IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョン ジンフの特許一覧

<>
  • 特表-携帯用ストーブ 図1
  • 特表-携帯用ストーブ 図2
  • 特表-携帯用ストーブ 図3
  • 特表-携帯用ストーブ 図4
  • 特表-携帯用ストーブ 図5
  • 特表-携帯用ストーブ 図6
  • 特表-携帯用ストーブ 図7
  • 特表-携帯用ストーブ 図8
  • 特表-携帯用ストーブ 図9
  • 特表-携帯用ストーブ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】携帯用ストーブ
(51)【国際特許分類】
   F24C 5/20 20210101AFI20220406BHJP
   F23D 11/00 20060101ALI20220406BHJP
   F23N 1/02 20060101ALI20220406BHJP
   F24C 5/10 20210101ALI20220406BHJP
【FI】
F24C5/20 B
F23D11/00 Z
F23N1/02 E
F24C5/20 A
F24C5/10 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572834
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 KR2019002282
(87)【国際公開番号】W WO2020175716
(87)【国際公開日】2020-09-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521375391
【氏名又は名称】ジョン ジンフ
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジンフ
【テーマコード(参考)】
3K003
【Fターム(参考)】
3K003AC01
3K003BA01
3K003BB01
3K003CA03
3K003CA05
(57)【要約】
本発明は、上部が開口されたケーシングと、前記ケーシングの内部に構成され、植物性オイルを燃焼させて青炎形態の火炎を生成する燃焼チャンバー、前記燃焼チャンバーが内蔵され、内壁が前記燃焼チャンバーの外壁から所定の間隔離隔するように構成されて所定の空洞を形成する燃焼カバー、及び前記燃焼カバーの下部に構成され、上部に前記燃焼チャンバーの下端部が位置し、前記植物性オイルの燃焼時に前記燃焼チャンバー側に外部空気を供給する空気チャンバーを含む燃焼室と、前記植物性オイルを前記燃焼チャンバーに供給するオイルタンクと、前記空気チャンバーの駆動の有無、前記外部空気の流れ、及び供給圧力を調整するように制御し、前記植物性オイルの供給有無及び供給量を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口されたケーシングと、
前記ケーシングの内部に構成され、植物性オイルを燃焼させて青炎形態の火炎を生成する燃焼チャンバー、前記燃焼チャンバーが内蔵され、内壁が前記燃焼チャンバーの外壁から所定の間隔離隔するように構成されて所定の空洞を形成する燃焼カバー、及び前記燃焼カバーの下部に構成され、上部に前記燃焼チャンバーの下端部が位置し、前記植物性オイルの燃焼時に前記燃焼チャンバー側に外部空気を供給する空気チャンバーを含む燃焼室と、
前記植物性オイルを前記燃焼チャンバーに供給するオイルタンクと、
前記空気チャンバーの駆動の有無、前記外部空気の流れ、及び供給圧力を調整するように制御し、前記植物性オイルの供給有無及び供給量を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする携帯用ストーブ。
【請求項2】
前記燃焼チャンバーには、前記外壁の下部に形成され、植物性オイルの燃焼時に前記外部空気の流入及び前記火炎の移動が行われるように貫通形成される第1通孔と、前記外壁の上部に形成され、前記火炎が流入し、流入された火炎を放出させる第2通孔がさらに構成されることを特徴とする、請求項1に記載の携帯用ストーブ。
【請求項3】
前記第1通孔は、前記外壁から互いに対向する位置に2つ構成され、互いに異なる高さを有するように構成され、前記外壁の直径に対して3/40インチの直径で構成され、
前記第2通孔は、前記外壁の直径に対して1/32インチの直径からなり、前記外壁の円周面に沿って56個構成されることを特徴とする、請求項2に記載の携帯用ストーブ。
【請求項4】
