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特表2022-522256オートメーションシステム向けの水漏れ検知センサー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(54)【発明の名称】オートメーションシステム向けの水漏れ検知センサー
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/16 20060101AFI20220408BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
G01M3/16 E
H04Q9/00 311K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531065
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 ES2019070760
(87)【国際公開番号】W WO2020094904
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】18382791.4
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
2.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】515348736
【氏名又は名称】オンテック セキュリティ、エスエル
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アポンテ ルイス、フアン
【テーマコード(参考)】
2G067
5K048
【Fターム(参考)】
2G067CC02
2G067DD07
2G067DD22
2G067DD23
2G067EE13
5K048AA16
5K048BA12
5K048BA21
5K048BA34
5K048DC01
5K048EB13
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5K048HA37
(57)【要約】
水漏れ検知センサーは、複数の水位を検出する測定回路に接続された少なくとも2つの電極を備える。前記測定回路は、静的電流消費が実質的にゼロで、液体の存在下でのみ電流が流れるように構成されている。液体が検出された場合、前記測定回路の出力はアクティブになり、マイクロコントローラは通常は維持されるゼロ電力状態から駆動する。マイクロコントローラは、メモリに格納され、かつ前記マイクロコントローラによって実行されるプログラムを有する。前記プログラムは、(a)前記測定回路の出力をアクティブした液体のインピーダンスを測定するための命令と、(b)測定されたインピーダンスを中央制御装置を介してサーバーに送信するための命令とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の水位を検出する測定回路に接続された少なくとも2つの電極を備え、
前記測定回路は、静的電流消費が実質的にゼロで、液体の存在下でのみ電流が流れるように構成されており、
液体が検出された場合、前記測定回路の出力はアクティブになり、マイクロコントローラは通常は維持されるゼロ電力状態から起動し、
前記マイクロコントローラは、メモリに格納され、かつ前記マイクロコントローラによって実行されるプログラムを有し、
前記プログラムは、(a)前記測定回路の出力をアクティブにした液体のインピーダンスを測定するための命令と、(b)測定されたインピーダンスを中央制御装置を介してサーバーに送信するための命令とを含む、水漏れ検知センサー(un sensor de inundacion)。
【請求項2】
前記測定されたインピーダンスを前記中央制御装置に送信する無線モジュールを備える、請求項1に記載の水漏れ検知センサー。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の少なくとも1つの水漏れ検知センサーと、
前記少なくとも1つの水漏れ検知センサーに接続された前記中央制御装置と、
前記中央制御装置に接続されたリモートサーバーと
を備え、
前記リモートサーバーは、
前記水漏れ検知センサーによって検出された流体のインピーダンスを受信し、
前記測定されたインピーダンス及び前記水漏れ検知センサーの地理的位置に基づいて、前記液体の性質を推定するオートメーションシステム。
【請求項4】
スマートホームオートメーションシステムにおける請求項3に記載のシステムの使用。
【請求項5】
