(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間、より詳細には工具、ネットワーク対応モジュール及びネットワーク対応モジュールを有する工具との間でデータを交換するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20220406BHJP
H04W 80/06 20090101ALI20220406BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220406BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20220406BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20220406BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H04W80/06
H04W84/12
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021550316
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2020054678
(87)【国際公開番号】W WO2020173837
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】102019105099.5
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521380708
【氏名又は名称】スタビレー エドゥアルト ヴィレ ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】デビッド シュフーネン
(72)【発明者】
【氏名】ティモ シュミット
【テーマコード(参考)】
3C100
5K067
【Fターム(参考)】
3C100AA27
3C100AA59
3C100BB13
3C100BB19
3C100CC02
3C100CC03
3C100CC14
3C100CC16
5K067AA14
5K067BB21
5K067DD51
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE35
(57)【要約】
制御又は評価装置10と、工具13、試験設備、較正設備又は自動識別用機器などのデータ生成デバイス11との間でデータを交換するシステム100が提案され、システム100は、制御又は評価装置10と、データ生成デバイス11に接続可能な又は接続された少なくとも1つのネットワーク対応モジュール15とを備え、制御又は評価装置10及びネットワーク対応モジュール15は無線データリンク18を介してデータを交換するように設計され、第1の動作モードにおいて、制御又は評価装置10とデータ生成デバイス11との間でデータを交換するために提供された通信プロトコルが無線データリンク18を介してトンネリングされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御又は評価装置と、工具、試験設備、較正設備又は自動識別用機器などのデータ生成デバイスとの間でデータを交換するシステムであって、
制御又は評価装置と、データ生成デバイスに接続可能な又は接続された少なくとも1つのネットワーク対応モジュールとを備え、
前記制御又は評価装置及び前記ネットワーク対応モジュールは無線データリンクを介してデータを交換するように設計され、
第1の動作モードにおいて、前記制御又は評価装置と前記データ生成デバイスとの間でデータを交換するために提供された通信プロトコルが前記無線データリンクを介してトンネリングされることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記データ生成デバイスは、トルクレンチ、トルクスクリュードライバ、試験設備又は較正設備であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記無線データリンクはインターネットプロトコル(TCP/IP)を使用すること、及び/又は、前記ネットワーク対応モジュールはUSB接続を介して前記データ生成デバイスに接続可能であり、又は接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