前記燃焼チャンバーには、
前記植物性オイルの燃焼時に発生する熱気を集熱する集熱部材と、
前記集熱部材の下端部に構成され、集熱された熱を電気的エネルギーに変換する熱電パッドをさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の携帯用ストーブ。
【請求項5】
前記燃焼チャンバーには、植物性オイルの点火及び燃焼効率を向上させる着火手段がさらに構成されることを特徴とする、請求項1に記載の携帯用ストーブ。
【請求項6】
前記空気チャンバーは、
前記制御部の制御により前記燃焼チャンバー側に外部空気を供給するファン部材と、
前記燃焼チャンバーで発生する熱気を放出するヒートシンクと、
電気的なエネルギーが格納されるバッテリと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の携帯用ストーブ。
【請求項7】
前記オイルタンクは、
前記燃焼チャンバーと連結され、植物性オイルを供給する供給ラインと、
前記燃焼チャンバーの内部に構成され、前記植物性オイルの供給量を検出する供給量制御センサと、
前記供給量制御センサの検出の有無に応じて、前記供給ラインの開閉を制御する制御バルブと、
前記植物性オイルをスプレー形態で供給する供給ノズルと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の携帯用ストーブ。
【請求項8】
前記ケーシングには、中央において火炎が吐出される吐出孔が形成された載置カバーを含み、
前記載置カバーは、
前記載置カバーの上部に調理道具が載置されるように構成された据え置き手段と、
前記燃焼室から生成される火炎が外部に吐出されることを遮断し、熱気のみを外部に放出させる遮断板と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の携帯用ストーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用ストーブに関し、より詳しくは、携帯用オイル燃焼ストーブに関し、特に、パーム油のような植物性オイルを用いて熱を提供し、前記パーム油の完全燃焼が行われるようにすることで、植物性オイルの加熱時に発生する有害成分を最小化することのできる携帯用ストーブに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用ストーブは、遠く離れた場所で飲食物を調理して暖房するために幅広く使われるもので、一般的に飲食物を調理するために十分な熱を提供するためにプロパン、ガス、炭、又はその他の可燃性物質を熱媒体として利用している。
【0003】
一例として、韓国登録実用新案第20-0471688号公報(以下、先行技術文献1という)には、不要に多過ぎる火気を準備しなければならない不便を解消しながらも、安全事故のおそれを排除し、利用の便宜性を増大させ得る携帯用ストーブが掲載されている。
【0004】
しかし、前記先行技術文献1の場合、前述した可燃性物質を用いて熱を提供するため、可燃性物質を加熱する際に一酸化炭素のような有害成分が発生し、これは結局、環境を汚染させるだけではなく、利用者の健康を害するという問題がある。また、一部の可燃性物質の場合、世界の一部の国で利用を制限しており、使用上の制限が避けられない。
【0005】
これに対して、最近では、可燃性物質よりも木材を用いた携帯用ストーブが主に利用されている。
【0006】
一例として、韓国登録特許第10-1750331号公報(以下、先行技術文献2という)には、かまどの燃焼構造及び蓄熱構造を改善することにより、燃焼の効率が改善された薪ストーブが掲載されている。
【0007】
しかし、前記先行技術文献2によれば、木材を用いた携帯用ストーブは、一定のサイズに切断した木材を絶え間なく供給しなければならないため、森林のき損が発生せざるを得ず、木材が燃え尽きたら、残った灰のような副産物が発生することから、これを取り除く過程が伴わなければならず、これにより携帯用ストーブの連続的な使用が不可能であった。また、大量の木材を使用した場合、燃焼した木炭が酸素の流入を妨げる役割をすることになり、連続的に高温状態を保持できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような問題を解決するために、本発明は、前述した背景技術により案出されたもので、パーム油のような植物性オイルを用いて熱を提供し、前記パーム油の完全燃焼を可能にすることで、植物性オイルの加熱時に発生する有害成分を最小化することのできる携帯用ストーブを提供することにその目的がある。
