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特表2022-522005TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4965 20060101AFI20220406BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220406BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220406BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20220406BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220406BHJP
【FI】
A61K31/4965
A61P9/00
A61P25/00
A61K9/28
A61K47/02
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/44
A61K47/14
A61K47/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550131
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(85)【翻訳文提出日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2019098709
(87)【国際公開番号】W WO2020173046
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】201910143739.0
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521378521
【氏名又は名称】グゥアンヂョウ マグパイ ファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU MAGPIE PHARMACEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room F610, Guangzhou International Business Incubator, No. 3 Lanyue Road, Science City, Huangpu District, Guangzhou, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スン イェウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユーチァン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA45
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC11
4C076DD24A
4C076DD25A
4C076DD26A
4C076DD28C
4C076DD28H
4C076DD29A
4C076DD29H
4C076DD38A
4C076DD41C
4C076DD46C
4C076DD46H
4C076DD47J
4C076DD67A
4C076EE10H
4C076EE11H
4C076EE12H
4C076EE16A
4C076EE16B
4C076EE23J
4C076EE31A
4C076EE32A
4C076EE32B
4C076EE32H
4C076EE38A
4C076EE38B
4C076EE48B
4C076EE48H
4C076EE53C
4C076FF02
4C076FF04
4C076FF05
4C076FF06
4C076FF07
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC48
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA36
(57)【要約】
(1)有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物、及びアルカリ化剤を含んでなる錠剤コアと、(2)前記錠剤コアの外側に位置し、遮光剤及びコーティング材を含有する腸溶層とを含む、TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物及びその製造方法である。この薬物組成物は、腸溶性コーティングの成膜性が良好であり、インビボでのTBNの生物学的利用能を向上させることができる。臨床的にはラジカルの過剰生成/血栓の形成による疾患を治療するために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)有効成分となるTBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物、及びアルカリ化剤を含んでなる錠剤コアと、
(2)前記錠剤コアの外側に位置し、遮光剤及びコーティング材を含有する腸溶層とを含み、
前記腸溶層の重量増加率が0.5~20%であり、好ましくは1~15%であり、より好ましくは1~11%であることを特徴とする、TBN又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物。
【請求項2】
前記錠剤コアは、結合剤及び/又は崩壊剤及び/又は充填剤及び/又は滑剤を更に含み、前記腸溶層は、可塑剤及び/又は粘着防止剤を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項3】
前記錠剤コアと腸溶層との間に分離層が存在し、前記分離層はコーティング及び粘着防止剤を含み、好ましくは、分離層の重量増加率が2~15%であり、好ましくは2~10%であり、好ましくは、分離層と腸溶層との間に防湿層が更に設けられ、より好ましくは、防湿層の重量増加率が3~5%であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項4】
前記アルカリ化剤は、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムから選択される一種又は複数種であり、好ましくは炭酸水素ナトリウムであり、好ましくは、有効成分とアルカリ化剤との重量比が(90~110):(5~30)であり、より好ましくは(90~110):(10~25)であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項5】
腸溶層における前記遮光剤は二酸化チタンであり、前記コーティング材は、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、オイドラギット L30D-55、オイドラギット L100、オイドラギット NE30Dのうちの一種又は複数種であり、好ましくはメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート又はヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのうちの一種又は複数種であり、遮光剤とコーティング材との重量比が(0.5~2.5):(5~20)であり、好ましくは1:(10~20)であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項6】
前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドンK30、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンから選択される一種又は複数種であり、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンK30であり、有効成分と結合剤との重量比が(90~110):(5~30)であり、好ましくは(90~110):(10~30)であり、
前記崩壊剤は、クコスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチナトリウム又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される一種又は複数種であり、好ましくはクコスポビドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、有効成分と崩壊剤との重量比が(90~110):(3~30)であり、好ましくは(90~110):(5~25)であり、