オートメーションファクトリーシステムにおける請求項3に記載のシステムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートオートメーションシステム向けの水漏れ検知センサー(un sensor de inundacion)に関する。本発明の水漏れ検知センサーは、スマートオートメーションシステムにセンサーノードを容易に組み込むことができる、低コストで低消費電力のシステムである。ユーザは、インターネット又はモバイルネットワークなどの通信ネットワークを介して、センサー情報にリモートでアクセスすることができる。
【背景技術】
【0002】
この数年、多くの新しいスマートホームシステムで、接続デバイスのリストに漏水検知器が追加されている(例えば、特許文献1)。これらのセンサーは、パイプの破損による被害を防ぐために、洗濯機、食器洗い機又は給湯機のような電化製品の近くに配置されたり、地下室、台所、浴室、トイレ又はガレージに取り付けられる。このような被害から逃れるためには、早期発見が極めて重要である。
【0003】
多くのスマートホーム向けの水漏れ検知センサーは、バッテリー駆動であり、様々な低電力無線技術を含む。無線通信技術は急速に進歩し、ワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)の使用は、とりわけ、ホームオートメーション、環境モニタリング、健康モニタリングなどの多くの用途に拡大している。WSNにより、家庭において有線センサーノードが不要になり、設置コストとメンテナンスコストは削減される。IEEE802.15.4規格は、スマートホームフレームワーク内において、低コスト、低消費電力、信頼性の高い制御、及びリアルタイム監視アプリケーションの実装に特に適している。効率的な電力管理は、無線センサーノードにおいて主要な関心事である。
【0004】
無線デバイスの実装は、エレクトロニクス、コンピュータサイエンス、及び通信システムなどの様々な分野の統合を意味する。システムは、センサーから情報を収集し、情報を処理し、出力をアクティブにする。
【0005】
一般に、家庭用水漏れ検知器は、電子システムの少なくとも2つのピン間の導電率の変化に基づいている。そのようなシステムの一例は、特許文献2に記載されている。特許文献2は、水漏れ検知センサー内の少なくとも一対の金属プローブ間の抵抗を測定することと、温度を検出することと、少なくとも1つのレベルセンサーを使用して重力に対するセンサーの向きを検出することとによって、建物内の水の存在を検出することができる水漏れ及び温度センサーの様々な方法及びシステムに関する。金属プローブは伸長可能である。金属プローブは、金メッキされてもよい。水の存在は、リモートプローブを用いて検出され得る。このセンサーは、無線トランシーバを用いて、1つ又は複数の外部デバイスと無線で通信することができる。
【0006】
しかしながら、これまで、隔離された場所にスマートセンサーを配置するためには、コンポーネントのコスト及びバッテリーの寿命という2つの重大な欠点があった。スマートセンサーには、ノード状態チェックとバッテリー交換とのために、定期的な点検が必要であった。したがって、保守及び交換の訪問の間隔を長くする統合ソリューションが必要とされる。この目的のために、自動チェック可能な長期自律センサーをもたらす効率的なリアルタイム操作制御モードを有する新しい水漏れ検知センサーも必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/299210号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/091723号明細書
【特許文献3】欧州特許第3264384号
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、家庭の床に水の存在を検知し、水漏れを早期に警告する無線水漏れ検知センサーを提供することである。センサーノードから測定値を収集するために、無線センサーネットワークが配備されている。中央制御装置(control central)は、ネットワークを連携し、センサーノードの地理的位置に基づくデータを処理する。ユーザは、水又はその他の流体の存在と、特定のセンサーノードのバッテリーの状態と、漏れた液体の種類と、その機能及び警告に関する情報とをリモートで問い合わせることができる。本発明の水漏れ検知センサーは、コストの点で最適化されており、配備及び保守が容易であるため、エンドユーザに広く受け入れられる。本発明の目的は、請求項1の水漏れ検知センサーによって達成される。本発明の他の実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0009】
