(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-14
(54)【発明の名称】通信チャネルのノイズおよび干渉をデジタル的に特徴付けるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H04L 1/00 20060101AFI20220407BHJP
H04B 17/29 20150101ALI20220407BHJP
H04L 1/20 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
H04L1/00 C
H04B17/29 400
H04L1/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566254
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(85)【翻訳文提出日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 US2020031806
(87)【国際公開番号】W WO2020227488
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519100985
【氏名又は名称】ビーエイイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレイション・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】チョンゴウシアン、ジョン・エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ラング、ジェームズ・ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
5K014
【Fターム(参考)】
5K014AA01
5K014EA01
5K014EA08
5K014GA02
(57)【要約】
ワイヤレス受信機およびワイヤレス通信の方法は、較正する必要なく、通信チャネル内の、干渉を含むノイズのレベルを決定する。デジタルテスト信号は、デジタル化されたノイズにデジタル的に加えられ、結果として得られたビット誤り率および/またはメッセージ誤り率から信号対ノイズおよび干渉(SNIR)値が決定される。次いで、SNIRからノイズのレベルが決定される。デジタルテスト信号の振幅は、SNIRがノイズレベルに敏感になるように調整され、これは、1dBから10dBの間のSNIRを必要とし得る。システムはデジタルテスト信号ジェネレータを含むことができ、またはデジタルテスト信号をメモリに記憶することができる。システムは、チャネライザ、復調器、データ相関器、復号器、およびメッセージアセンブラをさらに含むことができる。ノイズおよび干渉レベルの決定を使用して、最適な通信チャネルを選択し、送信電力および/またはレートを適切な値に調整することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信メッセージを受信するように構成されたワイヤレス受信機であって、
アナログ入力と、
前記アナログ入力を介して前記受信機に入るアナログエネルギーをデジタル化するように構成されたデジタイザと、ここで、前記デジタル化されたアナログエネルギーは、対象の信号が前記アナログエネルギーに含まれていないときのデジタル化されたノイズおよび干渉である、
既知の振幅およびメッセージ内容を有するデジタルテスト信号を提供するように構成されたデジタルテスト信号源と、
前記デジタルテスト信号の振幅をテスト入力振幅に調整するように構成されたデジタル信号利得コントローラと、
デジタル入力データを作成するために、前記調整されたデジタルテスト信号を前記デジタル化されたノイズおよび干渉と組み合わせるように構成された信号コンバイナと、
前記デジタル入力データから送信メッセージビットを抽出するように構成されたデータ相関器と、
前記データ相関器によって抽出された前記ビットを前記デジタルテスト信号の前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記データ相関器によって抽出された前記シンボルのビット誤り率を決定するように構成された相関統計ジェネレータと
を備える受信機。
【請求項2】
前記デジタル化されたアナログエネルギーを、選択された受信機チャネル内に含まれるデジタル化されたエネルギーに制限するように構成されたチャネライザをさらに備える、請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記デジタル入力データからシンボルを抽出するように構成された復調器をさらに備え、前記送信メッセージビットは前記シンボル内で符号化される、請求項1に記載の受信機。
【請求項4】
前記データ相関器によって抽出された前記データビットを復号するように構成された復号器をさらに備える、請求項1に記載の受信機。
【請求項5】
前記データ相関器によって抽出された前記データビットから受信メッセージを再構築するように構成されたメッセージアセンブラをさらに備え、前記受信メッセージは、前記送信メッセージに少なくとも近似する、請求項1に記載の受信機。
【請求項6】
前記受信メッセージを前記デジタルテスト信号の前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記受信メッセージのメッセージ誤り率を決定するように構成されたメッセージ誤り率計算器をさらに備える、請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
前記デジタルテスト信号源は、前記デジタルテスト信号を生成するデジタルテスト信号ジェネレータである、請求項1に記載の受信機。
【請求項8】
前記デジタルテスト信号源は、前記デジタルテスト信号の非一時的なコピーを記憶するように構成されたメモリである、請求項1に記載の受信機。
【請求項9】
前記デジタイザは、直交デジタイザである、請求項1に記載の受信機。
【請求項10】
ノイズおよび干渉が存在するワイヤレス通信チャネルを介して通信するための方法であって、
a)利用可能な通信チャネルを選択するステップと、
b)前記選択された通信チャネル内に対象の信号が存在しない期間中に、アナログノイズおよび干渉を受信するステップと、
c)デジタル化されたノイズおよび干渉を作成するために、前記アナログ入力をデジタル化するステップと、
d)デジタル入力データを形成するために、前記デジタル化されたノイズおよび干渉をデジタルテスト信号と組み合わせるステップと、ここで、前記デジタルテスト信号は、特定の振幅に調整され、既知のメッセージビットとして符号化された既知のメッセージ内容を有する、
e)前記デジタル入力データからメッセージ情報を抽出するステップと、
f)前記抽出されたメッセージ情報を前記デジタルテストメッセージの前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記デジタル入力データの信号対ノイズおよび干渉比(SNIR)を決定するステップと、
g)前記決定されたSNIRから、前記選択されたチャネルのノイズおよび干渉レベルを決定するステップと、
h)前記決定されたSNIRが特定のSNIR基準を満たさない場合、前記デジタルテスト信号の前記特定の振幅を変更して、前記SNIRが前記SNIR基準を満たすまでステップa)からg)を繰り返すステップと、
