(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】金属内層およびポリマージャケットを有するドライブシャフト
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561014
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 US2020021084
(87)【国際公開番号】W WO2020214270
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508132034
【氏名又は名称】カーディオバスキュラー システムズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CARDIOVASCULAR SYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】1225 Old Highway 8 NW St. Paul MN 55112 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グローテ,プレストン・エル
(72)【発明者】
【氏名】カンブロンヌ,マシュー・ディ
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンス,ジョセフ・ピィ
(72)【発明者】
【氏名】ストーン,ジェフリー・アール
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF21
4C160MM36
(57)【要約】
高速回転式医療処置、たとえばアテレクトミー術に用いられるドライブシャフトを備えるデバイスおよびシステムの様々な実施形態が開示される。一般的に、ドライブシャフトは、トルクを伝達し、そこに取り付けられる道具、たとえば研磨ヘッドの回転を活性化するように構成され、ポリマージャケットによって覆われる。ある実施形態において、ポリマージャケットは、ポリマージャケットがその近位端において固定されないように、ドライブシャフトの回転に対応して回転することが可能である。ドライブシャフトの様々な実施形態は、ポリマージャケットが、近位止め具および遠位止め具を含む実施形態においては止め具間で、または、遠位止め具のみを備える実施形態においては遠位止め具まで、長手方向に動くことを可能にする、近位止め具および/または遠位止め具を含んでもよい。本願に開示されたデバイスおよびシステムの様々な実施形態は、随意に、ポリマージャケットに加えてまたはポリマージャケットの代わりに、ドライブシャフト内における金属内側ライナを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なドライブシャフトと、
前記回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、
前記ポリマージャケットは前記回転可能なドライブシャフトの回転に対応して回転せず、前記ポリマージャケットは長手方向位置に固定される、医療デバイス。
【請求項2】
前記回転可能なドライブシャフトによって規定される管腔内に可撓性金属ライナをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
回転方向および長手方向の両方において所定位置に固定される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側遠位止め具を備え、前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を遠位方向において前記内側遠位止め具までに制限する、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側近位止め具をさらに備え、前記内側近位止め具および前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を前記内側近位止め具と前記内側遠位止め具との間に制限する、請求項5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
回転可能なドライブシャフトと、
前記回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトの回転に対応して前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように構成される、医療デバイス。
【請求項8】
前記回転可能なドライブシャフトの前記管腔内に可撓性金属ライナをさらに備える、請求項7に記載の医療デバイス。
【請求項9】
回転方向および長手方向の両方において所定位置に固定される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記ドライブシャフトおよび前記ポリマージャケットの両方から独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側遠位止め具を備え、前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を遠位方向において前記内側遠位止め具までに制限する、請求項11に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側近位止め具をさらに備え、前記内側近位止め具および前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を前記内側近位止め具と前記内側遠位止め具との間に制限する、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の外面から径方向外側に延在する外側遠位止め具を備え、前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を遠位方向において前記外側遠位止め具までに制限する、請求項7に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の外面から径方向外側に延在する外側近位止め具をさらに備え、前記外側近位止め具および前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を前記外側近位止め具と前記外側遠位止め具との間に制限する、請求項14に記載の医療デバイス。
【請求項16】
動作可能に接続される原動機ドライブシャフトを有する原動機と、
回転可能なドライブシャフトと、
前記回転可能なドライブシャフト上に設けられる研磨ヘッドと、
前記回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、前記ポリマージャケットの遠位端は前記研磨ヘッドの近位側にあり、
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトの回転に対応して前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように構成される、回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項17】
前記回転可能なドライブシャフトの前記管腔内に可撓性金属ライナをさらに備える、請求項16に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項18】
