(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(54)【発明の名称】プラスチック材料で作られた液体タンクと車両に搭載された液体供給モジュールの間の接続装置
(51)【国際特許分類】
B60K 15/03 20060101AFI20220408BHJP
B65D 90/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
B60K15/03 B
B65D90/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539353
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(85)【翻訳文提出日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2020054985
(87)【国際公開番号】W WO2020173979
(87)【国際公開日】2020-09-03
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515269659
【氏名又は名称】プラスチック・オムニウム・アドヴァンスド・イノベーション・アンド・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン・キュヴェリエ
(72)【発明者】
【氏名】シャーベル・ナーヘド
【テーマコード(参考)】
3D038
3E170
【Fターム(参考)】
3D038CA20
3D038CA23
3D038CB01
3D038CC09
3D038CC13
3D038CC14
3D038CC19
3E170AA02
3E170AB01
3E170BA10
3E170DA07
3E170GB06
3E170KB02
3E170KC06
3E170VA20
(57)【要約】
本発明は、プラスチック材料で作られた液体タンク(2)と車両に搭載された液体供給モジュール(3)との間の接続装置(1)に関する。接続装置(1)は、液体タンク(2)に挿入するために設けられた管状部材(10)であって、第1の端部(100)およびスワールポット(4)を構成するために設けられた第2の端部(101)を有する管状部材(10)と、管状部材(10)の外部に配置されたフランジ(11)であって、フランジ(11)の表面(110)は、タンク(2)の壁の外面に溶接されるように提供される、フランジ(11)とを備え、接続装置(1)は、管状部材(10)の第1の端部(100)に接続手段(12)を備え、第1の端部(100)は、液体タンク(2)に溶接されるように設けられたフランジ表面(110)の反対側において、フランジ(11)に対して管状部材(10)上に配置され、接続手段(12)は、液体供給モジュール(3)を管状部材(10)に固定するために設けられ、管状部材(10)の第2の端部(101)は、管状部材(10)への液体の流入を可能にするために設けられた開口部(1010)を備え、第1の端部(100)は、液体供給モジュール(3)の挿入のために設けられた開口部(1000)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材料で作られた液体タンク(2)と車両に搭載された液体供給モジュール(3)との間の接続装置(1)であって、
前記接続装置(1)は、前記液体タンク(2)に挿入するために設けられた管状部材(10)であって、第1の端部(100)およびスワールポット(4)を構成するために設けられた第2の端部(101)を有する管状部材(10)と、前記管状部材(10)の外部に配置されたフランジ(11)であって、前記フランジ(11)の表面(110)は、前記タンク(2)の壁の外面に溶接されるように提供される、フランジ(11)とを備え、
前記接続装置(1)は、前記管状部材(10)の前記第1の端部(100)に接続手段(12)を備え、前記第1の端部(100)は、前記液体タンク(2)に溶接されるように設けられたフランジ表面(110)の反対側において、前記フランジ(11)に対して前記管状部材(10)上に配置され、前記接続手段(12)は、前記液体供給モジュール(3)を前記管状部材(10)に固定するために設けられ、前記管状部材(10)の前記第2の端部(101)は、前記管状部材(10)への液体の流入を可能にするために設けられた開口部(1010)を備え、前記第1の端部(100)は、前記液体供給モジュール(3)の挿入のために設けられた開口部(1000)を備え、
前記液体供給モジュール(3)を前記管状部材(10)に固定するために設けられた前記管状部材(10)の前記第1の端部(100)の接続手段(12)は、シールを備えるアセンブリ手段であることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項2】
シールを含む前記アセンブリ手段は、メイソンジャー、カムロックおよび逆カムロックからなるグループから選択される、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記フランジ(11)が前記管状部材(10)の前記第1の端部(100)の近くに配置されている、請求項1または2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記管状部材(10)の前記第2の端部(101)が少なくともスリット(1011)および/または傾斜した上部(1012)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項5】
前記管状部材(10)が円形断面を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項6】
自動車用途のプラスチック材料で作られた液体タンク(2)であって、開口部(5)を備え、スワールポット(4)は、前記開口部(5)の内部に配置され、前記スワールポット(4)は、請求項1~5のいずれか一項に記載の接続装置(1)を備え、前記接続装置(1)の前記フランジ(11)は、前記タンク(2)の外側で前記タンク(2)の壁の前記開口部(5)の縁部に溶接され、前記タンクの壁は、前記タンク(2)の底壁であり、前記接続装置(1)の前記管状部材(10)は、前記管状部材(10)の前記第2の端部(101)の開口部(1010)を介して前記タンクと流体連通する、液体タンク。
