(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】掃除機用のセパレータ
(51)【国際特許分類】
F04D 29/70 20060101AFI20220406BHJP
F04D 29/28 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
F04D29/70 K
F04D29/28 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559923
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 SI2020050009
(87)【国際公開番号】W WO2021177901
(87)【国際公開日】2021-09-10
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502301850
【氏名又は名称】ヒラ プロイズヴォドニャ ラズヴォイ イン トルゴヴィナ デー.オー.オー.
【氏名又は名称原語表記】HYLA PROIZVODNJA,RAZVOJ IN TRGOVINA D.O.O.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チェバシェク、メトード
(72)【発明者】
【氏名】ザクシェク、スラヴコ
(72)【発明者】
【氏名】ポガチャル、ヤネス
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB12
3H130AB26
3H130AB44
3H130AB62
3H130AB69
3H130AC21
3H130BA13C
3H130BA42C
3H130BA66C
3H130BA91C
3H130CB01
3H130ED02C
(57)【要約】
本発明は、液体浴を基礎として作動する掃除機用のセパレータに関する。液体浴は、吸引された粒子の事前分離および投棄領域として機能する。セパレータは複数のセグメント(7)からなり、セグメント(7)の各々は、放射状支持体(12)を介してハブ(11)に中央で固定された径方向平坦リング(13)として形成され、径方向平坦リング(13)は、等距離をおいて、リング(13)の表面に対して実質的に垂直に延出する複数のブレード(8)を有する。ブレード(8)は、各セグメント(7)における隣接する2つのブレード(8)の間にギャップ(9)が形成されるように、各セグメント(7)に配置される。個々のセグメント(7)が互いに積み重ねられると、あるセグメント(7)のブレード(8)が、次のセグメント(7)のブレード(8)の間のギャップ(9)内に延在し、それにより、組み立てられたセパレータ(1)の隣接する2つのブレード(8)の間に新たなギャップ(91)が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体浴を基礎として動作する掃除機用のセパレータであって、前記液体浴は吸引された粒子の事前分離および投棄領域として機能し、空気流がハウジング(4)内のタービンホイール(2)によって生成され、遠心セパレータ(1)によって分離が行われ、前記セパレータ(1)は少なくとも2つのセグメント(7)で構成され、前記セグメント(7)の各々は、放射状支持体(12)を介してハブ(11)に中央で固定された径方向平坦リング(13)として形成され、前記径方向平坦リング(13)は、等距離をおいて、前記リング(13)の表面に対して実質的に垂直に形成される複数のブレード(8)を有し、前記ブレード(8)は前記リング(13)の外周部から内側に向かって延び、前記ブレード(8)は、半径方向(R)と前記ブレード(8)の方向(A)との間に角度(α)が回転方向(10)の反対方向に存在するように配置され、前記角度は、0から40度の範囲にあり、前記セグメント(7)の各々は、前記セパレータ(1)をモータ(3)のシャフトに取り付けるための開口を備える、軸方向に形成されたハブ(11)を有するセパレータにおいて、
前記ブレード(8)は、各セグメント(7)における隣接する2つの前記ブレード(8)の間にギャップ(9)が形成されるように、各セグメント(7)に配置され、個々のセグメント(7)が互いに積み重ねられると、あるセグメント(7)の前記ブレード(8)が、次のセグメント(7)の前記ブレード(8)の間の前記ギャップ(9)内に延在し、それにより、組み立てられた前記セパレータ(1)の隣接する2つのブレード(8)の間に新たなギャップ(91)が形成されることを特徴とするセパレータ。
