IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セクティオ・アウレア・アーエスの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】イヤピース
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559511
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2019087158
(87)【国際公開番号】W WO2020216463
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】20190532
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(31)【優先権主張番号】19170641.5
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】1905656.3
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】16/392,597
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521438331
【氏名又は名称】セクティオ・アウレア・アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダール・サンダンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・スンドクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・ミーレ-サンドマーク
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BE03
(57)【要約】
本開示は耳(10)に対するイヤピース(32)に関する。耳(10)は、耳甲介床(26)、耳甲介側壁(28)および耳甲介天井(30)によって少なくとも部分的に区切られた耳甲介腔(22)を含む。耳甲介側壁(28)は耳甲介床(26)を耳甲介天井(30)に接続し、耳甲介天井(30)の表面は法線を有し、その少なくとも1つの成分は耳甲介床(26)の方に向けられる。イヤピース(32)は、外部スカート面(38)および内部スカート面(68)を順次含むスカート位置決め部(36)を含む周辺スカート(34)を含み、外部スカート面(38)から内部スカート面(68)への移行が、スカート縁部(40)において発生する。スカート縁部(40)はイヤピース(32)の中心軸(CA)周りで少なくとも部分的に円周方向に延び、イヤピース(32)を耳(10)に挿入する間、イヤピース(32)は中心軸(CA)に平行な方向に少なくとも部分的に耳甲介腔(22)内を使用位置まで移動するように適合される。周辺スカート(34)が影響を受けない状態にあるとき、内部スカート面(68)の少なくとも一部は、中心軸(CA)に面する。イヤピース(32)は、スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に耳甲介腔(22)内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、- 外部スカート面(38)の少なくとも一部が耳甲介天井(30)の少なくとも一部に当接し、- スカート縁部(40)が外部スカート面(38)よりも耳甲介床(26)の近くに位置しかつ、- スカート縁部(40)が耳甲介床(26)から離間される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳(10)のためのイヤピース(32)であって、前記耳(10)が耳甲介床(26)、耳甲介側壁(28)および耳甲介天井(30)によって少なくとも部分的に区切られた耳甲介腔(22)を含み、前記耳甲介側壁(28)が前記耳甲介床(26)を前記耳甲介天井(30)に接続し、前記耳甲介天井(30)の表面が法線を有し、その法線の少なくとも1つの成分が前記耳甲介床(26)の方に向けられ、
前記イヤピース(32)が、外部スカート面(38)および内部スカート面(68)を順次含むスカート位置決め部(36)を含む周辺スカート(34)を含み、前記外部スカート面(38)から前記内部スカート面(68)への移行がスカート縁部(40)において発生し、
前記スカート縁部(40)が前記イヤピース(32)の中心軸CA周りで少なくとも部分的に円周方向に延び、前記イヤピース(32)を前記耳(10)に挿入する間、前記イヤピース(32)が前記中心軸CAに平行な方向に、少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)の中に、使用位置まで移動するように適合され、
前記周辺スカート(34)が影響を受けない状態にあるとき、前記内部スカート面(68)の少なくとも一部が前記中心軸(CA)に面し、
前記イヤピース(32)は、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に前記使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、
前記外部スカート面(38)の少なくとも一部が前記耳甲介天井(30)の少なくとも一部に当接し、
前記スカート縁部(40)が前記外部スカート面(38)よりも前記耳甲介床(26)の近くに位置し、かつ、
前記スカート縁部(40)が前記耳甲介床(26)から離間される、イヤピース(32)。
【請求項2】
前記中心軸(CA)および前記中心軸(CA)に直角の放射軸(R)によって画定される平面内に見られるように、前記スカート位置決め部(36)がセグメント(37)を含み、前記セグメント(37)が、前記放射軸(R)に沿って2つの特異部位(37'、37'')の間に延び、前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、前記セグメント(37)に関連付けられた前記内部スカート面(68)および前記外部スカート面(38)の各々が、前記中心軸(CA)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)の同じ側に位置するようなものである、請求項1に記載のイヤピース(32)。
【請求項3】
前記外部スカート面(38)が、前記外部スカート面(38)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)から最も遠くに位置する外部スカート面の遠位点(39)を含み、前記内部スカート面(68)が、前記内部スカート面(68)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)から最も遠くに位置する内部スカート面の遠位点(69)を含み、前記外部スカート面の遠位点(39)が前記内部スカート面の遠位点(69)から離隔され、前記スカート位置決め部(36)の少なくとも一部が、前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、前記外部スカート面の遠位点(39)および前記内部スカート面の遠位点(69)の各々が、前記中心軸(CA)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)の同じ側に位置するようなものである、請求項1または2に記載のイヤピース(32)。
【請求項4】
前記外部スカート面の遠位点(39)から前記スカート縁部(40)まで前記中心軸(CA)に沿って測定された外面の距離(L1)が、前記内部スカート面の遠位点(69)から前記中心軸(CA)に沿って測定された内面の距離(L2)より大きい、請求項3に記載のイヤピース(32)。
【請求項5】
前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、前記内部スカート面の遠位点(69)から前記スカート縁部(40)まで前記中心軸(CA)に沿って測定された最長距離(Lmax)が1~8mmの範囲内、望ましくは2~6mmの範囲内にある、請求項3または4に記載のイヤピース(32)。
【請求項6】
前記スカート位置決め部(36)が、前記外部スカート面(38)への法線に平行な方向に見られるように前記内部スカート面(68)と前記外部スカート面(38)との間の中間に位置する中立層(35)を含み、前記スカート位置決め部(36)の少なくとも一部の前記中立層(35)は、それが、前記中心軸(CA)および前記中心軸(CA)に直角の放射軸(R)によって画定される平面内に見られるようにかつ前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるときに、第1の中立層点(41)と前記放射軸(R)に沿って距離(Lnlp)だけ離隔された第2の中立層点(45)とを含むようなものであり、前記第1および第2の中立層点(41、45)の各々を通って延びる中立層線(47)が前記中心軸(CA)に対する線角(φ)を形成し、前記線角(φ)が15~65°の範囲内にある、請求項1から5のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項7】
前記放射軸(R)に沿って見られる前記第1および第2の中立層点(41、45)の間の前記距離(Lnlp)が、前記第1および第2の中立層点(41、45)を含有するすべての前記中立層の半径方向の延長部(Lnl)の40%以上、より望ましくは80%以上である、請求項6に記載のイヤピース(32)。
【請求項8】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、前記スカート縁部(40)に沿ったあらゆる部分に対して、空隙(43)が前記スカート縁部(40)と前記耳甲介床(26)との間に形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項9】
原点が前記中心軸(CA)にあるスカート縁部レス角度セクタ(44)が、前記スカート縁部レス角度セクタが前記スカート縁部(40)を含まないようなものであり、前記スカート縁部レス角度セクタ(44)が少なくとも45°、望ましくは少なくとも90°のスカート縁部レス角度セクタの角度(α)を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項10】
前記スカート縁部レス角度セクタの角度(α)が320°以下、望ましくは270°以下、より望ましくは180°以下である、請求項9に記載のイヤピース(32)。
【請求項11】
前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、法線(n)が前記中心軸(CA)と一致する平面(P)上への前記周辺スカート(34)の投影が外部輪郭(48)を有し、前記中心軸(CA)が前記外部輪郭(48)内に位置し、前記中心軸(CA)が、前記平面(P)内で測定される前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの最大距離と最小距離との間で最小の差が取得されるように位置付けられ、前記イヤピース(32)が前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの前記平面(P)内の最大距離(Rmax)を有する最大輪郭点(50)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項12】
原点が前記中心軸(CA)内にある角度平面セクタ(52)が、前記角度平面セクタ(52)が前記周辺スカート(34)を含まずかつ/または前記中心軸(CA)から前記角度平面セクタ(52)内の前記外部輪郭(48)の各点までの距離が前記最大距離(Rmax)の85%より小さいようなものであり、前記角度平面セクタ(52)が少なくとも40°、望ましくは少なくとも90°の角度平面セクタの角度(β)を有する、請求項11に記載のイヤピース(32)。
【請求項13】
前記中心軸(CA)から前記最大輪郭点(50)まで延びる最大輪郭点の線(54)が前記角度平面セクタ(52)を画定する線(56)と最小角度(γ)を形成し、前記最小角度(γ)が0~15°の範囲内、望ましくは0~5°の範囲内にある、請求項12に記載のイヤピース(32)。
【請求項14】
前記イヤピース(32)が前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの前記平面(P)内の近位距離(Rprox)を有する近位輪郭点(58)を含み、前記最大距離(Rmax)と前記近位距離(Rprox)との間の比が1.1以上、望ましくは1.5以上である、請求項11から13のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項15】
前記外部輪郭(48)が、前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの距離が前記近位輪郭点(58)から前記最大輪郭点(50)まで徐々に、望ましくは連続的に増加するようなものである、請求項14に記載のイヤピース(32)。
【請求項16】