第2の動作モードにおいて、前記ネットワーク対応モジュールは、ホットスポット、特にWLANホットスポットを生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの更なるデバイス、特に更なるネットワーク対応モジュール、モバイル端末又はコンピューティングユニット、特にラップトップが、前記ホットスポットを介して前記システムに統合可能であり、又は統合されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ネットワーク対応モジュールは、固有のアドレス、特に固有のIPアドレスが、静的又は動的に、好ましくはDHCPを介して割り当てられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記データ生成デバイスは前記無線データリンクを介してインターネットに接続され、及び/又は、前記データ生成デバイスは前記無線データリンクを介してモノのインターネットに接続され、好ましくは、前記ネットワーク対応モジュールは前記モノのインターネットに関して前記データ生成デバイスを識別することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御又は評価装置はクライアントソフトウェアを実行するように設計されること、及び/又は、前記制御又は評価装置は前記無線データリンクを介して接続されたネットワーク対応モジュールを認識するように設計されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のシステムのためのネットワーク対応モジュール。
【請求項10】
前記モジュールは、プリント回路基板を備え、少なくとも1つのCPU、1つのWLANチップ及び1つのWLANアンテナが前記プリント回路基板上に配置されたことを特徴とする請求項9に記載のネットワーク対応モジュール。
【請求項11】
前記プリント回路基板は、USBインターフェースを備えることを特徴とする請求項10に記載のネットワーク対応モジュール。
【請求項12】
前記モジュールは、エネルギーストレージ、特にバッテリ若しくは蓄電池、又は外部電源への特にデータ生成デバイスによる接続若しくは電源ユニットへの接続を有することを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載のネットワーク対応モジュール。
【請求項13】
前記モジュールはオンするためのスイッチを有すること、及び/又は、前記モジュールは該モジュールに接続されたデータ生成デバイスによってトリガされることを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載のネットワーク対応モジュール。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか一項に記載のネットワーク対応モジュールを有する工具。
【請求項15】
制御又は評価装置と、工具、試験設備、較正設備又は自動識別用機器などのデータ生成デバイスとの間でデータを交換する方法であって、
少なくとも1つのネットワーク対応モジュールがデータ生成デバイスに接続され、
前記ネットワーク対応モジュールと制御又は評価装置との間に無線データリンクが確立され、
第1の動作モードにおいて、前記制御又は評価装置と前記データ生成デバイスとの間の通信のために提供された通信プロトコルが前記無線データリンクを介してトンネリングされることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御及び評価装置と、工具、試験設備、較正設備又は自動識別用機器などのデータ生成デバイスとの間でデータを交換するシステムに関し、システムは、制御又は評価装置、及びデータ生成デバイスに接続可能な又は接続された少なくとも1つのネットワーク対応モジュールを備える。本発明は、さらに、ネットワーク対応モジュール、ネットワーク対応モジュールを有する工具、及び制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間でデータを交換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工具、特にトルクレンチ、トルクスクリュードライバ、試験又は較正設備、さらにはRFID読取りステーション又はバーコードスキャナなどのデータ生成デバイスは、独自かつ個々のプロトコル構造又は通信プロトコルを介して有線で工業的環境における制御又は評価装置と通信することが多い。
【0003】
特許文献1は無線電力工具を開示し、その無線電力工具は、データ、パラメータなどを電力工具と上位制御部との間で送信する無線送信装置を備える。送信装置は、電力工具に取外し可能に配置されたモジュールアダプタ及び交換可能な無線モジュールを有する。モジュールアダプタは、種々の交換可能な無線モジュールを配置するのに使用される。無線モジュールは、WLANモジュールであり得る。
【0004】
特許文献2から、冗長通信リンクがコントローラによって確立可能となるように、2つの独立した無線モジュールを用いる工業的な電気駆動工具が知られている。データインターフェースによって、工具は、アクセスポイントを用いて遠隔で制御可能となる。
【0005】
特許文献3は、アセンブリ設備のためのディスプレイをグラフィック形態で有する工具システムを開示する。ここで、工具システム及びディスプレイ装置は、インターネットを介して相互に接続される。
【0006】