前記充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース、ラクトース、キシリトール、スクロース、グルコース、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム又は軽質酸化マグネシウムから選択される一種又は複数種であり、好ましくはマンニトール、微結晶セルロース、ラクトース又はアルファ化デンプンのうちの一種又は複数種であり、より好ましくはマンニトール又はアルファ化デンプンであり、有効成分と充填剤との重量比が(90~110):(60~200)であり、好ましくは(90~110):(70~150)であり、より好ましくは(90~110):(75~140)であり、
前記滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク粉、水添植物油、ベヘン酸グリセリル又は微粉末シリカゲルから選択される一種又は複数種であってもよく、好ましくはステアリン酸マグネシウムであり、有効成分と滑剤との重量比が(90~110):(0.2~2)であり、好ましくは(90~110):(0.5~1.5)である
ことを特徴とする、請求項2に記載の薬物組成物。
【請求項7】
錠剤コアは、有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物、アルカリ化剤、結合剤、崩壊剤、充填剤及び滑剤を含み、有効成分:アルカリ化剤:結合剤:崩壊剤:充填剤:滑剤の重量比が(90~110):(5~30):(5~30):(3~30):(60~200):(0.2~2)であり、好ましくは(90~110):(10~25):(10~30):(5~25):(70~150):(0.5~1.5)であることを特徴とする請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項8】
腸溶層における可塑剤は、クエン酸トリエチル、トリエチルシトレート、PEG4000、PEG6000、アセチルクエン酸トリエチル、ポリソルベート-80のうちの一種又は複数種であり、好ましくは、腸溶層における遮光剤と可塑剤との重量比が1:0.5~10であり、好ましくは1:0.5~7であり、
腸溶層における粘着防止剤は、タルク粉、モノステアリン酸グリセリン、微粉末シリカゲルのうちの一種又は複数種であり、好ましくは、腸溶層における遮光剤と粘着防止剤との重量比が1:0.5~10であり、好ましくは1:0.5~5であり、
前記分離層コーティング材は、ヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロースのうちの一種又は複数種であり、
粘着防止剤は、タルク粉、酸化マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、微粉末シリカゲルのうちの一種又は複数種であり、好ましくはタルク粉又は酸化マグネシウムであり、より好ましくはタルク粉であり、分離層コーティング材と粘着防止剤との重量比が(1~10):1であり、好ましくは(1~5):1であり、
前記防湿層の材料はオパドリーである
ことを特徴とする、請求項2に記載の薬物組成物。
【請求項9】
含有成分である有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物と、アルカリ化剤及び/又は結合剤及び/又は崩壊剤及び/又は充填剤とを篩にかけ、そのまま混合するか、混合した後に造粒し、必要に応じて滑剤と混合し、打錠して錠剤コアを得る工程(1)と、
工程(1)の錠剤コアを40~50℃で腸溶層で被覆し、取り出し、TBN腸溶錠を得る工程(2)と、を含み、
好ましくは、工程(2)において、錠剤コアに40~50℃で腸溶層を被覆する前に、まず45~65℃で分離コーティングを被覆し、取り出してから、40~50℃で腸溶層を被覆する
ことを特徴とする、TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物の製造方法。
【請求項10】
神経系疾患又は心血管・脳血管疾患の治療用薬物における請求項1~14のいずれか一項に記載の薬物組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物の製剤の分野に関し、具体的には、TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物及びその製造方法に関している。
【背景技術】
【0002】
現在、臨床的には脳卒中を治療するための特効薬はまだなく、市場に出回っている薬物の大部分は、治療効果が低いか、毒性や副作用が大きいため、要件を満たすことができない。
【0003】
本発明に記載されたニトロン化合物は、TMPをベースにしてその構造を修飾したニトロン化合物TBNである。その化学名は(シス)-2-メチル-N-[(3,5,6-トリメチルピラジン-2-)メチン]2-プロピルアミンオキシドであり、次の式に示される化学構造を有する。
【0004】
【化1】
【0005】
TBNは血栓溶解能を維持すると同時に、抗酸化力を向上させるため、臨床的には神経変性疾患、心血管・脳血管疾患などを治療するために用いることができる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物を提供することを目的とする。TBNは化学分野における革新的な薬物であり、完全に新しい構造を持ち、開発の見通しが良好である。
【0007】
本発明は、
(1)有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物、及びアルカリ化剤を含んでなる錠剤コアと、
(2)前記錠剤コアの外側に位置し、遮光剤及びコーティング材を含有する腸溶層と、を含む、TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物を提供する。
【0008】
本発明の組成物では、前記錠剤コアは、結合剤及び/又は崩壊剤及び/又は充填剤及び/又は滑剤を更に含んでもよく、前記腸溶層は、可塑剤及び/又は粘着防止剤を更に含んでもよい。
【0009】
本発明の組成物では、錠剤コアと腸溶層との間には、分離層が更に設けられてもよく、更により好ましくは、分離層と腸溶層との間には、防湿層が更に設けられてもよい。
【0010】
更に好ましくは、前記分離層はコーティング及び粘着防止剤を含む。
【0011】
更に好ましくは、本発明に記載された腸溶層の重量増加率は0.5~20%であり、好ましくは1~15%であり、より好ましくは1~11%である(錠剤コアの重量、又は分離層の存在下での錠剤コアと分離層との合計重量、又は分離層及び防湿層の存在下での錠剤コア、分離層及び防湿層の合計重量を基準にする)。
【0012】
更に好ましくは、本発明に記載されたアルカリ化剤は炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムから選択される一種又は複数種であってもよい。有効成分の安定性を向上させるために、本発明に記載されたアルカリ化剤は炭酸水素ナトリウムであることが好ましい。本発明者は、他のアルカリ化剤と比べて、炭酸水素ナトリウムが有効成分の安定性をより一層向上させることができ、特に高温高湿の条件では、その安定性効果が他のアルカリ化剤よりも著しく良好であることを見出した。
【0013】
更に好ましくは、本発明では、有効成分とアルカリ化剤との重量比は、(90~110):(5~30)であり、好ましくは(90~110):(10~25)である。
【0014】
更に好ましくは、本発明に記載された遮光剤は本分野で一般的に用いられる遮光剤であってもよい。有効成分の安定性を向上させるために、本発明に記載された遮光剤は二酸化チタンである。
【0015】
本発明では、腸溶層におけるコーティング材は、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP,HP-55)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS,AS-HG)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS,AS-LG)、オイドラギット L30D-55、オイドラギット L100、オイドラギット NE30Dのうちの一種又は複数種であってもよく、好ましくはメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP,HP-55)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS,AS-HG)のうちの一種又は複数種である。