【請求項7】
前記第2の端部(101)および前記フランジ(11)の間の前記管状部材(10)の部分は、前記タンクの壁の前記開口部の直径に略等しい直径を有する、請求項6に記載の液体タンク。
【請求項8】
前記第2の端部(101)の上部の円周を含む平面と、前記タンク(2)の前記底壁を含む平面との間の角度αが0°<α≦40°の範囲、好ましくは10°≦α≦20°の範囲である、請求項6または7に記載の液体タンク。
【請求項9】
前記第2の端部(101)の上部の円周を含む平面と、前記タンク(2)の前記底壁を含む平面との間の角度αが0°に等しい、請求項6または7に記載の液体タンク。
【請求項10】
前記スワールポット(4)の容積が0.3リットル~5リットルである、請求項6~9のいずれか一項に記載の液体タンク。
【請求項11】
前記管状部材(10)の前記第2の端部(101)のスリット(1011)の長さおよび前記スワールポット(4)の壁の長さの比が、0.4~0.8の範囲である、請求項6~10のいずれか一項に記載の液体タンク。
【請求項12】
前記管状部材(10)の前記第2の端部(101)におけるスリット(1011)の方向が、前記タンクの前記底壁を含む平面に垂直である、請求項6~11のいずれか一項に記載の液体タンク。
【請求項13】
液体供給モジュール(3)が、前記スワールポット(4)のベースを形成する前記接続装置(1)の前記管状部材(10)の前記第1の端部(100)に取り付けられている、請求項6~12のいずれか一項に記載の液体タンク。
【請求項14】
自動車用途のプラスチック材料(2)で作られた液体タンクを製造する方法であって、
プラスチック材料(2)で作られたタンクを提供するステップと、
前記タンク(2)に開口部(5)を設けるステップと、
前記フランジ(11)を介して請求項1~5のいずれか一項に記載の前記接続装置(1)を前記タンク(2)の底壁に溶接するステップと、
前記液体供給モジュール(3)を請求項1~5のいずれか一項に記載の前記接続装置(1)に固定するステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック材料で作られた液体タンクと車両に搭載された液体供給モジュールとの間の接続装置に関し、前記接続装置は、スワールポットを形成するために提供される。本発明は、前記接続装置を含むプラスチック材料で作られた液体タンク、および前記接続装置を含むプラスチック材料で作られた液体タンクを製造するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されている液体供給モジュール(LDM)には、通常、液体をポンプ入口の近くに保持するスワールポットが装備されている。自動車では、スワールポットにより、過酷なコーナリングやブレーキ力の下で液体が常に供給され、液体の不足による液体ポンプの故障のリスクが最小限に抑えられ、エンジンや汚染除去システムなどの車両の他の部分への液体の供給が保証される。
【0003】
液体供給モジュール(LDM)の開発コストが高いため、メーカーはこの構成要素を標準化する傾向がある。標準化する場合、液体供給モジュールのスワールポットは固定設計になり、タンクの形状に適合しない場合がある。たとえば、タンクの高さが標準化されたスワールポットの高さに比べて低すぎる可能性があり、これらの薄型タンク専用にスワールポットの高さを低くすると、液体供給モジュール(LDM)のパフォーマンスが低下してしまう。または、スワールポットのないLDMを注入タンクと組み合わせて使用することもできる。注入タンクでは、スワールポットとタンクがモノブロックアセンブリを構成し、スワールポットはタンクシェルの製造中に得られるタンクの一部である。それにもかかわらず、噴射式タンクへの投資は非常に高価であり、ビジネスケースを考えると常に実行可能なオプションではない。
【0004】
特許文献1は、特定のブロー成形機を必要とするブロー成形方法中に挿入される特定のスワールポットを開示している。残念ながら、開示された方法と機械は、そのようなソリューションの収益性を損なう多額の投資につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0134175号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スワールポットと、上記の問題を示さない前記スワールポットを含むプラスチック材料で作られたタンクを製造する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特に、本発明の第1の目的は、プラスチック材料で作られた液体タンクと車両に搭載された液体供給モジュールとの間に接続装置を提供することであり、前記接続装置は、スワールポットを形成するように設けられる。
【0008】
本発明の第2の目的はまた、前記接続装置を含むプラスチック材料で作られた液体タンクを提供することである。
【0009】
本発明の第3の目的は、前記接続装置を含むプラスチック材料で作られた液体タンクの製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の第1の実施形態によれば、これらの目的は、プラスチック材料で作られた液体タンクと車両に搭載された液体供給モジュールとの間の接続装置で到達され、前記接続装置は、液体タンクに挿入するために設けられた管状部材であって、第1の端部およびスワールポットを構成するために設けられた第2の端部を有する管状部材と、管状部材の外側部分に配置されたフランジであって、フランジの表面は、タンクの壁の外表面に溶接されるように提供される、フランジとを備え、接続装置は、管状部材の第1の端部に接続手段を備え、前記第1の端部は、タンクに溶接されるように提供されたフランジ表面の反対側において、フランジに対して管状部材上に配置され、前記接続手段は、液体供給モジュールを管状部材に固定するために提供され、管状部材の第2の端部は、管状部材への液体の流入を可能にするために提供された開口部を備え、第1の端部は、液体供給モジュールの挿入のために設けられた開口部を備える。