日常の作業における柔軟性を高めるため、その目的は、リアルタイム通信の程度までに無線データ交換を増強することである。この関係において、サブGHz範囲の無線規格が使用されることが多い。これらの無線規格について、既存の通信プロトコルは、通常は新たなプロトコルレイヤに適合されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1902817号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102011108963号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第3115860号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の根底にある課題は、制御又は評価装置と、工具、試験設備、較正設備又は自動識別用機器などのデータ生成デバイスとの間でデータを交換するシステムであって、それにより、適合の労力を要することなくデータ生成デバイスが標準化無線トポロジに統合可能となるシステムを提供することである。またさらに、上記効果を奏する、ネットワーク対応モジュール、ネットワーク対応モジュールを有する工具、及び制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間でデータを交換する方法を提供することも本発明の課題である。
【0009】
本発明の根底にある課題を達成するために、制御又は評価装置と、工具、試験設備、較正設備又は自動識別用機器などのデータ生成デバイスとの間でデータを交換するシステムが提案され、システムは、制御又は評価装置、及びデータ生成デバイスに接続可能な又は接続された少なくとも1つのネットワーク対応モジュールを備え、制御又は評価装置及びネットワーク対応モジュールは無線データリンクを介してデータを交換するように設計され、第1の動作モードにおいて、制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間でデータを交換するために提供された通信プロトコルが無線データリンクを介してトンネリングされる。
【0010】
データ生成デバイスは、工具、試験設備、較正設備又は自動識別用機器として設計され得る。また、データ生成デバイスは、RFID読取りステーション又はバーコードスキャナであってもよい。さらに、データ生成デバイスは、工具などのモバイルデバイス又は試験機器若しくは試験設備などの固定デバイスであり得る。
【0011】
制御又は評価装置は、コンピューティングユニット、例えば、パーソナルコンピュータであってもよいし、あるいは、好適にデータ生成デバイスからのデータを受信及び評価し又は制御コマンド若しくは他のデータをデータ生成デバイスに送信する、構成された制御又は評価システムであってもよい。
【0012】
ネットワーク対応モジュール及び制御又は評価装置は、無線データリンクを介してデータを交換するように設計される。その際に、制御又は評価装置及びネットワーク対応モジュールは、既存の無線データリンクを使用し、又は無線データリンクを確立することができる。データ伝送は、伝送経路全体にわたって無線でなくてもよい。したがって、ネットワーク対応モジュールは無線データリンクを介して第1の送受信デバイスに接続されることも可能であり、第1の送受信デバイスは無線又は有線インターネット接続を有することにより、伝送経路の一部がインターネットを介して有線で行われてもよい。さらに、インターネットに接続された第2の送受信デバイスが設けられてもよく、それは制御又は評価装置に更なる無線データリンクを介して接続される。
【0013】
ネットワーク対応モジュールは、制御又は評価装置からデータ生成デバイスにデータを転送し、又はデータ生成デバイスからデータを受信してそれを制御又は評価装置に無線データ接続を介して転送するために、無線又は有線データリンクを介してデータ生成デバイスにさらに接続され得る。
【0014】
本発明によるデータ交換システムの本質的特徴は、第1の動作モードにおいて、制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間でデータを交換するために提供された通信プロトコルが無線データリンクを介してトンネリングされることにある。
【0015】
ネットワークにおいて、トンネリングとは、トランスポートのための他の通信プロトコルに組み込まれた通信プロトコルの伝送をいう。制御又は評価装置及びデータ生成デバイスは、データ交換のために提供される特定の、必要であれば独自の通信プロトコルを好適に使用する。従来技術では、この提供された通信プロトコルは、データ生成デバイスと制御及び評価装置との間のデータ伝送に使用されるネットワークプロトコルに適合されなければならなかった。
【0016】
一方、本発明によると、データ生成デバイスと制御又は評価装置との間に提供される通信プロトコルは、交換されるデータをネットワークプロトコルに適合させることを要さずに、データ通信に使用されるネットワークプロトコルに、特に、無線データリンクに使用されるネットワークプロトコルに組み込まれる。
【0017】
