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特表2022-522015ビークル挙動を分類するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】ビークル挙動を分類するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20220406BHJP
   G01S 7/41 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G01S7/41
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550251
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 GB2020050640
(87)【国際公開番号】W WO2020201693
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1904380.1
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】19275035.4
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390038014
【氏名又は名称】ビ-エイイ- システムズ パブリック リミテッド カンパニ-
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】チェハデ、ベンジャミン・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】デイッタート、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ、マシュー・ニール
(72)【発明者】
【氏名】メトリック、サイモン・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】リベイロ、ヨハーン・アレイソ・フーベルト
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、フレデリック・フランシス
【テーマコード(参考)】
5H181
5J070
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
5H181FF03
5J070AC19
5J070AE04
5J070AK14
(57)【要約】
本発明は、概して、ビークル挙動、特に民間航空機(12)の異常挙動を分類するための方法およびシステム(10)に関する。方法は、分類される航空機(12)から航空機データを受信することと、受信した航空機データが航空機(12)の識別情報を含むかどうかを決定することとを含んでいてもよい。受信した航空機データが識別情報を含むという決定に応答して、方法は、航空機(12)の挙動を分類するために前記識別情報を使用することを含んでいてもよい。受信した航空機データが識別情報を含まないという決定に応答して、方法は、航空機(12)の挙動を分類するために、航空機の位置を取得し、取得した位置を航空機の予想ルートと比較してことを含んでいてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の挙動を分類する方法であって、
分類される航空機から航空機データを受信することと、
前記受信した航空機データが前記航空機の識別情報を含むかどうかを決定することと、
前記受信した航空機データが識別情報を含むという決定に応答して、前記航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用することと、
前記受信した航空機データが識別情報を含まないという決定に応答して、前記航空機の前記挙動を分類するために、前記航空機の位置を取得し、前記取得した位置を前記航空機の予想ルートと比較することとを含む、方法。
【請求項2】
前記分類される航空機の位置を取得することと、
前記航空機が任意の既知のルート内にあるかどうかを決定するように前記航空機の前記位置を既知のルートと比較することと、
前記航空機がいずれの既知のルート上にもないと決定したことに応答して、前記挙動を疑わしいものとして分類することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分類される航空機から前記航空機データを受信すると同時に、複数の航空機から識別情報を受信することをさらに含み、
前記航空機の挙動を分類するように前記識別情報を使用することは、
前記識別情報の少なくとも一部が、前記複数の航空機のうちの1つから受信した識別情報と重複するかどうかを決定することを含む、請求項1から2のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
複数の航空機についての履歴データを記憶することをさらに含み、
前記航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用することは、前記識別情報の少なくとも一部が前記履歴データ中の識別情報と一致するかどうかを決定することを含む、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記識別情報のうちの少なくとも一部が前記履歴データ中の識別情報と一致すると決定したことに応答して、
前記履歴データ中の一致する識別情報に関係付けられたルートを取得することと、
前記航空機の位置を取得することと、
前記航空機が前記関係付けられたルートに沿って移動しているかどうかを決定するために、前記取得した位置を前記関係付けられたルートと比較することと、