回転方向および長手方向の両方において所定位置に固定される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項17に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項19】
前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項17に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項20】
前記ドライブシャフトおよび前記ポリマージャケットの両方から独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合される前記可撓性金属ライナをさらに備える、請求項17に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項21】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側遠位止め具を備え、前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を遠位方向において前記内側遠位止め具までに制限する、請求項20に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項22】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側近位止め具をさらに備え、前記内側近位止め具および前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を前記内側近位止め具と前記内側遠位止め具との間に制限する、請求項21に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項23】
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の外面から径方向外側に延在する外側遠位止め具を備え、前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を遠位方向において前記外側遠位止め具までに制限する、請求項16に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項24】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の外面から径方向外側に延在する外側近位止め具をさらに備え、前記外側近位止め具および前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を前記外側近位止め具と前記外側遠位止め具との間に制限する、請求項23に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者
グローテ,プレストン・エル(Preston L. Grothe)、アメリカ合衆国民,ミネソタ州(MN)、メープルグローブ(Maple Grove)在住
カンブロンヌ,マシュー・ディ(Matthew D. Cambronne)、アメリカ合衆国民,ミネソタ州(MN)、ノースオークス(North Oaks)在住
ヒギンス,ジョセフ・ピィ(Joseph P. Higgins)、アメリカ合衆国民,ミネソタ州(MN)、ミネトンカ(Minnetonka)在住
ストーン,ジェフリー・アール(Jeffrey R. Stone)、アメリカ合衆国民,ミネソタ州(MN)、ミネトンカ(Minnetonka)在住
関連出願の相互参照
この出願は、2020年3月3日に提出され、金属内層およびポリマージャケットを有するドライブシャフト(DRIVE SHAFT WITH METALLIC INNER LAYER AND POLYMER JACKET)と題された米国非仮特許出願第16/807,669号に対する優先権を主張し、さらに、2019年4月15日に提出され、金属内層およびポリマージャケットを有するドライブシャフト(DRIVE SHAFT WITH METALLIC INNER LAYER AND POLYMER JACKET)と題された米国仮出願第62/834,023号の利益を主張し、上記出願の内容全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による支援を受けた研究開発に関する記載
該当なし
本発明の背景
本発明の技術
本開示は、医療デバイス処置において用いられるドライブシャフトに関する。より具体的には、本開示は、回転式アテレクトミーおよび血栓切除処置において用いられるドライブシャフトに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
動脈および類似の人体通路における組織の除去または修復に用いるために、様々な技術および器具が開発されている。このような技術および器具の頻発する目的は、患者の動脈におけるアテローム性動脈硬化プラークの除去である。アテローム性動脈硬化は、患者の血管の内膜層(内皮の下)における脂肪沈着物(アテローム)の蓄積によって特徴付けられる。時間とともに、比較的軟質のコレステロールの多いアテローム様物質として最初に堆積されるものは、石灰化アテローム性動脈硬化プラークへと固化する場合が多い。このようなアテロームは、血液の流れを制限するため、しばしば狭窄病変または狭窄とも呼ばれ、阻害物質は狭窄物質と呼ばれる。治療されないままにされると、このような狭窄は、狭心症、高血圧症、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こすことがある。
【0004】
回転式アテレクトミー処置は、このような狭窄物質を除去するための一般的な技術となっている。このような処置は、冠動脈における石灰化した病変の開通を開始するために最も頻繁に用いられる。ほとんどの場合、回転式アテレクトミー処置は単独では用いられないが、バルーン血管形成処置が後に続き、次に、開通された動脈の開存性を維持することを助けるためにステントの配置が後に続くことがたびたびある。石灰化されてない病変のためには、動脈を開通させるためにバルーン血管形成が単独で用いられる場合が多く、開通された動脈の開存性を維持するためにステントがしばしば配置される。しかしながら、バルーン血管形成を経験しステントが動脈に配置されている患者のかなりの割合がステント再狭窄を経験することを研究は示している。ステント再狭窄とは、ステント内で瘢痕組織が過度に成長する結果として、ある期間にわたって最も頻繁に発達するステントの閉塞である。このような状況において、アテレクトミー処置は、ステントから過度の瘢痕組織を除去するための好ましい処置であり(バルーン血管形成はステント内においてはあまり有効ではない)、これにより動脈の開存性を復活させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