【請求項2】
前記ギャップ(9)の最小幅は前記ブレード(8)の最大厚さの1.2から3.5倍であり、新たに形成された前記ギャップ(91)の最小幅は前記ブレード(8)の最大厚さの0.1から1.25倍であることを特徴とする、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記ブレード(8)は基本的に航空機の翼の外形を有し、前記ブレード(8)の前面(81)は円周の接線に対して約15から45度の角度で切り取られており、前記ブレード(8)のテール(82)は鋭いエッジとして形成されていることを特徴とする、請求項1および2に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記ブレード(8)は、それらの上端に突起(14)を備え、前記径方向平坦リング(13)は前記ギャップ(9)内に凹部(15)を備え、前記セグメント(7)が組み付けられると、前記ブレード(8)の前記突起(14)が前記径方向平坦リング(13)の前記凹部(15)と係合することを特徴とする、請求項1~3に記載のセパレータ。
【請求項5】
前記ハブ(11)の高さは前記ブレード(8)の高さとほぼ同じであり、前記セグメント(7)が組み付けられるときに、あるセグメント(7)の前記ブレード(8)を別のセグメント(7)の前記ブレード(8)の間の前記ギャップ(9)に係合させるべく、位置決めコネクタ(16)が各セグメント(7)の前記ハブ(11)に形成されることを特徴とする、請求項1~4に記載のセパレータ。
【請求項6】
第1の端部セグメント(71)、第2の端部セグメント(72)、および、少なくとも1つの中間セグメント(73)から構成されることを特徴とする、請求項1~5に記載のセパレータ。
【請求項7】
前記中間セグメント(73)は、前記径方向平坦リング(13)の両側面にブレード(8)を備えていることを特徴とする、請求項6に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記径方向平坦リング(13)のいずれかの側面上の前記ブレード(8)は、前記径方向平坦リング(13)の一方の側面上で、前記径方向平坦リング(13)の他方の側面上の前記ブレード(8)に向かって、前記ギャップ(9)の半分だけオフセットされるように配置されることを特徴とする、請求項7に記載のセパレータ。
【請求項9】
前記径方向平坦リング(13)の両側面上の前記ブレード(8)は、上下に整列していることを特徴とする、請求項7に記載のセパレータ。
【請求項10】
前記第1の端部セグメント(71)および前記第2の端部セグメント(72)は、前記径方向平坦リング(13)の一方の側面にのみブレード(8)を備え、前記第1の端部セグメント(71)は、前記タービンホイール(2)とは反対側を向いた前記径方向平坦リング(13)の側面にブレード(8)を備え、前記第2の端部セグメント(72)は、前記タービンホイール(2)に面する前記径方向平坦リング(13)の側面にブレード(8)を備えることを特徴とする、請求項6に記載のセパレータ。
【請求項11】
前記第1の端部セグメント(71)および前記第2の端部セグメント(72)は独立要素として形成され、底部(20)およびシールリング(30)が独立要素として形成されることを特徴とする、請求項6に記載のセパレータ。
【請求項12】
前記第1の端部セグメント(71)は、好ましくは、一体化されたシールリング(30)を備える前記径方向平坦リング(13)を有し、前記第2の端部セグメント(72)は、一体化された底部(20)を備える前記径方向平坦リング(13)を有することを特徴とする、請求項6に記載のセパレータ。
【請求項13】
前記放射状支持体(12)は、前記ハブ(11)に沿った前記ハブ(11)の全高の50から100%をカバーするように形成される一方、前記放射状支持体(12)の高さは前記リング(13)に向かって減少することを特徴とする、請求項7~12に記載のセパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体浴を基礎として作動する掃除機用のセパレータに関する。液体浴は、吸引された粒子の事前分離および投棄領域として機能する。掃除機はいわゆる「ダスト掃除機」であり、掃除を目的としている。
