支持される、請求項4に記載の固定装置。
【請求項8】
前記レバー及び前記打ち込みアンビルは、前記少なくとも1つのアンカーピンに対して異なる側として、前記横方向バーの上側に配置される、請求項7に記載の固定装置。
【請求項9】
前記脛骨及び/又は前記横方向バーに面する前記打ち込みアンビルの下部前面は、前記少なくとも1つのアンカーピンの打ち込み長さを制限するためのストップを提供するために、前記アンカーシステムが打ち込まれた位置において、前記横方向バーの上側に当接するように調節されており、
前記打ち込みアンビルは、前記アンカーシステムを前記横方向バーから離れるように強制するために、前記レバーの前記持ち上げ端部と係合するための段差をその下端に形成し、
前記レバーは、S字形に設計され、実質的に前方に延在するように設計され、ヒンジピンによって、前記横方向バーの上側の延長部及び/又は突出部に形成された対応するヒンジアイにヒンジ留めされ、
前記持ち上げ端部の反対側にある前記レバーのハンドル端部は、前記持ち上げ端部を動かすために設けられている、請求項7又は8に記載の固定装置。
【請求項10】
前記横方向バーは、その前端部にガイド部材を備え、前記ガイド部材を介して、前記横方向バーは、前記バー軸に沿って自由に移動可能であるように、前記脛骨アライメントシステムの前記メインロッドに接して支持されることができる、請求項1から9のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項11】
前記横方向バーは、自由に引き抜き可能であるように、前記メインロッドに接して支持されることができる、請求項10に記載の固定装置。
【請求項12】
切削深さを調節するために、前記メインロッドから前記少なくとも1つのアンカーピンまでの距離は、前記横方向バーを前記バー軸に沿って移動可能に支持することによって調節することができる、請求項10又は11に記載の固定装置。
【請求項13】
前記打ち込みアンビルに接続され、互いに平行に延在する2つのアンカーピンが設けられている、請求項1から12のいずれか一項に記載の固定装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
切削ブロックSを固定した後に、脛骨Tの前面からピンを引き抜くために、レバー14を押し下げて、打ち込みアンビル7及びそこに接して配置/保持されたアンカーピン6を脛骨T及び横方向バー2に対して上方に引っ張ることができる。アンカーピン6は、横方向バー2におけるピン軸に沿って移動可能(摺動可能)であるので、前述したように、横方向バー2及びメインロッドHを固定したままとすることができ、切削ブロックS/ソー治具とメインロッドHとの接続を同時に解除する必要がない。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
膝の手術のための脛骨アライメントシステムのための固定装置(1)であって、
横方向バー(2)であって、前記横方向バー(2)の前端部(3)は前記脛骨アライメントシステムのメインロッド(H)に接続されることができ、前記メインロッド(H)は脛骨に沿ったアライメントのために設けられており、前記横方向バー(2)の後端部は、前記横方向バー(2)に対して斜めに延在し、前記脛骨の膝関節側端部に打ち込まれることができる少なくとも1つのアンカーピン(6)を有するアンカーシステム(5)を有する、前記横方向バー(2)を備え、
前記脛骨への前記アンカーシステム(5)の固定を改善するために、前記アンカーシステム(5)は打ち込みアンビル(7)をさらに有しており、前記打ち込みアンビル(7)には前記少なくとも1つのアンカーピン(6)が接続され、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)が一体化されており、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)を前記脛骨に打ち込むために、前記打ち込みアンビル(7)は、前記打ち込みアンビル(7)に外部から作用する衝撃力を前記少なくとも1つのアンカーピン(6)に伝達するように設計されており、前記アンカーピン(6)及び前記打ち込みアンビル(7)は、この目的のために、長手方向に移動可能な方法で、前記横方向バー(2)内でガイドされることを特徴とする、
固定装置(1)。
(項目2)