前記外部輪郭(48)が中間輪郭点(60)をさらに含み、前記中心軸(CA)から前記中間輪郭点(60)までの距離(Rinterim)が前記近位距離(Rprox)より大きいが前記最大距離(Rmax)より小さく、原点が前記中心軸(CA)内にありかつ前記最大輪郭点(50)、前記近位輪郭点(58)および前記中間輪郭点を含む最大の角度セグメントが少なくとも40°、望ましくは少なくとも120°、より望ましくは少なくとも180°の角度(δ)を有する、請求項14または15に記載のイヤピース(32)。
【請求項17】
前記法線(n)が前記中心軸(CA)と一致する前記平面(P)上への前記スカート縁部(40)の投影が、少なくとも前記外部輪郭(48)の一部と一致する、請求項11から16のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項18】
前記外部輪郭(48)に外接する最小円(62)が15~31mmの範囲内、望ましくは19~27mmの範囲内の直径(D)を有する、請求項11から17のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項19】
前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置を取るとき、前記中心軸(CA)に沿って見られるように、前記スカート位置決め部(36)が前記耳甲介床(26)から最も遠く離れて位置するように適合された遠位部位(64)を含み、前記スカート位置決め部(36)が前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで少なくとも部分的に延びる、請求項1から18のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項20】
前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記遠位部位(64)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項19に記載のイヤピース(32)。
【請求項21】
前記中心軸(CA)の両側に位置する前記スカート縁部(40)の2つの部分の各々が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記遠位部位(64)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項20に記載のイヤピース(32)。
【請求項22】
前記周辺スカート(34)の一部が、前記中心軸(CA)から前記一部の前記外部輪郭(48)までの前記平面内の距離が少なくとも5%だけ弾性的に低減され得るように弾性的に変形されるように適合される、請求項11から21のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項23】
前記スカート位置決め部(36)が、前記内部スカート面(68)から前記外部スカート面(38)まで延びる複数の開口(72)を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項24】
前記スカート位置決め部(36)の材料厚さ(t)が、前記外部スカート面(38)への前記法線に平行な方向に見られるように、前記内部スカート面(68)と前記外部スカート面(38)との間の距離として規定される、請求項1から23のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項25】
前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで前記スカート位置決め部(36)をたどるとき、前記スカート位置決め部(36)の最小材料厚さ(tmin)が前記スカート位置決め部(36)の最大材料厚さ(tmax)の75%より小さい、請求項19を引用する請求項24に記載のイヤピース(32)。
【請求項26】
前記最小材料厚さ(tmin)を有する部分が、前記中心軸(CA)に直角の放射軸(R)に沿って見られるように、前記遠位部位(64)から最小材料厚さ距離(rmin)に位置し、前記最小材料厚さ距離(rmin)が、前記放射軸(R)に沿って見られるように、前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)までの前記距離(rdist)の0~80%の範囲内、望ましくは0~40%の範囲内、より望ましくは0~25%の範囲内にある、請求項25に記載のイヤピース(32)。
【請求項27】
前記スカート位置決め部(36)が伸長部(70)を含み、前記伸長部(70)が、前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで前記外部スカート面(38)に沿った前記伸長部(70)の距離である伸長部の長さ(Lelong)が、前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで前記伸長部(70)をたどるときに前記伸長部(70)の平均材料厚さより大きいようなものであり、望ましくは前記伸長部の長さ(Lelong)が、前記伸長部(70)の平均材料厚さの少なくとも1.05倍、望ましくは前記伸長部の長さ(Lelong)が少なくともその1.5倍、より望ましくは前記伸長部の長さ(Lelong)が少なくともその2倍である、請求項19を引用する請求項24から26のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項28】
前記周辺スカートが、25~90の範囲内のショアAデュロメーターの値を有する弾性ポリマーの部分を含み、望ましくは前記弾性ポリマーがシリコーンまたは熱可塑性エラストマーを含む、請求項1から27のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項29】
前記スカート位置決め部(36)が複数の円周方向に離隔されたスカート位置決め部の舌(74)を含み、各スカート位置決め部の舌(74)が前記中心軸(CA)から前記スカート縁部(40)の一部を形成するスカート位置決め部の舌の縁部(76)まで、距離が増加しながら延びる、請求項1から28のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項30】
前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置を取るときに前記外部スカート面(38)の少なくとも一部が当接するように適合される前記耳甲介天井(30)が、以下の前記耳(10)の部分、すなわち対耳輪(20)、耳珠(16)および対珠(18)のうちの少なくとも1つからの天井部分を含み、望ましくは前記耳甲介天井が前記対耳輪(20)からの天井部分を含む、請求項1から29のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項31】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、
前記外部スカート面(38)の第1の部分が前記対耳輪(20)の天井部分に当接し、かつ
前記外部スカート面(38)の第2の部分が前記対珠(18)の天井部分に当接する、請求項30に記載のイヤピース(32)。
【請求項32】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に前記使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、前記イヤピース(32)の前記中心軸(CA)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)と前記耳甲介床(26)との間の最小距離が少なくとも0.5mm、望ましくは少なくとも1.0mm、より望ましくは少なくとも1.5mmである、請求項1から31のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項33】
前記スカート位置決め部(36)が、前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が前記耳甲介側壁(28)の少なくとも一部に当接し、それにより前記スカート縁部(40)が前記耳甲介床(26)に接触するのを防止するように、少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に前記使用位置を取るように適合される、請求項1から32のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項34】
前記耳甲介床(26)が、耳甲介主床面の法線(nmf)が前記耳から外に耳甲介床の法線方向に延びる耳甲介主床面(Pmf)を有し、前記耳甲介側壁(28)が前記耳甲介床の法線方向に対して30°以下の角度を形成する、請求項33に記載のイヤピース(32)。
【請求項35】
前記耳甲介側壁(28)が、前記中心軸(CA)の両側に位置する2つの耳甲介側壁部分の法線(ncsw)が互いに向けて方向付けられるようなものである、請求項33または34に記載のイヤピース(32)。
【請求項36】
前記イヤピース(32)が筐体(78)をさらに含み、前記周辺スカート(34)が少なくとも部分的に前記筐体(78)に外接する、請求項1から35のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項37】
前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記筐体(78)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項36に記載のイヤピース(32)。
【請求項38】
前記中心軸(CA)の両側に位置する前記スカート縁部(40)の2つの部分の各々が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記筐体(78)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項37に記載のイヤピース(32)。
【請求項39】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が前記耳甲介床(26)に対して、前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が前記耳甲介床(26)に接触する位置まで移動するのを防止するように適合された移動防止部材(80; 86)をさらに含む、請求項1から38のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項40】
前記筐体(78)が前記移動防止部材の少なくとも一部を形成する耳甲介床の架台部(80)を含み、
前記イヤピース(32)は、前記筐体(78)が、前記耳甲介床の架台部(80)が前記耳甲介床(26)に当接する前記耳甲介腔(22)内に少なくとも部分的に使用位置を取り、それにより、前記スカート縁部(40)が前記耳甲介床(26)に接触するのを防止するように適合されるようなものである、請求項36を引用する請求項39に記載のイヤピース(32)。
【請求項41】
前記移動防止部材が外部架台部(86)を含み、前記外部架台部(86)が、前記イヤピース(32)が使用位置を取るとき、前記耳甲介天井(30)の反対側にある前記耳(10)の一部に当接するように適合される、請求項39または40に記載のイヤピース(32)。
【請求項42】
前記外部架台部が、前記イヤピース(32)が前記使用位置を取るとき、前記耳(10)の対耳輪(20)の外側の部分に当接するように適合される、請求項41に記載のイヤピース(32)。
【請求項43】
少なくとも前記外部スカート面(38)がひだ付きであり、望ましくは少なくとも前記スカート位置決め部(36)がひだ付きであり、より望ましくは前記周辺スカート(34)がひだ付きである、請求項1から42のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項44】
前記中心軸(CA)から前記スカート縁部(40)の方向に測定された前記外部スカート面(38)の表面粗さが0.1mm以上である、請求項1から43のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項45】
前記イヤピース(32)が音放射手段(86)、望ましくはラウドスピーカーをさらに含む、請求項1から44のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【請求項46】
前記イヤピース(32)が、眼鏡の側面部に接続するための装着手段をさらに含む、請求項1から45のいずれか一項に記載のイヤピース(32)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、耳に対するイヤピースに関する。
【背景技術】
【0002】
耳に対するイヤピースは、多くのアプリケーションにおいて使用され得る。たとえば、イヤピースは、大きな音からユーザの耳を保護するための耳栓として使用され得る。イヤピースに対する別のアプリケーションは、イヤピースが、イヤホン配置を構成するとき、または少なくともイヤホン配置の一部を形成するときである。たとえば、イヤピースは、耳の外耳道内に音を導くように適合された、ラウドスピーカーなどの音放射手段を含み得る。
