(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(54)【発明の名称】パフ殺菌用パッチ
(51)【国際特許分類】
A61L 2/238 20060101AFI20220406BHJP
【FI】
A61L2/238
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572835
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 KR2020002525
(87)【国際公開番号】W WO2020175858
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0021853
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521375483
【氏名又は名称】ヨン,ウォン ジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,ウォン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ギョン ジュン
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB07
4C058JJ04
(57)【要約】
本発明は、パフ殺菌用パッチに関し、特に、殺菌力を有する銅製の糸により網状または布地状に製造して化粧品容器に取り付け可能にすることにより、パフを殺菌できるようにしたパフ殺菌用パッチに関する。
このために、本発明は、銅製の糸が主として配置された緯糸が一定の間隔を隔てて配置され、合成樹脂材質製の糸が主として配置された経糸が一定の間隔を隔てて配置されて前記緯糸と経糸とが網状に織り上げられてパッド層をなし、前記パッド層の下部面には取付層が配備される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅製の糸が主として配置された緯糸が一定の間隔を隔てて配置され、
合成樹脂材質製の糸が主として配置された経糸が一定の間隔を隔てて配置されて前記緯糸と経糸とが網状に織り上げられてパッド層をなし、
前記パッド層の下部面には取付層が配備されたことを特徴とするパフ殺菌用パッチ。
【請求項2】
ナイロン糸に銅粒子がコーティングされた銅糸により織り上げまたは編み上げられた網状または布地状のパッド層が配備され、前記パッド層の下部面には取付層が配備されたことを特徴とするパフ殺菌用パッチ。
【請求項3】
前記パッド層と取付層は、複数が積み重ねられるように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパフ殺菌用パッチ。
【請求項4】
前記緯糸または経糸は、銅製の糸と合成樹脂材質製の糸とが互いに交互に位置するように織り上げられたことを特徴とする請求項1に記載のパフ殺菌用パッチ。
【請求項5】
前記パッド層の下部面には、合成樹脂材質のフィルムまたはシリコンが取り付けられ、前記フィルムまたはシリコンの下部面に取付層が取り付けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパフ殺菌用パッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パフ殺菌用パッチに関し、特に、殺菌力を有する銅製の糸により網状または布地状に製造して化粧品容器に取り付け可能にすることにより、パフを殺菌できるようにしたパフ殺菌用パッチに関する。
【背景技術】
【0002】
韓国登録特許第10-1877240号公報(清潔なパフが使用可能な化粧品容器)においては、ファウンデーション化粧品が収められる容器本体の上部を開閉する容器の蓋体にパフ(Puff)を載置し得るパフ載置空間を形成し、そのパフ載置空間には抗菌部材が載せられるようにして、パフが前記パフ載置空間における抗菌部材の上部面に置かれると、パフが殺菌されるようにすることで、清潔さを保てるような構造を有する。
【0003】
このような抗菌部材は、銀ナノ成分を含有するものであって、殺菌力を有するので、このような殺菌力によりパフを殺菌することになるのである。
【0004】
ところが、このような従来の技術による抗菌部材は、銀ナノ成分を含有しているため、空気の接触により変色され易いという不都合があり、しかも、抗菌部材から剥がれ落ちた銀粒子がパフについて、これを使う使用者の肌についてしまうと、その銀粒子が肌に浸透して肌を壞死させてしまうという不都合を有している。
【0005】
また、銀ナノ成分が含有されているため、比較的に高価であるというデメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1877240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の不都合を解決するための本発明は、銅製の糸により網状または布地状にパッチを構成することにより、人体に無害であることはもとより、安価に製造可能なようにしたパフ殺菌用パッチを提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明に係るパフ殺菌用パッチは、銅製の糸が主として配置された緯糸が一定の間隔を隔てて配置され、合成樹脂材質製の糸が主として配置された経糸が一定の間隔を隔てて配置されて前記緯糸と経糸とが網状に織り上げられてパッド層をなし、前記パッド層の下部面には取付層が配備されたことを特徴とする。