前記航空機が前記関係付けられたルートに沿って移動していないと決定されたときに、前記挙動を疑わしいものとして分類することとをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記航空機が前記関係付けられたルートに沿って移動していると決定されたときに、
前記関係付けられたルートに沿った予想位置を決定することと、
前記取得した位置を前記関係付けられたルートに沿った前記予想位置と比較することと、
前記航空機が前記予想位置にないと決定されたときに、前記挙動を疑わしいものとして分類することとをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数の航空機から受信した履歴データを使用して訓練されたモデルによって生成された複数のルートと、分類される前記航空機についての位置データとを比較することによって、前記予想ルートを選択することを含む、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記識別情報は、前記航空機を一意的に識別する航空機識別と、前記航空機が移動している飛行経路を識別する飛行識別とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記識別情報が前記航空機識別および前記飛行識別の両方を含むと決定することをさらに含み、
前記航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用することは、
前記航空機識別および前記飛行識別を前記履歴データと比較し、これらが一致するペアであるかどうかを決定することと、
前記航空機識別と前記飛行識別とが一致するペアではないと決定されたときに、前記挙動を疑わしいものとして分類することとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記識別情報は、前記航空機のタイプの識別を含む、請求項1から9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用することは、
前記航空機についてのレーダーデータを受信することと、
前記レーダーデータから前記航空機についての断面値を決定することと、
前記決定した断面値を前記航空機のタイプについての予想断面値と比較することと、
前記決定した断面値と前記予想断面値とが一致しないと決定されたときに、前記挙動を疑わしいものとして分類することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
信号対雑音比および前記レーダーデータについて観測されたレーダー断面から前記断面値を決定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記航空機のタイプについての記憶された値を使用して前記予想断面値を計算することと、
少なくとも前記航空機までの距離および前記航空機の向きに基づいて調節することとをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
航空機の挙動を分類するためのシステムであって、
分類される航空機から航空機データを受信するための少なくとも1つのセンサと、
プロセッサとを備え、前記プロセッサは、
前記受信した航空機データが前記航空機についての識別情報を含むかどうかを決定し、
前記受信した航空機データが識別情報を含むという決定に応答して、前記航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用し、
前記受信した航空機データが識別情報を含まないという決定に応答して、前記航空機の前記挙動を分類するために、前記航空機の位置を取得し、前記取得した位置を前記航空機の予想ルートと比較するように構成されている、システム。
【請求項15】
プロセッサ制御コードを含むコンピュータ読取可能媒体であって、前記プロセッサ制御コードは、システム上で実行されるときに、前記システムに、請求項1から13のうちのいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ビークル挙動、特に民間航空機の異常挙動を分類するためのシステムに関する。
【背景】
【0002】
航空機は典型的には、航空機についての識別情報を搬送する信号を発信するトランスポンダを含む。航空機を識別するために使用される2つの共通信号は、自動従属監視ブロードキャスト(ADS-B)、および敵味方識別(IFF)呼びかけ信号への応答である。これらの信号に関する問題は、それらが他のビークルおよび/または航空機によって「スプーフィング」されることがあり、その結果、他のビークルが監視システムからそれらの真のアイデンティティを隠すことがあることである。例えば、軍用航空機は、信号をスプーフィングして、民間航空機としてレーダー上に不正確に現れることがある。
【0003】
ここでまたは他の箇所で識別されようとなかろうと、従来技術の1つ以上の問題を少なくとも部分的に克服もしくは回避すること、または既存のシステムおよび関連する方法論に対する代替を少なくとも提供することが、本発明の例示的な実施形態の例示的な目的である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、航空機の挙動を分類する方法が提供され、方法は、分類される航空機から航空機データを受信することと、受信した航空機データが航空機の識別情報を含むかどうかを決定することと、受信した航空機データが識別情報を含むという決定に応答して、航空機の挙動を分類するために識別情報を使用することと、受信した航空機データが識別情報を含まないという決定に応答して、航空機の前記挙動を分類するために、航空機の位置を取得し、取得した位置を航空機の予想ルートと比較することとを含む。