【0003】
意図されるイヤピースの用途にかかわらず、イヤピースは、それがユーザの耳に対して適所に保持されるようなものであることが、一般的に望ましい。そのようなイヤピースの一例が、WO2008/147215A1において提示されている。WO2008/147215A1において開示されるイヤピースは、多くのアプリケーションに対して好適であるが、依然として、イヤピースの設計を改善する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2008/147215A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、ユーザの耳に対して適所に保持され得るイヤピースを提供すること、および同時に、そのイヤピースが使用に心地よいことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、請求項1によるイヤピースによって達成される。
【0007】
そのため、本開示は、耳に対するイヤピースに関する。耳は、耳甲介床、耳甲介側壁および耳甲介天井によって少なくとも部分的に区切られた耳甲介腔を含み、耳甲介側壁は、耳甲介床を耳甲介天井に接続する。耳甲介天井の表面は法線を有し、その少なくとも1つの成分は耳甲介床の方に向けられる。
【0008】
イヤピースは外部スカート面および内部スカート面を順次含むスカート位置決め部を含む周辺スカートを含み、外部スカート面から内部スカート面への移行がスカート縁部において発生する。純粋に例として、外部スカート面および内部スカート面の各々は、スカート縁部において終端する。
【0009】
スカート縁部は、イヤピースの中心軸周りで少なくとも部分的に円周方向に延びる。イヤピースを耳に挿入する間、イヤピースは、中心軸に平行な方向に、少なくとも部分的に耳甲介腔内を使用位置まで移動するように適合される。
【0010】
周辺スカートが、影響を受けない状態にあるとき、内部スカート面の少なくとも一部は、中心軸に面する。本明細書で使用する「影響を受けない状態」という表現は、周辺スカートが使用位置にないこと、またはスカート位置決め部が少なくとも部分的に耳甲介腔に挿入される過程にあり、周辺スカートが外部負荷を加えられる状態にあるなど、別の状態にあることを意味するように意図されている。
【0011】
本開示によれば、イヤピースは、スカート位置決め部が、少なくとも部分的に耳甲介腔内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、
- 外部スカート面の少なくとも一部が耳甲介天井の少なくとも一部に当接し、
- スカート縁部が外部スカート面よりも耳甲介床の近くに位置し、かつ、
- スカート縁部が耳甲介床から離間される。
【0012】
そのため、本開示によるイヤピースは、外部スカート面によって耳に対するイヤピースの位置を維持するのを支援することができるスカート位置決め部を含む。その上、スカート縁部が使用中に耳の耳甲介床から離間されるという事実は、心地よい使用状態を暗示する。このようにして、本開示によるイヤピースは、イヤピースと耳との間の適度に持続的な接続と同時に、適度に心地よい使用位置との組合せが取得され得ることを暗示する。
【0013】
たとえば、スカート縁部が耳甲介床に接触しないという事実によって耳甲介床と縁部との間に空気が循環することができ、それは、ユーザにとって望ましい心地よさを暗示する。言い換えれば、本開示によるイヤピースは、適度に低い耳甲介床の上の占有面積を暗示する。
【0014】
さらに、内部スカート面の少なくとも一部が、影響を受けない状態で中心軸に面するという特徴は、スカート位置決め部の少なくとも一部が傾斜していることを暗示する。これは、スカート位置決め部の少なくとも一部が、スカート位置決め部が使用位置を取るべきであるときにユーザによって容易にゆがめられ得ることを暗示する。スカート位置決め部の少なくとも一部が傾斜しているという事実は、この部分が中心軸の方に曲げられることによってゆがめられてよいことを暗示する。スカート位置決め部が使用位置に接近しているとき、スカート位置決め部は緩んでおり、外部スカート面と耳甲介天井との間の適切な接触を暗示するその影響を受けない状態の方に移動し得る。その上、上記のスカート位置決め部の緩みは、スカート縁部と耳甲介側壁との間の適切な接触をも暗示し、適切な接触は、スカート縁部が耳甲介床と接触するのを防止するのを支援し得る。
【0015】
随意に、スカート縁部はフリースカート縁部である。「フリースカート縁部」という用語によって、イヤピースが使用位置にあるとき、スカート縁部と耳甲介床との間にイヤピースの追加の構成要素は存在しないことを意味する。スカート縁部がフリースカート縁部であるという特徴は、本開示の任意の実施形態において、および添付の特許請求の範囲の各々において使用され得る。
【0016】
随意に、スカート縁部において生じる外部スカート面から内部スカート面への上記の移行は、スカート縁部にそれぞれ隣接する内部および外部のスカート面の部分が、中心軸および中心軸に直角の放射軸によって画定される平面内に見られるように、互いに少なくとも120°、望ましくは少なくとも150°の角度を形成するようなものである。縁部への隣接部に関する上記の特徴は、本開示の任意の実施形態において、および添付の特許請求の範囲の各々において使用され得る。
【0017】
随意に、スカート縁部は、中心軸および中心軸に直角の放射軸によって画定される平面内に見られるように、0.1~3mmの範囲内、望ましくは0.5~2mmの範囲内の曲率半径を有し得る。スカート縁部の曲率半径に関する上記の特徴は、本開示の任意の実施形態において、および添付の特許請求の範囲の各々において使用され得る。スカート縁部が延長部を有するとき、特段に示さない限り、スカート縁部と別の実在物との間の任意の距離は、本出願を通してスカート縁部からその実在物までの最大距離を意味することを意図されている。
【0018】
純粋に例として、イヤピースの実施形態は、スカート位置決め部が少なくとも部分的に耳甲介腔内に使用位置を取るように適合されるようなものであってよく、それにより、
- 外部スカート面の少なくとも一部が耳甲介天井の少なくとも一部に当接し、
- スカート縁部が外部スカート面の各々よりも耳甲介床の近くに位置し、かつ
- スカート縁部が耳甲介床から離間される。
【0019】
随意に、中心軸および中心軸に直角の放射軸によって画定される平面内に見られるように、スカート位置決め部はセグメントを含み、そのセグメントは、放射軸に沿って2つの特異部位の間に延び、周辺スカートが影響を受けない状態にあるとき、セグメントに関連付けられた内部スカート面および外部スカート面の各々が、中心軸に沿って見られるようにスカート縁部の同じ側に位置するようなものである。そのような実装形態は、中心軸の方に曲げることによってスカート位置決め部の一部をゆがめる可能性をさらに強めることになる。
【0020】
随意に、外部スカート面に沿って見られるように、外部スカート面は、スカート縁部から最も遠くに位置する外部スカート面の遠位点を含む。その上、内部スカート面に沿って見られるように、内部スカート面は、スカート縁部から最も遠くに位置する内部スカート面の遠位点を含む。外部スカート面の遠位点は、内部スカート面の遠位点から離隔される。スカート位置決め部の少なくとも一部は、周辺スカートが影響を受けない状態にあるとき、外部スカート面の遠位点および内部スカート面の遠位点の各々が、中心軸に沿って見られるようにスカート縁部の同じ側に位置するようなものである。
【0021】
そのため、内部および外部のスカート面の遠位点からスカート縁部に向かって見られるように、スカート位置決め部の少なくとも一部がスカート縁部の方に傾斜しており、それは、縁部を中心軸の方に曲げる可能性を強めることになる。
【0022】
上記で暗示されたように、スカート縁部は、スカート位置決め部がその使用位置を取るときに外部スカート面よりも耳甲介床の近くに位置する。そのため、上記で使用された「同じ側の」という表現は、イヤピースが耳甲介床に向かう方向に移動するとき、内面および外面の関連部分と耳甲介床との間にスカート縁部が位置するようなロケーションをもたらす。
【0023】
随意に、外部スカート面の遠位点からスカート縁部まで中心軸に沿って測定された外面の距離は、内部スカート面の遠位点から中心軸に沿って測定された内面の距離より大きい。
【0024】
随意に、周辺スカートが影響を受けない状態にあるとき、内部スカート面の遠位点からスカート縁部まで中心軸に沿って測定された最長距離は、1~8mmの範囲内、望ましくは2~6mmの範囲内にある。
【0025】
随意に、スカート位置決め部は、外部スカート面への法線に平行な方向に見られるように、内部スカート面と外部スカート面との間の中間に位置する中立層を含む。スカート位置決め部の少なくとも一部の中立層は、それが、中心軸および中心軸に直角の放射軸によって画定される平面内に見られるようにかつ周辺スカートが影響を受けない状態にあるときに、第1の中立層点と、放射軸に沿った距離だけ離隔されるおよび第2の中立層点とを含むようなものである。第1および第2の中立層点の各々を通って延びる中立層線は、中心軸に対する線角を形成する。線角は15~65°の範囲内にある。
【0026】
再び、スカート縁部は、スカート位置決め部がその使用位置を取るときに外部スカート面よりも耳甲介床の近くに位置する。そのため、中立層線は、中心軸に沿って見られるように、イヤピースが耳甲介床に向かう方向に移動するとき、スカート縁部が交差点と耳甲介床との間に位置するように、交差点において中心軸と交差することになる。
【0027】
上述の範囲内の線角は、使用中に外部スカート面の少なくとも一部と耳甲介天井の少なくとも一部との間の適切な接触を暗示するとともに、スカート位置決め部が使用位置を取るとき、スカート縁部が好適な状態を取ること、たとえば耳甲介壁に当接することができることを暗示する。その上、上述の範囲内の線角は、たとえばスカート位置決め部の一部を中心軸の方に曲げることによって、スカート位置決め部の少なくとも一部が中心軸の方にゆがめられ得ることも暗示する。少なくとも部分的に耳甲介腔に挿入した後、スカート位置決め部の以前にゆがめられた部分は元の影響を受けない状態に向けて曲がり(flex)、このようにして、外面と耳甲介天井の少なくとも一部との間の接触が適切に取得され得る。
【0028】
上記の範囲内の線角は、望ましくは、外部スカート面の円周方向に沿って見られるように、スカート位置決め部の少なくとも30%に対して適用される。さらに、以下で説明する最大輪郭点を含むスカートの部分は、望ましくは、その線角が上記の範囲内にあるようなものである。付加的に、以下で説明する伸長部を含むスカート位置決め部の一部は、望ましくは、その線角が上記の範囲内にあるようなものである。
【0029】
随意に、放射軸に沿って見られる第1および第2の中立層点の間の距離は、第1および第2の中立層点を含有するすべての中立層の半径方向の延長部の40%以上、より望ましくは80%以上である。
【0030】
随意に、イヤピースは、スカート位置決め部が少なくとも部分的に耳甲介腔内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、スカート縁部に沿ったあらゆる部分に対して、空隙がスカート縁部と耳甲介床との間に形成される。空隙の特徴は、スカート位置決め部が使用位置を取るときに、イヤピースが耳甲介床をスカート縁部に接続する構成要素をまったく含まないことを意味する。
【0031】
随意に、原点が中心軸内にあるスカート縁部レス角度セクタは、角度セクタがスカート縁部を含まないようなものである。スカート縁部レス角度セクタは、少なくとも45°、望ましくは少なくとも90°のスカート縁部レス角度セクタの角度を有する。スカート縁部レス角度セクタは、イヤピースが、必ずしもたとえば耳の耳輪脚に当接するとは限らない適切な使用位置に設置され得ることを暗示する。
【0032】
随意に、スカート縁部レス角度セクタの角度は、320°以下、望ましくは270°以下、より望ましくは180°以下である。上記の角度のうちの任意の1つより小さいスカート縁部レス角度セクタの角度は、適度に大きい接触面積が、外部スカート面と耳甲介天井との間に確保され得ることを暗示する。
【0033】
随意に、周辺スカートが影響を受けない状態にあるとき、法線が中心軸と一致する平面上への周辺スカートの投影は外部輪郭を有し、中心軸は外部輪郭内に位置する。中心軸は、平面内で測定される中心軸から外部輪郭までの最大距離と最小距離との間で最小の差が取得されるように位置付けられる。イヤピースは、中心軸から外部輪郭までの平面内の最大距離を有する最大輪郭点を含む。
【0034】
随意に、原点が中心軸内にある角度平面セクタは、角度平面セクタが周辺スカートを含まずかつ/または中心軸から角度平面セクタ内の外部輪郭の各点までの距離が最大距離の85%より小さいようなものである。角度平面セクタは、少なくとも40°、望ましくは少なくとも90°の角度平面セクタの角度を有する。上記の角度のうちの任意の1つより小さい角度平面セクタの角度は、イヤピースが、必ずしもたとえば耳の耳輪脚に当接するとは限らない適切な使用位置に設置され得ることを暗示する。
【0035】
