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特表2022-521897ホスフェート官能基を含むモノマーベースの外科用グルー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】ホスフェート官能基を含むモノマーベースの外科用グルー
(51)【国際特許分類】
   A61L 24/06 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A61L24/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021547811
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 EP2020054387
(87)【国際公開番号】W WO2020169681
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】1901771
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358899
【氏名又は名称】コヒーシブズ
(71)【出願人】
【識別番号】521358903
【氏名又は名称】センター ナショナル ド ラ ルシェルシェ サイエンティフィック
(71)【出願人】
【識別番号】521358914
【氏名又は名称】ユニバーシテ ド オート アルザス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ペリン,バートランド
(72)【発明者】
【氏名】オーバン,アリアン
(72)【発明者】
【氏名】ラレヴィー,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】シュウェベレン,ジャン-フィリップ
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AC04
4C081BA11
4C081BC02
4C081CA081
4C081CB031
4C081CC05
4C081DA15
(57)【要約】
本発明は、生体組織へ材料を接着させるため、生体組織を相互接着させるため、グルーまたは物質を生体組織の表面へ接着させるための外科用接着剤として、縫合糸もしくはステープル糸によって、または組織の切除によって作られた開口部を閉塞するまたは塞栓するため、生体組織内の開口部、切開または裂傷を閉塞させるための外科用封止材として、出血を止めるための止血剤として、創傷を被覆し、保護するため、生体組織を強化するため、生体組織を固定し、安定化するための生体組織への包帯として使用するための組成物に関し、本組成物が、ホスフェート官能基またはホスホネート官能基及びメタクリレート官能基を含む重合性モノマーを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を生体組織へ接着させるため、生体組織を相互接着させるため、グルーまたは物質を生体組織の表面へ接着させるための外科用接着剤として、糸縫合またはステープルによって、または組織の切除によって作られた開口部を閉塞させるまたは塞栓するため、生体組織内の開口部、切開または裂傷を閉塞させるための外科用封止材として、出血を止めるための止血剤として、創傷を被覆し、保護するため、生体組織を強化するため、生体組織を固定し、安定化するための生体組織への包帯として、使用するための組成物であって、ホスフェート官能基またはホスホネート官能基及びメタクリレート官能基を含む重合性モノマーを含むことを特徴とする、組成物。
【請求項2】
以下の式I(化1)の重合性モノマーを含む組成物であって、
【化1】
-式中、R2はHまたはCH3であり;
R1、R1’、R1’’は、互いに独立して、直鎖ポリエーテルラジカル、C1~C50の直鎖または分枝鎖脂肪族ラジカル、C6~C18の芳香族ラジカルであり、これらのラジカルの炭素鎖は、O、S、OCONHによって中断され得る、かつ/または1つ以上のアルコール官能基を含む;
R1’は、c=0であれば、Hであり;
R1’’は、a=0;
bは1;
aまたはcは、1または0であればHである、ことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
a=0、R2=HまたはCH、ならびにR’1及びR1がC1~C12の線状脂肪族鎖であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
a=0、c=0、R2=CH、及びR1がC1~C12の線状脂肪族鎖であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
式Iの前記重合性モノマーが10-MDP(C1427P)またはMEP(C1219P)であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記重合性モノマーが、前記組成物の総質量に対して、10~60質量%の濃度を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物の総質量に対して、4~30質量%の第1の架橋剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物の総質量に対して、30~90質量%の第2の架橋剤をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