【0005】
異なる種類の航空機データは、レーダーデータ、船舶データ、レーダー性能データ、および識別データ、例えばIFFデータのうちのいくつかまたは全てを含んでいてもよい。示されたデータのうちのいくつかまたは全てが利用可能でないかもしれない。識別データは、モードSアドレスおよび/または飛行IDを含むことができ、時間とともに航空機の位置情報、例えば直線距離および方位を含むこともできる。
【0006】
方法は、分類される航空機の位置を取得することと、航空機が任意の既知のルート内にあるかどうかを決定するように航空機の位置を既知のルートと比較することと、航空機がいずれの既知のルート上にもないと決定したことに応答して、挙動を疑わしいものとして分類することとをさらに含んでいてもよい。このような方法で、スプーフィング航空機を検出することができる。
【0007】
方法は、受信データまたはレーダーデータから航空機の位置を取得することを含んでいてもよい。位置は、緯度、経度、高さなどの位置情報を含んでいてもよい。
【0008】
方法は、分類される航空機から航空機データを受信すると同時に、複数の航空機から識別情報を受信することをさらに含んでいてもよい。航空機の挙動を分類するように前記識別情報を使用することは、識別情報の少なくとも一部が、複数の航空機のうちの1つから受信した識別情報と重複するかどうかを決定することを含んでいてもよい。識別情報の少なくとも一部が重複であると決定したことに応答して、方法は、挙動を疑わしいものとして分類することを含むことができる。このような方法で、スプーフィング航空機を検出することができる。
【0009】
方法は、複数の航空機についての履歴データを記憶することをさらに含んでいてもよい。航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用することは、識別情報の少なくとも一部が履歴データ中の識別情報と一致するかどうかを決定することを含んでいてもよい。識別情報のうちの少なくとも一部が履歴データ中の識別情報と一致すると決定したことに応答して、方法は、履歴データ中の一致する識別情報に関係付けられたルートを取得することと、航空機の位置を取得することと、航空機が関係付けられたルートに沿って移動しているかどうかを決定するために、取得した位置を関係付けられたルートと比較することと、航空機が関係付けられたルートに沿って移動していないと決定されたときに、挙動を疑わしいものとして分類することとをさらに含んでいてもよい。航空機が関係付けられたルートに沿って移動していると決定されたときに、方法は、関係付けられたルートに沿った予想位置を決定することと、取得した位置を関係付けられたルートに沿った予想位置と比較することと、航空機が予想位置にないと決定されたときに、挙動を疑わしいものとして分類することとをさらに含んでいてもよい。これらの方法で、スプーフィング航空機を検出することができる。
【0010】
方法は、複数の航空機から受信した履歴データを使用して訓練されたモデルによって生成された複数のルートと、分類される航空機についての位置データとを比較することによって、予想ルートを選択することをさらに含んでいてもよい。
【0011】
方法は、IFF要求を発さることと、IFF要求に応答して受信データを受信することとをさらに含んでいてもよい。
【0012】
識別情報は、航空機を一意的に識別する航空機識別と、航空機が移動している飛行経路を識別する飛行識別とのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。方法は、次いで、識別情報が航空機識別および飛行識別の両方を含むと決定することをさらに含んでいてもよい。航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用することは、次いで、航空機識別および飛行識別を履歴データと比較し、これらが一致するペアであるかどうかを決定することと、航空機識別と飛行識別とが一致するペアではないと決定されたときに、挙動を疑わしいものとして分類することとを含んでいてもよい。これは、スプーフィング航空機を検出できる別の方法である。
【0013】
識別情報は、航空機のタイプの識別を含むことができる。航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用することは、次いで、航空機についてのレーダーデータを受信することと、レーダーデータから航空機についての断面値を決定することと、決定した断面値を航空機のタイプについての予想断面値と比較することと、決定した断面値と予想断面値とが一致しないと決定されたときに、挙動を疑わしいものとして分類することとを含んでいてもよい。これは、スプーフィング航空機を検出できる別の方法である。
【0014】
方法は、信号対雑音比およびレーダーデータについて観測されたレーダー断面から断面値を決定することを含む。方法は、航空機のタイプについての記憶された値を使用して予想断面値を計算することと、少なくとも航空機までの距離および航空機の向きに基づいて調節することとをさらに含んでいてもよい。
【0015】
本発明の別の態様によれば、航空機の挙動を分類するためのシステムも提供され、システムは、分類される航空機から航空機データを受信するための少なくとも1つのセンサと、プロセッサとを備え、プロセッサは、受信した航空機データが航空機についての識別情報を含むかどうかを決定し、受信した航空機データが識別情報を含むという決定に応答して、航空機の挙動を分類するために前記識別情報を使用し、受信した航空機データが識別情報を含まないという決定に応答して、航空機の挙動を分類するために、航空機の位置を取得し、取得した位置を航空機の予想ルートと比較するように構成されている。