随意に、中心軸から最大輪郭点まで延びる最大輪郭点の線は、角度平面セクタを画定する線と最小角度を形成する。最小角度は0~15°の範囲内、望ましくは0~5°の範囲内にある。上記の範囲のうちの任意の1つの範囲内の最小角度は、外部スカート面が、耳の比較的高い所に、たとえば、必ずしもたとえば耳の耳輪脚に当接するとは限らない対耳輪の領域に位置する耳甲介天井の一部と当接することができることを暗示する。
【0036】
随意に、イヤピースは、中心軸から外部輪郭までの平面内の近位距離を有する近位輪郭点を含み、最大距離と近位距離との間の比は1.1以上、望ましくは1.5以上である。上記の範囲のうちの任意の1つの範囲内の比は、外部輪郭が耳甲介腔を区切る耳の部分の形状をたどる(follow shape)ように適合され得ることを暗示する。
【0037】
随意に、外部輪郭は、中心軸から外部輪郭までの距離が近位輪郭点から最大輪郭点まで徐々に、望ましくは連続的に増加するようなものである。
【0038】
随意に、外部輪郭は中間輪郭点をさらに含み、中心軸から中間輪郭点までの距離は近位距離より大きいが最大距離より小さく、原点が中心軸内にありかつ最大輪郭点、近位輪郭点および中間輪郭点を含む最大の角度セグメントは、少なくとも40°、望ましくは少なくとも120°、より望ましくは少なくとも180°の角度を有する。
【0039】
随意に、法線が中心軸と一致する平面上へのスカート縁部の投影は、少なくとも外部輪郭の一部と一致する。
【0040】
随意に、外部輪郭に外接する最小円は、15~31mmの範囲内、望ましくは19~27mmの範囲内の直径を有する。上記の範囲のうちの任意の1つの範囲内の直径は、スカート位置決め部が耳の様々な部分に接触することができ、それによりスカート位置決め部と耳との間に適切な接続を確保するのに十分に大きくあり得ることを暗示する。
【0041】
随意に、スカート位置決め部が使用位置を取るとき、中心軸に沿って見られるように、スカート位置決め部は耳甲介床から最も遠く離れて位置するように適合された遠位部位を含む。スカート位置決め部は、遠位部位からスカート縁部まで少なくとも部分的に延びる。
【0042】
随意に、スカート縁部の少なくとも一部は、中心軸に向かう方向に遠位部位に対してゆがめられ、それによりスカート位置決め部が使用位置に移動することが可能になるように適合される。
【0043】
随意に、中心軸の両側に位置するスカート縁部の2つの部分の各々は、中心軸に向かう方向に遠位部位に対してゆがめられ、それによりスカート位置決め部が使用位置に移動することが可能になるように適合される。
【0044】
随意に、周辺スカートの一部は、中心軸からその部分の外部輪郭までの平面内の距離が少なくとも5%だけ弾性的に低減され得るように弾性的に変形されるように適合される。望ましくは、上記に従って弾性的に変形され得る周辺スカートの部分は、スカート位置決め部の一部を形成する。上記による弾性的変形は、スカート位置決め部を少なくとも部分的に耳甲介腔に挿入することが容易に遂行され得ることを暗示する。
【0045】
随意に、スカート位置決め部は、内部スカート面から外部スカート面まで延びる複数の開口を含む。開口は外部スカート面と耳甲介天井との間で連続的に接触する面積を低減し得るので、複数の開口はユーザの心地よさに貢献し得る。
【0046】
随意に、スカート位置決め部の材料厚さは、外部スカート面への法線に平行な方向に見られるように、内部スカート面と外部スカート面との間の距離として規定される。
【0047】
随意に、遠位部位からスカート縁部までスカート位置決め部をたどるとき、スカート位置決め部の最小材料厚さはスカート位置決め部の最大材料厚さの75%より小さい。上記の値より小さい最小厚さは、変形することができ、したがってスカート位置決め部が少なくとも部分的に耳甲介腔に挿入されるときにヒンジとして働く比較的弱い部分をスカート位置決め部が含むことを暗示する。
【0048】
随意に、最小材料厚さを有する部分は、中心軸に直角の放射軸に沿って見られるように、遠位部位から最小材料厚さ距離に位置し、最小材料厚さ距離は、放射軸に沿って見られるように、遠位部位からスカート縁部までの距離の0~80%の範囲内、望ましくは0~40%の範囲内、より望ましくは0~25%の範囲内にある。上記の範囲内の最小材料厚さ距離は、スカート位置決め部の変形がスカート位置決め部を少なくとも部分的に耳甲介腔に挿入することを簡単にする好適なロケーションにおいて生じることを暗示する。
【0049】
随意に、スカート位置決め部は伸長部を含み、伸長部は、遠位部位からスカート縁部まで外部スカート面に沿った伸長部の距離である伸長部の長さが、遠位部位からスカート縁部まで伸長部をたどるとき、伸長部の平均材料厚さより大きいようなものである。望ましくは、伸長部の長さは、伸長部の平均材料厚さの少なくとも1.05倍、望ましくは伸長部の長さは少なくともその1.5倍、より望ましくは伸長部の長さは少なくともその2倍である。
【0050】
随意に、スカートは、25~90の範囲内のショアAデュロメーターの値を有する弾性ポリマーの部分を含む。望ましくは、弾性ポリマーは、シリコーンまたは熱可塑性エラストマーを含む。
【0051】
随意に、スカート位置決め部は、複数の円周方向に離隔されたスカート位置決め部の舌を含み、各スカート位置決め部の舌は、中心軸からスカート縁部の一部を形成するスカート位置決め部の舌の縁部まで、距離が増加しながら延びる。
【0052】
随意に、スカート位置決め部が使用位置を取るときに外部スカート面の少なくとも一部が当接するように適合される耳甲介天井は、以下の耳の部分、すなわち対耳輪、耳珠および対珠のうちの少なくとも1つからの天井部分を含む。望ましくは、耳甲介天井は対耳輪からの天井部分を含む。
【0053】
随意に、イヤピースは、スカート位置決め部が少なくとも部分的に耳甲介腔内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、
- 外部スカート面の第1の部分が対耳輪の天井部分に当接し、かつ
- 外部スカート面の第2の部分が対珠の天井部分に当接する。
【0054】
随意に、イヤピースは、スカート位置決め部が少なくとも部分的に耳甲介腔内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、イヤピースの中心軸に沿って見られるように、スカート縁部と耳甲介床との間の最小距離は少なくとも0.5mm、望ましくは少なくとも1.0mm、より望ましくは少なくとも1.5mmである。そのような最小距離は、ユーザに対する適度な心地よさを暗示する。
【0055】
随意に、スカート位置決め部は、スカート縁部の少なくとも一部が耳甲介側壁の少なくとも一部に当接し、それによりスカート縁部が耳甲介床に接触するのを防止するように、少なくとも部分的に耳甲介腔内に使用位置を取るように適合される。そのため、スカート縁部と耳甲介側壁との間の接触は、スカート位置決め部が使用位置を取るときに、スカート縁部が耳甲介床に接触するのを防止するために貢献することができる。
【0056】
随意に、耳甲介床は、耳甲介主床面の法線が耳から外に耳甲介床の法線方向に延びる耳甲介主床面を有し、耳甲介側壁は耳甲介床の法線方向に対して30°以下の角度を形成する。
【0057】
随意に、耳甲介側壁は、中心軸の両側に位置する2つの耳甲介側壁部分の法線が互いに向けて方向付けられるようなものである。
【0058】
随意に、イヤピースは筐体をさらに含み、周辺スカートは少なくとも部分的に筐体に外接する。
【0059】
随意に、スカート縁部の少なくとも一部は中心軸に向かう方向に筐体に対してゆがめられ、それによりスカート位置決め部が使用位置に移動することが可能になるように適合される。
【0060】
随意に、中心軸の両側に位置するスカート縁部の2つの部分の各々は中心軸に向かう方向に筐体に対してゆがめられ、それによりスカート位置決め部が使用位置に移動することが可能になるように適合される。
【0061】
随意に、イヤピースは、スカート位置決め部が耳甲介床に対して、スカート縁部の少なくとも一部が耳甲介床に接触する位置まで移動するのを防止するように適合された移動防止部材をさらに含む。
【0062】
随意に、筐体は、移動防止部材の少なくとも一部を形成する耳甲介床の架台部を含む。イヤピースは、筐体が、耳甲介床の架台部が耳甲介床に当接する耳甲介腔内に少なくとも部分的に使用位置を取り、それによりスカート縁部が耳甲介床に接触するのを防止するように適合されるようなものである。
【0063】
随意に、移動防止部材は外部架台部を含む。外部架台部は、イヤピースが使用位置を取るとき、耳甲介天井の反対側にある耳の部分に当接するように適合される。
【0064】
随意に、外部架台部は、イヤピースが使用位置を取るとき、耳の対耳輪の外側の部分に当接するように適合される。
【0065】
随意に、少なくとも外部スカート面はひだ付きであり、望ましくは少なくともスカート位置決め部はひだ付きであり、より望ましくは周辺スカートはひだ付きである。
【0066】
随意に、中心軸からスカート縁部の方向に測定された外部スカート面の表面粗さは0.1mm以上である。
【0067】
随意に、イヤピースは音放射手段、望ましくはラウドスピーカーをさらに含む。
【0068】
随意に、イヤピースは、眼鏡の側面部に接続するための装着手段をさらに含む。
【0069】
添付の図面を参照しながら、例として引用される本開示の実施形態のより詳細な説明が以下に続く。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1A】人間の耳を示す図である。
図1B】人間の耳を示す図である。
図2A】イヤピースの実施形態を示す図である。
図2B】イヤピースの実施形態を示す図である。
図2C】イヤピースの実施形態を示す図である。
図3】イヤピースの実施形態の断面側面図である。
図4】イヤピースの別の実施形態を示す図である。
図5】イヤピースのさらなる実施形態を示す図である。
図6】イヤピースの周辺スカートの外部輪郭を示す図である。
図7】イヤピースの実施形態の周辺スカートの外部輪郭を示す図である。
図8】イヤピースの別の実施形態の周辺スカートの外部輪郭を示す図である。
図9】イヤピースのさらなる実施形態の側面図である。
図10】イヤピースのさらに別の実施形態の周辺スカートの外部輪郭を示す図である。
図11】イヤピースの実施形態の断面側面図である。
図12A】イヤピースのさらに別の実施形態を示す図である。
図12B】イヤピースのさらに別の実施形態を示す図である。
図13】イヤピースのさらなる実施形態を示す図である。
図14】イヤピースの別の実施形態を示す図である。
図15】イヤピースのさらなる実施形態の断面側面図である。
図16】イヤピースの別の実施形態の断面側面図である。
図17】イヤピースのさらに別の実施形態の断面側面図である。
図18A】イヤピースのまた別の実施形態を示す図である。
図18B】イヤピースのまた別の実施形態を示す図である。
図18C】イヤピースのまた別の実施形態を示す図である。
図18D】イヤピースのまた別の実施形態を示す図である。
図18E】イヤピースのまた別の実施形態を示す図である。
図19】イヤピースのさらに別の実施形態の断面側面図である。
図20】イヤピースの追加の実施形態の断面側面図である。
図21】イヤピースの別の実施形態の斜視図である。
図22】イヤピースのさらなる実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本開示の望ましい実施形態について、添付の図面を参照しながら以下で説明する。本出願を通して、任意の値域は、閉値域として解釈されるべきである。言い換えれば、本出願で使用する値域は、値域の端点を含むものとして解釈されるべきである。
【0072】
図1Aは、耳10の構造を示す。本明細書で使用する「耳」という用語は人間の耳に関する。耳10は、耳介(pinna)または耳介(auricle)と呼ばれることもある。耳10は、耳の周辺を頭蓋骨に向かって上向きにおよび内向きにたどる耳輪12を含み、耳輪12は耳輪脚14に移行する。
【0073】
その上、図1Aは、耳10が耳珠16、対珠18および対耳輪20を含むことを示す。その上、耳甲介腔22は、耳珠16、対珠18および対耳輪20によって少なくとも部分的に区切られる。その上、図1Aは外耳道24を示す。
【0074】
図1B図1Aの耳10の断面図を示す。図1Bからわかるように、耳甲介腔22は、耳甲介床26、耳甲介側壁28および耳甲介天井30によって少なくとも部分的に区切られる。以下で説明するように、耳甲介天井30は、少なくとも耳珠16、対珠18および対耳輪20の部分など、耳の1つまたは複数の構成要素によって形成され得る。耳甲介側壁28は、耳甲介床26を耳甲介天井30に接続する。その上、図1Bに示すように、耳甲介天井30の表面は法線nを有し、その少なくとも1つの成分は耳甲介床26の方に向けられる。
【0075】
図2A図2Cは、本開示による、耳に対するイヤピース32の実施形態を示す。イヤピース32は、外部スカート面38および内部スカート面68を含むスカート位置決め部36を含む周辺スカート34を含み、外部スカート面38から内部スカート面68への移行がスカート縁部40において発生する。望ましくは、図2Aに示すように、内部スカート面68および外部スカート面38の各々はスカート縁部40において終端する。
【0076】