【0011】
本発明による接続装置は、様々なタンク寸法に適応可能な液体供給モジュールを含むスワールポットを作成することを可能にする。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、液体供給モジュールを管状部材に固定するために提供される管状部材の第1の端部の接続手段は、シールを含むアセンブリ手段である。好ましくは、シールを含むアセンブリ手段は、メイソンジャー、カムロックおよび逆カムロックからなるグループから選択される。液体供給モジュールを、シールを含むアセンブリ手段を含む管状部材に固定するために提供される接続手段は、前記モジュールがプラスチック材料で作られたタンクから取り外せるので、液体供給モジュールの保守性を保証する。
【0013】
本発明の特定の実施形態によれば、接続装置のフランジは、管状部材の第1の端部の近くに配置されている。第1の端部の近くに配置されたフランジにより、タンク、接続装置、および液体供給モジュールを含むコンパクトなアセンブリを得ることができる。さらに、プラスチック材料で作られたタンクの外側に、突出の少ない液体供給モジュールを得ることができる。「第1の端部に近い」という表現は、フランジを管状部材の第1の端部に直接、または前記第1の端部の近くに配置できることを意味する。
【0014】
本発明の特定の実施形態によれば、管状部材の第2の端部は、少なくともスリットおよび/または傾斜した上部を含む。少なくともスリットおよび/または傾斜した上部を含む管状部材の第2の端部は、液面が管状部材の第2の端部を下回ると、タンク内の液体による供給を可能にする。「管状部材の第2の端部は少なくともスリットを含む」という表現は、スリットが管状部材の第2の端部から始まることを意味し、前記スリットは前記第2の端部に限定されない。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、接続装置の管状部材は、円形断面を有する。円形断面を有する接続装置により、プラスチック材料で作られたタンクで習慣的に実行される円形の開口部との理想的なフィッティングが可能になる。プラスチック材料で作られたタンクの開口部は、通常、穿孔作業により作られる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、液体供給モジュールは、スワールポットから液体をポンプで送り、好ましくは油圧コネクタを介してそれを供給ラインに送達するように構成されたポンプを含む。好ましくは、液体供給モジュールおよび/またはスワールポットは、加熱要素、好ましくは可撓性加熱要素を含む。このような加熱要素は、液体が凍結状態にある場合に、スワールポットに含まれる液体を解凍することができる。液体供給モジュールおよび/またはスワールポットは、少なくとも1つの可撓性部分を有する加熱要素を組み込んでいる(すなわち、装備されている)。修飾子「可撓性(flexible)」は、実際には「簡単に変形可能」を意味すると理解されており、これは一般に可逆的である。一般に、これは4000N・m未満の曲げ剛性((Eh3)/(12(1-n2))に等しいと定義される。ここで、Eは、ASTMD790-03規格に従って測定された可撓性部品のヤング率、hは、厚さ、nはその構成材料のポアソン比である)に対応し、好ましくは、本発明の文脈においては、可撓性部分の剛性は、1000N・m以下、または100N・m以下、さらには10N・m以下であり、最も特に好ましくは、1N・m以下である。好ましくは、この可撓性部分は、可撓性ヒーター、すなわち、フィルムに取り付けられた、または2つのフィルムの間に配置された1つまたは複数の抵抗トラックを含むヒーター(すなわち、2つの実質的に平坦な支持体であり、材料と厚さが柔軟となるようなものである)である。このフィルムは、プラスチックでできていることが好ましく(他の絶縁材料が適している場合もあるが)、特にエラストマーをベースにしている。ここでは、一般的にいくつかの抵抗性トラックについて説明する。この変形例では、上記で定義された曲げ剛性の計算では、ポアソン比は、1つまたは複数のフィルムの構成材料の比率と見なされることが好ましい。抵抗トラックは、金属、カーボンなど、またはそのような導電性材料の組み合わせをベースにすることができる。それらは一般的に金属製である(そして最も特に好ましくは、ステンレス鋼などの尿素耐性金属でできている)。それらは一般的に2つの可撓性フィルムの間に挟まれている。それらは(例えば、ジェット印刷技術によって)可撓性フィルムに適用され、次に別の可撓性フィルムで覆われるか、または絶縁性(好ましくはエラストマー)材料を使用してオーバーモールドされる。次に、2つのフィルムを(加硫などによって)しっかりと取り付けて、抵抗トラックの周囲を確実に密閉する。これらのトラックは、一方のトラックが損傷した場合に他のトラックの動作を妨げないように、並列に接続することが好ましい。可撓性フィルムは、シリコーン樹脂、ポリオレフィン(ポリエチレンまたはポリプロピレン)、熱可塑性エラストマー(またはTPE)、ポリエステル、ポリイミド(KAPTON(登録商標)樹脂など)などでできている。好ましくは、ポリエステルとポリイミドは特に高温で尿素に対する耐性が低いという事実を考慮して、シリコーン、ポリオレフィン、またはTPEをベースとしている。可撓性フィルムは、抵抗(抵抗トラック)のいくつかの重ねられた層を含むこともある。それらはまたそれらの機械的強度を改善するためにガラス繊維コーティングを含むことができる。2つのシリコーン樹脂フィルムの間に挟まれたステンレス鋼の抵抗トラックは、そのうちの1つがガラス繊維のネットワークで覆われているため、良好な結果が得られる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、接続装置、好ましくはスワールポットは、可撓性ヒーター、好ましくは液体供給モジュールの可撓性ヒーターのための上部機械的保護手段を含む。好ましくは、上部機械的保護手段はアバットメントを含む。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、接続装置の構造耐力を強化するために、第1の端部の内径と第2の端部の内径との間に複数のリブが設けられている。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、第2の端部は、上部機械的保護手段、例えば、アバットメントまたはフィンガーをさらに含む。これらの上部機械的保護手段は、液体供給モジュールの一部を保護するために提供され、この部分は、好ましくは加熱要素であり、この加熱要素は、好ましくは少なくとも1つの可撓性部分を有する。したがって、上部の機械的保護手段は、液体供給モジュールの一部、例えば加熱要素が移動/振動し、損傷することを防ぐ。