【0016】
更に好ましくは、本発明では、遮光剤とコーティング材との重量比は、(0.5~2.5):(5~20)であり、好ましくは1:(10~20)である。
【0017】
本発明に記載された結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドンK30、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンから選択される一種又は複数種であってもよく、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンK30である。
【0018】
更に好ましくは、本発明では、有効成分と結合剤との重量比は、(90~110):(5~30)であり、好ましくは(90~110):(10~30)である。本発明者は、結合剤の含有量がこの割合よりも低いと、錠剤コアのエッジが摩耗しやすいため、コーティングを行うことができないことを見出した。
【0019】
本発明に記載された崩壊剤は、クコスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチナトリウム又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される一種又は複数種であってもよく、好ましくはクコスポビドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムである。
【0020】
更に好ましくは、本発明では、有効成分と崩壊剤との重量比は、(90~110):(3~30)であり、好ましくは(90~110):(5~25)である。
【0021】
本発明に記載された充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース、ラクトース、キシリトール、スクロース、グルコース、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム又は軽質酸化マグネシウムから選択される一種又は複数種であってもよく、好ましくはマンニトール、微結晶セルロース、ラクトース又はアルファ化デンプンのうちの一種又は複数種であり、より好ましくはマンニトール又はアルファ化デンプンである。
【0022】
更に好ましくは、本発明では、有効成分と充填剤との重量比は、(90~110):(60~200)であり、好ましくは(90~110):(70~150)であり、より好ましくは(90~110):(75~140)である。
【0023】
本発明に記載された滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク粉、水添植物油、ベヘン酸グリセリル又は微粉末シリカゲルから選択される一種又は複数種であってもよく、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。
【0024】
更に好ましくは、本発明では、有効成分と滑剤との重量比は、(90~110):(0.2~2)であり、好ましくは(90~110):(0.5~1.5)である。
【0025】
本発明の1つの好ましい実施形態では、本発明の錠剤コアは、有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物、アルカリ化剤、結合剤、崩壊剤、充填剤及び滑剤を含み、有効成分:アルカリ化剤:結合剤:崩壊剤:充填剤:滑剤の重量比が(90~110):(5~30):(5~30):(3~30):(60~200):(0.2~2)であり、好ましくは(90~110):(10~25):(10~30):(5~25):(70~150):(0.5~1.5)である。
【0026】
本発明では、腸溶層における可塑剤は、クエン酸トリエチル、トリエチルシトレート、PEG4000、PEG6000、アセチルクエン酸トリエチル、ポリソルベート-80のうちの一種又は複数種であってもよい。好ましくは、腸溶層における遮光剤と可塑剤との重量比は、1:0.5~10であり、好ましくは1:0.5~7である。
【0027】
本発明では、腸溶層における粘着防止剤は、タルク粉、モノステアリン酸グリセリン、微粉末シリカゲルのうちの一種又は複数種であってもよい。好ましくは、腸溶層における遮光剤と粘着防止剤との重量比は、1:0.5~10であり、好ましくは1:0.5~5である。
【0028】
本発明の1つの好ましい実施形態では、本発明の腸溶層は、遮光剤、コーティング材、可塑剤及び粘着防止剤を含み、遮光剤、コーティング材、可塑剤及び粘着防止剤の重量比は上記と同様であってもよい。
【0029】
更に好ましくは、本発明に記載された分離層の重量増加率は2~15%であり、好ましくは2~10%である(錠剤コアの重量を基準にする)。
【0030】
本発明に記載された分離層は、分離層コーティング材及び/又は粘着防止剤を含んでもよい。
【0031】
本発明における分離層コーティング材はヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロースのうちの一種又は複数種であってもよい。
【0032】
本発明における分離層に用いられる粘着防止剤は、タルク粉、酸化マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、微粉末シリカゲルのうちの一種又は複数種であってもよく、好ましくはタルク粉又は酸化マグネシウムである。
【0033】
本発明の1つの好ましい実施形態では、本発明における分離層は、分離層コーティング材及び粘着防止剤を含み、分離層コーティング材と粘着防止剤との重量比が(1~10):1であり、好ましくは(1~5):1である。
【0034】
本発明に記載された防湿層の材料はオパドリーであり、例えばオパドリー(81W680001)又はオパドリー(21K58794)のうちの一種又は複数種である。好ましくは、防湿層の重量増加率は3~5%である(錠剤コアの重量、又は分離層の存在下での錠剤コアと分離層との合計重量を基準にする)。
【0035】
本発明に記載された組成物は、従来技術で一般的に採用される腸溶錠の製造方法により製造することができる。本発明の1つの実施形態では、
含有成分である有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物と、アルカリ化剤及び/又は結合剤及び/又は崩壊剤及び/又は充填剤とを篩にかけ、そのまま混合するか、混合した後に造粒し、必要に応じて滑剤と混合し、打錠して錠剤コアを得る工程(1)と、
工程(1)の錠剤コアを40~50℃で腸溶層で被覆し、取り出し、TBN腸溶錠を得る工程(2)と、
を含むTBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物の製造方法を更に提供する。
【0036】
本発明の工程(2)では、錠剤コアは、40~50℃で腸溶層で被覆される前に、まず45~65℃で分離コーティングで被覆され、取り出されてから、40~50℃で腸溶層で被覆されてもよい。
【0037】
錠剤コア、分離層、腸溶層の構成又は重量比などは、上記と同様である。
【0038】
本発明に記載された薬物組成物の製造プロセスにおいて、本分野の通常の技術方案が詳細に記載されていない。例えば、工程(1)における造粒は、本分野における通常の乾式造粒であってもよい。また、工程(1)における混合時間は、通常の時間であってもよい。例えば本発明の1つの実施例では、混合時間は、20~40分である。混合方法は、ホッパーミキサーによる方法などの通常の方法を用いてもよい。
【0039】
本発明は、神経変性疾患、心血管・脳血管疾患の治療への本発明に記載されたTBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物の応用を更に提供する。
【0040】
本発明に記載された神経変性疾患は、てんかん、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性(脊髄)側索硬化症、アルツハイマー病、多発性硬化症などを含んでもよいが、それらに限定されていない。