i)以下のうちの少なくとも1つを行うステップと:
i.)複数の利用可能な通信チャネルがある場合、チャネル選択基準が満たされるまでステップa)からg)を繰り返し、前記決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって前記複数の利用可能な通信チャネルのうちの1つを選択し、前記選択された通信チャネルを介してメッセージを送信すること、および
ii)前記選択された通信チャネルの前記決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって選択された送信電力および/または送信レートでメッセージを送信すること、
を含む方法。
【請求項11】
ステップe)は、前記デジタル入力データから受信データビットを取得することを含み、ステップf)は、前記受信データビットを前記既知のメッセージビットと比較することによってビット誤り率を決定することと、前記ビット誤り率から前記SNIRを決定することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップe)は、前記デジタル入力データからメッセージを組み立てることを含み、ステップf)は、前記組み立てられたメッセージと前記デジタルテストメッセージの前記既知のメッセージ内容との比較から前記SNIRを決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ステップi)は、前記複数の利用可能な通信チャネルの各々についてステップa)からh)を繰り返すことを含み、ステップj)は、前記複数の利用可能な通信チャネルの中から最も低いノイズおよび干渉レベルを有するチャネルを選択することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記選択基準は、指定された最大レベルのノイズおよび干渉を含み、ステップi)は、選択されたチャネルのノイズおよび干渉のレベルが前記指定された最大レベルを下回ったと決定されるまで、ステップa)からh)を繰り返すことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ステップc)とd)との間で前記デジタル化されたノイズおよび干渉をチャネル化することをさらに含み、前記チャネル化することは、前記デジタル化されたノイズおよび干渉を、前記選択された受信機チャネル内に含まれるノイズおよび干渉に制限する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
ステップe)は、前記デジタル化されたノイズおよび干渉を復調することによって、前記デジタル入力データからシンボルを抽出することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記シンボルを相関させることによって前記シンボルからメッセージビットを抽出することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記メッセージビットからメッセージを組み立てることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記メッセージを抽出する前に前記メッセージビットを復号することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記SNIR基準は、前記SNIRが1dBから10dBの間でなければならないというものである、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示はワイヤレス通信に関し、より詳細には、ワイヤレス通信システムが経験するチャネルのノイズおよび干渉を特徴付けるための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ワイヤレス通信の正確な受信が、通信が送信される周波数帯域すなわち「チャネル」内に存在する周囲ノイズの影響を受ける可能性があることはよく知られている。加えて、信号の受信は、シールドされていない電子デバイス、電気モータ、および他のワイヤレス送信機を含む様々なソースから生じる干渉によってさらに妨げられる可能性がある。後者のカテゴリは、別のシステムが同じ周波数または干渉高調波を生じさせるより低い周波数での偶発的な送信など、不注意による送信から生じる可能性がある。また、例えば、敵軍が意図的に通信を妨害しようとする戦闘環境では、干渉は悪意のあるものであり得る。干渉、特に悪意のある干渉の程度は、周波数チャネルごとに頻繁に変化する可能性がある。
【0003】
[0003]多くの場合、ワイヤレス通信システムは、周囲ノイズおよび干渉を克服するようにそれらの送信電力を調整することが可能である。さらに、コグニティブ無線システムを含む多くのワイヤレス通信システムは、本明細書では通信チャネルと呼ばれる1つよりも多くの周波数帯域上でメッセージを送信および受信することができ、そのため、最も低いノイズおよび干渉を有する利用可能な通信チャネルを選択することが重要であり得る。したがって、通信チャネル内に存在するノイズおよび干渉の迅速かつ正確な特徴付け、ならびに過度の通信性能損失を回避するために必要な送信電力の対応する推定値が、対象の信号のワイヤレス通信を成功させるために重要であり得る。
【0004】
[0004]
図1を参照すると、所与のチャネルにおけるノイズおよび干渉が比較的一定であり、かつ、対象の信号が受信機に存在しない既知の期間がある場合、通信チャネルにおける性能損失の推定値を提供する1つの方法は、受信したノイズおよび干渉104を、対象の信号のローカル表現、すなわちアナログテスト信号ジェネレータ106によって生成されて利得制御部108によって既知の振幅に調整されたアナログ「テスト」信号102と結合することである。アナログテスト信号102は、受信した干渉104と共にワイヤレス受信機100に導入され、受信機100は、テスト信号102を正常に受信しようとする。次いで、ビット誤り率、相関スコアなどの適切なメトリックを使用して、通信チャネルにおける障害のレベルを評価することができる。
【0005】
[0005]非常に強いアナログテスト信号102は誤りなく受信される可能性が高いのに対し、非常に弱いアナログテスト信号102は全く受信されない可能性が高いため、アナログテスト信号102は受信した干渉104と振幅がほぼ等しくなることが重要である。上記方法の欠点は、カプラ110およびミキサ112を含むアナログループバック経路を受信機ハードウェア100内に設けなければならないことである。さらに、利得制御部108から出力されるテスト信号102は、正確かつ頻繁に較正されなければならない。
【0006】
[0006]したがって、必要とされるのは、テスト装置の正確かつ頻繁な較正を必要とすることなく、受信機チャネル内に存在するノイズおよび干渉を迅速かつ正確に特徴付けるシステムおよび方法である。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示は、テスト装置の較正を必要とすることなく、受信機チャネル内に存在するノイズおよび干渉を迅速かつ正確に特徴付けるシステムおよび方法である。
【0008】