【0020】
本発明の第2の目的はまた、本発明による接続装置を備えるプラスチック材料で作られた液体タンクを提供することである。
【0021】
本発明による自動車用途のプラスチック材料で作られた液体タンクは、開口部と、開口部の内部に配置されたスワールポットとを備え、前記スワールポットは、前述の実施形態のいずれか1つによる接続装置を備え、接続装置のフランジは、前記タンクの外側で、タンクの壁の開口部の縁部に溶接され、前記壁タンクは、タンクの底壁であり、接続装置の管状部材は、管状部材の第2の端部の開口部を介してタンクと流体接続する。本発明によるタンクは、タンクが含む液体(燃料、尿素水)を、エンジンまたは汚染除去システムなどの車両の他の部分に少量で供給し続ける能力を有する。本発明によるタンクで使用される接続装置は、様々なタンク寸法に適応可能な液体供給モジュールを含むスワールポットを作成することを可能にする。さらに、管状のスワールポットはよりコンパクトである。
【0022】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、第2の端部とフランジとの間の管状部材のセクションが、タンク壁の開口部の直径に実質的に等しい直径を有するようなものである。タンク壁の開口部の直径に実質的に等しい第2の端部の間の管状部材のセクションは、最適化されたスワールポット容量を有することを可能にする。
【0023】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、第2の端部の上部の円周を含む平面とタンクの底壁を含む平面との間の角度αが0°≦α≦40°の範囲、好ましくは0°≦α≦30°の範囲、より好ましくは10°≦α≦20°の範囲、さらにより好ましくは16.7°に等しいものである。第2の端部の傾斜した上部を有するスワールポットは、車の特定の斜面においてポンプの近くに最小限の液体量を確保することができ、スワールポットの充填を容易にし、最も重要な斜面にのみ最も高い壁の向きを維持することができる。さらに、第2の端部の上部の円周を含む平面とタンクの底壁を含む平面との間の角度αは、40°以下、好ましくは30°以下でなければならず、このような角度にすることで、スワールポットの有効容量を無駄にしないようにすることができる。角度αは、ポンプの直径に依存するスワールポットの直径に依存する。角度αはさらに、タンクの所定の最大傾斜に対してスワールポットに保持することが望まれる液体の最小量に依存する。
【0024】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、第2の端部の上部の円周を含む平面とタンクの底壁を含む平面との間の角度αが0°<α≦40°の範囲、好ましくは0°<α≦30°の範囲、より好ましくは10°≦α≦20°の範囲、さらにより好ましくは16.7°に等しいものである。このような角度で、タンクがスリットに対して垂直方向に傾斜している場合、スワールポットを充填する能力が最適化される。
【0025】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、第2の端部の上部の円周を含む平面とタンクの底壁を含む平面との間の角度αが0°に等しいようなものである。このような角度では、スワールポットの壁が可能な限り高くなるため、スワールポットの内部容積が最適化される。
【0026】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、15~25リットルの間の容積を有する。
【0027】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、細長い形状をしており、好ましくは長さ/幅の比が3より大きく、長さ/高さの比が5より大きく、好ましくは1メートルより長い長さを有する。本発明による接続装置は、スワールポットが、タンクが細長い形状であっても、液体供給モジュールのポンプに供給するために使用可能な最小量の液体を維持することを保証するため、このような液体タンクで特に有用である。
【0028】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、スワールポットが0.3~5リットルの間の容積を有するようなものである。容積が0.3~5リットルの範囲にあるスワールポットは、車両の他の部分(すなわち、エンジンまたは汚染除去システム)の色あせを防ぐのに十分な液体を含み、同時に、スワールポットのタンクへの溶接が長くもつこと可能にする。
【0029】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、管状部材の第2の端部のスリットの長さとスワールポットの壁の長さとの間の比が0.4~0.8、好ましくは0.4~0.7の範囲にあるようなものである。「スワールポットの壁の長さ」という表現は、管状部材の第2の端部の上部の最高点からフランジまでの長さを意味する。スリットの長さを0.4~0.8、好ましくは0.4~0.7とすることで、最も重要な斜面においてスワールポット内の液体の最小量を維持し、必要な長さを最小限におさえたスリットスワールポットを選択することができる。これらの要件は相反する可能性があるため、妥協点を見つける必要があり、そのような妥協点はタンクごとに変わる可能性がある。
【0030】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、管状部材の第2の端部のスリットの方向が、タンクの底壁を含む平面に垂直であるようなものである。垂直スリットにより、液体を閉じ込める効率が傾斜に依存しないスワールポットを得ることができる。