狭窄物質を除去しようとして、いくつかの種類の回転式アテレクトミーデバイスが開発されてきた。このようなデバイスは、一般に、研磨ヘッドが設けられるドライブシャフトと、回転可能な駆動機構を備えドライブシャフトの近位部分に連結されるハンドルとを含む。回転式アテレクトミーデバイスとともに用いられる既知のドライブシャフトは、一般に、典型的にはステンレス鋼金属構造である金属ワイヤ巻回を備え、ドライブシャフトに対して長手方向に固定されるポリマーコーティングまたはポリマージャケットによって覆われ得る。ポリマーコーティングまたはポリマージャケットは、回転中にドライブシャフト内および/またはドライブシャフト周りに流体を含むのに役立ち、ある程度において、ドライブシャフトがドライブシャフトの回転中にその静止直径に可能な限り近い動作直径を維持するのに役立ち得る。ポリマーコーティングはドライブシャフトとともに回転し得る一方、典型的にはポリマージャケットは回転しない。言い換えれば、ドライブシャフトを覆うポリマージャケットを備えるアテレクトミーデバイスにおいて、ドライブシャフトはポリマージャケット内で回転し得る一方、ポリマージャケットはハンドルに対して動かないままである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような既知のシステムにおけるもののように所定位置に長手方向に固定されたポリマージャケットは、ポリマージャケットを含まないシステムよりも良好に、回転するドライブシャフトが高速回転中にその静止直径に近い直径を維持するのに役立ち得るが、出願人は、このような既知のポリマージャケットが改良され得ることを発見した。たとえば、既知の固定位置のポリマージャケットは、ドライブシャフトの径方向偏位、ならびに高速回転中のドライブシャフトにおける望ましくない振動および/または定常波など、ドライブシャフトの高速回転中に生じ得る他の問題を十分に軽減し得ない。ドライブシャフトの径方向偏位、高速回転中のドライブシャフトにおける望ましくない振動および/または定常波は、研磨ヘッドをその意図した移動経路からそらす可能性があり、次に、研磨ヘッドが閉塞物質を除去する有効性を低減させる、および/または、研磨ヘッドの血管壁との制御できない接触によって引き起こされる合併症に寄与する可能性がある。
【0007】
したがって、これらの課題に対処するように構成されたドライブシャフトとポリマージャケットとを含む回転式医療デバイス(たとえば、回転式アテレクトミーデバイス)が望ましい。このようなデバイスは、回転処置の有効性を改善させ、関連する合併症のリスクを低減させることなどによって、既知の回転式医療デバイスと比較して改善された性能をもたらし得る。さらに、出願人は、いくつかの実施形態において、回転式医療デバイスの改善された性能をもたらすために、滑らかな金属内層が用いられ得ることを発見した。
【0008】
本発明の様々な実施形態は、とりわけ、これらの課題に対処する。このような課題はアテレクトミー術以外の回転式処置を使用するように構成されるデバイスにおいて生じることがあり、その課題は本発明の様々な実施形態によって同様に対処されることに留意されたい。
【0009】
さらに、我々は、以下の特許および出願の開示を提供し、各々がカーディオバスキュラー・システム社(Cardiovascular System, Inc.)に属し、それらの全体が本願に組み込まれ、各々が現在開示された主題の様々な実施形態とともに用いられ得るシステム、方法および/またはデバイスを含み得る。
【0010】
米国特許第9,468,457号、「偏心クラウンを有するアテレクトミー装置(ATHERECTOMY DEVICE WITH ECCENTRIC CROWN)」;
米国特許第9,439,674号、「交換可能ドライブシャフトおよび噛合歯車を有する回転アテレクトミーデバイス(ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH EXCHANGEBLE DRIVE SHAFT AND MESHING GEARS)」;
米国特許第9,220,529号、「電気モータを有する回転式アテローム切除術用デバイス(ROTATIONAL ATERECTOMY DEVICE WITH ELECTRIC MOTOR)」;
米国特許第9,119,661号、「電気モータを有する回転式アテローム切除術用デバイス(ROTATIONAL ATERECTOMY DEVICE WITH ELECTRIC MOTOR)」;
米国特許第9,119,660号、「電気モータを有する回転式アテローム切除術用デバイス(ROTATIONAL ATERECTOMY DEVICE WITH ELECTRIC MOTOR)」;
米国特許第9,078,692号、「回転式アテレクトミーシステム(ROTATIONAL ATHERECTOMY SYSTEM)」;
米国特許第6,295,712号、「回転式アテレクトミーデバイス(ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE)」;
米国特許第6,494,890号、「偏心回転式アテレクトミーデバイス(ECCENTRIC ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE)」;
米国特許第6,132,444号、「アテレクトミーデバイスのための偏心ドライブシャフトおよび製造方法(ECCENTRIC DRIVE SHAFT FOR ATHERECTOMY DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURE)」;
米国特許第6,638,288号、「アテレクトミーデバイスのための偏心ドライブシャフトおよび製造方法(ECCENTRIC DRIVE SHAFT FOR ATHERECTOMY DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURE)」;
米国特許第5,314,438号、「回転アテローム切除用研磨駆動軸装置(ABRASIVE DRIVE SHAFT DEVICE FOR ROTATIONAL ATHERECTOMY)」;
米国特許第6,217,595号、「回転式アテレクトミーデバイス(ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE)」;
米国特許第5,554,163号、「アテレクトミーデバイス(ATHERECTOMY DEVICE)」;
米国特許第7,507,245号、「研磨クラウンを有する回転式血管形成デバイス(ROTATIONAL ANGIOPLASTY DEVICE WITH ABRASIVE CROWN)」;
米国特許第6,129,734号、「径方向拡張型原動機連結を有する回転式アテレクトミーデバイス(ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH RADIALLY EXPAMDABLE PRIME MOVER COUPLING)」;
米国特許出願第11/761,128号、「高速回転式アテレクトミー装置のための偏心研磨ヘッド(ECCENTRIC ABRADING HEAD FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE)」;
米国特許出願第11/767,725号、「閉塞性病変を開くシステム、装置および方法(SYSTEM, APPARATUS AND METHOD FOR OPENING AN OCCLUDED LESION)」;
米国特許出願第12/130,083号、「高速回転式アテローム切除術用デバイスのための偏心研磨要素(ECCENTRIC ABRADING ELEMENT FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICES)」;
米国特許出願第12/363,914号、「アテローム切除術用デバイスのための横方向に変位した質量中心を有する複数材料研磨ヘッド(MULTI-MATERIAL ABRADING HEAD FOR ATHERECTOMY DEVICES HAVING LATERALLY DISPLACED CENTER OF MASS)」;
米国特許出願第12/578,222号、「予め曲げられた駆動シャフトを備えている回転式アテローム切除術用デバイス(ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE WITH PRE-CURVED DRIVE SHAFT)」;