[0008]現代の通信受信機は、典型的には、受信周波数(広帯域)または中間周波数すなわち「IF」(狭帯域)のいずれかにおいて、早期段階で受信波形をデジタル化するという点で、デジタル受信機である。多くの場合、信号は直交検波され、その結果、チャネル化(本質的にデジタル帯域幅フィルタリング)、復調(本質的に測定されたパルス振幅および位相値から受信「シンボル」への変換)、およびデータ相関(復調されたシンボルからの受信ビットの抽出)を含むさらなる信号処理のためにデジタルハードウェアロジックに向けられる同相(I)デジタルサンプル値および直交(Q)デジタルサンプル値の両方が得られる。
【0009】
[0009]本開示は、デジタル受信機においてデータ相関器から出力されるビット誤り率(BER)が、アンテナまたは他の入力で受信される信号の信号対ノイズおよび干渉比(SNIR)に相関するという事実を利用する。本開示では、アナログテスト信号を受信機の入力に注入するのではなく、デジタイザの下流にデジタルテスト信号を注入し、受信データビットのBERおよび/または受信メッセージの誤り率を決定し、BERおよび/またはメッセージ誤り率をBER対SNIRおよび/またはメッセージ誤り率対SNIRの既知の性能曲線と比較して受信チャネルのSNIRを決定し、既知のテスト信号レベルをSNIRで割ることによって受信チャネルのノイズおよび干渉を計算する。次いで、最も低いノイズおよび干渉を有するチャネルを通信のために選択するために、複数の利用可能な通信チャネルについてプロセスが繰り返され得、および/または通信の成功を保証するために送信電力を調整することができる。
【0010】
[0010]本開示によれば、受信機は、(広帯域受信機の場合)受信機が同調されるチャネルの周波数範囲にわたってまたは(狭帯域受信機の場合)適切なIF帯域幅にわたって線形利得を有する受信機のアナログ段または「フロントエンド」(前置増幅器、フィルタ、ならびに場合によってはIFミキサおよびIF増幅器を含む)に電磁石エネルギーが入るときに通るアナログ信号入力を含む。アナログフロントエンドの後には、検出されたアナログ信号エネルギーをデジタル化するデジタイザ(A/Dコンバータ)を含むデジタル段が続き、これは、典型的には直交デジタル「IQ」データを提供し、このデータから、復調器が対象の受信信号を表すシンボルを抽出しようとする。いくつかの実施形態は、さらに、選択されたチャネルの外側にある受信入力を除外するチャネライザだけでなく、シンボルからメッセージデータビットを抽出するデータ相関器と、データビットから送信メッセージの表現を組み立てるメッセージアセンブラとを含み、いくつかの実施形態では、データビットが暗号化されている場合にデータビットを復号する復号器も含む。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、受信機は、デジタルテスト信号を生成するデジタルテスト信号ジェネレータをさらに含む。他の実施形態では、デジタルテスト信号は、別個に生成され、非一時的なメモリに記憶される。デジタルテスト信号の振幅およびメッセージ内容は正確に知られているため、デジタル信号利得コントローラは、単にデジタルテスト信号に特定の利得係数を乗じることによって、デジタルテストメッセージの振幅を、正確に知られている「テスト入力レベル」に正確に調整することができる。したがって、本開示によれば、テスト信号を較正する必要はない。テスト信号が生成されるか、またはメモリから取り出され、所望のデジタル振幅に調整されると、それは、選択されたチャネル内に対象の信号が存在しない期間中に受信されるデジタル的にサンプリングされたノイズおよび干渉に単にそれを加えることによって、受信機システムに「注入」される。いくつかの実施形態では、デジタルテストデータの(追加による)この注入ステップは、復調器の入力において行われる。
【0012】
[0012]アナログフロントエンドがその線形範囲で動作していると仮定すると、デジタルテスト信号と組み合わされた、デジタル化されたノイズおよび干渉のデータは、次いで、1つまたは複数の障害メトリックを決定するために使用され得る。例えば、データ相関器出力のビット誤り率(「BER」)を、BER対SNIRの既知の性能曲線と比較して、受信チャネルのSNIRを決定することができる。加えて、または代替的に、メッセージアセンブラのメッセージ出力を使用してSNIRを決定することができる。次いで、既知のテスト信号レベルをSNIRで割ることによって、受信チャネルのノイズおよび干渉レベルを計算することができる。用途に応じて、利用可能な各通信チャネルについてこのプロシージャを繰り返すことができ、その後、そのノイズおよび干渉のレベルを有するチャネルを使用して対象の信号を送信および受信することができる。代替としておよび/または加えて、決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって送信電力を調整することができる。
【0013】
[0013]本開示は、高干渉環境で動作する信号インテリジェンス(SIGINT)用途によく適していることに留意されたい。さらなる用途は、敵対的な環境において受信されたRFエネルギーから通信信号を抽出する必要がある敵味方識別(IFF)を含む。
【0014】
[0014]本開示の第1の一般的な態様は、送信メッセージを受信するように構成されたワイヤレス受信機である。受信機は、アナログ入力と、アナログ入力を介して受信機に入るアナログエネルギーをデジタル化するように構成されたデジタイザと、ここで、上記デジタル化されたアナログエネルギーは、対象の信号がアナログエネルギーに含まれていないときのデジタル化されたノイズおよび干渉である、既知の振幅およびメッセージ内容を有するデジタルテスト信号を提供するように構成されたデジタルテスト信号源と、デジタルテスト信号の振幅をテスト入力振幅に調整するように構成されたデジタル信号利得コントローラと、デジタル入力データを作成するために、調整されたデジタルテスト信号をデジタル化されたノイズおよび干渉と組み合わせるように構成された信号コンバイナと、デジタル入力データから送信メッセージビットを抽出するように構成されたデータ相関器と、データ相関器によって抽出されたビットをデジタルテスト信号の既知のメッセージ内容と比較することによって、データ相関器によって抽出されたシンボルのビット誤り率を決定するように構成された相関統計ジェネレータとを含む。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態は、デジタル化されたアナログエネルギーを、選択された受信機チャネル内に含まれるデジタル化されたエネルギーに制限するように構成されたチャネライザをさらに含む。
【0016】
[0016]上記の実施形態のいずかは、デジタル入力データからシンボルを抽出するように構成された復調器をさらに含むことができ、上記送信メッセージビットはシンボル内で符号化される。
【0017】
[0017]上記の実施形態のいずかは、データ相関器によって抽出されたデータビットを復号するように構成された復号器をさらに含むことができる。
【0018】
[0018]上記の実施形態のいずかは、データ相関器によって抽出されたデータビットから受信メッセージを再構築するように構成されたメッセージアセンブラをさらに含むことができ、受信メッセージは、送信メッセージに少なくとも近似する。これらの実施形態のいくつかは、受信メッセージをデジタルテスト信号の既知のメッセージ内容と比較することによって、受信メッセージのメッセージ誤り率を決定するように構成されたメッセージ誤り率計算器をさらに含む。