図2Aに示す実施形態では、スカート位置決め部36は完全な周辺スカート34を構成する。しかしながら、イヤピース32の他の実施形態では、周辺スカート34は、スカート位置決め部36に加えてスカート部(図2Aに示さず)を含み得る。さらに、図2Aの実施形態では、イヤピースは、イヤピース32のための筐体(図示せず)を受けるように適合されたフレーム42を含む。しかしながら、イヤピースの実施形態は、筐体が周辺スカート34に直接装着されるか、または周辺スカート34および筐体が単一の構成要素(図2A図2Cに示さず)を形成するようなものであり得ることも想定される。
【0077】
図2Bは、イヤピース32の部分が耳10に挿入される前の状態におけるイヤピース32を示す。その上、図2Bに示す状態では、外部負荷は前記周辺スカート34に加えられない。そのため、図2Bは、影響を受けない状態にある周辺スカート34を示す。
【0078】
さらに、図2Bからわかるように、スカート縁部40は、イヤピース32の中心軸CA周りで少なくとも部分的に円周方向に延びる。その上、図2Bは、イヤピース32を耳10に挿入する間、イヤピース32は中心軸CAに平行な方向に、少なくとも部分的に耳甲介腔22内を使用位置まで移動するように適合されることを示す。
【0079】
図2Bは、周辺スカート34が影響を受けない状態にあるとき、内部スカート面68の少なくとも一部が中心軸CAに面することも示す。そのため、スカート位置決め部36の少なくとも一部は傾斜している。図2Bの例では、その図に示されるスカート位置決め部36の両側が傾斜している。したがって、純粋に例として、スカート縁部40の少なくとも一部は中心軸CAに向かう方向にゆがめられ、それによりスカート位置決め部36が使用位置に移動することが可能になるように適合され得る。そのような可能なゆがみは、図2Bの最下部において矢印で示される。
【0080】
さらに、図2Cを参照すると、本開示によるイヤピース32は、スカート位置決め部36が少なくとも部分的に耳甲介腔22内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、
- 外部スカート面38の少なくとも一部が耳甲介天井30の少なくとも一部に当接し、
- スカート縁部40が外部スカート面38よりも耳甲介床26の近くに位置し、かつ、
- スカート縁部40が耳甲介床26から離間される。
【0081】
スカート縁部40が耳甲介床26から離間される状態は、複数の方法のうちの1つまたは複数において決定され得る。純粋に例として、本開示によるイヤピースは、少なくとも部分的にユーザの耳甲介腔22内で使用位置に設置され得る。その後、ユーザがスカート縁部40と耳甲介床26との間の接触を経験するか否かについての情報を、ユーザは提示し得る。
【0082】
別の例として、スカート位置決め部36を少なくとも部分的に耳甲介腔22に挿入する前に、ペイント(paint)などの物質がスカート縁部40に適用され得る。その後、イヤピース32は耳10から取り除かれてよく、その後、スカート縁部40が耳甲介床26と接触したか否かを、たとえば目視で評価することが可能であり得る。
【0083】
そのため、図2Cを参照すると、イヤピース32は、外部スカート面38の少なくとも一部と耳甲介天井30の少なくとも一部との間の接触によって、耳甲介床26から離れてすなわち図2Cで上方に移動するのを防止される。さらに、図2A図2Cの実施形態では、イヤピース32は、少なくともスカート縁部40の部分と耳甲介側壁28の部分との間の接触力によって、耳甲介床26の方にすなわち図2Cで下方にさらに移動するのを防止される。しかしながら、以下で提示されるように、イヤピース32は、スカート縁部40の代わりのまたはそれに加える手段を使用して、耳甲介床26の方にさらに移動するのを防止され得る。
【0084】
さらに、図2Cに示すように、スカート縁部40は、イヤピース32が使用位置にあるときにスカート縁部と耳10、たとえば耳甲介床26との間にイヤピース32の追加の構成要素は存在しないようなフリースカート縁部であり得る。イヤピース32は、スカート位置決め部36が少なくとも部分的に耳甲介腔22内に使用位置を取るように適合されるようなものであり得、それにより、スカート縁部40に沿ったあらゆる部分に対して、空隙43がスカート縁部40と耳甲介床26との間に形成される。
【0085】
図2Cのイヤピース32の実施形態は、スカート位置決め部36が少なくとも部分的に耳甲介腔22内に使用位置を取るように適合されるようなものであり得、それにより、イヤピース32の中心軸CAに沿って見られるように、スカート縁部40と耳甲介床26との間の最小距離dminは少なくとも0.5mm、望ましくは少なくとも1.0mm、より望ましくは少なくとも1.5mmである。純粋に例として、最小距離は、ペイントまたはインクなどの物質の使用を伴う上述のプロシージャを使用して決定され得る。
【0086】
図3は、周辺スカート34が上述の影響を受けない状態にあるときのイヤピース32の実施形態の断面側面図を示す。特に、図3はイヤピース32のスカート位置決め部36を示す。図3は中心軸CAに直角の放射軸Rを示す。その上、中心軸CAおよび放射軸Rは、図3の平面である平面を画定する。
【0087】
この平面において、スカート位置決め部36は、放射軸Rに沿って2つの特異部位37'、37''の間に延びるセグメント37を含む。その上、図3から理解され得るように、セグメント37は、周辺スカート34が影響を受けない状態にあるとき、セグメント37に関連付けられた内部スカート面68および外部スカート面38の各々が、中心軸CAに沿って見られるようにスカート縁部40の同じ側に位置するようなものである。そのため、スカート位置決め部36は、スカート縁部40に対する「隆起」部を含む。
【0088】
純粋に例として、放射軸Rに沿って見られるように、2つの特異部位37'、37''の間の距離は、2つの特異部位37'、37''を含むスカート位置決め部36の半径方向の延長部の40%、より望ましくは80%以上であり得る。図3の実施形態では、2つの特異部位37'、37''は、2つの特異部位37'、37''の間の距離が放射軸Rに沿って見られるようにスカート位置決め部36の半径方向の延長部に実質的に等しいように実際に選択され得る。
【0089】
その上、図3は、外部スカート面38が、外部スカート面38に沿って見られるようにスカート縁部40から最も遠くに位置する外部スカート面の遠位点39を含み得ることをさらに示す。その上、図3では、内部スカート面68は、内部スカート面68に沿って見られるようにスカート縁部40から最も遠くに位置する内部スカート面の遠位点69を含む。純粋に例として、外部スカート面の遠位点39および内部スカート面の遠位点69の各々は、上記で説明したフレーム42に位置し得る。別の非限定的な例として、外部スカート面の遠位点39および内部スカート面の遠位点69の各々は、周辺スカート34がそのような筐体に接続されているとき、スカート位置決め部36と筐体(図3に示さず)との間の交差点に位置し得る。
【0090】
その上、図3を再び参照すると、外部スカート面の遠位点39は、内部スカート面の遠位点69から離隔され得る。さらに、図3の例では、スカート位置決め部36の少なくとも一部は、周辺スカート34が影響を受けない状態にあるとき、中心軸CAに沿って見られるように外部スカート面の遠位点39および内部スカート面の遠位点69の各々がスカート縁部40の同じ側に位置するようなものである。
【0091】
さらに、図3は、外部スカート面の遠位点39からスカート縁部40まで中心軸CAに沿って測定された外面の距離L1が、内部スカート面の遠位点69から中心軸CAに沿って測定された内面の距離L2より大きいイヤピース32の実施形態を示す。
【0092】
図3の実施形態の左側に注目すると、図3に示す実施形態では、スカート位置決め部36は、外部スカート面38への法線nに平行な方向に見られるように、内部スカート面68と外部スカート面38との間の中間に位置する中立層35を含み得る。言い換えれば、中立層は、スカート位置決め部36の厚さの半分に位置するものと見なされ得る。
【0093】
さらに、図3に示すように、スカート位置決め部36の少なくとも一部の中立層35は、それが、中心軸CAおよび放射軸Rによって画定される平面内に見られるようにかつ周辺スカート34が前述の影響を受けない状態にあるときに、第1の中立層点41と放射軸Rに沿って距離Lnlpだけ離隔される第2の中立層点45とを含むようなものである。
【0094】
その上、図3からわかるように、第1および第2の中立層点41、45の各々を通って延びる中立層線47は、中心軸CAに対する線角φを形成する。例として、線角φは15~65°の範囲内にあり得る。
【0095】
したがって、中立層35の少なくとも一部は、中立層を通して延びる中立層線47が上述の範囲内で線角φを形成し得るようなものである。純粋に例として、そのような部分は比較的大きくてもよい。非限定的な例として、その部分は、第1および第2の中立層点41、45の間の距離Lnlpが、放射軸Rに沿って見られるように、第1および第2の中立層点41、45を含有するすべての中立層の半径方向の延長部Lnlの40%、より望ましくは80%以上であるようなものであり得る。
【0096】
図4は、原点が中心軸CA内にあるスカート縁部レス角度セクタ44が、角度セクタ44がスカート縁部40を含まないようなものである、イヤピース32の実施形態を示す。スカート縁部レス角度セクタ44は、少なくとも45°、望ましくは少なくとも90°のスカート縁部レス角度セクタの角度αを有する。スカート縁部レス角度セクタ44は、イヤピースが必ずしもたとえば耳10の耳輪脚(図1Aの参照番号14参照)に当接するとは限らない適切な使用位置に設置され得ることを暗示する。
【0097】
さらに、純粋に例として、スカート縁部レス角度セクタの角度αは、320°以下、望ましくは270°以下、より望ましくは180°以下であり得る。
【0098】
スカート縁部レス角度セクタ44は、図4の実施形態の周辺スカート34における切り抜きと見なされ得る。しかしながら、切り抜きを使用することなく、スカート縁部レス角度セクタ44を有するイヤピース32の実施形態を取得することも可能である。この目的に対して、図5に示す実施形態が参照される。
【0099】
図5のイヤピース32の実施形態は周辺スカート34を含み、周辺スカート34の一部はスカート位置決め部36であり、イヤピース32が使用位置にあるときに追加のスカート部46が少なくとも部分的に耳甲介腔22内に使用位置を取るようには適合されないように、追加のスカート部46が成形される。そのため、追加のスカート部46は外部スカート面を含まず、その結果として、追加のスカート部46は、本開示の意味の範囲内で、スカート縁部内で終端しない。したがって、スカート縁部レス角度セクタの角度αを有するスカート縁部レス角度セクタ44は、追加のスカート部46の上向きに曲がる形状によって、図5の実施形態において取得される。
【0100】
図6は、周辺スカート34が影響を受けない状態にあるとき、法線nが中心軸CAと一致する平面P上への周辺スカート34の投影が外部輪郭48を有すること、および中心軸CAが外部輪郭内に位置することを示す。中心軸CAは、平面P内で測定される中心軸CAから外部輪郭48までの最大距離と最小距離との間で最小の差が取得されるように位置付けられる。
【0101】
図7は、本開示によるイヤピース32の周辺スカート34の外部輪郭48を示す。図7からわかるように、図7のイヤピース32は、中心軸CAから外部輪郭48までの平面P内の最大距離Rmaxを有する最大輪郭点50を含む。
【0102】
さらに、図7のイヤピース32の実施形態は、原点が中心軸CA内にある角度平面セクタ52が、角度平面セクタ52が周辺スカート34を含まずかつ/または中心軸CAから角度平面セクタ52内の外部輪郭48の各点までの距離が最大距離Rmaxの85%より小さいようなものであることを示す。純粋に例として、角度平面セクタ52は少なくとも40°、望ましくは少なくとも90°の角度平面セクタの角度βを有する。
【0103】
図7を参照すると、純粋に例として、中心軸CAから最大輪郭点50まで延びる最大輪郭点の線54は、角度平面セクタ52を画定する線56と最小角度γを形成する。最小角度γは0~15°の範囲内、望ましくは0~5°の範囲内にある。
【0104】
図8は、イヤピース32が、中心軸CAから外部輪郭48までの平面P内の近位距離Rproxを有する近位輪郭点58を含み得ることを示す。最大距離Rmaxと近位距離Rproxとの間の比は1.1以上、望ましくは1.5以上であり得る。その上、図8に示すように、外部輪郭48は、中心軸CAから外部輪郭48までの距離が、近位輪郭点58から最大輪郭点50まで徐々に、望ましくは連続的に増加するようなものであり得る。そのため、外部輪郭48は、近位輪郭点58から最大輪郭点50までらせん形状をたどり得る。
【0105】
図8は、外部輪郭48が中間輪郭点60をさらに含み、中心軸CAから中間輪郭点60までの距離Rinterimが近位距離Rproxより大きいが最大距離Rmaxより小さいことをさらに示す。その上、図8は、原点が中心軸CA内にありかつ最大輪郭点50、近位輪郭点58および中間輪郭点60を含む最大の角度セグメントが少なくとも40°、望ましくは少なくとも120°、より望ましくは少なくとも180°の角度δを有することを示す。
【0106】