本発明の水漏れ検知センサーの利点は、検知電極が2つの液面高さで流体(通常は水)の存在を検出することであり、そのため、偶発的な水こぼれ(例えば、水の入ったコップ又はバケツの落下)と、リアルフード(un alimento real)(破損したパイプ、とりわけ外部からの水の入口)との存在を区別することができる。これは、参照により本明細書に組み込まれる同一出願人の特許文献3に開示されているように、誤った警告を極力なくすために非常に便利な機能である。
【0010】
電力管理方法は、手のひらサイズのポータブルデバイスの使用と、通常はバッテリー駆動のデバイスを使用するワイヤレスセンサーネットワークの分野における熱心な研究とによって、目覚ましい発展を遂げている。本発明において、低電力のハードウェアコンポーネントの適切な選択と、カスタマイズされたWSNソリューションとによって、バッテリーの寿命は延び、漏れ検知センサーの自律性は向上している。
【0011】
本発明のさらなる目的は、エンドユーザの日常生活に明確な利点を提供することに努めることによって、システムの複雑さを減らし、実環境に長期にわたって配備することができるセンサーである。本発明は、IEEE 802.15.4規格を利用したリアルタイム警告のための水漏れ検知センサーが組み込まれたWSNを開示する。
【0012】
最後に、対象用途はスマートホームであるが、水漏れ検知センサーは、地下室、工場の床、実験室等の水又は他の湿った流体の存在を検出することができるため、産業用にも用いられ得る。
【0013】
明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって、単語「備える(comprende)」及びその変形は、他の技術的特徴、付加的要素、コンポーネント、又はステップを除外しようとするものではない。当業者であれば、本発明の他の目的、利点及び特徴は、一部は説明から、一部は本発明を実施することから推論されるであろう。以下の実施例及び図面は、例示のために提供され、本発明を限定するものではない。さらに、本発明は、本明細書中に示される好ましい実施形態の全ての可能な組み合わせを包含する。
【0014】
本発明をより良く理解するのに役立ち、非限定的な例として提示される本発明の実施形態に明確に関連する一連の図面を、以下で非常に簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の水漏れ検知センサーのハードウエア概略図である。
図2図2は、本発明の水漏れ検知センサーの概略回路図を示す。
図3図3は、本発明の水漏れ検知センサーのファームウエア概略図を示す。
図4図4は、本発明の水漏れ検知センサーによる水漏れ検出信号の一例を示し、(a)が水道水を表し、(b)が海水を表し、(c)が石けんを含む水を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
水漏れ検知センサーは、家庭環境又は産業環境で、流体漏れ(非限定的な例では水)を検出する。本発明に係る無線水漏れ検知センサー(すなわち、センサーノード)は、サイズ効率(la eficiencia de tamano)、低コスト、及び低電力損失に関連する要求に従って開発された。好ましい実施形態では、無線水漏れ検知センサーが家庭(又は工場)のネットワークに接続され、ユーザに警告を送信して、水(又は他の流体)の損傷による修復コストを節約する。
【0017】
非限定的な実施形態では、配備されたWSNは、5つの水漏れ検知センサーノード(容易にスケールアップ及びスケールダウンすることができるが)と、ゲートウェイ又は中央制御装置とから構成される。一実施形態では、水の存在を音で知らせるサイレンも含まれている。
水漏れ検知センサーは表面上の水の蓄積を検出し、データが無線モジュールを介して送信され、メインシステムとの通信を可能にする。
センサーノードは、中央制御装置を使用して、インターネット(TCP/IPプロトコル)又はデータモバイルネットワーク(例えば、2G/3G/4G/5G)を介して、互いに通信したり、外部ネットワークと通信することができる。
水漏れ検知センサーはスマートホームの中央制御装置に接続され、ユーザは、携帯電話又はタブレットなどのポータブル電子機器を使用することによって、水漏れ検知センサーの状態を知ることができる。水漏れ検知センサーが流体を検出すると、ユーザは、警告(すなわち、通常はテキスト又はプッシュ通知)を受け取る。さらに、本発明の水漏れ検知センサーは傾斜センサーを含んでもよいため、ユーザは水漏れ検知センサー、温度センサー、ブザー、及びライトが移動させられたかどうかを知ることができる。図1は、本発明の概観図を示す。
【0018】