米国特許出願第12/130,024号、「高速回転式アテレクトミーデバイスのための偏心研磨および切断ヘッド(ECCENTRIC ABRADING AND CUTTING HEAD FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICES)」;
米国特許出願第12/580,590号、「高速回転式アテレクトミーデバイスのための偏心研磨および切断ヘッド(ECCENTRIC ABRADING AND CUTTING HEAD FOR HIGH-SPEED ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICES)」;
米国特許出願第29/298,320号、「回転式アテレクトミー研磨クラウン(ROTAITONAL ATHERECTOMY ABRASIVE CROWN)」;
米国特許出願第29/297,122号、「回転式アテレクトミー研磨クラウン(ROTAITONAL ATHERECTOMY ABRASIVE CROWN)」;
米国特許出願第12/466,130号、「回転アテローム切除術用デバイス用二方向拡張型ヘッド(BIDIRECTIONAL EXPANDABLE HEAD FOR ROTATIONAL ATHERECTOMY DEVICE)」;
米国特許出願第12/388,703号、「回転式アテローム切除術用区分型研磨ヘッド、および研磨効率を改善する方法(ROTATIONAL ATHERECTOMY SEGMENTED ABRADING HEAD AND METHOD TO IMPROVE ABRADING EFFICIENCY)」。
【0011】
本発明の概要
高速回転式医療処置、たとえばアテレクトミー術に用いられるドライブシャフトを備える回転式デバイスの様々な実施形態が開示される。一般に、ドライブシャフトは、トルクを伝達し、そこに取り付けられる工具、たとえば研磨要素(本明細書においては「研磨ヘッド」とも記載され得る)の回転を活性化するように構成され、ポリマージャケットによって覆われている。ある実施形態においては、ポリマージャケットはその近位端において固定されていないため、ドライブシャフトの回転に対応して回転することを可能とされる。ドライブシャフトの様々な実施形態は、近位および/または遠位外側止め具を含んでもよく、近位および/または遠位外側止め具は、ポリマージャケットが、近位および遠位外側止め具を備える実施形態においては止め具間で、または、遠位止め具のみを備える実施形態においては遠位外側止め具まで、長手方向に動くことを可能とする。本明細書に記載されたデバイスおよびシステムの様々な実施形態は、随意に、ポリマージャケットに加えてまたはポリマージャケットの代わりに、ドライブシャフト内の金属内側ライナを備えてもよい。ある実施形態において、金属内側ライナはその近位端において固定されていないため、ドライブシャフトの回転に対応して回転することを可能とされる。金属内側ライナを含むいくつかの実施形態は、近位および/または遠位内側止め具を含んでもよく、近位および/または遠位内側止め具は、金属内側ライナが、近位および遠位内側止め具を備える実施形態においてはその間で、または、遠位止め具のみを備える実施形態においては遠位内側止め具まで、長手方向に動くことを可能にする。
【0012】
本発明の実施形態は、ドライブシャフトを囲む回転可能で長手方向に移動可能なポリマージャケットを提供することによって、既知の回転式デバイスに関連する問題に対処し得る。これは、既知の回転式デバイスの固定されたポリマージャケットよりも良好に、ドライブシャフトの望ましくない径方向偏位を最小化し、振動を減衰させる。追加的にまたは代替的に、本発明の実施形態の構成は、既知の回転式デバイスの固定されたポリマージャケットよりも良好に、高速回転中のドライブシャフトにおける望ましくない振動および/または定常波を低減し得るまたはなくし得る。
【0013】
一実施形態は、回転可能なドライブシャフトと、回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、ポリマージャケットが回転可能なドライブシャフトの回転に対応して回転せず、ポリマージャケットが長手方向位置に固定される、医療デバイスである。
【0014】
さらなる実施形態は、回転可能なドライブシャフトと、回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、ポリマージャケットがドライブシャフトの回転に対応してドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように構成される、医療デバイスである。
【0015】
さらなる実施形態は、そこに動作可能に接続される原動機ドライブシャフトを有する原動機と、回転可能なドライブシャフトと、回転可能なドライブシャフト上に設けられる研磨ヘッドと、回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットをと、を備え、ポリマージャケットの遠位端が研磨ヘッドの近位側にあり、ポリマージャケットがドライブシャフトの回転に対応してドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように構成される、回転式アテレクトミーデバイスである。
【0016】
本発明および本明細書に記載されたその用途の説明は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。様々な実施形態の構成は、この発明の解釈内で他の実施形態と組み合わされてもよい。本明細書に開示された実施形態の変形および修正が可能であり、実施形態の様々な要素の実用的な代替物および等価物が、この特許文献の研究の上、当業者に理解され得る。本明細書に開示された実施形態のこれらのおよび他の変形ならびに修正は、本発明の範囲および精神から逸脱することなくなされ得る。
【0017】
図面のいくつかの図の簡単な説明
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】既知の回転式アテレクトミーデバイスおよびシステムの一実施形態の斜視図である。
【
図2】回転式医療デバイスおよびシステムの1つの既知の実施形態の部分概略図かつ部分長手方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られた断面を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態の長手方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られた断面を示す図である。
【
図4】本発明の別の実施形態の長手方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られた断面を示す図である。
【
図5】
図3および
図4の実施形態の軸方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に垂直に切り取られた断面を示す図である。
【
図6】本発明の別の実施形態の長手方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られた断面を示す図である。
【
図7】
図6の実施形態の軸方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に垂直に切り取られた断面を示す図である。
【