コモノマーをさらに含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記コモノマーが、tert-ブチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2-エトキシエチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートモノマー、2-エチルヘキシルメタクリレート、2-フェニルオキシエチルメタクリレート、1-(アクリロイルオキシ)-3-(メタクリロイルオキシ)-2-プロパノール、ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、エチルアクリレート、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、メチルアクリレート、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート(Mn 200~10000g/mol)、トリエチレングリコールジメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルメタクリレートなど、ポリブタジエンジアクリレート及び単官能性または二官能性モノマーを含む群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記コモノマーが、前記組成物の総質量に対して、1~50質量%の濃度を有することを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
光開始剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記光開始剤が、ビアシルホスフィンオキシド(BAPO)、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-l-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン(Irgacure784)、l’1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(Irgacure 2959)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルホスフィネートオキシド(TPO-L)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO)、2,2-ジメトキシフェニル-2-アセトフェノン(DMPA)、カンファーキノンまたは4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、(N-フェニルグリシン(NPG)に関連している)、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEAN)または4-(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル(DMABN)を含む群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記光開始剤が0.2~10質量%の濃度にあることを特徴とする、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
0.1~5質量%の光開始剤、30~90質量%の第2の架橋剤、1~50質量%のホスフェート官能基及びメタクリレート官能基を含む重合性モノマー、ならびに1~50質量%のコモノマーを含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項16】
材料を生体組織へ接着させるため、生体組織を相互接着させるため、グルーまたは物質を生体組織の表面へ接着させるための非侵襲的方法、または糸縫合もしくはステープルによって、もしくは組織の切除(例えば、止血、エアロスタシス(aerostasis)、リンパ恒常性)によって作られた開口部を閉塞させるもしくは塞栓するため、生体組織内の開口部、切開もしくは裂傷を閉塞させるため、出血を止めるため、創傷を被覆して保護するため、生体組織を補強するため、または生体組織を固定し、安定化するための外科用封止材であって、
-(i)処理される組織を請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物でコーティングするステップと、
-(ii)前記組成物を前記組織に浸透させるステップと、
-(iii)前記組成物の重合を誘導するステップと、を含むという点で注目に値する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、外科用接着剤、外科用封止製品、止血包帯及び皮膚包帯として使用される組成物に関する。より具体的には、本発明は、方法において、
-材料を生体組織へ接着させるため、
-生体組織を相互接着させるため、
-グルーまたは物質を生体組織の表面へ接着させるための外科用接着剤として、
-糸縫合もしくはステープルによって、または組織の切除(例えば、止血、エアロスタシス(aerostasis)、リンパ恒常性)によって作られた開口部を閉塞させるまたは塞栓するため、
-生体組織内の開口部、切開または裂傷を閉塞させるための外科用封止材として、
-単独で、または縫合、圧迫、もしくは電気凝固などの従来の止血技術に加えて、出血を止めるための止血剤として、
-創傷を被覆し、保護するための生体組織の包帯として、使用することを意図した組成物に関する。
【0002】
これらの組成物も、
-生体組織を強化するために、
-生体組織を固定し、安定化させるために使用され得る。
【背景技術】
【0003】
複数の外科的技術は、外科用グルーの使用を伴う。外科用グルーは主に外科的止血が得られるように補助するために使用される。しかし、この適応症における外科用グルーの有効性については議論の余地があり、エアロスタシスなどの他の用途ではより良好な結果は示されていない。