センサーノードは、2つの液面高さで水の存在を検出し、センサーノードの傾きを測定し、データを処理し、シグナルを発光し、高周波によって警告を送信するために必要なすべての回路を含む。より具体的には、図1の非限定的な例示的実施形態による水漏れ検知センサーは、バッテリーと、ハードウェアを制御し、水面の測定及び電子的検出を実行するためのマイクロコントローラと、RF(高周波)モジュールと、水の存在をユーザに警告するためのブザーとを備える。水漏れ検知センサーは、また、取扱い目的又は破壊行為のための水漏れ検知センサーの開封を検出するためのタンパー(tamper)も含む。加えて、1つのセンサーノードは、傾斜計を含むため、システムは、予想される水流(una posible corriente de agua)を識別することができ、水漏れ検知センサーが再配置されたか、又は操作されたかを知ることができる。無線センサーノードのこの設計のために、堅牢な無線技術、低コストで低電力消費のコンポーネント、長持ちする電力の使用及びサイズの縮小などの機能が考慮されている。
【0019】
バッテリーの寿命を延ばすために、電力管理とスタックプロトコルに関連する設計領域が活用されてきた。センサーノードの電力消費は、バッテリーだけでセンサーノードが駆動するように最適化されている。水漏れ検知センサーは、ハードウェア設計、無線通信及びファームウェアの点で入念に設計されているため、単一のバッテリーセル(例えば、CR123型バッテリー)で、10年以上駆動する。
【0020】
無線モジュールは、通信規格を介してデータを送受信する。無線通信プロトコルは、データレート、低消費電力、及びコストを考慮して選択されている。IEEE802.15.4規格は、対象用途の要求を満たすために最も適している。この規格は、転送するデータ量が少ない用途に適しており、長期間充電することなくネットワークノードをバッテリーで駆動させることができる。さらに、この規格は、ノード数を増やすことで、ネットワーク範囲を拡張することができる。非限定的な例示的実装形態では、無線モジュールは、入手可能な電力消費が最小のトランシーバの1つであるMicrochip社のMRF89XAトランシーバに基づいており、868MHzの無線通信を介して、中央制御装置ノードとデータを交換する。
【0021】
図2に、水漏れ検知センサーの回路図を示す。この測定回路は、2つの水位を測定する役割を担っており、基板の下部に配置された電極によって異なる液面高さを検出するデジタル回路に基づいている。この測定回路は、静的電流消費が実質的にゼロで、水が存在する場合にのみ電流が流れるように構成されているため、電力消費は節約される。水漏れが検知されると、測定回路の出力がアクティブになり、マイクロコントローラは、通常は維持されるゼロ電力状態から起動する。
【0022】
一方、傾斜センサーはいずれの方向にも最大15度の傾斜を測定できる。上述したように、傾斜センサーは、水流又は洪水による、又は操作による水漏れ検知センサーの移動を検出するのに非常に有用である。傾斜センサーは、実質的に消費電力がないデジタル回路であるため、本発明が目的とする自律性や消費電力仕様を損なうことはない。非限定的な例示的実施形態では、傾斜センサーがシグナルクエスト社のSQ-SEN-815Bカプセルに基づく。
【0023】
水漏れ検知センサーのパッケージは、平坦な接触面に接触し、水又は他の種類の液体の存在を検出する電極を有する。本発明の水漏れ検知センサーは、床又は壁に設置される。壁への設置には、一旦壁に(接着剤で)固定され、水漏れ検知センサーが磁気的に取り付けられ得るアクセサリが設計されている。
【0024】
非限定的な例示的実施形態では、中央制御装置は、データ処理及びリモートサーバーとの通信を実行し、モジュラー構造で設計されている。中央制御装置は、有線及び無線の様々な通信モジュールと、汎用モジュール用の、例えばセンサー、入力及び出力又は通信のための6つの拡張スロットとを有する。中央制御装置は、クロック周波数が最大140MHzで以下の特性を有する、マイクロチップ社の32ビットPIC32MZ1024マイクロプロセッサによって制御される。前記特性は、80個のI/Oピン、32個のアナログ入力チャネル、UART、SPI、I2C、及びUSB通信バス用の専用ハードウェア、並びにリアルタイムクロック(RTC)である。中央制御装置は、15V~36Vの入力電圧をサポートする。電源回路は、入力電圧を一部のデジタル回路に供給するために必要な5Vに低減するため、及びアナログ回路用のデュアル電源電圧167(±12V)を得るための3つのメインモジュールを有する。バッテリー電圧から、他の2つの電圧が生成される。すなわち、1つはすべての制御部品に電力を供給するための3.3Vであり、もう1つは通信回路に電力を供給するための5Vである。その目的は、電源が切断された場合であっても、中央制御装置がサーバーとの接続を失うことなく、警告及びイベントを送信できるようにすることである。緊急時に12時間の接続を確保するのに十分な電力を供給するために、4500mAh及び3.7Vのバックアップバッテリーが選択された。