図6に示す例では、法線が中心軸CAと一致する平面P上へのスカート縁部40の投影は、少なくとも外部輪郭48の一部と一致する。言い換えれば、図6の実施形態では、スカート縁部40は、少なくとも周辺スカート34の部分の最も外側の部分を構成する。しかしながら、イヤピース32の実施形態は周辺スカート34を含んでよく、周辺スカート34の部分はスカート縁部40の対応する部分よりも大きい中心軸CAからの距離に位置することも想定される。
【0107】
そのような実施形態の例を図9に示す。図9のイヤピース32では、周辺スカート34は、中心軸CAからスカート34の最も外側の部分までの最大の半径方向距離が、中心軸CAから縁部40の対応する部分までの半径方向距離より大きいようなものである。そのため、図9に示す周辺スカート34の投影は、必ずしもスカート縁部40の任意の部分を含むとは限らない。
【0108】
図10は、周辺スカート34の外部輪郭48に外接する最小円62を示す。純粋に例として、最小円62の直径Dは、イヤピース32の実施形態に対して15~31mmの範囲内、望ましくは19~27mmの範囲内にあり得る。
【0109】
その上、外部輪郭の形状にかかわらず、周辺スカート34の一部は、それが、中心軸CAからその部分の外部輪郭48までの平面内の距離が少なくとも5%だけ弾性的に低減され得るように弾性的に変形するように適合されるようなものであり得る。望ましくは、上記に従って弾性的に変形され得る周辺スカート34の一部は、スカート位置決め部36の一部を形成する。
【0110】
図11はイヤピース32の実施形態の断面側面図を示す。図11の実施形態では、スカート位置決め部36が使用位置を取るとき、中心軸CAに沿って見られるように、スカート位置決め部36は耳甲介床(図11に示さず)から最も遠く離れて位置するように適合された遠位部位64を含む。スカート位置決め部36は、遠位部位64からスカート縁部40まで少なくとも部分的に延びる。純粋に例として、遠位部位64は、上記で説明したフレーム42に位置し得る。別の非限定的な例として、遠位部位64は、周辺スカート34が筐体に接続されているとき、スカート位置決め部36と筐体(図11に示さず)との間の交差点に位置し得る。
【0111】
さらに、図11は、周辺スカートが影響を受けない状態にあるとき、内部スカート面の遠位点69からスカート縁部40まで中心軸CAに沿って測定される最長距離Lmaxを示す。純粋に例として、最長距離Lmaxは1~8mmの範囲内、望ましくは2~6mmの範囲内にあり得る。
【0112】
加えて、再び図11を参照すると、スカート位置決め部の材料厚さtは、外部スカート面への法線nに平行な方向に見られるように、内部スカート面68と外部スカート面38との間の距離として規定される。そのため、「材料厚さ」という表現は、「材料厚さ」の値が内部スカート面68と外部スカート面38との間にスカート材料を含む周辺スカートの部分に対してのみ決定され得ることを示す。
【0113】
その上、図11は、スカート位置決め部36が伸長部70を含んでよく、伸長部70は、遠位部位64からスカート縁部40まで外部スカート面38に沿った伸長部70の距離である伸長部の長さLelongが、遠位部位64からスカート縁部40まで伸長部70をたどるときに伸長部70の平均材料厚さより大きいようなものであることを示す。望ましくは、伸長部の長さLelongは伸長部70の平均材料厚さの少なくとも1.05倍、望ましくは伸長部の長さLelongは少なくともその1.5倍、より望ましくは伸長部の長さLelongは少なくともその2倍である。
【0114】
さらに、図11に矢印で示すように、スカート縁部40の少なくとも一部は中心軸CAに向かう方向に遠位部位64に対してゆがめられ、それによりスカート位置決め部36が使用位置に移動することが可能になるように適合され得る。図11に示す例では、図11の2つの矢印で示すように、中心軸CAの両側に位置するスカート縁部40の2つの部分の各々は、中心軸CAに向かう方向に遠位部位64に対してゆがめられ、それによりスカート位置決め部36が使用位置に移動することが可能になるように適合される。
【0115】
たとえば図16に示す筐体78を含むイヤピース32の実施形態では、スカート縁部40の上記の部分は、代わりにおよび/または追加で、筐体78に対してゆがめられるように適合され得る。
【0116】
図12Aおよび図12Bは、イヤピース32の別の実施形態を示す。図12Bを参照すると、遠位部位64からスカート縁部40までスカート位置決め部36をたどるとき、スカート位置決め部36の最小材料厚さtminはスカート位置決め部36の最大材料厚さtmaxの75%より小さい。
【0117】
その上、図12Aおよび図12Bの実施形態では、最小材料厚さtminを有する部分は、放射軸Rに沿って見られるように、遠位部位64から最小材料厚さ距離rminに位置する。純粋に例として、最小材料厚さ距離rminは、放射軸Rに沿って見られるように、遠位部位64からスカート縁部40までの距離rdistの0~80%の範囲内、望ましくは0~40%の範囲内、より望ましくは0~25%の範囲内にあり得る。
【0118】
最小材料厚さtminを有する部分は、スカート位置決め部36が変形して少なくとも部分的に耳甲介腔(図12Aまたは図12Bに示さず)に挿入されることを可能にする、スカート位置決め部36の弱体化と見なされ得る。したがって、弱体化は、スカート位置決め部36に対するヒンジとして働き得る。
【0119】
図13は、スカート位置決め部36が内部スカート面68から外部スカート面38まで延びる複数の開口72を含む、イヤピース32の別の実施形態を示す。
【0120】
これまでに提示されたイヤピース32の実施形態は、円周方向に連続的なスカート縁部を有する円周方向に連続的なスカート位置決め部を含んでいたが、本開示のイヤピース32の実施形態は、円周方向に不連続なスカート位置決め部を含んでもよいことも想定される。
【0121】
この目的のために、純粋に例として、図14は、イヤピース32のスカート位置決め部36が、複数の円周方向に離隔されたスカート位置決め部の舌74を含むイヤピース32の実施形態を示す。スカート位置決め部の舌74の各々は、中心軸CAからスカート位置決め部の舌の縁部76までの距離が増加しながら延びて、スカート縁部40の一部を形成する。
【0122】
純粋に例として、スカート34は、25~90の範囲内のショアAデュロメーターの値を有する弾性ポリマーの部分を含む。非限定的な例として、スカート34は、25~90の範囲内のショアAデュロメーターの値を有する弾性ポリマーによって構成され得る。望ましくは、弾性ポリマーは、シリコーンまたは熱可塑性エラストマーを含み、代替的に、それによって構成される。上記で列挙した材料の例は、本開示のイヤピース32の任意の実施形態に対して使用され得る。
【0123】
非限定的な例として、図1Aおよび図1Bを参照すると、スカート位置決め部36が使用位置を取るときに前記外部スカート面38の少なくとも一部が当接するように適合される耳甲介天井は、以下の耳の部分、すなわち対耳輪20、耳珠16および対珠18のうちの少なくとも1つからの天井部分を含む。望ましくは、耳甲介天井は、対耳輪20からの天井部分を含む。
【0124】
純粋に例として、再び図1Aおよび図1Bを参照すると、イヤピース32は、スカート位置決め部36が少なくとも部分的に耳甲介腔22内に使用位置を取るように適合されるようなものであり得、それにより、
- 外部スカート面38の第1の部分が対耳輪20の天井部分に当接し、かつ
- 外部スカート面38の第2の部分が対珠18の天井部分に当接する。
【0125】
図15は、イヤピース32の別の実施形態を示す。図15の実施形態では、スカート位置決め部36は、スカート縁部40の少なくとも一部が耳甲介側壁28の少なくとも一部に当接し、それにより、スカート縁部40が耳甲介床26に接触するのを防止するように、少なくとも部分的に耳甲介腔22内に使用位置を取るように適合される。そのため、スカート位置決め部36は、望ましくは、スカート縁部40のサイズおよび形状がスカート縁部40と耳甲介側壁28の少なくとも一部との間の接触をもたらすようなものである。その上、スカート位置決め部36は、スカート位置決め部36が使用位置を取るときにスカート縁部40が耳甲介側壁28に向けて外に押されるようなものであり得る。非限定的な例として、スカート縁部40は、図3を参照して上記で説明したようにスカート位置決め部36が15~65°の範囲内の線角φに関連付けられる場合に外に押され得る。
【0126】
さらに、図15に示すように、耳甲介床26は耳甲介主床面Pmfを有し、耳甲介主床面の法線nmfが耳10から外に耳甲介床の法線方向に延びる。耳甲介側壁28は、耳甲介床の法線方向に対して30°以下の角度を形成する。
【0127】
耳甲介側壁28を耳甲介床の法線方向に関連して規定する代わりにまたはそれに加えて、耳甲介側壁28は、中心軸CAの両側に位置する2つの耳甲介側壁部の法線ncswが互いに向き合うように提示されてもよい。そのようなシナリオも図15に示されている。
【0128】
スカート縁部40が耳甲介側壁28の少なくとも一部に当接することによってスカート縁部40が耳甲介床26に接触するのを防止する代わりにまたはそれに加えて、イヤピース32の実施形態は、スカート位置決め部36が耳甲介床26に対して、スカート縁部40の少なくとも一部が耳甲介床26に接触する位置まで移動するのを防止するように適合された移動防止部材をさらに含んでもよい。そのような移動防止部材の実装形態について、図16図20を参照しながら以下で説明する。
【0129】
図16の実施形態では、イヤピース32は筐体78をさらに含み、周辺スカート34は少なくとも部分的に筐体78に外接する。上記で説明したように、純粋に例として、筐体78はフレーム(図16に示さず)を介して周辺スカート34に接続されてよく、または筐体78は周辺スカート34に直接装着されてもよく、代替的に、周辺スカート34および筐体78は単一の構成要素を形成してもよい。
【0130】
筐体78および周辺スカート34がどのようにして互いに接続されるかにかかわらず、図16の筐体78は耳甲介床の架台部80を含む。そのため、図16の実施形態では、耳甲介床の架台部80は移動防止部材の少なくとも一部を形成する。
【0131】
その上、図16に示すように、イヤピース32は、筐体78が、耳甲介床の架台部80が耳甲介床26に当接する耳甲介腔22内に少なくとも部分的に使用位置を取り、それによりスカート縁部40が耳甲介床26に接触するのを防止するように適合されるようなものである。
【0132】
純粋に例として、イヤピース32は、筐体78と耳甲介床26との間の接触を検出するためのセンサ(図示せず)を含み得る。非限定的な例として、そのようなセンサは筐体78内に収容され得る。
【0133】
図16の実施形態では、耳甲介床26に面するように適合された筐体78の部分は比較的平坦である。しかしながら、耳甲介床の架台部80が、筐体78の残りの部分から突出し得ることも想定される。そのような実施形態の例を図17に示す。非限定的な例として、耳甲介床の架台部80は、耳10の外耳道(図17に示さず)においてまたはその周りで、耳甲介床26の一部に当接するように適合され得る。そのような実施形態では、耳甲介床の架台部80は、筐体78の少なくとも一部から、たとえば筐体78の音放射構成要素から外耳道まで音を導くために、音響導管開口などの手段を含み得る。
【0134】
図18Aは、上述の耳甲介床の架台部80が、筐体78から延びるノズルとして実装されるイヤピース32の実施形態を示す。図18Aのノズル80は音響導管開口82を含む。純粋に例として、ノズル80の長さは固定であり得る。別の非限定的な例として、ノズル80の長さは、長さがイヤピース32のユーザに適合され得るように変更され得る。単に例として、長さは手動で、またはイヤピース32に関連するアクチュエータ(図示せず)を使用して変更され得る。
【0135】
加えて、ノズル80は、筐体78の別の部分に対して曲がるように適合され得る。この目的のために、イヤピース32、たとえばノズル80および/または筐体78の別の部分は、ノズル80が筐体78の別の部分に対して曲げられるかまたはゆがめられることを可能にするジョイント(図示せず)を含み得る。
【0136】
筐体78の別の部分に対するノズル80の長さおよび/または角度の調整が可能であることは、ユーザがユーザの耳に対してイヤピース32を調整するための高められた柔軟性を暗示する。
【0137】
図18Bは、イヤチップ84がノズル80上に嵌合された、図18Aのイヤピース32の実施形態を示す。ノズル80は、上述のようにノズル80が固定されるか、長さ調整可能であるか、および/または角度調整可能であるかにかかわらず、イヤチップを装備されてよいことに留意されたい。図18C図18Eは、図18Aのノズル80などのノズル80の上に嵌合させるためのイヤチップの実装形態を示す。
【0138】
図18Cは、耳珠によって直接カバーされるサブ耳珠領域内に設置されることを意図されたイヤチップ84を示す。図18Cの実装形態は、外耳道または外耳道の開口に触れる必要のない心地よいフィットをもたらし得る。図18Cの実施形態は、いくらかの環境音が耳に入れることができ、モバイルフォン使用に有益であり得る。
【0139】
図18Dおよび図18Eの各々は、環境音を実質的に除去し得る、外耳道の開口にぴったりと合うようにする円錐台状のイヤチップ84を示す。
