(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(54)【発明の名称】板状接合木材
(51)【国際特許分類】
B27M 3/00 20060101AFI20220408BHJP
【FI】
B27M3/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523966
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2020075927
(87)【国際公開番号】W WO2020177535
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】201910169473.7
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920283413.3
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521186867
【氏名又は名称】上海▲絵▼鴻信息技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GTED-X PTE LTD
【住所又は居所原語表記】Room 2501, Soho-1, Zhongjiang Road 388 Nong, Putuo District, Shanghai 200062, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲軍▼
【テーマコード(参考)】
2B250
【Fターム(参考)】
2B250AA01
2B250AA11
2B250AA13
2B250BA02
2B250BA04
2B250BA09
2B250CA11
2B250EA02
2B250EA13
2B250EA15
2B250FA13
2B250FA15
2B250FA31
2B250GA05
2B250HA01
(57)【要約】
本発明に係る板状接合木材は、複数の被接合部材(1)および複数の連結部材(2)を含み、各前記被接合部材(1)はいずれも、頂面(11)、底面(12)、および前記頂面(11)と前記底面(12)との間を繋ぐ複数の側面(13)を含み、各前記側面(13)のそれぞれにスロット(10)が設けられ、かつ、任意の隣接する二つの側面(13)におけるスロット同士は前記隣接する二つの側面の共通辺(15)で交差し、各前記連結部材(2)はいずれも、繋がっている第1の連結部(21)および第2の連結部(22)を有し、前記第1の連結部(21)は一方の前記被接合部材のスロットに挿入できるように構成され、前記第2の連結部(22)は他方の前記被接合部材のスロットに挿入できるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被接合部材(1)と複数の連結部材(2)とを含む板状接合木材であって、
各前記被接合部材(1)はいずれも、頂面(11)と、底面(12)と、前記頂面(11)と前記底面(12)との間を繋ぐ複数の側面(13)とを含み、各前記側面(13)のそれぞれにスロット(10)が設けられ、任意の隣接する二つの側面(13)におけるスロット(10)同士は前記隣接する二つの側面の共通辺(15)で交差し、
各前記連結部材(2)はいずれも、繋がっている第1の連結部(21)および第2の連結部(22)を有し、前記第1の連結部(21)は一方の前記被接合部材のスロットに挿入できるように構成され、前記第2の連結部(22)は他方の被接合部材のスロットに挿入できるように構成されていることを特徴とする、板状接合木材。
【請求項2】
少なくとも前記底面(12)および各前記側面(13)は平面構造であり、
前記共通辺(15)は前記底面(12)に垂直であり、かつ、前記スロット(10)の延伸方向は前記底面(12)に平行であり、
前記第1の連結部(21)が挿入されたスロットが位置する側面と、前記第2の連結部(22)が挿入されたスロットが位置する側面とは互いに当接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の板状接合木材。
【請求項3】
各前記被接合部材(1)のスロット(10)は前記底面(12)からの距離が等しいことを特徴とする請求項2に記載の板状接合木材。
【請求項4】
各前記被接合部材(1)の側面は前記板状接合木材(3)の延在平面に垂直な平面構造であり、
前記共通辺(15)は前記延在平面に垂直であり、かつ、前記スロット(10)の延伸方向は前記延在平面に平行であり、