【0041】
本発明に記載された心血管・脳血管疾患は、脳卒中、心臓虚血又は再灌流、心筋炎、アテローム性動脈硬化症、心肺側副血行路、呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、冠状動脈性心疾患又は突然の心臓発作などを含んでもよいが、それらに限定されていない。
【0042】
本発明に記載された「薬学的に許容される塩」とは、親化合物の生物学的有効性及び性質が保持されたような塩を表す。このような塩は、親化合物の遊離塩基と無機酸又は有機酸との反応により得られる、酸との塩を含む。無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、メタリン酸、硫酸、亜硫酸及び過塩素酸などを含み、有機酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、カプロン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、(D)又は(L)リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、γ-ヒドロキシ酪酸、メトキシ安息香酸、フタル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレン-1-スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、桂皮酸、ドデシル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、マンデル酸、コハク酸又はマロン酸などを含む。
【0043】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
(1)本発明に記載された薬物組成物は、有効成分の安定性を顕著に向上させることができる。
(2)本発明に記載された薬物組成物は、インビボでのTBNの生物学的利用能を向上させることができ、腸溶錠は、TBN原薬と比べて、その生物学的利用能が2倍以上増加した。
(3)本発明に記載された薬物組成物は、腸溶性コーティングの成膜性が良好であり、大規模な工業生産を実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】腸溶錠をビーグル犬に経口投与した後の薬物濃度-時間の曲線である。
図2】TBN原薬をビーグル犬に経口投与した後の薬物濃度-時間の曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下の実施例は、本発明をより良く理解するためのものであり、本発明を限定するものではない。以下の実施例における実験方法は、特に説明しない限り、いずれも通常の方法である。以下の実施例で用いられる試験材料は、特に説明しない限り、いずれも通常の生化学試薬店から入手されたものである。
【実施例1】
【0046】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール70g、アルファ化デンプン70g、ポビドンK30 7.5g、クコスポビドン5g、炭酸水素ナトリウム10gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が100mgで、平均錠剤重量が0.2635gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例2】
【0047】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール70g、アルファ化デンプン70g、ポビドンK30 7.5g、クコスポビドン5g、炭酸水素ナトリウム20gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が100mgで、平均錠剤重量が0.2735gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例3】
【0048】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、酸化マグネシウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール70g、アルファ化デンプン70g、ポビドンK30 7.5g、クコスポビドン5g、酸化マグネシウム20gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が100mgで、平均錠剤重量が0.2735gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例4】
【0049】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、炭酸マグネシウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール70g、アルファ化デンプン70g、ポビドンK30 7.5g、クコスポビドン5g、炭酸マグネシウム20gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が100mgで、平均錠剤重量が0.2735gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例5】
【0050】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール70g、アルファ化デンプン70g、ポビドンK30 15g、クコスポビドン5g、炭酸水素ナトリウム20gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が100mgで、平均錠剤重量が0.281gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例6】
【0051】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール60g、アルファ化デンプン60g、ポビドンK30 30g、クコスポビドン5g、炭酸水素ナトリウム20gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が100mgで、平均錠剤重量が0.276gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例7】
【0052】
TBN原薬、マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール231g、ヒドロキシプロピルセルロース75g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が300mgで、平均錠剤重量が0.72gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例8】
【0053】
TBN原薬、マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール248.4g、ヒドロキシプロピルセルロース57.6g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が300mgで、平均錠剤重量が0.72gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例9】
【0054】
TBN原薬、マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール248.4g、ヒドロキシプロピルセルロース57.6g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合し、乾式造粒してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合した。仕様が300mgで、平均錠剤重量が0.72gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例10】
【0055】