【0009】
また、本発明は、植物性オイルを噴霧形態で供給することで、前記植物性オイルの迅速な着火を可能にし、着火時に生じる炎を集熱させて炎の強度を最も大きくした状態で燃焼室の上部に吐出させることで、暖房効率の向上された携帯用ストーブを提供することにその目的がある。
【0010】
但し、本発明の目的はこれに制限されるものではなく、明らかに言及しなくても課題の解決手段又は実施形態から把握され得る目的や効果もこれに含まれることは勿論である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような課題を達成するための本発明の一実施形態によれば、上部が開口されたケーシングと、前記ケーシングの内部に構成され、植物性オイルを燃焼させて青炎形態の火炎を生成する燃焼チャンバー、前記燃焼チャンバーが内蔵され、内壁が前記燃焼チャンバーの外壁から所定の間隔離隔するように構成されて所定の空洞を形成する燃焼カバー、及び前記燃焼カバーの下部に構成され、上部に前記燃焼チャンバーの下端部が位置し、前記植物性オイルの燃焼時に前記燃焼チャンバー側に外部空気を供給する空気チャンバーを含む燃焼室と、前記植物性オイルを前記燃焼チャンバーに供給するオイルタンクと、前記空気チャンバーの駆動の有無、前記外部空気の流れ、及び供給圧力を調整するように制御し、前記植物性オイルの供給有無及び供給量を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態によると、前記燃焼チャンバーには、前記外壁の下部に形成され、植物性オイルの燃焼時に前記外部空気の流入及び前記火炎の移動が行われるように貫通形成される第1通孔と、前記外壁の上部に形成され、前記火炎が流入し、流入された火炎を放出させる第2通孔がさらに構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態によると、前記第1通孔は、前記外壁から互いに対向する位置に2つ構成され、互いに異なる高さを有するように構成され、前記外壁の直径に対して3/40インチの直径で構成され、前記第2通孔は、前記外壁の直径に対して1/32インチの直径からなり、前記外壁の円周面に沿って56個構成されることを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施形態によると、前記燃焼チャンバーには、前記植物性オイルの燃焼時に発生する熱気を集熱する集熱部材と、前記集熱部材の下端部に構成され、集熱された熱を電気的エネルギーに変換する熱電パッドをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態によると、前記燃焼チャンバーには、植物性オイルの点火及び燃焼効率を向上させる着火手段がさらに構成されることを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態によると、前記空気チャンバーは、前記制御部の制御により前記燃焼チャンバー側に外部空気を供給するファン部材と、前記燃焼チャンバーで発生する熱気を放出するヒートシンクと、電気的エネルギーが格納されるバッテリとを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態によると、前記オイルタンクは、前記燃焼チャンバーと連結され、植物性オイルを供給する供給ラインと、前記燃焼チャンバーの内部に構成され、前記植物性オイルの供給量を検出する供給量制御センサと、前記供給量制御センサの検出の有無に応じて、前記供給ラインの開閉を制御する制御バルブと、前記植物性オイルをスプレー形態で供給する供給ノズルとを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態によると、前記ケーシングには、中央において火炎が吐出される吐出孔が形成された載置カバーを含み、前記載置カバーは、前記載置カバーの上部に調理道具が載置されるように構成された据え置き手段と、前記燃焼室から生成される火炎が外部に吐出されることを遮断し、熱気のみを外部に放出させる遮断板とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明の実施形態によると、パーム油のような植物性オイルを用いて熱を提供し、前記パーム油の完全燃焼を可能にすることで、植物性オイルの加熱時に発生する有害成分を最小化できるという効果がある。
【0020】