【0004】
さらに、外科用グルーは、非常に低い接着性を有するため、接着剤または外科用糸縫合として使用することはできない。外科用グルーの塗布は、ほとんどの場合、結合面を準備することなく、組織に直接行われる。組織への浸透が不十分であるかないため、結合の質が低くなる。出願者は、現在のグルーが付着せず、組織に浸透しないことを確認した。
【0005】
この問題に対処するために、低粘度の外科用グルーが提案されている。これらの外科用グルーは、より容易に組織に浸透し、このため、より良好な結合をもたらす。しかし、これらの外科用グルーには高濃度のモノマーを必要とする。さらに、それらの化学的性質により、塗布部位において火傷が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
結果として、本発明は、新規タイプの外科用グルーを提供することを提案する。本発明による組成物及び方法は、従来技術のグルーよりも少量のモノマーとの効果的かつ強力な結合を得ることが可能である。さらに、従来技術のグルーとは対照的に、本発明による外科用グルーでは、皮膚に火傷が生じることはない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特に、外科用接着剤、外科用封止製品、止血包帯及び皮膚包帯として使用するための組成物に関する。より具体的には、本発明は、材料を生体組織へ接着させるため、生体組織を相互接着させるため、グルーまたは物質を生体組織の表面へ接着させるための外科用接着剤として、糸縫合またはステープルによって、または組織の切除によって作られた開口部を閉塞させるまたは塞栓するため、生体組織内の開口部、切開または裂傷を閉塞させるための外科用封止材として、出血を止めるための止血剤として、創傷を被覆し、保護するため、生体組織を強化するため、生体組織を固定し、安定化するための生体組織への包帯として使用するための組成物に関し、本組成物が、ホスフェート官能基またはホスホネート官能基及びメタクリレート官能基を含む重合性モノマーを含むことで注目に値する。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によれば、重合性モノマーは、ホスフェート官能基及びメタクリレート官能基を含む。
【0009】
出願者らは、モノマー中にホスフェート官能基またはホスホネートが存在することにより、接着能力を有し、メタクリレート官能基を含むがホスフェート官能基を含まない化学的に同等のモノマーを含む組成物よりも安全な組成物を得ることが可能であることを実証することができた。
【0010】
好ましくは、重合性モノマーは,式I(化1)のものであり、
【0011】
【化1】
式中、R2はHまたはCH3であり;
R1、R1’、R1’’は、互いに独立して、直鎖ポリエーテルラジカル、C1~C50の直鎖または分枝鎖脂肪族ラジカル、C6~C18の芳香族ラジカルであり、これらのラジカルの炭素鎖は、O、S、OCONHによって中断され得る、かつ/または1つ以上のアルコール官能基を含むことができる;
R1’’は、a=0;
bは1;
aまたはcが1または0あればHである。
【0012】
「官能基の炭素鎖が中断され得る」という用語は、官能基が炭素鎖に挿入される、すなわち、両側の炭素原子に連結されることを意味する。
【0013】
好ましくは、a=0、R2=HまたはCHであり、R’1及びR1は、C1~C12の線状脂肪族鎖である。
【0014】
さらにより好ましくは、a=0、c=0、R2=CHであり、R1は、C1~C12の線状脂肪族鎖である。
【0015】
好ましくは、a=0、c=0、R’’1=H、R’1=H、R1=C1~C12の線状脂肪族鎖、b=1、R2=CHである。
【0016】
好ましくは、a=1、c=1、b=0、R1=H、R’1=R’’1=C1~C12の線状脂肪族鎖、R2=CHである。
【0017】
好ましくは、式Iの重合性モノマーは、10-MDP(C1427P)またはMEP(C1219P)である。
【0018】
別の好ましい実施形態によれば、式Iの重合性モノマーは、グリセロールジメタクリレートホスフェート、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、ポリエチレングリコールメタクリレートホスフェート、メタクリロイルオキシデシルハイドロジェンホスフェート、メタクリロイルオキシエチルオキシハイドロジェンホスフェート、グリセロールモノメタクリレートホスフェート、トリエチレングリコールモノメタクリレートホスフェート、メタクリロイルオキシプロピルホスフェート、メタクリロイルオキシヘキシルホスフェート、メタクリレートアミノエチルリン酸、ビス(グリセリルジメタクリレート)ホスフェート及びそれらの混合物から選択される。
【0019】
本発明の文脈において、「重合性モノマー」という用語は、その重合が物理的活性剤または化学的活性剤によって開始され得るモノマーを指定することを意味する。
【0020】
好ましい実施形態によれば、重合は、UV放射の効果によって開始される。好ましい方法において、UV放射は、200nm~400nm、さらにより好ましくは300nm~400nm、最も好ましくは350nm~400nmの波長を有する。
【0021】
別の好ましい実施形態によれば、重合は、400nm~~500nmの波長の放射効果によって開始される。
【0022】
好ましい実施形態によれば、重合は、化学活性剤によって開始される。
【0023】
モノマーの重合後に得られるポリマーは、好ましくは生体適合性ポリマーである。
【0024】
好ましくは、本発明による組成物の粘度は、20℃で200mPa.s未満である。
【0025】
組成物の粘度は、特に、標準DIN53015に従って落下球粘度計によって測定され得る。