【0016】
プロセッサは、上記で説明した方法ステップを実行するようにさらに構成されてもよい。
【0017】
本発明の別の態様によれば、プロセッサ制御コードを含む非一時的コンピュータ読取可能媒体が存在し、プロセッサ制御コードは、システム上で実行されるとき、システムに、上述の方法を実行させる。
【0018】
本発明の態様に関連して説明される任意の1つ以上の特徴は、本開示を読んだ後に、そのような置換または組合せが当業者によって相互に排他的であると理解されない限り、本発明の別の態様に関連して説明される任意の1つ以上の特徴と置換されてもよいか、またはそれと組み合わせて使用されてもよいことが理解されよう。特に、装置のような態様に関して説明された任意の特徴は、方法のような態様に関して説明された任意の特徴と組み合わせて、またはその代わりに使用されてもよい。例えば、上述したスプーフィング航空機を決定または検出する方法の各々は、単独でまたは互いに組み合わせて使用されてもよい。それらはまた、任意の適切な順序で実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明をより良く理解するために、および、本発明の実施形態がどのように実行に移されるかを示すために、例として、添付の図への参照がなされる。
図1a図1aは、分類システムの概略図である。
図1b図1bは、図1aの分類システムによって導出されてもよい複数の飛行経路の実例である。
図2a図2aは、図1aの分類システムによって実行される例示的なステップを提示するフローチャートを描いている。
図2b図2bは、図1aの分類システムによって実行される例示的なステップを提示するフローチャートを描いている。
図2c図2cは、図1aの分類システムによって実行される例示的なステップを提示するフローチャートを描いている。
図2d図2dは、図1aの分類システムによって実行される例示的なステップを提示するフローチャートを描いている。
図3図3は、図1aの分類システムのコンポーネントの概略ブロックダイヤグラムである。
【0020】
図1aは、分類システム10の概略図を示す。この例では航空機12であるビークルは、航空機12の下側に据え付けられたトランスポンダ14から信号を周期的に送っている。そのような周期信号の共通フォーマットは、自動従属監視ブロードキャスト(ADS-B)信号であるが、他のフォーマットを使用できることが理解されるであろう。そのような信号は、分類システム10によって、例えばシステム内の1つ以上のセンサ16によって検出することができる。トランスポンダ14はまた、分類システム10からのクエリに応答して信号を送ってもよく、応答は、同じまたは異なるセンサ16によって検出されてもよい。そのような応答信号は、敵味方識別(IFF)呼びかけ信号への応答であってもよい。
【0021】
これら2つの信号(例えば、周期信号および呼応答信号)のフォーマットは異なるかもしれず、これは、信号を比較することが困難である場合があることを意味する。例えば、ADS-B信号は、モードSアドレス、飛行ID、位置(例えば、緯度および経度)および時間(例えば、日および時間)を含むことができる。IFF応答信号は、典型的にはモードSアドレスおよび時間を含む。IFF応答は、IFF呼びかけ信号に応じて飛行IDをさらに含むことができる。IFF応答を送る航空機に関係付けられた位置は、分類システム自体からの位置データと共に、IFF中の位置データから導出することができる。
【0022】
モードSアドレス(またはICAO-国際民間航空機関アドレス)は、航空機が別の国に販売されない限り、航空機の一意の識別である。飛行ID(例えば、EZY1234)は、乗務員が飛行開始時に設定する識別子である。飛行IDは、典型的には、特定のルートに関係付けられており、したがって、以下で説明するように、分類システムは、飛行IDに関係付けられた出発位置および到着位置を知ることができる。
【0023】
図1bは、欧州空域における航空機軌道のプロットの図である。各軌道は異なる航空機を表す。軌道は、複数の航空機から1時間で受信されたADS-Bデータに基づいてプロットされた。示されるように、飛行経路は、典型的には、空港の周りに密集する。さらに、かなりの量のデータが存在し、したがって、予期しない位置にある航空機または別の航空機をスプーフィングしようとしている航空機を識別することは典型的に困難である。
【0024】
図2aから図2dは、例えば航空機のスプーフィングを識別するために、一貫性のない航空機挙動を検出する例示的な方法を図示する。
【0025】
第1のステップでは、分類システムによってビークルからデータが受信され(ステップS100)、これにより、システムによって分析されるべき新しい軌道が効果的に識別される。受信データは、例えば、IFF応答またはADS-B信号であってもよい。次に、分類システム10は、受信したデータをチェックして、図2a、2b、2cまたは2dに示す分類経路に従うかどうかを決定する。例えば、ステップS102に示すように、モードSアドレスと飛行IDの両方を受信したかどうかを確認する。これらの情報の一方または両方が欠落している場合、方法は、図2bに示される次のステップ(S202)に進む。しかしながら、これらの情報の両方が存在する場合、データを分析することができ、方法は図2aに示されるように進む。しかしながら、分析の以下のステップは、ここに記載されたものだけでなく、任意の順序で実行されてもよいことが理解されるであろう。さらに、ステップのいくつかは同時に実行されてもよく、またはいくつかのステップは省略されてもよい。
【0026】