言い換えると、データ生成デバイスと制御及び評価装置とは、当初から提供されている通信プロトコルを用いて無線データリンクのアップストリーム及びダウンストリームを通信する。したがって、データ生成デバイス及び制御又は評価装置は、無線データリンクのために使用されるネットワークプロトコルから切り離される。したがって、従来技術で知られるものとは異なり、既に実施及び提供されている通信プロトコル、例えば、USBプロトコルをそのまま採用することができる。
【0018】
トンネリング方式を用いることによって、リアルタイム通信の範囲内であっても、日常の作業の柔軟性を高めるとともにデータ交換のための適合の労力を簡略化する効果がもたらされる。
【0019】
提供された通信プロトコルを無線データリンクを介してトンネリングすることによって、本発明によるシステムは、いわゆる「プラグアンドユース」ソリューションを提供し、それにより、データ生成デバイスと制御又は評価装置との間の無線通信が通信プロトコルの複雑な適合なしに行われ得る。
【0020】
好ましくは、データ生成デバイスは、トルクレンチ、トルクスクリュードライバ、試験設備、特に、試験機器、又は較正設備、特に、較正装置若しくは較正機器である。
【0021】
したがって、システムは、工業的環境において使用される工具とともに特に有利に使用可能である。特に、データ生成デバイスがトルクレンチ又はトルクスクリュードライバとして構成される場合、通常は多数のそのような工具が同時に使用されるので、それにより、提供されるプラグアンドユースソリューションは、特に積極的な態様で柔軟性及びワークフローを向上することになり、システムは有利な効果を与える。
【0022】
ネットワーク対応モジュールは、データ生成デバイスに接続され又は接続可能であるので、特に別個のモジュールとして設計可能となる。したがって、これにより、更なるネットワーク対応モジュールを用いて、更なる又はより多くのデータ生成デバイスが容易に統合可能なモジュール式システムがもたらされる。
【0023】
特定の効果とともに、無線データリンクはインターネットプロトコル(TCP/IP)を使用すること、及び/又は、ネットワーク対応モジュールはUSB接続を介してデータ生成デバイスに接続可能であり又は接続されていることが規定される。
【0024】
したがって、制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間でデータを交換するために提供された通信プロトコルは、特にインターネットプロトコルを介してトンネリングされる。これは、特定の効果とともに、少なくとも部分的にインターネットを介して行われるデータ交換を容易化する。ネットワーク対応モジュールをデータ生成デバイスにUSB接続によって接続することによって、特に高度な柔軟性が与えられる。さらに、特定の効果とともに、USBプロトコルがインターネットプロトコルを介してトンネリングされる。
【0025】
またさらに、好ましくは、第2の動作モードにおいて、ネットワーク対応モジュールは、ホットスポット、特に、WLANホットスポットを生成することが規定され得る。
【0026】
ネットワーク対応モジュールによる第2の動作モードにおけるホットスポットの提供によって、ノートブック又はラップトップなどの更なるデバイスをシステムに統合することが可能となる。ネットワーク対応モジュールは、第2の動作モードにおいてアクセスポイント機能を実行する。
【0027】
好ましくは、したがって、更なるデバイス、特に更なるネットワーク対応モジュール、モバイル端末又はコンピューティングユニット、特にノートブック若しくはラップトップがホットスポットを介してシステムに統合可能であり、又は統合されていることが規定され得る。
【0028】
したがって、更なるネットワーク対応モジュールは、制御又は評価ユニットとデータを交換するためにネットワーク対応モジュールを介してシステムに統合され得る。さらに、ネットワーク対応モジュールからモバイル端末、例えば、タブレット、又はコンピューティングユニット、特にラップトップ若しくはノートブックのような更なるデバイスへの直接の接続も、提供され得る。
【0029】
更に有利なことに、ネットワーク対応モジュールは固有のアドレス、特に固有のIPアドレスに、静的又は動的に、好ましくはDHCPを介して割り当てられることが規定される。
【0030】
したがって、モジュールは、好適に固定ネットワークの一部となり、固有のアドレスが割り振られ、そこから起動可能となる。
【0031】
好ましくは、データ生成デバイスは無線データリンク及び適用可能であれば送受信ユニットを介してインターネットに接続されること、並びに/又は、データ生成デバイスは無線データリンクを介して「モノのインターネット(IoT)」に接続されることが規定され、モノのインターネットに関してネットワーク対応モジュールがデータ生成デバイスを識別することが好ましい。
【0032】
インターネットへの接続は、システムに分散型構造を与える。特に、データ生成デバイス及び制御又は評価デバイスは、空間的に相互に離間して配置され得る。
【0033】
システムに統合されたデータ生成デバイスは、USBハブ又はスマートハブとして作用し、更なる端末デバイス又はデータ生成デバイスを接続するために好適に設計されることが規定される。
【0034】