【0019】
[0019]上記の実施形態のいずれかにおいて、デジタルテスト信号源は、デジタルテスト信号を生成するデジタルテスト信号ジェネレータであり得る。
【0020】
[0020]上記の実施形態のいずれかにおいて、デジタルテスト信号源は、デジタルテスト信号の非一時的なコピーを記憶するように構成されたメモリであり得る。
【0021】
[0021]上記の実施形態のいずれかにおいて、デジタイザは、直交デジタイザであり得る。
【0022】
本開示の第2の一般的な態様は、ノイズおよび干渉が存在するワイヤレス通信チャネルを介して通信するための方法である。この方法は以下のステップを含む:
a)利用可能な通信チャネルを選択するステップ、
b)選択された通信チャネル内に対象の信号が存在しない期間中に、アナログノイズおよび干渉を受信するステップ、
c)デジタル化されたノイズおよび干渉を作成するために、アナログ入力をデジタル化するステップ、
d)デジタル入力データを形成するために、デジタル化されたノイズおよび干渉をデジタルテスト信号と組み合わせるステップ、ここで、デジタルテスト信号は、特定の振幅に調整され、既知のメッセージビットとして符号化された既知のメッセージ内容を有する、
e)デジタル入力データからメッセージ情報を抽出するステップ、
f)抽出されたメッセージ情報をデジタルテストメッセージの既知のメッセージ内容と比較することによって、デジタル入力データの信号対ノイズおよび干渉比(SNIR)を決定するステップ、
g)決定されたSNIRから、選択されたチャネルのノイズおよび干渉レベルを決定するステップ、
h)決定されたSNIRが特定のSNIR基準を満たさない場合、デジタルテスト信号の特定の振幅を変更して、SNIRがSNIR基準を満たすまでステップa)からg)を繰り返すステップ、および
i)以下のうちの少なくとも1つを行うステップ:
i.)複数の利用可能な通信チャネルがある場合、チャネル選択基準が満たされるまでステップa)からg)を繰り返し、決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって複数の利用可能な通信チャネルのうちの1つを選択し、選択された通信チャネルを介してメッセージを送信すること、および
ii)選択された通信チャネルの決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって選択された送信電力および/または送信レートでメッセージを送信すること。
【0023】
[0022]いくつかの実施形態では、ステップe)は、デジタル入力データから受信データビットを取得することを含み、ステップf)は、受信データビットを既知のメッセージビットと比較することによってビット誤り率を決定することと、ビット誤り率からSNIRを決定することとを含む。
【0024】
[0023]上記の実施形態のいずれかにおいて、ステップe)は、デジタル入力データからメッセージを組み立てることを含むことができ、ステップf)は、組み立てられたメッセージとデジタルテストメッセージの既知のメッセージ内容との比較からSNIRを決定することを含むことができる。
【0025】
[0024]上記の実施形態のいずれかにおいて、ステップi)は、複数の利用可能な通信チャネルの各々についてステップa)からh)を繰り返すことを含むことができ、ステップj)は、複数の利用可能な通信チャネルの中から最も低いノイズおよび干渉レベルを有するチャネルを選択することを含むことができる。
【0026】
[0025]上記の実施形態のいずれかにおいて、選択基準は、指定された最大レベルのノイズおよび干渉を含むことができ、ステップi)は、選択されたチャネルのノイズおよび干渉のレベルが指定された最大レベルを下回ったと決定されるまで、ステップa)からh)を繰り返すことを含むことができる。
【0027】
[0026]上記の実施形態のいずかは、ステップc)とd)との間でデジタル化されたノイズおよび干渉をチャネル化することをさらに含むことができ、上記チャネル化することは、デジタル化されたノイズおよび干渉を、選択された受信機チャネル内に含まれるノイズおよび干渉に制限する。
【0028】
[0027]上記の実施形態のいずれかにおいて、ステップe)は、デジタル化されたノイズおよび干渉を復調することによって、上記デジタル入力データからシンボルを抽出することを含むことができる。これらの実施形態のいくつかは、シンボルを相関させることによってシンボルからメッセージビットを抽出することをさらに含む。これらの実施形態のいくつかは、メッセージビットからメッセージを組み立てることをさらに含む。また、これらの実施形態のいくつかは、メッセージを抽出する前にメッセージビットを復号することをさらに含む。
【0029】
[0028]また、上記の実施形態のいずれかにおいて、SNIR基準は、SNIRが1dBから10dBの間でなければならないというものであり得る。
【0030】
[0029]本明細書で説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの追加の特徴および利点が、図面、明細書、および特許請求の範囲を考慮することで当業者に明らかになるであろう。さらに、本明細書で使用される言語が、主に読みやすさおよび教示の目的で選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】[0030]
図1は、従来技術で知られているデジタルワイヤレス受信機を例示するブロック図である。
【
図2】[0031]
図2は、本開示の一実施形態によるデジタルワイヤレス受信機を例示するブロック図である。
【
図3】[0032]
図3は、本開示の方法の実施形態を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[0033]本開示は、テスト装置の較正を必要とせずに、受信機チャネル内に存在するノイズおよび干渉を迅速かつ正確に特徴付けるシステムおよび方法である。
【0033】
[0034]現代の通信受信機は、典型的には、受信周波数(広帯域)または中間周波数すなわち「IF」(狭帯域)のいずれかにおいて、早期段階で受信波形をデジタル化するという点で、デジタル受信機である。そのような受信機は、個別部品を使用して実装されることができ、また「システムオンチップ」(「SoC」)としても実装されることができる。ワイヤレスデジタル受信機の目的は、一般に(変調された搬送波を含む)対象の信号と組み合わされたノイズおよび干渉を含む受信信号を受け入れ、出力として、搬送波を介して送信されたメッセージの信号を正確に再現したものである、(音声出力などの)「クリーンな」アナログ出力または(対象の信号がデジタルデータを搬送する場合)誤りのないデジタル出力を提供することである。
【0034】
[0035]再び
図1を参照すると、典型的なワイヤレスデジタル受信機は、以下の機能ブロックを含むものとして説明され得る:
・アナログ信号入力113-アナログ信号入力113は、アンテナまたは他の入力であり、そこから、(一般に、対象の信号、ノイズ、および干渉を含み得る)アナログ電磁エネルギーが受信機100のアナログフロントエンド114に入る。