図8】本発明の別の実施形態の長手方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られた断面を示す図である。
【
図9】本発明の別の実施形態の長手方向断面図であって、長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られた断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の詳細な説明
本発明は様々な修正および代替形態に補正可能であるが、その特徴は図面において例によって示され、本明細書に詳細に記載される。しかしながら、本発明を記載された特定の実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。対照的に、本発明の精神および範囲内にあるすべての修正、等価物、および代替物をカバーすることが意図される。さらに、本明細書に記載された実施形態の1つまたは複数は、近位止め具、遠位止め具、および金属ライナの各々を含むものとして記載または図示されているが、これらの構成のすべてよりも少ないものを含む実施形態もこの開示の範囲内で考えられることを理解されたい。
【0020】
図1~
図9は、既知のデバイスおよび本発明のデバイスの様々な実施形態を示す。これらの実施形態は別々に示されているが、示された実施形態の1つまたは複数の局面が組み合わせられてもよいことが当業者に理解され得る。
【0021】
図1は、本発明を取り込み得る回転式アテレクトミーデバイスの1つの既知の実施形態を示す。デバイスは、ハンドル部分10と、拡大された研磨ヘッド28を有する細長い可撓性のドライブシャフト20と、ハンドル部分10から遠位方向に延在する細長いカテーテル13とを含む。ドライブシャフト20は、当該技術において知られるようにらせんコイル状のワイヤから構成され、研磨ヘッド28がそこに固定的に取り付けられる。ドライブシャフト20などの既知のドライブシャフトは、多条巻線コイルから製造される。コイルは、任意の好適な金属材料を含んでもよい。この既知のコイルの固有の構成は、条間の空間を許容する。これらの空間は、ドライブシャフトコイルとガイドワイヤ15との境界に冷却および/または潤滑効果をもたらすために、流体、たとえば生理食塩水および/もしくは水、または他の流体がドライブシャフトコイルの内径まで通過することを可能にする。
【0022】
一般的に、この既知の構成において、コイル状のドライブシャフトの近位端およびハンドル部分10のドライブシャフトには連結具(典型的には、固体金属管を備える)が取り付けられる。ハンドル部分10のドライブシャフトは、原動機によって駆動され、これにより原動機、たとえばタービンまたは電気モータとドライブシャフト20との間における接続をもたらす。しかしながら、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、この開示の実施形態と互換性のある範囲で他の好適なドライブシャフト構成が用いられてもよい。
【0023】
引き続き
図1を参照すると、カテーテル13は管腔を有しており、管腔には、拡大された研磨ヘッド28および研磨ヘッド28の遠位側の短いセクションを除いて、ドライブシャフト20の長さのほとんどが配置される。ドライブシャフト20は、ドライブシャフト20がガイドワイヤ15上で前進および回転することを可能にする、内側管腔も規定する。冷却および潤滑溶液(典型的には、生理食塩水または別の生体適合性流体)をカテーテル13内に導入するために、流体供給ライン17が提供されてもよい。
【0024】
ハンドル部分10は、望ましくは、高速でドライブシャフト20を回転させるためのタービン(または類似の回転可能な駆動機構)を含む。ハンドル部分10は、典型的には、管16を通って送達される圧縮空気などの動力源に接続され得る。タービンおよびドライブシャフト20の回転のスピードを監視するために、一対のファイバ光学ケーブル25が設けられてもよく、代替的には単一のファイバ光学ケーブルが用いられてもよい。ハンドル部分10は、望ましくは、カテーテル13およびハンドル部分10の本体に対してタービンおよびドライブシャフト20を前進および後退させるための制御ノブ11も含む。
【0025】
図2は、回転式医療デバイスの1つの既知の実施形態の部分概略図かつ部分長手方向断面図であって、断面は長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られている。
図1の回転式医療デバイスに関して本明細書に記載される構成、機能、および利点のいずれか1つまたは複数が、随意に、
図2の回転式医療デバイスに含まれ得ること、およびその逆も同様であることに留意されたい。
図1および
図2の回転式医療デバイスを通じて、同様の参照符号が実質的に同様の構成を示すことにも留意されたい。たとえば、ドライブシャフト20は、
図1および
図2の回転式医療デバイスにおいて実質的に同じものであり得る。
【0026】
図2に示される回転式医療デバイスは、タービン、空気入りデバイスもしくは電気モータなどの原動機30に動作可能に接続されるワイヤまたは金属巻回を備えるドライブシャフト20を備える。システムには流体槽32が動作可能かつ流動的に接続されており、外側ポリマージャケット22がドライブシャフト20の近位端において長手方向位置に固定され、ドライブシャフト20のワイヤ巻回の遠位端まで遠位方向に延在するように設けられる。ポリマージャケット22およびドライブシャフト20のワイヤ巻回は、概ね同じ場所において終端する。すなわち、
図2の実施形態において、ポリマージャケット22はドライブシャフト20のすべてを覆う。ドライブシャフト20は、ポリマージャケット22から独立して、かつ、ポリマージャケット22内で回転する。一般的に、ポリマージャケット22は、回転中にドライブシャフト20の内部および/または周りに流体を含むのに役立ち、ドライブシャフト20がその静止直径に可能な限り近い動作直径を維持することをさらに助ける。違う言い方をすれば、ポリマージャケット22は、ドライブシャフト20の可撓性ワイヤ巻回による望ましくない径方向偏位を最小化し、ドライブシャフト20が可能な限り静止した名目上の回転軸Aと位置合わせされるように維持することを助ける。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態の長手方向断面図であって、断面は長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られている。
図2に図示された原動機30および流体槽32の要素は
図3において省略されているが、
図3のシステムの一部と考えられてもよい。金属ワイヤ巻回を備えるドライブシャフト40が提供され、その近位端において固定される外側ポリマージャケット42によって部分的に覆われる。ドライブシャフト40およびポリマージャケット42の1つ以上の構成は、
図2の実施形態のドライブシャフト20およびポリマージャケット22の対応する構成(ドライブシャフト20のワイヤ巻回、ならびに/または、ドライブシャフト20およびポリマージャケット22を形成する材料の組成など)に実質的に類似し得る。ポリマージャケット42は回転せず、ドライブシャフト40はポリマージャケット42内で独立して回転する。
図3の実施形態は、ドライブシャフト40の遠位セクション46が露出しており、ポリマージャケット42によって覆われていないという点で、
図2の実施形態と異なる。この遠位セクション46は、アテレクトミークラウンなどの工具、たとえば研磨ヘッド(図示せず)、または他の工具を備えてもよい。
【0028】
代替的には、ポリマージャケット42は、その近位端において固定されていなくてもよい。