前記第1の連結部(21)が挿入されたスロットが位置する側面と、前記第2の連結部(22)が挿入されたスロットが位置する側面とは互いに当接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の板状接合木材。
【請求項5】
前記板状接合木材(3)の頂面および/または底面は非平面構造であることを特徴とする請求項1、2または4に記載の板状接合木材。
【請求項6】
前記スロットは、対応する前記第1の連結部(21)または前記第2の連結部(22)と接着されていることを特徴とする請求項1、2または4に記載の板状接合木材。
【請求項7】
各前記被接合部材(1)は正多角形の被接合部材として構成され、または、
複数の前記被接合部材(1)は一つ以上の矩形の被接合部材と一つ以上の平行四辺形の被接合部材とを含み、または、
複数の前記被接合部材(1)は一つ以上の矩形の被接合部材と一つ以上の菱形の被接合部材とを含み、または、
各前記被接合部材(1)は菱形の被接合部材として構成され、または、
複数の前記被接合部材(1)は一つ以上の三角形の被接合部材と一つ以上の菱形の被接合部材と一つ以上の平行四辺形の被接合部材とを含み、または、
各前記被接合部材(1)はいずれも不規則な多角形の被接合部材として構成されることを特徴とする請求項1、2または4に記載の板状接合木材。
【請求項8】
各前記被接合部材(1)は規則的な多角形の被接合部材として構成され、または、
複数の前記被接合部材(1)は一つ以上の不規則な多角形の被接合部材と一つ以上の規則的な多角形の被接合部材とを含むことを特徴とする請求項1、2または4に記載の板状接合木材。
【請求項9】
各前記連結部材(2)の第1の連結部(21)および第2の連結部(22)はそれぞれ蟻ほぞとして構成され、又は、
前記複数の連結部材(2)のうち、一部の前記連結部材(2)は、第1の連結部(21)が蟻ほぞとして構成され、第2の連結部(22)が矩形ほぞとして構成され、残りの前記連結部材(2)は、第1の連結部(21)および第2の連結部(22)が蟻ほぞとして構成されていることを特徴とする請求項1、2または4に記載の板状接合木材。
【請求項10】
前記板状接合木材(3)は折れ線に沿って延びる一本以上の継ぎ目が形成されていることを特徴とする請求項1、2または4に記載の板状接合木材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板状接合木材に関する。
【背景技術】
【0002】
建築や家具製造の原材料として、木材はますます希少で高価なものになっている。例えば、天然木材は、最適な特徴および特性を有するので、キャビネット製作および家具に使用される最適な種類の木材である。しかし、既存の資源は過度に伐採され、ほとんどの木が成長に長い時間がかかるため、無垢材は希少で高価になっている。世界的に益々多くの森林が消費されるにつれて、建築や家具製造に無垢材よりも低品質な木材を使用せざるを得ない場合が増えている。例えば、パーティクルボード、プライウッド、中密度繊維板など様々な人造板が挙げられ、これらは無垢材の美的魅力や強度を提供できないが、広く使用されている。
【0003】
従来の製造方法では、丸太の35~40%しか収穫できないため、高価な天然木材が大量に浪費されている。つまり、従来の製造方法によれば、丸太材の大部分を商業的価値のある木材または原材料に変換することができない。従来技術において、木材の利用率を向上させるために、廃木材から複数の被接合部材を作り、次に、被接合部材をつなぎ合わせて大面積の板状接合木材を形成する。しかしながら、従来技術による板状接合木材は品質および構造強度が低く、消費者のニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づき、従来技術に存在する木材の浪費および板状接合木材の品質および構造強度が比較的低いという問題を解決するための、新型の板状接合木材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明に係る板状接合木材は、複数の被接合部材および複数の連結部材を含み、各被接合部材はいずれも、頂面、底面、および頂面と底面との間を繋ぐ複数の側面を含み、各側面のそれぞれにスロットが設けられ、任意の隣接する二つの側面におけるスロット同士は前記隣接する二つの側面の共通辺で交差し、各連結部材はいずれも、繋がっている第1の連結部および第2の連結部を有し、第1の連結部は一つの被接合部材のスロットに挿入できるように構成され、第2の連結部はもう一つの被接合部材のスロットに挿入できるように構成されている。