【背景技術】
【0002】
様々なデザインの掃除機が、住宅やビジネス施設での使用で知られている。全ての掃除機に共通する特徴は、それらが空気の負圧を生成し、したがって、不要な粒子、および、いくつかの実施形態では液体、を掃除機内に吸引する空気流を生成することである。次に、掃除機内において、吸引された空気を、吸引された粒子および場合によっては吸引された液体から分離する必要がある。空気は、粒子および場合によっては液体から分離された後、部屋に戻されるが、粒子および場合によっては液体は掃除機内に残っている必要がある。空気からの粒子の分離は、機械式フィルタを使用して行うことができるが、粒子および場合によっては吸引された液体の空気からの分離は、液体浴(フィルタ)および特別なセパレータを使用して行うことができる。液体浴によって粒子および場合によっては吸引された液体を空気から分離して処分することの利点は、機械的フィルタとは異なり、通常は水である液体が常に入手可能であるので、固体に加えて液体も、従って、例えば洗浄剤も吸引できることである。このタイプの掃除機を使用すると、使用する部屋の空気がわずかに湿る。全ての液体浴掃除機に共通する問題は、粒子に加えて、空気流に加わる流体も空気から除去しなければならないことである。ほとんどの液体浴掃除機は、遠心分離によって空気を粒子および関連する液体から分離する。これは、空気の比質量が粒子または液体よりも大幅に低いためである。
【0003】
液体浴掃除機は、例えば、特許文献1または特許文献2、特許文献3、および、特許文献4に開示されている。これらの特許による空気と粒子との分離に対する解決策の主な欠点は、セパレータの構造が技術的に要求の厳しいものであり、十分に効率的でないことである。
【0004】
特許文献5によれば、粒子からの空気の分離は3段階で実行される。空気が液体を通って流れるとき、この液体中で大きな粒子は濡れて液体中に残る。小さな粒子は、空気の流れとともにセパレータに向かって流れ、その表面で液体の微細な液滴と結合し、セパレータの高速回転(20,000~25,000rpm)により、液体容器に押し戻される。最小の粒子は、液体の微小液滴とともにセパレータ内に捕捉され、最大12,000Gの巨大な遠心加速度により、セパレータの内壁に付着する。粒子および液体からの空気の分離のこの第3の最終段階は、粒子がセパレータ内に蓄積されることを意味し、粒子はセパレータのスロットを減少させ、それによってセパレータと掃除機全体との両方の効率を低下させるとともに、セパレータのバランスを崩し、それによって振動を引き起こす。上記のようにセパレータ内に粒子が蓄積することから、セパレータを定期的に清掃する必要があり、これはユーザにとって不便であり、とりわけ、セパレータを取り外す必要があるため、潜在的な危険性がある。この操作を実行している間、掃除機のモータは、回転によりユーザに損傷を与える可能性があるので、駆動すべきではない。特にユーザの安全性の観点から、またそれが実用的ではないことから、粒子および液体から空気を分離するためのそのような解決策は、解決する必要のある問題である。
【0005】
特許文献6による分離は、特許文献5と同様の方法で解決される。改善策は、セパレータのスロットの深さと幅の比率、および、液滴やほこりの粒子が吸気タービンホイールに入るのを防ぐための逆気流を生成する、セパレータ上に追加されたラビリンスに反映される。
【0006】
特許文献5および特許文献6によるセパレータの解決策の主な共通の欠点は、セパレータがセパレータの側壁に形成された垂直スロットを備えた円錐形バスケットとして構成されていることである。側壁は、リブの間にスロットが形成された、リブの配列として形成される。セパレータの回転速度が速く、その結果、遠心力が大きいため、リブおよびその結果として側壁が変形する、つまり外側に膨む。セパレータが変形し、スロットが大きくなり、セパレータが非効率になる。セパレータのバランスが崩れ、振動が発生する。この構造では、側壁のリブを補強することがセパレータの変形を回避する唯一の方法である。これにより、側壁が強固になり、スロットが小さくなり、セパレータの効率が低下する。さらに、リブが広いということは、ほこりの粒子やその他の不純物が蓄積する領域が増えることを意味する。したがって、このタイプのセパレータは、その構造のために効率が低く、ほこりの粒子や他の不純物が蓄積するので、効率がさらに低下し、前述のように定期的に清掃する必要がある。
【0007】