TBN原薬、マンニトール、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール272g、ヒドロキシプロピルセルロース75g、カルボキシメチルスターチナトリウム40g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が300mgで、平均錠剤重量が0.75gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例11】
【0056】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール272g、ヒドロキシプロピルセルロース75g、クコスポビドン40g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が300mgで、平均錠剤重量が0.75gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例12】
【0057】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール231g、ヒドロキシプロピルセルロース75g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。仕様が300mgで、平均錠剤重量が0.72gであるTBN錠剤コアを1000個得た。
【実施例13】
【0058】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール60g、アルファ化デンプン60g、ポビドンK30 30g、クコスポビドン5g、炭酸水素ナトリウム10gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0059】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が3.62%となるようにヒドロキシプロピルセルロース4.81g、タルク粉4.81g、及び無水エタノール70.55gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が4.60%となるようにオパドリー12.68g、純水66.57gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が10.67%となるようにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート30.76g、トリエチルシトレート2.46g、二酸化チタン1.54g、タルク粉5.42g、無水エタノール275.30g、純水68.83gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例14】
【0060】
TBN原薬、マンニトール、アルファ化デンプン、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール60g、アルファ化デンプン60g、ポビドンK30 30g、クコスポビドン5g、炭酸水素ナトリウム10gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0061】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が2.95%となるようにエチルセルロース6.73g、酸化マグネシウム1.12g、及び無水エタノール100.89gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が3.50%となるようにオパドリー9.58g、純水50.32gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が9.08%となるようにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート25.74g、トリエチルシトレート2.06g、二酸化チタン1.29g、タルク粉4.70g、無水エタノール230.33g、純水57.58gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例15】
【0062】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール248.4g、ヒドロキシプロピルセルロース57.6g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合して造粒してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、TBN錠剤コアを得た。その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、分離層の重量増加率が10%となるようにヒドロキシプロピルセルロース55.6g及びタルク粉16.4gを配合した分離コーティング液を添加し、腸溶性コーティングの重量増加率が6%となるように実施例24と同様に腸溶層を配合し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例16】
【0063】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール248.4g、ヒドロキシプロピルセルロース57.6g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合して造粒してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、TBN錠剤コアを得た。その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、分離層の重量増加率が5%となるようにヒドロキシプロピルセルロース27.8g及びタルク粉8.2gを配合した分離コーティング液を添加し、腸溶性コーティングの重量増加率が6%となるように実施例24と同様に腸溶層を配合し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例17】
【0064】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール100g、ポビドンK30 10g、クコスポビドン25g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0065】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が5.93%となるようにヒドロキシプロピルセルロース8.78g、タルク粉8.78g、及び無水エタノール128.77gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が4.62%となるようにオパドリー(81W680001)14.49g、純水76.07gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が8.35%となるようにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート27.39g、トリエチルシトレート2.19g、二酸化チタン1.37g、タルク粉5.00g、無水エタノール245.14g、純水61.29gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例18】
【0066】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール100g、ポビドンK30 10g、クコスポビドン25g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0067】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が5.93%となるようにヒドロキシプロピルセルロース8.78g、タルク粉8.78g、及び無水エタノール128.77gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が2.02%となるようにオパドリー(21K58794)6.33g、純水14.88g、無水エタノール84.29gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が8.56%となるようにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート27.39g、トリエチルシトレート2.19g、二酸化チタン1.37g、タルク粉5.00g、無水エタノール245.07g、純水61.27gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例19】