【0006】
さらに、少なくとも底面および各側面は平面構造であり、共通辺は底面に垂直であり、かつ、スロットの延伸方向は底面に平行であり、第1の連結部が挿入されたスロットが位置する側面と、第2の連結部が挿入されたスロットが位置する側面とは、互いに当接するように構成されている。
【0007】
さらに、各被接合部材のスロットは底面からの距離が等しい。
【0008】
さらに、各被接合部材の側面は前記板状接合木材の延在平面に垂直な平面構造であり、共通辺は延在平面に垂直であり、かつ、スロットの延伸方向は延在平面に平行であり、第1の連結部が挿入されたスロットが位置する側面と、第2の連結部が挿入されたスロットが位置する側面とは、互いに当接するように構成されている。
【0009】
さらに、前記板状接合木材の頂面および/または底面は非平面構造である。
【0010】
さらに、スロットは対応する第1の連結部または第2の連結部と接着されている。
【0011】
さらに、各被接合部材は正多角形の被接合部材に構成され、または、複数の被接合部材は一つ以上の矩形の被接合部材と一つ以上の平行四辺形の被接合部材とを含み、または、複数の被接合部材は一つ以上の矩形の被接合部材と一つ以上の菱形の被接合部材とを含み、または、各被接合部材は菱形の被接合部材として構成され、または、複数の被接合部材は一つ以上の三角形の被接合部材と一つ以上の菱形の被接合部材と一つ以上の平行四辺形の被接合部材とを含み、または、各被接合部材はいずれも不規則な多角形の被接合部材として構成されている。
【0012】
さらに、各被接合部材はいずれも規則的な多角形の被接合部材として構成され、または、複数の被接合部材は一つ以上の不規則な多角形の被接合部材と一つ以上の規則的な多角形の被接合部材とを含む。
【0013】
さらに、各連結部材の第1の連結部および第2の連結部はそれぞれ蟻ほぞとして構成され、または、複数の連結部材のうち、一部の連結部材は、第1の連結部が蟻ほぞとして構成され、第2の連結部が矩形ほぞとして構成され、残りの連結部材は、第1の連結部および第2の連結部がそれぞれ蟻ほぞとして構成されている。
【0014】
さらに、前記板状接合木材は折れ線に沿って延びる一本以上の継ぎ目が形成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例の板状接合木材によれば、必要に応じて任意のサイズの板状接合木材を組み立てることができ、板状接合木材を構成する各被接合部材は、まったく同じであってもよく、異なる木目、色、材料および形状を有してもよい。接合中に連結部材が破断した場合、新たな連結部材に交換するだけで済み、被接合部材自体の構造を破壊することはなく、コストの低減に有利であり、木材の無駄が低減する。また、任意の隣接する二つの側面におけるスロット同士は前記隣接する二つの側面の共通辺で交差し、スロットは各被接合部材の頂面および底面を垂直に貫通しないため、接合で形成された板状接合木材の頂面および底面はより大きな荷重に耐えることができ、これにより板状接合木材の構造強度および品質が向上する。また、被接合部材の各側面のいずれにもスロットが設けられているため、被接合部材が例えば正多角形の被接合部材である場合(すなわち、被接合部材の頂面と底面が同じサイズの正多角形である場合)、接合時に被接合部材の向きが厳しく要求されず、接合の難易度が軽減され、接合速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本発明の一実施例に係る板状接合木材の構造の一部を示す模式図である。
【
図2】
図2は
図1に示す板状接合木材における被接合部材および連結部材の構造模式図である。
【
図3】
図3は本発明の他の実施例に係る板状接合木材の構造の一部を示す模式図である。
【
図4】
図4は本発明のさらに他の実施例に係る板状接合木材の構造模式図である。
【
図5】
図5は本発明のさらに他の実施例に係る板状接合木材の構造模式図である。
【
図6】
図6は本発明のさらに他の実施例に係る板状接合木材の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すれば、本発明の一実施例によって提供される板状接合木材の構造が示されている。前記板状接合木材は、複数の被接合部材1と、被接合部材1を連結するための一つ以上の連結部材2とを含む。