一例では、分析における次のステップは、受信したモードSアドレスおよび飛行IDの一方または両方が分類システムにおいて既に受信されているか否かを決定することである(S104)。換言すれば、受信したデータを全ての現在のデータ、例えば受信したADS-Bデータと比較して一致があるか否かを決定するために重複チェックが実行される。データの一方または両方が重複する場合、一方の航空機が他方の一致する航空機をスプーフィングしている可能性がある。したがって、次のステップは、ユーザにアラートを発することである(ステップS114)。アラートは、任意のオーディオ/ビジュアルフォーマットであることがあり、受信したデータをさらに分析するためにユーザインタラクションが必要であることを単に推奨してもよい。
【0027】
分析に含まれてもよい次の例示的なステップは、受信したモードSアドレスと飛行IDとが互いに一致するかどうかをチェックすることである。言い換えると、ペアを形成することが予想されるかどうかを確認するデータペアリングチェックが実行される(ステップS106)。このマッチングステップは、記憶されたペアリングのデータベースとの比較によって、またはペアリングのパターンを導出するための履歴データとの比較に基づいて行うことができる。データがペアを形成しない場合、次のステップは、上述したようにユーザにアラートを発することである(ステップS114)。
【0028】
分類システムはまた、航空機の位置データを受信または導出してもよい。したがって、含まれることがある別の例示的なチェックは、航空機が認識された航空路内にあるかどうかを決定するための航空路チェックである(ステップS108)。認識される航空路は、航空当局によって公表されてもよく、またはデータ記録から以前に航空機によって取られたルートを分析することによって知られてもよい。航空機がいずれの認識された航空路内にもない場合、または飛行が高すぎるもしくは低すぎる場合、分類システム10は、上述のようにユーザにアラートを発する(ステップS114)。
【0029】
位置データはまた、航空機について記憶された履歴データに対して航空機の現在位置をチェックする現在位置チェックを実行するために使用されてもよい(ステップS110)。モードSアドレスは、履歴データを識別するために使用されてもよい。例えば、航空機が飛行している航空路を識別することができる。次いで、航空機が以前に識別された航空路を飛行したかどうかを確認するためのチェックがあってもよく、飛行していない場合、次のステップは、上述したように、ユーザにアラートを発行することである(ステップS114)。
【0030】
位置データは、ステップS112に示されるように、航空機の予想位置に関するチェックのために側方受信時間データと共に使用されてもよい。このチェックでは、航空機の現在位置の日時が履歴データと比較されて、この飛行が、航空機が以前に飛行した定期的にスケジュールされたルートの別のインスタンスである可能性が高いかどうかが決定される。したがって、時間および位置データの組合せを使用して、航空機がこの位置に到達するのに例外的に早いか遅いかを決定することができる。代替的に、履歴データを使用して、航空機が最後にどこで見られたか、および介在する報告なしに航空機が現在位置まで移動することが可能であるかどうかを決定することができる。そうでない場合、次のステップは、上述したように、ユーザにアラートを発することである(ステップS114)。
【0031】
別の例示的なステップでは、断面チェックのためにレーダーデータが使用されてもよい(ステップS113)。航空機の断面値は、レーダーデータに含まれるデータであるかもしれないレーダーデータから導出されてもよく、または代替的に、断面値は、レーダーデータにおける信号対雑音比から推測されてもよい。断面値は、航空機が大、中、小断面を有する分類であってもよく、または数値であってもよい。レーダーデータから決定された断面値は、ターゲットデータベース内の断面値と比較することができる。この比較を行うためには、報告された航空機のタイプを知る必要がある。この航空機タイプは、識別情報、例えば(ステップS102における)航空機から受信されたADB-Sデータを使用して決定されてもよい。いくつかのパラメータに基づいて予想断面値を計算するために、記憶された断面値に対する、例えば位置、向き、および他の要因の調節を行うことができる。いったん断面の期待値が計算されると、これはレーダーデータから導出された断面値と比較される。次いで、2つの値が一致する尤度を示す信頼値を決定することができる。信頼値は、履歴データを使用して機械学習アルゴリズムモジュールをトレーニングし、どの信頼値が正確な識別を与えるのに十分であるかを決定することによって(予め)決定されてもよい閾値と比較されてもよい。一般に、いくつかのタイプの航空機(例えば軍用機)は、他のタイプの航空機(例えば民間航空機)よりも著しく小さい断面を有することに留意されたい。したがって、マッチングステップは、細かく詳細である必要はない。一致がない(すなわち、航空機のレーダー断面が期待値よりも著しく小さい/大きい)場合、ステップS114に示すようにアラートを発することができる。
【0032】
上記の例示的なステップ(S104;S106;S108;S110;S112;S113)に記載されたチェックのいずれも結果としてアラート(S114)をもたらさない場合、分析された軌道は「中立」として分類されることができ、方法は、次の信号の分析のためにステップS100に戻る前に、受信される次のデータを待つことに進む(S116)。中立分類は、航空機が認識されており、異常な挙動を示さないことを示す。そのような分類は、例えば、ユーザインタフェース上でユーザに表示される軌道の色を変更することによって、ユーザに表示されてもよい。他の分類は、保留(例えば、軌道がまだ分類されていない場合)、または未知(例えば、所定の制限時間内に、またはプロセスにおける故障により、軌道を識別することができない場合)を含んでいてもよい。保留中または未知である軌道は、例えば上記のアラートを用いてユーザにフラグを立てられてもよい。システムはまた、ユーザが分類を変更し、したがってシステムの決定をオーバーライドすることを可能にするユーザインターフェースを含んでいてもよい。次に、方法はループして最初に戻る(S100-図2a)。上にリストアップしたチェック/ステップの全てを実行する必要はないことが理解されるであろう。さらに、チェックは、上にリストアップした順序とは異なる順序で実行されてもよい。