【0009】
また、別の態様によれば、ナイロン糸に銅粒子がコーティングされた銅糸により織り上げまたは編み上げられた網状または布地状のパッド層が配備され、前記パッド層の下部面には取付層が配備されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るパフ殺菌用パッチは、銅製の糸により網状または布地状に製造することにより、人体に無害でありながらも、殺菌力を保ち、しかも、安価に製造可能であるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明によるパフ殺菌用パッチ及びこれを備えた化粧品容器の構造を示す図。
【
図3】複数の殺菌パッチが積み重ねられた構造を示す図。
【
図4】積み重ねられた殺菌パッチがパフ載置空間に取り付けられた状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
銅製の糸が主として配置された緯糸が一定の間隔を隔てて配置され、合成樹脂材質製の糸が主として配置された経糸が一定の間隔を隔てて配置されて前記緯糸と経糸とが網状に織り上げられてパッド層をなし、前記パッド層の下部面には取付層が配備されたことを特徴とする。
【0013】
前述した目的、特徴及びメリットは、添付図面と結び付けらて詳しく後述され、これにより、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができるということはいうまでもない。
【0014】
本発明について説明するにあたって、本発明と関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略する。
【0015】
本発明において用いられる用語としては、本発明における機能を考慮しつつ、できる限り現在汎広く用いられている一般的な用語を選択したが、これは、当分野に携わっている技術者の意図又は判例、新たな技術の出現などによって異なってくる。
【0016】
なお、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合に、該当する発明の説明の部分の欄において詳しくその意味を記載する。
【0017】
よって、本発明において用いられる用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般に亘っての内容を踏まえて定義されるべきである。
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0019】
しかしながら、下記に例示する本発明の実施形態は、種々の異なる形態に変形でき、本発明の範囲が次に詳述する実施形態に限定されることはない。
【0020】
本発明の実施形態は、当業界において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0021】
図1は、本発明によるパフ殺菌用パッチ及びこれを備えた化粧品容器の構造を示す図であって、化粧品容器の本体100の内部には、パフ130を用いて化粧をするためのファウンデーションなどの化粧料が収められており、本体100の上側には、ヒンジ111により本体100の内部を開閉するパフ収容蓋体110が配備されている。
【0022】
前記パフ収容蓋体110には、パフ130を載置して収めるためのパフ収容空間110が形成されており、これと併せて、本体100には、前記パフ収容空間110を覆って開閉するための上蓋体120がヒンジ121に回転自在に構成されている。
【0023】
前記パフ収容空間110は、その底面の部位に殺菌パッチ200が取り付けられるが、このような殺菌パッチ200は、銅製の銅糸とPE、PP、PCなどの合成樹脂製の糸により網状または布地状に織り上げられまたは編み上げられたパッド層202が円形状に配備され、前記パッド層202の下部には繰り返し的に付けたり外したりできるように粘着力を有する取付層201が配備されている。
【0024】
上記の取付層201は、粘着テープであってもよい。
【0025】
したがって、パフ収容空間110に殺菌パフ200を取付層201により接着させた後、その上部面にパフ130を載せて保管すると、殺菌力を有する銅糸、すなわち、銅製の糸により殺菌が行われるのである。
【0026】
このようなパッド層202は、
図2に示すように、横方向に緯糸が一定の間隔を隔てて配置され、上下方向に経糸が一定の間隔を隔てて配置されるが、前記緯糸は、銅糸が主として配置され、経糸は、合成樹脂材質製の糸が主として配置される。
【0027】
例えば、緯糸は、銅糸のみが配置されてもよく、あるいは、銅糸と合成樹脂材質製の糸とが互いに交互に配置されてもよく、経糸の場合には、合成樹脂材質製の糸のみが配置されてもよく、あるいは、合成樹脂材質の糸と銅糸とが互いに交互に配置されてもよい。
【0028】
これは、銅糸の銅成分により殺菌力を保ちながらも、織り上げやすくするためであるが、銅糸の場合には、ナイロン糸の外側に銅粒子を熱圧着したり、噴射によりコーティングさせたりして製造し、このとき、緯糸と経糸とが銅糸のみ配置されると、これらを織り上げるときに銅糸の緯糸と経糸として配置された銅糸の銅粒子とが互いに摩擦を引き起こして離れ落ちてしまうことにより、殺菌力の低下をきたしてしまう虞があり、且つ、製造コストも高騰してしまう。
【0029】