さらに、制御若しくは評価装置はクライアントソフトウェアを実行するように設計されること、及び/又は、制御若しくは評価装置は無線データリンクを介して接続されたネットワーク対応モジュールを認識するように設計されることが規定され得る。
【0035】
特に、クライアントソフトウェアは、無線データリンクのネットワークプロトコル、特にインターネットプロトコルを介して、所与の通信プロトコルをトンネリングするために制御又は評価装置に提供され得る。クライアントソフトウェアは、所与の通信プロトコルをネットワークプロトコル、例えば、インターネットプロトコルのデータパケットに圧縮し、及びそれらを解凍するように好適に設計される。
【0036】
さらに、制御又は評価装置は、無線データリンクを介して接続されたネットワーク対応モジュールを自動的に認識するように設計される。
【0037】
本発明の根底にある課題に対する更なる解決手段は、上述のシステムにネットワーク対応モジュールを提供することである。
【0038】
ネットワーク対応モジュールは、前述したシステムの構成によって設計可能であり、システムによって実行される機能を実行するために提供される特徴を有し得る。
【0039】
好ましくは、ネットワーク対応モジュールはプリント回路基板を備え、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)、1つのWLANチップ及び1つのWLANアンテナがプリント回路基板上に配置される。
【0040】
CPU、WLANチップ及びWLANアンテナを回路基板上に集積することによって、部品が最小限のスペースに配置されるので、ネットワーク対応モジュールは特に小型設計となり得る。
【0041】
より好ましくは、プリント回路基板は、USBインターフェース及び好ましくはFTDIチップを備えることが規定される。FTDIチップは、USBを介してシリアルインターフェースを利用可能とするインターフェースチップである。
【0042】
データ生成デバイスは、選択的にFTDIチップを用いて、USBポートを介してネットワーク対応モジュールに接続可能であり、それにより、データ生成デバイスからのデータが無線データリンクを介してトンネリングされて制御又は評価装置に伝送され得る。
【0043】
更に有利なことに、モジュールはエネルギーストレージ、特にバッテリ若しくは蓄電池、又は、特にデータ生成デバイスによる外部エネルギー供給源への接続若しくは電源ユニットへの接続を有することが規定され得る。
【0044】
したがって、ネットワーク対応モジュールに対する電源は、集積エネルギーストレージデバイス又は外部電源のいずれかによって供給され得る。外部電源の場合、電力は、例えば、USB接続を介してデータ生成デバイスによって供給され得る。あるいは、ネットワーク対応モジュールが電源ユニットを介して電源に接続されることが可能である。
【0045】
好ましくは、オンするためのスイッチをモジュールが有すること、又はモジュールに接続されたデータ生成デバイスにモジュールがトリガされることが規定され得る。
【0046】
特に、モジュールは、データ生成デバイス、特に工具がオンされると、モジュールもデータ生成デバイスにトリガされることによってオンされるように設計され得る。この場合、ネットワーク対応モジュールは、データ生成デバイスとは独立してオンされる必要はない。
【0047】
データを交換する前述のシステムは、前述のネットワーク対応モジュールを含み得る。
【0048】
本発明の根底にある問題に対する更なる解決手段は、前述のネットワーク対応モジュールを有する工具を提供することである。
【0049】
本発明の根底にある課題に対するさらに他の解決手段は、制御又は評価装置と、工具、試験設備、較正設備又は自動識別用機器などのデータ生成デバイスとの間でデータを交換するための方法を提供することであり、少なくとも1つのネットワーク対応モジュールがデータ生成デバイスに接続され、無線データリンクがネットワーク対応モジュールと制御又は評価装置との間に確立され、さらに、第1の動作モードにおいて、制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間の通信のために提供された通信プロトコルが無線データリンクを介してトンネリングされることにある。
【0050】
本方法は、特にデータ交換に前述のシステムを用いて適用可能である。前述のシステム、ネットワーク対応モジュール及び工具について説明した効果、特徴及び構成は、本発明による方法にも同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】従来技術の制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間でデータを交換するシステムを示す。
【