・アナログフロントエンド114-「デジタイザ」、「A/Dコンバータ」または単に「ADC」とも呼ばれるアナログ/デジタルコンバータ116によってデジタル化され得るように、アナログ電磁エネルギーを調整および準備する増幅およびフィルタリング回路を含む。典型的に、このブロックに含まれるのは、前置増幅器とも呼ばれる第1段低ノイズ増幅器(LNA)であり、これは、受信機の内部ノイズ指数を決定する。受信機の設計に応じて、混合合成器も含まれ(スーパーヘテロダイン受信機)、信号と混合して、信号が受信される無線周波数(RF)から中間周波数(IF)に信号を変換することができる。
・A/Dコンバータ116-アナログフロントエンド114による調整の後、(RFまたはIFのいずれかにおける)アナログ信号をデジタル信号に変換する。典型的には、デジタイザは、同相成分(I)と、I成分に対して90度位相がずれた「直交」成分(Q)という2つの直交成分を含むデジタル信号を生成する直交デジタイザである。
・チャネライザ118-チャネライザ118は、A/Dコンバータ116の出力を受け入れ、それをフィルタリングして、信号の帯域幅を通信チャネルに対してその最適な値に低減する。典型的には、チャネライザ118はまた、信号を「デシメート」する、すなわち、信号の実効サンプルレートを下げる。チャネライザ118による帯域幅フィルタリングにより、このデシメーションステップは、データの情報内容を低減しない。
・復調器120-復調器120は、デジタル化された受信信号からシンボルまたは「チップ」を抽出しようとし、ここで、シンボルは、対象のメッセージを搬送し、搬送波への位相変調、周波数変調、および/または振幅変調によって符号化される。本開示の目的のために、変調方式は、バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)もしくは変調シフトキーイング(MSK)などのデジタル符号化方式、または振幅変調(AM)もしくは周波数変調(FM)などのアナログ変調として説明される。しかしながら、本開示は、これらの変調方式に限定されない。チップは、直接スペクトラム拡散(DSSS:direct-sequence spread spectrum)エンコーダを使用して、対象の信号を送信したエンティティによって生成され得る。DSSSエンコーダによって生成されるチップの量は、対象の信号の処理利得を決定し、これは、データスループットに対するトレードオフである。
・データ相関器122-いくつかの実施形態は、復調器120によって提供されたシンボルから、送信データビットを抽出するデータ相関器122を含む。
・復号器124-対象の信号に含まれる情報の感度に応じて、送信エンティティは、データを暗号化している可能性がある。そうである場合、本開示の実施形態に含まれる復号器124は、データビットを暗号化されたデータ(「暗号文」)から暗号化されていないデータ(「平文」)に変換する。
・メッセージアセンブラ126-これは典型的には、受信機100内の最後の機能である。それは、送信メッセージに少なくとも近似する受信した「平文」メッセージを、「受信メッセージ」としてその元のフォーマットに再構築する。例えば、音声通信の場合、メッセージアセンブラ126は、「平文」のデジタルデータを使用して、エンドユーザまたは「ホスト」128が聞いて理解することができるオーディオ信号を作成および増幅する。デジタルデータ通信の場合、メッセージアセンブラ126は、データを解析してホスト128が読み取り可能なフォーマットにする。ノイズ、干渉、および他の誤りの原因がない場合、受信メッセージは、送信メッセージと同一になるであろう。
【0035】
[0036]「シャノン理論」によれば、電波を使用して通信する能力は、チャネルの帯域幅と、チャネル内に存在する(干渉を含む)ノイズの量との関数である。受信機の設計者は、アナログフロントエンド114の第1段増幅器のノイズ指数によって典型的に決定されるように、受信機の内部ノイズを決定する能力を有する。しかしながら、効果的な通信は、多くの場合、各チャネルにおいてアンテナが受信する(干渉を含む)ノイズの程度を決定することと、次いで、この情報を使用して、クリアな通信のための最良のチャネルの選択、適切な送信電力の選択し、および/または適切な送信レートの選択を行うこととを必要とする。
【0036】
[0037]
図2を参照すると、本開示の実施形態によれば、受信機200は、アナログ電磁エネルギーを受信し、対象のメッセージが存在する場合にそこからそれを抽出する、
図1と同様の一連のモジュールを含む。これらのモジュールは、アナログ信号入力113、アナログフロントエンド114、A/Dコンバータ116、チャネライザ118、復調器120、データ相関器122、(いくつかの実施形態では)復号ユニット124、およびメッセージアセンブラ126を含む。アナログフロントエンドは、(広帯域受信機の場合)それが同調されるチャネルの周波数範囲にわたって、または(狭帯域受信機の場合)適切なIF帯域幅にわたって線形利得を有する。いくつかの実施形態では、A/Dコンバータ116は、直交デジタル「IQ」データを提供する。これらの機能は、個別部品として、または、例えば「システムオンチップ」(SOC)として実装され得る。
【0037】
[0038]これらのモジュールに加えて、少なくともさらに4つのモジュール/機能が
図2の実施形態に含まれる。
・デジタルテスト信号ジェネレータ202-この機能は、既知の変調信号のデジタル表現を生成する。同様の実施形態では、デジタルテスト信号は別個に生成され、不揮発性メモリ(図示せず)に記憶される。テスト信号はデジタルであるため、その「振幅」は正確に知られている。
・デジタル信号利得制御装置204-この機能は、デジタルテスト信号ジェネレータ202またはメモリからの所望の信号のレベルを調整し、それを変調器に提供する。いくつかの実施形態では、デジタル信号利得制御装置204は、単にデジタルテスト信号に特定の利得係数を乗じる。テスト信号はデジタル的に生成され処理されるため、完全かつ正確に特徴付けられる。したがって、本開示によれば、テスト信号の振幅を較正する必要はない。
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、デジタルテスト信号は、復調器120内にまたはチャネライザ116もしくはデータ相関器120などの別のモジュール内に含まれ得るか、または別個のモジュールとして提供され得る「信号コンバイナ」(図示せず)によってデジタル化されたノイズおよび干渉に加えられる。
・相関統計ジェネレータ206-使用される変調および波形のタイプに応じて、相関統計ジェネレータ206は、DSSS入力に基づいて既知の相関出力ビットを提供するデータ相関器122の能力を決定することができる。結果として得られるビット誤り率(BER)「スコア」は、既知のデジタル信号入力がデータ相関器122の出力とどれだけ厳密に一致するかを示し、チャネルのSNIRの尺度である。
・メッセージ誤り率計算器208-相関統計ジェネレータ206と同様に、メッセージ誤り率計算器208は、例えば、復号されたビットまたはシンボルとして表される、メッセージアセンブラ126によって出力される「受信」メッセージを、デジタルテスト信号内で符号化された既知の「送信」メッセージと比較して、SNIRを決定するために相関統計ジェネレータによって決定されるビット誤り率の代わりにまたはそれと組み合わせて使用することができるメッセージ誤り率を提供する。様々な実施形態は、相関統計ジェネレータ206およびメッセージ誤り率計算器208のいずれかまたは両方を含むことに留意されたい。
【0038】