しかしながら、緯糸は、銅糸が主として配置されるようにし、経糸は、合成樹脂材質の糸が主として配置されるようにして、網状に織り上げることにより、銅糸同士の摩擦がなくなり、その結果、銅粒子が剥がれ落ちてしまうことが防がれるのである。
【0030】
いうまでもなく、緯糸と経糸が両方とも銅糸のみから製造されてもよく、このようなパッド層202は、網状ではなく、布地状に編み上げられてもよい。
【0031】
上記の銅糸としては、70デニール(denier)のものを用いることが好ましく、PE材質製の合成樹脂材質の糸としては、100デニールのものを用いることが好ましい。
【0032】
ここで、デニール(denier)は、糸の太さを示す単位であって、450メートルの長さであり、0.05gの重さを有するようにする糸の太さを示すものである。
【0033】
したがって、このような銅糸と合成樹脂材質製の糸によりパッド層202を形成することにより、人体に無害であり、比較的に安価な殺菌パッチ200を製造することができるのである。
【0034】
上記の取付層201の下部面には離型紙を取り付けて、パフ収容空間110への取り付けに際しては、離型紙を引き剥がした後に取り付けることができる。
【0035】
一方、パッド層202が製造された後、下部面に取付層201を形成する前に、パッド層202が均一に拡開された状態を保てるようにPETフィルムなどの合成樹脂材質のフィルムまたは板状のシリコンを先に取り付けた後、次いで、取付層201、すなわち、粘着テープを取り付けることになる。
【0036】
パッド層202の下部面にPETフィルムを取り付ける場合には、
図5でのように、原反状のパッド層202が第1のロール300に巻かれており、且つ、PETフィルム203は第2のロール310に巻かれている状態で、PETフィルム203の上側に原反状のパッド層202を重ねて二つの圧着ロール状を呈するプレス320に投入して圧着することになる。
【0037】
次いで、PETフィルム203とパッド層202とが互いに圧着された状態で、PETフィルム203の下部面に第3のロール330に巻かれた取付層201を圧着ロール340により取り付けることになる。
【0038】
このとき、取付層201の下部面には離型紙が取り付けられているため、以降に離型紙を引き剥がした後、パフ収容空間110に取り付けることができる筈である。
【0039】
このようにして取り付けられたパッド層202、PETフィルム203、及び取付層201が重なり合って取り付けられた原反を円板状を呈するようにプレスにより切断することにより、一つの殺菌パッチ200が完成されるのである。
【0040】
PETフィルム203の代わりにシリコンを取り付ける場合には、円板状を呈するシリコン板の上にパッド層202を取り付けた後、300~340℃の熱圧着機で圧着することになる。
【0041】
図3は、本発明の殺菌パッチ200が多段に積み重ねられた状態を示す図であって、網状のパッド層202を有する殺菌パッチ200がパフ収容空間110に取り付けられ、そのパッド層202の上側にパフ130が置かれるが、このとき、使用済みのパフ130には固形ファウンデーション、液状ファウンデーション、ゲル状ファウンデーションなどの化粧料がついており、パフ130の使用によりこの化粧料は網状を呈するパッド層202に付いたり挟まれたりすることにより、銅糸が化粧料に埋もれてしまう。
【0042】
これにより、殺菌力が著しく低下して殺菌パッチとしての役割を正常に果たせなくなる。
【0043】
したがって、殺菌力が低下した殺菌パッチ200を煩雑に交換することなく、積み重ねられたパッド層の最も上側に位置しているパッド層を一つずつ取り外せるようにすることで、きれいな状態で長時間にわたって使用可能にする。
【0044】
このために、最も下部から第1の取付層210、第1のパッド層220、第2の取付層230、第2のパッド層240、第3の取付層250、第3のパッド層260が上向きにこの順に積み重ねられる構造を有することになる。
【0045】
また、各取付層210、230、250には、側方向に突出したタグ211、231、251が形成されており、これらのタグ211、231、251は重なり合わないように位置することになる。
【0046】
したがって、
図4でのように、パフ収容空間110にこのような積み重ねられた殺菌パッチ200が取り付けられ、パフ130が上側に置かれて使われ、上側の第3のパッド層260が汚れた場合にタグ251を掴んでむしり取ると、第3の取付層250が第2のパッド層240から剥離されることにより取り外され得る。
【0047】
このため、汚れていない第2のパッド層240が露出されてパフ130を殺菌することができるのである。
【0048】
同様に、第2のパッド層240が汚れた場合には、上記の過程により第2のパッド層240を取り外すことにより、汚れていない第1のパッド層220が露出されるようにする。
【0049】
以上、本発明の内容の特定の部分について詳しく記述したが、当業界において通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施形態に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。
【0050】
よって、本発明の実質的な範囲は、特許請求の範囲とその等価物により定義されると言えるであろう。
【符号の説明】
【0051】
100 本体
110 パフ収容空間
111 ヒンジ
120 上蓋体
121 ヒンジ
130 パフ
200 殺菌パッチ
201 取付層
202 パッド層
210、230、250 取付層
220、240、260 パッド層
【国際調査報告】