図3のこの代替的な実施形態において、ポリマージャケット42はドライブシャフト40の回転に対応して回転することが可能であるが、ポリマージャケット42およびドライブシャフト40はそれ自体、接続されてない。ドライブシャフト40は、近位非外傷性止め具48Pおよび遠位非外傷性止め具48Dを備えてもよい。近位非外傷性止め具48Pおよび遠位非外傷性止め具48Dは、ドライブシャフト40の外面上に滑らかな非外傷性隆起部を備え得る。したがって、ポリマージャケット42は長手方向において止め具48Pおよび48D間に制限され、ポリマージャケット42の長さに対する止め具48Pおよび48D間の距離に応じて、ポリマージャケット42のいかなる長手方向移動も防止し得る、またはいくらかの長手方向移動を可能にし得る。さらに代替的には、遠位止め具48Dのみが設けられてもよく、このときポリマージャケット42は遠位止め具48Dまで遠位方向に自由に動く。さらに代替的には、近位止め具48Pおよび/または遠位止め具48Dは各々、1つよりも多い隆起部を備えていてもよく、いくつかの近位隆起部および/またはいくつかの遠位隆起部は、ドライブシャフト40の対応する近位セクションまたは遠位セクションの周囲の周りにおいて互いに径方向に離間される。この実施形態のすべての場合において、ポリマージャケット42はドライブシャフト40の回転中に自由に回転するが、必ずしもドライブシャフト40と同じ速度で回転するというわけではない。
【0029】
ドライブシャフト40の回転中にポリマージャケット42が自由に回転するこの配置は、上述されたように、回転中にドライブシャフト40の外径をその静止直径に近似する動作直径に保ち、ポリマージャケット42が近位止め具48Pと遠位止め具48Dとの間に適切に配置されたとき、その間におけるポリマージャケット42の長手方向移動の有無にかかわらず、さらなる共鳴低減または緩和構成を追加するのを助ける。たとえば、ポリマージャケット42が近位止め具48Pと遠位止め具48Dとの間で回転および長手方向に移動することを可能にすることは、ポリマージャケット42が回転および/または長手方向に移動することを可能にしてドライブシャフト40の高速回転中に生じ得る望ましくない振動および/または定常波の問題を低減するのを助ける。すなわち、ポリマージャケット42が近位止め具48Pと遠位止め具48Dとの間で回転および長手方向に移動することを可能にすることによって、ポリマージャケット42は自然な位置へ回転および/または摺動することができ、これらの潜在的な問題を最小化するまたはなくすのに役立つ。
【0030】
上記の利益に加えて、
図3の配置は、ドライブシャフト40の管腔を通って延在し得るガイドワイヤ(図示されていないが、当業者にとって周知である;たとえば、
図1に示されるガイドワイヤ15)のために、追加の安定性および支持を提供する。振動および他の力は、ドライブシャフトに加えてガイドワイヤに、特にその遠位端において悪影響を及ぼし得ることが知られている。ドライブシャフト40の径方向偏位を減衰させることにおいて、ポリマージャケット42は、振動および既知のデバイスにおいてガイドワイヤに伝えられる他の力を減衰させるようにも作用する。
【0031】
図4は、本発明の別の実施形態の長手方向断面図であって、断面は長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られている。具体的には、
図4の実施形態は、
図3の実施形態の変形である。金属ワイヤ巻回と、近位止め具58Pおよび遠位止め具58Dとを備えるドライブシャフト50が提供され、ドライブシャフト50は、ポリマージャケット52によって部分的に覆われており、ドライブシャフト50の近位セクション54および遠位セクション56は露出されたままとなっている。ドライブシャフト50、近位止め具58Pおよび遠位止め具58D、ならびにポリマージャケット52の1つ以上の構成および利点は、
図3の実施形態のドライブシャフト40、止め具48Pおよび48D、ならびにポリマージャケット42の対応する構成および利点に実質的に類似し得る。
図4は、近位止め具58Pおよび遠位止め具58Dがポリマージャケット52の長手方向長さよりも大きい距離で離間されていることを示しており、したがって、ポリマージャケット52がドライブシャフト50の回転および関連する径方向の動きに対応して動く所定長さの長手方向移動を可能とし、上述したものと同じドライブシャフト50およびガイドワイヤに対する利益を提供する。
【0032】
図5は、
図3および
図4の実施形態の軸方向断面図であって、断面は長手方向軸Aに実質的に垂直に切り取られている。
図5に示されるように、外側ポリマージャケット52は、ドライブシャフト50の内側ワイヤ巻回を囲む。ドライブシャフト50とポリマージャケット52との間には小さな周方向空間(図示せず)が規定されてもよく、これはドライブシャフト50およびポリマージャケット52の独立した回転を可能にし得る。
【0033】
図6~
図9は、この開示の回転式医療デバイスの様々な実施形態を示し、回転式医療デバイスは、ドライブシャフト内部に配置される滑らかな金属ライナを含む。以下に記載されるように、金属ライナは、ポリマージャケットとともに、またはポリマージャケットなしで用いられ得る。ポリマージャケットとともに用いられるとき、ポリマージャケットおよび金属ライナの両者は、随意に、ポリマージャケットおよび金属ライナの両者のどちらかが回転しないように長手方向に固定されるとともにドライブシャフトとは接続されていなくてもよく、または、ポリマージャケットおよび金属ライナの一方または両方がドライブシャフトから独立して回転するように構成されてもよい。
【0034】
図6は、本発明の別の実施形態の長手方向断面であって、断面は長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られている。金属ワイヤ巻回を備えるドライブシャフト60が提供され、ドライブシャフト60は、ドライブシャフト60の遠位セクション66および近位セクション67が露出するようにポリマージャケット62によって部分的に覆われる。ドライブシャフト60は、近位止め具68Pおよび遠位止め具68Dを備える。ドライブシャフト60、止め具68Pおよび68D、ならびにポリマージャケット62の1つ以上の構成および利点は、
図3~
図5の実施形態のドライブシャフト、止め具、およびポリマージャケットの対応する構成および利点に実質的に類似し得る。
図6の実施形態は、
図4および
図5の実施形態に、ドライブシャフト60のワイヤ巻回の内部における滑らかな金属ライナ64を追加する。
【0035】
滑らかな金属ライナ64は可撓性があるが、ドライブシャフト60には取り付けられない。
図6に示されるように、ドライブシャフト60は、内側近位止め具70Pおよび内側遠位止め具70Dをさらに備える。代替的には、ドライブシャフト60の内側止め具は、遠位内側止め具70Dのみを備えてもよい。内側止め具70Pおよび70Dは、ドライブシャフト60の内面からドライブシャフト60によって規定される管腔内へ径方向内側に延在する隆起部を備える。いくつかの場合において、内側近位止め具70Pおよび/または内側遠位止め具70Dは各々、1つよりも多い隆起部を備えていてもよく、いくつかの近位隆起部および/またはいくつかの遠位隆起部は、ドライブシャフト60の対応する近位セクション67または遠位セクション66の内周の周りにおいて互いに径方向に離間される。このような場合において、金属ライナ64は、