興味深い解決策が、完全に異なる3段階分離に基づく特許文献7に開示されている。
特許文献8の解決策も知られている。セパレータがセグメントからなり、セパレータのセグメントは、放射状支持体上に外周部を有するホイールとして形成され、外周部には均一に分散されたブレードが設けられている。
【0008】
特許文献9に従って設計されたブレードも知られている。ブレードは、ブレードの前面の背後に乱気流空間を生成するように設計される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4640697号明細書
【特許文献2】独国特許発明第3632992号明細書
【特許文献3】米国特許第5030257号明細書
【特許文献4】米国特許第5125129号明細書
【特許文献5】欧州特許第0496837号明細書
【特許文献6】米国特許第5902386号明細書
【特許文献7】米国特許第5908493号明細書
【特許文献8】欧州特許第1261269号明細書
【特許文献9】欧州特許第1426093号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的および目標は、空気流からの粒子および関連する液体の取り出しの効率を高め、ほこりまたは他の不純物がセパレータまたはブレードに蓄積するのを防ぎ、それによって、セパレータの清掃を回避して、液滴、ほこりの粒子、およびその他の不純物がタービンホイール空間に入るのを防ぐ、改良された掃除機のセパレータの構造である。
【0011】
経験によれば、効率的な分離には、ブレード間の空気スロットをできるだけ小さくする必要があり、スロットの総面積はできるだけ大きくする必要がある。ブレードの形状も重要である。ブレードは基本的に航空機の翼の形状をしており、ブレードの前面は鋭く切り取られており、ブレードの厚さがテール、すなわちセパレータの内部にあるブレードの端に向かって連続的に減少することにより、ブレードのテールが鋭いエッジとして形成される。鋭く切り取られた前面は、固体粒子の排出効率を高め、ブレードのテールの鋭いエッジは、セパレータのブレードへの汚れの蓄積を減らす。
【0012】
本発明の課題は、独立請求項によって解決される。
本発明は、以下の実施形態および添付の図面によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】セパレータおよびタービンアセンブリの実施形態。
【
図2】分解されたセパレータの透視図(「分解図」)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ハウジング4内にモータ3を備えた、セパレータ1およびタービンホイール2からなるアセンブリは、液体浴ベースの掃除機の動作の基礎である。原則として、掃除機は、モータ3がそのシャフト上でタービンホイール2およびセパレータ1を駆動するように動作する。アセンブリおよび動作を
図1に示す。タービンホイール2は負圧を生成し、その結果、空気と水滴と他の不純物との混合物を含む流れが生成され、その流れは矢印5の方向においてセパレータ1に向けられる。セパレータ1は高速で回転するので、遠心力により、比重の大きい液滴や他の不純物はセパレータ1に侵入できないか、例外的にしか侵入できない。しかしながら、比重の小さい空気は、タービンホイール2によって発生する圧力によりセパレータ1に入るとともに、タービンホイール2によって引き込まれて、室内に吹き込まれる。セパレータ1に誤って入り込んだ液滴および他の不純物は、放射状支持体12によってセパレータ1内で回転させられ、矢印6によって示されるように遠心力によってセパレータ1から排出される。
【0015】
セパレータの構造および動作を図面によって説明する。
図2から
図4に示される本発明のセパレータ1は、好ましくは円筒形状を有し、複数のセグメント7からなる。各セグメント7は、放射状支持体12を介してハブ11に中央で固定された径方向平坦リング13として形成される。各セグメント7は、リング13の表面に対して実質的に垂直に等距離をおいて形成されたセパレータブレード8を有し、その結果、各セグメント7の隣接する2つのブレード8の間にギャップ9が形成される。ブレード8は、個々のセグメント7が互いに積み重ねられたときに、あるセグメント7のブレード8が次のセグメント7のブレード8の間のギャップ9内に延在するように、各セグメント7に配置され、その結果、組み立てられたセパレータ1の隣接する2つのブレード8の間に新たなギャップ91が形成される。セグメント7の各々は、セパレータ1をモータ3のシャフトに取り付けるための開口を備える、軸方向に形成されたハブ11を有する。