【0031】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、液体供給モジュールが、スワールポットのベースを形成する接続装置の管状部材の第1の端部に取り付けられるようなものである。
【0032】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、液体タンクに含まれる液体が水溶液であるようなものである。一般的に、水溶液は、脱塩水または尿素水である。通常、尿素水には約32.5重量%の高純度尿素(CAS番号57-13-6)および約67.5重量%の脱塩水が含まれる。高純度尿素は、ISO22241に従って定義される。このようなアンモニア水溶液の例は、Adblue(登録商標)として商品化されている。「脱塩水」という表現は、ISO3696:1987に準拠した25°Cで1.0μS/cm以下の導電率を有する脱イオン水溶液を意味する。燃料タンクでは、火災の危険性を構成する可能性のあるシールからの燃料漏れを避けるために、ポンプをタンク壁を通過させるのではなく、完全にタンク内に配置することが好ましいため、燃料よりも水溶液が好ましい。
【0033】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、それがポリエチレン(PE)ならびに接続装置でできているようなものである。このように、スワールポットは、液体タンクの壁に簡単に溶接することができる。さらに、ポリエチレン製のスワールポットは、100℃以上で損傷することなく耐えることができる。したがって、水溶液を含むように構成された液体タンクに特に適している。さらに、これは、液体供給モジュールがヒーターを備えている場合に特に興味深いものである。
【0034】
好ましい実施形態によれば、本発明による液体タンクは、ブロー成形プロセスによって得られるように構成されるようなものである。このように、ブロー成形で製造されたタンクではスワールポットをブローすることができないため、開口部を備えたブロー成形タンクでスワールポットを備える接続装置を組み立てること可能である。
【0035】
本発明の第3の目的は、前記接続装置を備えるプラスチック材料で作られた液体タンクの製造方法を提供することである。
【0036】
好ましい実施形態によれば、本発明による自動車用途のためのプラスチック材料で作られた液体タンクを製造するための方法は、以下のステップを含む。
‐プラスチック材料で作られたタンクを提供する。
‐当該タンクに開口部を設ける。
‐フランジを介して本発明による接続装置をタンクの底壁に溶接する。
‐液体供給モジュールを本発明による接続装置に固定する。
【0037】
本発明による方法は、自動車用途のためのプラスチック材料で作られた液体タンクを柔軟かつ適応可能な方法で製造することを可能にし、スワールポットのタンクへの適応性を提供する。
【0038】
好ましい実施形態によれば、プラスチック材料で作られたタンクを提供するステップは、タンクがブロー成形プロセスによって実現される。
【0039】
本発明の特定の好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項に記載されている。従属クレームの特徴は、単にクレームに明示的に記載されているだけでなく、必要に応じて、独立クレームの特徴および他の従属クレームの特徴と組み合わせることができる。
【0040】
本発明の上記および他の特徴、特徴および利点は、例として本発明の原理を説明する添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、例としてのみ与えられている。下記参照図は添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明による接続装置の第1の実施形態の側面図である。
【
図2】本発明による接続装置の第2の実施形態の側面図である。
【
図3】本発明による接続装置の第3の実施形態の側面図である。
【
図4】本発明による接続装置の第4の実施形態の側面図である。
【
図5】スワールポットを有する液体供給モジュールを備えるタンクの垂直断面図である。
【
図6】傾斜地におけるスワールポットを有する液体供給モジュールを備えるタンクの垂直断面図である。
【
図7】傾斜地におけるスワールポットのない液体供給モジュールを備えるタンクの垂直断面図である。
【
図8】固定設計のスワールポットを有する液体供給モジュールが固定されている、高さが低いタンクの垂直断面図である。
【
図9】傾斜地おけるスリットを有するスワールポットを有する液体供給モジュールを備えるタンクの垂直断面図である。
【
図10】傾斜地におけるスリットを有するスワールポットを有する液体供給モジュールを備えるタンクの垂直断面図である。
【
図11】液体供給モジュールと本発明による接続装置との間の接続、および接続装置のタンクへの溶接を示す、本発明によるタンクの第1の実施形態の垂直断面図である。
【
図12】液体供給モジュールと本発明による接続装置との間の接続、および接続装置のタンクへの溶接を示す、本発明によるタンクの第2の実施形態の垂直断面図である。
【
図13】本発明によるタンクの詳細を示す拡大断片図である。
【
図14】本発明による接続装置の第5の実施形態および液体供給モジュールの一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
異なる図では、同じ参照記号は、同じまたは類似の要素を指す。
【0043】
本発明は、特定の実施形態に関して、特定の図面を参照して説明されるが、本発明は、それに限定されず、特許請求の範囲によってのみ説明される。記載されている図面は概略図であり、非限定的である。図面では、一部の要素のサイズが誇張されており、説明のために縮尺どおりに描かれていない場合がある。寸法および相対寸法は、本発明の実施に対する実際の縮小に対応していない。
【0044】