図3~5の実施形態のポリマージャケットおよびドライブシャフトに関連して上述されたものと類似の態様で、内側近位止め具70Pおよび/または内側近位止め具70D間、またはドライブシャフト60の近位端と内側遠位止め具70Dとの間において、ドライブシャフト60内で自由に動く。したがって、金属ライナ64は、所定の距離内で長手方向に移動することが可能である。近位止め具内側70Pおよび遠位止め具内側70Dの両方が用いられる場合、近位止め具70Pと遠位止め具70Dとの間の距離は、金属ライナ64の長さよりも大きく、または金属ライナ64の長さと等しくされて、金属ライナ64の所望の長手方向長さの移動を規定し得る。
【0036】
金属ライナ64は、ドライブシャフト60によって規定される管腔の内/外への流体移動を防止するのに役立ち得るとともに、共鳴、振動などの最小化に関して、回転可能/長手方向に移動可能なポリマージャケットに対して上述されたものに関する利点も提供し得るため、ドライブシャフト60、ならびに、金属ライナ64内でかつ金属ライナ64に対して移動および/または回転し得るガイドワイヤの完全性を維持するのに役立つ。いくつかの実施形態において、金属ライナ64は、金属ライナ64を含むデバイスに所望の量の可撓性を提供するようなポリマージャケット62および/または上述された他のポリマージャケットの剛性とは異なる(たとえば、より大きい)剛性を有してもよい。
【0037】
図7は、
図6の実施形態の軸方向断面図であって、断面は長手方向軸Aに実質的に垂直に切り取られている。
図7に示されるように、外側ポリマージャケット62は、ドライブシャフト60の内側ワイヤ巻回を囲む。金属ライナ64とドライブシャフト60との間には小さな周方向空間(図示せず)が規定されてもよく、これはドライブシャフト60および金属ライナ64の独立した回転を可能にし得る。ドライブシャフト60とポリマージャケット62との間には小さな周方向空間(図示せず)が規定されてもよく、これはドライブシャフト60およびポリマージャケット62の独立した回転を可能にし得る。
【0038】
図8は、本発明の別の実施形態の長手方向断面図であって、断面は長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られている。金属ワイヤ巻回を備えるドライブシャフト80が提供され、ドライブシャフト80は、ドライブシャフト60の遠位セクション86および近位セクション87が露出するようにポリマージャケット82によって部分的に覆われる。ドライブシャフト80は、近位止め具88Pおよび遠位止め具88Dを備える。ドライブシャフト80、止め具88Pおよび88D、ならびにポリマージャケット82の1つ以上の構成および利点は、
図3~
図5の実施形態のドライブシャフトおよびポリマージャケットの対応する構成および利点に実質的に類似し得る。
図8の実施形態は、
図4および
図5の実施形態に、ドライブシャフト80のワイヤ巻回の内部における滑らかな金属ライナ84を追加する。
【0039】
滑らかな金属ライナ84は可撓性があり、その近位端において固定される。
図6の実施形態とは異なり、ドライブシャフト80は、内側近位止め具および/または内側遠位止め具を備えておらず、その間における金属ライナ84の長手方向移動を可能にする。金属ライナ84がその近位端において固定される場合、金属ライナ84は回転せず、ドライブシャフト80およびポリマージャケット82は金属ライナ84上で独立して回転する。代替的には、滑らかな金属ライナ84は、その近位端において固定されなくてもよい。このような場合、金属ライナ84は、ドライブシャフト80の回転中にドライブシャフト80内で自由に回転する。
【0040】
図9は、本発明の別の実施形態の長手方向断面図であって、断面は長手方向軸Aに実質的に平行に切り取られている。金属ワイヤ巻回を備えるドライブシャフト90が提供され、ドライブシャフト90は、ドライブシャフト90の遠位セクション96および近位セクション97が露出するようにポリマージャケット92によって部分的に覆われる。
図9の実施形態は、
図2の実施形態に、ドライブシャフト90のワイヤ巻回の内部における滑らかな金属ライナ94を追加する。ドライブシャフト90およびポリマージャケット92の1つ以上の構成および利点は、
図2の実施形態のドライブシャフトおよびポリマージャケットの対応する構成および利点に実質的に類似し得る。
【0041】
滑らかな金属ライナ94は可撓性があり、ドライブシャフト90には取り付けられない。
図9に示されるように、ドライブシャフト90は、内側近位止め具100Pおよび内側遠位止め具100Dをさらに備える。代替的には、ドライブシャフト90の内側止め具は、遠位内側止め具100Dのみを備えてもよい。
図6の実施形態の内側止め具70Pおよび70Dに類似して、内側止め具100Pおよび100Dは、ドライブシャフト90の内面からドライブシャフト90によって規定される管腔内へ径方向内側に延在する隆起部を備える。いくつかの場合、内側近位止め具100Pおよび/または内側遠位止め具100Dは各々、1つよりも多い隆起部を備えていてもよく、いくつかの近位隆起部および/またはいくつかの遠位隆起部は、ドライブシャフト90の対応する近位セクション97または遠位セクション96の内周の周りにおいて互いに径方向に離間される。このような場合、金属ライナ94は、
図3~
図5の実施形態のポリマージャケットおよびドライブシャフトに関連して上述されたものと類似の態様で、内側近位止め具100Pおよび/または内側近位止め具100D間、またはドライブシャフト90の近位端と内側遠位止め具100Dとの間において、ドライブシャフト90内で自由に動く。したがって、金属ライナ94は、所定の距離内で長手方向に動くことが可能である。近位止め具内側100Pおよび遠位止め具内側100Dの両方が用いられる場合、近位止め具100Pと遠位止め具100Dとの間の距離は、金属ライナ94の長さよりも大きく、または金属ライナ94の長さと等しくされて、金属ライナ94の所望の長手方向長さの移動を規定し得る。したがって、金属ライナは、
図6の実施形態の金属ライナ64に関して上述された利点のいずれかまたはすべてを提供し得る。
【0042】
図8の実施形態とは異なり、ドライブシャフト80は、その間におけるポリマージャケット92の長手方向移動を可能にするために、外側近位止め具および/または外側遠位止め具を備えていない。ポリマージャケット82がその近位端において固定される場合、ポリマージャケットは回転せず、ドライブシャフト90および金属ライナ94はポリマージャケット92内で独立して回転する。代替的には、ポリマージャケット92は、その近位端において固定されていなくてもよい。このような場合、ポリマージャケット92は、ドライブシャフト90の回転中にドライブシャフト90上で自由に回転する。
図9のポリマージャケット92は、
図2~
図8のポリマージャケットの利点の1つ以上を提供し得る。
【0043】
本発明および本明細書に記載されたその用途の説明は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。様々な実施形態の構成は、この発明の解釈内で他の実施形態と組み合わされてもよい。本明細書に開示された実施形態の変形および修正が可能であり、実施形態の様々な要素の実用的な代替物および等価物が、この特許文献の研究の上、当業者に理解され得る。本明細書に開示された実施形態のこれらのおよび他の変形ならびに修正は、本発明の範囲および精神から逸脱することなくなされ得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なドライブシャフトと、
前記回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、