【0026】
好ましい実施形態によれば、粘度は、20℃で120mPa.s未満である。
【0027】
さらにより好ましい実施形態によれば、粘度は、20℃で50mPa.s未満である。
【0028】
より好ましい実施形態によれば、粘度は、20℃で20mPa.s未満である。
【0029】
好ましい実施形態によれば、本発明による組成物はヒドロゲルではない。
【0030】
好ましい実施形態によれば、モノマーは、モル質量250~500g.mol-1を有する。
【0031】
好ましい実施形態によれば、モノマーは、組成物の総質量に対して、10~60質量%の濃度を有する。
【0032】
さらにより好ましい実施形態によれば、モノマーは、組成物の総質量に対して、40~90質量%の濃度を有する。
【0033】
好ましい実施形態によれば、組成物は、組成物の総質量に対して、4~30質量%の第1の架橋剤をさらに含む。
【0034】
当業者は、使用される重合性モノマーに対応させて最も好適な架橋剤を選択することができる。
【0035】
好ましい実施形態によれば、第1の架橋剤は、アクリレート官能基またはメタクリレート官能基を含む。
【0036】
好ましい実施形態によれば、第1の架橋剤は、多官能性アクリレート及びタクリレート、特に1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2-エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラクリレート、I 3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(AHM)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
【0037】
別の好ましい実施形態によれば、第1の架橋剤は、特にヘキサンジオールジメチルアクリレート(HDDMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ブタンジオールジアクリレート(BDDA)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)及びそれらの混合物を含む多官能性アクリレートを含む群から選択される。
【0038】
好ましい実施形態によれば、第1の架橋剤はUDMAであり、組成物の総質量に対して、4.5~5質量%の濃度を有する。
【0039】
好ましい実施形態によれば、第1の架橋剤はTEGDMAであり、組成物の総質量に対して、25~30質量%の濃度を有する。
【0040】
別の好ましい実施形態によれば、組成物は、組成物の総質量に対して、30~90質量%の第2の架橋剤をさらに含む。
【0041】
別の好ましい実施形態によれば、第2の架橋剤は、特にSR415、SR610及びエベクリル11を含む多官能性ポリ(エチレングリコール)アクリレート(官能性2~4)、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
【0042】
別の好ましい実施形態によれば、第2の架橋剤は、特にエベクリル4991、エベクリル230、エベクリル271、エベクリル2221及びCN9002を含む二官能性、アクリル、ウレタン脂肪族樹脂を含む群から選択される。
【0043】
別の好ましい実施形態によれば、第2の架橋剤は、二官能性アクリル、ウレタン、特にエベクリル210を含む芳香族樹脂、及びそれらの混合物を含む群から選択される。
【0044】
別の好ましい実施形態によれば、第2の架橋剤は、特にEB3639を含む二官能性エポキシアクリレート樹脂を含む群から選択される。
【0045】
別の好ましい実施形態によれば、第2の架橋剤は、特にエベクリル8296、エベクリル8232、エベクリルODA、Ucecoat6569、及びそれらの混合物を含むアクリル樹脂を含む群から選択される。
【0046】
明確にするために、本発明による重合性モノマーのいくつかは、架橋剤として作用し得、架橋剤の場合には、上記の好ましい濃度は関係がないと記載されている。
【0047】
好ましい実施形態によれば、組成物は、コモノマーをさらに含む。
【0048】
さらにより好ましい実施形態によれば、コモノマーは、アクリル酸tert-ブチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2-エトキシエチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートモノマー、2-エチルヘキシルメタクリレート、2-フェニルオキシエチルメタクリレート、1-(アクリロイルオキシ)-3-(メタクリロイルオキシ)-2-プロパノール、ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、エチルアクリレート、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、メチルアクリレート、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート(Mn200~10000g/mol)、トリエチレングリコールジメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルメタクリレートなど、ポリブタジエンジアクリレート及び単官能性または二官能性モノマーを含む群から選択される。
【0049】
好ましい実施形態によれば、本発明による組成物中に存在するコモノマーは、組成物の総質量に対して、1~50質量%の濃度を有する。
【0050】
好ましい実施形態によれば、本発明による組成物は、光開始剤を含む。当業者であれば、使用される光の発光スペクトルに対応させて最も好適な光開始剤を選択するであろう。
【0051】