請求項で使用される「備える・含む」という用語は、その後に記載された手段に限定されると解釈されるべきではなく、他の要素やステップを除外するものではないことに留意されたい。したがって、これは、言及された特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を指定するものとして解釈されるべきであるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップまたは構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。したがって、「手段AおよびBを備える(含む)装置」という表現の範囲は、構成要素AおよびBのみを含む装置に限定されるべきではない。それは、本発明に関して、装置の唯一の関連する構成要素がAおよびBであることを意味する。
【0045】
本明細書全体を通して「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」または「実施形態において」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らないが、そうである可能性がある。さらに、特定の特徴、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態において、本開示から当業者に明らかであるように、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0046】
本明細書で提供される説明では、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが理解されるだろう。他の例では、この説明の理解を曖昧にしないために、よく知られた方法、構造、および技法は詳細に示されていない。
【0047】
次に、本発明は、本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明によって説明される。本発明の他の実施形態は、本発明の真の精神または技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成することができ、本発明は、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ制限されることは明らかである。
【0048】
図1は、プラスチック材料で作られた液体タンクと、車両に搭載された液体供給モジュールとの間の本発明による接続装置1の第1の実施形態を示している。本発明による接続装置1は、液体タンクに挿入するように設けられた管状部材10であって、図に示されていない第1の端部、およびスワールポットを構成するように設けられた第2の端部101を有する管状部材10と、管状部材10の外部に配置されたフランジ11とを備え、フランジ11の表面110は、タンク壁の外面に溶接されるように設けられる。管状部材10は、円形断面を有する。接続装置1は、管状部材10の第1の端部に接続手段12を備え、前記第1の端部は、液体タンクに溶接されるよう設けられたフランジ面110の反対側においてフランジ11に対して管状部材10上に配置されている。フランジ11は、管状部材10の第1の端部の近くに配置されている。液体供給モジュールを管状部材10に固定するために設けられた接続手段12は、カムロックである。管状部材10の第2の端部101は、液体が管状部材10内へ入ることができるように設けられた開口部1010を備える。第1の端部は、液体供給モジュールを挿入するための開口部を含む。管状部材10の第2の端部101は、少なくともスリット1011を備える。
【0049】
図2は、プラスチック材料で作られた液体タンクと、車両に搭載された液体供給モジュールとの間の本発明による接続装置1の第2の実施形態を示している。本発明の接続装置1は、液体タンクに挿入するように設けられた管状部材10であって、図に示されていない第1の端部、およびスワールポットを構成するように設けられた第2の端部101を有する管状部材10と、管状部材10の外面に配置されたフランジ11とを備え、フランジ11の表面110は、タンク壁の外面に溶接されるように設けられている。管状部材10は円形断面を有する。接続装置1は、管状部材10の第1の端部に接続手段12を備え、前記第1の端部は、液体タンクに溶接されるフランジ面110の反対側においてフランジ11に対して管状部材10上に配置されている。フランジ11は、管状部材10の第1の端部の近くに配置されている。液体供給モジュールを管状部材10に固定するために設けられた接続手段12は、カムロックである。管状部材10の第2の端部101は、液体が管状部材10内へ入ることができるように設けられた開口部1010を備える。第1の端部は、液体供給モジュールを挿入するための開口部を含む。管状部材10の第2の端部101は、少なくともスリット1011を備える。
図1に示した最初の実施形態と
図2に示した実施形態の違いは次のとおりである。
‐ 管状部材10の第2の端部101の長さを短くすることで、タンク内でより低い高さのスワールポットを得ることができる。
‐ 管状部材10の第2の端部101の最高点とフランジ11との間の距離とスリット1011の長さとの比は、第1の実施形態の比よりも小さい。
【0050】
図3は、プラスチック材料で作られた液体タンクと、車両に搭載された液体供給モジュールとの間の本発明による接続装置1の第3の実施形態を示している。本発明の接続装置1は、液体タンクに挿入するように設けられた管状部材10であって、第1の端部100、およびスワールポットを構成するように設けられた第2の端部101を有する管状部材10と、管状部材10の外面に配置されたフランジ11とを備え、フランジ11の表面110は、タンク壁の外面に溶接されるように設けられている。管状部材10は円形断面を有する。接続装置1は、管状部材10の第1の端部100に接続手段12を備え、前記第1の端部100は、液体タンクに溶接されるフランジ面110の反対側においてフランジ11に対して管状部材10上に配置されている。フランジ11は、管状部材10の第1の端部100の近くに配置されている。液体供給モジュールを管状部材10に固定するために設けられた接続手段12は、カムロックである。管状部材10の第2の端部101は、液体が管状部材10内へ入ることができるように設けられた開口部1010を備える。第1の端部100は、液体供給モジュールを挿入するための開口部1000を含む。管状部材10の第2の端部101は、傾斜した上部1012を備える。