また、本発明の実施形態によると、植物性オイルを噴霧形態で供給することで、前記植物性オイルの迅速な着火を可能にし、着火時に生じる炎を集熱させて炎の強度を最も大きくした状態で燃焼室の上部に吐出させることで、暖房効率が向上されるという効果がある。
【0021】
また、本発明の様々かつ有益な長所及び効果は上述の内容に限らず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解できるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブを示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブを示す側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブを示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの燃焼室を概略的に示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの燃焼室を概略的に示した斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る燃焼室の燃焼チャンバー及び空気チャンバーの内部構成を概略的に示した斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの燃焼室を概略的に示した断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの燃焼室を概略的に示した断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの着火フレームを示した斜視図である。
【発明の実施のための形態】
【0023】
上部が開口されたケーシングと、前記ケーシングの内部に構成され、植物性オイルを燃焼させて青炎形態の火炎を生成する燃焼チャンバー、前記燃焼チャンバーが内蔵され、内壁が前記燃焼チャンバーの外壁から所定の間隔離隔するように構成されて所定の空洞を形成する燃焼カバー、及び前記燃焼カバーの下部に構成され、上部に前記燃焼チャンバーの下端部が位置し、前記植物性オイルの燃焼時に前記燃焼チャンバー側に外部空気を供給する空気チャンバーを含む燃焼室と、前記植物性オイルを前記燃焼チャンバーに供給するオイルタンクと、前記空気チャンバーの駆動の有無、前記外部空気の流れ、及び供給圧力を調整するように制御し、前記植物性オイルの供給有無及び供給量を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【0024】
図1図4は、本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブを示す図であり、図5及び図6は、本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの燃焼室を概略的に示した斜視図であり、図7は、本発明の一実施形態に係る燃焼室の燃焼チャンバー及び空気チャンバーの内部構成を概略的に示した斜視図であり、図8及び図9は、本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの燃焼室を概略的に示した断面図であり、図10は、本発明の一実施形態に係る携帯用ストーブの着火フレームを示した斜視図である。
【0025】
図示するように、本発明の携帯用ストーブは、上部において青炎の火炎が吐出されるケーシング100と、前記ケーシング100の内部に構成され、植物性オイルの供給時に青炎の火炎を生成する燃焼室200と、前記燃焼室200に植物性オイルを一定の量供給するオイルタンク300と、前記植物性オイルの供給量及び火炎の強度を制御する制御部400とを含んで構成される。
【0026】
ケーシング100は、内部に燃焼室200が構成され、前記燃焼室200から生成された青炎形態の火炎を吐出させるように上部が開口され、下部には携帯用ストーブを支持する支持脚110が構成されている。
【0027】
また、ケーシング100は、円周面に沿って複数の放熱溝が形成される。放熱溝は、ケーシング100の上部の円周面に沿って所定の間隔離隔するように複数構成されている上部放熱溝130と、前記ケーシング100の下部の円周面に沿って複数構成されている下部放熱溝120から構成されている。
【0028】
ここで、上部放熱溝130は、ケーシング100の軸方向に沿った複数の列に構成され、これにより、燃焼室200で生成された熱気の放出を効率よく行うことができる。