前記少なくとも1つのアンカーピン(6)の打ち込み長さは、前記打ち込みアンビル(7)と前記横方向バー(2)との間のストップによって画定される、項目1に記載の固定装置(1)。
(項目3)
前記固定装置(1)は、前記打ち込みアンビル(7)及び前記少なくとも1つのアンカーピン(6)を解放するための補助装置(11)をさらに備える、先行する項目のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
(項目4)
前記補助装置は、前記横方向バー(2)の中央に取り付けられる、又は支持されるレバー(11)の形態であり、前記レバー(11)は、前記ピンの長手方向において前記横方向バー(2)に対して前記少なくとも1つのアンカーピン(6)又は前記打ち込みアンビル(7)を変位させるように、1つの持ち上げ端部(10)では前記少なくとも1つのアンカーピン(6)又は前記打ち込みアンビル(7)にヒンジ留めされる、又は支持される、項目3に記載の固定装置(1)。
(項目5)
前記補助装置(11)は、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)を前記脛骨からレバーで動かすために、前記横方向バー(2)と前記アンカーシステム(5)の基部との間に単一の構成部分として固定され得る別個に設けられたレバーとして設けられる、項目3又は4に記載の固定装置(1)。
(項目6)
前記レバー(11)は、前記打ち込みアンビル(7)又は前記少なくとも1つのアンカーピン(6)に、好ましくは拘束的にヒンジ留めされ、前記横方向バー(2)の中央に接して支持される、項目4に記載の固定装置(1)。
(項目7)
前記レバー(11)は、前記横方向バー(2)の中央に、好ましくは拘束的にヒンジ留めされ、前記持ち上げ端部(10)では、前記打ち込みアンビル(7)又は前記少なくともアンカーピン(6)に接して支持される、項目4に記載の固定装置(1)。
(項目8)
前記レバー(11)及び前記打ち込みアンビル(7)は、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)に対して異なる側として、前記横方向バー(2)の上側に配置される、項目7に記載の固定装置(1)。
(項目9)
前記脛骨及び/又は前記横方向バー(2)に面する前記打ち込みアンビル(7)の下部前面は、前記少なくとも1つのアンカーピン(6)の打ち込み長さを制限するためのストップ(8)を提供するために、前記アンカーシステム(4、5)が打ち込まれた位置において、前記横方向バー(2)の上側に当接するように調節、特に傾斜されており、
前記打ち込みアンビル(7)は、前記アンカーシステム(4、5)を前記横方向バー(2)から離れるように強制するために、前記レバー(11)の好ましくは丸みを帯びた前記持ち上げ端部(10)と係合するための段差(9)をその下端に形成し、
前記レバー(11)は、S字形に設計され、実質的に前方に延在するように設計され、ヒンジピン(12)によって、前記横方向バー(2)の上側の延長部及び/又は突出部(13)に形成された対応するヒンジアイにヒンジ留めされ、
前記持ち上げ端部(10)の反対側にある前記レバー(11)のハンドル端部(14)は、前記持ち上げ端部(10)を動かすために設けられている、項目7又は8に記載の固定装置(1)。
(項目10)
前記横方向バー(2)は、その前端部(3)にガイド部材を備え、前記ガイド部材を介して、前記横方向バー(2)は、前記バー軸に沿って自由に移動可能であるように、前記脛骨アライメントシステムの前記メインロッド(H)に接して支持されることができる、先行する項目のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
(項目11)
前記横方向バー(2)は、自由に引き抜き可能であるように、前記メインロッド(H)に接して支持されることができる、項目10に記載の固定装置(1)。
(項目12)
切削深さを調節するために、前記メインロッド(H)から前記少なくとも1つのアンカーピン(6)までの距離は、前記横方向バー(2)を前記バー軸に沿って移動可能に支持することによって調節することができる、項目10又は11に記載の固定装置(1)。
(項目13)
前記打ち込みアンビル(7)に接続され、互いに平行に延在する2つのアンカーピン(6)が設けられている、先行する項目のいずれか一項に記載の固定装置(1)。
【国際調査報告】