【0051】
図4は、プラスチック材料で作られた液体タンクと、車両に搭載された液体供給モジュールとの間の本発明による接続装置1の第4の実施形態を示している。本発明の接続装置1は、液体タンクに挿入するように設けられた管状部材10であって、第1の端部100、およびスワールポットを構成するように設けられた第2の端部101を有する管状部材10と、管状部材10の外面に配置されたフランジ11とを備え、フランジ11の表面110は、タンク壁の外面に溶接されるように設けられている。管状部材10は円形断面を有する。接続装置1は、管状部材10の第1の端部100に接続手段12を備え、前記第1の端部100は、液体タンクに溶接されるフランジ面110の反対側においてフランジ11に対して管状部材10上に配置されている。フランジ11は、管状部材10の第1の端部100の近くに配置されている。液体供給モジュールを管状部材10に固定するために設けられた接続手段12は、カムロックである。管状部材10の第2の端部101は、液体が管状部材10内へ入ることができるように設けられた開口部1010を備える。第1の端部100は、液体供給モジュールを挿入するための開口部1000を含む。管状部材10の第2の端部101は、傾斜した上部1012を備える。
図3に示した第3の実施形態と
図4に示した実施形態の違いは次のとおりである。
‐ 第2の端部101の上部1012の円周を含む平面と、タンク壁フランジの外面に溶接するために設けられたフランジ11の表面110を含む平面との間の角度α。
‐ 管状部材10の第2の端部101の最高点とフランジ11との間の距離。
【0052】
第2の端部101の上部の円周を含む平面とタンク2の底壁を含む平面との間の角度αは、第2の端部101の上部1012の円周を含む平面とタンク壁フランジの外面に溶接されるように設けられたフランジ11の表面110を含む平面との間の角度αに等しいことは明らかである。
【0053】
図1および
図2に示される実施形態では、第2の端部101の上部の円周を含む平面とタンク2の底壁を含む平面との間の角度αは、0°に等しいことは言うまでもない。
【0054】
図5および
図6は、プラスチック材料で作られたタンク2内のスワールポット4の役割、および液体供給モジュール3による車両の他の部分への液体の送達における持続可能性性能に対するその効果を示している。液体供給モジュール3は、スワールポット4から液体をポンプで送り、好ましくは油圧コネクタを介してそれを供給ラインに供給するように構成されたポンプを備える。好ましくは、液体供給モジュール3および/またはスワールポット4は、加熱要素、好ましくは可撓性加熱要素を備える。例えば、液体供給モジュール3および/またはスワールポット4は、少なくとも1つの可撓性部分を有する加熱要素を組み込んでいる(すなわち、装備されている)。タンク2内の液体5のレベルは、地面の傾斜だけでなく、車両の動きにも依存する。スワールポット4は、液体供給モジュール3の近くに液体を蓄えすぐに供給できるようにしておくことで、
図6に示されるように、地面の向きおよび車両の動きに依存しない液体の送達を可能にする。スワールポットの高さは、傾斜地などで優れた持続可能性を確保するために、できるだけ高くする必要がある。
【0055】
図7は、液体供給モジュール3がタンク2に含まれる液体を送達する能力に対するスワールポットの不在の影響、および液体供給モジュール3の近くの液体5の存在に対する地面の傾斜の影響を示している。
【0056】
図8は、タンク2の寸法に適合しない液体供給モジュール3を含む標準化されたスワールポット設計4の使用の限界を示しており、スワールポット4の高さは、タンク2の高さを超えている。
【0057】
図9および
図10は、スリット1011を含むスワールポット4を示し、前記スワールポット4は、液体供給モジュール3を含む。スリット1011は、液体5のレベルがスワールポット4の高さよりも低いという問題を克服するためのもので、液体5のレベルが低いと、スワールポット4の内部がタンク2と流体的に接続されなくなる。スリット1011の位置と高さは、特定のタンク用途に合わせて調整する必要があり、持続可能な供給性能と動的デッドボリュームの制限、つまり車両の動きおよび/または地面の傾斜によって生成されたタンク2内の液体5の動きにもかかわらず液体供給モジュール3のポンプで吸引できない容積との間の妥協点である。スリット1011は、タンク2内の液面5に関してそれほど重要ではない方向に向ける必要がある。
【0058】
図11は、液体供給モジュール3と本発明による接続装置1との間の接続、および接続装置1のプラスチック材料のタンクへの溶接を示す、本発明によるタンク2の第1の実施形態の垂直断面図を示す。本発明の接続装置のフランジ11は、タンク2の底壁の開口部の縁に溶接されている。接続装置1の管状部材は、管状部材の第2の端部の開口部を介してタンク2と流体的に連通している。液体供給モジュール3は、スワールポット4のベースを形成する接続装置1の管状部材の第1の端部に取り付けられている。液体供給モジュール3は、管状部材の第1の端部に配置された接続手段12に固定され、前記第1の端部は、液体タンク2に溶接されるように設けられたフランジ表面の反対側においてフランジ11に対して管状部材に配置されている。接続手段は、Oリング120であるシールおよびLリング121を含むアセンブリ手段を備える。
【0059】
図11は、液体供給モジュール3と本発明による接続装置1との間の接続、および接続装置1のプラスチック材料のタンクへの溶接を示す、本発明によるタンク2の第2の実施形態の垂直断面図を示す。本発明の接続装置のフランジ11は、タンク2の底壁の開口部の縁に溶接されている。接続装置1の管状部材は、管状部材の第2の端部の開口部を介してタンク2と流体的に連通している。液体供給モジュール3は、スワールポット4のベースを形成する接続装置1の管状部材の第1の端部に取り付けられている。液体供給モジュール3は、管状部材の第1の端部に配置された接続手段12に固定され、前記第1の端部は、液体タンク2に溶接されるように設けられたフランジ表面の反対側においてフランジ11に対して管状部材に配置されている。接続手段は、Oリング120であるシールとロックナット123とを含むアセンブリ手段を備える。