【0029】
また、ケーシング100には、開口されている上端部に各種の調理道具などが載置される載置カバー150が構成される。
【0030】
載置カバー150は円形のパネルからなり、中央部が貫通形成されて前記火炎を吐出させる吐出孔152が形成されている。また、載置カバー150には、調理道具などを載置カバー150から所定の間隔離隔した位置に固定可能にする据え置き手段160が構成される。
【0031】
据え置き手段160は複数構成されているが、載置カバー150の上部に等間隔に結合されている固定パネル162と、前記固定パネル162と回転作動されるように結合し、調理道具などが載置される据え置きパネル164から構成されている。
【0032】
ここで、固定パネル162と据え置きパネル164は、ヒンジピンなどのような回転手段によって回転結合される。
【0033】
固定パネル162には、前記据え置きパネル164が挿入されるように上部の開放された形態に構成され、前記据え置きパネル164が挿入された状態で固定されるよう固定ピンなどが挿入及び貫通する固定溝162aを形成している。
【0034】
また、据え置きパネル164には、上部面で調理道具の下部面と接し、前記調理道具との固定力を向上させる据え置き突起164aが形成されている。
【0035】
一方、前記載置カバー150には、燃焼室200から生成される火炎が外部に吐出されることを遮断し、熱気のみを外部に放出する遮断板170がさらに構成されている。すなわち、遮断板170は、燃焼室200に構成されている開口部212及び火炎放出口242を密閉させるものである。
【0036】
ここで、載置カバー150には、遮断板170を連結する連結バー154がさらに構成され、前記連結バー154は、吐出孔152の内周面に沿って所定の間隔離隔して複数構成されている。
【0037】
燃焼室200は、ケーシング100の内部に構成され、一定の量供給される植物性オイルを燃焼させて青炎形態の火炎を生成すると共に、所定の熱気を提供するものであって、燃焼カバー210、燃焼チャンバー240、及び空気チャンバー250を含んで構成される。
【0038】
燃焼カバー210は、燃焼室200の外形をなし、内部に植物性オイルが燃焼される燃焼チャンバー240が設けられ、下部に植物性オイルが燃焼するとき一定量の空気を供給し、前記燃焼チャンバー240で生成される火炎及び熱気を集熱して所定の電力を生産する空気チャンバー250が構成される。
【0039】
このような燃焼カバー210は、上部がケーシング100の吐出孔152と連通するように開口されている開口部212を形成し、内部に燃焼チャンバー240の外周面と所定の間隔離隔している内壁214を形成する。
【0040】
ここで、燃焼チャンバー240は、外周面をなし、前記内壁214と所定の間隔離隔している外壁244を形成することで、前記内壁214と外壁244との間に所定の空間をなしている空洞を形成し、前記空洞は、植物性オイルの燃焼時に発生する火炎及び熱気が、燃焼チャンバー240に形成される第1通孔246から第2通孔248に上向き移動されるようにする通路の機能を果たす。
【0041】
さらに、本発明の燃焼カバー210には、下部の一面に、植物性オイルが燃焼チャンバー240に供給された時に、この植物性オイルの燃焼のために点火できるよう点火装置が装着される点火部216が形成される。
【0042】
点火装置は、植物性オイルを燃焼させるための加熱素子を備え、前記加熱素子は、燃焼チャンバー240に進入して植物性オイルを加熱するために適用される電気抵抗コイルを含んでもよい。
【0043】
燃焼チャンバー240は、図5図8に示すように、燃焼カバー210の内部に構成され、外周面をなしている外壁244が前記燃焼カバー210の内壁212から所定の間隔離隔するように位置して構成され、植物性オイルを供給するとき、これを燃焼させて青炎形態の火炎及び前記火炎から発生する熱気を生成する構成要素である。
【0044】
このような燃焼チャンバー240は、上端部に前記火炎を放出させる火炎放出口242が形成され、下部の一面において前記点火部216と同軸線上に位置する点火ホール245が形成される。
【0045】
ここで、植物性オイルを供給するとき、点火ホール245に装着された点火装置が作動し、植物性オイルを燃焼させて火炎及び前記火炎から発生する熱気が生成される。
【0046】