光開始剤は、特に、ビアシルホスフィンオキシド(BAPO)、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-l-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-l-イル)-フェニル)チタン(Irgacure784)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-l-プロパン-1-オン(Irgacure 2959)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルホスフィネートオキシド(TPO-L)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO)、2,2-ジメトキシフェニル-2-アセトフェノン(DMPA)、カンファーキノンまたは4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、(N-フェニルグリシン(NPG)に関連している)、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEAN)または4-(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル(DMABN)から選択され得る。
【0052】
有利には、光開始剤は、0.2~10質量%の濃度で使用される。
【0053】
好ましい実施形態によれば、光開始剤はTPO-Lである。
【0054】
別の好ましい実施形態によれば、重合は、化学活性剤によって、より具体的には、N-フェニルグリシン(NPG)、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEAN)または4-(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル(DMABN)に関連する過酸化ベンゾイルによって開始される。
【0055】
有利には、化学活性剤は、0.5~3質量%の濃度で使用される。
【0056】
好ましい実施形態によれば、組成物は、モノマー及び光開始剤のみ、またはモノマーのみ、第1もしくは第2の架橋剤及び光開始剤を含む。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、組成物は溶媒を含み、さらにより好ましくは、溶媒は水である。別の好ましい実施形態によれば、溶媒はアルコールであり、より好ましくはエタノールまたはイソプロパノールである。
【0058】
別の好ましい実施形態によれば、組成物は溶媒を含まない。
【0059】
本発明の好ましい実施形態によれば、組成物はプラグを含む。さらにより好ましい実施形態によれば、プラグは塩基性プラグであり、非常に好ましい方法では、塩基性プラグは、KOH、炭酸グアニジン、Ca(OH)、KCO、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、NaCO、レゾルシノール、及びNaOHを含む群から選択される。
【0060】
当業者はまた、この使用に最も好適であるプラグ濃度を選択する必要がある。本発明の非常に好ましい実施形態によれば、組成物は、0~8質量%のKOH濃度を含む。
【0061】
本発明の好ましい実施形態によれば、組成物は、0.1~5質量%の光開始剤、30~90質量%の第2の架橋剤、本発明によるリン酸官能基及びメタクリレート官能基を含む1~50質量%の重合性モノマー、ならびに1~50質量%のコモノマーを含む。
【0062】
以下の表に記載している組成物がより特に好ましい(量は、組成物の総質量のパーセンテージとする)。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
本発明の文脈において、「含む(comprise)」という用語は、本発明による組成物が引用された要素を含むことを意味する。好ましい方法では、本発明は、引用された要素のみを含み、他の要素を除外した組成物に関する。
【0066】
本発明は、材料を生体組織へ接着させるため、生体組織を相互接着させるため、接着剤または物質を生体組織の表面へ接着させるための非侵襲的方法、糸縫合またはステープルによって、または組織の切除(例えば、止血、エアロスタシス、リンパ恒常性)によって作られた開口部を閉塞させるまたは塞栓するため、生体組織内の開口部、切開もしくは裂傷を閉塞させるため、出血を止めるため、創傷を被覆して保護するため、生体組織を補強するため、または生体組織を固定し、安定化するための外科的封止材にも関し、これは、以下のステップ:
-(i)処理される組織を本発明による組成物でコーティングするステップと、
-(ii)組成物が組織に浸透できるようになるステップと、
-(iii)組成物の重合を誘導するステップを含むという点で注目に値する。
【0067】
本発明の文脈において、「生体組織」という用語は、好ましくは、石灰化されていない生体組織を意味する。
【0068】
明確にするために、本発明の文脈において、「生体組織」という用語は、骨及び歯を指さないことが記載されている。
【0069】
本発明による方法は、有利には非侵襲的である。「非侵襲的」という用語は、本発明による方法が、処理される組織へのアクセスからなるいかなる外科的ステップも含まないことを意味する。したがって、本発明による方法は、直接アクセス可能であるか(例えば、皮膚)、または以前に他の方法によってアクセス可能になった生体組織に対して実行される。
【0070】
好ましい実施形態によれば、ステップ(iii)は、UV放射を用いて実施される。使用されるUV放射の特性、特にその照度及び波長は、組成物の構成要素、特に重合性モノマーの性質及び組成物中のその濃度に適合している。