【0068】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール100g、ポビドンK30 10g、クコスポビドン25g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0069】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が5.93%となるようにヒドロキシプロピルセルロース8.78g、タルク粉8.78g、及び無水エタノール128.77gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が4.62%となるようにオパドリー14.49g、純水76.07gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が8.35%となるようにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート27.39g、トリエチルシトレート2.19g、二酸化チタン1.37g、タルク粉5.00g、無水エタノール245.14g、純水61.29gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例20】
【0070】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール100g、ポビドンK30 10g、クコスポビドン25g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0071】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が5.93%となるようにヒドロキシプロピルセルロース8.78g、タルク粉8.78g、及び無水エタノール128.77gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が4.62%となるようにオパドリー14.49g、純水76.07gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が8.63%となるようにヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS,AS-HG)28.31g、トリエチルシトレート2.26g、二酸化チタン1.42g、タルク粉5.17g、無水エタノール63.34g、純水253.37gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例21】
【0072】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール100g、ポビドンK30 10g、クコスポビドン25g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0073】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が5.93%となるようにヒドロキシプロピルセルロース8.78g、タルク粉8.78g、及び無水エタノール128.77gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が4.62%となるようにオパドリー14.49g、純水76.07gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が8.28%となるようにヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS,AS-LG)27.16g、トリエチルシトレート2.17g、二酸化チタン1.36g、タルク粉4.96g、無水エタノール60.17g、純水243.08gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例22】
【0074】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬100g、マンニトール100g、ポビドンK30 10g、クコスポビドン25g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム1gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。
【0075】
その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、重量増加率が4.67%となるようにヒドロキシプロピルセルロース6.61g、タルク粉6.61g、及び無水エタノール101.37gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、重量増加率が5.07%となるようにオパドリー15.71g、純水82.47gを配合した防湿層液を添加した。添加完了後に、腸溶性コーティングの重量増加率が7.28%となるようにオイドラギット L100-55 23.70g、トリエチルシトレート2.37g、二酸化チタン2.37g、タルク粉11.85g、95%エタノール354.69gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例23】
【0076】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール248.4g、ヒドロキシプロピルセルロース57.6g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、そのまま打錠した。その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、分離層の重量増加率が5%となるようにヒドロキシプロピルセルロース27.8g及びタルク粉8.2gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、腸溶性コーティングの重量増加率が6%となるようにメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー32.3g、クエン酸トリエチル3.2g、二酸化チタン3.2g、タルク粉6.5gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例24】
【0077】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール248.4g、ヒドロキシプロピルセルロース57.6g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合し、ローラープレス造粒機に入れて造粒してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、打錠した。その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、分離層の重量増加率が5%となるようにヒドロキシプロピルセルロース27.8g及びタルク粉8.2gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、腸溶性コーティングの重量増加率が6%となるようにメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー32.3g、クエン酸トリエチル3.2g、二酸化チタン3.2g、タルク粉6.5gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【実施例25】
【0078】