【0060】
図13は、本発明によるタンク2の詳細を示す拡大断片図である。自動車用途のプラスチック材料で作られた液体タンク2は、開口部5を備え、スワールポットは、開口部5の内部に配置され、前記スワールポットは、本発明による接続装置1を備える。接続装置1は、液体タンク2に挿入されるように設けられた管状部材10を備える。管状部材10は、第1の端部およびスワールポットを構成するために設けられた第2の端部と、管状部材10の外部部分に配置されたフランジ11とを有し、フランジ11の表面は、タンク壁2の外面に溶接されるように提供される。接続装置1は、管状部材の第1の端部に接続手段12を備え、前記第1の端部は、液体タンク2に溶接されるように設けられたフランジ表面の反対側においてフランジ11に対して管状部材に配置されている。接続手段12は、液体供給モジュール3を管状部材10に固定するために提供され、管状部材10の第2の端部は、管状部材への液体の流入を可能にするために提供される開口部を備える。第1の端部は、液体供給モジュール3を挿入するために設けられた開口部を含む。
【0061】
図14は、プラスチック材料で作られた液体タンクと、車両に搭載された液体供給モジュールとの間の本発明による接続装置1の第5の実施形態を示している。本発明の接続装置1は、液体タンクに挿入するように設けられた管状部材10と、第1の端部100とスワールポット4を構成するように設けられた第2の端部101とを有する管状部材10と、管状部材10の外部に配置されたフランジとを備え、フランジ11の表面110は、タンク壁の外面に溶接されるように提供される。管状部材10は、円形断面または略円形断面を有する。接続装置1は、管状部材10の第1の端部100に接続手段12を備え、前記第1の端部100は、液体タンクに溶接されるフランジ面110の反対側においてフランジ11に対して管状部材10上に配置されている。フランジ11は、管状部材10の第1の端部100の近くに配置されている。液体供給モジュールを管状部材10に固定するために設けられた接続手段12は、カムロックである。管状部材10の第2の端部101は、液体が管状部材10内へ入ることができるように設けられた開口部1010を備える。第1の端部100は、液体供給モジュールを挿入するための開口部1000を含む。管状部材10の第2の端部101は、スリット1011および傾斜した上部1012を備える。第2の端部110の上部1012の円周を含む平面と、タンク壁フランジの外面に溶接するために設けられたフランジ11の表面110を含む平面との間の角度αは、16.7°に等しい。さらに、第1の端部100の内径は、スワールポットすなわち第2の端部101の内径よりも小さい。スワールポットの内径は例えば約128mmであり、第1の端部の内径は例えば約121mmである。第1の端部の内径と第2の端部101の内径との間に複数のリブ1030が設けられている。第2の端部101は、上部機械的保護手段、例えば、アバットメントまたはフィンガー1032をさらに備える。これらの上部機械的保護手段は、液体供給モジュール3の一部を保護するために提供され、この部分は、好ましくは加熱要素3010であり、加熱要素3010は、好ましくは少なくとも1つの可撓性部分を有する。
【0062】
図13に示される本発明によるタンク2を製造するために使用される方法は、以下のステップを含む。
‐ ブロー成形プロセスなどにより、プラスチック材料で作られたタンク2を提供する。
‐ 前記タンク2に開口部5を設ける。
‐ フランジ11を介して本発明による接続装置1をタンク2の底壁に溶接する。
‐ 液体供給モジュール3を本発明による接続装置1に固定する。
【0063】
前の実施形態では、液体タンク2は、好ましくは、ポリエチレン(PE)ならびに接続装置1でできているようなものである。
【0064】
液体タンク2は、液体タンク2に収容される液体が水溶液であるようなものである。一般的に、水溶液は、脱塩水または尿素水である。液体タンク2の容量は、たとえば15~25リットルである。例えば、液体タンク2は細長い形状であり、長さ/幅の比が3よりも大きく、長さ/高さの比が5より大きく、長さが1メートルよりも大きいことが好ましい。
【0065】
前の実施形態では、スワールポット4は、加熱手段を含み得る。
【0066】
例えば、スワールポット4は、スワールポット4の材料に埋め込まれ、したがってスワールポット4の内側および外側の液体を加熱することを可能にする電気加熱要素を含み得る。したがって、スワールポット4は多層であり、層の1つは電気加熱要素を収容するか、または電気加熱要素は少なくとも1つの層に埋め込まれる。例えば、加熱導体材料を備えたプラスチック層は、ポリエチレン(PE)材料で押し出しコーティングされている。プラスチック層もポリエチレン製の場合、プラスチック層と押出コーティングの間に確実な接続があり、必要な熱伝達が最適化される。例えば、電気加熱導体は刺しゅうによってプラスチック層に固定される。この点で、加熱導体は繊維である可能性がある。
【0067】
あるいは、スワールポット4は、好ましくは、PTC(正の温度係数)プラスチック材料でできていてもよく、したがって、スワールポット4の内側および外側の液体を加熱することができる。PTCプラスチック材料が2つの電極の間に少なくとも部分的に設置されるように電極を提供することにより、PTCプラスチック材料は、電極に電気を供給することによって熱を提供することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 接続装置
2 液体タンク
3 液体供給モジュール
4 スワールポット
5 開口部
10 管状部材
11 フランジ
12 接続手段
100 第1の端部
101 第2の端部
110 フランジ面
120 Oリング
121 Lリング
123 ロックナット
1000 開口部
1010 開口部
1011 スリット
1012 上部
1030 リブ
1032 フィンガー
3010 加熱要素
【国際調査報告】