図1に示す分の板状接合木材は、二つの正方形の被接合部材1と一つの連結部材2とを含むが、隣接する毎の2つの被接合部材1が対応する連結部材2によって連結され板状接合木材を形成できれば、板状接合木材を構成する被接合部材1は任意の適切な数であってもよく、各被接合部材1は任意の適切な形状に構成されてもよい。各被接合部材1は頂面11、底面12、および頂面11と底面12との間を繋ぐ複数の側面13を含む。
図2および
図4を参照すれば、各側面13にそれぞれスロット10が設けられ、任意の隣接する二つの側面13におけるスロット10同士は、前記隣接する二つの側面13の共通辺15で交差する。各連結部材2は、繋がっている第1の連結部21および第2の連結部22を有し、第1の連結部21は一方の被接合部材1のスロット10に挿入できるように構成され、第2の連結部22は他方の被接合部材1のスロット10に挿入できるように構成され、これにより、隣接する二つの被接合部材1が連結される。
【0018】
図3を参照すれば、本発明の実施例に係る板状接合木材は、必要に応じて任意の数の被接合部材1および連結部材2を備えてもよく、板状接合木材1を構成する各被接合部材は、まったく同じであってもよく、異なる木目、色、木材および形状を有してもよい。接合中に連結部材2が破断した場合、新たな連結部材2に交換するだけで済み、被接合部材1自体の構造を破壊することはなく、コスト削減に有利であり、木材の無駄が低減される。また、任意の隣接する二つの側面13におけるスロット10同士は前記隣接する二つの側面13の共通辺15で交差し、スロット10は各被接合部材1の頂面および底面を垂直に貫通しないため、接合で形成された板状接合木材の頂面および底面はより大きな荷重に耐えることができ、これにより板状接合木材の構造強度および品質が向上する。また、正多角形の被接合部材である(すなわち、被接合部材1の頂面11と底面12が同じサイズの正多角形である)実施例において、被接合部材1の各側面13のいずれにもスロット10が設けられているため、接合時に被接合部材1の向きが厳しく要求されず、接合の難易度が軽減され、接合速度が向上する。
【0019】
図1ないし
図3から分かるように、いくつかの実施例において、少なくとも各被接合部材1の底面12および側面13は平面構造であり、各共通辺15は底面12に垂直であり、かつスロット10の延伸方向は底面12に平行である。すなわち、各被接合部材1は多角形構造を有し、被接合部材1の頂面11および底面12の外周輪郭は同じサイズの多角形形状である。いくつかの実施例では、多角形の各辺の長さは、数cmないし数十cmの範囲内であってもよい。第1の連結部21が挿入されたスロットが位置する側面と、第2の連結部22が挿入されたスロットが位置する側面とは、互いに当接する。このように、各被接合部材1の連結箇所はより大きな鉛直方向の荷重(底面12に垂直な方向の力)に耐えることができ、また、連結部材2の露出により板状接合木材の頂面外観効果が悪化するのが回避される。
【0020】
各被接合部材1の厚さは限定されないが、同じ厚さの被接合部材1が接合されてもよく、または様々な厚さの被接合部材1が接合されてもよい。いくつかの実施例では、各被接合部材1のスロット10は底面12からの距離が等しい。すなわち、それぞれの被接合部材1が有する各スロット10と底面12との距離は同一の所定値であり、これにより互いに接合されてなる板状接合木材の底部は平坦となる。いくつかの実施例では、各被接合部材1のスロット10は頂面11または底面12からの距離が必ずしも同じではない。これにより、前記板状接合木材の頂面または底面は非平面構造であり、例えば、異なる厚さの被接合部材1同士の接合によって起伏のある頂面または底面を構成し、浮き彫りのような効果を呈する。いくつかの実施例では、板状接合木材の頂面および底面はいずれも非平面構造を含み、例えば異なる厚さの被接合部材1同士の接合によって起伏のある頂面および底面を構成し、板状接合木材3の頂面および底面に浮き彫りのような効果を呈する。これらの実施例は、屏風のような、両側ともに浮き彫り効果を呈する場合に適用することができる。
【0021】
いくつかの実施例において、例えば、板状接合木材の頂面および底面がいずれも平面構造でない場合、各被接合部材1の側面は前記板状接合木材の延在平面に垂直な平面構造であってもよく、前記延在平面は例えば水平面または鉛直面であり、すなわち、被接合部材1は水平方向または鉛直方向に沿って無限に接合でき、板状接合木材の面積は水平方向または鉛直方向において無限に拡大することができることが理解できる。それに応じて、各共通辺15も前記板状接合木材の延在平面に対して垂直であり、スロット10の延伸方向は前記延在平面に対して平行である。例えば、各被接合部材1の底面12はいずれも平面構造であり、かつ各共通辺15はいずれも底面12に垂直である場合、板状接合木材の延在平面は各被接合部材1の底面と互いに平行であることを理解できる。