TBN原薬、マンニトール、クコスポビドン、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて用意した。TBN原薬300g、マンニトール248.4g、ヒドロキシプロピルセルロース57.6g、クコスポビドン51g、炭酸水素ナトリウム60gを秤量し、実験用ホッパーミキサーにより30分間混合し、ローラープレス造粒機に入れて造粒してから、ステアリン酸マグネシウム3gを添加し、それらを1分間混合し、打錠した。その後、錠剤コアを高効率コーティング機に入れ、分離層の重量増加率が5%となるようにヒドロキシプロピルセルロース27.8g及びタルク粉8.2gを配合した分離コーティング液を添加し、そして、腸溶性コーティングの重量増加率が3%となるようにメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー16.2g、クエン酸トリエチル1.6g、二酸化チタン1.6g、タルク粉3.3gを配合した腸溶性コーティング液を添加し、TBN腸溶錠を得た。
【0079】
性能試験:
(1)実施例1と実施例2で製造された錠剤コアをそれぞれ高湿高温の条件で10日間放置し、その安定性を調査した。具体的な実験方法は『化学的薬物安定性研究の技術ガイドライン』を参照されたい。その結果を次の表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
この結果から明らかなように、実施例における関連物質は、その含有量に有意な増加がなく、安定性が高い。
【0082】
(2)実施例5と実施例6の処方により製造された錠剤コアについて、その性能指標を測定した。具体的な実験方法は『2015年版の中国薬局方製剤通則』を参照されたい。その結果を次の表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
この結果から明らかなように、結合剤用量の増加の崩壊時間への影響は大きくない。
【0085】
(3)実施例7と実施例9の処方により製造された錠剤コアについて、その性能指標を測定した。具体的な実験方法は『2015年版の中国薬局方製剤通則』を参照されたい。その結果を次の表3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】
この結果から明らかなように、本発明に記載された組成物は、そのまま打錠することにより製造されてもよく、乾式造粒により製造されてもよい。
【0088】
(4)実施例10~12で製造された錠剤コアについて、その崩壊時間を測定した。具体的な実験方法は『2015年版の中国薬局方製剤通則』を参照されたい。その結果を次の表4に示す。
【0089】
【表4】
【0090】
この結果から明らかなように、すべて薬用の要件を満たすことができる。
【0091】
(5)実施例13で製造された腸溶錠をそれぞれ高湿高温の条件で10日間放置し、その安定性を調査した。具体的な測定方法は性能試験(1)と同様である。その結果を次の表5に示す。
【0092】
【表5】
【0093】
この結果から明らかなように、本発明に記載された分離層の配合成分は、腸溶錠の安定性を効果的に向上させることができる。
【0094】
(6)実施例15、16におけるTBN腸溶錠について、その溶出度を測定した。具体的な実験方法は『一般経口固形製剤の溶出度試験の技術ガイドライン』を参照されたい。その結果を次の表6に示す。
【0095】
【表6】
【0096】
この結果から明らかなように、分離層コーティングの重量増加は、溶出に有意な影響を及ぼさない。
【0097】
(7)実施例17、18におけるTBN腸溶錠を、50℃、RH75%の条件で60日間放置した場合、及び40℃、RH75%の条件で90日間放置した場合の安定性を調査した。関連物質の測定結果を次の表7に示す。
【0098】
【表7】
【0099】
この結果から明らかなように、実施例17と実施例18のTBN腸溶錠は、いずれも高い安定性を有する。
【0100】
(8)実施例19~22で製造された腸溶錠を、50℃、RH75%の条件で30日間放置した場合、及び40℃、RH75%の条件で90日間放置した場合の安定性を調査した。測定方法は性能試験(7)と同様である。測定結果を表8に示す。
【0101】
【表8】
【0102】
この結果から明らかなように、これらの4つの処方では、40℃、RH75%の条件で3ヶ月間放置した関連物質、及び50℃、RH75%の条件で1ヶ月間放置した関連物質は、有意な変化がなく、上記の4つの材料をTBNの腸溶層のコーティング材として使用すると、安定性が高いことが分かる。
【0103】
(9)実施例25で製造されたTBN腸溶錠について、その溶出度を測定した。測定方法は性能試験(6)と同様である。その結果を次の表9に示す。
【0104】
【表9】
【0105】
この結果から明らかなように、溶出結果が要件を満たしている。
【0106】
(10)生物学的利用能の測定:ビーグル犬におけるTBN原薬と腸溶錠の薬物動態研究
6匹のビーグル犬をランダムに3匹ずつの2つの群に分け、各実験動物に胃内投与した。TBN原薬群への投与量は、175mgとし、腸溶錠群への投与量は、実施例17の配合方法により製造された仕様175mgの腸溶錠1錠とした。異なる時点(0.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間後)で血液サンプルを採取し、LC-MS/MS分析により測定し、薬物濃度-時間曲線をプロットし、薬物動態パラメータを算出した。
【0107】
【表10】
【0108】
【表11】
【0109】
この結果を、表10~表11及び図1図2に示した。そのデータから明らかなように、腸溶錠のビーグル犬のインビボでのCmax平均値は、原薬のビーグル犬のインビボでのCmaxの約1.67倍であり、TBN腸溶錠の生物学的利用能が原薬の約2.3倍程度である。
【0110】
(11)実施例25に記載されている配合方法により製造されたTBN腸溶錠についての薬物動態研究
24匹のビーグル犬(雌雄半々)をランダムに4つの群に分けた(各群にメス3匹とオス3匹がいる)。A群の動物には、TBN原薬溶液を6mg・kg-1で静脈内注射し、B群とD群の動物には、TBN腸溶錠をそれぞれ100mg・匹-1、900mg・匹-1で胃内投与した。A群に対しては、投与前と投与後の0.083時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間後に採血し、B群とD群に対しては、投与前と投与後の0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間及び24時間後に採血した。C群の動物には、7日間連続して毎日TBN腸溶錠を300mg・匹-1で胃内投与した。Cグループに対しては、1回目と7回目の投与前と投与後の0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間及び24時間後、並びに2回目~6回目の投与前と投与後の2時間後にそれぞれ採血した。
【0111】
LC-MS/MS方法により測定して分析し、薬物動態パラメータを算出した。
【0112】
【表12】
【0113】
【表13】
【0114】
ビーグル犬にTBNを6mg・kg-1で静脈内注射により投与した後の平均終末消失半減期(t1/2)は0.292時間であり、クリアランス(CL)は29.1mL・kg-1・分-1であり、定常状態での見かけの分布容積(Vdss)は0.503L・kg-1であり、薬物濃度-時間曲線下面積(AUC0-inf)は3560ng・時間・mL-1であった。ビーグル犬にTBN腸溶錠を100mg・匹-1、300mg・匹-1及び900mg・匹-1で胃内投与した後、平均ピーク到達時間(Tmax)はそれぞれ1.25時間、1.83時間及び2.50時間であり、ピーク濃度(Cmax)はそれぞれ4770ng・mL-1、15100ng・mL-1及び96000ng・mL-1であり、AUC0-tはそれぞれ5400ng・時間・mL-1、24600ng・時間・mL-1及び216000ng・時間・mL-1であり、単位投与量の薬物濃度-時間曲線下面積(AUC0-t-dose)はそれぞれ424ng・時間・kg・(mL・mg)-1、634ng・時間・kg・(mL・mg)-1及び1890ng・時間・kg・(mL・mg)-1であり、経口生物学的利用能(F)はそれぞれ71.6%、107.0%及び319.0%であった。上記から明らかなように、TBN腸溶錠は、ビーグル犬にインビボで速やかに経口吸収され、主に細胞外液に分布し、インビボから迅速に取り除くことができ、その生物学的利用能が投与量の増加とともに向上し、特に高投与量の群において非線形PK特性を示す。
【0115】
ビーグル犬にTBN腸溶錠を100mg・匹-1、300mg・匹-1及び900mg・匹-1の投与量で1回胃内投与した後、100~300mg・匹-1の投与量の範囲で、基本的に投与量相関の線形増加が見られた。300~900mg・匹-1の投与量の範囲で、投与量相関の線形増加よりも大きいことが見られた。したがって、100~900mg・匹-1の投与量の範囲で、投与量相関の線形増加よりも大きいことも見られた。