【0033】
方法が、ステップS102において、モードSアドレスおよび/または飛行IDデータのうちの少なくとも1つが欠落していると決定した場合、方法は図2bに進むことができる。ステップS202において、代替分類経路は、モードSアドレスのみが存在するかどうかを決定する。ステップS202においてモードSアドレスがそれ自体に存在しない場合、方法は、図2cに示すプロセスに進むことができる。しかしながら、ステップS202においてモードSアドレスのみが存在する場合、データは次のように分析されることができる。この場合も、ステップの順序を変更することができ、ステップを同時に行うことができ、またはステップを省略することができる。
【0034】
分析における第1の例示的ステップ(S204)では、受信したモードSアドレスが分類システムによって既に受信されているかどうかが決定される。すなわち、受信データと全ての現在のデータとを比較して一致するか否かを決定する重複チェックを行う。このステップは、図2aのステップS104と同様である。モードSアドレスが別の航空機によって重複される場合、次のステップは、ユーザにアラートを発することである(ステップS114)。アラートを発するステップは、図2aに関連して上述したものと同じであり、したがって同じ参照番号が使用される。
【0035】
図2aに関連して説明したように、航空機の位置データを使用して、航空機が認識された航空路内にあるかどうかを決定し(ステップS108)、および/または航空機について記憶された履歴データに対して航空機の現在位置をチェックし(ステップS110)、および/またはこの飛行が、航空機が以前に飛行した定期的にスケジュールされたルートの別のインスタンスである可能性が高いかどうかを決定する(ステップS112)ことができる。同様に、図示されていないが、航空機のタイプを識別するのに十分な情報がある場合には、レーダー断面チェックに関するステップS113を実行することもできる。これらのステップは、図2aに関連して上述したものと同じであり、したがって同じ参照番号が使用される。上述のチェックのいずれもアラートを促さない場合、分析された軌道は中立として分類することができ、方法は、図2aに示される第1のステップ(S100)に戻る前に、次のデータが受信されるまで単に待機することができる(ステップS116)。
【0036】
図2cは、ステップS302において決定されるように、飛行IDのみが存在するときの代替分類経路を示す。飛行IDが存在しない場合、方法は、図2dに示すステップに進むことができる。しかしながら、飛行IDが存在する場合、データは次のように分析されることができる。この場合も、ステップの順序を変更することができ、ステップを同時に行うことができ、またはステップを省略することができる。
【0037】
分析における例示的な第1のステップでは、飛行IDが分類システムにおいて既に受信されているかどうかが決定される(ステップS304)。言い換えると、受信データと全ての現在のデータとを比較して一致するか否かを決定する重複チェックを行う。このステップは、図2aのステップS104および図2bのS204と同様である。飛行IDが他の航空機によって(所定時間期間内に、または同時に)重複される場合、次のステップは、ユーザにアラートを発することである(ステップS114)。アラートを発するステップは、図2aに関連して上述したものと同じであり、したがって同じ参照番号が使用される。
【0038】
図2aおよび図2bに関連して説明したように、航空機の位置データを使用して、航空機が認識された航空路内にあるかどうかを決定し(ステップS108)、および/または航空機について記憶されている履歴データに対して航空機の現在位置をチェックし(ステップS110)、および/またはこの飛行が、航空機が以前に飛行した定期的にスケジュールされたルートの別のインスタンスである可能性が高いかどうかを決定する(ステップS112)ことができる。同様に、図示されていないが、航空機のタイプを識別するのに十分な情報がある場合には、レーダー断面チェックに関するステップS113を実行することもできる。これらのステップは、図2aに関連して上述したものと同じであり、したがって同じ参照番号が使用される。上述のチェックのいずれもアラートを促さない場合、分析された軌道は中立として分類することができ、方法は次のデータが受信されるまで単に待機することができる(ステップS116)。次いで、方法は、図2aに示される第1のステップ(S100)にループバックする。
【0039】
図2dは、ステップS402において決定されるように、飛行IDもモードSアドレスも受信信号に存在しないときの代替分類経路を示す。正しい分類経路を選択するために、ステップS102、S202、S302およびS402のそれぞれを同時に実行できることが理解されるであろう。飛行IDもモードSアドレスも存在しない場合、上述した履歴データとの比較を行うことはできない。しかしながら、位置データは以下のように分析することができる。この場合も、ステップの順序を変更することができ、ステップを同時に行うことができ、またはステップを省略することができる。
【0040】
図2aから図2cに関連して説明したように、航空機の位置データを使用して、航空機が認識された航空路内にあるかどうかを決定することができ(ステップS108)、そうでない場合、アラートを出力することができる(ステップS114)。これらのステップは、図2aに関連して上述したものと同じであり、したがって同じ参照番号が使用される。