【0022】
図1ないし
図3はスロット10および連結部材品2の好ましい実施形態を示し、スロット10は蟻溝であり、連結部材品2の第1の連結部21および第2の連結部22は蟻ほぞである。連結部材2の第1の連結部21および第2の連結部22は一体構造である。蟻溝形態のスロット10の深さは限定されず(第1の連結部21または第2の連結部22を収容できればよく、いくつかの実施例では接着剤を収容するための小さな隙間をわずかに残してもよい)、蟻溝形態のスロット10の蟻角度は、蟻ほぞ形態の対応する第1の連結部21または第2の連結部22の蟻角度と一致すればよく、前記蟻角度は一般的に使用される任意の蟻角度であってよい。被接合部材1の厚さが小さい場合、スロット10の深さおよび蟻角度についてはさらに、被接合部材1の側面強度に対する蟻溝底部の溝幅による影響を考慮して決定する必要がある。
【0023】
いくつかの実施例において、スロット10と対応する連結部材2の第1の連結部21または第2の連結部22との連結をより強固にするために、スロット10と対応する連結部材2の第1の連結部21または第2の連結部22とを接着剤を用いて接着してもよい。例えば、連結部材2にまず接着剤を塗り、次に連結部材2を被接合部材1のスロット10に挿入するようにしてもよく、または、被接合部材1の側面に接着剤を塗りスロット10に流入させ、次に連結部材2を被接合部材1のスロット10に挿入するようにしてもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、
図1ないし
図3に示される被接合部材1の各辺の長さは約数cmないし数十cm(例えば、5cmないし10cm)であり、厚さは1cm未満、または1cmないし数cm(例えば、2.0cmまたは2.5cm)であり、蟻溝の深さは数mmであり、隣接する二つの被接合部材1の蟻溝底部同士の間の距離は、蟻溝の深さの2倍であり、蟻ほぞにおいて各蟻溝底部とそれぞれ対向する両端面の間の距離は、蟻溝の深さの2倍よりわずかに小さくなってもよい。例えば、蟻溝の深さは2.5mmであり、隣接する二つの被接合部材1の蟻溝底部同士の間の距離は5mmであり、蟻ほぞにおいて各蟻溝底部とそれぞれ対向する両端面の間の距離は、5mm未満で、例えば4.5mmまたは4.7mmとする。すなわち、接着剤を収容するために、各蟻ほぞと蟻溝底部との間に0.25mm以下の隙間を残してもよい。被接合部材1および連結部材2は非常に細かな素材で作ることができるので、いくつかの実施例の板状接合木材は、例えば従来の木材加工では使用できなかった木根や従来の木材加工の端材などの従来の木材加工の廃木材で作ることができ、これにより木材の無駄が低減する。
【0025】
いくつかの実施例では、被接合部材1の各辺の長さは、板状接合木材を組み立てる時には、既に加工済みでこれ以上変更されない。被接合部材の厚さは、板状接合木材を組み立てる前に、研削や削り落としなどのような仕上げを行っておくことがある。板状接合木材はまた、組み立てが完了した後に、研削や削り落とし、塗装などのような加工をさらに行うこともある。
【0026】
いくつかの実施例では、連結部材2の第1の連結部21は蟻ほぞとして構成され、連結部材2の第2の連結部22は矩形ほぞ(ストレートほぞとも呼ばれる)として構成される。組み立てにおいて、矩形ほぞは蟻溝に挿入されても矩形のスロットに挿入されてもよい。いくつかの実施例では、板状接合木材を構成する複数の連結部材2のうち、一部の連結部材2が矩形ほぞを有する場合であっても、全てのスロット10が蟻溝として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、蟻ほぞに一致するスロット10は、対応する蟻溝として構成されてもよく、矩形ほぞに一致するスロット10は、対応する矩形のスロットとして構成されてもよく、矩形ほぞは矩形のスロットに比較的挿入しやすい。
【0027】
一実施例において、板状接合木材を構成する複数の被接合部材1のうち、一部の隣接する被接合部材1同士における隣接するスロット10同士の間は、第1の連結部21および第2の連結部22がともに蟻ほぞである連結部材2により連結され、残りの隣接する被接合部材1同士における隣接するスロット10同士の間は、第1の連結部21が蟻ほぞであって第2の連結部22が矩形ほぞである連結部材2により連結されてもよい。
【0028】
図4ないし