前記ポリマージャケットは前記回転可能なドライブシャフトの回転に対応して回転せず、前記ポリマージャケットは長手方向位置に固定さ
れ、
前記回転可能なドライブシャフトによって規定される管腔内に可撓性金属ライナをさらに備え、
前記可撓性金属ライナは、回転方向および長手方向の両方において所定位置に固定される、医療デバイス。
【請求項2】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合され
る、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側遠位止め具を備え、前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を遠位方向において前記内側遠位止め具までに制限する、請求項
2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側近位止め具をさらに備え、前記内側近位止め具および前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を前記内側近位止め具と前記内側遠位止め具との間に制限する、請求項
3に記載の医療デバイス。
【請求項5】
回転可能なドライブシャフトと、
前記回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトの回転に対応して前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように構成さ
れ、
前記回転可能なドライブシャフトの前記管腔内に可撓性金属ライナをさらに備え、
前記可撓性金属ライナは、回転方向および長手方向の両方において所定位置に固定され、
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトおよび前記ポリマージャケットの両方から独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合され、
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側遠位止め具を備え、前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を遠位方向において前記内側遠位止め具までに制限する、医療デバイス。
【請求項6】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側遠位止め具を備え、前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を遠位方向において前記内側遠位止め具までに制限する、請求項
5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側近位止め具をさらに備え、前記内側近位止め具および前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を前記内側近位止め具と前記内側遠位止め具との間に制限する、請求項
5に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の外面から径方向外側に延在する外側遠位止め具を備え、前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を遠位方向において前記外側遠位止め具までに制限する、請求項
5に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の外面から径方向外側に延在する外側近位止め具をさらに備え、前記外側近位止め具および前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を前記外側近位止め具と前記外側遠位止め具との間に制限する、請求項
8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
動作可能に接続される原動機ドライブシャフトを有する原動機と、
回転可能なドライブシャフトと、
前記回転可能なドライブシャフト上に設けられる研磨ヘッドと、
前記回転可能なドライブシャフトを部分的に囲むポリマージャケットと、を備え、前記ポリマージャケットの遠位端は前記研磨ヘッドの近位側にあり、
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトの回転に対応して前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように構成さ
れ、
前記回転可能なドライブシャフトの前記管腔内に可撓性金属ライナをさらに備え、
前記可撓性金属ライナは、回転方向および長手方向の両方において所定位置に固定される、回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項11】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合され
る、請求項
10に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項12】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトおよび前記ポリマージャケットの両方から独立して回転方向および/または長手方向に動くように適合される
、請求項
10に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項13】
前記可撓性金属ライナは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側遠位止め具を備え、前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を遠位方向において前記内側遠位止め具までに制限する、請求項
12に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項14】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の内面から前記ドライブシャフトによって規定される前記管腔内へ延在する内側近位止め具をさらに備え、前記内側近位止め具および前記内側遠位止め具は、前記可撓性金属ライナの長手方向移動を前記内側近位止め具と前記内側遠位止め具との間に制限する、請求項
13に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項15】
前記ポリマージャケットは、前記ドライブシャフトから独立して長手方向に動くように適合され、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの遠位部分の外面から径方向外側に延在する外側遠位止め具を備え、前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を遠位方向において前記外側遠位止め具までに制限する、請求項
10に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【請求項16】
前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの近位部分の外面から径方向外側に延在する外側近位止め具をさらに備え、前記外側近位止め具および前記外側遠位止め具は、前記ポリマージャケットの長手方向移動を前記外側近位止め具と前記外側遠位止め具との間に制限する、請求項
15に記載の回転式アテレクトミーデバイス。
【国際調査報告】