【0071】
別の好ましい実施形態によれば、ステップ(iii)は、可視光放射によって実行される。
【0072】
好ましい実施形態によれば、UV放射は、350~400nmの波長を有する。
【0073】
好ましい実施形態によれば、UV放射は、20mW/cm2~500mW/cm2の放射照度を有する。
【0074】
本発明はまた、本発明による組成物及びUV放射源を含む部品の集合体に関する。好ましくは、部品の集合体であるUV放射源は、組成物の重合性モノマーを重合する及び/または重合を支援する及び/または重合を加速するのに好適であるUV放射を放出することができる。
【0075】
別の実施形態によれば、本発明はまた、本発明による組成物及び化学重合の開始剤を含む部品の集合体に関する。
【0076】
本発明の文脈において、「UV放射源」という用語は、UV放射、より具体的には、200~400nm、さらにより好ましくは300nm~400nm、及び非常に好ましくは350nm~400nmの波長の放射を生成することができる任意の人工手段を指す。好ましい方法では、UV放射は、20mW/cm2~500mW/cm2、さらにより好ましくは50mW/cm2~150mW/cm2の放射照度である。
【0077】
より好ましい方法では、UV放射は、350~400nmの波長及び50~200mW/cm2の照度を有する。
【発明を実施するための形態】
【0078】
材料及び方法
皮膚反応試験
動物
本発明による組成物及び対照組成物は、事前に剃毛され消毒されたウサギ及びラットの背中及び腹部に堆積させた。
【0079】
組成物は、皮膚の表面に堆積させ、次いで、光照射源を使用して重合される。
【0080】
皮膚反応の有無は、塗布中及び翌日に観察する。
【0081】
ヒト
本発明による組成物及び対照組成物は、前腕の前面に堆積させた。
【0082】
組成物は、皮膚の表面に堆積させ、次いで、重合源によって重合される。
【0083】
皮膚反応の有無は、塗布中及び翌日に観察する。
【0084】
ヒト及び動物では、次の組成物の試験を行った。
【0085】
【表3】
【0086】
剥離試験
本発明による組成物及び対照組成物は、ウシ心膜サンプル上に堆積させた。このステップは20℃で実行した。心膜サンプルは、モノマーの重合を誘発するために、45秒間、395nmのUV放射にさらさした。放射線源は心膜から10cmのところに置いた。
【0087】
次に、心膜サンプルを17スレッドの織パッドで被覆し、次にこれを前のステップで使用したものと同一のモノマー溶液で処理した。
【0088】
心膜サンプルは、前のステップと同じ条件下でUV放射にさらした。
【0089】
牽引機のジョーの間に取り付けられたパッドの休止時間は1分であり、試験開始時のサンプル内部の温度は30℃±4℃である。
【0090】
結果
皮膚反応試験
アクリル酸またはメタクリル酸ベースの組成物を使用してヒト及び動物に対して実施した試験はすべて、皮膚の刺激及び/または皮膚の火傷を引き起こす。
【0091】
むしろ、MDP及びMEP(アクリレート官能基及びホスフェート官能基を有するモノマー)を含む本発明による組成物で実施した試験は、明らかな皮膚反応がないことを示した。
【0092】
これらの結果は、同等のモノマー濃度で、本発明による組成物が、処理された組織に対して攻撃性が低いことを明確に示している。
【0093】
剥離試験
実施されたすべての試験の中で、ホスフェート官能基を有さないモノマーを含む組成物は、良好な質の接着を達成しない、すなわち、皮膚とコーティングされた繊維ウェブとの間の界面で剥離が生じることが観察された。
【0094】
むしろ、ホスフェート官能基及びアクリル官能基を含む本発明による組成物では、モノマー濃度に関係なく、処理された組織での完全な剥離によって証明されるとおり、良好な質の接着を得ることが可能である。
【0095】
したがって、同等の濃度で、同様の化学構造で、本発明による組成物に使用される重合性モノマーにホスフェート官能基が存在することにより、破裂に対する耐性を高めることが可能になり、かつ処理される組織の表層への浸透により確実に凝集する(すなわち、結合の強さ)ことが観察される。
【手続補正書】
【提出日】2021-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を非ミネラル化生体組織へ接着させるため、非ミネラル化生体組織を相互接着させるため、グルーまたは物質を非ミネラル化生体組織の表面へ接着させるための外科用接着剤として、糸縫合またはステープルによって、または組織の切除によって作られた開口部を閉塞させるまたは塞栓するため、非ミネラル化生体組織内の開口部、切開または裂傷を閉塞させるための外科用封止材として、出血を止めるための止血剤として、創傷を被覆し、保護するため、非ミネラル化生体組織を強化するため、非ミネラル化生体組織を固定し、安定化するための非ミネラル化生体組織への包帯として、使用するための組成物であって、前記組成物の総質量に対して、10~60質量%の重合性モノマーを含み、前記重合性モノマーが、ホスフェート官能基またはホスホネート官能基およびメタクリレート官能基を含むことを特徴とする、組成物。ホスフェート官能基またはホスホネート官能基及びメタクリレート官能基を含む重合性モノマーを含むことを特徴とする、組成物。
【請求項2】
以下の式I(化1)の重合性モノマーを含む組成物であって、
【化1】
-R2はHまたはCH3であり;
R1、R1’、R1’’は、互いに独立して、直鎖ポリエーテルラジカル、C1~C50の直鎖または分枝鎖脂肪族ラジカル、C6~C18の芳香族ラジカルであり、これらのラジカルの炭素鎖は、O、S、OCONHによって中断され得る、かつ/または1つ以上のアルコール官能基を含むことができ;
R1’は、c=0であれば、Hであり;
R1’’は、a=0;