【0016】
径方向平坦リング13上で、セパレータブレード8は、リング13の外周部から内側に延びるとともに、半径方向Rとブレードの方向Aとの間にゼロから40度の角度αが回転方向の反対方向に存在するように配置される。回転方向は矢印10で示されている。
【0017】
各ギャップ9の最小幅は、ブレード8の最大厚さの約1.2から3.5倍である。ギャップ9の幅は、好ましくは同一である。
ブレード8は、鋭く切り取られた前面81、すなわち外側面を有する。ブレード8は、基本的に航空機の翼の外形を有するが、実験では、ブレード8の前面81が円周の接線に対して約15から45度の角度で切り取られた場合に、粒子がよりよく偏向されることが示された。従って、ブレード8の前面は、セパレータ1から粒子および水を物理的に偏向させて衝突させる。
【0018】
ブレード8の厚さは、テール82、すなわちセパレータの内部にあるブレード8の端、に向かって連続的に減少し、それにより、ブレード8のテール82は、セパレータ1のブレード8への汚れの蓄積を低減する鋭いエッジとして形成される。
【0019】
ブレード8は、それらの上端に突起14を備えており、径方向平坦リング13は、ギャップ9内に凹部15を備えている。そのため、セグメント7が組み付けられると、ブレード8上の突起14が径方向平坦リング13上の凹部15に係合し、従って、ブレード8がさらに固定される。
【0020】
隣接する2つのセグメント7が組み付けられると、第1のセグメント7のブレード8は、別のセグメント7のブレード8の間のギャップ9、好ましくはギャップ9の中央と係合する。従って、隣接する2つのセグメント7が組み付けられると、組み立てられたセパレータ1の隣接する2つのブレード8の間に新たなギャップ91が形成される。新たに形成されたギャップ91の最小幅は、ブレード8の最大厚さの0.1から1.25倍の間である。新たに形成されたギャップ91の幅は、好ましくは同一である。
【0021】
セグメント7を組み付けるときにおける、あるセグメント7のブレード8と別のセグメント7のブレード8の間のギャップ9との係合は、それぞれのセグメント7のハブ11上に形成された位置決めコネクタ16によって保証される。
【0022】
セパレータは、好ましくは、第1の端部セグメント71、第2の端部セグメント72、および、少なくとも1つの中間セグメント73からなる。
第1の端部セグメント71は、タービンホイール2に隣接するセグメントであり、第2の端部セグメント72は、タービンホイール2から最も離れたセグメントである。
【0023】
セパレータ1の中間セグメント73は、径方向平坦リング13の両側面にブレード8を備えている。
図2および
図3に示される一実施形態では、径方向平坦リング13のいずれかの側面のブレード8は、径方向平坦リング13の一方の側面上で、径方向平坦リング13の他方の側面のブレード8に向かってオフセットされるように配置される。ブレード8は、好ましくは、ギャップ9の幅の半分だけオフセットされている。
【0024】
径方向平坦リング13のいずれかの側面のブレード8はまた、異なる態様で配置することができ、例えば、径方向平坦リング13の両側面のブレード8は、オフセットすることなく配置することができ、それらは上下に整列される。
【0025】
図1の長手方向断面において、放射状支持体12は、ハブ11に沿ったハブ11の全高の50から100%をカバーするように形成される一方、それらの高さは、リング13に向かって減少する。放射状支持体12は、セパレータに入り込む可能性のある粒子および液体をセパレータから排出する追加のタービンとして機能する。ハブ11の高さは、ブレード8の高さとほぼ同じである。
【0026】
第1の端部セグメント71および第2の端部セグメント72は、径方向平坦リング13の一方の側面にのみブレード8を備えている。第1の端部セグメント71は、タービンホイール2とは反対側を向いた径方向平坦リング13の側面にブレード8を備えている。第2の端部セグメント72は、タービンホイール2に面する径方向平坦リング13の側面にブレード8を備えている。
【0027】