図6は、複数の被接合部材1が一つ以上の連結部材2によって接合されてなる板状接合木材3の頂面模式図である。各被接合部材1の頂面が組み合わせられて、板状接合木材3の頂面を形成している。各被接合部材1の底面が組み合わせられて、板状接合木材3の底面を形成している。
【0029】
図4に示す板状接合木材3の実施例では、各被接合部材1は同様な平行四辺形の被接合部材として構成され、具体的には、各被接合部材1はいずれも同様な平行四辺形の被接合部材であって、これにより、板状接合木材3には、連続直線状の横方向の継ぎ目31が一本以上、そして連続直線状の縦方向の継ぎ目32が一本以上形成されている。もちろん、他の実施例では、各被接合部材1は正三角形構造、正四角形構造、正五角形構造、正六角形構造、正八角形構造などの正多角形構造であってもよい。
【0030】
図5に示す板状接合木材3の実施例では、複数の被接合部材1は、一つ以上の矩形(または正方形)の被接合部材と一つ以上の平行四辺形の被接合部材とを含み、具体的には、一つの矩形(または正方形)の被接合部材および二つの平行四辺形の被接合部材が接合されてなるパターンを基本単位パターンとし、当該基本単位パターンが無限に繰り返され、任意の二つの基本単位パターンで隣接する被接合部材1同士はいずれも連結部材2により連結される。この実施形態では、板状接合木材3に、連続直線状の継ぎ目31は形成されないが、折れ線に沿って延びる一本以上の継ぎ目31が形成されており、このタイプの構造の板状接合木材3は力学的特性がより優れる。
【0031】
図6に示す板状接合木材3の実施例では、複数の被接合部材1は、一つ以上の三角形の被接合部材と、一つ以上の菱形の被接合部材と、一つ以上の平行四辺形の被接合部材とを含み、隣接する毎の二つの被接合部材1は連結部材2により連結され、無限のパターンを接合することができる。前記板状接合木材3も折れ線に沿って延びる一本以上の継ぎ目31が形成される。
【0032】
図示されていない他の実施例に係る板状接合木材3では、複数の被接合部材1は、同じ形状および同じサイズの一つ以上の不規則な五角形を含み、隣接する毎の二つの被接合部材1は連結部材2により連結され、無限のパターンを接合することができる。前記板状接合木材3も折れ線に沿って延びる一本以上の継ぎ目31が形成される。
【0033】
図示されていない更に他の実施例に係る板状接合木材3では、複数の被接合部材1は、形状の異なる一つ以上の対称五角形を含み、隣接する毎の二つの被接合部材1は連結部材2により連結され、無限のパターンを接合することができる。前記板状接合木材3も折れ線に沿って延びる一本以上の継ぎ目31が形成される。
【0034】
図示されていない更にその他の実施例において、一つの板状接合木材3を構成する複数の被接合部材は、一つ以上の矩形の被接合部材と一つ以上の菱形の被接合部材とを含んでもよく、矩形の被接合部材と菱形の被接合部材とは特定の規則に従って接合される。または、各被接合部材はいずれも菱形の被接合部材として構成されてもよい。または、各被接合部材はいずれも不規則な多角形の被接合部材として構成されてもよい。板状接合木材3を構成する各被接合部材は、接合パターンの設計に応じて様々な異なる形状、サイズ、厚さを有してもよいが、ここでは一々例示するのを省略する。
【0035】
一般的に、各実施例における被接合部材は、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形などのような凸多角形である。いくつかの実施例では、全ての被接合部材は規則的な多角形の被接合部材として構成されてもよく、規則的な多角形は、例えば正多角形、対称的な特徴を有する他の多角形(例えば対称的な台形、二等辺三角形、対称的な五角形等)、菱形、平行四辺形等を含む。いくつかの実施例では、全ての被接合部材は不規則な多角形の被接合部材として構成されてもよく、不規則な多角形は、例えば対称的な特徴のない多角形(例えば非対称台形、非対称三角形、非対称五角形など)であってもよい。規則的な多角形以外の多角形は、いずれも不規則な多角形に該当する。いくつかの実施例では、一つの板状接合木材3を構成する複数の被接合部材1は、一つ以上の規則的な多角形の被接合部材を含むとともに、一つ以上の不規則な多角形の被接合部材を含む構成であってもよい。
【0036】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な変形および改良を行うことができ、これらもすべて本発明の求める保護範囲内に含まれる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるべきである。
【国際調査報告】