【0140】
図16図18の実施形態に対して、筐体78は、ラウドスピーカーなどの音放射手段をさらに含み得る。
【0141】
図19および図20は、移動防止部材の代替実装形態を示す。図19および図20のイヤピース32の実施形態の各々では、移動防止部材は外部架台部86を含む。外部架台部86は、イヤピース32が使用位置を取るとき、耳甲介天井30の反対側にある耳10の一部に当接するように適合される。純粋に例として、外部架台部86は、イヤピースが使用位置を取るとき、耳の対耳輪20の外側の部分に当接するように適合され得る。
【0142】
そのため、図19および図20の実施形態の各々では、耳の一部は、外部スカート面38の少なくとも一部と外部架台部86の少なくとも一部との間に押し込まれるかまたは挟まれる。これは、イヤピース32が、スカート縁部40が耳甲介床26に接触するのを防止されるように適所に保持されることを確実にする。
【0143】
さらに、耳の一部が外部スカート面38の少なくとも一部と外部架台部86の少なくとも一部との間に押し込まれるかまたは挟まれるという事実は、イヤピース32のユーザの温度または脈拍などのステータスに関する有用な情報を決定することを可能にする。この目的のために、図19および図20の各々は、本明細書で開示するイヤピース32の実施形態がセンサアセンブリ88を含み得ることを示す。純粋に例として、センサアセンブリは、送信機を外部架台部86の中もしくは上にかつ受信機をスカート位置決め部36の中もしくは上に含んでよく、またはその逆も成り立つ。
【0144】
図21は、少なくとも外部スカート面38がひだ付きである本開示のイヤピースの別の実施形態を示す。実際、図21の実施形態では、スカート位置決め部は、ひだ付きの周辺スカートに対応する。
【0145】
随意に、中心軸からスカート縁部への方向に測定された外部スカート面の表面粗さは0.1mm以上である。
【0146】
最後に、図22は、イヤピース32が音放射手段86、望ましくはラウドスピーカーをさらに含む本開示のイヤピース32の別の実施形態を示す。純粋に例として、音放射手段はイヤピース32の筐体78内に収容され得る。
【0147】
本開示は、上記で説明し図面で示した実施形態に限定されるものではなく、多くの変更形態および修正形態が、添付の特許請求の範囲の中で作成され得ることを当業者は認識するであろうことは、理解されよう。純粋に例として、本明細書において上記で提示したイヤピース32の実施形態は、主としてイヤピースの音放射能力に関連して提示したが、本開示によるイヤピース32は、他のアプリケーションに対して使用され得ることも想定される。純粋に例として、イヤピース32の実施形態は、大きな音からユーザの耳を保護するための耳栓として使用され得る。別の非限定的な例として、イヤピース32は、眼鏡(図示せず)の側面部に接続するための装着手段を含み得る。
【0148】
さらに、イヤピース32、たとえばその筐体は、音放射に必要な構成要素に加えて、電子的構成要素を含み得ることが想定される。非限定的な例として、イヤピース32の実施形態は、ワイヤレス信号を放射または受信するための構成要素を含み得る。
【0149】
最後に、イヤピースについて説明した特性は、添付の特許請求の範囲の中に入るイヤピースのすべての実施形態に適用可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0150】
10 耳
12 耳輪
14 耳輪脚
16 耳珠
18 対珠
20 対耳輪
22 耳甲介腔
24 外耳道
26 耳甲介床
28 耳甲介側壁
30 耳甲介天井
32 イヤピース
34 周辺スカート
35 中立層
36 スカート位置決め部
37 セグメント
37' 特異部位
37'' 特異部位
38 外部スカート面
39 外部スカート面の遠位点
40 スカート縁部
41 第1の中立層点
42 フレーム
43 空隙
44 スカート縁部レス角度セクタ
45 第2の中立層点
46 追加のスカート部
47 中立層線
48 外部輪郭
50 最大輪郭点
52 角度平面セクタ
54 最大輪郭点の線
56 線
58 近位輪郭点
60 中間輪郭点
62 最小円
64 遠位部位
68 内部スカート面
69 内部スカート面の遠位点
70 伸長部
72 開口
74 スカート位置決め部の舌
76 スカート位置決め部の舌の縁部
78 筐体
80 耳甲介床の架台部、ノズル
82 音響導管開口
84 イヤチップ
86 外部架台部
88 センサアセンブリ
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2021-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳(10)のためのイヤピース(32)であって、前記耳(10)が耳甲介床(26)、耳甲介側壁(28)および耳甲介天井(30)によって少なくとも部分的に区切られた耳甲介腔(22)を含み、前記耳甲介側壁(28)が前記耳甲介床(26)を前記耳甲介天井(30)に接続し、前記耳甲介天井(30)の表面が法線を有し、その法線の少なくとも1つの成分が前記耳甲介床(26)の方に向けられ、
前記イヤピース(32)が、外部スカート面(38)および内部スカート面(68)を順次含むスカート位置決め部(36)を含む周辺スカート(34)を含み、前記外部スカート面(38)から前記内部スカート面(68)への移行がスカート縁部(40)において発生し、
前記スカート縁部(40)が前記イヤピース(32)の中心軸CA周りで少なくとも部分的に円周方向に延び、前記イヤピース(32)を前記耳(10)に挿入する間、前記イヤピース(32)が前記中心軸CAに平行な方向に、少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)の中に、使用位置まで移動するように適合され、
前記周辺スカート(34)が影響を受けない状態にあるとき、前記内部スカート面(68)の少なくとも一部が前記中心軸(CA)に面し、
前記イヤピース(32)は、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に前記使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、
前記外部スカート面(38)の少なくとも一部が前記耳甲介天井(30)の少なくとも一部に当接し、
前記スカート縁部(40)が前記外部スカート面(38)よりも前記耳甲介床(26)の近くに位置し、かつ、
前記スカート縁部(40)が前記耳甲介床(26)から離間される、イヤピース(32)。
【請求項2】
前記中心軸(CA)および前記中心軸(CA)に直角の放射軸(R)によって画定される平面内に見られるように、前記スカート位置決め部(36)がセグメント(37)を含み、前記セグメント(37)が、前記放射軸(R)に沿って2つの特異部位(37'、37'')の間に延び、前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、前記セグメント(37)に関連付けられた前記内部スカート面(68)および前記外部スカート面(38)の各々が、前記中心軸(CA)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)の同じ側に位置するようなものである、請求項1に記載のイヤピース(32)。
【請求項3】
前記外部スカート面(38)が、前記外部スカート面(38)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)から最も遠くに位置する外部スカート面の遠位点(39)を含み、前記内部スカート面(68)が、前記内部スカート面(68)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)から最も遠くに位置する内部スカート面の遠位点(69)を含み、前記外部スカート面の遠位点(39)が前記内部スカート面の遠位点(69)から離隔され、前記スカート位置決め部(36)の少なくとも一部が、前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、前記外部スカート面の遠位点(39)および前記内部スカート面の遠位点(69)の各々が、前記中心軸(CA)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)の同じ側に位置するようなものである、請求項1または2に記載のイヤピース(32)。
【請求項4】
前記外部スカート面の遠位点(39)から前記スカート縁部(40)まで前記中心軸(CA)に沿って測定された外面の距離(L1)が、前記内部スカート面の遠位点(69)から前記中心軸(CA)に沿って測定された内面の距離(L2)より大きい、請求項3に記載のイヤピース(32)。
【請求項5】
前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、前記内部スカート面の遠位点(69)から前記スカート縁部(40)まで前記中心軸(CA)に沿って測定された最長距離(Lmax)が1~8mmの範囲内、又は2~6mmの範囲内にある、請求項3に記載のイヤピース(32)。
【請求項6】
前記スカート位置決め部(36)が、前記外部スカート面(38)への法線に平行な方向に見られるように前記内部スカート面(68)と前記外部スカート面(38)との間の中間に位置する中立層(35)を含み、前記スカート位置決め部(36)の少なくとも一部の前記中立層(35)は、それが、前記中心軸(CA)および前記中心軸(CA)に直角の放射軸(R)によって画定される平面内に見られるようにかつ前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるときに、第1の中立層点(41)と前記放射軸(R)に沿って距離(Lnlp)だけ離隔された第2の中立層点(45)とを含むようなものであり、前記第1および第2の中立層点(41、45)の各々を通って延びる中立層線(47)が前記中心軸(CA)に対する線角(φ)を形成し、前記線角(φ)が15~65°の範囲内にある、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項7】
前記放射軸(R)に沿って見られる前記第1および第2の中立層点(41、45)の間の前記距離(Lnlp)が、前記第1および第2の中立層点(41、45)を含有するすべての前記中立層の半径方向の延長部(Lnl)の40%以上、又は80%以上である、請求項6に記載のイヤピース(32)。
【請求項8】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、前記スカート縁部(40)に沿ったあらゆる部分に対して、空隙(43)が前記スカート縁部(40)と前記耳甲介床(26)との間に形成される、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項9】
原点が前記中心軸(CA)にあるスカート縁部レス角度セクタ(44)が、前記スカート縁部レス角度セクタが前記スカート縁部(40)を含まないようなものであり、前記スカート縁部レス角度セクタ(44)が少なくとも45°、又は少なくとも90°のスカート縁部レス角度セクタの角度(α)を有する、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項10】
前記スカート縁部レス角度セクタの角度(α)が320°以下、又は270°以下、又は180°以下である、請求項9に記載のイヤピース(32)。
【請求項11】
前記周辺スカート(34)が前記影響を受けない状態にあるとき、法線(n)が前記中心軸(CA)と一致する平面(P)上への前記周辺スカート(34)の投影が外部輪郭(48)を有し、前記中心軸(CA)が前記外部輪郭(48)内に位置し、前記中心軸(CA)が、前記平面(P)内で測定される前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの最大距離と最小距離との間で最小の差が取得されるように位置付けられ、前記イヤピース(32)が前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの前記平面(P)内の最大距離(Rmax)を有する最大輪郭点(50)を含む、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項12】
原点が前記中心軸(CA)内にある角度平面セクタ(52)が、前記角度平面セクタ(52)が前記周辺スカート(34)を含まずかつ/または前記中心軸(CA)から前記角度平面セクタ(52)内の前記外部輪郭(48)の各点までの距離が前記最大距離(Rmax)の85%より小さいようなものであり、前記角度平面セクタ(52)が少なくとも40°、又は少なくとも90°の角度平面セクタの角度(β)を有する、請求項11に記載のイヤピース(32)。
【請求項13】
前記中心軸(CA)から前記最大輪郭点(50)まで延びる最大輪郭点の線(54)が前記角度平面セクタ(52)を画定する線(56)と最小角度(γ)を形成し、前記最小角度(γ)が0~15°の範囲内、又は0~5°の範囲内にある、請求項12に記載のイヤピース(32)。
【請求項14】