【0025】
通信は、接続が失われないように冗長に設計されているため、制御にはイーサネット、RS485、USB、WiFi、モバイルデータ通信の通信タイプが組み込まれている。イーサネット、WiFi、及びモバイルデータ通信は、リモートサーバー又はクラウドとへの接続を確立するために使用される。ネットワーク使用の優先順位は、イーサネット、WiFi、モバイルデータ通信であるため、中央制御装置(la central de control)は常にイーサネット経由で接続される。接続が失われた場合、又はユーザー設定によって通信が確立された場合、中央制御装置は他の2つの方法のいずれかによって通信を実行しようとする。
【0026】
Xbeeやクリックモジュールなどの一部の業界標準と互換性のある拡張スロットは、モバイルデータ通信用に提供されている。これにより、無線システムが使用される国に応じて、様々な技術及び周波数のモジュールの使用をできるため、設計の柔軟性が向上する。さらに、ローカルでインストールされるアプリケーションの場合は、USB接続が含まれるため、デバイスがPCに直接接続されてもよい。最後に、RS485タイプの工業用シリアル通信は、ネットワーク接続なしでセンサーノード間の通信が必要とされる他の用途のために提供される。このインターフェースは、設置を容易にするために、カスケード接続された電源装置にも使用することができる。また、SPIバス、I2Cバス、デジタル出力、及びアナログ出力を搭載した拡張スロットのいずれにおいても、Zigbee(登録商標)、6LoWPAN等の通信モジュールタイプは接続され得る。
【0027】
すべての有線接続は、絶縁体集積回路を用いてガルバニック絶縁するように設計され、電圧スパイク又は不要な過渡現象が発生した場合にメッセージの損失又は改変を防止するために、通信が主電源から絶縁されるようになっている。
【0028】
さらに情報を補強するために、中央制御装置は、容量が最大4GBのメモリーカードスロットを含む。このシステムは、メモリーカードが接続されていることを検出し、メモリーカードが接続されている場合は、メモリーカードから抽出することによって、又は通信が回復したときにいずれかの通信インタフェースを介することによって、収集されるイベントの履歴を作成する。各拡張モジュールは、必要に応じてモジュールを無効にすることを可能にする電力制御回路を有し、センサーノードを超低消費電力モードにし、内蔵バッテリーの自律性を延ばす。
【0029】
非限定的な例示的実施形態では、サイレンは、システム内の警告の存在をユーザに音で知らせるとともに、侵入者に対する抑止力として機能する。システムの他のセンサーノードと同様に、サイレンは、電力効率を改善し、サイズを小さくするように設計されている。サイレンは、外部から電力が供給されるが、停電時に駆動し続けるために2つのCR123バッテリーを含む。サイレンは、卓上や壁面に取り付けられ、寸法は例えば88mm×63mmである。
【0030】
サイレンの回路は、単一の2層プリント回路基板に実装されている。これには、RF通信に必要な電子機器、サイレンの適切な管理(音響表示)、不正開封防止機構が含まれている。センサーノードについて前述したのと同じマイクロコントローラとRFモジュールを含む機器全体が上部に配置され、バッテリーと電源入力がPCBの下部に配置される。
【0031】
小型化した無線センサーノードのような新興の自律型低電力アプリケーションには、効率的な電力管理システムが必要である。無線システムの長期的運用には、ハードウェアレベル及びソフトウェアレベルの両方での適切な設計が必要である。前述したように、ハードウェア要素は、低電力消費で適切に機能するように選択されている。さらに、ソフトウェアには、省エネモードも組み込まれている。
【0032】
センサーノードでは、マイクロコントローラの電源がほとんどの時間オフ(電力供給なし)に保たれることにより、超低消費電力が達成される。ディスクリートハードウェアタイマーは、アライブ信号を送信するためのマイクロコントローラの定期的な電力供給を監督する。水漏れ検知センサーでは、ハードウェアもまた、水を検知したときにマイクロコントローラに瞬時に電力を供給する。この機能により、水漏れ検知センサーを定期的に点検する必要がなくなり、電力供給間隔を数十分又は数時間に延長することができる。
【0033】