bは1;
aまたはcは、1または0あればHである、ことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
a=0、R2=HまたはCHおよびR’1およびR1がC1~C12の線状脂肪族鎖であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
a=0、c=0、R2=CHおよびR1がC1~C12の線状脂肪族鎖であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
式Iの前記重合性モノマーが10-MDP(C1427P)またはMEP(C1219P)であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の総質量に対して、4質量%~30質量%の第1の架橋剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物の総質量に対して、30~90質量%の第2の架橋剤をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
コモノマーをさらに含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記コモノマーが、tert-ブチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2-エトキシエチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートモノマー、2-エチルヘキシルメタクリレート、2-フェニルオキシエチルメタクリレート、1-(アクリロイルオキシ)-3-(メタクリロイルオキシ)-2-プロパノール、ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、エチルアクリレート、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、メチルアクリレート、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート(Mn 200~10000g/mol)、トリエチレングリコールジメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルメタクリレートなど、ポリブタジエンジアクリレート及び単官能性または二官能性モノマーを含む群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記コモノマーが、前記組成物の総質量に対して1~50質量%の濃度を有することを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
光開始剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記光開始剤が、ビアシルホスフィンオキシド(BAPO)、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン(Irgacure784)、l’1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(Irgacure 2959)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルホスフィネートオキシド(TPO-L)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO)、2,2-ジメトキシフェニル-2-アセトフェノン(DMPA)、カンファーキノンまたは4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、(N-フェニルグリシン(NPG)に関連している)、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEAN)または4-(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル(DMABN)を含む群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記光開始剤が0.2~10質量%の濃度にあることを特徴とする、請求項10または11に記載の組成物。
【請求項14】
0.1~5質量%の光開始剤、30~90質量%の第2の架橋剤、10~50質量%のホスフェート官能基およびメタクリレート官能基を含む重合性モノマー、ならびに1~50質量%のコモノマーを含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項15】
材料を非ミネラル化生体組織へ接着させるため、非ミネラル化生体組織を相互接着させるため、グルーまたは物質を非ミネラル化生体組織の表面へ接着させるための非侵襲的方法、または糸縫合もしくはステープルによって、もしくは組織の切除(例えば、止血、エアロスタシス(aerostasis)、リンパ恒常性)によって作られた開口部を閉塞させるもしくは塞栓するため、非ミネラル化生体組織内の開口部、切開もしくは裂傷を閉塞させるため、出血を止めるため、創傷を被覆して保護するため、非ミネラル化生体組織を補強するため、または非ミネラル化生体組織を固定し、安定化するための外科用封止材であって、
-(i)処理される組織を請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物でコーティングするステップと、
-(ii)前記組成物を前記組織に浸透させるステップと、
-(iii)組成物の重合を誘導するステップと、を含むという点で注目に値する、方法。
【国際調査報告】