【0041】
図2aから図2cの分類経路とは異なり、航空機の履歴情報を識別するためのモードSアドレスまたは飛行IDは存在しない。したがって、次のステップは、航空機の日時および位置情報に基づいて、航空機が、最も辿りそうな高いルートを選択することである(ステップS404)。選択は、航空機飛行パターンからの履歴データについて訓練された学習済みモデルに基づくことができる。モデルは、予想軌道を、大円経路からの偏差または巡航高度における広がりなどの予想軌道からの共通偏差とともに含むことができる。ステップS410において、航空機がありそうなルート上にあるかどうか調べるためのチェックが行われる。また、ありそうなルートについての履歴データに対して航空機の現在位置および時刻の、ステップS412に示されるチェックがあり、航空機がこのルートを辿る場合に予想される場所にあるかどうかが決定される。
【0042】
上述のチェックのいずれもアラートを促さない場合(S114)、分析された軌道は中立として分類され、方法は、次のデータが受信されるまで単に待機することができる(ステップS116)。次いで、方法は、図2aに示される第1のステップ(S100)にループバックする。そうでない場合は、上述したようにアラートを出力する(ステップS114)。
【0043】
図3は、図2aから図2dに示される方法を実現するために使用されてもよいコンポーネントを示す分類システム10の概略ブロックダイヤグラムである。分類システムは、中央モジュール32と通信する民間航空分類器モジュール30を備えることができる。中央モジュール32はまた、戦闘管理システム(「CMS」)34、予測モジュール(「予見」ソフトウェアモジュールなど)36、状態監視モジュール38、およびシミュレーションツールモジュール40のそれぞれと通信する。さまざまなモジュールの機能性は、より少ないモジュールに組み合わされてもよく、またはより多くのモジュールに分離されてもよいことが理解されるであろう。同様に、情報の図示された流れおよび情報の要求は、単に示しているにすぎない。
【0044】
民間航空分類器モジュール30は、中央モジュール32からのAPI要求によって起動されてもよい。上で詳細に説明したように、民間航空分類器モジュール30は、重複性チェック、データペアリングチェック、航空路チェック、および現在位置チェックのうちの1つ以上を含む一連のチェック、またはありそうな予想ルート上に航空機があるかどうかをテストするなどの他のテストを実現することができる。これらのチェックまたはテストのいずれかが失敗した場合、アラートが発せられ、中央モジュール32に送られる。アラートを発することに加えて、以下でより詳細に説明するように、民間航空分類器モジュール30を使用して航空機を識別することができ、この識別も中央モジュール32に送られる。
【0045】
民間航空分類器モジュール30は、航空機を識別し、および/またはアラートを発することができる情報を必要とする。例えば、民間航空分類器モジュール30は、システム追跡およびレーダーデータを要求することができる。この例では、要求は中央モジュール32を通してルーティングされる。要求されたレーダーデータは、デカルト形式、すなわち航空機のX、Y、およびZ位置および/またはレーダー断面の形態の位置データを含むことができる。要求されたレーダーデータは、予測モジュール36(例えば、予見モジュール)から要求されてもよい予測レーダー性能データを含んでいてもよい。要求されたレーダーデータはまた、または代替的に、この例では状態監視モジュール38から要求される実際のレーダー性能データを含んでいてもよい。レーダー性能データは、そのモードおよび条件に関してレーダーの任意の最大範囲を示すことができる。分類器モジュール30は、移動する船舶、例えば船上にそれ自体が配置されてもよく、船舶に関する情報を捕捉するための、例えば緯度、経度および機首方位などの位置データも存在してもよい。システム軌道情報は、戦闘管理システム(CMS)34から要求されてもよい。
【0046】
民間航空分類器モジュール30は、レーダーデータから導出された断面をデータベース内の断面と比較するために、中央モジュール32を介して関心のある軌道を断面分類器モジュール33に送ることができる。断面分類器モジュール33は、ターゲットデータベース43から同じタイプの航空機についての記憶された断面値を要求する。ターゲットデータベース43は、例えばジャンボジェット、小型乗客ジェット、プライベートジェット、軍用航空機などの航空機のタイプの一般名に対して、または例えばボーイング747などの航空機のタイプの特定名に対して記憶された断面値を含むルックアップデータベースであってもよい。断面分類器モジュール33は、受信した記憶された断面値を調節して、いくつかのパラメータ、例えば、照射レーダーの方向、レーダー送信機の周波数、航空機の材料、航空機の幾何学的形状および外部特徴に基づいて予想断面値を計算することができる。断面分類器は、記憶された断面値を調節して実世界測定値の物理的条件に一致させるモデルを構築するために履歴データを使用して訓練された機械学習アルゴリズムモジュールを備えることができる。いったん断面の期待値が計算されると、これはレーダーデータからの断面値と比較される。次いで、2つの値が一致する尤度を示す信頼値を決定することができる。一致しない場合、アラートを発することができる。
【0047】