さらに、本発明の燃焼チャンバー240には、前記外壁244上に形成され、植物性オイルの燃焼時に一定量の空気を流入可能にし、同時に、燃焼が行われた火炎の上向き移動が行われるように貫通形成される第1通孔246と、前記第1通孔246を通過して上向き移動した火炎が流入されながら前記火炎放出口242側に放出されるようにする第2通孔248が構成される。
【0047】
ここで、前記第1通孔246は、前記外壁244の下部を貫通して形成するが、互いに対向する位置にそれぞれ形成されるように2つ構成され、その直径は、前記外壁244の直径に対して3/40インチの直径になるよう構成されている。
【0048】
また、前記2つの第1通孔246のうち1つの形成位置は、燃焼チャンバー240の底から4.75インチの高さに位置するよう構成され、他の1つは、前記最初の第1通孔246の位置よりも高い位置に形成される。
【0049】
即ち、前記第1通孔246は、前記燃焼チャンバー240の外壁244に互いに異なる高さで形成されている。
【0050】
また、第2通孔248は、前記外壁244の直径に対して1/32インチの直径で構成され、外壁244の円周面に沿って56個構成される。
【0051】
即ち、第1通孔246を通過した火炎が第2通孔248に流入すると同時に、火炎放出口242に放出されるように構成されることで、放出される火炎が一カ所に集中して放出することなく、円形の形態に均一な放出が可能となる。
【0052】
ここで、前記外壁244の直径は3.15インチであることが好ましいが、携帯用ストーブの大きさに応じて様々な直径を有し得ることは勿論である。
【0053】
また、燃焼チャンバー240には、オイルタンク300と連結され、一定の量の植物性オイルが供給されるオイル供給孔247を構成している。オイル供給孔247は、オイルタンク300に構成される供給ライン310が緊密に結合するように構成されている。
【0054】
ここで、前記オイル供給孔247の下端部には、前記植物性オイルの供給量を制御可能にする供給量制御センサ330がさらに構成されてもよい。
【0055】
供給量制御センサ330は、前記植物性オイルの供給過剰を防止するように構成されるもので、後述する供給ライン310に構成される制御バルブ320の開閉作動を制御するように構成され得る。
【0056】
しかし、これに限定されることなく、前記供給量制御センサ330は、燃焼チャンバー240の内部に供給される植物性オイルの供給量を検出し、検出された結果を制御部400に送信することで、前記制御部400で前記制御バルブ320の開閉作動を制御するよう構成されてもよい。
【0057】
一方、燃焼チャンバー240の内部には、植物性オイルの燃焼時に発生する熱気を集熱する集熱部材232がさらに構成され、前記集熱部材232の下端部には、集熱された熱を電気的エネルギーに変換する熱電パッド230が構成されることができる。
【0058】
ここで、前記熱電パッド230は、変換された電気エネルギーを後述する空気チャンバー250に構成されるバッテリ270に格納するように構成される。
【0059】
このような熱電パッド230は、集熱部材232において集熱された熱のみならず、燃焼室200から放出する熱気を捕集して電気的エネルギーに変換できるよう熱捕集手段をさらに構成してもよい。
【0060】
このような熱電パッドは、通常のEA熱電発電機、又は、Seebeck発電機であってもよいが、これに限定されることはない。
【0061】
このように構成された本発明の燃焼チャンバー240は、図9に示すように、下端部に前記内壁214と外壁244の間からなる空洞と、後述する空気チャンバー250を分離して火炎が空気チャンバー250の内部への進入を防止し、熱気のみを放出可能にするベース部220をさらに構成している。
【0062】
ここで、ベース部220には、空気チャンバー250から供給される外部空気が第1通孔246を介して燃焼チャンバー240の内部に流入されるよう複数の連通ホールが構成されることが好ましい。
【0063】
また、燃焼チャンバー240には、図10に示すように、植物性オイルの着火を向上させ、前記植物性オイルの燃焼効率を向上させるために、点火要素としての着火手段280が備えられる。
【0064】
着火手段280は、前記燃焼チャンバー240の内部に内蔵されるように構成され、好ましくは、芯(wick)の組立体であるか、通常の電気抵抗の点火要素であってもよい。
【0065】
このような着火手段280は下端部をなし、格子状を有するように構成され、供給ライン310から供給される植物性オイルが浸漬され、点火装置により浸漬された植物性オイルを点火させる点火部282と、前記点火部282の上部に延長形成され、植物性オイルの燃焼時に生成される火炎を燃焼チャンバー240の中央に集中させるハンドル部284から構成される。