図2】本発明による、制御又は評価装置とデータ生成デバイスとの間でデータを交換するシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明を、図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、制御又は評価装置210とデータ生成デバイス211との間でデータを交換する周知のシステム200を示す。データ生成デバイス211は、ケーブル212を介して制御又は評価装置210に接続される。周知のシステム200では、制御又は評価装置210とデータ生成デバイス211との間でデータを交換するために提供された通信プロトコルは、ケーブル212を介してデータを伝送するために提供されたネットワークプロトコルに変換されなければならない。
【0053】
図2は、制御又は評価装置10とデータ生成デバイス11との間でデータを交換するシステム100を示す。制御又は評価装置10は、クライアントソフトウェアが実行されるパーソナルコンピュータ12として設計される。データ生成デバイス11は、工具13、特にトルクレンチ14として設計される。ネットワーク対応モジュール15はケーブル接続16を介してデータ生成デバイス11に接続され、ケーブル接続16はUSB接続17として構成され得る。ネットワーク対応モジュール15及び制御又は評価装置10は無線データリンク18を確立するように設計され、無線データリンク18はWLAN接続19として設計される。ネットワーク対応モジュール15は、データ生成デバイス11からデータを受信し、それをパーソナルコンピュータ12として設計された制御又は評価装置10にWLAN接続19を介して送信する。同様に、例えば、制御コマンドは、制御又は評価装置10からデータ生成デバイス11にWLAN接続19を介して送信される。この場合、無線データリンク18は、データ生成デバイス11と制御又は評価装置との間の伝送経路全体には提供されない。伝送経路の一部は、ネットワーク20を介してもよいし、又はインターネット21若しくはクラウドサービス22を介してもよい。送受信デバイス23は、無線データリンク18からネットワークへの中継のために提供され得る。
【0054】
無線データリンク18又はWLAN接続19は、インターネットプロトコルを使用する。これは、伝送されるデータパケットが、伝送経路の一部に対する更なる変換の労力なしに、インターネット21を介して伝送可能となるという利点を有する。さらに、データ生成デバイス11と制御又は評価装置10との間のデータ交換について、この目的のために提供された(独自なものであっても良い)通信プロトコルが使用される。通信プロトコルはインターネットプロトコルを介してトンネリングされるので、通信プロトコルはインターネットプロトコルに変換される必要はない。言い換えると、通信プロトコルを用いて伝送されるデータは、その通信プロトコルとともにインターネットプロトコルに組み込まれる。データ生成デバイス11、及び制御又は評価装置10によって実行される制御又は評価プログラムは、提供された通信プロトコルのみを取得して確認し、インターネットプロトコルの技術的特性から遮断される。
【0055】
モバイル端末24は、システム100に統合され得る。モバイル端末24は、例えば、ノートブックコンピュータ又はラップトップコンピュータ25であり得る。パーソナルコンピュータ12上で実行されるクライアントソフトウェアによって、無線データリンク18及びモバイル端末デバイス24を介してシステム100に統合されたネットワーク対応モジュール15が認識可能となり、システム100内でのデータの交換が制御可能となる。さらに、データ生成デバイス11、工具13及び/又はモバイル端末24は、「モノのインターネット」に接続され得る。
【0056】
ネットワーク対応モジュール15は、CPU27、WLANチップ28及びWLANアンテナ29が配置されたプリント回路基板26を備える。
【0057】
ネットワーク対応モジュール15は、ケーブル接続16を介してデータ生成デバイス11に接続され、データ生成デバイス11によって給電される。ネットワーク対応モジュール15をオンするために、データ生成デバイス11によってトリガされる。代替的に又は追加的に、ネットワーク対応モジュール15をオンするためにスイッチ30が設けられてもよい。さらに、FTDIチップ31が、ネットワーク対応モジュール15のプリント回路基板26上に配置されてもよい。代替的に又は追加的に、バッテリ32がプリント回路基板上に配置されてもよい。
【0058】
さらに、ネットワーク対応モジュール15は、それを介して更なるモバイル端末デバイスがシステム100に統合可能となるWLANホットスポットを生成することができる。
【符号の説明】
【0059】
100 システム
10 制御又は評価装置
11 データ生成デバイス
12 パーソナルコンピュータ
13 工具
14 トルクレンチ
15 ネットワーク対応モジュール
16 ケーブル接続
17 USB接続
18 無線データリンク
19 WLAN接続
20 ネットワーク
21 インターネット
22 クラウドサービス
23 送受信デバイス
24 モバイル端末
25 ラップトップ
26 プリント回路基板
27 CPU
28 WLANチップ
29 WLANアンテナ
30 スイッチ
31 FTDIチップ
32 バッテリ
200 システム
210 制御又は評価装置
211 データ生成デバイス
212 ケーブル
【国際調査報告】