図3は、ソフトウェアによって実施される有限状態機械(la maquina de estados finitos)の概要を示す。マイクロコントローラに電力が供給されるたびに、ウェイクソース(la fuente de activacion)は分析される。水警告(una alarma de agua)が見つからない場合、とりわけバッテリーレベル、RF信号強度などのステータス情報と共に、アライブメッセージがポータル(portal)に送信される。アライブメッセージが中央制御装置に肯定応答されると、マイクロコントローラはその電力供給を遮断し、電源をオフの状態に戻す。
【0034】
ウェイクソースの分析時に水警告(una alarma de agua)が見つかった場合、処理はアライブプロセスとよく似ており、アライブメッセージの代わりに警告メッセージが送信される。このようなイベントの発生確率は低いので、バッテリーの寿命を見積もる際には、このイベントを無視することができる。
【0035】
センサーノードの電源を切る手法には、電源を切るとマイクロコントローラがそのRAMの保持を失うため、いくつかの課題がある。これにより、ファームウェアは、実行コンテキストをセンサーノードの不揮発性メモリに強制的に保存させる。コスト及び故障率を低減するために、マイクロコントローラの内部フラッシュメモリが使用される。内部フラッシュメモリは、通常約100Kサイクルをサポートし、これは、水漏れ検知センサーの予想される寿命の間、デューティサイクルで実行コンテキストを安全に格納するのに十分である。
【0036】
中央制御装置は外部から電力が供給される。このため、中央制御装置の消費電力の低減は、センサーノードの消費電力の低減よりも重要ではない。これらのセンサーノードの電力消費の重要な部分は、通信に関連しており、この点、中央制御装置がタイムインターバル技術(tecnicas de intervalos de tiempo)を使用することによって、関連付けられたセンサーノードは電力を節約することができる。
【0037】
中央制御装置は、信頼できるセンサーノードのリストを維持する。中央制御装置は、信頼できるセンサーノードの各々が受信又は送信(escuche y transmita)する時間をスケジュールする。中央制御装置は、必要に応じて、フレームを定期的にブロードキャストして、いつ受信(escuchar)し、いつ送信(hablar)するかをすべてのセンサーノードに知らせる。この方法は衝突の確率をほぼゼロに下げ、パケットの再試行を回避し、センサーノードのバッテリーの寿命を延ばす。
【0038】
チャネルホッピング技術は、タイムインターバル技術と共に使用されてきた。この両方の技術の組み合わせは、タイムスロットチャネルホッピング(TSCH)として知られている。TSCHスタックは、センサーノード間の衝突を回避するだけでなく、1つ又は複数のチャネルをブロックする強い無線電気的ノイズを処理することもできる。中央制御装置は、関連するセンサーノードとチャネル・ホッピング方式を共有する。チャネル・ホッピング方式を使用することによって、すべてのセンサーノードは、各スロットで使用されるチャネルを予測することができる。さらに、中央制御装置は、何らかの理由でいくつかのチャネルがブロック又は禁止されている場合、帯域幅を維持するために、チャネルをブラックリストに登録することができる。
【0039】
この技術の不便な点は、ノード登録がより複雑になることである。センサーノードは、中央制御装置から許可を受信するまで、送信(hablar)できない。したがって、センサーノードの自動検出は、そのような目的のために特定のスロットが配置されていない限り、実行されない。自動検出の別の方法は、他のチャネルを介して信頼できるセンサーノードのリストを更新することである。この場合、ユーザーは、Webサイト、iOSアプリ、又はAndroidアプリを介して、システムにセンサーノードを追加できる。これが完了すると、リモートサーバーは、中央制御装置に、信頼できるセンサーノードのリストに新しいセンサーノードを登録するように要求する。この時点から、中央制御装置は、特定のノードにスロットを割り当て、通信できるようにする。
【0040】
この登録プロセスが完了すると、システムは自律的になり、リモートサーバーとのすべての通信が失われた場合でも可読性が高くなる。
【0041】
水漏れ検知センサーは、水を検出するだけでなく、液体を識別することができる。図4は、いくつかの液体インピーダンスのプロットを示す。信号CH3は2番目の洪水位(segundo nivel de inundacion)に対応する。従って、全てのプロットにおいて後半にエキサイト(excited)している。CH1信号とCH2信号は、床高さ(nivel del piso)の2つの電極である。上記のプロットから分かるように、液体の特性インピーダンスには違いがあり、液体の特性インピーダンスが高くなった後の最初の数秒間に、液体の特性インピーダンスの違いが現れる傾向がある。警告が発生した場合、すべての電極の値がサンプリングされてクラウドに送信され、検出されたインピーダンス及び水漏れ検知センサーの地理的位置に基づいて、1台のサーバーは、それを組み合わせて処理し、液体の性質を推定する。すなわち、水漏れ検知センサーがインピーダンス値Xを有する液体を検出し、水漏れ検知センサーが海の近くに配置されている場合、サーバーは、その液体が海水であると推定する。