【0066】
点火部282は、好ましくは、セラミック繊維で構成され、植物性オイルが浸漬によって飽和されるように構成される。
【0067】
このような着火手段280は、前記燃焼チャンバー240の内部から分離できるように備えられてもよい。これにより、点火が行われた後は、前記着火手段280のみを別途の燃焼チャンバー240から分離することができる。
【0068】
さらに、本発明には、植物性オイルの燃焼時に外部空気を燃焼チャンバー240側に供給して燃焼効率を向上させるための空気チャンバー250が構成される。
【0069】
空気チャンバー250は、燃焼カバー210の下端部に一体に構成され、上側内部に燃焼チャンバー240の下端部が位置するように構成され、内部にファン部材252が構成され、制御部400の制御に応じて外部空気を吸入して燃焼チャンバー240側に供給し、植物性オイルの完全燃焼を可能にする。
【0070】
ここで、ファン部材252は、熱電パッド230の下部に位置するように構成されてもよい。即ち、熱電パッド230も空気チャンバー250の内部に位置するように構成されるが、これに限定されることはない。
【0071】
また、ファン部材252は、外部空気の供給時に燃焼チャンバー240で生成される火炎が流入しないよう所定の圧力で供給することが好ましい。前記火炎は、ファン部材252で供給される外部空気の圧力により上向き移動する。
【0072】
また、空気チャンバー250には、前記熱電パッド230とファン部材252との間に構成され、燃焼チャンバー240で発生する熱気を放出可能にするヒートシンク260がさらに構成される。
【0073】
また、空気チャンバー250には、熱電パッド230で生成された電気エネルギーが格納され、格納された電気エネルギーを制御部400の制御に応じてファン部材252のような使い先に供給するバッテリ270が構成される。
【0074】
バッテリ270は、好ましくは12ボルトの再充電可能なバッテリであってもよく、外部電源から充電可能な充電式で構成されてもよく、充電のためのケーブルを含んでもよい。
【0075】
オイルタンク300は、青炎形態の火炎が生成されるよう前記燃焼チャンバー240の内部に植物性オイルを供給することで、前記植物性オイルを供給するための供給ライン310と、前記供給ライン310上に構成され、供給される植物性オイルの供給有無を制御する制御バルブ320、及び前記燃焼チャンバー240の内部に構成され、植物性オイルの供給量を検出する供給量制御センサ330から構成される。
【0076】
ここで、本発明は、植物性オイルを主原料として利用すると説明したが、これに限定されることなく、通常のパーム油を含む全ての油を燃料として使用できることは勿論である。
【0077】
また、供給ライン310には、その先端部に植物性オイルを燃焼チャンバー240の内部に供給する供給ノズルがさらに構成される。
【0078】
ここで、供給ノズルは、前記植物性オイルが微細なスプレー、又は、霧スプレーを形成して供給されるように構成される。即ち、植物性オイルの粒子を最小化して燃焼可能にすることで、初期点火及び燃焼効率をより最大化することができ、これによって植物性オイルの完全燃焼による不純物や有害成分の発生を最小化することができる。
【0079】
このようなオイルタンク300は、格納された植物性オイルが自重により供給されるよう、前記ケーシング100及び燃焼室200の位置よりも高い位置に構成される。
【0080】
制御部400は、ファン部材252の駆動の有無、空気の流れ、及び供給圧力を調整するように制御し、前記供給量制御センサ330と連動して制御バルブ320の開閉の有無及び開閉量を制御するように構成される。
【0081】
このように構成された本発明の携帯用ストーブは、太陽電池板を含む電気システムをさらに構成することができる。
【符号の説明】
【0082】
100:ケーシング
110:支持脚
120:下部放熱孔
130:上部放熱孔
150:載置カバー
160:据え置き手段
170:遮断板
200:燃焼室
210:燃焼カバー
220:ベース部
230:熱電パッド
240:燃焼チャンバー
250;空気チャンバー
260:ヒートシンク
270:バッテリ
280:着火手段
300:オイルタンク
310:供給ライン
320:制御バルブ
330:供給量制御センサ
400:制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】