[0039]本開示の実施形態は、デジタルテスト信号ジェネレータ202が、既知の変調パターンを有するデジタルテスト信号を提供することを可能にするために、制御機能(図示せず)を使用する。次いで、この出力は、デジタル信号利得制御装置204に向けられ、この制御装置は、デジタルテスト信号の振幅を調整して、ノイズおよび干渉の振幅の正確な決定が行われるように、振幅が、デジタル化されたノイズおよび干渉に十分に近くなることを保証する。
【0039】
[0040]デジタルテスト信号が強すぎる場合、データ相関器からの結果として得られるBERが低くなりすぎて、正確なノイズ+干渉の決定ができなくなる。逆に、デジタルテスト信号が弱すぎる場合、データ相関器からの結果として得られるBERが高くなりすぎて、正確なノイズおよび干渉レベルの決定ができなくなる。したがって、データ相関器122のダイナミックレンジに応じて、BERが正確に特徴付けることができるレベルにSNIRがあることを保証するために、様々なデジタルテスト信号の振幅で複数の測定を実行することが必要であり得る。例えば、データ相関器の出力は、SNIRが10dBよりも大きい場合、ノイズおよび干渉レベルに鈍感であり得る。この場合、相関誤差があったとしてもわずかであることを結果が示す場合、制御システムは、相関スコアがノイズおよび干渉レベルに敏感になるまでデジタルテスト信号の振幅を低減することができるため、正確なノイズレベルを決定することができる。同様に、SNIRが最小レベル未満、例えば1dB未満である場合、正確なシンボルまたはデータビット検出があったとしてもわずかであり得、データ相関器の出力はノイズおよび干渉レベルに鈍感である。この場合、正確な相関があるとしてもわずかであることを結果が示す場合、制御システムは、相関スコアがノイズおよび干渉レベルに敏感になるまで、デジタルテスト信号の振幅を増加させることができる。
【0040】
[0041]データ相関器を含まないいくつかの実施形態では、データ相関器出力のBERの代わりにメッセージ出力のビットまたはシンボル誤り率を使用して、メッセージ誤り率を決定し、最終的にSNIRを決定する。他の実施形態では、BERとメッセージ誤り率の両方が使用される。
【0041】
[0042]
図3を参照すると、本開示の方法の実施形態では、対象の信号が送信されていない期間中に、アナログエネルギーが受信機200の信号入力に導入される(300)。したがって、アナログエネルギーは、ノイズおよび/または干渉を表す。アナログ入力は、受信機200のアナログフロントエンド114によって処理され302、次いでデジタル化およびチャネル化される304。並行して、デジタルテスト信号が生成され306、または同様の実施形態では不揮発性メモリから取り出され、デジタルテスト信号の振幅が、デジタル信号利得コントローラ204によって調整される308。次いで、デジタルテスト信号が、「コンバイナ」によって、デジタル化されたノイズおよび干渉に加えられて310、デジタル入力データが形成される。次いで、デジタル入力データから復調器120によってシンボルまたは「チップ」が抽出され、その後、データ相関器122によってシンボルからデータビットが抽出される312。次いで、抽出されたデータビットは、相関統計ジェネレータ206によって、デジタルテスト信号の既知のメッセージビットと比較され314、ビット誤り率(BER)が決定される。次いで、BERは、BER対SNIRの既知の性能曲線と比較され、ノイズおよび干渉が受信されたチャネルのSNIRが決定される316。
【0042】
[0043]一方、抽出されたビット312は必要に応じて復号され、ビット318からメッセージが組み立てられる。いくつかの実施形態では、次いで、抽出されたメッセージは、デジタルテスト信号の既知のメッセージ内容と比較され320、メッセージ誤り率が、SNIRを決定322するための基礎として使用される。最後に、SNIRの決定のいずれかまたは両方を使用して、チャネル内に存在するノイズおよび干渉のレベルを決定する324。いくつかの実施形態では、次いで、受信機200は、別の周波数チャネルにシフトされ、
図3に例示される方法が繰り返される。このプロセスは、ノイズおよび干渉が利用可能なチャネルのすべてで特徴付けられるまで継続され得、その時点で、最も低いノイズおよび干渉を有するチャネルをメッセージ交換のために選択することができる。代替的に、特定の最大値を下回るノイズレベルを有するチャネルが識別されるとすぐに、プロセスが停止され得る。代わりにまたは加えて、選択された通信チャネルを介した通信の成功を保証するように、適切な送信電力レベルおよび/または送信レートが選択され得る。
【0043】
[0044]
図2および
図3は両方とも、SNIRが、データ相関器120の出力から決定されたBERと、メッセージアセンブラ126によって生成された「受信」メッセージに基づくメッセージ誤り率との両方から決定される実施形態を例示することに留意されたい。いくつかの実施形態は、これらの方法のいずれかまたは両方を組み込んでいる。
【0044】
[0045]本開示の実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されている。この提出物の各々およびすべてのページならびにそのすべての内容は、特徴付けられたり、特定されたり、番号付けされたりするが、本出願内での形態または配置にかかわらず、あらゆる用途で本出願の実質的な部分であると考えられる。本明細書は、網羅的であることも、本開示を開示されたままの形態に限定することも意図していない。本開示に照らして、多くの修正および変形が可能である。
【0045】
[0046]本出願は限られた数の形態で示されているが、本開示の範囲は、これらの形態だけに限定されるものではなく、その趣旨から逸脱することなく様々な変更および修正に補正可能である。本明細書で提示される開示は、本開示の範囲内に入る特徴のすべての可能な組合せを明示的に開示するものではない。様々な実施形態について本明細書に開示される特徴は、一般に、本開示の範囲から逸脱することなく、交換され、自己矛盾しない任意の組合せに組み合わされ得る。特に、以下の従属請求項に提示される限定は、これらの従属請求項が互いに論理的に矛盾しない限り、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数および任意の順序でそれらの対応する独立請求項と組み合わせられ得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信メッセージを受信するように構成されたワイヤレス受信機であって、
アナログ入力と、
前記アナログ入力を介して前記受信機に入るアナログエネルギーをデジタル化するように構成されたデジタイザと、ここで、前記デジタル化されたアナログエネルギーは、対象の信号が前記アナログエネルギーに含まれていないときのデジタル化されたノイズおよび干渉である、
既知の振幅およびメッセージ内容を有するデジタルテスト信号を提供するように構成されたデジタルテスト信号源と、
前記デジタルテスト信号の振幅をテスト入力振幅に調整するように構成されたデジタル信号利得コントローラと、
デジタル入力データを作成するために、前記調整されたデジタルテスト信号を前記デジタル化されたノイズおよび干渉と組み合わせるように構成された信号コンバイナと、
前記デジタル入力データから送信メッセージビットを抽出するように構成されたデータ相関器と、
前記データ相関器によって抽出された前記ビットを前記デジタルテスト信号の前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記データ相関器によって抽出された前記シンボルのビット誤り率を決定するように構成された相関統計ジェネレータと