一実施形態によれば、第1の端部セグメント71および第2の端部セグメント72は、独立要素(stand-alone elements)として形成することができ、底部20およびシールリング30もまた、独立要素として形成される。この場合、両方の端部セグメント71,72は、放射状支持体12を介してハブ11に中央で取り付けられた径方向平坦リング13として形成される。この場合、放射状支持体12およびハブ11は、端部セグメント71,72へのシールリング30および底部20の取り付けを妨げないように適切に構成されている。
【0028】
第1の端部セグメント71は、好ましくは、一体化されたシールリング30を備える径方向平坦リング13を有し、第2の端部セグメント72は、一体化された底部20を備える径方向平坦リング13を有する。このように、シールリング30および底部20を別々に製造する必要がないため、セパレータを製造するために必要な部品が少なくなり、セパレータの構造的強度と材料消費量との関係が改善される。
【0029】
図に示す実施形態では、本発明によるセパレータは、5つのセグメント、すなわち、一体化された底部20を備える第2の端部セグメント72と、3つの中間セグメント73と、一体化されたシールリング30を備える第1の端部セグメント71と、からなる。すべてのセグメントは、互いに組み付けられ、各セグメント73,71,72のハブ11に設けられた位置決めコネクタ16を用いて相互に位置決めされる。この実施形態では、位置決めコネクタ16は、セパレータ1の各セグメント73,71,72におけるハブ11の上部のマッチング突起およびハブ11の下部の凹部として作られている。
【0030】
したがって、セパレータ1は、一体化された底部20を有する第2の端部セグメント72からなり、第1の中間セグメント73が、位置決めコネクタ16によって決定される、第2の端部セグメント72に対応する位置に配置され、その結果、径方向平坦リング13の底側に設けられた第1の中間セグメント73のブレード8が、第2の端部セグメント72の径方向平坦リング13に設けられたブレード8の間のギャップ9の中央に配置される。第2の端部セグメント73は、第1の中間セグメント73上に配置されるとともに位置決めコネクタ16によって位置決めされ、その結果、径方向平坦リング13の底側に設けられた第2の中間セグメント73のブレード8が、第1の中間セグメント73の径方向平坦リング13の上側に設けられたブレード8の間のギャップ9の中央に配置される。中間セグメント73の数は、セパレータ1の容量に対応する。セパレータ1は、第1の端部セグメント71のブレード8が、最後の中間セグメント73の径方向平坦リング13の上側に設けられたブレード8の間のギャップ9の中央に配置されるように、一体化されたシールリング30を備えた第1の端部セグメント71の上部で終端する。セパレータ1が組み立てられると、組み立てられたセパレータ1の隣接する2つのブレード8の間に新たなギャップ91が形成される。
【0031】
セパレータ1が回転すると、タービンホイール2によって発生する負圧により、空気が内部に流入する。液滴、ほこり、および他の不純物は、それらの大きな比重のために、ブレード8によって大きく偏向させられる。セパレータ1に偶発的に入る液滴、ほこり、および他の不純物は、放射状支持体12によってさらに回転させられ、ブレード8の間でセパレータ1から排出される。ブレード8は、基本的に航空機の翼の外形を有するが、それらの外縁は空気力学的ではなく、不純物および液体の粒子をセパレータから遠ざけるように偏向させるために、外端で斜めに鋭い縁に切断され、それによって、不純物が定着することを防ぐ。径方向平坦リング13は、径方向平坦リング13に対して放射状支持体12およびブレード8が接するいくつかの箇所で係留されているので、本発明による構造は、機械的に頑丈である。したがって、セパレータ1は、遠心力によって変形しない。この実施形態では、セパレータはセグメント73,71,72からなり、これは、成形ツールが単純であり得る理由である。セグメントの数を変えることにより、任意の高さが可能であり、それによってセパレータ1の容量が増加する。言うまでもなく、本発明は、全高にわたって1つの一体部品として作製されたセパレータも含む。
【0032】
本発明のセパレータは、ブレード8間の最小限のギャップと、ブレード8間のギャップの大きな総表面とを提供する。
本発明は一実施形態で説明したが、セパレータがブレードを有し、あるセグメントのブレードが別のセグメントのブレードの間に係合するすべての構造が本発明の範囲内にあることは言うまでもない。
【国際調査報告】