【0116】
ビーグル犬にTBN腸溶錠を300mg・匹-1で7日間連続して胃内投与した後、7回目の投与後と1回目の投与後のAUC0-tの比は1.58であり、有意な薬物蓄積が認められなかった。
【0117】
TBNを静脈内投与した後、オスとメスのビーグル犬のインビボでの曝露量(C、AUC0-t)に有意な差異はなかった。低投与量で胃内投与する場合を除き、TBN腸溶錠が中・高投与量で胃内投与された後、オスとメスのビーグル犬での曝露量(Cmax、AUC0-t)に有意な差異はなかった。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)有効成分となるTBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物、及びアルカリ化剤を含んでなる錠剤コアと、
(2)前記錠剤コアの外側に位置し、遮光剤及びコーティング材を含有する腸溶層とを含み、
前記腸溶層の重量増加率が0.5~20%であり、好ましくは1~15%であり、より好ましくは1~11%であることを特徴とする、TBN又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物。
【請求項2】
前記錠剤コアは、結合剤及び/又は崩壊剤及び/又は充填剤及び/又は滑剤を更に含み、前記腸溶層は、可塑剤及び/又は粘着防止剤を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項3】
前記錠剤コアと腸溶層との間に分離層が存在し、前記分離層はコーティング及び粘着防止剤を含み、好ましくは、分離層の重量増加率が2~15%であり、好ましくは2~10%であり、好ましくは、分離層と腸溶層との間に防湿層が更に設けられ、より好ましくは、防湿層の重量増加率が3~5%であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項4】
前記アルカリ化剤は、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムから選択される一種又は複数種であり、好ましくは炭酸水素ナトリウムであり、好ましくは、有効成分とアルカリ化剤との重量比が(90~110):(5~30)であり、より好ましくは(90~110):(10~25)であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項5】
腸溶層における前記遮光剤は二酸化チタンであり、前記コーティング材は、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、オイドラギット L30D-55、オイドラギット L100、オイドラギット NE30Dのうちの一種又は複数種であり、好ましくはメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート又はヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのうちの一種又は複数種であり、遮光剤とコーティング材との重量比が(0.5~2.5):(5~20)であり、好ましくは1:(10~20)であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項6】
前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドンK30、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンから選択される一種又は複数種であり、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンK30であり、有効成分と結合剤との重量比が(90~110):(5~30)であり、好ましくは(90~110):(10~30)であり、
前記崩壊剤は、クコスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチナトリウム又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択される一種又は複数種であり、好ましくはクコスポビドン又はカルボキシメチルスターチナトリウムであり、有効成分と崩壊剤との重量比が(90~110):(3~30)であり、好ましくは(90~110):(5~25)であり、
前記充填剤は、マンニトール、微結晶セルロース、ラクトース、キシリトール、スクロース、グルコース、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム又は軽質酸化マグネシウムから選択される一種又は複数種であり、好ましくはマンニトール、微結晶セルロース、ラクトース又はアルファ化デンプンのうちの一種又は複数種であり、より好ましくはマンニトール又はアルファ化デンプンであり、有効成分と充填剤との重量比が(90~110):(60~200)であり、好ましくは(90~110):(70~150)であり、より好ましくは(90~110):(75~140)であり、
前記滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク粉、水添植物油、ベヘン酸グリセリル又は微粉末シリカゲルから選択される一種又は複数種であってもよく、好ましくはステアリン酸マグネシウムであり、有効成分と滑剤との重量比が(90~110):(0.2~2)であり、好ましくは(90~110):(0.5~1.5)である
ことを特徴とする、請求項2に記載の薬物組成物。
【請求項7】
錠剤コアは、有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物、アルカリ化剤、結合剤、崩壊剤、充填剤及び滑剤を含み、有効成分:アルカリ化剤:結合剤:崩壊剤:充填剤:滑剤の重量比が(90~110):(5~30):(5~30):(3~30):(60~200):(0.2~2)であり、好ましくは(90~110):(10~25):(10~30):(5~25):(70~150):(0.5~1.5)であることを特徴とする請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項8】
腸溶層における可塑剤は、クエン酸トリエチル、トリエチルシトレート、PEG4000、PEG6000、アセチルクエン酸トリエチル、ポリソルベート-80のうちの一種又は複数種であり、好ましくは、腸溶層における遮光剤と可塑剤との重量比が1:0.5~10であり、好ましくは1:0.5~7であり、
腸溶層における粘着防止剤は、タルク粉、モノステアリン酸グリセリン、微粉末シリカゲルのうちの一種又は複数種であり、好ましくは、腸溶層における遮光剤と粘着防止剤との重量比が1:0.5~10であり、好ましくは1:0.5~5であり、
前記分離層コーティング材は、ヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロースのうちの一種又は複数種であり、
粘着防止剤は、タルク粉、酸化マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、微粉末シリカゲルのうちの一種又は複数種であり、好ましくはタルク粉又は酸化マグネシウムであり、より好ましくはタルク粉であり、分離層コーティング材と粘着防止剤との重量比が(1~10):1であり、好ましくは(1~5):1であり、
前記防湿層の材料はオパドリーである
ことを特徴とする、請求項2に記載の薬物組成物。
【請求項9】
含有成分である有効成分TBN又はその薬学的に許容される塩もしくは水和物と、アルカリ化剤及び/又は結合剤及び/又は崩壊剤及び/又は充填剤とを篩にかけ、そのまま混合するか、混合した後に造粒し、必要に応じて滑剤と混合し、打錠して錠剤コアを得る工程(1)と、
工程(1)の錠剤コアを40~50℃で腸溶層で被覆し、取り出し、TBN腸溶錠を得る工程(2)と、を含み、
好ましくは、工程(2)において、錠剤コアに40~50℃で腸溶層を被覆する前に、まず45~65℃で分離コーティングを被覆し、取り出してから、40~50℃で腸溶層を被覆する
ことを特徴とする、TBN、又はその塩もしくは水和物を含む薬物組成物の製造方法。
【請求項10】
神経系疾患又は心血管・脳血管疾患の治療用薬物における請求項1~8のいずれか一項に記載の薬物組成物の使用。
【国際調査報告】