民間航空分類器モジュール30はまた、シミュレーションツール40と併せて合成軌道を作成するために使用されてもよい。この構成では、シミュレーションツール40は、API要求を中央モジュール32に発することによって合成軌道の作成を起動し、これは民間空気分類器モジュール30にルーティングされる。合成軌道は、民間航空分類器モジュール30によって受信された履歴データを使用して作成することができる。シミュレーションツールを使用して、ユーザが検討中の時間および領域を表す作成された合成軌道を視覚化することができる。例えば、トリガAPI要求は、特定の時点または時間内の一定期間にわたる軌道に対するものであってもよい。要求は、単一の軌道または複数の軌道を指定することができる。
【0048】
中央モジュール32は、様々なモジュールからのすべてのデータを一緒にして、戦闘管理システム(CMS)34に送られる融合データを作成する。アラートはまた、中央モジュール32から戦闘管理システム(CMS)34に(ALMASアラート管理システムを介して)転送される。
【0049】
中央モジュール32はまた、軌道の分類が行われるたびに(また、アラートが発されるか、または軌道が分類されるときにも)ログ記録または記録するために使用されることができる内部性能監視モジュールを備えてもよい。航空機軌道の正確な識別のための閾値は、0から100%の任意の適切な値に設定することができ、典型的な信頼閾値は90%または95%であってもよい。内部性能監視モジュールを使用して、入力データまたは出力データが破損しているかどうかをチェックし、それに応じてユーザに警告することもできる。内部性能監視モジュールはまた、システムが同じまたは同様のデータを示す場合、システムからの出力が同じまたは同様であることをチェックするために使用されてもよく、すなわち、システムは、データが繰り返される場合、同じ航空機に同じ識別を割り当てる。内部性能監視モジュールはまた、システムがいかに迅速に軌道を識別しているかをチェックするために使用されることができる。例えば、新しい軌道を識別するための許容可能な閾値は、最初の検出から数秒で設定されることができる。言い換えれば、識別の速度は、十分な計算能力があることに依存して、少なくとも新しい軌道が受信されるのと同じ速さであってもよい。軌道がこのシステム内で割り当てられていない場合、その軌道に対してアラートが発されてもよく、または内部性能監視モジュールが、システムが適切に機能していないことをフラグを立ててもよい。
【0050】
ここで説明される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかは、専用の特殊目的ハードウェアを使用して、部分的にまたは全体的に構築されてもよい。ここで使用される「コンポーネント」、「モジュール」、または「ユニット」などの用語は、あるタスクを実行するか、または関係付けられた機能を提供する、ディスクリートまたは集積コンポーネントの形態の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェアデバイスを含んでいてもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、説明された要素は、有形の、永続的な、アドレス可能な記憶媒体上に存在するように構成されてもよく、1つ以上のプロセッサ上で実行するように構成されてもよい。これらの機能的要素は、いくつかの実施形態では、例として、ソフトウェアコンポーネント、オブジェクト指向ソフトウェアコンポーネント、クラスコンポーネントおよびタスクコンポーネントなどのコンポーネント、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含んでいてもよい。例示的な実施形態は、ここで論じられるコンポーネント、モジュール、およびユニットを参照して説明されたが、そのような機能要素は、より少ない要素に組み合わされてもよく、または追加の要素に分離されてもよい。
【0051】
いくつかの好ましい実施形態が示され、説明されているが、さまざまな変更や修正が、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが、当業者によって認識される。
【0052】
本願に関連した本明細書と同時に、または、それ以前に提出された、本明細書とともに公衆の閲覧に公開されるすべての文献や文書に注意が向けられ、そのような文献や文書のすべての内容が、参照によってここに組み込まれている。
【0053】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および、図面を含む)に開示された特徴のすべて、および/または、このように開示された任意の方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および/またはステップのうちの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。
【0054】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および、図面を含む)に開示された各特徴は、そうではないと明示的に述べられない限り、同じ、均等な、または、類似する目的に役立つ代替の特徴によって置き換えられてもよい。したがって、そうではないと明示的に述べられない限り、開示された各特徴は、均等物または類似した特徴の共通の一連のもののうちの1つの例にすぎない。
【0055】
本発明は、前述の実施形態の細部に制限されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および、図面を含む)に開示された特徴の、任意の新規の1つ、もしくは、任意の新規の組み合わせに、または、このように開示された任意の方法もしくはプロセスのステップの、任意の新規の1つ、もしくは、任意の新規の組み合わせに及ぶ。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
【国際調査報告】