【0042】
無線システムは家庭内の他の測定可能な変数を含むことができるように開発されているため、すべてのホームシステムは、スマートフォン又はタブレットなどの様々な無線モバイルデバイスからアクセス可能な中央制御装置(una unidad de control centralizada)に統合される。したがって、iOS又はAndroidアプリケーションがモバイル端末上で実行されている間に、中央制御装置はリアルタイムデータ表示のためにウェブサーバーを介してエンドユーザとやりとりをする。
【0043】
無線センサーネットワーク向けの低電力水漏れ検出システムを提示した。上述した水漏れ検知センサーにより、エンドユーザは、ホームデバイスをローカル及びリモートでより簡単に監視でき、家庭内でアクシデントが発生した場合に低電力水漏れ検出システムはユーザに警告することができる。水漏れ検知センサーは、水を検出するだけでなく、液体を識別することができる。無線センサーネットワークが配備され、水漏れ検知センサーノード、アクチュエータノード及び中央制御装置が開発された。各ノードについて、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントについて詳細に説明した。センサーネットワークと中央制御装置との間の通信は、IEEE 802.15.4規格を使用して正常に実施されている。モバイル・アプリケーション用のグラフィカルユーザーインタフェースにより、リモートでのアクセスと、いくつかのパフォーマンス・パラメータのリアルタイム制御及び監視が可能になる。その結果、低コストで、信頼性が高く、拡張が容易な、スマートホームに適用するインフラストラクチャが実現する。また、本発明によれば、機械学習アルゴリズムが水漏れ検知センサーの地理的位置との組み合わせにより識別可能な液体の数を拡大し、識別成功率を高めることができ、さらには、本発明は、活動パターンを掘り下げることにより、家電製品の予防保全のような新しい特徴を製品にもたらすことができる。
【0044】
必要に応じて、本開示において提供されるいくつかの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装され得る。また、必要に応じて、本明細書で確立される様々なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントは、特許請求の範囲で定義される本発明の目的から逸脱することなく、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又は両方を備える複合コンポーネントに組み合わせることができる。必要に応じて、本明細書で確立される様々なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントは、特許請求の範囲で定義される本発明の目的から逸脱することなく、ソフトウェア、ハードウェア、又はその両方を備えるサブコンポーネントに分離することができる。さらに、必要に応じて、ソフトウェアコンポーネントは、ハードウェアコンポーネントとして実装することができ、その逆も可能であると考えられる。
【0045】
非一時的な命令、データ及び/又はプログラム・コードなどの本説明によるソフトウェアは、1つ以上の非一時的な機械可読媒体に格納することができる。本明細書で識別されるソフトウェアは、1つ又は複数の汎用又は特定目的のネットワーキング・コンピュータ及び/又はコンピューティング・システム、及び/又は別のタイプのネットワーキング・コンピュータ及び/又はコンピューティング・システムを使用して実装することができることも企図される。必要に応じて、本明細書で説明される様々なステップの順序は、本明細書で説明される特徴を提供するために、サブステップに変更及び/又は分割することができる。
【0046】
上述の実施形態は、本発明を例示するものであるが、本発明を限定するものではない。また、本発明の目的に従って、多くの変更及び変形が可能であることも理解されたい。したがって、本発明の範囲は、請求項によってのみ定義される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】