前記イヤピース(32)が前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの前記平面(P)内の近位距離(Rprox)を有する近位輪郭点(58)を含み、前記最大距離(Rmax)と前記近位距離(Rprox)との間の比が1.1以上、又は1.5以上である、請求項11に記載のイヤピース(32)。
【請求項15】
前記外部輪郭(48)が、前記中心軸(CA)から前記外部輪郭(48)までの距離が前記近位輪郭点(58)から前記最大輪郭点(50)まで徐々に、又は連続的に増加するようなものである、請求項14に記載のイヤピース(32)。
【請求項16】
前記外部輪郭(48)が中間輪郭点(60)をさらに含み、前記中心軸(CA)から前記中間輪郭点(60)までの距離(Rinterim)が前記近位距離(Rprox)より大きいが前記最大距離(Rmax)より小さく、原点が前記中心軸(CA)内にありかつ前記最大輪郭点(50)、前記近位輪郭点(58)および前記中間輪郭点を含む最大の角度セグメントが少なくとも40°、又は少なくとも120°、又は少なくとも180°の角度(δ)を有する、請求項14に記載のイヤピース(32)。
【請求項17】
前記法線(n)が前記中心軸(CA)と一致する前記平面(P)上への前記スカート縁部(40)の投影が、少なくとも前記外部輪郭(48)の一部と一致する、請求項11に記載のイヤピース(32)。
【請求項18】
前記外部輪郭(48)に外接する最小円(62)が15~31mmの範囲内、又は19~27mmの範囲内の直径(D)を有する、請求項11に記載のイヤピース(32)。
【請求項19】
前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置を取るとき、前記中心軸(CA)に沿って見られるように、前記スカート位置決め部(36)が前記耳甲介床(26)から最も遠く離れて位置するように適合された遠位部位(64)を含み、前記スカート位置決め部(36)が前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで少なくとも部分的に延びる、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項20】
前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記遠位部位(64)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項19に記載のイヤピース(32)。
【請求項21】
前記中心軸(CA)の両側に位置する前記スカート縁部(40)の2つの部分の各々が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記遠位部位(64)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項20に記載のイヤピース(32)。
【請求項22】
前記周辺スカート(34)の一部が、前記中心軸(CA)から前記一部の前記外部輪郭(48)までの前記平面内の距離が少なくとも5%だけ弾性的に低減され得るように弾性的に変形されるように適合される、請求項11に記載のイヤピース(32)。
【請求項23】
前記スカート位置決め部(36)が、前記内部スカート面(68)から前記外部スカート面(38)まで延びる複数の開口(72)を含む、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項24】
前記スカート位置決め部(36)の材料厚さ(t)が、前記外部スカート面(38)への前記法線に平行な方向に見られるように、前記内部スカート面(68)と前記外部スカート面(38)との間の距離として規定される、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項25】
前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置を取るとき、前記中心軸(CA)に沿って見られるように、前記スカート位置決め部(36)が前記耳甲介床(26)から最も遠く離れて位置するように適合された遠位部位(64)を含み、前記スカート位置決め部(36)が前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで少なくとも部分的に延び、
前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで前記スカート位置決め部(36)をたどるとき、前記スカート位置決め部(36)の最小材料厚さ(tmin)が前記スカート位置決め部(36)の最大材料厚さ(tmax)の75%より小さい請求項24に記載のイヤピース(32)。
【請求項26】
前記最小材料厚さ(tmin)を有する部分が、前記中心軸(CA)に直角の放射軸(R)に沿って見られるように、前記遠位部位(64)から最小材料厚さ距離(rmin)に位置し、前記最小材料厚さ距離(rmin)が、前記放射軸(R)に沿って見られるように、前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)までの前記距離(rdist)の0~80%の範囲内、又は0~40%の範囲内、又は0~25%の範囲内にある、請求項25に記載のイヤピース(32)。
【請求項27】
前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置を取るとき、前記中心軸(CA)に沿って見られるように、前記スカート位置決め部(36)が前記耳甲介床(26)から最も遠く離れて位置するように適合された遠位部位(64)を含み、前記スカート位置決め部(36)が前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで少なくとも部分的に延び、
前記スカート位置決め部(36)が伸長部(70)を含み、前記伸長部(70)が、前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで前記外部スカート面(38)に沿った前記伸長部(70)の距離である伸長部の長さ(Lelong)が、前記遠位部位(64)から前記スカート縁部(40)まで前記伸長部(70)をたどるときに前記伸長部(70)の平均材料厚さより大きいようなものであり、又は前記伸長部の長さ(Lelong)が、前記伸長部(70)の平均材料厚さの少なくとも1.05倍、又は前記伸長部の長さ(Lelong)が少なくともその1.5倍、又は前記伸長部の長さ(Lelong)が少なくともその2倍である請求項24に記載のイヤピース(32)。
【請求項28】
前記周辺スカートが、25~90の範囲内のショアAデュロメーターの値を有する弾性ポリマーの部分を含み、又は前記弾性ポリマーがシリコーンまたは熱可塑性エラストマーを含む、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項29】
前記スカート位置決め部(36)が複数の円周方向に離隔されたスカート位置決め部の舌(74)を含み、各スカート位置決め部の舌(74)が前記中心軸(CA)から前記スカート縁部(40)の一部を形成するスカート位置決め部の舌の縁部(76)まで、距離が増加しながら延びる、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項30】
前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置を取るときに前記外部スカート面(38)の少なくとも一部が当接するように適合される前記耳甲介天井(30)が、以下の前記耳(10)の部分、すなわち対耳輪(20)、耳珠(16)および対珠(18)のうちの少なくとも1つからの天井部分を含み、又は前記耳甲介天井が前記対耳輪(20)からの天井部分を含む、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項31】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、
前記外部スカート面(38)の第1の部分が前記対耳輪(20)の天井部分に当接し、かつ
前記外部スカート面(38)の第2の部分が前記対珠(18)の天井部分に当接する、請求項30に記載のイヤピース(32)。
【請求項32】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に前記使用位置を取るように適合されるようなものであり、それにより、前記イヤピース(32)の前記中心軸(CA)に沿って見られるように前記スカート縁部(40)と前記耳甲介床(26)との間の最小距離が少なくとも0.5mm、又は少なくとも1.0mm、又は少なくとも1.5mmである、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項33】
前記スカート位置決め部(36)が、前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が前記耳甲介側壁(28)の少なくとも一部に当接し、それにより前記スカート縁部(40)が前記耳甲介床(26)に接触するのを防止するように、少なくとも部分的に前記耳甲介腔(22)内に前記使用位置を取るように適合される、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項34】
前記耳甲介床(26)が、耳甲介主床面の法線(nmf)が前記耳から外に耳甲介床の法線方向に延びる耳甲介主床面(Pmf)を有し、前記耳甲介側壁(28)が前記耳甲介床の法線方向に対して30°以下の角度を形成する、請求項33に記載のイヤピース(32)。
【請求項35】
前記耳甲介側壁(28)が、前記中心軸(CA)の両側に位置する2つの耳甲介側壁部分の法線(ncsw)が互いに向けて方向付けられるようなものである、請求項33に記載のイヤピース(32)。
【請求項36】
前記イヤピース(32)が筐体(78)をさらに含み、前記周辺スカート(34)が少なくとも部分的に前記筐体(78)に外接する、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項37】
前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記筐体(78)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項36に記載のイヤピース(32)。
【請求項38】
前記中心軸(CA)の両側に位置する前記スカート縁部(40)の2つの部分の各々が、前記中心軸(CA)に向かう方向に前記筐体(78)に対してゆがめられ、それにより前記スカート位置決め部(36)が前記使用位置に移動することが可能になるように適合される、請求項37に記載のイヤピース(32)。
【請求項39】
前記イヤピース(32)が、前記スカート位置決め部(36)が前記耳甲介床(26)に対して、前記スカート縁部(40)の少なくとも一部が前記耳甲介床(26)に接触する位置まで移動するのを防止するように適合された移動防止部材(80; 86)をさらに含む、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項40】
前記イヤピース(32)が筐体(78)をさらに含み、前記周辺スカート(34)が少なくとも部分的に前記筐体(78)に外接し、
前記筐体(78)が前記移動防止部材の少なくとも一部を形成する耳甲介床の架台部(80)を含み、
前記イヤピース(32)は、前記筐体(78)が、前記耳甲介床の架台部(80)が前記耳甲介床(26)に当接する前記耳甲介腔(22)内に少なくとも部分的に使用位置を取り、それにより、前記スカート縁部(40)が前記耳甲介床(26)に接触するのを防止するように適合されるようなものである請求項39に記載のイヤピース(32)。
【請求項41】
前記移動防止部材が外部架台部(86)を含み、前記外部架台部(86)が、前記イヤピース(32)が使用位置を取るとき、前記耳甲介天井(30)の反対側にある前記耳(10)の一部に当接するように適合される、請求項39に記載のイヤピース(32)。
【請求項42】
前記外部架台部が、前記イヤピース(32)が前記使用位置を取るとき、前記耳(10)の対耳輪(20)の外側の部分に当接するように適合される、請求項41に記載のイヤピース(32)。
【請求項43】
少なくとも前記外部スカート面(38)がひだ付きであり、又は少なくとも前記スカート位置決め部(36)がひだ付きであり、又は前記周辺スカート(34)がひだ付きである、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項44】
前記中心軸(CA)から前記スカート縁部(40)の方向に測定された前記外部スカート面(38)の表面粗さが0.1mm以上である、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項45】
前記イヤピース(32)が音放射手段(86)、又はラウドスピーカーをさらに含む、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【請求項46】
前記イヤピース(32)が、眼鏡の側面部に接続するための装着手段をさらに含む、請求項1又は2に記載のイヤピース(32)。
【国際調査報告】