を備える受信機。
【請求項2】
前記デジタル化されたアナログエネルギーを、選択された受信機チャネル内に含まれるデジタル化されたエネルギーに制限するように構成されたチャネライザをさらに備える、請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記デジタル入力データからシンボルを抽出するように構成された復調器をさらに備え、前記送信メッセージビットは前記シンボル内で符号化される、請求項1に記載の受信機。
【請求項4】
前記データ相関器によって抽出された前記データビットを復号するように構成された復号器をさらに備える、請求項1に記載の受信機。
【請求項5】
前記データ相関器によって抽出された前記データビットから受信メッセージを再構築するように構成されたメッセージアセンブラをさらに備え、前記受信メッセージは、前記送信メッセージに少なくとも近似する、請求項1に記載の受信機。
【請求項6】
前記受信メッセージを前記デジタルテスト信号の前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記受信メッセージのメッセージ誤り率を決定するように構成されたメッセージ誤り率計算器をさらに備える、請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
前記デジタルテスト信号源は、前記デジタルテスト信号を生成するデジタルテスト信号ジェネレータである、請求項1に記載の受信機。
【請求項8】
前記デジタルテスト信号源は、前記デジタルテスト信号の非一時的なコピーを記憶するように構成されたメモリである、請求項1に記載の受信機。
【請求項9】
前記デジタイザは、直交デジタイザである、請求項1に記載の受信機。
【請求項10】
ノイズおよび干渉が存在するワイヤレス通信チャネルを介して通信するための方法であって、
a)利用可能な通信チャネルを選択するステップと、
b)前記選択された通信チャネル内に対象の信号が存在しない期間中に、
アナログ入力としてアナログノイズおよび干渉を受信するステップと、
c)デジタル化されたノイズおよび干渉を作成するために、前記アナログ入力をデジタル化するステップと、
d)デジタル入力データを形成するために、前記デジタル化されたノイズおよび干渉をデジタルテスト信号と組み合わせるステップと、ここで、前記デジタルテスト信号は、特定の振幅に調整され、既知のメッセージビットとして符号化された既知のメッセージ内容を有する、
e)前記デジタル入力データからメッセージ情報を抽出するステップと、
f)前記抽出されたメッセージ情報を前記デジタルテストメッセージの前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記デジタル入力データの信号対ノイズおよび干渉比(SNIR)を決定するステップと、
g)前記決定されたSNIRから、前記選択されたチャネルのノイズおよび干渉レベルを決定するステップと、
h)前記決定されたSNIRが特定のSNIR基準を満たさない場合、前記デジタルテスト信号の前記特定の振幅を変更して、前記SNIRが前記SNIR基準を満たすまでステップa)からg)を繰り返すステップと、
i)以下のうちの少なくとも1つを行うステップと:
i.)複数の利用可能な通信チャネルがある場合、チャネル選択基準が満たされるまでステップa)からg)を繰り返し、前記決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって前記複数の利用可能な通信チャネルのうちの1つを選択し、前記選択された通信チャネルを介してメッセージを送信すること、および
ii)前記選択された通信チャネルの前記決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって選択された送信電力および/または送信レートでメッセージを送信すること、
を含む方法。
【請求項11】
ステップe)は、前記デジタル入力データから受信データビットを取得することを含み、ステップf)は、前記受信データビットを前記既知のメッセージビットと比較することによってビット誤り率を決定することと、前記ビット誤り率から前記SNIRを決定することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップe)は、前記デジタル入力データからメッセージを組み立てることを含み、ステップf)は、前記組み立てられたメッセージと前記デジタルテストメッセージの前記既知のメッセージ内容との比較から前記SNIRを決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ステップi)は、前記複数の利用可能な通信チャネルの各々についてステップa)からh)を繰り返すことを含み、ステップj)は、前記複数の利用可能な通信チャネルの中から最も低いノイズおよび干渉レベルを有するチャネルを選択することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記選択基準は、指定された最大レベルのノイズおよび干渉を含み、ステップi)は、選択されたチャネルのノイズおよび干渉のレベルが前記指定された最大レベルを下回ったと決定されるまで、ステップa)からh)を繰り返すことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ステップc)とd)との間で前記デジタル化されたノイズおよび干渉をチャネル化することをさらに含み、前記チャネル化することは、前記デジタル化されたノイズおよび干渉を、前記選択された受信機チャネル内に含まれるノイズおよび干渉に制限する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
ステップe)は、前記デジタル化されたノイズおよび干渉を復調することによって、前記デジタル入力データからシンボルを抽出することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記シンボルを相関させることによって前記シンボルからメッセージビットを抽出することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記メッセージビットからメッセージを組み立てることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記メッセージを抽出する前に前記メッセージビットを復号することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記SNIR基準は、前記SNIRが1dBから10dBの間でなければならないというものである、請求項10に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
[0046]本出願は限られた数の形態で示されているが、本開示の範囲は、これらの形態だけに限定されるものではなく、その趣旨から逸脱することなく様々な変更および修正に補正可能である。本明細書で提示される開示は、本開示の範囲内に入る特徴のすべての可能な組合せを明示的に開示するものではない。様々な実施形態について本明細書に開示される特徴は、一般に、本開示の範囲から逸脱することなく、交換され、自己矛盾しない任意の組合せに組み合わされ得る。特に、以下の従属請求項に提示される限定は、これらの従属請求項が互いに論理的に矛盾しない限り、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数および任意の順序でそれらの対応する独立請求項と組み合わせられ得る。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
送信メッセージを受信するように構成されたワイヤレス受信機であって、
アナログ入力と、
前記アナログ入力を介して前記受信機に入るアナログエネルギーをデジタル化するように構成されたデジタイザと、ここで、前記デジタル化されたアナログエネルギーは、対象の信号が前記アナログエネルギーに含まれていないときのデジタル化されたノイズおよび干渉である、
既知の振幅およびメッセージ内容を有するデジタルテスト信号を提供するように構成されたデジタルテスト信号源と、
前記デジタルテスト信号の振幅をテスト入力振幅に調整するように構成されたデジタル信号利得コントローラと、
デジタル入力データを作成するために、前記調整されたデジタルテスト信号を前記デジタル化されたノイズおよび干渉と組み合わせるように構成された信号コンバイナと、
前記デジタル入力データから送信メッセージビットを抽出するように構成されたデータ相関器と、
前記データ相関器によって抽出された前記ビットを前記デジタルテスト信号の前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記データ相関器によって抽出された前記シンボルのビット誤り率を決定するように構成された相関統計ジェネレータと
を備える受信機。
[C2]
前記デジタル化されたアナログエネルギーを、選択された受信機チャネル内に含まれるデジタル化されたエネルギーに制限するように構成されたチャネライザをさらに備える、C1に記載の受信機。
[C3]
前記デジタル入力データからシンボルを抽出するように構成された復調器をさらに備え、前記送信メッセージビットは前記シンボル内で符号化される、C1に記載の受信機。
[C4]
前記データ相関器によって抽出された前記データビットを復号するように構成された復号器をさらに備える、C1に記載の受信機。
[C5]
前記データ相関器によって抽出された前記データビットから受信メッセージを再構築するように構成されたメッセージアセンブラをさらに備え、前記受信メッセージは、前記送信メッセージに少なくとも近似する、C1に記載の受信機。
[C6]
前記受信メッセージを前記デジタルテスト信号の前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記受信メッセージのメッセージ誤り率を決定するように構成されたメッセージ誤り率計算器をさらに備える、C5に記載の受信機。
[C7]
前記デジタルテスト信号源は、前記デジタルテスト信号を生成するデジタルテスト信号ジェネレータである、C1に記載の受信機。
[C8]
前記デジタルテスト信号源は、前記デジタルテスト信号の非一時的なコピーを記憶するように構成されたメモリである、C1に記載の受信機。
[C9]
前記デジタイザは、直交デジタイザである、C1に記載の受信機。
[C10]
ノイズおよび干渉が存在するワイヤレス通信チャネルを介して通信するための方法であって、
a)利用可能な通信チャネルを選択するステップと、
b)前記選択された通信チャネル内に対象の信号が存在しない期間中に、アナログノイズおよび干渉を受信するステップと、
c)デジタル化されたノイズおよび干渉を作成するために、前記アナログ入力をデジタル化するステップと、
d)デジタル入力データを形成するために、前記デジタル化されたノイズおよび干渉をデジタルテスト信号と組み合わせるステップと、ここで、前記デジタルテスト信号は、特定の振幅に調整され、既知のメッセージビットとして符号化された既知のメッセージ内容を有する、
e)前記デジタル入力データからメッセージ情報を抽出するステップと、
f)前記抽出されたメッセージ情報を前記デジタルテストメッセージの前記既知のメッセージ内容と比較することによって、前記デジタル入力データの信号対ノイズおよび干渉比(SNIR)を決定するステップと、
g)前記決定されたSNIRから、前記選択されたチャネルのノイズおよび干渉レベルを決定するステップと、
h)前記決定されたSNIRが特定のSNIR基準を満たさない場合、前記デジタルテスト信号の前記特定の振幅を変更して、前記SNIRが前記SNIR基準を満たすまでステップa)からg)を繰り返すステップと、
i)以下のうちの少なくとも1つを行うステップと:
i.)複数の利用可能な通信チャネルがある場合、チャネル選択基準が満たされるまでステップa)からg)を繰り返し、前記決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって前記複数の利用可能な通信チャネルのうちの1つを選択し、前記選択された通信チャネルを介してメッセージを送信すること、および
ii)前記選択された通信チャネルの前記決定されたノイズおよび干渉レベルにしたがって選択された送信電力および/または送信レートでメッセージを送信すること、
を含む方法。
[C11]
ステップe)は、前記デジタル入力データから受信データビットを取得することを含み、ステップf)は、前記受信データビットを前記既知のメッセージビットと比較することによってビット誤り率を決定することと、前記ビット誤り率から前記SNIRを決定することとを含む、C10に記載の方法。
[C12]
ステップe)は、前記デジタル入力データからメッセージを組み立てることを含み、ステップf)は、前記組み立てられたメッセージと前記デジタルテストメッセージの前記既知のメッセージ内容との比較から前記SNIRを決定することを含む、C10に記載の方法。
[C13]
ステップi)は、前記複数の利用可能な通信チャネルの各々についてステップa)からh)を繰り返すことを含み、ステップj)は、前記複数の利用可能な通信チャネルの中から最も低いノイズおよび干渉レベルを有するチャネルを選択することを含む、C10に記載の方法。
[C14]
前記選択基準は、指定された最大レベルのノイズおよび干渉を含み、ステップi)は、選択されたチャネルのノイズおよび干渉のレベルが前記指定された最大レベルを下回ったと決定されるまで、ステップa)からh)を繰り返すことを含む、C10に記載の方法。
[C15]
ステップc)とd)との間で前記デジタル化されたノイズおよび干渉をチャネル化することをさらに含み、前記チャネル化することは、前記デジタル化されたノイズおよび干渉を、前記選択された受信機チャネル内に含まれるノイズおよび干渉に制限する、C10に記載の方法。
[C16]
ステップe)は、前記デジタル化されたノイズおよび干渉を復調することによって、前記デジタル入力データからシンボルを抽出することを含む、C10に記載の方法。
[C17]
前記シンボルを相関させることによって前記シンボルからメッセージビットを抽出することをさらに含む、C16に記載の方法。
[C18]
前記メッセージビットからメッセージを組み立てることをさらに含む、C17に記載の方法。
[C19]
前記メッセージを抽出する前に前記メッセージビットを復号することをさらに含む、C18に記載の方法。
[C20]
前記SNIR基準は、前記SNIRが1dBから10dBの間でなければならないというものである、C10に記載の方法。
【国際調査報告】